IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クラミー技術研究所の特許一覧

<>
  • 特許-シェルター 図1
  • 特許-シェルター 図2
  • 特許-シェルター 図3
  • 特許-シェルター 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】シェルター
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/14 20060101AFI20240507BHJP
   E02B 3/10 20060101ALI20240507BHJP
   A62B 99/00 20090101ALI20240507BHJP
【FI】
E04H9/14 Z
E02B3/10
A62B99/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022145061
(22)【出願日】2022-09-13
(65)【公開番号】P2024040608
(43)【公開日】2024-03-26
【審査請求日】2022-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】510302308
【氏名又は名称】株式会社クラミー技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫
(74)【代理人】
【識別番号】100100169
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 剛
(72)【発明者】
【氏名】倉本 俊司
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-164344(JP,A)
【文献】特開2012-229594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/14
E02B 3/10
A62B 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
津波又は洪水から避難するためのシェルターであって;
入口を除いて気密性と耐圧性を有する気密性材料で囲まれた空間である内部空間を備え;
前記内部空間は、前記シェルターへの前記入口を有する入口部と、避難者が避難するための避難空間と、前記入口部と前記避難空間を接続する筒型通路とを有し、
前記筒型通路は鉛直軸を前記気密性材料で囲まれ、下側の前記入口部との接続開口及び上側の前記避難空間との接続開口のみに開放部分を有し、外部に面する外壁及び、前記避難空間との間を仕切る内壁は、前記気密性材料で形成され、前記入口部は外部への開放部分である前記入口及び前記筒型通路との接続開口のみに開放部分を有し、外部に面する外壁及び前記避難空間との間を仕切る内壁は前記気密性材料で形成され、前記避難空間は前記筒型通路との接続開口のみに開放部分を有し、外部に面する外壁及び前記筒型通路との間を仕切る内壁及び前記入口部との間を仕切る内壁は前記気密性材料で形成され、前記入口の上端より低い位置を含み、
前記入口から水が前記内部空間に流入した場合は、前記筒型通路内の平面に水と空気を分ける境界面が発生し、前記筒型通路内に前記境界面が存在する限り、前記水が前記避難空間に流入することなく、前記避難空間が避難可能な空間として機能する;
シェルター。
【請求項2】
前記避難空間内に常圧近傍の状態で閉鎖可能な常圧室が設けられる;
請求項1に記載のシェルター。
【請求項3】
堤防に隣接して又は堤防の内部に前記内部空間が設けられる:
請求項1又は請求項2に記載のシェルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避難者を津波・洪水又はその他の災害から守るシェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
地震が発生し津波が発生すると、時には津波が内陸深く進行して家屋が破壊され、持ち去られるとともに、高台に避難できない人は津波の犠牲となるということは、東日本大震災が示している。
【0003】
従来、津波・洪水など非常事態時の避難用シェルターは、例えば、避難床を入口の上端より高い位置に作らなければならないとされてきた。このため、入口の上端より低い位置を活用することができなかった。
【0004】
津波がさほど大きくなければ、シェルターの内部空間の水と空気の境界面は入口の上端よりさほど高くならないが、例えば高さ10m以上(30m以上になることもある)の大津波では、シェルター内部の水面が入口の上端より相当高くなってしまうという問題があった(特許文献1参照)。
また、内部空間の気圧が、例えば1.3気圧以上になると、避難者に健康被害が生じ得るという問題があった。
【0005】
なお、発明者は、入口の扉を自動的に閉鎖することにより、内部空間の圧力上昇を抑え、また、内部空間に常圧室を設けて健康被害を防ぐ提案をした。しかし、依然として、入口の上端より低い位置を活用することができなかった(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実3188958号公報
【文献】特6514917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、入口の上端より低い位置を含め、広い空間を避難空間として利用できるようにすることを目的とする。
また、高台から遠い位置でも避難空間を形成できれば、通常は避難が難しい人を含め、誰でもが逃げ込み易くなり、命拾いすることができるので、高台から遠い位置でも避難空間を形成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るシェルター1は、例えば図1に示すように、津波又は洪水から避難するためのシェルター1であって、
入口11Aを除いて気密性と耐圧性を有する気密性材料で囲まれた空間である内部空間10を備え、
内部空間10は、シェルター1への入口11Aを有する入口部11と、避難者9が避難するための避難空間13と、入口部11と避難空間13を接続する筒型通路12とを有し、
筒型通路12は鉛直軸16を気密性材料で囲まれ、下側の入口部11との接続開口及び上側の避難空間13との接続開口のみに開放部分を有し、外部に面する外壁及び避難空間13との間を仕切る内壁は気密性材料で形成され、入口部11は外部への開放部分である入口11A及び筒型通路12との接続開口のみに開放部分を有し、外部に面する外壁及び避難空間13との間を仕切る内壁18は気密性材料で形成され、避難空間13は筒型通路12との接続開口のみに開放部分を有し、外部に面する外壁2,3及び、筒型通路12との間を仕切る内壁18及び、入口部11との間を仕切る内壁18は、気密性材料で形成され、入口11Aの上端11Bより低い位置を含み、入口11Aから水が内部空間10に流入した場合は、筒型通路12内の平面に水と空気を分ける境界面22が発生し、筒型通路12内に境界面22が存在する限り、水が避難空間13に流入することなく、避難空間13が避難可能な空間として機能する。
【0009】
ここにおいて、気密性とは気体及び液体を通さないことをいい、耐圧性とは例えば高さ50mの津波で、絶対圧で6気圧の水圧を受けたときに破壊・損傷されないことをいう。また、気密性と耐圧性を有する材料としては、例えば機密に形成された鉄筋コンクリート、FRP(繊維強化プラスチック)等が挙げられる。また、避難空間13は、避難者9が収容される空間の他に、非常用品・備蓄食料等15を収容する予備空間14を含むものとする。避難空間13内において、避難者9が収容される空間と予備空間14との間に仕切りがあってもなくても良い。非常用品としては、例えば、情報通信機器・バッテリー・酸素ボンベ(代わりに酸素を製造するための過酸化水素水及び二酸化マンガンを備えても良い)等が挙げられる。避難者9及び車椅子が入口部11から避難空間13に行くには、入口部11及び/又は筒型通路12内の階段17・スロープ等が利用される。また、避難空間13に2層以上の多層床を設けると多人数を収容できる。
【0010】
本態様のように構成すると、避難空間13を入口11Aの上端11Bより低い位置にも設けることができるので、広い空間を避難空間として利用できる。また、高台から遠い位置でも避難空間を形成できるので、通常は避難が難しい人を含め、誰でもが逃げ込み易くなり、命拾いすることができる。
【0011】
また、本発明の第2の態様に係るシェルター1Aは、第1の態様において、例えば図3に示すように、避難空間13内に常圧近傍の状態で閉鎖可能な常圧室28が設けられる。
【0012】
本態様のように構成すると、避難者9を常圧近傍の状態の常圧室28に導いて、高圧による避難者9の健康への悪影響を防止できる。
【0013】
また、本発明の第3の態様に係るシェルター1は、第1又は第2の態様において、例えば図1に示すように、堤防に隣接して又は堤防の内部に内部空間10が設けられる。
ここにおいて、堤防に隣接してとは、例えば、堤防の上下、横に接して設けられる場合等をいう。
このように構成すると、堤防の堅固な構造を利用して、津波により位置ずれや傾斜しない安定なシェルターを建設できる。また、堤防工事に便乗してシェルターを建設でき、建設工事の費用を節約できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、避難空間を入口11Aの上端より低い位置にも設けることができるので、広い空間を避難空間として利用できる。また、高台から遠い位置でも避難空間を形成できるので、通常は避難が難しい人を含め、誰でもが逃げ込み易くなり、命拾いすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1におけるシェルターの模式的縦断面図である。
図2】実施例1におけるシェルターに水が侵入した場合の図である。
図3】実施例3におけるシェルターの斜視図である。
図4】実施例3におけるシェルターに水が侵入した場合の模式的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各実施例において同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0017】
実施例1では、堤防と一体的に建設されたシェルターの例を説明する。
【0018】
図1は実施例1における堤防と一体的に建設されたシェルター1の模式的縦断面図である。図において、1はシェルター、2は海側側壁(外壁)、3は陸側側壁(外壁)、4は基礎、5は床、6は天井であり、2から6はいずれも気密性・耐圧性のコンクリートである。4Aはシェルターを土地に固定するためのアンカーでコンクリート製である。7は道路、8は自動車、8Aは通行人、8Bはガードレールである。9は避難者である。10は内部空間で、入口部11、筒型通路12、避難空間13により構成される。入口部11及び筒型通路12の範囲は太い破線で囲んで示す。避難空間13は、避難者9が収容される空間の他に、非常用品・備蓄食料等15を収容する予備空間14を含む。避難空間13内に避難者9を収容する空間と予備空間14との間には仕切り(図1では床5)があってもなくても良い。また、避難者9を収容する空間と予備空間14との間の仕切に蓋5Aが設けられ、非常用品・備蓄食料等15を避難者9が収容される空間に取り出せる。また、避難者9及び車椅子は入口11Aから入る。15は非常用品・備蓄食料等で、予備空間14に収納される。この例では入口11Aは開放され、入口11Aに扉を有さない。入口11Aの奥に表示された矩形部分は入口の枠である。非常用品としては、例えば、救急箱、乳幼児用器具、懐中電灯、酸素ボンベ(代わりに酸素を製造するための過酸化水素水及び二酸化マンガンを備えても良い)及び、バッテリー、情報通信機器、寝具等が挙げられる。平常時には、シェルター1内に水は侵入していない。ここでも、気密性が重要な要件である。シェルター内の空気漏れが僅かであっても、そこに水が来れば、水の侵入を止めることはできなくなる。
【0019】
また、シェルター1は、入口11Aを除いて気密性と耐圧性を有する気密性材料で囲まれた空間である内部空間10を備える。内部空間10は、シェルター1への入口11Aを有する入口部11と、避難者9が避難するための避難空間13と、入口部11と避難空間13を接続する筒型通路12とを有する。筒型通路12は鉛直軸16を気密性材料で囲まれ、下側の入口部11との接続開口及び上側の避難空間13との接続開口のみに開放部分を有し、外部に面する外壁2、3及び避難空間13との間を仕切る内壁18は気密性材料で形成される。入口部11は外部への開放部分である入口11A及び筒型通路12との接続開口のみに開放部分を有し、外部に面する外壁及び避難空間13との間を仕切る内壁18は気密性材料で形成される。避難空間13は筒型通路12との接続開口のみに開放部分を有し、外部に面する外壁2、3及び、筒型通路12との間を仕切る内壁18及び、入口部11との間を仕切る内壁18は、気密性材料で形成される。また、避難空間13は入口11Aの上端11Bより低い位置を含む。
【0020】
図2にシェルター1に水が侵入した場合の例を示す。入口11Aから水が内部空間10に流入した場合は、筒型通路12内の平面に水と空気を分ける境界面22が発生する。そして、境界面22が筒型通路12内に存在する限り、水が避難空間13に流入することなく、避難空間13が避難可能な空間として機能する。
図2において、21は海面、22は水と空気を分ける境界面22である。境界面22において、シェルター1内の空気圧と海水の圧力がバランスしているため、水はシェルター1内に侵入していない。このため、避難空間13内の入口11Aの上端11Bより低い部分であっても、水が浸入しない。海水中の水圧は海面から10m深くなるごとに1気圧上昇する。したがって、境界面22の海面21からの深さをH(m)とすると、境界面の海水の圧力は、H/10気圧となる。津波の高さが10mであれば、境界面22上の避難空間13の気圧は2気圧となり、体積は1/2になる。津波の高さが20mであれば、境界面22上の避難空間13の気圧は3気圧となり、体積は1/3になる。したがって、水と空気を分ける境界面22は、気密性材料で囲まれた避難空間13の体積減少につれて筒型通路12内を上昇する。しかし、境界面22が筒型通路12内に存在する限り、水が避難空間13に流入することなく、避難空間13が避難可能な空間として機能する。
【0021】
本実施例によれば、避難空間13を入口11Aの上端11Bより低い位置にも設けることができるので、広い空間を避難空間として利用できる。また、高台から遠い位置でも避難空間を形成できるので、通常は避難が難しい人を含め、誰でもが逃げ込み易くなり、命拾いすることができる。
【実施例2】
【0022】
実施例2では堤防等と一体的ではなく独立に建設されたシェルターの例について説明する。
この例では、図1に記載の道路7がなくなる。シェルター1Aは単体でも建設可能であるが、複数のシェルターをまとめて建設できる。縦・横・高さも任意に設定できる。シェルター1Aは単体でも建設可能であるが、複数のシェルターを並べ、鎖等で繋げば、もし、どれか1体が浮いた場合でも、他の何体かで流されないように支えることができる。また、避難空間13に3層以上の多層床を設け、収容人数を増やすこともできる。なお、ここでも、気密性が重要な要件である。シェルター内の空気漏れが僅かであっても、そこに水が来れば、水の侵入を止めることはできなくなる。
本実施例によれば、避難空間13を入口11Aの上端11Bより低い位置にも設けることができるので、広い空間を避難空間として利用できる。また、高台から遠い位置でも避難空間を形成できるので、通常は避難が難しい人を含め、誰でもが逃げ込み易くなり、命拾いすることができる。
【実施例3】
【0023】
実施例3では、津波が大きくなり、シェルター1A内に水が侵入した場合において、避難空間13内に常圧近傍に保つ常圧室28を設けて、避難者9の健康を守る例を説明する。
図3に実施例3におけるシェルター1Aの斜視図の例を示す。また、図4にシェルター1Aの模式的縦断面図を示す。また、シェルター1A内に水が浸入した場合を示す。津波が大きくなると、境界面22は筒型通路12の上端を超えてしまう場合がある。また、気圧が1.3気圧を超えると、人体の健康に異常を生じるおそれがあるともいわれている。そこで、避難者の健康を守るために、避難空間13に常圧室28を設けて、津波が来る前の常圧の状態で扉29を開けて避難者9を常圧室28に誘導し、避難者9が入室し終えたら常圧室28の扉29を閉鎖し、常圧室28を密閉して気圧を常圧室28への入室時の状態に保持する。常圧室28外の避難空間13の気圧及び水圧は上昇する。常圧室28の壁面及び扉29は機密性の材料で作成される。津波がシェルター1Aを覆う間は扉29を閉鎖状態に保持し、津波が引いた後に扉29を開放する。これにより、避難者9は健康状態を保たれる。なお、非常用品・備蓄食料等15は常時、常圧室28にも入れておくことが好ましい。常圧室28内に非常用品・備蓄食料等15を収納する予備室14を設けても良い。5Aは予備室14の蓋である。ここで、常圧室28の気密性が重要な要件である。常圧室28は気密性材料で囲まれている。シェルター1A内及び常圧室28内の空気漏れが僅かであっても、そこに水が来れば、水の侵入を止めることはできなくなる。
【0024】
図3及び図4では、階段17の傍に常圧室28が設けられ、常圧室28の出入口の扉29が外側への開き戸になっている。常圧室28が階段17の傍なので、常圧室28の体積を広くとれて、多数の避難者を収容可能になる。常圧室28の広さ、扉29の種類に関しては、現場の状況に応じて自由に選択できるので、どれを選ぶかは設計者の自由である。例えば扉を外側と内側に開ける2重扉にして、気密性を確実にしても良い。また、飛行機の扉や潜水艦のハッチの扉のようにハンドル操作等により気密性を増す構造にしても良い。なお、3Cは海側・陸側以外の側壁(外壁)である。
本実施例によっても、避難空間13及びその一部である常圧室28を入口の上端11Bより低い位置にも設けることができるので、広い空間を避難空間として利用できる。また、高台から遠い位置でも避難空間を形成できるので、通常は避難が難しい人を含め、誰でもが逃げ込み易くなり、命拾いすることができる。
【0025】
以上説明したように、以上の実施例に係るシェルターは、大津波でも安全を確保できるシェルターを提供できる。大津波が来た時に入口11Aを開放状態にして大津波を被ってしまう直前まで入口11Aを通して避難することができ、大津波が収まり海水が海へ戻るまでの間、避難者9を大きな津波から護るという効果を有する。また、海岸線の近くに短時間で大津波から避難できる高台が存在しない地域に建設して、大津波の到来時間前に迅速に避難できる設備として有用である。また、避難空間13を入口11Aの上端11Bより低い位置にも設けることができるので、広い空間を避難空間13として利用できる。
また、以上の実施例によれば、老人、子供、病人、障碍者、妊婦、高台から遠くにいる人等でも、シェルター内に避難空間が形成されるので、通常は避難が難しい人を含め、誰でもが逃げ込も易くなり、命拾いすることができる。
【0026】
本発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【0027】
例えば、実施例1では、堤防と一体的に建設されたシェルター1の例を説明したが、この例に限定されず、地下シェルター、高層ビル、地下道と一体的に建設されても良く、野原・公園・校庭等に独立に建設されても良い。また、海側側壁2及び陸側側壁3がシェルターの内側に傾斜している例を説明したが、これらの外壁を垂直に建設しても良い。また、図1では入口部11に階段17を設置する例を記したが、スロープを設置しても良い。また、基礎4を支えるアンカー4Aや地中杭を用いる場合は、津波により位置ずれや傾きが生じないように堅固にするのが好ましいが、堅固な地下室や地下道に連接される場合は地下室や地下道のアンカーや地中杭を利用しても良い。また、入口11Aに扉を付けても良く、入口11Aの扉は開放でなく、自動的に閉められるようにしても良い。また、外との連絡、災害情報や安否情報がとれるなど通信設備を充実することが好ましい。その他、シェルター及び外壁・内壁・床・天井等の各部の材料、寸法、形状等は現場の情況に応じって自由に設定可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明のシェルターは津波、洪水又はその他の災害時の避難者の救済に利用できる。
【符号の説明】
【0029】
1,1A シェルター
2,2A 海側側壁(外壁)
3,3A 陸側側壁(外壁)
3C 海側・陸側以外の側壁(外壁)
4 基礎
4A アンカー
5 床
5A 床の蓋
6 天井
7 道路
8 自動車
8A 通行人
8B ガードレール
9 避難者
10 内部空間
11 入口部
11A 入口
11B 入口の上端
12 筒型通路
13 避難空間
14 予備空間
15 非常用品・備蓄食料等
16 筒型通路の鉛直軸
17 階段
18 避難空間と筒型通路又は入口部との間を仕切る内壁
21 海面
22 水と空気を分ける境界面
28 常圧室
29 常圧室の扉
H 津波の高さ
図1
図2
図3
図4