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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】媒体供給装置及び記録装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 11/00 20060101AFI20240507BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20240507BHJP
   G03G 21/16 20060101ALN20240507BHJP
【FI】
B65H11/00 A
B41J29/13
G03G21/16 195
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019195445
(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公開番号】P2021066596
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】森澤 僚一
(72)【発明者】
【氏名】松木 孝
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-110468(JP,A)
【文献】特開2016-163961(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0257146(US,A1)
【文献】特開2014-209710(JP,A)
【文献】特開2007-153455(JP,A)
【文献】特開2016-044045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
B65H 11/00
B41J 29/13
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を支持する第1支持面が形成され、装置本体に傾倒可能に設けられ、非使用状態の姿勢から傾倒されることで、前記第1支持面が前記媒体を支持する使用状態に切り換わる第1支持部と、
前記媒体を支持する第2支持面が形成され、前記使用状態の前記第1支持部に対して前記媒体の供給方向の上流側に配置される第2支持部と、
前記供給方向における前記第1支持部よりも上流側に向けて傾倒可能に前記装置本体に設けられ、前記第2支持部を引き出し可能に収容する収容部と、
前記供給方向において前記第1支持面及び前記第2支持面が並ぶように、前記第1支持部及び前記収容部を傾倒姿勢で保持する保持部と、を備え、
前記保持部は、
前記装置本体に設けられ、前記使用状態の前記第1支持部と接触する接触部と、
前記第1支持部及び前記収容部に設けられ、前記第1支持部の傾倒と前記収容部の傾倒とを連動させる連動部と、を有し、
前記接触部及び前記連動部は、前記供給方向と交差する幅方向において同じ位置に配置されている、
ことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の媒体供給装置において、
前記連動部は、
前記第1支持部及び前記収容部の一方に形成された溝部と、
前記第1支持部及び前記収容部の他方に形成され、前記溝部に挿入された挿入部と、
を有することを特徴とする媒体供給装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の媒体供給装置において、
前記装置本体に開閉可能に設けられ、閉状態で前記第1支持部、前記第2支持部及び前記収容部を覆い、前記閉状態から開状態へ移行する場合に前記第1支持部及び前記収容部を傾倒させ且つ露出させる開閉部材を有する、
ことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項4】
媒体を支持する第1支持面が形成され、装置本体に傾倒可能に設けられ、非使用状態の姿勢から傾倒されることで、前記第1支持面が前記媒体を支持する使用状態に切り換わる第1支持部と、
前記媒体を支持する第2支持面が形成され、前記使用状態の前記第1支持部に対して前記媒体の供給方向の上流側に配置される第2支持部と、
前記供給方向における前記第1支持部よりも上流側に向けて傾倒可能に前記装置本体に設けられ、前記第2支持部を引き出し可能に収容する収容部と、
前記供給方向において前記第1支持面及び前記第2支持面が並ぶように、前記第1支持部及び前記収容部を傾倒姿勢で保持する保持部と、を備え、
前記装置本体に開閉可能に設けられ、閉状態で前記第1支持部、前記第2支持部及び前記収容部を覆い、前記閉状態から開状態へ移行する場合に前記第1支持部及び前記収容部を傾倒させ且つ露出させる開閉部材を有し、
前記開閉部材は、前記装置本体に傾倒可能に設けられ、
前記装置本体の前記供給方向と交差する高さ方向において、前記開閉部材の傾倒の支点の第3高さ位置は、前記第1支持部の傾倒の支点の第1高さ位置と、前記収容部の傾倒の支点の第2高さ位置との間に位置する、
ことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項5】
請求項4に記載の媒体供給装置において、
前記開閉部材は、傾倒された状態において、前記使用状態の前記第2支持部を支持する、
ことを特徴とする媒体供給装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の媒体供給装置と、
記録装置本体に開閉可能に設けられ、閉状態で媒体の情報を読み取り、開状態で前記開閉部材と接触して前記開閉部材を前記開状態とする読取部と、
受け取った情報に基づいて、媒体に情報を記録する記録部と、
を有することを特徴とする記録装置。
【請求項7】
媒体供給装置と、
記録装置本体に開閉可能に設けられ、閉状態で媒体の情報を読み取り、開状態で前記開閉部材と接触して前記開閉部材を前記開状態とする読取部と、
受け取った情報に基づいて、媒体に情報を記録する記録部と、を有し、
前記媒体供給装置は、
媒体を支持する第1支持面が形成され、装置本体に傾倒可能に設けられ、非使用状態の姿勢から傾倒されることで、前記第1支持面が前記媒体を支持する使用状態に切り換わる第1支持部と、
前記媒体を支持する第2支持面が形成され、前記使用状態の前記第1支持部に対して前記媒体の供給方向の上流側に配置される第2支持部と、
前記供給方向における前記第1支持部よりも上流側に向けて傾倒可能に前記装置本体に設けられ、前記第2支持部を引き出し可能に収容する収容部と、
前記供給方向において前記第1支持面及び前記第2支持面が並ぶように、前記第1支持部及び前記収容部を傾倒姿勢で保持する保持部と、を備え、
前記装置本体に開閉可能に設けられ、閉状態で前記第1支持部、前記第2支持部及び前記収容部を覆い、前記閉状態から開状態へ移行する場合に前記第1支持部及び前記収容部を傾倒させ且つ露出させる開閉部材を有する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の媒体供給装置と、
受け取った情報に基づいて、媒体に情報を記録する記録部と、
を有することを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体を供給する媒体供給装置及び媒体供給装置を備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
供給される用紙の姿勢を決める給紙トレイを有する媒体供給装置が従来から知られており、その一例が特許文献1に示されている。
特許文献1記載の給紙トレイは、筐体の後部の給紙口に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-253612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、装置本体に固定され媒体の傾斜した姿勢を決める媒体姿勢決め部材と、該媒体姿勢決め部材に連続して設けられ、展開状態で媒体を支持する媒体支持部材とを有する媒体供給装置がある。
この媒体供給装置では、媒体姿勢決め部材が傾斜した状態で固定されているので、該媒体姿勢決め部材の大きさの分だけ、装置本体に必要とされるスペースが大きくなる。つまり、媒体供給装置を小型化し難くなる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明に係る媒体供給装置は、媒体を支持する第1支持面が形成され、装置本体に傾倒可能に設けられ、非使用状態の姿勢から傾倒されることで、前記第1支持面が前記媒体を支持する使用状態に切り換わる第1支持部と、前記媒体を支持する第2支持面が形成され、前記使用状態の前記第1支持部に対して前記媒体の供給方向の上流側に配置される第2支持部と、前記供給方向における前記第1支持部よりも上流側に向けて傾倒可能に前記装置本体に設けられ、前記第2支持部を引き出し可能に収容する収容部と、前記供給方向において前記第1支持面及び前記第2支持面が並ぶように、前記第1支持部及び前記収容部を傾倒姿勢で保持する保持部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係るプリンターを斜め前方から見た斜視図。
図2】実施形態に係るプリンターを斜め後方から見た斜視図。
図3】実施形態に係る背面側給紙部の内部構成を表す側断面図(図1の3-3線断面図)。
図4】実施形態に係る第1サポート部及び収容部の一部を表す斜視図。
図5】実施形態に係る背面側給紙部のカバー部材を除いた状態を表す斜視図。
図6】実施形態に係るプリンターの第2サポート部の展開状態を表す斜視図。
図7】実施形態に係る背面側給紙部における第2サポート部の展開状態を表す側断面図。
図8】実施形態に係る第1サポート部及び収容部の非使用状態を表す斜視図。
図9】実施形態に係る第1サポート部、収容部及び接触部を表す概略図。
図10】実施形態に係る第1サポート部及び収容部の傾倒状態を表す斜視図。
図11】実施形態に係る背面側給紙部の内部構成を表す側断面図(図1の11-11線断面図)。
図12】実施形態に係る第1サポート部、第2サポート部及び収容部の非使用状態を表す概略図。
図13】実施形態に係るプリンターのカバー部材を開放した状態を表す斜視図。
図14】実施形態に係る背面側給紙部のカバー部材を開放した状態における内部構成を表す側断面図。
図15】実施形態に係る第2サポート部の展開状態における各部材の配置関係を表す概略図。
図16】実施形態に係るADFユニットの開状態を表す側面図。
図17】実施形態に係るADFユニットの開状態における背面側給紙部の内部構成を表す側断面図。
図18】実施形態に係るADFユニット及びスキャナーユニットの開状態を表す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様に係る媒体供給装置は、媒体を支持する第1支持面が形成され、装置本体に傾倒可能に設けられ、非使用状態の姿勢から傾倒されることで、前記第1支持面が前記媒体を支持する使用状態に切り換わる第1支持部と、前記媒体を支持する第2支持面が形成され、前記使用状態の前記第1支持部に対して前記媒体の供給方向の上流側に配置される第2支持部と、前記供給方向における前記第1支持部よりも上流側に向けて傾倒可能に前記装置本体に設けられ、前記第2支持部を引き出し可能に収容する収容部と、前記供給方向において前記第1支持面及び前記第2支持面が並ぶように、前記第1支持部及び前記収容部を傾倒姿勢で保持する保持部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、前記第1支持部が非使用状態の姿勢から傾倒されることで、前記第1支持面が前記媒体を支持する使用状態に切り換わる。
前記収容部は、前記供給方向における前記第1支持部よりも上流側に向けて傾倒される。そして、前記第2支持部が、前記収容部から引き出され、前記第1支持部に対して前記媒体の供給方向の上流側に配置される。
前記保持部は、前記供給方向において前記第1支持面及び前記第2支持面が並ぶように、前記第1支持部及び前記第2支持部を傾倒姿勢で保持する。
【0009】
ここで、前記第1支持部及び前記収容部の非使用状態では、前記第1支持部及び前記収容部の傾倒状態に比べて、前記装置本体の一方向に必要な格納スペースが小さくなる。つまり、前記第1支持部が傾倒状態で固定されている構成に比べて、媒体供給装置を小型化することができる。
【0010】
第2の態様に係る媒体供給装置は、第1の態様において、前記保持部は、前記装置本体に設けられ、前記使用状態の前記第1支持部と接触する接触部と、前記第1支持部及び前記収容部に設けられ、前記第1支持部の傾倒と前記収容部の傾倒とを連動させる連動部と、を有することを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記第1支持部が傾倒された場合に、前記連動部によって、前記第2支持部も傾倒される。ここで、前記第1支持部が前記接触部と接触することで、前記第1支持部の傾倒状態が保持され、且つ前記収容部の傾倒状態が保持される。そして、前記第2支持部が前記収容部から引き出され、前記供給方向において前記第1支持面及び前記第2支持面が並ぶ。
このように、前記連動部によって、前記第1支持部及び前記収容部が連動するので、前記第1支持部を傾倒させて前記接触部と接触させる一工程のみで、前記第1支持部及び前記収容部を傾倒状態で保持することができる。つまり、前記第1支持部及び前記収容部を傾倒状態で保持する作業を簡単に行うことができる。
【0012】
第3の態様に係る媒体供給装置は、第2の態様において、前記連動部は、前記第1支持部及び前記収容部の一方に形成された溝部と、前記第1支持部及び前記収容部の他方に形成され、前記溝部に挿入された挿入部と、を有することを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、前記第1支持部の傾倒角度が変わった場合に、前記挿入部と前記溝部との接触位置が変わり、前記収容部の傾倒角度が変わる。このように、前記溝部と前記挿入部とを接触させるだけでよいので、前記第1支持部と前記収容部とを簡単な構成で連動させることができる。
【0014】
第4の態様に係る媒体供給装置は、第2の態様又は第3の態様において、前記接触部及び前記連動部は、前記供給方向と交差する幅方向において同じ位置に配置されていることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記接触部及び前記連動部が、前記幅方向において同じ位置に配置されている。つまり、前記接触部と前記連動部とが近づいている。ここで、前記第1支持部に前記媒体の荷重が作用した場合に、前記連動部が前記装置本体の前記接触部に近い位置にあることで、前記連動部が前記接触部から離れて位置する構成に比べて、該荷重を前記装置本体で受け易くなる。換言すると、前記連結部に該荷重が作用し難くなるので、前記第1支持部に前記媒体を載せた場合における前記連動部の変形を抑制することができる。
【0016】
第5の態様に係る媒体供給装置は、第1の態様から第4の態様のいずれか1つにおいて、前記装置本体に開閉可能に設けられ、閉状態で前記第1支持部、前記第2支持部及び前記収容部を覆い、前記閉状態から開状態へ移行する場合に前記第1支持部及び前記収容部を傾倒させ且つ露出させる開閉部材を有することを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、前記開閉部材の前記閉状態において、前記第1支持部、前記第2支持部及び前記収容部が前記開閉部材に覆われるので、前記第1支持部、前記第2支持部及び前記収容部が汚れ難くなる。また、前記開閉部材を前記開状態へ移行した場合には、前記開閉部材が前記第1支持部及び前記収容部を傾倒させ且つ露出させるので、前記開閉部材の開放動作と、前記第1支持部及び前記収容部の傾倒動作とを別々に行わなくて済む。
このように、前記第1支持部、前記第2支持部及び前記収容部が汚れるのを抑制し、さらに、前記媒体供給装置の操作に必要な動作を減らすことができる。
【0018】
第6の態様に係る媒体供給装置は、第5の態様において、前記開閉部材は、前記装置本体に傾倒可能に設けられ、前記装置本体の前記供給方向と交差する高さ方向において、前記開閉部材の傾倒の支点の第3高さ位置は、前記第1支持部の傾倒の支点の第1高さ位置と、前記収容部の傾倒の支点の第2高さ位置との間に位置することを特徴とする。
【0019】
装置本体の底面を基準面とする。前記開閉部材が前記第1支持部及び前記収容部を露出させるためには、前記基準面に対する前記第1支持部の傾倒角度、又は前記基準面に対する前記収容部の傾倒角度に比べて、前記基準面に対する前記開閉部材の傾倒角度が小さくなる必要がある。
ここで、本態様によれば、前記開閉部材の傾倒の支点の前記第3高さ位置が、前記第1支持部の傾倒の支点の前記第1高さ位置と、前記収容部の傾倒の支点の前記第2高さ位置との間に位置している。これにより、前記第3高さ位置が前記基準面に最も近い位置にある構成に比べて、前記開閉部材に必要な高さが低くなり、前記開閉部材の傾倒範囲が小さくなるので、前記開閉部材の開放に必要なスペースを小さくすることができる。
【0020】
第7の態様に係る媒体供給装置は、第5の態様又は第6の態様において、前記開閉部材は、傾倒された状態において、前記使用状態の前記第2支持部を支持することを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、前記第2支持部が前記収容部と前記開閉部材とで支持されるので、前記第2支持部が前記収容部のみに支持される構成に比べて、前記媒体を載せた場合における前記第2支持部の変形を抑制することができる。
【0022】
第8の態様に係る記録装置は、第5の態様から第7の態様のいずれか1つに記載の媒体供給装置と、記録装置本体に開閉可能に設けられ、閉状態で媒体の情報を読み取り、開状態で前記開閉部材と接触して前記開閉部材を前記開状態とする読取部と、受け取った情報に基づいて、媒体に情報を記録する記録部と、を有することを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、第5の態様から第7の態様のいずれか1つに記載の媒体供給装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0024】
第9の態様に係る記録装置は、第1の態様から第7の態様のいずれか1つに記載の媒体供給装置と、受け取った情報に基づいて、媒体に情報を記録する記録部と、を有することを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、第1の態様から第7の態様のいずれか1つに記載の媒体供給装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
以下に、本発明に係る媒体供給装置及び記録装置の一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。各図において表すX-Y-Z座標系では、後述するプリンター10について、X軸方向が装置幅方向であり、Y軸方向が装置奥行き方向であり、Z軸方向が装置高さ方向である。
なお、装置幅方向において、正面から見た場合の左側と右側とを区別する場合には、左側を+X側と称し、右側を-X側と称する。装置奥行き方向において、手前側と背面側とを区別する場合には、手前側を+Y側と称し、背面側を-Y側と称する。装置高さ方向において、上側と下側とを区別する場合には、上側を+Z側と称し、下側を-Z側と称する。
【0027】
<<プリンターの概略>>
図1には、記録装置の一例としてのプリンター10が表されている。プリンター10は、媒体の一例としての用紙Pに各種の情報を記録する。X軸方向は、用紙Pの幅方向の一例である。用紙Pに記録される各種の情報には、文字情報、画像情報がある。また、プリンター10は、本体部12と、カセット収容部18と、操作パネル19と、スキャナー部20と、背面側給紙部40とを備えている。
【0028】
本体部12は、記録装置本体の一例として構成されており、筐体13と、筐体13の内部に設けられた画像記録部14、反転ユニット15(図2)及び制御部16とを含んで構成されている。また、筐体13の内部には、カセット収容部18から送り込まれた用紙Pが反転ユニット15により反転され且つ+Y側へ搬送される図示を省略する搬送路が形成されている。当該搬送路には、後述する背面側給紙部40から+Y側に向けて用紙Pが供給される。
【0029】
画像記録部14は、記録部の一例であり、図示を省略するヘッドと、制御部16の一部とを含んで構成されている。ヘッドは、液体の一例としてのインクを用紙Pに吐出することで用紙Pに各種の情報を記録する、所謂インクジェット方式の記録ヘッドとして構成されている。また、画像記録部14は、後述するスキャナー部20で読み取られた原稿の情報又はプリンター10の外部から受け取った情報に基づいて、用紙Pに情報を記録する。
【0030】
制御部16は、図示を省略するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びストレージを含んで構成され、プリンター10における用紙Pの搬送や、用紙Pへの各種の情報を記録する動作を制御する。また、制御部16は、操作パネル19から入力された情報に基づいて、プリンター10における各種動作の制御を行うことができる。プリンター10では、後述する背面側給紙部40と同様の作用効果が得られる。
【0031】
カセット収容部18は、用紙Pを収容する複数の収容カセット21を有する。用紙Pは、図示を省略するローラー対によって、既述の搬送路に送り込まれる。
【0032】
図2に表すスキャナー部20は、読取部の一例として構成されており、図示を省略する原稿に記録された情報を読み取る。スキャナー部20で読み取られた原稿の情報は、制御部16(図1)のRAM又はストレージに記憶される。また、スキャナー部20は、スキャナーユニット22と、ADF(Auto Document Feeder)ユニット26とを有する。なお、原稿は媒体の一例に含まれる。
【0033】
スキャナーユニット22は、本体部12の+Z側に配置されている。スキャナーユニット22の-Y側端部は、ヒンジ部24によって本体部12の-Y側端部に連結されている。これにより、スキャナーユニット22は、本体部12の+Z側の開口部分を開閉するようになっている。また、スキャナーユニット22は、図示を省略するセンサーがX軸方向に移動することで又は移動停止状態で、原稿の情報を読み取る。
【0034】
ADFユニット26は、スキャナーユニット22の+Z側に配置されている。ADFユニット26の-Y側端部は、ヒンジ部28によってスキャナーユニット22の-Y側端部に連結されている。これにより、ADFユニット26は、スキャナーユニット22の+Z側の面を露出させ又は覆うようになっている。また、ADFユニット26は、原稿をスキャナーユニット22上に送り込む。
【0035】
図3には、本体部12の中央よりも-Y側且つ+Z側の部分と、背面側給紙部40とが表されている。本体部12の中央よりも-Y側の部分は、一例として、本体フレーム32と、送込ローラー対34と、本体側サポート部材36とを含んで構成されている。
【0036】
本体フレーム32は、装置本体の一例であり、Y-Z面に沿って直立する側板33を含む複数の部材で構成されている。側板33は、X軸方向に間隔をあけて2つ設けられている。
送込ローラー対34は、X軸方向を軸方向として回転可能に設けられ、Z軸方向に並ぶ2本のローラーで構成されている。また、送込ローラー対34は、後述する背面側給紙部40の一部として機能するようになっており、背面側給紙部40の用紙Pを1枚ずつ既述の搬送路へ送り込む。
【0037】
本体側サポート部材36は、X軸方向に長い部材であり、本体部12において送込ローラー対34に対する-Y側の部位に固定されている。本体側サポート部材36には、傾斜面37及び突当部38が形成されている。
傾斜面37は、X軸方向から見た場合に、+Y側が-Y側よりも-Z側に位置するように傾斜している。ここで、X-Y面に沿った面を仮想面K1と称する。X軸方向から見た場合に、仮想面K1と傾斜面37とが成す鋭角となる角度を角度θ1と称する。
突当部38は、傾斜面37の-Z側の端部から+Y側に向けて、傾斜面37と交差する方向に張り出されている。また、突当部38は、用紙Pの-Z側端部が突き当てられることで、用紙Pの-Z側端面を揃え、且つ用紙Pを支持する。
【0038】
〔背面側給紙部〕
図4に表す背面側給紙部40は、媒体供給装置の一例である。また、背面側給紙部40は、第1サポート部42と、第2サポート部52と、収容部62と、保持部72とを有する。さらに、背面側給紙部40は、背面側カバー82(図3)を有する。
なお、背面側給紙部40は、一部を除いて、X軸方向の中央に対して左右対称に形成されている。このため、以後は、主に背面側給紙部40の-X側の部位について説明をし、+X側の部位の説明を省略する場合がある。
図2は、背面側給紙部40の各部材が背面側カバー82によって覆われた、背面側給紙部40の閉状態を表している。一方、図6は、背面側給紙部40の各部材が露出された、背面側給紙部40の開状態を表している。
【0039】
<第1サポート部>
図4に表す第1サポート部42は、第1支持部の一例である。また、第1サポート部42は、一例として、支持板43と、第1側部45と、第2側部47と、サイドカーソル49とを含んで構成されている。
【0040】
(支持板)
支持板43は、X軸方向に長い矩形状に形成されている。また、支持板43は、一例として、X軸方向の中央部分が他の部分よりも厚肉とされている。背面側給紙部40の開状態において、支持板43の+Z側部分の表面を第1支持面44と称する。換言すると、支持板43には、第1支持面44が形成されている。また、第1支持面44は、用紙Pを支持する。
また、支持板43は、支持板43のX軸方向の中央部分及び周縁部分に形成された厚肉部43Aと、厚肉部43Aの高さよりも僅かに低い高さとされた薄肉部43Bとを有する。薄肉部43Bには、X軸方向に長い矩形状の貫通孔43Cが形成されている。
【0041】
図7に表すように、背面側給紙部40の開状態において、第1支持面44の傾斜方向をA軸方向と称する。A軸方向は、用紙Pが供給される供給方向の一例である。A軸方向において、用紙Pが供給される下流側を+A側と称し、上流側を-A側と称する。
X軸方向は、A軸方向と交差する幅方向の一例である。Z軸方向は、A軸方向と交差する高さ方向の一例である。なお、A軸方向及びX軸方向と直交する法線方向をB軸方向と称する。B軸方向において、用紙Pが載る側を+B側と称し、用紙Pが載らない側を-B側と称する。
【0042】
第1支持面44は、X軸方向から見た場合に、+Y側が-Y側よりも-Z側に位置するように傾斜している。また、第1支持面44は、既述の傾斜面37に対して-A側に位置している。ここで、X-Y面に沿った面を仮想面K2と称する。X軸方向から見た場合に、仮想面K2と第1支持面44とが成す鋭角となる角度を角度θ2と称する。角度θ2は、一例として、既述の角度θ1とほぼ同じ角度となっている。
【0043】
(第1側部)
図4に表す第1側部45は、厚肉部43Aの-X側端部から-B側へ張り出された部位である。また、第1側部45は、B軸方向から見た場合に、クランク状に形成されている。具体的には、第1側部45は、薄肉部43BとX軸方向に並ぶ側部45Aと、側部45Aの+A側端部から+A側に向けて延びる被保持部45Bとを有する。
【0044】
被保持部45Bは、X軸方向を厚さ方向とする板状に形成されている。また、被保持部45Bは、薄肉部43Bよりも+A側に延びている。被保持部45Bの+A側端部には、側板33の一部に向けてX軸方向に突出された軸部46が形成されている。
軸部46は、円柱状に形成されている。また、軸部46は、側板33に設けられた図示を省略するベアリングによって、回動可能に支持されている。換言すると、第1サポート部42は、本体フレーム32にX軸方向を軸方向として傾倒可能に設けられている。なお、X軸方向から見た場合に、軸部46の回動中心を表す点を支点C1(図11)と称する。
【0045】
(第2側部)
第2側部47は、上壁部47Aと、側壁部47Bと、被押圧部48とを有する。上壁部47Aは、第1側部45の-B側端部から-X側へ張り出されている。側壁部47Bは、上壁部47Aの-X側端部から-B側へ延びている。
被押圧部48は、側壁部47BのA軸方向の中央よりも+A側の部位で且つB軸方向の中央よりも-B側の部位から、-X側に向けて突出されている。X軸方向から見た場合に、被押圧部48の断面形状は、一例として、-B側が上底で+B側が下底となる逆台形状になっている。
【0046】
図8に表す第1サポート部42には、挿入部の一例としてのガイドピン51が設けられている。なお、ガイドピン51の詳細については、後述する。
以上、説明したように、第1サポート部42は、本体フレーム32における非使用状態の姿勢から傾倒されることで、第1支持面44が用紙Pを支持する使用状態に切り換わるようになっている。なお、本実施形態おいて、第1サポート部42が本体フレーム32側に格納されている格納状態は、非使用状態の一例である。
【0047】
(サイドカーソル)
図4に表すサイドカーソル49は、一部が貫通孔43Cに挿入されており、X軸方向に移動可能とされている。また、サイドカーソル49は、用紙Pの-X側端部と接触することで、用紙Pの-X側端部を位置決めする。
【0048】
<第2サポート部>
図5に表す第2サポート部52は、第2支持部の一例である。また、第2サポート部52は、一例として、メインサポート部53と、サブサポート部58とを含んで構成されている。なお、図5では、第2サポート部52を分かり易く表すために、後述する背面側カバー82(図1)の図示を省略している。
【0049】
(メインサポート部)
図6に表すメインサポート部53は、支持板54を有する。支持板54は、X軸方向に長い矩形状に形成されている。背面側給紙部40の開状態において、支持板54の用紙Pが載る側の表面を第2支持面55と称する。換言すると、第2サポート部52には、第2支持面55が形成されている。また、第2支持面55は、用紙Pを支持する。
図7に表す支持板54における-B側には、一対のガイドレール56が設けられている。一対のガイドレール56は、X軸方向に間隔をあけて配置され、且つA軸方向に沿って延びており、後述するサブサポート部58をA軸方向に沿って引き出し及び収納可能に保持する。
【0050】
支持板54におけるX軸方向の両端部で、且つ一対のガイドレール56よりも外側には、図示を省略する側壁及び突出部が形成されている。該側壁は、支持板54から-B側に張り出されている。該突出部は、該側壁の+A側の端部からX軸方向の外側へ向けて突出されている。
背面側給紙部40の開状態において、第2支持面55は、X軸方向から見た場合に、+Y側が-Y側よりも-Z側に位置するように傾斜している。また、第2支持面55は、第1支持面44に対して-A側に位置している。換言すると、第2サポート部52は、使用状態の第1サポート部42に対してA軸方向の上流側に配置される。
【0051】
ここで、X-Y面に沿った面を仮想面K3と称する。X軸方向から見た場合に、仮想面K3と第2支持面55とが成す鋭角となる角度を角度θ3と称する。角度θ3は、一例として、既述の角度θ1又は角度θ2とほぼ同じ角度となっている。
【0052】
(サブサポート部)
サブサポート部58は、支持板59を有する。支持板59は、X軸方向に長い矩形状に形成されている。支持板59のX軸方向の両端部には、支持板59よりも厚肉の被ガイド部58Aが形成されている。被ガイド部58Aは、一対のガイドレール56によって保持されており、A軸方向に沿ってスライド可能とされている。
背面側給紙部40の開状態において、支持板59の用紙Pが載る側の表面を補助支持面61と称する。補助支持面61は、第2支持面の一例に含まれ、用紙Pを支持する。
【0053】
補助支持面61は、X軸方向から見た場合に、+Y側が-Y側よりも-Z側に位置するように傾斜している。また、補助支持面61は、第2支持面55に対して-A側に位置している。ここで、X-Y面に沿った面を仮想面K4と称する。X軸方向から見た場合に、仮想面K4と補助支持面61とが成す鋭角となる角度を角度θ4と称する。角度θ4は、一例として、既述の角度θ1、角度θ2又は角度θ3とほぼ同じ角度となっている。
【0054】
<収容部>
収容部62は、一例として、一対のガイドアーム64と、底壁65と、後壁66とを有する。
【0055】
一対のガイドアーム64は、X軸方向に間隔をあけて配置されている。ガイドアーム64は、一方向に長い部材として構成されている。ガイドアーム64の軸方向の長さは、一例として、背面側給紙部40の閉状態において、反転ユニット15の-Z側部分から背面側給紙部40の+Z側部分までの長さとほぼ同じ長さになっている。一対のガイドアーム64のX軸方向の内側には、メインサポート部53の既述の突出部をガイドアーム64の軸方向に案内するガイド溝67が形成されている。
【0056】
ガイドアーム64の軸方向において、ガイド溝67の+Z側の一端部には、メインサポート部53の突出部の回動を規制する図示を省略する規制部が形成されている。これにより、メインサポート部53は、ガイド溝67に沿って引き出された後、Z軸方向に対して-Y側へ傾倒された場合に、該規制部によって回動が規制され、角度θ3の傾倒された状態が保持されるようになっている。
換言すると、収容部62は、A軸方向における第1サポート部42よりも上流側に向けて傾倒可能に本体フレーム32に設けられている。さらに、収容部62は、第2サポート部52を引き出し可能に収容している。
【0057】
ガイドアーム64の軸方向の-Z側の他端部には、X軸方向の外側へ向けて突出する軸部68が形成されている。軸部68は、本体フレーム32(図4)に設けられた図示を省略するベアリングによって、回動可能に支持されている。なお、X軸方向から見た場合に、軸部68の回動中心を表す点を支点C2(図11)と称する。
このように、ガイドアーム64は、軸部68が回動されることで、Z軸方向に対して傾倒するようになっている。なお、ガイドアーム64の中心軸を軸Mと称する。また、X-Y面に沿った面を仮想面K5と称する。X軸方向から見た場合に、仮想面K5と中心軸Mとが成す鋭角となる角度を角度θ5と称する。角度θ5は、既述の角度θ2よりも大きい角度に設定されている。
【0058】
底壁65は、一対のガイドアーム64の軸方向における中央部分と軸部68との間に位置する部位を、X軸方向に繋いでいる。また、底壁65は、一対のガイドアーム64が傾倒された状態においてX-Y面に沿うように、板状に形成されている。
後壁66は、底壁65の-Y側の端部から、ガイドアーム64の軸方向に沿って、一端側に向けて延びている。後壁66の先端部は、ガイドアーム64の軸方向の中央部と規制部との間に位置している。
このように、収容部62は、一部が開口された箱状に形成されており、第2サポート部52を収容可能となっている。
【0059】
<保持部>
図8に表す保持部72は、A軸方向において第1支持面44及び第2支持面55(図7)が並ぶように、第1サポート部42及び収容部62をZ軸方向に対する傾倒姿勢で保持する部位である。具体的には、保持部72は、一例として、接触部74と連動部76とを有する。
【0060】
(接触部)
接触部74は、本体フレーム32の側板33に設けられている。また、接触部74は、使用状態の第1サポート部42と接触するように配置されている。具体的には、接触部74は、側板33からX軸方向の外側へ向けて突出されている。接触部74をX軸方向から見た場合の形状は、一例として、三角形の各角部を切り落とした六角筒状に形成されている。そして、接触部74は、傾斜壁75を有する。
【0061】
傾斜壁75は、X軸方向から見た場合に、+Y側が-Y側よりも-Z側に位置するように傾斜している。傾斜壁75における+Z側の面を接触面77と称する。
接触面77は、軸部46に対する-Y側で且つ+Z側となる位置に配置されている。これにより、第1サポート部42が傾倒されて使用状態となる場合に、被保持部45Bが接触面77と接触することで、第1サポート部42の傾倒姿勢が保持されるようになっている。
【0062】
(連動部)
連動部76は、一例として、収容部62に形成されたガイド溝79と、ガイド溝79に挿入されたガイドピン51とを有する。
【0063】
ガイド溝79は、ガイドアーム64の軸方向の中央よりも先端側で且つX軸方向の外側となる部位に形成されている。また、ガイド溝79は、X軸方向の中央側に向けて窪んでおり、ガイドアーム64の軸方向に延びている。
ガイドピン51は、X軸方向を軸方向とする円柱状に形成されている。また、ガイドピン51は、背面側給紙部40の閉状態において、第2側部47(図4)の+Z側の端部から、X軸方向の中央側へ向けて突出されている。ガイドピン51の大きさは、ガイド溝79の内壁面と接触可能な大きさとなっている。
【0064】
図9に表すように、第1サポート部42及びガイドアーム64が傾倒された状態において、B軸方向から見た場合に、接触部74及び連動部76は、A軸方向と交差するX軸方向において、同じ位置に配置されている。具体的には、B軸方向に各部材を投影した場合に、第1サポート部42の第1側部45と、接触部74及びガイドピン51とが重なっている。
【0065】
ここで、図8に表す背面側給紙部40の閉状態において、第1サポート部42が軸部46周りに傾倒された場合に、ガイドピン51も軸部46周りに円弧状の軌跡を描きながら移動する。
このとき、図10に表すように、ガイドピン51がガイド溝79の内壁面と接触することで、ガイドアーム64が傾倒される。このように、連動部76は、第1サポート部42及び収容部62に設けられており、第1サポート部42のZ軸方向に対する傾倒と、収容部62のZ軸方向に対する傾倒とを連動させるように構成されている。
【0066】
<背面側カバー>
図2に表す背面側カバー82は、開閉部材の一例である。また、背面側カバー82は、一例として、上壁83と、後壁84と、一対の側壁85と、一対の前壁86(図11)とを有する。
【0067】
上壁83は、背面側給紙部40の閉状態において、X軸方向に長く且つY軸方向に短い矩形板状に形成されている。なお、上壁83の+Z側の上面と、ADFユニット26の+Z側の上面とは、ほぼ同じ高さに揃えられている。
後壁84は、上壁83の-Y側端部からX-Z面に沿って-Z側へ延びている。また、後壁84は、後壁66とともに第1サポート部42及び第2サポート部52(図5)を-Y側から覆っている。
一対の側壁85は、上壁83及び後壁84によって形成された空間部を、X軸方向の両側から覆っている。
【0068】
図14に表す一対の前壁86は、第1サポート部42、第2サポート部52及び収容部62に対するX軸方向の一方側と他方側とに配置されている。なお、図14では、-X側の前壁86が図示されており、+X側の前壁86の図示は省略されている。また、一対の前壁86は、後壁84のX軸方向の一端部及び他端部と対向配置されている。
前壁86の一部は、背面側カバー82が傾倒された場合に、被押圧部48と接触して、被押圧部48を-Y側へ押圧するようになっている。換言すると、背面側カバー82を傾倒させた場合には、前壁86が被押圧部48と接触することで、第1サポート部42が背面側カバー82に連動して傾倒されるようになっている。
【0069】
図11に表す側壁85において、-Y側端部で且つ-Z側端部となる部位には、軸部88が形成されている。
軸部88は、X軸方向を軸方向とする円柱状に形成されている。また、軸部88は、本体フレーム32の一部に設けられた図示を省略するベアリングによって、回動可能に支持されている。つまり、背面側カバー82は、本体フレーム32に傾倒可能に設けられている。
【0070】
背面側給紙部40の閉状態において、背面側カバー82が軸部88周りに回動されることで、本体部12が露出され、背面側給紙部40が開状態となる。一方、背面側給紙部40の開状態において、背面側カバー82が軸部88周りに反対側へ回動されることで、背面側給紙部40が閉状態となる。このように、背面側カバー82は、本体フレーム32に開閉可能に設けられている。
【0071】
換言すると、背面側カバー82は、閉状態で第1サポート部42、第2サポート部52及び収容部62(図4)を覆い、閉状態から開状態へ移行する場合に、第1サポート部42及び収容部62を傾倒させ且つ露出させる。なお、X軸方向から見た場合に、軸部88の回動中心を表す点を支点C3と称する。
A軸方向と交差する高さ方向の一例としてのZ軸方向において、背面側カバー82の傾倒の支点C3の第3高さ位置は、一例として、第1サポート部42の傾倒の支点C1の第1高さ位置と、収容部62の傾倒の支点C2の第2高さ位置との間の位置となっている。
【0072】
図7に表すように、X-Y面に沿った面を仮想面K6と称する。X軸方向から見た場合に、仮想面K6と後壁84とが成す鋭角となる角度を角度θ6と称する。角度θ6は、既述の角度θ2又は角度θ5よりも小さい角度に設定されている。
背面側カバー82の上壁83は、傾倒された状態において、使用状態の第2サポート部52を-Z側から支持するように配置されている。
【0073】
<実施形態の動作と効果の説明>
図12に表す背面側給紙部40の閉状態において、第2サポート部52及び収容部62は、ほぼZ軸方向に沿った状態で直立している。また、第1サポート部42のX-Y面に対する傾斜角度は、本体側サポート部材36のX-Y面に対する傾斜角度に比べて大きくなっている。
換言すると、第1サポート部42についても、第2サポート部52及び収容部62と同様に、直立に近い配置状態となっている。これにより、第1サポート部42が本体側サポート部材36の角度と同じ角度で固定されている構成と比べて、第1サポート部42、第2サポート部52及び収容部62を背面側カバー82よりも内側に格納するのに必要なスペースが小さくなる。つまり、背面側給紙部40を小型化することができる。
【0074】
図13に表すように、背面側カバー82の+Z側端部が-Y側に向けて傾倒される。この場合に、図14に表すように、前壁86が被押圧部48を-Y側へ押圧することで、第1サポート部42が背面側カバー82に連動して傾倒される。さらに、連動部76(図10)によって、第1サポート部42と、収容部62及び第2サポート部52とが連動するので、収容部62及び第2サポート部52が第1サポート部42に連動して傾倒される。このように、背面側カバー82を傾倒させることで、第1サポート部42、第2サポート部52及び収容部62を傾倒させることができる。
なお、第1サポート部42が接触部74(図10)と接触することで、第1サポート部42の傾倒姿勢が保持される。そして、収容部62及び第2サポート部52のそれぞれの傾倒姿勢が、第1サポート部42に連動して保持される。
【0075】
続いて、図7に表すように、収容部62から第2サポート部52が引き出され、さらに、第2サポート部52のメインサポート部53に対して、サブサポート部58が引き出される。ここで、メインサポート部53が、背面側カバー82の上壁83によって支持される。また、第1支持面44と第2支持面55とがA軸方向に並ぶ。
【0076】
続いて、図15に表すように、第1支持面44、第2支持面55及び補助支持面61が、単数又は複数の用紙Pを-Z側から支持する。この状態で、送込ローラー対34が回転されることで、用紙Pが1枚ずつ、画像記録部14(図1)に供給される。
【0077】
(1)上記説明をまとめると、本実施形態によれば、第1サポート部42が非使用状態の姿勢から傾倒されることで、第1支持面44が用紙Pを支持する使用状態に切り換わる。
収容部62は、供給方向における第1サポート部42よりも上流側に向けて傾倒される。そして、第2サポート部52が、収容部62から引き出され、第1サポート部42に対して用紙Pの供給方向の上流側に配置される。
保持部72は、供給方向において第1支持面44及び第2支持面55が並ぶように、第1サポート部42及び第2サポート部52を傾倒姿勢で保持する。
【0078】
ここで、第1サポート部42及び収容部62が筐体13に格納された非使用状態では、第1サポート部42及び収容部62の傾倒状態に比べて、筐体13の一方向に必要な格納スペースが小さくなる。つまり、第1サポート部42が傾倒状態で固定されている構成に比べて、背面側給紙部40を小型化することができる。
【0079】
(2)本実施形態によれば、第1サポート部42が傾倒された場合に、連動部76によって、第2サポート部52も傾倒される。ここで、第1サポート部42が接触部74と接触することで、第1サポート部42の傾倒状態が保持され、且つ収容部62の傾倒状態が保持される。そして、第2サポート部52が収容部62から引き出され、供給方向において第1支持面44及び第2支持面55が並ぶ。
このように、連動部76によって、第1サポート部42及び収容部62が連動するので、第1サポート部42を傾倒させて接触部74と接触させる一工程のみで、第1サポート部42及び収容部62を傾倒状態で保持することができる。つまり、第1サポート部42及び収容部62を傾倒状態で保持する作業を簡単に行うことができる。
【0080】
(3)本実施形態によれば、第1サポート部42の傾倒角度が変わった場合に、ガイドピン51とガイド溝79との接触位置が変わり、収容部62の傾倒角度が変わる。このように、ガイド溝79とガイドピン51とを接触させるだけでよいので、第1サポート部42と収容部62とを簡単な構成で連動させることができる。
【0081】
(4)本実施形態によれば、接触部74及び連動部76が、幅方向において同じ位置に配置されている。つまり、接触部74と連動部76とが近づいている。ここで、第1サポート部42に用紙Pの荷重が作用した場合に、連動部76が本体フレーム32の接触部74に近い位置にあることで、連動部76が接触部74から離れて位置する構成に比べて、該荷重を本体フレーム32で受け易くなる。換言すると、連動部76に該荷重が作用し難くなるので、第1サポート部42に用紙Pを載せた場合における連動部76の変形を抑制することができる。
【0082】
(5)本実施形態によれば、背面側カバー82の閉状態において、第1サポート部42、第2サポート部52及び収容部62が背面側カバー82に覆われるので、第1サポート部42、第2サポート部52及び収容部62が汚れ難くなる。また、背面側カバー82を開状態へ移行した場合には、背面側カバー82が第1サポート部42及び収容部62を傾倒させ且つ露出させるので、背面側カバー82の開動作と、第1サポート部42及び収容部62の傾倒動作とを別々に行わなくて済む。
このように、第1サポート部42、第2サポート部52及び収容部62が汚れるのを抑制し、さらに、背面側給紙部40の操作に必要な動作を減らすことができる。
【0083】
(6)筐体13の底面をX-Y面に沿った基準面とする。背面側カバー82が第1サポート部42及び収容部62を露出させるためには、該基準面に対する第1サポート部42の傾倒角度、又は該基準面に対する収容部62の傾倒角度に比べて、該基準面に対する背面側カバー82の傾倒角度が小さくなる必要がある。
ここで、本実施形態によれば、背面側カバー82の傾倒の支点C3の第3高さ位置が、第1サポート部42の傾倒の支点C1の第1高さ位置と、収容部62の傾倒の支点C2の第2高さ位置との間に位置している。これにより、第3高さ位置が該基準面に最も近い位置にある構成に比べて、背面側カバー82に必要な高さが低くなり、背面側カバー82の傾倒範囲が小さくなるので、背面側カバー82の開放に必要なスペースを小さくすることができる。
【0084】
(7)本実施形態によれば、第2サポート部52が収容部62と背面側カバー82とで支持されるので、第2サポート部52が収容部62のみに支持される構成に比べて、用紙Pを載せた場合における第2サポート部52の変形を抑制することができる。
【0085】
〔他の実施形態〕
図16に表すプリンター10において、ヒンジ部28(図2)を支点として、ADFユニット26の+Y側が+Z側へ持ち上げられることで、スキャナーユニット22が露出される。つまり、スキャナー部20が開状態となる。
このとき、図17に表すように、ADFユニット26のX軸方向の両端部が前壁86と接触することで、背面側カバー82が傾倒され、-Y側に退避された開状態となる。ここで、背面側カバー82の支点C3は、第1サポート部42の支点C1や収容部62の支点C2とは異なる位置にあるので、背面側カバー82を第1サポート部42及び収容部62よりも-Y側へ退避させることができる。これにより、ADFユニット26を持ち上げた場合に背面側カバー82がADFユニット26の移動の邪魔になるのを抑制することができる。また、背面側カバー82を操作しなくても、第1サポート部42及び第2サポート部52を露出させることができる。
【0086】
続いて、図18に表すように、ヒンジ部24(図2)を支点として、スキャナーユニット22の+Y側が+Z側へ持ち上げられることで、筐体13の内部が露出された開状態となる。ここで、ADFユニット26の-Y側端面と、スキャナーユニット22の-Y側端面とが揃った状態で前壁86(図17)と接触するので、ADFユニット26及びスキャナーユニット22の-Y側端部を背面側カバー82によって覆うことができ、筐体13内部への埃等の侵入を抑制することができる。
【0087】
本発明の実施形態に係る背面側給紙部40及びプリンター10は、以上のべたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
【0088】
プリンター10は、インクジェット方式のものに限らず、電子写真方式のものであってもよい。
媒体は、用紙Pに限らず、例えば、フィルムであってもよい。
【0089】
媒体供給装置は、背面側給紙部40のように、筐体13に対して背面側に配置されるものに限らず、筐体13に対する右側、左側、手前側に配置されるものであってもよい。
保持部72は、連動部76を有さないものであってもよい。つまり、第1サポート部42と収容部62とを別々に、異なる接触部で保持してもよい。
ガイド溝79が第1サポート部42に形成され、ガイドピン51が収容部62に形成された構成であってもよい。
【0090】
接触部74及び連動部76は、X軸方向においてずれて配置されていてもよい。
背面側給紙部40は、背面側カバー82が設けられていないものであってもよい。また、背面側カバー82が前壁86を有していない構成であってもよい。つまり、背面側カバー82の傾倒と第1サポート部42の傾倒とが連動しなくてもよい。
支点C3が、支点C1又は支点C2と同じ位置に配置されていてもよい。
背面側カバー82が、第2サポート部52を支持しなくてもよい。
【0091】
第2サポート部52は、サブサポート部58を有さずに、メインサポート部53が用紙Pを支持するものであってもよい。
【符号の説明】
【0092】
10…プリンター、12…本体部、13…筐体、14…画像記録部、15…反転ユニット、
16…制御部、18…カセット収容部、19…操作パネル、20…スキャナー部、
21…複数の収容カセット、22…スキャナーユニット、24…ヒンジ部、
26…ADFユニット、28…ヒンジ部、32…本体フレーム、33…側板、
34…送込ローラー対、36…本体側サポート部材、37…傾斜面、38…突当部、
40…背面側給紙部、42…第1サポート部、43…支持板、43A…厚肉部、
43B…薄肉部、43C…貫通孔、44…第1支持面、45…第1側部、45A…側部、
45B…被保持部、46…軸部、47…第2側部、47A…上壁部、47B…側壁部、
48…被押圧部、49…サイドカーソル、51…ガイドピン、52…第2サポート部、
53…メインサポート部、54…支持板、55…第2支持面、56…ガイドレール、
58…サブサポート部、58A…被ガイド部、59…支持板、61…補助支持面、
62…収容部、64…ガイドアーム、65…底壁、66…後壁、67…ガイド溝、
68…軸部、72…保持部、74…接触部、75…傾斜壁、76…連動部、
77…接触面、79…ガイド溝、82…背面側カバー、83…上壁、84…後壁、
85…側壁、86…前壁、88…軸部、C1…支点、C2…支点、C3…支点、
K1…仮想面、K2…仮想面、K3…仮想面、K4…仮想面、K5…仮想面、
K6…仮想面、θ1…角度、θ2…角度、θ3…角度、θ4…角度、θ5…角度、
θ6…角度
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