(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】見切り化粧材
(51)【国際特許分類】
E04F 19/04 20060101AFI20240507BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
E04F19/04 A
E04F13/08 101W
(21)【出願番号】P 2020177801
(22)【出願日】2020-10-23
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】永原 左知子
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋輝
(72)【発明者】
【氏名】木村 岳史
(72)【発明者】
【氏名】宮地 宏和
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 裕也
(72)【発明者】
【氏名】木村 昇平
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-257821(JP,A)
【文献】特開2020-117963(JP,A)
【文献】特開2007-9570(JP,A)
【文献】特開2018-66151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/04
E04F 13/00-13/30
E04B 1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下階の外壁よりも屋外側に突出して上階に形成される突出部の外壁面と、当該突出部の下面に形成される屋外天井面と、の突き合わせ部に配置される見切り化粧材であって、
外壁パネルの屋内側に配置される外壁下地板の下端に上端が当接するとともに、屋外側の面に前記外壁下地板の表面に貼り付けられた防水シートの下端部が貼り付けられ、前記突出部を形成するフレームに固定される上側部材と、
前記上側部材に当接して着脱可能に固定される固定部と、前記外壁パネルの下端から通気間隙をあけて下方で、当該外壁パネルよりも屋外側まで突出する化粧縁部と、を有する下側部材と、
を備えることを特徴とする見切り化粧材。
【請求項2】
前記固定部は、前記外壁パネルの下端よりも低い位置で、前記上側部材にビス固定されることを特徴とする請求項1に記載の見切り化粧材。
【請求項3】
前記下側部材は、前記屋外天井面を形成する軒裏サイディング材の屋外側端部の下面を覆う天井見切り部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の見切り化粧材。
【請求項4】
前記上側部材は、前記突出部のフレームから屋外側に突き出して、その屋外側面が前記外壁下地板の屋外側面と面一となり、前記防水シートが貼り付けられる防水接続部と、前記防水接続部の屋外側面よりも屋内側で当該防水接続部から下方に延びて形成され、前記下側部材の固定部が当接して固定される連結部と、を有し、
前記防水接続部は、その下端に当該防水接続部の屋外側面から屋外方向に向かって斜め下方に延びる水切り部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の見切り化粧材。
【請求項5】
前記下側部材は、下面が水平に形成されており、
当該下面は、前記屋外側が前記屋内側よりも高い位置に形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の見切り化粧材。
【請求項6】
前記下側部材の前記屋外側の下面から鉛直方向に垂れ下がり、当該屋外側の下面と前記屋内側の下面とを接続する垂下部を有し、
前記屋内側の下面は、その屋外側の端縁が、前記垂下部よりも屋外側に突出することを特徴とする請求項5に記載の見切り化粧材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーハングやアルコーブのように下階の外壁よりも上階の外壁が突出して形成されている突出部の外壁面と屋外天井面との突き合わせ部に配置される見切り化粧材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばオーバーハングの外壁パネルの下端に形成され、外壁内の通気・排水を行いつつ、軒裏面材の屋外側の端部を覆う役物が種々知られている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。このような役物の中には外壁パネルの下端よりも下方で屋外側に突出して、屋外側から見たオーバーハング下端を化粧する見切り材としての役割も果たしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-257821号公報
【文献】特開2009-162024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような役物の中には防水性を確保するために、外壁下地材の表面に張られた防水シートの下端が、役物の上面にまで貼り付けられていることがある。このような役物は、破損し、又は劣化して交換を必要とする場合には、外壁パネルを取り外し、防水テープとともに、防水シートの端部を剥がし、又は切断する必要があり、交換した役物を取り付ける際に再度防水シートを施工する必要があり、防水性やメンテナンス性が低くなる恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、防水性を担保しつつメンテナンス性を高めた見切り化粧材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の見切り化粧材は、下階の外壁よりも屋外側に突出して上階に形成される突出部の外壁面と、当該突出部の下面に形成される屋外天井面と、の突き合わせ部に配置される見切り化粧材であって、外壁パネルの屋内側に配置される外壁下地板の下端に上端が当接するとともに、屋外側の面に前記外壁下地板の表面に貼り付けられた防水シートの下端部が貼り付けられ、前記突出部を形成するフレームに固定される上側部材と、前記上側部材に当接して着脱可能に固定される固定部と、前記外壁パネルの下端から通気間隙をあけて下方で、当該外壁パネルよりも屋外側まで突出する化粧縁部と、を有する下側部材と、を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の見切り化粧材は、前記固定部は、前記外壁パネルの下端よりも低い位置で、前記上側部材にビス固定されることを特徴としている。
【0008】
本発明の見切り化粧材は、前記下側部材は、前記屋外天井面を形成する軒裏サイディング材の屋外側端部の下面を覆う天井見切り部を有することを特徴としている。
【0009】
本発明の見切り化粧材は、前記上側部材は、前記突出部のフレームから屋外側に突き出して、その屋外側面が前記外壁下地板の屋外側面と面一となり、前記防水シートが貼り付けられる防水接続部と、前記防水接続部の屋外側面よりも屋内側で当該防水接続部から下方に延びて形成され、前記下側部材の固定部が当接して固定される連結部と、を有し、前記防水接続部は、その下端に当該防水接続部の屋外側面から屋外方向に向かって斜め下方に延びる水切り部を有することを特徴としている。
【0010】
本発明の見切り化粧材は、前記下側部材は、下面が水平に形成されており、当該下面は、前記屋外側が前記屋内側よりも高い位置に形成されることを特徴としている。
【0011】
本発明の見切り化粧材は、前記下側部材の前記屋外側の下面から鉛直方向に垂れ下がり、当該屋外側の下面と前記屋内側の下面とを接続する垂下部を有し、前記屋内側の下面は、その屋外側の端縁が、前記垂下部よりも屋外側に突出することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の見切り化粧材によると、外壁下地板の下端に上側部材の上端が当接するとともに、当該上側部材の屋外側の面に外壁下地板の表面に貼り付けられた防水シートの下端部が貼り付けられており、外壁パネルよりも屋外側まで突出する化粧縁部有する下側部材の固定部が上側部材に着脱可能に固定されるので、屋外側に露出している下側部材の化粧縁部が破損や経年劣化し、交換する必要が生じた場合に、上側部材から下側部材を取り外して交換することができ、上側部材及び上側部材の屋外側面に外壁下地板から連続して貼り付けられている防水シートを切り取り、又は剥がす必要がないので、メンテナンス性を高めることができる。
【0013】
本発明の見切り化粧材によると、下側部材の固定部は、外壁パネルの下端よりも低い位置で、上側部材にビス固定されるので、外壁パネルと化粧縁部との間に形成された通気間隙を通して、工具を挿入することで、上側部材を残したまま、下側部材を着脱することができ、下側部材の化粧縁部に破損や経年劣化が生じた場合の交換の際に作業性を高めることができる。
【0014】
本発明の見切り化粧材によると、下側部材は屋外天井面を形成する軒裏サイディング材の屋外側端部の下面を覆う天井見切り部を有しており、下側部材は上述のように上側部材に対して着脱自在であるので、経年劣化などで軒裏サイディング材を交換する場合にも、下側部材を上側部材から取り外すことで軒裏サイディング材を取り外すことができ、メンテナンス性を高めることができる。また、奥行き250mmのアルコーブのように奥行き寸法が短い場合でも、軒裏サイディング材を施工したうえで、下側部材を施工できるので、奥行き寸法が短い位置にも見切り化粧材を配置することができる。
【0015】
本発明の見切り化粧材によると、防水接続部は、外壁下地板の屋外側面と面一であるので、外壁下地板の表面に貼り付けられる防水シートは鉛直方向に平坦に貼り付けられることとなり、防水接続部の下端に防水接続部の屋外側面から屋外方向に向かって斜め下方に延びる水切り部を有するので、防水接続部の屋外側面よりも屋内側に形成された連結部側に水が伝い流れることがなく、外壁下地板の表面を伝った水を確実に屋外側に排水することができる。
【0016】
本発明の見切り化粧材によると、下側部材の水平な下面のうち、屋外側の下面が屋内側の下面よりも高い位置に形成されるので、屋内側から屋外天井面を見た場合に、見切り化粧材は、屋外側の下面が視認されず、屋内側の下面のみが視認されるので、見切り化粧材の見込み方向の長さが実際よりも短く認識されることで、下階の屋内から見て突出部の縁が目立たず、突出部の下側の空間を突出部よりも外側の空間と連続的な印象とすることができる。
【0017】
本発明の見切り化粧材によると、下側部材の屋外側の下面から鉛直方向に垂れ下がり、屋外側の下面と屋内側の下面とを接続する垂下部を有しており、屋内側の下面は、その屋外側の端縁が、垂下部よりも屋外側に突出しているので、下階の屋内から見たときに、下側部材の屋外側の下面がより視認されにくくなって、突出部の下側の空間を突出部よりも外側の空間とより連続的な印象とすることができるとともに、屋外側から見た場合に、屋内側の下面の屋外側に突出した部分及び屋外側の下面の奥に垂下部が溝状に形成されることとなり、屋外側から見た見切り化粧材に線状の影が視認されることとなり、屋外側から見た突出部の下端をシャープな印象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】見切り化粧材が突出部の外壁面と屋外天井面との突き合わせ部に配置される状態を示す断面図。
【
図6】下側部材がホロー形材である変形例を説明する図。
【
図7】化粧縁部の下面よりも天井見切り部の下面が低く形成された変形例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の見切り化粧材1の実施形態について各図を参照しつつ説明する。本実施形態の見切り化粧材1は、住宅の下階の外壁面23よりも屋外側に突出して上階に形成される突出部2の外壁面21と、突出部2の下面に形成される屋外天井面22と、の突き合わせ部に配置される見切り化粧材1である。突出部2は、例えば、
図8(A)のようなオーバーハング、
図8(B)のようなバルコニー、
図8(C)のような軒、
図8(D)のような出窓のように、上階の外壁面21が下階の外壁面23よりも屋外方向に突出していればよい。また、突出部2は、
図8(E)のように、下階にアルコーブが形成される場合や、
図8(F)のように下階にピロティが形成される場合のように下階の外壁面23が屋内側に後退して形成されることで、上階の外壁面21が下階の外壁面23と比較して屋外方向に突出するものであってもよい。
【0020】
突出部2の下階の外壁面23には、図示しない開口部が形成されていてもよい。開口部は、例えば、床面から天井面までの高さの全体が視線を遮らない窓ガラスで形成された大開口であることが好ましい。また、屋外天井面22は、下階の図示しない屋内天井面と面一に形成されることが好ましい。このように構成されると、屋内空間から突出部2の下方の空間への視界が遮られることがなく、両空間をシームレスな印象とすることができる。
【0021】
突出部2は、
図1に示すように、住宅の構造躯体に支持されて形成される木製のフレーム3の正面に構造用合板の外壁下地板4を張り付けて外壁の下地を形成し、当該外壁下地板4の表面に防水シート5を貼り付けた状態で、外壁下地板4に固定された図示しないパネル固定金具を用いて外壁パネル6を固定して、正面の外壁面21を形成している。外壁パネル6と防水シート5とは離れて配置されており、外壁パネル6と防水シート5との間に壁体内通気空間7が形成されている。なお、突出部2が上階の外壁面21の一部を突出させて形成されている場合には、突出部2の正面の外壁面21と同様に、フレーム3の両側面に外壁下地板4及び防水シート5を貼り付けて、図示しないパネル固定金具を用いて外壁パネル6を固定して、突出部2の左右両側の外壁面21を形成する。
【0022】
見切り化粧材1は、外壁面21と屋外天井面22との突き合わせ部に配置されるものであり、外壁下地板4の下端に当接して、外壁下地板4の表面に貼り付けられた防水シート5の下端が貼り付けられる上側部材8と、上側部材8に着脱可能に固定される下側部材9と、を備えている。見切り化粧材1は、突出部2の外壁の下端に沿って、複数が連続するように配置されており、下側部材9の互いに突き合わせる位置にジョイナー材10を設けて、下側部材9が連続するように配置されている。上側部材8は、例えばアルミニウムなどの金属を押し出し成型した長尺材であり、外壁下地材の下側で突出部2のフレーム3に固定ビス83により固定されている。なお、上側部材8の材質は樹脂であってもよい。
【0023】
上側部材8は、
図1及び
図2に示すように、その上部に側面視コの字形状で、突出部2のフレーム3に当接して、当該フレーム3から屋外側に突き出するように形成されており、屋外側の面が外壁下地板4の屋外側面と面一となるとともに、上面が外壁下地板4の下端面に当接するように配置される防水接続部81が形成されている。防水接続部81の屋外側の面の下端には、屋外方向に向かって斜め下方に延びる水切り部82が突出して形成されている。防水接続部81の屋外側の面から突出部2のフレーム3に固定ビス83が打ち込まれることで、上側部材8は当該フレーム3に固定されている。防水接続部81の屋外側の面には外壁下地板4から延びる防水シート5が貼り付けられる。防水シート5は固定ビス83のビス頭の屋外側に貼り付けられている。防水シート5は例えば透湿防水性に優れる樹脂製の不織布であり、防水シート5の下端には、防水テープ5aを接着して下端部の止水を行っている。また、上側部材8の下部には、防水接続部81の屋内側の下端部から下方に延びて形成されて、下側部材9の固定部91が当接して固定される連結部84が形成されている。連結部84はフレーム3に沿うように鉛直に伸びており、下部がフレーム3の下面に沿うように折れ曲がっている。連結部84の下端にはフック状に折り曲げられた引っ掛け部85が形成されており、後述する下側部材9に形成された係止部92が引っ掛かって、下側部材9を仮止めすることができる。
【0024】
下側部材9は、アルミニウムなどの金属を押し出し成型した長尺材である。下側部材9の材質は樹脂であってもよい。下側部材9は、
図1及び
図3に示すように、上側部材8に当接して着脱可能に固定される固定部91と、外壁パネル6の下端から通気間隙14をあけて下方で、外壁パネル6よりも屋外側まで突出する化粧縁部93と、化粧縁部93の屋内側で軒裏サイディング材15の屋外側端部の下面を覆う天井見切り部94と、を有している。固定部91は鉛直方向に延びており、上端が上側部材8の水切り部82と連結部84との間に挿入されて配置されている。固定部91の屋外側から、連結部84を貫通させて突出部2のフレーム3に連結ビス95を打ち込むことで、固定部91及び連結部84が上側部材8に固定される。固定部91の連結ビス95は、ビス頭にプラス溝が形成されており、このプラス溝は外壁パネル6の下端よりも低い位置で打ち込まれているので、外壁パネル6の下からドライバなどの工具を挿入することで、外壁パネル6と干渉することなく、下側部材9を取り付け、及び取り外すことができる。
【0025】
固定部91の下方に形成される化粧縁部93は、上面が水勾配を有するとともに下面が水平に形成されており、外壁パネル6の下方で屋外側に突出して、形成されている。屋外側の下方から見て、外壁パネル6の下端面を隠しつつ、外壁パネル6の屋内側に形成された壁体内通気空間7の通気を行う通気間隙14を形成している。化粧縁部93の屋内側に形成される天井見切り部94は、化粧縁部93の下面との間に下側に開口する溝96を挟んで形成されており、化粧縁部93の下面と面一に形成されている。天井見切り部94は屋内側端縁が上方に折れ曲がって形成されており、フレーム3の下面との間に隙間が形成されるように設けられている。天井見切り部94とフレーム3の下面との間の隙間には軒裏サイディング材15の屋外側の端縁が挿入されることで、当該の軒裏サイディング材15の端縁を隠している。
【0026】
ジョイナー材10は、
図4に示すように、下側部材9の外部に露出しない側に配置されるアルミニウム又は樹脂材であり、下側部材9の固定部91及び化粧縁部93の裏面形状に整合する第一ジョイナー材11と、天井見切り部94の裏面形状に整合する第二ジョイナー材12とを有している。
【0027】
このように本実施形態の見切り化粧材1は、上側部材8と下側部材9との2部材に分けて形成されており、下側部材9が着脱可能となっているので、
図5に示すように、外部に露出しており比較的破損や経年劣化が生じやすい下側部材9のみを交換することができるものとなっている。そして、外壁パネル6の屋内側に配置されている外壁下地板4の表面に形成された防水シート5の下端が貼り付けられている上側部材8を取り外さずに、下側部材9のみ交換できるので、防水シート5や当該防水シート5の下端を固定するための防水テープ5aを切り剥がすことなく、下側部材9の交換を行うことができるのでよりメンテナンス性に優れている。さらに、下側部材9を固定している連結ビス95のプラス溝が外壁パネル6の下端よりも低いので、外壁パネル6の下の通気間隙14を通して連結ビス95を取り外すことができ、外壁パネル6も取り外すことなく、下側部材9の交換を行うことができる。
【0028】
なお、本発明の見切り化粧材1は上述の実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態においては、見切り化粧材1の下側部材9は、中空が設けられない押し出し成型材であるソリッド形材としたが、変形例1では、下側部材9の製造コストや下側部材9に必要な強度によっては、下側部材9の形状は、
図6に示すように、中空筒状の部分が設けられるホロー形材であってもよい。この場合、互いに隣接する見切り化粧材1の下側部材9同士の突き合わせ部分を連結するジョイナー材10が、下側部材9の外部に露出しない側に配置されるアルミニウム又は樹脂材であり、下側部材9の化粧縁部93の裏面形状にのみ整合する第三ジョイナー材13と、天井見切り部94の裏面形状に整合する第二ジョイナー材12と、により形成されることとなり、これらジョイナー材10に加えて、屋外側から固定部91の突き合わせ部分をカバーする外カバー16が形成されることが好ましい。
【0029】
また、上述の実施形態の見切り化粧材1は、化粧縁部93の下面と、天井見切り部94の下面とが溝96を挟んで面一に形成されていたが、本発明の見切り化粧材1はこのような形状に限定されるものではなく、
図7に示すように、下側部材9の下面は、屋外側の下面が屋内側の下面よりも高い位置に形成されるものであってもよい。すなわち、化粧縁部93の下面97よりも、天井見切り部94の下面98が低く形成されれば、下階の屋内から見たときに、天井見切り部94の下面98のみが視認されるので、見切り化粧材1の見込み方向の幅が短く目立たないので、突出部2の縁が目立たず、突出部2の下側の空間とその外側の空間とを連続的な印象とすることができる。
【0030】
さらに、下側部材9が、当該下側部材9の屋外側に形成された化粧縁部93の下面97から鉛直方向に垂れ下がり、化粧縁部93の下面97と天井見切り部94の下面98とを接続する垂下部99を有しており、天井見切り部94の下面98の屋外側の端縁が、垂下部99よりも屋外側に突出して、化粧縁部93の下面97の下方に水平に伸びて形成されていることが好ましい。このように構成されると、下階の屋内形見たときには、化粧縁部93の下面97が天井見切り部94の下面98に隠されて視認されにくくなり、突出部2の下側の空間を突出部2の外側の空間とより連続的な印象とすることができる。また、屋外側から見た場合に、化粧縁部93の下面97と天井見切り部94との間の奥に垂下部99が溝状に形成されることとなり、屋外側から見た見切り化粧材1に線状の影が視認されてよりシャープな印象とすることができる。
【0031】
なお、本発明における「屋外側の下面」は本実施形態においては化粧縁部93の下面97がこれに相当し、「屋内側の下面」は本実施形態においては天井見切り部94の下面98がこれに相当する。
【0032】
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係る化粧見切り材は、アルコーブ天井の屋外端縁やオーバーハングの下端縁に設けられる化粧見切り材として好適である。
【符号の説明】
【0034】
1 見切り化粧材
2 突出部
3 フレーム
4 外壁下地板
5 防水シート
6 外壁パネル
8 上側部材
9 下側部材
81 防水接続部
82 水切り部
84 連結部
91 固定部
93 化粧縁部
94 天井見切り部
95 連結ビス(ビス)