(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】発話機器の発話テスト方法、発話テストサーバ、発話テストシステム、および発話テストサーバと通信する端末で使用されるプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
G06F3/16 600
(21)【出願番号】P 2022519354
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 JP2021026410
(87)【国際公開番号】W WO2022215280
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2021064959
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】占部 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】中井 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】松永 悟
(72)【発明者】
【氏名】大橋 由暉
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-164251(JP,A)
【文献】特開2015-102851(JP,A)
【文献】特表2018-506213(JP,A)
【文献】特開2019-023799(JP,A)
【文献】特開2002-016558(JP,A)
【文献】特開平07-221840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発話テストサーバによって実行される、発話機器の発話テスト方法であって、
端末装置から発話テスト開始指令を受信するステップと、
前記発話テスト開始指令に基づいて、少なくとも1つの発話機器を発話テストの対象であるテスト機器とするように、前記テスト機器を設定するステップと、
設定した前記テスト機器に基づいて定める音声データまたは映像データを用いて、発話テストのテスト内容を設定するステップと、
前記テスト内容を発話させるための発話指示を前記テスト機器に送信するステップと、
前記発話指示を送信してから所定時間内に前記テスト機器からテスト終了通知を受信しない場合に、発話テストが失敗したと判断するステップと、
失敗原因に対応するテスト失敗通知を前記端末装置に送信して前記端末装置に表示させ
るステップと、
を含む、発話機器の発話テスト方法。
【請求項2】
設定変更ユーザインタフェースを前記端末装置に表示させるステップと、
前記端末装置から設定変更指令を受信する場合、前記設定変更指令に基づいて、前記テスト内容を変更し、変更した前記テスト内容を前記テスト機器に発話させるステップと、
をさらに含む、
請求項1に記載の発話機器の発話テスト方法。
【請求項3】
前記発話機器が発話可能な情報に基づいて追加情報を設定するステップと、
前記追加情報を前記テスト内容とともに前記テスト機器に発話させる、または、前記追加情報を前記端末装置に表示させるステップと、
をさらに含む、
請求項1または2に記載の発話機器の発話テスト方法。
【請求項4】
前記端末装置から前記発話テスト開始指令を受信するステップの前に、
前記テスト内容の発話文言を前記端末装置に表示させるステップ
をさらに含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の発話機器の発話テスト方法。
【請求項5】
発話テストサーバであって、
音声データまたは映像データを記憶するサーバ記憶部と、
サーバ制御部と、を備え、
前記サーバ制御部は、
端末装置から発話テスト開始指令を受信し、
前記発話テスト開始指令に基づいて、少なくとも1つの発話機器を発話テストの対象であるテスト機器とするように、前記テスト機器を設定し、
設定した前記テスト機器に基づいて定める前記音声データまたは映像データを用いて、発話テストのテスト内容を設定し、
前記テスト内容を発話させるための発話指示を前記テスト機器に送信し、
前記発話指示を送信してから所定時間内に前記テスト機器からテスト終了通知を受信しない場合に、発話テストが失敗したと判断し、
失敗原因に対応するテスト失敗通知を前記端末装置に送信して前記端末装置に表示させる、
ように構成されている、
発話テストサーバ。
【請求項6】
少なくとも1つの発話可能な発話機器と、
前記発話機器に関連し、発話テスト開始指令を送信可能な端末装置と、
請求項5に記載の発話テストサーバと、
を含む、
発話テストシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発話機器に関し、特に発話機器の発話テスト方法、発話テストサーバ、発話テストシステム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家電とは、家庭用電化製品の略称であり、例えば、家庭で使うテレビ、冷蔵庫、空気調和機、洗濯機、掃除ロボット、音響機器、照明、給湯器、インターホンなどの電気器具である。従来では、ビープ音やブザー音を用いて、家電の運転状況をユーザに知らせる。例えば、洗濯機の洗濯が終了するとき、空気調和機が起動されるとき、または冷蔵庫の扉が所定時間以上に完全に閉じていないときには、これらの家電はユーザの注意力を引くようにビープ音を発する。
【0003】
現在、ビープ音などに代えて、より多くの情報を家電のユーザに伝達するために、人間の言語を含む音声を用いて発話することができる発話機器としての家電が開発されてきた。このような家電は発話家電と呼ばれ、ビープ音の代わりに、例えば、「洗濯が終わりました。」や、「冷蔵庫の扉が閉じていませんよ。」のように発話して、家電に関する情報をユーザに知らせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において開示された技術は、発話を行う機能を有する複数の電子機器(家電)に対して音声データを提供する音声システムに関する。音声システムは、当該複数の電子機器の設置場所が同じエリアであるか異なるエリアであるかに応じて、発話すべき電子機器を決定する。ユーザの操作を受け付けると、音声システムは発話時の音量または音質の設定を行う。
【0006】
しかしながら、ユーザが設定した発話機能に基づいて家電がどのように発話するのかは、実際に発話するまでユーザは確認できない。そのため、ユーザは設定が本当に成功したかを確認する術がなければ、家電がどのように発話するかが分からずに心構えもできない。
【0007】
本発明は、発話機器の発話についての設定が確認でき、ユーザに発話を体験させ得る発話テスト技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するために、本発明は、発話機器の発話テスト方法、発話テストサーバ、発話テストシステム、およびプログラムを提供するものである。
【0009】
本発明に係る一態様の発話機器の発話テスト方法は、端末装置から発話テスト開始指令を受信するステップと、発話テスト開始指令に基づいて、少なくとも1つの発話機器を発話テストの対象であるテスト機器とするように、テスト機器を設定するステップと、設定したテスト機器に基づいて定める音声データまたは映像データを用いて、発話テストのテスト内容を設定するステップと、テスト内容をテスト機器に発話させるステップと、を含む。
【0010】
また、本発明に係る他の態様の発話機器の発話テストサーバは音声データまたは映像データを記憶するサーバ記憶部と、サーバ制御部と、を備える。サーバ制御部は、端末装置から発話テスト開始指令を受信し、発話テスト開始指令に基づいて、少なくとも1つの発話機器を発話テストの対象であるテスト機器とするように、テスト機器を設定し、設定したテスト機器に基づいて定める音声データまたは映像データを用いて、発話テストのテスト内容を設定し、テスト内容をテスト機器に発話させるように構成されている。
【0011】
また、本発明に係る他の態様の発話テストシステムは、少なくとも1つの発話可能な発話機器と、端末装置と、発話テストサーバとを含む。
【0012】
また、本発明に係る他の態様のプログラムは、発話テストサーバと通信する端末で使用されるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、ユーザは発話についての設定を確認することができ、発話の体験が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1における発話テストシステムの概略構成を示すブロック図
【
図2】実施の形態1における発話機器の発話テスト方法の一例のフローチャート
【
図3】実施の形態1における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図
【
図4】実施の形態1における端末装置のユーザインタフェースの一例
【
図5】実施の形態2における発話テストシステムの概略構成を示すブロック図
【
図6】実施の形態2における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図
【
図7】実施の形態3におけるステップS400の一例のフローチャート
【
図8】実施の形態3における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図
【
図9】実施の形態3における端末装置のユーザインタフェースの一例
【
図10】実施の形態4における発話機器の発話テスト方法の一例のフローチャート
【
図11】実施の形態4における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図
【
図12】実施の形態4における端末装置のユーザインタフェースの一例
【
図13】実施の形態5における発話機器の発話テスト方法の一例のフローチャート
【
図14】実施の形態5における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図
【
図15】実施の形態5における設定変更ユーザインタフェースの一例
【
図16】実施の形態6における発話機器の発話テスト方法の一例のフローチャート
【
図17】実施の形態6における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図
【
図18A】実施の形態7におけるテスト内容の発話文言の表示の一例
【
図18B】実施の形態7における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図
【
図19A】実施の形態7におけるテスト内容の発話文言の表示の別例
【
図19B】実施の形態7における発話機器の発話テスト方法の別例のシーケンス図
【
図20A】実施の形態7におけるテスト内容の発話文言の表示のまた別例
【
図20B】実施の形態7における発話機器の発話テスト方法のまた別例のシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0015】
先ず始めに、発話機器の発話テスト方法、発話テストサーバおよび発話テストシステムの各種態様について説明する。
【0016】
本発明に係る第1の態様の発話機器の発話テスト方法は、端末装置から発話テスト開始指令を受信するステップと、発話テスト開始指令に基づいて、少なくとも1つの発話機器を発話テストの対象であるテスト機器とするように、テスト機器を設定するステップと、設定したテスト機器に基づいて定める音声データまたは映像データを用いて、発話テストのテスト内容を設定するステップと、テスト内容をテスト機器に発話させるステップと、を含む。
【0017】
本発明に係る第2の態様の発話機器の発話テスト方法は、第1の態様において、発話テスト開始指令は、テスト機器を選択する入力情報を含んでもよい。テスト機器を設定するステップでは、発話テスト開始指令の入力情報に基づいて、発話テスト開始指令に指定される少なくとも1つの発話機器、すべての発話機器、または、端末装置のユーザに最寄りの発話機器をテスト機器とするように、テスト機器を設定してもよい。
【0018】
本発明に係る第3の態様の発話機器の発話テスト方法は、第1または2の態様において、テスト内容は、音声データの発話文言、映像データの発話文言、発話の音量、発話の周波数成分、および発話の速さのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0019】
本発明に係る第4の態様の発話機器の発話テスト方法は、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、発話テスト開始指令には、テスト機器が複数設定されるとともに、複数のテスト機器に対して発話テストを行う順番情報が含まれて。テスト内容をテスト機器に発話させるステップにおいて、発話テスト開始指令の順番情報に指定される順に、テスト内容を当該複数のテスト機器のそれぞれに発話させてもよい。
【0020】
本発明に係る第5の態様の発話機器の発話テスト方法は、第4の態様において、テスト内容をテスト機器に発話させるステップにおいて、発話させたテスト機器からテスト完了通知を受信してから、順番情報における次のテスト機器に発話させるように、テスト内容を複数のテスト機器のそれぞれに発話させてもよい。
【0021】
本発明に係る第6の態様の発話機器の発話テスト方法は、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、発話テストが失敗したか否かを判断するステップと、発話テストが失敗した場合、失敗原因に対応するテスト失敗通知を端末装置に送信して端末装置に表示させるステップと、をさらに含んでもよい。
【0022】
本発明に係る第7の態様の発話機器の発話テスト方法は、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、設定変更ユーザインタフェースを端末装置に表示させるステップと、端末装置から設定変更指令を受信する場合、設定変更指令に基づいて、テスト内容を変更し、変更したテスト内容をテスト機器に発話させるステップと、をさらに含んでもよい。
【0023】
本発明に係る第8の態様の発話機器の発話テスト方法は、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、発話機器が発話可能な情報に基づいて追加情報を設定するステップと、追加情報をテスト内容とともにテスト機器に発話させる、または、追加情報を端末装置に表示させるステップと、をさらに含んでもよい。
【0024】
本発明に係る第9の態様の発話機器の発話テスト方法は、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、端末装置から発話テスト開始指令を受信するステップの前に、テスト内容の発話文言を端末装置に表示させるステップをさらに含んでもよい。
【0025】
本発明に係る第10の態様の発話機器の発話テストサーバは、音声データまたは映像データを記憶するサーバ記憶部と、サーバ制御部と、を備える。サーバ制御部は、端末装置から発話テスト開始指令を受信し、発話テスト開始指令に基づいて、少なくとも1つの発話機器を発話テストの対象であるテスト機器とするように、テスト機器を設定し、設定したテスト機器に基づいて定める音声データまたは映像データを用いて、発話テストのテスト内容を設定し、テスト内容をテスト機器に発話させるように構成されている。
【0026】
本発明に係る第11の態様の発話機器の発話テストサーバは、第10の態様において、発話テスト開始指令は、前記テスト機器を選択する入力情報を含んでもよい。サーバ制御部は、テスト機器を設定するとき、発話テスト開始指令の入力情報に基づいて、発話テスト開始指令に指定される少なくとも1つの発話機器、すべての発話機器、または、端末装置のユーザに最寄りの発話機器をテスト機器とするように、テスト機器を設定するようにさらに構成されていてもよい。
【0027】
本発明に係る第12の態様の発話機器の発話テストサーバは、第10または11の態様において、テスト内容は、音声データの発話文言、映像データの発話文言、発話の音量、発話の周波数成分、および発話の速さのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0028】
本発明に係る第13の態様の発話機器の発話テストサーバは、第10~12の態様のいずれか1つにおいて、発話テスト開始指令に、テスト機器が複数設定されるとともに、複数の前記テスト機器に対して発話テストを行う順番情報が含まれている。サーバ制御部は、テスト内容をテスト機器に発話させるとき、発話テスト開始指令の順番情報に指定される順に、テスト内容を当該複数のテスト機器のそれぞれに発話させるようにさらに構成されていてもよい。
【0029】
本発明に係る第14の態様の発話機器の発話テストサーバは、第13の態様において、サーバ制御部は、テスト内容をテスト機器に発話させるとき、発話させたテスト機器からテスト完了通知を受信してから、順番情報における次のテスト機器に発話させるように、テスト内容を複数のテスト機器のそれぞれに発話させるようにさらに構成されていてもよい。
【0030】
本発明に係る第15の態様の発話機器の発話テストサーバは、第10~14の態様のいずれか1つにおいて、サーバ制御部は、発話テストが失敗したか否かを判断し、発話テストが失敗した場合、失敗原因に対応するテスト失敗通知を端末装置に送信して端末装置に表示されるようにさらに構成されていてもよい。
【0031】
本発明に係る第16の態様の発話機器の発話テストサーバは、第10~15の態様のいずれか1つにおいて、サーバ制御部は、設定変更ユーザインタフェースを端末装置に表示させ、端末装置から設定変更指令を受信するとき、設定変更指令に基づいて、テスト内容を変更し、変更したテスト内容をテスト機器に発話させるようにさらに構成されていてもよい。
【0032】
本発明に係る第17の態様の発話機器の発話テストサーバは、第10~16の態様のいずれか1つにおいて、サーバ制御部は、発話機器が発話可能な情報に基づいて追加情報を設定し、追加情報をテスト内容とともにテスト機器に発話させる、または、追加情報を端末装置に表示させるようにさらに構成されていてもよい。
【0033】
本発明に係る第18の態様の発話機器の発話テストサーバは、第10~17の態様のいずれか1つにおいて、サーバ制御部は、端末装置から発話テスト開始指令を受信する前に、テスト内容の発話文言を端末装置に表示させるようにさらに構成されていてもよい。
【0034】
本発明に係る第19の態様の発話機器の発話テストシステムは、少なくとも1つの発話可能な発話機器と、端末装置と、第10~18の態様のいずれか1つの発話テストサーバとを含む。
【0035】
本発明に係る第20の態様のプログラムは、請求項10~18に記載の発話テストサーバと通信する端末で使用されるプログラムである。
【0036】
《実施の形態1》
以下、本発明に係る発話機器の発話テスト方法、発話テストサーバおよび発話テストシステムの実施の形態1について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
以下で説明する実施の形態1は、本発明の一例を示すものである。以下の実施の形態1において示される数値、形状、構成、ステップ、およびステップの順序などは、一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。以下の実施の形態1における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0038】
以下に述べる実施の形態1において、特定の要素に関しては変形例を示す場合があり、その他の要素に関しては任意の構成を適宜組み合わせることを含むものであり、組み合わされた構成においてはそれぞれの効果を奏するものである。実施の形態1において、それぞれの変形例の構成をそれぞれ組み合わせることにより、それぞれの変形例における効果を奏するものとなる。
【0039】
以下の詳細な説明において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
【0040】
図1は、実施の形態1における発話テストシステムの概略構成を示すブロック図である。発話機器の発話テストシステムは、発話テストサーバ10と、少なくとも1つの発話可能な発話機器20と、発話機器20に関連する端末装置30と、を含む。発話テストサーバ10は、少なくとも1つの情報元装置40または少なくとも1つの外部情報源50から情報を受信し、受診した情報に基づいて発話機器20に発話させてもよい。これらの情報元装置40および外部情報源50は、発話テストシステムに含まれてよく、発話テストシステムに含まれなくてもよい。以下、各構成要素の概略を説明する。
【0041】
<発話機器20>
発話機器20は、発話機能を有する機器である。本実施形態の発話機器20は、発話機能を有する家電(発話家電)を含む。家電とは、家庭用電化製品の略称である。発話機器20は、家庭で用いられる電子機器であれば任意の種類の機器であってもよく、例えば、家庭で使うテレビ、冷蔵庫、空気調和機、洗濯機、掃除ロボット、音響機器(スマートスピーカを含む。)、照明、給湯器、インターホンなどの電気器具が含まれる。発話機器20は、「民生用発話機器」、「発話家電」と称してもよい。発話機能とは、スピーカを用いて人間の言語を含む音声を発する機能という。発話機能は、人間の言語を含まない、ビープ音、ブザー音、アラーム等の音のみを発声する機能とは異なり、人間の言語を用いてより多くの情報をユーザに伝達することができる。発話家電としての発話機器20はそれぞれの家電機能を発揮するように構成されている。例えば、空気調和機である発話機器20は、圧縮機と熱交換器と室内温度センサとを含み、制御空間において冷房、暖房、および除湿の機能を発揮するように構成されている。また、例えば、掃除ロボットである発話機器20は、バッテリと集塵機構と移動機構と物体検知センサとを含み、移動可能な範囲内で移動しながら掃除するように構成されている。
【0042】
図1の実施例において、発話機器20は、機能を発揮するための情報を記憶する機器記憶部21(家電記憶部)と、発話機器20全体を制御する機器制御部22(家電制御部)と、発話テストサーバ10または端末装置30と通信可能な機器通信部23(家電通信部)と、発話するためのスピーカ24とを含む。発話機器20は視覚的な情報をユーザに表示するためのディスプレイ25を含んでもよい。また、発話機器20は機能を発揮するために様々なセンサ26を少なくとも1つ含んでもよい。なお、本開示においては、この例示の発話機器20について説明するが、他の発話機器20において同様の構成としてもよい。
【0043】
機器記憶部21は、種々の情報や制御プログラムを記録する記録媒体であり、機器制御部22の作業領域として機能するメモリであってもよい。機器記憶部21は、例えば、フラッシュメモリ、RAM、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。機器記憶部21は発話用の音声データまたは映像データを記憶してもよい。発話用の音声データまたは映像データは、発話機器20の出荷前に記憶させるものであってもよく、販売者または家庭内のユーザの指令に基づいて他の記憶媒体から読み込むものであってもよく、販売者またはユーザの指令に基づいてインターネットを介してダウンロードするものであってもよい。
【0044】
機器制御部22は、発話機器20全体の制御を司るコントローラである。機器制御部22は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPU、MPU、FPGA、DSP、ASICのような汎用プロセッサを含む。機器制御部22は、機器記憶部21に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、発話機器20における各種の制御を実現することができる。また、機器制御部22は機器記憶部21と協働して機器記憶部21に記憶されたデータを読み取り/書き込みを行うことができる。機器制御部22は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
【0045】
機器制御部22は、設定ユーザインタフェースを介してユーザによる様々な設定値(例えば、空気調和機の設定温度、テレビの表示チャネル、掃除ロボットの掃除時間)を受信することができる。機器制御部22は、これらの設定値および様々なセンサから受信した検出値(例えば、室内温度、物体の有無)などに基づいて、発話機器20の機能を発揮するように発話機器20の各部品を制御する。機器制御部22は、発話テストサーバ10または端末装置30から指令を受信して当該指令にしたがって発話機器20を制御してもよい。また、機器制御部22は、後述する発話テスト方法に基づいて、発話テストサーバ10からの指令にしたがって発話テストを行う。
【0046】
機器通信部23は、発話テストサーバ10やユーザの端末装置30等と通信することもでき、例えば、インターネットパケットを送受信することもできる。機器制御部22は、機器通信部23を介して発話テストサーバ10と協働するとき、インターネットを介して発話テストサーバ10から発話テストに関するパラメータ値または指令を受信することできる。
【0047】
スピーカ24は、機器制御部22が指定する音声データを用いて、電気信号を音響信号に変換し、音波として空間に放射するものである。機器制御部22は音声インタフェースを介してスピーカ24と通信してもよい。スピーカ24は、発話機器20の種類等に基づいて適宜に設けられ得る。例えば、テレビである発話機器20において、スピーカ24はテレビの正面の両側に設けられ得る。掃除ロボットである発話機器20において、スピーカ24は掃除ロボットのハウジング内に設けられ得る。それぞれの発話機器20のスピーカ24は異なる規格や発話能・発声力を有してもよい。例えば、テレビのスピーカ24は比較的に高い発話・発声能力を有するが、洗濯機のスピーカ24は比較的に低い発話・発声能力を有してもよい。本開示はスピーカ24の発話・発声能力について制限しない。
【0048】
ディスプレイ25は、視覚的な情報をユーザに表示するためのものである。ディスプレイ25は、例えば、テレビのスクリーンのように綺麗な映像を表示するために解像度が高いものであってもよく、洗濯機や電子レンジにおいて設定用のユーザインタフェース(user interface、UI)を表示するための、解像度が低いパネルディスプレイであってもよい。本開示はディスプレイ25の表示能力について制限しない。また、ディスプレイ25は表示機能を有するタッチパネルであってもよい。
【0049】
センサ26は、発話機器20の機能を発揮するために発話機器20の外部から様々な情報を取得するためのものである。例えば、センサ26は、空気調和機が設けられた部屋内部の温度を検出する室内温度センサ、空気調和機が設けられた部屋の外の温度を検出する室外温度センサ、掃除ロボットの前方に物体の有無を検出する物体センサ、冷蔵庫の扉が完全に閉じているか否かを検出する開閉センサなどであってもよい。センサ26にて検出された情報は、機器記憶部21に入力されて記憶され、後に機器制御部22が利用したり、端末装置30またはサーバに送信されたりする。
【0050】
<端末装置30>
端末装置30は、発話機器20に関連する装置である。例えば、発話機器20のコントローラであってもよく、複数種類の家電製品を同時に管理・制御できるコントローラであってもよい。また、端末装置30は、発話機器20との間でデータ通信を行うことができる情報端末、例えば、専用の関連アプリケーション32が組み込まれたスマートフォン、携帯電話、モバイルフォン、タブレット、ウェアラブル装置、コンピュータなどであってもよい。発話テストサーバ10または機器制御部22は、端末装置30を介してユーザが入力した設定または指令を取得することができる。一般的には、端末装置30はグラフィックユーザインタフェース(graphical user interface、GUI)を表示するためのディスプレイを含む。ただ、音声ユーザインタフェース(voice User Interface、VUI)を介してユーザと相互作用する場合、ディスプレイの代わりに、またはディスプレイに加えて、端末装置30はスピーカとマイクとを含んでもよい。
【0051】
<情報元装置40>
情報元装置40は、発話機器20が発話する内容に関連する情報源である。情報元装置40は、発話機器20が設けられた家庭内の別の機器(家電)であってもよい。情報元装置40が別の機器である場合、本開示では、情報元装置40は情報元機器(情報元家電)とも呼ばれている。情報元機器は発話機器20であってもよく、発話機能を有しない機器であってもよい。情報元機器は、その運転状態などの機器情報(家電情報)を発話テストサーバ10に送信し、発話テストサーバ10は、受信した機器情報に基づいて発話テストのテスト内容を設定してもよい。また、発話テストの終了後、発話機器20の通常の使用中に、情報元機器は機器情報を発話テストサーバ10または別のサーバに送信し、発話テストサーバ10または当該別のサーバは受信した機器情報に基づいて発話機器20に発話させてもよい。機器情報の例としては、例えば、情報元機器の起動状態、運転モード、異常情報などが挙げられる。
【0052】
<外部情報源50>
外部情報源50は、発話機器と直接的に関わらないサービスに関する情報、例えば、気象情報や、宅配便の配送状況に関する情報を提供する情報源である。発話テストサーバ10は、外部情報源50から取得する情報に基づいて、発話テストのテスト内容を設定してもよい。発話テストサーバ10、端末装置30、または他のサーバは、発話テストの終了後、発話機器20の通常の使用中に、外部情報源50から取得する情報に基づいて、発話機器20に発話させてもよい。
【0053】
<発話テストサーバ10>
発話テストサーバ10は、少なくとも1つの発話機器20に対して、人間の言語を含む音声データまたは映像データを用いて、発話テストを行うサーバである。1つの実施例において、発話テストサーバ10は、インターネットを経由して少なくとも1つの発話機器20に接続して、発話テストについて制御することができる。同じ家庭または同じ売り場に設けられた複数の発話機器20に対して、発話テストサーバ10は一度にこれらの複数の発話機器をテストすることができる。
【0054】
発話テストサーバ10は、後述する発話テスト方法の実行以外、他の目的に用いられてもよい。例えば、発話テストサーバ10は、少なくとも1つの発話機器20を管理するため、またはデータを収集するための発話機器20の製造会社の管理サーバであってもよい。または、発話テストサーバ10は、アプリケーションサーバであってもよい。実施の形態1において、発話テストサーバ10は、サーバ記憶部12と、サーバ制御部14とを含む。発話テストサーバ10は、発話機器20、端末装置30、情報元装置40、または外部情報源50と通信するためのサーバ通信部16をさらに含んでもよい。
【0055】
<サーバ記憶部12>
サーバ記憶部12は、種々の情報や制御プログラムを記録する記録媒体であり、サーバ制御部14の作業領域として機能するメモリであってもよい。サーバ記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Device)、ハードディスク、RAM、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。サーバ記憶部12は、発話テストサーバ10内部のメモリであってもよく、発話テストサーバ10と無線通信または有線通信にて接続されているストレージ装置であってもよい。
【0056】
サーバ記憶部12は、発話テスト用の音声データまたは映像データを記憶する。様々な発話テスト用の音声データまたは映像データは、発話テストの対象となるテスト機器(テスト家電)の種類や、情報元装置40の種類、外部情報源50の種類などに応じて生成され得る。1つの実施例において、発話テストサーバ10は、発話テスト前に、発話テスト用の音声データまたは映像データを事前に生成してサーバ記憶部12に記憶させる。別の実施例において、発話テストサーバ10は、発話テストの実行中に発話テスト用の音声データまたは映像データを動的(実行時)に生成してサーバ記憶部12に記憶させる。サーバ記憶部12は、これらの音声データもしくは映像データを生成するための素材データ、または途中のデータを記憶してもよい。また、発話テストサーバ10のサーバ記憶部12は、テスト終了後、発話機器20の通常の使用中に、発話機器20に発話させるときに用いられる音声データまたは映像データを記憶してもよい。
【0057】
サーバ記憶部12は、発話テスト用の設定情報(例えば、後述する音量等のテスト内容)も記憶する。発話テストの終了後、発話機器20の通常の使用中に、発話テストサーバ10が機器情報等に基づいて発話機器20に発話させる場合、発話のための設定や情報を記憶する。
【0058】
<サーバ制御部14>
発話テストサーバ10のサーバ制御部14は、発話テストサーバ10全体の制御を司るコントローラである。サーバ制御部14は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPU、MPU、GPU、FPGA、DSP、ASICのような汎用プロセッサを含む。サーバ制御部14は、サーバ記憶部12に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、発話テストサーバ10における各種の制御を実現することができる。また、サーバ制御部14は、サーバ記憶部12と協働してサーバ記憶部12に記憶されたデータを読み取り/書き込みを行うことができる。サーバ制御部14は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
【0059】
<サーバ通信部16>
サーバ通信部16は、サーバ制御部14と協働して、発話機器20や、端末装置30、情報元装置40、外部情報源50等とインターネットパケットを送受信する、すなわち、通信することもできる。例えば、発話テストサーバ10は、サーバ通信部16を介して端末装置30から指令を受信してもよく、発話機器20に対して指示を送信してもよく、情報元装置40または外部情報源50から情報を受信してもよい。サーバ通信部16または機器通信部23は、発話テストサーバ10と、発話機器20と、端末装置30と、情報元装置40と、外部情報源50との間において、Wi-Fi(登録商標)、IEEE802.2、IEEE802.3、3G、LTE等の規格にしたがい通信を行い、データの送受信を行ってもよい。インターネットの他、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等、赤外線、ブルートゥース(登録商標)と通信してもよい。
【0060】
<発話機器の発話テスト方法>
発話テストサーバ10は、サーバ記憶部12およびサーバ制御部14を用いて、発話機器の発話テスト方法を実行する。
図2は、実施の形態1における発話機器の発話テスト方法のフローチャートであり、発話機器の発話テスト方法は以下のステップS100~ステップS400を含む。
図3は、実施の形態1における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図であり、
図2のフローチャートに対応する。
【0061】
まず、ユーザは端末装置30のUIを介して、発話テストを開始させることができる。サーバ制御部14は、サーバ通信部16を介して、発話機器20に関連する端末装置30から発話テスト開始指令を受信する(ステップS100)。例えば、
図4は、実施の形態1における端末装置30のUIの一例であり、端末装置30の画面60を示している。当該UIでは発話機器や発話する内容に関連する情報が表示される。
図4のUIにおいて、「通知のお試し」というボタン62が設けられ、ユーザがこのボタンを押すと、端末装置30は、ユーザ入力に基づいて入力情報を生成し、入力情報を発話テスト開始指令に入れる。そして、端末装置30が発話テスト開始指令を発話テストサーバ10に送信し、発話テストが開始する。なお、発話テストサーバ10と端末装置30と間の指示や情報の通信は、別のサーバ等を介して間接的に行ってもよい。
【0062】
次に、サーバ制御部14は、発話テスト開始指令の入力情報に基づいて、少なくとも1つの発話機器20を発話テストの対象であるテスト機器とするように、テスト機器を設定する(ステップS200)。以下、発話テストの対象として設定される発話機器20をテスト機器20で指すことがある。家庭内に発話テストの対象になり得る発話機器20が複数ある場合、サーバ制御部14はそのうちの少なくとも1つを選択してテスト機器にする。さらに具体的にいうと、サーバ制御部14は、発話テスト開始指令に基づいて、発話テスト開始指令の入力情報によって指定される少なくとも1つの発話機器20、すべての発話機器20、または、端末装置のユーザに最寄りの発話機器20をテスト機器とするように、テスト機器を設定してもよい。
【0063】
1つの実施例において、ユーザは端末装置30のUIを介してテストしようとする発話機器20を選択することができる。この場合、発話テスト開始指令は、テスト機器を選択する入力情報を含む。入力情報は、例えば、当該選択された発話機器20の識別子を含んでもよい。サーバ制御部14は発話テスト開始指令の入力情報に含まれた識別子に基づいて、指定された発話機器20をテスト機器として設定する。
【0064】
別の実施例において、サーバ制御部14は、発話テストの対象になり得る発話機器20のすべてをテスト機器として設定する。
【0065】
さらに別の実施例において、サーバ制御部14は、端末装置30のユーザに最寄りの発話機器20をテスト機器として設定する。例えば、発話機器20が人感センサを含む場合、人感センサを用いて、所定範囲内にユーザがいるか否か、またはユーザとの距離を検出することができる。あるいは、発話機器20は、ブルートゥース(登録商標)またはGPSの技術を用いて端末装置30の位置を取得して、端末装置30の位置をユーザの位置として推定することができる。発話機器20は検出または推定した結果を発話テストサーバ10に送信する。サーバ制御部14は、受信した情報に基づいて、発話テストの対象になり得る発話機器20のうちユーザに最寄りの発話機器20を特定し、当該最寄りの発話機器20をテスト機器として設定する。なお、サーバ制御部14はユーザに最寄りの複数の発話機器20をテスト機器として設定してもよい。
【0066】
サーバ制御部14は、音声データまたは映像データを用いて、設定したテスト機器に基づいて定める発話テストのテスト内容を設定する(ステップS300)。本開示では、音声データまたは映像データは人間の言語を含むデータである。また、主には音声データを用いて発話テストを行う例示について説明するが、同様の方法に基づいて、音声データの代わりに、または音声データに加えて、映像データを用いて発話テストを行うことができる。例えば、テスト機器がディスプレイを含む場合、映像データで発話テストを行ってもよい。また、以下の説明では、音声データを「音源」に略称することがある。本開示に記載の「音源」とは、サーバ記憶部12もしくは機器記憶部21に記憶された音声データ、発話テストサーバ10が生成する発話テスト用の音声データ、または、発話テストサーバ10が生成する発話テスト終了後、発話機器20の通常の使用中に用いられる音声データを指す。
【0067】
サーバ制御部14に設定され得るテスト内容は、発話テストに用いられる音声データまたは映像データの内容であり、具体的には、発話文言(テキスト)または発話仕様を含んでもよい。さらに具体的には、発話文言は音声データの発話文言、または映像データの発話文言を含んでもよい。発話仕様は、発話の音量、発話の周波数成分、および発話の速さのうちの少なくとも1つを含んでもよい。音声データまたは映像データ内の音声は、合成音声であってもよく、事前に録音された人間の音声であってもよい。発話文言は、発話する言葉、例えば、「テスト発話です。このように音声でお知らせします。」という言葉である。サーバ制御部14はテスト機器の種類に基づいて発話文言を設定してもよい。例えば、テスト機器が掃除ロボットである場合、発話文言を「ロボット掃除機のテスト発話です。」と設定してもよい。また、発話文言について、言葉の言語、性別、年齢、声質、言葉の種類などを含んでもよい。
【0068】
1つの実施例において、ユーザは端末装置30のUIを介して少なくとも1つのテスト内容の項目を指定することができる。この場合、発話テスト開始指令は当該指定された項目およびその内容を含んでもよい。例えば、発話テスト開始指令は「言語:日本語」と「性別:女性」と「音量:中」との項目および内容を含んでもよい。サーバ制御部14は発話テスト開始指令に含まれた項目および内容に基づいて、テスト内容設定する。
【0069】
テスト内容を設定することは、上記のテスト内容に対する少なくとも1つの事項を決定すること、サーバ記憶部12に記憶された音声データにおい決定したてテスト内容に対応するものを選択すること、および/または、決定したテスト内容に基づいて音声データ(音源)を生成することを含む。
【0070】
次に、サーバ制御部14は、発話指示をテスト機器に送信し、テスト内容をテスト機器に発話させる(ステップS400)。1つの実施例において、設定されるテスト内容に対応する音声データ(音源)は、サーバ記憶部12に記憶され、テスト機器にダウンロードされ得る。この場合、サーバ制御部14は当該音声データのURL(uniform resource locator、統一資源位置指定子)をテスト機器に送信する。発話指示は、ダウンロード用のURLを含む。テスト機器は、指定されるURL当該音源データをダウンロードして発話する。別の実施例において、サーバ制御部14は当該音声データをテスト機器に送信し、テスト機器は受信する音声データを用いて発話する。さらに別の実施例において、機器記憶部21には様々なテスト内容に対応する音声データがすでに記憶され、サーバ制御部14は設定するテスト内容または関連情報をテスト機器に送信する。テスト機器は受信するテスト内容または関連情報に基づいて対応する音声データを選択して発話する。
【0071】
1つの実施例において、発話テストサーバ10と通信する端末、例えば、発話機器20または端末装置30は、上述したような発話テストを実行するために使用されるプログラムを有する。
【0072】
これにより、発話テストの制御が完了する。発話テストの終了後、発話機器20の通常の使用中に、発話テストサーバ10は、特定の発話機器20に関する機器情報、他の発話機器20の機器情報、または外部情報源50からの情報に基づいて、テスト時と同じ設定で当該発話機器20に発話させることができる。例えば、テスト時と同じく、「言語:日本語」と「性別:女性」と「音量:中」との設定で、家庭内の発話機器20に発話させる。このようにすれば、ユーザは発話についての設定を確認することができ、後には確認した設定通りの発話の体験が得られる。
【0073】
《実施の形態2》
<発話テストサーバ10が複数のサーバによって構成されている場合>
実施の形態2において、発話テストサーバ10は、異なる役割を持つ複数のサーバによって構成されている。
【0074】
図5は、実施の形態2における発話テストシステムの概略構成を示すブロック図である。実施の形態2において、発話テストサーバ10は発話指示サーバ10aと音源サーバ10bとを含む。発話指示サーバ10aはサーバ記憶部12aとサーバ制御部14aとサーバ通信部16aとを含む。発話指示サーバ10bはサーバ記憶部12bとサーバ制御部14bとサーバ通信部16bとを含む。音源サーバ10bは、発話テスト方法において、発話テスト用の音声データ(音源)の生成、記憶およびダウンロードに関する動作を行う。一方、発話指示サーバ10aは残る動作、例えば、発話機器20と端末装置30との通信を行う。
【0075】
図6は、実施の形態2における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図である。発話指示サーバ10aは、端末装置30から発話テスト開始指令を受信し、発話テスト開始指令に基づいてテスト機器およびテスト内容を設定し、テスト機器に発話指示を送信する。
図6の実施例において、発話テストに用いられるべき音源は音源サーバ10bのサーバ記憶部12bに記憶されており、発話指示は当該音源をダウンロードするためのURL(「DL用URL」)を含む。テスト機器は発話指示を受信すると、DL用URLに基づいて音源サーバ10bから音源をダウンロードし、発話テストを行うように当該音源で発話する。
【0076】
これにより、発話テストサーバ10におけるそれぞれのサーバの処理負担を低減することができる。また、発話テストサーバ10におけるそれぞれは担当分の動作を行うための構成だけがあればよく、例えば、発話指示サーバ10aは音源生成のためのハードウェアを含まなくてもよい。この構成によって、発話テストサーバ10全体の維持および保守が容易になる。
【0077】
なお、
図6と別の観点で発話テストサーバ10の機能を複数のサーバに分担させてもよい。例えば、発話テストサーバ10は、発話指示サーバと音源生成サーバと音源配信サーバとを含んでもよい。この場合、音源生成サーバが生成する音源は音源配信サーバのサーバ記憶部に記憶され、テスト機器にダウンロードされる。
【0078】
《実施の形態3》
<テスト機器が複数である場合>
実施の形態3において、テスト機器が複数に設定され、発話テストサーバ10は複数のテスト機器に順に発話テストをさせる。
【0079】
図7は、実施の形態3におけるステップS400の一例のフローチャートであり、
図8は、実施の形態3における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図である。発話テストサーバ10は実施の形態1と同様にステップS100を行う。
【0080】
ステップS200において、発話テストサーバ10は発話テスト開始指令に基づいて複数のテスト機器を設定する。例えば、家庭内に発話機器20aと発話機器20bと発話機器20cとが設けられており、発話テストサーバ10はこれらの全部をテスト機器として設定してもよい。
【0081】
1つの実施例において、ユーザが端末装置30のUIを介して選択した複数の発話機器20をテスト機器として設定する。
図9は、実施の形態3における端末装置30のUIの一例であり、端末装置30の画面70を示している。例えば、ユーザはUIを介して発話機器20aと発話機器20bと発話機器20cとを「オン」に設定することができる。
図9のUIにおいて、「通知テストを実施」というボタン72が設けられ、ユーザがこのボタンを押すと、端末装置30は、「オン」に設定されたこれらの発話機器20の識別子を含んだ発話テスト開始指令を発話テストサーバ10に送信する。
【0082】
1つの実施例において、ユーザは端末装置30のUIを介して発話順を指定してもよい。この場合、端末装置30はユーザが指定した順番に基づいて、順番情報を生成し、発話テスト開始指令に入れて、発話テストサーバ10に送信する。よって、発話テスト開始指令において、テスト機器が複数設定されるとともに、複数のテスト機器に対して発話テストを行う順番情報が含まれる。発話テスト開始指令をユーザが特に指定していない場合、端末装置30は、「オン」に設定される発話機器20がUIに表示された上から下への順番(
図9では発話機器20a、発話機器20b、発話機器20cの順)を発話順にして、この順番情報を含む発話テスト開始指令を発話テストサーバ10に送信してもよい。
【0083】
ステップS300において、発話テストサーバ10は複数のテスト機器に対して同様なテスト内容を設定してもよく、少なくとも1つのテスト機器に対して異なるテスト内容を設定してもよい。
【0084】
ステップS400において、複数のテスト機器を一斉に発声させることもできるが、ユーザに発話テストをよく聞こえるように、複数のテスト機器を順に発話させてもよい。
図7および
図8の実施例において、それぞれのテスト機器は、発話テストを完了したら、テスト完了通知を発話テストサーバ10に送信する。発話テストサーバ10は、発話させたテスト機器からテスト完了通知を受信してから、次のテスト機器に発話させるように、テスト内容を複数のテスト機器のそれぞれに発話させる。
【0085】
さらに具体的にいうと、発話テストサーバ10はテスト内容を1つのテスト機器(例えば、テスト機器20a)に発話させる(ステップS410)。そして、発話テストサーバ10は、先に発話させたテスト機器からテスト完了通知を受信したか否かを判断する(ステップS420)。先に発話させたテスト機器からテスト完了通知を受信すると、発話テストサーバ10は次のテスト機器(例えば、テスト機器20b)に発話させる(ステップS430)。
【0086】
ステップS400において、発話テストサーバ10は、発話テスト開始指令順番情報に指定される順に、テスト内容を当該複数のテスト機器のそれぞれに発話させてもよい。なお、発話テスト開始指令に順番情報がない場合、発話テストサーバ10は、テスト機器の識別子の番号の小さい順もしくは大きい順、または、テスト機器とユーザとの距離の小さい順もしくは大きい順に、テスト機器に発話させてもよい。
【0087】
1つの実施例において、テスト機器はテスト完了通知を送信しない。発話テストサーバ10は、1つのテスト機器に発話指示を送信してから所定時間が経過したら、次のテスト機器に発話指示を送信する。
【0088】
なお、発話の順番がテスト開始前に決まる場合、最後に発話させるテスト機器(例えば、テスト機器20c)以外のテスト機器に、次に発話するテスト機器を提示するようにテスト内容を設定してもよい。例えば、
図8および
図9の実施例において、テスト機器20a(テレビ)、テスト機器20b(掃除ロボット)、およびテスト機器20c(冷蔵庫)の順に発話テストを行う。この場合、発話テストサーバ10は、テスト機器20aのテスト時に「次は掃除ロボットが発話します。」に発話させ、テスト機器20bのテスト時に「次は冷蔵庫が発話します。」に発話させる。
【0089】
これにより、発話テストサーバ10は、複数のテスト機器に発話させる処理が完了する。このようにすれば、ユーザは複数の発話機器20に対して発話についての設定を確認することができ、後には、確認した設定通りの発話の体験が得られる。
【0090】
《実施の形態4》
<テスト失敗の場合>
実施の形態4において、例えば発話テストに障害が発生することによってテストが失敗する場合、サーバ制御部14はテスト失敗したことをユーザに通知することができる。また、サーバ制御部14は、失敗原因を特定しようとし、特定できた失敗原因をユーザに通知してもよい。
【0091】
まず、可能な失敗原因について説明する。(失敗原因1)発話指示がテスト機器に受信されていないまたは認識されていない。例えば、インターネット障害、またはサーバ通信部16もしくは機器通信部23の不具合によって、発話指示の受信されないことが生じ得る。例えば、発話指示の生成時または送信時にその形式に何らかの不備または破損が生じる場合、機器制御部22は受信した発話指示の内容を認識できなくなる。(失敗原因2)テスト機器はテストに用いられるべき音源を取得できない。例えば、インターネット障害、サーバ通信部16もしくは機器通信部23の不具合、機器記憶部21に記憶スペース不足、ダウンロード用のURLの指定間違いなどによって、音源をダウンロードできないこと生じ得る。(失敗原因3)テスト機器のスピーカ24などの部品の不具合によって、発話できないことが生じ得る。
【0092】
続いて、サーバ制御部14が行う処理を説明する。
図10は、実施の形態4における発話機器の発話テスト方法の一例のフローチャートであり、
図11は、実施の形態4における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図である。サーバ制御部14は、テスト内容をテスト機器に発話させたあと、発話テストが失敗したか否かを判断する(ステップS510)。1つの実施例において、テスト機器に発話指示を送信してから所定時間内に当該テスト機器からテスト終了通知を受信していない場合、サーバ制御部14はテスト失敗と判断する。別の実施例において、テスト機器は、発話指示を取得もしくは認識していないこと、音源をダウンロードできないこと、またはスピーカ24で発話できないことを検出するとき、テスト失敗通知(およびその原因に関連する情報)を発話テストサーバ10に送信する。サーバ制御部14がサーバ通信部16を介してテスト失敗通知を受信すると、発話テストが失敗したと判断する。
【0093】
発話テストが失敗した場合、サーバ制御部14は失敗原因に対応するテスト失敗通知を端末装置30に送信して端末装置30のUIに表示させる(ステップS520)。
図12は、実施の形態4における端末装置30のUIの一例であり、端末装置30の画面80を示している。サーバ制御部14は、上述した可能な失敗原因をユーザに対応しやすいように分類して端末装置30に表示させてもよい。例えば、ネット接続障害が失敗原因と見られるとき、「テスト通知に失敗しました。ネット接続をご確認ください。」とのテスト失敗通知を表示してもよい。テスト機器自体の不具合が失敗原因と見られるとき、「テスト通知に失敗しました。テスト機器の状態または設定をご確認ください。」とのテスト失敗通知を表示してもよい。また、サーバの不具合でダウンロードが失敗したと見られるとき、「テスト通知に失敗しました。テスト音源のダウンロードが失敗しました。」とのテスト失敗通知を表示してもよい。
【0094】
これにより、サーバ制御部14はテスト失敗時の処理が完了する。このようにすれば、発話テストが失敗してもテスト失敗通知を用いてユーザにフィードバックを与えることができ、ユーザに安心させることができる。また、失敗原因に関連する情報を表示させることによって、当該原因を排除して発話テストを再度行うようにユーザを促すことができる。
【0095】
《実施の形態5》
<設定変更で再テストの場合>
実施の形態5において、ユーザは発話テストの結果を受け、発話設定を変更してからテストを再度行うことができる。
【0096】
図13は、実施の形態5における発話機器の発話テスト方法の一例のフローチャートであり、
図14は、実施の形態5における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図である。サーバ制御部14は、テスト内容をテスト機器に発話させたあと、設定変更UIを端末装置30に表示させる(ステップS610)。
図15は、実施の形態5における設定変更UIの一例であり、端末装置30の画面90を示している。ユーザはこの設定変更UIによって発話時の音量を変更することができる。端末装置30は、変更する入力を受けると、例えば、
図15における「音量を上げる」とのボタンが押されると、当該入力に対応する設定変更指令を発話テストサーバ10に送信する。
【0097】
サーバ制御部14は、端末装置30から設定変更指令を受信したか否かを判断する(ステップS620)。受信した場合、サーバ制御部14は設定変更指令に基づいて、テスト内容を変更し、変更したテスト内容をテスト機器に発話させる(ステップS630)。例えば、「音量を上げる」との設定変更指令を受信した場合、サーバ制御部14はテスト内容を変更した発話指令をテスト機器に送信する。複数のテスト機器が存在する場合、設定変更UIを介してユーザに変更が適用される少なくとも1つのテスト機器を指定させてもよい。また、
図15の実施例においては音量について設定を変更するが、上述した任意のテスト内容の項目、例えば、言語や声質を変更してもよい。また、ユーザの確認を取得するように、「今の音量でOK」とのボタンを設定変更UI表示してもよい。このような確認ボタンが押されても発話設定が変更されないが、端末装置30は確認ボタンが押されたことを発話テストサーバ10に通知してもよい。
【0098】
図15のUIにおいて、「再テストを実施」というボタン92が設けられ、ユーザがこのボタンを押すと、変更された発話設定で発話テストを再度行うように、端末装置30が発話テスト開始指令を発話テストサーバ10に送信する。
図14に示された実施例において、サーバ制御部14は再度の発話テスト中にステップS400で発話指令100Aをテスト機器20に送信する。テスト機器20は、発話指令100Aで指定される「DL用URL100B」を用いて、音源100Cをダウンロードし、音源100Cを用いて発話し、テスト完了通知を発話テストサーバ10に送信する。サーバ制御部14はステップS620において設定変更指令(例えば、「音量を上げる」との設定変更指令)を受信すると、設定変更指令に基づいてテスト内容を再設定する。サーバ制御部14は、音量が上げられた音源を生成してもよく、サーバ記憶部12に記憶された音源のうちに上げられた音量に対応するものを特定してもよい。そして、サーバ制御部14は、上げられた音量に対応する音源をダウンロードするためのURL(「DL用URL200B」)を含む発話指示200Aをテスト機器20に送信する。テスト機器20は、「DL用URL200B」を用いて、音量が上げられた音源200Cをダウンロードし、音源200Cを用いて再度発話する。
【0099】
1つの実施例において、画面90のUIには「再テストを実施」というボタン92が設けられていない。この場合において、ユーザが「音量を上げる」などのボタンを押すと、端末装置30は対応する設定変更指令と発話テスト開始指令ともに発話テストサーバ10に送信する。サーバ制御部14は、設定変更指令と発話テスト開始指令とを受信すると、ボタン92が設けられた実施例と同様に、設定変更指令に基づいてテスト内容を再設定し、再設定したテスト内容をテスト機器に発話させる。
【0100】
発話設定がさらに変更されない限り、発話テストの終了後、発話機器20の通常の使用中に、発話テストサーバ10は、当該変更された設定で(例えば、上げられた音量で)発話機器20に発話させることができる。1つの実施例において、サーバ制御部14は設定変更指令に基づいてテスト内容を変更するが、変更した設定で再テストを行わない。
【0101】
これにより、サーバ制御部14は設定変更の処理が完了する。このようにすれば、ユーザは容易に自分の好みに応じて発話設定を変更することができ、よりよい体験が得られる。
【0102】
《実施の形態6》
<発話テスト中に追加情報を発話させる場合>
実施の形態6において、発話機器20の発話機能についての情報をより多くユーザに提供するように、発話テスト中に追加情報をテスト機器に発話させるまたは端末装置30に表示させることができる。
【0103】
図16は、実施の形態6における発話機器の発話テスト方法の一例のフローチャートであり、
図17は、実施の形態6における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図である。発話テスト方法において、サーバ制御部14は、発話機器20が発話可能な情報に基づいて追加情報を設定する(ステップS710)。そして、サーバ制御部14は、追加情報をテスト機器に発話させ、または、追加情報を端末装置30に表示させる(ステップS720)。
【0104】
追加情報とは、発話機器20が発話可能な情報であり、かつ、発話の体験の他、ユーザに提供可能な情報を指す。例えば、テスト終了後、発話機器20の通常の使用中に情報元となり得る情報元装置40または外部情報源50に関する情報であってもよい。上述したように、情報元装置40から取得した機器情報または外部情報源50から取得した発話機器20とは無関係の情報に基づいて発話機器20に発話させることができる。実施の形態6において、これらの情報元の種類または名称を追加情報として知らせることによって、発話機能へのユーザの理解を支援する。このようにすれば、情報元が増えても、ユーザはどのようなことが通知されるかについて、分かりやすくなる。
【0105】
具体的にいうと、例えば、家庭内に複数の発話機器20が設けられているが、その一部のみテスト機器としてユーザに指定されている場合がある。この場合に、他の発話機器20の存在をユーザに提示するように、サーバ制御部14は当該他の発話機器20の種類もしくは名称、または全部の発話機器20の種類もしくは名称を追加情報としてもよい。同様に、サーバ制御部14は機器情報を発話しない(知らせない)ように設定されている発話機器20または情報元装置40の種類または名称を追加情報としてもよい。また、サーバ制御部14は、外部情報源50に基づいて、特定のサービスに関する情報(例えば、気象情報や、宅配便の配送状況に関する情報)をユーザに知らせることができる場合がある。この場合に、当該サービスまたは情報の存在をユーザに提示するように、サーバ制御部14は当該サービスの種類または名称を追加情報としてもよい。
【0106】
ステップS300について前述したように、サーバ制御部14は追加情報に対応する音声データ(音源)を動的に設定・生成すること、または、サーバ記憶部12に記憶された音声データにおい追加情報に対応するものを選択することができる。
図17の実施例において、発話テストサーバ10は、発話指示サーバ10aと、生成した音源を保存する音源サーバ10bと、音源生成サーバ10cとを含む。発話指示サーバ10aは、ステップS300およびステップS710でテスト内容および追加情報を設定してから、当該テスト内容および追加情報を含む音源生成指示を音源生成サーバ10cに送信する。音源生成サーバ10cは音源生成指示に基づいて、動的に適した音源のデータを生成して音源サーバ10bに記憶させ、音源のデータを配置する。音源サーバ10bは当該音源をダウンロードするためのURLを発話指示サーバ10aに通知する。発話指示サーバ10aはステップS400および/またはステップS720で当該URLを含む発話指示をテスト機器に送信する。テスト機器は受信したURLを用いて動的に生成された音源をダウンロードして発話する。
【0107】
なお、ステップS710はステップS300に合併されてもよい。ステップS720はステップS400に合併され、追加情報をテスト内容とともにテスト機器に発話させてもよい。複数のテスト機器が存在する場合、最初に発話させるテスト機器のみに追加情報を発話させてもよい。
【0108】
これにより、サーバ制御部14は、例えば、情報元装置40または外部情報源50に関する追加情報を、発話テストとともにユーザに通知することができる。よって、ユーザは発話機器20の発話機能についての理解を深めることができる。
【0109】
《実施の形態7》
<発話文言を端末装置に表示させる場合>
実施の形態7において、発話前に、テスト内容の発話文言(テキスト)を端末装置30に表示させることができる。よって、テストを実際に行う前に、ユーザはどんな文言が発話されるかをより容易に理解でき、発話テストに心構えできる。
【0110】
図18Aは、実施の形態7におけるテスト内容の発話文言の表示の一例であり、
図18Bは、実施の形態7における発話機器の発話テスト方法の一例のシーケンス図である。
図18Aおよび
図18Bに示された実施例において、サーバ制御部14は、テスト機器に発話テストで発話させようとする発話文言を事前に端末装置30に送信し、発話文言を端末装置30に表示させる。
【0111】
具体的には、例えば、関連アプリケーション32が起動されるとき、または関連アプリケーション32のUIが画面100に遷移する前に、端末装置30は発話文言について発話テストサーバ10の発話指示サーバ10aに問い合わせる。この問い合わせは、端末装置30が発話テスト開始指令を送信する前、すなわち、ステップS100(
図1等)の前に行われる。次に、発話指示サーバ10aは問い合わせに応答して発話文言(例えば、「音声通知のテストです。」)を端末装置30に送信する(
図18Bのステップ(1))。
【0112】
端末装置30は、発話文言を受信すると、当該文言を関連アプリケーション32のUIに表示する(
図18Bのステップ(2))。
図18Aに示されているように、端末装置30のUIの画面100には、「通知のお試し」のボタン102の他、発話テストの発話文言表示104も表示されている。
【0113】
ユーザが画面100におけるボタン102を押すと、発話テストサーバ10は、前述した実施の形態1~6のように、発話文言に対応する音源(音声データ)を取得して発話テストを行う。例えば、ユーザがボタン102を押すと、
図18Bのステップ(3)~(9)が、実施の形態2において
図6のステップ(1)~(7)に関連する説明のように行われる。
【0114】
発話文言が固定であり、かつ、当該発話文言がすでに端末装置30に送信したことがある場合、以降の発話テストにおいて再度の送信は省略できる。すなわち、
図18Bのステップ(1)は省略可能である。一方、発話文言またはそれに対応する音源が更新可能な場合、以降の発話テストにおいて、発話文言についての問い合わせ、発話文言の送信、発話テスト用の音源の取得は再度に行ってもよい。
【0115】
図19Aは、実施の形態7におけるテスト内容の発話文言の表示の別例であり、
図19Bは、実施の形態7における発話機器の発話テスト方法の別例のシーケンス図である。
図19Aおよび
図19Bに示された実施例において、サーバ制御部14は、複数の候補文言を端末装置30に表示させ、ユーザに選択された候補文言を発話文言とし、発話テストにおいて当該選択された候補文言をテスト家電に発話させる。
【0116】
具体的には、サーバ制御部14は、端末装置30からの発話文言についての問い合わせに応答して、発話テストで発話可能な複数の候補文言を事前に端末装置30に送信する(
図19Bのステップ(1))。例えば、サーバ制御部14は、「音声通知のテストです。」、「このように音声が流れます。」、および、「聞こえていますか?」という3つの候補文言を端末装置30に送信してもよい。候補文言の問い合わせおよび送信のタイミングは、
図18Bに示された実施例と同じであってもよい。
【0117】
端末装置30は候補文言を受信すると、そのUIの画面110に発話文言の表示114を表示する(
図19Bのステップ(2))。ユーザは、端末装置30のUIを介して、発話文言の表示114内の候補文言から1つを選択してから、ボタン112を押して発話テストを開始してもよい。ボタン112が押されると、端末装置30は、選択された候補文言を特定できる情報(例えば、候補文言そのもの、または対応する識別番号)を発話テストサーバ10の発話指示サーバ10aに送信する(
図19Bのステップ(3))。なお、端末装置30はこの情報を、発話テスト開始指令の一部として送信してもよく、発話テスト開始指令とともに送信してもよく、発話テスト開始指令と別で送信してもよい。
【0118】
また、候補文言のうちの1つ(例えば、
図19Aにおいてチェックマークが付いた1番目の候補文言)はデフォルトとして設定され得る。ユーザが候補文言を選択せずにボタン112を押すと、端末装置30は、デフォルトの候補文言を特定できる情報および発話テスト開始指令を発話テストサーバ10の発話指示サーバ10aに送信する。
【0119】
発話テストサーバ10は、選択された候補文言を特定できる情報および発話テスト開始指令を受信すると、選択された候補文言に対応する音源を取得し、テスト機器に当該音源を発話させる。例えば、選択された候補文言を特定できる情報および発話テスト開始指令を受信すると、
図19Bのステップ(4)~(9)が、受信した情報および指令に基づいて、実施の形態2において
図6のステップ(2)~(7)に関連する説明のように行われる。
【0120】
複数の候補文言を提供してユーザに選択してもらうことによって、発話テストの自由度を高めることができる。また、複数の候補文言から選択可能なので、例えば、売り場など複数の発話家電による複数の発話テストが実行可能な場合においても、ユーザが聞き間違えて発話テストをやり直すことが回避できる。また、ユーザは自分にとって聞きやすい文言を選択可能なので、発話テストがよりスムーズに実行でき、発話機器20の発話機能がより受け入れやすくなる。
【0121】
図20Aは、実施の形態7におけるテスト内容の発話文言の表示のまた別例であり、
図20Bは、実施の形態7における発話機器の発話テスト方法のまた別例のシーケンス図である。
図20Aおよび
図20Bに示された実施例において、サーバ制御部14は、端末装置30のUIを介してユーザに文言を入力してもらい、発話テストにおいては当該入力された文言を発話文言としてテスト家電に発話させる。この実施例において、端末装置30は、事前に発話テストサーバ10の発話指示サーバ10aから発話文言の文言を受信して表示する代わりに、ユーザが入力可能なテキストボックス124をUIに表示する。
【0122】
具体的には、端末装置30は発話文言の入力のためのテキストボックス124をUIに表示する(
図20Bのステップ(1))。ユーザは、端末装置30のUIの画面120を介して、テスト機器に発話してほしい文言をテキストボックス124に入力してから(
図20Bのステップ(2))、ボタン122を押して発話テストを開始してもよい。ユーザが入力した文言は、そのままテキストボックス124内に表示され得る。ボタン122が押されると、端末装置30は、入力された発話文言を含む情報を発話テストサーバ10の発話指示サーバ10aに送信する(
図20Bのステップ(3))。発話文言を含む情報および発話テスト開始指令の送信の形式は、
図19Bに示された実施例と同じであってもよい。
【0123】
発話テストサーバ10は、入力された発話文言を受信すると、上述した実施の形態6で説明したように、当該入力された発話文言に対応する音源を生成し、テスト機器に当該音源を発話させる。例えば、入力された候補文言を含む情報および発話テスト開始指令を受信すると、
図20Bのステップ(4)~(13)が、受信した情報および指令に基づいて、実施の形態6において
図17のステップ(2)~(11)に関連する説明のように行われる。
【0124】
また、サーバ制御部14は、デフォルト文言および対応する音源を設定し、事前にデフォルト文言を端末装置30に送信し、端末装置30にテキストボックス124に表示させてもよい。この場合、ユーザが文言を入力せずにボタン122を押すと、端末装置30は、デフォルト文言を特定できる情報および発話テスト開始指令を発話テストサーバ10に送信する。
【0125】
なお、発話テストサーバ10または端末装置30は、発話テストに適切でない言葉、例えば、卑猥な言葉が入力されたと判断した場合、再度の入力を求めるメッセージを表示したり、不適切な言葉を自動的に書き換えてから発話テストを行ったたり、デフォルト文言で発話テストを行ったりしてもよい。
【0126】
発話テストで発話する文言をユーザが自由に入力することによって、発話テストの自由度をより高めることができる。また、売り場などで複数の発話テストが同時に実行可能な場合においても、より聞き分けやすくなって、発話テストがよりスムーズに実行できる。
【0127】
<発話テストサーバ10と通信する端末で使用されるプログラム>
発話テストサーバ10と通信する端末、例えば、発話機器20または端末装置30は、上述したような発話テストを実行するために使用されるプログラムを有する。
【0128】
発話テストを実行するためのプログラムが発話機器20に使用される場合、当該プログラムは、機器記憶部21に記憶される。機器制御部22は当該プログラムを実行することによって発話テストの機能を実現する。例えば、機器制御部22は当該プログラムを実行することによって、発話テストサーバ10から発話指示を受信し、発話指定に含まれたURLを用いてテスト用の音源をダウンロードし、ダウンロードした音源で発話する。
【0129】
発話テストを実行するためのプログラムが端末装置30に使用される場合、当該プログラムは、端末装置30の記憶部に記憶される。端末装置30は当該プログラムを実行することによって発話テストの機能を実現する。例えば、端末装置30は当該プログラムを実行することによって、発話テストを開始させる入力を受信するためのUIや、設定変更UIなどのUIをユーザに提示し、ユーザの入力に基づいて発話テスト開始指令または設定変更指令を発話テストサーバ10に送信する。また、端末装置30は当該プログラムを実行することによって、失敗原因に対応するテスト失敗通知、および/または追加情報を表示することができる。
【0130】
上述したように、発話テストサーバ10、発話機器20、または端末装置30として機能させるためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。プログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を、発話テストサーバ10、発話機器20、または端末装置30に供給すると、これらの制御部(例えば、CPUまたはMPU等)はコンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを読みだして実行することによって、その機能を発揮することができる。コンピュータ可読記憶媒体としては、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD―ROM、CD―R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
【0131】
以上は本発明の具体的な実施の形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではない。本発明は図面および前述した具体的な実施の形態において前述された内容を含むが、本発明がそれらの内容に限定されるものではない。本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、開示された様々の実施の形態または実施例を組み合わせることができる。本発明の機能および構造原理から逸脱しない変更は特許請求の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0132】
10 発話テストサーバ
10a 発話指示サーバ
10b 音源サーバ
12、12a、12b サーバ記憶部
14、14a、14b サーバ制御部
16 サーバ通信部
20 発話機器(テスト機器)
21 機器記憶部
22 機器制御部
23 機器通信部
24 スピーカ
25 ディスプレイ
26 センサ
30 端末装置
32 関連アプリケーション
40 情報元装置
50 外部情報源
60、70、80、90、100、110、120 画面
62、72、92、102、112、122 ボタン
104、114 発話文言の表示
124 テキストボックス