(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】情報端末、インターホンシステム、インターホン制御方法、及びインターホン制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20240507BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240507BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20240507BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240507BHJP
H04N 23/661 20230101ALI20240507BHJP
【FI】
H04M9/00 D
G08B25/04 J
H04N5/77
H04N7/18 H
H04N23/661
(21)【出願番号】P 2018189472
(22)【出願日】2018-10-04
【審査請求日】2021-06-11
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野上 貴洋
【合議体】
【審判長】猪瀬 隆広
【審判官】山中 実
【審判官】土居 仁士
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-150391(JP,A)
【文献】特開平4-207578(JP,A)
【文献】特開2002-138726(JP,A)
【文献】特開2017-217453(JP,A)
【文献】特開2011-155375(JP,A)
【文献】特開2017-191356(JP,A)
【文献】特開2010-21831(JP,A)
【文献】特開2015-195607(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0114489(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0213187(US,A1)
【文献】特開2004-146902(JP,A)
【文献】特開2008-250405(JP,A)
【文献】特開2010-177818(JP,A)
【文献】特開2008-85850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 9/00, G08B 25/04, H04N 23/661, H04N 5/77, H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を有する情報端末であって、
前記操作部に対する人の操作に基づかない情報を取得する取得部と、
インターホン玄関装置の撮像及び前記インターホン玄関装置が撮像した画像の録画の少なくとも一方を、前記取得部が取得した情報に基づいて制御する制御部と、
を備え
、
前記情報は、宅配ボックスが施錠された情報であり、
前記宅配ボックスに荷物を収納した人に関する前記撮像、及び前記宅配ボックスに荷物を収納した人に関する前記画像の少なくとも一方を確認できるようになっている情報端末。
【請求項2】
記憶部を更に備え、前記制御部は、前記取得部が取得した情報に基づいて、前記インターホン玄関装置の撮像及び前記インターホン玄関装置が撮像した画像の前記記憶部への録画の少なくとも一方を、所定時間行う請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
記憶部を更に備え、前記制御部は、前記取得部が取得した第1情報に基づいて、前記インターホン玄関装置の撮像及び前記インターホン玄関装置が撮像した画像の前記記憶部への録画の少なくとも一方を開始し、前記取得部が取得した第2情報に基づいて、前記インターホン玄関装置の撮像及び前記インターホン玄関装置が撮像した画像の前記記憶部への録画の少なくとも一方を停止
し、
前記第1情報及び前記第2情報の夫々は、前記宅配ボックスの扉が開いた情報、前記宅配ボックスの扉を閉じた情報、前記宅配ボックスに荷物が収容された情報、前記宅配ボックスの扉を施錠した情報、及び前記宅配ボックスの扉を解錠した情報のいずれかである請求項1に記載の情報端末。
【請求項4】
前記インターホン玄関装置の撮像が、前記取得部が第1時刻に第1情報を取得する前から実行されていて、前記第1時刻よりも第1所定時間前からの録画を確認できるようになっていることと、前記インターホン玄関装置の撮像が、前記取得部が第2時刻に第2情報を取得した後に第2時刻から少なくとも第2所定時間経過する第3時刻まで実行されていて、少なくとも前記第2時刻から前記第3時刻までの録画を確認できるようになっていることのうちの少なくとも一方を充足
し、
前記第1情報及び前記第2情報の夫々は、前記宅配ボックスの扉が開いた情報、前記宅配ボックスの扉を閉じた情報、前記宅配ボックスに荷物が収容された情報、前記宅配ボックスの扉を施錠した情報、及び前記宅配ボックスの扉を解錠した情報のいずれかである請求項1に記載の情報端末。
【請求項5】
記憶部を更に備え、前記制御部は、前記取得部が取得した情報に基づいて、前記インターホン玄関装置に1以上の静止画を撮像させる制御と、その1以上の静止画を前記記憶部へ録画させる制御とを実行する請求項1に記載の情報端末。
【請求項6】
前記1以上の静止画は、異なるタイミングで撮像された複数の前記静止画である請求項5に記載の情報端末。
【請求項7】
前記取得部が、
ホームエネルギーマネジメントシステムに含まれる表示部付制御装置からの情報を取得可能である、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の情報端末。
【請求項8】
前記取得部が、
ホームエネルギーマネジメントシステムに含まれる表示部付制御装置からの情報を
インターネットを介して取得可能である、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の情報端末。
【請求項9】
請求項1乃至
8のいずれか1つに記載の情報端末と、前記インターホン玄関装置とを備える、インターホンシステム。
【請求項10】
情報端末の操作部に対する人の操作に基づかない情報を前記情報端末の取得部で取得し、
前記情報端末の制御部が、インターホン玄関装置の撮像部の撮像制御、及び前記撮像部が撮像した画像を前記情報端末の記憶部に録画させる録画制御のうちの少なくとも一方を前記情報に基づいて実行
し、
前記情報は、宅配ボックスが施錠された情報であり、
前記宅配ボックスに荷物を収納した人に関する前記撮像、及び前記宅配ボックスに荷物を収納した人に関する前記画像の少なくとも一方を前記情報端末で確認できる、インターホン制御方法。
【請求項11】
撮像部を有するインターホン玄関装置と双方向の信号のやり取りが可能であり、外部から情報を取得する取得部、操作部、及び記憶部を備える情報端末で用いられるインターホン制御プログラムであって、
前記取得部が取得した前記情報であって前記操作部に対する人の操作に基づかない前記情報に基づいて、前記撮像部に撮像を実行させる処理、及び前記撮像部が撮像した画像を前記記憶部に録画する処理のうちの少なくとも一方をコンピュータに実行させ
、
前記情報は、宅配ボックスが施錠された情報であり、
前記宅配ボックスに荷物を収納した人に関する前記撮像、及び前記宅配ボックスに荷物を収納した人に関する前記画像の少なくとも一方を前記情報端末で確認できる処理を前記コンピュータに実行させる、インターホン制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インターホンシステムに含まれるか、又はインターホンシステムに含まれる機器と信号のやり取りが可能である情報端末に関する。また、本開示は、情報端末と、玄関先に配置されるインターホン玄関装置(子機)とを備えるインターホンシステムに関する。また、本開示は、インターホン玄関装置の撮像部の制御、及びその撮像部が撮像した画像の録画の制御のうちの少なくとも一方を実行するのに用いるインターホン制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターホン装置としては、特許文献1に記載されているものがある。このインターホン装置は、集合マンションの各住戸に設置され、住戸内に配置される親機と、玄関先に設置される子機を備える。子機は、その呼び鈴を操作した訪問者等を撮像する撮像部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
宅配ボックスはインターホン装置において玄関に配置される子機の下方に設置されることが多いが、宅配ボックスに関して、その収容室に荷物を収容した人や収容室から荷物を取り出した人を撮像することで荷物の盗難防止等に役立てたいという要請がある。また、親機等で警戒モードが設定されているときに、玄関ドアの開閉センサが作動して泥棒等の不審者が住戸に侵入した場合に、その不審者が玄関から逃走する姿を撮像できれば好ましい。更には、それ以外の用途でも、玄関周辺の人を必要に応じて撮像できれば好ましい。しかし、それらの人を撮像するために、撮像装置を新たに増設すると、大きなコスト増につながる。
【0005】
そこで、本開示の目的は、人が操作部を操作しなくても、インターホン玄関装置の撮像及びインターホン玄関装置が撮像した画像の録画の少なくとも一方を制御でき、玄関周辺の人の画像の取得が可能になる情報端末、インターホンシステム、インターホン制御方法、及びインターホン制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示に係る情報端末は、操作部を有する情報端末であって、操作部に対する人の操作に基づかない情報を取得する取得部と、インターホン玄関装置の撮像及びインターホン玄関装置が撮像した画像の録画の少なくとも一方を、取得部が取得した情報に基づいて制御する制御部と、を備える。
【0007】
また、本開示に係るインターホン制御方法は、情報端末の操作部に対する人の操作に基づかない情報を情報端末の取得部で取得し、情報端末の制御部が、インターホン玄関装置の撮像部の撮像制御、及び撮像部が撮像した画像を情報端末の記憶部に録画させる録画制御のうちの少なくとも一方を前記情報に基づいて実行する。
【0008】
また、本開示に係るインターホン制御プログラムは、撮像部を有するインターホン玄関装置と双方向の信号のやり取りが可能であり、外部から情報を取得する取得部、操作部、及び記憶部を備える情報端末で用いられるインターホン制御プログラムであって、取得部が取得した情報であって操作部に対する人の操作に基づかない情報に基づいて、撮像部に撮像を実行させる処理、及び撮像部が撮像した画像を記憶部に録画する処理のうちの少なくとも一方をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、玄関周辺に撮像装置を増設しなくても、また、人が玄関インターホン装置の撮像及びその撮像に基づく画像の録画の少なくとも一方を意図する操作をしなくても、玄関周辺の人の画像を必要に応じで取得できる。そして、その画像を、既存の施設を用いて低コストで取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態のインターホンシステムの概略構成図である。
【
図2】第2実施形態のインターホンシステムの概略構成図である。
【
図3】第3実施形態のインターホンシステムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明において、各種制御部は、例えば、マイクロコンピュータによって好適に構成され、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、各種記憶部は、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリや、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成される。また、各種表示部は、液晶パネルや有機ELパネル等で構成される。CPUは、記憶部に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する。また、不揮発性メモリは、制御プロラムや所定の閾値等を予め記憶する。また、揮発性メモリは、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態のインターホンシステム1の概略構成図である。このインターホンシステム1は、複数の住戸を含む集合住宅に設置されている。このインターホンシステム1は、ロビーインターホン装置2、制御装置3、複数の住宅情報盤(以下、親機という)5、複数のインターホン玄関装置(以下、子機という)6、1以上の複数の表示部付制御装置7、複数の宅配ボックス8、VPNルータ(バーチャル・プライベート・ネットワークルータ)10、ゲートウェイ装置11、携帯電話アダプタ12、及びアダプタ用ルータ13を備える。
【0013】
ロビーインターホン装置2は、集合住宅の内部と外部を区切る共用ゲート(不図示)よりも外部側に設けられて全ての住戸で共有され、制御装置3及びゲートウェイ装置11は、例えば、管理人室等に設置される。また、親機5、及び表示部付制御装置7は、集合住宅に含まれる各住戸17内に設置され、子機6は、各住戸17の玄関先等に設置され、宅配ボックス8は、例えば1以上の住戸に関して子機6の下方位置に設置される。
【0014】
ロビーインターホン装置2は、音声を入出力するマイクロホン21及びスピーカ22と、来訪者を撮像するカメラ23を備える。また、ロビーインターホン装置2は、操作部24を備え、操作部24は、住戸番号を入力するための入力部24aと、呼出釦24bを含む。人が入力部24aで住戸番号を選択した後に呼出釦24bを操作すると、選択した住戸内の親機5等が内蔵のスピーカを用いて呼出音を出力する。
【0015】
各親機5の記憶部55には、アドレス(各住戸を特定する情報)が個別に設定されている。ロビーインターホン装置2の操作部24でアドレスを選択することで、アドレスを指定する制御信号が、制御装置3を介して全ての親機5に伝送される。例えば、親機5の制御部56は、制御信号に含まれるアドレスが自己のアドレスであれば、ロビーインターホン装置2との間に通信路を確立する。各住戸17の玄関周辺には、図示しない分岐器が設けられる。分岐器は、制御装置3からのびる伝送線を分岐して他の住戸17の親機5等に接続するために設けられる。ロビーインターホン装置2からの信号は、制御装置3と分岐器を介して親機5に出力される。指定された親機5の制御部56は、スピーカ53から呼出音を鳴動させ、ロビーインターホン装置2のカメラ23において撮像された来訪者の映像を親機5の表示部51に表示させる。なお、制御装置3が、アドレスを指定する制御信号に基づいて指定された親機5とロビーインターホン装置2との間の通信路のみを確立する構成でもよい。
【0016】
制御装置3は、集合住宅の共有機器等を統括制御するために設けられ、通報システム(図示しない)の通報機(図示せず)へ所定の通報先に通報信号を送信させる制御や、エレベータ(図示せず)の昇降制御等を行う。所定の通報先には、例えば、消防署、管理会社、及び警備会社が含まれる。詳述しないが、制御装置3は、管理人室の管理事務室親機(図示せず)に接続される。管理事務室親機は、制御装置3を介してインターホンシステム1の各機器に信号を出力でき、インターホンシステム1の各機器は、制御装置3を介して管理事務室親機へ信号を出力できる。
【0017】
親機5は、情報端末の一例である。親機5は、表示部51の他に、音声を入出力するマイクロホン52、スピーカ53、操作部54、記憶部55、及び制御部56を有する。親機5は、制御装置3を介してロビーインターホン装置2と双方向の情報のやり取りを行う他、伝送線を通じて子機6と双方向の情報のやり取りを行い、ロビーインターホン装置2及び子機6と音声情報や映像情報をやり取り可能になっている。マイクロホン52は、音声の入力のために用いられ、スピーカ53は、音声を出力するために用いられる。また、操作部54は、ロビーインターホン装置2及び子機6を介して訪問者等と会話を行うことを選択する操作や、上記共用ゲートの解錠操作(共有ゲートの開き操作)等を実行する際に用いる。なお、各住戸17の親機5は、適切な設定を行うことで分岐器を介して所望の住戸17の親機5と信号の送受信を実行可能になっていてもよい。
【0018】
子機6は、音声を入出力するマイクロホン61、スピーカ62、来訪者を撮像する撮像装置としてのカメラ63、及び呼出釦64を含む。子機6のカメラ63で撮像された映像信号や音声信号は、伝送線を介して親機5に送信される。子機6の呼出釦64が操作されると、呼出音が、親機5のスピーカ53から出力される。
【0019】
表示部付制御装置7は、ローカルエリアネットワークに含まれる管理装置の一例である。表示部付制御装置7は、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)に含まれ、HEMSの中核をなす機器である。表示部付制御装置7は、表示部71と、制御部72と、操作部73を有する。表示部付制御装置7は、主に、エネルギーの可視化と、複数の機器の自動制御の2つの役割を担う。エネルギーの可視化については、例えば、次のように実行する。詳しくは、表示部付制御装置7の制御部72は、図示しない複数の機器、例えば、分電盤、水道メータ、ガスメータからの信号により、電気・ガス・水道の使用量をリアルタイムに算出してもよい。また、表示部付制御装置7の制御部72は、電気料金を、家全体、又は分岐回路ごとに算出し、算出した電気料金を表示部71に表示させてもよい。また、制御部72は、家全体の電力収支、電気料金の目安や、太陽光発電システムおよび燃料電池の発電状況についても表示部71に表示させてもよい。なお、表示部71に追加するか又は表示部71の替わりに、それらの情報を親機5の表示部51に表示してもよい。
【0020】
また、自動制御については、例えば次のように実行してもよい。図示しないエアコンを例に説明すると、エアコンでは、スイッチを入れてから30分後に、冷房なら28℃、暖房なら20℃の省エネ温度に自動で変更してもよい。またエアコンの運転中に、外気温が28℃(冷房時。暖房時は20℃)になったら、表示部71や、テレビや親機5などの他の表示部51にメッセージを表示し、エアコンの無駄遣いを防いでもよい。
【0021】
更に、大量に電気を使用している際に、消費電力の高い図示しないIHクッキングヒーターを使った場合は、制御部72は、住まい全体の電気使用量に応じて、IHクッキングヒーターの火力を自動で調節し、図示しない分電盤のブレーカが落ちるのを防いでもよい。また、制御部72による制御によって、図示しないエコキュートを、昼間に図示しない太陽電池モジュールで作った余剰電力や燃料電池で発電の際に生じる熱によって自動で沸き増ししてもよい。
【0022】
宅配ボックス8は、住戸17の住人が不在の際等に宅配業者等が宅配物を収容するため等の目的で設けられる。各宅配ボックス8には、例えば、高さ方向に延在する軸を支点として回動することで荷物開閉室を開閉する扉が存在し、扉は、その内側に宅配業者等が施錠等を行うための操作部83を有する。また、扉は、例えば、その外側に宅配業者等が扉を開けるための開ボタンと、伝票を差し込む伝票差込口と、捺印を実行させる捺印ボタンと、使用可能の有無を表示する表示部84を有し、捺印ボタンは、操作部83に含まれる。
【0023】
例えば、宅配業者等は、先ず、扉が閉じられた宅配ボックスの開ボタンを押して、扉を開け、荷物を外装体内に入れることができ、操作部83を用いて、扉が閉じた状態で施錠を行うことができる。また、宅配業者等は、例えば、伝票を伝票差込口に入れ、捺印ボタンを押すことにより、宅配ボックス8に事前にセットされたシャチハタ式等の印鑑により伝票への押印を実行できる。また、荷物が入れられて施錠されると、表示部84が、使用中を意図する表示を行ってもよい。これにより、住人等が専用キーやパスワードの入力等で荷物を取り出さない限り、他の荷物を収容できなくなる。なお、宅配ボックス8に荷物を収容する機能、伝票に押印する機能、荷物を取り出す機能、及び表示機能の夫々は、多種多様存在し、いずれの機能でもよく、説明した機能に限らない。
【0024】
宅配ボックス8の操作部83は、荷物種類を入力する入力部を含んでもよく、その入力部により、宅配業者が、荷物が配達用荷物であることを入力できてもよい。また、宅配ボックス8は、ユーザが荷物を収容するのに用いてもよい。詳しくは、ユーザは、宅配業者に集めてもらう集荷用荷物を宅配ボックス8に収容でき、上記入力部を用いてその荷物が、集荷用荷物であることを入力できてもよい。
【0025】
宅配ボックス8が施錠されると、施錠を表す信号が出力される。その信号は、例えば次の動作に基づいて出力される。詳しくは、宅配ボックス8は、扉の裏側に設置された磁気センサ81と、通信部82を有する。磁気センサ81は、リードスイッチと、リードスイッチに間隔をおいて配置される永久磁石を含む。また、宅配ボックス8の施錠機構は、施錠レバーと、施錠レバーと連動して動く金属製の遮蔽板を有する。宅配ボックス8が施錠されておらず施錠レバーが押し上げられている状態では、遮蔽板が、リードスイッチと永久磁石の間に位置する。この場合、永久磁石の磁力が遮蔽板によって遮られてリード片に到達しない。その結果、リードスイッチの一対のリード片が非接触となり、磁気センサ81が動作しない。
【0026】
他方、宅配ボックス8が施錠される際に施錠レバーが押し下げられると、遮蔽板が、施錠レバーの動作に連動して永久磁石の磁力が遮られない位置まで下降する。そして、リードスイッチの一対のリード片が永久磁石の磁力で接触し、磁気センサ81が動作する。通信部82は、例えば送信モジュールを含む。送信モジュールは、磁気センサ81が動作すると宅配ボックス8が施錠されたことを表す無線信号を送信する。表示部付制御装置7は、その無線信号を受信する。
【0027】
なお、磁気センサ81や通信部82が、宅配ボックス8に内蔵される場合について説明したが、センサや通信部を、宅配ボックスに後付けしてもよい。つまり、宅配ボックス自体は検知機能や通信機能を有さず、表示部付制御装置は、後付けで宅配ボックスに取り付けられたセンサ装置や通信装置を用いて情報を取得してもよい。また、上記無線信号は、如何なる周波数を有してもよい。しかし、既存の表示部付制御装置7は、920MHzの無線信号を受信できるので、無線信号が920MHzの周波数を有すれば、既存の表示部付制御装置7を大きく設計変更することなくインターホンシステム1を構築できて好ましい。また、磁気センサに代えて、投光部と受光部とで構成される光センサを用いてもよい。光センサを用いる場合も、施錠レバーが押し上げられる場合と押し下げられる場合とで、遮蔽板が、投光部から出射された光が、受光部に到達するのを遮る位置と、遮らない位置とを移動するようにすることで、宅配ボックス8が施錠されているか否かを検出できる。
【0028】
次に、本インターホンシステム1における宅配ボックス8に関連する撮像動作について説明する。宅配業者等が、荷物が収容されていない宅配ボックス8に荷物を収容し、宅配ボックス8を施錠したとする。すると、通信部82が、宅配ボックス8が施錠されたことを表す無線信号を送信し、表示部付制御装置7が、その無線信号を受信する。表示部付制御装置7は、無線信号を受信すると、宅配ボックス8が施錠されたことを表す施錠信号を、インターネット15経由でその宅配ボックス8が玄関先に設置されている特定の住戸17内の親機5に向けて出力する。詳しくは、表示部付制御装置7は、無線LAN又はLANケーブルを介してインターネット15に接続され、例えば、図示しないVPNルータを内蔵する。そのVPNルータは、パケットの宛先を調べ、インターネット宛のパケットの場合、そのままインタネットサービスプロバイダ経由でインターネットに送り出し、対向拠点のプライベートアドレス宛のパケットの場合、トンネリングや暗号化などのVPNの処理を施す。例えば、IP(International Protection)パケットの暗号化や認証を実行するIPセキュリティでは、「トンネルモード」と呼ばれる通信モードを用いてVPNを構築してもよい。VPNルータは、インターネット15を介して繋がる複数のLANを統合して接続し、ひとつのネットワークにする役割を果たす。よって、VPNルータを用いれば、インターネット15を介して繋がる表示部付制御装置7及び親機5を、同一のネットワークに属するようにできる。
【0029】
特定の住戸17内の親機5は、表示部付制御装置7からの施錠信号を、VPNルータ10、ゲートウェイ装置11、及び制御装置3を介して受ける。親機5において制御装置3からの伝送線が接続されるポートは、情報の取得部59を構成する。また、VPNルータ10は、上記VPNルータと同様の役割を果たし、ゲートウェイ装置11は、データ形式を自動的に変換し、プロトコルの異なるネットワーク間でのデータのやり取りを可能にするために設けられる。なお、表示部付制御装置7からの情報は、表示部付制御装置7を販売した会社のサーバ、又は管理会社のサーバ等を経由した後、VPNルータ10に送信されてもよい。
【0030】
親機5は施錠信号を受けると、その制御部56が、子機6のカメラ63の撮像と、カメラ63が撮像した画像の録画を制御する。詳しくは、制御部56は、子機6のカメラ63に、磁気センサ81が動作した時刻から所定時間撮像を実行させる。また、制御部56は、カメラ63が撮像した所定時間の動画を、親機5の記憶部55に記憶させる。上記所定時間は、如何なる時間でもよいが、15秒から2分までに含まれる時間を好適に採用できる。
【0031】
なお、撮像や録画の開始と同様、撮像や録画を、センサ情報等の操作部に対する人の操作に基づかない情報に基づいて終了してもよい。また、携帯電話アダプタ12は、親機5を携帯電話に接続できるようにする機器である。これにより、ロビーインターホン装置2のカメラ23や子機6のカメラ63が撮像した画像を、親機5、アダプタ用ルータ13、及びインターネット15経由で、携帯電話で確認できるようになり、携帯電話でロビーインターホン装置2や子機6を操作している人との通話も可能になる。また、例えば、宅配ボックス8が施錠された情報を携帯電話で所得でき、また、宅配ボックス8を施錠した人の画像を携帯電話で確認できる。また、玄関にでられない場合や、外出先でも、携帯電話で、来客人を確認し、来客人と会話できる。
【0032】
以上、本開示の親機5は、操作部54を有する情報端末である。また、親機5は、操作部54に対する人の操作に基づかない情報を取得する取得部59と、子機6の撮像及び子機6が撮像した画像の録画を取得部59が取得した情報に基づいて制御する制御部56を備える。
【0033】
したがって、宅配ボックス8が施錠された情報に基づいて子機6のカメラ63の撮像を開始でき、上記実施例の場合、宅配ボックス8に荷物を収納した人等を確認できる。よって、荷物が宅配されたことを知ることができ、配送される予定であった荷物が予定通りに配送されたことの確認等を実現できる。
【0034】
また、親機5は、記憶部55を備え、制御部56は、取得部59が取得した情報に基づいて、子機6の撮像及び子機6が撮像した画像の記憶部55への録画を所定時間の間行ってもよい。
【0035】
上記構成によれば、取得部59が情報を取得してから所定時間の間だけ、撮像及び録画を行うようにできるので、撮像コストと録画コストを低減できる。
【0036】
また、取得部59が、ローカルエリアネットワークに含まれる表示部付制御装置7からの情報を広域ネットワークであるインターネット15を介して取得可能でもよい。
【0037】
上記構成によれば、HEMSを採用している住戸において、新たな機器の増設等の工事を殆ど行わないか又は行わずに、親機5の操作部54の操作に基づかない子機6のカメラ63の撮像制御とその撮像に基づく画像の録画制御を実行できる。よって、それらの制御を低コストで実現できる。
【0038】
なお、上記第1実施形態では、宅配ボックス8が施錠された情報に基づいて子機6のカメラ63の撮像が開始された。しかし、宅配ボックス8の施錠が解錠された情報に基づいて子機6のカメラ63の撮像を開始してもよい。この場合、ユーザが宅配業者に集めてもらう集荷用荷物を宅配ボックス8に収容した際に、集荷用荷物が宅配業者によって回収されたことを確認できる。更には、いたずら目的や盗みの目的で宅配ボックス8の施錠を解錠した不審者を自動的に撮像でき、それらの犯罪を効果的に抑制できるか又は防止できる。また、宅配ボックスの扉の開閉を検知するセンサが存在してもよく、インターホン玄関装置のカメラの撮像が、宅配ボックスの扉が開いた情報に基づいて開始されてもよく、宅配ボックスの扉が閉じた情報に基づいて開始されてもよい。また、宅配ボックスは、荷物を入れる扉と、荷物を取り出す扉を別個に有してもよい。そして、この場合、インターホン玄関装置のカメラの撮像は、荷物を入れる扉を開いた情報、荷物を入れる扉を閉じた情報、荷物を入れる扉を施錠する情報、荷物を入れる扉を解錠する情報、荷物を取りだす扉を開いた情報、荷物を取りだす扉を閉じた情報、荷物を取りだす扉を施錠する情報、又は荷物を取りだす扉を解錠する情報に基づいて開始してもよい。
【0039】
また、取得部59が取得した情報に基づいて子機6のカメラ63が撮像を開始し、カメラ63が撮像した画像が親機5の記憶部55に録画される場合について説明した。しかし、親機5の制御部56は、取得部59が取得した情報に基づいて子機6のカメラ63の撮像制御と、記憶部55への画像の録画制御の一方のみを実行してもよい。
【0040】
詳しくは、親機5の制御部56は、取得部59が取得した情報に基づいて子機6のカメラ63の撮像制御のみを行ってもよく、例えば、取得部59が情報を受信したことが通知された携帯電話の表示部に、カメラ63が撮像した画像をリアルタイムで表示してもよい。又は、ドライブレコーダのように、子機6のカメラ63が撮像を常時行っており、親機5の制御部56が、取得部59が取得した情報に基づいて録画制御のみを行い、必要な画像のみ記憶し、不必要な画像は記憶しなくてもよい。
【0041】
また、親機5は、記憶部55を備え、制御部56は、取得部59が取得した第1情報に基づいて、子機6の撮像及び子機6が撮像した画像の記憶部55への録画の少なくとも一方を開始し、取得部59が取得した第2情報に基づいて、子機6の撮像及び撮像した画像の記憶部55への録画の少なくとも一方を停止してもよい。
【0042】
ここで、例えば、宅配ボックス8を例に説明すると、第1情報は、宅配ボックス8に荷物が収容された情報でもよく、その情報は、宅配ボックス8の荷物収容室内の荷物の有無を検知する重量センサや光学センサの荷物収容室内の荷物の有無を表す情報でもよい。また、第2情報は、宅配ボックス8が施錠されたことを表す情報でもよい。また、上述のように、宅配ボックスの扉の開閉を検知するセンサが存在してもよい。そして、第1情報及び第2情報の夫々は、宅配ボックスの扉が開いた情報、その扉を閉じた情報、宅配ボックスに荷物が収容された情報、上記扉を施錠した情報、又は上記扉を解錠した情報のいずれかでもよい。また、宅配ボックスが、荷物を入れる扉と、荷物を取り出す扉を別個に有する場合、第1情報は、いずれかの扉の開閉情報や、いずれかの扉の施錠・解錠情報でもよく、第2情報も、いずれかの扉の開閉情報や、いずれかの扉の施錠・解錠情報でもよい。また、インターホン玄関装置の撮像及び録画の少なくとも一方を、いずれの情報をトリガとして開始するか、終了するかを設定できるようになっていてもよい。より詳しくは、第1情報及び第2情報のうちの少なくとも一方を、複数の情報から選択して設定できる操作部を情報端末に設けてもよい。
【0043】
また、子機6の撮像が、取得部59が第1時刻に第1情報を取得する前から実行されていて、その第1時刻よりも第1所定時間前からの録画を確認できるようになっていてもよい。また、子機6の撮像が、取得部59が第2時刻に第2情報を取得した後に第2時刻から少なくとも第2所定時間経過する第3時刻まで実行されていて、少なくとも第2時刻から第3時刻までの録画を確認できるようになっていてもよい。また、これら2つの録画の確認は、両方を実行できてもよく、どちらか一方のみを実行できてもよい。
【0044】
これらの変形例によれば、撮像が最も望まれる取得部59が情報を取得した時刻の前後の画像を取得でき、有益な画像情報を獲得できる。なお、上記第1及び第2所定時間の夫々は、如何なる時間に設定されてもよいが、例えば、30分以内の任意の時間、10分以内の任意の時間、又は5分以内の任意の時間でもよい。
【0045】
また、親機5は、記憶部55を備え、制御部56は、取得部59が取得した情報に基づいて、子機6に1以上の静止画を撮像させる制御と、その1以上の静止画を記憶部55へ録画させる制御とを実行してもよい。また、上記1以上の静止画は、異なるタイミングで撮像された複数の静止画でもよい。
【0046】
上記構成によれば、記憶情報の容量を小さくできる。なお、記憶部55に記憶される情報は、1以上の静止画の他、こま送りの複数の静止画の画像でもよく、動画でもよい。
【0047】
また、子機6のカメラ63が撮像した画像を録画する記憶部55が親機5に存在する場合について説明した。しかし、子機のカメラが撮像した画像を録画する記憶部は、子機にあってもよく、この場合、子機のカメラが撮像した画像は、子機の記憶部のみに録画されてもよく、親機の記憶部と子機の記憶部の両方に録画されてもよい。
【0048】
また、情報端末が親機5である場合について説明した。しかし、情報端末は、子機と情報をやり取りする情報端末、例えば、副親機、携帯電話、タブレット、又はパーソナルコンピュータ等でもよく、この場合、子機との情報のやり取りは、直接実行されてもよく、親機経由で実行されてもよい。
【0049】
また、宅配ボックス8の情報が、表示部付制御装置7、インターネット15、制御装置3を介して親機5に入力される場合について説明した。しかし、宅配ボックス8の情報は、アダプタ用ルータ13、及び携帯電話アダプタ12を介して親機5に入力されてもよい。また、携帯電話アダプタが親機に内蔵されている場合には、宅配ボックスの情報は、そのアダプタ用ルータのみを介して親機に入力されてもよい。
【0050】
また、取得部59が、宅配ボックス8の情報を取得する場合について説明した。しかし、取得部59が取得する情報は、宅配ボックス8以外の情報でもよい。例えば、表示部付制御装置は、住戸の入口ドアや窓に設置された防犯用のセンサ(例えば、磁気センサで構成)からの信号を受信可能でもよい。
【0051】
詳しくは、人は、親機5、副親機、表示部付制御装置7、携帯電話等の操作部を用いて防犯モードを設定できてもよい。また、玄関防犯センサが、玄関ドア周辺に設置され、窓防犯センサが、窓に設置されてもよく、それらのセンサが、スイッチを含むマグネットセンサで構成されてもよい。そして、防犯モードにおいて、玄関扉が開くと玄関防犯センサのスイッチが磁力でオンになり、玄関扉が開いたことを表す信号が表示部付制御装置7に出力されてもよい。また、防犯モードにおいて、窓が開くと窓防犯センサのスイッチがオンになり、窓が開いたことを表す信号が表示部付制御装置7に出力されてもよい。そして、玄関防犯センサ又は窓防犯センサが防犯モードで動作すると、親機5が、いずれか一方の防犯センサが動作した情報を、表示部付制御装置7、インターネット15、及び制御装置3経由で取得できるようにしてもよい。そして、親機5の制御部56が、子機6のカメラ63の撮像制御とカメラ63が撮像した画像の録画制御のうちの少なくとも一方を実行してもよい。この変形例によれば、住人の留守中に住戸に侵入した泥棒が、玄関ドアを介して逃走した場合に、その姿の少なくとも一部を画像として取得できる可能性が高い。よって、その画像を、泥棒の特定に役立てることができる。
【0052】
又は、取得部は、ドアの施解錠に関する情報を取得してもよく、取得部が取得するのが、錠に設けられた施解錠のセンサ情報や、電気錠からの施解錠の情報等でもよい。より詳しくは、例えば、賃貸物件の内覧をさせる場合に、ドアの錠を解錠してから撮像や録画を実行するようにしてもよい。また、この場合において、ドアの錠が電気錠の場合には、例えば、内覧する人が携帯する情報端末(携帯電話等)に対して一時的に鍵を発行してもよい。また、この鍵の発行は、例えば、情報端末へのメールの送信により実行してもよく、情報端末の所有者等による、その情報端末を用いた所定の機器(サーバ等)へのアクセスにより実行してもよい。このようにして、仲介業者やオーナーが付き添わなくても簡易的にセキュリティ性を担保できるようにしてもよい。なお、この場合において、インターホン玄関装置に加えて、賃貸物件内の所定箇所に1以上の撮像装置を設置して、インターホン玄関装置に加えて、その1以上の撮像装置でも撮像を行ってもよい。また、この場合において、その1以上の撮像装置での撮像を、ドアの錠の解錠で開始してもよく、ドアの錠の施錠で終了してもよい。
【0053】
また、マンション等の集合住宅で用いられるインターホンシステム1を例に説明を行ったが、インターホンシステムは、一戸建ての住戸に設置されてもよい。この場合、宅配ボックスや防犯センサからの情報は、表示部付制御装置、インターネット、一戸建て用のVPNルータ、一戸建て用のゲートウェイを介して親機に入力されてもよい。
【0054】
(第2実施形態)
図2は、本開示の第2実施形態のインターホンシステム101の概略構成図である。なお、第2実施形態では、第1実施形態の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略する。また、第2実施形態では、第1実施形態と共通の作用効果および変形例について説明を省略し、第1実施形態と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行う。
【0055】
図2に示すように、インターホンシステム101は、玄関周辺領域も含めた住戸117内に構築され、親機105、子機6、宅配ボックス108、及び接点入力アダプタ109を備える。また、親機105は、表示部151、音声を入出力するマイクロホン152、スピーカ153、操作部154、記憶部155、及び制御部156を有する。また、宅配ボックス108は、磁気センサ181、通信部182、操作部183、及び表示部184を有する。インターホンシステム101では、接点入力アダプタ109が、宅配ボックス108の磁気センサ181が動作した信号を無線で受信し、磁気センサ181が動作した情報を有線で親機105に出力する。
【0056】
接点入力アダプタ109は、宅配ボックス108の磁気センサ181から信号を受信する他、各種防犯センサからの信号も無線で受信してもよい。この場合、親機105の制御部156は、複数の接点を有し、例えば、第1接点がONすることで、宅配ボックス108が施錠されたことを認識できる。また、親機105の制御部156は、第2接点がONすることで、宅配ボックス108に荷物収容室に荷物が収容されたことを認識でき、第3接点がONすることで、玄関用防犯センサがONしたことを認識できる。すなわち、親機105は、1以上の接点を有し、親機105において接点入力アダプタ109からの伝送線が接続されるポートは、情報の取得部159を構成する。また、取得部159は、各接点をオンオフ制御することを表す信号を受信する。
【0057】
親機105による子機6の制御は、第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は、省略する。インターホンシステム101の動作の一例を簡単に説明すると、例えば、宅配ボックス108が施錠されると、磁気センサ181が、その施錠を検出し、通信部182がその施錠情報を無線で送信する。接点入力アダプタ109は、施錠情報を無線で受け、親機105に施錠情報を含む信号を有線で送信する。施錠情報を受けた親機105は、例えば、子機6の映像ラインを起こし、施錠時に1以上の静止画像、又は動画(映像)を取得する。親機105は、取得した1以上の静止画像又は動画を自身の記憶部155に記憶する。
【0058】
本構成によれば、簡易な構成で、親機105の操作部154の操作に基づかない子機6のカメラ63の撮像制御とカメラ63の撮像に基づく画像の録画制御のうちの少なくとも一方を実行できる。
【0059】
なお、現在、防犯センサからの無線信号を受信するのに用いられている接点入力アダプタとしては、420MHz等の周波数の無線信号を受信するものを用いることができる。したがって、宅配ボックス108が送信する無線信号は、如何なる周波数を有してもよいが、その無線信号の周波数として、420MHz等を採用すると、既存の接点入力アダプタを僅かな改良だけで利用できるか又はそのまま利用できて好ましい。又は、接点アダプタを省略して、宅配ボックス108と親機105をケーブルで接続してもよく、宅配ボックス108からの信号を、ケーブルを用いて親機105に直接出力してもよい。
【0060】
(第3実施形態)
図3は、本開示の第3実施形態のインターホンシステム201の概略構成図である。なお、第3実施形態では、第1実施形態の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略する。また、第3実施形態では、第1実施形態と共通の作用効果および変形例について説明を省略し、第1実施形態と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行う。
【0061】
図3に示すように、インターホンシステム201は、玄関周辺領域も含めた住戸217内で構築され、親機205、子機6、宅配ボックス8、表示部付制御装置7、及び無線LANルータ209を備える。また、親機205は、表示部251、音声を入出力するマイクロホン252、スピーカ253、操作部254、記憶部255、制御部256、及び無線LANモジュール257を有する。無線LANモジュール257は、無線LANでの通信が可能なWi-Fi(登録商標)などの通信規格に対応した通信モジュールである。
【0062】
親機205による子機6の制御は、第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。インターホンシステム201の動作の一例を簡単に説明すると、例えば、宅配ボックス8が施錠されると、磁気センサ81が、その施錠を検出し、通信部82がその施錠情報を無線で送信する。表示部付制御装置7は、施錠情報を無線で受け、無線LANルータ209を介して親機205に施錠情報を含む信号を無線で送信する。
【0063】
親機205の無線LANモジュール257は、無線LANルータ209からの無線信号を受信する。施錠情報を受けた親機205は、例えば、子機6の映像ラインを起こし、施錠時に1以上の静止画像、又は動画(映像)を取得する。親機205は、例えば、取得した1以上の静止画像又は動画を自身の記憶部255に記憶する。無線LANモジュール257は、親機205の取得部の一例であり、親機205のローカルエリアネットワークからの情報を取得可能である。
【0064】
本構成によれば、無線LANを用いた簡素な構成で、親機105の操作部154の操作に基づかない子機6のカメラ63の撮像制御とカメラ63の撮像に基づく画像の録画制御のうちの少なくとも一方を実行できる。
【0065】
なお、宅配ボックス8から送信される無線信号は、如何なる周波数を有してもよい。しかし、上述のように、既存の表示部付制御装置7は、920MHzの無線信号を受信できるので、無線信号が920MHzの周波数を有すれば、既存の表示部付制御装置7を大きな変更なしで使用できるか、そのまま使用できて好ましい。
【0066】
また、表示部付制御装置7からの信号を、無線LANを用いて親機205に送信する場合について説明した。しかし、親機が、920MHzの周波数を有する無線信号等の無線信号を受信できる受信モジュールを内蔵している場合には、無線LANを用いずに、親機が、表示部付制御装置7からの無線信号を直接受信する構成でもよい。
【0067】
なお、次の条件を満たすインターホン制御方法及びインターホン制御プログラムを用いると好ましい。詳しくは、そのインターホン制御方法では、情報端末の操作部に対する人の操作に基づかない情報を情報端末の取得部で取得する。また、そのインターホン制御方法では、情報端末の制御部が、インターホン玄関装置の撮像部の撮像制御、及び撮像部が撮像した画像を情報端末の記憶部に録画させる録画制御のうちの少なくとも一方を情報に基づいて実行する。
【0068】
また、そのインターホン制御プログラムは、撮像部を有するインターホン玄関装置と双方向の信号のやり取りが可能であり、外部から情報を取得する取得部、操作部、及び記憶部を備える情報端末で用いられる。また、そのインターホン制御プログラムは、取得部が取得した情報であって操作部に対する人の操作に基づかない情報に基づいて、撮像部に撮像を実行させる処理、及び撮像部が撮像した画像を記憶部に録画する処理のうちの少なくとも一方をコンピュータに実行させる。
【0069】
上記第1乃至第3実施形態の説明より明らかなように、これらの方法やプログラムを用いれば、人が操作部を操作しなくても、子機の撮像及び子機が撮像した画像の録画の少なくとも一方を制御でき、必要に応じて玄関周辺の人の画像を取得できる。
【符号の説明】
【0070】
1,101,201 インターホンシステム、 5,105,205 親機、 6 子機、 7 表示部付制御装置、 8,108 宅配ボックス、 15 インターネット、 54,154,254 親機の操作部、 55,155,255 親機の記憶部、 56,156,256 親機の制御部、 59,159 親機の取得部、 63 子機のカメラ、 109 接点入力アダプタ、 257 無線LANモジュール。