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特許7482443ロック解除システム、及び、ロック解除方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】ロック解除システム、及び、ロック解除方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20240507BHJP
   H04L 9/32 20060101ALI20240507BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240507BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
G06F21/31
H04L9/32 100A
E05B49/00 J
E05B49/00 A
H04Q9/00 301C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020164893
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022056901
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】六車 充
(72)【発明者】
【氏名】橋本 尚典
(72)【発明者】
【氏名】小久保 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】山口 剛史
【審査官】金沢 史明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-056232(JP,A)
【文献】特開2013-229015(JP,A)
【文献】特開2010-198238(JP,A)
【文献】特開2016-143979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F21/00-21/88
E05B49/00-49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の所在地情報、及び、前記施設のエントランスに設けられたドアのロック状態を解除するための暗証番号を取得する第一取得部と、
前記所在地情報、及び、前記暗証番号が紐づけられた管理情報が記憶される記憶部と、
携帯端末の位置情報を前記携帯端末から取得する第二取得部と、
前記携帯端末に入力された入力番号を前記携帯端末から取得する第三取得部と、
前記管理情報において前記位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす前記所在地情報に紐づけられた前記暗証番号である対象暗証番号と、前記入力番号とが一致した場合に、前記ドアのロック状態の解除要求を出力する出力部とを備え
前記第一取得部は、前記施設の名称情報を取得し、
前記管理情報は、前記所在地情報、前記暗証番号、及び、前記名称情報が紐づけられた情報であり、
前記出力部は、前記管理情報において前記所定要件を満たす1以上の前記所在地情報に紐づけられた1以上の前記名称情報を前記携帯端末へ出力し、
前記第三取得部は、前記出力部によって出力された1以上の前記名称情報の一つを指定する指定情報を前記携帯端末から取得し、
前記対象暗証番号は、前記管理情報において、前記指定情報によって指定された前記名称情報に紐づけられた前記暗証番号である
ロック解除システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記管理情報において前記所定要件を満たす複数の前記所在地情報に紐づけられた複数の前記名称情報を前記携帯端末に出力し、
前記第三取得部は、前記出力部によって出力された複数の前記名称情報の一つを指定する前記指定情報を前記携帯端末から取得する
請求項に記載のロック解除システム。
【請求項3】
前記出力部は、前記対象暗証番号と前記入力番号とが一致しない場合に、前記ドアのロック状態を解除することができないことを通知するための通知情報を前記携帯端末へ出力する
請求項1または2に記載のロック解除システム。
【請求項4】
前記暗証番号は、前記管理情報において当該暗証番号に紐づけられた前記所在地情報を有する施設宛ての配達物に付与される伝票の伝票番号である
請求項1~のいずれか1項に記載のロック解除システム。
【請求項5】
コンピュータによって実行されるロック解除方法であって、
前記コンピュータは、施設の所在地情報、及び、前記施設のエントランスに設けられたドアのロック状態を解除するための暗証番号が紐づけられた管理情報が記憶される記憶部を備え、
前記ロック解除方法は、
携帯端末の位置情報を前記携帯端末から取得する第一取得ステップと、
前記携帯端末に入力された入力番号を前記携帯端末から取得する第二取得ステップと、
前記管理情報において前記位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす前記所在地情報に紐づけられた前記暗証番号である対象暗証番号と、前記入力番号とが一致した場合に、前記ドアのロック状態の解除要求を出力する第一出力ステップとを含み、
前記管理情報は、前記所在地情報、前記暗証番号、及び、前記施設の名称情報が紐づけられた情報であり、
前記ロック解除方法は、さらに、
前記管理情報において前記所定要件を満たす1以上の前記所在地情報に紐づけられた1以上の前記名称情報を前記携帯端末へ出力する第二出力ステップと、
出力された1以上の前記名称情報の一つを指定する指定情報を前記携帯端末から取得する第三取得ステップとを含み、
前記対象暗証番号は、前記管理情報において、前記指定情報によって指定された前記名称情報に紐づけられた前記暗証番号である
ロック解除方法。
【請求項6】
請求項に記載のロック解除方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
携帯端末によって実行される、施設のエントランスに設けられたドアのロック解除方法であって、
前記携帯端末の位置情報を送信する第一送信ステップと、
入力番号の入力操作をユーザから受け付ける第一受付ステップと、
送信された前記位置情報によって定まる暗証番号と前記入力番号との照合、及び、前記照合の結果に基づく前記ドアのロック状態の解除を依頼する解除依頼情報を送信する第二送信ステップと
送信された前記位置情報への応答として、前記位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす施設の名称情報を1以上受信する受信ステップと、
受信された1以上の前記名称情報を表示する表示ステップと、
受信された1以上の前記名称情報が表示されているときに、受信された1以上の前記名称情報の1つを指定する指定操作を受け付ける第二受付ステップとを含み、
前記第二送信ステップにおいては、送信された前記位置情報、及び、指定された前記名称情報によって定まる前記暗証番号と前記入力番号との照合、並びに、前記照合の結果に基づく前記ドアのロック状態の解除を依頼する前記解除依頼情報を送信する
ロック解除方法。
【請求項8】
請求項に記載のロック解除方法を前記携帯端末に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック解除システム、及び、ロック解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅及びオフィスビルなどの施設の入口に設置されているオートロック式ドアに関する様々な技術が提案されている。特許文献1には、利便性の高いオートロック式ドア解錠システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-218547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、施設におけるオートロック式ドアは、施設への出入りが許可されたユーザのみにロック状態の解除が許可されている。例えば、施設への出入りが許可されていないユーザにオートロック式ドアのロック状態の解除権限を与える方法については検討の余地がある。
【0005】
本発明は、携帯端末を利用して、ユーザにドアのロック状態の解除権限を与えることができるロック解除システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るロック解除システムは、施設の所在地情報、及び、前記施設のエントランスに設けられたドアのロック状態を解除するための暗証番号を取得する第一取得部と、前記所在地情報、及び、前記暗証番号が紐づけられた管理情報が記憶される記憶部と、携帯端末の位置情報を前記携帯端末から取得する第二取得部と、前記携帯端末に入力された入力番号を前記携帯端末から取得する第三取得部と、前記管理情報において前記位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす前記所在地情報に紐づけられた前記暗証番号である対象暗証番号と、前記入力番号とが一致した場合に、前記ドアのロック状態の解除要求を出力する出力部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係るロック解除方法は、コンピュータによって実行されるロック解除方法であって、前記コンピュータは、施設の所在地情報、及び、前記施設のエントランスに設けられたドアのロック状態を解除するための暗証番号が紐づけられた管理情報が記憶される記憶部を備え、前記ロック解除方法は、携帯端末の位置情報を前記携帯端末から取得する第一取得ステップと、前記携帯端末に入力された入力番号を前記携帯端末から取得する第二取得ステップと、前記管理情報において前記位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす前記所在地情報に紐づけられた前記暗証番号である対象暗証番号と、前記入力番号とが一致した場合に、前記ドアのロック状態の解除要求を出力する第一出力ステップとを含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記ロック解除方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の一態様に係るロック解除方法は、携帯端末によって実行される、施設のエントランスに設けられたドアのロック解除方法であって、前記携帯端末の位置情報を送信する第一送信ステップと、入力番号の入力操作をユーザから受け付ける第一受付ステップと、送信された前記位置情報によって定まる暗証番号と前記入力番号との照合、及び、前記照合の結果に基づく前記ドアのロック状態の解除を依頼する解除依頼情報を送信する第二送信ステップとを含む。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記ロック解除方法を携帯端末に実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のロック解除システム等は、携帯端末を利用して、ユーザにドアのロック状態の解除権限を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態に係る解錠システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る解錠システムの動作例1のシーケンス図(前半)である。
図3図3は、実施の形態に係る解錠システムの動作例1のシーケンス図(後半)である。
図4図4は、第一管理情報の一例を示す図である。
図5図5は、第二管理情報の一例を示す図である。
図6図6は、名称情報の一覧画面の一例を示す図である。
図7図7は、通知画面の一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態に係る解錠システムの動作例2のシーケンス図である。
図9図9は、実施の形態に係る解錠システムの動作例3のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0015】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係るロック解除システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係るロック解除システムの機能構成を示すブロック図である。図1に示されるように、ロック解除システム10は、第一サーバ20と、第二サーバ30と、電気錠制御サーバ40と、携帯端末50と、ゲートウェイ61と、ロビーインターホン62と、電気錠63とを備える。
【0016】
集合住宅60は、ロック解除システム10が適用される施設の一例である。集合住宅60のエントランス64(正面玄関)に設けられたドアは、いわゆるオートロック式ドアである。集合住宅60に出入りするにはエントランス64のドアに設けられた電気錠63が集合住宅60の居住者によって解錠される必要がある。
【0017】
近年、居住者が不在であるときに、当該居住者宛ての配達物を当該居住者の専有部分(専有部)の玄関前に置くいわゆる置き配サービスが提案されている。置き配を行うためには、配達員は、居住者が不在であっても専有部の玄関前に到着する必要がある。しかしながら、エントランス64のドアがオートロック式ドアである場合には、居住者が不在である場合には、配達員は、当該ドアに設けられた電気錠63を解錠することができない。
【0018】
ロック解除システム10は、このような場合に配達員に電気錠63を解錠する権限を与える仕組みを提供するシステムである。以下、ロック解除システム10が備える各装置(構成要素)について説明する。
【0019】
まず、第一サーバ20について説明する。第一サーバ20は、集合住宅60外に設置されるクラウドサーバである。第一サーバ20は、例えば、置き配サービスを支援する事業者によって使用される。第一サーバ20は、具体的には、通信部21と、情報処理部22と、記憶部23とを備える。
【0020】
通信部21は、第一サーバ20がインターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して他の装置と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部21によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0021】
情報処理部22は、電気錠63の解錠に関する情報処理を行う。情報処理部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0022】
情報処理部22は、機能的な構成要素として、第一取得部24、第二取得部25、第三取得部26、出力部27、及び、生成部28を有する。第一取得部24、第二取得部25、第三取得部26、出力部27、及び、生成部28の機能は、例えば、情報処理部22を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部23に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。第一取得部24、第二取得部25、第三取得部26、出力部27、及び、生成部28のそれぞれの詳細な機能については後述する。
【0023】
記憶部23は、電気錠63の解錠に関する情報処理に必要な情報(後述の第一管理情報、及び、第二管理情報など)、及び、情報処理部22が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部23は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0024】
次に、第二サーバ30について説明する。第二サーバ30は、集合住宅60外に設置されるクラウドサーバである。第二サーバ30は、例えば、配達事業者によって使用される、配達予定に関する情報(以下、配達予定情報とも記載される)を管理するサーバである。なお、後述のように、第二サーバ30は、配達サービス以外の訪問型のサービスのサービス提供事業者によって使用されてもよい。
【0025】
次に、電気錠制御サーバ40について説明する。電気錠制御サーバ40は、集合住宅60外に設置されるクラウドサーバであり、電気錠63を遠隔制御(遠隔解錠)することができる。電気錠制御サーバ40は、例えば、ゲートウェイ61、ロビーインターホン62、及び、電気錠63などの機器を集合住宅60に提供する機器提供事業者などによって使用される。
【0026】
次に、携帯端末50について説明する。携帯端末50は、宅配事業者の配達員が使用する携帯型の情報端末である。携帯端末50は、具体的には、スマートフォン、または、タブレット端末などである。携帯端末50は、UI(User Interface)部51と、通信部52と、制御部53と、記憶部54と、位置計測部55とを備える。
【0027】
UI部51は、配達員の操作を受け付け、かつ、配達員へ画像を提示するユーザインタフェース装置である。UI部51は、タッチパネルなどの操作受付部、及び、表示パネルなどの表示部によって実現される。
【0028】
通信部52は、携帯端末50が広域通信ネットワーク70を介して他の装置と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部52によって行われる通信は、無線通信である。通信に用いられる通信規格は特に限定されない。
【0029】
制御部53は、携帯端末50が電気錠63の解錠を第一サーバ20に依頼するための情報処理を行う。制御部53は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。制御部53の機能は、例えば、制御部53を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部54に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0030】
記憶部54は、携帯端末50が電気錠63の解錠を第一サーバ20に依頼するための情報処理に必要な情報、及び、制御部53が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部54は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0031】
位置計測部55は、携帯端末50の現在位置(具体的には、緯度及び経度などの座標)を計測し、位置情報として出力する。位置計測部55は、例えば、GPS(Global Positioning System)信号(つまり、衛星から送信される電波)を取得し、取得したGPS信号に基づいて携帯端末50の現在位置を計測するGPSモジュールによって実現される。
【0032】
次に、集合住宅60に設置される、ゲートウェイ61、ロビーインターホン62、及び、電気錠63について説明する。ゲートウェイ61は、ロビーインターホン62などの集合住宅60に設置された装置が、広域通信ネットワーク70を通じて他の装置と通信するための通信装置である。
【0033】
ロビーインターホン62は、集合住宅60のエントランス64(つまり、共用部)に設置される装置である。ロビーインターホン62は、例えば、エントランス64に設けられたドアの電気錠63の解錠などに使用される。詳細については図示されないが、ロビーインターホン62は、集合住宅60への訪問者が特定の専有部の番号を入力するためのテンキーボタン、呼出ボタン、及び、呼出ボタンを押した訪問者の画像(例えば、動画像)を撮像する撮像部などを備える。
【0034】
電気錠63は、エントランス64のドアのロック状態を解除するためのロック機構である。電気錠63の具体的な態様は特に限定されず、エントランス64のドアに対応する態様であればよい。ここでの電気錠63は広義の電気錠を意味し、錠前の構造を有するものに限定されない。電気錠63は、電気信号に基づいてエントランス64に設けられたドアをロック及びロック解除できるロック機構であればよく、その具体的態様は特に限定されない。なお、電気錠63は、例えば、ドアが解錠されてから一定時間の経過後に自動的にドアを施錠する。つまり、エントランス64のドアは、オートロックされる。なお、エントランス64に設けられたドアは、引き戸であってもよいし、開き戸であってもよい。
【0035】
[動作例1]
次に、ロック解除システム10の動作例1について説明する。図2は、ロック解除システム10の動作例1のシーケンス図(前半)であり、図3は、ロック解除システム10の動作例1のシーケンス図(後半)である。
【0036】
まず、図2を参照しながら記憶部23に管理情報(第一管理情報及び第二管理情報)が記憶されるまでの動作について説明する。
【0037】
第一サーバ20の第一取得部24は、集合住宅60の物件ID、集合住宅60の名称情報、及び、集合住宅60の所在地情報を含む物件情報を取得し(S11)、第一管理情報として記憶部23に記憶する(S12)。図4は、第一管理情報の一例を示す図である。
【0038】
第一管理情報は、集合住宅60の物件ID、集合住宅60の名称情報、及び、集合住宅60の所在地情報が紐づけられた情報である。物件情報は、例えば、上述の機器提供事業者などから第一サーバ20を使用する事業者に提供され、ユーザインタフェース装置(図示せず)などを通じて第一サーバ20へ入力され、第一取得部24によって取得される。なお、物件情報の取得経路等は特に限定されない。
【0039】
物件IDは、集合住宅60を他の集合住宅60と区別するための情報である。物件IDとして使用されるIDは特に限定されない。物件情報が機器提供事業者から提供される場合、物件IDとしては、ゲートウェイ61のMAC(Media Access Control)アドレスなどが使用される。名称情報は、集合住宅60の名称を示す情報であり、所在地情報は、集合住宅60の所在地(例えば、緯度及び経度)を示す図である。
【0040】
次に、第二サーバ30は、集合住宅60への配達物がある場合に、当該配達物に付与される伝票の伝票番号、及び、当該配達物の届け先情報を含む配達予定情報を第一サーバ20へ送信する(S13)。ここでの配達物の届け先情報には、例えば、受取人の氏名、住所、及び、電話番号などが含まれるが、少なくとも集合住宅60の名称情報(○○マンションなどの住所の一部)が含まれればよい。個人情報保護の観点からは、集合住宅60の名称情報のみが届け先情報として送信されるとよい。
【0041】
なお、集合住宅60への配達物が、集合住宅60に居住するユーザがEC(Electronic Commerce)サイトで購入した商品である場合、配達予定情報は、ECサイトを提供するサーバから第一サーバ20へ送信されてもよい。
【0042】
第一サーバ20の通信部21は、配達予定情報を受信し、第一取得部24は、受信された配達予定情報を取得する(S14)。第一取得部24は、取得した配達予定情報を第二管理情報として記憶部23に記憶する(S15)。図5は、第二管理情報の一例を示す図である。
【0043】
第二管理情報は、例えば、伝票番号と、集合住宅60の名称情報とが紐づけられた情報である。伝票番号は、後述のように、暗証番号(照合用の番号)として使用される。
【0044】
以上のような第一管理情報及び第二管理情報は、第一管理情報及び第二管理情報に名称情報が共通することから、集合住宅60の名称情報、集合住宅60の所在地情報、及び、伝票番号(暗証番号)が紐づけられた管理情報とみなすことができる。
【0045】
その後、配達事業者の配達員は、集合住宅60の近辺に到着すると、専用のアプリケーションプログラムを実行中の携帯端末50に対して所定の操作を行う。このときのロック解除システム10の動作について図3を参照しながら説明する。
【0046】
携帯端末50のUI部51(操作受付部)は、上記所定の操作を配達員から受け付け(S16)、制御部53は、所定の操作が受け付けられたことを契機に、位置計測部55によって計測される携帯端末50の位置情報(携帯端末50の現在位置を示す情報)を、通信部52に第一サーバ20へ送信させる(S17)。
【0047】
第一サーバ20の通信部21は、位置情報を受信する。第二取得部25は、受信された位置情報を取得する(S18)。出力部27は、記憶部23に記憶された第一管理情報において、取得した位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす所在地情報に紐づけられた名称情報を1つ以上(1つまたは複数)特定する(S19)。上記所定要件とは、例えば、位置情報が示す位置を基準として所定の範囲内(例えば、位置情報が示す位置を中心として半径50m以内など)に、所在地情報が示す集合住宅60の所在地が含まれることである。つまり、ステップS19において、出力部27は、携帯端末50の近くに位置する集合住宅60の名称情報を1つ以上特定する。
【0048】
また、出力部27は、特定した名称情報を通信部21に携帯端末50へ送信させる(S20)。つまり、出力部27は、第一管理情報において、所定要件を満たす1以上の所在地情報に紐づけられた1以上の名称情報を携帯端末50に出力する。
【0049】
携帯端末50の通信部52は、名称情報を受信する。制御部53は、受信された名称情報の一覧画面をUI部51(表示部)に表示させる(S21)。図6は、名称情報の一覧画面の一例を示す図である。
【0050】
図6の例では、名称情報の一覧画面には、伝票番号の入力欄が含まれている。配達員は、このような名称情報の一覧画面が表示されているときに、これから入館したい集合住宅60の名称を指定する指定操作(言い換えれば、選択する選択操作)と、この集合住宅60宛ての配達物に付与される伝票の伝票番号の入力操作とを行う。UI部51(操作受付部)は、指定操作及び入力操作を受け付ける(S22)。なお、名称情報の一覧画面と、伝票番号の入力画面とは別の画面であってもよい。
【0051】
制御部53は、指定された名称情報を示す指定情報(言い換えれば、出力部27によって出力された名称情報の一つを指定する情報)と、入力された伝票番号(言い換えれば、携帯端末50に入力された入力番号)とを含む、解錠依頼情報を通信部52に第一サーバ20へ送信させる(S23)。解錠依頼情報は、指定された名称情報によって定まる暗証番号(後述の対象暗証番号)と入力番号との照合、及び、照合の結果に基づく電気錠63の解錠を第一サーバ20に依頼するための情報である。
【0052】
第一サーバ20の通信部21は、解錠依頼情報を受信する。第三取得部26は、受信された解錠依頼情報に含まれる、指定情報、及び、入力番号を取得する(S24)。出力部27は、記憶部23に記憶された第二管理情報(図5)を参照することにより、取得された指定情報によって指定される名称情報に紐づけられた暗証番号(伝票番号)を特定し、特定した暗証番号である対象暗証番号と、取得された入力番号とが一致するか否かを判定する(S25)。つまり、出力部27は、対象暗証番号と入力番号とを照合する。
【0053】
出力部27は、対象暗証番号と入力番号とが一致すると判定した場合、電気錠63の解錠要求を通信部21に電気錠制御サーバ40へ送信させる(S26)。電気錠制御サーバ40は、解錠要求を受信すると、解錠指令をロビーインターホン62へ送信することにより、ロビーインターホン62に電気錠63を解錠させる(S27)。なお、対象暗証番号と入力番号とが一致する場合とは、ステップS22において入力された入力番号とステップS22で指定された名称情報との組み合わせが、ステップS13における配達予定情報に含まれる伝票番号と名称情報との組み合わせに一致することを意味する。
【0054】
一方、出力部27は、対象暗証番号と入力番号とが一致しないと判定した場合、電気錠63を解錠することができないことを通知するための通知情報を通信部21に携帯端末50へ送信させる(S28)。
【0055】
携帯端末50の通信部52は、通知情報を受信する。制御部53は、受信された通知情報に基づいて、電気錠63を解錠することができないことを示す通知画面をUI部51(表示部)に表示させる(S29)。図7は、通知画面の一例を示す図である。図7の通知画面においては、電気錠63の解錠に失敗したこと、及び、名称情報の指定、及び、伝票番号の入力が正しいかを再確認することを促すメッセージが含まれる。
【0056】
以上説明したように、ロック解除システム10によれば、配達員は、配達先の集合住宅60の近辺に到着した状態で、その集合住宅60宛ての配達物に付与された伝票番号を携帯端末50に入力することで、電気錠63を解錠することができる。ロック解除システム10によれば、配達員は、配達物の受取人が不在であっても電気錠63を解錠することができる。また、配達員が配達先の集合住宅60の近辺に到着していることが解錠の要件となるため、遠方から電気錠63が不正に解錠されてしまうことが抑制される。
【0057】
また、ロック解除システム10では、図6等に示されるように、携帯端末50の位置の周辺の集合住宅60の一覧画面を表示し、配達員が1つの集合住宅60を指定する構成となっている。これにより、携帯端末50の位置計測部55の位置計測の精度が悪い場合であっても、配達員が入館したい集合住宅60が正確に指定される。つまり、携帯端末50の位置計測部55の位置計測の精度が悪い場合に、電気錠63の解錠に失敗してしまうことが抑制される。
【0058】
[動作例2]
上記動作例1では、配達物に付与される伝票の伝票番号が暗証番号として使用されたが、暗証番号は、第一サーバ20によって生成されてもよい。図8は、ロック解除システム10の動作例2のシーケンス図である。
【0059】
ステップS11~S12の処理は、動作例1と同様である。ステップS12に続いて、第二サーバ30は、配達物の配達を予定している集合住宅60の名称情報を含む暗証番号生成要求を第一サーバ20に送信する(S31)。
【0060】
第一サーバ20の通信部21は、暗証番号生成要求を受信し、第一取得部24は、受信された暗証番号生成要求に含まれる名称情報を取得する(S32)。生成部28は、暗証番号を生成し(S33)、第一取得部24は、生成された暗証番号と、ステップS32において取得された名称情報とを紐づけて、第二管理情報として記憶部23に記憶する(S34)。
【0061】
また、第二取得部25は、ステップS31において生成した暗証番号を通知するための暗証番号通知情報を通信部21に第二サーバ30へ送信させる(S35)。第二サーバ30は、暗証番号通知情報を受信する。
【0062】
上述のように、第二サーバ30は、配達事業者によって使用される。よって、配達事業者は、暗証番号通知情報に基づいて、配達員にステップS33において生成された暗証番号を教示することができる。ステップS33のよりも後の動作は、伝票番号に代えてステップS33において生成された暗証番号が使用される点を除いて、動作例1のステップS16~S29(つまり、図3)と同様である。配達員は、ステップS33において生成された暗証番号を携帯端末50に入力することで、配達物の受取人(集合住宅60の居住者)が不在であっても電気錠63を解錠することができる。
【0063】
動作例2は、伝票番号が不要となるので、配達サービス以外の訪問型のサービスにも適用できる。配達サービス以外の訪問型のサービスとは、例えば、家事代行サービス、及び、訪問介護サービスなどである。
【0064】
例えば、訪問型のサービスのサービス提供事業者が使用する第二サーバ30は、訪問を予定している集合住宅60の名称情報を含む暗証番号生成要求を第一サーバ20に送信すると、応答として暗証番号通知情報を第一サーバ20から受信することができる。サービス提供事業者は、暗証番号通知情報に基づいて、サービス提供事業者から集合住宅60へ派遣される訪問者にステップS33において生成された暗証番号を教示することができる。
【0065】
サービス提供事業者から集合住宅60へ派遣される訪問者は、教示された暗証番号を携帯端末50に入力することで、集合住宅60の居住者の支援を受けなくても電気錠63を解錠することができる。
【0066】
なお、動作例2で生成される暗証番号は、期限付きであってもよい。例えば、暗証番号通知情報が送信されてから所定期間のみ有効、というように暗証番号には有効期限が定められてもよい。これにより、暗証番号の不正利用が抑制される。
【0067】
[動作例3]
上記動作例1では、携帯端末50の位置の周辺の集合住宅60の名称情報の一覧画面が表示され、配達員が名称情報の指定を行った。しかしながら、このような処理が行われることは必須ではない。以下、名称情報の指定が省略された動作例(動作例3)について説明する。図9は、ロック解除システム10の動作例3のシーケンス図である。なお、以下の動作例3の説明では、第二管理情報が記憶部23に記憶された後の動作について説明する。第二管理情報が記憶部23に記憶されるまでの動作としては動作例1(図2)が採用されるものとして説明が行われるが、動作例2(図8)が採用されてもよい。
【0068】
配達事業者の配達員は、集合住宅60の近辺に到着すると、専用のアプリケーションプログラムを実行中の携帯端末50に対して所定の操作を行う。携帯端末50のUI部51(操作受付部)は、上記所定の操作を配達員から受け付ける(S41)。この場合の所定の操作には、入力番号(暗証番号)の入力操作が含まれる。
【0069】
制御部53は、所定の操作が受け付けられたことを契機に、位置計測部55によって計測される携帯端末50の位置情報(携帯端末50の現在位置を示す情報)と、入力番号とを含む、解錠依頼情報を通信部52に第一サーバ20へ送信させる(S42)。
【0070】
第一サーバ20の通信部21は、解錠依頼情報を受信する。第二取得部25は、解錠依頼情報に含まれる位置情報を取得し、第三取得部26は、受信された解錠依頼情報に含まれる入力番号を取得する(S43)。
【0071】
出力部27は、第一管理情報において、取得した位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす所在地情報に紐づけられた名称情報を1つ特定する(S44)。この場合の所定要件とは、例えば、位置情報が示す位置を基準として所定の範囲内(例えば、位置情報が示す位置を中心として半径50m以内など)に、所在地情報が示す集合住宅60の所在地が含まれるという第一要件を満たし、かつ、第二要件も満たすことである。第二要件は、第一要件を満たす所在地情報の中で、当該所在地情報が示す所在地が携帯端末50の位置に最も近いことである。つまり、ステップS44では、携帯端末50の位置に最も近い集合住宅60の名称情報が特定される。
【0072】
次に、出力部27は、第二管理情報において、特定した名称情報に紐づけられた暗証番号を対象暗証番号として特定し、特定した暗証番号である対象暗証番号と、取得された入力番号とが一致するか否かを判定する(S45)。つまり、出力部27は、対象暗証番号と入力番号とを照合する。
【0073】
出力部27は、対象暗証番号と入力番号とが一致すると判定した場合、電気錠63の解錠要求を通信部21に電気錠制御サーバ40へ送信させる(S46)。電気錠制御サーバ40は、解錠要求を受信すると、解錠指令をロビーインターホン62へ送信することにより、ロビーインターホン62に電気錠63を解錠させる(S47)。
【0074】
なお、対象暗証番号と入力番号とが一致する場合とは、ステップS41において入力された入力番号とステップS44で特定された名称情報との組み合わせが、ステップS13における配達予定情報に含まれる伝票番号と名称情報との組み合わせに一致することを意味する。
【0075】
一方、出力部27は、対象暗証番号と入力番号とが一致しないと判定した場合、電気錠63を解錠することができないことを通知するための通知情報を通信部21に携帯端末50へ送信させる(S48)。
【0076】
携帯端末50の通信部52は、通知情報を受信する。制御部53は、受信された通知情報に基づいて、電気錠63を解錠することができないことを示す通知画面をUI部51(表示部)に表示させる(S49)。
【0077】
以上説明したように、ロック解除システム10によれば、配達員は、配達先の集合住宅60の近辺に到着した状態で、その集合住宅60宛ての配達物に付与された伝票番号を携帯端末50に入力することで、電気錠63を解錠することができる。ロック解除システム10によれば、配達員は、配達物の受取人が不在であっても電気錠63を解錠することができる。また、配達員が配達先の集合住宅60の近辺に到着していることが解錠の要件となるため、遠方から電気錠63が不正に解錠されてしまうことが抑制される。
【0078】
[変形例]
動作例1~3において、第一サーバ20の機能の一部は、図示されない他のサーバによって実現されてもよい。例えば、動作例1及び2においては、暗証番号と入力番号との照合が他のサーバによって行われてもよい。また、動作例2においては、暗証番号の生成が他のサーバによって実現されてもよい。
【0079】
また、上記動作例1~3では、電気錠63の解錠は、電気錠制御サーバ40を介して行われたが、電気錠制御サーバ40を介さずに行われてもよい。例えば、第一サーバ20が送信(出力)する解錠要求が電気錠制御サーバ40を介さずにロビーインターホン62によって受信されることにより、電気錠63が解錠されてもよい。つまり、電気錠制御サーバ40が有する電気錠63の解錠機能は、第一サーバ20によって備えられてもよい。
【0080】
また、上記動作例1~3では、第一サーバ20、第二サーバ30、及び、電気錠制御サーバ40の各サーバを使用する事業者が例示されたが、各サーバを利用する事業者については特に限定されない。
【0081】
[効果等]
以上説明したように、ロック解除システム10は、集合住宅60の所在地情報、及び、集合住宅60のエントランス64に設けられたドアのロック状態を解除するための暗証番号を取得する第一取得部24と、所在地情報、及び、暗証番号が紐づけられた管理情報が記憶される記憶部23と、携帯端末50の位置情報を携帯端末50から取得する第二取得部25と、携帯端末50に入力された入力番号を携帯端末50から取得する第三取得部26と、管理情報において位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす所在地情報に紐づけられた暗証番号である対象暗証番号と、入力番号とが一致した場合に、電気錠63の解錠要求を出力する出力部27とを備える。集合住宅60は、施設の一例である。電気錠63の解錠要求は、ドアのロック状態の解除要求の一例である。
【0082】
このようなロック解除システム10は、集合住宅60の所在地と暗証番号を対応付けることで、携帯端末50位置が集合住宅60の所在地と所定の位置関係となる場合に、電気錠63を解錠することができる。つまり、ロック解除システム10は、携帯端末50を利用して携帯端末50のユーザ(例えば、配達員)にドアのロック状態の解除権限(電気錠63の解錠権限)を与えることができる。
【0083】
また、例えば、第一取得部24は、集合住宅60の名称情報を取得する。管理情報は、所在地情報、暗証番号、及び、名称情報が紐づけられた情報である。出力部27は、管理情報において所定要件を満たす1以上の所在地情報に紐づけられた1以上の名称情報を携帯端末50へ出力する。第三取得部26は、出力部27によって出力された1以上の名称情報の一つを指定する指定情報を携帯端末50から取得する。対象暗証番号は、管理情報において、指定情報によって指定された名称情報に紐づけられた暗証番号である。
【0084】
このようなロック解除システム10は、集合住宅60の所在地と暗証番号を対応付けることで、携帯端末50位置が集合住宅60の所在地と所定の位置関係となり、かつ、ユーザが適切な集合住宅60を指定した場合に、電気錠63を解錠することができる。
【0085】
また、例えば、出力部27は、管理情報において所定要件を満たす複数の所在地情報に紐づけられた複数の名称情報を携帯端末50に出力する。第三取得部26は、出力部27によって出力された複数の名称情報の一つを指定する指定情報を携帯端末50から取得する。
【0086】
このようなロック解除システム10は、集合住宅60の所在地と暗証番号を対応付けることで、携帯端末50位置が集合住宅60の所在地と所定の位置関係となり、かつ、ユーザが適切な集合住宅60を指定した場合に、電気錠63を解錠することができる。
【0087】
また、例えば、出力部27は、対象暗証番号と入力番号とが一致しない場合に、ドアのロック状態を解除することができないことを通知するための通知情報を携帯端末50へ出力する。
【0088】
このようなロック解除システム10は、ユーザに電気錠63を解錠することができないことを通知することができる。
【0089】
また、例えば、暗証番号は、管理情報において当該暗証番号に紐づけられた所在地情報を有する集合住宅60宛ての配達物に付与される伝票の伝票番号である。
【0090】
このようなロック解除システム10は、配達物に付与される伝票の伝票番号を暗証番号として使用することができる。
【0091】
また、ロック解除システム10などのコンピュータによって実行されるロック解除方法は、携帯端末50の位置情報を携帯端末50から取得する第一取得ステップ(S18)と、携帯端末50に入力された入力番号を携帯端末50から取得する第二取得ステップ(S24)と、管理情報において位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす所在地情報に紐づけられた暗証番号である対象暗証番号と、入力番号とが一致した場合に、電気錠63の解錠要求を出力する第一出力ステップ(S26)とを含む。
【0092】
このようなロック解除方法は、集合住宅60の所在地と暗証番号を対応付けることで、携帯端末50位置が集合住宅60の所在地と所定の位置関係となる場合に、電気錠63を解錠することができる。つまり、ロック解除方法は、携帯端末50を利用して携帯端末50のユーザにドアのロック状態の解除権限(電気錠63の解錠権限)を与えることができる。
【0093】
また、例えば、上記ロック解除方法は、さらに、管理情報において所定要件を満たす1以上の所在地情報に紐づけられた1以上の名称情報を携帯端末50へ出力する第二出力ステップ(S20)と、出力された1以上の名称情報の一つを指定する指定情報を携帯端末50から取得する第三取得ステップ(S24)とを含む。対象暗証番号は、管理情報において、指定情報によって指定された名称情報に紐づけられた暗証番号である。
【0094】
このようなロック解除方法は、集合住宅60の所在地と暗証番号を対応付けることで、携帯端末50位置が集合住宅60の所在地と所定の位置関係となり、かつ、ユーザが適切な集合住宅60を指定した場合に、電気錠63を解錠することができる。
【0095】
また、携帯端末50によって実行される、集合住宅60のエントランスに設けられたドアのロック状態のロック解除方法は、携帯端末50の位置情報を送信する第一送信ステップ(S17)と、入力番号の入力操作をユーザ(例えば、配達員)から受け付ける第一受付ステップ(S22)と、送信された位置情報によって定まる暗証番号と入力番号との照合、及び、照合の結果に基づく電気錠63の解錠を依頼する解錠依頼情報を送信する第二送信ステップ(S23)とを含む。電気錠63の解錠を依頼する解錠依頼情報は、ドアのロック状態の解除を依頼する解除依頼情報の一例である。
【0096】
このようなロック解除方法は、携帯端末50位置が集合住宅60の所在地と所定の位置関係となる場合に、電気錠63を解錠することができる。つまり、ロック解除方法は、携帯端末50を利用して携帯端末50のユーザにドアのロック状態の解除権限(電気錠63の解錠権限)を与えることができる。
【0097】
また、ロック解除方法は、さらに、送信された位置情報への応答として、位置情報が示す位置に関する所定要件を満たす集合住宅60の名称情報を1以上受信する受信ステップ(S20)と、受信された1以上の名称情報を表示する表示ステップ(S21)と、受信された1以上の名称情報が表示されているときに、受信された1以上の名称情報の1つを指定する指定操作を受け付ける第二受付ステップ(S22)とを含む。第二送信ステップ(S23)においては、送信された位置情報、及び、指定された名称情報によって定まる暗証番号と入力番号との照合、並びに照合の結果に基づく電気錠63の解錠を依頼する解錠依頼情報を送信する。
【0098】
このようなロック解除方法は、携帯端末50位置が集合住宅60の所在地と所定の位置関係となり、かつ、ユーザが適切な集合住宅60を指定した場合に、電気錠63を解錠することができる。
【0099】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0100】
例えば、上記実施の形態においては、ロック解除システムは、電気錠を解錠することにりよりドアのロック状態を解除した。しかしながら、ロック解除システムは、ドアのロック状態を解除すればよく、ドアのロック状態の解除の手段として電気錠が用いられることは必須ではない。例えば、ロック解除システムは、自動ドアの閉状態(つまり、人間の手では開けられないロック状態)を解除する(つまり、自動ドアを開ける)システムとして実現されてもよい。つまり、ロック解除システムは、自動ドア(電気錠以外のロック機構)を対象としたシステムとして実現されてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態では、ロック解除システムは、集合住宅に適用されたが、オフィスビルなどの集合住宅以外の施設に適用されてもよい。
【0102】
例えば、上記実施の形態では、ロック解除システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、ロック解除システムは、第一サーバに相当する単一の装置として実現されてもよいし、携帯端末に相当する単一の装置として実現されてもよい。ロック解除システムが複数の装置によって実現される場合、ロック解除システムが備える構成要素(特に、機能的な構成要素)は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0103】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(ブロードバンドルータなど)が介在してもよい。
【0104】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0106】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0107】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0108】
例えば、本発明は、上記実施の形態のロック解除システムによって実行されるロック解除方法として実現されてもよいし、コンピュータにロック解除方法を実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0109】
また、本発明は、上記実施の形態の携帯端末によって実行されるロック解除方法として実現されてもよいし、携帯端末にロック解除方法を実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0110】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
10 ロック解除システム
23 記憶部
24 第一取得部
25 第二取得部
26 第三取得部
27 出力部
50 携帯端末
60 集合住宅(施設)
63 電気錠
64 エントランス
70 広域通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9