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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】部品供給装置および部品搭載装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022553499
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2021028265
(87)【国際公開番号】W WO2022070583
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2020167824
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】礒端 美伯
(72)【発明者】
【氏名】堀江 敦行
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-012859(JP,A)
【文献】特開2019-201156(JP,A)
【文献】特開2013-073997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
H05K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を基板に搭載する部品搭載装置の装着部に装着され、前記部品を収納したキャリアテープを搬送して部品取出口に前記部品を供給する部品供給装置であって、
前記キャリアテープの搬送を案内する搬送路および前記搬送路から前記キャリアテープを排出する排出路を有し、前記装着部にスライドされて取り付けられる本体部と、
前記部品取出口を有し、前記搬送路の下流部の一部の上方を覆うテープカバーと、
前記搬送路の前記テープカバーで覆われた所定区間に位置する前記キャリアテープの送り孔に係合するスプロケットを有し、前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを搬送する搬送部と、
前記本体部に装着され、前記本体部が前記装着部にスライドされて取り付けられるのに伴って前記装着部に形成された位置決め用の第1挿入孔に挿入される第1位置決めピンと、を備え、
前記排出路は、前記部品取出口よりも下流かつ前記第1位置決めピンよりも前記部品取出口に近い場所に位置する排出路入口および前記第1位置決めピンよりも下方に位置する排出路出口を有し、前記排出路入口から進入した前記キャリアテープを前記排出路出口に案内し、
前記本体部の前記排出路出口よりも下方の位置に設けられ、前記本体部が前記装着部にスライドされて取り付けられるのに伴って前記装着部に形成された位置決め用の第2挿入孔に挿入される第2位置決めピンをさらに備える、部品供給装置。
【請求項2】
前記第1位置決めピンは、前記スプロケットの回転中心の高さよりも高い位置で前記本体部に装着されている、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記第1位置決めピンは、前記本体部が前記装着部にスライドされて取り付けられるときのスライド方向に延びた軸を中心に回転可能に設けられており、
前記第1位置決めピンの前記第1挿入孔に挿入される先端部は、前記軸に対して偏心している、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記本体部は、前記搬送路を有する本体フレームと、前記本体フレームの端部に装着された先端部材とを含み、
前記第1位置決めピンは、前記先端部材に固定され、
前記本体フレームと前記先端部材との間に前記排出路が設けられた、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記本体部は、前記本体フレームから水平方向に離れた位置に前記先端部材を固定する先端部材固定具をさらに含み、
前記本体フレームと前記先端部材と前記先端部材固定具とで囲まれた空間に前記排出路が形成される、請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記第2位置決めピンは、前記本体部の本体フレームの端部に設けられる、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記本体フレームには、前記装着部に設けられたクランプ部によって前記装着部に固定される被クランプ部材が設けられる、請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記本体フレームには、前記装着部に設けられた通信用コネクタに接続されるコネクタが設けられる、請求項7に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記先端部材に設けられ、前記テープカバーを前記本体部に押さえつけるテープカバー押さえを備えた、請求項4または5に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記テープカバーは、前記先端部材に対して揺動自在に装着される、請求項4または5に記載の部品供給装置。
【請求項11】
部品を収納したキャリアテープから前記部品を取り出して基板に搭載する部品搭載装置であって、
前記キャリアテープを搬送して部品取出口に前記部品を供給する部品供給装置と、
前記部品供給装置が装着される装着部と、
前記装着部に装着された前記部品供給装置から前記部品を取り出して前記基板に搭載する部品搭載部と、を備え、
前記部品供給装置は、
前記キャリアテープの搬送を案内する搬送路および前記搬送路から前記キャリアテープを排出する排出路を有し、前記装着部にスライドされて取り付けられる本体部と、
前記部品取出口を有し、前記搬送路の下流部の一部の上方を覆うテープカバーと、
前記搬送路の前記テープカバーで覆われた所定区間に位置する前記キャリアテープの送り孔に係合するスプロケットを有し、前記スプロケットを回転させることにより前記キャリアテープを搬送する搬送部と、
前記本体部に装着され、前記本体部が前記装着部にスライドされて取り付けられるのに伴って前記装着部に形成された位置決め用の第1挿入孔に挿入される第1位置決めピンと、を有し、
前記排出路は、前記部品取出口よりも下流かつ前記第1位置決めピンよりも前記部品取出口に近い場所に位置する排出路入口および前記第1位置決めピンよりも下方に位置する排出路出口を有し、前記排出路入口から進入した前記キャリアテープを前記排出路出口に案内し、
前記本体部の前記排出路出口よりも下方の位置に設けられ、前記本体部が前記装着部にスライドされて取り付けられるのに伴って前記装着部に形成された位置決め用の第2挿入孔に挿入される第2位置決めピンをさらに備える、部品搭載装置。
【請求項12】
前記第1位置決めピンは、前記スプロケットの回転中心の高さよりも高い位置で前記本体部に装着されている、請求項11に記載の部品搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を収納したキャリアテープを搬送して部品取出口に部品を供給する部品供給装置、および、この部品供給装置が供給する部品を基板に搭載する部品搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搭載ヘッドにより部品をピックアップして基板に搭載する部品搭載装置へ部品を供給する部品供給装置として、部品を収納したキャリアテープを搬送して部品取出口に部品を供給するテープフィーダが知られている。テープフィーダは、部品搭載装置が備えるフィーダ装着部にスライドされて取り付けられる本体部において、上流部から下流部にかけてキャリアテープの搬送を案内する搬送路を備えている。搬送路の下流部の一部は、その上方がテープカバーによって覆われている。テープカバーには、部品取出口が設けられている。本体部に設けられたスプロケットは、テープカバーで覆われた区間に位置するキャリアテープの送り孔に係合した状態で回転することによって、キャリアテープを搬送する。搬送路の部品取出口よりも下流の位置には、キャリアテープを排出する排出路が設けられている。排出路の入口(排出路入口)から進入したキャリアテープは、排出路入口よりも下方に位置する出口(排出路出口)から排出される。
【0003】
このような部品供給装置は、本体部の前端部(キャリアテープの流れの下流の端部)において、位置決め用のピン(位置決めピン)が設けられている。位置決めピンは、本体部がフィーダ装着部にスライドして装着される動作によって、フィーダ装着部に形成された位置決め用の孔(挿入孔)に挿入される。挿入孔に位置決めピンが挿入された状態では、部品供給装置は、フィーダ装着部に対して位置決めされるだけでなく、フィーダ装着部に対して固定された状態となる。このため、部品搭載装置の稼動中に発生する加振力によって部品供給装置が振動しても、部品供給装置の部品取出口の揺れは抑制される。このため、部品の取出しミスは発生しにくくなる(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2014/147799号
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、近年では部品の微細化が進んでおり、部品供給装置の振動による部品の取り出しミスが増加している。加振時における部品供給装置の振幅を抑えるには、位置決めピンが部品取出口に近い高さの位置に設けられている方が好ましい。しかし、部品取出口に近い高さの位置には、キャリアテープの排出路が配置される。このため、従来は部品取出口よりもかなり低い位置に位置決めピンを配置せざるを得なかった。
【0006】
そこで本開示は、位置決めピンを部品取出口に近い高さの位置に設けることができ、安定した部品供給を行うことができる部品供給装置および部品搭載装置を提供することを目的とする。
【0007】
本開示の部品供給装置は、部品を基板に搭載する部品搭載装置の装着部に装着され、部品を収納したキャリアテープを搬送して部品取出口に部品を供給する部品供給装置であって、キャリアテープの搬送を案内する搬送路および搬送路からキャリアテープを排出する排出路を有し、装着部にスライドされて取り付けられる本体部と、部品取出口を有し、搬送路の下流部の一部の上方を覆うテープカバーと、搬送路のテープカバーで覆われた所定区間に位置するキャリアテープの送り孔に係合するスプロケットを有し、スプロケットを回転させることによりキャリアテープを搬送する搬送部と、本体部に装着され、本体部が装着部にスライドされて取り付けられるのに伴って装着部に形成された位置決め用の第1挿入孔に挿入される第1位置決めピンと、を備える。
【0008】
排出路は、部品取出口よりも下流かつ第1位置決めピンよりも部品取出口に近い場所に位置する排出路入口および第1位置決めピンよりも下方に位置する排出路出口を有し、排出路入口から進入したキャリアテープを排出路出口に案内する。本体部の排出路出口よりも下方の位置に設けられ、本体部が装着部にスライドされて取り付けられるのに伴って装着部に形成された位置決め用の第2挿入孔に挿入される第2位置決めピンをさらに備える。
【0009】
本開示の部品搭載装置は、部品を収納したキャリアテープから部品を取り出して基板に搭載する部品搭載装置であって、キャリアテープを搬送して部品取出口に部品を供給する部品供給装置と、部品供給装置が装着される装着部と、装着部に装着された部品供給装置から部品を取り出して基板に搭載する部品搭載部と、を備える。
【0010】
部品供給装置は、キャリアテープの搬送を案内する搬送路および搬送路からキャリアテープを排出する排出路を有し、装着部にスライドされて取り付けられる本体部と、部品取出口を有し、搬送路の下流部の一部の上方を覆うテープカバーと、搬送路のテープカバーで覆われた所定区間に位置するキャリアテープの送り孔に係合するスプロケットを有し、スプロケットを回転させることによりキャリアテープを搬送する搬送部と、本体部に装着され、本体部が装着部にスライドされて取り付けられるのに伴って装着部に形成された位置決め用の第1挿入孔に挿入される第1位置決めピンと、を有する。
【0011】
排出路は、部品取出口よりも下流かつ第1位置決めピンよりも部品取出口に近い場所に位置する排出路入口および第1位置決めピンよりも下方に位置する排出路出口を有し、排出路入口から進入したキャリアテープを排出路出口に案内する。本体部の排出路出口よりも下方の位置に設けられ、本体部が装着部にスライドされて取り付けられるのに伴って装着部に形成された位置決め用の第2挿入孔に挿入される第2位置決めピンをさらに備える。
【0012】
本開示によれば、キャリアテープの排出路と位置決めピンとの位置関係を見直すことで、部品供給装置の位置決めピンを部品取出口に近い高さの位置に設けることができ、安定した部品供給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の実施の形態1における部品搭載装置の要部の側面図である。
図2図2は、本開示の実施の形態1における部品搭載装置が用いるキャリアテープの一部の斜視図である。
図3A図3Aは、本開示の実施の形態1における部品搭載装置が備えるフィーダ装着部の側断面図である。
図3B図3Bは、本開示の実施の形態1における部品搭載装置が備えるフィーダ装着部の背面図である。
図4図4は、本開示の実施の形態1における部品搭載装置が備えるテープフィーダの側面図である。
図5A図5Aは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダの一部の側面図である。
図5B図5Bは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダの一部の側面図である。
図6図6は、本開示の実施の形態1における部品搭載装置が備えるテープフィーダの一部の側面図である。
図7A図7Aは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダが備える排出路の断面図である。
図7B図7Bは、本開示の実施の形態1の変形例におけるテープフィーダが備える排出路の断面図である。
図7C図7Cは、本開示の実施の形態1の他の変形例におけるテープフィーダが備える排出路の断面図である。
図7D図7Dは、本開示の実施の形態1の他の変形例におけるテープフィーダが備える排出路の断面図である。
図8A図8Aは、本開示の実施の形態1における部品搭載装置の一部の平面図である。
図8B図8Bは、本開示の実施の形態1における部品搭載装置の一部の側面図である。
図9図9は、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダをフィーダ装着部とともに示す一部断面側面図である。
図10A図10Aは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダをフィーダ装着部とともに示す一部断面平面図である。
図10B図10Bは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダをフィーダ装着部とともに示す一部断面側面図である。
図11図11は、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダをフィーダ装着部とともに示す一部断面側面図である。
図12図12は、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダをフィーダ装着部とともに示す一部断面側面図である。
図13図13は、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダの一部の断面図である。
図14A図14Aは、本開示の実施の形態2におけるテープフィーダの一部の側面図である。
図14B図14Bは、本開示の実施の形態2におけるテープフィーダの一部の側面図である。
図15図15は、本開示の実施の形態3におけるテープフィーダの一部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における部品搭載装置1の要部の側面図である。
【0015】
図1において、部品搭載装置1は、基台11の上方において基台カバー12を備える。基台11の上面と基台カバー12との間には、作業空間13が形成されている。基台11の上面には、図1の紙面に垂直な方向を基板KBの搬送方向として、その搬送方向に延びる一対のベルトコンベア14aを備えた基板搬送部14が設けられている。作業空間13内には、ヘッド移動機構15によって移動自在な搭載ヘッド16が設けられている。搭載ヘッド16は、下方に延びた複数のノズル16Nを備えている。
【0016】
以下、基板搬送部14による基板KBの搬送方向をX方向とする。また、X方向と水平面内で直交する方向をY方向とし、鉛直方向をZ方向とする。また、X方向、Y方向およびZ方向に沿って延びる軸をそれぞれX軸、Y軸、およびZ軸とする。
【0017】
図1において、Y軸における基台11の端部には、台車17が連結されている。台車17には、フィーダ装着部18(装着部)が設けられている。フィーダ装着部18には、複数のテープフィーダ19(部品供給装置)がX方向に並んで設けられている。
【0018】
テープフィーダ19は、部品搭載装置1における部品供給装置として機能する。テープフィーダ19において、部品取出口19Kは、作業空間13内に位置している。テープフィーダ19は、台車17に取り付けられたリールRLからキャリアテープCTを引き出して搬送し、部品取出口19Kに部品BH(図2参照)を供給する。
【0019】
部品搭載装置1は、図示しない装置(例えば半田印刷機または他の部品搭載装置等)から送られてきた基板KBを基板搬送部14によって搬入し、所定の作業位置に位置決めする。
【0020】
搭載ヘッド16は、部品搭載部として機能し、ヘッド移動機構15によって移動されることで、部品搭載ターンを繰り返し実行する。部品搭載ターンは、テープフィーダ19が部品取出口19Kに供給する部品BHをノズル16Nに吸着させてピックアップする動作と、そのピックアップした部品BHを基板KBに搭載する動作とから成る。部品搭載ターンが繰り返し実行されることによって基板KBに部品BHが搭載されたら、基板搬送部14は、基板KBを次の装置(例えば他の部品搭載装置、検査機またはリフロー炉等)に搬出する。
【0021】
このような構成の部品搭載装置1において、実施の形態1では、テープフィーダ19とフィーダ装着部18との構成について特徴があり、以下にその説明を行う。先ず、テープフィーダ19が部品BHの供給媒体とするキャリアテープCTについて説明する。
【0022】
図2は、本開示の実施の形態1における部品搭載装置1が用いるキャリアテープCTの一部の斜視図である。図2において、キャリアテープCTは、ベーステープBTの上面にトップテープTTが貼り付けられて構成されている。ベーステープBTには、部品BHを収納したポケットPKの列と、ベーステープBTを厚さ方向に貫通した送り孔SHの列とが、それぞれベーステープBTの長手方向に一列に並んで設けられている。
【0023】
トップテープTTは、フィルム状のテープ部材から成る。トップテープTTは、ベーステープBTの長手方向に延びたテープ状の部材であり、ポケットPKの列を覆うようにベーステープBTに貼り付けられている。各ポケットPK内の部品BHはトップテープTTによって、ポケットPK内に収納(封入)された状態となっている。
【0024】
次に、フィーダ装着部18について説明する。図3Aは、本開示の実施の形態1における部品搭載装置1が備えるフィーダ装着部18の側断面図である。図3Bは、本開示の実施の形態1における部品搭載装置1が備えるフィーダ装着部18の背面図である。
【0025】
図3Aおよび図3Bにおいて、フィーダ装着部18は、水平なベース部21を有している。ベース部21の上面には、リブ状に突出した複数のガイド部22が設けられている。各ガイド部22は、それぞれY方向に延びた形状を有している。各ガイド部22のうち隣り合う2つのガイド部22の間のベース部21の上面には、テープフィーダ19をスライドさせて取り付けるためのスロット22Sが形成されている。言い換えれば、ベース部21の上面には、ガイド部22によって位置が定められた複数のスロット22Sが形成されている(図3B)。
【0026】
図3Aおよび図3Bにおいて、ベース部21の前端(基板搬送部14に近い側の端部)には、壁状の第1基準部材23と第2基準部材24とが設けられている。第1基準部材23は、ベース部21の前端部から上方に延びて構成されている。第2基準部材24は、第1基準部材23よりも後方の位置から上方に延びて構成されている。第1基準部材23の高さは、フィーダ装着部18に取り付けられたテープフィーダ19の高さとほぼ同じ高さである。第2基準部材24の高さは、第1基準部材23の半分程度の高さである。
【0027】
図3Aに示すように、ベース部21の第1基準部材23と第2基準部材24との間の部分には、ベース部21を上下に貫通したテープ排出開口21Kが設けられている。
【0028】
図3Aおよび図3Bにおいて、第1基準部材23の上部には、複数の第1挿入孔25がX方向に並んで設けられている。一方、第2基準部材24の下部には、複数の第2挿入孔26がX方向に並んで設けられている。第1挿入孔25は、第1基準部材23を厚さ方向(Y方向)に貫通している。第2挿入孔26は、第2基準部材24を厚さ方向(Y方向)に貫通している。
【0029】
図13は、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダの一部の断面図である。第1挿入孔25のX方向の位置と第2挿入孔26のX方向の位置とは、それぞれベース部21に形成された各スロット22Sに対応している。第2挿入孔26は、第1挿入孔25よりも低い位置に位置している。第1挿入孔25は、上下に長い長孔形状を有している(図13参照)。一方、第2挿入孔26は、正円形状を有している。
【0030】
図3Aおよび図3Bにおいて、ベース部21の後端には、下方に延出した延出部27が形成されている。延出部27の後面には、複数のクランプ部28と複数の通信用コネクタ29とがそれぞれX方向に並んで設けられている。
【0031】
クランプ部28と通信用コネクタ29とは、それぞれベース部21に形成された各スロット22Sに対応した位置に設けられている。通信用コネクタ29は、クランプ部28の下方に位置している。各クランプ部28は、X軸に平行な回転軸を有するカムフォロアであり、延出部27から突出した一対の支持部材28Sの一端部に装着されている。支持部材28Sは、延出部27に内蔵された弾性部材(図示省略)によって、クランプ部28を常に下向きに付勢している。
【0032】
次に、テープフィーダ19について説明する。図4は、本開示の実施の形態1における部品搭載装置1が備えるテープフィーダ19の側面図である。図5Aは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダ19の一部の側面図である。図5Bは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダ19の一部の側面図である。図6は、本開示の実施の形態1における部品搭載装置が備えるテープフィーダ19の一部の側面図である。
【0033】
図4において、テープフィーダ19は、本体部31、搬送部32、第1位置決めピン33、第2位置決めピン34、被クランプ部材35およびコネクタ36を備えている。
【0034】
図4において、本体部31は、本体フレーム41、先端部材42、先端部材固定具43より構成されている。
【0035】
本体部31は、キャリアテープCTの搬送を案内する搬送路31Lと、搬送路31LからキャリアテープCTを排出する排出路46とを有する。また、本体部31には、テープカバー44およびテープカバー押さえ45が装着されている。
【0036】
本体フレーム41は、全体としてYZ平面に沿って広がった板状であり、Y方向に沿った長さがZ方向に沿った長さよりも長い形状を有している。本体フレーム41の幅方向(X方向)の寸法は、キャリアテープCTの幅寸法よりもやや大きい寸法となっている。
【0037】
図4において、本体フレーム41の前方下面には、Y方向に延びたスライド部41Sが設けられている。スライド部41Sがフィーダ装着部18のスロット22Sに挿入されてスライドされることによって、本体フレーム41が(すなわちテープフィーダ19が)フィーダ装着部18に取り付けられる。
【0038】
図4において、本体フレーム41には、キャリアテープCTの搬送を案内する搬送路31Lが設けられている。搬送路31Lは、本体フレーム41の後端から前端にかけて延びており、搬送路31Lの後端と前端とは、本体フレーム41に対してそれぞれ開口して設けられている。搬送路31Lの後側の開口は、テープ入口31Aとなっており、搬送路31Lの前側の開口は、テープ出口31Bとなっている。
【0039】
テープ入口31Aは、本体フレーム41の後端下部に位置しており、テープ出口31Bは、本体フレーム41の前端上部に位置している。搬送路31Lは、搬送路31Lの上流部においてテープ入口31Aから下流に向けてほぼ水平に延びた後、本体フレーム41の中間部において傾斜(上り坂)し、傾斜が終わる下流部においてほぼ水平に延びてテープ出口31Bに至るように形成されている。搬送路31Lの下流部(図5Aおよび図5B中に示す一定の区間(開放区間KK))は、本体フレーム41の上方に開放された状態となっている。搬送路31Lの開放区間KKは、ほぼ水平である。なお、搬送路31Lの「下流部」は、少なくとも開放区間KKを含む範囲であればよい。
【0040】
図4図5A図5Bおよび図6において、先端部材42は、本体フレーム41の端部(前端部)に装着されている。詳細には、本体フレーム41の前端上部には、先端部材固定具43が取り付けられている。先端部材42は、先端部材固定具43の前端部に取り付けられている。
【0041】
図7Aは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダ19が備える排出路46の断面図である。図7B図7Dは、本開示の実施の形態1の変形例におけるテープフィーダ19が備える排出路46の断面図である。
【0042】
図7A図7A図6における矢視A-A断面図)に示すように、先端部材固定具43は、X方向に間隔を空けて配置された一対の板状の部材から成っている。このように、先端部材42は、本体フレーム41の前端部から前方に離れた位置に、先端部材固定具43によって固定して設けられている。
【0043】
図6および図7Aに示すように、本体フレーム41の前方には、本体フレーム41、先端部材42および先端部材固定具43によって囲まれた空間が形成されている。本体フレーム41、先端部材42および先端部材固定具43によって囲まれた空間は、キャリアテープCTの排出の案内をする排出路46となっている。排出路46の入口である排出路入口46A(搬送路31Lのテープ出口31Bでもある)は、部品取出口19Kよりも搬送路31Lの下流に位置している。排出路46の出口である排出路出口46Bは、排出路入口46Aよりも下方に位置している。
【0044】
ここで、図5A図5Bおよび図6に示すように、排出路46の上端の開口である排出路入口46Aは、部品取出口19Kよりも下流に位置している。このため、搬送路31Lのテープ出口31Bから搬出されたキャリアテープCTは、排出路46の排出路入口46Aに入った後、排出路46によって案内されて、排出路46の下方の排出路出口46Bから排出される。
【0045】
排出路46は、第1位置決めピン33よりも部品取出口19Kに近い場所に位置する排出路入口46Aと、第1位置決めピン33よりも下方に位置する排出路出口46Bとを有する。排出路46は、排出路入口46Aから進入したキャリアテープCTが排出路出口46Bへ案内されるように設けられている。このように排出路46を本体部31の先端部(先端部材42)の下方に迂回させることにより、第1位置決めピン33を先端部のできるだけ高い位置に取り付けることができる。
【0046】
このように、実施の形態1におけるテープフィーダ19は、排出路46が本体フレーム41と先端部材42の間に設けられた構成となっている。そして、排出路46は、部品取出口19Kよりも搬送路31Lの下流に位置する排出路入口46Aと、排出路入口46Aよりも下方に位置する排出路出口46Bとを有する。排出路46は、排出路入口46Aから進入したキャリアテープCTが排出路出口46Bへ案内されるように設けられている。
【0047】
本実施の形態1において、排出路46は、本体フレーム41と先端部材42と先端部材固定具43とによって囲まれた空間から成るものであったが、これに限定されない。排出路46は、本体フレーム41の前方に形成されるのであればよく、必ずしも先端部材42と先端部材固定具43とを備えていなくてよい。従って、例えば、図7Bに示すように、本体フレーム41の前端部に排出路46が形成されており、先端部材42と先端部材固定具43との双方を有しない構成であってもよい。或いは、図7Cに示すように、本体フレーム41の前端部に一方の側面に開口した形状の排出路46が設けられ、排出路46の開放側を塞ぐ位置に蓋部材47が取り付けられた構成であってもよい。また、図7Dに示すように、先端部材42に排出路46が形成され、排出路46が形成された先端部材42が本体フレーム41の前端部に取り付けられることによって、先端部材固定具43を不要とした構成であってもよい。
【0048】
図4図5A図5Bおよび図6において、テープカバー44は、本体フレーム41の前方領域の上部に設けられている。テープカバー44は、下方に開口したチャンネル状の断面形状を有している。テープカバー44の天面部44Tには、前述の部品取出口19Kが設けられている。
【0049】
図5Aおよび図6において、テープカバー44は、本体部31の前方上部に水平姿勢で取り付けられており、搬送路31Lの下流部の一部である開放区間KKを上方から覆っている。テープカバー44の後端部は、X軸と平行な第1軸44Jによって本体フレーム41に装着されている。これにより、第1軸44Jを中心に揺動させることで、開放区間KKを上方に開放させることができる(図5B)。以下、開放区間KKを覆うテープカバー44の位置を通常位置(図5A)と称し、開放区間KKを開放させる位置を開放位置(図5B)と称する。
【0050】
図8Aは、本開示の実施の形態1における部品搭載装置1の一部の平面図である。図8Bは、本開示の実施の形態1における部品搭載装置1の一部の側面図である。図9は、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダ19をフィーダ装着部18とともに示す一部断面側面図である。
【0051】
図5A図5B図6図8Aおよび図8Bにおいて、テープカバー押さえ45は、先端部材42の上端部に設けられている。テープカバー押さえ45の下端部は、X軸に平行な第2軸45Jによって先端部材42に装着されており、第2軸45Jを中心に揺動自在に構成されている(図5Aおよび図5B)。
【0052】
図5A図5B図8Aおよび図8Bにおいて、テープカバー押さえ45の上端には、ローラ45Rが取り付けられている。テープカバー44が通常位置に位置しているとき、テープカバー押さえ45は、ローラ45Rをテープカバー44の前端部に上方から当接させている。このとき、テープカバー押さえ45は、先端部材42との間に設けられたばね部材45Sの付勢力によって、ローラ45Rをテープカバー44に押し付けることにより、テープカバー44を本体部31に押さえつけている(図5A)。ここで、テープカバー44を通常位置から開放位置に位置させるときには、作業者は、ローラ45Rを指で持ち上げて、テープカバー押さえ45を第2軸45Jまわりに揺動させるようにする(図5B中に示す矢印P)。
【0053】
搬送部32は、搬送路31L内のキャリアテープCTを前方へ向けて搬送する機構部である。図4および図6に示すように、搬送部32は、本体フレーム41の前方上部に配置された複数のスプロケット(位置決めスプロケット51、搬送スプロケット52および排出スプロケット53)を有している。これら複数のスプロケットうち位置決めスプロケット51と排出スプロケット53とは、搬送路31Lの開放区間KKに位置するキャリアテープCTの送り孔SHに係合するスプロケットである。また、搬送スプロケット52は、搬送路31Lの開放区間KKよりも上流に位置するキャリアテープCTの送り孔SHに係合するスプロケットである。
【0054】
図8Aおよび図8Bに示すように、位置決めスプロケット51は、開放区間KK内のキャリアテープCTのうち、部品取出口19Kよりも上流に位置する部分の送り孔SHに外周ピン(位置決めスプロケット外周ピン51P)を係合させてピッチ回転する。これにより、キャリアテープCTが搬送され、ポケットPKが部品取出口19Kに位置決めされる。
【0055】
図8Aに示すように、テープカバー44の天面部44Tには、部品取出口19Kと並んで、逃げ開口44Kが厚さ方向に貫通して設けられている。位置決めスプロケット外周ピン51Pのうち最上部に位置する外周ピンは、通常位置に位置したテープカバー44の逃げ開口44K内を通過するように構成されている(図8A)。これにより、位置決めスプロケット外周ピン51Pがテープカバー44と干渉することが抑制される。
【0056】
図4および図6において、搬送スプロケット52は、位置決めスプロケット51よりも上流に位置している。搬送スプロケット52は、搬送路31L内のキャリアテープCTの送り孔SHに外周ピンを係合させてピッチ回転することにより、キャリアテープCTを位置決めスプロケット51に受け渡す。
【0057】
図6において、テープカバー44の天面部の下面には、テープ処理部材44Sが設けられている。テープ処理部材44Sは、搬送スプロケット52から位置決めスプロケット51に受け渡されるキャリアテープCTからトップテープTTを切り開くこと等によって、ポケットPK内の部品BHを露出させる処理を行う部材である。キャリアテープCTのトップテープTTがテープ処理部材44Sによって処理されることで、位置決めスプロケット51によって部品取出口19Kに位置されたポケットPKは、剥き出しの状態となる。このため、搭載ヘッド16がノズル16Nにより部品BHを取り出す(ピックアップする)ことが可能となる。
【0058】
図4図6図8Aおよび図8Bにおいて、排出スプロケット53は、位置決めスプロケット51よりも下流に位置している。排出スプロケット53は、キャリアテープCTの送り孔SHに外周ピン(排出スプロケット外周ピン53P)を係合させてピッチ回転することにより、搬送路31L内のキャリアテープCTを位置決めスプロケット51から受け取り、テープ出口31Bから排出路46にキャリアテープCTを搬送(排出)する。排出スプロケット外周ピン53Pのうち最上部に位置する外周ピンは、通常位置に位置したテープカバー44の逃げ開口44K内を通過するように構成されている(図8A)。これにより、排出スプロケット外周ピン53Pがテープカバー44と干渉することが抑制される。
【0059】
図8Bにおいて、排出スプロケット外周ピン53PがキャリアテープCTの送り孔SHと係合する高さは、位置決めスプロケット外周ピン51PがキャリアテープCTの送り孔SHと係合する高さとほぼ同じである。しかし、排出スプロケット53の外径は位置決めスプロケット51の外径よりも小さいため、排出スプロケット53の回転中心(排出スプロケット回転中心53Z)は、位置決めスプロケット51の回転中心51Zよりも上方に位置している。排出スプロケット53は、専らキャリアテープCTを排出路46へ送る働きをする。しかし、位置決めスプロケット外周ピン51PからキャリアテープCTの末端の送り孔SHが外れた後は、排出スプロケット53は、位置決めスプロケット51に代わって、キャリアテープCTのポケットPKを部品取出口19Kに位置決めする。
【0060】
このように、実施の形態1において、搬送部32は、搬送路31Lのテープカバー44で覆われた所定区間(開放区間KK)に位置するキャリアテープCTの送り孔SHに係合するスプロケットとして、位置決めスプロケット51と排出スプロケット53とを有する。搬送部32は、位置決めスプロケット51と排出スプロケット53とを回転させることにより、キャリアテープCTを搬送する構成となっている。
【0061】
図5A図5B図6図8Aおよび図8Bにおいて、第1位置決めピン33は、先端部材42に固定して設けられている。第1位置決めピン33は、第1挿入孔25に挿入される先端部33aと、先端部33aの根元から逆方向に突出したピン状の挿入部33bとを備える。挿入部33bは、先端部材42に形成されたピン装着孔42aに圧入して装着されている。
【0062】
先端部33aの中心軸33Jは、Y軸に平行、すなわち、テープフィーダ19をフィーダ装着部18のスロット22Sに挿入(スライド)する方向に延びている。前述の図7Bおよび図7Cに示したように、本体フレーム41に先端部材42が設けられていない場合には、第1位置決めピン33は、本体フレーム41のうち、排出路46よりも前方に位置する部分41Aの前面に設けられる。
【0063】
第1位置決めピン33は、本体部31がフィーダ装着部18(装着部)にスライドされて取り付けられるときのスライド方向に延びた軸(中心軸33K)を中心に回転可能に本体部31に設けられている。第1位置決めピン33の挿入部33bの中心軸33Kは、先端部33aの中心軸33Jと平行に延びている。しかし、中心軸33Jは、中心軸33Kからわずかに偏心している。このため、中心軸33Kを中心に第1位置決めピン33を回転させると、第1位置決めピン33の先端部33aは、中心軸33Kを中心とする円軌道に沿って変位する。よって、第1位置決めピン33を回転させることにより、フィーダ装着部18に装着されたテープフィーダ19の部品取出口19KのX方向の位置を調整することができる。
【0064】
図4および図6において、第2位置決めピン34は、本体フレーム41の端部であって、本体部31の排出路出口46Bよりも下方の位置に設けられている。図6に示すように、本体フレーム41の前面下部には、鍔部34Tが設けられている。第2位置決めピン34は、鍔部34Tの前面から前方に(すなわちテープフィーダ19のフィーダ装着部18に対するスライド方向に)延びて設けられている。
【0065】
図8Bに示すように、第1位置決めピン33(詳細には第1位置決めピン33の中心軸33J)は、搬送路31Lのテープカバー44で覆われた所定区間(開放区間KK)に位置するキャリアテープCTの送り孔SHに係合するスプロケットの回転中心の高さHTよりも高い位置で、本体部31に設けられている。そして、排出路46において、部品取出口19Kと第1位置決めピン33との間には、排出路入口46Aが位置している。排出路46において、第1位置決めピン33よりも下方には、排出路出口46Bが位置している。
【0066】
図4において、本体フレーム41の後部には、張出部41Hが設けられている。被クランプ部材35は、張出部41Hに取り付けられている。被クランプ部材35は、本体フレーム41の後上部に設けられた操作部41Mを操作することによって、上下に移動(揺動)するように構成されており、下方へ揺動することでクランプ部28によるクランプ状態から逃れるようになっている。
【0067】
被クランプ部材35の先端部には、爪部35Tが設けられている。爪部35Tには、クランプ部28が係合する凹部35Uが形成されている(図4)。スロット22Sにスライドさせながらテープフィーダ19を装着すると、被クランプ部材35の爪部35Tは、フィーダ装着部18に設けられた前述のクランプ部28(図3Aおよび図3B)を下方から押し上げながらスライド方向へ前進し、凹部35Uにクランプ部28が係合する。これにより、被クランプ部材35は、クランプ部28で固定される。テープフィーダ19は、フィーダ装着部18に固定される。このように、本体フレーム41に設けられた被クランプ部材35は、フィーダ装着部18に設けられたクランプ部28によってクランプされるように構成されている。
【0068】
クランプ部28に係合した被クランプ部材35をクランプ部28から分離させる場合には、操作部41Mを操作する。これにより、被クランプ部材35が下方に揺動し、爪部35Tがクランプ部28から離脱する。これにより、係合が外れるように構成されている。
【0069】
図10Aは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダ19をフィーダ装着部18とともに示す一部断面平面図である。図10Bは、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダ19をフィーダ装着部18とともに示す一部断面側面図である。図11は、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダ19をフィーダ装着部18とともに示す一部断面側面図である。図12は、本開示の実施の形態1におけるテープフィーダ19をフィーダ装着部18とともに示す一部断面側面図である。
【0070】
図9および図11において、コネクタ36は、被クランプ部材35と同様に、張出部41Hに設けられている。コネクタ36は、被クランプ部材35の下方に位置しており、テープフィーダ19がフィーダ装着部18に装着された状態で、フィーダ装着部18に設けられた前述の通信用コネクタ29に接続するように構成されている。通信用コネクタ29とコネクタ36とが電気的に接続されることで、部品搭載装置1からテープフィーダ19へ電力が供給されるとともに、部品搭載装置1とテープフィーダ19との間で通信または信号の授受等が可能となる。
【0071】
このような構成のテープフィーダ19をフィーダ装着部18に装着する場合には、作業者は、テープフィーダ19のスライド部41Sをフィーダ装着部18のベース部21に形成されたスロット22Sに挿入し、テープフィーダ19をフィーダ装着部18の奥へスライドさせる(図9)。これにより、テープフィーダ19の前端部は、フィーダ装着部18の第1基準部材23と第2基準部材24とに後方から近づく(図10Aおよび図10B)。これにより、テープフィーダ19の第1位置決めピン33は、第1基準部材23に設けられた第1挿入孔25に挿入され、テープフィーダ19の第2位置決めピン34は、第2基準部材24に設けられた第2挿入孔26に挿入される(図11および図12)。
【0072】
このように、実施の形態1において、第1位置決めピン33は、テープフィーダ19の本体部31がフィーダ装着部18にスライドされて取り付けられるのに伴って、フィーダ装着部18に形成された位置決め用の第1挿入孔25に挿入されるように構成されている。また、第2位置決めピン34は、本体部31がフィーダ装着部18にスライドされて取り付けられるのに伴って、フィーダ装着部18に形成された位置決め用の第2挿入孔26に挿入されるように構成されている。
【0073】
ここで、第2挿入孔26は、前述したように正円形状の孔である。第2挿入孔26の内径は、第2位置決めピン34の直径よりも若干大きい大きさとなっている。また、第2挿入孔26の入口には、テーパ面26Tが形成されている(図10B)。このため、テープフィーダ19のスライドによって接近してきた第2位置決めピン34の先端部は、テーパ面26Tによって第2挿入孔26内に誘導されて、第2挿入孔26内に入り込む。
【0074】
第2位置決めピン34が第2挿入孔26に挿入されると、鍔部34Tの前面が、第2基準部材24の後面に接触する(図12)。これにより、テープフィーダ19は、フィーダ装着部18に対してY方向の位置決めがなされる。また、第2挿入孔26に入り込んだ第2位置決めピン34は、第2挿入孔26内において、X方向とZ方向との移動が規制される。また、第1挿入孔25に入り込んだ第1位置決めピン33は、第1挿入孔25内において、X方向の移動が規制される(図12および図13)。これにより、テープフィーダ19は全体として、フィーダ装着部18に対してX方向、Y方向およびZ方向の移動が規制される。これにより、テープフィーダ19は、フィーダ装着部18に固定される。
【0075】
また、前述したように、第1位置決めピン33は、図8Bに示すように、搬送路31Lのテープカバー44で覆われた所定区間(開放区間KK)に位置するキャリアテープCTの送り孔SHに係合するスプロケットの回転中心(位置決めスプロケット51の回転中心51Z)の高さHTよりも高い位置で、本体部31に設けられている(図8B)。このため、テープフィーダ19は、フィーダ装着部18に対し、部品取出口19Kに近い高さの位置で固定される。第1位置決めピン33の位置が部品取出口19Kの高さの位置に近くなるにつれて、加振時における部品取出口19K付近のX方向への振幅は小さくなる。しかし、上述した位置に第1位置決めピン33を設けたことにより、部品搭載装置1による部品取り出しミスを低減して、安定した部品供給を行うことが可能である。
【0076】
実施の形態1における部品搭載装置1では、フィーダ装着部18に形成された第1挿入孔25に挿入されるテープフィーダ19の第1位置決めピン33は、本体部31の先端部に設けられる。また、排出路46は、本体部31の先端部よりも部品取出口19Kに近い位置から下向きに設けられる。このため、排出路46による第1位置決めピン33の設置範囲の制約がなくなる。このため、第1位置決めピン33を部品取出口19Kの高さ位置と同じ、もしくは、できるだけ近い位置に設けることができる。
【0077】
実施の形態1では、テープカバー44で覆われた所定区間に位置するキャリアテープCTの送り孔SHに係合する複数のスプロケットのうち、回転中心が最も低い位置にある位置決めスプロケット51の回転中心51Zの高さHTよりも高い位置に、第1位置決めピン33を設ける例を説明した。しかし、設計上の制約がなければ、回転中心が最も高い位置に位置する排出スプロケット53の回転中心53Zの高さHDよりも高い位置に、第1位置決めピン33を設けてもよい。後者の方が、部品供給装置(テープフィーダ19)を部品取出口19Kにより近い高さ位置で装着部(フィーダ装着部18)に対して固定することができる。したがって、加振時における部品取出口19K付近の振幅を小さくすることができる。
【0078】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2における部品搭載装置について説明する。実施の形態2における部品搭載装置が実施の形態1における部品搭載装置1と異なるところは、テープフィーダ19が備えるテープカバー44とテープカバー押さえ45との構成のみである。
【0079】
図14Aは、本開示の実施の形態2におけるテープフィーダ19の一部の側面図である。図14Bは、本開示の実施の形態2におけるテープフィーダ19の一部の側面図である。実施の形態2では、図14Aおよび図14Bに示すように、テープカバー(符号を「44A」とする)は、その前端部がX軸と平行な第3軸44AJによって先端部材42に装着されている。テープカバー44Aの後端部には、下方に延出した下方延出部44Eから後方に延びた被係止部44Hが設けられている。テープカバー押さえ(符号を「45A」とする)は、図14Aおよび図14Bに示すように、本体フレーム41の側面においてY軸に沿って延びて設けられた、スライド溝部41Z内をスライド自在な摘み部状の部材から構成されている。
【0080】
テープカバー44Aは、開放区間KKを上方から覆い、被係止部44Hがテープカバー押さえ45Aによって係止されて押さえられた通常位置(図14A)と、第3軸44AJを中心にしてテープカバー44Aの後端を上方に持ち上げた開放位置(図14B)との間で移動させることができる。テープカバー44Aを通常位置から開放位置に揺動させるときは、作業者は、テープカバー押さえ45Aをスライド溝部41Z内で後方にスライドさせて、テープカバー44Aの被係止部44Hの係止を解除する。このように、テープカバー44Aの第3軸44AJが先端部材42に設けられている場合であってもよく、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0081】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3における部品搭載装置について説明する。実施の形態3における部品搭載装置が実施の形態1における部品搭載装置1と異なるところは、テープフィーダ19が備える先端部材42の形状と、先端部材42に取り付けられた第1位置決めピン33の位置とのみである。
【0082】
図15は、本開示の実施の形態3におけるテープフィーダ19の一部の側面図である。実施の形態3では、図15に示すように、先端部材42の高さが通常位置に位置したテープカバー44の上面よりも高くなっている。このため、第1位置決めピン33(詳細には第1位置決めピン33の中心軸33J)をテープカバー44で覆われた所定区間に位置するキャリアテープCTの送り孔SHに係合する全てのスプロケットの回転中心の高さHTおよびHDよりも高い位置に位置させることができる。更には、図15に示すように、第1位置決めピン33をテープカバー44よりも高い位置に位置させることができる。このような構成では、第1位置決めピン33と第2位置決めピン34との間の距離(Z方向の距離)を実施の形態1の場合よりも大きくとることができる。このため、テープフィーダ19が加振力を受けたときに部品取出口19K付近で発生する振幅をより小さくすることが可能である。
【0083】
以上説明したように、実施の形態1~3における部品搭載装置1では、フィーダ装着部18に形成された第1挿入孔25に挿入されるテープフィーダ19の第1位置決めピン33を本体部31の先端部に設けるとともに、排出路46を本体部31の先端部よりも部品取出口19Kに近い位置から下向きに設けた。このため、排出路46の位置を気にすることなく、第1位置決めピン33を本体部31の先端部に設けることができる。したがって、テープフィーダ19が備えるスプロケットの回転中心(位置決めスプロケット51の回転中心51Z)の高さHTよりも高い位置に第1位置決めピン33を取り付けることができる。
【0084】
従って、実施の形態1~3における部品搭載装置1では、部品供給装置(テープフィーダ19)を部品取出口19Kに近い高さの位置で装着部(フィーダ装着部18)に対して固定することができる。したがって、加振力を受けたときに部品取出口19K付近の振幅を抑制することができる。よって、実施の形態1~3における部品搭載装置1に備えられた部品供給装置としてのテープフィーダ19によれば、部品搭載装置1の稼働中に発生する振動により発生する部品取出口19Kの位置ずれの影響を低減して、安定した部品供給を行うことができる。
【0085】
これまで本開示の実施の形態について説明してきたが、本開示は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、第1挿入孔25は、第1基準部材23を厚さ方向(Y方向)に貫通する貫通孔であった。しかし、第1挿入孔25は、第1位置決めピン33を受容できるのであれば、第1基準部材23の後面側(図3Aにおける左側)に開口した非貫通穴であってもよい。同様に、第2挿入孔26は、第2基準部材24を厚さ方向(Y方向)に貫通する貫通孔であった。しかし、第2挿入孔26は、第2位置決めピン34を受容できるのであれば、第2基準部材24の後面側に開口した非貫通穴であってもよい。
【0086】
また、上述の実施の形態1~3に示した部品供給装置(テープフィーダ19)は、部品取出口19Kの上流に位置決めスプロケット51を配置するとともに、部品取出口19Kの下流の排出スプロケット53を配置した構成であった。しかし、本開示が適用される部品供給装置は、部品取出口19Kの下流に位置決めスプロケット51を配置して、排出スプロケット53を省いた構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
位置決めピンを部品取出口に近い高さの位置に設けることができ、安定した部品供給を行うことができる部品供給装置および部品搭載装置を提供する。
【符号の説明】
【0088】
1 部品搭載装置
16 搭載ヘッド(部品搭載部)
18 フィーダ装着部(装着部)
19 テープフィーダ(部品供給装置)
19K 部品取出口
25 第1挿入孔
26 第2挿入孔
28 クランプ部
29 通信用コネクタ
31 本体部
31L 搬送路
32 搬送部
33 第1位置決めピン
33J,33K 中心軸(軸)
34 第2位置決めピン
35 被クランプ部材
36 コネクタ
41 本体フレーム
42 先端部材
43 先端部材固定具
44,44A テープカバー
44J 第1軸
45J 第2軸
44AJ 第3軸
46 排出路
46A 排出路入口
46B 排出路出口
51 位置決めスプロケット(スプロケット)
51Z 回転中心
52 搬送スプロケット
53 排出スプロケット
KK 開放区間(所定区間)
CT キャリアテープ
SH 送り孔
BH 部品
KB 基板
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15