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特許7482481通信システム、通信方法および通信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】通信システム、通信方法および通信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240507BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20240507BHJP
【FI】
G06Q50/10
H04L67/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020123278
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022019441
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】517329487
【氏名又は名称】株式会社豆蔵
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕
(72)【発明者】
【氏名】山本 玲
(72)【発明者】
【氏名】阿嘉 駿介
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 遼太
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-114254(JP,A)
【文献】特開2020-98439(JP,A)
【文献】特開2011-204283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
H04L 67/00 - 67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動応答システムが連携し、ユーザからの質問内容を示すテキスト情報に対して自動で応答する通信システムであって、
第1階層の自動応答システムが前記テキスト情報を受け付ける受付部と、
前記第1階層の自動応答システムが、前記テキスト情報に対する回答情報を複数の第2階層の自動応答システムに依頼する依頼部と、
前記回答情報として前記質問内容に対して前記複数の第2階層の自動応答システムが保持する回答の候補である回答候補の件数を、各第2階層の自動応答システムを示す識別情報に対応付けて表示情報を出力する出力部と、
を備える通信システム。
【請求項2】
前記第1階層の自動応答システムは、前記テキスト情報を受け付け、前記第1階層の自動応答システムが前記ユーザに回答情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1階層の自動応答システムが、前記複数の第2階層の自動応答システムのうち回答情報を作成する自動応答システムの選択を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記依頼部は、前記第1階層の自動応答システムが前記テキスト情報に回答できない場合にのみ、前記複数の第2階層の自動応答システムに問い合わせを行うことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項5】
前記ユーザが前記テキスト情報に対する回答候補件数を送信した第2階層の自動応答システムを選択すると、前記出力部が回答情報の内容をより詳細に一覧表示することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記受付部が、一覧表示された回答情報の中から一つの選択を前記ユーザから受け付けた場合に、前記依頼部は、前記選択された回答に対応する詳細データを、選択されている第2階層の自動応答システムから取得し、前記出力部は、前記依頼部が取得した詳細データを出力することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記出力部が、前記複数の第2階層の自動応答システム各々について保持している回答候補の件数の合計数を出力することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項8】
権限設定部をさらに備え、前記権限設定部は、前記第1階層の自動応答システムに、前記複数の第2階層の自動応答システムに問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可し、前記複数の第2階層の自動応答システムには前記第1階層の自動応答システムに問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可しないように構成されることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項9】
前記権限設定部は、前記複数の第2階層の自動応答システムのうちの1つに、前記第1階層の自動応答システムにも前記第2階層の自動応答システムにも通信可能な第3階層の自動応答システムに問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可し、前記第3階層の自動応答システムには前記複数の第2階層の自動応答システムのうちの1つに問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可しないように構成されることを特徴とする請求項8に記載の通信システム。
【請求項10】
前記権限設定部は、前記複数の第2階層の自動応答システムのうちの他の1つと前記第3階層の自動応答システムとが相互に問い合わせ依頼を行う権限を付与しないことを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
経路情報提供部をさらに備え、前記経路情報提供部が、前記第1階層の自動応答システムが前記複数の第2階層の自動応答システムに前記テキスト情報に関する問い合わせを行うときに、当該問い合わせがどのような経路で行われたかを示す経路情報を提供し、当該経路情報に応じて前記複数の第2階層の自動応答システムが、前記第3階層の自動応答システムに問い合わせ依頼を行う必要があるか否かを判断し、同じ自動応答システムに重複して回答を依頼しないように制御することを特徴とする請求項9または10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記複数の第2階層の自動応答システムのうちの1つと前記複数の第2階層の自動応答システムのうちの他の1つとの相互の問い合わせ依頼は、両者で可否を設定可能であることを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項13】
管理者と、第1階層の自動応答システムと、複数の第2階層の自動応答システムと、第3階層の自動応答システムとが、各々が共通して用いる用語を集めた語彙データを共有することを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項14】
第1階層の自動応答システムと、第2階層の自動応答システムと、第3階層の自動応答システムとが、それぞれが起動時に上位の自動応答システムに稼働状況を伝え、その通知内容にしたがって、前記上位の自動応答システムが前記第1階層の自動応答システムと、前記第2階層の自動応答システムと、前記第3階層の自動応答システムとの稼働状況を管理することを特徴とする請求項1~13に記載の通信システム。
【請求項15】
複数の自動応答システムが連携し、ユーザからの質問内容を示すテキスト情報に対して自動で応答する通信方法であって、
第1階層の自動応答システムが前者テキスト情報を受け付ける受付ステップと、
前記第1階層の自動応答システムが前記テキスト情報に対する回答情報を複数の第2階層の自動応答システムに依頼する依頼ステップと、
前記回答情報として前記質問内容に対して前記複数の第2階層の自動応答システムが保持する回答の候補である回答候補の件数を各第2階層の自動応答システムを示す識別情報に対応付けて表示情報を出力する出力ステップと、
を備える通信方法。
【請求項16】
複数の自動応答システムが連携し、ユーザからの質問内容を示すテキスト情報に対して自動で応答する通信プログラムであって、
コンピュータに、
第1階層の自動応答システムが前記テキスト情報を受け付ける受付機能と、
前記第1階層の自動応答システムが前記質問に対する回答情報を複数の第2階層の自動応答システムに依頼する依頼機能と、
前記回答情報として前記質問内容に対して前記複数の第2階層の自動応答システムが保持する回答の候補である回答候補の件数を各第2階層の自動応答システムを示す識別情報に対応付けて表示情報を出力する出力機能と、
を実現させる通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信方法および通信プログラムに関するものであって、特に社内でのチャットなどに用いるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータが人間に代わって対話を行う通信システムに関する技術が開発されている。
【0003】
例えば、通信システムであって、複数のチャットボットを中継する中継チャットボットを用いてインスタントメッセージングサービスを提供する通信システムがある(特許文献1参照)。
【0004】
また、通信システムであって、複数の意図理解手段を備え、ユーザの発言内容から適切なドメインを効率良く決定する通信システムもある(特許文献2参照)。
【0005】
また、通信システムであって、あるチャットボットサーバ装置がチャットサービスを提供中であってもより適切なチャットボットサーバ装置に接続先を変更することを可能とする通信システムもある(特許文献3参照)。
【0006】
また、通信システムであって、ルールベースのアルゴリズムとAIベースのアルゴリズムとのハイブリッドによって回答の精度を上げつつ時間や手間などの所定のコストを削減可能な通信システムもある(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-114254号公報
【文献】特開2019-70957号公報
【文献】特許第6489670号公報
【文献】特開2019―56969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献1の通信システムの場合、中継チャットボットが選択した1つのチャットボットからしか質疑メッセージへの応答を導出することができないという問題がある。また、複数の処理装置が協調動作することで、一つの処理装置からしか応答を導出できないため、その処理装置に負荷が集中するという問題もある。また、サーバを用いるため、連携できるネットワークは同一企業または同一サービスのネットワークが前提となっている。
【0009】
また、上記特許文献2に示す通信システムの場合、対話のモードがタスク指向型か非タスク指向型かを判定するステップを必要とし、処理に時間がかかるという問題がある。また、ドメイン判定処理などは無く、紐づいている自動応答システムへ全て問い合わせることで入口の自動応答システムの処理時間や処理負荷が掛からないようにする必要性も生じる。
【0010】
また、上記特許文献3に示す通信システムの場合、より適切なチャットボットサーバ装置に接続先を変更するまではあまり適切でないチャットボットサーバ装置からチャットサービスが提供されるという問題がある。また、上記特許文献1と同様に中継サーバ(仲介サーバ)が必要になり、上記特許文献2と同様に分野(ドメイン)の推論だけで具体的な回答の紹介ではないため、紹介先の自動応答システムが具体的にどういった情報をもっているかは利用者が接続先を変更した後でないとわからないという問題もある。
【0011】
また、上記特許文献4に示す通信システムの場合、自動応答システムの数が増加した場合に複数の自動応答システムが存在することとなるため、ユーザはどこに回答が存在するか分からなくなるという問題がある。上述の自動応答システムはいずれも一応の回答を返すものの、その回答がユーザにとってより最適な回答がある可能性があっても、それに気付くことができないという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は上記問題に鑑みて成されたものであり、自動応答システム同士が互いに連携して協調動作させることで、ユーザが求めている回答としてユーザがその回答に対して信頼を与えることができる情報を提供可能であり、一つの処理装置に負荷が集中しないように処理負荷を分散(古い機器や、安価な処理装置でも動作)でき、独立した個性(専門性および明確な責任分界点)を持つ自動応答システムとして、別の担当者や別の組織の中で運用し育てていくことができる通信システム、通信方法および通信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信システムは、複数の自動応答システムが連携し、ユーザからの質問内容を示すテキスト情報に対して自動で応答する通信システムであって、第1階層の自動応答システムがテキスト情報を受け付ける受付部と、第1階層の自動応答システムが、テキスト情報に対する回答情報を複数の第2階層の自動応答システムに依頼する依頼部と、回答情報として質問内容に対して複数の第2階層の自動応答システムが保持する回答の候補である回答候補の件数を、各第2階層の自動応答システムを示す識別情報に対応付けて表示情報を出力する出力部と、を備える。
【0014】
上記通信システムにおいて、第1階層の自動応答システムは、テキスト情報を受け付け、第1階層の自動応答システムがユーザに回答情報を送信してもよい。
【0015】
上記通信システムにおいて、第1階層の自動応答システムが、複数の第2階層の自動応答システムのうち回答情報を作成する自動応答システムの選択を受け付けてもよい。
【0016】
上記通信システムにおいて、依頼部は、第1階層の自動応答システムがテキスト情報に回答できない場合にのみ、複数の第2階層の自動応答システムに問い合わせを行ってもよい。
【0017】
上記通信システムにおいて、ユーザがテキスト情報に対する回答候補件数を送信した第2階層の自動応答システムを選択すると、出力部が回答情報の内容をより詳細に一覧表示してもよい。
【0018】
上記通信システムにおいて、受付部が、一覧表示された回答情報の中から一つの選択をユーザから受け付けた場合に、依頼部は、選択された回答に対応する詳細データを、選択されている第2階層の自動応答システムから取得し、出力部は、依頼部が取得した詳細データを出力してもよい。
【0019】
上記通信システムにおいて、出力部が、複数の第2階層の自動応答システム各々について保持している回答候補の件数の合計数を出力してもよい。
【0020】
上記通信システムにおいて、権限設定部をさらに備え、権限設定部は、第1階層の自動応答システムに、複数の第2階層の自動応答システムに問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可し、複数の第2階層の自動応答システムには第1階層の自動応答システムに問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可しないように構成されてもよい。
【0021】
上記通信システムにおいて、権限設定部は、複数の第2階層の自動応答システムのうちの1つに、第1階層の自動応答システムにも第2階層の自動応答システムにも通信可能な第3階層の自動応答システムに問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可し、第3階層の自動応答システムには複数の第2階層の自動応答システムのうちの1つに問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可しないように構成されてもよい。
【0022】
上記通信システムにおいて、権限設定部は、複数の第2階層の自動応答システムのうちの他の1つと第3階層の自動応答システムとが相互に問い合わせ依頼を行う権限を付与しないこととしてもよい。
【0023】
上記通信システムにおいて、経路情報提供部をさらに備え、経路情報提供部が、第1階層の自動応答システムが複数の第2階層の自動応答システムにテキスト情報に関する問い合わせを行うときに、当該問い合わせがどのような経路で行われたかを示す経路情報を提供し、当該経路情報に応じて複数の第2階層の自動応答システムが、第3階層の自動応答システムに問い合わせ依頼を行う必要があるか否かを判断し、同じ自動応答システムに重複して回答を依頼しないように制御することとしてもよい。
【0024】
上記通信システムにおいて、複数の第2階層の自動応答システムのうちの1つと複数の第2階層の自動応答システムのうちの他の1つとの相互の問い合わせ依頼は、両者で可否を設定可能であることとしてもよい。
【0025】
上記通信システムにおいて、管理者と、第1階層の自動応答システムと、複数の第2階層の自動応答システムと、第3階層の自動応答システムとが、各々が共通して用いる用語を集めた語彙データを共有してもよい。
【0026】
上記通信システムにおいて、第1階層の自動応答システムと、第2階層の自動応答システムと、第3階層の自動応答システムとが、それぞれが起動時に上位の自動応答システムに稼働状況を伝え、その通知内容にしたがって、上位の自動応答システムが第1階層の自動応答システムと、第2階層の自動応答システムと、第3階層の自動応答システムとの稼働状況を管理してもよい。
【0027】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信方法は、複数の自動応答システムが連携し、ユーザからの質問内容を示すテキスト情報に対して自動で応答する通信方法であって、第1階層の自動応答システムがテキスト情報を受け付ける受付ステップと、第1階層の自動応答システムがテキスト情報に対する回答情報を複数の第2階層の自動応答システムから取得する取得ステップと、回答情報として質問内容に対して複数の第2階層の自動応答システムが保持する回答の候補である回答候補の件数を各第2階層の自動応答システムを示す識別情報に対応付けて表示情報を出力する出力ステップと、を備える。
【0028】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信プログラムは、複数の自動応答システムが連携し、ユーザからの質問内容を示すテキスト情報に対して自動で応答する通信プログラムであって、コンピュータに、第1階層の自動応答システムがテキスト情報を受け付ける受付機能と、第1階層の自動応答システムが質問に対する回答情報を複数の第2階層の自動応答システムから取得する取得機能と、回答情報として質問内容に対して複数の第2階層の自動応答システムが保持する回答の候補である回答候補の件数を各第2階層の自動応答システムを示す識別情報に対応付けて表示情報を出力する出力機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一態様に係る通信システムは、自動応答システム同士が互いに連携して協調動作させることで、ユーザが求めている回答候補の件数が迅速に把握可能となり、より高度なサービスを提供することができる。回答候補の件数を表示することにより、通信システム全体でユーザの質問に対する回答となり得る件数がどれだけあるか理解できるので、その中から望ましい回答を例えばユーザ自身が探索することで、ユーザにとって質問に対して、より最適な情報を回答として得ることができる。また、一つの処理装置に負荷が集中しないように処理負荷を分散(古い機器や、安価な処理装置でも動作)でき、独立した個性(専門性および明確な責任分界点)を持つ自動応答システムとして、別の担当者や別の組織の中で運用し育てていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態による通信システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による通信システムの一例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による情報処理端末の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態による情報処理端末に表示される画面表示の例である。
図5】本発明の一実施形態による情報処理端末に表示される画面表示の他の例である。
図6】本発明の一実施形態による情報処理端末に表示される画面表示の他の例である。
図7】本発明の一実施形態による自動応答システム同士の連携を示すブロック図である。
図8】(a)は本発明の一実施形態による自動応答システムの問い合わせ機能を示すブロック図である。(b)は本発明の一実施形態による自動応答システムの問い合わせ機能を示すブロック図である。
図9】(a)は本発明の一実施形態による自動応答システムの回答機能を示すブロック図である。(b)は本発明の一実施形態による自動応答システムの回答機能を示すブロック図である。
図10】本発明の一実施形態による自動応答システムの語彙データ共有機能を示すブロック図である。
図11】本発明の一実施形態による自動応答システムのアクセス管理機能を示すブロック図である。
図12】本発明の一実施形態による自動応答システムの稼働状況管理機能を示すブロック図である。
図13】本発明の他の実施形態による自動応答システムの問い合わせ機能を示すブロック図である。
図14】本発明の他の実施形態による自動応答システムの回答機能を示すブロック図である
図15】本発明の一実施形態による通信方法を示すフローチャートである。
図16図7の自動応答システム同士の連携の流れを示すフローチャートである。
図17図8の自動応答システム同士の連携の流れを示すフローチャートである。
図18図9の自動応答システム同士の連携の流れを示すフローチャートである。
図19図10の自動応答システム同士の連携の流れを示すフローチャートである。
図20図7図12に示す自動応答システム同士の連携の流れのまとめを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施態様に係る通信システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
本発明の一実施形態に係る通信システムは、自動応答システム同士の連携によってユーザからの質問内容を示すテキスト情報に対して自動で応答する通信システムである。
【0033】
具体的には、通信システム1は、ユーザによって入力されたテキスト情報に対し、上位階層の自動応答システムが下位階層の自動応答システムに回答を依頼し、取得した回答情報を、ユーザに対する回答として提示してもよい。
【0034】
また、具体的には、通信システム1は、情報処理装置と、情報処理端末とが、ネットワークを介して接続されることにより実現されてもよい。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による通信システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、通信システム1は、情報処理装置(サーバ)10A~10Eと、情報処理端末20と、ネットワーク30とを含む。情報処理装置10A~10Eは、ネットワーク30を介して、ユーザが利用する情報処理端末20に、チャットシステムによりユーザの質問に対する返答を実現するサービスを提供する。なお、情報処理装置10は、図1に図示するように複数であってもよい。情報処理装置10Aは第1階層の自動応答システム、情報処理装置10Bおよび10Cは第2階層の自動応答システム、情報処理装置10Dおよび10Eは第3階層の自動応答システムを表す。具体的には、例えば、第1階層の自動応答システムは総務部の自動応答システムであってもよく、第2階層の自動応答システムは経理部の自動応答システム、庶務の自動応答システムであってもよく、第3階層の自動応答システムは企画開発室の自動応答システム、情報システム室の自動応答システムであってもよい。
【0036】
なお、図1の例では、情報処理装置10と、情報処理端末20とが、ネットワーク30を介した別の装置として構成されているが、これらの装置は同一の装置に含まれるものであってもよい。例えば、情報処理装置10と、情報処理端末20との機能を提供する各構成が、コミュニケーションロボット内に組み込まれ、当該コミュニケーションロボットが、ユーザに対して、チャットシステムを実現するサービスを提供してもよい。この場合、コミュニケーションロボット内の学習データを変更することで、様々な専門知識に対して回答可能な通信システムを構築することができる。なお、情報処理装置10と、情報処理端末20との機能を提供する各構成は、コミュニケーションロボットに限らず、どのような装置に同一に含まれていてもよい。
【0037】
ネットワーク30は、情報処理装置10と情報処理端末20とを接続する役割を担う。ネットワーク30は、例えば、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク30は、イントラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(integrated services digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)、CDMA(code division multiple access)、衛生通信を含むことができる。
【0038】
情報処理装置10は、情報処理端末20に対して、チャットに関するサービスを提供する機能を備える。情報処理装置10は、例えば、サーバ装置であるが、サーバ装置に限らず、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなどのコンピュータであってもよい。なお、情報処理装置10は、これらの装置に限られず、どのような装置であってもよい。
【0039】
情報処理端末20は、例えば、スマートフォンや携帯電話、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなどのコンピュータ、PDA(portable digital assistant)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)であってもよい。なお、情報処理端末20は、これらの装置に限られず、どのような装置であってもよい。
【0040】
図2は、情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。情報処理装置10は情報処理装置10A、10B、10C、10D、10Eからなり、それぞれが制御部11(CPU)、受付部12、依頼部13、出力部14、記憶部15、権限設定部16および経路情報提供部17を備える。情報処理装置10のハードウェアの各構成要素は、例えば、バスを介して相互に接続される。情報処理装置10A、10B、10C、10D、10E各々は、直接ユーザからの質問(情報処理端末20からのアクセス)を受け付けて回答する独立した自動応答システムとして機能してもよい。図2では、情報処理装置10D、10Eについては図1に示すシステム構成上、下層の情報処理装置10がないため、依頼部13を除いた構成としているが、情報処理装置10D、10Eも依頼部13を有していてもよい。
【0041】
情報処理装置10Aは、制御部11(CPU)、受付部12、依頼部13、出力部14、記憶部15、権限設定部16および経路情報提供部17を備える。情報処理装置10Aのハードウェアの各構成要素は、例えば、バスを介して相互に接続される。制御部11は、入力処理部110、第1階層の自動応答システム111、出力処理部116を備える。
【0042】
情報処理装置10Bは、制御部11(CPU)、受付部12、依頼部13、出力部14、記憶部15、権限設定部16および経路情報提供部17を備える。情報処理装置10Bのハードウェアの各構成要素は、例えば、バスを介して相互に接続される。制御部11は、入力処理部110、第2階層の自動応答システム112、出力処理部116を備える。
【0043】
情報処理装置10Cは、制御部11(CPU)、受付部12、依頼部13、出力部14、記憶部15、権限設定部16および経路情報提供部17を備える。情報処理装置10Cのハードウェアの各構成要素は、例えば、バスを介して相互に接続される。制御部11は、入力処理部110、第2階層の自動応答システム113、出力処理部116を備える。
【0044】
情報処理装置10Dは、制御部11(CPU)、受付部12、出力部14、記憶部15、権限設定部16および経路情報提供部17を備える。情報処理装置10Dのハードウェアの各構成要素は、例えば、バスを介して相互に接続される。制御部11は、入力処理部110、第3階層の自動応答システム114、出力処理部116を備える。
【0045】
情報処理装置10Eは、制御部11(CPU)、受付部12、出力部14、記憶部15、権限設定部16および経路情報提供部17を備える。情報処理装置10Eのハードウェアの各構成要素は、例えば、バスを介して相互に接続される。制御部11は、入力処理部110、第3階層の自動応答システム115、出力処理部116を備える。
【0046】
上記のように、自動応答システム111は第1階層の自動応答システムであり、自動応答システム112および113は第2階層の自動応答システムであり、自動応答システム114および115は第3階層の自動応答システムである。第1階層~第3階層は社内の大きな部署があってその中の細かい部署に枝分かれしていくような階層であってもよく、第1階層が例えば総務部のような社内の取りまとめ的な部署であり、第2階層が経理部や庶務などの他の部署であり、第3階層がより専門的に特化された企画開発室や情報システム室などの部署であってもよい。
【0047】
制御部11は、例えば、中央処理装置(CPU)やマイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどであってもよい。なお、制御部11は、これらの例に限られず、どのようなものであってもよい。なお、制御部11の機能構成については、後述する。
【0048】
受付部12は、ネットワーク30を介して各種データの受信を行う通信インターフェースである。受付部12は、ネットワーク30を介して、情報処理端末20との通信を実行する機能を有する。また、受付部12は、情報処理端末20から送信されたテキスト情報を受け付け、制御部11に伝達する。情報処理装置10B~10Eの受付部12は、情報処理装置10Aの受付部12と比べ、より上位の装置から質問を受け付ける。
【0049】
依頼部13は、受付部12が受け付けたテキスト情報に対する回答を複数の第2階層の自動応答システムに依頼する。依頼部13は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部11に伝達する機能を有する。依頼部13は、第1階層の自動応答システム111がテキスト情報に回答できない場合にのみ、第2階層の自動応答システム112および113に問い合わせを行ってもよい。情報処理装置10Aの依頼部13は、第1階層の自動応答システム111から第2階層の自動応答システム112および113への問い合わせを依頼する。情報処理装置10Bおよび10Cの依頼部13は、第2階層の自動応答システム112および113から第3階層の自動応答システム114および115への問い合わせを依頼する。
【0050】
出力部14は、第2階層の自動応答システム112および113が保持する回答の候補である回答候補の件数を、各第2階層の自動応答システムを示す識別情報に対応付けて表示情報を出力する。出力部14は、第2階層の自動応答システム112および113各々について保持している回答候補の件数の合計数を出力してもよい。また、出力部14は、回答候補の件数だけでなく回答そのものを出力してもよい。出力部14は、例えば、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display)である。なお、出力部14は、これらの例に限定されず、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などであってもよい。また、出力部14による出力は、音声によるものであってもよい。
【0051】
記憶部15は、情報処理装置10が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部15は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。なお、情報処理装置10は、プログラムを記憶部15に記憶し、当該プログラムを実行して、制御部11が、当該制御部11に含まれる各部としての処理を実行してもよい。当該プログラムは、情報処理装置10に、制御部11が実行する各機能を実現させる。
【0052】
権限設定部16は、自動応答システム間での問い合わせ依頼をする権限を設定する。情報処理装置10Aの権限設定部16は、第1階層の自動応答システム111に、第2階層の自動応答システム112および113に問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可し、情報処理装置10Bおよび10Cの権限設定部16は、第2階層の自動応答システム112および113には第1階層の自動応答システム111に問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可しないように構成されてもよい。
【0053】
情報処理装置10Bおよび10Cの権限設定部16は、第2階層の自動応答システム112および113のうちの1つに、第1階層の自動応答システム111にも第2階層の自動応答システム112および113にも通信可能な第3階層の自動応答システム114および115に問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可し、情報処理装置10Dおよび10Eの権限設定部16は、第3階層の自動応答システム114および115には第2階層の自動応答システム112および113のうちの1つに問い合わせ依頼をする権限を持つことを許可しないように構成されてもよい。
【0054】
情報処理装置10Bおよび10Cの権限設定部16と情報処理装置10Dおよび10Eの権限設定部16とは、第2階層の自動応答システム112および113の他の1つと第3階層の自動応答システム114および115とが相互に問い合わせ依頼を行う権限を付与しないこととしてもよい。
【0055】
経路情報提供部17は、自動応答システム間での問い合わせの際に当該問い合わせがどのような経路で行われたかを示す経路情報を提供する。情報処理装置10Aの経路情報提供部17は、第1階層の自動応答システム111が第2階層の自動応答システム112および113にテキスト情報に関する問い合わせを行うときに、当該問い合わせがどのような経路で行われたかを示す経路情報を提供し、情報処理装置10Bおよび10Cの経路情報提供部17は、当該経路情報に応じて第2階層の自動応答システム112および113が、第3階層の自動応答システム114および115に問い合わせ依頼を行う必要があるか否かを判断し、同じ自動応答システムに重複して回答を依頼しないように制御することとしてもよい。
【0056】
図3は、情報処理端末20の構成例を示すブロック図である。情報処理端末20は、制御部21(CPU)、通信部22、入出力部23、表示部24、マイク/スピーカ25、記憶部26を備える。情報処理端末20のハードウェア構成の各構成要素は、例えば、バスを介して相互に接続される。
【0057】
制御部21は、例えば、中央処理装置(CPU)やマイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどであってもよい。なお、制御部21は、これらの例に限られず、どのようなものであってもよい。なお、制御部21の機能構成については、後述する。
【0058】
通信部22は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う通信インターフェースである。通信部22は、ネットワーク30を介して、情報処理装置10との通信を実行する機能を有する。通信部22は、情報処理装置10から送信された各種データを受信し、制御部21に伝達する。
【0059】
入出力部23は、情報処理端末20に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力部23は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部21に伝達する機能を有する。入出力部23は、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクなどである。入出力部23がタッチパネルの場合、当該入出力部23は、ユーザの指やスタイラスなどの指示具のよる接触とその接触位置を検出し、当該接触位置の座標を制御部21に伝達する。なお、入出力部23は、これらの例に限定されず、どのような装置であってもよい。
【0060】
表示部24は、例えば、液晶ディスプレイやOELDである。なお、表示部24は、これらの例に限定されず、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などであってもよい。表示部24は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、画像やテキスト情報、3Dなどの表示データを表示可能である。
【0061】
マイク/スピーカ25は、音声データの入力または音声データの出力に利用される。情報処理端末20は、マイク/スピーカ25によって、音声データを用いて、所定のデータの入出力を行うことが可能である。
【0062】
記憶部26は、情報処理端末20が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部26は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。なお、情報処理端末20は、プログラムを記憶部26に記憶し、当該プログラムを実行して、制御部21が、当該制御部に含まれる各部としての処理を実行してもよい。当該プログラムは、情報処理端末20に、制御部21が実行する各機能を実現させる。
【0063】
また、本開示の各実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。記憶媒体は、HDDやSSDなどの任意の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組み合わせを含むことができる。記憶媒体は、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組み合わせでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。
【0064】
なお、情報処理装置10および/または情報処理端末20は、例えば、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。また、当該プログラムは、任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波など)を介して、情報処理装置10および/または情報処理端末20に提供されてもよい。情報処理装置10および/または情報処理端末20は、例えば、インターネットなどを介してダウンロードしたプログラムを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
【0065】
なお、当該プログラムは、例えば、Python、Node.js、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Swift、Java(登録商標)、Kotlinなどのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0066】
情報処理装置10および/または情報処理端末20における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0067】
図3に示すように、情報処理端末20は、制御部21により実現される機能として、入力処理部210と、通信処理部211と、表示処理部212を有する。
【0068】
入力処理部210は、入出力部23を介して、ユーザからの入力を受け付ける。例えば、入力処理部210は、キーボードやタッチパネルである入出力部23を介して、ユーザからテキスト情報の入力を受け付ける。また、入力処理部210は、例えば、マイク/スピーカ25を介して、ユーザから音声データの入力を受け付ける。
【0069】
ここで、ユーザから入力されるテキスト情報や音声データは、ユーザが問い合わせしたい内容や解決したい内容、質問したい内容(質問文)を含む。ユーザから入力される情報は、例えば、ビジネス上の問い合わせや質問など、ビジネスに関する内容であってもよい。例えば、ユーザから入力される情報は、「保険料の支払い方法について教えてください。」や「投資基準についてどんな観点があるか教えて欲しい。」など、ビジネスに関する内容であってもよい。また、ユーザから入力される情報は、例えば、法令の内容や社内規則に関する問い合わせや質問であってもよい。例えば、ユーザから入力される情報は、「労働基準法の休暇取得に関する条文の内容を知りたい。」や「経費の請求方法について教えて欲しい。」など、法令や社内規則に関する内容であってもよい。また、ユーザから入力される情報は、例えば、専門技術や仕様(標準化)に関する内容であってもよい。例えば、ユーザから入力される情報は、「静電容量方式の原理を知りたい。」や「LTEにおけるハンドオーバの標準について知りたい。」など、専門技術や仕様(標準化)に関する内容であってもよい。
【0070】
これらの例のように、ユーザから入力される情報は、投資基準などのビジネスに関する内容や従業員向けの社内規則など、すでに企業が保有・管理している情報に関するものや、法令や専門技術、標準化内容など、政府や公的機関などが作成・管理・保有している情報に関するものを含んでいてもよい。
【0071】
また、ユーザから入力されるテキスト情報や音声データは、あいさつや雑談などの内容を含んでいてもよい。ユーザから入力される情報は、例えば、「あなたの名前は何ですか。」や「私の名前は○○です。」、「あなたの好きな色は何ですか。」など、一般的なあいさつや雑談レベルの質問などを含んでいてもよい。
【0072】
これらの例のように、ユーザから入力される情報は、一般的なあいさつや雑談などを含んでいてもよい。なお、ユーザから入力される情報は、これらの例に限られず、どのような情報やデータであってもよい。
【0073】
入力処理部210は、受け付けたユーザからの情報やデータを、通信処理部211および表示処理部212に伝達する。なお、入力処理部210は、ユーザから受け付けた音声データなどをテキスト情報に変換して、通信処理部211および表示処理部212に伝達してもよい。
【0074】
また、入力処理部210は、人間の指やスタイラスなどの操作体がタッチパネル(入出力部23)に接触すると、該接触の接触位置を検出する機能を備えていてもよい。入力処理部210は、例えば、操作体がタッチパネルに接触した位置である接触点を検出する。
【0075】
指やスタイラスなどの操作入力を行う操作体は、表示部24の任意の位置に接触することにより、所定の操作入力を行う。所定の操作入力は、例えば、表示画面に対するタッチやタップ、フリック、スワイプなど、どのようなものであってもよい。操作体は、所定の操作入力を行うことにより、例えば、文字を入力することや所定のアイコンを選択することなど、端末20に各種処理を実行させる。
【0076】
なお、操作体がタッチパネルに接触することは例えば「タップ」や「タッチ」と、操作体がタッチパネル上で接触したまま移動することは例えば「スライド」や「スワイプ」と、操作体がタッチパネルから離れることは例えば「リリース」と表現される。
【0077】
通信処理部211は、入力処理部210から伝達された情報やデータを、通信部22を介して、情報処理装置10に送信する処理を実行する。また、通信処理部211は、通信部22を介して情報処理装置10から受信した情報やデータを、表示処理部212に転送する。なお、通信処理部211は、情報処理装置10から音声データを受信した場合には、マイク/スピーカ25に当該音声データを伝達してもよい。
【0078】
表示処理部212は、例えば、ユーザから入力される情報を、所定の形式に従って、表示部24に表示する処理を実行する。表示処理部212は、例えば、ユーザから入力される情報を、チャット形式に従って、表示部24に表示する処理を実行する。なお、表示処理部212は、必ずしもチャット形式で表示する必要はなく、どのような形式で表示してもよい。
【0079】
また、表示処理部212は、情報処理装置10から受信した情報やデータを、表示部24に表示するための処理を実行する。表示処理部212は、情報処理装置10から受信した、ユーザが入力される情報に対する回答である所定の情報やデータを、所定の形式に従って、表示部24に表示するための処理を行う。表示処理部212は、例えば、情報処理装置10から受信した所定の情報やデータを、チャット形式に従って、表示部24に表示する処理を実行する。
【0080】
図2に示すように、情報処理装置10は、制御部11により実現される機能として、入力処理部110と、第1階層の自動応答システム111と、第2階層の自動応答システム112および113と、第3階層の自動応答システム114および115と、出力処理部116と、を有する。
【0081】
入力処理部110は、情報処理端末20から受付部12を介して受信したテキスト情報の入力を受け付ける。入力処理部110は、例えば、「支払いを確認する方法が知りたい」というテキスト情報の入力を受け付ける。また、入力処理部110は、例えば、「あなたの名前は何ですか」というテキスト情報の入力を受け付ける。入力処理部110は、入力を受け付けたテキスト情報を、第1階層の自動応答システム111に出力する。
【0082】
第1階層の自動応答システム111は、入力処理部110から入力されたテキスト情報に、所定の文字列が含まれていないか探索する処理を実行する。所定の文字列は、予め定められた文字列であり、例えば、「名前は」や「はじめまして」である。なお、所定の文字列は、これらの例に限られず、どのような文字列であってもよい。また、第1階層の自動応答システム111は、テキスト情報の構文解析を行って、テキスト情報に含まれる用語の抽出を行って、その用語を含むデータの検索を行う。また、第1階層の自動応答システム111は、テキスト情報を解析した結果として得られる用語を質問として、下位の自動応答システムに質問として送信する。
【0083】
所定の文字列の各々は、当該所定の文字列を含むテキスト情報に対する回答に対応付けられている。第1階層の自動応答システム111は、入力されたテキスト情報に、所定の文字列が含まれている場合、当該所定の文字列に対する回答を、出力処理部116に出力する。第1階層の自動応答システム111は、記憶部15を参照して、所定の文字列に対応付けられた回答を特定する。
【0084】
図4は、どの自動応答システムが何件の回答を保持しているかを示す図である。例えば、図4に示すように、ユーザの「投資情報についてどんな基準があるか教えてほしいんだけど」との質問に対して、第1階層の自動応答システム111が8件、第2階層の自動応答システム112が6件、第2階層の自動応答システム113が4件、第3階層の自動応答システム114が2件、第3階層の自動応答システム115が1件の回答を返す。回答件数の右側には、「回答を見る」ボタンが表示される。この「回答を見る」ボタンを押下すると、図5に示すように、回答が展開される。
【0085】
図5は、図4に示す第2階層の自動応答システム112および113が返してきた回答の中から第1階層の自動応答システム111が選択した回答を持っている第2階層の自動応答システムが持っている回答を展開した図である。例えば、図5に示すように、第1階層の自動応答システム111が第2階層の自動応答システム112が返してきた回答を選択したとすると、第2階層の自動応答システム112が返してきた回答が、回答1.・・・、2.・・・、3.・・・というように展開される。それらの右側には「詳細を見る」ボタンが表示される。この「詳細を見る」ボタンを押下すると、図6に示すように、回答の詳細が表示される。
【0086】
図6は、図5で展開された回答の中から第1階層の自動応答システム111が選択した結果の詳細なデータを表示する図である。例えば、図6に示すように、回答1は「・・・・・・の詳細は以下に示す内容になります、図表などはタッチすると拡大できます」のように表示され、「・・・・・・・」の詳細が文章および図表で表示される。
【0087】
図7に、自動応答システム同士の連携の例を示す。ユーザ70は情報処理端末20を用いて第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aと通信する。すなわち、ユーザ70が情報処理端末20を用いて第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに質問メッセージを送信すると、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aがその質問メッセージを受信し、回答情報をユーザ70の情報処理端末20に送信する。第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aは、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cに、ユーザ70からの質問メッセージを送信し、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cはそれぞれ、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに回答を送信する。また、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、その下の階層である第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eに、それぞれ質問メッセージを送信し、第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eは、それぞれの上位階層である第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cに回答を送信する。なお、図7図14においては、情報処理装置10Bは情報処理装置10Dとやり取りしているが、情報処理装置10Bは情報処理装置10Eとやり取りしてもよい。この場合には、情報処理装置10Cは情報処理装置10Eとやり取りしなくてもいい。また、情報処理装置10Cは情報処理装置10Eとやり取りしているが、情報処理装置10Cは情報処理装置10Dとやり取りしてもよい。この場合には、情報処理装置10Bは情報処理装置10Dとやり取りしなくてもいい。
【0088】
図7に示すように、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10AはQAデータ31、文書データ32、語彙データ33を保持している。第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cはそれぞれ、QAデータ51、文書データ52、語彙データ53、QAデータ61、文書データ62、語彙データ63を保持している。第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eはそれぞれ、QAデータ71、文書データ72、語彙データ73、およびQAデータ81、文書データ82、語彙データ83を保持している。
【0089】
QAデータとは、質問およびそれに対する回答のデータであり、一般的な受け答え用の質問と回答とのデータである。文書データとは、様々な質問が属する分野の専門書類のデータであり、例えば、投資に関する専門書類である。語彙データとは、組織内で使う専門用語のデータであり、例えば、投資に関する専門用語である。
【0090】
図8に、通信システム1の受付管理機能として問い合わせ方式を示す。
【0091】
図8(a)は、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aがユーザ70からの問い合わせを第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cへ同時並列に依頼して処理する同期型の問い合わせ方式を示す。すなわち、ユーザ70が第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに質問メッセージを送信すると、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aはその質問メッセージを受信し、情報処理装置10Aがその質問に対する回答を持っていれば自動応答システム111を用いて直接ユーザ70の情報処理端末20に回答を送信し、情報処理装置10Aが回答を持っていなければ第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cに質問メッセージを送信する。第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cはそれぞれ回答を作成し、第1階層の自動応答システム111に送信する。第1階層の自動応答システム111はその回答をユーザ70に送信する。この同期型の問い合わせ方式は、一例として、イントラネット内でREST通信(HTTP通信)を用いて行う。REST通信を用いる場合、第1階層の自動応答システムから第2階層の自動応答システムに対して通信(依頼)をすることになるが、グローバルIPアドレスを割り当てられている第1階層の自動応答システムに対して第2階層以下の自動応答システムはファイアウォール(またはPROXY)の内側に配置されるため、プライベートIPアドレスしか有しない。よって第1階層の自動応答システムから第2階層の自動応答システムに対して通信することはできない。この問題を解決するため、下位層の自動応答システムから上位層の自動応答システムに対して、短時間に質問が来ていないか監視を繰り返し、質問が来ていたら質問を受信して処理を行う(ポーリング処理)。
【0092】
図8(b)は、図8(a)と同じ同期型の問い合わせ方式であるが、下位の自動応答システムから見たフローを表す図である。第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aから質問を受け付けると、同じ質問を下位の自動応答システムである第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eに送信し、第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eから回答を受信すると、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cが有している回答とともに、質問を送信してきた第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに回答を送信する。また、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、ユーザ70から直接質問を受け付けた場合には、ユーザ70に直接回答を送信する。なお、図8(b)では、図8(a)とは矢印が逆を向いていて、質問してから多少のタイムラグはあるものの、質問後に回答がユーザ70の端末20に届くのが別のタイミングになることを意味するものではない。
【0093】
図9は通信システム1の受付管理機能として回答方式を示す。
【0094】
図9(a)に、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aがユーザ70に対して、問い合わせの回答候補を有する第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cを紹介し、紹介先(遷移先)の第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cからユーザ70へ回答を返す「紹介型」の回答方式を示す。まず、ユーザ70が第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに質問メッセージを送信すると、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aがその質問メッセージを受信し、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cに質問メッセージを送信する。第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、それぞれの回答候補数を第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに送信する。第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aはその回答候補件数を示す情報を受信すると、その回答候補件数を示す情報をユーザ70に送信する。次に、ユーザ70は、その回答候補件数を示す情報を見て、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cのうち所望の自動応答システムに再度問い合わせする(別画面で問い合わせを引き継ぐ)。その問い合わせに対し、問い合わせを受けた所望の自動応答システムがユーザ70に回答を送信する。この紹介型の回答方式によれば、複数の第2階層の自動応答システム112内で処理するため回答精度を維持することができ、第1階層の自動応答システム111の処理負荷が低い。
【0095】
図9(b)は、図9(a)と同じ紹介型の回答方式であるが、下位の自動応答システムから見たフローを表す図である。第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aから質問を受け付けると、同じ質問を下位の自動応答システムである第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eに送信し、第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eから回答を受信すると、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cが有している回答とともに、質問を送信してきた第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに回答を送信する。また、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、ユーザ70から直接質問を受け付けた場合には、ユーザ70に直接回答を送信する。
【0096】
図10に、通信システム1の語彙データ共有機能を示す。第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aと、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cと、第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eとは、語彙データを共有している。語彙データの共有とは、社内で使用する用語のデータを、各階層の自動応答システムを有する情報処理装置10間で共有することをいう。即ち、ある自動応答システムで使用され、他の自動応答システムで使用されていない用語が、ある自動応答システムの語彙データにある場合に、他の自動応答システムの語彙データにその用語を登録することをいう。管理者90は、異なる部署で用語の使い方が異なる場合は語彙データを共有しない方がよい場合もあることから、どの自動応答システム間で語彙データを共有するかを設定する役割を果たす。第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10A、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10C、第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eはそれぞれ、専門用語辞書、類語辞書、禁句語辞書を保持している。専門用語辞書とは社内で使用する専門用語を搭載した辞書であり、例えば投資情報に関する専門用語を搭載している。類語辞書とはそのような専門用語に類似する用語を搭載した辞書であり、例えば出資、融資などである。禁句語辞書とは社内で用いてはいけない用語を搭載した辞書であり、例えば脱税、裏金、マネーロンダリングなどである。組織内で語彙を統一できるように第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aと第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cとの間で語彙データを共有できるようにすることで、主に第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aから語彙データを複数の第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cに対して共有され、より検索精度を高めることが可能となる。
【0097】
図11に、通信システム1のアクセス管理機能を示す。アクセス制御は基本的に組織と同じ階層構造で設定する。第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10A側に第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cの情報(URLなど)を設定する。
【0098】
図11(a)に矢印の向きで示すように、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aから第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cへの問い合わせ依頼は行えるが、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cから第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aへ問い合わせ依頼はできない。
【0099】
ただし、図11(b)に示すように、同一の第1階層の自動応答システム111を有する第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bと第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10C間の問い合わせ依頼は、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bと第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cとの間で依頼可否を設定することができる。なお、第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cから第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dへの問い合わせ依頼を許可するには、第2階層の自動応答システム113から第3階層の自動応答システム114との親子設定が必要となる。
【0100】
図12に、通信システム1の稼働状況管理機能を示す。各自動応答システムは、自己が起動したときに管理自動応答システムへ、起動の通知を行う。例えば、自動応答システム名や最新のIPアドレスなどの通知を行う。また、各自動応答システムは自己と繋がる他の自動応答システムの稼働状況を、管理自動応答システムから取得する。図12に示すように、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10A、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10B、第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10C、第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eは管理自動応答システム117に起動を通知する。管理自動応答システム117は第1階層の自動応答システム111、第2階層の自動応答システム112および第3階層の自動応答システム113の稼働を確認する。第1階層の自動応答システム111、第2階層の自動応答システム112および113、第3階層の自動応答システム114および115は、管理自動応答システム117から、他の自動応答システムの稼働状況を取得する。管理自動応答システム117は、登録された各自動応答システムに対して定期的に稼働確認(死活監視)を行い、自動応答システムの稼働状況を更新する。なお、管理自動応答システム117は常時起動、固定IPが前提となるが、特定の自動応答システムに兼務させることもできる。
【0101】
[通信方法]
次に、本実施形態に係る通信方法について説明する。図15は、情報処理装置10Aによる通信方法を示すフローチャートである。まず、受付ステップS10では、受付部12がユーザ70の情報処理端末20から質問メッセージを受け付ける。次に、依頼ステップS20では、依頼部13が、受付ステップS10で受け付けた質問メッセージに対する回答を複数の第2階層の自動応答システム112に依頼する。次に、出力ステップS30では、依頼ステップS20で依頼部13が複数の第2階層の自動応答システム112に依頼して取得した回答情報を出力部14が出力する。
【0102】
図16は、図10の自動応答システム同士の連携を示すフローチャートを示す。まず、ステップS100でユーザ70が情報処理端末20に質問メッセージを音声または文字で入力すると、ステップS110で、情報処理装置10Aの受付部12がその質問メッセージを受信し、受付部12は受け付けた質問メッセージを制御部11に伝達する。次にステップS120で、制御部11の第1階層の自動応答システム111が自身の回答と第2階層の自動応答システム112および113ならびに第3階層の自動応答システム114および115から得られた回答を集約する。回答を集約するとは、第1階層の自動応答システム111自身の持つ回答と第2階層および第3階層の自動応答システムから得た回答とをユーザ70からの質問に対する回答としてまとめて保持することをいう。次にステップS130でこれらの回答を出力部14がユーザ70の情報処理端末20に音声と文字にて返信する。
【0103】
図17は、図8の自動応答システム同士の連携を示すシーケンス図である。
【0104】
まず、ステップS200で、ユーザ70は情報処理端末20から質問メッセージを送信する。情報処理装置10Aの受付部12は、受信したメッセージを制御部11に伝達する。次にステップS201で、制御部11の第2階層の自動応答システム112および113に、その質問に回答し、回答を自身に返信するよう、依頼部13が指示する。次にステップS202で、第1階層の自動応答システム111は、自身の持つ回答と、第2階層の自動応答システム112および113から得られた回答を集約する。次にステップS203で、出力部14がユーザ70の情報処理端末20に回答を送信する。
【0105】
情報処理装置10Bおよび10Cの受付部12は、まず、ステップS210で、第1階層の自動応答システム111からの質問を受信する。受付部12は、受信した質問メッセージを制御部11に伝達する。次にステップS211で、第2階層の自動応答システム112および113に、質問に回答し、回答を自身に送信するよう依頼部13が指示する。次にステップS212で、第2階層の自動応答システム112および113は、自身の持つ回答と第3階層の自動応答システム114および115から得られた回答を集約する。次にステップS213で、出力部14が第1階層の自動応答システム111に回答を送信する。
【0106】
情報処理装置10Dおよび10Eの受付部12は、まず、ステップS220で、第2階層の自動応答システム112および113からの質問を受信する。受付部12は、受信した質問メッセージを制御部11に伝達する。次にステップS221で、出力部14が回答を第2階層の自動応答システム112および113に送信する。
【0107】
図18に、図9の自動応答システム同士の連携を示すシーケンス図である。
【0108】
ユーザ70は、まず、ステップS300で、情報処理端末20から、情報処理装置10Aの受付部12に質問を受信する。受付部12は、受信した質問メッセージを制御部11に伝達する。次にステップS301で、制御部11の第2階層の自動応答システム112および113に、質問に回答し、回答を自身に返信するよう、依頼部13が指示する。次にステップS302で、制御部11の第2階層の自動応答システム112および113に、それら自身の回答を直接ユーザ70に送信できる権限を、権限設定部16が付与する。次にステップS303で、第1階層の自動応答システム111は、自身の持つ回答と第2階層の自動応答システム112および113から得られた回答を集約する。次にステップS304で、出力部14が、ユーザ70の情報処理端末20に回答を送信する。
【0109】
情報処理装置10Bおよび10Cの受付部12は、まず、ステップS310で、第1階層の自動応答システム111からの質問を受信する。受付部12は、受信した質問メッセージを制御部11に伝達する。次にステップS311で、第3階層の自動応答システム114および115に、質問に回答し、回答を自身に返信するよう、依頼部13が指示する。次にステップS312で、第3階層の自動応答システム114および115に、それら自身の持つ回答を直接ユーザ70の情報処理端末20に送信できる権限を、権限設定部16が付与する。次にステップS313で、第2階層の自動応答システム112および113は、自身の持つ回答と第3階層の自動応答システム114および115から得られた回答を集約する。次にステップS314で、出力部14が、第1階層の自動応答システム111に回答を送信、またはユーザ70の情報処理端末20に直接回答を送信する。
【0110】
情報処理装置10Dおよび10Eの受付部12は、まず、ステップS320で、第2階層の自動応答システム112および113からの質問を受信する。受付部12は、受信した質問メッセージを制御部11に伝達する。次にステップS321で、出力部14は、回答を第2階層の自動応答システム112および113に送信、またはユーザ70の情報処理端末20に直接回答を送信する。
【0111】
図19は、図11の自動応答システム同士のアクセス管理を示すシーケンス図である。ここでいうアクセス管理とは、上位層の自動応答システムに下位層の自動応答システムの情報(URLなど)を設定したり、下位層の自動応答システムに上位層の自動応答システムの情報を設定したりして、上位層の自動応答システムから下位層の自動応答システムへの問い合わせ依頼は行えるが下位層の自動応答システムから上位層の自動応答システムへの問い合わせ依頼はできなくするなどのアクセス制御による管理を意図するものである。
【0112】
まず、ステップS400で、ユーザ70が第1階層の自動応答システム111にデータを入力する。情報処理装置10Aの受付部12は、入力されたデータを受信する。次にステップS401で、第1階層の自動応答システム111が、通信システムへのアクセス権限を第2階層の自動応答システム112および113に承継する。具体的には、ユーザ70が第1階層の自動応答システム111を介さずに第2階層の自動応答システム112および113に直接問い合わせる場合には、第1階層の自動応答システム111が有している利用者権限を第2階層の自動応答システム112および113が継承してアクセス制御が行われる。
【0113】
次に、ステップS410で、ユーザ70が第2階層の自動応答システム112および113にデータを入力する。次にステップS411で、第2階層の自動応答システム112および113は、第1階層の自動応答システム111から通信システムへのアクセス権限の承継を受ける。次にステップS412で第2階層の自動応答システム112および113間で入力されたデータの一部を共有する。次にステップS413で、第2階層の自動応答システム112および113は、第3階層の自動応答システム114および115に、通信システムへのアクセス権限を承継する。具体的には、ユーザ70が第1階層の自動応答システム111ならびに第2階層の自動応答システム112および113を介さずに第3階層の自動応答システム114および115に直接問い合わせる場合には、第2階層の自動応答システム112および113が有している利用者権限を第3階層の自動応答システム114および115が継承してアクセス制御が行われる。
【0114】
第3階層の自動応答システム114および115は、ステップS420で、第2階層の自動応答システム112および113から、通信システムへのアクセス権限の承継を受ける。
【0115】
最後に、図20に、図7~12の自動応答システム同士の連携のまとめを示すフローチャートを示す。第1階層の自動応答システム111が、ユーザ70からの質問に対する回答を持っていた場合には下位の自動応答システムに質問を送信せずにそのまま回答するルートがあり、回答を持っていない場合には下位の自動応答システムに質問を送信して回答を得るというフローチャートである。
【0116】
まず、ステップS501で、ユーザ70が質問を入力する。次にステップS502で情報処理装置10Aの受付部12が質問を受信する。第1階層の自動応答システム111が回答を持っている場合(ステップS503でYES)、ステップS504で出力部14が回答をユーザ70の情報処理端末20に返信する。第1階層の自動応答システム111が回答を持っていない場合(ステップS503でNO)、ステップS504で情報処理装置10Aの依頼部13が第2階層の自動応答システム112および113に質問の回答を求める。第2階層の自動応答システム112または113が回答を持っている場合(ステップS505でYES)、ステップS509で出力部14が回答をユーザ70の情報処理端末20に返信する。第2階層の自動応答システム112または113が回答を持っていない場合(ステップS505でNO)、ステップS506で依頼部13が第3階層の自動応答システム114および115に質問の回答を求める。第3階層の自動応答システム114または115が回答を持っている場合(ステップS507でYES)、ステップS509で出力部14が回答をユーザ70の情報処理端末20に返信する。第3階層の自動応答システム114または115が回答を持っていない場合(ステップS507でNO)、ステップS508で全ての階層で回答が得られなかったという回答を、ステップS509で出力部14がユーザ70の情報処理端末20に返信する。
【0117】
[通信プログラム]
本発明に係る通信プログラムでは、本発明の通信システム1が有する機能をコンピュータに実現させる。
【0118】
[他の実施形態]
上記実施の形態に係る装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
【0119】
上記実施の形態においては、同期型の問い合わせ方式について説明したが、非同期型の問い合わせ方式であってもよい。図13に第1階層の自動応答システム111がユーザ70からの問い合わせを複数の第2階層以下の自動応答システム112が自動的に検知して処理する非同期型の問い合わせ方式を示す。この非同期型の問い合わせ方式では、上記実施の形態で説明したREST通信を用いたポーリング処理では第2階層の自動応答システムが多いと第1階層の自動応答システムの負荷が大きくなるという問題を解決するためにWebsocketという技術を用いる。WebSocketは、予め(起動時など)に第2階層側から接続してセッションを維持しておき、利用者から質問が来た時に、事前に接続しておいたセッションを使用して第1階層から第2階層へ質問を送信可能となる。尚、ウェブブラウザで利用できる一般的なビジネスチャットツールは、ほぼこのWebSocket方式を採用しており、メッセージの受信者は、あたかも送信者からのメッセージをリアルタイム受信できているように疑似的に見えている形となる。複数の第2階層の自動応答システム112から第1階層の自動応答システム111へ片方向の接続環境でよくなる。
【0120】
図13(a)は、第1階層の自動応答システム111の動作例を示す図である。すなわち、まず、ユーザ70から第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aへの問い合わせの監視を第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cが開始し、ユーザ70が情報処理端末20から第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに質問メッセージを送信すると、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cはその問い合わせを検知し、それぞれの回答を第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに送信する。第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aはそれらの回答情報を受信し、ユーザ70に送信する。
【0121】
図13(b)は、下位の自動応答システムの動作例を示す図である。第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aから問い合わせを検知すると、同じ問い合わせを下位の自動応答システムである第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eに送信し、第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eから回答を受信すると、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cが有している回答とともに、質問を送信してきた第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに回答を送信する。また、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、ユーザ70から直接質問を受け付けた場合には、ユーザ70に直接回答を送信する。
【0122】
上記実施の形態においては、紹介型の回答方式について説明したが、集約型の回答方式であってもよい。図14に、第1階層の自動応答システム111が第2階層の自動応答システム112および113の回答候補を集約して回答を返す「集約型」の回答方式を示す。
【0123】
図14(a)は、第1階層の自動応答システム111の動作例を示す図である。まず、ユーザ70が第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに質問メッセージを送信すると、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aがその質問メッセージを受信し、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cに質問メッセージを送信する。第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、それぞれの回答候補を第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに送信する。第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aはその回答候補を示す情報を受信すると、それらの回答を集約する。第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aはその回答をユーザ70の情報処理端末20に送信する。この集約型の回答方式によれば、画面遷移がないためユーザ70の操作は特に増えない。
【0124】
図14(b)は、下位の自動応答システムの動作例を示す図である。第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aから質問を受け付けると、同じ質問を下位の自動応答システムである第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eに送信し、第3階層の自動応答システム114を有する情報処理装置10Dおよび第3階層の自動応答システム115を有する情報処理装置10Eから回答を受信すると、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cが有している回答とともに、質問を送信してきた第1階層の自動応答システム111を有する情報処理装置10Aに回答を送信する。また、第2階層の自動応答システム112を有する情報処理装置10Bおよび第2階層の自動応答システム113を有する情報処理装置10Cは、ユーザ70から直接質問を受け付けた場合には、ユーザ70に直接回答を送信する。
【0125】
上記実施の形態に示した構成や、各補足に示した構成は、適宜組み合わせて実現することとしてもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 通信システム
10 情報処理装置
11 制御部
12 受付部
13 依頼部
14 出力部
15 記憶部
16 権限設定部
17 経路情報提供部
20 情報処理端末
21 制御部
22 通信部
23 入出力部
24 表示部
25 マイク/スピーカ
26 記憶部
30 ネットワーク
31、51、61、71、81 QAデータ
32、52、62、72、82 文書データ
33、53、63、73、83 語彙データ
70 ユーザ
90 管理者
110 入力処理部
111 第1階層の自動応答システム
112、113 第2階層の自動応答システム
114、115 第3階層の自動応答システム
116 出力処理部
117 管理自動応答システム
210 入力処理部
211 送信処理部
212 表示処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20