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  • 特許-飛沫防止装置、およびその設置方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】飛沫防止装置、およびその設置方法
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/04 20060101AFI20240507BHJP
   A47B 17/04 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A47B96/04 B
A47B17/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020124842
(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公開番号】P2022021362
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-04-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年6月30日 株式会社山中保険事務所に販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年7月3日 https://www.accea.co.jp/cuttimg/acrylicpartition/ のウェブサイトで公開
(73)【特許権者】
【識別番号】504365098
【氏名又は名称】株式会社アクセア
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】中村 晃大
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3227269(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/04
A47B 17/04
E04B 2/74
A47G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向及び左右方向に沿って拡がっており、互いに前後方向に離間する第1面および第2面と、上記第1面に対して前方へ突出し、かつ、上記第2面に対して後方へ突出する上フレームと、を有するパーティションに取り付けられる飛沫防止装置であって、
上記上フレームより上方で上下方向および左右方向に沿って拡がる主面と、下端から上下方向に沿ってそれぞれ延びており、且つ左右方向に間隔をあけて並ぶ第1左スリットおよび第1右スリットと、を有する透明パネルと、
上記上フレームに載置され、左右方向に重なり合う左第1サブ板および左第2サブ板と、
上記上フレーム上で左第1サブ板および左第2サブ板より右方に載置され、左右方向に重なり合う右第1サブ板および右第2サブ板と、を備え、
上記左第1サブ板は、
上端から上下方向へ延びており、上記第1左スリットに係合する第1左サブスリットと、
上記第1左サブスリットより下方において、上記パーティションにおける上記上フレームより下方の上記第1面と当接する第1左サブ垂下部と、を有し、
上記左第2サブ板は、
上端から上下方向へ延びており、上記第1左スリットに係合する第2左サブスリットと、
上記第2左サブスリットより下方において、上記パーティションにおける上記上フレームより下方であって上記第2面と当接する第2左サブ垂下部と、を有し、
上記右第1サブ板は、
上端から上下方向へ延びており、上記第1右スリットに係合する第1右サブスリットと、
上記第1右サブスリットより下方において、上記パーティションにおける上記上フレームより下方の上記第1面と当接する第1右サブ垂下部と、を有し、
上記右第2サブ板は、
上端から上下方向に延びており、上記第1右スリットに係合する第2右サブスリットと、
上記第1右サブスリットより下方において、上記パーティションにおける上記上フレームより下方の上記第2面と当接する第2右サブ垂下部と、を有する飛沫防止装置。
【請求項2】
上記パーティションは、上記第1面に、左右方向へ延びる凹溝を有しており、
上記第1左サブ垂下部は、上記凹溝に係入する左凸部を有し、
上記第1右サブ垂下部は、上記凹溝に係入する右凸部を有する請求項1に記載の飛沫防止装置。
【請求項3】
上記左第1サブ板、上記左第2サブ板、上記右第1サブ板、および上記右第2サブ板は、同一形状である請求項1または2に記載の飛沫防止装置。
【請求項4】
上記左第1サブ板、上記左第2サブ板、上記右第1サブ板、および上記右第2サブ板は、透明である請求項1から3のいずれかに記載の飛沫防止装置。
【請求項5】
上記パーティションは、机の天板に設置されるものであり、
上記透明パネルの上下方向における寸法は、上記パーティションの上下方向における寸法よりも大きい請求項1から4のいずれかに記載の飛沫防止装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の飛沫防止装置のパーティションへの設置方法であって、
上記第1左スリットおよび上記第1右スリットの間の間隔に相当する長さの基準板を、上記上フレームの上面に載置する第1ステップと、
上記上フレームの上面において上記基準板の左側の位置に上記左第1サブ板および上記左第2サブ板を載置し、上記基準板の右側の位置に上記右第1サブ板および上記右第2サブ板を載置する第2ステップと、
上記第1左サブスリットおよび上記第2左サブスリットに上記透明パネルの第1左スリットを係合させ、上記第1右サブスリットおよび上記第2右サブスリットに上記透明パネルの第1右スリットを係合させる第3ステップと、
上記上フレームの上面から上記基準板を退ける第4ステップと、を備える設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティション用の飛沫防止装置、および飛沫防止装置のパーティションへの設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、オフィスでは、2個のデスクが互いに向かい合い且つ天板が当接した状態でレイアウトされていることがある。したがって、2個のデスクにそれぞれ向かう二人も向かい合うこととなる。各デスクで作業をする人の視界において、向かいにいる人の手元が動くと集中力が削がれることや、デスク上の書類の内容が見えないようにすることを鑑みて、向かいのデスク上の視界を遮るために、2個のデスクの間にパーティションが設置される場合がある(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-154746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、ウイルス感染症(COVID-19等)の感染防止の観点から、人の唾液などの飛沫をできる限り防ぐことが望まれている。しかし、従来のパーティションは、視界におけるデスク上の手や資料を隠すことを目的としていること、パーティションが高すぎるとデスクでの作業者が閉塞感や圧迫感を感じることなどからパーティションの高さが設定されているので、パーティションによって飛沫を充分に遮るとは考え難かった。また、そのような考えが、オフィスで働く者に感染の不安を与えるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、パーティションに取り付けるに好適な飛沫防止装置、および飛沫防止装置のパーティションへの設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明の一形態は、上下方向及び左右方向に沿って拡がる第1面から前後方向へ突出する凸部を有するパーティション用の飛沫防止装置である。上記飛沫防止装置は、透明パネルと、左第1サブ板および左第2サブ板と、右第1サブ板および右第2サブ板と、を備えている。上記透明パネルは、上記上フレームより上方で上下方向および左右方向に沿って拡がる主面と、下端から上下方向に沿ってそれぞれ延びており、且つ左右方向に間隔をあけて並ぶ第1左スリットおよび第1右スリットと、を有する。左第1サブ板および左第2サブ板は、上記上フレームに載置され、左右方向に重なり合う。右第1サブ板および右第2サブ板は、上記上フレーム上で左第1サブ板および左第2サブ板より右方に載置され、左右方向に重なり合う。上記左第1サブ板は、第1左サブスリットと、第1左サブ垂下部と、を有している。上記第1左サブスリットは、上記左第1サブ板の上端から上下方向へ延びており、上記第1左スリットに係合する。第1左サブ垂下部は、上記第1左サブスリットより下方において、上記パーティションにおける上記凸部より下方の上記第1面と当接する。上記左第2サブ板は、第2左サブスリットと、第2左サブ垂下部と、を有している。上記第2左サブスリットは、上記左第2サブ板の上端から上下方向へ延びており、上記第1左スリットに係合する。上記第2左サブ垂下部は、上記第2左サブスリットより下方において、上記パーティションにおける上記凸部より下方であって上記第1面と反対の第2面と当接する。上記右第1サブ板は、第1右サブスリットと、第1右サブ垂下部と、を有している。上記第1右サブスリットは、上記右第1サブ板の上端から上下方向へ延びており、上記第1右スリットに係合する。上記第1右サブ垂下部は、上記第1右サブスリットより下方において、上記パーティションにおける上記凸部より下方の上記第1面と当接する。上記右第2サブ板は、第2右サブスリットと、第2右サブ垂下部と、を有する。上記第2右サブスリットは、上記右第2サブ板の上端から上下方向に延びており、上記第1右スリットに係合する。上記第2右サブ垂下部は、上記第1右サブスリットより下方において、上記パーティションにおける上記凸部より下方の上記第2面と当接する。
【0007】
上記構成によれば、透明パネルにより、パーティション上を超える飛沫を防止することができる。また、透明パネルにより人に与える圧迫感を抑制し、周囲の人とのコミュニケーションの妨げにならない。また、既存のパーティションを活用できるため低コストである。また、凸部を有するパーティションに、透明パネルを安定して取り付けることができる。
【0008】
(2) 上記パーティションは、上記第1面に、左右方向へ延びる凹溝を有している。上記第1左サブ垂下部は、上記凹溝に係入する左凸部を有し、上記第1右サブ垂下部は、上記凹溝に係入する右凸部を有する。
【0009】
上記構成によれば、両支持板がパーティションから外れ難い。
【0010】
(3) 上記左第1サブ板、上記左第2サブ板、上記右第1サブ板、および上記右第2サブ板は、互いに同一形状である。
【0011】
上記構成によれば、前後左右の部材の配置に拘わらず部材を利用できるので、飛沫防止装置が設置しやすい。
【0012】
(4) 上記左第1サブ板、上記左第2サブ板、上記右第1サブ板、および上記右第2サブ板は、透明である。
【0013】
上記構成によれば、飛沫防止装置全体が透明となるため、パーティションに違和感なく取り付けられる。
【0014】
(5) 上記パーティションは、机の天板に設置される。上記透明パネルの上下方向における寸法は、上記パーティションの上下方向における寸法よりも大きい、
【0015】
(6) 本発明の他の形態は、上記飛沫防止装置のパーティションへの設置方法である。設置方法は、上記第1左スリットおよび上記第1右スリットの間の間隔に相当する長さの基準板を、上記上フレームの上面に載置する第1ステップと、上記上フレームの上面において上記基準板の左側の位置に上記左第1サブ板および上記左第2サブ板を載置し、上記基準板の右側の位置に上記右第1サブ板および上記右第2サブ板を載置する第2ステップと、上記第1左サブスリットおよび上記第2左サブスリットに上記透明パネルの第1左スリットを係合させ、上記第1右サブスリットおよび上記第2右サブスリットに上記透明パネルの第1右スリットを係合させる第3ステップと、上記上フレームの上面から上記基準板を退ける第4ステップと、を備える。
【0016】
上記設置方法によれば、基準板を用いることで、飛沫防止装置をパーティションに簡単に設置できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、パーティションに取り付けるに好適な飛沫防止装置、およびその設置方法が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る飛沫防止装置100の各部品を示す模式図であり、特に、(A)は透明パネル110を、(B)は基準板120を示し、(C)は、サブ板130LF,130LR,130RF,130RRを示す。
図2】(A)は、ローパーティション200の上面に載置された基準板120を示す模式図であり、(B)は、ローパーティション200の前方および後方に離れて位置するサブ板130LF,130LRを示す模式図である。
図3】(A)は、ローパーティション200に前方および後方から当接するサブ板130LF,130LRを示す模式図であり、(B)は、スリット同士が係合前の透明パネル110と、左支持板130Lおよび右支持板130Rを示す模式図である。
図4】実施形態に係る飛沫防止装置100(組み立て後)を示す模式図である。
図5】変形例に係るローパーティション200の凹溝を示す模式図である。
図6】変形例に係るサブ板130LF,130LR,130RF,130RRを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態に係る飛沫防止装置100について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。以下の説明では、デスクトップ300(図2参照)を基準として、ローパーティション200および飛沫防止装置100の上下方向が定義される。また、デスクトップ300(即ち、机の天板)に対するデスクの利用者の着座位置側を手前側として、ローパーティション200および飛沫防止装置100の前後方向が定義される。また、着座位置を基準として、ローパーティション200および飛沫防止装置100の左右方向が定義される。上下方向、前後方向および左右方向は、互いに直交している。
【0020】
図4に示すように、飛沫防止装置100は、デスクトップ300(図2参照)に設置されたローパーティション200に取り付けられた状態で使用される。以下には、まず、使用状態前である未組み立て状態の飛沫防止装置100について説明する。なお、未組み立て状態の説明でも、便宜上、上下方向、前後方向および左右方向が用いられる。
【0021】
[飛沫防止装置100の概略構成]
図1(A),(C)に示すように、飛沫防止装置100は、透明パネル110と、左支持板130Lと、右支持板130Rと、を備える。図1(B)には、基準板120が示される。基準板120は、飛沫防止装置100をローパーティション200(図2等参照)に取り付ける際に使用される。
【0022】
透明パネル110、基準板120、左支持板130L、および右支持板130Rは、大判の透明アクリル板からNC加工やレーザ加工により切り出されることで作製される。なお、これらは、アクリル板以外の透明材料(例えば、ポリカーボネート板やガラス板など)から作製されてもよいが、アクリル板やポリカーボネート板が軽量且つ破損し難いことから好ましい。
【0023】
[透明パネル110]
図1(A)において、透明パネル110の形状は、前方からの平面視(以下、「正面視」とも称する。)で概ね矩形である。透明パネル110は、2つの主面111と、スリット112L,112Rと、を有している。なお、図1(A)には、前側の主面111のみが示されている。また、スリット112L,112Rは、第1左スリットおよび第1右スリットの一例である。
【0024】
2つの主面111の形状は、上下方向および左右方向に拡がる概ね矩形である。2つの主面111は、透明パネル110の前後寸法(以下、「パネル厚さ」とも称する)の分だけ前後方向に互いに離間する。主面111(即ち、透明パネル110)の上下寸法は、ローパーティション200の上下寸法より大きい。
【0025】
スリット112Lは、透明パネル110の下端部113において左端寄りの位置から上方へ直線状に延びている。スリット112Rは、透明パネル110の下端部113において右端寄りの位置から上方へ直線状に延びている。即ち、スリット112L,112Rは、透明パネル110において左右方向に間隔(以下、「スリット間隔」とも称する。)をあけて並んでいる。なお、スリット112L,112Rの平面形状は、互いに概ね同じである。
【0026】
[基準板120]
図1(B)において、基準板120は、上方からの平面視で左右方向に細長い概ね矩形の板である。基準板120の左右寸法は、スリット間隔と概ね同じである。
【0027】
[左支持板130L,右支持板130R]
図1(C)において、左支持板130Lは、サブ板130LF,130LRからなる。右支持板130Rは、サブ板130RF,130RRからなる。サブ板130LF,130LRは、左第1サブ板および左第2サブ板の一例であり、サブ板130RF,130RRは、右第1サブ板および右第2サブ板の一例である。
【0028】
サブ板130LF,130LR,130RF,130RRの形状は、互いに同じである。これにより、低コストの飛沫防止装置100を提供できる。また、飛沫防止装置100の設置において、サブ板130LF,130LR,130RF,130RRのそれぞれを区別する必要がない。以下、サブ板130LFだけを代表的に詳説し、サブ板130LR,130RF,130RRについては簡単に説明する。なお、図1(C)には、サブ板130LR,130RRは、左右方向において反転させた状態で示されている。
【0029】
[サブ板130LF]
サブ板130LFは、本体131LFと、サブスリット132LFと、サブ垂下部140LFと、を有している。サブスリット132LFは、第1左サブスリットの一例である。サブ垂下部140LFは、第1左サブ垂下部の一例である。
【0030】
本体131LFの形状は、右方からの平面視(以下、「側面視」とも称する。)で概ね台形である。本体131LFは、2つの台形状の主面に加え、前端部135LFと、後端部136LFと、上端部137LFと、下端部138LFとを有している。
【0031】
サブスリット132LFは、上端部137LFにおいて前後方向の中央の部分から下方に概ね直線状に延びている。サブスリット132LFの前後寸法は、パネル厚さと概ね同じである。
【0032】
サブ垂下部140LFは、基部133LFと、凸部134LFと、を有している。
【0033】
基部133LFは、下端部138LFの前寄りの部分から下方に延出している。詳細には、基部133LFの後端部は、下端部138LFにおいてサブスリット132LFよりも前方の位置P11から下方に直線状に延びる。
【0034】
凸部134LFの形状は、側面視で概ね矩形である。凸部134LFは、基部133LFの下端寄りの位置で、基部133LFの後端よりも後方に延出している。
【0035】
ここで、ローパーティション200の詳細について説明する。ローパーティション200は、図2に示すように、天板であるデスクトップ300の後端に沿って設置され、ボード210と、上フレーム220と、を有している。なお、ローパーティションは、デスクトップ300に公知の取り付け具などを介して固定されている。
【0036】
ボード210は、前面211および後面212を有している。前面211および後面212は、前後方向において互いに離間している。前面211および後面212は、正面視で略矩形であり、2方向(詳細には、左右方向および上下方向)にそれぞれ拡がっている。
【0037】
一般に、ボード210の上下左右は、フレームにより囲まれる。上フレーム220は、ボード210の上縁に沿って設けられ、前面221および後面222を有している。前面221は、前面211より上方且つ僅かに前方で前面211の上端部に沿って左右方向に延びる。即ち、上フレーム220は、ローパーティション200において、ボード210の前面211(第1面の一例)に対し前方に突出する凸部をなす。後面222は、後面212より上方且つ僅かに後方で後面212の上端部に沿って左右方向に延びる。即ち、上フレーム220は、ローパーティション200において、ボード210の後面212(第第2面の一例)に対し後方に突出する凸部をなす。
【0038】
本実施形態では、上フレーム220は、ボード210に対し前方および後方に突出している。しかし、これに限らず、上フレーム220は、ボード210に対し前方および後方の少なくともいずれか一方に突出していればよい。また、凸部は上フレーム220により構成されていなくてもよく、ボード210に一体に凸部が形成されていてもよい。
【0039】
図1(C)において、凸部134LFは、下端部138LFから下方に、上フレーム220の上下寸法と概ね同じ距離だけ離れている。また、凸部134LFは、サブ垂下部140LFの後端よりも後方に僅かに突出している。凸部134LFの突出量は、前面221と前面211との間の前後方向における距離に概ね等しい。
【0040】
[サブ板130LR,130RF,130RR]
図1(C)において、サブ板130LRは、本体131LRと、サブスリット132LRと、サブ垂下部140LRと、を有している。
【0041】
本体131LR、およびサブスリット132LRは、本体131LF、およびサブスリット132LFと左右対称な形状を有している。
【0042】
サブ垂下部140LRは、基部133LRと、凸部134LRと、を有している。基部133LR、および凸部134LRは、基部133LF、および凸部134LFと左右対称な形状を有している。
【0043】
なお、サブスリット132LR、サブ垂下部140LRは、第2左サブスリット、第2左サブ垂下部の一例である。
【0044】
サブ板130RFは、本体131RFと、サブスリット132RFと、サブ垂下部140RFと、を有している。
【0045】
本体131RF、およびサブスリット132RFは、本体131LF、およびサブスリット132LFと同様である。
【0046】
サブ垂下部140RF、基部133RFと、凸部134RFと、を有している。基部133RF、および凸部134RFは、基部133LF、および凸部134LFと同様である。
【0047】
なお、サブスリット132RF、サブ垂下部140RFは、第1右サブスリット、第1右サブ垂下部の一例である。
【0048】
サブ板130RRは、本体131RRと、サブスリット132RRと、サブ垂下部140RRと、を有している。
【0049】
本体131RR、およびサブスリット132RRは、本体131LR、およびサブスリット132LRと同様である。
【0050】
サブ垂下部140RRは、基部133RRと、凸部134RRと、を有している。基部133RR、および凸部134RRは、基部133LR、および凸部134LRと同様である。
【0051】
なお、サブスリット132RR、サブ垂下部140RRは、第2右サブスリット、第2右サブ垂下部の一例である。
【0052】
[飛沫防止装置100の取り付け]
図2(A)において、作業者は、第1ステップとして、ローパーティション200における上フレーム220の上面に基準板120を載置する。この時、基準板120の前後両端辺は、上フレーム220の上面の前後両端辺に沿い、且つ基準板120の左右両端は、上フレーム220の上面の左右両端から離れる。
【0053】
次に、図2(B)に示すように、作業者は、第2ステップとして、上フレーム220の上面において基準板120の左側の位置に、サブ板130LF,130LRを載置する。詳細には、作業者は、基準板120の左端から左方に離れた位置で、本体131LFの下端部138LFを上フレーム220の上面に当接させ、凸部134LFをボード210の前面211と前方から対向させる。作業者は、基準板120の左端部と、サブ板130LFとの間の位置で、本体131LRの下端部138LRを上フレーム220の上面に当接させ、凸部134LRを、ボード210の後面212に後方から対向させる。
【0054】
第2ステップではさらに、図3(A)に示すように、作業者は、サブ板130LFを後方へと移動させて、基部133LFの後端を、上フレーム220の前面221に前方から沿わせ、凸部134LFの後端をボード210の前面211と前方から当接させる。また、作業者は、サブ板130LRを前方へと移動させて、基部133LRの前端を、上フレーム220の後面222に後方から沿わせ、凸部134LRの前端をボード210の後面212に後方から当接させる。また、作業者は、サブ板130LF,130LRを左右方向において互いに重ね合わせ、これによって、上フレーム220において基準板120の左側に左支持板130Lを構成する。この時、サブ板130LFのサブスリット132LF(図2(B)参照)と、サブ板130LRのサブスリット132LR(図2(B)参照)とは、前後方向および上下方向に実質的にずれなく、ぴったりと重なり合って、左支持板130Lのスリット132L(図3(B)参照)をなす。
【0055】
第2ステップではさらに、作業者は、上述と同じ要領で、上フレーム220の上面において基準板120の右側の位置に、サブ板130RF,130RRを載置する。その後、作業者は、サブ板130RFを後方へと移動させて、基部133RFの後端を、上フレーム220の前面221に前方から沿わせ、凸部134RFの後端をボード210の前面211と前方から当接させる。また、作業者は、サブ板130RRを前方へと移動させて、基部133RRの前端を、上フレーム220の後面222に後方から沿わせ、凸部134RRの前端をボード210の後面212に後方から当接させる。また、作業者は、サブ板130RF,130RRを左右方向において互いに重ね合わせ、これによって、上フレーム220において基準板120の右側に右支持板130Rを構成する。この時、この時、サブスリット132RF,132RRとはぴったりと重なり合って、右支持板130Rのスリット132R(図3(B)参照)をなす。
【0056】
第3ステップでは、図3(B)に示すように、作業者は、左支持板130Lのスリット132Lの位置に、透明パネル110のスリット112Lの位置を合わせ、右支持板130Rのスリット132Rの位置に、透明パネル110のスリット112Rの位置を合わせる。
【0057】
第3ステップではさらに、図4に示すように、作業者は、左支持板130Lのスリット132Lに、透明パネル110のスリット112Lを係合および噛み合わせ、右支持板130Rのスリット132Rに、透明パネル110のスリット112Rを係合および噛み合わせる。その後、作業者は、スリット112L,112Rの上端部がスリット132L,132Rの下端部に突き当たるまで、透明パネル110を下方へと移動させる。
【0058】
その後、第4ステップにおいて、図4に示すように、作業者は、上フレーム220の上面から基準板120を退ける。これにより、飛沫防止装置100の組み立てが完了する。
【0059】
なお、実施形態では、透明パネル110におけるスリット112Lの上下寸法(以下、「スリット長さ」とも称する。)が、スリット132Lの下端部から下端部138LF,138LRまでの上下方向における距離と同じである。また、透明パネル110におけるスリット112Rのスリット長さが、スリット132Rの下端部から下端部138RF,138RRまでの上下方向における距離と同じである。これにより、透明パネル110と上フレーム220の上面との間の隙間が実質上なくなる。
【0060】
[変形例]
以下、実施形態の変形例について、実施形態との相違点を中心に説明する。
【0061】
変形例では、図5に示すように、上フレーム220の前面221において上端部から離隔距離だけ下方の中間位置で左右方向に延びる凹溝240が形成されている。以下、凹溝240における上下方向および前後方向の寸法を、「溝幅」および「溝深さ」とも称する。溝幅および溝深さは、凹溝240の左右方向の概ね全域に亘って略一定である。後面222には、前後方向において凹溝240と対称な形状の凹溝(図示せず)が形成されている。
【0062】
上記のようなローパーティション200の場合、図6に示すように、サブ板130LFにおいて、サブ垂下部140LFは、凸部139LF(第1左凸部の一例)をさらに有していてもよい。凸部139LFは、第1左凸部の一例であり、下端部138LFから離隔距離だけ下方に離れている。凸部139LFは、基部133LFおよび凸部134LFよりも後方に突出している。凸部139LFの上下寸法および前後寸法は、溝幅および溝深さと概ね同じである。
【0063】
サブ板130LRにおいて、サブ垂下部140LRはさらに、凸部139LR(第2左凸部の一例)を有している。凸部139LRは、凸部139LFと左右対称な形状を有している。サブ板130RFにおいて、サブ垂下部140RFはさらに、凸部139RF(第1右凸部の一例)を有している。凸部139RFは、凸部139LFと同様の形状を有している。サブ板130RRにおいて、サブ垂下部140RRはさらに、凸部139RR(第2右凸部の一例)を有している。凸部139RRは、凸部139LRと同様の形状を有している。
【0064】
凸部139LF,139RFは、凹溝240に係入し、凸部139LR,139RRは、後面222の凹溝に係入する。これにより、飛沫防止装置100はローパーティション200に対して上下方向に位置決めされて、ローパーティション200から外れ難くなる。
【0065】
[飛沫防止装置100の作用・効果]
飛沫防止装置100によれば、透明パネル110により、ローパーティション200上を超える飛沫を防止することができる。また、透明パネル110により、デスクの使用者に与える圧迫感を抑制し、他のデスクの使用者とのコミュニケーションの妨げにならない。また、既存のローパーティション200を活用できるため、低コストである。また、左支持板130L,右支持板130Rは、透明パネル110の同様のアクリル板で作製されるため、取り付け前の飛沫防止装置100が嵩張らない。また、スリット112L,132L同士、スリット112R,132R同士が互いに係合するため、透明パネル110が左支持板130L,右支持板130Rに対し位置ずれし難い。
【0066】
また、凸部134LF,134LRの組み、および凸部134LR,134RRの組みのそれぞれが、上フレーム220の下方でボード210に当接しつつ挟み込む。また、上フレーム220はボード210に対し前後方向に突出している。これによって、飛沫防止装置100がローパーティション200から上方へ外れないので、ローパーティション200から脱落し難い。
【0067】
実施形態では特に、凸部134LF,134LRおよび凸部134RF,134RRが、ローパーティション200の凹溝に係入される。これにより、左支持板130Lおよび右支持板130Rがローパーティション200に対して上下方向に位置決めされるのでローパーティション200から外れ難い。
【0068】
飛沫防止装置100は全体的に透明である。そのため、どのような色のローパーティション200にも飛沫防止装置100を違和感なく取り付けることができる。飛沫防止装置100は、透明材料以外で作製されてもよい。
【0069】
[その他の変形例]
実施形態では、サブ板130LF,130LR,130RF,130RRは、互いに同じ形状を有していた。しかし、これに限らず、サブ板130LF,130LR,130RF,130RRの少なくとも2つが互いに異なる形状を有していてもよい。
【0070】
実施形態では、サブ板130LF,130LR,130RF,130RRの各基部133LF,133LR,133RF,133RRの後端又は前端が、上フレーム220の前面221又は後面212と当接するが、各基部133LF,133LR,133RF,133RRは、上フレーム220の前面221又は後面212と当接せずに、隙間を介して対向していてもよい。
【0071】
実施形態では、ローパーティション200はデスクトップ300に設置されていた。しかし、これに限らず、ローパーティション200の代わりに、フロア上に設置されるパーティションの上面に、飛沫防止装置100が取り付けられてもよい。
【0072】
実施形態では、透明パネル110の上下寸法は、ローパーティション200の上下寸法より大きいとして説明した。しかし、これに限らず、透明パネル110の上下寸法は、ローパーティション200の上下寸法より小さくてもよい。
【符号の説明】
【0073】
300・・・デスクトップ
200・・・ローパーティション
210・・・ボード
220・・・上フレーム
211,221・・・前面
212,222・・・後面
240・・・凹溝
100・・・飛沫防止装置
110・・・透明パネル
111・・・主面
112L,112R・・・スリット
120・・・基準板
130LF,130LR,130RF,130RR・・・サブ板
132L,132R・・・スリット
132LF,132LR,132RF,132RR・・・サブスリット
140LF,140LR,140RF,140RR・・・サブ垂下部
134LF,134LR,134RF,134RR・・・凸部
139LF,139LR,139RF,139RR・・・凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6