(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】捕捉手段を有する逆止弁
(51)【国際特許分類】
F16K 15/18 20060101AFI20240507BHJP
F16K 51/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
F16K15/18 B
F16K51/00 B
(21)【出願番号】P 2020180225
(22)【出願日】2020-10-28
【審査請求日】2023-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】窪 英範
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-149670(JP,A)
【文献】特開2000-213656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 15/18
F16K 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が上流から下流に向かって流れる流路を有する本体、
本体の前記流路に設けられ、流体が通過する弁座部、
往復移動が自在な状態で本体の前記流路に設けられ、流体が通過することによって、流体内の異物を捕捉する捕捉手段であって、弁体部を有しており、流体の上流から下流に向かう流れを受けて開放方向に移動して流路を開放し、流体の下流から上流に向かう逆流を受けて閉塞方向に移動することによって、前記弁体部が前記弁座部に接して流路を閉塞する捕捉手段、
前記捕捉手段に対して進退可能に前記本体に設けられ、クリーニング部及び全閉部を有する進退手段であって、前記捕捉手段に向けて進出してクリーニング状態に位置したとき、前記クリーニング部が捕捉手段のクリーニング処理を行い、前記捕捉手段に向けて進出して全閉状態に位置したとき、前記全閉部が前記流路を完全に閉塞する進退手段、
を備えたことを特徴とする捕捉手段を有する逆止弁。
【請求項2】
請求項1に係る捕捉手段を有する逆止弁において、
前記捕捉手段が移動する開放方向は、鉛直方向に沿った上方向であり、
前記捕捉手段が移動する閉塞方向は、鉛直方向に沿った下方向であり、
前記捕捉手段は鉛直方向における底面が開口しており、当該開口から前記進退手段の前記クリーニング部が捕捉手段の内部に進入する、
ことを特徴とする捕捉手段を有する逆止弁。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に係る捕捉手段を有する逆止弁において、
前記弁体部は、逆流する流体の流体圧を受ける受圧部を有しており、当該受圧部が流体圧を受けることによって、前記捕捉手段の閉塞方向への移動が促される、
ことを特徴とする捕捉手段を有する逆止弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に係る捕捉手段を有する逆止弁は、ストレーナ等の捕捉手段を有する逆止弁の構成の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
捕捉手段を有する逆止弁としては、流体の移送経路に設けられる逆止弁であって、流体に混入した異物を捕捉するためのストレーナを内蔵した逆止弁がある。逆止弁は、流体を順方向に移送する流路に位置し、流体の背圧による逆方向への逆流を阻止する機構を備えている。
【0003】
たとえば、産業プラントに設置されている配管は高温・高圧の蒸気を移送し、この配管内には蒸気と共に、蒸気から発生したドレン(凝縮水)が順方向に流れている。このような蒸気やドレンの逆流を防止するために、配管上の必要箇所に逆止弁が設けられる。
【0004】
蒸気やドレンには塵やスケール等の異物が混入していることがあり、逆止弁が内蔵しているストレーナはこのような異物を捕捉する。ストレーナは、細かなメッシュを備えて構成されてたスクリーンを有しており、蒸気やドレンがスクリーンを透過することによって蒸気やドレンに混入している異物が捕捉される。
【0005】
ストレーナを内蔵した逆止弁としては後記特許文献1に開示されているばね付勢ディスク式逆止弁がある。この逆止弁は、環状弁座5の出口3側にコイルばね11で付勢した弁体6を配置している。そして、弁体6と一体に円筒状のスリーブ15を設け、このスリーブ15に入口1と出口3を連通する貫通孔16が設けている。
【0006】
また、スリーブ15内側には、流体内の異物を捕捉するためのスクリーン19が取り付けられている。コイルばね11は、入口1と出口3の流体圧力が等しいときに弁体6を環状弁座5から少し離座して位置させるようなばね力に形成されている。
【0007】
このような構成を備えた逆止弁において、入口1と出口3の流体圧力が等しい休止時は、弁体6がコイルばね11によって環状弁座5から少し離座して位置するため、入口1の流体はスリーブ15の内側からスクリーン19と貫通孔16を通して出口3へ通過することができる。
【0008】
そして、入口1の流体圧力が出口3の流体圧力よりも高くなってくると、弁体12は入口1の流体圧力によってコイルばね11のばね力に抗して環状弁座5から更に離れることになり、より多くの流体が出口3へ通過する。
【0009】
これに対して、入口1の流体圧力よりも出口3の流体圧力が高くなると、コイルばね11によって環状弁座5から少し離座して位置する弁体6は、出口3の流体圧力によって環状弁座5に着座し、入口1への流体の逆流が阻止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述の特許文献1に開示されたばね付勢ディスク式逆止弁においては、スクリーン19に付着した異物を除去してクリーニングする場合、逆止弁を分解してスクリーン19を取り出す必要があり、メンテナンスに手間がかかるという問題がある。異物の付着によってスクリーンに目詰まりが生じると流体の流れが阻害されるため、適切なタイミングでクリーニングを行う必要があり、容易なメンテナンスが求められる。
【0012】
また、逆止弁は設置状況や使用状態に応じ、流体の順方向及び逆方向の双方の流れを完全に遮断する全閉状態にしなければならないことがある。しかし、前述の特許文献1に開示されたばね付勢ディスク式逆止弁は、入口1と出口3の流体圧力が等しいときであっても弁体6は環状弁座5から少し離座した状態に位置するため、全閉状態とすることができない。全閉状態とするための機構を別途設けると、装置が大型化、複雑化してしまう。
【0013】
そこで本願に係る捕捉手段を有する逆止弁は、容易にメンテナンスを行うことができ、さらに簡易な構成で確実に全閉状態とすることができる捕捉手段を有する逆止弁を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願に係る捕捉手段を有する逆止弁は、
流体が上流から下流に向かって流れる流路を有する本体、
本体の前記流路に設けられ、流体が通過する弁座部、
往復移動が自在な状態で本体の前記流路に設けられ、流体が通過することによって、流体内の異物を捕捉する捕捉手段であって、弁体部を有しており、流体の上流から下流に向かう流れを受けて開放方向に移動して流路を開放し、流体の下流から上流に向かう逆流を受けて閉塞方向に移動することによって、前記弁体部が前記弁座部に接して流路を閉塞する捕捉手段、
前記捕捉手段に対して進退可能に前記本体に設けられ、クリーニング部及び全閉部を有する進退手段であって、前記捕捉手段に向けて進出してクリーニング状態に位置したとき、前記クリーニング部が捕捉手段のクリーニング処理を行い、前記捕捉手段に向けて進出して全閉状態に位置したとき、前記全閉部が前記流路を完全に閉塞する進退手段、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本願に係る捕捉手段を有する逆止弁においては、進退手段がクリーニング状態に位置したとき、捕捉手段のクリーニング処理を行う。このため、進退手段を進退操作するだけで捕捉手段をクリーニングすることが可能であり、容易にメンテナンスを行うことができる。
【0016】
また、進退手段が全閉状態に位置したとき流路を完全に閉塞する。このため、進退手段を進退操作するだけで全閉状態になり、簡易な構成で確実に全閉状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本願に係る捕捉手段を有する逆止弁の第1の実施形態を示すバルブ1の断面図であって、通常時の状態を示す断面図である。
【
図2】
図1に示すバルブ1の断面図であって、逆流時の状態を示す断面図である。
【
図3】
図1に示すバルブ1の断面図であって、クリーニング時の状態を示す断面図である。
【
図4】
図1に示すバルブ1の断面図であって、全閉時の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態における用語説明]
実施形態において示す主な用語は、それぞれ本
願に係る捕捉手段を有する逆止弁の下記の要素に対応している。
【0019】
バルブ1・・・捕捉手段を有する逆止弁
スクリーン2・・・捕捉手段
開口底面2a・・・捕捉手段の底面
弁座3・・・弁座部
操作バー4及びハンドル40・・・進退手段
ブラシ6・・・クリーニング部
全閉具7・・・全閉部
上部ボディ10及び下部ボディ13・・・本体
入口側流路11及び出口側流路12・・・流路
弁体22・・・弁体部
弁体上面22a・・・受圧部
矢印95方向・・・開放方向、鉛直方向に沿った上方向
矢印96方向・・・閉塞方向、鉛直方向に沿った下方向
【0020】
[第1の実施形態]
本願に係る捕捉手段を有する逆止弁の第1の実施形態であるバルブ1を説明する。バルブ1は、産業プラントに設置されている配管等に設けられる。この配管の内部には液体等の流体が流れており、配管上に設けられたバルブ1内を流体が通過する。バルブ1は、ストレーナ機能、逆止弁機能、ストレーナのクリーニング機能及び流路の全閉機能を備えている。
【0021】
(バルブ1の構成の説明)
図1に示すように、上部ボディ10は両側にそれぞれ入口側フランジ10a、出口側フランジ10bを有しており、各々に入口側配管(図示せず)及び出口側配管(図示せず)が接続される。入口側フランジ10aから上部ボディ10内に向けて入口側流路11が形成され、出口側フランジ10bから上部ボディ10内に向けて出口側流路12が形成されている。なお、本実施形態において、入口側が上流であり、出口側が下流である。
【0022】
入口側流路11と出口側流路12とは、上部ボディ10の中央部で上下方向に設けられた貫通穴によって連通している。この貫通穴近傍が弁室として機能し、貫通穴に円筒状の弁座3が取り付けられている。なお、入口側流路11の天井面には、弁座3の底部の外周部分に環状凹部19が形成されている。
【0023】
弁座3の円筒内の空間には、ストレーナを構成するスクリーン2が挿入されて配置されている。このスクリーン2はメッシュで構成された円筒状のメッシュ本体21を備えており、上面部には円盤状の弁体22が固定されている。弁体22の弁体上面22aは中央部が膨らんだ曲面として形成されている。
この弁体上面22aの曲面は、入口側流路11の天井面の湾曲よりも大きく膨らんだ形状を有している。このため、弁体上面22aが入口側流路11の天井面に当接した状態において、
図1に示すように弁体上面22aと入口側流路11の天井面との間には、上面空間30が形成される。なお、スクリーン2の底面部である開口底面2aは開口している。
【0024】
スクリーン2及び弁座3の各円筒空間の中心軸は、
図1に示す中心線L1に一致するように配置されている。そして、スクリーン2のメッシュ本体21の外径は弁座3の内径よりもやや小さく構成されており、スクリーン2は中心線L1に沿って矢印95、96方向に上下移動が自在である。
【0025】
スクリーン2が矢印96方向に下降した場合、スクリーン2に固定された弁体22が弁座3に当接した状態で下降が限界に達する(
図2)。また、スクリーン2が矢印95方向に上昇した場合、スクリーン2に固定された弁体22の弁体上面22aが出口側流路12の天井面に当接した状態(
図1)で上昇が限界に達する。スクリーン2が上昇の限界位置に達した際、スクリーン2の開口底面2aは、
図1に示すように、入口側流路11の天井面とほぼ同一平面上に位置するようにメッシュ本体21の長さが設定されている。
【0026】
上部ボディ10の下方には、ガスケット15を介して下部ボディ13が接続されている。連結カバー14が、上部ボディ10に形成されたネジ部14aに螺入して締め込まれることによって、上部ボディ10と下部ボディ13とは接続され、ガスケット15によって弁室内の気密性が保たれる。なお、下部ボディ13には中心線L1に沿って上下に貫通する貫通穴が形成され、上端及び下端は開口している。
【0027】
下部ボディ13の貫通穴には操作バー4が貫通して配置されている。この操作バー4と下部ボディ13の貫通穴とはネジ部4aによってネジ結合している。そして、操作バー4の下端にロックナット41によって取り付けられている操作ハンドル40を回転操作することにより、操作バー4はネジ部4aのネジ結合による螺合に従って矢印95、96方向に直線的に移動する。
【0028】
下部ボディ13の下端の開口には、固定カバー16がネジ部16aに螺入されて取り付けれている。固定カバー16の中心穴にはパッキン42が設けられており、このパッキン42を操作バー4の下端部分が貫通して位置している。固定カバー16を締め込んで取り付けることによって、パッキン押え43を介してパッキン42が加圧され、弁室の気密性が保持される。
【0029】
操作バー4の上端部分は、下部ボディ13の上端の開口から弁室に向けて突出しており、突出した操作バー4の上端に全閉具7が固定されている。この全閉具7は上面部が開口した円筒形状を有しており、底面部が操作バー4の上端に固着している。全閉具7内には、さらに中心線L1に沿ってクリーニングバー5が固定されており、このクリーニングバー5には多数の毛状材から構成されるブラシ6が植設されている。ブラシ6の外径はスクリーン2のメッシュ本体21の内径と同様である。
【0030】
(バルブ1の動作の説明)
【0031】
(通常時の動作)
次に、バルブ1の動作を説明する。まず通常時においては、
図1に示すように操作バー4は矢印96方向に退いた状態にあり、ブラシ6及び全閉具7は弁室の下方に位置している。この状態で、入口側流路11を通じてバルブ1内に流体が流入し、流体はスクリーン2の開口底面2aからメッシュ本体21内に侵入する。
このとき、流体の流体圧によってスクリーン2は矢印95方向に持ち上げられて
図1に示すように上昇し、スクリーン2に固定された弁体22の弁体上面22aが出口側流路12の天井面に当接する。そして、メッシュ本体21内に侵入した流体は、メッシュ本体21の側面を透過して、出口側流路12に流出し、矢印91方向(順方向)にバルブ1を通過する。
【0032】
流体がスクリーン2のメッシュ本体21を透過することによって、流体に混入しているゴミやスケール(水垢)等の異物がスクリーン2のメッシュ本体21によって捕捉される。捕捉された異物は、メッシュ本体21の内周面に付着する。これによってスクリーン2は、ストレーナとしての機能を果たす。
【0033】
(逆流時の動作)
バルブ1の出口側の圧力が入口側の圧力よりも高くなる背圧が生じた場合、流体が
図2に示す矢印92方向(逆方向)に逆流し、出口側流路12に侵入する。この逆流は出口側流路12の天井面と弁体22の弁体上面22aとの間の上面空間30(
図1参照)に入り込む。そして、逆流の流体圧によって弁体22が押し下げられ、スクリーン2の下降が促されると同時に、自重によってスクリーン2は矢印96方向に下降する。
【0034】
スクリーン2の下降によって、
図2に示すように、スクリーン2に固定された弁体22が弁座3に当接して流路を閉塞し、流体の逆流が出口側流路12から入口側流路11に侵入することが阻止される。この動作によって、バルブ1は逆止弁としての機能を果たす。
【0035】
なお、弁体22の弁体上面22aは中央が膨らんだ曲面として形成されているため、流体の逆流は円滑に弁体上面22aの上側に流れ込み、確実に弁体22を押し下げることができる。また、出口側流路12の天井面と弁体上面22aとの間に形成される上面空間30(
図1)は、弁体上面22aの曲面に従い、弁体上面22aの側周から中央の膨らみに向けて徐々に小さくなっている。このため、流体の逆流の流体圧は弁体上面22aの中央部に向けて漸次大きくなり、確実に弁体22の弁体上面22aを加圧して押し下げることができる。
【0036】
(クリーニング時の動作)
前述のように、スクリーン2は流体に混入している異物を捕捉し、この異物はメッシュ本体21の内周面に付着する。付着した異物が蓄積するとメッシュ本体21に目詰まりが生じるため、異物を除去するためのクリーニングを行う必要がある。
【0037】
ストレーナを構成するスクリーン2のクリーニングを行う場合、作業者は操作ハンドル40を回転操作して締め込む。このハンドル操作によって、操作バー4の上端に固定されたブラシ6がスクリーン2に向かって矢印95方向に進出する。このとき、
図3に示すようにスクリーン2は自重によって下降し、流路を閉塞する状態にあり、進出したブラシ6はスクリーン2のメッシュ本体21の内部に、開口底面2a(
図1)から入り込む。
【0038】
作業者は
図3に示す状態からさらにハンドル40を限界まで締め込む。このため、ブラシ6はクリーニングバー5を中心に回転しながらメッシュ本体21内を移動する。前述のようにブラシ6の外径はスクリーン2のメッシュ本体21の内径と同様に形成されていることから、ブラシ6の先端がメッシュ本体21の内周面に接触しながら回転し、メッシュ本体21の内周面に付着した異物をかき落とす。
【0039】
このブラシ6による異物のかき落としが本実施形態におけるクリーニング処理である。そして、クリーニングバー5の先端が弁体22の底面に当接して限界位置に達した後、作業者はハンドル40を緩め、通常時の状態に復位させる。
【0040】
なお、このクリーニング時において、ブラシ6の回転に伴ってスクリーン2が回転しないよう、スクリーン2と弁座3との間に互いに嵌り合う嵌合部を設け、スクリーン2が矢印95、96方向には移動自在であるが、回転方向には回転しない構成を採用することもできる。
【0041】
(全閉時の動作)
バルブ1の設置状況や使用状態によっては、流体の順方向及び逆方向の双方の流れを完全に遮断する全閉状態にしなければならないことがある。この場合、作業者はクリーニング動作時と同様、操作ハンドル40を回転操作して締め込み、限界位置まで操作バー4をスクリーン2に向かって矢印95方向に進出させる(
図4)。
【0042】
操作バー4が限界位置まで進出したことによって、操作バー4の上端に設けられた全閉具7が、弁座3の底部の開口を覆った状態で入口側流路11の天井面に当接する。これによって全閉状態になり、流体の順方向及び逆方向の双方の流れは完全に遮断される。
【0043】
ここで前述のように、弁座3の底部の外周に当たる入口側流路11の天井面には、環状凹部19が形成されている。そして、操作バー4の進出が限界位置に達したとき、全閉具7上端の円形の縁部分が環状凹部19に嵌合した状態で入口側流路11の天井面に当接するようになっている。
【0044】
全閉具7上端の縁部分が環状凹部19に嵌合することによって、より確実に流路を完全に遮断して全閉状態とすることができる。なお、環状凹部19内にパッキンを設けて、流路の遮断性を高めることもできる。
【0045】
[その他の実施形態]
前述の実施形態においては、本願に係る捕捉手段を有する逆止弁としてバルブ1を例示したが、これに限定されるものではなく、他の構造、形状のバルブに本願に係る捕捉手段を有する逆止弁を適用してもよい。
【0046】
また、前述の実施形態においては、捕捉手段としてスクリーン2を掲げたが、往復移動が自在であり、弁体部を有し、流体が通過することによって流体内の異物を捕捉するものであれば他の構造、形状を採用することができる。
【0047】
また、弁体部として弁体22を例示したが、捕捉手段に設けられており、弁座部に接して流路を閉塞して逆流を阻止するものであれば、他の構造、形状を採用することができる。
【0048】
さらに、例示した弁体22の弁体上面22aは曲面で構成されており、中央部の膨らみによって上面空間30を形成したが、他の構成によって異なる空間部を形成してもよい。たとえば、弁体部(弁体22等)の上面に上方に延びる突起部を設け、この突起部が流路の内周面(出口側流路12等の天井面等)に当接することによって流体の逆流が入り込む空間部(上面空間30等)を形成することもできる。
【0049】
また、前述の実施形態においては、クリーニング部としてブラシ6を例示したが、捕捉手段(スクリーン2等)のクリーニング処理を行うものであれば、他の構成を採用してもよい。
【0050】
また、前述の実施形態においては、全閉部として全閉具7を例示したが、全閉状態に位置したとき、流路を完全に閉塞するものであれば、他の構成を採用してもよい。
【0051】
さらに、前述の実施形態においては、クリーニング部としてブラシ6及び全閉部として全閉具7が、進退手段としての単一の操作バー4及びハンドル40の先端部に設けられた例を示したが、クリーニング部(ブラシ6等)と全閉部(全閉具7等)とを各々、別の進退手段(操作バー4及びハンドル40等)に固定し、独立して操作するよう構成することもできる。
【符号の説明】
【0052】
1:バルブ 2:スクリーン 2a:開口底面 3:弁座 4:操作バー
6:ブラシ 7:全閉具 10:上部ボディ 11:入口側流路
12:出口側流路 13:下部ボディ 22:弁体 22a:弁体上面
40:ハンドル