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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】研磨機用腕支持装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 29/00 20060101AFI20240507BHJP
   B24B 21/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B24B29/00 Z
B24B21/00 Z
B24B29/00 H
B24B29/00 L
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023183377
(22)【出願日】2023-10-25
【審査請求日】2023-10-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313003901
【氏名又は名称】株式会社カクダイ岐阜工場
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】安江 大地
(72)【発明者】
【氏名】片田 翔太
(72)【発明者】
【氏名】船戸 信男
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第218461842(CN,U)
【文献】中国実用新案第219805937(CN,U)
【文献】中国実用新案第208117527(CN,U)
【文献】中国実用新案第214519466(CN,U)
【文献】中国実用新案第209774281(CN,U)
【文献】特開2016-215290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B1/00-57/04
B24C1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被研磨物の表面の研磨に際し、バフ研磨機において回転する円板状のバフの外周の研磨面に前記被研磨物が押し当てられるとき、又は前記バフの回転に伴い周回移動する無端状のベルトの外周の研磨面に前記被研磨物が押し当てられるときに用いられる装置であり、
立ち姿勢の研磨作業者が、両方の手で把持した前記被研磨物を、前記研磨面に押し当てる際に、両方の腕が載せられる腕載せ部と、
前記バフ研磨機、及び前記バフ研磨機の周囲の設備のうちの少なくとも一方を被取り付け部として、前記被取り付け部に取り付けられるとともに、前記腕載せ部を支持する支持部と、を備え
前記腕載せ部は、両方の前記腕のそれぞれが載せられる一対の腕載せ体を備え、
前記支持部は、前記腕載せ体毎に設けられ、かつ前記被取り付け部に取り付けられるとともに、各腕載せ体を支持する一対の支持機構部を備え、
各支持機構部は、
前記腕載せ体から下方へ離間した箇所に配置された受け体と、
前記腕載せ体及び前記受け体の間において、中心軸線の周りに螺旋状に巻回されることにより構成され、かつ荷重に応じて弾性変形するばねであり、かつ一方の端部において前記腕載せ体に取り付けられ、かつ他方の端部において前記受け体に取り付けられたコイルばねと、
前記受け体のうち、前記コイルばねの前記他方の端部が接触する受け面に対し交差する交差方向へ延びる柱本体部を有し、かつ前記受け体に固定されたガイド柱と、
前記中心軸線に沿う方向における前記コイルばねの一部の外周囲に配置されるとともに、前記柱本体部に取り付けられる筒状体と、
前記ガイド柱及び前記筒状体の間に設けられ、かつ前記筒状体の前記柱本体部に対する前記交差方向の取り付け位置を調整する筒状体位置調整部と、を備える、研磨機用腕支持装置。
【請求項2】
各支持機構部は、前記被取り付け部及び前記受け体の間に設けられ、かつ鉛直面に対し前記受け面がなす角度を調整する受け面角度調整部をさらに備える、請求項1に記載の研磨機用腕支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨機用腕支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋳造品等の被研磨物の表面を研磨する装置として、外周に研磨面を有する円板状のバフが回転されるバフ研磨機が知られている。また、外周に研磨面を有する無端状のベルトが、バフの回転に伴い周回移動されるバフ研磨機も知られている。前者のバフ研磨機を用いて被研磨物の表面の研磨する際には、研磨作業者は、被研磨物を両方の手で把持して、バフの研磨面に対し被研磨物を押し当てる。後者のバフ研磨機を用いて研磨作業を行う場合には、研磨作業者は、被研磨物を両方の手で把持して、周回移動するベルトの研磨面に対し被研磨物を押し当てる。
【0003】
なお、特許文献1及び特許文献2には、外周に研磨面を有し、かつ軸を中心として回転される円板状のバフが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-156247号公報
【文献】実開平5-80661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1及び特許文献2に記載されたバフを備えるバフ研磨機を用いて、又は上記バフに加え無端状のベルトを備えるバフ研磨機を用いて、研磨作業者が立ち姿勢で研磨作業を行う場合、次のような問題がある。立ち姿勢の研磨作業者は、研磨に際し、被研磨物を把持することと、被研磨物を研磨面に押し当てることの両方を同時に行う。そのため、時間の経過とともに腕が疲れてきて、腕の位置が安定しない。また、研磨作業者は、背筋や首が曲がった姿勢になり、研磨姿勢が安定しないため、ますます腕が疲労するという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための研磨機用腕支持装置は、被研磨物の表面の研磨に際し、バフ研磨機において回転する円板状のバフの外周の研磨面に前記被研磨物が押し当てられるとき、又は前記バフの回転に伴い周回移動する無端状のベルトの外周の研磨面に前記被研磨物が押し当てられるときに用いられる装置であり、立ち姿勢の研磨作業者が、両方の手で把持した前記被研磨物を、前記研磨面に押し当てる際に、両方の腕が載せられる腕載せ部と、前記バフ研磨機、及び前記バフ研磨機の周囲の設備のうちの少なくとも一方を被取り付け部として、前記被取り付け部に取り付けられるとともに、前記腕載せ部を支持する支持部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、研磨作業者の腕の疲労を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態における腕支持装置の斜視図である。
図2図1における右側の支持機構部の部分斜視図である。
図3図1における腕支持装置の下部構造を示す部分斜視図である。
図4図1における右側の支持機構部の右側面図である。
図5図1における右側の支持機構部の下部構造を示す部分斜視図である。
図6図5の下部構造を、同図5の裏側から見た部分斜視図である。
図7】受け面角度調整部により受け面の角度が変更された部分斜視図である。
図8図5の受け面角度調整部及び受け体位置調整部の部分正面図である。
図9】第1実施形態の腕支持装置の使用態様を示す部分斜視図である。
図10】第1実施形態の腕支持装置の使用態様を示す部分斜視図である。
図11】第2実施形態における腕支持装置の部分正面図である。
図12図11の12-12線断面図である。
図13】第2実施形態における左側の支持機構部の左側面図である。
図14図11における左側の支持機構部の部分平面図である。
図15図11の腕支持装置の使用態様を説明する部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、研磨機用腕支持装置(以下、単に「腕支持装置」という)の第1実施形態について、図1図10を参照して説明する。
【0010】
図1及び図9に示すように、腕支持装置30は、研磨作業者W1がバフ研磨機10で被研磨物POの表面をバフ研磨する際に用いられる装置である。バフ研磨機10は、モータ11によって回転駆動される回転軸12を備えている。この回転軸12に対し、円板状をなし、かつ外周に研磨面14aを有するバフ14が一体回転可能に取り付けられている。この研磨面14aに被研磨物POを押し当てることにより、表面をバフ研磨することが可能である。バフ14に用いられる素材は、綿、麻、ウール、スポンジ等である。これらの素材に研磨剤が塗布されることによりバフ14が形成されている。
【0011】
また、上記バフ14を含め、それぞれ円板状をなす回転体に対し、外周に研磨面15aを有する無端状のベルト15が架け渡されて、バフ14の回転に伴いベルト15が周回移動される場合がある。この場合、研磨面15aに被研磨物POを押し当てることにより、表面をバフ研磨することが可能である。なお、図1及び図9は、ベルト15を用いてバフ研磨を行う場合を示している。
【0012】
ここで、バフ研磨機10及び腕支持装置30の各部を特定するために、水平方向のうち、バフ14と、被研磨物POを研磨面14a,15aに押し当てる研磨作業者W1とが対向する方向を「前後方向」とする。また、前後方向及び鉛直方向の両方向に対し直交する方向を「左右方向」とする。前後方向及び左右方向については、研磨作業者W1を基準として方向を規定する。例えば、研磨作業者W1が向いている方向が「前」となり、研磨作業者W1の右方が「右」となり、左方が「左」となる。
【0013】
バフ研磨機10では、回転軸12は左右方向に延びている。起立状態のバフ14は、中心部において回転軸12に取り付けられている。バフ研磨機10は、バフ14の下方にトレイ16を備えている。トレイ16は、研磨により生じて落下するバフ粉と呼ばれる削りカス、研磨材等を回収するための容器である。トレイ16は、上端が開放された有底の箱状をなし、かつ孔17を有している。トレイ16に落下した粉は、孔17を通じて吸引されてトレイ16の外部に排出される。
【0014】
図1及び図3に示すように、バフ研磨機10の下側には、同バフ研磨機10の周囲の設備の一態様として、架台21が配置されている。架台21は、重量物であるバフ研磨機10が設置される架構である。架台21は、複数本の柱22と、複数本の梁23とを連結することによって構成されている。
【0015】
図1において二点鎖線で示す被研磨物POは、バフ研磨の対象となるものである。被研磨物POは、例えば、青銅、黄銅、銅、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン等の金属材料によって加工されている。なお、樹脂材料によって形成されたものも被研磨物POとなり得る。また、図9に示す研磨作業者W1が、両方の手HAで把持して研磨面14a,15aに対し、バフ14の後方から押し付けることのできる大きさ及び形状を有しているものが、ここでの被研磨物POの対象となる。
【0016】
図1及び図9に示すように、腕支持装置30は、腕載せ部及び支持部を備えている。
<腕載せ体31>
腕載せ部は、研磨作業者W1の両方の腕ARのそれぞれが載せられる一対の腕載せ体31を備えている。両腕載せ体31は、互いに同様の構成を有している。図2及び図4に示すように、各腕載せ体31は、円板状の腕載せ本体部32と、腕載せ本体部32の下側に配置されて、腕載せ本体部32に固定された円柱状のばね装着部33とを備えている。
【0017】
<支持機構部35>
図1に示すように、支持部は、上述した腕載せ体31毎に設けられた一対の支持機構部35を備えている。各支持機構部35は、上記架台21を被取り付け部とし、この架台21に取り付けられている。各支持機構部35は、複数の部材を連結することによって構成されていて、各腕載せ体31を支持する機能を有している。各支持機構部35は、互いに同様の構成を有している。より正確には、左右方向における両腕載せ体31間の中央部に、前後方向及び上下方向へ延びる鉛直面を設定し、これを対称面36とする。一対の支持機構部35の各構成部材は、対称面36について面対称となるように配置されている。
【0018】
ここで、各支持機構部35の各部を特定するために、左右方向のうち、バフ14に近い側を「内」、「内側」等といい、バフ14から遠い側を「外」、「外側」等というものとする。
【0019】
図1及び図3に示すように、各支持機構部35は、一対のレール取り付け部37,41、レール45、支柱51、受け体55、コイルばね61、ガイド柱65、及び筒状体71を備えている。なお、図3では、受け体55の底部を構成する受け本体部56(図5等参照)よりも上側の部材、例えば、コイルばね61、筒状体71等の図示が省略されている。
【0020】
[レール取り付け部37,41]
図3に示すように、両レール取り付け部37,41は、架台21に対し、取り外し可能に取り付けられている。より詳しくは、架台21は、左右方向に延びる下梁23Lを、複数の梁23の一部として備えている。また、架台21は、下梁23Lの上方で左右方向に延びる上梁23Uを、複数の梁23の一部として備えている。さらに、架台21は、下梁23Lから斜め後上方へ延びる補助柱22Sを、複数の柱22の一部として備えている。
【0021】
レール取り付け部37は、上梁23Uの後側に隣接する箇所に配置され、左右方向に延びている。このレール取り付け部37は、ボルト(図示略)等によって、後方から上梁23Uに締結されている。レール取り付け部41は、レール取り付け部37の後方に配置されて、左右方向に延びている。レール取り付け部41は、上記補助柱22Sの上端部に対し、ボルト42によって締結されている。
【0022】
なお、第1実施形態では、レール取り付け部37,41が、両方の支持機構部35に共通の部材によって構成されているが、別々の部材によって構成されてもよい。
[レール45]
図3及び図5に示すように、レール45は、上下方向を板厚方向として前後方向へ延びる底板部45bと、左右方向を板厚方向として前後方向へ延びる壁板部45wとを備えている。壁板部45wの下縁部は、底板部45bの左右方向における一方の側縁部に繋がっている。こうした構成により、レール45は、断面L字状(アングル状)をなしている。
【0023】
底板部45bの前部は、レール取り付け部37,41上に載置されている。底板部45b及びレール取り付け部37には、複数本のボルト46が挿通されている。これらのボルト46は、互いに前後方向に離間した状態で、それぞれ上下方向に延びている。上記ボルト46が、レール取り付け部37の下側に配置されたナット(図示略)にねじ込まれることにより、レール45がレール取り付け部37に締結されている。
【0024】
同様に、底板部45b及びレール取り付け部41には、上下方向へ延びるボルト47が挿通されている。ボルト47が、レール取り付け部41の下側に配置されたナット(図示略)にねじ込まれることで、レール45がレール取り付け部41に締結されている。
【0025】
[支柱51]
図2に示すように、支柱51は、レール45の壁板部45wに対し、左右方向における外側に隣接する箇所に配置されている。支柱51は、左右方向を板厚方向として上下方向に延びる板状体によって構成されている。壁板部45wには、複数本のボルト52が挿通されている。これらのボルト52は、互いに前後方向に離間した状態で、それぞれ左右方向に延びている。ボルト52が、支柱51の下端部にねじ込まれることにより、同支柱51がレール45に締結されている。
【0026】
[受け体55]
図2図5及び図6に示すように、受け体55は、腕載せ体31から下方へ離間した箇所であり、かつ左右方向における支柱51の外側に配置されている。受け体55は、ともに板状をなす受け本体部56及び保持板部57を備えている。受け本体部56の上面は平坦に形成され、かつコイルばね61の他方の端部である下端部が接触する受け面56rを構成している。
【0027】
保持板部57は、左右方向を自身の板厚方向として、受け面56rに対し交差する方向(以下「交差方向」という)、第1実施形態では直交方向、へ延びている。保持板部57の下側の端部は、左右方向における受け本体部56の内側の縁部に固定されている。保持板部57は、左右方向へ延びるボルト58により、支柱51に締結されている。
【0028】
[コイルばね61]
コイルばね61は、腕載せ体31及び受け本体部56の間において、それらを結ぶ方向へ延びる中心軸線CLを有している。コイルばね61は、中心軸線CLの周りに螺旋状に巻回されることにより構成されている。コイルばね61は、荷重に応じて、中心軸線CLに沿う方向や、径方向へ弾性変形可能である。径方向とは、中心軸線CLを中心とする放射方向である。
【0029】
コイルばね61の一方の端部である上端部は、ばね装着部33の外周に巻き付けられることで、腕載せ体31に取り付けられている。コイルばね61の下端のコイル部と、その上隣のコイル部との間には、受け面56rに沿う方向へ延びる押さえ板62が配置されている。この押さえ板62がボルト63により受け本体部56に締結されている。コイルばね61の他方の端部である下端部は、押さえ板62及びボルト63によって、受け本体部56に取り付けられている。
【0030】
[ガイド柱65]
図1図2及び図4に示すように、ガイド柱65は、それぞれ板状をなす柱本体部66及び取り付け部67を備えている。柱本体部66は、コイルばね61を挟んで支柱51とは反対側に位置している。表現を変えると、柱本体部66は、支柱51とともに、コイルばね61の径方向における外側に位置している。柱本体部66は、左右方向を自身の板厚方向として、上記交差方向、第1実施形態では直交方向へ延びている。取り付け部67は、柱本体部66の下端部に接続されている。取り付け部67は、受け本体部56の下側に重ねられ、ボルト68によって同受け本体部56に取り付けられている。
【0031】
[筒状体71]
筒状体71は、上記中心軸線CLを自身の軸線とする円筒状をなしている。筒状体71は、コイルばね61のコイル外径よりも僅かに大きな内径を有している。筒状体71は、中心軸線CLに沿う方向におけるコイルばね61の一部の外周囲に配置されている。柱本体部66には、複数本のボルト72が挿通されている。これらのボルト72は、互いに上下方向に離間した状態で、それぞれ左右方向に延びている。上記ボルト72が筒状体71にねじ込まれることで、筒状体71は、ボルト72を中心とする回転を規制された状態で、ガイド柱65に取り付けられている。
【0032】
図2図4に示すように、各支持機構部35は、さらに、各種調整部として、受け面角度調整部A1、受け体位置調整部A2、筒状体位置調整部A3、支柱位置調整部A4及びレール位置調整部A5を備えている。
【0033】
[受け面角度調整部A1及び受け体位置調整部A2]
図5図6及び図8に示すように、受け面角度調整部A1は、鉛直面に対し受け面56rがなす角度を調整するためのものである。受け体位置調整部A2は、支柱51に対する受け体55の上下方向の取り付け位置を調整するためのものである。受け面角度調整部A1及び受け体位置調整部A2はともに、架台21及び受け体55の間、より詳しくは、支柱51及び受け体55の間に設けられている。
【0034】
受け面角度調整部A1及び受け体位置調整部A2は、共通の機構部によって構成されている。支柱51には、上下方向へ延びる長孔53が形成されている。上記ボルト58は、この長孔53に挿通されて、保持板部57にねじ込まれている。このボルト58を緩めて、長孔53における上下位置を変えることで、支柱51に対する受け体55の上下方向の取り付け位置を調整可能である。また、ボルト58が緩められた状態では、受け体55は、同ボルト58を中心として回動可能である。受け体55の回動に伴い、鉛直面に対し受け面56rがなす角度が変化する。ボルト58が締め付けられることにより、同ボルト58の上下方向への移動がある程度規制されるとともに、同ボルト58を中心とする受け体55の回動がある程度規制される。
【0035】
左右方向における支柱51の外側に隣接する箇所には、基部73a及び挟み部73bを備えてなる調整具73が配置されている。基部73aの前後方向の寸法は、長孔53の幅よりも大きく設定されている。基部73aの左右方向の寸法は、保持板部57の板厚よりも大きく設定されている。挟み部73bは、基部73aのうち、支柱51に対し、保持板部57の板厚と同程度の距離離れた箇所から下方へ延びている。この挟み部73bの下端部と支柱51とによって保持板部57を左右両側から挟み込むことが可能である。
【0036】
長孔53において、ボルト58よりも上方には、左右方向に延びるボルト74が挿通されている。ボルト74は、保持板部57から上方へ外れた箇所で、挟み部73bにねじ込まれている。このねじ込みにより、挟み部73bの下端部を、保持板部57に対し支柱51側へ押し付けて、ボルト58を中心とした受け体55の上記回動を規制可能である。また、ボルト58の上下方向への移動を規制可能である。
【0037】
また、ボルト74が緩められることにより、そのボルト74を長孔53に沿って上下動させて、調整具73の上下方向の位置を調整可能である。また、ボルト74が緩められることにより、挟み部73bの下端部が保持板部57に対し押し付けられなくなり、ボルト58を中心とした受け体55の回動と、ボルト58の上下方向への移動とが、ともに可能となる。
【0038】
上記長孔53、ボルト58,74及び調整具73によって、受け面角度調整部A1及び受け体位置調整部A2が構成されている。
[筒状体位置調整部A3]
図4に示すように、筒状体位置調整部A3は、受け面56r(図5等参照)の上記交差方向について、筒状体71の柱本体部66に対する取り付け位置を調整するために、ガイド柱65及び筒状体71の間に設けられている。柱本体部66には、上記交差方向へ延びる長孔69が形成されている。上述した複数本のボルト72は、長孔69に挿通され、かつ筒状体71にねじ込まれている。これらのボルト72は、緩められることにより、図9及び図10に示すように、筒状体71を伴って、長孔69に沿って上記交差方向へ移動可能である。全てのボルト72が締め付けられることにより、筒状体71を伴った、上記交差方向への移動が規制される。上記長孔69及びボルト72によって筒状体位置調整部A3が構成されている。
【0039】
[支柱位置調整部A4]
図3及び図5に示すように、支柱位置調整部A4は、支柱51のレール45に対する前後方向の取り付け位置を調整するために、支柱51及びレール45の間に設けられている。壁板部45wには、前後方向へ延びる長孔48が形成されている。各ボルト52は、長孔48に挿通され、かつ支柱51の下端部にねじ込まれている。全てのボルト52は緩められることにより、支柱51を伴って、長孔48に沿って前後方向へ移動可能である。全てのボルト52は締め付けられることにより、支柱51を伴った前後方向への移動を規制される。長孔48及びボルト52によって支柱位置調整部A4が構成されている。なお、図3では、片方の支持機構部35についてのみ、支柱51の前後位置が調整された後の状態で図示されている。他方の支持機構部35については、支柱51の前後位置が調整される前の状態で図示されている。
【0040】
[レール位置調整部A5]
図3に示すように、レール位置調整部A5は、レール45のレール取り付け部37,41に対する左右方向の取り付け位置を調整するために、レール取り付け部37,41及びレール45の間に設けられている。
【0041】
レール取り付け部37には、互いに前後方向に離間した状態で、それぞれ左右方向へ延びる複数の長孔38が形成されている。各ボルト46は、対応する長孔38に挿通され、レール取り付け部37の下側のナット(図示略)にねじ込まれている。同様に、レール取り付け部41には、左右方向へ延びる長孔39が形成されている。ボルト47は長孔39に挿通され、レール取り付け部41の下側のナット(図示略)にねじ込まれている。
【0042】
全てのボルト46,47は緩められることにより、レール45を伴って、長孔38,39に沿って左右方向へ移動可能である。全てのボルト46,47は締め付けられることにより、レール45を伴った、上記左右方向への移動を規制される。上記長孔38,39及びボルト46,47によってレール位置調整部A5が構成されている。
【0043】
次に、上記のように構成された第1実施形態の作用について説明する。なお、ここでは、バフ14の回転に伴い周回移動するベルト15の研磨面15aに対し、被研磨物POを押し当てることにより、バフ研磨を行う場合について説明する。
【0044】
図1及び図9に示すように、被研磨物POの研磨に際し、研磨作業者W1は、両方の手HAで把持した被研磨物POを、ベルト15の研磨面15aに対し、バフ14の後方から押し当てる。
【0045】
ここで、立ち姿勢で研磨作業を行う研磨作業者W1が、両方の手HAで把持した被研磨物POを研磨面15aに押し当てる際には、座り姿勢で研磨作業を行うときとは異なり、腕ARの下方に、大腿等、自身の下肢の一部が位置しない。立ち姿勢の研磨作業者W1には、被研磨物POを把持した腕ARを下方から支える部位がない。
【0046】
この点、第1実施形態では、立ち姿勢の研磨作業者W1の両方の腕ARの下方に、それぞれ腕載せ体31が位置する。研磨作業者W1の両方の腕ARが、それぞれ対応する腕載せ体31に載せられる。ここで、腕ARは、一般に前腕と呼ばれる部位である。腕ARには、手首WR及び肘ELの間の部分が含まれるほか、手首WR及び肘ELも含まれる。
【0047】
各腕ARの荷重は、腕載せ体31及び支持機構部35の各部を介して、架台21に伝達されて、受け止められる。各腕ARは、腕載せ体31を介してコイルばね61によって下方から支えられる。各腕ARの下方への動きは、腕載せ体31、支持機構部35の各部及び架台21によって規制される。なお、コイルばね61は、腕ARの荷重に応じて、中心軸線CLに沿う方向に弾性変形することで、その荷重を弾性的に受け止める。
【0048】
従って、研磨作業者W1は、従来よりも小さな力で両方の腕ARを、研磨作業をするための箇所に位置させ、かつその箇所に保持可能である。研磨作業をするための箇所とは、両方の手HAで把持した被研磨物POを研磨面15aに対し、バフ14の後方から押し当てる箇所である。腕ARに入れる力が小さくてすむ分、腕ARを含む研磨作業者W1の身体の各部が疲労しにくくなる。
【0049】
ここで、コイルばね61の外周囲に配置された筒状体71は、そのコイルばね61の径方向に対する弾性変形を制御する。すなわち、筒状体71は、コイルばね61のうち、受け面56r(図5等参照)と、筒状体71の腕載せ体31側の端面(上端面)との間に位置する部分が、径方向へ弾性変形するのを規制する。これに対し、筒状体71は、コイルばね61のうち、筒状体71と腕載せ体31との間に位置する部分が、径方向へ弾性変形するのを許容する。
【0050】
そのため、腕載せ体31に載せられた腕ARに、前後方向や左右方向に向かう力が入れられると、コイルばね61のうち、筒状体71と腕載せ体31との間に位置する部分が、径方向に弾性変形させられる。これに伴い、腕載せ体31の位置が変化する。
【0051】
さらに、腕支持装置30における種々の調整部を調整することで、腕載せ体31の位置や傾きを調整可能である。例えば、鉛直面に対し受け面56rのなす角度を調整する場合、又は支柱51に対する受け体55の上下方向の取り付け位置を調整する場合、又は両者を調整する場合には、図8に示すボルト74が緩められる。すると、挟み部73bが保持板部57を支柱51側へ押し付ける力が弱まる。この状態で、ボルト58が緩められる。
【0052】
図7に示すように、ボルト58が受け体55、コイルばね61等を伴って、長孔53に沿って上下方向へ移動される。この移動により、コイルばね61及び腕載せ体31の上下方向の位置が変化する。また、ボルト58を中心として、受け体55が回動される。この回動に伴い、コイルばね61、腕載せ体31等が鉛直面に対しなす角度が変化する。これに付随して、コイルばね61、腕載せ体31等の位置も変化する。
【0053】
各腕載せ体31の位置、及び鉛直面に対しなす角度が、立ち姿勢の研磨作業者W1が、両方の手HAで把持した被研磨物POを研磨面15aに押し当てる際に、各腕ARが載せられる位置及び角度になったところで、ボルト58が締め付けられる。
【0054】
この締め付けにより、受け体55の上下方向への移動及びボルト58を中心とした回動がある程度規制される。また、挟み部73bの下端部が保持板部57の上端部に重なるように、調整具73の上下位置と、鉛直面に対しなす角度とが調整される。この状態でボルト74が締め付けられる。すると、保持板部57が挟み部73bによって支柱51に押し付けられる。この押し付けにより、受け体55の上下方向への移動、及びボルト58を中心とした回動が、より一層強く規制される。腕載せ体31は、鉛直面に対しなす角度を所望の角度にされた状態で、所望の位置に保持される。このようにして、鉛直面に対し受け面56rのなす角度と、受け体55の上下方向の取り付け位置とがともに調整される。
【0055】
また、筒状体71の柱本体部66に対する上記交差方向の取り付け位置を調整する場合には、図4に示すように、全部のボルト72が緩められる。ボルト72による筒状体71の柱本体部66に対する締結力が弱まる。ボルト72が筒状体71を伴って、上記交差方向へ移動される。この移動により、中心軸線CLに沿う方向におけるコイルばね61の外周囲のうち、筒状体71が取り囲む箇所が変化する。筒状体71を所望の位置まで移動させたところで、全てのボルト72が締め付けられる。上記締め付けにより、筒状体71が柱本体部66に固定される。複数のボルト72が、互いに上記交差方向に離間しているため、両ボルト72を中心として筒状体71が回転することを規制される。
【0056】
上記のように、交差方向における筒状体71の取り付け位置が調整されると、コイルばね61のうち、筒状体71と腕載せ本体部32との間の部分の径方向への弾性変形可能量が変化する。筒状体71の受け本体部56からの距離の増減に伴い、コイルばね61のうち、径方向へ弾性変形し得る部分が増減する。筒状体71が受け本体部56から遠ざかるに従い、コイルばね61のうち、径方向へ弾性変形し得る部分が少なくなるため、腕載せ体31の可動領域が狭くなる。図10は、筒状体71が受け本体部56に近付けられた場合を示している。コイルばね61のうち、径方向へ弾性変形し得る部分が多くなるため、腕載せ体31の可動領域が広くなる。
【0057】
また、図1及び図3に示すように、支柱51のレール45に対する前後方向の取り付け位置を調整する場合には、長孔48に挿通された全てのボルト52が緩められる。ボルト52による支柱51のレール45に対する締結力が弱まる。ボルト52が支柱51を伴って、長孔48に沿って前後方向へ移動される。この移動により、支柱51の前後方向の位置が変化する。これに伴い、支柱51に取り付けられた部材の前後方向における位置が変化する。支柱51を前後方向における所望の位置まで移動させたところで、全てのボルト52が締め付けられる。この締め付けにより、支柱51がレール45に固定される。複数本のボルト52が、互いに前後方向に離間しているため、ボルト52を中心として支柱51が回転することを規制される。
【0058】
さらに、レール45のレール取り付け部37,41に対する左右方向の取り付け位置を調整する場合には、全てのボルト46が緩められる。すると、ボルト46によるレール45のレール取り付け部37に対する締結力が弱まる。これに加え、ボルト47が緩められると、ボルト47によるレール45のレール取り付け部41に対する締結力が弱まる。
【0059】
全てのボルト46,47がレール45を伴って、長孔38,39に沿って左右方向へ移動される。これらのボルト46,47の移動により、レール45の左右方向の位置が変化する。これに伴い、レール45に取り付けられた部材の左右方向における位置が変化する。レール45を左右方向における所望の位置まで移動させたところで、全てのボルト46,47が、それぞれ対応するナットに対し締め付けられる。これらの締め付けにより、レール45が両レール取り付け部37,41に取り付けられる。
【0060】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)図9に示すように、腕支持装置30が腕載せ部及び支持部を備えている。そのため、腕ARに入れる力が小さくてすみ、腕ARの疲労を軽減できる。また、腕ARの疲労軽減に併せて、腰、背筋、首等、身体の疲労を軽減できる。さらに、腕ARの位置を安定させることができる。また、研磨作業者W1が、背筋や首が曲がった姿勢になるのを抑制できる。表現を変えると、良好な研磨姿勢で研磨作業をし続けることができる。その結果、上記腕ARを含む身体の疲労を一層軽減できる。
【0061】
(1-2)特に、研磨作業者W1が立ち姿勢で研磨作業を行う場合には、座り姿勢で研磨作業をする場合とは異なり、被研磨物POを把持した腕ARを下方から支える部位がない。この点、第1実施形態では、腕載せ部が、立ち姿勢で研磨作業を行う研磨作業者W1が、両方の手HAで把持した被研磨物POをベルト15の研磨面15aに押し当てる際に、両方の腕ARに対し下側に隣接する箇所に位置している。そのため、研磨作業者W1が立ち姿勢で研磨作業を行う際の疲労軽減を図るうえで、腕支持装置30が特に有効である。
【0062】
(1-3)図1に示すように、腕載せ部が一対の腕載せ体31を備え、支持部が一対の支持機構部35を備えている。そのため、左右の腕AR毎に、腕ARの支持位置を異ならせることができる。研磨作業者W1にとって研磨作業がよりしやすいものとなる。
【0063】
(1-4)各支持機構部35が受け体55とコイルばね61とを備えている。そのため、各腕ARを、腕載せ体31を介してコイルばね61によって下方から支え、各腕ARの下方への動きを規制できる。
【0064】
(1-5)また、上記(1-4)の構成により、腕ARの上下方向の動きを、コイルばね61の中心軸線CLに沿う方向の弾性変形によって受け止めることができる。図9に示すように、腕ARを上下方向に変位させながら研磨作業ができ、作業性の向上を図ることができる。
【0065】
また、腕載せ体31に載せられた腕ARに、前後方向や左右方向に向かう力を入れることで、コイルばね61を径方向に弾性変形させることができる。この径方向の弾性変形により、被研磨物POの大きさ、研磨作業者W1の体格等に拘わらず、同被研磨物POの表面を研磨面15aに押し当てるのに適した箇所に手HAを位置させることができる。
【0066】
また、例えば、被研磨物POが大きい場合には、これを動かすのに、腕AR、特に手首WRを大きく動かす。そのときに、コイルばね61を、径方向、例えば、前後方向や左右方向へ弾性変形させることで、手首WRを動かして、被研磨物POのバフ14との接触箇所を変えることができる。
【0067】
(1-6)図5図7に示すように、各支持機構部35が、支柱51、受け面角度調整部A1及び受け体位置調整部A2を備えている。そのため、受け面56rの角度調整、及び受け体55の上下位置調整の少なくとも一方を行う。この調整により、被研磨物POを把持した手HAを、同被研磨物POの大きさ、研磨作業者W1の体格等に拘わらず、同被研磨物POの表面を研磨面15aに押し当てるのに適した箇所に位置させることができる。
【0068】
(1-7)図4に示すように、各支持機構部35が、ガイド柱65、筒状体71及び筒状体位置調整部A3を備えている。そのため、受け面56rに対し交差する交差方向における筒状体71の柱本体部66に対する取り付け位置を調整することで、コイルばね61のうち、筒状体71と腕載せ体31との間の部分を増減できる。これに伴い、コイルばね61のうち、径方向へ弾性変形し得る部分を増減させて、腕載せ体31の可動領域を増減できる。被研磨物POを把持した手HAを、同被研磨物POの大きさ、研磨作業者W1の体格等に拘わらず、同被研磨物POの表面を研磨面15aに押し当てるのに適した箇所に位置させることが容易になる。
【0069】
(1-8)図3に示すように、各支持機構部35が、レール45及び支柱位置調整部A4を備えている。そのため、支柱51のレール45に対する前後方向の取り付け位置を調整できる。この調整により、被研磨物POを把持した手HAを、同被研磨物POの大きさ、研磨作業者W1の体格等に拘わらず、同被研磨物POの表面を研磨面15aに押し当てるのに適した前後方向の箇所に位置させることができる。
【0070】
(1-9)各支持機構部35が、レール取り付け部37,41及びレール位置調整部A5を備えている。そのため、レール45のレール取り付け部37,41に対する左右方向の取り付け位置を調整できる。この調整により、被研磨物POを把持した手HAを、同被研磨物POの大きさ、研磨作業者W1の体格等に拘わらず、同被研磨物POの表面を研磨面15aに押し当てるのに適した左右方向の箇所に位置させることができる。
【0071】
(1-10)レール取り付け部37,41を架台21に対し、ボルト42等により取り外し可能に取り付けている。そのため、腕支持装置30による腕ARの支持が不要な場合には、レール取り付け部37,41において支持機構部35を架台21から取り外すことができる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、腕支持装置の第2実施形態について、図11図15を参照して説明する。
図11に示すように、第2実施形態の腕支持装置80は、腕載せ部及び支持部を備えている。腕載せ部は、両方の腕ARのそれぞれが載せられる一対の腕載せ体81を備えている。支持部は、腕載せ体81毎に設けられた一対の支持機構部82を備えている。各支持機構部82は、複数の部材を連結することによって構成されている。一対の支持機構部82の各構成部材は、左右方向における両腕載せ体81間の中央部に設定された対称面36について、面対称となるように配置されている。これらの点において、第2実施形態は、上述した第1実施形態と共通している。
【0073】
第2実施形態は、腕載せ体81の形状、及び支持機構部82の構成の点で第1実施形態と異なっている。また、第2実施形態は、バフ研磨機10のトレイ16を被取り付け部とし、ここに腕支持装置80が取り付けられている点で、架台21を被取り付け部として、その架台21に取り付けられている第1実施形態と異なっている。
【0074】
第2実施形態における各腕載せ体81は、水平方向に延び、かつ両端が開放された円筒状をなしている。各支持機構部82は、基部83、縦シャフト91、連結部93及び横シャフト102を備えている。
【0075】
[基部83]
図11及び図12に示すように、基部83は、一対の支持機構部82に共通の基部本体84と、支持機構部82毎に設けられた基台部87とを備えている。基部本体84は、複数の部材を連結することによって、左右方向に細長い形状に形成されている。基部本体84は、左右方向に延び、かつ下端が開放された溝部85を有している。そして、溝部85に対し、トレイ16の後壁部16rが下方から挿入されている。さらに、T字状をなすレバー86の先端部に形成された押しねじ部86aが、基部本体84に対し後方からねじ込まれている。この押しねじ部86aが溝部85内に入り込み、後壁部16rを、基部本体84のうち、溝部85よりも前側部分に押し付けている。このようにして、基部本体84が、被取り付け部としてのバフ研磨機10に対し、取り外し可能に取り付けられている。
【0076】
図11図13及び図14に示すように、各基台部87は直方体状をなし、かつ基部本体84のうち、腕載せ体81を挟んで、バフ14とは反対側の端部上に対し、ボルト88によって締結されている。各基台部87には、上下方向へ延びる縦孔89が貫通されている。ここで、各支持機構部82の各部を特定するために、第1実施形態と同様に、左右方向のうち、バフ14に近い側を「内」、「内側」等といい、バフ14から遠い側を「外」、「外側」等というものとする。各基台部87には、上下方向及び左右方向へ延びて、同左右方向における基台部87の外面87e及び縦孔89を連通させる縦スリット90が形成されている。各基台部87の縦孔89と外面87eとの間であって、縦スリット90の前後両側には、一対の弾性片部87a,87bが形成されている。
【0077】
[縦シャフト91]
縦シャフト91は、上下方向へ延び、かつ上記縦孔89に対し、上下方向への移動可能に挿通されている。縦シャフト91を基台部87に締結するためにレバー92が用いられている。レバー92は、前後方向に延びるねじ部92aを有している。このねじ部92aが、一方の弾性片部87aに対しては挿通され、かつ他方の弾性片部87bに対してはねじ込まれている。ねじ部92aの締め付けにより、両弾性片部87a,87bが互いに接近するように弾性変形させられている。これに伴い、縦孔89が縮径されて、縦シャフト91が基台部87に締結されている。
【0078】
[連結部93]
図13及び図14に示すように、連結部93は直方体状をなし、かつ縦シャフト91の上端部に取り付けられている。より詳しくは、連結部93には、上下方向へ延びる縦孔94が貫通されている。連結部93には、上下方向と、縦孔94の径方向とへ延びて、同連結部93の前面93f及び縦孔94を連通させる縦スリット95が形成されている。連結部93の縦孔94及び前面93fの間の部分であって、縦スリット95の両側には、一対の弾性片部93a,93bが形成されている。水平方向に延びるボルト97が、連結部93における一方の弾性片部93aに対しては挿通され、かつ他方の弾性片部93bに対してはねじ込まれている。ボルト97の締め付けにより、両弾性片部93a,93bが互いに接近するように弾性変形させられている。これに伴い、縦孔94が縮径されて、連結部93が縦シャフト91に締結されている。両弾性片部93a,93bは、ボルト97が緩められることにより、弾性復元される。両弾性片部93a,93bの縦シャフト91に対する締結力が弱まり、縦シャフト91を中心として、連結部93を回動させることが可能となる。
【0079】
連結部93において、縦孔94よりも後方部分には、水平方向に延びる横孔98が貫通されている。連結部93には、水平方向へ延びて、同連結部93の後面93r及び横孔98を連通させる横スリット99が形成されている。連結部93の横孔98及び後面93rの間の部分であって、横スリット99の上下両側には、一対の弾性片部93c,93dが形成されている。
【0080】
[横シャフト102]
横シャフト102は、水平方向へ延び、かつ連結部93の横孔98に対し、水平方向への移動可能に挿通されている。上下方向に延びるボルト103が、連結部93における一方の弾性片部93cに対しては挿通され、かつ他方の弾性片部93dに対してはねじ込まれている。ボルト103の締め付けにより、両弾性片部93c,93dが互いに接近するように弾性変形させられている。これに伴い横孔98が縮径されて、横シャフト102が連結部93に締結されている。このようにして、横シャフト102は、連結部93を介して縦シャフト91に取り付けられている。図11に示すように、腕載せ体81は、横シャフト102に対し、被せられた状態で取り付けられている。
【0081】
図13及び図14に示すように、第2実施形態の腕支持装置80は、さらに種々の調整部として、横シャフト位置調整部B1、横シャフト角度調整部B2及び縦シャフト位置調整部B3を備えている。これらの調整部を調整することで、腕載せ体81の位置や傾きを調整可能である。
【0082】
[横シャフト位置調整部B1]
横シャフト位置調整部B1は、連結部93に対する横シャフト102の長さ方向の取り付け位置を調整するために、連結部93及び横シャフト102の間に設けられている。横シャフト位置調整部B1は、上述した連結部93における横孔98、横スリット99、一対の弾性片部93c,93d及びボルト103によって構成されている。
【0083】
[横シャフト角度調整部B2]
横シャフト角度調整部B2は、左右方向に対し横シャフト102がなす角度を調整するために、縦シャフト91及び連結部93の間に設けられている。横シャフト角度調整部B2は、上述した連結部93における縦孔94、縦スリット95、一対の弾性片部93a,93b及びボルト97によって構成されている。
【0084】
[縦シャフト位置調整部B3]
縦シャフト位置調整部B3は、基部83に対する縦シャフト91の上下方向の取り付け位置を調整するために、基台部87及び縦シャフト91の間に設けられている。縦シャフト位置調整部B3は、上述した基台部87における縦孔89、縦スリット90、一対の弾性片部87a,87bにより構成されるとともに、ねじ部92aを有するレバー92により構成されている。
【0085】
なお、第2実施形態において、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
次に、上記のように構成された第2実施形態の作用について説明する。
【0086】
図15に示すように、被研磨物POの表面の研磨に際し、立ち姿勢の研磨作業者W1は、両方の手HAで把持した被研磨物POを、バフ14の回転に伴い周回移動するベルト15の研磨面15aに対し、バフ14の後方から押し当てる。この際、研磨作業者W1の両方の腕ARの下方に、それぞれ腕載せ体81が位置する。研磨作業者W1の両方の腕ARが、それぞれ対応する腕載せ体81に載せられる。各腕ARの荷重は、腕載せ体81に作用する。腕載せ体81は、支持機構部82における横シャフト102、連結部93及び縦シャフト91によって支えられている。縦シャフト91は、基部83を介してバフ研磨機10のトレイ16に取り付けられている。
【0087】
そのため、上記のように、各腕載せ体81に作用する腕ARの荷重は、横シャフト102、連結部93及び縦シャフト91、基部83を介して、トレイ16においてバフ研磨機10に伝達されて、受け止められる。この場合には、腕ARは、腕載せ体81を介して横シャフト102によって水平方向から支えられる。そして、腕ARの下方への動きは、腕載せ体81、支持機構部82の各部及びバフ研磨機10によって規制される。
【0088】
従って、研磨作業者W1は、従来よりも小さな力で、両方の腕ARを、両方の手HAで把持した被研磨物POを研磨面15aに対し、バフ14の後方から押し当てるための箇所に位置させ、かつその位置に保持可能である。腕ARに入れる力が小さくてすむ分、腕ARを含む研磨作業者W1の身体の各部が疲労しにくくなる。
【0089】
さらに、腕支持装置30における種々の調整部を調整することで、腕載せ体81の位置や傾きを調整可能である。例えば、図13に示すボルト103が緩められることにより、両弾性片部93c,93dが、互いに遠ざかる側へ弾性復元される。両弾性片部93c,93dの横シャフト102に対する締結力が弱まるため、同横シャフト102を横孔98に沿う方向へスライド移動させることが可能となる。スライド移動の後に、ボルト103が締められることにより、両弾性片部93c,93dが、互いに近づく側へ弾性変形される。両弾性片部93c,93dの横シャフト102に対する締結力が強まるため、横シャフト102の横孔98に沿う方向へのスライド移動が規制される。このようにして、連結部93に対する横シャフト102の長さ方向の取り付け位置が調整される。
【0090】
また、図14に示すボルト97が緩められる。すると、両弾性片部93a,93bが、互いに遠ざかる側へ弾性復元される。両弾性片部93a,93bの縦シャフト91に対する締結力が弱まる。そのため、同図14において二点鎖線で示すように、縦シャフト91を中心として、連結部93及び横シャフト102を回動させることが可能となる。回動の後に、ボルト97が締められることにより、両弾性片部93a,93bが、互いに近づく側へ弾性変形される。両弾性片部93a,93bの縦シャフト91に対する締結力が強まる。そのため、縦シャフト91を中心とする連結部93及び横シャフト102の回動が規制される。このようにして、左右方向に対し横シャフト102がなす角度が調整される。
【0091】
さらに、図13に示すレバー92が回動操作されて、ねじ部92aが緩められる。すると、両弾性片部87a,87bが、互いに遠ざかる側へ弾性復元され、両弾性片部87a,87bの縦シャフト91に対する締結力が弱まる。そのため、図11において二点鎖線で示すように、縦シャフト91は、連結部93、横シャフト102及び腕載せ体81を伴って、上下方向へスライド移動することが可能となる。スライド移動の後に、レバー92が回動操作されて、ねじ部92aが締められることにより、両弾性片部87a,87bが、互いに近づく側へ弾性変形される。両弾性片部87a,87bの縦シャフト91に対する締結力が強まるため、同縦シャフト91の上下方向へのスライド移動が規制される。このようにして、基部83(基台部87)に対する縦シャフト91の上下方向の取り付け位置が調整される。
【0092】
次に、第2実施形態の効果について説明する。
(2-1)図11に示すように、腕支持装置80が腕載せ部及び支持部を備えている。腕載せ部が一対の腕載せ体81を備えている。支持部が、バフ研磨機10(トレイ16)に取り付けられる一対の支持機構部82を備えている。各支持機構部82が、基部83、縦シャフト91、連結部93及び横シャフト102を備えている。各腕載せ体81を、横シャフト102に取り付けている。各腕載せ体81を、立ち姿勢で研磨作業を行う研磨作業者W1が、両方の手HAで把持した被研磨物POを研磨面15aに押し当てる際に、両方の腕ARが載せられる箇所に位置させている。
【0093】
そのため、第1実施形態の(1-1)~(1-3)と同様の効果を得ることができる。また、(1-4)に対応する効果として、各腕ARの下方への動きを、腕載せ体81、支持機構部82の各部及びバフ研磨機10によって規制できる。
【0094】
(2-2)図13及び図14に示すように、各支持機構部82が、横シャフト位置調整部B1を備えている。そのため、横シャフト102の長さ方向における連結部93に対する取り付け位置を調整することで、同方向における腕載せ体81の位置を調整できる。被研磨物POを把持した手HAを、同被研磨物POの大きさ、研磨作業者W1の体格等に拘わらず、同被研磨物POの表面を研磨面15aに対し、バフ14の後方から押し当てるのに適した水平方向の箇所に位置させることができる。
【0095】
(2-3)各支持機構部82が、横シャフト角度調整部B2を備えている。そのため、左右方向に対し、横シャフト102及び腕載せ体81がなす角度を調整できる。被研磨物POを把持した手HAを、同被研磨物POの大きさ、研磨作業者W1の体格等に拘わらず、同被研磨物POの表面を研磨面15aに対し、バフ14の後方から押し当てるのに適した箇所に位置させることができる。
【0096】
(2-4)図13に示すように、各支持機構部82が、縦シャフト位置調整部B3を備えている。そのため、基部83(基台部87)に対する縦シャフト91の上下方向の取り付け位置を調整することで、腕載せ体81の上下位置を調整できる。被研磨物POを把持した手HAを、同被研磨物POの大きさ、研磨作業者W1の体格等に拘わらず、同被研磨物POの表面を研磨面15aに対し、バフ14の後方から押し当てるのに適した上下方向の箇所に位置させることができる。
【0097】
(2-5)コイルばね61を用いた第1実施形態とは異なり、支持機構部82は、大きく撓む構成部材を備えていない。研磨作業中に研磨作業者W1が腕ARに力を入れて腕載せ体81の位置を、前後方向や左右方向へ変更することが難しい。そのため、第2実施形態の腕支持装置80は、第1実施形態よりも小さな被研磨物POを研磨するのに適している。
【0098】
(2-6)各支持機構部82をバフ研磨機10のトレイ16に対し取り外し可能に取り付けている。そのため、第1実施形態における(1-10)と同様、腕支持装置80による腕ARの支持が不要な場合に、両支持機構部82をバフ研磨機10から取り外すことができる。
【0099】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変更例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0100】
<第1及び第2実施形態に共通する事項>
・腕載せ部として、両方の腕ARを載せることのできる単一の腕載せ体が用いられてもよい。この場合、支持部が単一の支持機構部35,82によって構成されてもよい。
【0101】
・バフ研磨が行われる工場等が、バフ研磨機10を複数有している場合には、腕支持装置30,80が、互いに異なるバフ研磨機10に取り付けられてもよい。そして、被研磨物POの大きさ等に応じて、研磨作業に使用するバフ研磨機10と腕支持装置30,80との組み合わせが切り替えられてもよい。例えば、小さい被研磨物POを研磨する際には、腕支持装置80の取り付けられたバフ研磨機10が用いられる。大きな被研磨物POを研磨する際には、腕支持装置30の取り付けられたバフ研磨機10が用いられてもよい。
【0102】
これに対し、上記工場等がバフ研磨機10を1つのみ有している場合には、被研磨物POの大きさ等に応じて、腕支持装置30,80が選択的にバフ研磨機10に取り付けられてもよい。
【0103】
なお、上記工場等がバフ研磨機10及び架台21の組み合わせを複数、又は1つのみ有していて、腕支持装置30,80が架台21に取り付けられる場合にも、上記バフ研磨機10に取り付けられる場合と同様の変更が可能である。この場合、腕支持装置30,80の取り付け対象が、バフ研磨機10から架台21に変更されるのみである。
【0104】
・腕支持装置30,80は、研磨作業者W1が立ち姿勢で研磨作業をする際に用いられると、上述したように、特に大きな効果が得られる。しかし、腕支持装置30,80は、研磨作業者W1が座り姿勢で研磨作業を行う場合に用いられてもよい。この場合であっても、研磨作業者W1の疲労を軽減する効果を得ることができる。
【0105】
・バフ研磨機10からベルト15が取り外され、バフ14の研磨面14aに対し被研磨物POが押し当てられることにより、バフ研磨が行われてもよい。この場合、被研磨物POの押し当てられる箇所が、ベルト15の研磨面15aからバフ14の研磨面14aに変わるが、両方の腕ARが腕支持装置30,80によって支持される。そのため、第1及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0106】
<第1実施形態に関する事項>
・腕支持装置30は、架台21の構成部材であることを条件に、第1実施形態とは異なる構成部材に取り付けられてもよい。
【0107】
・腕支持装置30は、バフ研磨機10の周囲の設備であって、架台21とは異なる設備に取り付けられてもよい。また、腕支持装置30は、バフ研磨機10と、バフ研磨機10の周囲の設備(架台21を含む)とに対し、両者に跨がった状態で取り付けられてもよい。腕支持装置30は、バフ研磨機10に取り付けられる場合、トレイ16に取り付けられてもよいし、トレイ16とは異なる箇所に取り付けられてもよい。
【0108】
・受け面角度調整部A1、受け体位置調整部A2、筒状体位置調整部A3、支柱位置調整部A4及びレール位置調整部A5の少なくとも1つが省略されてもよい。
<第2実施形態に関する事項>
・腕載せ体81のうち、少なくとも腕ARが載せられる箇所が、ゴム、スポンジ等の弾性材料によって形成されてもよい。
【0109】
・腕載せ体81は、円筒とは異なる筒状に形成されてもよいし、筒状とは異なる形状に形成されてもよい。筒状となる異なる形状としては、腕ARが載せられる面が平面によって構成される形状、例えば平板状、直方体状等であってもよい。この場合、腕載せ体81は、横シャフト102の軸線の周りを回転できるように、横シャフト102に取り付けられてもよい。この変更例によると、研磨作業時に上記回転により、腕載せ体81の傾きを変えることで、被研磨物POを動かして研磨面14a,15aとの接触部分を変える作業がしやすくなるメリットがある。
【0110】
・縦シャフト91が基部83に対し、上下方向への移動を規制された状態で取り付けられてもよい。この場合には、縦シャフト91に対し連結部93が上下方向へスライドされることで、横シャフト102の上下位置が調整されてもよい。
【0111】
・腕支持装置80は、バフ研磨機10に代えて、同バフ研磨機10の周囲の設備(架台21を含む)に取り付けられてもよい。また、腕支持装置80は、バフ研磨機10と、バフ研磨機10の周囲の設備(架台21を含む)と対し、両者に跨がった状態で取り付けられてもよい。
【0112】
・横シャフト位置調整部B1、横シャフト角度調整部B2及び縦シャフト位置調整部B3の少なくとも1つが省略されてもよい。
【符号の説明】
【0113】
10…バフ研磨機(被取り付け部)
14…バフ
14a,15a…研磨面
15…ベルト
21…架台(周囲の設備、被取り付け部)
30,80…腕支持装置
31,81…腕載せ体(腕載せ部)
35,82…支持機構部(支持部)
55…受け体
56r…受け面
61…コイルばね
65…ガイド柱
66…柱本体部
71…筒状体
83…基部
91…縦シャフト
93…連結部
102…横シャフト
A1…受け面角度調整部
A3…筒状体位置調整部
AR…腕
B2…横シャフト角度調整部
B3…縦シャフト位置調整部
CL…中心軸線
HA…手
PO…被研磨物
W1…研磨作業者
【要約】
【課題】研磨作業者の腕の疲労を軽減する。
【解決手段】腕支持装置30は、被研磨物POの表面の研磨に際し、バフ研磨機10における円板状のバフ14の回転に伴い周回移動する無端状のベルト15の外周の研磨面15aに被研磨物POが押し当てられるときに用いられる。腕支持装置30は、腕載せ部としての一対の腕載せ体31と、支持部としての一対の支持機構部35とを備える。各腕載せ体31は、立ち姿勢の研磨作業者W1が、両方の手HAで把持した被研磨物POを、研磨面15aに押し当てる際に、各腕ARが載せられる箇所である。各支持機構部35は、バフ研磨機10の下側に配置される架台を被取り付け部として、同架台に取り付けられるとともに、上記腕載せ体31を支持する。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15