(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】睡眠呼吸障害を治療するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A61N1/36
(21)【出願番号】P 2021553159
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(86)【国際出願番号】 US2020021359
(87)【国際公開番号】W WO2020185549
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-11-09
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501271033
【氏名又は名称】バンダービルト・ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】VANDERBILT UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】ケント,デイビッド
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-504467(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0018547(US,A1)
【文献】米国特許第07650189(US,B1)
【文献】米国特許第05591216(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0022626(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0153953(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠呼吸障害を改善するための治療送達システムであって、
頚神経ワナを刺激して胸骨甲状筋を活性化するために、
前記胸骨甲状筋を神経支配する神経を活性化可能な場所に配置されて前記頚神経ワナに近接する標的部位に電気信号を送達するように構成される少なくとも1つの電極と、
前記少なくとも1つの電極に電気的に通信する電源と、
前記少なくとも1つの電極に電気的に通信するコントローラと、
電気信号が標的部位に送達されることをガイドして頚神経ワナを刺激して胸骨甲状筋を活性化することで前記睡眠呼吸障害を改善する、前記コントローラによって実行される実行可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含むメモリとを備える治療送達システム。
【請求項2】
請求項1に記載の治療送達システムであって、
前記少なくとも1つの電極は、前記頚神経ワナを刺激して胸骨舌骨筋を活性化するために、
前記胸骨舌骨筋を神経支配する神経を活性化可能な場所に配置されて前記頚神経ワナに近接する標的部位に電気信号を送達するように構成され、かつ、
前記実行可能な命令は、前記頚神経ワナを刺激して前記胸骨舌骨筋を活性化するために、前記電気信号が前記標的部位に送達されることをガイドする命令を含むことを特徴とする治療送達システム。
【請求項3】
請求項1に記載の治療送達システムであって、
前記少なくとも1つの電極は、前記頚神経ワナを刺激して肩甲舌骨筋を活性化するために、
前記肩甲舌骨筋を神経支配する神経を活性化可能な場所に配置されて前記頚神経ワナに近接する標的部位に電気信号を送達するように構成され、かつ、
前記実行可能な命令は、前記頚神経ワナを刺激して肩甲舌骨筋を活性化するために、前記電気信号が前記標的部位に送達されることをガイドする命令を含むことを特徴とする治療送達システム。
【請求項4】
請求項2に記載の治療送達システムであって、
前記少なくとも1つの電極は、前記頚神経ワナを刺激して肩甲舌骨筋を活性化するために、
前記肩甲舌骨筋を神経支配する神経を活性化可能な場所に配置されて前記頚神経ワナに近接する標的部位に電気信号を送達するように構成され、かつ、
前記実行可能な命令は、前記頚神経ワナを刺激して肩甲舌骨筋を活性化するために、前記電気信号が前記標的部位に送達されることをガイドする命令を含むことを特徴とする治療送達システム。
【請求項5】
請求項1に記載の治療送達システムであって、
前記少なくとも1つの電極は、舌下神経を刺激してオトガイ舌筋を活性化するために、
前記オトガイ舌筋を神経支配する神経を活性化可能な場所に配置されて前記舌下神経に近接する標的部位に電気信号を送達するように構成され、かつ、
前記実行可能な命令は、オトガイ舌筋を活性化するために、前記電気信号が舌下神経に送達されることをガイドする命令を含むことを特徴とする治療送達システム。
【請求項6】
請求項1に記載の治療送達システムであって、
前記少なくとも1つの電極は、複数の電極であることを特徴とする治療送達システム。
【請求項7】
請求項1に記載の治療送達システムであって、
前記睡眠呼吸障害の開始を示す生理学的パラメータを感知するように構成されるセンサをさらに備えることを特徴とする治療送達システム。
【請求項8】
請求項1に記載の治療送達システムであって、
前記睡眠呼吸障害の度合い及び/又は存在を示す生理学的パラメータを感知するように構成されるセンサをさらに備えることを特徴とする治療送達システム。
【請求項9】
請求項8に記載の治療送達システムであって、
前記実行可能な命令は、感知された生理学的パラメータに応答して前記少なくとも1つの電極を作動させることで前記睡眠呼吸障害を改善する命令を含むことを特徴とする治療送達システム。
【請求項10】
請求項9に記載の治療送達システムであって、
感知された生理学的パラメータは、呼吸状態であることを特徴とする治療送達システム。
【請求項11】
請求項10に記載の治療送達システムであって、
前記呼吸状態は、吸気であることを特徴とする治療送達システム。
【請求項12】
請求項10に記載の治療送達システムであって、
前記呼吸状態は、呼気であることを特徴とする治療送達システム。
【請求項13】
請求項8に記載の治療送達システムであって、
感知された生理学的パラメータは、睡眠及び/又は覚醒状態、睡眠段階、患者の睡眠の開始及び/又は終了又はそれらの組み合わせであることを特徴とする治療送達システム。
【請求項14】
請求項8に記載の治療送達システムであって、
前記センサは、患者の睡眠状態を検出するように構成され、かつ、前記実行可能な命令は、前記患者の睡眠状態が自動的に検出された後、前記電気信号のデューティ比を調整する命令を含むことを特徴とする治療送達システム。
【請求項15】
請求項1に記載の治療送達システムであって、
前記電源は、前記少なくとも1つの電極の外部にあることを特徴とする治療送達システム。
【請求項16】
請求項1に記載の治療送達システムであって、
前記コントローラの操作を制御するために前記コントローラと通信するように構成される患者プログラミングデバイス及び/又は医師プログラミングデバイスをさらに備えることを特徴とする治療送達システム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本願は、2019年5月6日に出願された米国仮出願第62/843,641号及び2019年3月8日に出願された米国仮出願第62/815,393号の優先権を主張し、これらの2つの出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本公開は、神経調節を介して舌骨下帯状筋を活性化することにより睡眠呼吸障害を治療するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
睡眠呼吸障害(SDB)は、一晩中何度も起こる呼吸の部分的又は完全な停止があるときに起こる。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、呼吸努力の存在下での気流の停止又は大幅な減少を伴うSDBの1種である。OSAは、最も一般的なタイプのSDBであり、睡眠中に上気道萎縮が繰り返して発症し、これが、呼吸が繰り返して停止した後、血中酸素飽和度又は神経学的覚醒が低下することを引き起こすことを特徴とする。OSAの病態生理学には、頭蓋面解剖学的構造、気道萎縮及び上気道拡張筋システムの神経筋制御などの要因が関係する可能性がある。筋電図の研究では、咽頭気道拡張筋(オトガイ舌筋など)の強直性および相性の活動が覚醒から眼球の非高速運動、高速運動へと徐々に低下することが示されている。
【0004】
持続陽圧通気(CPAP)療法は、OSAの最前線の治療である。CPAP療法、通常OSA患者の気道を継続的に開いた状態に保つために、一定の空気圧の流れを搬送するように設計されたフロージェネレーター、チューブ及びマスクを含む機器をを利用する。ただし、CPAP療法の成功は、コンプライアンスに制限され、報告された比率範囲は50%から70%である。舌下神経刺激(HNS)は、気道陽圧通気に耐えられない閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者に対する効果的な療法として確立されている。この療法は、舌の筋肉を突出させて硬化させることで、咽頭気道を拡張して機能する。しかし、ごく一部のOSA患者は舌下神経刺激療法に適する解剖学的構造を持ち、多くの患者は舌下神経筋システムの刺激下でも気道萎縮を受け続けるためである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本公開は、神経調節を介して舌骨下帯状筋を活性化することでSDBを患っている患者のSDBを治療するための方法及びシステムに関する。一態様では、SDBを患っている患者のSDBを改善するための方法は、胸骨甲状筋(sternothyroid muscle)を神経支配する頚神経ワナに近接する標的部位に神経調節信号を送達し、胸骨甲状筋を活性化して患者のSDBを改善することを含む。別の態様では、SDBを患っている患者のSDBを改善するための方法は、胸骨甲状筋を神経支配する頚神経ワナに近接する標的部位に神経調節信号を送達して胸骨甲状筋を活性化することを含む。この方法は、さらに、舌下神経(HGN)に近接する標的部位に神経調節信号を送達してオトガイ舌筋を活性化することを含む。神経調節信号の送達により、患者のSDBを改善することができる。本公開の態様は、さらに、胸骨舌骨筋(sternohyroid muscle)を神経支配する頚神経ワナに近接する標的部位に神経調節信号を送達して胸骨舌骨筋を活性化することで、患者のSDBを改善することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】SDBを患っている患者のSDBを改善する方法の例示的なステップを示すフローチャートである。
【
図2】本開示の一態様による神経調節のための例示的な標的部位の概略図である。
【
図3】本開示の一態様による神経調節のための例示的な標的部位の概略図である。
【
図4】本開示の一態様によるSDBを患っている患者のSDBを改善する方法の例示的なステップを示すフローチャートである。
【
図5】本開示の一態様による神経調節システムの例示的な構成要素を示すブロック図である。
【
図6】本開示の一態様による神経調節器の例示的な構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本公開は、1つ又は複数の舌骨下帯状筋を活性化することでSDBを改善するためのシステム及び方法に関する。SDBの非限定的な例は、上気道の抵抗を増加することであり、いびき、上気道抵抗症候群(UARS)、及び睡眠時無呼吸を含む。睡眠時無呼吸は、OSA、中枢性睡眠時無呼吸(CSA)及び混合性睡眠時無呼吸を含み得る。記載された要素に関して本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、用語「1つ/1種」及び「当該」は、記載された要素のうちの少なくとも1つ又は複数を含む。さらに、特に明記しない限り、用語「又は」及び「及び」は、「及び/又は」及びそれらの組み合わせを指す。患者のSDBの「改善」への言及には、SDBの、SDBの症状の軽減、SDBの緩和又はSDBの予防が含まれる。特定の側面では、患者のSDBを改善する方法は、本質的に反作用的ではなく、予防的である。換言すると、特定の側面に従って患者のSDBを改善する方法には、例えば無呼吸又は低呼吸のイベントを検知してそのような検知されたイベントに応答することではなく、SDBを予防することが含まれる。SDBを予防することにより、治療方法は、文書化されたイベントに応答するのではなく、気道萎縮の可能性を減らすことができる。本明細書で使用される場合、「神経調節(neuromodulation、 neuromodulate)」、「神経刺激(neurostimulation、neurostimulate)」又は「刺激(stimulation、stimulate)」とは、神経の活性を刺激又は抑制することを指す。SDBを患っている患者には、人間などの哺乳類が含まれる。
【0008】
本公開は、1つ又は複数の舌骨下帯状筋を活性化することにより、SDBを患っている患者のSDBを治療する方法及びシステムを提供する。1つ又は複数の舌骨下筋の活性化は、頚神経ワナの上根及び下根のうちの1つ又は2つを含む頚神経ワナを、単独で又はHGNの刺激と組み合わせて刺激することで実現することができる。刺激は電気刺激であってもよい。さらに、刺激は、これらの神経の片側刺激及び両側刺激を含む。特定の作用メカニズムに規制されることが望ましくないが、舌骨下筋の活性化(例えば、これらの筋肉の引き締め)は、上気道のコンプライアンス(例えば、上気道を硬化させる)を低下させることができると考えられる。上気道のコンプライアンスは、気道萎縮の可能性を示し、SDBの治療に関連する。以下に説明するように、舌骨下筋は、胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、肩甲舌骨筋及び甲状舌骨筋を含む。一態様では、本公開は、これらの筋肉のうちの1つ又は複数を、単独で、又はオトガイ舌筋の活性化と組み合わせて活性化する方法を提供する。オトガイ舌筋の活性化は、舌下神経(HGN)を神経調節することにより実現することができる。
【0009】
図1を参照すると、一態様では、SDBを患っている患者のSDBを治療する方法(100)は、胸骨甲状筋を神経支配する頚神経ワナに近接する標的部位(102)に神経調節信号を送達することを含む。標的部位は、神経調節信号を送達することで、頚神経ワナの運動繊維を活性化するように、頚神経ワナに近接し得る。方法100は、さらに、胸骨甲状筋(104)を活性化することを含む。方法(100)は、さらに、神経調節信号を送達することにより、患者のSDB(106)を改善することを含む。
【0010】
図2乃至
図3を参照すると、舌骨下帯状筋は、可変的に頚神経ワナの上根及び下根の両方からの神経繊維の寄与によって神経支配されることが可能である。なお、
図2は、全体として頚神経ワナのほとんど(全てではなければ)の基地の分岐パターンを例示するが、単一の患者にこれらの分岐パターンの全てを有する実際の解剖学的変形が存在しない可能性がある。正常な解剖学的変形は、胸骨甲状筋39に対する所望の刺激を実現するように、異なる患者において1つ又は複数の異なる標的部位の使用を必要とする可能性がある。いくつかの態様で、
図2を参照すると、神経調節信号は、頚神経ワナ33に近接する標的部位に送達され、当該頚神経ワナは、胸骨舌骨筋37の一部又は全部を活性化するように、胸骨舌骨筋37aの上腹及び/又は胸骨舌骨筋37bの下腹を神経支配する。例えば、例示的な標的部位は、胸骨舌骨筋37及び胸骨舌骨筋39が活性化されるように、胸骨舌骨筋37を神経支配する頚神経ワナ27の上根の分岐点43に近接し、又は位置することが可能な標的部位Aを含む。いくつかの態様では、頚神経ワナ27の上根に近接する標的部位Aに神経調節信号を送達することにより、肩甲舌骨筋41(aとb)の一部又は全部を活性化することができる。標的部位が頚神経ワナの上根27から離れるが、分岐点1000を含まない場合(例えば、部位Gに配置される)、神経調節信号は、胸骨舌骨筋37及び/又は肩甲舌骨筋41のみを活性化することができ、胸骨舌骨筋37及び/又は肩甲舌骨筋41とともに胸骨甲状筋39を活性化する必要がない。特定の作用メカニズムに規制されることが望ましくないが、少なくとも胸骨甲状筋39(胸骨甲状筋39、胸骨舌骨筋37及び肩甲舌骨筋41を含む)の活性化により、患者の上気道を硬化させ、患者のSDBを改善することができる。
【0011】
いくつかの態様では、神経調節信号は、頚神経ワナ(例えば、頚神経ワナの下根35に近接する)に近接する標的部位Bに送達され、当該頚神経ワナは、神経支配される1つ又は複数の筋肉を活性化するように、胸骨甲状筋39、胸骨舌骨筋37及び肩甲舌骨筋41も神経支配する。いくつかの態様では、神経調節信号は、頚神経ワナの上根27及び下根35からの神経分岐を刺激するように、頚神経ワナ31に近接する標的部位A及びBに同時に送達することができ、ただし、頚神経ワナは、胸骨甲状筋39及び胸骨舌骨筋37と肩甲舌骨筋41を神経支配する。いくつかの態様では、標的部位E(例えば、頚神経ワナ33のループによって生じる1つ又は複数の共通幹神経1000の分岐点に近接又は位置し、当該ループは、上根27及び下根35からの神経繊維を組み合わせて少なくとも胸骨甲状筋39を供給し、可変的に胸骨舌骨筋37及び肩甲舌骨筋41を供給する)に神経調節信号を送達することにより、少なくとも胸骨甲状筋39を活性化し、また、いくつかの態様では、胸骨舌骨筋37を活性化し、また、いくつかの態様では、肩甲舌骨筋41を活性化することができる。いくつかの態様では、標的部位F(例えば、共通幹1001からの1つ又は複数の胸骨甲状筋神経の分岐点に近接又は位置する)に神経調節信号を送達することにより、胸骨甲状筋39を活性化することができる。胸骨甲状筋へ分岐は、単一の神経繊維又は一緒に進行するいくつかの緊密に位置する神経繊維であってもよい。なお、上述した標的部位は、単なる例示であり、治療装置(1つ又は複数の電極など)は、その分岐を含む頚神経ワナの他の部分に配置することができる。いくつかの態様では、頚神経ワナ及びHGNに異なる刺激強度又はタイミングを提供するために、別個の治療装置(電極など)が必要とされると考えられるため、神経調節信号は、分岐点43に近接するHGNに送達されない。他の態様では、HGNは、筋肉の分岐を茎突舌骨筋及び/又は舌骨舌肌まで後移動する分岐点の近位又は遠位で刺激されることができる。さらに、刺激は、上記の部位及び分岐の任意の組み合わせにかかることが可能である。例えば、標的部位Eの場合、治療装置(1つ又は複数の電極など)は、刺激が胸骨甲状筋/胸骨舌骨筋繊維のみを捕捉するように、、肩甲舌骨筋の分岐の近位又は遠位に配置することができる。別の例として、標的部位Fの場合、1つ又は複数のカフ(cuff)電極は、胸骨甲状筋を神経支配する単一又は複数の繊維を取り囲むことができる。
【0012】
図4を参照すると、別の態様では、SDBを患っている患者のSDBを改善するための方法(200)は、少なくとも胸骨甲状筋を神経支配する頚神経ワナに近接する標的部位(202)に神経調節信号を送達することを含む。方法200は、さらに、胸骨甲状筋(204)を活性化することを含む。いくつかの態様では、胸骨舌骨筋を活性化するように、神経調節信号は、胸骨舌骨筋も神経支配されるようにする頚神経ワナに近接する標的部位にも送達される。方法(200)は、さらに、少なくともオトガイ舌筋を神経支配するHGNに近接する標的部位(206)に神経調節信号を送達することを含む。標的部位は、神経調節信号を送達することでHGNの運動繊維を活性化するように、HGNに近接することが可能である。方法200は、さらに、オトガイ舌筋(208)を活性化することを含む。方法(200)は、さらに、神経調節信号を送達することにより、患者の睡眠呼吸障害(210)を改善することを含む。特定の作用メカニズムに規制されることが望ましくないが、少なくとも胸骨甲状筋の活性化は、患者の上気道を硬化させることができ、また、少なくともオトガイ舌筋の活性化は、舌を前方に動かし、患者の上気道を拡張/強化することができ、患者のSDBを改善することが考えられる。
【0013】
電気的な神経調節信号などの神経調節信号を送達することは、1つ又は複数の治療装置(電極/電気接点/神経刺激装置など)を、1つ又は複数の舌骨下帯状筋を神経支配する標的部位に近接するように配置することにより、実現することができる。電極などの治療装置は、例えば経皮的、経皮膚的、皮下、筋肉内、管腔内、経血管的、血管内又は直接開放外科的移植を介することなど、様々な異なる方法で標的部位に近接して配置することができる。電極は、また、例えば注射可能な微小刺激装置、神経カフ電極、又は経皮パッチなどの異なるフォームファクタを有することができる。
【0014】
電極又は神経刺激装置は、同じ又は異なる標的部位に配置することができる。例えば、標的部位が頚神経ワナの上根及び頚神経ワナの下根を含む場合、別個の神経カフ電極を各根に配置することができ、ただし、各神経カフ電極は、それ自身の陰極及び陽極を有するが、同一のパルス発生器に接続され、或いは、別個の神経カフ電極は、同一のパルス発生器に接続されるが、一方の神経カフ電極が陰極として用いられ、他方が陽極として用いられ、生成された電界は、両方の根を捕捉する。特定の実施例では、頚神経ワナを刺激するように構成される治療装置(1つ又は複数の電極など)は、舌下神経を刺激するように構成される治療装置(電極など)と組み合わせることが可能である。さらに代替的に、頚神経ワナを刺激するように構成される治療装置(1つ又は複数の電極など)は、舌下神経を刺激する装置と離間する装置の一部であり得る。電極は、同一の単一パルス発生器又は別個のパルス発生器(同一の物理的ハウジング内又は別個のハウジング内にある)に操作可能に接続することができる。
【0015】
電極は、例えば電圧、周波数、パルス幅、電流及び強度が変化し得る出力信号を提供するように、制御可能である。電極は、また電極からの正及び負の電流を提供することができ、及び/又は電極からの電流を阻止することができ、及び/又は電極からの電流の方向を変えることができる。電極は、電気エネルギー発生器(バッテリ又はパルス発生器)に電気的に通信することができる。例えば、電気エネルギー発生器は、誘導結合によって再充電可能なバッテリを含むことができる。電気エネルギー発生器は、電極に隣接し(例えば、電極に隣接して移植される)、又は哺乳動物の体中又は上の遠隔部位又は遠隔部位から離れる哺乳動物の体など、任意の適切な位置に配置することができる。電極は、遠隔に配置された電気エネルギー発生器に無線で又はワイヤを介して接続することができる。
【0016】
電気エネルギー発生器は、例えば、電気的神経調節信号のパルス波形、信号パルス幅、信号パルス周波数、信号パルス位相、信号パルス極性、信号パルス幅、信号パルス強度、信号パルス持続時間及びそれらの組み合わせを制御することができる。電気エネルギー発生器は、様々な電流及び電圧を1つ又は複数の電極に伝送することで、神経、ニューロン又は神経構造の活動を調節するようにプログラミングすることができる。電気エネルギー発生器は、神経調節を提供するために、必要に応じて複数の電極を単独で又は様々な組み合わせで制御するようにプログラミングすることができる。場合によっては、電極は、患者の体外の電源を患者の皮膚に接触させることにより給電することができ、又は電極は、一体型の電源を含むことができる。
【0017】
電気的神経調節信号は、一定、断続的、変動的であってもよく、及び/又は、電流、電圧、パルス幅、波形、周期、周波数、振幅などに関して調節することが可能である。波形は、正弦波、方形波などであってもよい。刺激の種類は、変えることが可能であり、異なる波形であってもよい。最適な活性化モード別の電極を活性化する前に1つの電極に遅延があることを要求するか、又は別の協調方式で気道を最適に開き、これは、同時に活性化するか又は協調し、調節可能な方式で交互に活性化するかに関わらない。
【0018】
コントローラ又はプログラマは、また神経刺激装置に関連付けられ得る。例えば、プログラマは、適切なソフトウェアプログラムの制御下にある1つ又は複数のマイクロプロセッサを含むことができる。プログラマは、アナログ-デジタル変換器などの他のコンポ―ネットを含むことができる。
【0019】
神経刺激装置は、所望の刺激パラメータで事前にプログラミングすることができる。刺激パラメータは制御可能であるため、電極をその目標位置から移出することなく、神経調節信号を所望の設定に遠隔調節することができる。例えば、電気信号発生器及びバッテリ、外部送信機に結合された高周波受信機などを備える従来の遠隔測定技術を用いて遠隔制御を実行することができる。
【0020】
本明細書に開示される方法は、閉ループシステムの一部として使用することができる(以下により詳細に記載されるように)。そのような方法は、SDBに関連する生理学的パラメータを感知し、当該生理学的パラメータに基づきセンサー信号を生成し、センサ信号が電極などの治療送達装置を作動させることに応答して神経調節信号の標的部位への適用を調節し、患者のSDBを改善することを含む。
【0021】
本公開の態様は、さらに、SDBを患っている患者のSDBを改善するためのシステムを提供する。
図5及び
図6を参照すると、一実施形態では、神経刺激システム10は、神経刺激装置12、信号を神経刺激装置12に送信する外部装置14、神経刺激装置12及び/又は外部装置14と双方向通信する患者プログラミングデバイス16、及び医師プログラミングデバイス18を含む。以下に説明するように、システムの各構成要素は、互いに通信することができる(例えば、電気通信)。場合によって、システムの2つ又はそれより多いコンポーネントは、互いに無線通信することができる。他の場合、システムの2つ又はそれより多いコンポーネントは、互いに有線通信することができる。このように、システムの一部のコンポーネントは無線通信することができ、他のコンポーネントは、互いに有線通信することができる。さらに、本明細書に開示される例示的な実施形態では、神経刺激システム10に含まれるコンポーネント間の通信は、本質的に双方向であるように設置される。ただし、2つ又はそれより多いシステムコンポーネント間の通信は、単方向にすることができる。さらに、システムの異なるコンポーネントの機能は、単一の装置に組み合わせることができる。例えば、外部装置と患者プログラミングデバイスのコンポーネントの機能は、単一の装置に組み合わせることができる。
【0022】
一実施形態では、神経刺激装置12は、密封されたハウジングに封入され、電極に結合された神経刺激パルスを送達するための、1つ又は複数の電子回路などの電子回路を含む。特定の実施形態では、神経刺激装置12は、刺激パルスを生成および送達するための電力を提供し、通信機能などの他の装置の機能に電力を供給するための一次電池、再充電可能なバッテリ又は誘導結合電源を含むことができる。神経刺激装置12又はシステム10は、標的部位に隣接する組織に神経刺激器を固定するための固定部材を含むことができる。
【0023】
外部装置14は、神経刺激装置12に操作可能に近接するように外部装置14を患者に固定するためのストラップ、パッチ、又は別の1つ又は複数の取り付け部材を含むウェアラブルデバイスであり得る。場合によって、外部装置14は、被験者の体の周りにおける外部デバイス14の配置を最適化する際に患者を支援するためのユーザフィードバックを提供するように、プログラミングすることができる。神経刺激装置12に再充電可能なバッテリが設けられている場合、外部装置14は、外部装置14から神経刺激装置12に電力、例えば誘導電力を伝送するための再充電ユニットを含むことができる。当該実施形態では、プログラミングデバイス16は、患者の手持ち式装置であってもよく、当該装置は、双方向無線遠隔測定リンク20を介して神経刺激装置12に送達される治療を開始及び終了するために用いられる。代替的に、プログラミングデバイス16は、ウェアラブル外部装置14と通信することで、治療の開始及び終了時間及び他の治療制御パラメータを制御するように、患者によって操作可能であり、これらのパラメータは、通信リンク24を介して神経刺激装置12に伝送される。プログラミングデバイス16は、双方向無線遠隔測定リンク22を介してウェアラブル外部装置14と通信することができ、当該リンクは、数フィートまでの距離で通信を確立することができ、それにより遠隔測定を行うことができ、患者は、プログラミングデバイス16を神経刺激装置12に直接位置決めして治療のオン及びオフ時間を制御し、又は他の質問又はプログラミング操作(例えば、他の治療制御パラメータのプログラミング)ことが必要ではない。
【0024】
神経刺激装置12が1つ又は複数の一次電池を含む場合、外部装置14は選択可能である。神経刺激装置12のプログラミングは、プログラミングデバイス16により、近距離又は遠隔測定技術を用いてプログラミングデバイス16と神経刺激装置12との間でデータを伝送するための双方向通信リンク20を確立して実行することができる。プログラミングデバイス16は、患者又は臨床医によって使用されて、神経刺激装置12によって自動的に実行される治療方案を設定することができる。プログラミングデバイス16は、手動で治療を起動及び停止し、治療送達パラメータを調節し、神経刺激装置12からデータ、例えば総累積治療送達時間に関連するデータ又は神経刺激装置12による装置操作又は測定に関する他のデータを収集するために用いることができる。例えば、プログラミングデバイス16は、神経刺激装置12に関連する1つ又は複数の刺激及び/又は制御パラメータを制御するようにプログラミングされたソフトウェアを含むことができる。また、選択可能に、ソフトウェアを含むプログラミングデバイス16は、患日記の質問又は生理学的測定値などの患者の治療データを格納するようにプログラミングすることができる。プログラミングデバイス16は、さらに、遠隔データソースにアクセスし、特定のデータを照会し、次いで、照会されたデータに基づいてシステム10に刺激命令を提供するようにプログラミングされたソフトウェアを含むことができる。例えば、プログラミングデバイス16は、入眠後の所望の時間帯(例えば、30分)後、例えば、刺激期間および各期間の期間を示す、カスタマイズ可能な又は患者によってトリガーされるアラートを神経刺激装置12に提供するようにプログラミングされたソフトウェアを含むことができる。プログラミングデバイス16は、スマートフォン又はタブレットとして具体化することができるが、パーソナルコンピュータ(PC)も含まれ得る。
【0025】
神経刺激装置12が外部から電力が供給される装置として配置される場合、外部装置14は、刺激パルスを生成するために必要な電力を提供するために睡眠中に患者が着用する電力伝送装置であり得る。例えば、外部装置14は、神経刺激装置12に含まれる二次コイルに電力を誘導的に伝送するために使用される一次コイルを含む電池による給電のデバイスであり得る。外部装置14は、1つ又は複数の一次バッテリ及び/又は再充電可能なバッテリを含むことができるとともに、したがって、例えば標準の110V又は220Vの壁コンセントで再充電するための電源アダプタとプラグを含むことができる。
【0026】
特定の実施形態では、神経刺激装置12が再充電可能な装置又は外部給電の装置として配置される場合、神経刺激装置12に電力を伝送する機能及び治療送達を制御するように神経刺激装置12をプログラミングする機能は、単一の外部装置で実現することができる。例えば、外部装置14の電力伝送機能及び患者プログラマ16のプログラミング機能は、ウェアラブル又は手持ち式装置(例えばスマートフォン又はタブレット)であり得る単一の外部装置に組み合わせることができる。
【0027】
患者プログラミングデバイス16に比べて、医師プログラミングデバイス18は、追加したプログラミング及び診断機能を含むことができる。例えば、医師プログラミングデバイス18は、パルス振幅、パルス幅、パルス形状、パルス周波数、デューティ比、治療のオン及びオフ時間、電極選択及び電極極性の割り当てなどを含むが、これらに限定されない全ての神経刺激治療制御パラメータをプログラミングするように配置することができる。患者プログラミングデバイス16は、治療のオン及び/又はオフ、治療の開始時間の調節及び/又はパルス振幅の調節に限定され、患者が完全に全てのプログラミング機能にアクセスできないようにし、患者が一部のプログラミング機能やプログラム可能な治療制御パラメータをアクセスできないようにすることができる。
【0028】
医師プログラミングデバイス18は、例えば診察所で診療時に無線双方向遠隔測定リンク28を介して直接神経刺激装置12と通信するように構成される。また、又は代替的に、医師プログラミングデバイス18は、遠隔プログラミング装置として操作することができ、それは、有線又は無線通信ネットワークリンク30を介してプログラミング命令を患者プログラミングデバイス16に伝送し、その後、患者プログラミングデバイス16は、双方向遠隔測定リンク20(又はウェアラブル外部装置14及びリンク24を介して)を介して自動的にプログラミングデータを神経刺激装置12に伝送する。例えば、医師プログラミングデバイスは、スマートフォン、タブレット又はPCとして具体化することができる。
【0029】
特定の実施形態では、患者は、神経刺激装置12の操作を調整するための磁石が提供され得る。例えば、磁石の適用は、治療をオン又はオフにするか、又は神経刺激装置12の操作に他の2次元的又は段階的調整を引き起こすことができる。
【0030】
図6は、神経刺激システムの実施形態による
図5の神経刺激装置12の機能ブロック図である。神経刺激装置12は、コントローラ36及び関連するメモリ38を囲むハウジング34、遠隔測定モジュール40及び1つ又は複数の電極44に結合されたパルス発生器42を含むことができる。神経刺激装置12は電源46を含み、上記のように、電源は、一次バッテリ、充電可能なバッテリ及び/又は外部給電システムの二次コイルのいずれかを含むことができる。
【0031】
コントローラ36は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は同等のディスクリート又は統合論理回路のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる。いくつかの例では、コントローラ36は、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数のコントローラ、1つ又は複数のDSP、1つ又は複数のASIC、或いは1つ又は複数のFPGA、及び他のディスクリート又は統合論理回路の任意の組み合わせなどの複数のコンポーネントを含むことができる。本明細書のコントローラ36に属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせとして具体化することができる。一例では、患者のSDBを改善するための神経刺激治療案は、メモリ38中の指令として記憶され又は符号されることができ、これらの指令がコントローラ36によって実行されることにより、パルス発生器42は、プログラミングされた案に従って電極44を介して治療を提供する。
【0032】
メモリ38は、コンピュータ読み取り可能な命令を含み、コントローラ36により実行されるとき、コンピュータ読み取り可能な命令は、神経刺激装置12に本公開を通して神経刺激器に属する様々な機能を実行させる。コンピュータ読み取り可能な命令は、メモリ38内に符号化することができる。メモリ38は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、又は一時的な伝搬信号を除くその他のデジタルメディアなどの任意の揮発性、不揮発性、磁気、光学、又は電気媒体を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。
【0033】
遠隔測定モジュール40及び関連するアンテナ48は、外部装置14、患者プログラマ16及び/又は医師プログラマ18との双方向通信を確立するために提供され得る。神経刺激装置12及びプログラミングデバイス16又は18によって使用される通信技術の例には、低周波また無線周波数(RF)遠隔測定が含まれ、それは、例えばブルートゥース(登録商標)、WiFi又はMICSを介して確立されたRFリンクであってもよい。アンテナ48はハウジング34内に位置し、ハウジングに沿って又はハウジングから外へ延在してもよい。
【0034】
電極44は、ハウジング44の外面に沿って配置することができ、以下でさらに説明するように、絶縁フィードスルー又は他の接続を介してパルス発生器42に結合することができる。他の実施形態では、電極44は、適切な絶縁フィードスルー又は密封ハウジング34を横切る他の電気接続を介してパルス発生器42に電気的に結合されたリード又は絶縁テザーによって運ぶことができる。さらに他の実施形態では、、電極44は、ハウジング34に組み込むことができ、当該ハウジングは、神経に近接する標的部位の近傍に操作可能に位置決めされ、パルス発生器42に電気的に結合された外部露出表面を有する。
【0035】
一方、システム10は、開ループ又は閉ループ制御を可能にするために、1つ又は複数のセンサ(図示せず)を含むことができる。例えば、開ループシステムでは、システム10は、患者が1つ又は複数のセンサからのフィードバック(例えば、検出された信号)に基づき(例えば、予防的に)SDBの改善を管理できるように、1つ又は複数のセンサを含む。そのような検出された信号は、筋肉又は神経の電気的活動の変化、舌の位置、中咽頭の気流などのSDBの発症を示すことができる。1つ又は複数の信号に気づくと、患者は、神経刺激装置12をトリガー又は活性化することができ、SDBを予防又は軽減する。
【0036】
一方、システム10は、例えば感知された生理パラメータ又は関連する症状又は予兆に応答して自動的に応答することにより(例えば神経刺激装置12の活性化により)閉ループ制御を可能にする1つ又は複数のセンサを含むことができ、関連する症状又は予兆は、呼吸状態(例えば吸気/呼気)又は睡眠/覚醒状態及び/又は睡眠段階(例えばレム又はノンレム)の変化及び/又は患者の睡眠の開始/終了を含むSDBの度合い及び/又は存在を示す。生理パラメータは、筋肉又は神経電気活動の変化、舌の位置、心拍数又は血圧の変化、呼吸努力に応じた圧力の変化、口腔咽頭の気流、加速度測定データ、位置データ、脳波記録データなどを含む。閉ループ又は開ループシステムの一部として用いられるセンサは、皮膚表面、口腔、鼻腔、粘膜表面、又は皮下位置を含む患者の体の任意の適切な解剖学的位置に配置することができる。センサは、患者に近接するが、患者に接触しないように配置することもでき、患者に近接するように構成されるセンサは、呼吸努力を検出し、有線又は無線で神経刺激器と通信する。いくつかの態様では、システムは、SDBイベントを検出し、患者の睡眠状態を自動的に検出した後、呼吸をアクティブ化するか、又はペーシングするか、又はデューティ比を調整するように、センサを含むことができる。
【0037】
本開示の開示された態様および実施形態のそれぞれは、個別に、又は本開示の他の態様、実施形態、および変形例と組み合わせて考慮され得る。 特に明記しない限り、本開示の方法のいずれのステップも、特定の実行順序に限定されない。さらに、上記は電気刺激に関して説明されていたが、例えば、超音波、磁気、高周波、熱、又は光エネルギーなどの他の形態の電磁エネルギーを使用することができる。