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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】内視鏡用処置具
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/04 20060101AFI20240507BHJP
   A61B 17/285 20060101ALI20240507BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20240507BHJP
   A61B 10/06 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A61B10/04
A61B17/285
A61B18/12
A61B10/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020153566
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022047656
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】516259332
【氏名又は名称】レイクR&D株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160370
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 鈴
(72)【発明者】
【氏名】西村 幸
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-297503(JP,A)
【文献】特開平08-131448(JP,A)
【文献】特開2006-102093(JP,A)
【文献】国際公開第2020/008530(WO,A1)
【文献】特表2020-503090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02-10/06
A61B 18/08-18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡のチャネルに挿脱される長尺状のシースと、
前記シース内に進退可能に配置された操作ワイヤと、
前記シースおよび前記操作ワイヤの各後端側に連結され前記操作ワイヤを進退操作する操作部と、
前記シースの先端部に設けられた筒部と前記筒部より先端側に延在する対向一対の腕部とを有する先端処置部支持部材と、
先端側部分である鉗子用カップ部と、基端側で各鉗子用カップ部を支える支棹部とを含む一対の先端処置片を有し、一対の前記先端処置片が前記先端処置部支持部材の一対の前記腕部間にてX状に交差しかつ一対の前記腕部に両端支持される支持軸がX状交差部に設けられた軸孔に挿通し、さらに、一対の前記支棹部の基端部が一対の開閉作動用リンクの各一端と連結されさらに各他端が進退伝動リンクを介して前記操作ワイヤの先端部と連結され、前記操作ワイヤの進退と連動して開閉する前記鉗子用カップ部で生体組織の患部の処置を行う先端処置部とを備え、
一対の前記先端処置片の前記X状交差部のそれぞれに設けられる各軸孔は、前記支持軸が微小寸法相対移動可能な長円形軸孔であり、前記操作ワイヤが牽引され一対の前記鉗子用カップ部が全面的に閉じた状態において、各前記長円形軸孔の長径直径線の前記カップ部閉じ合わせ線に対する傾き角θが30-60度であって、各前記長円形軸孔の前記支持軸に対する孔内隙間が、前記カップ部閉じ合わせ線に関し各前記鉗子用カップ部寄り且つ前記カップ部の閉じ合わせ面から他方の鉗子用カップ部に向かう方向に生じるようになっていて、
一対の前記鉗子用カップ部が全面的に閉じた状態から前記操作ワイヤが更に牽引され微小移動すると、前記支持軸が各前記長円形軸孔の先端側エンド位置に相対的移動することにより、一対の前記鉗子用カップ部が先端部同士を閉じたまま基端部同士を互いに微小寸法離間するように設けられている
ことを特徴とする内視鏡用処置具。
【請求項2】
前記操作ワイヤ及び前記先端処置は導電性材料から成り、
一対の前記鉗子用カップ部は、全面的に閉じた状態において、互いに密着する対向面部を少なくとも除く面部に電気絶縁被膜が設けられ、さらに親水性被膜が重ねて設けられ、前記操作ワイヤと前記進退伝動リンクと前記開閉作動用リンクとを介して通電が行われ前記対向面部間において電気焼灼による止血を行える
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
【請求項3】
一対の前記鉗子用カップ部には、一対の前記鉗子用カップ部が全面的に閉じた状態において側孔を形成するように、かつ対向面部の両側に対向面部が凸部として残るように、切欠部が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡用処置具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡のチャネル内に挿脱され、内視鏡の挿入部とともに体腔内に挿入され生体組織の搾取を行う先端処置部を有する内視鏡用処置具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において鉗子として使用する内視鏡用処置具は、長尺状のシースと、操作ワイヤと、操作部と、シースの先端部に設けられた先端処置部支持部材と、先端処置部支持部材の一対の腕部間にて、鉗子用カップ部を先端に有する一対の先端処置片の支棹部同士をX状に交差してX状交差部に設ける円筒軸孔に、一対の腕部に両端支持される回転軸が相対回転可能に挿通され、操作ワイヤの進退と連動して開閉する鉗子用カップ部で生体組織の患部の搾取等を行う先端処置部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-297503号公報
【文献】特開2009-090066号公報
【0004】
従来の内視鏡用処置具によれば、一対の先端処置片が、合わせ面が完全に閉じるように精密に形成されているとしても、生体組織を挟むと、合わせ面同士の先端が僅かに開いてしまうことが回避できず、患部の搾取が出来なかったり、止血鉗子に至っては、患部が把持できないため滑ってしまい安全の為に患部を引き上げて通電して焼灼することが出来ない不具合があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、操作ワイヤを先端方向に移動して一対の鉗子用カップ部を開き生体組織の患部を挟んでから操作部を握り込む操作を行い操作ワイヤを牽引すると一対の鉗子用カップ部が全面的に閉じた状態になり、さらに操作部を強く握り締めて操作ワイヤを更に牽引すると、一対の鉗子用カップ部が、先端部同士の密着を維持しながら、基端部同士が互いに微小寸法離間する状態になり、操作部を握り締める力にほぼ比例してカップ部先端同士に噛み合わせ力(保持力)強くなり、もってカップ部先端部での患部の切除等を容易に行うことができて、カップ部で生体組織の患部の搾取を行うことが確実容易にでき、生検鉗子や止血鉗子として採用するのに好ましい、操作性に優れる内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の態様に係る内視鏡用処置具は、上記目的を達成するため、内視鏡のチャネルに挿脱されるシースと、前記シース内に進退可能に配置された操作ワイヤと、前記シースおよび前記操作ワイヤの各後端側に連結され前記操作ワイヤを進退操作する操作部と、前記シースの先端部に設けられた筒部と前記筒部より先端側に延在する対向一対の腕部とを有する先端処置部支持部材と、鉗子用カップ部で生体組織の患部の搾取を行う先端処置部とを備えてなる。
【0007】
そして、前記先端処置部は、先端側部分である前記鉗子用カップ部と、基端側で各鉗子用カップ部を支える支棹部とを含む一対の先端処置片を有し、一対の前記先端処置片が前記先端処置部支持部材の一対の前記腕部間にてX状に交差しかつ一対の前記腕部に両端支持される支持軸がX状交差部に設けられた軸孔に挿通し、さらに、一対の前記支棹部の基端部が一対の開閉作動用リンクの各一端と連結されさらに各他端が進退伝動リンクを介して前記操作ワイヤの先端部と連結され、前記操作ワイヤの進退と連動して開閉する構成である。
【0008】
さらに、一対の前記先端処置片の前記X状交差部のそれぞれに設けられる各軸孔は、前記支持軸が微小寸法相対移動可能な長円形軸孔であり、前記操作ワイヤが牽引され一対の前記鉗子用カップ部が全面的に閉じた状態において、各前記長円形軸孔の長径直径線の前記カップ部閉じ合わせ線に対する傾き角θが30-60度であって、各前記長円形軸孔の前記支持軸に対する孔内隙間が、前記カップ部閉じ合わせ線に関し各前記鉗子用カップ部寄り且つ前記カップ部の閉じ合わせ面から他方の鉗子用カップ部に向かう方向に生じるようになっていて、
一対の前記鉗子用カップ部が全面的に閉じた状態から前記操作ワイヤが更に牽引され微小移動すると、前記支持軸が各前記長円形軸孔の先端側エンド位置に相対的移動することにより、一対の前記鉗子用カップ部が先端部同士を閉じたまま基端部同士を互いに微小寸法離間するように設けられている構成である。
【0009】
本発明の第2の態様に係る内視鏡用処置具は、第1の態様の構成に加え、前記操作ワイヤ及び前記先端処置は導電性材料から成り、一対の前記鉗子用カップ部は、全面的に閉じた状態において、高いに密着する対向面部を少なくとも除く面部に電気絶縁被膜が設けられ、さらに親水性被膜が重ねて設けられ、前記操作ワイヤと前記進退伝動リンクと前記開閉作動用リンクとを介して通電が行われ前記対向面部間において電気焼灼による止血を行える構成である。
【0010】
本発明の第3の態様に係る内視鏡用処置具は、第1または2の態様の構成に加え、一対の前記鉗子用カップ部には、一対の前記鉗子用カップ部が全面的に閉じた状態において側孔を形成するように、かつ対向面部の両側に対向面部が凸部として残るように、切欠部が設けられている構成である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作ワイヤを先端方向に移動して一対の鉗子用カップ部を開き生体組織の患部を挟んでから操作部を握り込む操作を行い操作ワイヤを牽引すると一対の鉗子用カップ部が全面的に閉じた状態になり、さらに操作部を強く握り締めて操作ワイヤを更に牽引すると、一対の鉗子用カップ部が、先端部同士の密着を維持しながら、基端部同士が互いに微小寸法離間する状態になり、操作部を握り締める力にほぼ比例してカップ部先端同士に噛み合わせ力(保持力)強くなり、もってカップ部先端部での患部の切除を容易に行うことができて、カップ部で生体組織の患部の搾取等を行うことが確実容易にでき、生検鉗子や止血鉗子として採用するのに好ましい、操作性に優れる内視鏡用処置具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る内視鏡用処置具を含む内視鏡システムを説明するための図である。
図2】本発明の実施形態に係る内視鏡用処置具の全体図である。
図3】本発明の実施形態の内視鏡用処置具の要部に係り、図3(A)は一対の先端処置片15,16の鉗子用カップ部同士が開いた状態を示す。図3(B)は一対の鉗子用カップ部が完全に閉じた状態を示す。図3(C)は一対の鉗子用カップ部の先端部同士が閉じ、基端部同士が微小寸法互いに離間した状態を示す内視鏡用処置具の先端部を示す縦断正面図である。
図4】本発明の実施形態の内視鏡用処置具の要部に係り、支持軸が長円形軸孔の基端側エンド位置に相対移動した位置にある場合を示すものであって、図4(A)は先端処置片16を示す正面図であり、図4(B)は先端処置片15を示す正面図であり、図4(C)は鉗子用カップ部の対向面部がカップ部閉じ合わせ線に一致しているときの一対の先端処置片15,16を示す正面図である。
図5】本発明の実施形態の内視鏡用処置具の、一対の先端処置片15,16として用いる先端処置片の詳細な形状図であって、図5(A)は鉗子用カップ部の対向面部を正面として視た正面図であり、図5(B)に示す右側面図である。
図6】本発明の実施形態の内視鏡用処置具の要部に係り、支持軸が長円形軸孔の先端側エンド位置に相対移動した位置にある場合を示すものであって、図6(A)は先端処置片16を示す正面図であり、図6(B)は先端処置片15を示す正面図であり、図6(C)は、鉗子用カップ部の対向面部の各先端がカップ部閉じ合わせ線に一致しかつ各基端がカップ部閉じ合わせ線から僅かに離間した状態になる一対の先端処置片15,16を示す正面図である。
図7図3(B),図4(C)に示す状態から図3(C),図6(C)に示す状態に、一対の鉗子用カップ部が揺動したところを示すための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る内視鏡用処置具に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、先端処置部が位置する側を先端側、操作部が位置する側を基端側と呼ぶ。
【0014】
[実施形態]
[内視鏡システム]
図1は実施形態1に係る内視鏡用処置具が適用される内視鏡システム1を示す。内視鏡システム1は、生体の体腔内に挿入するための挿入部2と、基端部に設けられ挿入部2の先端を上下左右方向に湾曲操作するためのダイヤルを有する内視鏡操作部3と、挿入部2と内視鏡操作部3との間を接続するように配置された処置具導入部4とを備え、処置具導入部4から挿入部2の先端に向かって長手方向に形成された内視鏡チャネル5が形成され、内視鏡チャネル5内に、後述する内視鏡用処置具10の生体組織を採取および/または止血の処置を行う先端処置部としての一対の先端処置片15,16およびシース11を挿通し操作部13より操作するように構成されている。
【0015】
[内視鏡用処置具の基本的構成]
図2は実施形態1に係る内視鏡用処置具10を示す。内視鏡用処置具10は、一対の先端処置片15,16の各先端側部分15a,16aが導電性金属からなる鉗子用カップ部となっており、一対の鉗子用カップ部(先端側部分)15a,16aを前方に向かって互いに開閉し、一対の鉗子用カップ部15a,16aにより、体腔内の生体組織を採取しまたは生体組織を挟みつつ所要の電流を通電し生体組織を電気焼灼し止血するものである。
【0016】
内視鏡用処置具10は、内視鏡チャネル5に挿脱される可撓性を有する細長いシース11と、シース11内に進退可能に配置された操作ワイヤ12と、操作ワイヤ12を進退操作する操作部13と、シース11の先端に固定連結された先端処置部支持部材14と、先端処置部支持部材14に支持軸18で回動可能に支持される先端処置部としての一対の先端処置片15,16とを備える。
【0017】
シース11は、長さが500~2000mmの、可撓性を有しかつ適度の腰の強さ(屈曲耐性)を有する細長筒状体である。本実施形態のシース11は、コイルシース11aと、コイルシース11aの外面に被さる樹脂製外被11bとで構成されている。樹脂製外被11bは、PTFE、PEEK、PPS、ポリエチレン、またはポリイミド、等よりなり可撓性・電気絶縁性を有する。コイルシース11aは、例えば断面形状が矩形であるステンレス線等の金属材を密着巻きしてなるコイルシースが用いられることが好ましい。
【0018】
内視鏡用処置具10は、コイルシース11aの内面と、先端処置部支持部材14の外面に電気絶縁被膜が形成されている。樹脂製外被11bが設けられない構成では、コイルシース11aの内外面に電気絶縁被膜が形成されていてもよい。
【0019】
操作ワイヤ12は、シース11内に進退可能に緩く配置され、導電性であって回転追従性が大きなトルクワイヤからなる。操作ワイヤ12は、例えば、全長がステンレス製であるか、またはステンレス製の基端側部分とナイチノール(ニッケルチタン合金)製の先端側部分とをステンレスパイプで接続してなるものであっても良い。
【0020】
操作部13は操作部本体13aとスライダ13bとを有する。操作部本体13aはコイルシース11aの基端に先端部が連結されている。スライダ13bは、操作部本体13aの側面部に設けられたスリットに対応する範囲で操作部本体13aに被嵌してスライドするように設けられ、操作部本体13aの先端面から内部に導入された操作ワイヤ12の基端と連結されている。
【0021】
操作部13は、操作部本体13aとスライダ13bとを相対的にスライド操作(進退操作)することによって、操作ワイヤ12をコイルシース11aに相対移動させることができ、スライダ13bを図中の左方向(先端側)に移動させることにより操作ワイヤ12を先端側にコイルシース11aに相対移動させ一対の先端処置片15,16を開くことができ、また、スライダ13bを図中の右方向(基端側)に移動させることにより操作ワイヤ12を基端側にコイルシース11aに相対移動させ一対の先端処置片15,16を閉じることができるように構成されている。もって、操作部13は、操作ワイヤ12をコイルシース11aに相対的に進退操作することができ、さらに、操作ワイヤ12の進退操作を介して一対の先端処置片15,16を開閉することができるよう構成されている。
【0022】
図3(A)-(C)に示すように、先端処置部支持部材14は、コイルシース11aの先端部に被嵌・連結された筒部14aと、筒部14aより先端側の対向位置より延在する一対の腕部14bとを有する。一対の先端処置片15,16は先端処置部支持部材14に開閉可能に支持される。
【0023】
一対の先端処置片15,16は、一対の先端処置片15,16の支棹部15b,16bのX状交差部が先端処置部支持部材14の一対の腕部14b,14bの先端部間に位置される。
【0024】
支持軸18は、一対の腕部14b,14bの先端部に設けられた一対の軸受用孔に嵌合され両端固定されている。支持軸18は、先端処置部支持部材14の一対の腕部14b,14b間に位置されるX状交差部を軸支している。
【0025】
支持軸18は、一対の腕部14b,14bの軸受用孔に強制嵌着されてなるか、嵌着後にレーザー溶接により固着されており、一対の先端処置片15,16の中程部分(X状交差部)の軸孔に対しては緩く嵌着されている。
【0026】
一対の先端処置片15,16の支棹部15b,16bの各基端部は、一対の開閉作動用リンク19,20の各先端部とピン軸22,23で連結されている。さらに、一対の開閉作動用リンク19,20の各基端部は、進退伝動リンク21の先端部とピン軸24で連結され、進退伝動リンク21は操作ワイヤ12と連結されている。
【0027】
詳細には、一方の先端処置片15の支棹部15bに設けられたピン軸孔15dと一方の開閉作動用リンク19の先端部に設けられたピン軸孔とにピン軸22が通され止着されることにより、一方の先端処置片15と一方の開閉作動用リンク19とが連結されている。他方の先端処置片16の支棹部16bに設けられたピン軸孔16dと他方の開閉作動用リンク20の先端部に設けられたピン軸孔とが重ね合され、これらピン軸孔にピン軸23が通され止着されていることにより、他方の先端処置片16と他方の開閉作動用リンク20とが連結されている。したがって、先端処置片15,16の支棹部15b,16bと開閉作動用リンク19,20は菱形に連鎖している。
【0028】
さらに、一対の開閉作動用リンク19,20の各基端部に設けられたピン軸孔が進退伝動リンク21の先端部に設けられたピン軸孔の両側に重ね合され、これら軸孔にピン軸24が通され止着されることにより、かつ一対の開閉作動用リンク19,20と開閉作動用リンク19とが連結されている。
【0029】
進退伝動リンク21は、外形がロッド状であり、基端面より軸方向に内方にワイヤ受け入れ穴を有し、ワイヤ受け入れ穴に操作ワイヤ12の先端部が嵌入され進退伝動リンク21の側面部外方より締め付けねじをねじ込むか、あるいは銀ロウ付け、ハンダ付け、カシメ、等により連結固定され、もって、進退伝動リンク21と操作ワイヤ12とが連結されている。
【0030】
したがって、操作ワイヤ12がシース11に対して基端方向に相対移動され、開閉作動用リンク19,20の交差角が小さくなると、一対の先端処置片15,16の基端側の支棹部15b,16bの交差角も小さくなり、これにより、一対の先端処置片15,16の先端側の鉗子用カップ部15a,16aが閉じていき、また、開閉作動用リンク19,20の交差角が大きくなると、一対の先端処置片15,16の支棹部15b,16bも交差角が大きくなり、これにより、一対の鉗子用カップ部15a,16aが扇状に開いていく。もって、操作ワイヤ12がシース11に対して相対移動されると、一対の先端処置片15,16の鉗子用カップ部15a,16aが扇状に開閉するようになっている。
【0031】
また、先端処置部支持部材14と、シース11の樹脂製外被11bとに親水性被膜が形成され、もって、一対の先端処置片15,16からシース11までが体腔内に引き攣りなく円滑に導入できるようになっている。
【0032】
なお、コイルシース11aの先端部の外形を研削して小径部を設け、この小径部に筒部14aを挿嵌し溶接、ロウ付け、またはハンダ付けにより連結されているとともに、樹脂製外被11bの先端部が筒部14aの基端部に被嵌している構成を示しているが、先端処置片支持手段14の筒部14aの筒孔の基端部分を拡径しこの拡径孔部をコイルシース11aの先端部に被嵌し溶接、ロウ付け、またはハンダ付けにより連結されていてもよい。
【0033】
したがって、操作ワイヤ12を進退操作することにより、一対の先端処置片15,16の鉗子用カップ部15a,16aを前方に向かって扇状に開閉することができ、一対の鉗子用カップ部15a,16aにより、体腔内の生体組織を採取しまたは生体組織を挟みつつ所要の電流を通電し生体組織を電気焼灼し止血しつつ生体組織を採取する処置を行えるよう構成されている。
【0034】
[内視鏡用処置具の特徴的構成]
図3(A)は一対の先端処置片15,16の鉗子用カップ部同士が開いた状態を示す。図3(B)は一対の鉗子用カップ部が完全に閉じた状態を示す。図3(C)は一対の鉗子用カップ部の先端部同士が閉じ、基端部同士が微小寸法互いに離間した状態を示す。
【0035】
図3(A)-(C)に示すように、一対の先端処置片15,16は、先端側部分である鉗子用カップ部15a,16aと、基端側で各鉗子用カップ部15a,16aを支える支棹部15b,16bと、鉗子用カップ部15a,16a寄りのX状交差部に支持軸18が挿通される長円形軸孔15c,16cと、基端寄りの位置に開閉作動用リンク19,20とピン軸22,23で連結されるためのピン軸孔(円形軸孔)15d,16dとを有する。各長円形軸孔15c,16cの長径直径線のカップ部閉じ合わせ線Yに対する傾き角θが45度となるように設けられている。なお、θ=45度は、最適な角度であり、プラスマイナス15度の範囲、すなわち傾き角θが30-60度の範囲であることが望ましい。一対の先端処置片15,16は、図5(A),(B)に示す先端処置片を2つ用意し向かい合わせに組み合わせるものである。
【0036】
図4(A)-(C)では、支持軸18が長円形軸孔15c,16cの基端側エンド位置に相対移動した位置にある場合を示す。支持軸18と長円形軸孔15c,16cの大きさは、支持軸18が長円形軸孔15c,16cに対し相対回転可能かつ相対移動可能であるように、例えば支持軸18がφ0.6mmの太さであり、長円形軸孔15c,16cの短半径が0.31mmの大きさとされる。図4(A)は、鉗子用カップ部16aの対向面部(閉じ合わせ面)16eがカップ部閉じ合わせ線Yに一致しているときの先端処置片16を示す正面図であり、図4(B)は、鉗子用カップ部15aの対向面部(閉じ合わせ面)15eがカップ部閉じ合わせ線Yに一致しているときの先端処置片15を示す正面図であり、図4(C)は、鉗子用カップ部15a,16aの対向面部(閉じ合わせ面)15e,16eがカップ部閉じ合わせ線Yに一致しているときの一対の先端処置片15,16を示す正面図である。なお、カップ部閉じ合わせ線Yは、一対の鉗子用カップ部15a,16aの対向面部(閉じ合わせ面)15e,16eが全面密着した状態において、閉じ合わせ面15e,16eを正面方向より視た線に一致している。
【0037】
一対の先端処置片15,16の支棹部15b,16bのX状交差部のそれぞれに設けられる各軸孔15c,16cは、支持軸が微小寸法相対移動可能な長円形軸孔であり、操作ワイヤ12が牽引され一対の鉗子用カップ部15a,16aが全面的に閉じた状態において、支持軸18に対する孔内隙間がカップ部閉じ合わせ線Yよりも各鉗子用カップ部15a,16a寄りの斜め位置に生じるように設けられている。
【0038】
図3(B),図4(A)-(C)は、操作ワイヤ12が最引き込み位置近くまで引かれ、一対の鉗子用カップ部15a,16aが全面的に閉じた状態を示す。この状態では、長円形軸孔15c,16cの支持軸18との隙間が支持軸18の斜め上側に生じる。すなわち、操作ワイヤ12が牽引され一対の鉗子用カップ部15a,16aが全面的に閉じた状態になり、この状態では、支持軸18は、各長円形軸孔15c,16cの各基端側エンド位置に相対移動した位置に来て、各長円形軸孔15c,16cの支持軸18に対する孔内隙間がカップ部閉じ合わせ線Yに関し各鉗子用カップ部15a,16a寄りに生じるようになっている。
【0039】
また、図6では、支持軸18が長円形軸孔15c,16cの先端側エンド位置に相対移動した位置にある場合を示す。図6(A)は、鉗子用カップ部16aの対向面部(閉じ合わせ面)16eの先端がカップ部閉じ合わせ線Yに一致しかつ先端がカップ部閉じ合わせ線Yから僅かに離間した状態になる先端処置片16を示す正面図であり、図6(B)は、鉗子用カップ部15aの対向面部(閉じ合わせ面)15eの先端がカップ部閉じ合わせ線Yに一致しかつ先端がカップ部閉じ合わせ線Yから僅かに離間した状態になる先端処置片15を示す正面図であり、図6(C)は、鉗子用カップ部15a,16aの対向面部(閉じ合わせ面)15e,16eの各先端がカップ部閉じ合わせ線Yに一致しかつ各基端がカップ部閉じ合わせ線Yから僅かに離間した状態になる一対の先端処置片15,16を示す正面図である。
【0040】
図3(C),図6(C)は、操作ワイヤ12が最引き込み位置まで牽引され、支持軸18が長円形軸孔15c,16cの先端側エンド位置に相対移動した状態を示す。この状態では、一対の鉗子用カップ部15a,16aの先端側が閉じたままで基端側が僅かに開いた状態になる。この場合の長円形軸孔15c,16cと支持軸18との係合状態では、長円形軸孔15c,16cの支持軸18との孔内隙間δが支持軸18の両側斜め下側に生じる。
【0041】
図5(A),(B)に示すように、各鉗子用カップ部15a,16aについて、立体形状を概略的に表現すると、略弾丸形状の半割体の半割面に凹部を設けてなる形状である。さらに少し詳しく表現すると、各鉗子用カップ部15a,16aは、一平面上で互いに密着する対向面部15e,16eと、各対向面部15e,16eの反対側の面部が半円筒面と四分の一の半球面を合わせてなる凸曲外面15f,16fと、対向面部15e,16eと一致する平面において長円形となるように凹設された凹部15g,16gとを有する立体形状である。
【0042】
対向面部15e,16eは、凹部15g,16gの周囲を取り巻いている細幅の重ね合わせ面部であり、先端側が曲率半径が大きいかまたは直線部分を中央にその両側に円弧部分を含む先端湾曲部と、先端湾曲部の両側に続く直線部と、後部が方形の一側を凹部15g,16gによって略半円形に削り取った広幅面積部とを有する形状になっている。
【0043】
さらに、任意構成要素として、各鉗子用カップ部15a,16aは、凹部15g,16gの中央に位置して円形開口15h,16hを有する。円形開口15h,16hは、鉗子用カップ部15a,16aが生体組織を挟持するように閉じたときに、鉗子用カップ部15a,16aの内側に取り込まれる空気を排出するとともに、カップ部内(凹部15g,16g)に取り込まれる余剰の生体組織や生体組織から生じる液体を突出させてカップ部内部の圧力を低下させる。
【0044】
またさらに、任意構成要素として、各鉗子用カップ部15a,16aには、対向面部15e,16eの両側の直線部分に、凸部15i,16iを残すように切欠部15j,16jを設けてなるギザギザ部を有する。凸部15i,16iは、対向面部15e,16eの一部として残されている。このギザギザ部は、一対の鉗子用カップ部15a,16aが閉じたときに、切欠部15j,16jが、尖端が基端側に向いている4つのハート形横孔を形成し凹部15g,16gからハート形横孔への生体組織のはみ出しを許容するとともに、凸部15i,16iが、互いに対向して接近し、凹部15g,16gからハート形横孔へのはみ出す生体組織に噛み込み、最終的に孔内隙間なく当接する。
【0045】
一対の先端処置片15,16は、対向面部15e,16eと凹部15g,16gを除く部分が絶縁皮膜で覆われており、止血鉗子として使用する際には、操作ワイヤ12を介して給電されて電極面となり、対向面部15e,16eと凹部15g,16gにおいて生体組織に対して電気焼灼が行うようになっている。
【0046】
内視鏡用処置具10は、一対の先端処置片15,16の先端側部分である鉗子用カップ部15a,16aがカップ形状であることやギザギザ部があることに特徴があるのではなく、上述したように、カップ部閉じ合わせ線Yに対し長径直径線がθだけ傾いた長円形軸孔15c,16cを有することにより、操作ワイヤ12を牽引すると一対の鉗子用カップ部15a,16aが完全に閉じ、さらに操作ワイヤ12を強く牽引すると一対の鉗子用カップ部15a,16aの基端部同士が微小寸法互いに離間するという特殊な開閉動作を行わせることができることに特徴がある。
【0047】
図3(A)に示すように、一対の鉗子用カップ部同士15a,16aが開いた状態での支持軸18の長円形軸孔15c,16cに対する相対位置は、2つの状態がある。1つの状態は、操作ワイヤ12が先端方向に移動されて一対の鉗子用カップ部15a,16aが開動したときは、支持軸18は、各長円形軸孔15c,16cの各先端側エンド位置に相対移動した位置に来ている。
【0048】
他の1つの状態として、操作ワイヤ12が基端方向に牽引されて一対の鉗子用カップ部15a,16aが閉動開始するときは、支持軸18は、各長円形軸孔15c,16cの各基端側エンド位置に相対移動する。
【0049】
そうして、操作ワイヤ12が牽引されていくと、図3(B),図4(A)-(C)に示すように、一対の鉗子用カップ部15a,16aが全面的に閉じた状態になり、各長円形軸孔15c,16cの各基端側エンド位置に位置したままであり、さらに操作部13を強く握り締めて操作ワイヤ12を更に牽引すると、図3(C),図6(A)-(C)に示すように、支持軸18は、各長円形軸孔15c,16cの各先端側エンド位置に相対移動し、一対の鉗子用カップ部15a,16aが、先端部同士の密着を維持しながら、基端部同士が互いに微小寸法離間する状態になり、これにより、操作部13を握り締める力にほぼ比例してカップ部先端同士に噛み合わせ力(保持力)強くなり、もってカップ部先端部での患部の切除を容易に行うことができて、一対の鉗子用カップ部15a,16aで生体組織の患部の搾取を行うことが確実容易にできる。
【0050】
図7は、図3(B),図4(C)に示す状態から図3(C),図6(C)に示す状態に、一対の鉗子用カップ部15a,16aが揺動したところを示す。まず、図7において、鎖線で示すように一対の鉗子用カップ部15a,16aが全面的に閉じた状態では、支持軸18が各長円形軸孔15c,16cの各基端側エンド位置に位置し、操作ワイヤ12が基端側へ微小な所要寸法、牽引されると、図3(C)に示す進退伝動リンク21も一体に移動され、同時に開閉作動用リンク19,20が僅かに移動し、支持軸18が各長円形軸孔15c,16cの各先端側エンド位置に相対移動する。これにより、一対の先端処置片15,16は、鉗子用カップ部15a,16aの先端湾曲部が密着したまま基端方向へ微小寸法移動され、一対の先端処置片15,16の支棹部15b,16bが図7において、実線で示すように外側に膨らむように揺動することになる。
【0051】
長円形軸孔15c,16cは、図3(B),図4(C)に示すように、支持軸18の基端側でかつカップ部閉じ合わせ線Yよりも鉗子用カップ部15a,16a寄りの斜め位置に生じていた孔内隙間δを解消するとともに、図3(C),図6(C)に示すように、支持軸18の基端側の斜め位置(反対位置)に孔内隙間δが生じつつ、鉗子用カップ部15a,16aの先端湾曲部同士が密着したまま基端部同士が互いに微小な離間寸法C(例えば0.1-0.3mm)だけ開くことになる。
【0052】
これにより、一対の鉗子用カップ部15a,16aの先端側では密着状態になってしかもカップ部先端に閉じ力が集中するので、患部を切除し易いから、生体組織の患部の搾取を行うことができ、生検鉗子や止血鉗子として採用するのに好ましい、操作性に優れる。
【0053】
もしも、一対の鉗子用カップ部15a,16aの先端湾曲部同士が密着し基端同士が微小寸法開く動作が無くて、全面的に閉じた状態になる場合には、カップ部のヤスリ等による加工が大変難しいため先端側がぴったりと合わず隙間がある閉じた状態になる場合が生じ、患部を挟んだ時に先端側にできる隙間の存在により、患部を搾取不良になる。上記構成によれば、一対の鉗子用カップ部15a,16aの先端湾曲部同士が密着し基端同士が微小寸法開く動作があることで、カップ部のヤスリ等による加工が大変難しさをカバーできる。
【0054】
また、止血鉗子として使用する場合には、一対の鉗子用カップ部15a,16aの先端湾曲部同士で生体組織を挟んた状態を確保できるので、患部が把持し、安全の為に患部を引き上げて一対の鉗子用カップ部15a,16aに高周波電流を流せば患部の把持部を焼灼することができる。
【0055】
本実施の形態(本発明)では、一対の鉗子用カップ部15a,16aの先端湾曲部同士が密着した状態で、かつ一対の鉗子用カップ部15a,16aの基端部同士が離間寸法Cだけ開いた状態にするためには、長円形軸孔15c,16cが長円形の長径直径線が図示のように傾いて設けられている必要があるが、一対の鉗子用カップ部15a,16aの基端部同士が離間する離間寸法Cを所要寸法に設定するには、所要条件が存在する。
【0056】
具体的には、長円形軸孔15c,16cの長径直径線のカップ部閉じ合わせ線Yに対する傾き角θと、支持軸18の長円形軸孔15c,16cに対する相対的スライド可能な距離δ(=孔内隙間の大きさ=ずれ寸法)と、長円形軸孔15c,16cの2つの曲率中心の中、鉗子用カップ部寄りの曲率中心から鉗子用カップ部15a,16aの先端までの長さLとがそれぞれ適切な大きさに設定されることにより、離間寸法Cが決定される。ここで、θは30-60度の範囲の適宜の値、δは0.1-0.25mm、Lは0.1-0.5mmの範囲に採るのがよい。
【0057】
図4(A),(B)図6(A),(B)において、長円形軸孔16cはφ0.6mmの支持軸(円形軸)18を図において右上がりに45度の角度で0.1mm移動できる孔である。図中寸法Lとδは図中の離間寸法Cについて異なった値を得るために替えるものとする。なお、図5において、図中の寸法Aと寸法Bは、例えば2.3mm、2.85mmである。寸法Cは、θとLとδを変数とする関数であり、θとLとδが大きくなるのに従い大きくなる。
上記寸法条件の下で図形学的に解析した例では、
(1)θ=45度、L=3.3mm、ずれ寸法δ=0.2mmのとき、C=0.18mmとなった。
(2)θ=45度、L=4.8mm、δ=0.2mmのとき、C=0.22mmとなった。
(3)θ=45度、L=4.0mm、δ=0.25mmのとき、C=0.25mmとなった。
(4)θ=45度、L=3.85mm、δ=0.1mmのとき、C=0.1mmとなった。
上記(1)-(4)の中、(4)が鉗子操作おける掴み機能が最も良好であった。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、生体組織の患部の搾取を行う鉗子用カップ部と支棹部とを含む一対の先端処置片を有し、先端処置部支持部材の腕部間にてX状に交差しかつ支持軸でX状交差部が軸支され、操作ワイヤの進退と連動して開閉し、X状交差部に設けられた長円形軸孔は、一対の鉗子用カップ部が全面的に閉じた状態において、支持軸に対する孔内隙間が支持軸の基端側でかつ支棹部の基端寄りの斜め位置に生じるようになっている構成であり、一対の鉗子用カップ部を開いて生体組織の患部を挟んでシースを不動として操作ワイヤを基端方向に牽引して一対の鉗子用カップ部が閉じていくと、一対の鉗子用カップ部が、基端側では非密着状態で先端側では密着状態になり、引き続いて先端側の密着状態が維持され基端側が密着状態になる特殊動作を行うことができるので、生体組織の患部の搾取を確実に行うことができ、生検鉗子や止血鉗子として採用するのに好ましい特殊動作が得られ、操作性に優れる内視鏡用処置具を提供することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…内視鏡システム、
2…挿入部、
3…内視鏡操作部、
4…処置具導入部、
5…内視鏡チャネル、
10…内視鏡用処置具、
11…シース、
11a…コイルシース、
11b…樹脂製外被、
12…操作ワイヤ、
13…操作部、
13a…操作部本体、
13b…スライダ、
14…先端処置部支持部材、
14a…筒部、
14b…腕部、
15,16…先端処置片
15a,16a…鉗子用カップ部
15b,16b…支棹部、
15c,16c…長円形軸孔、
15d,16d…ピン軸孔、
15e,16e…対向面部
15f,16f…凸曲外面
15g,16g…凹部
15h,16h…円形開口、
15i,16i…凸部(対向面部の一部)
15j,16j…切欠部、
18…支持軸、
19,20…開閉作動用リンク、
21…進退伝動リンク、
22,23,24…ピン軸、
25,26…ストッパ部材、
C…一対の鉗子用カップ部の基端の離間寸法、
L…鉗子用カップ部寄りの曲率中心から鉗子用カップ部の先端までの長さ
Y…カップ部閉じ合わせ線
θ…長円形軸孔の長径直径線のカップ部閉じ合わせ線に対する傾き角
δ…支持軸の長円形軸孔に対する相対的スライド可能な距離。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7