(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20240507BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
G08G1/09 D
G08G1/16 D
G08G1/09 R
(21)【出願番号】P 2019162746
(22)【出願日】2019-09-06
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】辻 正文
(72)【発明者】
【氏名】ケラネン トンミ
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-523517(JP,A)
【文献】特開2012-58826(JP,A)
【文献】特開平11-250399(JP,A)
【文献】特開2009-176221(JP,A)
【文献】特開2006-252200(JP,A)
【文献】特開2008-302849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺の情報を取得する通信部と接続され、車両の走行経路に配置された交差点の通過可否を判定するコントローラを備えた走行支援装置の交差点通過判定方法であって、
前記コントローラは、
前記通信部を介して、
前記車両の車両速度、及び、前記車両の車両位置を取得し、
前記走行経路における前記交差点の開始位置及び終了位置を取得し、
前記交差点への進入可能を表示する許可表示、
前記交差点への進入禁止を表示する禁止表示、
前記許可表示と前記禁止表示の間で表示される中間表示
を切り替えて表示する信号機の前記中間表示から前記禁止表示に切り替わる禁止表示信号タイミングを取得し、
前記車両速度、及び、前記車両位置に基づいて、前記車両が前記開始位置に到達する第1車両タイミングを算出し、
前記交差点の前記開始位置、前記終了位置、又は、前記開始位置と前記終了位置の間の位置のいずれかを、基準位置として設定し、
前記車両速度、及び、前記車両位置に基づいて、前記車両が前記基準位置に到達する第2車両タイミングを算出し、
前記第1車両タイミングが前記禁止表示信号タイミング以前であるか否か判定し、
前記第1車両タイミングが前記禁止表示信号タイミング以前である場合に、
少なくとも、前記禁止表示信号タイミング
と前記第2車両タイミングに基づいて、前記交差点の通過可否を判定すること
を特徴とする交差点通過判定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の交差点通過判定方法であって、
前記コントローラは、前記開始位置と前記終了位置との中央の位置を前記基準位置とした場合における前記第2車両タイミングよりも、前記禁止表示信号タイミングが遅い場合に、前記車両は前記交差点を通過できると判定すること
を特徴とする交差点通過判定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の交差点通過判定方法であって、
前記コントローラは、前記終了位置を前記基準位置とした場合における前記第2車両タイミングよりも、前記禁止表示信号タイミングが遅い場合に、前記車両は前記交差点を通過できると判定すること
を特徴とする交差点通過判定方法。
【請求項4】
請求項
1~3のいずれか一項に記載の交差点通過判定方法であって、
前記コントローラは、
前記車両が前記車両速度から加速可能であるか否かを判定し、
前記車両が加速可能であると判定された場合に、加速後の車両速度に基づいて、前記第1車両タイミング及び前記第2車両タイミングを再計算し、
再計算後の前記第1車両タイミングが前記禁止表示信号タイミング以前である場合に、少なくとも、前記禁止表示信号タイミングと再計算後の前記第2車両タイミングに基づいて、前記交差点の通過可否を判定すること
を特徴とする交差点通過判定方法。
【請求項5】
請求項
4に記載の交差点通過判定方法であって、
前記コントローラは、前記車両の前記走行経路上、前記車両の前方の所定範囲内に先行車両が存在しない場合に、前記車両が加速可能であると判定すること
を特徴とする交差点通過判定方法。
【請求項6】
請求項
4又は5に記載の交差点通過判定方法であって、
前記コントローラは、前記車両が走行中の道路がカーブ路であり、前記カーブ路に前記交差点が接続している場合に、前記車両が加速可能であると判定すること
を特徴とする交差点通過判定方法。
【請求項7】
請求項
4~6のいずれか一項に記載の交差点通過判定方法であって、
前記コントローラは、前記車両が走行中の道路の制限速度よりも、前記車両速度が低い場合に、前記車両が加速可能であると判定すること
を特徴とする交差点通過判定方法。
【請求項8】
請求項
1~7のいずれか一項に記載の交差点通過判定方法であって、
前記コントローラは、前記車両は前記交差点を通過できると判定されなかった場合に、前記車両は前記交差点を通過できないと判定すること
を特徴とする交差点通過判定方法。
【請求項9】
請求項
1~8のいずれか一項に記載の交差点通過判定方法を用いる走行支援方法であって、
前記コントローラは、前記交差点通過判定方法によって前記車両が前記交差点を通過できると判定された場合に、前記車両が前記交差点を通過するように制御すること
を特徴とする走行支援方法。
【請求項10】
請求項
1~8のいずれか一項に記載の交差点通過判定方法を用いる走行支援方法であって、
前記コントローラは、前記交差点通過判定方法によって前記車両が前記交差点を通過できないと判定された場合に、前記車両の減速を開始すること
を特徴とする走行支援方法。
【請求項11】
請求項
10に記載の走行支援方法であって、
前記コントローラは、前記交差点通過判定方法によって前記車両が前記交差点を通過できないと判定された場合に、前記許可表示から前記中間表示に切り替わる中間表示信号タイミングの後に前記車両の減速を開始すること
を特徴とする走行支援方法。
【請求項12】
請求項
1~8のいずれか一項に記載の交差点通過判定方法を用いる走行支援方法であって、
前記コントローラは、
前記第1車両タイミングが前記許可表示から前記中間表示に切り替わる中間表示信号タイミング後の前記中間表示から前記禁止表示に切り替わる禁止表示信号タイミングよりも遅いか否かを判定し、
前記第1車両タイミングが前記禁止表示信号タイミングよりも遅いと判定された場合に、前記車両の減速を開始すること
を特徴とする走行支援方法。
【請求項13】
請求項
12に記載の走行支援方法であって、
前記コントローラは、前記第1車両タイミングが前記中間表示信号タイミング後の前記中間表示から前記禁止表示に切り替わる禁止表示信号タイミングよりも遅いと判定された場合に、前記中間表示信号タイミングの後に前記車両の減速を開始すること
を特徴とする走行支援方法。
【請求項14】
車両の周辺の情報を取得する通信部と、
前記通信部を介して前記情報を取得するコントローラと、
を備え、前記車両の走行経路に配置された交差点の通過可否を判定する交差点通過判定装置であって、
前記コントローラは、
前記通信部を介して、
前記車両の車両速度、及び、前記車両の車両位置を取得し、
前記走行経路における前記交差点の開始位置及び終了位置を取得し、
前記交差点への進入可能を表示する許可表示、
前記交差点への進入禁止を表示する禁止表示、
前記許可表示と前記禁止表示の間で表示される中間表示
を切り替えて表示する信号機の前記中間表示から前記禁止表示に切り替わる禁止表示信号タイミングを取得し、
前記車両速度、及び、前記車両位置に基づいて、前記車両が前記開始位置に到達する第1車両タイミングを算出し、
前記交差点の前記開始位置、前記終了位置、又は、前記開始位置と前記終了位置の間の位置のいずれかを、基準位置として設定し、
前記車両速度、及び、前記車両位置に基づいて、前記車両が前記基準位置に到達する第2車両タイミングを算出し、
前記第1車両タイミングが前記禁止表示信号タイミング以前であるか否か判定し、
前記第1車両タイミングが前記禁止表示信号タイミング以前である場合に、
少なくとも、前記禁止表示信号タイミング
と前記第2車両タイミングに基づいて、前記交差点の通過可否を判定すること
を特徴とする交差点通過判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、交差点の信号機に応答して車両が前進して交差点を通過しようとする際に、信号機が「黄信号」から「赤信号」に変わるタイミングにおける車両位置を推定し、推定した車両位置と交差点手前の停止位置の間の位置関係に応じて、車両の交差点通過の可否の判定する技術が開示されている。ここで「黄信号」は「停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除き、停止位置で止まれ」を意味し、「赤信号」は「停止位置で止まれ」を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、車両の進行方向に沿った交差点の長さ(例えば、交差点を通過する際に車両が横断する車線数)を考慮するものではない。そのため、例えば、交差点の長さが長いことに起因して、信号機が「黄信号」から「赤信号」に変わるタイミングまでに、車両が交差点を通過できない可能性が高い場合であっても、信号機が「黄信号」から「赤信号」に変わるタイミングとの関係で車両が交差点に進入してしまう恐れがある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、交差点の長さに起因して、車両が交差点を適切なタイミングで通過しきれない可能性が高い場合には、車両を交差点手前で停止させることが可能な交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、車両の走行経路に配置された交差点の通過可否を判定する際に、交差点への進入可能を表示する許可表示、交差点への進入禁止を表示する禁止表示、許可表示と禁止表示の間で表示される中間表示を切り替えて表示する信号機の、中間表示から禁止表示に切り替わる禁止表示信号タイミングを取得し、車両が交差点の開始位置に到達する第1車両タイミングと、交差点の開始位置と終了位置の間に設定した基準位置に車両が到達する第2車両タイミングを算出し、第1車両タイミングが禁止表示信号タイミング以前である場合に、禁止表示信号タイミングと第2車両タイミングに基づいて、交差点の通過可否を判定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、交差点の長さに起因して車両が適切なタイミングで交差点を通過できない可能性が高い場合に、車両が交差点を通過できないと適切に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明を用いることができるアーキテクチャの図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る交差点通過判定装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る交差点通過判定の第1の処理手順を示すフローチャートである。
【
図4A】
図4Aは、信号機の所定イベント時の車両位置と交差点の位置関係を示す第1模式図である。
【
図4B】
図4Bは、信号機の所定イベント時の車両位置と交差点の位置関係を示す第2模式図である。
【
図4C】
図4Cは、信号機の所定イベント時の車両位置と交差点の位置関係を示す第3模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る交差点通過判定の第2の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6A】
図6Aは、信号機の所定イベント時の車両位置と交差点の位置関係を示す第4模式図である。
【
図6B】
図6Bは、信号機の所定イベント時の車両位置と交差点の位置関係を示す第5模式図である。
【
図7A】
図7Aは、信号機の所定イベント時の車両位置と交差点の位置関係を示す第6模式図である。
【
図7B】
図7Bは、信号機の所定イベント時の車両位置と交差点の位置関係を示す第7模式図である。
【
図8A】
図8Aは、信号機の所定イベント時の車両位置と交差点の位置関係を示す第8模式図である。
【
図8B】
図8Bは、信号機の所定イベント時の車両位置と交差点の位置関係を示す第9模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。説明において、同一のものには同一符号を付して重複説明を省略する。
【0010】
[自動運転のアーキテクチャ]
本発明は、自動運転機能を有する車両等に用いることができる。
図1を参照して、本発明を用いることができる自動運転のアーキテクチャを説明する。
【0011】
自動運転において、自己位置を把握すること、車両周辺の情報を把握することが求められる。これらの把握によって、車両は車線変更を実施したり、交差点で適切な方向に進むことが可能となり、目的地に到達することが可能となる。自己位置を把握するためのアーキテクチャ、及び車両周辺の情報を把握するためのアーキテクチャは、
図1の参照符号100~105によって示される。
【0012】
図1の参照符号100で示されるセンサ群(Sensors)は、様々な情報を検出する。センサ群100には、光波を用いて距離を測定するレーザレンジファインダ、静止画及び動画を取得するカメラ、超音波を用いて距離を測定するソナーなどが含まれる。さらに、センサ群には、車両の速度を検出する速度センサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、車両の舵角を検出する舵角センサなども含まれる。
【0013】
また、センサ群100には、GPS受信機が含まれてもよい。GPS受信機は、人工衛星からの電波を受信することにより、地上における車両の位置情報(緯度及び経度情報を含む)を検出する。ただし、車両の位置情報を検出する方法は、GPS受信機に限定されない。例えば、オドメトリと呼ばれる方法を用いて位置を推定してもよい。オドメトリとは、車両Aの回転角、回転角速度に応じて車両Aの移動量及びと移動方向を求めることにより、車両Aの位置を推定する方法である。この場合、センサ群100には、舵角センサ、車輪速センサ、ジャイロセンサが含まれる。
【0014】
以下の説明では、センサ群100によって検出された情報には、主に自己位置情報、走行車線情報が含まれるものとする。
【0015】
センサ群100によって検出された情報は、車両に搭載されたコントローラ(不図示)に送信され、処理される。センサ群100によって検出された情報は、検出された地域に適合するようにローカライズされる(
図1の参照符号103)。
【0016】
センサ群100によって検出された情報と地図情報とが統合され、コントローラ中の環境認識部104はワールドモデルを生成する。ここでいうワールドモデルとは、静的なもしくは動的な高精度地図に、自己位置情報、他車両情報、歩行者情報などの動的な位置情報を組み合わせて、自車両の周囲環境を統合したデータを意味する。
【0017】
ここで高精度地図について説明する。高精度地図とは、道路の車線数、道幅情報、道路の起伏情報などの道路情報、速度制限、一方通行などを示す道路標識、横断歩道、区画線などを示す道路標示などの情報を含む地図をいう。さらに、高精度地図には道路構造物(例えば信号機、電信柱)、建物などの設備情報が含まれてもよい。これらの高精度地図情報は、
図1に示すHDマップ102が備えている。環境認識部104は、自己位置及び自己位置周辺の高精度地図をHDマップ102から読み出し、読み出した地図上に自己位置情報、他車両情報、歩行者情報などの動的な位置情報を設定してワールドモデルを生成する。
【0018】
なお、道路情報、設備情報などの各種データはHDマップ102から取得されるものに限定されず、車車間通信、路車間通信を用いて取得されてもよい。道路情報、設備情報などの各種データが外部に設置されたサーバに記憶されている場合、コントローラは、通信により随時これらのデータをクラウドから取得してもよい。また、コントローラは、外部に設置されたサーバから定期的に最新の地図情報を入手して、保有する地図情報を更新してもよい。
【0019】
コントローラ中の物体認識部105は、センサ群100によって検出された情報に基づいて生成された車両周辺の物体の認識情報を生成し、ローカルモデルを生成する。ローカルモデルには、物体の認識情報として、他車両情報、歩行者情報などが含まれる。他車両情報には、他車両の速度、進行方向、走行車線などが含まれる。歩行者情報には、歩行者の属性(大人か子どもか)、顔の向き、進行方向などが含まれる。物体認識部105によって生成されたローカルモデルは、ワールドモデルの生成に用いられる。
【0020】
次に、自動運転の走行制御のアーキテクチャについて、
図1の参照符号106~111を参照して説明する。
【0021】
ユーザは、ナビゲーション装置101(Navigation)を用いて目的地を設定する(
図1の参照符号106、Destination setting)。ナビゲーション装置101は、HDマップ102を読み出して目的地に到達する経路を計画する。目的地に到達する経路に交差点が存在する場合は、交差点に進入する車線に車線変更するタイミングなども計画される(
図1の参照符号107、Route planning)。
【0022】
コントローラは、環境認識部104で生成されたワールドモデルに基づき、経路に沿って自動走行する際の行動を決定する。例えば、信号機の色が赤であれば車両を停止させ、信号機の色が青であれば車両を走行させる。またコントローラは、車線変更を行う場合における方向指示器を点灯させるタイミング、ステアリングホイールを操作するタイミングなどを決定する(
図1の参照符号108、Decision Making)。
【0023】
次に、コントローラは、ローカルモデル及びHDマップ102を読み込んで、ドライブゾーンを計画する(
図1の参照符号109、Drive Zone planning)。ドライブゾーンとは、車両が走行可能な領域と定義される。走行中において、様々な障害物(他車両、バイク、道路上の落下物など)がセンサ群100によって検出される。コントローラはこれらの障害物を考慮してドライブゾーンを計画する。
【0024】
次に、コントローラは、ドライブゾーンに沿ったトラジェクトリを設定する(
図1の参照符号110)。トラジェクトリとは、車両の走行軌跡を示す複数の点を結んで構成され、各点は車両の位置情報と、その位置における車両の姿勢情報から成る。コントローラは、このトラジェクトリに沿って走行する時の自車両の車速プロファイルを、トラジェクトリに基づいて生成する。尚、トラジェクトリの曲率制限を車速プロファイルによって、車速プロファイルをトラジェクトリの曲率情報で補完するようにしてもよく、互いに補完し合って生成するようにしてもよい。一般的に、軌跡の曲率が大きいほど急な旋回となるため、乗員に与える違和感を抑制するためにも車速を制限することが考えられ、逆に車速が高い場合は、曲率を小さくすることで乗員に与える違和感を抑制できることが考えられる。
【0025】
最後に、コントローラは、設定したトラジェクトリに沿って車両が自動的に走行するように各種のアクチュエータ(ブレーキアクチュエータ、アクセルアクチュエータ、ステアリングアクチュエータなど)を制御する(
図1の参照符号111、Vehicle motion control)。これにより、自動運転が実現する。
【0026】
[交差点通過判定装置の構成]
次に、本実施形態に係る交差点通過判定装置について説明する。交差点通過判定装置80は、ワールドモデルに基づいて、経路に沿って自動走行する際の行動を決定する機能の一部を担っている。本実施形態に係る交差点通過判定装置80は、通信部およびコントローラを備え、通信部は、ワールドモデル(車両の周辺の情報を格納するデータベース)や、車載されたセンサ等と通信する。コントローラは、ワールドモデルやセンサ等から通信部を介して各種の情報を取得する。
【0027】
図2は、交差点通過判定装置80の構成を示すブロック図である。
図2では、コントローラは図示されていないが、コントローラ(制御部、処理部の一例)は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。コントローラには、信号機検出装置として機能させるためのコンピュータプログラム(信号機検出装置プログラム)がインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コントローラは、信号機検出装置が備える複数の情報処理回路(31、33、35、41、43、51、61)として機能する。
【0028】
なお、ここでは、ソフトウェアによって信号機検出装置が備える複数の情報処理回路(31、33、35、41、43、51、61)を実現する例を示す。ただし、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路(31、33、35、41、43、51、61)を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路(31、33、35、41、43、51、61)を個別のハードウェアにより構成してもよい。更に、情報処理回路(31、33、35、41、43、51、61)は、車両にかかわる他の制御に用いる電子制御ユニット(ECU)と兼用してもよい。
【0029】
コントローラは、複数の情報処理回路(31、33、35、41、43、51、61)として、
図2に示す車両速度取得部31、信号情報取得部33、車両位置算出部35、停止判定位置算出部41、相対位置算出部43、判定部51、出力部61を備える。
【0030】
車両速度取得部31は、ワールドモデルや車載されたセンサ等から車両の現在の車両速度Vを取得する。
【0031】
信号情報取得部33は、ワールドモデルや車載されたセンサ等から、車両の走行経路に配置された交差点への進入可否の表示を行う信号機の情報を取得する。以下では、信号機が、交差点への進入可能を表示する「許可表示」、交差点への進入禁止を表示する「禁止表示」、許可表示と禁止表示の間で表示される「中間表示」を少なくとも有しているとして、信号機が、「許可表示」、「中間表示」、「禁止表示」の順番で繰り返し切り替えて表示を行う場合を想定している。
【0032】
信号情報取得部33によって情報が取得される信号機は、「許可表示」、「中間表示」、「禁止表示」を行う信号機であれば、表示の形態は問わない。信号機の「許可表示」、「中間表示」、「禁止表示」としては、例えば、それぞれ「青信号」、「黄信号」、「赤信号」が挙げられるが、この他にも、例えば、色信号の点滅や、文字、矢印等によって、交差点への進入可否の表示を行う場合も想定しうる。
【0033】
信号情報取得部33は、信号機において「許可表示」から「中間表示」に切り替わる中間表示信号タイミングT_Y、及び、中間表示信号タイミングT_Yの後の「中間表示」から「禁止表示」に切り替わる禁止表示信号タイミングT_Rを取得する。
【0034】
なお本実施形態では、信号機の中間表示信号タイミングT_Y、及び、禁止表示信号タイミングT_Rは、車外のクラウド情報として提供されており、ワールドモデルにすでに格納されているとして説明するが、中間表示信号タイミングT_Y、及び、禁止表示信号タイミングT_Rを、車載されたセンサ等によって検知するものであってもよいし、車両が当該交差点を通過した際に取得した情報を集積して統計処理を行うことで中間表示信号タイミングT_Y、及び、禁止表示信号タイミングT_Rを取得するものであってもよい。
【0035】
また、信号情報取得部33は、交差点内で車両の走行経路と交差する走行経路を有する他車両が従う信号機の情報を取得するものであってもよい。他車両が従う信号機の情報としては、他車両が交差点に進入することが許可されるタイミングT_Gcが含まれる。
【0036】
その他、信号情報取得部33は、信号機の情報に加えて、交差点の開始位置X_Enter、及び、交差点の終了位置X_Exitを取得するものであってもよい。
【0037】
車両位置算出部35は、ワールドモデルや車載されたセンサ等から車両の現在の車両位置を取得する。また、車両位置算出部35は、現在の車両位置、車両速度V、中間表示信号タイミングT_Y、及び、禁止表示信号タイミングT_Rに基づいて、中間表示信号タイミングT_Yにおける車両位置X_Y、及び、禁止表示信号タイミングT_Rにおける車両位置X_Rを算出するものであってもよい。
【0038】
その他、車両位置算出部35は、現在の車両位置、車両速度V、交差点の開始位置X_Enter、及び、交差点の終了位置X_Exitに基づいて、交差点の開始位置X_Enterに車両が到着するタイミングT_Enter(第1車両タイミング)、及び、交差点の終了位置X_Exitに車両が到着するタイミングT_Exitを算出するものであってもよい。また、車両位置算出部35は、他車両の交差点への進入が許可されるタイミングT_Gcにおける車両位置X_Gcを算出するものであってもよい。
【0039】
その他、車両位置算出部35は、取得した車両位置に基づいて、交差点接続する道路の形状(直線路であるか、又は、カーブ路であるか等)を、ワールドモデルや車載されたセンサ等から取得するものであってもよい。また、車両位置算出部35は、先行車両の有無をワールドモデルや車載されたセンサ等から取得するものであってもよい。さらには、車両位置算出部35は、車両が走行中の道路の制限速度を取得するものであってもよい。
【0040】
停止判定位置算出部41は、現在の車両位置、車両速度V、及び、中間表示信号タイミングT_Yに基づいて、中間表示信号タイミングT_Yにおいて車両が所定減速度で減速を開始した場合に、車両が停止すると予想される停止位置X_Sを算出する。
【0041】
その他、停止判定位置算出部41は、中間表示信号タイミングT_Yにおいて車両が所定減速度で減速を開始して、車両が停止すると予想される停止タイミングT_Sを算出するものであってもよい。
【0042】
なお、停止判定位置算出部41での算出の際に用いる所定減速度としては、車両の乗員や、周囲の車両に不安感を与えない程度の減速度が設定されうる。
【0043】
相対位置算出部43は、交差点の開始位置X_Enter、及び、交差点の終了位置X_Exitに基づいて、交差点の開始位置X_Enterから終了位置X_Exitまでの区間内に基準位置X_Nを設定する。例えば、基準位置X_Nとして、開始位置X_Enterと終了位置X_Exitの中間位置X_Halfを設定してもよいし、基準位置X_Nとして終了位置X_Exitを設定してもよい。
【0044】
その他、相対位置算出部43は、現在の車両位置、車両速度V、設定した基準位置X_Nに基づいて、基準位置X_Nに車両が到着する基準タイミングT_N(第2車両タイミング)を算出するものであってもよい。例えば、基準位置X_Nとして中間位置X_Halfを設定した場合の基準タイミングT_Nを中間タイミングT_Halfとする。
【0045】
判定部51は、上述によって取得もしくは算出されたデータに基づいて、車両の走行経路に配置された交差点を、車両が通過できるか否かを判定する。判定の詳細については後述する。
【0046】
なお、判定部51は、複数のタイミング(中間表示信号タイミングT_Y、禁止表示信号タイミングT_R、タイミングT_Enter、タイミングT_Exit、停止タイミングT_S、基準タイミングT_N等)の前後関係に基づいて、車両が交差点を通過できるか否かを判定するものであってもよい。また、判定部51は、複数のタイミングの前後関係の代わりに、上述した複数の位置(車両位置X_Y、車両位置X_R、開始位置X_Enter、終了位置X_Exit、停止位置X_S、基準位置X_N等)の相対的な位置関係に基づいて、車両が交差点を通過できるか否かを判定するものであってもよい。タイミングの前後関係に基づいて判定を行う場合であっても、複数の位置の相対的な位置関係に基づいて判定を行う場合であっても、実質的に違いは生じない。
【0047】
出力部61は、判定部51で得られた、交差点通過可否の判定の結果を外部に出力する。
【0048】
[交差点通過判定の第1の処理手順]
次に、本実施形態に係る交差点通過判定装置による交差点通過判定の第1の処理手順を、
図3のフローチャート、及び、
図4A、
図4B、
図4Cの模式図を参照して説明する。
【0049】
図3に示す交差点通過判定の処理は、車両の走行経路上に交差点があると検知された時点で開始されるものであってもよいし、車両が交差点に到達するまでに要すると予想される時間が所定の時間を下回った時点で開始されるものであってもよい。その他、交差点通過判定の処理は、交差点に車両が所定の距離まで接近した時点で開始されるものであってもよい。
【0050】
ステップS01にて、コントローラは、所定イベント時の車両位置等を算出する。
【0051】
具体的には、車両位置算出部35は、中間表示信号タイミングT_Y、禁止表示信号タイミングT_Rに基づいて、車両位置X_Y、及び、車両位置X_Rを算出する。その他、車両位置算出部35は、開始位置X_Enter、終了位置X_Exitに基づいて、タイミングT_Enter、タイミングT_Exitを算出するものであってもよい。
【0052】
また、停止判定位置算出部41は、停止位置X_S、及び、停止タイミングT_Sを算出するものであってもよいし、さらに、相対位置算出部43は、基準位置X_N、及び、基準タイミングT_Nを算出するものであってもよい。
【0053】
次に、ステップS03にて、判定部51は「X_R≧X_Enter」(車両の進行方向を基準として、車両位置X_Rが交差点の開始位置X_Enterと等しいか、あるいは、車両位置X_Rが交差点の開始位置X_Enterよりも前方にあるか)を判定する。
【0054】
判定部51は、「X_R≧X_Enter」を判定する代わりに、「T_R≧T_Enter」(第1車両タイミングが禁止表示信号タイミング以前であるか)を判定するものであってもよい。
【0055】
そして、ステップS03で「NO」の場合、ステップS21にて、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定する。
【0056】
例えば、
図4Aの模式図で示す場合、車両の進行方向を基準として、車両位置X_Rは開始位置X_Enterよりも後方に位置している。そのため、仮に車両が減速動作を行わない場合、信号機の表示が「禁止表示」であるにも関わらず、交差点に車両が進入することになってしまう。信号機の表示が「禁止表示」である場合に車両が減速動作を行わないことは不自然であるため、ステップS03で「NO」の場合には、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定する。
【0057】
ステップS03で「YES」の場合、ステップS05にて、判定部51は「X_Y≧X_Enter」(車両の進行方向を基準として、車両位置X_Yが交差点の開始位置X_Enterと等しいか、あるいは、車両位置X_Yが交差点の開始位置X_Enterよりも前方にあるか)を判定する。
【0058】
判定部51は、「X_Y≧X_Enter」を判定する代わりに、「T_Y≧T_Enter」(第1車両タイミングが中間表示信号タイミング以前であるか)を判定するものであってもよい。
【0059】
そして、ステップS05で「YES」の場合、ステップS23にて、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定する。
【0060】
例えば、
図4Bの模式図で示す場合、車両の進行方向を基準として、車両位置X_Yは開始位置X_Enterよりも前方に位置している。そのため、車両が交差点に進入した時点では、信号機の表示は「許可表示」である。このような場合に、交差点に進入する前に車両が減速動作を行うことは不自然であるため、ステップS05で「YES」の場合には、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定する。
【0061】
ステップS05で「NO」の場合、ステップS07にて、判定部51は「ΔX≦ΔXh」であるかを判定する。ここで、
図4Cに示すように、「ΔX」とは、車両位置X_Yと交差点の開始位置X_Enterの間の距離を示し、「ΔXh」とは、車両位置X_Yと停止位置X_Sの間の距離を示す。「ΔXh」は、信号機が「許可表示」から「中間表示」に切り替わる中間表示信号タイミングT_Yで車両が減速動作を開始した場合に、車両が停止するまでの移動距離を表している。
【0062】
すなわち、ステップS07にて、判定部51は、車両位置X_Yと交差点の開始位置X_Enterの間の距離ΔXが、車両の減速動作中の移動距離ΔXhよりも小さいか等しいかを判定している、と言い換えることができる。
【0063】
なお、判定部51は、「ΔX≦ΔXh」を判定する代わりに、「X_S≧X_Enter」(車両の進行方向を基準として、停止位置X_Sが交差点の開始位置X_Enterと等しいか、あるいは、停止位置X_Sが交差点の開始位置X_Enterよりも前方にあるか)を判定するものであってもよい。
【0064】
さらには、判定部51は、「ΔX≦ΔXh」を判定する代わりに、「ΔT≦ΔTh」(中間表示信号タイミングから第1車両タイミングまでの継続時間ΔTが、車両が減速して停止するまでに要する時間ΔTh以下であるか)を判定するものであってもよいし、「T_S≧T_Enter」(第1車両タイミングが停止タイミングT_S以前であるか)を判定するものであってもよい。
【0065】
そして、ステップS07で「NO」の場合、ステップS21にて、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定する。また、ステップS07で「YES」の場合、ステップS23にて、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定する。
【0066】
例えば、
図4Cの模式図で示す場合、車両位置X_Yと交差点の開始位置X_Enterの間の距離ΔXは、車両の減速動作中の移動距離ΔXhよりも短い。このような場合に、仮に車両が減速動作を行うと、車両の乗員に必要以上の急減速を感じさせてしまうことになる。また、仮に車両が減速動作を行わないで交差点に進入したとしても、車両が交差点を通過している間、信号機が「中間表示」である時間は長いと考えられるため、交差点を通過できる可能性は高いと考えられる。したがって、ステップS07で「YES」の場合には、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定する。
【0067】
一方、車両位置X_Yと交差点の開始位置X_Enterの間の距離ΔXが、車両の減速動作中の移動距離ΔXhよりも長い場合には、仮に車両が減速動作を行ったとしても、車両の乗員が感じる減速度は大きいものではないため、車両の減速動作が乗員に悪影響を及ぼす可能性は低い。また、仮に車両が減速動作を行わないで交差点に進入してしまうと、車両が交差点を通過している間、信号機が「中間表示」である時間は短いと考えられるため、交差点を通過できる可能性は低いと考えられる。したがって、ステップS07で「NO」の場合には、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定する。
【0068】
図3のフローチャートにおいて、ステップS21にて、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定し、ステップS23にて、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定するものとして説明したが、ステップS21及びステップS23では、判定が行われるのであって、実際の車両の制御は行われないことに注意する。
【0069】
[交差点通過判定の第2の処理手順]
次に、本実施形態に係る交差点通過判定装置による交差点通過判定の第2の処理手順を、
図5のフローチャート、及び、
図6A、
図6B、
図7A、
図7Bの模式図を参照して説明する。なお、これより説明する交差点通過判定の第2の処理手順は、先に説明した第1の処理手順と組み合わせて実行することが可能である。
【0070】
図5のフローチャートにおいて、ステップS01、S03、S05、S21、S23は、
図3のフローチャートに示したものと同じ内容であるため、説明を省略する。
【0071】
ステップS05で「NO」の場合、ステップS11にて、判定部51は、「X_R≦X_Half」(車両の進行方向を基準として、車両位置X_Rが中間位置X_Halfと等しいか、あるいは、車両位置X_Rが中間位置X_Halfよりも後方にあるか)を判定する。
【0072】
判定部51は、「X_R≦X_Half」を判定する代わりに、「T_R≦T_Half」(禁止表示信号タイミングが、中間タイミングT_Half以前であるか)を判定するものであってもよい。
【0073】
そして、ステップS11で「YES」の場合、ステップS21にて、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定する。
【0074】
ステップS11で「NO」の場合、ステップS13にて、判定部51は、「X_R>X_Exit」(車両の進行方向を基準として、車両位置X_Rが交差点の終了位置X_Exitよりも前方にあるか)を判定する。
【0075】
判定部51は、「X_R>X_Exit」を判定する代わりに、「T_R>T_Exit」(禁止表示信号タイミングが、交差点の終了位置X_Exitに車両が到着するタイミングT_Exitよりも後であるか)を判定するものであってもよい。
【0076】
そして、ステップS13で「YES」の場合、ステップS23にて、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定する。
【0077】
例えば、
図6Aの模式図で示す場合、車両の進行方向を基準として、車両位置X_Rは終了位置X_Exitよりも前方に位置している。そのため、車両が交差点に進入したとしても、信号機の表示が「中間表示」となっている間に車両は交差点の通過を完了できるといえる。そのため、ステップS13で「YES」の場合、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定する。
【0078】
一方、
図6Bの模式図で示す場合、車両の進行方向を基準として、車両位置X_Rは中間位置X_Halfよりも後方に位置している。そのため、車両が交差点に進入したとしても、車両が交差点の半分を通過する前に、信号機の表示が「中間表示」から「禁止表示」に切り替わってしまい、交差点を通過できない可能性が高い。そのため、ステップS11で「YES」の場合、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定する。
【0079】
なお、図示していないが、車両の進行方向を基準として、車両位置X_Rが、中間位置X_Halfと終了位置X_Exitの間の区間にある場合、車両が交差点を通過する時間のうち、信号機が「中間表示」である時間が、信号機が「禁止表示」である時間よりも長いことから、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定するものであってもよい。一方、車両が交差点を通過する時間のうちに信号機が「禁止表示」である時間が含まれることから、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定するものであってもよい。
【0080】
ステップS13で「NO」の場合、ステップS15にて、判定部51は、「ΔX<ΔXha」であるかを判定する。ここで、
図7Aに示すように、「ΔX」とは、車両位置X_Yと交差点の開始位置X_Enterの間の距離を示し、「ΔXha」とは、車両位置X_Yと車両位置X_Rの間の距離に所定の割合(例えば3分の1)をかけて得られる距離を示す。
【0081】
すなわち、ステップS15にて、判定部51は、信号機が「中間表示」である間に車両が交差点内を移動できる距離に基づいて、交差点の通過可否の判定を行っているといえる。
【0082】
なお、判定部51は、「ΔX<ΔXha」を判定する代わりに、「ΔT<ΔTha」(中間表示信号タイミングから第1車両タイミングまでの継続時間ΔTが、信号機が「中間表示」である時間(中間表示信号タイミングから禁止表示信号タイミングまでの時間)に所定の割合(例えば3分の1)をかけて得られる時間ΔTha以下であるか)を判定するものであってもよい。
【0083】
そして、ステップS15で「YES」の場合、ステップS23にて、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定する。
【0084】
例えば、
図7Aの模式図で示す場合、車両位置X_Yと交差点の開始位置X_Enterの間の距離ΔXは、「ΔXha」とは、車両位置X_Yと車両位置X_Rの間の距離の3分の1の距離よりも短い。この場合、信号機が「中間表示」である間に車両が交差点内を移動できる距離は比較的長いといえる。また、一般に、交差点の長さ(交差点を通過する際に車両が横断する車線数)に応じて、信号機が「中間状態」である時間長さが定められていることから、車両が交差点を通過する間に、信号機が「禁止表示」である時間は短くなるといえる。したがって、ステップS15で「YES」の場合、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定する。
【0085】
一方、
図7Bの模式図で示す場合、
図7Aの模式図で示した場合とは異なり、車両位置X_Yと交差点の開始位置X_Enterの間の距離ΔXは、車両位置X_Yと車両位置X_Rの間の距離の3分の1の距離よりも長い。この場合、信号機が「中間表示」である間に車両が交差点内を移動できる距離は比較的短いといえる。また、車両が交差点を通過する間に、信号機が「禁止表示」である時間は長くなるといえる。よって、ステップS15で「NO」の場合、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定するものであってもよい。
【0086】
ステップS15で「NO」の場合、ステップS17にて、判定部51は、「X_Gc>X_Exit」(車両の進行方向を基準として、車両位置X_Gcが、交差点の終了位置X_Exitよりも前方にあるか)を判定する。
【0087】
判定部51は、「X_Gc>X_Exit」を判定する代わりに、「T_Gc>T_Exit」(他車両の交差点への進入が許可されるタイミングT_Gcが、交差点の終了位置X_Exitに車両が到着するタイミングT_Exitよりも後であるか)を判定するものであってもよい。
【0088】
そして、ステップS17で「NO」の場合、ステップS21にて、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定する。また、ステップS17で「YES」の場合、ステップS23にて、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定する。
【0089】
交差点内で自車両の走行経路と交差する走行経路を有する他車両が交差点に進入することが許可されるタイミングT_Gcを、タイミングT_Exitと比較することで、自車両が交差点の通過が完了する前に、他車両が交差点に進入する可能性がある否かを判定できる。そのため、自車両が交差点を通過している間に他車両が交差点に進入する可能性が高い場合には、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定し、一方、自車両が交差点を通過している間に他車両が交差点に進入する可能性が低い場合には、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定するのである。
【0090】
[車両が加速可能である場合の処理手順]
次に、車両が加速可能である場合の処理について、
図8A、
図8Bの模式図を参照して説明する。
【0091】
図3及び
図5で示したフローチャートでは、車両速度取得部31によって取得した現在の車両速度Vに基づいて、交差点の通過可否の判定を行うものであった。しかしながら、交差点に車両が進入する前に車両が加速することができる場合、車両の加速により、信号機が「許可表示」あるいは「中間表示」である間に、車両が交差点を通過できる可能性を高めることができる場合がある。
【0092】
例えば、
図8Aに示す模式図では、車両の進行方向を基準として、車両位置X_Rは中間位置X_Halfよりも後方に位置している。そのため、「車両は交差点を通過できない」と判定部51は判定することになる(
図5のフローチャートのステップS11)。
【0093】
一方、
図8Aに示す模式図で示した車両位置X_Y、車両位置X_Rは、車両速度Vが増加することにより、変動する。その他、停止位置X_S、基準位置X_Nについても、変動する。例えば、
図8Aに示す模式図で示した車両位置X_Y、車両位置X_Rを算出した際の車両速度Vよりも速い速度にまで、車両が加速できた場合の模式図を、
図8Bに示す。
【0094】
図8Aと比較して、
図8Bでは、車両の加速により車両速度Vが増加しているため、車両位置X_Y及び車両位置X_Rは、車両の進行方向を基準として、より前方に移動する。また、信号機が「中間表示」である間に車両が移動できる距離ΔXdrについても、
図8Aに示す距離ΔXdrと比較して、
図8Bに示す距離ΔXdrは長くなる。
【0095】
車両の加速の結果、
図8Bに示す模式図では、車両の進行方向を基準として、車両位置X_Rは中間位置X_Halfよりも前方に位置している。そのため、「車両は交差点を通過できる」と判定部51は判定することになる(
図5のフローチャートのステップS11やステップS13)。
【0096】
このように、本実施形態に係る交差点通過判定装置では、車両が現在の車両速度から加速可能であるか否かを判定し、車両が加速可能であると判定された場合に、加速後の車両速度に基づいて、複数のタイミング(中間表示信号タイミングT_Y、禁止表示信号タイミングT_R、タイミングT_Enter、タイミングT_Exit、停止タイミングT_S、基準タイミングT_N等)や、複数の位置(車両位置X_Y、車両位置X_R、開始位置X_Enter、終了位置X_Exit、停止位置X_S、基準位置X_N等)を再計算するものであってもよい。そして、再計算後の複数のタイミングや複数の位置に基づいて、交差点の通過可否の判定を行うものであってもよい。
【0097】
なお、本実施形態に係る交差点通過判定装置は、交差点接続する道路の形状、先行車両の有無、走行中の道路の制限速度等を取得し、車両が加速可能であるか否かを判定するものであってもよい。
【0098】
より具体的には、車両の走行経路上、車両の前方の所定範囲内に先行車両が存在しない場合に、車両が加速可能であると判定するものであってもよいし、車両が走行中の道路がカーブ路であり、カーブ路に交差点が接続している場合に、車両が加速可能であると判定するものであってもよいし、車両が走行中の道路の制限速度よりも、車両速度が低い場合に、車両が加速可能であると判定するものであってもよい。
【0099】
[車両の減速動作を開始するタイミング]
これまでに説明した交差点通過判定によって、「車両が交差点を通過できない」と判定された場合における、車両の減速動作を実際に開始するタイミングについて注記する。
【0100】
「車両が交差点を通過できない」と判定された場合に、車両の減速動作を中間表示信号タイミングT_Y以前に開始してしまうと、信号機の表示が「許可表示」であるのに減速動作が開始されることになり、車両の乗員は違和感を抱いてしまう恐れがある。したがって、交差点通過判定によって「車両が交差点を通過できない」と判定された場合であっても、車両の減速動作を実際に開始するタイミングは、中間表示信号タイミングT_Yの後であることが望ましい。
【0101】
したがって、本実施形態に係る交差点通過判定を用いた走行支援装置及び走行支援方法において、交差点通過判定によって「車両が交差点を通過できない」と判定した場合には、中間表示信号タイミングの後に車両の減速を開始する。例えば、出力部61は、「車両が交差点を通過できない」という判定の結果と共に中間表示信号タイミングT_Yを同時に出力し、交差点通過判定の結果を受信した外部の走行支援装置は、受信した中間表示信号タイミングT_Yに基づいて、車両の減速動作を実際に開始するタイミングを決定するものであってもよい。
【0102】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、車両の走行経路に配置された交差点の通過可否を判定する際に、交差点への進入可能を表示する許可表示、交差点への進入禁止を表示する禁止表示、許可表示と禁止表示の間で表示される中間表示を切り替えて表示する信号機の、許可表示から中間表示に切り替わる中間表示信号タイミングを取得し、車両が交差点の開始位置に到達する第1車両タイミングが中間表示信号タイミング以前であり、かつ、中間表示信号タイミングから第1車両タイミングまでの継続時間が所定時間未満の場合に、車両は交差点を通過できると判定する。
【0103】
これにより、信号機が「許可表示」から「中間表示」になった後に車両が減速動作をとることで車両が交差点手前で停止可能である場合には、車両が停止することが可能となる。特に、信号が「中間表示」になってから車両が交差点の開始位置に到達するまでの時間が考慮されるため、車両が減速動作をとることで車両が交差点手前で停止可能である場合であるか否かを判定でき、交差点手前で停止可能である場合に、車両を停止させる判定を適切に行うことができる。
【0104】
また、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、第1車両タイミングが中間表示信号タイミングよりも遅い場合に、中間表示信号タイミングから第1車両タイミングまでの継続時間が、車両が車両速度から所定減速度で減速して停止するまでに要する時間以下である場合に、車両は交差点を通過できると判定するものであってもよい。これにより、信号機が「許可表示」から「中間表示」になった後に車両が交差点の開始位置に到達する前の時間の間に、車両が減速動作によって交差点手前で停止できない場合、車両は交差点を通過できると判定することになるため、車両の乗員に違和感を与える減速度を感じさせる恐れを低減できる。さらには、交差点手前での急減速が抑制される結果、交通流に与える影響を抑えることができる。
【0105】
さらに、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、交差点内で車両の走行経路と交差する走行経路を有する他車両に対して交差点への進入が許可されるタイミングよりも、終了位置を基準位置とした場合における第2車両タイミングが早い場合に、車両は交差点を通過できると判定するものであってもよい。これにより、自車両が交差点を通過している間に他車両が交差点に進入する可能性の有無に応じて、自車両による交差点の通過可否の判定が行われるため、自車両の交差点の通過可否によって交通流に与える影響を抑えることができる。さらには、他車両が交差点に進入する可能性がない場合に、交差点手前での不要な減速動作が防止され、自車両が交差点を通過できる可能性を高めることができる。
【0106】
また、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、車両が車両速度から加速可能であるか否かを判定し、車両が加速可能であると判定された場合に、加速後の車両速度に基づいて、第1車両タイミングを再計算し、再計算後の第1車両タイミングが、中間表示信号タイミング後の中間表示から禁止表示に切り替わる禁止表示信号タイミング以前である場合に、少なくとも、中間表示信号タイミングと再計算後の第1車両タイミングに基づいて、交差点の通過可否を判定するものであってもよい。これにより、車両の加速により、信号機が「許可表示」あるいは「中間表示」である間に、車両が交差点を通過できる可能性を高めることができる。
【0107】
さらに、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、車両の走行経路上、車両の前方の所定範囲内に先行車両が存在しない場合に、車両が加速可能であると判定するものであってもよい。また、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、車両が走行中の道路がカーブ路であり、カーブ路に交差点が接続している場合に、車両が加速可能であると判定するものであってもよい。さらには、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、車両が走行中の道路の制限速度よりも、車両速度が低い場合に、車両が加速可能であると判定するものであってもよい。これらにより、車両が加速可能である場合を適切に判定でき、その結果、信号機が「許可表示」あるいは「中間表示」である間に、車両が交差点を通過できる可能性を高めることができる。
【0108】
また、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、第1車両タイミングが中間表示信号タイミングよりも遅く、かつ、中間表示信号タイミングから第1車両タイミングまでの継続時間が所定時間以上である場合に、車両は交差点を通過できないと判定するものであってもよい。これにより、車両が減速動作をとることで車両が交差点手前で停止可能である場合であるか否かを判定でき、交差点手前で停止可能である場合に、車両を停止させる判定を適切に行うことができる。
【0109】
さらに、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、車両の走行経路に配置された交差点の通過可否を判定する際に、交差点への進入可能を表示する許可表示、交差点への進入禁止を表示する禁止表示、許可表示と禁止表示の間で表示される中間表示を切り替えて表示する信号機の、中間表示から禁止表示に切り替わる禁止表示信号タイミングを取得し、車両が交差点の開始位置に到達する第1車両タイミングと、交差点の開始位置と終了位置の間に設定した基準位置に車両が到達する第2車両タイミングを算出し、第1車両タイミングが禁止表示信号タイミング以前である場合に、禁止表示信号タイミングと第2車両タイミングに基づいて、交差点の通過可否を判定するものであってもよい。
【0110】
これにより、交差点の長さに起因して車両が適切なタイミングで交差点を通過できない可能性が高い場合に、車両が交差点を通過できないと適切に判定することが可能となる。特に、車両が交差点内に設定された基準位置に到達するタイミングと、信号機が「中間表示」から「禁止表示」に切り替わるタイミングが考慮されるため、車両が交差点を通過している間、信号機が「禁止表示」である時間を低減されるよう、車両の交差点の通過可否判定を行うことが可能となる。
【0111】
また、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、開始位置と終了位置の中間位置を基準位置とした場合における第2車両タイミングよりも、禁止表示信号タイミングが遅い場合に、車両は交差点を通過できると判定するものであってもよい。車両が交差点の半分を通過してから信号機の表示が「中間表示」から「禁止表示」に切り替わる場合には交差点を通過できる可能性が高いと考えられ、この場合に車両は交差点を通過できると判定することで、交差点手前での不要な減速動作が防止され、車両が交差点を通過できる可能性を高めることができる。
【0112】
さらに、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、終了位置を基準位置とした場合における第2車両タイミングよりも、禁止表示信号タイミングが遅い場合に、車両は交差点を通過できると判定するものであってもよい。車両が交差点を通過してから信号機の表示が「中間表示」から「禁止表示」に切り替わる場合には交差点を通過できる可能性が高いと考えられ、この場合に車両は交差点を通過できると判定することで、交差点手前での不要な減速動作が防止され、車両が交差点を通過できる可能性を高めることができる。
【0113】
また、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、第1車両タイミングが中間表示信号タイミングよりも遅い場合に、中間表示信号タイミングから第1車両タイミングまでの継続時間が所定時間以下である場合に、車両は交差点を通過できると判定するものであってもよい。信号機が「許可表示」から「中間表示」になった後、車両が交差点の開始位置に到達するまでの時間が短い場合、すなわち、車両が交差点の開始位置に到達した後、車両が交差点内を通過する間において信号機が「中間表示」である時間が長い場合に、交差点手前での不要な減速動作が防止され、車両が交差点を通過できる可能性を高めることができる。
【0114】
さらに、本実施形態に係る交差点通過判定方法及び交差点通過判定装置は、第1車両タイミングが中間表示信号タイミングよりも遅い場合に、中間表示信号タイミングから第1車両タイミングまでの継続時間が、中間表示信号タイミングから禁止表示信号タイミングまでの時間に基づいて設定された所定時間(例えば、中間表示信号タイミングから禁止表示信号タイミングまでの時間の3分の1の時間)以下である場合に、車両は交差点を通過できると判定するものであってもよい。一般に、交差点の長さ(例えば、交差点を通過する際に車両が横断する車線数)に応じて、信号機が「中間状態」である時間長さが定められていることから、上述の判定を行うことで、車両が交差点を通過する間に、信号機が「禁止表示」である時間は短くなるといえる。したがって、車両が交差点を通過している間、信号機が「禁止表示」である時間が低減され、車両が交差点を通過できる可能性を高めることができる。
【0115】
また、本実施形態に係る交差点通過判定方法もしくは交差点通過判定装置を用いる、走行支援方法及び走行支援装置は、車両が交差点を通過できると判定された場合に、車両が交差点を通過するように制御するものであってもよい。これにより、車両が交差点を通過できる場合に、不用意に、交差点の手前で車両が停止してしまうことが抑制され、交通流を妨げてしまうことが抑制される。
【0116】
さらに、本実施形態に係る交差点通過判定方法もしくは交差点通過判定装置を用いる、走行支援方法及び走行支援装置は、車両が交差点を通過できないと判定された場合に、車両の減速を開始するものであってもよい。これにより、交差点に車両が進入する前に車両を停止させることが可能な状況において、車両を安全に停止させることができる。
【0117】
また、本実施形態に係る交差点通過判定方法もしくは交差点通過判定装置を用いる、走行支援方法及び走行支援装置は、車両が交差点を通過できないと判定された場合に、許可表示から中間表示に切り替わる中間表示信号タイミングの後に車両の減速を開始するものであってもよい。これにより、信号機の表示が「許可表示」であるのに減速動作が開始されることが抑制され、車両の乗員が違和感を抱いてしまうことを防止できる。
【0118】
さらに、本実施形態に係る交差点通過判定方法もしくは交差点通過判定装置を用いる、走行支援方法及び走行支援装置は、第1車両タイミングが中間表示から禁止表示に切り替わる禁止表示信号タイミングよりも遅いか否かを判定し、第1車両タイミングが禁止表示信号タイミングよりも遅いと判定された場合に、車両の減速を開始するものであってもよい。これにより、交差点に車両が進入する前に車両を停止させることが可能な状況において、車両を安全に停止させることができる。
【0119】
また、本実施形態に係る交差点通過判定方法もしくは交差点通過判定装置を用いる、走行支援方法及び走行支援装置は、第1車両タイミングが中間表示から禁止表示に切り替わる禁止表示信号タイミングよりも遅いと判定された場合に、中間表示信号タイミングの後に車両の減速を開始するものであってもよい。これにより、信号機の表示が「許可表示」であるのに減速動作が開始されることが抑制され、車両の乗員が違和感を抱いてしまうことを防止できる。
【0120】
上述の実施形態で示した各機能は、1又は複数の処理回路によって実装されうる。処理回路には、プログラムされたプロセッサや、電気回路などが含まれ、さらには、特定用途向けの集積回路(ASIC)のような装置や、記載された機能を実行するよう配置された回路構成要素なども含まれる。
【0121】
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。この開示の一部をなす論述および図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0122】
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0123】
31 車両速度取得部
33 信号情報取得部
35 車両位置算出部
41 停止判定位置算出部
43 相対位置算出部
51 判定部
61 出力部
80 交差点通過判定装置
104 環境認識部