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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
E03D9/08 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019210615
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021080780
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】樋口 恒太
(72)【発明者】
【氏名】畠田 政敏
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-311963(JP,A)
【文献】特開2014-163186(JP,A)
【文献】特開2005-098002(JP,A)
【文献】特開2009-287230(JP,A)
【文献】特開2005-137459(JP,A)
【文献】特開2007-190100(JP,A)
【文献】実開平04-052226(JP,U)
【文献】実開昭49-047503(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2020/0199860(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ本体を備えるトイレ装置であって、
前記トイレ本体は、第1カバーと、前記第1カバーの少なくとも一部を覆うように配置される第2カバーと、を備え、
前記第1カバーは、前記トイレ本体の内部に連通する開口と、前記開口を塞ぐように固定して配置される蓋と、を有し、
前記第2カバーは、前記蓋を覆うように配置され、
前記蓋には、前記第1カバーの前記開口に沿って、前記開口の内側に配置される環状リブが設けられており、
前記蓋は、水密構造を有し、
前記水密構造は、前記蓋と前記開口の縁部との間に配置されるパッキン部材により構成され、
前記パッキン部材は、環状に形成されると共に、前記環状リブの外側に配置される、トイレ装置。
【請求項2】
トイレ本体を備えるトイレ装置であって、
前記トイレ本体は、第1カバーと、前記第1カバーの少なくとも一部を覆うように配置される第2カバーと、を備え、
前記第1カバーは、前記トイレ本体の内部に連通する開口と、前記開口を塞ぐように固定して配置される蓋と、を有し、
前記第2カバーは、前記蓋を覆うように配置され、
前記蓋は、水密構造を有し、
前記蓋は、ネジにより、前記開口に固定され、
前記水密構造は、前記ネジに挿通されるワッシャにより構成され、
前記ネジは、頭部と、軸部と、を備え、
前記開口に前記蓋が固定された状態で、前記ネジの前記頭部が前記蓋の表面に当接し、前記ワッシャが前記蓋の裏面に当接する、トイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ本体を備えるトイレ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のトイレ本体は、本体カバーにより覆われている。本体カバーには、側面に形成される側面開口が形成され、側面開口には、トイレ本体の内部において施工作業を行うために設けられた施工蓋が固定されている。側面開口及び側面開口に固定された施工蓋とは、トイレ装置の外部に露出して配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-268836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のトイレ装置の本体カバーにおいて、側面開口及び側面開口に固定された施工蓋が、トイレ装置の外部に露出して配置されるため、意匠性の観点から改善の余地がある。
【0005】
本開示は、開口と開口に固定された蓋とを有する本体カバーを備え、意匠性を向上させることができるトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、トイレ本体を備えるトイレ装置であって、前記トイレ本体は、第1カバーと、前記第1カバーの少なくとも一部を覆うように配置される第2カバーと、を備え、前記第1カバーは、前記トイレ本体の内部に連通する開口と、前記開口を塞ぐように固定して配置される蓋と、を有し、前記第2カバーは、前記蓋を覆うように配置される、トイレ装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トイレ装置を示す斜視図である。
図2】トイレ装置からトップカバーを外した状態を示す斜視図である。
図3】施工用開口部から施工蓋を外した状態を示す斜視図である。
図4】施工蓋を裏面側から見た斜視図である。
図5図2のA-A線断面図である。
図6図2のB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、トイレ装置1の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、便座11に着座した使用者から見た場合の前後の向きを前後方向とする。便座11に着座した使用者から見た場合の左右の向きを左右方向とする。便器13が設置される床面に対する鉛直方向に沿う上下の向きを上下方向とする。
【0009】
図1に示すように、一実施形態に係るトイレ装置1は、便座11と、便蓋12と、便器13と、トイレ本体2と、を備える。
【0010】
便器13は、上方に向けて開口して形成され、例えば陶器製である。便座11及び便蓋12は、トイレ本体2の前部に、便器13に対して回動可能に取り付けられる。便座11は、使用者が着座する部分であり、便器13の開口縁の上に配置され、環状の形状に形成される。便蓋12は、便座11及び便器13の開口を開閉可能に覆う蓋である。
【0011】
トイレ本体2は、機能部21と、機能部21を覆うように配置される本体カバー3と、を備える。機能部21は、便器13の後部の上部に配置される。機能部21は、機能部品(図示せず)を備える。
【0012】
機能部品の図示は省略する。機能部品は、例えば、便座11の保温装置や、洗浄タンクを備えた便器洗浄装置や、使用者の局部を洗浄するシャワーノズルや、ホースや、電源ユニットや、制御回路基板や、便座11及び便蓋12を電動で開閉させる電動開閉ユニットや、バルブユニットや、各種配管等である。
【0013】
本体カバー3は、トイレ本体2の外形を覆うカバーである。本体カバー3は、図2に示すように、ベースカバー4(第1カバー)と、トップカバー6(第2カバー)と、を有する。
【0014】
ベースカバー4は、図2に示すように、便器13の後方側において、機能部21を覆うように配置される。ベースカバー4には、後方側の上面において、リモコン収容部51と、泡タンク収容部52と、施工用開口7(開口)と、が形成される。
【0015】
トップカバー6は、ベースカバー4の後方側の上面を覆うように配置される。トップカバー6は、ネジ止めではなく、ベースカバー4に係合固定される。トップカバー6は、ユーザーが開閉するカバーである。トップカバー6は、ベースカバー4の後方側の上面を覆うことで、リモコン収容部51、泡タンク収容部52、及び、施工用開口7に固定された施工蓋8を覆うように配置される。
【0016】
施工用開口7は、ベースカバー4の上面に設けられ、トイレ本体2の内部に連通する開口である。施工用開口7は、ベースカバー4の左右方向の中央側の上面において後方に配置される。施工用開口7は、トイレ本体2の内部において、例えばコネクタの接続作業や部品交換作業などの施工作業を行うために設けられた開口である。施工用開口7には、図3及び図4に示すように、施工用開口7を塞ぐように施工蓋8(蓋)が固定されて配置されている。
【0017】
本実施形態においては、図3に示すように、施工用開口7は、例えば、方形状に形成される。施工用開口7の周縁部71(縁部)は、ベースカバー4の上面よりも一段低い位置に形成されている。施工蓋8が施工用開口7に配置されることで、施工蓋8の上面は、ベースカバー4の上面と面一になる。本実施形態においては、ベースカバー4の上面は傾斜しており、施工蓋8は、ベースカバー4の上面の傾斜部に配置される。施工用開口7の後方側の2つの角部には、それぞれ、内側に突出する開口部側ネジ固定部72が形成されている。
【0018】
開口部側ネジ固定部72は、図3及び図5に示すように、施工用開口7の角部から内側に突出する突出ブロック73と、突出ブロック73に形成される挿入穴731と、挿入穴731に配置されるインサートナット74と、を有する。挿入穴731は、突出ブロック73の上面から下方に円柱状に窪んで形成される。
【0019】
インサートナット74は、図5に示すように、内周面にネジが切られた筒状部741と、筒状部741の上端部から径方向の外側に突出するフランジ部742と、を有する。インサートナット74は、挿入穴731に挿入して配置される。インサートナット74は、ネジ84で施工蓋8を固定する場合に、挿入穴731に挿入された状態で、ネジ84の軸部842の先端側が挿入されて、ネジ84の軸部842の先端側が螺合される。
【0020】
施工蓋8は、図3図5に示すように、蓋本体81と、環状パッキン86(パッキン部材、水密構造)と、ネジ84と、ワッシャ85(水密構造)と、を有する。蓋本体81は、略方形の板状に形成される。蓋本体81は、施工用開口7を塞ぐように、施工用開口7よりも大きい周縁部71まで覆う大きさに形成される。蓋本体81の裏面には、施工蓋8が施工用開口7を塞ぐように配置された場合に、施工用開口7に沿って施工用開口7の内側に配置される環状の環状リブ811が設けられる。
【0021】
蓋本体81は、仮固定用の一対の仮固定爪82(爪、仮固定部)と、本固定用の一対のネジ固定面831(ネジ固定部、本固定部)が周縁に形成された蓋側ネジ固定用貫通孔83(図5参照)と、を備える。蓋本体81は、前方側において、仮固定爪82により施工用開口7の周縁部71に仮固定された状態で、後方側において、ネジ84により施工用開口7の周縁部71に固定される。
【0022】
一対の仮固定爪82は、図3及び図4に示すように、蓋本体81の前側辺81a側において左右方向に離間して配置される。一対の仮固定爪82は、それぞれ、施工用開口7の周縁部71に引っ掛けることが可能な爪により構成される。一対の仮固定爪82は、それぞれ、蓋本体81の前側辺81a側において、蓋本体81の裏面から下方に突出する環状リブ811の下端部から、前方側に突出する。
【0023】
仮固定爪82は、図4図6に示すように、屈曲板821と、補強リブ822と、を有する。屈曲板821は、基端側延出板821aと、傾斜延出板821bと、を有する。基端側延出板821aは、環状リブ811の下端部から前方側に所定長さ延びる。傾斜延出板821bは、基端側延出板821aの前方側の端部において屈曲して、基端側延出板821aの前方側の端部から下り傾斜で前方側に延びる。補強リブ822は、屈曲板821の下面から下方に突出して形成され、前後方向に延びる。
【0024】
一対の蓋側ネジ固定用貫通孔83は、蓋本体81において、一対の仮固定爪82が配置される前側辺81a側とは反対側の後側辺81b側に形成される。蓋側ネジ固定用貫通孔83には、施工用開口7に施工蓋8を固定する場合に、ネジ84が貫通して配置される。
【0025】
蓋側ネジ固定用貫通孔83の蓋本体81の表面側の周縁には、ネジ固定面831が形成される。ネジ固定面831は、蓋本体81の表面よりも一段低い位置に形成される円環状の面により構成される。ネジ固定面831は、ネジ84により、施工用開口7の周縁部71にネジ固定することが可能である。ネジ固定面831には、ネジ84の軸部842を蓋側ネジ固定用貫通孔83に貫通させた状態において、ネジ84の頭部841が当接して固定される。ネジ84の軸部842を蓋側ネジ固定用貫通孔83に貫通させた状態において、ネジ84の軸部842には、ワッシャ85(水密構造)が挿通される。
【0026】
ワッシャ85は、施工用開口53に施工蓋8を固定した状態において、蓋本体81の蓋側ネジ固定用貫通孔83の裏面側の周縁と、施工用開口53の角部から内側に突出する突出ブロック73の上面との間に配置される。そのため、ワッシャ85は、蓋側ネジ固定用貫通孔83からの水の浸入を抑制する。これにより、ワッシャ85は、水密構造を構成する。
【0027】
環状パッキン86は、蓋本体81の裏面の周縁に沿う環状に形成される。環状パッキン86は、蓋本体81の裏面における環状リブ811の外側において、蓋本体81の裏面の外周縁に沿って取り付けられる。環状パッキン86は、施工蓋8が施工用開口7を塞ぐように配置された場合に、蓋本体81の外周縁と施工用開口7の周縁部71(縁部)との間に配置される。蓋本体81の裏面の外周縁と施工用開口7の周縁部71を環状パッキン86によりシールすることで、施工蓋8は、水密構造を有する。
【0028】
以上のように構成される施工蓋8を施工用開口7に固定する場合には、施工蓋8の前方側において、一対の仮固定爪82を施工用開口7の周縁部71に引っ掛けることで、施工蓋8を施工用開口7に仮固定する。仮固定した後に、施工蓋8の後方側において、ネジ84の軸部842を蓋側ネジ固定用貫通孔83に挿入して、ネジ84の軸部842を、施工用開口7の開口部側ネジ固定部72のインサートナット74に螺合させると共に、ネジ84の頭部841を施工蓋8のネジ固定面831に当接させて固定することで、施工蓋8を施工用開口7に本固定する。
【0029】
以上説明した本実施形態のトイレ装置1によれば、以下のような効果を奏する。本実施形態のトイレ装置1は、トイレ本体2は、ベースカバー4と、ベースカバー4の少なくとも一部を覆うように配置されるトップカバー6と、を備え、ベースカバー4は、トイレ本体2の内部に連通する施工用開口7と、施工用開口7を塞ぐように固定して配置される施工蓋8と、を有し、トップカバー6は、施工蓋8を覆うように配置される。これにより、施工蓋8がトイレ装置1の外部に露出しないため、意匠性を向上できる。
【0030】
本実施形態においては、施工用開口7は、ベースカバー4の上面の後方に設けられる。これにより、トイレ装置1の上面の後方から、施工用開口7を介して、トイレ本体2の内部において作業を行うことができるため、作業者は作業を行いやすい。
【0031】
本実施形態においては、施工蓋8は、水密構造を有する。これにより、トイレ本体2の内部に水が浸入することを抑制できる。
【0032】
本実施形態においては、水密構造は、施工蓋8と施工用開口7の周縁部71との間に配置される環状パッキン86により構成される。これにより、環状パッキン86により、施工蓋8と施工用開口7の周縁部71との間をシールできるため、より高い水密性を確保できる。
【0033】
本実施形態においては、施工蓋8は、ネジ84により、施工用開口7に固定され、水密構造は、ネジ84に挿通されるワッシャ85により構成される。ネジ84により施工蓋8を施工用開口7に固定する場合に、ネジ84に挿通されるワッシャ85と共に固定するため、施工蓋8の蓋側ネジ固定用貫通孔83から施工用開口7に水が浸入することを抑制できる。
【0034】
本実施形態においては、施工蓋8は、仮固定用の仮固定爪82と、本固定用のネジ固定面831と、を備える。これにより、仮固定爪82において仮固定した後に、ネジ固定面831においてネジ84において本固定できる。よって、仮固定した安定した状態で本固定できるため、施工蓋8を施工用開口7に取り付ける作業を容易に行うことができる。
【0035】
本実施形態においては、仮固定爪82は、施工用開口7の縁部に引っ掛けることが可能な爪により構成される。これにより、仮固定爪82を施工用開口7の縁部に引っ掛けることで、施工蓋8を容易に仮固定できる。
【0036】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0037】
例えば、前記実施形態では、施工用開口7を、ベースカバー4の上面の後方に設けた。これに限定されず、例えば、施工用開口7を、ベースカバー54の上面の前方に設けてもよいし、側面や背面に設けてもよい。
【0038】
前記実施形態においては、第2カバーとして、最も上部(トップ)に配置されるトップカバー6を例に説明した。これに限定されず、第2カバーは、最も上部に配置されるカバーでなくてもよい。つまり、第2カバーの上部に別のカバーを配置してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 トイレ装置、2 トイレ本体、4 ベースカバー(第1カバー)、6 トップカバー(第2カバー)、7 施工用開口(開口)、8 施工蓋(蓋)、71 周縁部(縁部)、82 仮固定爪(爪、仮固定部)、84 ネジ(本固定部)、85 ワッシャ(水密構造)、86 環状パッキン(パッキン部材、水密構造)、831 ネジ固定面(ネジ固定部、本固定部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6