(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240507BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240507BHJP
F21V 29/78 20150101ALI20240507BHJP
F21V 29/77 20150101ALI20240507BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20240507BHJP
F21V 29/71 20150101ALI20240507BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240507BHJP
F21V 29/15 20150101ALI20240507BHJP
F21W 131/402 20060101ALN20240507BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240507BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V29/503
F21V29/78
F21V29/77
F21V29/83
F21V29/71
F21V23/00 140
F21V29/15 100
F21W131:402
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020006583
(22)【出願日】2020-01-20
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】樋口 暁紀
(72)【発明者】
【氏名】浅井 勇吾
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-182777(JP,A)
【文献】特開2019-207852(JP,A)
【文献】特開2019-212533(JP,A)
【文献】特開2015-162342(JP,A)
【文献】特開2014-175184(JP,A)
【文献】特開2017-084597(JP,A)
【文献】特開2012-129172(JP,A)
【文献】特開2018-206745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 29/503
F21V 29/78
F21V 29/77
F21V 29/83
F21V 29/71
F21V 23/00
F21V 29/15
F21W 131/402
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィンと、前記フィンの上部に取り付けられ通風孔が形成された埃除けとを有する冷却機構と、
前記埃除けとの間に間隔をあけて固定され、前記通風孔をカバーしている孔カバーと
を備え、
前記埃除けは、中心部に前記通風孔を有しており、
前記冷却機構は、前記フィンを配置したベース板を有し、
前記ベース板は、中心部に前記フィンが配置されていないフィン非実装領域を有しており、
前記通風孔は、前記フィン非実装領域の上空に形成され
、
前記通風孔のサイズは前記フィン非実装領域よりも小さく、
前記フィンの上部は前記埃除けに覆われている照明装置。
【請求項2】
少なくとも中心部に発光素子を実装した配線基板を備える請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記埃除けの通風孔は、平面視で前記孔カバーの範囲内にある請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記フィンは、放射状もしくは渦巻き状に配置されており、
前記フィンは、隣り合うフィンと半径方向において異なる位置に配置されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記埃除けは、前記通風孔以外に、複数の通風穴を有している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
発光を制御する制御箱を備え、
前記制御箱の底面が、前記孔カバーとなる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記埃除けと前記制御箱の間に遮熱板を配置している請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記埃除けと前記フィンとは、面接触している請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関するものであり、発光素子及び熱源を冷却するための冷却機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置は、発光素子、配線基板及びヒートシンクを備えている。発光素子は、配線基板に実装されており、配線基板はヒートシンクに取り付けられている。発光素子は発光に伴って、熱を発生するため、ヒートシンクを介して放熱する必要がある。
この種のヒートシンクは、ストレートフィンを有し、発光素子の熱により暖められた空気の密度差により空気の流れが生じ、周囲空気に熱を伝搬して放熱する。発光素子はヒートシンクと直接接触しているわけではなく、配線基板を介して接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の冷却機構では、フィン間に埃が入り込むことによる冷却性能の悪化を抑制するために、フィン直上に埃除けを設けている。しかしながら、埃除けがヒートシンク内の空気が鉛直上方に抜けるのを阻害するため、埃除けとヒートシンクに間には空間を設ける必要があり、埃除けを支える支柱の大型化及び機器全体の大型化と招く課題があった。
本開示は、発光素子から発生する熱を効率よく冷却し、機器全体の小型化が図れる照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態に係る照明装置は、
フィンと、前記フィンの上部に取り付けられ通風孔が形成された埃除けとを有する冷却機構と、
前記埃除けとの間に間隔をあけて固定され、前記通風孔をカバーしている孔カバーと
を備えた。
【発明の効果】
【0006】
上記のように構成された照明装置では、埃除けが通風孔を有しているので、埃除けとフィンとに間に空間を設けていなくても、効率よく放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置1の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置1の斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明装置1のカバーを除いた斜視図である。
【
図4】実施の形態1のヒートシンク2及び埃除け7を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態1のヒートシンク2を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態1のヒートシンク2を示す平面図である。
【
図9】実施の形態1の埃除け7の通風孔14の変形例を示す平面図である。
【
図10】実施の形態1の埃除け7の通風孔14の変形例を示す平面図である。
【
図11】実施の形態1の埃除け7の通風孔14の変形例を示す平面図である。
【
図12】実施の形態1の埃除け7の通風孔14の変形例を示す平面図である。
【
図13】実施の形態1の埃除け7の通風孔14と通風穴141を示す斜視図である。
【
図14】実施の形態1の埃除け7の通風孔14と通風穴141の変形例を示す平面図である。
【
図15】実施の形態1のヒートシンク2の変形例を示す平面図である。
【
図16】実施の形態1のヒートシンク2の変形例を示す平面図である。
【
図17】実施の形態2のヒートシンク2と遮熱板13を示す図である。
【
図18】実施の形態2のヒートシンク2と遮熱板13を示す図である。
【
図19】実施の形態3の孔カバー20を示す図である。
【
図20】実施の形態3の孔カバー20を示す図である。
【
図21】実施の形態4のヒートシンク2を示す図であり、(a)、(b)、(c)、(d)はフィン12の接触面19を示す図であり、(e)は埃除け7の接触スリット21を示す図であり、(f)は埃除け7の接触溝22を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で、一実施形態である冷却器について、添付した図面を参照しながら説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置1の斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明装置1の斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明装置1のカバーを除いた斜視図である。
図4は、実施の形態1のヒートシンク2及び埃除け7を示す斜視図である。
図5は、
図1の照明装置1のAA断面図である。
図6は、
図1の照明装置1のBB断面図である。
図7は、実施の形態1のヒートシンク2を示す斜視図である。
図8は、実施の形態1のヒートシンク2を示す平面図である。
【0010】
●照明装置1
図1と
図2に示すように、照明装置1は、発光ユニット50と、冷却機構60と、制御箱8と、支柱9と、アーム10とを備えている。
支柱9は、ベース板11の各辺の中央にあり、4個存在する。
支柱9は、ベース板11と埃除け7との間にあり、ベース板11と埃除け7とを固定する。
対向する2個の支柱9は、U字型のアーム10の端部を回転可能に取り付けている。
他の対抗する2個の支柱9は、制御箱8の固定部18を固定する。
固定部18はL字型の取付金具であり、一方の面が制御箱8の端面に固定され、他方の面が埃除け7の上面に固定される。
図5と
図6に示すように、制御箱8は、点灯回路81を収納している。
制御箱8は、点灯回路81により、発光素子3の発光を制御する。
図5と
図6に示すように、発光ユニット50は、発光素子3と、配線基板4と、カバー5とを有する。
発光素子3の具体例は、LED(Light Emitting Diode)である。
図3に示すように、配線基板4は、円形の基板である。
配線基板4は、少なくとも中心部に発光素子3を実装しており、複数の発光素子3を全領域に実装している。
図3において、発光素子3は、半径の異なる7個の同心円の各円周に均等に配置されている。
複数の発光素子3は、半径外側方向に向かって放射状に配置されてもよい。
複数の発光素子3は、行方向と列方向に並列に配列されてもよい。
カバー5は、ガラス製又は樹脂製であり、透明又は半透明である。
【0011】
●冷却機構60
冷却機構60は、発光素子3を冷却するための機構である。
図4に示すように、冷却機構60は、ヒートシンク2と埃除け7とを有する。
図7に示すように、ヒートシンク2は、1枚のベース板11と、ベース板11に配置された複数のフィン12とを有する。
図7に示すように、複数のフィン12は、渦巻き状に配置されている。
図8に示すように、フィン12の長さは、隣りのフィン12の長さと異なる。
図8に示すように、ベース板11は、中心部にフィン12が配置されていないフィン非実装領域17を有している。
【0012】
●埃除け7
埃除け7は、フィン12の上辺に接触して取り付けられている天板である。
埃除け7とフィン12との間に空間はない。
図4に示すように、埃除け7は、通風孔14を有している円盤である。
図5と
図6に示すように、制御箱8は、埃除け7との間に間隔Zをあけて、埃除け7に固定されている。
【0013】
●制御箱8
制御箱8の底面は、通風孔14を覆う孔カバー20となっている。
通風孔14は、鉛直方向に沿って見た平面視で制御箱8の範囲内すなわち孔カバー20の範囲内にある。
制御箱8は、埃除け7のみ、支柱9のみ、又は、アーム10のみに固定されていてもよい。
【0014】
以下、照明装置1について、詳細に説明する。
照明装置1では、光源及び熱源となる発光素子3が配線基板4に半田付けで実装され、配線基板4と接するヒートシンク2を介して周囲空気に放熱する。発光素子3はカバー5で覆われており、集光性をもたせている。
ヒートシンク2の鉛直上方には、フィン12と接するように埃除け7が配置されている。埃除け7は、中心部のみに通風孔14を設けている。さらに、埃除け7の鉛直上方には、発光素子3を制御する制御箱8及び持ち手になるアーム10が配置されている。
このように構成された照明装置1では、発光素子3の熱が、配線基板4を介して、ヒートシンク2によって周囲空気へ放熱される。また、埃除け7は、ヒートシンク2のすべてのフィン12の上部と接しているので、発光素子3の熱が配線基板4を介して、ヒートシンク2のベース板11からフィン12に伝わり、埃除け7に伝わる。
一般的に、ヒートシンク2と埃除け7の間には、ヒートシンク2での空気の流れを阻害せず、発光素子3によって昇温された空気が鉛直上方に抜けやすくするために、空間を設けていることが多い。
しかし、本形態では、ヒートシンク2と埃除け7の空間を無くしてしまい、ヒートシンク2と埃除け7を接触させることで、埃除け7も放熱経路とすることで、放熱面積が増え、放熱性が向上する。さらには、ヒートシンク2と埃除け7を接触させたことで、無駄空間を削除できるため、支柱9とアーム10を短くすることができ、器具全体の小型、軽量化が可能となる。
【0015】
図4は、実施の形態1に係るヒートシンク2及び埃除け7を示す斜視図である。
埃除け7の中心部に穴を設けることで、空気の流路抵抗が小さくなるため、発光素子3によって昇温された空気がヒートシンク2のフィン12の間を鉛直上方に抜けやすくなり、空気の流れが改善され、放熱性が向上する。
また、発光素子3は配線基板4の全面に半田付けで実装されるが、ヒートシンク2のフィン12はベース板11の全面には実装せず、ベース板11の中心部にフィン12を実装しないフィン非実装領域17を設けている。このため、配線基板4の中心部に実装されている発光素子3は高温になる。これによって、配線基板4の中心に実装された発光素子3は他の箇所の発光素子3よりも高温になる。配線基板4の中心部に実装されている発光素子3によって昇温された空気は他の箇所よりも空気の密度差が大きくなるため、上昇気流が発生しやすくなる。ヒートシンク2の中心まで周囲空気が引き込まれ、さらには空気の密度差が大きいことにより空気流速も速くなる。このため、ベース板11の全面にフィン12を実装するよりも、放熱性が向上する。
【0016】
図7は、実施の形態1に係るヒートシンク2を示す斜視図である。
ヒートシンク2は、上述の通り、発光素子3を冷却するために設けられている。
ヒートシンク2のベース板11及びフィン12は、アルミニウムを材料としており、熱伝導率が比較的高く、軽量な部材を用いている。
ヒートシンク2は、板金をU字に折り曲げたフィン12をベース板11にかしめで接合することで形成されており、ダイカストで形成するよりも軽量、低価格にすることができる。
また、ベース板11とフィン12と片方のみ又は両方の部材をアルミニウムよりも熱伝導率の良い銅にすることで、熱拡散とフィン効率との効果が向上するため、放熱性が向上する。
ヒートシンク2は、ベース板11とフィン12の2つの部品から構成されている。フィン12は、渦巻き状に配置されている。
フィン12のベース板の配置を渦巻き状にすることで、ヒートシンク2の外周部から中心部へ周囲空気が均等に流入するため、放熱性の不均一が生じない。
また、フィン12のベース板11の配置を放射状ではなく渦巻き状にすることで、フィン12をベース板11に実装できる面積が増加するため、放熱面積が増加してヒートシンク2の放熱性がさらに向上する。
【0017】
図8に示すように、フィン12は、隣り合うフィンと半径方向において異なる位置に配置されている。
フィン12は、フィン12の径方向の長さを周方向に対して交互に変えている。
図7では、長フィン121と短フィン122とが隣あって交互に配置されている。長フィン121の内側を結んだ円は、半径Rのフィン非実装領域17である。短フィン122の内側を結んだ円の半径Sは、半径Rよりも大きい。長フィン121と短フィン122との外側を結んだ円の半径は同じであり、半径Tである。
半径Rから半径Sまでのリング領域は、長フィン121のみが存在する領域である。
半径Sから半径Tまでのリング領域は、長フィン121と短フィン122とが存在する領域である。
フィン12の長さを周方向に対して交互に変えているので、ヒートシンク2の外周部から中心部までの流路抵抗がヒートシンク2の中心部において低減でき周囲空気が流入しやすくなるため、放熱性が向上する。
【0018】
発光素子3は、照明装置1の光源となるが、投入電力を全て光に還元できるわけではなく、一部は熱損失となるため、配線基板4を介して、ヒートシンク2で冷却する必要がある。
配線基板4は、金属系の熱伝導率の良い部材を用いる。配線基板4は、エポキシガラス樹脂系の比較的安価な部材を用いることが多い。しかし、熱伝導率が低いため、照明装置1の熱抵抗が大きくなってしまう。それに対して、配線基板4に対して、アルミニウム又は銅の金属系の高価だが熱伝導率の良い部材を用いることで、発光素子3の配線基板4による熱拡散が促進され、配線基板4で発生する温度の上昇を低減できる。このため、照明装置1の全体の熱抵抗を下げることができ、ヒートシンク2をより簡素化でき、照明装置1の小型、軽量化が可能となる。
【0019】
図5と
図6に示すように、埃除け7と制御箱8の孔カバー20との間に間隔Zを設けており、制御箱8への熱の影響を抑制する。
制御箱8は、略6面体をしており、平面視で短辺15と長辺16とを有する。制御箱8は、長辺16の面が埃除け7の中心部を横切るように通って、両短辺15の面が固定部18により埃除け7と支柱9とに固定されている。埃除け7の中心部にある通風孔14の大きさすなわち通風孔14の直径Eは、制御箱8の短辺15の長さC以下であり、長辺16の長さD以下である。
このように、制御箱8が通風孔14の上空を覆うことにより通風孔14への埃の侵入をなるべく防ぎながら、埃除け7と制御箱8との間に間隔Zをあけることにより空気の流路を確保することができる。
図5と
図6に示すように、通風孔14の直径Eは、フィン非実装領域17の直径Xよりも小さいので、フィン12の上部はすべて埃除け7に覆われている。したがって、落下してくる埃がフィン12に直接付着することがない。
なお、埃除け7の埃除け効果を向上させるためには、中心部にある通風孔14の大きさすなわち通風孔14の直径Eは、制御箱8の短辺15の長さC未満であり、長辺16の長さD未満であることが望ましい。
【0020】
●照明装置1の特徴
照明装置1は、発光素子3と、発光素子3を実装する配線基板4と,3発光素子3を冷却するヒートシンク2とを有する。
ヒートシンク2は、ベース板11と渦巻き状に配置された複数のフィン12とを有する。
フィン12の鉛直上方に埃除け7が配置されており、フィン12と埃除け7は接触し、埃除け7の中心部に通風孔14がある。
埃除け7の鉛直上部に発光素子3を制御する制御箱8が配置され、埃除け7と制御箱8とが間隔Zを有し配置されている。
【0021】
照明装置1は、発光素子3を配線基板4の全領域に実装している。
ヒートシンク2は、ベース板11の中心部にフィン12が実装されていないフィン非実装領域17を有している。複数のフィン12は、周方向に対して長さが交互に異なる。
埃除け7の中心部の通風孔14の大きさが、制御箱8の短辺15の長さ以下となっている。
【0022】
●実施の形態1の変形例
以下、実施の形態1の変形例について、説明する。
【0023】
●通風孔14の変形例
図9は、実施の形態1の埃除け7の通風孔14の変形例を示す平面図である。
図9は、通風孔14の半径J(J=E/2)を、短辺15の長さC以内で、フィン非実装領域17の半径Rよりも大きくしたものである。
図9では、通風孔14の半径Jと、短フィン122の内側を結んだ円の半径Sとが等しい。
通風孔14の半径J(J=E/2)は短辺15の長さC以内なので、落下してくる埃が長フィン121に直接付着することがない。
【0024】
図10は、実施の形態1の埃除け7の通風孔14の変形例を示す平面図である。
図10は、通風孔14の形状を楕円形又は長円にしたものである。
図10では、通風孔14の長径Vは、制御箱8の長辺16の長さD以下であり、通風孔14の短径Wは、制御箱8の短辺15の長さC以下である。
通風孔14は、制御箱8の孔カバー20によりカバーされているので、落下してくる埃がフィン12に直接付着することがない。
また、支柱9により左右方向の通風が遮られても、通風孔14が支柱9の方向に横長なので、支柱間において通風孔14により上方向への通風が促進される。
【0025】
図11は、実施の形態1の埃除け7の通風孔14の変形例を示す平面図である。
図11は、通風孔14の形状を矩形又は長方形にしたものである。
図11では、通風孔14の長辺の長さVは、制御箱8の長辺16の長さD以下であり、通風孔14の短辺の長さWは、制御箱8の短辺15の長さC以下である。
通風孔14は、制御箱8の孔カバー20によりカバーされているので、落下してくる埃がフィン12に直接付着することがない。
また、支柱9により左右方向の通風が遮られても、通風孔14が支柱9の方向に横長なので、支柱間において通風孔14により上方向への通風が促進される。
【0026】
図12は、実施の形態1の制御箱8の変形例と埃除け7の通風孔14の変形例とを示す平面図である。
図12は、制御箱8が円筒形をしている。
図12では、通風孔14の直径Gは、制御箱8の外形の直径H以下である。
通風孔14は、制御箱8の孔カバー20によりカバーされているので、落下してくる埃がフィン12に直接付着することがない。
図示しないが、通風孔14の形状と制御箱8の平面視の形状とが、ともに、六角形、八角形、楕円形でもよく、相似形であればよい。
【0027】
●通風穴141の付加例
図13は、実施の形態1の埃除け7の通風孔14と通風穴141を示す斜視図である。
図13に示すように、埃除け7は、通風孔14以外に、放射状に配置された複数の通風穴141を有している。
通風穴141は、中心部以外に配置されている円形の通風孔である。
通風孔14と通風穴141とは大きさが異なり、中心部の通風孔14よりも径が小さい。
埃除け7は、アルミニウムを材料とする金属板であり、全面に通風穴141を有する平板である。中心部のみに通風孔14を開けるよりも、さらに全面に複数の通風穴141を開ける方が、空気の流路抵抗が小さくなる。このため、発光素子3によって昇温された空気がヒートシンク2のフィン12間を鉛直上方に抜けやすくなり、空気の流れが改善され、放熱性が向上する。
埃除け7の通風孔14と通風穴141とは大きければ大きい程、発光素子3によって昇温された空気が鉛直上方に抜けるときの流路抵抗が小さくなるため、冷却性がさらに向上する。しかしながら、埃除け7の通風穴141が大きすぎると埃がヒートシンク2に堆積し、埃自体が熱抵抗となり、ヒートシンク2の放熱性が悪化する虞がある。このため、中心部の通風孔14の大きさは制御箱8の短辺15よりも小さく、中心部以外の通風穴141は埃の侵入をなるべく防ぎ、流路抵抗とならない大きさが望ましい。
【0028】
図示しないが、複数の通風穴141は、渦巻き状に配置されていてもよい。複数のフィン12を渦巻き状に配置し、かつ、複数の通風穴141を渦巻き状に配置する場合、フィン12の上辺を露出させることができる位置にすべての通風穴141を配置することができ、フィン12の上辺からの放熱効果が向上する。
図示しないが、複数の通風穴141をフィン12の上辺と同じ長さの長穴にして渦巻き状に配置し、すべてのフィン12の上辺全体を露出させてもよい。
【0029】
図14は、実施の形態1の埃除け7の通風孔14と通風穴141を示す平面図である。
図14に示すように、埃除け7は、通風穴141の両側に、縦横に配置された複数の通風穴141を有している。
通風穴141は、すべて、平面視で制御箱8の底面である孔カバー20の範囲内に配置されている。
通風穴141は、通風穴141の両側に配置され、かつ、支柱9と通風孔14との間に配置されている。
支柱9により左右方向の通風が遮られても、通風穴141が支柱間に存在するので通風穴141により上方向への通風が促進される。
【0030】
●フィン12の変形例
図15は、実施の形態1のヒートシンク2の変形例を示す平面図である。
図15に示すように、フィン12は、隣り合うフィンと長さが異なり、半径方向において異なる位置に配置されている。
図15に示すように、フィン12は、渦巻き状ではなく、放射状に配置されている。
【0031】
図16は、実施の形態1のヒートシンク2の変形例を示す平面図である。
図16に示すように、フィン12は、隣り合うフィンと長さが同じであるが、半径方向において異なる位置に配置されている。
図16では、同じ長さのフィン12を、交互に、内配置と外配置にずらして配置している。
図16では、内配置の内フィン123の内側を結んだ円は、半径Rのフィン非実装領域17である。外配置の外フィン124の内側を結んだ円の半径Sは、半径Rよりも大きい。内配置の内フィン123の外側を結んだ円の半径Uは、外配置の外フィン124の外側を結んだ円の半径Tよりも小さい。
半径Rから半径Sまでのリング領域は、内フィン123のみが存在する領域である。
半径Sから半径Uまでのリング領域は、内フィン123と外フィン124とが存在する領域である。
半径Uから半径Tまでのリング領域は、外フィン124のみが存在する領域である。
フィン12の配置を周方向に対して交互に変えているので、ヒートシンク2の外周部から中心部まで流路抵抗が、ヒートシンク2の外周部と中心部とにおいて低減でき、周囲空気が流入しやすくなるため、放熱性が向上する。
【0032】
実施の形態2.
本実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
図17は、実施の形態2のヒートシンク2と遮熱板13を示す図である。
図17では、埃除け7と制御箱8の間に遮熱板13を配置している。
遮熱板13は、1枚の矩形板であり、制御箱8の底面全体を覆っている。
図17では、制御箱8の底面にある遮熱板13が、通風孔14を覆う孔カバー20となる。
照明装置1では、発光素子3の熱によって昇温された空気がヒートシンク2のフィン12、及び、埃除け7の通風孔14を通過し、制御箱8に向かい、制御箱8が高温になり短寿命化を招く虞がある。制御箱8への影響を抑制するため、遮熱板13を埃除け7と制御箱8の間に配置し、発光素子3の熱によって昇温された空気が直接的に制御箱8に当たらないようにすることで、制御箱8の温度上昇を低減する。遮熱板13は樹脂系の熱伝導率が低く断熱効果の高い部材であることが望ましい。これによって、制御箱8に新たな放熱器を設ける必要がないため、機器全体の大型化を防ぐことができる。
【0033】
●遮熱板13の変形例
図18は、実施の形態2のヒートシンク2と遮熱板13を示す図である。
図18の遮熱板13は、中央が折り曲げられた断面がV字の孔カバー20である。
遮熱板13は、制御箱8の底面全体を覆っている。
遮熱板13が下側に向けて突出したV字型なので、上昇気流を左右に導くことができるとともに、遮熱板13と制御箱8の底面との間に遮熱のための三角柱型の空間を設けることができる。
【0034】
実施の形態3.
本実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
図19は、実施の形態3の孔カバー20を示す図である。
図19では、制御箱8を天井裏に配置するため、制御箱8が埃除け7の上部に存在しない。
制御箱8の代わりに、孔カバー20を埃除け7の上部に間隔Zの空間をあけて配置している。
孔カバー20は、通風孔14よりも径が大きい平板の円盤である。
孔カバー20は、固定部18により、埃除け7の中央に固定されている。
【0035】
図20は、孔カバー20を示す図である。
図20では、制御箱8の底面に、孔カバー20を間隔Zの空間をあけて配置している。
孔カバー20は、制御箱8の底面と同じ大きさの矩形の平板である。
孔カバー20は、制御箱8の底面と直交するように、制御箱8の底面に固定されている。
制御箱8の底面と孔カバー20の下には、通風孔14又は通風穴141を設けることができる。具体的には、4個の支柱9のある方向に通風孔14を拡大することができる。又は、4個の支柱9と通風孔14との間に通風穴141を設けることができる。
孔カバー20は、遮熱板13であってもよい。あるいは、遮熱板13を十字型にして、制御箱8の底面に固定してもよい。
【0036】
実施の形態4.
本実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
図21は、実施の形態4のヒートシンク2を示す図である。
図21の(a)、(b)、(c)、(d)は、接触面19を示す図である。
接触面19は、フィン12の上部全体を90度折り曲げた平面である。接触面19は、埃除け7の下面に面接触して固定される。
(a)は、接触面19を半径方向と直交する断面がU字状のフィン12の左右外側に配置している。
(b)は、接触面19を半径方向と直交する断面がL字状のフィン12の片側に配置している。
(c)は、接触面19を半径方向と直交する断面が四角状のフィン12の中央上部に配置している。
(d)は、接触面19を半径方向と直交する断面がU字状のフィン12の左側に配置している。
接触面19により、フィン12の熱を面接触により埃除け7に伝えることができる。
また、接触面19により、フィン12の強度を向上させることができる。
図示しないが、フィン12の上部全体ではなく、フィン12の上部の一部のみを折り曲げて、接触面19を形成してもよい。
図示しないが、フィン12の上部の一部を左に折り曲げて他部を右に折り曲げて、接触面19を形成してもよい。
【0037】
図21の(e)は、接触スリット21を示す図である。接触スリット21は、埃除け7を貫通している直線状の貫通穴である。フィン12の上部全体は、接触スリット21を貫通している。フィン12の左右の面は接触スリット21の内壁面と面接触している。フィン12の上部には、90度折り曲げた接触面19が形成されている。接触面19は、埃除け7の上面に面接触して固定される。
【0038】
図21の(f)は、接触溝22を示す図である。接触溝22は、埃除け7の下面に形成された直線状のはめ込み溝である。フィン12の上部は、接触溝22にはめ込まれる。フィン12の左右の面は接触溝22の内壁面と面接触している。
【0039】
以上、実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、いくつかを組み合わせて実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施しても構わない。
【符号の説明】
【0040】
1 照明装置、2 ヒートシンク、3 発光素子、4 配線基板、5 カバー、7 埃除け、8 制御箱、81 点灯回路、9 支柱、10 アーム、11 ベース板、12 フィン、121 長フィン、122 短フィン、123 内フィン、124 外フィン、13 遮熱板、14 通風孔、141 通風穴、15 短辺、16 長辺、17 フィン非実装領域、18 固定部、19 接触面、20 孔カバー、21 接触スリット、22 接触溝、50 発光ユニット、60 冷却機構。