(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】缶体印刷システム、および缶体印刷装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240507BHJP
B41J 3/407 20060101ALI20240507BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240507BHJP
B41J 29/387 20060101ALI20240507BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
G06F3/12 359
B41J3/407
B41J29/38 201
B41J29/387
G06F3/12 303
G06F3/12 353
G06F3/12 378
G06F3/12 385
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2020021890
(22)【出願日】2020-02-12
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】521469760
【氏名又は名称】アルテミラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【氏名又は名称】水戸 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】小島 真一
(72)【発明者】
【氏名】松島 妃美
(72)【発明者】
【氏名】藤沼 兼司
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-208777(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021739(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 3/407
B41J 29/38
B41J 29/387
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶体印刷装置により印刷が施される缶体の数量を、予め定められた単位で計測する計測手段と、
前記数量が、
前記缶体印刷装置の提供者または当該提供者の許諾を得た者から提供された缶体の提供数量に基づき印刷可能な前記缶体の数量として予め定められた数量に達することを前記単位毎に検知する検知手段と、
前記検知がなされた場合に、前記印刷の停止を制御する制御手段と、
を有する缶体印刷システム。
【請求項2】
前記計測手段は、前記印刷を施す際のコンテンツを前記単位として、前記印刷が施される前記缶体の数量を計測し、
前記検知手段は、前記印刷が施される前記缶体の数量が、
前記提供数量に基づき印刷可能な前記缶体の数量として前記コンテンツ毎に予め定められた数量に達することを検知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の缶体印刷システム。
【請求項3】
前記計測手段は、前記缶体の納入先を前記単位として、前記印刷が施される前記缶体の数量を計測し、
前記検知手段は、前記印刷が施される前記缶体の数量が、
前記提供数量に基づき印刷可能な前記缶体の数量として前記納入先毎に予め定められた数量に達することを検知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の缶体印刷システム。
【請求項4】
前記計測手段は、前記缶体に封入される内容物の種類を前記単位として、前記印刷が施される前記缶体の数量を計測し、
前記検知手段は、前記印刷が施される前記缶体の数量が、
前記提供数量に基づき印刷可能な前記缶体の数量として前記内容物の種類毎に予め定められた数量に達することを検知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の缶体印刷システム。
【請求項5】
ホスト装置と、
缶体に対してデジタル印刷を施すとともに、前記ホスト装置により印刷に制限が施される缶体印刷装置と、
を備え、
前記缶体印刷装置は、
印刷される缶体の数量に制限が加えられ
た缶体に印刷のための処理が施されるコンテンツを取得し、
取得した前記コンテンツを、前記印刷の数だけ缶体に印刷
し、
前記ホスト装置は、前記缶体印刷装置の提供者または当該提供者の許諾を得た者から提供された缶体の提供数量に基づき正規の缶体に印刷されるべきものとして定められた缶体の数から、前記コンテンツが印刷されるべき缶体の数を制限する、
ことを特徴とする缶体印刷システム。
【請求項6】
缶体印刷装置により缶体に印刷を施す印刷手段と、
前記印刷が施される前記缶体の数量を計測する計測手段と、
前記数量が、
前記缶体印刷装置の提供者または当該提供者の許諾を得た者から提供された缶体の提供数量に基づき印刷可能な前記缶体の数量として予め定められた単位毎に予め定められた数量に達する場合に、前記印刷を停止する停止手段と、
を有する缶体印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶体印刷システム、および缶体印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、正規部品以外の部品が使用されると、それを検出して作業機械の動作を制限する、とされる部品監視装置についての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年における缶体に対する印刷技術の進歩から、従来、不可能であった、缶体をユーザ側で印刷することも検討可能になっている。
しかしながら、ユーザ側であまりに自由に印刷が行われると、正規でない缶体に対する印刷が行われるおそれがある。かかる場合は、意図する印刷品質が得られないことが懸念される。
【0005】
本発明は、ユーザに対して何ら制限を付けずに自由に印刷することを認めてしまう場合に比べ、印刷の品質がより良く保たれた缶体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が適用される缶体印刷システムは、印刷が施される缶体の数量を、予め定められた単位で計測する計測手段と、前記数量が、印刷可能な前記缶体の数量として予め定められた数量に達することを前記単位毎に検知する検知手段と、前記検知がなされた場合に、前記印刷の停止を制御する制御手段と、を有する缶体印刷システムである。
ここで、前記計測手段は、前記印刷を施す際のコンテンツを前記単位として、前記印刷が施される前記缶体の数量を計測し、前記検知手段は、前記印刷が施される前記缶体の数量が、印刷可能な前記缶体の数量として前記コンテンツ毎に予め定められた数量に達することを検知する、ことを特徴とすることができる。
また、前記計測手段は、前記缶体の納入先を前記単位として、前記印刷が施される前記缶体の数量を計測し、前記検知手段は、前記印刷が施される前記缶体の数量が、印刷可能な前記缶体の数量として前記納入先毎に予め定められた数量に達することを検知する、ことを特徴とすることができる。
また、前記計測手段は、前記缶体に封入される内容物の種類を前記単位として、前記印刷が施される前記缶体の数量を計測し、前記検知手段は、前記印刷が施される前記缶体の数量が、印刷可能な前記缶体の数量として前記内容物の種類毎に予め定められた数量に達することを検知する、ことを特徴とすることができる。
また、本発明が適用される缶体印刷システムは、ホスト装置と、缶体に対してデジタル印刷を施すとともに、前記ホスト装置により印刷に制限が施される缶体印刷装置と、備え、前記缶体印刷装置は、印刷される缶体の数量に制限が加えられ缶体に印刷のための処理が施されるコンテンツを取得し、取得した前記コンテンツを、前記印刷の数だけ缶体に印刷する、ことを特徴とする缶体印刷システムである。
また、前記ホスト装置は、正規の缶体に印刷されるべきものとして定められた缶体の数量から、前記コンテンツが印刷されるべき缶体の数を制限する、ことを特徴とすることができる。
他の観点から捉えると、缶体に印刷を施す印刷手段と、前記印刷が施される前記缶体の数量を計測する計測手段と、前記数量が、印刷可能な前記缶体の数量として予め定められた単位毎に予め定められた数量に達する場合に、前記印刷を停止する停止手段と、を有する缶体印刷装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザに対して何ら制限を付けずに自由に印刷することを認めてしまう場合に比べ、印刷の品質がより良く保たれた缶体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用される缶体印刷システムのハードウェア構成を示す図である。
【
図2】印刷装置側(印刷装置、または印刷装置およびユーザPC)の本実施の形態における機能構成を示す図である。
【
図3】ホスト装置の本実施の形態における機能構成を示す図である。
【
図4】印刷装置側にて実行される本実施の形態における処理を示すフローチャートである。
【
図5】(A)および(B)は、ホスト装置にて実行される処理を示すフローチャートである。
【
図6】印刷数量の計測がホスト装置により行われる場合に、ホスト装置にて実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔缶体印刷システムの構成〕
以下、添付図面を参照して、本実施の形態が適用される缶体印刷システムについて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される缶体印刷システム1のハードウェア構成を示す図である。缶体印刷システム1は、缶体印刷システム1の根幹をなす情報処理装置であるホスト装置10と、缶体を印刷するユーザ側の印刷装置30とが、インターネットなどのネットワーク20を介して接続されている。また、缶体を印刷するユーザ側にて、印刷装置30に接続されるユーザPC40が、ネットワーク20を介してホスト装置10と接続される態様がある。
ホスト装置10は、例えば印刷装置30にて印刷される缶体の提供者や、印刷装置30の提供者などが提供するコンピュータ装置である。ホスト装置10には、缶体印刷システム1にて用いられる各種情報を記憶するデータベース(DB)50が、直接またはネットワーク20を介して接続されている。
【0010】
ホスト装置10は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)である制御部11と、演算に際して作業エリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)などのメモリ12とを有している。また、プログラムや各種設定データなどの記憶に用いられる記憶部13を有している。記憶部13としては、例えば半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置が用いられる。さらに、ネットワーク20を介してデータの送受信を行う通信部14を有している。
【0011】
また、ホスト装置10は、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルなどの操作部15を有しており、缶体印刷システム1を管理する管理者からの入力操作を受け付ける。また、管理者が行う管理作業に必要な画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部16と、表示部16を制御する表示制御部17とを有している。なお、各ハードウェアは、筐体を1つにするものとは限らない。
【0012】
印刷装置30は、装置全体を制御する制御部31と、ネットワーク20を介して各種データの送受信を行う通信部32とを有している。また、缶体に対して印刷を施す印刷部33を有している。さらに、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量を計測する計測部34を有している。また、印刷装置30を操作するユーザへの表示やユーザからの入力操作を受け付けるユーザインタフェース35と、取得した印刷画像情報などを記憶する記憶部36とを有する。
【0013】
印刷部33は、缶体にインクジェットによるデジタル印刷を行い、缶体毎に印刷内容を変えて印刷することが可能である。かかる点は、通常の版下印刷による缶体への印刷とは大きく異なり、ユーザの利便性が高く、装置の軽量化などが図られる。印刷部33では、インクを液滴としてノズルから噴射して、このインクを缶体の外周面に付着させて、缶体の外周面に画像を形成し、さらに、この画像の上に塗料を塗布して保護層を形成する。印刷部33では、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを基本のインクとして用い、さらに、必要に応じて、銘柄毎に用意した特別な色のインク(特色インク)を用いる。また、この場合、色毎にインクジェットヘッドを用意し、複数のインクジェットヘッドを用いて缶体への画像形成を行う。また、用いるインクとしては、活性放射線硬化型インクが望ましい。ここで、活性放射線硬化型インクには、例えば、紫外線(UV)硬化型インクが含まれる。インクジェットヘッドによる画像形成後に、缶体の外周面に対して塗料が塗布されて、保護層(オーバーコート層)が形成される。
印刷される媒体としての缶体は、ビールなどの飲料物が充填される前の缶体、飲料物が充填された後の缶体、の何れの場合もある。
【0014】
計測部34は、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量を計測する。具体的には、例えば、印刷部33に数量カウンタを設けて、印刷処理が行われた缶体を1本ずつカウントしてもよい。また、例えば、印刷が施された缶体が印刷装置30から排出されるまでに通過する位置のいずれかに数量カウンタを設けて、通過する缶体を1本ずつカウントしてもよい。
【0015】
また、印刷装置30は、ユーザが操作するコンピュータ装置であるユーザPC40と、直接、インタフェースケーブルを介して接続され、またはイーサネット(登録商標)などのLAN(Local Area Network)などを介して接続されている。ユーザPC40は、例えば、印刷装置30へ印刷画像情報を提供する場合の他、印刷装置30への各種設定、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量を示す情報の取得や表示などを行う。また、ネットワーク20を介してホスト装置10と接続され、ホスト装置10からの各種情報などを取得する。印刷装置30の通信部32は、ホスト装置10と直接、通信を行う態様の他に、ユーザPC40を介してホスト装置10と通信を行う態様がある。また、情報に応じて、これらを使い分ける態様もある。
【0016】
ユーザPC40は、装置全体を制御する制御部41と、演算に際して作業エリアとして用いられるRAMなどのメモリ42とを有している。また、プログラムや各種設定データなどの記憶に用いられ、半導体メモリやHDDなどの記憶装置からなる記憶部43を有している。さらに、ネットワーク20を介してのデータの送受信や、印刷装置30に接続してデータの送受信を行う通信部44を有している。また、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、バーコードリーダなどの操作部45を有しており、印刷装置30を用いるユーザからの入力操作を受け付ける。また、ユーザが行う印刷作業に必要な画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部46と、表示部46を制御する表示制御部47とを有している。
なお、印刷装置30は、単体で「缶体印刷装置」として把握できる場合もあるが、印刷装置30とユーザPC40を含めて「缶体印刷装置」として把握することも可能である。
【0017】
〔印刷装置30の機能構成〕
次に、印刷装置30側(印刷装置30、または印刷装置30およびユーザPC40)にて実行される本実施の形態における機能について説明する。この本実施の形態は、印刷装置30が単独で、または印刷装置30とユーザPC40とが共同して、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量が、予め定められた単位毎の印刷可能数量に達したことを検知して印刷を停止するなどの作業を実行する点に特徴がある。
【0018】
予め定められた単位毎の印刷可能数量は、正規の缶体に印刷されるべきものとして定められた缶体の数量に基づいて定められる。
ここで、「正規の缶体」には、例えば、ユーザに印刷装置30を提供する会社が、印刷装置30とともに提供する缶体、または印刷装置30を提供する会社の許諾を得た者が提供する缶体が含まれる。この場合、ユーザに印刷装置30を提供する会社の許諾を得ていない者が無断で製造した缶体(例えば模倣品)は、正規の缶体ではない「非正規の缶体」となる。
但し、「正規の缶体」であるか否かを正しく認識することは必ずしも容易ではない。そこで、本実施の形態では、その代用として、「正規の缶体」であるとして取り扱ってもよい、と考えるものとして、「正規の缶体に対してユーザにより印刷がなされるものとして、予め定めた単位毎の缶体の数量」を採用している。言い換えると、この「単位」に入っているものが必ずしも「正規の缶体」とは限らないが、この「単位」に入っているものは、「正規の缶体」として取り扱っても良いとしたものである。
【0019】
また、予め定められる「単位」としては、印刷のコンテンツ、缶体に内容物を封入した缶詰商品の納入先、缶体に封入される内容物の種類が挙げられる。この場合、「印刷のコンテンツ」は、印刷装置30により缶体に印刷されるデザインを共通にする単位となる。また、「缶詰商品の納入先」は、印刷装置30により印刷が施された(または施される)缶体が後に缶詰商品として納入される先を共通にする単位となる。また、「缶体に封入される内容物の種類」は、印刷装置30により印刷が施された(または施される)缶体に封入される内容物を共通にする単位となる。
【0020】
具体的には、例えば、印刷装置30により缶体に印刷されるコンテンツの種類が、コンテンツAであったとする。この場合、印刷装置30にコンテンツAの印刷を行わせるためには、印刷するコンテンツとして「コンテンツA」を設定するとともに、「コンテンツA」の印刷可能数量を設定する必要がある。ここで、「コンテンツA」の印刷可能数量が「100本」として予め定められていた場合には、印刷可能数量として「100本」を設定する。これにより、印刷装置30によりコンテンツAの印刷が開始されることとなるが、コンテンツAの印刷が施された缶体の数量が100本に達すると、印刷装置30の印刷が停止する。
【0021】
また、例えば、印刷装置30により印刷が施された後、缶詰商品としての納品先が、会社Bであったとする。この場合、印刷装置30に印刷を行わせるためには、缶詰商品の納入先として「会社B」を設定するとともに、「会社B」の印刷可能数量を設定する必要がある。ここで、「会社B」の印刷可能数量が「200本」として予め定められていた場合には、印刷可能数量として「200本」を設定する。これにより、印刷装置30により印刷が開始されることとなるが、印刷が施された缶体の数量が200本に達すると、印刷装置30の印刷が停止する。
【0022】
また、例えば、印刷装置30により印刷が施される(または施された)缶体に封入される内容物が、飲料Cであったとする。この場合、印刷装置30に印刷を行わせるためには、缶体に封入される内容物の種類として「飲料C」を設定するとともに、「飲料C」の印刷可能数量を設定する必要がある。ここで、「飲料C」の印刷可能数量が「300本」として予め定められていた場合には、印刷可能数量として「300本」を設定する。これにより、印刷装置30により印刷が開始されることとなるが、印刷が施された缶体の数量が300本に達すると、印刷装置30の印刷が停止する。
【0023】
図2は、印刷装置30側(印刷装置30、または印刷装置30およびユーザPC40)の本実施の形態における機能構成を示す図である。印刷装置30側は、予め定められた単位を示す情報と、その単位毎に予め定められた印刷可能数量を示す情報とを取得する単位取得部301を有する。また、単位取得部301にて取得された情報を、ユーザPC40の記憶部43や印刷装置30の記憶部36等に記憶する単位記憶部302を有する。
【0024】
また、印刷装置30側は、計測部34によって印刷装置30により印刷が施された缶体の数量を示す情報を計測する数量計測部303を有する。また、ユーザにて缶体に印刷が施される際、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量が、予め定められた単位毎の印刷可能数量に達したことを検知する数量検知部304を有する。また、数量検知部304にて、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量が、予め定められた単位毎の印刷可能数量に達したことが検知された場合に、缶体に対する印刷の停止を制御する印刷停止部305を有する。また、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量が、予め定められた単位毎の印刷可能数量に達した旨を通信部32、ネットワーク20を介してホスト装置10へ出力する検知結果出力部306を有する。
【0025】
数量検知部304は、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量が、予め定められた単位毎の印刷可能数量に達したことを検知するべく、コンテンツ別数量検知部341と、納入先別数量検知部342と、種類別数量検知部343とを有する。
コンテンツ別数量検知部341は、印刷装置30により印刷を施した缶体の数量が、予め定められた単位としてのコンテンツ毎に定められた印刷可能数量に達すると、これを検知する。また、納入先別数量検知部342は、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量が、予め定められた単位としての納入先毎に定められた印刷可能数量に達すると、これを検知する。また、種類別数量検知部343は、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量が、予め定められた単位としての内容物の種類毎に定められた印刷可能数量に達すると、これを検知する。
【0026】
印刷停止部305は、コンテンツ別数量検知部341、納入先別数量検知部342、種類別数量検知部343のうち、いずれかにて上述の単位毎の印刷可能数量に達したことが検知された場合に、缶体に対する印刷の停止を制御する。
具体的には、例えば、印刷停止部305は、印刷装置30による印刷数量が、印刷のコンテンツ毎に定められた印刷可能数量に達したことをコンテンツ別数量検知部341が検知すると、強制的に印刷を停止する。印刷装置30が印刷を強制的に停止することで、それ以降、ユーザは印刷装置30を用いて缶体に印刷することができなくなる。即ち、ユーザは、印刷のコンテンツ毎に定められた印刷可能数量に達するまでは、非正規の缶体を含めどのような缶体であっても印刷できる。ただし、印刷のコンテンツ毎に定められた印刷可能数量に達した時点で印刷が停止するため、それ以降、たとえ正規の缶体であっても印刷することができなくなる。ここで、印刷のコンテンツ毎の印刷可能数量は、正規の缶体に印刷されるべきものとして定められた缶体の数量に基づいて定められる。具体的には、例えば、ユーザが、印刷のコンテンツ毎に定められた缶詰商品の製造予定数量と同じ数量(または歩留まりが考慮された数量)の正規の缶体を原料として購入した場合には、当該数量が印刷のコンテンツ毎の印刷可能数量として設定される。
【0027】
また、印刷停止部305は、印刷装置30による印刷数量が、缶詰製品の納入先毎に定められた印刷可能数量に達したことを納入先別数量検知部342が検知すると、強制的に印刷を停止する。印刷装置30が印刷を強制的に停止することで、それ以降、ユーザは印刷装置30を用いて缶体に印刷することができなくなる。即ち、ユーザは、缶詰製品の納入先毎に定められた印刷可能数量に達するまでは、非正規の缶体を含めどのような缶体であっても印刷できる。ただし、缶詰製品の納入先毎に定められた印刷可能数量に達した時点で印刷が停止するため、それ以降、たとえ正規の缶体であっても印刷することができなくなる。ここで、缶詰製品の納入先毎の印刷可能数量は、正規の缶体に印刷されるべきものとして定められた缶体の数量に基づいて定められる。具体的には、例えば、ユーザが、納入先から発注された缶詰製品の数量と同じ数量(または歩留まりが考慮された数量)の正規の缶体を購入した場合には、当該数量が缶詰製品の納入先毎の印刷可能数量として設定される。
【0028】
また、印刷停止部305は、印刷装置30による印刷数量が、缶体に封入される内容物の種類毎に定められた印刷可能数量に達したことを種類別数量検知部343が検知すると、強制的に印刷を停止する。印刷装置30が印刷を強制的に停止することで、それ以降、ユーザは印刷装置30を用いて缶体に印刷することができなくなる。即ち、ユーザは、内容物の種類毎に定められた印刷可能数量に達するまでは、非正規の缶体を含めどのような缶体であっても印刷できる。ただし、内容物の種類毎に定められた印刷可能数量に達した時点で印刷が停止するため、それ以降、たとえ正規の缶体であっても印刷することができなくなる。ここで、内容物の種類毎の印刷可能数量は、正規の缶体に印刷されるべきものとして定められた缶体の数量に基づいて定められる。具体的には、例えば、ユーザは、缶体に封入する内容物の種類毎に定められた缶詰商品の製造予定数量と同じ数量(または歩留まりが考慮された数量)の正規の缶体を購入した場合には、当該数量が内容物の種類毎の印刷可能数量として設定される。
【0029】
〔ホスト装置10の機能構成〕
次に、ホスト装置10にて実行される本実施の形態における機能について説明する。
図3は、ホスト装置10の本実施の形態における機能構成を示す図である。ホスト装置10は、例えばネットワーク20を介して他のコンピュータ装置から印刷装置情報を取得する印刷装置情報取得部101と、印刷が施された缶体の数量を計測する際の単位、及び単位毎の印刷可能数量を印刷装置30毎に設定する単位設定部102とを有する。また、印刷が施された缶体の数量を計測する際の単位を示す情報、及び単位毎の印刷可能数量を示す情報を、印刷装置情報に対応付けて、記憶部13やDB50に記憶する単位記憶部103を有する。また、記憶されたこれらの情報を単位記憶部103から読み出す単位読出部104と、読み出したこれらの情報を印刷装置30側に向けて出力する単位出力部105とを有する。
【0030】
また、ホスト装置10は、印刷対象のコンテンツである画像情報を取得するコンテンツ取得部106と、取得された画像情報を、印刷装置情報に対応付けて、記憶部13やDB50に記憶するコンテンツ記憶部107とを有する。また、記憶されたこれらの情報をコンテンツ記憶部107から読み出すコンテンツ読出部108と、読み出したこれらの情報を印刷装置30側に向けて出力するコンテンツ出力部109を有する。コンテンツ出力部109による情報の出力は、上述の単位出力部105による情報の出力とともに行われる。
【0031】
なお、インクジェットにより缶体にデジタル印刷を施す際、通常の用紙に印刷を施す場合とは異なる独自の処理が必要となる。例えば下地の施されていない缶体にインクジェットで印刷を施す場合には、アルミ缶などの缶体の素材の金属光沢の影響を考慮して画像処理を施す必要がある。また、液体であるインクが缶体に浸透せず、インクが粒状になり易いことから、これらを考慮した色合いなどの選定が必要である。また、印刷面が湾曲していることも考慮しなければならない。かかる缶体に印刷するための独自性から、コンテンツである印刷するための画像情報を、ホスト装置10側にて提供することが好ましい。そして、かかるコンテンツ毎に印刷の停止を制御することで、本実施の形態では、正規でない状態にて缶体に印刷が施される危険性を軽減している。
【0032】
印刷装置情報、印刷が施された缶体の数量を計測する際の単位を示す情報、及び単位毎の印刷可能数量を示す情報は、ネットワーク20と通信部14を介して取得する場合の他、例えばホスト装置10の管理者により操作部15から入力される態様がある。
【0033】
また、ホスト装置10は、印刷が施された缶体の数量が、単位設定部102により設定された単位毎の印刷可能数量に達したことが検知されて印刷が停止した場合に、その旨を示す情報を印刷装置30側から取得する検知結果取得部112を有する。また、印刷が施された缶体の数量が、単位設定部102により設定された単位毎の印刷可能数量に達したことが検知されて印刷が停止したことを認識する検知結果処理部111を有する。
【0034】
〔印刷装置30の処理〕
次に、印刷装置30側(印刷装置30、または印刷装置30およびユーザPC40)にて実行される処理について、
図1、
図2および
図4を用いて説明する。
図4は、印刷装置30側にて実行される本実施の形態における処理を示すフローチャートである。なお、
図4の例において、「単位」は「コンテンツ」であるものとする。
まず、印刷装置30の単位取得部301は、ホスト装置10からコンテンツである画像情報とともに出力された、印刷が施された缶体の数量を計測する際の単位がコンテンツであることを示す情報と、コンテンツ毎の印刷可能数量を示す情報とを取得する(ステップ101)。例えば、コンテンツAの印刷可能数量が200本と設定された場合には、その旨を示す情報が取得される。そして、印刷装置30の単位記憶部302は、単位取得部301にて取得された情報を、ユーザPC40の記憶部43や印刷装置30の記憶部36等に記憶する(ステップ102)。例えば、コンテンツAの印刷可能数量が200本である場合には、その旨を示す情報を、ユーザPC40の記憶部43や印刷装置30の記憶部36等に記憶する。
【0035】
そして、印刷装置30の数量計測部303は、計測部34によって、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量(
図4では「印刷済数量」)を計測する(ステップ103)。
【0036】
そして、印刷装置30の数量検知部304のコンテンツ別数量検知部341は、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量が、予め定められた単位としてのコンテンツ毎に定められた印刷可能数量に達すると、これを検知する。(ステップ104)。
【0037】
そして、印刷装置30の印刷停止部305は、数量検知部304にて、印刷装置30による印刷数量が、コンテンツ毎に定められた印刷可能数量に達したことが検知されたか否かを判断する(ステップ105)。具体的には、印刷装置30による印刷数量が、コンテンツ毎に定められた印刷可能数量に達したことを、数量検知部304のコンテンツ別数量検知部341が検知すると、印刷停止部305は、「検知された」と判断する。例えば、コンテンツAの印刷可能数量が200本である場合には、コンテンツAの印刷が施された缶体が200本に達したことをコンテンツ別数量検知部341が検知すると、印刷停止部305は、「検知された」と判断する。
【0038】
そして、印刷装置30による印刷数量が印刷可能数量に達したことが検知されていない場合には(ステップ105でNO)、コンテンツ別数量検知部341にて印刷可能数量に達したことが検知されるまで、ステップ105の処理が繰り返し実行される。印刷装置30による印刷数量が印刷可能数量に達したことが検知されたことで、印刷停止部305が「検知された」と判断した場合には(ステップ105でYES)、印刷停止部305は、印刷部33によって行われている缶体に対する印刷を停止する(ステップ106)。
【0039】
そして、印刷装置30の検知結果出力部306は、印刷が停止された旨を通信部32、ネットワーク20を介してホスト装置10へ出力し(ステップ107)、処理が終了する。なお、ホスト装置10へ出力される情報には、「印刷が停止された旨」のみならず、例えば、印刷装置30による印刷数量が、どのような単位の印刷可能数量に達したことで印刷が停止したのかを示す情報等が含まれていてもよい。具体的には、例えば、「印刷が停止された旨」とともに、コンテンツ毎に定められた印刷可能数量に達したことで印刷が停止した旨を示す情報がホスト装置10へ出力されてもよい。
【0040】
〔ホスト装置10の処理〕
次に、ホスト装置10にて実行される処理について、
図1、
図3および
図5を用いて説明する。
図5(A)および(B)は、ホスト装置10にて実行される処理を示すフローチャートである。
図5(A)は、印刷装置30による印刷前のホスト装置10における処理、
図5(B)は、印刷装置30による印刷の停止後のホスト装置10における処理を示している。
【0041】
まず、印刷装置30による印刷前にて、
図5(A)に示すように、ホスト装置10の印刷装置情報取得部101は、例えば印刷装置30を提供する会社が保有するコンピュータ装置(図示せず)から印刷装置情報を取得する。また、コンテンツ取得部106は、例えばこのコンピュータ装置からコンテンツである画像情報を取得する(ステップ201)。また、ホスト装置10の単位設定部102は、正規の缶体に対してユーザにより印刷がなされる「単位」としての「コンテンツ」と、その単位毎に予め定められた「印刷可能数量」とを印刷装置30毎に設定する(ステップ202)。例えば、正規の缶体に対してユーザにより印刷がなされるものとしてコンテンツ毎に予め定められた数量が200本と定められた場合には、その旨が設定される。そして、単位記憶部103は、印刷が施された缶体の数量を計測する際の「単位」としての「コンテンツ」を示す情報、及びコンテンツ毎の「印刷可能数量」を示す情報と、印刷装置情報とを対応付けて、記憶部13やDB50に記憶する。また、コンテンツ記憶部107は、コンテンツである画像情報と、印刷装置情報とを対応付けて、記憶部13やDB50に記憶する(ステップ203)。例えば、正規の缶体に対してユーザにより印刷がなされるものとしてコンテンツ毎に予め定められた数量が200本である場合には、その旨を示す情報を印刷装置情報に対応付けて、記憶部13やDB50に記憶する。そして、単位読出部104は、単位設定部102により設定された、印刷が施された缶体の数量を計測する際の「単位」としての「コンテンツ」を示す情報、及びコンテンツ毎の「印刷可能数量」を示す情報を単位記憶部103から読み出す(ステップ204)。例えば、印刷が施された缶体の数量を計測する際の「単位」が「コンテンツ」
であることを示す情報、及びコンテンツ毎の「印刷可能数量」が200本である旨を示す情報を単位記憶部103から読み出す。そして、単位出力部105は、読み出した印刷が施された缶体の数量を計測する際の「単位」が「コンテンツ」
であることを示す情報、及びコンテンツ毎の「印刷可能数量」を示す情報を印刷装置30側に向けて出力し(ステップ205)、印刷前の処理が終了する。例えば、印刷が施された缶体の数量を計測する際の「単位」が「コンテンツ」
であることを示す情報、及びコンテンツ毎の「印刷可能数量」が200本である旨を示す情報を印刷装置30側に向けて出力することで印刷前の処理が終了する。
【0042】
次に、印刷装置30による印刷の停止後にて、
図5(B)に示すように、ホスト装置10の検知結果取得部112は、印刷装置30の印刷数量が、コンテンツ毎に設定された印刷可能数量に達したことで印刷が停止した場合に、その旨を示す情報を印刷装置30側から取得する(ステップ211)。例えば
、コンテンツ毎に設定された印刷可能数量が200本である場合に、
印刷装置30の印刷数量が200本に達したことで印刷が停止した場合には、その旨を示す情報を印刷装置30側から取得する。そして、検知結果処理部111は、印刷装置30の印刷数量が印刷可能数量に達したことが検知されて、印刷が停止したことを認識する(ステップ212)。例えば印刷数量が、コンテンツ毎に設定された印刷可能数量である200本に達したことで印刷が停止したことを認識する。そして、印刷が停止した旨を示す情報と、検知されたコンテンツ毎の印刷可能数量を示す情報とを単位記憶部103の記憶内容に反映させて(ステップ213)、印刷の停止後の処理が終了する。例えば、印刷数量がコンテンツ毎に設定された印刷可能数量に達したために印刷が停止した旨を示す情報が単位記憶部103の記憶内容に反映されて、印刷の停止後の処理が終了する。ここで行われる記憶内容への反映は、印刷が停止したという実績を、予め定められた単位である「コンテンツ」を示す情報とともに記憶する等である。
【0043】
このように、本実施の形態では、印刷装置30による印刷処理の前に、印刷装置30側(印刷装置30、または印刷装置30およびユーザPC40)にて、ホスト装置10により設定された、コンテンツ毎の印刷可能数量を示す情報が取得される。そして、印刷装置30の印刷数量がコンテンツ毎に設定された印刷可能数量に達したことの検知は、印刷装置30側で行われる。このため、ホスト装置10が印刷装置30側の処理を逐次監視する必要はないが、ホスト装置10が印刷装置30側の処理を逐次監視してもよい。即ち、上述の例では、印刷装置30の印刷数量がコンテンツ毎の印刷可能数量に達したことを印刷装置30側で検知しているが、ホスト装置10がこれを検知する手段もある。なお、ここでは、コンテンツの一例として画像情報を示したが、例えば、缶体に印刷されるバーコード情報にリンクされ他の媒体で取得可能な音声や動画などの情報など、を含めることも可能である。
【0044】
図6は、印刷数量の計測がホスト装置10により行われる場合に、ホスト装置10にて実行される処理を示すフローチャートである。
即ち、
図6は、印刷装置30による印刷中のホスト装置10における処理を示している。
【0045】
印刷装置30による印刷中にて、
図6に示すように、ホスト装置10は、印刷装置30から、印刷されているコンテンツを示す情報と、当該コンテンツについて印刷済みの缶体の数量を示す情報とを取得する(ステップ301)。そして、ホスト装置10は、取得した印刷済みの缶体の数量が、当該コンテンツの印刷可能数量に達したか否かを判断する(ステップ302)。ホスト装置10は、印刷済みの缶体の数量が当該コンテンツの印刷可能数量に達すると、これを検知して(ステップ302でYES)、印刷装置30の印刷を強制的に停止させるための情報を印刷装置30側に出力する(ステップ303)。これに対して、印刷済みの缶体の数量が当該コンテンツの印刷可能数量に達していない場合には(ステップ302でNO)、ホスト装置10は、印刷済みの缶体の数量が、印刷可能数量に達するまでステップ302の処理を繰り返し実行する。
【0046】
以上、詳述したように、本実施の形態によれば、印刷装置30により印刷が施された缶体の数量が、正規の缶体に対してユーザにより印刷がなされるものとして予め定められた単位毎の印刷可能数量に達したことが検知されると、印刷処理が停止する。
これにより、例えば、缶体を提供するメーカや、飲料を提供するメーカなどが正規の缶体と見做しても良いものに、印刷処理を施すことが実現される。
【0047】
なお、本実施の形態では、単位設定部102により設定される単位として、コンテンツ、缶詰商品の納入先、及び内容物の種類が採用されていた。しかし、単位設定部102により設定される単位は、これらの単位に限定されない。印刷装置30の印刷個数を計測する際に用いられ得るあらゆる単位を採用できる。
【符号の説明】
【0048】
1…缶体印刷システム、10…ホスト装置、30…印刷装置、31…制御部、32…通信部、33…印刷部、34…計測部、40…ユーザPC、301…単位取得部、302…単位記憶部、303…数量計測部、304…数量検知部、305…印刷停止部、306…検知結果出力部、341…コンテンツ別数量検知部、342…納入先別数量検知部、343…種類別数量検知部