特許 7482659 便座装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-05-02

(45)【発行日】2024-05-14

(54)【発明の名称】便座装置

(51)【国際特許分類】

   A47K 13/12 20060101AFI20240507BHJP

【ＦＩ】

A47K13/12

【請求項の数】 8

(21)【出願番号】P 2020050745

(22)【出願日】2020-03-23

(65)【公開番号】P2021146029

(43)【公開日】2021-09-27

【審査請求日】2023-01-04

(73)【特許権者】

【識別番号】504163612

【氏名又は名称】株式会社ＬＩＸＩＬ

(74)【代理人】

【識別番号】100106002

【弁理士】

【氏名又は名称】正林 真之

(74)【代理人】

【識別番号】100165157

【弁理士】

【氏名又は名称】芝 哲央

(74)【代理人】

【識別番号】100126000

【弁理士】

【氏名又は名称】岩池 満

(74)【代理人】

【識別番号】100160794

【弁理士】

【氏名又は名称】星野 寛明

(72)【発明者】

【氏名】森川 雄大

【審査官】村川 雄一

(56)【参考文献】

【文献】特開２００２－０５１９４２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００５－１４３５４４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１４－０５７８８４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１７－１７６４１２（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ４７Ｋ１３／００－１７／０２

Ｆ１６Ｃ１１／００－１１／１２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

便器本体の上に配置される便座部と、
前記便座部から後方へ延び、前記便器本体に回転可能に軸支されるヒンジ部と、
前記ヒンジ部よりも硬度の高い材質の部材で構成され、前記ヒンジ部を補強する補強部材と、を備え、
前記補強部材は、前記ヒンジ部を貫通する軸部の外周の上方に配置される、便座装置。

【請求項2】

前記便座部及び前記ヒンジ部を構成する座表部材及び座裏部材を有し、
前記補強部材は、前記座表部材及び前記座裏部材の間に配置される、請求項１に記載の便座装置。

【請求項3】

前記補強部材は、前記ヒンジ部との間に隙間を設けて配置される、請求項１又は２に記載の便座装置。

【請求項4】

前記ヒンジ部は、前記補強部材を位置決めするリブ部を有する、請求項１～３のいずれか１項に記載の便座装置。

【請求項5】

前記補強部材は、前記ヒンジ部側から前記便座部側へ延びる補強部材延出部と、前記補強部材延出部の前記便座部側の端部が屈曲して延びる屈曲部と、を有する、請求項１～４のいずれか１項に記載の便座装置。

【請求項6】

前記ヒンジ部は、前記便座部側へ向けて延びる延出部を有し、
前記便座部の閉状態における前記延出部の上下方向の厚さは、前記ヒンジ部の環状に形成された環状部の厚さよりも薄い、請求項１～５のいずれか１項に記載の便座装置。

【請求項7】

前記補強部材は、金属材質である、請求項１～６のいずれか１項に記載の便座装置。

【請求項8】

前記補強部材は、板金部材である、請求項１～７のいずれか１項に記載の便座装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、便座装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、便器装置にヒンジ部で接続されて開閉可能な便座装置が知られている。ヒンジ部は、ユーザが腰掛ける便座部から後方に延び、便座装置を回転可能に軸支される（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０１７－１７６４１２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ヒンジ部には、ユーザが便座部に腰掛けたり、便座装置の開閉に伴って軸部が回転したりすることで、荷重がかかる。荷重に耐えるため、ヒンジ部を含めた便座装置の厚さが大きくなりがちだった。本開示は、便器装置をコンパクトに設計しつつ、ヒンジ部が充分な強度を持たせることを課題とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本開示は、便器本体の上に配置される便座部と、前記便座部から後方へ延び、前記便器本体に回転可能に軸支されるヒンジ部と、前記ヒンジ部よりも硬度の高い材質の部材で構成され、前記ヒンジ部を補強する補強部材と、を備える、便座装置に関する。

【図面の簡単な説明】

【0006】

【図1】本実施形態の便座装置が設けられた便器装置を示す斜視図である。

【図2】本実施形態の便座装置を示す斜視図である。

【図3】本実施形態のヒンジ部の部分斜視図である。

【図4】図２のＡ－Ａ線断面図である。

【図5A】図２のＢ－Ｂ線断面図である。

【図5B】本実施形態のヒンジ部における横断面図である。

【図6】本実施形態のリブ部の斜視図である。

【図7】本実施形態の補強部材の斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0007】

以下、本開示の便座装置１の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、便座装置１に座った人から視た場合の前後の方向を前後方向と定義する。前後方向に交差する左右を結ぶ方向を幅方向と定義する。鉛直方向に沿った上下の方向を上下方向と定義する。

【0008】

図１に示すように、便器装置９０は、便器本体９１と、便座装置１と、便蓋９２と、機能部９３と、を有する。便器装置９０は、例えばトイレルーム（図示省略）に配置され、汚物を下水へ流して洗浄する水洗式の装置である。便器本体９１は、上部が開口した凹部を有し、下部に排水口が形成されている。便蓋９２は、便器装置９０の上部に配置され、便器本体９１に開閉可能に取り付けられる。便蓋９２は、便器本体９１の凹部及び後述する便座装置１を覆っている。

【0009】

機能部９３は、便器本体９１の後方に配置され、便器装置９０の各機構を動作させるための機能部品が取り付けられた部分である。機能部９３には、便座装置１及び便蓋９２を開閉可能に移動させるための軸部９４及び軸部９４を駆動するモータ（図示省略）、衛生洗浄装置のノズル部、脱臭装置、温風乾燥装置、制御基板等（いずれも図示省略）等が設けられている。軸部９４は、軸芯が便器装置９０の幅方向に沿って延びるように配置され、後述するヒンジ部３を貫通する。軸部９４の周囲には、軸部９４の周囲を覆う別部材の内側環状壁部材９４ａが配置されている（図３参照）。機能部９３には、各種の機構や装置を接続し、機能部９３内の機能部品に電力を供給するための電気配線や、給水用の配管が配置される。

【0010】

便座装置１は、図１及び図２に示すように、中央が便器本体９１の開口に連通するように開口した略環状で平坦な部材である。便座装置１は、便器本体９１の上面に載置され、機能部９３に開閉可能に取り付けられている。便座装置１は、便座部２と、ヒンジ部３と、補強部材４と、を有する。

【0011】

便座部２は、中央に便器本体９１の開口と連通する貫通孔が形成された略環状に形成されている。便座部２の後方端部側では、幅方向に直線的に延びた部分を有する。便座部２は、便器本体９１の上に配置され、使用時にユーザが腰掛ける部分である。便座部２は、主に上表面を形成する座表部材１１及び下表面を形成する座裏部材１２により構成される。座表部材１１及び座裏部材１２は、樹脂製である。便座部２は、座表部材１１の裏に、座表部材１１に合わせて座裏部材１２を配置し、互いに溶着することで構成されている。便座部２における座表部材１１と座裏部材１２との間は中空に形成され、内部に断熱材６が配置されている（図４及び図５Ａ参照）。

【0012】

ヒンジ部３は、図３に示すように、機能部９３に設けられた軸部９４の周囲に取り付けられる部分である。ヒンジ部３は、便座部２の幅方向の一方及び他方から後方に延びるように突出する。ヒンジ部３は、機能部９３に回転可能に軸支される。ヒンジ部３は、環状部３１及び延出部３２を有する。ヒンジ部３は、便座部２から連続する座表部材１１及び座裏部材１２により構成され、樹脂製である。

【0013】

環状部３１は、軸部９４の周囲に環状に形成された部分である。環状部３１は、軸部９４が内部を挿通するように、中心側に貫通孔３３が形成されている。貫通孔３３の周囲と軸部９４との間には、内側環状壁部材９４ａが配置され、貫通孔３３の内周壁を形成している。環状部３１は、環状部本体３１０と、支持部３４と、を有する。環状部３１は、図４に示すように、座表部材１１により構成されている。

【0014】

環状部本体３１０は、環状部３１の外形を構成する部分である。環状部本体３１０は、内部が中空に形成される。環状部本体３１０は、座表側表面部３１１と、座裏側表面部３１２と、ヒンジ部側面部３１４と、軸部側部３１５と、電気配線案内突起３１６と、を有する。

【0015】

座表側表面部３１１は、図４及び図５Ａに示すように、便座部２の座表部材１１がヒンジ部３側へ連続して延出することで形成される。座表側表面部３１１は、ヒンジ部３の上方表面を構成する。

【0016】

座裏側表面部３１２は、座表部材１１を構成する部材が、座表側表面部３１１から連続して下方に延び、便座部２の座裏部材１２の後方端部と接する。座裏側表面部３１２は、ヒンジ部３の下方表面を構成する。

【0017】

ヒンジ部側面部３１４は、座表部材１１により構成され、環状部３１の外側側面を構成する部分である。図５Ｂに示すように、ヒンジ部側面部３１４は、座表側表面部３１１及び座裏側表面部３１２の間で、環状部３１の外周側から軸部側に向かって延びる面である。

【0018】

軸部側部３１５は、図４に示すように、座裏側表面部３１２から内周側に間を空けた位置で、ヒンジ部側面部３１４から延び、軸部９４の下方で半円状に形成されている。

【0019】

電気配線案内突起３１６は、環状部本体３１０の下方で内側に向かって突出する部分である。電気配線案内突起３１６は、内部に中空部３１６ａが形成されており、中空部３１６ａは、ヒンジ部側面部３１４側を基端として機能部９３側に向かって開放される。中空部３１６ａには、便座部２側から延びる電気配線を機能部９３側へ通す空間である。

【0020】

支持部３４は、図３に示すように、環状部３１内における便座装置１の幅方向の内側に配置され、ヒンジ部３の上方で環状部３１の曲面に沿って湾曲する部材である。支持部３４は、後述する補強部材４を支持し、ヒンジ部側面部３１４との間に位置決めする部材である。支持部３４は、図６に示すように、支持部環状部３４１と、支持部延出部３４２と、側面部３４３と、リブ部３４４と、ハーネス挿通部３４５と、を有する。

【0021】

支持部環状部３４１は、環状部３１内の環に沿って配置される薄く平たい円形の部分である。支持部環状部３４１は、支持部３４の最も便座装置１における幅方向内側に位置する。

【0022】

支持部延出部３４２は、支持部環状部３４１の前方側から連続して延びる板状の部材である。支持部延出部３４２は、その平面が上下方向に起立するように配置される。支持部延出部３４２は、環状部３１から後述する延出部３２へ延びる。

【0023】

ハーネス挿通部３４５は、支持部環状部３４１の下端に設けられる筒状の部分である。ハーネス挿通部３４５は、筒の中空部が便座装置１の外側から内側へ向かって延びるように配置される。ハーネス挿通部３４５は、便座部２側から引き込まれたハーネスを便座装置１の内側へ案内する部分である。

【0024】

側面部３４３は、支持部環状部３４１における便座装置１の外側に配置される略半円状の部材である。側面部３４３は、図５Ａに示すように、環状部３１の上方を含む円の５／８程度に亘って延びている。側面部３４３は、環状部３１の軸部側部３１５とビスで固定されている。

【0025】

リブ部３４４は、図５Ｂに示すように、側面部３４３から内側環状壁部材９４ａに沿って便座装置１の幅方向外側へ起立する。リブ部３４４の自由端側が、補強部材４と隙間を空けて隣接する。

【0026】

延出部３２は、軸部９４側から便座部２側へ向けて便座部２と環状部３１との間に延び、便座部２及び環状部３１を接続する平坦な部分である。図４に示すように、便座部２の閉状態における延出部３２の上下方向の厚さＴ１は、環状部３１の厚さＴ２よりも薄い。延出部３２の上下方向の厚さＴ１は、便座部２の厚さＴ３よりも薄い。ヒンジ部３における環状部３１の幅は、延出部３２の上下方向の厚さＴ１よりも薄い。延出部３２における便座部２との境界には、座表部材１１側から下方に向かって延び、補強部材４を位置決めする区画片３５が延出している。延出部３２は、上表面側が座表部材１１により構成され、下表面側が座裏部材１２により構成されている。

【0027】

補強部材４は、ヒンジ部３よりも硬度の高い材質の部材で構成され、金属材質である。図７に示すように、細長い板状の金属を曲げて形成した板金部材であり、ヒンジ部３を補強する。補強部材４は、金属の板面の幅方向が便座装置１の上下方向に沿って起立するように配置される。便座装置１の補強部材４は、ヒンジ部３の座表側表面部３１１及び座裏側表面部３１２の間で、軸部９４の外周の上方に配置される。補強部材４は、延出部３２内を通って便座部２側へ延び、座表部材１１及び座裏部材１２の間に配置されている。補強部材４は、半円部４１と、補強部材延出部４２と、屈曲部４３と、を有する。

【0028】

半円部４１は、図３に示すように、環状部３１の上方の半円に沿って配置される。図２に示すように、補強部材延出部４２は、ヒンジ部３の環状部３１側から延出部３２内を通って便座部２側へ延びる。屈曲部４３は、補強部材延出部４２の便座部２側の端部が便座部２の幅方向に屈曲して延びる。屈曲部４３は、便座部２の幅方向外側へ向かって屈曲する。補強部材延出部４２では、補強部材４の板面における幅方向の端部のみが座裏部材１２に接することとなる。屈曲部４３が半円部４１及び補強部材延出部４２の延びる方向に交差する方向に屈曲することで、補強部材４が倒れにくくなっている。

【0029】

補強部材４は、図５Ｂに示すように、環状部本体３１０内に配置され、支持部３４とヒンジ部側面部３１４との間に挟まれるように配置される。補強部材４は、支持部３４のリブ部３４４の端部と、ヒンジ部側面部３１４に挟まれるように配置され、位置決めされる。

【0030】

補強部材４は、どの部材ともねじ等で留められていない。補強部材４は、荷重がかかっていない状態では、ヒンジ部３との間に隙間を設けて配置される。より具体的には、補強部材４は支持部３４のリブ部３４４とヒンジ部側面部３１４の間に、わずかな隙間を有した状態で保持されている。ユーザが便座部２に腰掛けたり、強い力で開閉したりする等してヒンジ部３を構成する部材が撓むと、リブ部３４４及びヒンジ部側面部３１４の少なくともいずれかは補強部材４に隙間なく当接する。荷重が大きければ、補強部材４にも荷重が伝わる。しかし、補強部材４はヒンジ部３よりも強度の高い金属で構成されているので、荷重に耐え、周囲の部材の劣化を防止する。補強部材４が前後方向に延び、前方側の端部で幅方向に屈曲することで、ねじを使わないで補強部材４を配置しても、倒れにくい。

【0031】

本実施形態によれば、以下の効果を奏する。便座装置１を、便器本体９１の上に配置される便座部２と、便座部２から後方へ延び、便器本体９１に回転可能に軸支されるヒンジ部３と、ヒンジ部３よりも硬度の高い材質の部材で構成され、ヒンジ部３を補強する補強部材４と、を含んで構成した。補強部材４をヒンジ部３よりも硬度の高い部材で構成することで、ヒンジ部３に大きな荷重がかかっても、ヒンジ部３が荷重に耐えることができる。このため、ヒンジ部３及びヒンジ部３から連続する便座部２を薄くすることができる。薄くしても、充分な強度を有するヒンジ部を備える便座装置を提供することができる。

【0032】

本実施形態によれば、補強部材４を、ヒンジ部３を貫通する軸部の外周の上方に配置さ
せた。ヒンジ部３の中心に配置される軸部９４の外周の上方に補強部材４を配置することで、ユーザが便座装置１の便座部２に腰掛けることで上側から荷重がかかっても、ヒンジ部３が荷重に耐えることができる。よって、上記と同様の効果を奏することができる。

【0033】

本実施形態によれば、便座部２及びヒンジ部３を構成する座表部材１１及び座裏部材１２を含んで構成し、補強部材４を、座表部材１１及び座裏部材１２の間に配置させた。これにより、補強部材４を目立たなくすることができ、便座装置１の外観を単純にすることができる。外部から視認されないので、補強部材４を取り付ける位置や方法の設計の自由度が向上する。

【0034】

本実施形態によれば、補強部材４を、ヒンジ部３との間に隙間を設けて配置させた。ヒンジ部３に荷重がかかった場合に、補強部材４よりも硬度の低い材質で構成されているヒンジ部３が撓んで補強部材４に密着するように変形する。荷重のかかる大きさや位置によってヒンジ部３の変形の度合いや形状は異なるが、ヒンジ部３と補強部材４との間に隙間が形成されていることで、ヒンジ部３の変形の自由度が広がるとともに、ヒンジ部が補強部材４に接触した場合に荷重が分散しやすい。

【0035】

本実施形態によれば、ヒンジ部３を、補強部材４を位置決めするリブ部３４４を含んで構成した。補強部材４をねじ等で固定せずにリブ部３４４で位置決めすることで、ヒンジ部３に荷重がかかったときに、補強部材４が変形したり、環状部３１内で動いたりすることで、荷重を逃がすことができる。例えば、ねじ等で補強部材４を固定した場合には、荷重がねじで固定した部分に集中してしまう場合がある。補強部材４を変形しやすく配置しておくことで、ヒンジ部３の強度が向上する。

【0036】

本実施形態によれば、補強部材４を、ヒンジ部３側から便座部２側へ延びる補強部材延出部４２と、補強部材延出部４２の便座部２側の端部が屈曲して延びる屈曲部４３と、を含んで構成した。補強部材４が補強部材延出部４２を有していることで、補強部材４を便座部２側へ延ばすことができる。これにより、ヒンジ部３がと便座部２と連続的に繋がり、ヒンジ部３側で受けた荷重を逃がすことができるので、ヒンジ部３の強度が向上する。補強部材の先方側の端部が屈曲することで、補強部材４をねじで固定していなくても、延出部３２内で倒れにくくすることができる。

【0037】

本実施形態によれば、ヒンジ部３を、便座部２側へ向けて延びる延出部３２を含んで構成、便座部２の閉状態における延出部３２の上下方向の厚さＴ１を、ヒンジ部えの環状に形成された環状部３１の厚さよりも薄く形成した。延出部３２を環状部３１より薄く形成しても、補強部材４によりヒンジ部３が補強されているので、ヒンジ部３の強度は向上している。このため、便座装置１を薄く形成することができ、外観の設計の自由度が増加する。

【0038】

本実施形態によれば、補強部材４は、金属材質で構成した。補強部材４を金属材質で構成することにより、簡易な構成で強度の向上を図ることができるとともに、材質の選択肢の幅も広げることができる。

【0039】

本実施形態によれば、補強部材４を、板金部材で構成した。補強部材４を板状の金属で構成することで、容易に撓んで荷重を逃がすことができるともに、変形しても強度が劣化しにくい。

【0040】

本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、変形、改良等は本開示に含まれる。上記実施形態では、便座装置１は、座表部材１１の裏に座表部材１１と別体の座裏部材１２を配置して、溶着することで構成した。しかし、便座装置を一枚の部材で形成し、ヒンジ部に補強部材を配置するように構成してもよい。

【0041】

補強部材４は、金属でなくてもよい。強度を向上させることができれば、樹脂であってもよい。補強部材４は、座表部材１１及び座裏部材１２よりも高い強度を有する素材で構成されることが好ましい。補強部材４の強度は、座表部材１１及び座裏部材１２と同じかそれ以下であってもよい。座表部材１１及び座裏部材１２とは別途部材を配置することで、補強部材４を配置しない場合と比べて強度が向上する。

【0042】

補強部材４の屈曲部４３は、便座部２の幅方向内側に屈曲してもよい。リブ部３４４は、延出部３２や、延出部３２と便座部２との境界等、他の部分にも形成されていてよい。

【符号の説明】

【0043】

１ 便座装置、 ２ 便座部、 ３ ヒンジ部、 ４ 補強部材、 １１ 座表部材、 １２ 座裏部材、 ３２ 延出部、 ３４４ リブ部、 ４２ 補強部材延出部、 ４３ 屈曲部、 ９１ 便器本体、 ９４ 軸部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5A】

【図5B】

【図6】

【図7】