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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】新規なケイ素化合物
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20240507BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H01L21/306 E
C07F7/18 W
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020069327
(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公開番号】P2020178119
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0045307
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】308007044
【氏名又は名称】エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK INNOVATION CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】26, Jong-ro, Jongno-gu, Seoul 110-728 Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】515268869
【氏名又は名称】エスケー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】キム チョル ウ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ミン キュン
(72)【発明者】
【氏名】シム ユ ナ
(72)【発明者】
【氏名】クヮク ジェ フン
(72)【発明者】
【氏名】キム ユン ボム
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ジン キュン
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-068377(JP,A)
【文献】特開2019-204954(JP,A)
【文献】特開2019-204953(JP,A)
【文献】特開2016-074877(JP,A)
【文献】特開2016-044307(JP,A)
【文献】特開2016-044305(JP,A)
【文献】特開2015-131943(JP,A)
【文献】特開2014-196409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
C07F 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング組成物の添加剤として用いる、下記化学式1で表される、ケイ素化合物。
【化1】
…[化学式1]
前記化学式1中、
~Rはそれぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基又は非ヒドロカルビル(non-hydrocarbyl)基であり、
Lは直接結合又はヒドロカルビレンであり、
XはO又はSであり、
Y及びZはそれぞれ独立して、NR、O及びSのいずれかであり、ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基又は非ヒドロカルビル(non-hydrocarbyl)基であり、Y及びZが同時にNRではなく、
Aはn価のラジカルであり、nは1~6の整数である。
【請求項2】
前記R~Rはすべて水素である、請求項1に記載のケイ素化合物。
【請求項3】
前記LはC-C10のアルキレンである、請求項1に記載のケイ素化合物。
【請求項4】
Aは
【化2】
(ここで、pは1~3の整数であり、R11は、水素、ハロゲン、置換又は非置換されたC-C20アルキル基、置換又は非置換されたC-C20アリール基、及び置換又は非置換されたC-C20アルキルC-C20アルコキシ基のいずれか1つである)である、請求項1に記載のケイ素化合物。
【請求項5】
nが1であり、Aが*-CH、*-(CHOCH又は*-CHである、請求項4に記載のケイ素化合物。
【請求項6】
nが2~6の整数であり、Aが
【化3】
(ここで、qは0~4の整数である)である、請求項1に記載のケイ素化合物。
【請求項7】
nが6の整数であり、Aが
【化4】
である、請求項6に記載のケイ素化合物。
【請求項8】
次の構造式1~5で表されるものである、請求項1に記載のケイ素化合物。
【化5】
【請求項9】
下記化学式1で表される、ケイ素化合物を添加剤として含むエッチング組成物。
【化6】
…[化学式1]
前記化学式1中、
~R はそれぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基又は非ヒドロカルビル(non-hydrocarbyl)基であり、
Lは直接結合又はヒドロカルビレンであり、
XはO又はSであり、
Y及びZはそれぞれ独立して、NR 、O及びSのいずれかであり、ここで、R は、水素、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基又は非ヒドロカルビル(non-hydrocarbyl)基であり、Y及びZが同時にNR ではなく、
Aはn価のラジカルであり、nは1~6の整数である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なケイ素化合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
シリコン酸化膜(SiO)などの酸化膜及びシリコン窒化膜(SiNx)などの窒化膜は、代表的な絶縁膜であり、これらのシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜は半導体製造工程においてそれぞれ単独で、又は1層以上の膜が交互に積層されて用いられる。また、このような酸化膜及び窒化膜は、金属配線などの導電性パターンを形成するためのハードマスクとしても利用される。
【0003】
上記窒化膜を除去するためのウェットエッチング工程では、一般にリン酸(phosphoric acid)と脱イオン水(deionized water)との混合物が用いられている。上記脱イオン水は、エッチング率の減少及び酸化膜に対するエッチング選択性の変化を防止するために添加されるものであるが、供給される脱イオン水の量の微細な変化でも窒化膜エッチング除去工程に不良が発生するという問題がある。また、リン酸は強酸で腐食性を有しており、取り扱いに困難がある。
【0004】
これを解決するために、従来はリン酸(HPO)にフッ酸(HF)又は硝酸(HNO)などを含むエッチング組成物を利用して窒化膜を除去する技術が公知となっていたが、却って窒化膜と酸化膜とのエッチング選択比を阻害させる結果をもたらした。また、リン酸とケイ酸塩、又はケイ酸を含むエッチング組成物を利用する技術も公知となっていたが、ケイ酸やケイ酸塩は基板に影響を及ぼす可能性があるパーティクルを発生させ、却って半導体製造工程に適さないという問題点がある。
【0005】
しかし、このような窒化膜の除去のためのウェットエッチング工程でリン酸を利用する場合、窒化膜と酸化膜とのエッチング選択比の低下によって窒化膜のみならず、SOD酸化膜までもがエッチングされて有効酸化膜高さ(Effective Field Oxide Height、EFH)を調節することが困難となる。そのため、窒化膜の除去のための十分なウェットエッチング時間を確保することができなかったり、追加工程が必要となったりし、変化を誘発して素子特性に悪影響を及ぼす。
【0006】
したがって、半導体製造工程で酸化膜に対して窒化膜を選択的にエッチングしながらも、パーティクル発生のような問題点を有しない高選択比のエッチング組成物が求められている。
【0007】
一方、従来のエッチング組成物に添加される添加剤であるシラン系添加剤は、溶解度が低く適正溶解度が確保されず、その結果、エッチング組成物内でパーティクル析出及び基板の異常成長をもたらすという問題があった。このようなパーティクルは、シリコン基板に残留して基板上に実現される素子の不良をもたらしたり、エッチング又は洗浄工程に用いられる機器に残留して機器故障の原因となるという問題がある。
【0008】
さらに、エッチング組成物の長期保管時に窒化膜とシリコン酸化膜のエッチング速度が変化し、選択度が変化する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、新規なケイ素化合物を提供することである。より具体的には、エッチング組成物のシラン添加剤として用いるのに適したケイ素化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、下記化学式1で表されるケイ素化合物を提供しようとするものである。
【化1】
…[化学式1]
上記化学式1中、R~Rはそれぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基又は非ヒドロカルビル(non-hydrocarbyl)基であり、Lは直接結合又はヒドロカルビレンであり、XはO又はSであり、Y及びZはそれぞれ独立して、NR、O及びSのうち1つであり、ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基又は非ヒドロカルビル(non-hydrocarbyl)基であり、Y及びZが同時にNRではなく、Aはn価のラジカルであり、nは1~6の整数である。
【0011】
本発明の一実施例は、上記R~Rはすべて水素であるケイ素化合物を提供する。
【0012】
本発明の一実施例は、上記LはC-C10のアルキレンであるケイ素化合物を提供する。
【0013】
本発明の一実施例は、Aが
【化2】
(ここで、pは1~3の整数であり、R11は、水素、ハロゲン、置換又は非置換されたC-C20アルキル基、置換又は非置換されたC-C20アリール基、及び置換又は非置換されたC-C20アルキルC-C20アルコキシ基のいずれか1つである)であるケイ素化合物を提供する。
【0014】
本発明の一実施例は、nが1であり、Aが*-CH、*-(CHOCH又は*-CHであるケイ素化合物を提供する。
【0015】
本発明の一実施例は、nが2~6の整数であり、Aが
【化3】
(ここで、qは0~4の整数である)であるケイ素化合物を提供する。
【0016】
本発明の一実施例は、nが6の整数であり、Aが
【化4】
であるケイ素化合物を提供する。
【0017】
本発明の一実施例は、下記構造式1~5で表されるケイ素化合物を提供する。
【化5】
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施例によるケイ素化合物は、エッチング組成物の添加剤として好適に用いることができ、上記ケイ素化合物を添加剤として含むエッチング組成物は、酸化膜に対する窒化膜のエッチング選択比が高い。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施例は、エッチング組成物に添加されるケイ素化合物を提供しようとするものである。
【0020】
本明細書において、「ヒドロカルビル(hydrocarbyl)」とは、ヒドロカーボンに由来するすべての1価(univalent)置換基を意味する。
【0021】
また、本明細書において、「非ヒドロカルビル(non-hydrocarbyl)」とは、ヒドロカルビルではない置換基を意味する。
【0022】
本発明のケイ素化合物は、例えば、次の式(1)で表されるケイ素化合物であってもよい。
【化6】
…[化学式1]
【0023】
上記化学式1中、R~Rは独立して、水素、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基又は非ヒドロカルビル(non-hydrocarbyl)基であってもよい。例えば、上記ヒドロカルビル基又は非ヒドロカルビル基は、これに限定するものではないが、置換又は非置換されたC-C20のヒドロカルビル基、C-C20のアルコキシ基、カルボキシ基、カルボニル基、ニトロ基、トリ(C-C20)アルキルシリル基、ホスホリル基又はシアノ基であってもよい。例えば、R~Rはすべて水素であってもよい。
【0024】
上記C-C20の置換又は非置換されたヒドロカルビル基は、置換又は非置換されたC-C20のアルキル基、又は置換又は非置換されたC-C20のアリール基であってもよい。ここで、置換されたヒドロカルビル基はハロゲン化アルキルのようなハロゲンで置換されたヒドロカルビル基であってもよい。
【0025】
上記Lは直接結合又はヒドロカルビルレンであってもよい。例えば、上記LはC-C10のヒドロカルビルレンであってもよく、又はC-Cのヒドロカルビルレンであってもよい。また、上記LはC-Cアルキルレンであってもよく、具体的には、C-Cアルキルレンであってもよい。
【0026】
上記化学式1中、XはO又はSである。また、上記化学式1中、Y及びZはそれぞれ独立して、NR、O及びSのうち1つであってもよい。ここで、Rは、水素、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)基又は非ヒドロカルビル(non-hydrocarbyl)基であってもよい。但し、Y及びZが同時にNRではない。上記ヒドロカルビル基又は非ヒドロカルビル基は、これに限定するものではないが、置換又は非置換されたC-C20のヒドロカルビル基、C-C20のアルコキシ基、カルボキシ基、カルボニル基、ニトロ基、トリ(C-C20)アルキルシリル基、ホスホリル基又はシアノ基であってもよい。
【0027】
上記X、Y及びZが上記のような場合、ケイ素化合物に極性を付与して、水、リン酸水溶液、塩酸水溶液、硫酸水溶液などの極性溶媒に対する溶解度を増加させることができる。これにより、エッチング組成物の添加剤として用いられる場合には、不溶性パーティクルの生成を抑制する効果を得ることができるため好ましい。
【0028】
上記Aは1~6の整数であるn価のラジカルを示す。
【0029】
例えば、Aは
【化7】
である1価のラジカルであってもよい。このとき、pは1~3の整数であり、R11は、水素、ハロゲン、置換又は非置換されたC-C20アルキル、置換又は非置換されたC-C20アリール基、及び置換又は非置換されたC-C20アルキルC-C20アルコキシ基のいずれか1つであってもよい。例えば、Aが*-CH、*-(CHOCH又は*-CHのような1価ラジカルであってもよい。
【0030】
さらに、上記Aは、nが2~6の整数であるn価のラジカルであってもよい。例えば、上記Aは
【化8】
で示され、qは1~4の整数である2~6価のラジカルであってもよい。上記Aが2価のラジカルである場合としては
【化9】
(q=0)が挙げられ、3価のラジカルである場合としては
【化10】
(q=1)が挙げられる。また、4価のラジカルである場合としては
【化11】
(q=2)が挙げられ、5価のラジカルである場合としては
【化12】
(q=3)が挙げられる。尚、6価のラジカルである場合としては
【化13】
(q=4)が挙げられる。
【0031】
上記化学式1で表されるケイ素化合物の具体的に例を挙げると、これに限定するものではないが、次のような構造式(1)~(5)で表されるケイ素化合物のいずれか1つであってもよい。
【化14】
【0032】
上記のようなケイ素化合物は、半導体製造工程においてシリコン窒化膜を選択的に除去するためのウェットエッチング工程に用いられるエッチング組成物の添加剤として用いることができる。また、上記のようなケイ素化合物に含まれる酸素は酸化膜の表面に結合して酸化膜を保護するとともに、上記酸素が酸化膜の表面に水素結合することができるため、エッチング組成物内で窒化物がエッチングされる間に酸化膜がエッチングされることを最小限に抑えることができる。
【0033】
尚、上記のようなケイ素化合物は、環状のケイ素化合物であり、エッチング組成物内で最も安定した形で存在することができる。したがって、一般に用いられた単鎖状のシリコン添加剤に比べてエッチング選択比を大幅に上昇させることができる。さらに、上記のような環状の化合物を含むことにより、エッチング組成物内の活性シリコン系添加剤の構造安定性が向上し、結果としてシリコン酸化膜のエッチング速度をさらに継続的に維持することができる。
【0034】
本発明で提案するようなケイ素化合物は、エッチング組成物に少量添加しても、シリコン酸化膜を効果的に保護することができため、酸化膜に対する窒化膜のエッチング選択性を増加させることができる。
【0035】
一方、エッチング組成物に対する添加剤として、従来用いられていたケイ素化合物には、溶解度が低いという特徴がある。エッチング組成物において適正溶解度が確保されていないシラン系添加剤を使用したり、又は組成比が適正レベルに調整されない場合には、エッチング組成物内でシリコン系パーティクル析出及び異常成長をもたらす可能性がある。このようなパーティクルは、シリコン基板に残留して基板上に実現される素子の不良をもたらしたり、エッチング又は洗浄工程に用いられる機器(例えば、フィルタ)に残留して機器故障の原因となるという問題がある。
【0036】
しかし、本発明で提供するエッチング組成物は、上記のようなケイ素化合物により酸化物に対するエッチングを抑制することにより、窒化物に対する選択度を向上させるとともに、シリカの生成を抑制してパーティクルの生成抑制及び保存安定性を向上させるという効果を得ることができる。
【実施例
【0037】
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明する。以下の実施例は、本発明の一実施例を示すものであり、これにより本発明が限定されるものではない。
【0038】
合成例1
100mlの丸底フラスコにメチル(3-トリエトキシシリル)プロピルカーボネート7.0g、トリエタノールアミン3.7g、テトラヒドロフラン35ml、及び水酸化ナトリウム0.2gを入れた後、50℃に昇温して4時間撹拌した。
【0039】
その後、減圧条件下でテトラヒドロフランを除去して白色固体を得た。
【0040】
上記白色固体を酢酸エチルリースラリー(re-slurry)を介して精製されたケイ素化合物1[3-(2,8,9-トリオキサ-5-アザ-1-シラビシクロ[3.3.3]ウンデカン-1-イル)プロピルメチルカーボネート]5.1gを合成した。
【0041】
【化15】
H-NMR(CDCl)4.21(t,2H)、3.89(t,6H)、3.79(s,3H)、2.55(t,6H)、1.60(m,2H)、0.58(t,2H)
【0042】
合成例2
100mlの丸底フラスコにベンジル(3-(トリエトキシシリル)プロピル)カルバメート7.8g、トリエタノールアミン3.7g、テトラヒドロフラン35ml、及び水酸化ナトリウム0.2gを入れた後、50℃に昇温して4時間撹拌した。
【0043】
その後、減圧条件下でテトラヒドロフランを除去して白色固体を得た。
【0044】
上記白色固体を酢酸エチルリースラリーを介して精製されたケイ素化合物2[ベンジル(3-(2,8,9-トリオキサ-5-アザ-1-シラビシクロ[3.3.3]ウンデカン-1-イル)プロピル)カルバメート4.8gを合成した。
【0045】
【化16】
H-NMR(CDCl)7.36(m,4H)、5.08(s,2H)、3.89(t,6H),3.22(t,2H)、2.55(t,6H)、1.60(m,2H)、0.58(t,2H)
【0046】
合成例3
100mlの丸底フラスコにメチル(3-(トリエトキシシリル)プロピル)カルバモジチオアート7.7g、トリエタノールアミン3.7g、テトラヒドロフラン35ml、及び水酸化ナトリウム0.2gを入れた後、50℃に昇温して4時間撹拌した。
【0047】
その後、減圧条件下でテトラヒドロフランを除去して黄色固体を得た。
【0048】
上記黄色固体を酢酸エチルリースラリーを介して精製されたケイ素化合物3[メチル(3-(2,8,9-トリオキサ-5-アザ-1-シラビシクロ[3.3.3]ウンデカン-1-イル)プロピル)カルバモジチオアート]5.8gを合成した。
【0049】
【化17】
H-NMR(CDCl)3.89(t,6H)、2.87(t,2H)、2.55(m,9H)、1.60(m,2H)、0.58(t,2H)
【0050】
合成例4
100mlの丸底フラスコにS-(2-メトキシエチル)(3-(トリメトキシシリル)プロピル)カルバモチオアート3.0g、トリエタノールアミン1.5g、テトラヒドロフラン30ml、及び水酸化ナトリウム0.2gを入れた後、50℃に昇温して4時間撹拌した。
【0051】
その後、減圧条件下でテトラヒドロフランを除去して黄色固体を得た。
【0052】
上記黄色固体を酢酸エチルリースラリーを介して精製されたケイ素化合物4 [S-(2-メトキシエチル)(3-(2,8,9-トリオキサ-5-アザ-1-シラビシクロ[3.3.3]ウンデカン-1-イル)プロピル)カルバモチオアート]1.0gを合成した。
【0053】
【化18】
H-NMR(CDCl)3.89(m,6H)、3.58(t,2H)、3.50(t,2H)、3.21(s,3H)、3.13(t,2H)、2.60(t,6H)、1.60(m,2H)、0.58(t,2H)
【0054】
合成例5
100mlの丸底フラスコにヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキシルヘキサキス((3-(トリエトキシシリル)プロピル)カルバメート)14.1g、トリエタノールアミン9.0g、テトラヒドロフラン50ml、及び水酸化ナトリウム0.2gを入れた後、50℃に昇温して4時間撹拌した。
【0055】
その後、減圧条件下でテトラヒドロフランを除去して黄色固体を得た。
【0056】
上記黄色固体を酢酸エチルリースラリーを介して精製されたケイ素化合物5[ヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキシルヘキサキス((3-(2,8,9-トリオキサ-5-アザ-1-シラビシクロ[3.3.3]ウンデカン-1-イル)プロピル)カルバメート)]6.1gを合成した。
【0057】
【化19】
H-NMR(CDCl)5.01(m,4H)、4.43(m,4H)、3.85(m,36H)、2.88(t,12H)、2.55(m,36H)、1.60(m,12H)、0.58(t,12H)