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特許7482697構造体形成用複合フィルム、自立袋、及び自立袋の製造方法
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  • 特許-構造体形成用複合フィルム、自立袋、及び自立袋の製造方法 図1
  • 特許-構造体形成用複合フィルム、自立袋、及び自立袋の製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】構造体形成用複合フィルム、自立袋、及び自立袋の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20240507BHJP
   B65D 30/16 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B32B27/00 M
B65D30/16 G
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020110664
(22)【出願日】2020-06-26
(65)【公開番号】P2022007593
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】渕田 泰司
(72)【発明者】
【氏名】中川 みなみ
(72)【発明者】
【氏名】豊島 幸輔
【審査官】増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-74050(JP,A)
【文献】特開2002-307600(JP,A)
【文献】特開2015-034038(JP,A)
【文献】特公昭62-010188(JP,B1)
【文献】特開平11-130105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B65D 30/16
B65D 65/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂層と、ヒートシール層と、が積層されており、
構造体を成形するときには、前記ヒートシール層の少なくとも一部、互いに熱融着させると同時に、前記熱硬化性樹脂の少なくとも一部を硬化させて、熱融着部を形成する、
構造体形成用複合フィルム。
【請求項2】
前記熱硬化性樹脂層は、芯材に前記熱硬化性樹脂が含浸又は塗布されたものである、請求項1に記載の構造体形成用複合フィルム。
【請求項3】
前記熱硬化性樹脂は、前記熱融着部のみに配置されている、請求項1又は2に記載の構造体形成用複合フィルム。
【請求項4】
前記熱硬化性樹脂は、少なくとも前記熱融着部に配置されている、請求項1又は2に記載の構造体形成用複合フィルム。
【請求項5】
前記熱硬化性樹脂の硬化温度は、前記熱融着の温度以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の構造体形成用複合フィルム。
【請求項6】
前記芯材は、繊維構造体である、請求項2に記載の構造体形成用複合フィルム。
【請求項7】
前記繊維構造体は、紙、不織布、及び織布からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の構造体形成用複合フィルム。
【請求項8】
更に基材層を含み、
前記基材層と、前記熱硬化性樹脂層と、前記ヒートシール層とは、この順で積層されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の構造体形成用複合フィルム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の構造体形成用複合フィルムから形成された自立袋であって、
前記自立袋は、前記ヒートシール層が互いに熱融着されている熱融着部と、前記ヒートシール層が熱融着されていない非熱融着部とを有し、
前記熱融着部を構成する前記熱硬化性樹脂層は、前記熱硬化性樹脂の少なくとも一部が硬化している、
自立袋。
【請求項10】
前記熱融着部のループスティフネステスタ(登録商標)による測定値が、前記非熱融着部のループスティフネステスタによる測定値の6.0倍以上である、請求項9に記載の自立袋。
【請求項11】
前記熱融着部は、ループスティフネステスタによる測定値が、1800~4500mN/10mmであり、
前記非熱融着部は、ループスティフネステスタによる測定値が、200~300mN/10mmである、請求項9又は10に記載の自立袋。
【請求項12】
請求項1~8のいずれか1項に記載の構造体形成用複合フィルムを用いた自立袋の製造方法であって、
前記ヒートシール層の少なくとも一部の熱融着と、前記熱硬化性樹脂の少なくとも一部の硬化とを同時に実施することで、熱融着部を形成する、
自立袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体形成用複合フィルム、自立袋、及び自立袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内容物を充填した包装袋は、剛性が不足していることから、内容物が減少すると、側面が折れ曲がる等の変形により、自立性に問題が生じる場合があった。
【0003】
これに対して、特許文献1においては、袋の側面に、粘着剤を塗布した補強材を貼着することによって、自立袋の自立性を向上させる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-238796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された袋は、袋本体となる材料とは別に、補強材が必要となる。
【0006】
また、補強材により自立性は改善されるものの、自立性を付与するために剛性も高くなる。その結果、内容物を充填する際に袋が膨らみづらくなり、必要量の内容物が充填困難な状態となっていた。
【0007】
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、袋本体となる材料とは別に補強材を必要とせず、内容物を充填するには十分柔らかく、使用時に内容物が減少しても自立性を維持できる自立袋が作製可能となる、構造体形成用複合フィルム、当該構造体形成用複合フィルムを用いて作製された自立袋、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。そして、自立袋の材料となる構造体形成用複合フィルムにおいて、自立袋となった際に熱融着部となる部位に、自立袋に剛性を付与する材料を配置すれば、袋本体となる材料とは別に補強材を必要とせず、内容物を充填するには十分柔らかく、使用時に内容物が減少しても自立性を維持できる自立袋を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0009】
《態様1》
熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂層と、ヒートシール層と、が積層されており、
構造体を成形するときには、前記ヒートシール層の少なくとも一部が、互いに熱融着されて、熱融着部を形成する、
構造体形成用複合フィルム。
《態様2》
前記熱硬化性樹脂層は、芯材に前記熱硬化性樹脂が含浸又は塗布されたものである、態様1に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様3》
前記熱硬化性樹脂は、前記熱融着部のみに配置されている、態様1又は2に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様4》
前記熱硬化性樹脂は、少なくとも前記熱融着部に配置されている、態様1又は2に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様5》
前記熱硬化性樹脂の硬化温度は、前記熱融着の温度以下である、態様1~4のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様6》
前記芯材は、繊維構造体である、態様2に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様7》
前記繊維構造体は、紙、不織布、及び織布からなる群より選ばれる少なくとも1種である、態様6に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様8》
更に基材層を含み、
前記基材層と、前記熱硬化性樹脂層と、前記ヒートシール層とは、この順で積層されている、態様1~7のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様9》
態様1~8のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルムから形成された自立袋であって、
前記自立袋は、前記ヒートシール層が互いに熱融着されている熱融着部と、前記ヒートシール層が熱融着されていない非熱融着部とを有し、
前記熱融着部を構成する前記熱硬化性樹脂層は、前記熱硬化性樹脂の少なくとも一部が硬化している、
自立袋。
《態様10》
前記熱融着部のループスティフネステスタ(登録商標)による測定値が、前記非熱融着部のループスティフネステスタによる測定値の6.0倍以上である、態様9に記載の自立袋。
《態様11》
前記熱融着部のループスティフネステスタによる測定値が、1800~4500mN/10mmであり、
前記非熱融着部のループスティフネステスタによる測定値が、200~300mN/10mmである、態様9又は10に記載の自立袋。
《態様12》
前記熱融着と、前記硬化とは、同時に実施される、態様9~11のいずれか一態様に記載の自立袋。
《態様13》
態様1~8のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルムを用いた自立袋の製造方法であって、
前記ヒートシール層の少なくとも一部の熱融着と、前記熱硬化性樹脂の少なくとも一部の硬化とを同時に実施することで、熱融着部を形成する、
自立袋の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構造体形成用複合フィルムによれば、内容物の充填には十分柔らかく、使用時に内容物が減少しても自立性を維持することのできる、自立袋を作製することができる。したがって、内容物を充填する際には袋が膨らみ易いことから、必要量の内容物の充填を容易に実施することができ、一方で、補強材を必要とせずとも剛性を有するため、内容物を使用していく際には、その自立性を維持することができる。
【0011】
また、熱硬化性樹脂層とヒートシール層とが積層されており、熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂を硬化することで、当該硬化部位により、構造体に剛性を付与することができる。このため、袋本体となる材料とは別に、補強材を必要としない。
【0012】
更に、積層された、ヒートシール層の少なくとも一部の熱融着と、熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂の少なくとも一部の硬化とを、同時に実施して、剛性を有する熱融着部を形成することができる。このため、自立性を付与するための後加工が不要となり、袋の通常の製造工程のみで、自立性を有する袋を効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態を示す概略断面図である。
図2】実施例及び比較例で作製した自立袋の展開図である。
図3A】実施例及び比較例で作製した自立袋の正面図である。
図3B】実施例及び比較例で作製した自立袋の側面図である。
図3C】実施例及び比較例で作製した自立袋を底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
《構造体形成用複合フィルム》
本発明の構造体形成用複合フィルムは、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂層と、ヒートシール層と、が積層されており、構造体を成形するときには、ヒートシール層の少なくとも一部が、互いに熱融着されて、熱融着部を形成する。
【0015】
本発明の構造体形成用複合フィルムは、上記の構成を有することにより、自立袋としたときに、袋本体となる材料とは別に補強材を必要とせず、内容物の充填には十分柔らかく、使用時に内容物が減少しても自立性を維持することができる。
【0016】
なお、本発明の構造体形成用複合フィルムの厚さや形状等は、形成する構造体における適用部位や、形成する構造体の用途等に応じて適宜決定することができる。
【0017】
<構造体形成用複合フィルムの構成>
以下に、図面を参照しながら、本発明の構造体形成用複合フィルムの構成について説明する。図1に、本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る概略断面図を示す。
【0018】
図1に示される本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100は、基材層10と、基材層10の内側に積層配置された熱硬化性樹脂層20と、熱硬化性樹脂層20の内側に積層配置されたヒートシール層30とを備える。熱硬化性樹脂層20は、芯材21と、芯材21に含浸又は塗布された熱硬化性樹脂22とからなり、熱硬化性樹脂22が含浸又は塗布された面が、ヒートシール層30に面するよう積層されている。
【0019】
図1に示される構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100は、熱硬化性樹脂22が含浸又は塗布された面が、ヒートシール層30に面している態様であるが、本発明においては、熱硬化性樹脂が含浸又は塗布された面が、ヒートシール層の側に位置する態様であっても、基材層側に位置する態様であっても、いずれでもよい。
【0020】
また、図1に示される構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100は、基材層10と、熱硬化性樹脂層20と、ヒートシール層30のみを備える態様であるが、本発明の構造体形成用複合フィルムは、熱硬化性樹脂層20と、ヒートシール層30とを、必須の構成層として含んでいれば、これら以外の層が含まれていてもよい。例えば、基材層10と熱硬化性樹脂層20との間や、熱硬化性樹脂層20とヒートシール層30との間に、接着剤層等のその他の層を配置することができる。
【0021】
<構造体形成用複合フィルムの作用>
本発明の構造体形成用複合フィルムは、袋本体となる材料とは別に補強材を必要とせず、熱硬化性樹脂層を構成している熱硬化性樹脂を硬化することで、当該硬化部位により、作製される構造体に剛性を付与することができる。
【0022】
また、熱硬化性樹脂層とヒートシール層とが積層されているため、ヒートシール層の少なくとも一部の熱融着と、熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂の少なくとも一部の硬化とを、同時に実施することができる。すなわち、1つの工程で、構造体を作製するための熱融着と、剛性を付与するための熱硬化を実施し、シールと補強の2つの機能を有する熱融着部を形成することができる。
【0023】
したがって、熱融着部以外の熱硬化性樹脂を硬化させない態様とすれば、内容物の充填には、熱硬化性樹脂が硬化していない十分に柔らかい部位が活用されて、袋が膨らみ易いことから、必要量の内容物の充填を容易に実施することができる。一方で、使用時に内容物が減少しても、熱硬化性樹脂の硬化部位である熱融着部により剛性を発揮するため、構造体の自立性を維持することができる。
【0024】
<熱硬化性樹脂層>
本発明の構造体形成用複合フィルムを構成する熱硬化性樹脂層は、ヒートシール層と積層されている。そして、熱硬化性樹脂を含み、熱により樹脂が硬化して剛性を付与する機能を発現する。
【0025】
本発明において、熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂は、ヒートシール層の少なくとも一部を熱融着するために加えられる熱によって、硬化する。したがって本発明の構造体形成用複合フィルムにおける熱硬化性樹脂層は、ヒートシール層の少なくとも一部の熱融着と同時に硬化する。
【0026】
その結果、1つの工程で、構造体を作製するための熱融着と、剛性を付与するための熱硬化を実施することができ、シールと補強の2つの機能を有する熱融着部を形成することができる。
【0027】
更に、熱硬化性樹脂層が硬化することにより、形成される構造体に剛性が付与されるため、袋本体となる材料とは別に補強材を準備せずとも、十分な剛性を有する構造体を作製することができる。
【0028】
(熱硬化性樹脂の配置)
本発明の構造体形成用複合フィルムの熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂は、ヒートシール層と同一の形状として、ヒートシール層の全体に配置してもよいし、熱融着部を形成したい部位のみに、例えば線状に配置してもよい。
【0029】
本発明の構造体形成用複合フィルムは、熱硬化性樹脂の硬化部位となる熱融着部により剛性を発揮し、使用時における構造体の自立性を維持する。このため、熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂は、少なくとも、剛性を付与したい熱融着部には配置されていることが好ましい。
【0030】
また、ヒートシール層と同一の形状として、ヒートシール層の全体に配置した場合には、熱融着部以外の熱硬化性樹脂は硬化させないことが好ましい。熱融着部に存在する熱硬化性樹脂のみを硬化させ、それ以外の部位の熱硬化性樹脂を硬化させないことにより、硬化部位と未硬化部位との間に、剛性において大きな差を設けることができる。
【0031】
その結果、内容物の充填には、熱硬化性樹脂の未硬化部位による柔らかさが活用されて、袋が膨らみ易くなり、必要量の内容物の充填を容易に実施することができる。一方で、使用時に内容物が減少していく際には、熱硬化性樹脂の硬化部位による剛性により、構造体の自立性を維持することができる。
【0032】
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂は、熱により硬化する樹脂であれば、特に限定されるものではない。本発明においては、公知の樹脂を適用することができ、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、ポリウレタン、セラック等を挙げることができる。
【0033】
本発明においては、熱硬化性樹脂の硬化温度は、ヒートシール層の熱融着温度以下であることが好ましい。熱硬化性樹脂の硬化温度がヒートシール層の熱融着温度以下であれば、熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂は、ヒートシール層の熱融着温度にて、十分な硬化を進行させることができる。
【0034】
熱硬化性樹脂の硬化温度は、特に限定されるものではないが、例えば、250℃以下、200℃以下、180℃以下、160℃以下、150℃以下、120℃以下、100℃以下、80℃以下であってよい。
【0035】
(熱硬化性樹脂層の構成)
本発明の構造体形成用複合フィルムを構成する熱硬化性樹脂層は、芯材に熱硬化性樹脂が含浸又は塗布された構成であることが好ましい。
【0036】
図1に示される本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100においては、熱硬化性樹脂層20は、基材層10とヒートシール層30との間に配置されている。熱硬化性樹脂層20は、芯材21と、芯材21に含浸又は塗布された熱硬化性樹脂22とからなり、熱硬化性樹脂22が含浸又は塗布された面が、ヒートシール層30に面している。
【0037】
図1に示される構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100は、熱硬化性樹脂22が含浸又は塗布された面が、ヒートシール層30に面している態様であるが、本発明においては、熱硬化性樹脂が含浸又は塗布された面が、ヒートシール層の側に位置する態様であっても、基材層側に位置する態様であっても、いずれでもよい。
【0038】
また、図1に示される構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100においては、熱硬化性樹脂層20は、基材層10とヒートシール層30との間に配置されているが、本発明の構造体形成用複合フィルムは、熱硬化性樹脂層20と基材層10との間や、熱硬化性樹脂層20とヒートシール層30との間に、接着剤層等のその他の層を配置することができる。
【0039】
(芯材)
熱硬化性樹脂層を構成する芯材は、繊維構造体であることが好ましい。繊維構造体は空隙を有しているため、当該空隙に後述する熱硬化性樹脂を含浸又は塗布することができる。そして、含浸又は塗布する熱硬化性樹脂の種類、及び量を調整することによって、構造体形成用複合フィルムの剛性を調整することができる。
【0040】
繊維構造体としては、特に限定されるものではないが、例えば、紙、不織布、及び織布からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。不織布の場合には、ニードルパンチ不織布、ウォータージェットパンチ不織布、スパンボンド不織布等のいずれも使用することができる。また、織物の場合には、平織、平織バスケット織、綾織、朱子織、簾織、あるいは3軸織、4軸織、あるいは3次元織など何れのものであってもよい。
【0041】
繊維構造体の目付や厚みについても、特に限定されるものではなく、含浸又は塗布する熱硬化性樹脂の種類や量によって、適宜選択することができる。
【0042】
(含浸又は塗布方法)
芯材に熱硬化性樹脂を含浸又は塗布する方法としては、特に限定されるものではない。公知の方法を採用することができ、例えば、グラビア塗工、浸漬、吸引、エアーナイフコート、ダイコート、コンマコート、ファウンテンコート、グラビアオフセット等が挙げられる。
【0043】
(含浸又は塗布量)
含浸又は塗布する熱硬化性樹脂の量は、特に限定されるものではなく、繊維構造体の目付や厚み、熱硬化性樹脂の種類によって、適宜選択することができる。
【0044】
<ヒートシール層>
本発明の構造体形成用複合フィルムを構成するヒートシール層は、例えば自立袋等の構造体を形成する際に、熱融着される層となる。このため、ヒートシール層は、構造体形成用複合フィルムの最内層となる。
【0045】
ヒートシール層を構成する材料としては、熱接着が可能であり、成形された構造体に十分なシール強度を付与できるものであれば、特に限定されるものではない。公知の材料を適用することができ、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。
【0046】
例えば、内容物が充填される自立袋等の構造体を形成する場合には、本発明の構造体形成用複合フィルムを構成するヒートシール層は、内容物を充填するための空間を形成する層となる。このため、耐内容物性を付与したい場合には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を用いることが好ましい。
【0047】
本発明の構造体形成用複合フィルムを構成するヒートシール層は、上記の材料から予め成形されたフィルムを用いて形成してもよいし、熱硬化性樹脂層、及び必要に応じてその他の層が積層された積層体の表面に、ヒートシール層を形成するための材料を溶融して押出し、冷却固化させて形成してもよい。
【0048】
また、ヒートシール層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
【0049】
<基材層>
本発明の構造体形成用複合フィルムは、熱硬化性樹脂層と、ヒートシール層と、を必須の構成層とするが、その他に更に、基材層を含む構成であることが好ましい。基材層を備える場合には、基材層と、熱硬化性樹脂層と、ヒートシール層とは、この順で積層されている態様となっていることが、更に好ましい。
【0050】
基材層と、熱硬化性樹脂層と、ヒートシール層とが、この順で積層されている態様であれば、基材層は、例えば自立袋等の構造体を形成したときに、袋体の外層となる。このため、最内層となるヒートシール層を熱融着して構造体を形成する時の保護層となりうる。また、内容物の表示等のための印刷を施すための印刷層ともなりうる。
【0051】
基材層を構成する材料としては、樹脂等、特に保護層となり、印刷が可能となる樹脂等であれば、特に限定されるものではない。一般的に用いられている樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等のポリオレフィン、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。
【0052】
基材層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
【0053】
なお、基材層は、予め成形されたフィルムから作製されることが好ましい。基材層となるフィルムは、上記の樹脂等から形成されたフィルムであればよく、未延伸であっても、一軸又は二軸延伸が施されていてもよい。中では、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
【0054】
また、基材層となるフィルムには、アルミニウム等の金属や、酸化珪素、酸化アルミニウム等の酸化物が蒸着されていてもよい。
【0055】
<その他の層>
本発明の構造体形成用複合フィルムは、熱硬化性樹脂層と、ヒートシール層とを、必須の構成層として含んでいれば、これら以外の層が含まれていてもよい。基材層を含む場合には、基材層と、熱硬化性樹脂層と、ヒートシール層とが、この順で積層されている態様が好ましく、その他の層は、例えば、熱硬化性樹脂層とヒートシール層との間や、熱硬化性樹脂層とヒートシール層を含む積層体の外側等に、配置することができる。
【0056】
その他の層としては、特に限定されるものではなく、例えば、作製する構造体にバリア性を付与するためのバリア層や、構造体の強度を補強するための補強層、あるいは、層と層との間を接着するための接着層等が挙げられる。
【0057】
作製する構造体にバリア性を付与するためのバリア層としては、例えば、酸素や水蒸気等のガスを遮断する機能を発現する、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン(NY)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はポリアクリロニトリル(PAN)からなる層等が挙げられる。
【0058】
作製する構造体の強度を補強するための補強層の材料としては、例えば、紙、合成紙、不織布等が挙げられる。これらには、隣接する層との接着性を付与するための接着剤が塗布されていてもよい。また、上記の基材層を構成する材料による層を、基材層とは別に、補強層として備えさせることも可能である。
【0059】
層と層との間を接着するための接着層としては、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体(EEA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマーからなる層等が挙げられる。
【0060】
また、その他の層は、基材層と熱硬化性樹脂層、又は熱硬化性樹脂層とヒートシール層等を、ドライラミネート又はホットメルトラミネートする際に使用する、接着剤からなる層であってもよい。
【0061】
その他の層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよい。また、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
【0062】
《構造体形成用複合フィルムの製造方法》
本発明の構造体形成用複合フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、積層された複合フィルムを形成することのできる方法であればよい。公知の方法を採用することができ、例えば、ドライラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネーション法、及びサンドイッチラミネーション方法等が挙げられる。
【0063】
《構造体》
本発明の構造体形成用複合フィルムを用いて形成される構造体は、特に限定されるものではない。本発明の構造体形成用複合フィルムは、最内層がヒートシール層となっているため、熱融着させることにより、様々な形状の構造体を形成することができる。
【0064】
例えば、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋、ゲーベルトップ型の有底容器、テトラクラシック(登録商標)、ブリックパック(登録商標)、チューブ容器、スパウト付き容器、蓋材等が挙げられる。また、ヒートシール層にチャックを設けて、チャック付き包装袋とすることもできる。
【0065】
本発明においては、中でも、少なくとも一部が、本発明の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋であることが好ましい。中でも特に、少なくとも胴部が、本発明の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋、例えばいわゆるスタンディングパウチであることが好ましい。
【0066】
《自立袋》
また別の本発明は、本発明の構造体形成用複合フィルムから形成された自立袋であって、ヒートシール層が互いに熱融着されている熱融着部と、ヒートシール層が熱融着されていない非熱融着部とを有しており、熱融着部を構成する熱硬化性樹脂層において、熱硬化性樹脂の少なくとも一部が硬化している、自立袋である。
【0067】
本発明の構造体形成用複合フィルムから形成される本発明の自立袋において、加熱により形成される熱融着部は、ヒートシール層が互いに熱融着されるとともに、熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂が硬化している。したがって、熱融着部は、シールと補強の2つの機能を有する。
【0068】
本発明の自立袋は、熱融着部のループスティフネステスタ(登録商標)による測定値が、非熱融着部のループスティフネステスタによる測定値の6.0倍以上であることが好ましい。またこの倍率は、7.0倍以上、8.0倍以上、又は10倍以上であってよく、50倍以下、40倍以下、30倍以下、20倍以下であってよい。
【0069】
本発明の自立袋において、熱融着部のループスティフネステスタによる測定値が、非熱融着部のループスティフネステスタによる測定値の6.0倍以上であれば、熱融着部と非熱融着部との間の剛性に、大きな差を有することとなる。その結果、内容物を充填する際には、非熱融着部の柔らかさが活かされて袋が膨らみ易く、必要量の充填を容易に実施することができる。一方で、使用時に内容物が減少していく際には、熱硬化性樹脂の硬化部位である熱融着部により、自立袋の自立性を維持することができる。
【0070】
本発明の自立袋は、熱融着部のループスティフネステスタによる測定値が、1800~4500mN/10mmであることが好ましい。熱融着部のループスティフネステスタによる測定値は、1800mN/10mm以上、1950mN/10mm以上、又は3000mN/10mm以上であってよく、4500mN/10mm以下、4000mN/10mm以下、又は3500mN/10mm以下以下であってよい。
【0071】
また、本発明の自立袋において、ヒートシール層が熱融着されていない非熱融着部のループスティフネステスタによる測定値が、200~300mN/10mmであることが好ましい。非熱融着部のループスティフネステスタによる測定値は、220mN/10mm以上、又は250mN/10mm以上であってよく、290mN/10mm以下、又は280mN/10mm以下であってよい。
【0072】
また、本発明の自立袋は、熱融着部において、ヒートシール層の熱融着と、熱硬化性樹脂層における熱硬化性樹脂の硬化とが、別々のタイミングで実施されていても良いし、同時に実施されていても良い。
なお同時に実施されたものである方が、製造効率を考えると好ましい。
【0073】
ここで、「同時」とは、ヒートシール層の熱融着のために実施する加熱操作の中で、熱硬化性樹脂も硬化させることを意味する。すなわち、熱融着のために実施する1工程の中で、熱融着と熱硬化性樹脂の硬化とを一緒に実施し、別々の工程で実施しないことを意味する。
【0074】
本発明の構造体形成用複合フィルムは、熱硬化性樹脂層とヒートシール層とが積層されているため、ヒートシール層の少なくとも一部の熱融着と、熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂の少なくとも一部の硬化とを、同時に実施することができる。したがって、自立性を付与するための後加工が不要となり、袋の通常の製造工程のみで、自立性を有する袋が、効率的に製造される。
【0075】
《自立袋の製造方法》
また別の本発明は、本発明の構造体形成用複合フィルムを用いた自立袋の製造方法であって、構造体形成用複合フィルムは、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂層と、ヒートシール層とを含み、ヒートシール層の少なくとも一部の熱融着と、熱硬化性樹脂の少なくとも一部の硬化とを同時に実施することで、熱融着部を形成する、自立袋の製造方法である。
【0076】
本発明の自立袋の製造方法は、熱硬化性樹脂層とヒートシール層とが積層されている、本発明の構造体形成用複合フィルムを用いる。本発明の構造体形成用複合フィルムは、熱硬化性樹脂層とヒートシール層とが積層されているため、ヒートシール層の一部を加熱して熱融着部を形成する際に、形成する熱融着部における熱硬化性樹脂を、同時に硬化させる。
【0077】
すなわち、本発明の自立袋の製造方法は、1つの工程で、自立袋を作製するための熱融着と、剛性を付与するための熱硬化を実施するものである。そして、形成される熱融着部は、シールと補強の2つの機能を有する。
【0078】
本発明の自立袋の製造方法によれば、自立性を付与するための後加工が不要となり、袋の通常の製造工程のみで、自立袋を効率的に製造することができる。
【0079】
《適用できる内容物》
本発明の構造体形成用複合フィルムから成形される構造体に充填が可能な内容物は、ジェルやゲル、更にはペースト等を含む液体物であれば、特に限定されるものではない。液状物としては、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品、塗料等が挙げられる。
【0080】
医薬品及び医薬部外品としては、例えば、注射薬、点滴薬、輸液薬、灌流薬、煎剤等が挙げられる。化粧品としては、例えば、シャンプー、コンディショナー、整髪料(例えば、ヘアウォーター、ヘアリキッド、グリース等)等が挙げられる。洗剤としては、例えば、中性洗剤、アルカリ性洗剤、及び酸性洗剤が挙げられる。食品としては、例えば、飲料、食用油、スープ、クリーム、液体調味料(例えば、醤油、酢、麺つゆ、割下、みりん、ウスターソース、ケチャップ、タバスコ、ドレッシング、甘味料等)等が挙げられる。塗料としては、例えば、ペンキ、ニス、オイルステイン等が挙げられる。
【0081】
なお、ジェル状やゲル状、又はペースト状の内容物であってもよく、例えば、歯磨き粉、ワサビ、ゼリー、ジャム、味噌等が挙げられる。
【実施例
【0082】
以下、実施例及び比較例等により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0083】
《実施例1~3、比較例1~2》
<材料>
実施例及び比較例においては、層を構成する材料として、以下を準備した。
【0084】
(1)基材層
・PET#12:PETフィルム(エンブレット(登録商標)PET-12、ユニチカ株式会社)
・Ny#15:ナイロンフィルム(RX、興人フィルム&ケミカルズ株式会社、厚み:15μm)
・VM-PET#12:アルミ蒸着PETフィルム(VM-PET BR-1012、東レフィルム加工株式会社、厚み:12μm)
【0085】
(2)熱硬化性樹脂層
芯材
・紙50g:両更クラフト紙(坪量:50g/m
熱硬化性樹脂
・KP332:アクリルエマルジョン(ダイルーフKP-332、大和化学工業株式会社)
・UNO-1:熱硬化性アクリルコート剤(UNO-1、株式会社岐阜セラック製造所)
【0086】
(3)ヒートシール層
・LL♯50:LLDPEフィルム(SE625L、タマポリ株式会社、厚み:50μm)
・LL♯95:LLDPEフィルム(SE620A、タマポリ株式会社、厚み:95μm)
【0087】
<熱硬化性樹脂層の製造>
熱硬化性アクリル樹脂を含むKP332を、芯材となる紙50gに、樹脂の固形分量として13gをグラビア塗工することで、熱硬化性樹脂層を作製した。
【0088】
同様に、熱硬化性アクリルコート剤であるUNO-1を、芯材となる紙50gに、用いるワイヤーバーの番手を異ならせることで表1に示す固形分量となるようグラビア塗工することで、熱硬化性樹脂層を作製した。
【0089】
<構造体形成用複合フィルムの製造>
表1に記載した積層順となるように、脂肪族エステル系の2液硬化型ドライラミネート接着剤(タケラックA525/タケネートA52、三井化学株式会社)を3g/m塗布して各基材を貼り合わせることで、構造体形成用複合フィルムを作製した。なお、ドライラミネートで貼り合わせた部分は、「//」で示している。
【0090】
<自立袋の作製>
作製した構造体形成用複合フィルムから、図2に示す展開図の材料を切り抜き、破線部で折り返して端部を熱融着させることで、図3A図3Cに示される、高さ200mm×幅90mm×折込30mmの自立袋を作製した。図3Aは、作成した自立袋の正面図、図3Bは側面図、図3Cは底面図である。
【0091】
自立袋の作製にあたって、熱融着の幅は、縦5mm、横10mmとし、熱融着の条件は、温度150℃、圧力1.5kgf/cmで、0.5秒とした。なお、自立袋の上端部の中央には、内容物を充填又は排出するための、幅15mmの開口部を設けた。
【0092】
熱硬化性樹脂層を有する実施例1~3の構造体形成用複合フィルムから形成された自立袋は、ヒートシール層の熱融着温度150℃にて、熱硬化性樹脂が硬化していた。
【0093】
<剛性の測定>
ループスティフネステスタ(Loop Stiffness Tester DA、株式会社東洋製作所)を用いて、以下の測定条件により、作製した自立袋の熱融着部及び非熱融着部の剛性を測定した。測定結果を、表1に示す。
ループ長:60mm
圧縮時間:1秒
圧縮距離:20mm
サンプル幅:10mm
【0094】
<自立性の評価>
幅15mmの開口部から水を充填し、充填した後の自立袋の自立性について、以下の評価基準で評価した。同様に、充填した水を排出した後の自立袋の自立性について、評価した。結果を表1に示す。
◎:難なく立たせられる
○:時間をかければ立たせられる
×:立たせられない
【0095】
表1に示されるように、実施例1~3の構造体形成用複合フィルムによる自立袋は、熱融着部においては剛性が高く、非熱融着部においては剛性が低いため、十分な量の内容物を充填することができ、充填後は自立していた。また、内容物の排出後においても、融着部の剛性により保形されていることから、自立性を有していた。
【0096】
【表1】
【符号の説明】
【0097】
100 構造体形成用複合フィルム
10 基材層
20 熱硬化性樹脂層
21 芯材
22 熱硬化性樹脂
30 ヒートシール層
図1
図2
図3A
図3B
図3C