(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】笠木
(51)【国際特許分類】
E04D 13/15 20060101AFI20240507BHJP
E04B 1/00 20060101ALI20240507BHJP
H02G 13/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
E04D13/15 301Z
E04B1/00 501J
H02G13/00
(21)【出願番号】P 2020112208
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】北野 雅人
(72)【発明者】
【氏名】宮田 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】瓜谷 真幸
(72)【発明者】
【氏名】中楯 哲史
(72)【発明者】
【氏名】福田 久展
(72)【発明者】
【氏名】秦 真人
(72)【発明者】
【氏名】木村 敏朗
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-231639(JP,A)
【文献】特開平01-263351(JP,A)
【文献】特開2000-316458(JP,A)
【文献】実開昭62-037900(JP,U)
【文献】特開2018-084078(JP,A)
【文献】特開2012-140791(JP,A)
【文献】特開平08-284357(JP,A)
【文献】特開平11-289959(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0610570(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/15
E04F 11/18
E04B 1/00
A01M 29/00-29/34
H02G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の躯体に設置される笠木であって、
前記躯体の少なくとも上面の一部を略覆うように設けられる本体部と、
前記本体部に設けられる取付部であって、取付対象を前記本体部よりも前記躯体側とは反対側に向けて取り付け可能な取付部と、を備え、
前記取付部の厚さを前記本体部の厚さよりも厚く
し、
前記取付部を、前記本体部の部分のうち前記建物の屋外側の端部又はその近傍部分に配置し、
前記取付部は、
前記本体部の上方に設けられた略板状の取付部本体であって、前記取付対象が取り付けられる取付部本体と、
前記取付部本体における前記建物の屋外側の端部から前記本体部と当接するように張り出された略板状の第1突出部と、
前記取付部本体における前記建物の屋内側の端部から前記本体部と当接するように張り出された略板状の第2突出部と、を備える、
笠木。
【請求項2】
建物の躯体に設置される笠木であって、
前記躯体の少なくとも上面の一部を略覆うように設けられる本体部と、
前記本体部に設けられる取付部であって、取付対象を前記本体部よりも前記躯体側とは反対側に向けて取り付け可能な取付部と、を備え、
前記取付部の厚さを前記本体部の厚さよりも厚くし、
前記本体部と前記取付部とを、一体形成し、
前記取付部を、前記本体部の一部を折り曲げることにより形成した、
笠木。
【請求項3】
建物の躯体に設置される笠木であって、
前記躯体の少なくとも上面の一部を略覆うように設けられる本体部と、
前記本体部に設けられる取付部であって、取付対象を前記本体部よりも前記躯体側とは反対側に向けて取り付け可能な取付部と、
前記本体部に前記取付部に対応する部分に設けられた貯め部であって、前記取付部周辺からの漏水を貯めるための貯め部と、
前記貯め部に設けられた水抜き孔であって、前記貯め部に貯められた漏水を当該笠木の外側に向けて放出するための水抜き孔と、を備え、
前記取付部の厚さを前記本体部の厚さよりも厚くした、
笠木。
【請求項4】
前記取付対象は、防鳥設備又は避雷導体である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の笠木。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、笠木に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から建物の屋上の立上がり部上に手摺を取り付けるための技術の一つとして、立上がり部に設けられた笠木の本体部の上面において2本の起立部によって形成される溝部を設け、この溝部に手摺を嵌入させ、且つ起立部を介して手摺をビスで固定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、この溝部の厚さは、笠木の本体部の厚さと略同一に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術においては、上述したように、溝部の厚さが笠木の本体部の厚さと略同一に設定されているので、例えば、手摺を安定して取り付ける観点から、溝部の強度を高めるために、溝部の厚さを厚くしようとすると、笠木の本体部の厚さも厚くすることになるため、笠木の設置コストが過大になるおそれがあることから、笠木の設置コストを抑制しながら手摺の如き取付対象の取付性を高める観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、設置コストを抑制しながら取付対象の取付性を高めることが可能となる、笠木を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の笠木は、建物の躯体に設置される笠木であって、前記躯体の少なくとも上面の一部を略覆うように設けられる本体部と、前記本体部に設けられる取付部であって、取付対象を前記本体部よりも前記躯体側とは反対側に向けて取り付け可能な取付部と、を備え、前記取付部の厚さを前記本体部の厚さよりも厚くし、前記取付部を、前記本体部の部分のうち前記建物の屋外側の端部又はその近傍部分に配置し、前記取付部は、前記本体部の上方に設けられた略板状の取付部本体であって、前記取付対象が取り付けられる取付部本体と、前記取付部本体における前記建物の屋外側の端部から前記本体部と当接するように張り出された略板状の第1突出部と、前記取付部本体における前記建物の屋内側の端部から前記本体部と当接するように張り出された略板状の第2突出部と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の笠木は、建物の躯体に設置される笠木であって、前記躯体の少なくとも上面の一部を略覆うように設けられる本体部と、前記本体部に設けられる取付部であって、取付対象を前記本体部よりも前記躯体側とは反対側に向けて取り付け可能な取付部と、を備え、前記取付部の厚さを前記本体部の厚さよりも厚くし、前記本体部と前記取付部とを、一体形成し、前記取付部を、前記本体部の一部を折り曲げることにより形成した。
【0008】
請求項3に記載の笠木は、建物の躯体に設置される笠木であって、前記躯体の少なくとも上面の一部を略覆うように設けられる本体部と、前記本体部に設けられる取付部であって、取付対象を前記本体部よりも前記躯体側とは反対側に向けて取り付け可能な取付部と、前記本体部に前記取付部に対応する部分に設けられた貯め部であって、前記取付部周辺からの漏水を貯めるための貯め部と、前記貯め部に設けられた水抜き孔であって、前記貯め部に貯められた漏水を当該笠木の外側に向けて放出するための水抜き孔と、を備え、前記取付部の厚さを前記本体部の厚さよりも厚くした。
【0009】
請求項4に記載の笠木は、請求項1から3のいずれか一項に記載の笠木において、前記取付対象は、防鳥設備又は避雷導体である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の笠木によれば、取付部の厚さを本体部の厚さよりも厚くしたので、従来技術(取付部の厚さが本体部の厚さと同じ技術)に比べて、笠木の設置コストを抑制しながら、取付対象の取付性を高めることができる。また、取付対象を様々な固定方法(例えば、ネジ固定、溶接固定、嵌合固定、螺合固定等)で取り付けやすくなるため、状況(具体的には、設置状況、施工状況等)に応じた取付対象の取付を行うことができる。
また、取付部を、本体部の部分のうち建物の屋外側の端部又はその近傍部分に配置したので、本体部の部分のうち建物の屋外側の端部又はその近傍部分において機能を発揮できる取付対象を適切な位置に配置でき、取付対象を正常に機能させることができる。
また、取付部が、本体部の上方に設けられた略板状の取付部本体であって、取付対象が取り付けられる取付部本体と、取付部本体における建物の屋外側の端部から本体部と当接するように張り出された略板状の第1突出部と、取付部本体における建物の屋内側の端部から本体部と当接するように張り出された略板状の第2突出部と、を備えるので、例えば、取付部によって雪庇の発生を抑制でき、雪庇による被害を回避しやすくなる。
【0015】
請求項2に記載の笠木によれば、取付部の厚さを本体部の厚さよりも厚くしたので、従来技術(取付部の厚さが本体部の厚さと同じ技術)に比べて、笠木の設置コストを抑制しながら、取付対象の取付性を高めることができる。また、取付対象を様々な固定方法(例えば、ネジ固定、溶接固定、嵌合固定、螺合固定等)で取り付けやすくなるため、状況(具体的には、設置状況、施工状況等)に応じた取付対象の取付を行うことができる。
また、本体部と取付部とを、一体形成したので、本体部と取付部とを別体に形成する場合に比べて、本体部と取付部とを接続する手間を省略でき、笠木の製造性を高めやすくなる。
また、取付部を、本体部の一部を折り曲げることにより形成したので、例えば、本体部の製造時に生じた残部を折り曲げることにより取付部を形成でき、製造材料を無駄なく有効活用でき、笠木の製造コストを低減できる。
【0016】
請求項3に記載の笠木によれば、取付部の厚さを本体部の厚さよりも厚くしたので、従来技術(取付部の厚さが本体部の厚さと同じ技術)に比べて、笠木の設置コストを抑制しながら、取付対象の取付性を高めることができる。また、取付対象を様々な固定方法(例えば、ネジ固定、溶接固定、嵌合固定、螺合固定等)で取り付けやすくなるため、状況(具体的には、設置状況、施工状況等)に応じた取付対象の取付を行うことができる。
また、本体部に取付部に対応する部分に設けられた貯め部であって、取付部周辺からの漏水を貯めるための貯め部と、貯め部に設けられた水抜き孔であって、貯め部に貯められた漏水を当該笠木の外側に向けて放出するための水抜き孔と、を備えるので、取付部周辺からの漏水を一時的に貯め、且つ笠木の外側に向けて放出でき、漏水による躯体の被害を回避しやすくなる。
【0017】
請求項4に記載の笠木によれば、取付対象が、防鳥設備又は避雷導体であるので、防鳥設備又は避雷導体を効果的に機能させることが可能な位置に配置でき、防鳥設備又は避雷導体の取付性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る笠木が設けられた建物の概要を示す斜視図である。
【
図2】
図1のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。
【
図3】実施の形態2に係る笠木の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図4】実施の形態3に係る笠木の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図5】実施の形態4に係る笠木の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図6】実施の形態5に係る笠木の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図7】実施の形態6に係る笠木の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図8】実施の形態6に係る本体部及び取付部の製造材料となる鋼材を示す平面図である。
【
図9】実施の形態7に係る笠木の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図10】実施の形態8に係る笠木の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図11】実施の形態9に係る笠木の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る笠木の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の躯体に設置される笠木に関する。
【0025】
ここで、「建物」の具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、集合住宅(一例として、マンション等)、オフィスビル、公共施設、商業施設、工業施設等を含む概念である。また、「建物の躯体」とは、例えば、建物の屋上外周部、建物の屋上中央部、建物の搬入口近傍に設けられた庇部等を含む概念である。また、「笠木」とは、建物の躯体に被せられる仕上げ部材を意味する。以下、実施の形態では、笠木が、工業施設の如き建物の屋上外周部に設置される場合について説明する。
【0026】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0027】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る笠木について説明する。この実施の形態1は、取付対象が避雷導体である形態である。
【0028】
(構成-建物の躯体)
最初に、実施の形態1に係る後述の笠木10が設置される建物1の躯体2(以下、「躯体2」と称する)の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る後述の笠木10が設けられた建物1の概要を示す斜視図である。
図2は、
図1のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。ここで、
図1のX方向を建物1の左右方向(-X方向を建物1の左方向、+X方向を建物1の右方向)、
図1のY方向を建物1の前後方向(+Y方向を建物1の前方向、-Y方向を建物1の後方向)、
図1のZ方向を建物1の上下方向(+Z方向を建物1の上方向、-Z方向を建物1の下方向)と称する。
【0029】
躯体2は、例えば、公知の工業施設の屋上外周部であり、具体的には、
図1に示すように、建物1の屋上部3に取り付けられるパラペット部材(例えば、公知のコンクリート製(又は金属製)のパラペット部材)を用いて構成されている(
図1では、屋上部3の複数の箇所に取り付けられている)。
【0030】
また、この躯体2(具体的には、パラペット部材)の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0031】
すなわち、
図2に示すように、躯体2のY-Z平面に沿った断面形状については、略矩形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、台形状、半円形状、又は半楕円形状に設定してもよい。
【0032】
また、躯体2の左右方向の長さ(躯体2の長手方向の長さ)については、建物1の屋上部3の左右方向の長さよりも短く設定している。また、躯体2の前後方向の長さ(躯体2の短手方向の長さ)については、建物1の屋上部3の前後方向の長さよりも短く設定している。また、躯体2の上下方向の長さ(躯体2の高さ)については、躯体2の左右方向の長さよりも長く、且つ躯体2の前後方向の長さよりも短く設定している。
【0033】
(構成-笠木)
次に、実施の形態1に係る笠木10の構成について説明する。
【0034】
この笠木10は、
図2に示すように、躯体2に設けられており、本体部20、支持部30、及び取付部40を備えている。
【0035】
(構成-笠木-本体部)
本体部20は、笠木10の基本構造体である。この本体部20は、例えば鋼製の板状体(一例として、スチール製又はステンレス製の板状体等)にて形成されており、
図2に示すように、躯体2の上端部の近傍に設けられている。
【0036】
また、本体部20の具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では以下の通りに構成されている。
【0037】
すなわち、
図2に示すように、本体部20のY-Z平面に沿った断面形状については、略逆U字状に設定している。この場合において、本体部20の構成の詳細については、
図2に示すように、躯体2の上端部側に位置する上側本体片21であって、建物1の屋外側から屋内側に至るについて下方に傾斜している上側本体片21と、躯体2の建物1の屋外側(
図2では、躯体2の前側)に位置する屋外側本体片22と、躯体2の建物1の屋内側(
図2では、躯体2の後側)に位置する屋内側本体片23とを備え、これら本体片が一体形成されている(ただし、これに限らず、例えば、これらを別体形成して固定具又は溶接等で接続してもよい)。
【0038】
また、本体部20の左右方向の長さについては、躯体2の左右方向の長さと略同一に設定しているが、これに限らず、例えば、躯体2の左右方向の長さよりも長く又は短く設定してもよい。また、本体部20の前後方向の長さについては、躯体2の前後方向の長さよりも長く設定しているが、これに限らず、例えば、躯体2の前後方向の長さよりも短く又は略同一に設定してもよい。また、本体部20の上下方向の長さについては、躯体2の上下方向の長さよりも短く設定しているが、これに限らず、例えば、躯体2の上下方向の長さよりと略同一に設定してもよい。なお、本体部20の屋外側本体片22の上下方向の長さについては、本体部20の屋内側本体片23の上下方向の長さよりも長く設定しているが、これに限らず、屋内側本体片23の上下方向の長さよりも短く又は略同一に設定してもよい。
【0039】
また、本体部20の厚さについては、後述する取付対象50及び取付部40を支持可能な厚さに設定しており、例えば、1mm程度に設定している。ただし、これに限らず、例えば、1mm未満に設定してもよく、又は1mmを上回るように設定してもよい。
【0040】
また、本体部20の設置方法については、
図2に示すように、躯体2の上端部及びその近傍部分を略覆うように設置していると共に、躯体2と相互に間隔を隔てて設置している。
【0041】
(構成-笠木-支持部)
支持部30は、本体部20を躯体2に対して支持するための支持手段である。支持部30は、例えば笠木用の支持部材(一例として、鋼製の支持部材)を用いて構成されており、
図2に示すように、躯体2と本体部20との相互間に設けられ。支持部本体31及び当接部32を備えている。
【0042】
(構成-笠木-支持部-支持部本体)
支持部本体31は、支持部30の基本構造体であり、略板状体にて形成されており、
図2に示すように、支持部本体31の少なくとも一部が躯体2と当接するように設けられている。
【0043】
また、支持部本体31の具体的な形状及び大きさについては、本体部20及び当接部32を支持できる限り任意に設定できるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0044】
すなわち、支持部本体31のY-Z平面に沿った断面形状については、略逆U字状に設定している。この場合において、支持部本体31の構成の詳細については、
図2に示すように、躯体2の上端部側に位置する上側支持片31aと、躯体2の建物1の屋外側(
図2では、躯体2の前側)に位置する屋外側支持片31bと、躯体2の建物1の屋内側(
図2では、躯体2の後側)に位置する屋内側支持片31cとを備え、これら支持片が一体形成されている(ただし、これに限らず、例えば、これらを別体形成して固定具又は溶接等で接続してもよい)。
【0045】
また、支持部本体31の左右方向の長さについては、躯体2の左右方向の長さと略同一に設定しているが、これに限らず、例えば、躯体2の左右方向の長さよりも長く又は短く設定してもよい。また、支持部本体31の前後方向の長さについては、躯体2の前後方向の長さよりも長く設定しているが(
図2では、本体部20の前後方向の長さと略同一に設定している)、これに限らず、例えば、躯体2の前後方向の長さよりも短く又は略同一に設定してもよい。また、支持部本体31の上下方向の長さについては、躯体2の上下方向の長さよりも短く設定しているが(
図2では、本体部20の上下方向の長さよりも短く設定している)、これに限らず、例えば、躯体2の上下方向の長さよりと略同一に設定してもよい。なお、支持部本体31の屋外側支持片31bの上下方向の長さについては、支持部本体31の屋内側支持片31cの上下方向の長さよりも長く設定しているが、これに限らず、屋内側本体片23の上下方向の長さよりも短く又は略同一に設定してもよい。
【0046】
また、支持部本体31の厚さについては、本体部20の厚さよりも厚く設定しており、一例として、2mmから5mm程度に設定してもよい。ただし、これに限らず、例えば、本体部20の厚さと略同一に設定してもよい。
【0047】
(構成-笠木-支持部-当接部)
当接部32は、支持部30を本体部20(具体的には、上側本体片21)に当接させるためのものである。この当接部32は、略板状体にて形成されており、
図2に示すように、支持部本体31と上側本体片21との相互間において上側本体片21及び支持部本体31の各々と当接するように複数設けられている(
図2では、3つ設けられている)。
【0048】
また、当接部32の具体的な形状及び大きさについては、本体部20を支持できる限り任意に設定できるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0049】
すなわち、
図2に示すように、当接部32のY-Z平面に沿った断面形状については、略逆L字状又はT字状に設定している。この場合において、当接部32の構成の詳細については、
図2に示すように、上側本体片21に当接される本体側当接片32aと、上側支持片31aに当接される支持側当接片32bとを備え、これら当接片が一体形成されている(ただし、これに限らず、例えば、これらを別体形成して固定具又は溶接等で接続してもよい)。
【0050】
また、当接部32の左右方向の長さについては、上側本体片21の左右方向の長さと略同一に設定しているが、これに限らず、例えば、躯体2の左右方向の長さよりも長く又は短く設定してもよい。また、当接部32の前後方向の長さについては、上側本体片21の前後方向の長さよりも短く設定しているが、これに限らず、例えば、上側本体片21の前後方向の長さと略同一に設定してもよい。また、当接部32の上下方向の長さについては、上側本体片21の上下方向の長さよりも短く設定しているが、これに限らず、例えば、上側本体片21の上下方向の長さと略同一に設定してもよい。
【0051】
また、当接部32の厚さについては、本体部20の厚さよりも厚く、且つ支持部本体31の厚さよりも薄く設定しており、一例として、2mmから3mm程度に設定してもよい。ただし、これに限らず、例えば、2mm未満に設定してもよく、又は3mmを上回るように設定してもよい。
【0052】
(構成-笠木-支持部-その他)
また、支持部の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、
図2に示すように、上側支持片31aを躯体2の上端部と当接させると共に、各当接部32の本体側当接片32aを上側本体片21と当接させ、屋外側支持片31bを屋外側本体片22に形成された屋外側係合部24に係合させると共に、屋内側支持片31cを屋内側本体片23に形成された屋内側係合部25に係合させ、且つ上側支持片31aを躯体2に対して複数の支持用固定具33(例えば、ボルト、ネジ等)によって固定することにより、設置している。ただし、これに限らず、例えば、上記の方法に加えて、本体部20を支持部30に対して固定具又は接着剤等によってさらに固定することにより、設置してもよい。
【0053】
また、支持部30の形成方法については任意であるが、実施の形態1では、公知の成形方法(例えば、押出成形等)を用いて鋼材を成形することにより、支持部本体31と3つの当接部32とを一体形成している(ただし、これに限らず、例えば、これらを別体形成して固定具又は溶接等で接続してもよい)。
【0054】
(構成-笠木-取付部)
取付部40は、取付対象50を本体部20よりも躯体2側とは反対側(
図2では、本体部20の上側)に向けて取り付け可能なものである。ここで、「取付対象50」とは、取付部40に取り付けられる対象であり、例えば、防鳥設備、避雷導体、配管、太陽光パネル等を含む概念であるが、実施の形態1では、
図2に示すように、導体本体部51と、導体本体部51を支持する導体支持部52とを有する避雷導体として説明する。
【0055】
この取付部40は、例えば鋼製の略板状体にて形成されており、
図2に示すように、本体部20に設けられている。
【0056】
また、取付部40の具体的な構成については取付対象50を本体部20よりも躯体2側とは反対側に向けて取り付けできる限り任意に構成できるが、実施の形態1では以下の通りに構成している。
【0057】
(構成-笠木-取付部-形状及び大きさについて)
すなわち、
図2に示すように、取付部40の側面形状(具体的には、Y-Z平面に沿った側面形状)については、略逆L字状に設定している。この場合において、取付部40の構成の詳細については、
図2に示すように、取付対象50側に位置する対象側取付片41と、上側本体片21側に位置する本体側取付片42とを備え、これら取付片が一体形成されている(ただし、これに限らず、例えば、これらを別体形成して固定具又は溶接等で接続してもよい)。
【0058】
また、取付部40の左右方向の長さについては、本体部20の左右方向の長さよりも短く設定しており、具体的には、取付対象50の左右方向の長さよりも長く又は略同一に設定している。また、取付部40の前後方向の長さについては、本体部20の前後方向の長さよりも短く設定しており、具体的には、取付対象50の前後方向の長さよりも長く設定している(あるいは、略同一に設定してもよい)。また、取付部40の上下方向の長さについては、本体部20の上下方向の長さよりも短く設定しており、具体的には、取付対象50の上下方向の長さよりも短く設定している(あるいは、略同一又は長く設定してもよい)。
【0059】
また、取付部40の厚さについては、
図2に示すように、本体部20の厚さよりも厚く設定している。具体的には、本体側取付片42に対して固定具を接続可能な厚さに設定しており、例えば3mm程度に設定している。ただし、これに限らず、例えば、3mm未満に設定してもよく、又は3mmを上回るように設定してもよい(なお、他の実施の形態に係る取付部の厚さについても同様とする)。
【0060】
このような厚さにより、従来技術(取付部の厚さが本体部の厚さと同じ技術)に比べて、笠木10の設置コストを抑制しながら、取付対象50の取付性を高めることができる。また、取付対象50を様々な固定方法(例えば、ネジ固定、溶接固定、嵌合固定、螺合固定等)で取り付けやすくなるため、状況(具体的には、設置状況、施工状況等)に応じた取付対象50の取付を行うことができる。
【0061】
(構成-笠木-取付部-設置方法について)
また、取付部40の設置方法については、本体部20の部分のうち建物1の屋外側の端部又はその近傍部分に設置(配置)しており、具体的には、
図2に示すように、上側本体片21よりも上方において、当該上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部から建物1の屋内側に向けて所定距離離れた部分に設置している。
【0062】
なお、この所定距離については、取付対象50が機能を発揮できる距離に設定しており、例えば、法令又は実験結果等に基づいて設定してもよく、一例として、30mm以内程度に設定してもよい。
【0063】
このような設置により、本体部20の部分のうち建物1の屋外側の端部又はその近傍部分において機能を発揮できる取付対象50を適切な位置に配置でき、取付対象50を正常に機能させることができる。
【0064】
ただし、これに限らず、例えば、取付対象50が機能を発揮できるのであれば、取付部40を本体部20の部分のうち建物1の屋外側の端部又はその近傍部分以外の部分(一例として、本体部20における建物1の屋外側の端部等)に設置してもよい(なお、他の実施の形態に係る取付部の設置方法についても同様とする)。
【0065】
(構成-笠木-取付部-取付方法について)
また、取付対象50を取付部40に取り付ける取付方法については、取付対象50を取付部40に対して固定具(例えば、ビス等)によって固定することにより、取り付けている。具体的には、取付対象50の導体支持部52を取付部40の対象側取付片41に対して固定具によって固定することにより、取り付けている。
【0066】
このような取付により、取付部40の対象側取付片41に対して溶接によって固定する場合に比べて、この取付作業を簡易且つ迅速に行うことができ、この取付作業の効率化を図ることができる。また、上述したように、取付部40の厚さを本体部20の厚さよりも厚くしているので、取付対象50を安定して支持できる。
【0067】
(構成-笠木-取付部-形成方法について)
また、取付部40の形成方法については、本体部20と取付部40とを一体形成しており、具体的には、公知の成形方法(例えば、押出成形等)を用いて鋼材を成形することにより、形成している。
【0068】
これにより、本体部20と取付部40とを別体に形成する場合に比べて、本体部20と取付部40とを接続する手間を省略でき、笠木10の製造性を高めやすくなる。
【0069】
ただし、これに限らず、例えば、本体部20と取付部40とを別体に形成した後に、取付部40を本体部20に対して固定具又は溶接等によって接続してもよい(なお、他の実施の形態に係る取付部の形成方法についても同様とする)。
【0070】
以上のような笠木10により、取付対象50の取付性を高めることができ、ユーザのニーズに応じた笠木10の設置が行いやすくなる。また、避雷導体を効果的に機能させることが可能な位置に配置でき、避雷導体の取付性を高めることができる。
【0071】
(笠木の施工方法)
続いて、笠木10の施工方法について説明する。実施の形態1に係る笠木10の施工方法は、第1設置工程、第2設置工程、及び取付工程を含んでいる。
【0072】
(笠木の施工方法-第1設置工程)
まず、第1設置工程について説明する。第1設置工程は、支持部30を躯体2に設置する工程である。
【0073】
具体的には、上側支持片31aを躯体2の上端部と当接させるように配置した後に、上側支持片31aを躯体2に対して支持用固定具33によって固定することにより、設置する。
【0074】
(笠木の施工方法-第2設置工程)
次に、第2設置工程について説明する。第2設置工程は、第1設置工程の後に、本体部20(具体的には、取付部40が取り付けられている本体部20)を支持部30に設置する工程である。
【0075】
具体的には、上側本体片21を各当接部32の本体側当接片32aに当接させると共に、屋外側支持片31bを屋外側本体片22に形成された屋外側係合部24に係合させ、且つ屋内側支持片31cを屋内側本体片23に形成された屋内側係合部25に係合させることにより、設置する。
【0076】
(笠木の施工方法-取付工程)
続いて、取付工程について説明する。取付工程は、第2設置工程の後(又は第2設置工程の途中)に、取付対象50を取付部40に取り付ける工程である。
【0077】
具体的には、取付対象50を対象側取付片41の上面に載置した後に、導体支持部52を対象側取付片41に対して固定具で固定することにより、取り付ける。この場合において、取付部40の厚さを本体部20の厚さよりも厚くしているので、取付対象50を安定して支持でき、取付対象50の取付性を高めることができる。
【0078】
以上のような施工方法により、笠木10を簡易に施工でき、上記従来技術と略同様の笠木10の施工性を確保できる。
【0079】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、取付部40の厚さを本体部20の厚さよりも厚くしたので、従来技術(取付部の厚さが本体部の厚さと同じ技術)に比べて、笠木10の設置コストを抑制しながら、取付対象50の取付性を高めることができる。また、取付対象50を様々な固定方法(例えば、ネジ固定、溶接固定、嵌合固定、螺合固定等)で取り付けやすくなるため、状況(具体的には、設置状況、施工状況等)に応じた取付対象50の取付を行うことができる。
【0080】
また、取付部40を、本体部20の部分のうち建物1の屋外側の端部又はその近傍部分に配置したので、本体部20の部分のうち建物1の屋外側の端部又はその近傍部分において機能を発揮できる取付対象50を適切な位置に配置でき、取付対象50を正常に機能させることができる。
【0081】
また、取付対象50が、避雷導体であるので、避雷導体を効果的に機能させることが可能な位置に配置でき、避雷導体の取付性を高めることができる。
【0082】
また、本体部20と取付部40とを、一体形成したので、本体部20と取付部40とを別体に形成する場合に比べて、本体部20と取付部40とを接続する手間を省略でき、笠木10の製造性を高めやすくなる。
【0083】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る笠木について説明する。この実施の形態2は、取付対象を取付部に対して螺合構造で固定する形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0084】
(構成-建物の躯体)
最初に、実施の形態2に係る躯体2の構成について説明する。実施の形態2に係る躯体2は、実施の形態1に係る躯体2と同一に構成されている。
【0085】
(構成-笠木)
次に、実施の形態2に係る笠木100の構成について説明する。
図3は、実施の形態2に係る笠木100の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【0086】
実施の形態2に係る笠木100は、
図3に示すように、実施の形態1に係る笠木10とほぼ同様に構成されている。ただし、取付部110の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0087】
(構成-笠木-取付部)
次に、取付部110の構成の詳細について説明する。ただし、この取付部110は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0088】
実施の形態2では、取付部110は、例えば鋼製の略筒状体にて形成されており、
図3に示すように、本体部20に設けられている。
【0089】
また、取付部110の具体的な構成については取付対象50(具体的には、避雷導体)を本体部20よりも躯体2側とは反対側に向けて取り付けできる限り任意に構成できるが、実施の形態2では以下の通りに構成している。
【0090】
(構成-笠木-取付部-形状及び大きさについて)
すなわち、取付部110の平面形状については、略円環状に設定している。
【0091】
また、取付部110の内径については、取付対象50の外径と略同一に設定している。また、取付部110の上下方向の長さについては、取付対象50の上下方向の長さよりも短く設定している。
【0092】
また、取付部110の厚さについては、
図3に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、本体部20の厚さよりも厚く設定している。具体的には、取付部110に対して後述するネジ切り加工が可能な厚さに設定しており、例えば3mm程度に設定している。
【0093】
(構成-笠木-取付部-設置方法について)
また、取付部110の設置方法については、
図3に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、上側本体片21よりも上方において、当該上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部から建物1の屋内側に向けて所定距離離れた部分に設置している。
【0094】
(構成-笠木-取付部-取付方法について)
また、取付対象50を取付部110に取り付ける取付方法については、取付対象50を取付部110に対して螺合構造によって固定することにより、取り付けている。具体的には、内周面の少なくとも一部が雌ネジ状又は雄ネジ状のいずれか一方にネジ切り加工された取付部110に、外周面の少なくとも一部が雌ネジ状又は雄ネジ状のいずれか他方にネジ切り加工された取付対象50の導体支持部52を差し込むことにより、取り付けている。
【0095】
このような取付により、固定具等を用いることなく、取付対象50を取付部110に取り付けることができ、取付対象50の取付性を高めることができる。
【0096】
(構成-笠木-取付部-形成方法について)
また、取付部110の形成方法については、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、本体部20と取付部110とを一体形成している。
【0097】
以上のような笠木100により、実施の形態1に係る笠木10と略同様に、取付対象50の取付性を高めることができ、ユーザのニーズに応じた笠木100の設置が行いやすくなる。特に、取付部110の厚さを本体部20の厚さよりも厚くしているので、取付対象50を安定して支持できると共に、取付部110のネジ切りされる部分の加工が行いやすくなるため、取付部110の取付性及び製造性を高めることができる。
【0098】
(笠木の施工方法)
続いて、笠木100の施工方法について説明する。実施の形態2に係る笠木100の施工方法は、第1設置工程、第2設置工程、及び取付工程を含んでいる。なお、実施の形態2に係る第1設置工程及び第2設置工程は、実施の形態1に係る第1設置工程及び第2設置工程と略同一に行われるので、以下ではその説明を省略する。
【0099】
(笠木の施工方法-取付工程)
次に、取付工程について説明する。取付工程においては、具体的には、取付対象50の導体支持部52を取付部110の内周面に差し込むことにより、取付対象50を取付部110に取り付ける。
【0100】
以上のような施工方法により、
図3に示す笠木100を簡易に施工でき、上記従来技術と略同様の笠木100の施工性を確保できる。
【0101】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、取付対象50を取付部110に対して螺合構造によって固定するので、固定具等を用いることなく、取付対象50を取付部110に取り付けることができ、取付対象50の取付性を高めることができる。
【0102】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3に係る笠木について説明する。この実施の形態3は、取付対象を取付部に対して溶接で固定する形態である。ただし、この実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0103】
(構成-建物の躯体)
最初に、実施の形態3に係る躯体2の構成について説明する。実施の形態3に係る躯体2は、実施の形態1に係る躯体2と同一に構成されている。
【0104】
(構成-笠木)
次に、実施の形態3に係る笠木200の構成について説明する。
図4は、実施の形態3に係る笠木200の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【0105】
実施の形態3に係る笠木200は、
図4に示すように、実施の形態1に係る笠木10とほぼ同様に構成されている。ただし、取付部210の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0106】
(構成-笠木-取付部)
次に、取付部210の構成の詳細について説明する。ただし、この取付部210は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0107】
実施の形態3では、取付部210は、例えば鋼製の板状体にて形成されており、
図4に示すように、本体部20に設けられている。
【0108】
また、取付部210の具体的な構成については取付対象50(具体的には、避雷導体)を本体部20よりも躯体2側とは反対側に向けて取り付けできる限り任意に構成できるが、実施の形態3では以下の通りに構成している。
【0109】
(構成-笠木-取付部-形状及び大きさについて)
すなわち、取付部210の平面形状については、略矩形状に設定しているが、これに限らず、例えば、略三角形状、略円形状、又は略楕円形状に設定してもよい。
【0110】
また、取付部210の左右方向の長さについては、取付対象50の左右方向の長さよりも長く又は略同一に設定している。また、取付部210の前後方向の長さについては、取付対象50の前後方向の長さよりも長く又は略同一に設定している。
【0111】
また、取付部210の厚さについては、
図4に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、本体部20の厚さよりも厚く設定している。具体的には、取付対象50を取付部210に対して溶接可能な厚さに設定しており、例えば3mm程度に設定している。
【0112】
(構成-笠木-取付部-設置方法について)
また、取付部210の設置方法については、
図4に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、上側本体片21よりも上方において、当該上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部から建物1の屋内側に向けて所定距離離れた部分に設置している。
【0113】
(構成-笠木-取付部-取付方法について)
また、取付対象50を取付部210に取り付ける取付方法については、取付対象50を取付部210に対して溶接によって固定することにより、取り付けている。具体的には、取付対象50の導体支持部52を取付部210の上面に当接した状態で取付部210に対して溶接することにより、取り付けている。
【0114】
このような取付により、固定具等で固定する場合に比べて、取付対象50を取付部210に強固に取り付けることができ、取付対象50の取付性を高めることができる。
【0115】
(構成-笠木-取付部-形成方法について)
また、取付部210の形成方法については、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、本体部20と取付部210とを一体形成している。
【0116】
以上のような笠木200により、実施の形態1に係る笠木10と略同様に、取付対象50の取付性を高めることができ、ユーザのニーズに応じた笠木200の設置が行いやすくなる。特に、取付部210の厚さを本体部20の厚さよりも厚くしているので、取付対象50を取付部210に対して溶接によって確実に取り付けることができ、この取付作業を正確に行うことができる。
【0117】
(笠木の施工方法)
続いて、笠木200の施工方法について説明する。実施の形態3に係る笠木200の施工方法は、第1設置工程、第2設置工程、及び取付工程を含んでいる。なお、実施の形態3に係る第1設置工程及び第2設置工程は、実施の形態1に係る第1設置工程及び第2設置工程と略同一に行われるので、以下ではその説明を省略する。
【0118】
(笠木の施工方法-取付工程)
次に、取付工程について説明する。取付工程においては、具体的には、取付対象50の導体支持部52を取付部210に対して溶接によって接続することにより、取付対象50を取付部210に取り付ける。
【0119】
以上のような施工方法により、
図4に示す笠木200を簡易に施工できると共に、取付対象50を取付部210に強固に取り付けることができる。
【0120】
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、取付対象50を取付部210に対して溶接によって固定するので、取付対象50を取付部210に強固に取り付けることができ、取付対象50の取付性を高めることができる。
【0121】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4に係る笠木について説明する。この実施の形態4は、取付対象を取付部に対して嵌合構造で固定する形態である。ただし、この実施の形態4の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0122】
(構成-建物の躯体)
最初に、実施の形態4に係る躯体2の構成について説明する。実施の形態4に係る躯体2は、実施の形態1に係る躯体2と同一に構成されている。
【0123】
(構成-笠木)
次に、実施の形態4に係る笠木300の構成について説明する。
図5は、実施の形態4に係る笠木300の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【0124】
実施の形態4に係る笠木300は、
図5に示すように、実施の形態1に係る笠木10とほぼ同様に構成されている。ただし、取付部310の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0125】
(構成-笠木-取付部)
次に、取付部310の構成の詳細について説明する。ただし、この取付部310は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0126】
実施の形態4では、取付部310は、
図5に示すように、本体部20に設けられており、第1起立片311及び第2起立片312を備えている。
【0127】
ここで、第1起立片311及び第2起立片312は、取付部310の基本構造体である。これら第1起立片311及び第2起立片312は、例えば鋼製の板状体にて形成されており、
図5に示すように、第1起立片311が第2起立片312よりも屋外側に位置するように設けられている。
【0128】
また、取付部310の具体的な構成については取付対象50を本体部20よりも躯体2側とは反対側に向けて取り付けできる限り任意に構成できるが、実施の形態4では以下の通りに構成している。
【0129】
(構成-笠木-取付部-形状及び大きさについて)
すなわち、
図5に示すように、取付部310の第1起立片311及び第2起立片312のY-Z平面に沿った側面形状については、略逆L字状にそれぞれ設定している。
【0130】
また、取付部310の第1起立片311及び第2起立片312の左右方向の長さについては、取付対象50の左右方向の長さと略同一又はそれよりも長くそれぞれ設定している。また、取付部310の第1起立片311及び第2起立片312の前後方向の長さについては、取付対象50の前後方向の長さよりも短くそれぞれ設定している。また、取付部310の第1起立片311及び第2起立片312の上下方向の長さについては、取付対象50の上下方向の長さよりも短くそれぞれ設定している。
【0131】
また、取付部310の第1起立片311及び第2起立片312の厚さについては、
図5に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、本体部20の厚さよりも厚く設定している。具体的には、取付対象50を安定して取り付け可能な厚さに設定しており、例えば3mm程度に設定している。
【0132】
(構成-笠木-取付部-設置方法について)
また、取付部310の設置方法については、
図5に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、上側本体片21よりも上方において、当該上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部から建物1の屋内側に向けて所定距離離れた部分に設置している。より具体的には、第1起立片311及び第2起立片312が相互に対向するように、第1起立片311及び第2起立片312を相互に間隔を隔てて前後方向に略沿って並設している。
【0133】
なお、上記間隔の長さについては、第1起立片311及び第2起立片312によって取付対象50の導体支持部52が嵌合可能な長さであり、且つ導体本体部51が第1起立片311及び第2起立片312と当接しない長さに設定しており、具体的には、
図5に示すように、導体支持部52の前後方向の長さ略同一に設定している。
【0134】
(構成-笠木-取付部-取付方法について)
また、取付対象50を取付部310に取り付ける取付方法については、取付対象50を取付部310に対して嵌合構造によって固定することにより、取り付けている。具体的には、導体支持部52を第1起立片311及び第2起立片312に対して嵌合させることにより、取り付けている。
【0135】
このような取付により、固定具等で固定する場合に比べて、取付対象50を取付部310に強固に取り付けることができ、取付対象50の取付性を高めることができる。
【0136】
(構成-笠木-取付部-形成方法について)
また、取付部310の形成方法については、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、本体部20と取付部310とを一体形成している。
【0137】
以上のような笠木300により、実施の形態1に係る笠木10と略同様に、取付対象50の取付性を高めることができ、ユーザのニーズに応じた笠木300の設置が行いやすくなる。特に、取付部310の厚さを本体部20の厚さよりも厚くしているので、取付対象50を安定して支持できるため、取付部310の取付性を高めることができる。
【0138】
(笠木の施工方法)
続いて、笠木300の施工方法について説明する。実施の形態4に係る笠木300の施工方法は、第1設置工程、第2設置工程、及び取付工程を含んでいる。なお、実施の形態4に係る第1設置工程及び第2設置工程は、実施の形態1に係る第1設置工程及び第2設置工程と略同一に行われるので、以下ではその説明を省略する。
【0139】
(笠木の施工方法-取付工程)
次に、取付工程について説明する。取付工程においては、具体的には、側面方向(具体的には、左右方向)から取付対象50の導体支持部52を取付部310の第1起立片311と第2起立片312との相互間に挿入しながら、導体支持部52を第1起立片311及び第2起立片312に嵌合させることにより、取付対象50を取付部310に取り付ける。
【0140】
以上のような施工方法により、
図5に示す笠木300を簡易に施工でき、上記従来技術と略同様の笠木300の施工性を確保できる。
【0141】
(実施の形態4の効果)
このように実施の形態4によれば、取付対象50を取付部310に対して嵌合構造によって固定するので、固定具等を用いることなく、取付対象50を取付部310に取り付けることができ、取付対象50の取付性を高めることができる。
【0142】
〔実施の形態5〕
次に、実施の形態5に係る笠木について説明する。この実施の形態5は、取付部と本体部とを別体に形成した形態である。ただし、この実施の形態5の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0143】
(構成-建物の躯体)
最初に、実施の形態5に係る躯体2の構成について説明する。実施の形態5に係る躯体2は、実施の形態1に係る躯体2と同一に構成されている。
【0144】
(構成-笠木)
次に、実施の形態5に係る笠木400の構成について説明する。
図6は、実施の形態5に係る笠木400の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【0145】
実施の形態5に係る笠木400は、
図6に示すように、実施の形態1に係る笠木10とほぼ同様に構成されている。ただし、取付部410の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0146】
(構成-笠木-取付部)
次に、取付部410の構成の詳細について説明する。ただし、この取付部410は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0147】
実施の形態5では、取付部410は、例えば鋼製の板状体にて形成されており、
図6に示すように、本体部20に設けられている。
【0148】
また、取付部410の具体的な構成については取付対象50(具体的には、避雷導体)を本体部20よりも躯体2側とは反対側に向けて取り付けできる限り任意に構成できるが、実施の形態5では以下の通りに構成している。
【0149】
(構成-笠木-取付部-形状及び大きさについて)
すなわち、取付部410のY-Z平面に沿った側面形状については、略Ω字状に設定している。この場合において、取付部410の構成の詳細については、
図6に示すように、取付対象50側に位置する第1取付片411と、上側本体片21側に位置する一対の第2取付片412と、第1取付片411と一対の第2取付片412のいずれかとを接続する一対の第3取付片413とを備え、これら取付片が一体形成されている(ただし、これに限らず、例えば、これらを別体形成して固定具又は溶接等で接続してもよい)。
【0150】
また、取付部410の左右方向の長さについては、取付対象50の左右方向の長さよりも長く又は略同一に設定している。また、取付部410の前後方向の長さについては、取付対象50の前後方向の長さよりも長く設定している(あるいは、略同一に設定してもよい)。また、取付部410の上下方向の長さについては、取付対象50の上下方向の長さよりも短く設定している。
【0151】
また、取付部410の厚さについては、
図6に示すように、本体部20の厚さよりも厚く設定している。具体的には、取付部410を本体部20に対して溶接可能な厚さに設定しており、例えば3mm程度に設定している。
【0152】
(構成-笠木-取付部-設置方法について)
また、取付部410の設置方法については、
図6に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、上側本体片21よりも上方において、当該上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部から建物1の屋内側に向けて所定距離離れた部分に設置している。
【0153】
(構成-笠木-取付部-取付方法について)
また、取付対象50を取付部410に取り付ける取付方法については、取付対象50を取付部410に対して固定具(例えば、ビス等)によって固定することにより、取り付けている。具体的には、取付対象50の導体支持部52を取付部410の第1取付片411に対して固定具によって固定することにより、取り付けている。
【0154】
(構成-笠木-取付部-形成方法について)
また、取付部410の形成方法については、本体部20と取付部410とを別体に形成している。この場合には、上記別体に形成された後に、取付部410は本体部20に対して溶接によって接続される。
【0155】
これにより、本体部20と取付部410とを一体形成する場合に比べて、本体部20を簡易に構成でき、本体部20の製造性を高めることができる。
【0156】
以上のような笠木400により、取付対象50の取付性を高めることができ、ユーザのニーズに応じた笠木400の設置が行いやすくなる。
【0157】
(笠木の施工方法)
続いて、笠木400の施工方法について説明する。実施の形態5に係る笠木400の施工方法は、実施の形態1に係る笠木10の施工方法と略同様に行われる。
【0158】
(実施の形態5の効果)
このように実施の形態5によれば、本体部20と取付部410とを別体に形成したので、本体部20と取付部410とを一体形成する場合に比べて、本体部20を簡易に構成でき、本体部20の製造性を高めることができる。
【0159】
〔実施の形態6〕
次に、実施の形態6に係る笠木について説明する。この実施の形態6は、取付対象を取付部に対して溶接で固定する形態である。ただし、この実施の形態6の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態3の構成と略同一であり、実施の形態3の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態3で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0160】
(構成-建物の躯体)
最初に、実施の形態6に係る躯体2の構成について説明する。実施の形態6に係る躯体2は、実施の形態3に係る躯体2と同一に構成されている。
【0161】
(構成-笠木)
次に、実施の形態6に係る笠木500の構成について説明する。
図7は、実施の形態6に係る笠木500の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
図8は、実施の形態6に係る本体部20及び取付部510の製造材料となる後述の鋼材520を示す平面図である。
【0162】
実施の形態6に係る笠木500は、
図7に示すように、実施の形態3に係る笠木200とほぼ同様に構成されている。ただし、取付部510の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0163】
(構成-笠木-取付部)
次に、取付部510の構成の詳細について説明する。ただし、この取付部510は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0164】
実施の形態6では、取付部510は、例えば鋼製の板状体にて形成されており、
図7に示すように、本体部20に設けられている。
【0165】
また、取付部510の具体的な構成については取付対象50(具体的には、避雷導体)を本体部20よりも躯体2側とは反対側に向けて取り付けできる限り任意に構成できるが、実施の形態6では以下の通りに構成している。
【0166】
(構成-笠木-取付部-形状及び大きさについて)
すなわち、取付部510の側面形状については、略矩形状に設定しているが、これに限らず、例えば、略三角形状、略円形状、又は略楕円形状に設定してもよい。
【0167】
また、取付部510の前後方向の長さについては、取付対象50の前後方向の長さよりも長く又は略同一に設定している。また、取付部510の上下方向の長さについては、取付対象50の上下方向の長さよりも短く設定している。
【0168】
また、取付部510の厚さについては、
図7に示すように、実施の形態3に係る取付部510と略同様に、本体部20の厚さよりも厚く設定している。具体的には、取付対象50を取付部510に対して溶接可能な厚さに設定しており、例えば3mm程度に設定している。
【0169】
(構成-笠木-取付部-設置方法について)
また、取付部510の設置方法については、
図7に示すように、実施の形態3に係る取付部210と略同様に、上側本体片21よりも上方において、当該上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部から建物1の屋内側に向けて所定距離離れた部分に設置している。
【0170】
(構成-笠木-取付部-取付方法について)
また、取付対象50を取付部510に取り付ける取付方法については、実施の形態3に係る取付部210と略同様に、取付対象50を取付部510に対して溶接によって固定することにより、取り付けている。具体的には、取付対象50の導体支持部52を取付部510の側面に当接した状態で取付部510に対して溶接することにより、取り付けている。
【0171】
(構成-笠木-取付部-形成方法について)
また、取付部510の形成方法については、本体部20と取付部510とを一体形成している。具体的には、
図8に示す板状の鋼材520を折り曲げ成形することにより形成しており、特に、取付部510を、本体部20の一部を折り曲げることにより形成している。
【0172】
このような形成により、例えば、本体部20の製造時に生じた残部を折り曲げることにより取付部510を形成でき、製造材料を無駄なく有効活用でき、笠木500の製造コストを低減できる。
【0173】
以上のような笠木500により、実施の形態3に係る笠木200と略同様に、取付対象50の取付性を高めることができ、ユーザのニーズに応じた笠木の設置が行いやすくなる。
【0174】
(笠木の施工方法)
続いて、笠木500の施工方法について説明する。実施の形態6に係る笠木500の施工方法は、実施の形態3に係る笠木200の施工方法と略同様に行われる。
【0175】
(実施の形態6の効果)
このように実施の形態6によれば、取付部510を、本体部20の一部を折り曲げることにより形成したので、例えば、本体部20の製造時に生じた残部を折り曲げることにより取付部510を形成でき、製造材料を無駄なく有効活用でき、笠木500の製造コストを低減できる。
【0176】
〔実施の形態7〕
次に、実施の形態7に係る笠木について説明する。この実施の形態7は、取付部が取付部本体、第1突出部、及び第2突出部を備えた形態である。ただし、この実施の形態7の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0177】
(構成-建物の躯体)
最初に、実施の形態7に係る躯体2の構成について説明する。実施の形態7に係る躯体2は、実施の形態1に係る躯体2と同一に構成されている。
【0178】
(構成-笠木)
次に、実施の形態7に係る笠木600の構成について説明する。
図9は、実施の形態7に係る笠木600の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【0179】
実施の形態7に係る笠木600は、
図9に示すように、実施の形態1に係る笠木10とほぼ同様に構成されている。ただし、取付部610の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0180】
(構成-笠木-取付部)
次に、取付部610の構成の詳細について説明する。ただし、この取付部610は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0181】
実施の形態7では、取付部610は、例えば鋼製の板状体にて形成されており、
図9に示すように、本体部20に設けられている。
【0182】
また、取付部610の具体的な構成については取付対象50(具体的には、避雷導体)を本体部20よりも躯体2側とは反対側に向けて取り付けでき、且つ雪庇の発生を抑制できる限り任意に構成できるが、実施の形態7では以下の通りに構成している。
【0183】
(構成-笠木-取付部-形状及び大きさについて)
すなわち、取付部610のY-Z平面に沿った側面形状については、略逆U字状に設定している。この場合において、取付部610の構成の詳細については、
図9に示すように、取付部本体611、第1突出部612、及び第2突出部613を備えており、これらが一体形成されている。
【0184】
このうち、取付部本体611は、取付対象50が取り付けられる板状体であり、本体部20の上方に設けられており、具体的には、
図9に示すように、上側本体片21と相互に間隔を隔てて略水平に配置されている。また、第1突出部612は、取付部本体611を支持する板状体であり、取付部本体611における建物1の屋外側の端部から本体部20と当接するように張り出されている。また、第2突出部613は、取付部本体611を支持する板状体であり、取付部本体611における建物1の屋内側の端部から本体部20と当接するように張り出されている。
【0185】
また、取付部610の左右方向の長さについては、上側本体片21の左右方向の長さと略同一に設定している。また、取付部610の前後方向の長さについては、上側本体片21の前後方向の長さよりも短く、且つ取付対象50の前後方向の長さよりも長く設定している。また、取付部610の上下方向の長さについては、取付対象50の上下方向の長さよりも長く設定しているが、これに限らず、例えば、取付対象50の上下方向の長さよりも短く又は略同一に設定してもよい。
【0186】
また、取付部610の厚さについては、
図9に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、本体部20の厚さよりも厚く設定している。具体的には、取付部本体611に対して固定具を接続可能な厚さに設定しており、例えば3mm程度に設定している。
【0187】
(構成-笠木-取付部-設置方法について)
また、取付部610の設置方法については、
図9に示すように、上側本体片21よりも上方において、当該上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部から建物1の屋内側に向けて所定距離離れた部分に設置している。
【0188】
このような設置により、取付対象50を正常に機能させることができることに加えて、取付部610によって雪庇の発生を抑制でき、雪庇による被害を回避しやすくなる。
【0189】
(構成-笠木-取付部-取付方法について)
また、取付対象50を取付部610に取り付ける取付方法については、取付対象50を取付部610に対して固定具(例えば、ビス等)によって固定することにより、取り付けている。具体的には、取付対象50の導体支持部52を取付部610の取付部本体611に対して固定具によって固定することにより、取り付けている。
【0190】
(構成-笠木-取付部-形成方法について)
また、取付部610の形成方法については、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、本体部20と取付部610とを一体形成している。
【0191】
以上のような笠木600により、実施の形態1に係る笠木10と略同様に、取付対象50の取付性を高めることができ、ユーザのニーズに応じた笠木600の設置が行いやすくなる。
【0192】
(笠木の施工方法)
続いて、笠木600の施工方法について説明する。実施の形態7に係る笠木600の施工方法は、実施の形態1に係る笠木10の施工方法と略同様に行われる。
【0193】
(実施の形態7の効果)
このように実施の形態7によれば、取付部610が、本体部20の上方に設けられた略板状の取付部本体611であって、取付対象50が取り付けられる取付部本体611と、取付部本体611における建物1の屋外側の端部から本体部20と当接するように張り出された略板状の第1突出部612と、取付部本体611における建物1の屋内側の端部から本体部20と当接するように張り出された略板状の第2突出部613と、を備えるので、例えば、取付部610によって雪庇の発生を抑制でき、雪庇による被害を回避しやすくなる。
【0194】
〔実施の形態8〕
次に、実施の形態8に係る笠木について説明する。この実施の形態8は、貯め部及び水抜き孔を備える形態である。ただし、この実施の形態8の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態3の構成と略同一であり、実施の形態3の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態3で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0195】
(構成-建物の躯体)
最初に、実施の形態8に係る躯体2の構成について説明する。実施の形態8に係る躯体2は、実施の形態3に係る躯体2と同一に構成されている。
【0196】
(構成-笠木)
次に、実施の形態8に係る笠木700の構成について説明する。
図10は、実施の形態8に係る笠木700の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【0197】
実施の形態8に係る笠木700は、
図10に示すように、躯体2に設けられており、本体部20、支持部30、取付部710、貯め部720、及び水抜き孔(図示省略)を備えている。
【0198】
(構成-笠木-本体部、支持部、取付部)
実施の形態8に係る本体部20、支持部30、及び取付部710は、
図10に示すように、実施の形態3に係る本体部20、支持部30、及び取付部210とほぼ同様に構成されている。
【0199】
(構成-笠木-貯め部)
貯め部720は、取付部710周辺からの漏水を貯めるためのものである。この貯め部720は、例えば鋼製の筒状体にて形成されており、本体部20と支持部30との相互間に設けられており、具体的には、
図10に示すように、当該相互間の建物1の屋外側であり、且つ取付対象50に対応するように配置されている。
【0200】
また、この貯め部720の具体的な構成については任意であるが、実施の形態8では以下の通りに設定している。
【0201】
すなわち、貯め部720のY-Z平面に沿った側面形状については、略三角形環状に設定しているが、これに限らず、例えば、略矩形環状又は略円環状に設定してもよい。
【0202】
また、貯め部720の左右方向の長さについては、上側本体片21の左右方向の長さと略同一に設定しているが、これに限らず、例えば、上側本体片21の左右方向の長さよりも短く設定してもよい。また、貯め部720の前後方向の長さについては、上側本体片21の前後方向の長さよりも短く設定しているまた、貯め部720の上下方向の長さについては、上側本体片21の上下方向の長さよりも短く設定している。また、貯め部720の厚さについては、
図10に示すように、取付部710の厚さと略同一に設定している。
【0203】
また、貯め部720の形成方法については、
図10に示すように、貯め部720と本体部20とを一体形成しており、具体的には、上側本体片21、屋外側本体片22、及び傾斜片721とによって上記漏水を貯める空洞部722が囲繞されるように、形成している。ただし、これに限らず、例えば、貯め部720と本体部20とを別体に形成してもよい。
【0204】
(構成-笠木-水抜き孔)
水抜き孔は、貯め部720に貯められた漏水を笠木700の外側に向けて放出するための貫通孔である。この水抜き孔は、貯め部720に設けられており、具体的には、貯め部720を構成する屋外側本体片22の下端部又はその近傍に少なくとも1つ以上設けられている。
【0205】
以上のような笠木700により、実施の形態3に係る笠木200の効果に加えて、取付部710周辺からの漏水を一時的に貯め、且つ笠木700の外側に向けて放出でき、上記漏水による躯体2の被害を回避しやすくなる。
【0206】
(笠木の施工方法)
続いて、笠木700の施工方法について説明する。実施の形態8に係る笠木700の施工方法は、実施の形態3に係る笠木200の施工方法と略同様に行われる。
【0207】
(実施の形態8の効果)
このように実施の形態8によれば、本体部20に取付部710に対応する部分に設けられた貯め部720であって、取付部710周辺からの漏水を貯めるための貯め部720と、貯め部720に設けられた水抜き孔であって、貯め部720に貯められた漏水を笠木700の外側に向けて放出するための水抜き孔と、を備えるので、取付部710周辺からの漏水を一時的に貯め、且つ笠木700の外側に向けて放出でき、漏水による躯体2の被害を回避しやすくなる。
【0208】
〔実施の形態9〕
次に、実施の形態9に係る笠木について説明する。この実施の形態9は、取付対象が防鳥設備である形態である。ただし、この実施の形態9の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0209】
(構成-建物の躯体)
最初に、実施の形態9に係る躯体2の構成について説明する。実施の形態9に係る躯体2は、実施の形態1に係る躯体2と同一に構成されている。
【0210】
(構成-笠木)
次に、実施の形態9に係る笠木800の構成について説明する。
図11は、実施の形態9に係る笠木800の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【0211】
実施の形態9に係る笠木800は、
図11に示すように、実施の形態1に係る笠木10とほぼ同様に構成されている。ただし、取付部810の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0212】
(構成-笠木-取付部)
次に、取付部810の構成の詳細について説明する。ただし、この取付部810は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0213】
実施の形態9では、取付部810は、例えば鋼製の板状体にて形成されており、
図11に示すように、本体部20に設けられている。
【0214】
また、取付部810の具体的な構成については取付対象820(具体的には、防鳥設備であり、且つ流体(気体、液体)が流れる流路)を本体部20よりも躯体2側とは反対側に向けて取り付けできる限り任意に構成できるが、実施の形態9では以下の通りに構成している。
【0215】
(構成-笠木-取付部-形状及び大きさについて)
すなわち、取付部810のY-Z平面に沿った側面形状については、略凹状に設定しているが、これに限らず、例えば、略矩形環状又は略円環状に設定してもよい。
【0216】
また、取付部810の左右方向の長さについては、上側本体片21の左右方向の長さと略同一に設定している。また、取付部810の前後方向の長さについては、上側本体片21の前後方向の長さと略同一に設定している。また、取付部810の上下方向の長さについては、上側本体片21の上下方向の長さよりも短く設定している。
【0217】
また、取付部810の厚さについては、
図11に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、本体部20の厚さよりも厚く設定している。具体的には、取付対象820を補強可能な厚さに設定しており、例えば3mm程度に設定している。
【0218】
(構成-笠木-取付部-設置方法について)
また、取付部810の設置方法については、
図11に示すように、実施の形態1に係る取付部40と略同様に、上側本体片21よりも上方において、当該上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部から建物1の屋内側に向けて所定距離離れた部分に設置している。
【0219】
(構成-笠木-取付部-形成方法について)
また、取付部810の形成方法については、本体部20、取付部810、及び取付対象820の一部(具体的には、防鳥設備の流路821)とを一体形成しており、具体的には、鋼材を押出成形することにより、形成している。
なお、実施の形態9では、取付対象820の他の一部(具体的には、気体を外部に吹き出し可能な吹出口(図示省略)を有する流路821の蓋部822)が、取付部810の上端を塞ぐように配置され、取付部810に対して固定具等によって固定されている。
【0220】
これにより、上記流路821と取付部810とを別体に形成する場合に比べて、上記流路821と取付部810とを接続する手間を省略でき、且つ取付部810によって上記流路821を補強でき、上記流路821の設置性を高めることができる。さらに、上記流路821にて搬送された気体を吹出口を介して外部に噴射させることができ、防鳥設備として機能させることができる。
【0221】
ただし、これに限らず、例えば、本体部20、取付部810、及び取付対象820の一部とを別体に形成して、これらを固定具又は溶接等によって接続してもよい。
【0222】
以上のような笠木800により、取付対象820の取付性を高めることができ、ユーザのニーズに応じた笠木800の設置が行いやすくなる。また、防鳥設備を効果的に機能させることが可能な位置に配置でき、防鳥設備の取付性を高めることができる。
【0223】
(笠木の施工方法)
続いて、笠木800の施工方法について説明する。実施の形態9に係る笠木800の施工方法は、第1設置工程、第2設置工程、及び取付工程を含んでいる。なお、実施の形態9に係る第1設置工程及び第2設置工程は、実施の形態1に係る第1設置工程及び第2設置工程と略同一に行われるので、以下ではその説明を省略する。
【0224】
(笠木の施工方法-取付工程)
次に、取付工程について説明する。取付工程においては、具体的には、取付対象820の蓋部822を取付部810の上端を塞ぐように配置して、取付部810に対して固定具等によって固定することにより、取付対象820を取付部810に取り付ける。
【0225】
以上のような施工方法により、笠木800を簡易に施工でき、上記従来技術と略同様の笠木800の施工性を確保できる。
【0226】
(実施の形態9の効果)
このように実施の形態9によれば、取付対象820が、防鳥設備であるので、防鳥設備を効果的に機能させることが可能な位置に配置でき、防鳥設備の取付性を高めることができる。
【0227】
また、取付対象820が、流体が流れる流路821であり、流路821と取付部810とを、一体形成したので、流路821と取付部810とを別体に形成する場合に比べて、流路821と取付部810とを接続する手間を省略でき、且つ取付部810によって流路821を補強でき、流路821の設置性を高めることができる。
【0228】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0229】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0230】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0231】
(笠木について)
上記実施の形態1から9では、笠木が、支持部30を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、支持部30を省略して、本体部20を躯体2に対して固定具等によって直接固定してもよい。この場合には、笠木の施工方法において、第1設置工程を省略できる。
【0232】
また、上記実施の形態8に係る笠木700が、貯め部720及び水抜き孔を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、他の実施の形態に係る笠木(一例として、実施の形態1に係る笠木10等)が、貯め部720及び水抜き孔を備えてもよい。
【0233】
(本体部について)
上記実施の形態1から9では、本体部20が、屋外側本体片22及び屋内側本体片23を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、屋外側本体片22又は屋内側本体片23を省略してもよい。
【0234】
また、上記実施の形態1から9では、上側本体片21が傾斜状に形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、平坦状に形成されてもよい。
【0235】
(支持部について)
上記実施の形態1から9では、支持部本体31が、屋外側支持片31b及び屋内側支持片31cを備えていると説明したが、これに限らず、例えば、屋外側支持片31b又は屋内側支持片31cを省略してもよい。
【0236】
また、上記実施の形態1から9では、当接部32の設置数が3つであると説明したが、これに限らず、例えば、3つ未満であってもよく、又は4つ以上であってもよい。
【0237】
(取付部について)
上記実施の形態1では、取付部40の側面形状が略逆L字状に設定していると説明したが、これに限らず、例えば、略コ字状、環状体(一例として、矩形環状、円環状、楕円環状)等にて設定してもよい。
【0238】
また、上記実施の形態1から9では、取付部が、上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部から建物1の屋内側に向けて所定距離離れた部分に設置されていると説明したが、これに限らず、例えば、上側本体片21の部分のうち建物1の屋外側の端部に設けてもよい。
【0239】
(取付対象について)
上記実施の形態1から8に係る取付対象50が、避雷導体であると説明したが、これに限らず、例えば、避雷導体以外のもの(一例として、防鳥設備、又は防鳥設備以外の流路等)であってもよい。
【0240】
また、上記実施の形態9に係る取付対象820が、防鳥設備であり、且つ流体が流れる流路821であると説明したが、これに限らず、例えば、防鳥設備以外の流路(一例として、排水管等)であってもよい。この場合には、この流路が管状体にて形成されてもよい。
【0241】
(付記)
付記1の笠木は、建物の躯体に設置される笠木であって、前記躯体の少なくとも上面の一部を略覆うように設けられる本体部と、前記本体部に設けられる取付部であって、取付対象を前記本体部よりも前記躯体側とは反対側に向けて取り付け可能な取付部と、を備え、前記取付部の厚さを前記本体部の厚さよりも厚くした。
【0242】
付記2の笠木は、付記1に記載の笠木において、前記取付部を、前記本体部の部分のうち前記建物の屋外側の端部又はその近傍部分に配置した。
【0243】
付記3の笠木は、付記2に記載の笠木において、前記取付部は、前記本体部の上方に設けられた略板状の取付部本体であって、前記取付対象が取り付けられる取付部本体と、前記取付部本体における前記建物の屋外側の端部から前記本体部と当接するように張り出された略板状の第1突出部と、前記取付部本体における前記建物の屋内側の端部から前記本体部と当接するように張り出された略板状の第2突出部と、を備える。
【0244】
付記4の笠木は、付記2又は3に記載の笠木において、前記取付対象は、防鳥設備又は避雷導体である。
【0245】
付記5の笠木は、付記1から3のいずれかに記載の笠木において、前記取付対象は、流体が流れる流路であり、前記流路と前記取付部とを、一体形成した。
【0246】
付記6の笠木は、付記1から5のいずれか一項に記載の笠木において、前記本体部と前記取付部とを、一体形成した。
【0247】
付記7の笠木は、付記6に記載の笠木において、前記取付部を、前記本体部の一部を折り曲げることにより形成した。
【0248】
付記8の笠木は、付記1から7のいずれか一項に記載の笠木において、前記本体部に前記取付部に対応する部分に設けられた貯め部であって、前記取付部周辺からの漏水を貯めるための貯め部と、前記貯め部に設けられた水抜き孔であって、前記貯め部に貯められた漏水を当該笠木の外側に向けて放出するための水抜き孔と、を備える。
【0249】
(付記の効果)
付記1に記載の笠木によれば、取付部の厚さを本体部の厚さよりも厚くしたので、従来技術(取付部の厚さが本体部の厚さと同じ技術)に比べて、笠木の設置コストを抑制しながら、取付対象の取付性を高めることができる。また、取付対象を様々な固定方法(例えば、ネジ固定、溶接固定、嵌合固定、螺合固定等)で取り付けやすくなるため、状況(具体的には、設置状況、施工状況等)に応じた取付対象の取付を行うことができる。
【0250】
付記2に記載の笠木によれば、取付部を、本体部の部分のうち建物の屋外側の端部又はその近傍部分に配置したので、本体部の部分のうち建物の屋外側の端部又はその近傍部分において機能を発揮できる取付対象を適切な位置に配置でき、取付対象を正常に機能させることができる。
【0251】
付記3に記載の笠木によれば、取付部が、本体部の上方に設けられた略板状の取付部本体であって、取付対象が取り付けられる取付部本体と、取付部本体における建物の屋外側の端部から本体部と当接するように張り出された略板状の第1突出部と、取付部本体における建物の屋内側の端部から本体部と当接するように張り出された略板状の第2突出部と、を備えるので、例えば、取付部によって雪庇の発生を抑制でき、雪庇による被害を回避しやすくなる。
【0252】
付記4に記載の笠木によれば、取付対象が、防鳥設備又は避雷導体であるので、防鳥設備又は避雷導体を効果的に機能させることが可能な位置に配置でき、防鳥設備又は避雷導体の取付性を高めることができる。
【0253】
付記5に記載の笠木によれば、取付対象が、流体が流れる流路であり、流路と取付部とを、一体形成したので、流路と取付部とを別体に形成する場合に比べて、流路と取付部とを接続する手間を省略でき、且つ取付部によって流路を補強でき、流路の設置性を高めることができる。
【0254】
付記6に記載の笠木によれば、本体部と取付部とを、一体形成したので、本体部と取付部とを別体に形成する場合に比べて、本体部と取付部とを接続する手間を省略でき、笠木の製造性を高めやすくなる。
【0255】
付記7に記載の笠木によれば、取付部を、本体部の一部を折り曲げることにより形成したので、例えば、本体部の製造時に生じた残部を折り曲げることにより取付部を形成でき、製造材料を無駄なく有効活用でき、笠木の製造コストを低減できる。
【0256】
付記8に記載の笠木によれば、本体部に取付部に対応する部分に設けられた貯め部であって、取付部周辺からの漏水を貯めるための貯め部と、貯め部に設けられた水抜き孔であって、貯め部に貯められた漏水を当該笠木の外側に向けて放出するための水抜き孔と、を備えるので、取付部周辺からの漏水を一時的に貯め、且つ笠木の外側に向けて放出でき、漏水による躯体の被害を回避しやすくなる。
【符号の説明】
【0257】
1 建物
2 躯体
3 屋上部
10 笠木
20 本体部
21 上側本体片
22 屋外側本体片
23 屋内側本体片
24 屋外側係合部
25 屋内側係合部
30 支持部
31 支持部本体
31a 上側支持片
31b 屋外側支持片
31c 屋内側支持片
32 当接部
32a 本体側当接片
32b 支持側当接片
33 支持用固定具
40 取付部
41 対象側取付片
42 本体側取付片
50 取付対象
51 導体本体部
52 導体支持部
100 笠木
110 取付部
200 笠木
210 取付部
300 笠木
310 取付部
311 第1起立片
312 第2起立片
400 笠木
410 取付部
411 第1取付片
412 第2取付片
413 第3取付片
500 笠木
510 取付部
520 鋼材
600 笠木
610 取付部
611 取付部本体
612 第1突出部
613 第2突出部
700 笠木
710 取付部
720 貯め部
721 傾斜片
722 空洞部
800 笠木
810 取付部
820 取付対象
821 流路
822 蓋部