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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】膝載せ柔軟シート
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/06 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A41D13/06
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020113502
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021008702
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2019134109
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593208083
【氏名又は名称】岡野 戸仁子
(72)【発明者】
【氏名】岡野 戸仁子
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-273075(JP,A)
【文献】特開2003-116694(JP,A)
【文献】実開平06-012421(JP,U)
【文献】登録実用新案第3115319(JP,U)
【文献】米国特許第5283909(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/00-13/12
A47G 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚を折り曲げて繋がったわ状箇所を上端側に有した二枚状の概略形状が長方形の柔軟シートがあり、前記柔軟シートの、上端並びに底辺部に直交する中心ラインの任意の箇所で前記二枚を接合し、且つ前記中心ラインから任意の左、右位置の縦ライン箇所と、下方位置の底辺部又は底辺部に平行な横ライン箇所で柔軟シートの上、下の二枚を接合して大袋を設け、二枚目シートの表側であって、一枚目シートと二枚目シートの間に前面箇所と二箇所の側面箇所と底面箇所で成る、上方が開口する受け部を設け、前記中心ラインにおける中ほどの対称位置に、二か所の腕の挿入可能な腕のストッパーとなり得る大きさと位置で、一枚目シート又は二枚目シートの受け部より上側に切り口を設けたことを特徴とする膝載せ柔軟シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
腕の固定や保温をする膝載せ柔軟シートに関する。
【背景技術】
【先行技術文献】
【0002】
カイロ内蔵での検索では0件、カイロ付で5件表示された。
ひざ掛け+発熱体での検索で4件表示された。
【文献】特願2018-038616
【文献】特願2005-290651
【文献】特願2010-059576
【文献】実登3023445
文献1については、加温機能付き使い捨て製品の発明である。
文献2については、カイロ付パンツの発明である。
文献3については、遠赤外線を放射するひざ掛けの発明である。
文献4については、温熱クッションの発明である。
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
次のような問題点があった。
・従来の電気ひざ掛けでは、長いコードや重い発熱用機材付なので使いにくかった。
・コードが椅子に絡まり易く危険だった。
・従来のひざ掛けでは、腕を保持する場所はなかった。
・カイロを下着等の、体に密着して付着するため、低温やけどの心配があった。
・長方形の繊維布のみでは膝に固定しづらかった。
・冬の電車で特に膝小僧に寒さを感じるが、電気温熱材は使用しにくかった。
【発明を解決するための手段】
【0005】
一辺側を上端とする多角形の柔軟シートが重なり、前記柔軟シートの上面側の中ほどに、表、裏を貫通する切り口を設けるか、中ほどを分離状にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
イ) 発熱用機材が不要になった。
ロ) 粘着機能付カイロでも、貼付不能カイロでも、ひざ掛けに固着することが出来る ようになった。
ハ) 膝小僧辺りに温熱カイロを固定することが出来るようになった。
ニ) ひざ掛けが体に密着出來、外れにくくなった。
ホ) 洋服外部よりピンポイントで体を温められるようになった。
ヘ) カイロの付着や取り外しが簡単に出来るようになった。
ト) ひざ掛けを着用したまま、カイロの交換ができるようになった。
チ) ポケットの中で手を組んだり、貴重品や見せたくない物をカバー内で持つことが できるようになった。
リ) 腕が保持出来、温められるようにもなり、手袋が不要になった。
ヌ) 切り口の両端箇所が腕のストッパーとなり、腕から力を抜くことが出来て楽にな った。
ル) 温かい座布団として使用できるようになった。
ヲ) 湯たんぽ、抱き枕としての使用が可能になった。
ワ) 膝かけがずり落ちなくなった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 平面図である。
図2】 平面図である。
図3】 斜視図、平面図、拡大図である。
図4】 平面図である。
図5】 平面図である。
図6】 使用図である。
図7】 使用図である。
図8】 使用図である。
図9】 使用図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
柔軟なシートを使用し、本体部分を柔軟シートと称す。柔軟シートの周囲の波状ライン(6)は、緩みか当箇所が分離していること、また幅が選択範囲にあることの意味を兼用する。波状ラインの内側の二本の直線(7)は膝上に載る横幅の目安範囲を示し、この直線間をカバー部(8)と称す。以後、波状ライン箇所を描画しない場合がある。
幾重かで成る場合もあるが、主に上側の一枚目シート(1)と下側の二枚目シート(12)の二枚で説明する。一枚を折り曲げる、又は二枚を重ねる場合が有り、どちらにしても一枚目シート側の表、裏と二枚目シート側の表、裏が有り、少なくとも四か所の面を有する。
切り口(5)が柔軟シートを貫通するため、必然的に切り口は、一枚目シートの表側(2)と一枚目シートの裏側(3)の二か所に生じることになる。
中心ライン(15)の形状については、一本線から任意の幅の帯体状まで含めたもので、当位置で上、下の二枚の柔軟シートを必要に応じて接合する。
【0009】
概略形状が主として長方形の柔軟シートを使用する。
図1図5を用いて構造を説明する。
図1で一枚目シート(1)のみの場合で説明する。一枚目シートの表側(2)と一枚目シートの裏側(3)があり、左端を上端(4)として図示する。この方向については以下の図3図4図6も同様である。aは横一字状の切り口(5)を有し、上端形状が直線の場合である。周囲に波状ライン(6)があり、波状ラインの内側に二本の直線(7)間のカバー部(8)がある。bはaの変形で二箇所の切り口を有し、上端の中側をカーブ状にした場合である。
図2で一枚目シートと二枚目シート(12)で二重にする場合の展開図を説明する。
輪状(11)にした上端位置で折り曲げ完全に重ねると、前図1bと類似する。一文字状の切り口の中間に、テープ(9)や留め具(10)を用いて、切り口を縦方向の中心ライン(15)を対象軸にして、二か所に分離する。見える側を裏とすると、見える側は一枚目と二枚目シートの裏側(14)で、見えない側は一枚目、二枚目シートの表側(13)である。中心ラインを破線で示したが、中心ライン箇所を、必要に応じて縫合する。
一枚目シートを上側と下側に切り分けてから切り口以外を接合する場合が有り、この場合はテープを前記に加え左、右にも設ける等の、上、下を止め合わせる方法もある。
【0010】
図3aは、図2の状態を折り曲げかけている斜視図で、二枚目シート(12)の裏側(14)が見える。bは切り口(5)の形状をイは凹カーブ状に、口は凸カーブ状にした場合である。cはハ状の斜めの直線の切り口に半円状の手カバー(16)を取り付けた場合の拡大図である。直線箇所は切り口で、手カバーとの接合ラインである。柔軟シートは柔らかい性質のものなので、切り口の手カバーや縁取りが必要である。縁取りの図示は省略する。
図4は折り曲げた位置を上端(4)として、二枚重ねの柔軟シートの中心ライン(15)と、二本の直線(7)箇所または左、右のラインと、落下止め(27)箇所または上端に平行なラインで、上、下のシートを接合して大袋(40)を設けた場合である。
図5は二枚目シートに前面箇所(19)と二箇所の側面箇所(18)と底面箇所(21)で成る受け部(20)を、切り口を有さない面側を後面部として、当後面部のカバー部内に設けた図である。上端に近い方を受け部の挿入口(17)側とする。一つの受け部に中心ラインを設けたり、二段目を設けたりして、受け部の挿入口数を増やしても良い。メッシュや軽めの生地を使用する。大袋内に受け部を設けてもよい。
【0011】
図6は折り曲げ途中の使用図で、便宜的に本体の上方から腹部(22)と腕部(23)と膝部(24)に区分けして、使い方を説明する。本体は足元まで届く長さが望ましい。温熱材や発熱材の総称をカイロと称し、粘着不可カイロ(25)、粘着可能カイロ(26)の両タイプの場合について説明する。
aは一枚目シートの裏側(3)に受け部(20)を二段分設け、粘着不可カイロを挿入し、bは二本の直線(7)や二本の直線より狭い位置の左部ライン(28)や右部ライン(29)と落下留め(27)等で上、下二枚を接合してはみだしや落下に備え、二枚目シート(12)の裏側に数個の粘着可能カイロを添付したものである。
図7は使用中の全体図である。
aは装着状態で、手で作業をしない時には、手から腕を切り口から大袋(40)へ入れる。この時、力を抜いても切り口の左、右端部がストッパーとなって手が固定できる。そのためにも切り口の縁かがりを柔らかめに且つ強めにする必要がある。長さ調節は腹部を縮めて行う。
bは扁平箇所(30)を設けた場合のセット前で、上端(4)位置を腹部と合わせると共に本体の左、右端部を脚の裏側に差し込み膝を包んだ状態である。
cは左、右の扁平箇所を膝下か臀部の下に差し込んだ状態である。扁平箇所については面テープ等で着脱可能に接合するか、初めからその分を本体に突き出して縫い付けることもできる。但し、差し込んだ手の重さが本体の落下防止をするので、偏平箇所の有無は選択範囲となる。
【0012】
図8図9の使用図より、その他の作り方や使い方を挙げる。
図8aは前掛け状に着脱可能な面テープ(31)を設けて腰に巻いて固定し、その後、立ち仕事に移るか腰を掛けて机上作業をする。左右の上端側を延長して、腰に当たる箇所にカイロの挿入可能な場所を新たに設ける。本体の裾の左、右箇所端部に裾上げ箇所(32)として角を除いて設けても良い。
bは肩掛けとして装着しようとする場合の後側からの装着途中状態である。上端側に、腕通し用のたすきや袖部(33)を設けても良い。
【0013】
図9で、腕保持部に関する別型の説明と全体の補足説明をする。
aは図4に類する疑似的な大袋(40)状にし、別シートを付け加えて半楕円状か、使用時に半楕円状になる上向き挿入口(34)を設けた場合の使用状態である。
bは半透明状の使用図である。上向き挿入口と側面部(35)と底面部上段(36)と底面部下段(37)と、その間に有する穴や弁や仕切り等の付属部(38)を示す。底面部上段の有無は選択である。
cは襞状に折りたたんで腕保持部(39)を設けた場合で、底面部下段位置を破線で示す。左右の側辺部箇所としては必要十分な場所で一枚目や二枚目シートの面等に接合する。
使い方は、腕保持部の挿入口から腕を挿入する。カイロや持ち物を底面部上段の穴か弁の隙間から差し込む。
その他を補足する。
切り口(5)の縁取りをする。また別具として前図3cの手カバー(16)を用意し、面テープで切り口下側に留める。それによって切り口が強化される。その他、腕を保持するために十分な切り口並びに切り口端部の補強を行うとより良い。
別の使い方を挙げる。
カイロを挿入して、掛布団として使用可能であり、また座布団として使用したい場合は、適度な大きさに折り畳んで臀部下に敷く。後面側を表側にして巻き、湯たんぽ代わりにする。包布を用意しくるんで形を整える。包布がぬいぐるみ形状であっても良い。
【符号の説明】
【0014】
1 一枚目シート 2 一枚目シートの表側 3 一枚目シートの裏側
4 上端 5 切り口 6 波状ライン
7 二本の直線 8 カバー部 9 テープ
10 留め具 11 輪状 12 二枚目シート
13 二枚目シートの表側 14 二枚目シートの裏側 15 中心ライン
16 手カバー 17 挿入口 18 側面箇所
19 前面箇所 20 受け部 21 底面箇所
22 腹部 23 腕部 24 膝部
25 粘着不可カイロ 26 粘着可能カイロ 27 落下止め
28 左部ライン 29 右部ライン 30 扁平箇所
31 面テープ 32 裾上げ箇所 33 たすきや袖
34 上向き挿入口 35 側面部 36 底面部上段
37 底面部下段 38 付属部 39 腕保持部
40 大袋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9