IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

特許7482712加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム
<>
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図1
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図2
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図3
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図4
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図5
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図6
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図7
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図8
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図9
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図10
  • 特許-加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/00 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
F24C3/00 L
F24C3/00 H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020133330
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2022029813
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 宏直
(72)【発明者】
【氏名】上野 貴大
(72)【発明者】
【氏名】森口 誠治
(72)【発明者】
【氏名】山田 康雅
(72)【発明者】
【氏名】水野 達彦
(72)【発明者】
【氏名】寺林 義史
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-022127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0161835(US,A1)
【文献】特開2019-185630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作する加熱機器と、前記加熱機器と通信可能に構成されており、表示部を有する外部端末と、を備えている加熱機器管理システムであって、
前記加熱機器は、
被加熱物を加熱する加熱部と、
前記加熱部を制御する機器側制御部と、
前記ユーザの前記外部端末に対して、前記加熱部に関する情報を送信する機器側送信部と、
前記外部端末から、前記加熱部に関する情報に対する前記ユーザの応答を受信する機器側受信部と、
前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しているか否かを判定するユーザ存在判定部と、
を備えており、
前記機器側送信部は、前記加熱部の加熱中に前記ユーザ存在判定部が前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しないと判定した場合に、前記加熱部の加熱を停止するか否かについて前記ユーザが判定するための加熱停止判定通知を前記外部端末に送信し、
前記外部端末は、
前記加熱機器から前記加熱停止判定通知を受信する端末側受信部と、
前記端末側受信部が前記加熱停止判定通知を受信した場合に、前記表示部に加熱停止判定画面を表示する表示制御部であって、前記加熱停止判定画面は、前記加熱部の加熱を停止する判定を前記ユーザから受け付ける停止応答画像と、前記加熱部の加熱を継続する判定を前記ユーザから受け付ける継続応答画像と、を含む、前記表示制御部と、
前記表示制御部が前記加熱停止判定画面を前記表示部に表示した場合に、前記表示部に表示された前記加熱停止判定画面を介して、前記加熱部の加熱を停止するか否かについての判定を、前記ユーザに入力させる判定入力部と、
前記判定入力部に入力された前記ユーザの前記加熱部の加熱を停止するか否かについての判定を、前記ユーザによる応答として前記加熱機器に送信する端末側送信部と、
を備えており、
前記機器側制御部は、
前記機器側受信部が前記外部端末から受信した前記ユーザによる応答が、前記加熱部の加熱の停止の判定を含んでいる場合に、前記加熱部の加熱を停止し、
前記機器側受信部が前記外部端末から受信した前記ユーザによる応答が、前記加熱部の加熱の継続の判定を含んでいる場合に、前記加熱部の加熱を継続する、加熱機器管理システム。
【請求項2】
前記機器側制御部は、前記機器側送信部が前記外部端末に対して前記加熱停止判定通知を送信した後、所定のしきい値時間が経過しても前記機器側受信部が前記ユーザによる応答を受信しない場合に、前記加熱部の加熱を停止する、請求項1に記載の加熱機器管理システム。
【請求項3】
前記外部端末は、前記外部端末の現在の位置に関する情報である端末位置情報を取得する端末位置情報取得部をさらに備えており、
前記端末側送信部は、前記端末位置情報取得部が取得した前記端末位置情報を前記加熱機器に送信可能であり、
前記機器側受信部は、前記端末側送信部が送信した前記端末位置情報を受信可能であり、
前記ユーザ存在判定部は、前記機器側受信部が受信した前記端末位置情報に含まれている前記外部端末の位置と、前記加熱機器の現在の位置である基準位置と、を比較することで前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しているか否かを判定する、請求項1または2に記載の加熱機器管理システム。
【請求項4】
前記端末側送信部は、前記ユーザの前記外部端末を識別する情報である端末識別情報を、前記加熱機器に送信可能であり、
前記機器側受信部は、前記端末側送信部が送信した前記端末識別情報を受信可能であり、
前記加熱機器は、
前記外部端末から受信した前記端末識別情報を記憶するとともに、前記端末識別情報が記憶された時点で前記外部端末から受信している前記端末位置情報に含まれている前記外部端末の位置を、前記端末識別情報に関連付けて記憶する機器側記憶部をさらに備えており、
前記ユーザ存在判定部は、前記端末識別情報に関連付けて記憶されている前記外部端末の位置を利用して、前記基準位置設定する、請求項3に記載の加熱機器管理システム。
【請求項5】
前記加熱機器は、自身の位置に関する情報である機器位置情報を取得する機器位置情報取得部をさらに備えており、
前記ユーザ存在判定部は、前記機器位置情報取得部が取得した前記機器位置情報に含まれる前記加熱機器の位置を前記基準位置に設定する、請求項3に記載の加熱機器管理システム。
【請求項6】
前記外部端末は、所定の領域内に配置されている複数の機器との間で無線接続をすることができる接続装置であって、前記加熱機器との間で前記無線接続している接続装置と、前記無線接続をすることができるように構成されており、
前記ユーザ存在判定部は、
前記加熱機器が前記接続装置と前記無線接続されており、かつ前記外部端末が前記接続装置と前記無線接続されている場合に、前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在していると判定し、
前記加熱機器が前記接続装置と前記無線接続されており、かつ前記外部端末が前記接続装置と前記無線接続されていない場合に、前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在してないと判定する、請求項1または2に記載の加熱機器管理システム。
【請求項7】
前記加熱機器は、前記加熱機器が配置されている住宅における現在のエネルギー消費に関する情報である消費情報を計測する消費情報計測装置と通信可能であり、
前記機器側受信部は、さらに、前記消費情報計測装置から前記消費情報計測装置が計測した前記消費情報を受信可能であり、
前記ユーザ存在判定部は、前記機器側受信部が受信した前記消費情報に基づいて、前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しているか否かを判定する、請求項1または2に記載の加熱機器管理システム。
【請求項8】
ユーザが操作する加熱機器と通信可能に構成されており、表示部を有する外部端末のためのコンピュータプログラムであって、
前記加熱機器は、
被加熱物を加熱する加熱部と、
前記加熱部を制御する機器側制御部と、
前記ユーザの前記外部端末に対して、前記加熱部が加熱中であることを示す加熱中情報を送信する機器側送信部と、
前記外部端末から、前記加熱中情報に対する前記ユーザの応答を受信する機器側受信部と、
を備えており、
前記コンピュータプログラムは、
前記外部端末を、
前記機器側送信部から前記加熱中情報を受信する端末側受信部と、
前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しているか否かを判定するユーザ存在判定部と、
前記端末側受信部が前記加熱中情報を受信し、かつ、前記ユーザ存在判定部が前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しないと判定した場合に、前記表示部に加熱停止判定画面を表示する表示制御部であって、前記加熱停止判定画面は、前記加熱部の加熱を停止する判定を前記ユーザから受け付ける停止応答画像と、前記加熱部の加熱を継続する判定を前記ユーザから受け付ける継続応答画像と、を含む、前記表示制御部と、
前記表示制御部が前記加熱停止判定画面を前記表示部に表示した場合に、前記表示部に表示された前記加熱停止判定画面を介して、前記加熱部の加熱を停止するか否かについての判定を、前記ユーザに入力させる判定入力部と、
前記判定入力部に入力された前記ユーザの前記加熱部の加熱を停止するか否かについての判定を、前記ユーザによる応答として前記加熱機器に送信する端末側送信部と、
として機能させ、
前記機器側制御部は、
前記機器側受信部が前記外部端末から受信した前記ユーザによる応答が、前記加熱部の加熱の停止の判定を含んでいる場合に、前記加熱部の加熱を停止し、
前記機器側受信部が前記外部端末から受信した前記ユーザによる応答が、前記加熱部の加熱の継続の判定を含んでいる場合に、前記加熱部の加熱を継続する、コンピュータプログラム。
【請求項9】
前記外部端末は、前記加熱機器が配置されている住宅における現在のエネルギー消費に関する情報である消費情報を計測する消費情報計測装置と通信可能であり、
前記端末側受信部は、前記消費情報計測装置から前記消費情報計測装置が計測した前記消費情報をさらに受信し、
前記ユーザ存在判定部は、前記端末側受信部が受信した前記消費情報に基づいて、前記ユーザが前記加熱機器の近傍に存在しているか否かを判定する、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、加熱機器管理システムおよびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加熱機器の近傍にユーザが存在しているか否かを判定するユーザ存在判定部(特許文献1では、人体検出手段と称している)を備えている加熱機器が開示されている。特許文献1の加熱機器は、加熱機器の加熱中にユーザ存在判定部によってユーザが加熱機器の近傍に存在していないことを判定すると、一定時間経過後に加熱を停止する。これにより、特許文献1の加熱機器は、加熱機器の近傍にユーザが存在しない場合の安全性を確保する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平06-002840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱機器のユーザは、加熱機器の加熱中であっても、意図的に加熱機器から一時的に離れる場合がある。特許文献1の加熱機器では、このようなユーザが意図して加熱機器を離れた場合でも、加熱機器の加熱が停止される。特許文献1の加熱機器では、ユーザが意図して加熱機器を一時的に離れた場合であっても、加熱が中断されてしまう。そのため、ユーザは、加熱機器の近傍に戻った後に再び加熱機器の加熱を開始する必要がある。また、特許文献1の加熱機器では、実際にはユーザが加熱機器の近傍に存在するにもかかわらず、ユーザ存在判定部の誤検知によって加熱中の加熱機器の近傍にユーザが存在していないと判定される場合には、加熱が中断されてしまう。本明細書では、安全性を確保しつつ、利便性を向上させることができる加熱機器管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する加熱機器管理システムは、ユーザが操作する加熱機器と、前記加熱機器と通信可能に構成されており、表示部を有する外部端末と、を備えている。加熱機器は、加熱部と、機器側制御部と、機器側送信部と、機器側受信部と、ユーザ存在判定部と、を備えている。加熱部は、被加熱物を加熱する。機器側制御部は、前記加熱部を制御する。機器側送信部は、前記ユーザの前記外部端末に対して、前記加熱部に関する情報を送信する。機器側受信部は、前記外部端末から、前記加熱部に関する情報に対する前記ユーザの応答を受信する。ユーザ存在判定部は、前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しているか否かを判定する。前記機器側送信部は、前記加熱部の加熱中に前記ユーザ存在判定部が前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しないと判定した場合に、前記加熱部の加熱を停止するか否かについて前記ユーザが判定するための加熱停止判定通知を前記外部端末に送信する。前記外部端末は、端末側受信部と、表示制御部と、判定入力部と、端末側表示部と、端末側送信部と、を備えている。端末側受信部は、前記加熱機器から前記加熱停止判定通知を受信する。表示制御部は、前記端末側受信部が前記加熱停止判定通知を受信した場合に、前記表示部に加熱停止判定画面を表示し、前記加熱停止判定画面は、前記加熱部の加熱を停止する判定をユーザから受け付ける停止応答画像と、前記加熱部の加熱の継続する判定をユーザから受け付ける継続応答画像と、を含む。判定入力部は、前記表示制御部が前記加熱停止判定画面を前記表示部に表示した場合に、前記表示部に表示された前記加熱停止判定画面を介して、前記加熱部の加熱を停止するか否かについての判定を、前記ユーザに入力させる。端末側送信部は、前記判定入力部に入力された前記ユーザの前記加熱部の加熱を停止するか否かについての判定を、前記ユーザによる応答として前記加熱機器に送信する。前記機器側制御部は、前記機器側受信部が前記外部端末から受信した前記ユーザによる応答が、前記加熱部の加熱の停止の判定を含んでいる場合に、前記加熱部の加熱を停止する。また、前記機器側制御部は、前記機器側受信部が前記外部端末から受信した前記ユーザによる応答が、前記加熱部の加熱の継続の判定を含んでいる場合に、前記加熱部の加熱を継続する。
【0006】
上記一側面に係る加熱機器管理システムでは、加熱部の加熱中にユーザ存在判定部が加熱機器の近傍にユーザが存在しないと判定した場合に、ユーザの外部端末に加熱停止判定通知を送信する。その場合に、ユーザは、外部端末により、加熱部の加熱を停止するか否かについての判定を入力し、ユーザによる応答として加熱機器に送信する。機器側制御部は、ユーザによる応答に応じて、加熱機器の加熱を停止または継続する。これにより、上述した加熱機器管理システムは、ユーザが加熱中の加熱機器の近傍に存在しないと判定された場合に、加熱機器の加熱を停止するか否かを、ユーザに確認することができる。本明細書が開示する加熱機器管理システムは、安全性を確保しつつ、利便性を向上させることができる。
【0007】
上記一側面に係る加熱機器管理システムでは、前記機器側制御部は、前記機器側送信部が前記外部端末に対して前記加熱停止判定通知を送信した後、所定のしきい値時間が経過しても前記機器側受信部が前記ユーザによる応答を受信しない場合に、前記加熱部の加熱を停止してもよい。
【0008】
このような構成とすることで、例えば通信の異常によって、ユーザの外部端末が加熱停止判定通知を正常に受信できなかった場合や、加熱機器がユーザによる応答を正常に受信できなかった場合に、加熱が継続されることを防止することができる。これにより、安全性が確保される。
【0009】
上記一側面に係る加熱機器管理システムでは、前記外部端末は、前記外部端末の現在の位置に関する情報である端末位置情報を取得する端末位置情報取得部をさらに備えていてもよい。また、前記端末側送信部は、前記端末位置情報取得部が取得した前記端末位置情報を前記加熱機器に送信可能であってもよい。前記機器側受信部は、前記端末側送信部が送信した前記端末位置情報を受信可能であってもよい。その場合、前記ユーザ存在判定部は、前記機器側受信部が受信した前記端末位置情報に含まれている前記外部端末の位置と、前記加熱機器の現在の位置である基準位置と、を比較することで前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しているか否かを判定してもよい。
【0010】
このような構成とすることで、現在の外部端末の位置と基準位置とを比較して、加熱機器の近傍にユーザが存在しているか否かを判定することができる。これにより、加熱機器の近傍にユーザが存在しているか否かを判定するために別の機器を設ける必要がなく、比較的単純な構成でユーザが存在しているか否かを判定することができる。
【0011】
上記一側面に係る加熱機器管理システムでは、前記端末側送信部は、前記ユーザの外部端末を識別する情報である端末識別情報を、前記加熱機器に送信可能であってもよい。さらに、前記機器側受信部は、前記端末側送信部が送信した前記端末識別情報を受信可能であってもよい。前記加熱機器は、前記外部端末から受信した前記端末識別情報を記憶するとともに、前記端末識別情報が記憶された時点で前記外部端末から受信している前記端末位置情報に含まれている前記外部端末の位置を、前記端末識別情報に関連付けて記憶する機器側記憶部をさらに備えていてもよい。その場合、前記ユーザ存在判定部は、前記端末識別情報に関連付けて記憶されている前記外部端末の位置を利用して、前記基準位置設定してもよい。
【0012】
加熱機器がユーザの住宅に設置される際、ユーザの所有する外部端末の端末識別情報を加熱機器の機器側記憶部に記憶させることで、以降の加熱機器と外部端末との間の通信を容易にすることができる。端末識別情報が機器側記憶部に記憶された時点では、外部端末は、ユーザの住宅に設置された加熱機器の近傍に存在する。また、この他にも、加熱部の加熱を開始する際、ユーザは加熱機器の近傍に存在する。機器側受信部は、加熱部の加熱を開始する度に、端末識別情報を受信してもよい。このように、上述した加熱機器管理システムでは、加熱機器の近傍に存在する外部端末の端末識別情報を記憶した時点で、その外部端末の端末位置情報に含まれている外部端末の位置を、端末識別情報に関連付けて記憶する。端末識別情報に関連付けて記憶されている外部端末の位置を利用して、基準位置設定し、現在の外部端末の位置と比較することで、ユーザが加熱機器の近傍で加熱機器に対して実行する処理を利用して、より簡易に加熱機器の近傍にユーザが存在しているか否かを判定することができる。
【0013】
上記一側面に係る加熱機器管理システムでは、前記加熱機器は、自身の位置に関する情報である機器位置情報を取得する機器位置情報取得をさらに備えていてもよい。その場合、前記ユーザ存在判定部は、前記機器位置情報取得部が取得した前記機器位置情報に含まれる前記加熱機器の位置を前記基準位置に設定してもよい。
【0014】
機器位置情報に含まれる加熱機器の位置を基準位置に設定し、現在の外部端末の位置と比較することで、より正確に加熱機器の近傍にユーザが存在しているか否かを判定することができる。
【0015】
上記一側面に係る加熱機器管理システムでは、前記外部端末は、所定の領域内に配置されている複数の機器との間で無線接続をすることができる接続装置であって、前記加熱機器との間で前記無線接続している接続装置と、前記無線接続をすることができるように構成されていてもよい。その場合、前記ユーザ存在判定部は、前記加熱機器が前記接続装置と前記無線接続されており、かつ前記外部端末が前記接続装置と前記無線接続されている場合に、前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在していると判定してもよい。さらに、ユーザ存在判定部は、前記加熱機器が前記接続装置と前記無線接続されており、かつ前記外部端末が前記接続装置と前記無線接続されていない場合に、前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在してないと判定してもよい。
【0016】
このような構成とすることで、比較的簡易な機器構成によって、ユーザの外部端末が所定の領域内に存在しているか否かを正確に判定することができる。すなわち、比較的簡易な機器構成によって、加熱機器の近傍にユーザが存在しているか否かを判定することができる。
【0017】
上述した加熱機器管理システムでは、前記加熱機器は、前記加熱機器が配置されている住宅における現在のエネルギー消費に関する情報である消費情報を計測する消費情報計測装置と通信可能であってもよい。また、前記機器側受信部は、さらに、前記消費情報計測装置から前記消費情報計測装置が計測した前記消費情報を受信可能であってもよい。その場合、前記ユーザ存在判定部は、前記機器側受信部が受信した前記消費情報に基づいて、前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しているか否かを判定してもよい。
【0018】
このような構成とすることで、既存の情報を利用した比較的簡単な構成によって、ユーザの外部端末がユーザの住宅内に存在しているか否かを正確に判定することができる。すなわち、既存の情報を利用した比較的簡単な構成によって、加熱機器の近傍にユーザが存在しているか否かを判定することができる。
【0019】
上記一側面に係るコンピュータプログラムは、ユーザが操作する加熱機器と通信可能に構成されており、表示部を有する外部端末に用いられる。前記加熱機器は、被加熱物を加熱する加熱部と、前記加熱部を制御する機器側制御部と、前記ユーザの前記外部端末に対して、前記加熱部が加熱中であることを示す加熱中情報を送信する機器側送信部と、前記外部端末から、前記加熱中情報に対する前記ユーザの応答を受信する機器側受信部と、を備えている。前記コンピュータプログラムは、前記外部端末を、端末側受信部と、ユーザ存在判定部と、表示制御部と、判定入力部と、端末側送信部と、として機能させる。端末側受信部は、前記機器側送信部から前記加熱中情報を受信する。ユーザ存在判定部は、前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しているか否かを判定する。表示制御部は、前記端末側受信部が前記加熱中情報を受信し、かつ、前記ユーザ存在判定部が前記加熱機器の近傍に前記ユーザが存在しないと判定した場合に、前記表示部に加熱停止判定画面を表示し、前記加熱停止判定画面は、前記加熱部の加熱を停止する判定をユーザから受け付ける停止応答画像と、前記加熱部の加熱の継続する判定をユーザから受け付ける継続応答画像と、を含む。判定入力部は、前記表示制御部が前記加熱停止判定画面を前記表示部に表示した場合に、前記表示部に表示された前記加熱停止判定画面を介して、前記加熱部の加熱を停止するか否かについての判定を、前記ユーザに入力させる。端末側送信部は、前記判定入力部に入力された前記ユーザの前記加熱部の加熱を停止するか否かについての判定を、前記ユーザによる応答として前記加熱機器に送信する。前記機器側制御部は、前記機器側受信部が前記外部端末から受信した前記ユーザによる応答が、前記加熱部の加熱の停止の判定を含んでいる場合に、前記加熱部の加熱を停止し、前記機器側受信部が前記外部端末から受信した前記ユーザによる応答が、前記加熱部の加熱の継続の判定を含んでいる場合に、前記加熱部の加熱を継続する。
【0020】
上述したコンピュータプログラムでは、前記外部端末は、前記加熱機器が配置されている住宅における現在のエネルギー消費に関する情報である消費情報を計測する消費情報計測装置と通信可能であってもよい。また、前記端末側受信部は、前記消費情報計測装置から前記消費情報計測装置が計測した前記消費情報をさらに受信してもよい。その場合、前記ユーザ存在判定部は、前記端末側受信部が受信した前記消費情報に基づいて、前記ユーザが前記加熱機器の近傍に存在しているか否かを判定してもよい。
【0021】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施例の加熱機器管理システムのブロック図を示す。
図2】実施例の加熱機器管理システムのハードウェアの構成を示す。
図3】加熱機器の制御装置が実行する処理の一例のフローを示す。
図4】カメラを利用したユーザ存在判定処理の一例のフローを示す。
図5】端末位置情報を利用したユーザ存在判定処理の一例のフローを示す。
図6】ルータとの接続を利用したユーザ存在判定処理の一例のフローを示す。
図7】スマートメータを利用したユーザ存在判定処理の一例のフローを示す。
図8】加熱停止判定入力画面の一例を示す。
図9】加熱停止判定入力画面の別の一例を示す。
図10】別の実施例の加熱機器管理システムのハードウェアの構成を示す。
図11】携帯端末が実行する処理の一例のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施例)
図面を参照して、実施例の加熱機器管理システムについて説明する。図1は、第1実施例の加熱機器管理システム2の概要を示すブロック図である。加熱機器管理システム2は、ユーザ3の居住する住宅40内に配置されている。加熱機器管理システム2は、加熱調理器10と、携帯端末30と、を備えている。加熱調理器10は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。携帯端末30は、典型的にはスマートフォンであるが、フィーチャーフォン、タブレット端末、ノートパソコン等であってもよい。
【0024】
加熱調理器10は、上面に配置されているコンロ12と、前面(すなわち、図1の紙面手前側)に配置されているグリル14と、制御装置20と、を備えている。加熱調理器10には、住宅40の外に配置されているガス供給源(図示省略)と接続するガス配管が接続されている。加熱調理器10には、ガス配管を介して、ガス供給源からガスが供給される。図1に示されるように、コンロ12は、上方に載置される鍋16を加熱する。グリル14の右側に配置されているコンロスイッチ12sが押されると、コンロ12のバーナにガスが供給され、イグナイタ(図示省略)によってそのガスに着火することで、コンロ12の加熱が開始される。コンロスイッチ12sを左右に回転させることで、コンロ12のバーナに供給されるガスの量が変更される。これにより、コンロ12の加熱量が変更される。また、コンロ12の加熱中にコンロスイッチ12sが押されると、コンロ12のバーナに対するガスの供給が停止される。その結果、コンロ12の加熱が停止する。
【0025】
グリル14のバーナは、グリル14内に収容した被調理物(図示省略)を加熱する。上述したコンロ12と同様に、グリル14の左側に配置されているグリルスイッチ14sが押されると、グリル14のバーナにガスが供給され、イグナイタ(図示省略)によってそのガスに着火することで、グリル14の加熱が開始される。グリル14の加熱量も、グリルスイッチ14sを左右に回転させることで変更され、グリル14の加熱中にグリルスイッチ14sが押されると、グリル14の加熱が停止する。なお、以下では、コンロ12のバーナを含めて単に「コンロ12」と示す場合がある。同様に、グリル14のバーナを含めて単に「グリル14」と示す場合がある。
【0026】
加熱調理器10の前面(すなわち、図1の紙面手前側)の右上部には、電源スイッチ10sが配置されている。電源スイッチ10sは、加熱調理器10を起動させるスイッチであり、電源スイッチ10sをオンすることでコンロ12、グリル14への点火が可能になる。
【0027】
加熱調理器10は、制御装置20を内部に収容している。詳細は図2を参照して後述するが、制御装置20は、コンロ12、グリル14を自動制御するためのコンピュータである。
【0028】
加熱調理器10の上方には、レンジフード4が配置されている。レンジフード4は、コンロ12、グリル14の加熱時に加熱調理器10周辺の空気を住宅40外に排出する換気装置である。レンジフード4の下面には、カメラ4cが配置されている。カメラ4cは加熱調理器10の周辺の画像を、上方から撮像する。
【0029】
住宅40の外壁には、スマートメータ6が配置されている。図1に示されるように、スマートメータ6には、ガス配管が接続されている。スマートメータ6は、ガス配管内のガスの流量を計測することで、住宅40内のガスの消費量を計測する。図示は省略したが、スマートメータ6には、住宅40内に電気を供給する電気配線も接続されている。スマートメータ6は、電気配線を介して供給される電力を計測することで、住宅40内の電気の消費量を計測する。スマートメータ6は、住宅40における現在のエネルギー消費に関する情報である消費情報を計測する。なお、スマートメータ6には、住宅40内に水を供給する水道管を接続してもよい。
【0030】
住宅40内には、ルータ8が配置されている。ルータ8は、住宅40に配置されている各デバイス(すなわち、加熱調理器10、携帯端末30、スマートメータ6)とWi-Fi(登録商標)に従って無線通信をすることができる。ルータ8は、所定範囲に電波を飛ばすことで、電波を受信した各デバイスと無線通信をする。ルータ8は、所定範囲の外に移動し、電波を受信できないデバイスとは無線通信をすることができない。すなわち、ルータ8は、所定の領域内に配置されている複数の機器との間で無線接続をすることができる。なお、スマートメータ6は、Bluetooth(登録商標)を使用して、加熱調理器10と通信を行ってもよいし、インターネット経由で加熱調理器10と通信を行ってもよい。
【0031】
また、ルータ8は、インターネット100とも接続している。例えば、携帯端末30が住宅40の外に移動し、ルータ8の電波が届かなくなった場合には、ルータ8は、インターネット100を介して、住宅40の外に移動した携帯端末30と、住宅40内に配置されている加熱調理器10およびスマートメータ6とを接続する。なお、図示は省略したが、加熱調理器10と、携帯端末30は、ルータ8を介した無線接続の他に、Bluetooth(登録商標)による無線接続によって直接通信が可能である。
【0032】
図2を参照して、制御装置20の制御構成について説明する。制御装置20は、ハードウェアプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えている。また、制御装置20は、外部の機器と通信するインターフェースである外部インターフェースを備えている。制御装置20は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)により構成される。電源スイッチ10sがオンされると、制御装置20が起動する。
【0033】
制御装置20は、あらかじめROMに記憶されたプログラムをRAMに展開する。制御装置20は、RAMに展開されたプログラムをCPUにより解釈および実行して、各構成要素を制御する。これによって、図2に示される通り、制御装置20は、ソフトウェアモジュールとして、機器側制御部20c、機器側送信部20s、機器側受信部20r、ユーザ存在判定部20u、機器側記憶部20m、機器位置情報取得部20p、を備えるコンピュータとして構成される。
【0034】
機器側制御部20cは、コンロ12およびグリル14へのガスの供給量を制御する。機器側制御部20cは、コンロ12およびグリル14に供給されるガスに着火するイグナイタ(図示省略)のオンオフを制御する。機器側制御部20cは、コンロ12およびグリル14へのガスの供給を開始し、イグナイタによってそのガスに着火することで、コンロ12およびグリル14の加熱を開始する。機器側制御部20cは、コンロ12およびグリル14へのガスの供給を停止することで、コンロ12およびグリル14の加熱を停止する。機器側制御部20cは、コンロ12およびグリル14へのガスの供給量を変更することで、コンロ12およびグリル14の加熱量を変更する。このように、機器側制御部20cは、コンロ12およびグリル14を制御する。
【0035】
機器側送信部20sは、ルータ8を介して、ユーザ3の携帯端末30に様々な情報を送信する。例えば、機器側送信部20sは、ルータ8を介して、ユーザ3の携帯端末30に加熱停止判定通知を送信する。ここで、加熱停止判定通知とは、加熱の停止または継続をユーザ3に確認するための通知である。加熱停止判定通知は、コンロ12およびグリル14のいずれか、または両方の加熱中に、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在しないとユーザ存在判定部20uが判定した場合に、ユーザ3の携帯端末30に対して送信される。加熱停止判定通知を送信するために実行される処理については、図3図7を参照して後述する。なお、コンロ12およびグリル14のいずれか、または両方の加熱中に、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在しないとユーザ存在判定部20uが判定した場合に、機器側送信部20sは、ユーザ3の携帯端末30を含む複数の携帯端末に対して、加熱停止判定通知を送信してもよい。
【0036】
機器側受信部20rは、ルータ8を介して、携帯端末30およびスマートメータ6から様々な情報を受信する。機器側受信部20rは、ルータ8を介して、携帯端末30から、携帯端末30を識別する端末識別情報を受信する。端末識別情報には、機器側送信部20sが携帯端末30に情報を送信する場合に使用する携帯端末30のアドレス等が含まれる。機器側受信部20rは、ルータ8を介して、携帯端末30から携帯端末30の端末位置情報を受信する。端末位置情報には、後述する端末位置情報取得部30pが取得した携帯端末30の現在の位置が含まれている。機器側受信部20rは、ルータ8を介して、携帯端末30から、後述するユーザ応答を受信する。機器側受信部20rは、スマートメータ6から、住宅40(図1参照)内に供給される現在の電気量(すなわち、消費電気量)、ガス量(すなわち、消費ガス量)を受信する。
【0037】
ユーザ存在判定部20uは、加熱調理器10の近傍にユーザ3が存在しているか否かを判定する。ユーザ存在判定部20uが実行する処理については、後述する。
【0038】
機器側記憶部20mは、機器側受信部20rが受信した端末識別情報、端末位置情報を記憶する。また、後述する機器位置情報取得部20pが取得した自身の位置に関する情報である加熱機器位置情報も記憶する。
【0039】
機器位置情報取得部20pは、加熱調理器10を住宅40内に設置する際、ユーザ3が加熱調理器10に直接入力した住宅40の住所から加熱調理器10が配置されている位置を特定し、当該位置を自身の位置として取得する。
【0040】
次いで、携帯端末30について説明する。携帯端末30は、ハードウェアプロセッサであるCPU、RAM、ROM等を含み、プログラムおよびデータに基づいて各種情報処理を実行するように構成される。その結果、図2に示されるように、携帯端末30は、ソフトウェアモジュールとして、端末側受信部30rと、端末側表示部30dと、端末側送信部30sと、端末位置情報取得部30pと、端末側制御部30cと、端末側記憶部30mと、判定入力部30iと、として機能する。
【0041】
端末側受信部30rは、加熱調理器10から、ルータ8を介して加熱停止判定通知を受信する。
【0042】
端末側表示部30dは、様々な情報を表示するためのディスプレイである。端末側表示部30dは、いわゆるタッチパネル(すなわち操作部)として機能してもよい。端末側表示部30dは、加熱停止判定通知を受けた後、加熱判定入力画面を表示する。加熱判定入力画面は、図8、9に示されるように、加熱調理器10から離れた位置に存在しているユーザ3が、加熱中のコンロ12およびグリル14のいずれか、または両方の加熱を停止するか否かについて判定を入力するための画面である。すなわち、本実施例では、端末側表示部30dは、判定入力部30iとしても機能する。
【0043】
端末側送信部30sは、加熱判定入力画面にユーザ3が入力した加熱中のコンロ12およびグリル14のいずれか、または両方の加熱を停止するか否かについてユーザ3による判定を、ユーザ応答として、ルータ8を介して、加熱調理器10に送信する。
【0044】
端末位置情報取得部30pは、GPS(Global Positioning Systemの略)によって、携帯端末30の現在の位置を取得する。
【0045】
端末側記憶部30mには、管理アプリ30aが格納されている。管理アプリ30aは、例えば、インターネット100上のサーバ(図示省略)から携帯端末30にインストールされる。管理アプリ30aは、加熱調理器10に関する各種情報の受信や、加熱調理器10に対する各種指示の送信を実行するためのアプリケーションプログラムである。
【0046】
端末側制御部30cは、端末側記憶部30mが記憶している管理アプリ30aの指示に従って、携帯端末30の動作を制御する。
【0047】
図3を参照して、第1実施例の制御装置20が実行する処理について説明する。加熱調理器10のユーザ3が電源スイッチ10s(図1参照)をオンすると、図3に示される処理が開始される。ユーザ3が電源スイッチ10sをオンし、コンロスイッチ12s(図1参照)を押すと、制御装置20は、コンロ12の加熱を開始する(ステップS2)。なお、以下では、コンロスイッチ12sが押され、コンロ12の加熱が開始された場合について説明するが、グリルスイッチ14s(図1参照)が押され、グリル14の加熱が開始された場合も、制御装置20は、同様の処理を実行する。
【0048】
コンロ12の加熱が開始されると、制御装置20は、機器側受信部20rにより、ユーザ3の携帯端末30の端末識別情報を、携帯端末30から受信する(ステップS3)。ここで、制御装置20は、加熱開始操作が実行された時点で、最も加熱調理器10に近い位置に存在する携帯端末30の端末識別情報を受信する。制御装置20は、受信した端末識別情報を、機器側記憶部20m(図2参照)に記憶する。これにより、制御装置20は、加熱開始操作を実行したユーザ3の携帯端末30を識別することができ、加熱停止判定通知を、ユーザ3の携帯端末30に送信することができる。なお、制御装置20は、例えば、ユーザ3により事前に登録された端末識別情報によって識別される携帯端末30に対して、加熱判定通知を送信してもよい。その場合、ステップS3の処理は省略されてもよい。さらに、制御装置20は、加熱開始操作が実行された時点で、最も加熱調理器10に近い位置に存在する携帯端末30と、事前に登録された他の携帯端末と、に対して加熱判定通知を同時に送信してもよい。
【0049】
次いで、制御装置20は、ユーザ存在判定処理を実行する(ステップS4)。ここで、一旦図4を参照して、第1実施例の制御装置20(すなわち、ユーザ存在判定部20u)が実行するユーザ存在判定処理S4について説明する。ステップS3で端末識別情報を取得した後、第1実施例のユーザ存在判定部20uは、カメラ4c(図1参照)から、カメラ4cが撮像した加熱調理器10の周辺の画像を取得する(ステップS21)。次いで、第1実施例のユーザ存在判定部20uは、取得した画像を解析する。具体的には、第1実施例のユーザ存在判定部20uは、加熱調理器10の周辺の画像からユーザ3に関する情報を抽出し、取得した画像にユーザ3が含まれているかについて解析する(ステップS23)。画像にユーザ3が含まれている場合(ステップS23:YES)には、第1実施例のユーザ存在判定部20uは、加熱調理器10の近傍にユーザ3が存在すると判定する(ステップS24)。画像にユーザ3が含まれていない場合(ステップS23:NO)には、第1実施例のユーザ存在判定部20uは、加熱調理器10の近傍にユーザ3が存在しないと判定する(ステップS25)。第1実施例のユーザ存在判定部20uは、このように、カメラ4cの撮像した加熱調理器10の周辺の画像によって、加熱調理器10の近傍にユーザ3が存在するか否かを判定する。
【0050】
再び図3に戻り、以降の処理について説明する。ステップS4でユーザ存在判定処理が終了し、ユーザ存在判定部20uが加熱調理器10の近傍にユーザ3が存在すると判定した場合(ステップS6:YES)、制御装置20は、所定の周期でユーザ存在判定処理を繰り返し実行する。制御装置20は、コンロ12の加熱が停止されるまで、ユーザ存在判定処理を繰り返し実行する。
【0051】
ユーザ存在判定部20uが加熱調理器10の近傍にユーザ3が存在しないと判定した場合(ステップS6:NO)、制御装置20は、機器側送信部20sによって、加熱停止判定通知をユーザ3の携帯端末30送信する(ステップS8)。これにより、加熱調理器10から離れた位置に存在するユーザ3は、コンロ12が加熱中であることを認識することができる。なお、ステップS8では、先に述べたように、制御装置20は、機器側送信部20sによって、複数の携帯端末に同時に加熱停止判定通知を送信してもよい。また、制御装置20は、ユーザ3が所定時間、加熱調理器10の近傍に存在しないと判定した場合に、加熱停止判定通知をユーザ3の携帯端末30に送信してもよい。
【0052】
制御装置20は、加熱停止判定通知を送信すると同時に、送信後時間Taの計測を開始する(ステップS10)。次いで、制御装置20は、機器側受信部20rが加熱停止判定通知に対するユーザ応答を受信したか否かを判定する(ステップS12)。制御装置20は、機器側受信部20rがユーザ応答を受信していない場合(ステップS12:NO)には、送信後時間Taと、しきい値時間Tthとを比較する(ステップS18)。ここで、しきい値時間Tthは、コンロ12の加熱を継続することが危険であると判定される時間であり、その値はユーザ3によって設定可能である。また、しきい値時間Tthは、常に一定の値であってもよいし、コンロ12の加熱量によって変更される値であってもよい。例えば、コンロ12の加熱量が大きいほど短いしきい値時間Tthが設定され、コンロ12の加熱量が小さいほど長いしきい値時間Tthが設定されてもよい。送信後時間Taがしきい値時間Tthよりも小さい場合(ステップS18:NO)には、制御装置20は、再び機器側受信部20rが加熱停止判定通知に対するユーザ応答を受信したか否かを判定する(ステップS12)。また、送信後時間Taがしきい値時間Tthを超えている場合(ステップS18:YES)には、制御装置20は、コンロ12の加熱を停止する(ステップS16)。これにより、制御装置20は、ユーザ3が加熱停止判定通知に気づかない場合や、ルータ8(図1参照)の電波の異常により加熱停止判定通知が携帯端末30に正常に到達しなかった場合等に、コンロ12の加熱を停止し、安全性を確保することができる。
【0053】
制御装置20は、ユーザ応答を受信した場合(ステップS12:YES)には、受信したユーザ応答が加熱停止を含んでいるかを判定する(ステップS14)。制御装置20は、ユーザ応答が加熱停止を含んでいない場合(ステップS14:NO)には、コンロ12の加熱を継続し、所定時間経過後に再びユーザ存在判定処理を実行する(ステップS4)。これにより、加熱を継続させたユーザ3が、加熱調理器10(図1参照)の近傍に戻っていた場合に、制御装置20は、ユーザ存在判定処理によってそのことを検知することができる。その結果、制御装置20は、再び加熱停止判定通知を携帯端末30に送信する処理を省略することができる。
【0054】
制御装置20は、ユーザ応答が加熱停止を含んでいる場合(ステップS14:YES)には、コンロ12の加熱を停止する(ステップS16)。このように、第1実施例の制御装置20は、ユーザ存在判定処理によりユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在しないことを判定した場合に、加熱停止判定通知をユーザ3の携帯端末30に送信し、そのユーザ3による応答に応じてコンロ12の加熱を継続または停止する。これにより、ユーザ3が意図して加熱調理器10を離れており、コンロ12の加熱を認識している場合には、ユーザ3は、コンロ12の加熱を継続することができる。一方、ユーザ3がコンロ12の加熱を失念して加熱調理器10を離れている場合には、ユーザ3は、加熱停止判定通知によってコンロ12の加熱を再度認識し、必要に応じてコンロ12の加熱を停止することができる。すなわち、第1実施例の加熱機器管理システム2(図1参照)は、制御装置20によって、加熱中のコンロ12の近傍にユーザが存在していないと判定される場合に、ユーザ3に対してコンロ12の加熱を停止するか否かを確認する。これにより、第1実施例の加熱機器管理システム2は、ユーザ3が加熱中のコンロ12の近傍に存在しない場合に、安全性を確保しつつ、ユーザ3の利便性を向上させることができる。
【0055】
以下、図5図7を参照して、他の実施例の制御装置20が実行するユーザ存在判定処理について説明する。なお、以下で説明する様々なユーザ存在判定処理S4は、いずれも図3のステップS4で実行される処理である。
【0056】
(第2実施例)
図5を参照して、第2実施例の加熱機器管理システム2が備えている制御装置20(すなわち、ユーザ存在判定部20u)が実行するユーザ存在判定処理S4について説明する。第2実施例の加熱機器管理システム2では、加熱調理器10が住宅40(図1参照)に設置され、ルータ8とWi-Fi(登録商標)による無線通信の接続が完了した後、最初に携帯端末30の端末識別情報を加熱調理器10に送信する。これにより、制御装置20の機器側記憶部20mに、携帯端末30の端末識別情報が記憶される。別言すれば、携帯端末30の端末識別情報が、加熱調理器10の制御装置20に登録される。これにより、登録済み携帯端末30と制御装置20との間での無線通信が容易になる。第2実施例の制御装置20は、携帯端末30を制御装置20に登録する際、機器側受信部20r(図2参照)によって、端末識別情報とともに端末位置情報も同時に受信する。この端末位置情報には、登録時点において携帯端末30が存在した位置が含まれている。第2実施例の制御装置20の機器側記憶部20mは、携帯端末30を制御装置20に登録する際、登録時点で受信した端末位置情報に含まれる携帯端末30の位置を、携帯端末30の端末識別情報に関連付けて記憶する。
【0057】
携帯端末30を加熱調理器10の制御装置20に登録する際には、携帯端末30は、加熱調理器10の近傍に存在する。このため、第2実施例の制御装置20の機器側記憶部20mは、登録時点で携帯端末30の端末識別情報に関連付けて記憶されている携帯端末30の位置を、加熱調理器10の現在の位置である基準位置として記憶する。なお、第2実施例の加熱機器管理システム2では、さらに、携帯端末30を加熱調理器10に登録する際、加熱調理器10と携帯端末30との間の接続状況の通知を携帯端末30に行ってもよい。例えば、ルータ8の電波が弱い等の原因により、加熱調理器10と携帯端末30との間の接続状況が悪いと判断された場合には、携帯端末30側に、接続状況が悪いことを表示してもよい。これにより、ユーザ3は、加熱調理器10と携帯端末30との間の接続状況が悪いため、加熱停止判定通知が受信できない可能性があることを認識することができる。
【0058】
図5に示されるように、第2実施例のユーザ存在判定処理S4では、第2実施例のユーザ存在判定部20uは、初めに、携帯端末30から、機器側受信部20rによって、携帯端末30の端末位置情報を受信する(ステップS31)。第2実施例のユーザ存在判定部20uは、受信した端末位置情報に含まれる携帯端末30の位置と、登録時点で端末識別情報に関連付けて記憶されている位置(すなわち、基準位置)とを比較する(ステップS33)。第2実施例のユーザ存在判定部20uは、受信した端末位置情報に含まれる携帯端末30の位置が、基準位置から所定範囲内である場合(ステップS33:YES)には、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在すると判定する(ステップS34)。第2実施例のユーザ存在判定部20uは、受信した端末位置情報に含まれる携帯端末30の位置が、基準位置から所定範囲外である場合(ステップS33:NO)には、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在しないと判定する(ステップS35)。このように、第2実施例のユーザ存在判定部20uは、携帯端末30の登録時点での携帯端末30の位置と、現在の携帯端末30の位置を利用して、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在するか否かを判定する。
【0059】
(第3実施例)
第3実施例の制御装置20(すなわち、ユーザ存在判定部20u)も、第2実施例と同様に、図5に示す処理を実行する。第3実施例の機器側記憶部20mは、第2実施例とは異なり、上述した制御装置20の機器位置情報取得部20pが取得した機器位置情報に含まれる加熱調理器10の位置を基準位置として記憶している。このため、第3実施例のユーザ存在判定部20uは、図5のステップS33において、ユーザ存在判定部20uによって、端末位置情報に含まれる携帯端末30の位置と、加熱調理器10の位置(すなわち、基準位置)とを比較する。第3実施例のユーザ存在判定部20uは、受信した端末位置情報に含まれる携帯端末30の位置が、基準位置から所定範囲内である場合(ステップS33:YES)には、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在すると判定する(ステップS34)。第3実施例のユーザ存在判定部20uは、受信した端末位置情報に含まれる携帯端末30の位置が、基準位置から所定範囲外である場合(ステップS33:NO)には、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在しないと判定する(ステップS35)。このように、第3実施例のユーザ存在判定部20uは、機器位置情報取得部20pが取得した機器位置情報に含まれる加熱調理器10の位置と、現在の携帯端末30の位置を利用して、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在するか否かを判定する。
【0060】
(第4実施例)
図6を参照して、第4実施例の加熱機器管理システム2が備えている制御装置20(すなわち、ユーザ存在判定部20u)が実行するユーザ存在判定処理S4について説明する。第4実施例のユーザ存在判定部20uは、最初に、加熱調理器10がルータ8と接続されているかを判定する(ステップS41)。第4実施例のユーザ存在判定部20uは、機器側送信部20sによってルータ8に対して接続確認の信号を送信する。ルータ8からの返信を機器側受信部20rが受信した場合には、第4実施例のユーザ存在判定部20uは、加熱調理器10とルータ8とが接続されていると判定する。一方、ルータ8からの返信を機器側受信部20rが受信しない場合には、第4実施例のユーザ存在判定部20uは、加熱調理器10とルータ8とが接続されていないと判定する。
【0061】
加熱調理器10がルータ8と無線接続されていない場合(ステップS41:NO)には、制御装置20は、ルータ8を介した携帯端末30と無線通信が行えない。そのため、第4実施例のユーザ存在判定部20uは、Bluetooth(登録商標)に従って、携帯端末30にエラー通知を直接送信する(ステップS42)。先に述べたように、加熱調理器10は、Wi-Fi(登録商標)に従って、ルータ8と無線接続されている。そのため、加熱調理器10がルータ8と無線接続されていない場合には、ルータ8の電波に異常が発生している場合がある。第4実施例のユーザ存在判定部20uは、携帯端末30にBluetooth(登録商標)に従ってエラー通知を直接送信することで、携帯端末30のユーザ3に、ルータ8が正常に作動していない可能性があることを通知することができる。なお、第4実施例のユーザ存在判定部20uは、Bluetooth(登録商標)に従ったエラー通知の送信に代えて、加熱調理器10にルータ8が正常に作動していないことを示すエラーメッセージを表示してもよい。
【0062】
ルータ8が正常に作動しており、加熱調理器10がルータ8と無線接続されている場合(ステップS41:YES)には、第4実施例のユーザ存在判定部20uは、携帯端末30がルータ8と無線接続されているかを判定する(ステップS43)。先に述べたように、ルータ8は、所定の領域内に電波を送信し、受信した携帯端末30と無線接続を行う。そのため、携帯端末30がルータ8の電波を受信せず、ルータ8と無線接続していない場合(ステップS43:NO)には、携帯端末30は、例えば、住宅40の外部に移動していると考えられる。このため、第4実施例のユーザ存在判定部20uは、このような場合には、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在しないと判定する(ステップS45)。一方、携帯端末30がルータ8の電波を受信してルータ8と無線接続している場合(ステップS43:YES)には、第4実施例のユーザ存在判定部20uは、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在すると判定する(ステップS44)。このように、第4実施例のユーザ存在判定部20uは、ルータ8と携帯端末30との接続状況に基づいて、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在するか否かを判定する。
【0063】
(第5実施例)
図7を参照して、第5実施例の加熱機器管理システム2が備えている制御装置20(すなわち、ユーザ存在判定部20u)が実行するユーザ存在判定処理S4について説明する。第5実施例のユーザ存在判定部20uは、スマートメータ6(図1参照)から、機器側受信部20rによって、現在の住宅40内における電気の消費量である消費電気量Euを受信する(ステップS51)。第5実施例のユーザ存在判定部20uは、消費電気量Euと、消費電気量しきい値Ethとを比較する(ステップS53)。ここで、消費電気量しきい値Ethは、住宅40内に配置されている常時作動している電気機器の電気の消費量を合算した電気の消費量である。消費電気量しきい値Ethを超えて住宅40(図1参照)内で電気が消費されていれば(ステップS53:YES)、ユーザ3によって他の電気機器が使用されており、ユーザ3は住宅40内に存在していると推定される。すなわち、このような場合には、第5実施例のユーザ存在判定部20uは、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在していると判定する(ステップS54)。一方で、消費電気量Euが消費電気量しきい値Ethよりも小さい場合には(ステップS53:NO)、ユーザ3が他の電気機器を使用しておらず、ユーザ3は住宅40内に存在しないと推定される。このような場合には、第5実施例のユーザ存在判定部20uは、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在しないと判定する(ステップS55)。このように、第5実施例のユーザ存在判定部20uは、スマートメータ6が計測した現在の消費電気量Euに基づいて、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在するか否かを判定する。
【0064】
図8および図9を参照して、加熱停止判定通知を受信した携帯端末30が表示する加熱停止判定画面について説明する。図3のステップS8において、制御装置20(図2参照)が、機器側送信部20sによって加熱停止判定通知を携帯端末30に送信すると、加熱停止判定通知を端末側受信部30rによって受信した携帯端末30は、端末側表示部30dによって図8に示す加熱停止判定画面を表示する。図8に示されるように、加熱停止判定画面には、コンロ12(図1参照)が現在加熱中であることが表示されている。これにより、加熱調理器10(図1参照)から離れた場所に存在しているユーザ3(図1参照)は、コンロ12を加熱中であることを失念していた場合には、コンロ12が現在加熱中であることを再び認識することができる。コンロ12が現在加熱中であることを再び認識したユーザ3が、加熱停止スイッチ32sを選択すると、コンロ12の加熱停止を含んだユーザ応答が、端末側送信部30s(図2参照)によって制御装置20に送信される。これにより、図3を参照して説明したように、制御装置20は、コンロ12の加熱を停止する。
【0065】
また、コンロ12が現在加熱中であることを再び認識したユーザ3がコンロ12の加熱を継続すると判断した場合には、加熱継続スイッチ32cを選択する。また、ユーザ3はもともと意図して加熱調理器10を一時的に離れており、コンロ12が加熱中であることを認識していた場合にも、加熱継続スイッチ32cを選択する。これらの場合、端末側送信部30sは、コンロ12の加熱継続を含んだユーザ応答を制御装置20に送信する。これにより、図3を参照して説明したように、制御装置20は、コンロ12の加熱を継続する。
【0066】
また、図8に示されるように、加熱停止判定画面は、再通知スイッチ32rを備えていてもよい。ユーザ3が再通知スイッチ32rを選択すると、コンロ12の加熱継続に加え、再通知依頼を含んだユーザ応答が、端末側送信部30s(図2参照)によって制御装置20に送信される。これにより、制御装置20は、コンロ12の加熱を継続し、例えば図8に示されている1分後に、再び加熱停止判定通知を携帯端末30に送信する。このように、一旦加熱停止判定通知を受信した場合に、再び加熱停止判定通知を送信する時期を指定することで、ユーザ3は、コンロ12の加熱を停止するタイミングを変更することができる。なお、再通知する時期については、加熱停止判定通知の受信の度にユーザ3によって変更可能であってもよいし、一定の値であってもよい。
【0067】
さらに、図9に示されるように、加熱停止判定画面は、加熱停止時間32tを備えていてもよい。図9の加熱停止判定画面が表示されると、ユーザ3は、加熱の継続をする場合には、図8の加熱停止判定画面と同様に、加熱継続スイッチ32cを選択する。一方、加熱の停止をする場合には、ユーザ3は、携帯端末30を操作しない。これにより、携帯端末30は、30秒経過後に加熱停止を含んだユーザ応答を端末側送信部30s(図2参照)によって制御装置20に送信する。これにより、コンロ12の加熱が停止される。すなわち、ユーザ応答には、ユーザ3が携帯端末30を操作しないことも含まれる。なお、図9の加熱停止判定画面は、さらに加熱停止スイッチ32sを備えてもよい。また、加熱停止時間32tは、ユーザ3により変更可能であってもよい。
【0068】
(第6実施例)
図10および図11を参照して、第6実施例の加熱機器管理システム2aについて説明する。図10に、示されるように、第6実施例の加熱機器管理システム2aは、加熱調理器10aと、携帯端末300と、を備えている。加熱調理器10aは、制御装置200を備えている。第1実施例の加熱機器管理システム2が備えている加熱調理器10と、第6実施例の加熱機器管理システム2aが備えている加熱調理器10aとは、制御装置の構成のみが異なっており、その他の構成は同様である。制御装置200は、制御装置20とは異なり、ユーザ存在判定部20u(図2参照)を備えていない。すなわち、第6実施例の加熱機器管理システム2aの制御装置200は、ユーザ存在判定処理を実行しない。
【0069】
第6実施例の加熱機器管理システム2aでは、携帯端末300が、ソフトウェアモジュールとして、図2を参照して説明した端末側受信部30r等に加え、ユーザ存在判定部30uとして機能する。すなわち、第6実施例の加熱機器管理システム2aでは、携帯端末300によってユーザ存在判定処理を実行する。なお、第1実施例の加熱機器管理システム2が備えている携帯端末30と、第6実施例の加熱機器管理システム2aが備えている携帯端末300とは、ユーザ存在判定部30uとしての機能のみが異なっており、その他の機能は同様である。
【0070】
図11を参照して、携帯端末300(図10参照)が実行する処理について説明する。第6実施例の加熱機器管理システム2aでは、携帯端末300の端末識別情報は、加熱調理器10aに予め登録済みである。加熱調理器10aのコンロ12(図1参照)で加熱が開始されると、加熱調理器10aの制御装置200は、機器側送信部20sによって登録されている端末識別情報で識別される携帯端末300に加熱中情報を送信する。携帯端末300は、加熱調理器10aから、端末側受信部30rによって加熱中情報を受信する(ステップS62)。加熱中情報を受信すると、携帯端末300のユーザ存在判定部30uは、ユーザ存在判定処理を実行する(ステップS64)。
【0071】
携帯端末300のユーザ存在判定部30uは、ステップS62で加熱中情報を受信した後、例えば、図7に示すユーザ存在判定処理S4の処理を実行する。その場合、携帯端末300のユーザ存在判定部30uは、端末側受信部30rによって、スマートメータ6からルータ8(ともに図2参照)を介して消費電気量Euを受信する(ステップS51)。携帯端末300のユーザ存在判定部30uは、受信した消費電気量Euを消費電気量しきい値Eth比較する(ステップS53)。第5実施例のユーザ存在判定部20uと同様に、携帯端末300のユーザ存在判定部30uは、消費電気量Euが消費電気量しきい値Ethよりも大きい場合(ステップS53:YES)に、ユーザ3が加熱調理器10aの近傍に存在すると判定する(ステップS54)。一方、携帯端末300のユーザ存在判定部30uは、消費電気量Euが消費電気量しきい値Ethよりも小さい場合(ステップS53:NO)に、ユーザ3が加熱調理器10aの近傍に存在しないと判定する(ステップS55)。
【0072】
ステップS64で実行されたユーザ存在判定処理において、ユーザ3が加熱調理器10a(図10参照)の近傍に存在すると判定された場合(ステップS66:YES)には、ユーザ存在判定部30uは、端末側受信部30r(図10参照)が、加熱調理器10aから加熱停止情報を受信したかを判定する(ステップS67)。ここで、加熱停止情報とは、ユーザ3がコンロ12の加熱を停止した場合に、加熱調理器10aから携帯端末300に送信される情報である。端末側受信部30rが加熱停止情報を受信している場合(ステップS67:YES)には、ユーザ存在判定部30uは、処理を終了する。端末側受信部30rが加熱停止情報を受信していない場合(ステップS67:NO)には、ユーザ存在判定部30uは、所定時間経過後に、再びユーザ存在判定処理を実行する(ステップS64)。ユーザ存在判定部30uは、コンロ12の加熱が停止されるまで、所定の周期でユーザ存在判定処理を繰り返して実行する。
【0073】
ユーザ3が加熱調理器10a(図10参照)の近傍に存在しないと判定された場合(ステップS66:NO)には、携帯端末300は、端末側表示部30d(図10参照)によって、図8および図9を参照して説明した加熱停止判定入力画面を表示する(ステップS68)。ユーザ3が加熱停止判定入力画面に対して、ユーザ応答を入力すると、携帯端末300は、端末側送信部30sによって、ユーザ応答を制御装置200に送信する(ステップS70)。ユーザ応答を受信した制御装置200は、図3を参照して説明したように、ユーザ応答に含まれる加熱停止または継続の指示に基づいて、コンロ12を制御する。
【0074】
(対応関係)鍋16およびグリル14内の被調理物が、「加熱対象物」の一例である。加熱調理器10aが「加熱機器」の一例であり、コンロ12およびグリル14が、「加熱部」の一例である。ルータ8が、「接続装置」の一例である。スマートメータ6が、「消費情報計測装置」の一例である。消費電気量Euが、「消費情報」の一例である。
【0075】
以上、実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上述した実施例の変形例を以下に列挙する。
【0076】
(変形例1)上述した実施例では、加熱調理器10の近傍にユーザ3が存在するか否かを判定し、加熱調理器10の近傍にユーザ3が存在しない場合に、ユーザ3の携帯端末によって加熱調理器10のコンロ12またはグリル14を制御する。これに代えて、変形例では、「加熱機器」は、例えば、ガスファンヒータでもよい。その場合、「加熱対象物」は、ガスファンヒータが配置されている室内の空気となる。本明細書が開示する技術は、ガスファンヒータの近傍にユーザが存在しないと判定された場合に、ユーザの携帯端末によって、ガスファンヒータを制御する加熱機器管理システムにも適用可能である。
【0077】
(変形例2)第1実施例の加熱機器管理システム2では、カメラ4cの撮像した加熱調理器10の周辺の画像に基づいて、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在しているか否かが判定される。しかしながら、変形例では、これに限定されず、例えば、赤外線を利用した人感センサによってユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在しているか否かを判定してもよい。
【0078】
(変形例3)第1実施例の加熱機器管理システム2では、ステップS18において、送信後時間Taがしきい値時間Tthを超えた場合(ステップS18:YES)に、コンロ12の加熱を停止する。しかしながら、変形例では、これに限定されず、例えば、送信後時間Taがしきい値時間Tthを超えた場合(ステップS18:YES)に、ステップS8に戻り、再び加熱停止判定通知を送信してもよい。
【0079】
(変形例4)上述した加熱機器管理システム2では、携帯端末30が加熱調理器10に登録された時点において存在した携帯端末30の位置、ユーザ3によって加熱調理器10に直接入力された加熱調理器10の位置を、「基準位置」に設定し、携帯端末30の位置と比較している。これに代えて、変形例では、機器位置情報取得部20pは、GPSによって加熱調理器10の現在の位置を取得してもよい。その場合、ユーザ存在判定部20uは、GPSによって取得した加熱調理器10の位置を「基準位置」に設定し、当該基準位置と、携帯端末30の位置とを比較することで、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在するか否かを判定してもよい。
【0080】
(変形例5)上述した加熱機器管理システム2では、ユーザ3は、携帯端末30に端末側表示部30dによって表示された加熱停止判定画面によって、コンロ12の加熱を停止するか否かの判定を入力した。これに代えて、変形例では、例えば加熱停止判定通知を受信した携帯端末30が、判定入力部30iによって音声によりコンロ12の加熱を停止するか否かについてユーザ3に問いかけてもよい。その場合、ユーザ3は、携帯端末30の問いかけに音声で回答することで、コンロ12の加熱を停止するか否かの判定を入力してもよい。
【0081】
(変形例6)上述した第5実施例の加熱機器管理システム2では、ユーザ存在判定部20uは、スマートメータ6から消費電気量Euを取得し、消費電気量しきい値Ethと比較することで、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在するか否かを判定した。変形例では、これに代えて、ユーザ存在判定部20uは、スマートメータ6から住宅40内の消費ガス量を取得して、消費ガスしきい値と比較することで、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在するか否かを判定してもよい。その場合、消費ガスしきい値は、コンロ12、グリル14の消費ガス量に、住宅40内に配置されているその他の常時作動しているガス機器の消費ガス量を合算した値としてもよい。また、ユーザ存在判定部20uは、スマートメータ6から消費水道量Wuを取得し、消費水道量しきい値Wthと比較することで、ユーザ3が加熱調理器10の近傍に存在するか否かを判定してもよい。
【0082】
(変形例7)第6実施例の加熱機器管理システム2aが備えているユーザ存在判定部30uは、図7に示されるユーザ存在判定処理S4を実行することで、ユーザ3が加熱調理器10aの近傍に存在するか否かを判定した。これに代えて、変形例では、例えば携帯端末300は、カメラ4cから画像を取得して、図4に示されるユーザ存在判定処理S4を実行してもよい。また、携帯端末300は、加熱調理器10aから機器位置情報を取得して、図5に示されるユーザ存在判定処理S4を実行してもよい。
【0083】
(変形例8)上述した実施例の加熱調理器10、10aは、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。これに代えて、変形例では、電磁誘導加熱調理器(IH調理器)であってもよい。
【0084】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0085】
2、2a :加熱機器管理システム
3 :ユーザ
4 :レンジフード
4c :カメラ
6 :スマートメータ
8 :ルータ
10、10a:加熱調理器
10s :電源スイッチ
12 :コンロ
12s :コンロスイッチ
14 :グリル
14s :グリルスイッチ
16 :鍋
20、200:制御装置
20c :機器側制御部
20m :機器側記憶部
20p :機器位置情報取得部
20r :機器側受信部
20s :機器側送信部
20u、30u:ユーザ存在判定部
30、300 :携帯端末
30a :管理アプリ
30c :端末側制御部
30d :端末側表示部
30m :端末側記憶部
30p :端末位置情報取得部
30r :端末側受信部
30s :端末側送信部
40 :住宅
100 :インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11