IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サターン ライセンシング エルエルシーの特許一覧

特許7482779画像処理装置、表示制御方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】画像処理装置、表示制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20240507BHJP
   H04N 21/4402 20110101ALI20240507BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/4402
G09G5/00 550A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020539341
(86)(22)【出願日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 JP2019032047
(87)【国際公開番号】W WO2020045108
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】P 2018160184
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019124200
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316009762
【氏名又は名称】サターン ライセンシング エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Saturn Licensing LLC
【住所又は居所原語表記】25 Madison Avenue New York,NY,USA
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】青柳 光俊
(72)【発明者】
【氏名】本地 秀考
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-301299(JP,A)
【文献】特開2010-060863(JP,A)
【文献】特開2008-125066(JP,A)
【文献】特開2009-049808(JP,A)
【文献】特開2017-046040(JP,A)
【文献】特開2006-157222(JP,A)
【文献】特開2017-069935(JP,A)
【文献】特開2011-223572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
H04N 5/57
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合にのみ、前記特定の配信サービス用の画質調整モードの設定に関する表示を含む画質調整メニューを表示させる表示制御部を備え
前記表示制御部は、前記画質調整モードのオン、または前記画質調整モードのオフの設定に用いられる表示を含む前記画質調整メニューを表示させ、
前記画質調整モードがオンに設定された場合、画質調整パラメータに従って、前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質を調整する画質調整制御部をさらに備え、
前記画質調整パラメータは、他の入力種の画質調整パラメータとともに1つの入力種として管理される
画像処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、他の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合、前記画質調整モードの設定に関する表示を含まない前記画質調整メニューを表示させる
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記画質調整モードがオンに設定された場合、他の画質調整モードの設定に用いられる表示を操作不可の状態で表示させる
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記画質調整モードがオンに設定された場合、画質の調整に関するそれぞれの項目の設定に用いられる表示を操作可能な状態で表示させる
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画質調整パラメータは、前記特定の配信サービスによって配信される全てのコンテンツに共通のパラメータとして設定される
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画質調整パラメータが、前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツ毎に設定される場合、
前記画質調整制御部は、再生対象となるコンテンツの前記画質調整パラメータをサーバから取得し、コンテンツの画質を調整する
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記特定の配信サービスが複数あり、
前記画質調整制御部は、それぞれの前記特定の配信サービス用の前記画質調整パラメータに従って、それぞれの前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質を調整する
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画質調整制御部は、それぞれの前記特定の配信サービス用の前記画質調整パラメータとOffset値とに従って、それぞれの前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質を調整する
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画質調整制御部は、それぞれの前記特定の配信サービス用の前記画質調整パラメータを、それぞれの前記特定の配信サービスを提供するサーバから取得し、それぞれの前記特定の配信サービス用の前記Offset値を、ユーザによる操作に応じて取得する
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
画像処理装置が、
特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合にのみ、前記特定の配信サービス用の画質調整モードの設定に関する表示を含む画質調整メニューを表示させ
前記画質調整モードのオン、または前記画質調整モードのオフの設定に用いられる表示を含む前記画質調整メニューを表示させ、
前記画質調整モードがオンに設定された場合、画質調整パラメータに従って、前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質を調整し、
前記画質調整パラメータは、他の入力種の画質調整パラメータとともに1つの入力種として管理される
表示制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合にのみ、前記特定の配信サービス用の画質調整モードの設定に関する表示を含む画質調整メニューを表示させ
前記画質調整モードのオン、または前記画質調整モードのオフの設定に用いられる表示を含む前記画質調整メニューを表示させ、
前記画質調整モードがオンに設定された場合、画質調整パラメータに従って、前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質を調整し、
前記画質調整パラメータは、他の入力種の画質調整パラメータとともに1つの入力種として管理される
処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置、表示制御方法、およびプログラムに関し、特に、コンテンツの提供側が意図した通りの映像をユーザに視聴させることができるようにした画像処理装置、表示制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映画やテレビジョン番組などの映像コンテンツの配信サービスが普及してきている。
【0003】
SDR(Standard Dynamic Range)の映像を収録したコンテンツだけでなく、ダイナミックレンジを拡張したHDR(High Dynamic Range)の映像を収録したコンテンツの配信を行う配信サービスも出てきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-124429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンテンツの提供者側としては、提供者が意図した通りの画質の映像をユーザに視聴してもらうことが好ましい。
【0006】
TVの画質調整機能を用いてユーザが自ら輝度の調整をしているときには、提供者が意図した画質とは異なる画質の映像が表示されてしまうことがある。
【0007】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、コンテンツの提供側が意図した通りの映像をユーザに視聴させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の一側面の画像処理装置は、特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合にのみ、前記特定の配信サービス用の画質調整モードの設定に関する表示を含む画質調整メニューを表示させる表示制御部を備え、前記表示制御部は、前記画質調整モードのオン、または前記画質調整モードのオフの設定に用いられる表示を含む前記画質調整メニューを表示させ、前記画質調整モードがオンに設定された場合、画質調整パラメータに従って、前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質を調整する画質調整制御部をさらに備え、前記画質調整パラメータは、他の入力種の画質調整パラメータとともに1つの入力種として管理される
【0009】
本技術の一側面においては、特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合にのみ、前記特定の配信サービス用の画質調整モードの設定に関する表示を含む画質調整メニューが表示され、前記画質調整モードのオン、または前記画質調整モードのオフの設定に用いられる表示を含む前記画質調整メニューが表示され、前記画質調整モードがオンに設定された場合、画質調整パラメータに従って、前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質が調整されるまた、前記画質調整パラメータが、他の入力種の画質調整パラメータとともに1つの入力種として管理される
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】コンテンツ配信システムの構成例を示す図である。
図2】TVのアプリケーション構造の例を示す図である。
図3】番組視聴中の画質調整メニューの表示例を示す図である。
図4図3の画質調整メニューを拡大して示す図である。
図5】Picture modeの選択メニューの表示例を示す図である。
図6】画質調整メニューの他の表示例を示す図である。
図7図6の画質調整メニューを拡大して示す図である。
図8図6の画質調整メニューを拡大して示す図である。
図9】画質調整メニューの表示の切り替えの例を示す図である。
図10】TVのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図11】TVの機能構成例を示すブロック図である。
図12】画質調整処理について説明するフローチャートである。
図13】他の画質調整処理について説明するフローチャートである。
図14】デバイスの例を示す図である。
図15】画質調整パラメータの提供の例を示す図である。
図16】画質調整パラメータの提供の他の例を示す図である。
図17】画質調整メニューの表示例を示す図である。
図18】画質調整メニューを拡大して示す図である。
図19】Partner Offsetの設定時の表示例を示す図である。
図20】Offsetメニューを拡大して示す図である。
図21】配信サービス毎の画面の表示例を示す図である。
図22】画質調整パラメータの管理の例を示す図である。
図23】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.コンテンツ配信システムの構成
2.画質調整メニューの表示
3.TVの構成と動作
4.変形例
5.特定の配信サービスが複数ある場合の例
【0012】
<コンテンツ配信システムの構成>
図1は、本技術の一実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成例を示す図である。
【0013】
図1のコンテンツ配信システムは、TV1と配信サーバ2-1乃至2-Nが、インターネットなどのネットワーク3を介して接続されることによって構成される。TV1の操作にはリモートコントローラ4が用いられる。リモートコントローラ4からTV1に対しては、ユーザが押下したボタンに応じたコマンドが送信される。
【0014】
TV1と配信サーバ2-1乃至2-Nの間では、ネットワーク3を介した通信が行われる。ネットワーク3は、有線のネットワーク、無線のネットワーク、および有線と無線を組み合わせたネットワークのいずれの形態のものであってもよい。以下、適宜、配信サーバ2-1乃至2-Nをそれぞれ区別する必要がない場合、配信サーバ2という。
【0015】
画像処理装置であるTV1は、図示せぬ放送局が放送する、地上デジタル放送、衛星放送、ケーブル放送などのテレビジョン放送を受信する。放送局による番組の放送は、チャンネル毎に、予め決められたスケジュールに従って行われる。
【0016】
TV1は、放送された番組の映像をディスプレイに表示するとともに、音声をスピーカから出力する。例えば、TV1が有するディスプレイは、いわゆる4K解像度(3840×2160)の画素を有し、HDRの映像の表示に対応したディスプレイである。
【0017】
また、TV1は、放送によって提供された番組を受信する機能だけでなく、ネットワーク3を経由して提供されたコンテンツを受信する機能を有する。ネットワーク3を経由したコンテンツの提供は、例えばストリーミングにより行われる。コンテンツの提供がダウンロードにより行われるようにしてもよい。
【0018】
TV1は、例えばリモートコントローラ4を用いた操作によって所定の配信サービスが選択された場合、配信サービスのメイン画面をディスプレイに表示させる。TV1においては、それぞれ異なる事業者が提供する、複数の配信サービスを利用することが可能とされている。
【0019】
TV1は、配信サーバ2から送信されてきたコンテンツを受信し、再生する。TV1は、コンテンツを構成するビデオデータを再生して得られた映像をディスプレイに表示するとともに、オーディオデータを再生して得られた音声をスピーカから出力する。
【0020】
配信サーバ2は、配信サービスを提供するサーバである。配信サーバ2-1は配信サービスAを提供するサーバであり、配信サーバ2-2は配信サービスBを提供するサーバである。配信サーバ2-Nは配信サービスNを提供するサーバである。
【0021】
1つの配信サービスが1つの配信サーバ2によって提供されるようにしてもよいし、複数の配信サーバ2によって提供されるようにしてもよい。複数の配信サービスが1つの配信サーバ2によって提供されるようにすることも可能である。
【0022】
このように、TV1のユーザは、複数の配信サービスの中から所定の配信サービスを選択し、選択した配信サービスによって提供されるコンテンツを視聴することができる。TV1は汎用のOS(Operating System)を搭載した機器であり、それぞれの配信サービスを利用するためのアプリケーションがインストールされている。
【0023】
図2は、TV1のアプリケーション構造の例を示す図である。
【0024】
TV1には、TV用OS11が搭載される。TV用OS11上で動作する各種のアプリケーションがTV1にインストールされる。図2の例においては、TV視聴アプリケーション12-1、検索アプリケーション12-2、画質調整アプリケーション12-3、コンテンツ視聴アプリケーション12-A乃至12-Nが示されている。
【0025】
TV視聴アプリケーション12-1は、放送された番組の視聴を管理するアプリケーションである。TV視聴アプリケーション12-1の起動中、ユーザは、リモートコントローラ4を操作して所定のチャンネルを選択し、選択したチャンネルで放送されている番組を視聴することができる。
【0026】
検索アプリケーション12-2は、リモートコントローラ4を操作して、または音声によってユーザにより入力されたキーワードに基づいてWeb上の情報の検索を行うアプリケーションである。
【0027】
画質調整アプリケーション12-3は、TV1のディスプレイの画質調整を管理するアプリケーションである。画質調整アプリケーション12-3は、画質調整を行うことがユーザにより指示された場合、画質に関する各種の項目の設定用のGUI(Graphical User Interface)である画質調整メニューを表示させる。
【0028】
画質調整アプリケーション12-3は、画質調整メニューに対するユーザの操作に応じて、ピクチャモード、輝度、色味などの各種の項目の画質調整パラメータを設定する。画質調整アプリケーション12-3が有する画質調整の機能、画質調整メニューの表示機能が、TV用OS11の機能として用意されるようにしてもよい。
【0029】
コンテンツ視聴アプリケーション12-Aは、配信サーバ2-1により提供される配信サービスAを利用するためのアプリケーションである。
【0030】
例えばコンテンツ視聴アプリケーション12-Aの起動時、TV1には、配信サーバ2-1から送信されてきた情報に基づいて配信サービスAのメイン画面が表示される。メイン画面には、タイトルやサムネイル画像などの、視聴可能なコンテンツに関する情報が表示されており、ユーザは、それらの情報を見て、好みのコンテンツを選択することができる。ユーザが所定のコンテンツを選択したとき、コンテンツの配信が開始される。
【0031】
コンテンツ視聴アプリケーション12-Bは、配信サーバ2-2により提供される配信サービスBを利用するためのアプリケーションである。
【0032】
図2においては図示を省略しているが、TV1には、他の配信サービスを利用するための専用のアプリケーションがそれぞれインストールされる。
【0033】
また、TV1には、HDD(Hard Disk Drive)などの外付けの記録媒体に記録された録画番組の視聴に用いられるビデオアプリケーション、Webページの表示に用いられるWebブラウザなどのアプリケーションもインストールされる。
【0034】
例えば、TV視聴アプリケーション12-1、検索アプリケーション12-2、画質調整アプリケーション12-3は、TV1の製造、販売等を行うメーカーにより用意されるソフトウェアである。コンテンツ視聴アプリケーション12-A乃至12-Nは、それぞれの配信サービスを提供する事業者により用意されるソフトウェアである。
【0035】
<画質調整メニューの表示>
ここで、画質調整メニューの表示例について説明する。画質調整メニューの表示は、特定の配信サービスのコンテンツを視聴している場合と、それ以外の場合とで異なる表示となる。
【0036】
以下においては、配信サーバ2-1が提供する配信サービスAが、特定の配信サービスであるものとする。
【0037】
・番組視聴中の例
図3は、番組視聴中の画質調整メニューの表示例を示す図である。
【0038】
図3の上段に示すサッカー中継の番組は例えば録画番組である。すなわち、図3の上段に示す画面は、録画番組の視聴に用いられるビデオアプリケーションの起動中の画面である。ユーザにより選択された録画番組がビデオアプリケーションにより再生され、映像がディスプレイに表示される。
【0039】
図3の上段に示すような画面が表示されている状態で画質調整を行うことが指示された場合、矢印の先に示すように、画質調整メニュー51が画面の右端に表示される。画面全体のうち、画質調整メニュー51の表示領域以外の領域においては録画番組の映像の表示が続けられる。
【0040】
図4は、図3の画質調整メニュー51を拡大して示す図である。
【0041】
図4に示すように、画質調整メニュー51には、画質の調整に関する各項目が縦に並べて表示される。各項目の表示領域の境界を示す破線は、画質調整メニュー51上に実際に表示される線ではない。
【0042】
画質調整メニュー51の上段の領域61には、画質調整メニューを表す「Picture adjustments」の文字が表示され、その下に「Apps(Video)」が表示される。「Apps(Video)」は、起動中のアプリケーションがビデオアプリケーションであることを表す。
【0043】
このように、領域61には、起動中のアプリケーションを表す情報が表示される。例えば、TV視聴アプリケーション12-1が起動し、放送番組の視聴が行われている場合、TV視聴アプリケーション12-1が起動していることを表す「Apps(Tuner)」が表示される。
【0044】
領域61の下には、領域62乃至67が順に形成される。領域62乃至67には、画質の調整に関する項目が割り当てられる。ユーザは、リモートコントローラ4を操作して所定の項目を選択し、選択した項目の設定を変更することができる。
【0045】
領域62は、Picture mode(ピクチャモード)の設定に用いられる領域である。Picture modeは全体的な画質調整モードである。図4の例においては「Standard」が設定されている。
【0046】
例えば、Picture modeの項目が選択された場合、図5に示すように、画質調整メニュー51に代えて、Picture modeの選択メニュー51Aが表示される。図5の例においては、Picture modeの設定値として「Vivid」、「Standard」、「Cinema」が表示されている。ユーザは、リモートコントローラ4を操作し、選択メニュー51Aに表示されている設定値の中から所定の設定値を選択する。
【0047】
図4の説明に戻り、領域63は、Auto picture modeの設定に用いられる領域である。Auto picture modeは、視聴中の内容に連動させて画質を自動的に切り替える機能である。領域63には、Auto picture modeのオン/オフを表すスイッチ63Aが表示される。ユーザは、Auto picture modeの項目を選択し、Auto picture modeのオン/オフの設定を変更することができる。ここでは、Auto picture modeのオン/オフを領域63に表示するようにしているが、Picture modeの設定値として「Vivid」、「Standard」、「Cinema」とともに「Auto picture mode」を表示して選択できるようにしても良い。
【0048】
領域64は、Brightnessの設定に用いられる領域である。Brightnessは、明るさ(輝度)を表す。図4の例においては「Max」の設定値が設定されている。ユーザは、Brightnessの項目を選択し、明るさの設定を変更することができる。
【0049】
領域65は、Colorの設定に用いられる領域である。Colorは、色味を表す。図4の例においては「60」の設定値が設定されている。ユーザは、Colorの項目を選択し、色味の設定を変更することができる。
【0050】
領域66は、Light sensorの設定に用いられる領域である。Light sensorは、周囲の明るさに合わせて画面の明るさを自動的に調整する機能である。領域66には、Light sensorのオン/オフを表すスイッチ66Aが表示される。
【0051】
ユーザは、Light sensorの項目を選択し、Light sensorの機能のオン/オフの設定を変更することができる。図4の例においては、Light sensorの機能がオンとされ、スイッチ66Aが明るい色で表示されている。斜線を付して示していることは、スイッチ66Aが明るい色で表示されていることを表す。
【0052】
領域67は、詳細設定に用いられる領域である。ユーザは、詳細設定の項目を選択し、画質に関する複数の詳細な設定を変更することができる。
【0053】
録画番組や放送番組の視聴中、以上のような画質調整メニュー51を用いて画質の調整が行われる。
【0054】
特定の配信サービスである配信サービスA以外の配信サービスによって提供されるコンテンツの視聴中も、同様の画質調整メニュー51を用いて画質の調整が行われる。
【0055】
例えば、配信サービスBによって提供されるコンテンツの視聴中に画質調整を行うことが指示された場合、領域61には、起動中のアプリケーションがコンテンツ視聴アプリケーション12-Bであることを表す例えば「Service B app」が表示される。また、配信サービスNによって提供されるコンテンツの視聴中に画質調整を行うことが指示された場合、領域61には、起動中のアプリケーションがコンテンツ視聴アプリケーション12-Nであることを表す例えば「Service N app」が表示される。
【0056】
・特定の配信サービスのコンテンツの視聴中の例
図6は、配信サービスAのコンテンツの視聴中における画質調整メニューの表示例を示す図である。
【0057】
図6の上段に示すコンテンツは、配信サービスAによって提供された例えば映画である。ユーザにより選択されたコンテンツがコンテンツ視聴アプリケーション12-Aにより再生され、コンテンツの映像がディスプレイに表示される。
【0058】
図6の上段に示すような画面が表示されている状態で画質調整を行うことが指示された場合、矢印の先に示すように、画質調整メニュー51が画面の右端に表示される。画面全体のうち、画質調整メニュー51の表示領域以外の領域においてはコンテンツの映像の表示が続けられる。
【0059】
図7は、図6の画質調整メニュー51を拡大して示す図である。
【0060】
図7に示す画質調整メニュー51の表示のうち、図4を参照して説明した表示と同じ表示には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0061】
図7に示すように、領域61には、起動中のアプリケーションがコンテンツ視聴アプリケーション12-Aであることを表す「Service A app」が表示される。
【0062】
図7の画質調整メニュー51において、領域63は、Service A calibrated modeの設定に用いられる領域となる。すなわち、領域63は、Auto picture modeに代えて、Service A calibrated modeの領域となる。領域63には、Service A calibrated modeのオン/オフを表すスイッチ63Bが表示される。
【0063】
Service A calibrated modeは、配信サービスA用の画質調整モードである。
【0064】
Service A calibrated modeがオンである場合、配信サービスAのコンテンツの画質調整は、配信サービスA用として設定された画質調整パラメータに従って行われる。例えば、Service A calibrated modeによる画質調整は、配信サービスAが配信する全てのコンテンツに共通の画質調整パラメータを用いて行われる。
【0065】
配信サービスA用の画質調整パラメータは、予め設定され、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aにより管理されている。配信サービスA用の画質調整パラメータが、Service A calibrated modeがオンに設定されたタイミングで配信サーバ2-1から取得されるようにしてもよい。
【0066】
一方、Service A calibrated modeがオフである場合、配信サービスAのコンテンツの画質調整は、Picture modeを含む、他の領域の表示を用いてユーザにより設定された画質調整パラメータに従って行われる。Picture modeは、番組の画質調整や、配信サービスA以外の他の配信サービスのコンテンツの画質調整だけでなく、Service A calibrated modeがオフである場合には、配信サービスAのコンテンツの画質調整にも用いることが可能とされる。
【0067】
図7の例においては、Service A calibrated modeはオフに設定されている。例えば、Service A calibrated modeのデフォルトの設定はオフとなる。
【0068】
他の領域の項目は、図4を参照して説明した項目と同じである。
【0069】
図7の例においては、領域64のBrightnessの設定は「35」とされ、領域65のColorの設定は「50」とされている。また、領域66のLight sensorの設定はオフとされている。
【0070】
図8は、画質調整メニュー51の表示例を示す図である。
【0071】
Service A calibrated modeがオンに設定された場合、操作不可の状態であることを示すように、領域62がグレーアウトして表示される。すなわち、Picture modeの設定を変更することが禁止される。画質調整モードとして、Picture modeの設定より、Service A calibrated modeの設定が優先されることになる。
【0072】
図8の例においては、領域63のスイッチ63Bがオンとされ、スイッチ63Bが目立つ色で表示されている。
【0073】
図9は、Service A calibrated modeがオンに設定されている場合の画質調整メニュー51の表示例を示す図である。
【0074】
Service A calibrated modeがオンに設定されている場合、図9の上段に示すように、Picture modeがグレーアウトして表示される。この状態において、ユーザがリモートコントローラ4を操作してPicture modeの領域62を選択した場合、矢印の先に示すように、Picture modeの変更が禁止されていることを通知するメッセージ91が表示される。
【0075】
ユーザは、Picture modeを変更する場合には、Service A calibrated modeの設定をオフに切り替え、その後、Picture modeを変更することになる。
【0076】
図8の説明に戻り、領域64のBrightnessの設定は「40」とされ、領域65のColorの設定は「70」とされている。これらのBrightness、Colorの設定は、配信サービスA用の画質調整パラメータに基づく設定である。詳細設定に含まれる他の項目も、適宜、配信サービスA用の画質調整パラメータに基づいて設定される。
【0077】
Service A calibrated modeがオンに設定された場合でも、Picture mode以外の他の項目は操作可能な状態で表示される。ユーザは、Picture mode以外の他の項目については設定を変更することができる。
【0078】
このように、TV1には、配信サービスA用の画質調整モードであるService A calibrated modeが用意される。
【0079】
Service A calibrated modeの画質調整パラメータは、例えば配信サービスAの事業者により用意されたパラメータである。配信サービスAのコンテンツに対しては、配信サービスAの事業者の意図に沿った画質調整が施されることになる。
【0080】
配信サービスAの事業者は、事業者側の意図した通りの画質の映像をユーザに視聴させることができる。
【0081】
ユーザとしても、事業者側の意図した通りの画質でコンテンツの映像を視聴することができる。
【0082】
以上のようにして画質調整を行うTV1の処理についてはフローチャートを参照して後述する。
【0083】
<TVの構成と動作>
・TVの構成
図10は、TV1のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0084】
チューナ101は、図示せぬアンテナから供給された放送波信号、または、衛星放送やケーブルテレビのセットトップボックスから供給された放送波信号を受信し、ユーザにより選択されたチャンネルの信号を抽出する。チューナ101は、抽出した信号に対して、A/D変換、復調などの各種の処理を施し、各種の処理を施すことによって取得した番組のデータをデコーダ102に出力する。
【0085】
デコーダ102は、番組のデータを構成するビデオストリームをデコードし、デコードして得られた各ピクチャのデータを信号処理部103に出力する。また、デコーダ102は、番組のデータを構成するオーディオストリームをデコードし、番組の音声データを信号処理部103に出力する。
【0086】
デコーダ102は、所定の配信サービスのコンテンツを再生する場合、通信部111において受信され、バス106を介して供給されたコンテンツのビデオストリームとオーディオストリームをデコードする。デコーダ102は、コンテンツのビデオストリームをデコードして得られた各ピクチャのデータと、オーディオストリームをデコードして得られた音声データを信号処理部103に出力する。
【0087】
信号処理部103は、CPU107による制御に従って、デコーダ102から供給された各ピクチャの画質調整を行う。信号処理部103は、画質調整後のピクチャをディスプレイ104に出力し、番組やコンテンツの映像を表示させる。
【0088】
また、信号処理部103は、デコーダ102から供給された音声データのD/A変換等を行い、映像に同期させて、番組やコンテンツの音声をスピーカ105から出力させる。
【0089】
ディスプレイ104は、4K解像度の画素を有し、HDRの映像の表示に対応したディスプレイである。ディスプレイ104は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイなどにより構成される。
【0090】
CPU(Central Processing Unit)107、ROM(Read Only Memory)108、RAM(Random Access Memory)109は、バス106により相互に接続される。CPU107は、ROM108や記録部110に記録されているプログラムをRAM109を用いて実行し、TV1の全体を制御する。
【0091】
記録部110は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記録媒体により構成される。記録部110は、番組のデータ、コンテンツ、EPGデータ、プログラムなどの各種のデータを記録する。
【0092】
通信部111は、ネットワーク3のインタフェースである。通信部111は、配信サーバ2との間で通信を行う。
【0093】
操作I/F部112は、リモートコントローラ4から送信されてきたコマンドを受信し、バス106を介してCPU107に出力する。
【0094】
図11は、TV1の機能構成例を示すブロック図である。
【0095】
図11に示すように、TV1においては、コンテンツ再生制御部121、画質調整制御部122、およびメニュー表示制御部123が実現される。
【0096】
図11に示す機能部のうちの少なくとも一部は、図10のCPU107により所定のプログラムが実行されることによって実現される。例えば、コンテンツ再生制御部121は、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aが実行されることによって実現される。画質調整制御部122とメニュー表示制御部123は、画質調整アプリケーション12-3が実行されることによって実現される。
【0097】
コンテンツ再生制御部121は、通信部111を制御することによって配信サーバ2-1と通信を行い、ユーザにより選択されたコンテンツの送信を配信サーバ2-1に要求する。コンテンツ再生制御部121は、デコーダ102を制御し、配信サーバ2-1から送信されてきたコンテンツを再生させる。
【0098】
画質調整制御部122は、信号処理部103において行われる、番組やコンテンツの画質調整を制御する。
【0099】
例えば、画質調整制御部122は、特定の配信サービスである配信サービスAのコンテンツを再生する場合において、Service A calibrated modeがオンに設定されている場合、配信サービスA用の画質調整パラメータに従って画質調整を行わせる。配信サービスA用の画質調整パラメータは、例えば、複数の項目の設定値を表す複数のパラメータのセットにより構成される。
【0100】
また、画質調整制御部122は、番組の再生時、または、配信サービスA以外の配信サービスのコンテンツの再生時、ユーザにより個別に設定された画質調整パラメータに従って画質調整を行わせる。
【0101】
メニュー表示制御部123は、画質調整を行うことが指示された場合、画質調整メニューをディスプレイ104に表示させる。また、メニュー表示制御部123は、画質調整メニューの表示を、上述したようにしてユーザの操作に応じて切り替える。
【0102】
・TVの動作
ここで、図12のフローチャートを参照して、TV1の画質調整処理について説明する。
【0103】
図12の処理は、例えば、画質調整を行うことがユーザにより指示されたときに開始される。
【0104】
ステップS1において、メニュー表示制御部123は、特定の配信サービスである配信サービスAのコンテンツの視聴中であるか否かを判定する。
【0105】
配信サービスAのコンテンツの視聴中であるとステップS1において判定した場合、ステップS2において、メニュー表示制御部123は、配信サービスA用の画質調整モードであるService A calibrated modeの項目を含む画質調整メニュー(図7)を表示させる。
【0106】
ステップS3において、メニュー表示制御部123は、ユーザの操作に応じて、画質調整メニューの表示を上述したようにして切り替える。
【0107】
ステップS4において、メニュー表示制御部123は画質調整メニューを閉じるか否かを判定する。画質調整メニューを閉じるとステップS4において判定されるまで、ステップS3に戻り、画質調整メニューの表示が続けられる。
【0108】
画質調整メニューを閉じるとステップS4において判定された場合、ステップS5において、画質調整制御部122は、配信サービスAのコンテンツの画質調整を制御し、画質調整後の映像を表示させる。例えば、画質調整メニューを用いてService A calibrated modeがオンに設定された場合、画質調整制御部122は、配信サービスA用の画質調整パラメータに従って画質調整を行わせる。
【0109】
一方、配信サービスAのコンテンツの視聴中ではないとステップS1において判定した場合、ステップS6において、メニュー表示制御部123は、通常の画質調整メニュー(図4)を表示させる。ここで表示される画質調整メニューには、Service A calibrated modeの項目が含まれていない。
【0110】
ステップS7において、メニュー表示制御部123は、ユーザの操作に応じて、通常の画質調整メニューの表示を切り替える。
【0111】
ステップS8において、メニュー表示制御部123は通常の画質調整メニューを閉じるか否かを判定する。通常の画質調整メニューを閉じるとステップS8において判定されるまで、ステップS7に戻り、通常の画質調整メニューの表示が続けられる。
【0112】
通常の画質調整メニューを閉じるとステップS8において判定された場合、ステップS9において、画質調整制御部122は、番組やコンテンツの画質調整をユーザによる設定に応じて制御し、画質調整後の映像を表示させる。
【0113】
ステップS5またはステップS9において画質調整が行われた後、処理は終了となる。
【0114】
以上の処理により、配信サービスAの事業者は、事業者側の意図した通りの画質の映像をユーザに視聴させることができる。また、ユーザは、事業者側の意図した通りの画質でコンテンツの映像を視聴することができる。
【0115】
なお、配信サービスAが配信するコンテンツは、SDRの映像を収録したコンテンツであってもよいし、HDRの映像を収録したコンテンツであってもよい。SDRの映像の最高輝度が100nit(100cd/m2)であるのに対し、HDRの映像の最高輝度は、それを超える例えば10000nitである。
【0116】
TV1が有しているディスプレイ104が上述したようにHDRの映像の表示に対応したディスプレイである場合、調整の幅が広いことから、事業者側の意図したものとは異なる画質の調整がユーザにより行われる可能性がある。配信サービスA用の画質調整モードであるService A calibrated modeを用意することは、特に、HDRの映像を収録したコンテンツの表示時に有効であると考えられる。
【0117】
<変形例>
・画質調整パラメータの設定例
Service A calibrated modeがオンに設定された場合に用いられる画質調整パラメータが、配信サービスAが配信する全てのコンテンツに共通の画質調整パラメータであるものとしたが、コンテンツ毎に用意されるようにしてもよい。この場合、画質調整パラメータは、例えばコンテンツの制作者により用意され、配信サーバ2-1において管理される。
【0118】
図13のフローチャートを参照して、画質調整パラメータがコンテンツ毎に用意される場合の画質調整処理について説明する。
【0119】
図13の処理は、例えば、Service A calibrated modeがオンに設定されたときに開始される。
【0120】
ステップS21において、画質調整制御部122は、特定の配信サービスのサーバである配信サーバ2-1と通信を行い、再生対象となるコンテンツ用の画質調整パラメータを取得する。
【0121】
ステップS22において、画質調整制御部122は、配信サーバ2-1から取得した画質調整パラメータに従って、コンテンツの画質調整を信号処理部103に行わせる。
【0122】
これにより、配信サービスAが配信するコンテンツの制作者は、制作者側の意図した通りの画質の映像をユーザに視聴させることができる。
【0123】
画質調整パラメータが、配信サービスAが配信するコンテンツのジャンル毎に用意されるようにしてもよいし、TV1の機種毎に用意されるようにしてもよい。また、TV1が有するディスプレイ104の表示性能毎に画質調整パラメータが用意されるようにしてもよい。
【0124】
・デバイスの例
TV1による以上のような画質調整が、図14のAに示す再生機器201や図14のBに示す携帯端末202において行われるようにしてもよい。再生機器201は、所定のパッケージメディアの再生に対応した機器、セットトップボックスなどのデバイスである。
【0125】
例えば再生機器201は、Service A calibrated modeがオンに設定されている場合、配信サービスA用の画質調整パラメータに基づいてコンテンツの画質調整を行い、画質調整後の映像をTV1に出力し、表示させる。
【0126】
・その他の例
特定の配信サービス用のパラメータとして、画質調整に用いられるパラメータが用意されるものとしたが、コンテンツの音声の音質調整に用いられるパラメータが用意されるようにしてもよい。
【0127】
TV1は、Service A calibrated modeがオンに設定されている場合、配信サービスA用のパラメータに基づいてコンテンツの音声を調整し、音質調整後の音声を出力することになる。
【0128】
<特定の配信サービスが複数ある場合の例>
特定の配信サービスが配信サービスAの1つである場合について説明したが、複数の配信サービスが、特定の配信サービスとして用意されるようにしてもよい。
【0129】
この場合、ユーザは、上述したService A calibrated modeと同様の画質調整の機能を、配信サービスAだけでなく、配信サービスB、配信サービスCなどの他の配信サービスのコンテンツの視聴時にも利用することが可能となる。
【0130】
図15は、画質調整パラメータの提供の例を示す図である。
【0131】
TV1においてコンテンツ視聴アプリケーション12-Aが起動している場合、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aと配信サーバ2-1の間で通信が行われ、矢印#1で示すように、配信サーバ2-1からコンテンツ視聴アプリケーション12-Aに対して、配信サービスA用の画質調整パラメータが提供される。
【0132】
画質調整パラメータの提供が、上述したようにService A calibrated modeがオンに設定されたタイミングで行われるようにしてもよいし、コンテンツの配信が開始されたタイミングなどの任意のタイミングで行われるようにしてもよい。
【0133】
Service A calibrated modeがオンに設定されている場合、配信サーバ2-1から提供された画質調整パラメータに基づいて、配信サービスAのコンテンツの画質調整が行われる。画質調整パラメータの取得と、画質調整パラメータに基づく画質調整は、例えば、画質調整制御部122により行われる。
【0134】
このような画質調整パラメータの提供が、他の配信サービスの提供を管理する配信サーバによっても行われる。
【0135】
図16は、画質調整パラメータの提供の他の例を示す図である。
【0136】
例えば配信サービスB用の画質調整モードが用意されている場合、配信サービスB用の画質調整モードにおいて用いられる画質調整パラメータが、配信サービスBの提供を管理する配信サーバ2-2によって提供される。
【0137】
すなわち、TV1において起動しているコンテンツ視聴アプリケーション12-B(図2)と配信サーバ2-2の間で通信が行われ、矢印#2で示すように、配信サーバ2-2からコンテンツ視聴アプリケーション12-Bに対して、配信サービスB用の画質調整パラメータが提供される。
【0138】
配信サービスB用の画質調整パラメータの提供も、配信サービスB用の画質調整モードがオンに設定されたタイミングや、コンテンツの配信が開始されたタイミングなどの任意のタイミングで行われる。
【0139】
配信サービスB用の画質調整モードがオンに設定されている場合、配信サーバ2-2から提供された画質調整パラメータに基づいて、配信サービスBのコンテンツの画質調整が行われる。
【0140】
このように複数の配信サービス用の画質調整モードが用意されている場合、画質調整メニューの表示は、図8等を参照して説明した画質調整メニュー51の表示とは異なるものとなる。
【0141】
・画面表示について
図17は、画質調整メニューの表示例を示す図である。
【0142】
配信サービスAのコンテンツの視聴中において、画質調整を行うことが指示された場合、図17の上段に示すように、画質調整メニュー301が画面の右端に表示される。画面全体のうち、画質調整メニュー301の表示領域以外の領域においては、配信サービスAのコンテンツの映像の表示が続けられる。
【0143】
画質調整メニュー301には、上述した画質調整メニュー51と同様の項目が縦に並べて表示される。重複する説明については適宜省略する。
【0144】
図18は、図17の画質調整メニュー301を拡大して示す図である。
【0145】
最上段の領域301Aは、ディスプレイ104に対する入力の種類(入力種)を表す情報が表示される領域である。図18の例においては、入力種が「Partner App」とされている。
【0146】
「Partner App」は、専用の画質調整モードが用意されている配信サービスを利用するためのアプリケーションが実行されており、そのアプリケーションによって取得された映像がディスプレイ104に表示されていることを表す。
【0147】
専用の画質調整モードが用意されている配信サービスAの事業者、配信サービスBの事業者などが「Partner」となる。以下、適宜、「Partner」専用の画質調整モードをPartner calibrated modeという。
【0148】
領域301Aの下の領域311乃至316が、ユーザの操作に用いられる領域となる。領域311乃至316には、画質調整に関する項目が割り当てられる。ユーザは、リモートコントローラ4を操作して所定の項目を選択し、選択した項目の設定を変更することができる。
【0149】
領域311は、Picture modeの設定に用いられる領域である。図18の例においては、Picture modeとして「Standard」が設定されている。
【0150】
領域312は、Auto picture modeの設定に用いられる領域である。
【0151】
領域311、領域312の表示は、それぞれ、例えば図4を参照して説明した領域62、領域63の表示と同じである。
【0152】
領域313は、「Partner」専用の画質調整モードであるPartner calibrated modeの設定に用いられる領域である。配信サービスAのコンテンツの視聴中であるから、図18の領域313には、「Partner calibrated mode for Service A」の文字が表示されている。「Partner calibrated mode for Service A」は、配信サービスAのPartner calibrated mode、すなわち、上述したService A calibrated modeと同じである。
【0153】
なお、図18の例においては、Partner calibrated modeの設定はオフとされている。デフォルトのPartner calibrated modeの設定は例えばオフである。
【0154】
リモートコントローラ4を操作してユーザが領域313を選択した場合、Partner calibrated modeのオン/オフを選択することが可能となる。
【0155】
領域314は、画質調整パラメータとしてのBrightnessの設定に用いられる領域である。図18の例においては「35」の設定値が設定されている。
【0156】
領域315は、画質調整パラメータとしてのColorの設定に用いられる領域である。図18の例においては「60」の設定値が設定されている。
【0157】
領域314、領域315の表示は、それぞれ、例えば図8を参照して説明した領域64、領域65の表示と同じである。Partner calibrated modeがオフである場合、ユーザは、Brightness、Colorの画質調整パラメータを任意に設定することができる。
【0158】
領域316は、Partner Offsetの設定に用いられる領域である。Partner Offsetは、Partner calibrated modeがオンとして設定されている場合の画質調整に用いられるOffsetである。Partner Offsetとして設定されているOffset値を用いて、Partner calibrated modeによって設定された画質調整パラメータによる画質調整に対してさらに調整が加えられる。
【0159】
すなわち、ユーザは、Partner Offsetの設定を行っておくことにより、Partner calibrated modeのオリジナルの映像(配信サービスから提供された画質調整パラメータを用いた画質調整後の映像)そのものではなく、さらに、自分の好みに応じて画質の微調整を行わせた映像を視聴することができる。
【0160】
図18に示すようにPartner calibrated modeがオフとして設定されている場合、領域316はグレーアウトして表示される。この場合、Partner Offsetの設定は不可とされる。
【0161】
図18において、領域316に色が付されていることは、領域316がグレーアウトして表示されていることを表す。グレーアウトしていない領域311乃至領域315は、ユーザが操作可能な領域となる。
【0162】
このような画質調整メニュー301の表示を用いて、ユーザは、配信サービスAのコンテンツの画質調整を行うことができる。
【0163】
図17の説明に戻り、Partner calibrated mode(Partner calibrated mode for Service A)がオンに設定された場合、矢印#11の先に示すように、コンテンツの映像は、Partner calibrated modeによる画質調整後の映像に切り替えられる。Brightness、Colorなどの画質調整パラメータとして、配信サービスAから提供されたパラメータを用いた画質調整がコンテンツに対して施される。図17の例においては、Brightnessとして「60」、Colorとして「50」の設定値がPartner calibrated modeの画質調整パラメータとして用いられている。
【0164】
画質調整メニュー301においては、領域311乃至領域316のうち、Partner calibrated modeの領域313とPartner Offsetの領域316だけが操作可能となり、他の領域はグレーアウトして表示される。
【0165】
図17の下段の画質調整メニュー301において、領域313のPartner calibrated modeの設定はオンになっている。また、領域311のPicture modeの設定は、Partner calibrated modeが優先されることを表す「Partner calibrated」となる。
【0166】
この状態において、Partner calibrated modeがオフに設定された場合、矢印#12の先に示すように、コンテンツの映像は、Partner calibrated modeによる画質調整が行われていない映像に切り替えられる。画質調整メニュー301の表示も、Partner calibrated modeがオンに設定される前のオフ時の表示に戻ることになる。
【0167】
図19は、Partner Offsetの設定時の表示例を示す図である。
【0168】
図19の上段に示すようにPartner calibrated modeがオンである場合において、画質調整メニュー301の最下欄のPartner Offsetを設定することが選択されたとき、矢印#13の先に示すように、画質調整メニュー301に代えてOffsetメニュー302が表示される。Offsetメニュー302は、Partner Offsetの設定に用いられる表示である。
【0169】
図20は、Offsetメニュー302を拡大して示す図である。
【0170】
最上段の領域302Aには、Offsetメニュー302が、Partner Offsetの設定に用いられるメニューであることを表す「Partner Offset(Service A)」の文字が表示されている。
【0171】
領域302Aの下の領域331、領域332が、ユーザの操作に用いられる領域となる。
【0172】
図20の例においては、領域331が、BrightnessのOffset値の設定に用いられる領域である。また、領域332が、ColorのOffset値の設定に用いられる領域である。
【0173】
ユーザは、領域331を選択することによりBrightnessのOffset値を設定することができる。また、ユーザは、領域332を選択することにより、ColorのOffset値を設定することができる。
【0174】
Offset値の設定は、例えば、5段階の中からいずれかの段階を選択したり、+5/+3/-3/-5の中からいずれかのレベルを選択したりするなどの、基準に対する相対的な表現を用いた選択肢を用いて行われる。
【0175】
すなわち、Offset値の単位は、BrightnessやColorなどの調整パラメータの単位とは異なる単位となる。Offset値の値としては、BrightnessやColorを表す値(図18の「35」、「60」)のような、絶対的な数値は用いられない。
【0176】
例えば、BrightnessのOffset値として「+5」が選択された場合、Partner calibrated modeによって規定されるBrightnessである「60」に対して「+5」に応じた所定の値が加算され、加算後の値がBrightnessの調整に用いられる。
【0177】
Offset値の設定が行われた後、画質調整メニュー301が表示される図19の上段の状態に戻ることになる。
【0178】
なお、図19の例においては、Offsetメニュー302を用いて設定可能なOffset値がBrightnessのOffset値とColorのOffset値の2つであるとしたが、Offsetメニュー302に表示される項目の数は、Partner calibrated mode毎に異なるものとなる。例えば、配信サービスBのPartner calibrated mode(Partner calibrated mode for Service B)において、さらに多くの種類の画質調整パラメータのOffset値を設定することが可能とされるようにしてもよい。
【0179】
配信サービスBのコンテンツの視聴中においても、以上のような表示と同様の表示を用いて、Partner calibrated modeの設定を含む、各種の画質調整に関する設定が行われる。
【0180】
図21は、配信サービス毎の画面の表示例を示す図である。
【0181】
図21の左側に示す表示は、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aが起動し、配信サービスAのコンテンツの視聴が行われている場合の上述した画面表示を表す。上段が、Partner calibrated mode for Service Aがオフである場合の表示を表し、中段が、Partner calibrated mode for Service Aがオンである場合の表示を表す。下段は、Offsetメニュー302の表示を表す。
【0182】
一方、図21の右側に示す表示は、コンテンツ視聴アプリケーション12-Bが起動し、配信サービスBのコンテンツの視聴が行われている場合の画面表示を表す。上段が、Partner calibrated mode for Service Bがオフである場合の表示を表し、中段が、Partner calibrated mode for Service Bがオンである場合の表示を表す。下段は、Offsetメニュー302の表示を表す。
【0183】
矢印#21で示すように、画質調整メニュー301の入力種の表示は、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aが起動している場合とコンテンツ視聴アプリケーション12-Bが起動している場合とで共通して「Partner App」となる。
【0184】
矢印#22,#24で示すように、画質調整メニュー301のPicture modeの表示は、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aが起動している場合とコンテンツ視聴アプリケーション12-Bが起動している場合とで共通する。Partner calibrated modeがオフの場合は、ユーザによる選択内容を表す「Standard」などの設定値が表示され(矢印#22)、Partner calibrated modeがオンの場合は、Partner calibrated modeが優先されることを表す「Partner calibrated」が表示される(矢印#24)。
【0185】
矢印#23で示すように、Partner calibrated modeは、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aとコンテンツ視聴アプリケーション12-Bのそれぞれのアプリケーション毎にオン/オフの設定が可能とされる。
【0186】
矢印#25で示すように、Offsetメニュー302を用いたPartner Offsetの設定は、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aとコンテンツ視聴アプリケーション12-Bのそれぞれのアプリケーション毎に保持することが可能とされる。Partner calibrated mode for Service Aがオンである場合に設定されたPartner OffsetのOffset値は、Partner calibrated mode for Service Aの画質調整に用いられる。また、Partner calibrated mode for Service Bがオンである場合に設定されたPartner OffsetのOffset値は、Partner calibrated mode for Service Bの画質調整に用いられる。
【0187】
以上のように、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aが起動している場合とコンテンツ視聴アプリケーション12-Bが起動している場合とで、同様のユーザインタフェースを用いて画質調整のための設定が行われる。
【0188】
・画質調整パラメータの管理について
図22は、画質調整パラメータの管理の例を示す図である。
【0189】
図22に示すように、Partner calibrated modeの画質調整パラメータは、TV、HDMI(登録商標)など他の入力種の画質調整パラメータとともに、テーブル情報としてパラメータ記憶領域M1に記憶され、管理される。
【0190】
一方、Partner OffsetのOffset値は、アプリケーション毎に、パラメータ記憶領域M1とは異なる記憶領域であるOffset記憶領域M2に記憶され、管理される。
【0191】
例えば、パラメータ記憶領域M1は、揮発性の記憶領域であるRAM109(図10)に形成される。Offset記憶領域M2は、不揮発性の記憶領域である記録部110に形成される。パラメータ記憶領域M1とOffset記憶領域M2が、例えば不揮発性の同じ記憶部(媒体)に形成されるようにしてもよい。
【0192】
パラメータ記憶領域M1に記憶されるテーブル情報は、入力種毎に、複数種類の画質調整パラメータを対応付けることによって構成される。画質調整パラメータの中には、複数の入力種によって共通して同じ値が用いられるものもある。複数の入力種によって共通して用いられる画質調整パラメータについては、コンテンツ視聴アプリケーション12-A、コンテンツ視聴アプリケーション12-Bなどのコンテンツ視聴アプリケーションからは書き換えることが不可とされる。
【0193】
パラメータ記憶領域M1のうちのPartner calibrated modeに割り当てられた記憶領域であるCalibrated mode領域は、例えば、複数のコンテンツ視聴アプリケーションによって共有して用いられる。
【0194】
例えば、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aの起動時、Calibrated mode領域には、デフォルトの画質調整パラメータが一度書き込まれる。配信サーバ2-1から取得されたPartner calibrated mode for Service A用の画質調整パラメータのセットは、先に記憶されたデフォルトの画質調整パラメータに上書きする形で、Calibrated mode領域に書き込まれる。
【0195】
Partner calibrated mode for Service Aがオンに設定された場合、起動時に書き込まれたPartner calibrated mode for Service A用の画質調整パラメータと、Offset記憶領域M2に記憶されているPartner calibrated mode for Service A用のOffset値に基づいて画質調整が行われる。
【0196】
コンテンツ視聴アプリケーション12-Bの起動時も同様に、Calibrated mode領域には、デフォルトの画質調整パラメータが一度書き込まれる。配信サーバ2-2から取得されたPartner calibrated mode for Service B用の画質調整パラメータのセットは、先に記憶されたデフォルトの画質調整パラメータに上書きする形で、Calibrated mode領域に書き込まれる。
【0197】
Partner calibrated mode for Service Bがオンに設定された場合、起動時に書き込まれたPartner calibrated mode for Service B用の画質調整パラメータと、Offset記憶領域M2に記憶されているPartner calibrated mode for Service B用のOffset値に基づいて画質調整が行われる。
【0198】
各配信サービスの事業者は、任意の種類の画質調整パラメータを、Partner calibrated mode用の画質調整パラメータとして設定することが可能とされる。すなわち、Partner calibrated mode用の画質調整パラメータのセットに含まれる画質調整パラメータの種類は、配信サービス毎に異なる場合がある。
【0199】
デフォルトの画質調整パラメータが一度書き込まれた後に上書きする形で画質調整パラメータが書き込まれるようにすることにより、セットに含まれていない画質調整パラメータについては、デフォルトの画質調整パラメータを画質調整に用いることが可能となる。
【0200】
ここで、BrightnessやColorなどのPartner calibrated modeの画質調整パラメータをユーザが好みに応じて調整することができ、調整後の画質調整パラメータがコンテンツ視聴アプリケーションによってCalibrated mode領域に書き込まれるとした場合について考える。この場合、Calibrated mode領域の情報が一度リセットされた後には、ユーザの設定内容もリセットされることになる。
【0201】
配信サービス毎のOffset値を不揮発性の記憶領域であるOffset記憶領域M2に記憶させておき、起動時に書き込まれた画質調整パラメータと、Offset値とを用いて画質調整が行われるようにすることにより、ユーザの設定内容が反映された画質調整が行われるようにすることが可能となる。
【0202】
Partner calibrated modeの画質調整パラメータの中には、SDR(Standard Dynamic Range)用/HDR(High Dynamic Range)用/DolbyVisionHDR用/・・・といったように、複数のサブパラメータを含むパラメータがある。例えば、再生を開始するコンテンツがSDRのコンテンツである場合、SDR用のサブパラメータが用いられ、HDRのコンテンツである場合、HDR用のサブパラメータが用いられる。
【0203】
パラメータ記憶領域M1に対する画質調整パラメータの書き込み時、再生を開始するコンテンツのSDR/HDR等の種別にかかわらず、複数のサブパラメータが配信サーバ2からまとめて取得され、パラメータ記憶領域M1に書き込まれる。再生を開始するコンテンツがSDRのコンテンツである場合、HDR用のサブパラメータは、種別の切り替えが行われたときのためにあらかじめ用意されるパラメータとなる。
【0204】
・その他
Partner Offsetをユーザが設定した場合、設定内容を表すログが配信サーバ2に対して送信されるようにしてもよい。
【0205】
この場合、Partner calibrated mode for Service Aがオンである場合に設定されたPartner OffsetのOffset値は、コンテンツ視聴アプリケーション12-Aによって配信サーバ2-1に対して送信される。また、Partner calibrated mode for Service Bがオンである場合に設定されたPartner OffsetのOffset値は、コンテンツ視聴アプリケーション12-Bによって配信サーバ2-2に対して送信される。
【0206】
・コンピュータの構成例
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0207】
図23は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0208】
CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。
【0209】
バス1004には、さらに、入出力インタフェース1005が接続されている。入出力インタフェース1005には、キーボード、マウスなどよりなる入力部1006、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部1007が接続される。また、入出力インタフェース1005には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部1008、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部1009、リムーバブルメディア1011を駆動するドライブ1010が接続される。
【0210】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを入出力インタフェース1005及びバス1004を介してRAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0211】
CPU1001が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア1011に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部1008にインストールされる。
【0212】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0213】
本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0214】
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0215】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0216】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0217】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0218】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0219】
・構成の組み合わせ例
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
【0220】
(1)
特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合、前記特定の配信サービス用の画質調整モードの設定に関する表示を含む画質調整メニューを表示させる表示制御部を備える
画像処理装置。
(2)
前記表示制御部は、他の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合、前記画質調整モードの設定に関する表示を含まない前記画質調整メニューを表示させる
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記表示制御部は、前記画質調整モードのオン、または前記画質調整モードのオフの設定に用いられる表示を含む前記画質調整メニューを表示させる
前記(1)または(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記画質調整モードがオンに設定された場合、予め設定された画質調整パラメータに従って、前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質を調整する画質調整制御部をさらに備える
前記(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記表示制御部は、前記画質調整モードがオンに設定された場合、他の画質調整モードの設定に用いられる表示を操作不可の状態で表示させる
前記(3)または(4)に記載の画像処理装置。
(6)
前記表示制御部は、前記画質調整モードがオンに設定された場合、画質の調整に関するそれぞれの項目の設定に用いられる表示を操作可能な状態で表示させる
前記(3)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(7)
前記画質調整パラメータは、前記特定の配信サービスによって配信される全てのコンテンツに共通のパラメータとして設定される
前記(4)乃至(6)のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)
前記画質調整パラメータが、前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツ毎に設定される場合、
前記画質調整制御部は、再生対象となるコンテンツの前記画質調整パラメータをサーバから取得し、コンテンツの画質を調整する
前記(4)乃至(6)のいずれかに記載の画像処理装置。
(9)
前記特定の配信サービスが複数あり、
前記画質調整制御部は、それぞれの前記特定の配信サービス用の前記画質調整パラメータに従って、それぞれの前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質を調整する
前記(4)に記載の画像処理装置。
(10)
前記画質調整制御部は、それぞれの前記特定の配信サービス用の前記画質調整パラメータとOffset値とに従って、それぞれの前記特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの画質を調整する
前記(9)に記載の画像処理装置。
(11)
前記画質調整制御部は、それぞれの前記特定の配信サービス用の前記画質調整パラメータを、それぞれの前記特定の配信サービスを提供するサーバから取得し、それぞれの前記特定の配信サービス用の前記Offset値を、ユーザによる操作に応じて取得する
前記(10)に記載の画像処理装置。
(12)
画像処理装置が、
特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合、前記特定の配信サービス用の画質調整モードの設定に関する表示を含む画質調整メニューを表示させる
表示制御方法。
(13)
コンピュータに、
特定の配信サービスによって配信されるコンテンツの視聴に用いられるアプリケーションの実行中に画質調整を行うことが指示された場合、前記特定の配信サービス用の画質調整モードの設定に関する表示を含む画質調整メニューを表示させる
処理を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0221】
1 TV, 2-1乃至2-N 配信サーバ, 11 TV用OS, 12-1 TV視聴アプリケーション, 12-2 検索アプリケーション, 12-3 画質調整アプリケーション, 12-A乃至12-N コンテンツ視聴アプリケーション, 121 コンテンツ再生制御部, 122 画質調整制御部, 123 メニュー表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23