(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】セグメントの組立構造
(51)【国際特許分類】
E21D 11/04 20060101AFI20240507BHJP
E21D 11/08 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
E21D11/04 A
E21D11/08
(21)【出願番号】P 2021062163
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000198307
【氏名又は名称】株式会社IHI建材工業
(73)【特許権者】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】橋口 彰夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 亮一
(72)【発明者】
【氏名】阿部 義
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英典
(72)【発明者】
【氏名】川内 大輔
(72)【発明者】
【氏名】杉村 晋之介
(72)【発明者】
【氏名】大川 俊紀
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-070496(JP,A)
【文献】特開平09-158685(JP,A)
【文献】特開2012-154078(JP,A)
【文献】特開2009-019459(JP,A)
【文献】特開平05-098897(JP,A)
【文献】特開2016-050379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/00-19/06
E21D 23/00-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセグメントが組み合わされて筒状壁体を構成するセグメントの組立構造であって、
対向する一対の側端面と、前記側端面の両端に形成された一対のV字形状の傾斜端面対とを備えた複数の六角形状の前記セグメントと、
複数の前記セグメントどうしを連結する継手と、
を備え、
前記傾斜端面対は、互いに傾斜する2つの傾斜端面を有し、
前記継手は、
前記筒状壁体の周方向に隣り合う前記セグメントを、前記傾斜端面どうしを突き合わせて連結する
スライドロック式継手と、
前記筒状壁体の軸線方向に隣り合う前記セグメントを、前記側端面どうしを突き合わせて連結する
プッシュグリップ式継手と、を含
み、
前記スライドロック式継手は、一対の前記傾斜端面対が有する2つの傾斜端面のうちの一方に1つずつ設けられた雄継手部材と、他方に1つずつ設けられた雌継手部材と、を備える、
セグメントの組立構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメントの組立構造に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状壁体を構築するセグメントとしては、六角形状のセグメントが用いられることがある(例えば、特許文献1を参照)。セグメントは、例えば、長いボルトを用いて互いに連結される。ボルトは、例えば、斜辺に平行にセグメントを貫通する挿通孔に挿通される。筒状壁体は、締結装置を備えたシールドマシンによって構築することができる。シールドマシンの締結装置はボルトを軸周りに回転させ、連結先のセグメントに締結させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のセグメントの組立構造では、ボルトの締結によりセグメントを互いに連結する作業に手間がかかるため、施工者の負担は大きかった。
【0005】
本発明の一態様は、六角形状のセグメントを組み付ける作業における施工者の負担を軽減できるセグメントの組立構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数のセグメントが組み合わされて筒状壁体を構成するセグメントの組立構造であって、対向する一対の側端面と、前記側端面の両端に形成された一対のV字形状の傾斜端面対とを備えた複数の六角形状の前記セグメントと、複数の前記セグメントどうしを連結する継手と、を備え、前記傾斜端面対は、互いに傾斜する2つの傾斜端面を有し、前記継手は、前記筒状壁体の周方向に隣り合う前記セグメントを、前記傾斜端面どうしを突き合わせて連結する第1継手と、前記筒状壁体の軸線方向に隣り合う前記セグメントを、前記側端面どうしを突き合わせて連結する第2継手と、を含む、セグメントの組立構造を提供する。
【0007】
前記第1継手は、スライドロック式継手であることが好ましい。前記第2継手は、プッシュグリップ式継手であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、六角形状のセグメントを組み付ける作業における施工者の負担を軽減できるセグメントの組立構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態のセグメントの組立構造のセグメントの内部構造を示す平面図。
【
図3】セグメントの組み立てにおける第1継手の動作を示す平面図。
【
図4】セグメントの組み立てにおける第1継手の動作を示す平面図。
【
図5】セグメントの組み立てにおける第1継手の接続構造を示す斜視図。
【
図7】セグメントの組み立てにおける第2継手の動作を示す平面図。
【
図8】セグメントの組み立てにおける第2継手の動作を示す平面図。
【
図9】比較形態のセグメントの組立構造のセグメントの内部構造を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[セグメントの組立構造]
図1は、実施形態のセグメントの組立構造のセグメントの内部構造を示す平面図である。
図2は、筒状壁体の斜視図である。
図3および
図4は、セグメントの組み立てにおける第1継手の動作を示す平面図である。
図5は、セグメントの組み立てにおける第1継手の接続構造を示す斜視図である。
図6は、継手の斜視図である。
図7および
図8は、セグメントの組み立てにおける第2継手の動作を示す平面図である。
【0011】
図2に示すように、実施形態のセグメントの組立構造10は、複数の六角形セグメント(セグメント)1が組み合わされてトンネル覆工部分(筒状壁体)Tを構成する。
図2において、「L」は、トンネル覆工部分Tの軸線である。「F」は、トンネル覆工部分Tの軸線Lに沿う前方である。「R」は、トンネル覆工部分Tの軸線Lに沿う後方である。
【0012】
六角形セグメント1は、厚さ方向から見て六角形状とされている。六角形セグメント1は、一対の側端面1aと、一対の傾斜端面対1cとを備える。2つの側端面1aは、対向して形成されている。2つの側端面1aは、互いに平行で同一長さとされている。傾斜端面対1cは、側端面1aの両端にそれぞれ形成されている。傾斜端面対1cは、側端面1aに対する傾斜角度が異なる2つの傾斜端面1bで構成されるため、V字形状となっている。2つの傾斜端面対1cは、互いに離れる方向に凸となるV字形状とされている。傾斜端面1bは、側端面1aに対して傾斜する。
【0013】
2つの側端面1aのうち前方の側端面1aを「第1側端面1a1」という。2つの側端面1aのうち後方の側端面1aを「第2側端面1a2」という。傾斜端面対1cを構成する2つの傾斜端面1bのうち前方の傾斜端面1bを「第1傾斜端面1b1」という。傾斜端面対1cを構成する2つの傾斜端面1bのうち後方の傾斜端面1bを「第2傾斜端面1b2」という。第1傾斜端面1b1と第2傾斜端面1b2とは互いに傾斜する。六角形セグメント1は、ハニカムセグメントともいう。
【0014】
2つの傾斜端面対1cを結ぶ方向は、六角形セグメント1の長さ方向である。2つの側端面1aを結ぶ方向は、六角形セグメント1の幅方向である。六角形セグメント1は、幅方向から見て円弧形状に湾曲している。六角形セグメント1は、軸線Lを中心軸とする円筒面に沿うように湾曲する。六角形セグメント1は、例えば、鉄筋コンクリート製であってよい。
【0015】
六角形セグメント1は、幅方向が軸線Lに平行(または略平行)となった姿勢とされる。複数の六角形セグメント1は、ハニカム状に組み合わされる。組み立て途上のトンネル覆工部分Tの前端面には、六角形セグメント1の突出端面2(第1側端面1a1)と、等脚台形状の凹部3とがトンネル覆工部分Tの周方向に交互に並ぶ。凹部3は、六角形セグメント1の第1側端面1a1と、この六角形セグメント1に隣り合う2つの六角形セグメント1の第1傾斜端面1b1とで形成される。
【0016】
六角形セグメント1は、凹部3に嵌合するようにトンネル覆工部分Tに組み込まれる。新たに組みこまれる六角形セグメント1の第2側端面1a2は、凹部3の第1側端面1a1と突き合わされる。側端面1aどうしが突き合わされる六角形セグメント1は、軸線Lに沿って並ぶ。新たに組みこまれる六角形セグメント1の第2傾斜端面1b2は、凹部3の第1傾斜端面1b1と突き合わされる。そのため、トンネル覆工部分Tの周方向に並ぶ六角形セグメント1は、千鳥状に配列される。
【0017】
トンネル覆工部分Tは、例えば、地中に埋設される。トンネル覆工部分Tには、土砂、地下水などにより外力が加えられる。
【0018】
図1に示すように、六角形セグメント1の傾斜端面1bには、第1継手5が設けられている。側端面1aには、第2継手6が設けられている。第1継手5および第2継手6は、隣り合う六角形セグメント1を相互に連結する。第1継手5および第2継手6は、「継手」の例である。
【0019】
図1および
図5に示すように、第1継手5としては、例えば、スライドロック式継手を採用できる。スライドロック式継手としては、例えば、コーンコネクタを使用できる。第1継手5は、雄継手部材11と、雌継手部材12とを備える。雄継手部材11は、六角形セグメント1の第1傾斜端面1b1に設けられる。雄継手部材11としては、M型金物を例示できる。第1傾斜端面1b1に設けられる雄継手部材11の数は1でもよいし、複数でもよい。雌継手部材12は、六角形セグメント1の第2傾斜端面1b2に設けられる。雌継手部材12としては、F型金物を例示できる。第2傾斜端面1b2に設けられる雌継手部材12の数は1でもよいし、複数でもよい。
【0020】
図6に示すように、雄継手部材11は、基部14と、延出部15と、雄側係合部16と、1または複数のアンカー17と、端板18(
図3参照)とを備える。基部14は、ブロック状に形成されている。延出部15は、六角形セグメント1の長さ方向および幅方向に沿う板状とされ、基部14から外方に延出する。基部14の一部および延出部15は、傾斜端面1bから外方に突出する。ここでいう「外方」は、2つの傾斜端面対1cが互いに離れる方向である(
図2参照)。
【0021】
雄側係合部16は、延出部15の先端に、延出部15と一体に形成されている。雄側係合部16の厚さ寸法(延出部15の厚さ方向の寸法)は、延出部15の厚さより大きい。そのため、雄側係合部16は、延出部15に対して厚さ方向に突出する。雄側係合部16の厚さ寸法は、前方または後方に向けて徐々に小さくなる。
【0022】
アンカー17は、基部14から内方に延出する。「内方」は、2つの傾斜端面対1cが互いに近づく方向である。端板18は、アンカー17の延出方向の端部に設けられる。アンカー17および端板18は、六角形セグメント1に埋設される。
【0023】
雌継手部材12は、基部24と、雌側係合部26と、1または複数のアンカー27と、端板30(
図3参照)とを備える。雌側係合部26は、筒状に形成されている。雌側係合部26の中心軸は、六角形セグメント1の幅方向に沿う。雌側係合部26の内部は、嵌合孔28である。雌側係合部26は、一方の端部開口が閉止され、他方の端部開口が開放されている。嵌合孔28は、一方に向けて徐々に内径が小さくなる。雌側係合部26には、延出部15が挿通するスリット状の挿通切欠き29が形成されている。
【0024】
アンカー27は、基部24から内方に延出する。端板30は、アンカー27の延出方向の端部に設けられる。アンカー27および端板30は、六角形セグメント1に埋設される。
【0025】
第2傾斜端面1b2には、雌側係合部26の少なくとも一部を収容する凹部が形成されている。
【0026】
図3および
図4に示すように、2つの六角形セグメント1を幅方向に相互に近づけると、雄継手部材11の延出部15が雌継手部材12の挿通切欠き29に挿通するとともに、雄側係合部16が嵌合孔28に挿入される。雄側係合部16は、嵌合孔28に嵌合する。2つの六角形セグメント1の傾斜端面1bどうしが突き合わされた状態では、雄継手部材11と雌継手部材12とは、互いに嵌合して2つの六角形セグメント1が長さ方向に離間する移動を規制する。
【0027】
第1継手5としては、スライドコッターを採用してもよい。その場合、雄継手部材としてH型金物を使用し、雌継手部材としてC型金物を使用できる。H型金物は、バックアップ材を備える。スライドコッターでは、雄継手部材(H型金物)を雌継手部材(C型金物)に嵌合すると、バックアップ材の反力により締結力が得られる。第1継手5としては、フック継手を使用してもよい。
【0028】
図1および
図7に示すように、第2継手6としては、プッシュグリップ式継手を使用できる。第2継手6は、雄継手部材31と、雌継手部材32とを備える。雄継手部材31は、六角形セグメント1の第1側端面1a1に設けられる。雌継手部材32は、六角形セグメント1の第2側端面1a2に設けられる。雄継手部材31と雌継手部材32とは互いに嵌合可能である。
【0029】
雄継手部材31は、基板33と、ピンボルト34と、連結部35と、1または複数のアンカー36とを備える。基板33は、側端面1aに沿う板状に形成されている。基板33には、ピンボルト34が挿通する挿通孔が形成されている。ピンボルト34は、頭部34aと、頭部34aから延出する軸部34bとを備える。軸部34bは基板33の挿通孔に挿通し、基板33から外方に突出する。軸部34bは側端面1aから外方に突出する。ここでいう「外方」は、2つの側端面1aが互いに離れる方向である。軸部34bの外周面には、凹凸が形成されている。
【0030】
連結部35は、基板33から内方に延出する。「内方」は、2つの側端面1aが互いに近づく方向である。連結部35は、基板33とアンカー36とを連結する。アンカー36は、連結部35から内方に延出する。アンカー36は、六角形セグメント1に埋設される。
【0031】
雌継手部材32は、ホルダ43と、クサビ44と、カップ45と、ウレタンバネ(弾性体)46と、アンカー47とを備える。ホルダ43は、筒状に形成されている。ホルダ43の内径は、内方に向かって徐々に大きくなる。ホルダ43の中心軸は、例えば、側端面1aに対して垂直である。クサビ44の中央には、挿入孔が形成されている。クサビ44は、内方に向かって外径が徐々に大きくなるテーパ状に形成されている。クサビ44は、ホルダ43内に設けられている。
【0032】
カップ45は、ホルダ43の内方の端部に設けられている。ウレタンバネ46は、カップ45内に設けられる。ウレタンバネ46は、クサビ44の奥端に当接可能である。
【0033】
図7および
図8に示すように、2つの六角形セグメント1を幅方向に移動させ、相互に近づけると、ピンボルト34の軸部34bは、クサビ44の挿入孔に挿入される。ピンボルト34の挿入過程においては、ウレタンバネ46によってクサビ44に弾性的な押圧力が作用する。2つの六角形セグメント1の側端面1aどうしが突き合わされた状態では、クサビ44に作用する押圧力によってクサビ44がピンボルト34を把持した状態となる。ピンボルト34に引抜き力が作用すると、ピンボルト34の凹凸がクサビ44に食い込み、引抜き耐力を保持する。これにより、雄継手部材31と雌継手部材32とは、互いに嵌合して2つの六角形セグメント1が幅方向に離間する移動を規制する。
【0034】
第2継手6としては、TSジョイント、ピボット継手などを使用してもよい。
【0035】
[セグメントの組立方法]
図2に示すように、組み立て途上のトンネル覆工部分Tの前端面には、六角形セグメント1の突出端面2(第1側端面1a1)と、等脚台形状の凹部3とがトンネル覆工部分Tの周方向に交互に並ぶ。シールドマシンを用いて、凹部3に、軸線Lと平行な方向に新たな六角形セグメント1を組み付ける。
【0036】
図3および
図4に示すように、新たな六角形セグメント1を既設の六角形セグメント1に近づけると、雄継手部材11の雄側係合部16は、雌継手部材12の嵌合孔28に挿入される。新たな六角形セグメント1の第2傾斜端面1b2と、既設の六角形セグメント1の第1傾斜端面1b1とが突き合わされた状態では、雄継手部材11と雌継手部材12とは互いに嵌合して、新たな六角形セグメント1と既設の六角形セグメント1とが長さ方向に離間する移動を規制する。これにより、第1継手5は、トンネル覆工部分Tの周方向に隣り合う六角形セグメント1を連結する。
【0037】
図7および
図8に示すように、新たな六角形セグメント1の第2側端面1a2と、既設の六角形セグメント1の第1側端面1a1とが突き合わされた状態では、雄継手部材31と雌継手部材32とは互いに嵌合して、新たな六角形セグメント1と既設の六角形セグメント1とが幅方向に離間する移動を規制する。これにより、第2継手6は、トンネル覆工部分Tの軸線方向に隣り合う六角形セグメント1を連結する。
【0038】
セグメントの組立構造10は、例えば、道路用トンネル、鉄道用トンネル、共同溝、下水道、上水道、地下河川、貯留管等に適用できる。
【0039】
[実施形態のセグメントの組立構造が奏する効果]
セグメントの組立構造10は、トンネル覆工部分Tを構成する六角形セグメント1を、第1継手5および第2継手6によって連結する。そのため、
図3および
図4に示すように、新たな六角形セグメント1を軸線Lと平行な方向に既設の六角形セグメント1に近づけることによって、第1継手5によって、トンネル覆工部分Tの周方向に隣り合う六角形セグメント1を連結することができる。
図7および
図8に示すように、第2継手6によって、軸線方向に隣り合う六角形セグメント1を連結することができる。したがって、容易な操作で六角形セグメント1を互いに連結させ、トンネル覆工部分Tを構築できる。よって、六角形セグメント1を組み付ける作業における施工者の負担を軽減できる。
【0040】
セグメントの組立構造10では、第1継手5としてスライドロック式継手を用いるため、新たな六角形セグメント1を軸線Lと平行な方向に既設の六角形セグメント1に近づけることによって、雄継手部材11の雄側係合部16は、雌継手部材12の嵌合孔28に挿入され、嵌合する。第2継手6としては、プッシュグリップ式継手を用いるため、新たな六角形セグメント1を既設の六角形セグメント1に近づけることによって、雄継手部材31のピンボルト34は、雌継手部材32の挿入孔に挿入され、クサビ44に係止する。したがって、容易な操作で、確実に、隣り合う六角形セグメント1を連結させることができる。
【0041】
比較のため、ボルトによってセグメントを連結するセグメントの組立構造について説明する。
図9は、比較形態のセグメントの組立構造110の六角形セグメント101の内部構造を示す平面図である。六角形セグメント101は、傾斜端面1bに平行に、挿通孔102が形成されている。挿通孔102は、例えば、側端面1aから傾斜端面1bにかけて形成されている。挿通孔102には、ボルト103が挿通されている。ボルト103は、シールドマシンの締結装置によって軸周りに回転させ、連結先の六角形セグメント101セグメントに締結させる。これにより、六角形セグメント101どうしを連結することができる。
【0042】
六角形セグメント101を用いた組立構造110では、長いボルト103を使用するため、六角形セグメント101を互いに連結する作業に手間がかかる。そのため、施工者の負担が大きくなる可能性がある。
【0043】
本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。
例えば、
図1に示す六角形セグメント1は、2つの側端面1aが互いに平行であるが、2つの側端面1aは互いに平行でなくてもよい。
図2に示す六角形セグメント1は、円弧形状に湾曲して形成されているが、セグメントの形状は、平板状、その他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 六角形セグメント(セグメント)
1a 側端面
1b 傾斜端面
1b1 第1傾斜端面
1b2 第2傾斜端面
1c 傾斜端面対
5 第1継手(継手)
6 第2継手(継手)
T トンネル覆工部分(筒状壁体)