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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】ツールデバイス
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240507BHJP
   B23D 49/00 20060101ALI20240507BHJP
   B24B 23/04 20060101ALI20240507BHJP
   B24B 1/04 20060101ALI20240507BHJP
   B24B 45/00 20060101ALI20240507BHJP
   B24B 23/02 20060101ALI20240507BHJP
   B23D 61/18 20060101ALN20240507BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B23D49/00
B24B23/04
B24B1/04 D
B24B45/00 Z
B24B23/02
B23D61/18
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2021202791
(22)【出願日】2021-12-14
(62)【分割の表示】P 2019200171の分割
【原出願日】2014-07-25
(65)【公開番号】P2022033969
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】202013006920.1
(32)【優先日】2013-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516030867
【氏名又は名称】ツェー. ウント エー. ファイン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】C. & E. FEIN GMBH
【住所又は居所原語表記】Hans-Fein-Strasse 81,73529 Schwabisch Gmund-Bargau,Germany
(73)【特許権者】
【識別番号】503259897
【氏名又は名称】ロバート ボッシュ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】クラブンデ,オラフ
(72)【発明者】
【氏名】ブリックレ,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】トーマシュウスキー,ヴァルター
(72)【発明者】
【氏名】ベク,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】デルフィーニ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】フェルマン,ヴィリ
(72)【発明者】
【氏名】リューシャー,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】ボジッチ,ミラン
(72)【発明者】
【氏名】マティス,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】グロリムンド,ダニエル
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-190730(JP,A)
【文献】実開昭58-055845(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0295156(US,A1)
【文献】特開2002-233972(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0009613(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 1/02,5/00;
B23D 49/00,61/02,61/18,
B24B 1/04,23/02-23/04,23/08,45/00;
B23Q 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動機械加工ツールを含む機械加工ツールと共に使用するために適したツールデバイスであって、
前記機械加工ツールは駆動軸の周囲を振動回転を含む回転運動をするように動く駆動デバイスを有し、
前記ツールデバイスは、前記駆動軸と前記ツールデバイス自身のツール回転軸とが実質的に同軸となるように前記機械加工ツールに取り付けるための装着デバイスを備え、
前記装着デバイスは、前記駆動デバイスから駆動力を受けるための少なくとも2つの隣り合う駆動エリア領域、好ましくは3つの隣り合う駆動エリア領域と、前記駆動エリア領域から前記ツール回転軸に向かって径方向内方に延びるカバーエリア部を備え、
前記カバーエリア部は、前記少なくとも2つの駆動エリア領域のうちの少なくとも1つの前記駆動エリア領域へ直接的または間接的に接続されており、
前記少なくとも2つの駆動エリア領域はそれぞれ、前記駆動デバイスと直接当接する複数の表面点を有し、前記駆動エリア領域は前記ツール回転軸から空間的に離れており、
前記駆動エリア領域のそれぞれにおける前記複数の表面点の接平面は、前記ツール回転軸を含む平面である軸平面に対して傾斜し、
前記接平面は、前記ツール回転軸に対して垂直に延伸する平面である径平面に対しても傾斜し、
前記接平面の1つと前記径平面とのなす角度はαであり、
前記角度αは80度より小さく、0度より大きく、
前記接平面の1つと前記軸平面とのなす角度はβであり、
前記角度βは、70度より小さく、30度より大きく、好ましくは65度より小さく、30度より大きく、さらに好ましくは実質的に60度であることを特徴とするツールデバイス。
【請求項2】
前記ツールデバイスは、前記装着デバイスの領域内に、少なくとも1つの上部境界面および少なくとも1つの下部境界面を備え、
前記上部境界面および前記下部境界面は前記ツール回転軸に垂直に配置され、
前記上部境界面および前記下部境界面は互いに空間的に離れ、
前記駆動エリア領域のそれぞれは、1つの前記上部境界面および1つの前記下部境界面の間に配置され、
前記駆動エリア領域の全てが、単一の前記上部境界面および単一の前記下部境界面の間に延びていることを特徴とする請求項1に記載のツールデバイス。
【請求項3】
前記カバーエリア部が、1つの前記上部境界面の領域内に設けられることを特徴とする請求項2に記載のツールデバイス。
【請求項4】
前記ツールデバイスは、特に前記装着デバイスの範囲において、厚さtの壁を有し、
前記上部境界面および前記下部境界面は互いに間隔Tを有して離れており、
前記間隔Tは前記厚さtより大きく、好ましくは厚さtの二倍より大きく、さらに好ましくは厚さtの三倍より大きく、前記間隔Tは前記厚さtの20倍よりも小さく、好ましくは前記厚さtの10倍よりも小さく、さらに好ましくは前記厚さtの5倍よりも小さく、さらに好ましくは前記厚さtの(3.5±0.75)倍であることを特徴とする請求項2もしくは3に記載のツールデバイス。
【請求項5】
前記カバーエリア部は少なくとも一つの凹部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項6】
一つもしくは複数の前記凹部は前記ツール回転軸の領域内に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のツールデバイス。
【請求項7】
一つもしくは複数の前記凹部は前記ツール回転軸の周りに回転対称となって設けられていることを特徴とする請求項5もしくは6に記載のツールデバイス。
【請求項8】
少なくとも1つ前記駆動エリア領域、好ましくは複数の前記駆動エリア領域、さらに好ましくは全ての前記駆動エリア領域が、少なくとも面内に、または少なくとも湾曲部内に設けられていることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項9】
少なくとも二つの前記駆動エリア領域が前記ツール回転軸の周りに回転対称となって設けられていることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項10】
少なくとも二つの前記駆動エリア領域が対称面に対して対称であり、
前記ツール回転軸が前記対称面内に位置し、
前記駆動エリア領域が実質的に隣り合っていることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項11】
前記装着デバイスは側壁を備え、
前記側壁は前記ツール回転軸から径方向に間隔を有して延伸し、
前記側壁は前記上部境界面および前記下部境界面の間で延伸し、
前記側壁は少なくとも二つの前記駆動エリア領域を備えることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項12】
前記側壁によって実質的に中空円錐状の窪みが形成され、前記実質的に中空円錐状の窪みは、断面形状において、前記ツール回転軸に直角な面内における前記ツール回転軸から前記側壁まで可変となる間隔を有していることを特徴とする請求項11に記載のツールデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも二つの駆動エリア領域において、前記装着デバイスは実質的に一定となる厚さであることを特徴とする請求項11もしくは12に記載のツールデバイス。
【請求項14】
前記側壁の平均厚さt1が、0.2mm以上であり、好ましくは0.5mm以上であり、さらに好ましくは0.8mm以上であり、4mm以下であり、好ましくは2mmより小さく、さらに好ましくは1.5mmより小さく、さらに好ましくは実質的に1.0mmもしくは1.5mmであり、さらに好ましくは、1.0mm~1.5mmの間の厚さであることを特徴とする請求項11~13のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項15】
前記側壁は、前記ツール回転軸の周りに近接して実質的に径方向に延びていることを特徴とする請求項11~14のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項16】
前記接平面の法線ベクトルは、径方向において前記ツール回転軸から離れる方向に向く、特に全ての前記接平面の法線ベクトルは、径方向において前記ツール回転軸から離れる方向に向く、もしくは、
前記接平面の法線ベクトルは、径方向において前記ツール回転軸の方向に向く、特に全ての前記接平面の法線ベクトルは、径方向において前記ツール回転軸の方向に向くことを特徴とする、請求項1~15のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項17】
前記ツールデバイスは、少なくとも1つの操作領域および少なくとも1つの接続領域を備え、前記操作領域は加工対象物群または加工対象物上に作用するように配置され、
前記接続領域は前記装着デバイスおよび少なくとも一つの前記操作領域の間に配置されることを特徴とする請求項1~16のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項18】
前記ツールデバイスは、前記装着デバイスの領域内に、少なくとも1つの上部境界面および少なくとも1つの下部境界面を備え、
前記上部境界面および前記下部境界面は前記ツール回転軸に垂直に配置され、
前記上部境界面および前記下部境界面は互いに空間的に離れ、
前記少なくとも1つの接続領域は実質的に前記下部境界面の領域内に配置され、好ましくは前記少なくとも1つの接続領域は実質的に前記下部境界面の領域と一致することを特徴とする請求項17に記載のツールデバイス。
【請求項19】
前記カバーエリア部および前記少なくとも一つの操作領域は、前記ツール回転軸に沿って異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項17もしくは18に記載のツールデバイス。
【請求項20】
前記角度αは80度より小さく、好ましくは75度より小さく、
さらに、前記角度αは45度より大きく、好ましくは60度より大きく、
さらに好ましくは、前記角度αは62.5度~72.5度の範囲であることを特徴とする請求項1~19のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項21】
前記装着デバイスは奇数個もしくは偶数個の前記駆動エリア領域を有し、その数は、好ましくは4個もしくはそれ以上、さらに好ましくは8個もしくはそれ以上、さらに好ましくは16個もしくはそれ以上、さらに好ましくは64個もしくはそれ以上、また、48個もしくはそれ以下、好ましくは32個もしくはそれ以下、さらに好ましくは24個であり、
前記駆動エリア領域は、実質的に星形形状となって配置され、好ましくは星形多角形状となって配置され、好ましくは、前記駆動エリア領域の間の領域が丸められた形状であることを特徴とする請求項1~20のいずれかに記載のツールデバイス。
【請求項22】
ツールデバイスを、手動機械加工ツールを含む機械加工ツールに接続するのに適した接続デバイスであって、
前記機械加工ツールは、駆動軸の周囲を振動回転を含む回転運動をするように動く駆動デバイスを有し、
前記接続デバイスは第1の接続領域および第2の接続領域を備え、
前記第1の接続領域は前記接続デバイスを前記機械加工ツールに接続するために設けられ、前記駆動軸と前記接続デバイスのツール回転軸とが一致するように、前記接続デバイスを前記機械加工ツールに接続することが可能であり、
前記第2の接続領域は前記接続デバイスを前記ツールデバイスに接続するために設けられ、
少なくとも前記第1の接続領域が、請求項1~21のいずれかに記載の装着デバイスを備えることを特徴とする接続デバイス。
【請求項23】
前記第1の接続領域は前記ツール回転軸に対して回転的対称的に配置され、
前記第2の接続領域は前記ツール回転軸に対して回転的対称的または線対称的に配置されることを特徴とする、請求項22に記載の接続デバイス。
【請求項24】
前記接続デバイスは第1の保持デバイスを備え、
前記第1の保持デバイスは少なくとも前記第1の接続領域および前記機械加工ツールと協働するように構成され、
前記接続デバイスは少なくとも1つの第2の保持デバイスを有し、
前記第2の保持デバイスは前記第2の接続領域および前記機械加工ツールと協働するように構成されていることを特徴とする、請求項22または23に記載の接続デバイス。
【請求項25】
前記第1の保持デバイスは第1の保持シャフトを有し、
前記第2の保持デバイスは第2の保持シャフトを有し、
前記第1の保持シャフトおよび前記第2の保持シャフトは実質的に平行に配置、特に重なって配置される、または互いに傾斜して配置されることを特徴とする、請求項24に記載の接続デバイス。
【請求項26】
請求項1~21のいずれかに記載のツールデバイスの少なくとも2つからなるツールデバイスのシリーズであって、
前記シリーズのツールデバイスの各々は参照面を有し、
前記参照面は、前記ツール回転軸に対して垂直に配置され、前記参照面はそれぞれ前記駆動エリア領域の参照直径を有し、
前記シリーズにおけるツールデバイスのいくつかにおいて、前記カバーエリア部の表面と前記参照面との間の距離Δは下限値から上限値の間にあり、前記下限値は、0.01mmより大きく、好ましくは0.05mmより大きく、前記上限値は0.5mmより小さく、好ましくは0.1mmより小さく、
前記距離Δは、前記シリーズの異なるツールデバイスにおいて実質的に一定であり、
前記シリーズの異なるツールデバイスが異なる壁厚tを有することを特徴とする少なくとも2つのツールデバイスのシリーズ。
【請求項27】
前記ツールデバイスのそれぞれは、自身の位置に関して前記ツール回転軸および前記駆動エリア領域に対して実質的に等しく配置されているキー領域を有し、
前記ツールデバイスのそれぞれは、駆動力における少なくとも1つの応用パラメータ、特に駆動パワーによって特徴付けられており、前記キー領域は、少なくとも1つの応用パラメータを特徴付ける少なくとも1つのキーデバイスを備えることを特徴とする請求項26に記載の少なくとも2つのツールデバイスのシリーズ。
【請求項28】
前記シリーズの少なくとも第1のツールデバイスは、機械加工ツールの上に設けられた第1のキー要素と協働するように設けられた第1のキーデバイスを有し、
少なくとも第2のツールデバイスは、機械加工ツールの上に設けられた第2のキー要素と協働する第2のキーデバイスを有し、
前記キーデバイスおよび前記キー要素は、
前記第1のキー要素は前記第1のキーデバイスおよび前記第2のキーデバイスと協働することが可能で、
前記第2のキー要素は前記第2のキーデバイスとのみ協働することが可能であり、前記第1のキーデバイスとは協働することが不可能であるように構成されることを特徴とする、請求項27に記載の少なくとも2つのツールデバイスのシリーズ。
【請求項29】
少なくとも1つの、好ましくは全ての前記キーデバイスの基本エリアの形状は、
- 3個、4個、5個、6個、7個、8個もしくはそれ以上の、好ましくは丸みを帯びた角部を有する多角形、
- 円、
- 楕円形、
- 可変半径または一定半径を有する円弧、
- 上記形状の組合せ、
の形状グループから選択されることを特徴とする請求項27もしくは28に記載の少なくとも2つのツールデバイスのシリーズ。
【請求項30】
少なくとも2つの前記キーデバイスは異なるサイズの同一幾何学的形状を有することを特徴とする請求項27~29のいずれかに記載の少なくとも2つのツールデバイスのシリーズ。
【請求項31】
少なくとも1つの、好ましくは全ての前記キーデバイスはキー参照面に対して嵩上げ領域として設計され、少なくとも一つの前記キーデバイスの少なくとも1つの寸法は他の前記キーデバイスの対応する少なくとも一つの寸法よりも大きい、または
少なくとも1つの、好ましくは全ての前記キーデバイスは凹部として設計され、少なくとも一つの前記キーデバイスの少なくとも1つの寸法は他の前記キーデバイスの対応する少なくとも一つの寸法よりも大きいことを特徴とする、請求項27~30のいずれかに記載の少なくとも2つのツールデバイスのシリーズ。
【請求項32】
前記キー領域は前記カバーエリア部の領域内に配置されることを特徴とする、請求項27~31のいずれかに記載の少なくとも2つのツールデバイスのシリーズ。
【請求項33】
請求項1~21のいずれかに記載のツールデバイスを製造する方法であって、
前記方法は、
駆動エリア領域を、基本的な形状形成プロセス・ステップ、または、再形状形成プロセス・ステップ、または、一般的形状形成プロセス・ステップ、または、これら複数の形状形成プロセス・ステップの組合せを用いて製造するステップと、
ツール輪郭形状を、分離プロセス・ステップ、熱的分離プロセス・ステップ、および/または、機械的分離プロセス・ステップ、または、これらの分離プロセス・ステップの組合せを用いて製造するステップとを有し、
前記駆動エリア領域を製造するステップは、鍛造、プレス、圧延、押出、折り曲げ、深絞り、ビーディング加工、フランジ加工、歪み取り、曲げ、延伸、圧縮、焼結、鍛造、多層コーティングから選択され、
前記ツール輪郭形状を製造するステップは、鋸引き、研磨、粉砕、穿孔、剪断、粒子ビーム切断、電子ビーム切断、レーザ切断、プラズマ切断、ガス切断、放電切断から選択されることを特徴とするツールデバイスを製造する方法。
【請求項34】
駆動軸の周囲を動く駆動デバイスを備える機械加工ツールと、
前記機械加工ツールと共に使用するために適した請求項1~21のいずれかに記載のツールデバイスとを有して構成され、
前記機械加工ツールの前記駆動エリア領域の少なくとも一部が、前記機械加工ツールの前記駆動デバイスにより受け入れられるように構成されたことを特徴とする機械加工ツールおよびツールデバイスの組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願であるドイツ出願20 2013 006 920.1の全ての内容は本出願に参照によって含まれる。
【0002】
本発明は機械加工ツール、特に駆動軸の周囲で動作する駆動デバイスを有する手動機械加工ツールと共に使用されるのに適するツールデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、主に機械加工ツール、特に駆動軸の周囲を回転する駆動デバイスを有する手動機械加工ツールと共に使用するのに適したツールデバイスの例を用いて、以下に記載される。説明におけるこの限定は、前述のツールデバイスの使用可能性を限定することを意図していない。
【0004】
用語「ツールデバイス」に替えて、以降の説明では、よりシンプルな表現である用語「ツール」もまた用いられる。しかし、このことは内容を限定するものではない。
【0005】
機械加工ツールは1つ以上のモータ駆動、おそらく1つ以上の伝達デバイスを有するデバイスである。ツールデバイスの駆動デバイスは、それによってトルクがツールデバイスに適用される部品または部品群であり、一般に、駆動シャフト/出力シャフト、駆動スピンドル/出力スピンドル、等である。
【0006】
手動機械加工ツールは、特に、操作者がハンドル等によって、ツールが装着された機械加工ツールを操作することが可能となる保持デバイスを備える。典型的には、手動機械加工ツールは電気駆動モータを装備しているが、水圧駆動式機械加工ツール、空気圧駆動式機械加工ツール、人力駆動機械加工ツールのような既知の他のタイプもまた知られている。
【0007】
既存技術では、円周方向の駆動デバイスを有する機械加工ツールと共に使用することを意図した多様なツールが既知である。そのようなツールとしては、例えば、ドリル、研磨盤、切削ディスク、丸鋸、等である。このようなツールは出力デバイスに装着され、用途に応じて、ツールおよびマシンは0付近から数千rpm(回転毎分)、特殊な例では非常に高速度で回転する。動作中、ツールは概して高圧で被加工物と接触させられ、次いで、対応する機械加工が行われる。旋回軸からの距離で発生する機械加工力、例えば、切削力または研磨力は、結果として駆動シャフト周辺のトルクとなり、機械加工ツールからツールへ伝達されるトルクによって補償される。駆動モーメントのツールへの伝達は、ツールを駆動デバイスに固定するためのツールの装着デバイスを経由して行なわれる。機械加工の間、ツールは常に本質的に同一方向に回転する、このため、装着デバイス上に作用する力は本質的に同一方向で発生する、しかし、高さが異なる。
【0008】
既存技術では、機械加工ツールは回転振動ツール受容デバイスを有する機械加工ツールが既知である。ツールデバイスの振動駆動は、特に弓鋸デバイスとして既知であるハブ無しの振動駆動であると理解すべきである。弓鋸デバイスは、ここでは特に、キーホール鋸デバイス、セーバー鋸デバイス、またはドライウォール鋸デバイス、等として理解すべきである。振動駆動デバイスを有する機械加工ツールは、ここでは、ツール駆動デバイスが第1の回転方向内の中心位置から動作を開始し、動作が停止し、次に動作が停止するまで逆方向に回転動作する時の、ツール駆動デバイスの運動を有する機械加工ツールであると理解すべきである。
【0009】
中心位置から各停止位置までの角度距離は典型的には5度までであっても良い。しかしながら、実用的機械では、1度から2.5度が一般的であり、全体の角度動作(第1から第2の終端位置)が2度から5度に相当する。この振動動作は典型的には毎分5,000から50,000回となる。しかしながら、より少ないあるいはより多い(毎分振動数と表現する)振動回数とすることが可能である。
【0010】
機械加工力は運動方向、または回転方向のそれぞれと常に逆方向であることが既知であるように、回転方向の逆転は、また、ツールの機械加工力の方向変化を引き起こす。機械加工力がその方向を変化することは、回転軸に対するツールの操作点の距離であるレバーアームに対応するトルクとなり、トルクは振動の方向を逆転する。機械加工力の結果によるトルクは、機械加工中および空転中に有効である他の運動量、すなわち、ツールの最高速度(例えば、ツール受容デバイスの正弦波回転速度変化の正弦曲線の最大振幅値)の後でのツールの減速、および回転運動の逆転の後で発生する反対方向でのツールの再加速に対してのツール・トルクの慣性モーメントに重畳される。
【0011】
機械加工力によって、および振動の運動力学的要素によって発生するトルクは機械加工ツールによって適用され、駆動デバイスを経由してツールデバイス内へ誘導される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、駆動デバイスを経由して導入されるトルクが容易に吸収可能となる方法で、ツールデバイスを設計することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は請求項1に規定する内容によって達成される。
【0014】
本発明の好ましい実施形態は従属請求項に規定する内容である。
【0015】
本発明に基づけば、ツールデバイスは装着デバイスを備え、装着デバイスによって、駆動シャフトおよびツール回転軸が実質的に一致するような方法で、ツールデバイスを機械加工ツール上に固定可能である。用語「駆動シャフト」および用語「ツール回転軸」は、それぞれ、機械加工ツールの幾何学的な回転軸およびツールデバイスの幾何学的な回転軸を意味する。
【0016】
さらに、このツール回転軸から空間的に離れ、それぞれが複数の表面点を備える、少なくとも2つの駆動エリア領域が提供される。用語「駆動エリア領域(以降の段落では時には「駆動エリア」と記載することがある)」は、機械加工ツールからのトルクをうける機械加工ツールの出力デバイスと少なくとも部分的に、直接的または間接的に接触するエリアである。用語「表面点」は駆動エリア領域の上側の点を意味し、これは幾何学的に理解すべきである。
【0017】
用語は接平面がエリアの上に載置される幾何学的な点を特徴付けるように使用される。接点に垂直な表面上のベクトルは空間内のこの点の表面の方向を示し、例えば3次元座標、他の参照平面、または参照表面で定義される。
【0018】
表面上の全ての点は同時に表面点であるため、表面は無限の数の表面点を有する。一方向に湾曲した表面、または多方向に湾曲した表面を記述するために、しかしながら、限定された数の表面点を用いることは実用的な意味で十分である。用語「一方向に湾曲した」は、円筒形状表面、例えば各点が一方向に湾曲している円筒形状表面として理解すべきで
ある。用語「多方向に湾曲した」は少なくとも1つの点で複数の方向に湾曲した表面、例えば球体表面として理解すべきである。
【0019】
平らな表面は唯一の接平面を有し、それ自体の表面と一致する。平らな表面を特徴付けるためには、このため、唯一の表面点で十分であり、これは平らな表面のどの点にも当てはまる。
【0020】
表面点は幾何学的な点であり、表面上で視覚可能であるわけではない。
【0021】
これらの表面点に対する接平面において、特別な幾何学的条件を適用する。幾何学的には一般に、接平面は表面点の法線ベクトルに垂直に形成される平面であり、表面点で表面と接する。用語「法線ベクトル」はこの表面点において表面に正確に垂直な方向を持つ。
【0022】
この表面点上の接平面は二方向に傾斜する。一方で、接平面は出力シャフトを含む軸平面に対して傾斜する。さらに、これらの接平面は出力シャフトに対して垂直な方向に延伸する径平面に対して傾斜する。
【0023】
このように、この駆動エリア領域の配置は、振動機械加工用の既知のツールデバイスと比較して異なる。
【0024】
既知のツールデバイス、例えばドイツ出願10 2011 005 818 A1およびドイツ実用新案出願296 05 728 U1に示されている例では、機械加工ツールの駆動デバイスへの接続領域内のツールは実質的に平面設計である。このことは、ツールはツール回転軸に垂直である平面内のこのエリア内で延伸することを意味する。
【0025】
好ましい実施形態では、駆動エリア領域が実質的に平坦であることを既に注記した。これは、全ての表面点の法線ベクトルが互いに平行に揃えられ、このため、駆動エリア領域は全体として1つの接平面を有することを意味する。しかしながら、本発明の範囲内において、駆動エリア領域は一方向また二方向に湾曲していることもまた可能である。この場合には、法線ベクトルはもはや互いに平行ではない。
【0026】
本発明は以下の考察に基づく。
【0027】
トルクが適用されるツールの領域は、振動動作に起因する交互の曲げストレスにさらされる。これらは、一般的にツールを製造する材料が金属材料である場合に特に問題である。金属は結晶構造を有する。局部的過負荷が金属部品の領域で発生すれば、これはこの点で部品に作用するストレスが部品にとって許容範囲であるストレス以上であり、次いで、マイクロクラックが金属の微細構造の個々の粒子間に発生することを意味する。これらのマイクロクラックは2つの点で部品の強度に影響する。一方で、マイクロクラックが発生した領域では部品内で張力が伝達されない。これは、この領域内のストレスがクラック形成によって増加し、力伝達の点で有効領域が減少することを意味する。
【0028】
他方、機械加工技術分野において一般に「ノッチ・エフェクト」と呼ばれる現象が発生する。この名称は、特に鋭角形状であるノッチ(切欠き)領域内に局部的な応力の集中が発生し、ノッチ周辺の領域内で材料が剪断応力を受けることに由来する。この剪断応力はそのような幾何学形状に影響を受けない状態の部品領域内での剪断応力よりも強い。
【0029】
これらの増加した応力はクラック形成を進行させ、結果として部品の破損に至る。
【0030】
このプロセスは、例えばPalmgren および Minerの論文内に記載され、損傷の蓄積(dam
age accumulation)と呼ばれる。
【0031】
振動負荷、特に交互曲げストレスを許容する材料または部品の特性は、通常、部品のS-N曲線と呼ばれる曲線で表される。S-N曲線は繰り返し負荷、負荷を変化させるヴェーラー疲労試験において、特に部品が(材料に依存するが)2百万回から6百万回の負荷変化において損傷無しである場合に、多くの場合において、スチール部品は永久的に許容可能であるとする。機械加工技術分野では材料または部品の疲労強度と呼ばれる。
【0032】
振動駆動ツールは、上述したように、例えば毎分20,000の周波数でスイングする。これは、操作固定部品の設計において、毎分20,000負荷サイクルまたは毎時1.2百万回サイクルを意味する。
【0033】
2百万回負荷サイクルストレス試験の低い疲労限度は、このように機械加工ツールまたはツールの2時間以上の操作となる。
【0034】
本発明の設計においては、トルク負荷が増加してもツールデバイスが耐えられる程度のトルク増加である。これは第1に駆動エリアを回転軸に対して距離を置いて配置することで実現される。理由は、ツールによって受容される力はトルクと距離の比によって決定され、Fr=M/r(M:測定されるトルク(単位Nm)、F:点rで測定される力(単位N)、r:ツール回転軸からの作用点の距離(単位m))に従うからである。
【0035】
力の作用点が外側に広がれば、すなわち、ツール回転軸から離れれば、トルクは減少する。
【0036】
駆動エリアの傾斜は力の作用点が全体として増加する結果となり、それによって局部的負荷は減少し、ツールの残りの領域内における力の導入は、適切に設計することで、改善される。
【0037】
振動するマシンにおいて一般的に使用される鋸ツールおよび切断ツールのようなツールデバイスの部分は、例えば、円周方向に配置された操作領域を有する。ツールの操作領域はこのようにツール回転軸に垂直な平面内で本質的に延伸する。
【0038】
既存技術では、そのようなツールにおいて接続領域もまた平面であることが一般的である。次に、例えばピン、駆動星形配置、等によって、駆動運動はツール平面に垂直な方向の力として開始される。ツール平面内において、ツールは特に硬く、力の導入は相対的に小さな領域上においてのみ行なわれる。この領域ではより高い局所的ストレスとなり、ツールの操作安定性を減少させる。
【0039】
本発明によれば、そのようなツールにおいて、力の伝達は最初に傾斜エリアから適用される。このため、対応する構造では、力の伝達エリアが増加し、それによって局所的負荷が減少する。
【0040】
この点において、ピーク負荷を減少させることが本質であることに留意すべきである。何故なら、前述のマイクロクラックに至るストレス集中によってツールの疲労あるいは破損が発生し、さらには進行するからである。ピークストレス集中の減少はツールの耐用年数の著しい増加を実現できる。
【0041】
好ましい実施形態によれば、表面点上の全ての法線ベクトルがツール回転軸を通過して延伸する直線上を通過する、少なくとも1つの駆動エリア領域が存在する。そのため、そのような駆動エリア領域は表面の全ての点がツール回転軸の方向を向く。しかし、駆動エ
リア領域はツール回転軸に対して「ねじれ」ている。これによって、機械加工ツールの駆動力は表面上の全ての点における駆動エリア領域上において接線方向に導入され、そのため、トルク伝達は改善される。
【0042】
既に説明したように、出力エリアは実質的に平面に設計されることが好ましい。これは、出力エリアは実質的に接平面と同一である平面領域を有し、平面領域は端部、単一の湾曲表面または複数の湾曲表面、等によって制限されても良い。端部または湾曲エリアのそれぞれによって、出力エリア領域はツール受容デバイスの他の領域内、特にトルク伝達領域内に通過することができる。
【0043】
平面駆動エリアの利点は、適切な公差および弾性等の材質特性が与えられて適切に設計されるなら、一方でツールデバイスを隙間なしに機械加工ツールの駆動デバイスの上に確実に固定することが可能となることである。機械加工ツールの駆動デバイスおよびツールデバイス間のエリア接触が可能となり、それによって、力伝達領域が増加する。
【0044】
さらなる好ましい実施形態によれば、駆動エリアは少なくともその部位内において湾曲している。湾曲は両方向のみならず一方向で設計されても良く、湾曲は固定半径または可変半径を有する凸部または凹部の両方で設計されても良い。
【0045】
湾曲エリアは、また、その形状によっておよび材料の弾性によって設計することが可能であり、弾性に応じて、湾曲は変化する。特に、湾曲はある負荷で実質的に消える。このことは、実質的に平坦な駆動エリアが提供されることを意味する。
【0046】
好ましい実施形態では、ツールデバイスは装着デバイスの領域内において少なくとも第1の上部境界平面および少なくとも第2の下部境界平面を備える。この場合には、これらの境界平面は前記ツール回転軸に実質的に垂直に配置される。さらに、好ましくはこれらの2つの境界平面は空間的に離れている。これらの駆動エリア領域の各々はこれらの1つの第1の上部境界平面およびこれらの1つの第2の下部境界平面の間に、好ましくは駆動エリア領域が境界領域を切断するのではなく、それぞれの境界平面と接触するような方法で、配置される。特に、これらの境界領域の間に少なくとも1つの駆動エリア領域を配置することによって、非常に大きな駆動エリア領域を実現することが可能となり、駆動エリア領域上のストレスは相応して小さくなる。好ましくは、駆動エリア領域の第1グループ、しかし、少なくとも1つの駆動エリア領域は1つの前記第1の上部境界平面および1つの前記第2の下部境界平面との間に配置され、より好ましくは駆動エリア領域グループの第2グループはさらに第1の上部境界平面およびさらに第2の下部境界平面の間に配置される。特に、複数の駆動エリア領域のグループ分けおよび境界平面の配置によって、ツールデバイスの簡易な製造と、第2に特にツールデバイス上のトルクの一様な導入の実現との両方が可能となる。
【0047】
好ましい実施形態では、複数の駆動エリア領域が単一の第1の上部境界平面および単一の第2の下部境界平面の間で延伸する。より好ましくは、これらの駆動エリア領域の全ては単一の第1の上部境界平面および単一の第2の下部境界平面の間で延伸する。特に、1つの第1の上部境界平面および1つの第2の境界平面の間のこれらの駆動エリア領域の延伸によって、小空間スペースしか要求されないトルク伝達エリアを実現することが可能となる。さらには、少ない材料使用要求を実現することができる。特に、駆動エリア領域のこのようなタイプでの設計によって、トルクが特に一様に、これによってツールデバイスに穏やかな方法で伝達されることを実現するという利点となる。
【0048】
好ましい実施形態では、少なくとも第1の境界平面および第2の境界平面は互いに距離Tだけ空間的に離れて配置される。好ましくは、ツールデバイスは、特に装着デバイスの
領域内において実質的に壁厚tを備える。より好ましくは、距離Tは壁厚tとの関係で規定される範囲から選択される。距離Tおよび壁厚tを関連付けて設定することが有利であることが証明される。特に、これによって、ツールデバイスの装着領域の好ましい剛性比を実現することが可能となり、機械加工ツールからツールデバイスへの好ましいトルク導入を実現することが可能となる。好ましくは距離TはTがtの1倍より大きい、より好ましくはtの2倍より大きい範囲から選択する。より好ましくは、tの3倍より大きい、さらに好ましくは距離Tはtの20倍より小さい、好ましくはtの10倍より小さい、特にtの5倍より小さい。特に、仮に壁厚tが0.75mmから3mmの範囲内、好ましくは1から1.5mmの範囲内である場合には、距離Tは特に実質的にtの3.5倍が好ましい。この場合には、実質的にtの+/-0.75倍である。特に、距離Tと壁厚tとのこの関係を有することで、ツールデバイスでの装着デバイスの剛性比が実現され、それによって、ツールデバイス内への特に好ましいトルク導入を実現することが可能となり、ツールデバイスの長い耐用年数を実現することが可能となる。
【0049】
好ましい実施形態では、トルク伝達領域は複数の駆動エリア領域を備える。好ましくは、前記複数の駆動エリア領域は「ツール回転軸の周囲に回転的対称的に」配置される。
【0050】
本出願での「ツール回転軸の周囲に回転的対称的に」は複数の駆動エリア領域が幾何学的にそれ自身をツール回転軸の周囲の円周上に少なくとも0度より大きく360度より小さい角度で、またはいかなる角度によっても、特に、これらの角度の1つが360度/n(nは1より大きな自然数)である全ての角度で配置されることを意味する。
【0051】
特に、駆動表面領域の回転的対称的配置によって、それぞれ、ツールデバイス上での付加的なストレスを減少させることが可能になり、駆動領域に一様にストレスを加えることが可能になり、これによって特に耐用年数の増加を実現する。より好ましくは、駆動エリア領域の回転的対称的配置によって、ツールデバイスはツール回転軸に対して異なる角度位置で収容可能となる。好ましくは、ツールデバイスはツール回転軸の周囲に離散的角度で移動可能となり、機械加工ツール上に収容可能となる。
【0052】
好ましい実施形態では、これらの駆動エリア領域の少なくとも2つは対称平面に対称的に配置される。好ましくは、これらの駆動エリア領域の2つ以上、好ましくは4つが対称平面に対称的に配置される。ここで、特にこの対称平面内にツール回転軸が配置される。より好ましくは、これらの駆動エリア領域は実質的に近接して配置される。本発明における「近接して配置」は、特に、駆動エリア領域が遷移領域によって接触しているような配置として理解することができる。好ましくは、そのような遷移領域は湾曲したエリア領域によって、または、エリア領域を延長する少なくとも部分的に平坦な領域によって形成されても良い。より好ましくは、そのような遷移領域は少なくとも1つの、好ましくはこれらの駆動エリア領域の両方における接線方向で近接する。特に、駆動エリア領域の対称的および近接配置によって、駆動エリア領域の高安定性を実現することが可能となる。このため、ツールデバイスへの良好な力伝達を実現することが可能となる。
【0053】
好ましい実施形態では、装着領域は側壁を有する。好ましくは、前記側壁はツール回転軸から径方向に空間的に離れて延伸している。より好ましくは、この側壁は第1の上部境界平面および第2の下部境界平面の間で延伸している。好ましくは、側壁は駆動エリア領域を備える。特に、側壁を有する装着領域の設計は装着領域の領域内に実質的に中空の円錐形凹部を生じさせる。しかし、この中空円錐形凹部は円形断面を有さないが、ツール回転軸に直交する方向内でツール回転軸に対して側壁は可変で空間的に離れた断面を有する。特に、トルク伝達領域の説明したタイプの実施形態によって、特に安定したトルク伝達領域が実現できるため、ツールデバイス内への良好なトルクの導入を実現することが可能となる。
【0054】
好ましい実施形態では、側壁は実質的に平均壁厚t1を有する。好ましくは、平均壁厚は実質的に壁厚tに対応する。ここで、この壁厚t1およびtのそれぞれは、前記壁厚が好ましくは0.2mm以上、好ましくは0.5mmより大、より好ましくは0.8mmより大である範囲から選択されるのが好ましい。より好ましくは、壁厚は4mm以下、好ましくは2mmより小、より好ましくは1.5mmより小である。より好ましくは、壁厚は実質的に1mmまたは1.5mmであり、または好ましくは1mmから1.5mmの範囲である。特に、壁厚を前述の範囲内で選択することによって、一方で僅かであり低い慣性モーメントを有するツール、他方で十分に安定なツールを得ることが可能となる。
【0055】
好ましい実施形態では、この側壁はツール回転軸の周囲で閉じて本質的に径方向に延伸する。他の実施形態では、側壁はツール回転軸の周囲の延伸部内に凹部または断面を有する。特に、閉じた円周形の側壁によって、特に安定した装着領域を実現することが可能となる。断面を有する側壁、または凹部を有する側壁によって、特に軽く低い慣性モーメントを有する装着領域を実現することが可能となる。
【0056】
好ましい実施形態では、装着デバイスはカバー表面部を有する。好ましくは、このカバー表面部は直接的または間接的にこれらの駆動エリア領域を装着している。この場合、カバー表面部の駆動エリア領域との間接的接触が、特に、表面部および駆動エリア領域が接続領域によって互いに接続されると理解すべきである。この場合、そのような接続部分は好ましくは湾曲壁、または、少なくとも領域内において直線で延伸する壁として理解すべきである。好ましくは、少なくとも1つのこれらの駆動エリア領域を有するカバー表面部の直接的接触は、このカバー表面部は駆動エリア領域とは別の製造中間部分によってのみ分離されている、またはカバー表面部は駆動エリア領域と直接的に隣接している、と理解すべきである。そのような別の製造中間部品は特に曲げ半径、傾斜形状、等と理解すべきである。好ましくは、このカバー表面部の延伸はツール回転軸に垂直な少なくとも1つのエリア成分を有する。さらに好ましくは、少なくともカバー表面部は実質的にツール回転軸に垂直な部位内で延伸する。好ましくは、このカバー表面部の構成によって、駆動エリア領域の付加的な安定性を実現することが可能となる。
【0057】
好ましい実施形態では、カバー表面部は実質的にこれらの第1の上部境界平面の1つの領域内に配置される。好ましくは、装着デバイスはカバー表面部がその内部に配置される領域内において、特に小さい径方向延伸部を有する。さらに好ましくは、カバー表面部は実質的に第1の上部境界平面の領域内にあり、さらに好ましくは、第1の上部境界平面および第2下部境界平面の間に配置される。特に、第1の上部境界平面の領域内へのカバー表面部の配置は容易であり、特に装着デバイスの付加的な安定性を導くことが可能である。
【0058】
好ましい実施形態では、カバー表面部はツール回転軸外側方向に向かう径方向内に延伸する。さらに好ましくは、カバー表面部は少なくとも1つの凹部を有する。さらに好ましくは、このカバー表面部は複数の好ましくは複数の凹部を有する。特に、これらの凹部によって、ツールデバイスの回転慣性モーメントを減少させることが可能となり、このようにしてそのストレスを減少させることが可能となる。
【0059】
好ましい実施形態では、少なくとも1つのこれらの凹部は実質的にツール回転軸の領域内に配置される。さらに好ましくは、複数のこれらの凹部は実質的にツール回転軸の範囲内に配置される。「実質的にツール回転軸の範囲内」は、特に、これらの凹部の1つがツール回転軸を含む、または、これらの凹部の少なくとも1つがツール回転軸と直接的に隣接する、または、ツール回転軸から小距離であるとして理解すべきである。特に、ツール回転軸の領域内の1つ、または複数の凹部によって、機械加工ツール上のツールデバイス
の簡易な装着を実現することが可能となり、機械加工ツールからツールデバイスへの良好な力の伝達を実現することが可能となる。
【0060】
好ましい実施形態では、1つまたは複数のこれらの凹部はツール回転軸の周囲に回転対称的に配置される。さらに好ましくは、これらの凹部の全てはツール回転軸の周囲に回転対称的に配置される。特にこのタイプの凹部の配置によって、前記ツールデバイスの不均衡な運動を避ける、または軽減することが可能となり、改善されたツールデバイスを実現することが可能となる。
【0061】
好ましい実施形態では、これらの接平面上の1つの法線ベクトルはツール回転軸の径方向に向く。好ましくは、径方向のこれらの接平面の複数の、好ましくは全ての法線ベクトルはツール回転軸から離れた方向を向く。特に、この接平面の方向によって、装着領域は既存のシャフトハブ接続と異なるシャフトを提供する。特に、装着領域のこの構成は、特に、簡易な製造の可能性を提供し、機械加工ツールの駆動力をツールデバイス上に特に一様に伝達することを可能とする。
【0062】
好ましい実施形態では、これらの接平面上の1つの法線ベクトルはツール回転軸の径方向に向く。好ましくは、これらの接平面の複数の、好ましくは全ての法線ベクトルはツール回転軸の方向を向く。特に、この接平面の方向によって、装着デバイスは既存のシャフトハブ接続と異なるハブ部分を提供する。装着デバイスのそのような構成は、駆動力を内部表面(ハブ部分)へ伝達する。特に、そのような表面は汚染およびダメージから十分に保護される。
【0063】
好ましい実施形態では、ツールデバイスは少なくとも1つの操作領域、少なくとも1つの装着領域、および、少なくとも1つの接続領域を備える。好ましくは、操作領域は加工対象物配置または加工対象物上で作用するように構成されている。加工対象物または加工対象物配置は、特に、半完成品、機械加工要素、部品、これらの要素の複数の配置、機械、好ましくは自動車の部品、建築材料、ビルディング等と理解すべきである。操作領域は好ましくは、切断デバイス、研磨デバイス、分断デバイス、切削デバイス、レバーデバイス、等であると理解すべきである。さらに好ましくは、接続領域は、そこを経由して駆動力が装着領域から操作領域へと伝達される、前記ツールデバイスの一部であると理解すべきであり、装着領域内で駆動力が機械加工ツールからツールデバイスへ導入される。さらに好ましくは、この接続部分は平面部、湾曲部、波形部、または、折り曲げ部である。さらに好ましくは、この接続領域は少なくともこの操作領域、この装着領域と一体的に形成される。好ましくは、この接続領域は操作領域または装着領域と同じまたは異なる材質で形成することが可能であり、操作領域および装着領域に接続される。好ましくは、この接続領域は形状適合接続、圧力ばめ接続、材質適合接続、または好ましくはこれらの幾つかタイプの接続の組合せである。特に好ましくは、溶接、リベット留め、カシメ、または、ネジ留めされる。さらに好ましくは単一接続領域が装着領域およびこれらの操作領域のそれぞれの間に配置される。特に、装着領域を有するツールデバイスの前述の構成、操作領域および接続領域によって、接続領域から操作領域への駆動力の好都合な伝達を実現することが可能となる。
【0064】
好ましい実施形態では、少なくとも1つのこれらの接続領域はある装着領域内に配置される。好ましくは、これらの接続領域の少なくとも1つは、第1の上部境界平面よりも機械加工ツールからさらに離れている第2の下部境界平面領域内の1つに、実質的に配置される。好ましくは、接続領域は第1の上部境界平面の1つの領域内に配置され、より好ましくは、これらの境界平面の間に配置される。さらに好ましくは、これらの接続領域の少なくとも1つは第2の下部境界平面と実質的に一致する。さらに好ましくは、全ての接続領域は前述の形状で配置される。さらに好ましくは、カバー表面部と、好ましくは1つの
接続領域、より好ましくは全ての接続領域とは接続デバイスと径方向で対向して配置される。すなわち、カバー表面部は第1の上部境界平面領域内に配置され/少なくとも1つの、好ましくは全ての接続領域は第2の境界平面内に配置される。あるいは、その逆に配置される。特に、接続領域の前述のタイプの構成および配置によって、特に安定したツールデバイスを実現することが可能となり、このようにして、ツールデバイス内へのトルクの一様な導入を実現することが可能となる。
【0065】
好ましい実施形態では、角度αはこれらの接平面の1つおよびツール回転軸に垂直である径平面との間の角度となる。角度αはある範囲で選択される、好ましくは90度より小さく、特に、80度より小さい、最も好ましくは75度より小さいことが好ましい。さらに好ましくは、角度αは0度より大きい、特に45度より大きい、最も好ましくは60度より大きい。より好ましくは角度αは62.5度から72.5度の範囲である。好ましくは、角度αはトルク伝達領域、および/または、ツールデバイス、および/または、発生する力にとって好ましい部品特性(特に、幾何学的、壁厚み、弾性係数、張力および同様の特性)に依存して上記範囲内である。特に、前述のような前記範囲の角度αの選択によって、安定したトルク伝達領域が実現可能であり、他方また、ツールデバイス内への駆動力の一様な導入が実現可能となる。「ジャミング」の危険性が低減するため、通常、角度αは70度未満に選択することが好ましい。ここで用語「ジャミング」とは、ツールデバイスが、特に付加的な力無しで、機械加工ツールから計画通りには脱着できないことと解釈すべきである。「ジャミング」と類似の効果は機械加工分野では特に自己ロッキングとして既知である。前記範囲(α≧70度)から選択された角度αの利点としては、特に低い空間要求となる。より小さい角度α(α<70度)の利点としては、ツールデバイスのジャミング傾向は、より小さい角度α(α<70度)であるトルク伝達領域では低減される。相対的に小空間スペースが実現され、ツールデバイスの不慮のジャミングが避けられ減少させられる角度αの特に好ましい範囲として、60度(+/-5度)が示される。
【0066】
好ましい実施形態では、ツール回転軸が位置している軸平面とこれらの接平面の1つとの間に角度βがある。好ましくは、角度βはある範囲で選択される。好ましくは角度βは90度より小さい、特に70度より小さい。65度より小さいことが最も好ましい。さらに好ましくは、角度βは0度より大きい、好ましくは15度より大きい。30度より大きいことが最も好ましい。さらに好ましくは、角度βは実質的に30度、45度または60度である。より好ましくは、角度βは前述の3つの角度値の1つから僅かにずれる。好ましくは僅かにずれる値は+/-7.5度、特に+/-5度、最も好ましくは+/-2.5度と理解すべきである。特に、前記範囲からの角度βの前述の選択は、特に安定したトルク伝達領域が実現可能であり、このようにして、機械加工ツールからツールデバイスへの一様なトルク導入を実現することが可能となる。伝達可能なトルクは特に角度βの減少によって増加する。好ましくは、高い伝達トルクを必要とする構成では、角度βは0度<β<30度の範囲で選択される。特に、角度βが増加すれば空間スペースが減少する。好ましくは、小空間スペースを必要とする構成では、角度βは60度<β<90度の範囲で選択される。大きなトルクが特に伝達可能であり、かつ小空間スペースが必要である場合における特に好ましい実施形態においては、角度βは実質的に60度となる。
【0067】
好ましい実施形態によれば、ツールデバイスは偶数の駆動エリア領域を有する。好ましくはツールデバイスは4個以上の駆動エリア領域を有し、特に8個以上の駆動エリア領域を有する。16個以上の駆動エリアエリア領域を有することが最も好ましい。さらに好ましくは、ツールデバイスは64個以下の駆動エリア領域を有し、特に、48個以下の駆動エリア領域を有し、32個以下の駆動エリア領域を有することが最も好ましい。更に好ましくは、ツールデバイスは奇数の駆動エリア領域を有し、好ましくは偶数の駆動エリア領域を有する。好ましくは、駆動エリア域の数はツールデバイスのサイズの関数である。より好ましくは、大きなツールデバイスは、また、ここで規定する以上の数の駆動エリア領
域数を有しても良い。ここで、大きなツールデバイスは、特に、実質的に50mm以上の直径を有するツールデバイスとして理解すべきである。特に好ましくは、ツールデバイスは実質的に30mmの直径を有する。特に偶数の駆動エリア領域によって、機械加工ツールの駆動力はツールデバイス上のペア内に伝達することが可能となる。ツールデバイス上に駆動力のペアを導入することで、特に恒久性があり改良されたツールデバイスを実現できることが見出される。
【0068】
好ましい実施形態では、駆動エリア領域は実質的に星形形状に配置される。好ましくは、駆動エリア領域は実質的にツール回転軸の周囲に星形形状で配置される。さらに好ましくは、駆動エリア領域によって、ツール回転軸に垂直な平面によってカットした星形形状多角形の基本領域を実質的に有する三次元実体が説明される。
【0069】
本発明においては、用語「多角形」は数学的に鈍角または鋭角の角を有する形状から想定される形状としてのみ理解すべきではなく、角が丸みを帯びる形状としても理解すべきである。
【0070】
より好ましくは、前記星形形状駆動エリア領域は既存のハブ接続の歯状シャフトと類似であり、このシャフトは駆動エリア領域の2重傾斜に起因して円錐基本形状を有する。特に、駆動エリア領域の星形形状配置によって、小さい空間に複数の駆動エリア領域を配置することが可能となり、機械加工ツールからツールデバイスへ高い駆動力を確実に伝達することが可能となる。
【0071】
本発明に基づくツールデバイスのシリーズは少なくとも2つの前記ツールデバイスを備える。この場合、そのようなツールデバイスは特に参照平面を有する。参照平面はツール回転軸に垂直である。参照平面は少なくとも1つの参照直径、または、駆動エリア領域の他の参照寸法を有する。この場合、シリーズの異なるツールデバイスにおいて、カバー表面部の第1の表面と参照平面との第1の距離Δは第1の下部リミットと第2の上部リミットとの間の距離である。
【0072】
本発明において、参照平面はその位置がツール回転軸の軸方向内で決定され、第1のツール、および、このシリーズの少なくともさらなる1つのツールに対して、同一の参照直径を有する平面であると理解すべきである。この場合、駆動エリア領域の2重傾斜のために、軸方向内のこの参照平面の軸位置は、このシリーズの少なくとも第1および第2のツールにおいて異なってもよい。参照平面によって、ツールデバイスの参照直径の軸位置が特に定義される。このことによって、同一シリーズの複数のツールデバイスに対して特に軸方向内において固定の参照ポイントへ導く。比喩的に表現すると、このアプローチは架空リング(参照直径、参照寸法)が駆動エリア領域上の軸方向内に織り込まれるものとして理解することができる。このことは、異なるツールデバイスでは異なってもよい、特定の軸位置が定義される。特に、下部リミットおよび上部リミットを特定することによって、ツールデバイスの製造時における不可避な許容誤差を考慮することを可能とする。好ましくは、これらのリミットは1mmの数10thsから数100thsの範囲内から選択される(ここで、10thsは小数点以下第1位、100thsは小数点以下第2位を意味する)。
【0073】
このシリーズの好ましい実施形態では、シリーズの少なくとも2つの異なるツールデバイスにおける距離Δは実質的に一定である。好ましくは、一定とは、第1のツールおよび第2のツール、または複数の第2のツールの距離Δが少なくともこのリミット内にあることと理解すべきである。特に距離Δはツール・シリーズ内の狭い許容誤差バンド内で移動するという事実から、ツールデバイス・シリーズは軸方向において実質的に等しい位置に配置することが可能であり、このようにして、トルクの安全な導入を保証できる。
【0074】
少なくとも2つのツールデバイスのシリーズの好ましい実施形態では、シリーズの少なくとも2つのツールデバイスは異なる平均壁厚tまたはtiを有する。特に、異なる壁厚を有するツールデバイスによって、ツールデバイスを負荷に適するように製造することが可能となる。何故なら、例えば、鋸、研磨のように異なる用途を意図したツールは異なる力で作用し、これらの異なる力は、特に、異なる壁厚によって考慮されるからである。
【0075】
好ましい実施形態では、シリーズは、ツール回転軸および駆動エリアの位置に対して実質的に等しく配置されたエンコーディング領域を有する少なくとも2つのツールデバイスを備える。さらに好ましくは、各ツールデバイスはそのようなエンコーディング領域を備え、好ましくはこれらのツールデバイスのそれぞれが、特に好ましい駆動力のような、少なくとも1つの応用パラメータによって特徴付けられる。さらに好ましくは、そのような応用パラメータはツール・タイプ、製造タイプ、または機械加工ツールの他のパラメータを考慮しても良い。または、好ましくは、ツールデバイスを駆動するために必要なパワーを考慮しても良い。好ましくは、エンコーディング領域は少なくとも1つのエンコーディングデバイスを備える。このエンコーディングデバイスはこれらの応用パラメータの少なくとも1つによって特徴付けられる。特に、前述のエンコーディング領域の構成によって、ツールデバイスの過負荷による破損に対処可能となり、多様な用途向けのシリーズの異なるツールが可能となる。
【0076】
少なくとも2つのツールデバイスのシリーズの好ましい実施形態では、少なくとも第1のツールデバイスは第1のエンコーディングデバイスを備える。好ましくは、この第1のエンコーディングデバイスは第1のエンコーディング要素と協働することを意図して、機械加工ツール上に配置される。さらに好ましくは、少なくとも1つの第2のエンコーディングデバイスは第2のエンコーディング要素を備える。さらに好ましくは、第2のエンコーディングデバイスは第2のエンコーディング要素と協働するよう構成される。好ましくは、第1のエンコーディング要素は第1の機械加工ツール上に配置され、より好ましくは、第2のエンコーディング要素は第2の機械加工ツール上に配置される。好ましくは、エンコーディングデバイスおよびエンコーディング要素は、第1のエンコーディング要素が第1のエンコーディングデバイスおよび第2のエンコーディングデバイスと協働することが可能であるように設計される。好ましくは、第2のエンコーディング要素は、第2のエンコーディング要素とは協働するが、第1のエンコーディングデバイスとは協働しないように設計される。特に、エンコーディングデバイスのこの構成によって、特定の機械加工ツールに対してある種のツールを制限することが可能となる。この場合、一方で、小さい駆動力用に提供され特に装着領域を有するツールデバイスは、ツールデバイスのこの装着領域を損傷可能な駆動力が提供される機械加工ツール上に受容しないようにすることが可能となる。他方で、高駆動力または高トルクを必要とするツールは、この目的のために用意されたのではない機械加工ツール上に受容しないようにすることが可能となる。このようにして、機械加工ツールへの損傷を防ぐことが可能となる。
【0077】
少なくとも2つのツールデバイスのシリーズの好ましい実施形態では、少なくとも1つの、好ましくは全てのエンコーディングデバイスの基本エリアの形状は、以下の要素の少なくとも1つを有するグループの形状グループから選択される。
- 複数の角部、好ましくは、3、4、5、6、7、8、または8以上の角部を有する多角形、
- 円、
- 楕円形、
- 可変半径または一定半径を有する円弧、
- これらの形状の組合せ。
【0078】
特にこのエンコーディングデバイスの設計によって、ツールデバイスの対応する要求に合うように構成することが可能となり、このようにして、改善されたツールデバイス・シリーズを実現することが可能となる。
【0079】
好ましい実施形態では、少なくとも2つのツールデバイスのシリーズは少なくとも2つのツールデバイスを備え、少なくとも2つのツールデバイスの各々は幾何学的に同一形状であるが、サイズが異なる、エンコーディングデバイスを有する。好ましくは、全てのツールデバイスは幾何学的に同一形状であるが、少なくともサイズが部分的に異なるエンコーディングデバイスを備える。
【0080】
好ましい実施形態では、少なくとも2つのツールデバイスのシリーズは、エンコーディングデバイスがエンコーディング参照平面と比較して嵩上げされた部分として設計されている少なくとも1つのツールデバイスを備える。好ましくは、エンコーディング参照平面はツール回転軸に対して垂直な平面であると理解すべきである。さらに好ましくは、エンコーディング参照平面は実質的に平面カバー表面部の領域内に、または、カバー表面部と一致する領域内に配置される。さらに好ましくは、シリーズは嵩上げされた第2のエンコーディング領域を有する第2のツールデバイスを備える。好ましくは、エンコーディングデバイスの少なくとも1つの第1の延伸部は対応する第2のエンコーディングデバイスの延伸部より大きい。好ましくは、機械加工ツール用の第1のツールデバイスは高駆動力を提供し、さらに好ましくは、機械加工ツール用の第2のツールデバイスは低駆動力を提供する。この場合、第1の機械加工ツールの高駆動力は、この駆動力において、第2の機械加工ツールの駆動力より大きいと理解すべきである。好ましくは、第1のツール上の類似の第1の延伸部は第2のツール上のエンコーディングデバイスの同一の延伸部より大きい。これによって、低性能要求に適したツールデバイス、すなわち、私的な用途を意図したDIY(Do-it-yourself)用のみならず、工業、工芸業界(専門的機械加工)での専門用途を意図した機械加工に特に適した高性能ツールデバイスが得られる。このことは、特に駆動力に対応するようツールデバイスを構成することで可能となり、このようにして、改善されたツールデバイスを実現することが可能となる。
【0081】
少なくとも2つのツールデバイスのシリーズの好ましい実施形態では、少なくとも1つのエンコーディングデバイスは凹部として構成される。好ましくは、シリーズ全てのエンコーディングデバイスは凹部として構成される。さらに好ましくは、エンコーディングデバイスはエンコーディング参照平面領域内に配置される。好ましくは、少なくともエンコーディングデバイスの延伸部は他のエンコーディングデバイスの対応する延伸部よりも大きい。特に、高駆動力を有する専門用途の機械加工を意図するツールデバイスは小さいエンコーディングデバイスを有する。特にDIY機械加工用途に提供される同一シリーズの第2のツールデバイスは第1のエンコーディングデバイスとは反対に、大きなエンコーディングデバイスを有する。特に、専門用途の機械加工における適用では、DIY機械加工と対比して高駆動力を有する。DIY機械加工に専用のツールデバイスはこのようにしてDIY機械加工のみならず専門用途機械加工の両方に適合する。一方で、専門用途ツールデバイスはDIY機械加工には取り付け不可能である。このことはDIY機械加工が高駆動力用に設計されたツールデバイスによって損傷を受けることを防ぐ。特に、専門用途機械加工用のエンコーディングデバイス(凹部)がDIY機械加工用のエンコーディングデバイスよりも小さいという事実によって、特に安定したツールデバイスが大きな駆動パワー用に実現することが可能になる。
【0082】
好ましい実施形態では、少なくとも2つのツールデバイスのシリーズはこのカバー表面部の領域内に配置されているエンコーディング領域を備える。特に、これらのカバー表面部が上部境界平面の領域内に配置されている場合には、エンコーディング領域は特に容易にアクセス可能となり、このため、改善されたツールデバイスを実現することが可能とな
る。
【0083】
本発明に基づくツールデバイスを製造する方法は、少なくとも1つの駆動エリア領域を製造するために、基本形状形成プロセス・ステップ、または、再形成プロセス・ステップ、または、一般的プロセス・ステップを備える。好ましくは、少なくとも1つの駆動エリア領域を製造するステップは複数の前述のプロセス・ステップの組合せを備える。少なくとも1つの駆動エリア領域を製造するプロセス・ステップは少なくとも以下の製造方法を備えるプロセスステップ・グループから選択される。
【0084】
鍛造、プレス、圧延、押出、折り曲げ、深絞り、ビーディング加工、フランジ加工、歪み取り、曲げ、延伸、圧縮、焼結、鍛造、多層コーティング、等。
【0085】
好ましくは、ツールデバイスのツール輪郭を製造する方法は異なるプロセス・ステップを有する。好ましくは、熱的に異なるプロセス・ステップ、好ましくは機械的に異なるプロセス・ステップ、または、これらのプロセス・ステップの組合せである。さらに好ましくは、ツールを製造するプロセス・ステップは少なくとも以下のプロセス・ステップから選択される。
【0086】
鋸引き、研磨、粉砕、穿孔、剪断、粒子ビーム切断、電子ビーム切断、レーザ切断、プラズマ切断、ガス切断、放電切断。
【0087】
好ましくは、ツールデバイスを、少なくとも外形を、一般的な製造方法によって完全にまたは主に製造する。
【0088】
特に、前述の製造方法によって、特に精密な駆動エリア領域を製造することが可能であり、このようにして、ツールデバイス内への駆動力の一様な導入を保証する。
【0089】
本発明の多様な特徴および実施形態を以下の図面に示す。図面は部分的に概念図であり、図に示す個々の特徴および実施形態に限定するものではない。
【0090】
好ましい実施形態では、ツールデバイスを機械加工ツール上に受容する際に、機械加工ツールの出力スピンドルの端部面およびツールデバイスの対向表面の間が小距離θであるように、ツールデバイスを機械加工ツールの出力スピンドル上に受容する。好ましくは、ツール回転軸に対して対称的である少なくとも2つの点、好ましくは複数の点において、この距離は実質的に等しい。好ましくは本願において小距離は、好ましくは5mmより小さい、好ましくは2.5mmより小さい、より好ましくは1.5mmより小さい、最も好ましくは、0.8mmより小さい、さらに好ましくは0.0mmより大きい、好ましくは、0.25mmより大きい、より好ましくは、0.5mmより大きい範囲内の距離θであると理解すべきである。小距離θによって、特に、過負荷である場合には、ツールデバイスを出力スピンドル上で支持することが可能となり、ツールデバイスの傾斜を避けるか、減少させる。さらに好ましくは、ツールデバイスを特に顕著な傾斜なく受容することが可能となり、ツールデバイスの機械加工ツール内への挿入を実現することが可能となる。
【0091】
好ましい実施形態では、ツールデバイスはステップ状駆動エリア領域を備える。ステップ状駆動エリア領域は駆動エリア領域またはツール駆動エリア領域に準用可能であり、これらの説明はステップ状駆動エリア領域に適用できると理解すべきである。好ましくは、本発明の明細書における「ステップ状」は、駆動エリア領域がツールデバイスの側壁に対して相互配置される。凹部の無い駆動エリア領域と対比すると、駆動エリア領域は好ましくはツールデバイスの側壁上でなく、側壁内に配置され、側壁に対して相互配置され、特に、部分的に側壁から径方向に離れている。
【0092】
本発明に基づく接続デバイスは、ツールデバイスを機械加工ツール、特に、手動機械加工ツールに接続するよう構成されている。好ましくは、機械加工ツールの駆動力は、特に、回転的対称的方法で、駆動軸を駆動する。接続デバイスは第1の接続領域および第2の接続領域を備える。第1の接続領域は接続デバイスを機械加工ツールに接続するよう構成されている。ここで、駆動軸および接続回転軸が実質的に一致するような方法で、接続デバイスを機械加工ツールに接続することが可能である。第2の接続領域は接続デバイスをツールデバイスに接続するように構成されている。ここで、少なくとも1つの接続領域は装着デバイスを有し、装着デバイスは少なくとも2つの駆動エリア領域を備える。
【0093】
さらに、少なくとも2つの駆動エリア領域が提供され、駆動エリア領域は接続回転軸から空間的に離れ、それぞれは複数の表面点を有する。用語「駆動エリア」は機械加工ツールの出力デバイスと直接的または間接的に、少なくとも部分的に接触し、機械加工ツールからトルクを受ける領域であることを意味する。用語「表面点」は既に定義したように駆動表面の表面上の点であることを意味する。
【0094】
表面点に対する接平面に対して、特別な幾何学的条件が適用される。接平面は、幾何学の共通規定で示されるように、表面点の法線ベクトルに垂直に形成される層であり、表面点において表面と接する。用語「法線ベクトル」は、表面点において、表面に対して正確に垂直な方向を向くベクトルであることを意味する。
【0095】
表面点における接平面は2方向に傾斜する。一方では、接平面はツール回転軸を含む軸平面に対して傾斜する。さらに接平面はツール回転軸に垂直に延伸する径平面に対して傾斜する。
【0096】
接続デバイスの装着デバイス、および、駆動エリアまたは接続デバイスの駆動エリア領域は、好ましくは、ツールデバイスの駆動エリア領域に準じる。
【0097】
好ましい実施形態では、接続領域は接続回転軸に対して回転的対称的に配置されている第1の接続領域を備える。好ましくは、接続回転軸はツールデバイスのツール回転軸として理解すべきである。好ましくは、接続デバイスが接続回転軸の周囲で、好ましくは振動的方法で、または回転的方法で駆動されるような方法で、接続領域はその装着デバイスと共に、機械加工ツール上に受容される。さらに好ましくは、接続回転軸および第1の保持シャフトは一致し、それらは互いに平行に、または、互いに斜め配置される。接続領域のそのような配置によって、特に小さい不均衡を有する接続領域を実現することが可能となる。
【0098】
好ましい実施形態では、第2の接続領域は接続回転軸に対して回転的対称的に配置される。そのような配置によって、接続領域は、特に小サイズ、低ストレスの領域内に配置することが可能になる。
【0099】
好ましい実施形態では、第2の接続領域は接続回転軸に対して回転的対称的に配置される。そのような配置によって、ツール手段の回転軸および接続回転軸が互いに実質的に一致し、不均衡が非常に小さくなるような方法で、ツールデバイスを接続領域で受容することが可能となる。
【0100】
好ましい実施形態では、接続デバイスは第1の保持デバイスを備える。好ましくは、前記第1の保持デバイスは少なくとも第1の接続領域および機械加工ツールと協働するよう構成される。好ましくは、保持デバイスはネジデバイス、より好ましくは、フックデバイス、スナップフィットデバイス(snap fit device)、または、より好ましくは、ラッチ
デバイスを備える。
【0101】
特にネジデバイスを有する保持デバイスによって、機械加工ツール上での特に簡易な接続デバイスの受容を実現することが可能となる。
【0102】
好ましい実施形態では、接続デバイスは少なくとも1つの第2の保持デバイスを備える。好ましくは、第2の保持デバイスは第2の接続領域およびツールデバイスと協働するように構成されている。好ましくは、材料適合方法、好ましくは形状適合方法、および、より好ましくは圧力ばめの方法、または列挙したこれらの組合せによって、ツールデバイスは接続領域上に受容される。好ましくは第2の保持デバイスはネジデバイス、より好ましくはフックデバイス、または、スナップフックデバイス、特に好ましくはラッチデバイスを備える。
【0103】
好ましい実施形態では、第1の保持デバイスは第1の保持シャフトを備える。この場合、第1の保持シャフトは、本発明においては、保持デバイスによって適用される保持力の作用が及ぶ方向に沿った軸であると理解すべきである。好ましくは、ネジデバイスの対称線は保持軸であるとして理解すべきである。さらに、第2の保持デバイスは第2の保持シャフトを備え、好ましくは第2の保持シャフトは、第1の保持シャフトに対応する。好ましくは、この第1の保持シャフトおよびこの第2の保持シャフトは実質的に平行であり、特に、互いに正確に一致する。好ましくは、接続回転軸は第1の保持シャフトと一致する。本発明では「正確に一致」は同一の軸であると考えても良い。保持デバイスのそのような配置によって、機械加工ツール上の接続デバイスにおいて、ツールデバイスを特に容易に、特に単一の操作で受容することが可能となる。
【0104】
好ましい実施形態では、第1の保持デバイスは第1の保持シャフトを備え、第2の保持デバイスは第2の保持シャフトを備える。好ましくは、第1の保持シャフトと第2の保持シャフトは傾斜して、特に互いに傾斜して配置される。本発明においては、「傾斜」は、一方で2つの保持シャフトが互いに平行ではなく、互いに空間的に他と交差しないものとして理解すべきである。そのような配置によって、特に、接続デバイスのストレス耐性の設計を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
図1】2つの駆動エリア領域を有するツールデバイスの側面図(図1a)および平面図(図1b)である。
図2】上部境界平面および下部境界平面の間で延伸する複数の駆動エリア領域の側面図である。
図3】共通の上部境界平面および共通の下部境界平面の間で延伸する複数の駆動エリア領域の側面図である。
図4】ツールデバイスの断面図である。
図5】近接配置された2つの駆動エリア領域の平面図(図5a)および側面図(図5b)である。
図6】ツール回転軸の周囲に円周上に閉じて配置され、近接配置された複数の駆動エリア領域の平面図(図6a)および側面図(図6b)である。
図7】カバーエリア部を有するツール領域の断面図である。
図8】操作領域、接続領域、および装着領域を有するツールデバイスの平面図(図8a)および側面図(図8b)である。
図9】傾斜角度αを有する駆動領域の表面点上の接平面を有するツールデバイスの断面図である。
図10】傾斜角度βを有する駆動領域の表面点上の接平面を有する一部のツールデバイスの平面図である。
図11】参照平面およびエンコーディングデバイスを有するツールデバイスの断面図(図11a)および平面図(図11b)である。
図12図11に図示したツールデバイスと異なるエンコーディングデバイスを有する同一シリーズのツールデバイスの断面図(図12a)および平面図(図12b)である。
図13】ツールデバイスの異なるタイプのエンコーディングデバイスの2つの断面図である。
図14】異なる湾曲した駆動エリア領域の透視図である。
図15】ツールデバイスを有する機械加工ツールの側面図である。
図16】ツール領域の平面図である。
図17】ツール領域の断面図である。
図18】出力スピンドルおよび機械加工ツール内に受容されているツールデバイスの断面図である。
図19】ステップ状駆動エリア領域を有するツールデバイスの2つの実施形態の断面図(図19a/19b)および平面図(図19c/19d)である。
図20】ステップ状駆動エリア領域を有するさらなるツールデバイスの断面図(図20a)および平面図(図20b)である。
図21】嵩上げ駆動エリア領域を有するツールデバイスの断面図(図21a)および平面図(図21b)である。
図22】第1の接続領域および第2の接続領域を有する、ツールデバイス、出力スピンドル、および、接続デバイスの断面図である。
図23】ツールデバイス、出力スピンドル、および、接続デバイスのさらなる実施形態の断面図である。
図24】接続デバイスからツールデバイスへの摩擦トルク伝達を有する、接続デバイスの他の実施形態の断面図である。
図25】形状適合トルク伝達(図25a:中空物体、図25b:中実体)を有する接続デバイスのさらなる実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0106】
図1はツールデバイス1の正面図(図1a)および平面図(図1b)を示す。このツールデバイスは2つの駆動エリア領域2を有する。ここで、駆動エリア領域2は複数の表面点3を有する。接平面4を駆動エリア領域2内のこれらの表面点3の各々に配置することができる。これらの接平面4は径平面6および軸平面7に対して傾斜している。ここで、径平面6はツール回転軸5に対して直交して配置され、軸平面7はツール回転軸5aを含む。ツールデバイス1に(図示しない)手動ツールデバイスの回転振動的駆動を提供する。仮にツールデバイス1が適切な機械加工ツールによって駆動されるなら、ツールデバイス1はツール回転軸5の周囲において回転振動的動作を行う。駆動エリア領域2の2重傾斜によって、機械加工ツール内のツールデバイス1の反動を免れる保持を実現できる。このことは、ツールデバイス1上で負荷がツール回転軸5に対して可変で作用し、機械加工ツールおよびツールデバイス1の間での接続動作の消滅が接続のノッキングを引き起こし、特に、ツールデバイス1の破損を引き起こすことから、特に、鋸操作および研磨操作、等において好ましい。
【0107】
図2は、駆動エリア領域2が上部境界平面8aおよび下部境界平面8bのそれぞれの間で延伸することが分かるツールデバイス1を図示する。これらの境界平面8は、好ましくは、ツール回転軸5に対して直交して配置される。この場合、駆動エリア領域2は上部境界平面8aから下部境界平面8bの方向に、またはその逆方向に延伸する。好ましくは、下部境界平面8bは操作領域13のレベルに位置する。ここで、操作領域は、例えば、鋸の歯、または、鋸の刃、等と理解すべきである。これによって、下部境界平面8bは実質的に操作領域13のレベルに配置されて、操作領域13上において駆動エリア領域2の駆
動力の変形の少ない伝達が可能となる。異なる境界平面8、これによる駆動エリア領域2の異なる延伸によって、ツールデバイスの十分な安定性要求、特に、空間要求、反発、トルク伝達に対応できる。この実施形態では、下部境界平面8bは共通の下部境界平面8bに一致する。この実施形態では上部境界平面8aは一致しないため、駆動エリア領域は異なる高さとなっている。
【0108】
図3は、駆動エリア領域2が単一の下部境界平面8bおよび単一の上部境界平面8aによって区切られているツールデバイス1を示す。これらの境界平面8は(架空の、幾何学的な)ツール回転軸5に対して直角に配置される。下部境界平面8bは実質的に操作領域13のレベルに配置される。上部境界平面8aと下部境界平面8bとはツール回転軸5の方向において空間的に離れている。仮に駆動エリア領域2の全てが単一の上部境界平面8aおよび単一の下部境界平面8bの間で延伸する場合には、ツールデバイスの特に簡易な製造が可能となる。さらに、(図示しない)機械加工ツールからツールデバイス1への特に一様な力の伝達が可能となる。
【0109】
図4はツールデバイス1の断面図を示す。ツールデバイスは(架空の、幾何学的な)ツール回転軸5を備える。ツールデバイス1はツール回転軸5の周囲において回転振動的に駆動される。駆動エリア領域2はツール回転軸5に対して空間的に離れて配置され、下部境界平面8bおよび上部境界平面8aの間においてツール回転軸5の方向に延伸する。上部境界平面8aおよび下部境界平面8bは距離Tだけ空間的に離れている。ここで、距離Tは駆動エリア領域2を有する壁厚tに依存する。この依存性によって、駆動エリア領域の剛性とサイズとの間の特に好ましい関係性を実現できる。
【0110】
図5はツールデバイス1の異なる断面図(図5a:上面図、図5b:正面図)を示す。ツールデバイス1はツール回転軸5を有する。駆動エリア領域2は対称平面9に対して対称的に配置される。ここで、対称平面9はツール回転軸5を含む。駆動エリア領域2は遷移領域17において近接配置される。遷移領域17は、製造プロセス、または、ツールデバイス1への力伝達における応力に依存して設計され、半径を有しても良い。駆動エリア領域2は下部境界平面8bおよび上部境界平面8aの間で延伸し、ツール回転軸5とは空間的に離れている。駆動エリア領域の対称的、特に、近接配置は、駆動エリア領域2が互いに支持しあうことから、ツールデバイス1に高安定性を与える。
【0111】
図6はツールデバイス1の複数の部分図(図6a:上面図、図6b:正面図)を示す。ツールデバイス1はツール回転軸5,および、複数の駆動エリア2を有する。これらの駆動エリア領域は上部境界平面8aおよび下部境界平面8bの間で延伸する。駆動エリア領域2は互いに近接して配置され、ツール回転軸5の周囲の円周において径方向に閉じた側壁を形成する。駆動エリア領域2は径平面6、および、対応する軸平面7に対して傾斜する。そのような円周上に閉じた側壁によって、一方では、特に安定したツールデバイスを実現でき、他方では、(図示しない)機械加工ツールからツールデバイス1への特に一様な駆動力の伝達を実現できる。
【0112】
図7はツールデバイス1の詳細な断面図を示す。ツールデバイス1はツール回転軸5、駆動エリア領域2、および、カバーエリア部10を有する。ツールデバイス1をツール回転軸の周囲において回転振動的な方法で駆動することが可能である。図7は駆動エリア領域2が径平面6に対して傾斜していることを示す。駆動エリア領域2は上部境界平面8aおよび下部境界平面8bの間で延伸する。駆動エリア領域2は上部境界平面8aの領域内においてカバーエリア部10と実質的に直接的に隣接する。このように配置されたカバーエリア部10によって駆動エリア領域2のさらなる安定性を実現することが可能となる。カバーエリア部10が無い同一サイズの駆動エリア領域2よりも、大きな駆動力を伝達することが可能となる。
【0113】
図8はツールデバイス1の複数の部分図(図8a:平面図、図8b:正面図)を示す。このツールデバイス1は(架空の、幾何学的な)ツール回転軸5、複数の駆動エリア2、および、カバーエリア部10を有する。ツールデバイス1の操作領域13は(図示しない)加工対象物、または、加工対象物配置上で作用するように意図されている。それぞれの場合において、2つの駆動エリア領域2は互いに隣接配置され、接続領域11によって別の駆動エリア領域2のペアと接続されている。駆動エリア領域2は回転的対称的に配置され、上部境界領域8aおよび下部境界領域8bの間において、ツール回転軸5の方向に延伸する。駆動エリア領域2は径平面6および軸平面7に対して傾斜している。接続領域11によって、ツール回転軸5の周囲の円周上において、駆動エリア領域2は閉じた側壁を形成する。図示された駆動エリア領域2の回転的対称的配置によって、ツールデバイス1を(図示しない)機械加工ツール内で相互配置することが可能となり、これらを適切に設計することによって、アクセスすることが困難なツールデバイスであっても、(図示しない)加工対象物または加工対称物配置を機械加工することが可能となる。
【0114】
図9はツールデバイス1の詳細な断面図を示す。ツールデバイス1はツール回転軸5および駆動エリア領域2を有する。駆動エリア領域2は複数の表面点3を有する。これらの表面点3に対して、接平面4を設定することが可能である。径平面6はツール回転軸5に直交して配置される。径平面6は接平面4と鋭角αをなす。この角度αによる径平面6に対する接平面4の傾斜によって、特に、ツールデバイス1を(図示しない)機械加工ツール上にツール回転軸の方向のクランピング力18によって保持するときに、機械加工ツール上であそびなくツールデバイス1を受容することが特に容易となる。
【0115】
図10はツールデバイス1の詳細な平面図を示す。ここでは、ツール回転軸5を単なる点として示す。軸平面7はツール回転軸5を含み図10では直線として示す。駆動エリア領域2の表面点3に対して接平面4を設定できる。駆動エリア領域2は互いに近接して配置され、ツール回転軸5とは空間的に離れている。接平面4は軸平面7との間で鋭角βをなす。角度αと角度βの組み合わせによって、ツールデバイス1が機械加工ツール内に受容される時に、ツールデバイス1を(図示しない)機械加工ツールの中央に位置付けることが可能となる。
【0116】
図11はツールデバイス1の複数の図(図11a:断面図、図11b:上面図)を示す。ツールデバイス1はツール回転軸5、および、そこから径方向に空間的に離れた複数の駆動エリア領域2を有する。駆動エリア領域2は実質的に平面である。さらに、これらの駆動エリア領域2は近接して配置されて、ツール回転軸の周囲において円周形の閉じた側壁を形成する。駆動エリア領域2は上部境界平面8aおよび下部境界平面8bの間においてツール回転軸5の方向に延伸する。上部境界平面8aにおいて、カバーエリア部10が配置される。カバーエリア部10はエンコーディング領域16を有する。エンコーディング領域16はツール回転軸内において円形凹部として配置されている。この円形凹部は第1のエンコーディング直径Kd1を有する。同一シリーズの(図示しない)他のツールデ
バイスは、しかしながら、他の駆動寸法、すなわち、Kd1とは異なるさらなるエンコー
ディング直径(Kd2、等)を有しても良い。Kd1は、例えば、専門的用途を意図し、(図示しない)Kd2はdo-it-yourself(DIY)用途のツールデバイスを
意図している。さらに、カバーエリア部10aの下部面は参照平面14に対して距離Δを有している。参照平面14の位置は、参照直径15(公称外側直径、公称中央直径、公称内側直径、等)を含むような方法によって定義される。シリーズの異なるツールデバイスにおいて、特に異なる壁厚t、または、ツールデバイスの製造において不可避な許容誤差に起因して、公称の参照直径15が同一であっても、ツール回転軸5の方向において異なる位置となる。参照平面14のこの位置から始めてツール回転軸5の方向において、ツールデバイスは、カバー表面領域10aの下部からこの参照平面14まで実質的に一定距離
Δを備える。シリーズの複数のツールデバイスが、カバーエリア部10aの下部および参照平面14の間で実質的に一定距離Δを有することによって、異なるツールデバイス1が(図示しない)機械加工ツール上に特に簡易かつ安全に受容される。
【0117】
図12はツールデバイス1の図11と同様な図を示す。しかし、図12は、図11で図示された同一シリーズのツールデバイス1の、他のツールデバイス1を図示する。このため、以下では図11で図示されたツールデバイス1と、図12で図示されたツールデバイス1の相違点を説明する。カバーエリア部10内において、エンコーディングデバイス16はツール回転軸5内の凹部として配置される。このエンコーディングデバイス16はエンコーディング直径Kd2を有する。ここでエンコーディング直径Kd2はエンコーディング直径Kd1(図11)より小さい。エンコーディングデバイス16は(図示しない)機
械加工ツール上に配置されている(図示しない)第2のエンコーディング要素と協働するよう構成されている。ツールデバイス・シリーズ内におけるエンコーディング手段16のそのような設計によって、機械加工ツール内に個別のツールデバイスを受容させることが可能となり、これによって安全な操作が可能となる。
【0118】
図13は、特に、多様なエンコーディングデバイス16を有する異なるツールデバイス1を示す。図13aは嵩上げエンコーディングデバイス16aを有するツールデバイス1の詳細を示す。図13bは凹部として設計されているエンコーディングデバイス16bを有するツールデバイス1を示す。両方のエンコーディングデバイス16a/16bが、ツールデバイス1のカバーエリア部10内に配置されている点は共通である。ツールデバイス1はツール回転軸5から空間的に離れて配置されている複数の駆動エリア領域2を備える。
【0119】
図14はツールデバイスの駆動エリア領域2の異なる部位を示す。平面駆動エリア領域は図示しないが、そのような駆動エリア領域もまた可能である。図14aは駆動エリア領域2の一方向の湾曲部を示す。駆動エリア領域2のこの部位は直線a、および、湾曲したグリッド線bIによって説明できる。湾曲したグリッド線bIは湾曲RIの一定半径を有す
る。そのような駆動エリア領域2は、部位内において、円筒形状表面に相当する。湾曲RIが複数の異なる半径を持つ限りにおいては、(図示しない)円錐形表面に対応する。こ
の場合、駆動エリア領域2は平面への駆動力の伝達の間、部位内で変化するように、または、駆動力を伝達するために(図示しない)対向する表面と協働するように、湾曲RIの
半径の大きさが選択される。図14bは二方向に湾曲した駆動エリア領域2の部位を示す。駆動エリア領域2の部位は湾曲グリッド線bIおよび湾曲グリッド線bIIによって説明
することができる。グリッド線bIは一定半径の湾曲RIを有し、グリッド線bIIは一定半径の湾曲RIIを有する。そのような駆動エリア領域2は、湾曲RIの第1の半径と湾曲RIIの第2の半径とが同一サイズである特殊な例では、球体表面に相当する。図14bは、
湾曲RIおよび湾曲RIIが異なる半径を有する駆動エリア領域2を図示する。この場合、
平面へ駆動力を伝達する際に、駆動エリア領域が少なくとも部分的に変化するように、または(図示しない)対向表面と協働して駆動力を伝達する構成となるように、湾曲RIお
よびRIIの半径の大きさを選択することが可能である。図14cは二方向湾曲を有する駆動エリア領域2の部位を示す。駆動エリア領域2は一定半径の湾曲RIを有するグリッド
線bIおよび可変半径の湾曲RIaを有するグリッド線bIaによって説明することができる
。そのような駆動エリア領域2は、また、全てのグリッド線が(図示しない)可変半径の湾曲を有することができる。部位内において平面へ駆動力を伝達する際に、駆動エリア領域が変化する方法で、または(図示しない)対向表面と協働して駆動力を伝達するような方法で、湾曲RIおよびRIIの半径の大きさを選択することが可能である。図14では、
凹部湾曲駆動エリア領域2が図示されている。前述の説明は凸部駆動エリア領域に対しても、同様に適用できる。
【0120】
図15は機械加工ツール22に受容されるツールデバイス1を示す。ツールデバイス1は装着デバイス12を備え、それによって機械加工ツール22に接続される。機械加工ツール22は出力スピンドル22aを有し、駆動力をツールデバイス1へ、特に、装着デバイス12内へ誘導する。出力スピンドル22aは、特に回転振動的に機械加工ツールの回転軸22cの周囲で動作し、これによって、ツールデバイス1は同様の動作をする。ツールデバイス1は(図示しない)加工対象物または加工対象物配置上で作用するように構成されている操作領域13を有する。機械加工ツール22の駆動力は装着デバイス12の接続領域11によって操作領域13へ伝達される。機械加工ツール22はツールデバイス1の交換を行うことが可能なように構成されている操作レバー22bを有する。
【0121】
図16および図17はツールデバイス1の異なる図を示す。図16はツールデバイス1の平面図を示し、図17は断面図を示す。ツールデバイス1の装着デバイス12は、図16および図17において、丸みを帯びた角(接続領域11)を有する星形形状多角形として図示されている。ここで、以下に説明する相互関係は装着デバイス12の他の形状に対しても準用して適用される。
【0122】
図16の平面図において、多角形の丸みを帯びた角(接続領域11)が表現されている。いわゆる多角形のアーム部が2つの駆動エリア領域および接続領域11によって形成されている。個々のアーム部は相互に等角度K12で相互配置される。好ましくは、等角度K12は(完全な円)/(アーム数)=K12、現在の例では、360度/12=30度の関係となる。好ましくは、等角度K12によって、機械加工ツール内の異なる回転位置にツールデバイスを受容することが可能となる。現在の例では、(図示しない)ツールデバイスは機械加工ツールに対して30度ずつ離散して相互配置される。
【0123】
ツールデバイス1は、好ましくは円形であり、直径K10を有する凹部であるカバーエリア部10aを有する。さらに好ましくは、この凹部は、異なる円形状の凹部であることも可能である。
【0124】
好ましくは、この凹部は実質的に円形状であり、付加的な凹部、好ましくは多角形凹部、または、円形凹部から径方向外側に延伸するスプライン曲線形状凹部を有しても良い。好ましくはこれらの凹部によって、好ましい円形部を有する星形多角形が得られる。特に好ましくは、そのような凹部は、特に鋸刃等を駆動する際の特に高負荷用を意図するツールデバイスに使用しても良い。
【0125】
さらに好ましくは、直径K10は、少なくとも2つのツールのツールデバイス・シリーズにおける直径Kd1またはKd2の1つに対応する。カバーエリア部10のこの凹部領域10は、好ましくは、ツールデバイス1が機械加工ツール上に保持されるように構成されている。好ましくは、この凹部は、(図示しない)保持デバイス、特にネジデバイスの貫通凹部/スルーホールとして理解すべきである。直径K10の選択は、多様なパラメータ、好ましくは機械加工ツールの(図示しない)保持デバイスの寸法に依存することができる。この保持デバイスは、特に、ツールデバイス1が機械加工ツール上に確実に保持されるような寸法である。
【0126】
直径K2およびK3は装着デバイスの外側直径を説明する。好ましい実施形態では、外側直径K2は30mmから36mm、好ましくは32mmから34mmの範囲から選択され
る。特に好ましくは、外側直径K2は実質的に33.35mm(+/-0.1mm)であ
る。
【0127】
好ましい実施形態では、外側直径K3は22mmから27mm、好ましくは24mmか
ら26mmの範囲から選択される。特に好ましくは、外側直径K3は25mm(+/-0
.1mm)である。
【0128】
距離K1は、この図において互いに平行である(空間的な図では、駆動エリア2は互い
に傾斜している)2つの駆動エリア領域2の距離であると規定する。ネジの頭部(例えば、六角形または四角形)と比較して、距離K1はキー幅となる。
【0129】
好ましい実施形態では、このキー幅K1は26mmから30mm、好ましくは27mm
から29mmの範囲から選択される。より好ましくは、キー幅は実質的に28.4mm(+/-0.1mm)である。
【0130】
直径15はツールデバイス1の装着デバイス12における参照直径を意味する。好ましい実施形態では、参照直径15は31mmから33mm、好ましくは31.5mmから32.5mmの範囲から選択される。特に好ましくは、参照直径15は実質的に32mm(+/-0.1mm)である。ここで、参照直径15は、更に好ましくはツール・シリーズの少なくとも2つの異なるツールデバイスは、ツール回転軸5の方向内において、実質的に同一レベル(+/-0.1mm)であると特徴付けられている。
【0131】
図17の断面図において、特に装着領域12の断面領域が特に良く確認できる。好ましい実施形態では、装着手段12aの領域内において、ツールデバイス1は好ましくは実質的に一定の壁厚t1を有する。より好ましくは、壁厚t1は0.75mmから1.75mm、好ましくは1mmから1.5mmの範囲から選択される。より好ましくは、壁厚t1は
実質的に1.25mm(+/-0.1mm)に相当する。
【0132】
仮にツールデバイス1の装着領域12において遷移領域が丸みを帯びるなら(好ましくは、半径K6、K7、K8、K9)、ツールデバイス1の長い耐用年数を実現することが可能となる。
【0133】
好ましい実施形態では、半径K6、K7、K8、K9の少なくとも1つは、好ましくは複数は、より好ましくはそれらの全ては、壁厚t1の方向を向いている。ここで、好ましくは
より厚い壁厚t1になれば、少なくとも半径K7、K9のように、これらの半径は増加する
【0134】
好ましい実施形態(壁厚t1=1.25mm)では、半径K6は1mmから2.5mm、好ましくは1.5mmから2.1mmの範囲から選択される。特に好ましくは、半径K6
は実質的に1.8mm(+/-0.1mm)である。
【0135】
好ましい実施形態(壁厚t1=1.25mm)では、半径K7は0.5mmから1.5mm、好ましくは0.8mmから1.2mmの範囲から選択される。特に好ましくは、半径K7は実質的に1mm(+/-0.1mm)である。
【0136】
好ましい実施形態(壁厚t1=1.25mm)では、半径K8は0.2mmから0.6mm、好ましくは0.3mmから0.5mmの範囲から選択される。特に好ましくは、半径K8は実質的に0.4mm(+/-0.05mm)である。
【0137】
好ましい実施形態(壁厚t1=1.25mm)では、半径K9は2mmから3.5mm、好ましくは2.4mmから3mmの範囲から選択される。特に好ましくは、半径K9は実
質的に2.7mm(+/-0.1mm)である。
【0138】
図17で図示する駆動エリア領域2は架空の垂直線(ツール回転軸5に平行)に対して角度K13で傾斜する。好ましい実施形態では、この角度は10度から30度、好ましくは
17.5度から22.5度の範囲から選択される。より好ましくは、角度K13は実質的に20度(+/-0.5度)である。
【0139】
さらに好ましくは、ツールデバイスの他の寸法は、壁厚t1、より好ましくは、少なく
とも半径K6、K7、K8、K9に依存する。ここで、より大きな壁厚t1はより大きな半径K6、K7、K8、K9、特に好ましくは少なくともより大きな半径K6、K9へと導く。
【0140】
直径K2は、そこから直線で延伸する駆動エリア領域2を示す。この直線的な延伸の後
では、駆動エリア領域は、好ましくは半径K9に及び、そこでカバーエリア部10に及ぶ
【0141】
好ましくは、寸法K5と半径K7は相互に依存する。より好ましくは寸法K5は0.1m
mから1mm、好ましくは0.3mmから0.7mmの範囲で選択される。特に好ましくは、寸法K5は実質的に0.5mm(+/-0.1mm)である。
【0142】
半径K6は好ましくは半径K7と対向し、これより大きい。また、半径K8は半径K9と互いに対向し、好ましくは、半径K8は半径K9より小さい。
【0143】
好ましい実施形態では、駆動エリア領域2は、(ツール回転軸に平行な方向における)少なくとも寸法K14のレベルで、実質的に直線で延伸する。ここで、本発明における直線は、好ましくは無負荷条件において、より好ましくは負荷条件において、著しい湾曲がないものとして理解すべきである。好ましくは、寸法K14は1mmから3.5mm、好ましくは1.5mmから2.5mmの範囲から選択される。特に好ましくは寸法K14は実質的に2mm(+/-0.25mm)である。好ましくは、寸法K14は駆動エリア領域2の最短直線であると理解すべきである。
【0144】
好ましくは(図示しない)機械加工ツールの(図示しない)保持デバイスと協働するよう構成されているカバーエリア部内の凹部は、直径K10を有する。直径K10を有する凹部は図16および図17に図示されているような円形凹部であることが必須ではない。しかし、この凹部はツールデバイス1の他の部分とは独立、また異なる形状(多角形、等)であっても良い。
【0145】
好ましい実施形態では、装着領域12は深さK11を有し、より好ましくは、深さK11は3.5mmから6mm、好ましくは4.5mmから5mmの範囲から選択される。特に好ましくは、深さK11は実質的に4.7mm(+/-0.15mm)である。
【0146】
好ましい実施形態では、装着領域12は高さK15を有し、さらに好ましくは、高さK15は4.5mmから7.5mm、好ましくは、5.5mmから6.5mmの範囲から選択される。より好ましくは、高さK15は実質的に6mm(+/-0.2mm)である。
【0147】
図18はツールデバイス1を示す。ツールデバイス1はネジデバイス(固定ネジ9d、ワッシャ9e、ナット部材9f)によって機械加工ツールの出力スピンドル22aに装着される。ツールデバイス1は加工対象物または加工対象物配置上で作用する操作領域13を有する。駆動力はツール駆動エリア領域2から操作領域13へ伝達される。この場合、ツールデバイス1は固定ネジ9dによって保持され、機械加工ツール上のツールデバイス1に対してワッシャ9eによって力作用を引き出す。機械加工ツールからツールデバイス1への駆動力の伝達は、出力スピンドル22a内の対向表面内の駆動エリア領域2の形状適合係合によって実質的に実現される。出力スピンドル22aは振動する機械加工ツール軸22cによって回転的に駆動されて、ツールデバイス1へこの動作を伝達する。これによって、ツールデバイス1はツール回転軸5の周囲を回転振動的に動く。ツールデバイス
1は、ツール回転軸5および機械加工ツール回転軸22cが実質的に一致するような方法で、機械加工ツール上に保持される。
【0148】
図19は2種類のステップ状駆動エリア領域2aを有するツールデバイス1を示す。この駆動エリア領域2aはカバーエリア部10の上に配置され、好ましくは形状適合ロッキング、または材質適合ロッキングによって、より好ましくは溶接、リベット打ち、ネジ止め、等によって、カバーエリア部と非回転的に接続される。ここで、図19a)、b)は断面図である。図19c)、d)のそれぞれはそのようなツールデバイス1の上側平面図を示す。図19内に図示されているツールデバイス1は、実質的に、しかし非限定的に、図18の図に基づいている。このため、以下にこれらの図の相違点に基づいて記述する。
【0149】
図19a)、c)に図示されているように、ツールデバイス1において角度αは実質的に90度である。このため、ツールデバイスの製造が容易となる。ツールデバイス1において、図19b)、d)に図示されているように、角度αは実質的に90度より小さい。このため、好ましくはトルク伝達のためのより大きなトルク伝達領域を実現することが可能となる。
【0150】
次に、図19はツールデバイス1の機械加工ツールの出力スピンドル22aへの装着方法、好ましくはネジデバイス(固定ネジ9d、ワッシャ9e、ナット部材9f)による装着方法を示す。ツールデバイス1は加工対象物または加工対象物配置上へ作用する操作領域13を有する。ツールデバイス1および出力スピンドル22aの間の固定デバイス、ここでは好ましくはネジデバイス(取り付けネジ9d、ワッシャ9e、メス接続9f)として設計されている固定デバイスによって、ツールデバイス1は機械加工ツール上で受容され、力がツール回転軸5の方向に引き出される。
【0151】
ツールデバイス1が機械加工ツール内に規定通りに受容されるなら、出力スピンドル22aの1つに対向しているツール1の表面と、出力スピンドル22aの表面22dとの間は小距離θとなる。好ましくは、小距離θは5mmより小さい、好ましくは2.5mmより小さい、より好ましくは1.5mmより小さい、最も好ましくは0.8mmより小さい、小距離の範囲にあると理解すべきである。さらに好ましくは、この範囲は0mmより大きい、好ましくは0.25mmより大きい、最も好ましくは0.5mmより大きい。
【0152】
駆動力はステップ状駆動エリア領域2aから操作領域13へ伝達される。この場合、ツールデバイス1はワッシャ9eによって機械加工ツール上に保持され、ツールデバイス1上の固定ネジ9dによって力作用が引き出される。基本的には出力スピンドル22aと対向するステップ状駆動エリア領域2aの表面とで係合する形状適合係合(形状適合接続)によって、機械加工ツールの駆動力のツールデバイス1への伝達が実現される。出力スピンドル22aは振動する機械加工ツール回転軸22cによって回転的に駆動されて、ツールデバイス1へこの動作を伝達して、ツールデバイス1はツール回転軸5の周囲において回転振動的に動作する。ツールデバイス1は、ツール回転軸5と機械加工ツール回転軸22cとが実質的に一致するような方法によって、機械加工ツール上に保持される。
【0153】
図20はステップ状駆動エリア領域2aを有する多様なツールデバイス1を示す。ステップ状駆動エリア領域2aは、好ましくは実質的に、好ましくは直接的に、出力スピンドル22aの方向内における操作領域13の上部である、好ましくはツールデバイス1の表面上に配置される。さらに好ましくは、ツールデバイスが機械加工ツールによって受容される時に、このツールデバイスの表面が出力スピンドル22aの端部表面22dと対向するように構成されている。好ましくは形状適合ロッキング、または、材質適合ロッキング、より好ましくは、溶接、リベット打ち、ネジ止め、等、または特に好ましくはこれらの構成の集合によって、駆動エリア領域2aは、好ましくは、ツールデバイス1に対して回
転的に固定接続される。図20a)はツールデバイス1の断面図、図20b)は上側からの平面図を示す。図20b)の平面図に示すように、ステップ状駆動エリア領域2aはツール回転軸5の周囲に星形形状で分散している。図20のツールデバイス1の図は基本的に図18および図19の図を基にしているが、それに限定されない。このため、以下においてそれらとの相違点を述べる。
【0154】
次に、図20は、好ましくはネジデバイス(固定ネジ9d、ワッシャ9e、ナット部材9f)による、ツールデバイス1の機械加工ツールの出力スピンドル22aへの装着方法を示す。ツールデバイス1は加工対象物または加工対象物配置上で作用する操作領域13を有する。ここでは好ましくは、ツールデバイス1および出力スピンドル22a間のネジデバイス(固定ネジ9d、ワッシャ9e、メス接続9f)によって構成されている固定デバイスによって、ツールデバイス1は機械加工ツール内に受容され、力がツール回転軸5の方向内に引き出される。
【0155】
ツールデバイスが機械加工ツール内に規定通りに受容される時に、出力シャフト22aと対向するツールデバイス1の表面と出力シャフト22aの端部表面22dとの間の小距離θが得られる。好ましくは、小距離θは図19の実施形態で提案した範囲内である。
【0156】
ツールデバイス上への駆動力の伝達のみならずツールデバイスの保持は、図19に図示した実施形態と同様な方法によって実現される。
【0157】
さらなる実施形態では、少なくとも1つのステップ状駆動エリア領域2aは上部表面部の下部(図19)、および、ツール表面の上部(図20)に配置することが可能となる。駆動エリア領域2aは、出力スピンドル22aのエリア内において機械加工ツールと対向し、好ましくはステップ状駆動エリア領域2がカバーエリア部から下に空間的に離れ、ツール表面の前述の範囲内の上部にある。この実施形態は図18および図19に図示した実施形態と比較すると中間的な変形である。さらに好ましくは、ステップ状駆動エリア領域2aは、図18および図19に図示したように、少なくともツールデバイス1の一部として、好ましくは別部材として形成可能であり、ツールデバイス1に接続される。ステップ状駆動エリア領域およびツールデバイスは好ましくは密着、そのような接続において非積極的にまたは積極的に、好ましくは溶接、半田接合、リベット打ち、ネジ止め、接着剤止めされる。
【0158】
図21は嵩上げ駆動エリア領域2bを有するツールデバイス1の実施形態を示す。図21a)はそのようなツールデバイスの断面図を示し、図21b)はツールデバイス1の対応する上面図を示す。このような嵩上げされた駆動エリア領域2bは、図21に図示されているように、好ましくは円筒形状部分、さらに好ましくは、代替的に、円錐台、または、好ましくは多角形状断面を有する部位である。嵩上げ駆動エリア領域2bの形状は、好ましくは、ツールデバイスの他の部分の設計とは独立である。
【0159】
この駆動エリア領域2bは、出力スピンドル22aの方向内において好ましくは操作領域13の実質的な上部に、またはツールデバイス1の表面上に配置される。さらに好ましくは、ツールデバイスのこの表面は、ツールデバイス1が機械加工ツール内に受容される場合に、出力スピンドル22aの端部表面22dと対向する表面上なるように構成される。駆動エリア領域2bはツールデバイス1へ、好ましくは形状適合、特に好ましくは溶接、リベット打ち、ネジ止め、等、または最も好ましくはこれらの組合せによって、好ましくは回転的に接続される。この場合(図21b)、嵩上げ駆動エリア領域2bは、ツール回転軸の周囲に、好ましくは回転的対称的に、より好ましくは、等距離間隔で、または等距離間隔の整数倍で分散配置されている。図21に図示するツールデバイス1は基本的に図18から図20に図示したツールデバイスに基づくが、それに限定されない。
【0160】
次に、図21は、ネジデバイス(固定ネジ9d、ワッシャ9e。ナット部材9f)による、機械加工ツールの出力スピンドル22aへのツールデバイス1の装着方法を示す。ツールデバイス1は加工対象物または加工対象物配置上に作用する操作領域13を有する。ここでは好ましくはツールデバイス1および出力スピンドル22aの間のネジデバイス(固定ネジ9d、ワッシャ9e、メス接続9f)として構成される固定デバイスによって、ツールデバイス1は機械加工ツール上に受容され、力がツール回転軸5の方向に引き出される。
【0161】
ツールデバイスが機械加工ツール内に規定通りに受容される時、出力スピンドル22aと対向するツールデバイス1の表面と出力スピンドル22aの端部表面22dとの間の小さなクリアランスθが得られる。距離θは好ましくは図19の実施形態で提案した範囲内である。
【0162】
ツールデバイスの保持デバイスは図19に図示した実施形態と同様な方法によって行なわれる。嵩上げ駆動エリア領域2bを有する実施形態(図21)では、駆動エリア領域は機械加工ツール上の対応する係合表面と係合し、ツールデバイスへの駆動力の伝達は形状適合の方法によって行われる。
【0163】
図22は、第3のツールデバイス1bと機械加工ツールの出力スピンドル22aとを接続するための接続デバイス1aの断面図を示す。接続デバイス1aは出力スピンドル22aによって保持され、第1の保持デバイス30によって機械加工ツールに保持される。保持デバイス30は、好ましくは出力スピンドル22a内に配置されている固定ネジ9d,ワッシャ9e、ナット部材9fを有する。出力スピンドル22aの端部表面22dと、ツールデバイスの対向する接続デバイスの表面、好ましくは端部22dと対向する表面との間が小距離θとなるような方法によって、接続デバイス1aが出力スピンドル22aに受容される。小距離によって、接続デバイス1aの出力スピンドル22aへの確実な受容が実現可能となる。接続デバイス1aにおいて、第3のツールデバイス1bは第2の保持デバイス31によって装着することが可能となる。第2の保持デバイス31は第2の保持シャフト31aを備え、第1の保持デバイス30は第1の保持シャフト30aを有する。第1の保持シャフト30aは接続回転軸と実質的に一致する。第1の保持シャフト30aおよび第2の保持シャフト31aは互いに傾斜している。第3のツールデバイス1bは操作領域13を有し、この操作領域13は加工対象物配置上で作用するように構成されている。
【0164】
形状適合トルク伝達のために、接続デバイス1aは駆動エリア領域2を有する装着デバイスを備える。駆動エリア領域2は対向表面内の出力スピンドル22aと係合する。この形状適合係合によって、駆動力は、回転振動的方法での機械加工ツール回転軸22cによって出力スピンドル22aから接続デバイス1aへ、そして、第2のツールデバイスへ安全に伝達される。
【0165】
接続デバイス1aは第1の接続領域32aにおいて機械加工ツールと接続される。接続デバイス1a上に作用する保持力は、好ましくは、第1の保持シャフト30aの方向に適用され、またはそれぞれの第1の保持シャフトの方向内の接続デバイス1aの運動は少なくとも部分的に防がれる。さらに、第3のツールデバイス1bを接続デバイス1aの第2の接続領域32b内で接続することが可能である。この場合、この接続は形状適合接続、好ましくは材質適合接続、またはより好ましくは、圧力ばめ接続である。好ましくは、第2の保持シャフト31aの方向内において、保持力はツールデバイス1bまたは接続デバイス1a上のそれぞれに引き出される。好ましくは、第2の保持デバイス31aは、より好ましくは、保持力効果を適用するためのネジデバイスを備える。
【0166】
図23は、図22に図示した接続デバイスと類似の接続デバイス1aの断面図を示す。このため、以下にこの2つの接続デバイスの相違点を主に説明する。
【0167】
第3のツールデバイス1bが第2の保持デバイス31によって接続デバイス1a上に保持される。第2の保持デバイス31は、第2の保持シャフト31aの方向内において、好ましくは接続デバイス1a上においても、第3のツールデバイス1bの保持力効果を引き出す。ツールデバイス1は第2の接続部分32bを経由して接続手段1aに接続される。この場合、この接続は、好ましくは形状適合接続、好ましくは材質適合接続、または、より好ましくは圧力ばめ接続である。第2の保持シャフト31aは実質的に第1の保持シャフト30aに対して平行な方向を向く。より好ましくは第1および第2の保持シャフトは互いに空間的に離れている。
【0168】
図24は、実質的に図22、および、図23に図示した接続デバイスに相当する接続デバイスの断面図を示す。そのため、以下ではこれらの実施形態の相違点に注目する。
【0169】
第3のツールデバイス1bは第1の保持デバイス30、および、接続デバイス1aの第2の接続領域32bによって保持される。第1の保持デバイス30は、第1の保持シャフト30aの方向内において、第3のツールデバイス1b上に、および、好ましくは接続デバイス1a上にも保持力を引き出す。この接続は、好ましくは形状適合接続、好ましくは材質適合接続、またはより好ましくは圧力ばめ接続である。さらに好ましくは、前記第3のツールデバイスおよび前記接続デバイスは嵩上げ凹部を備える。好ましくは、これらの嵩上げ部は接続デバイス1aから第3のツールデバイス1bへの形状適合トルク伝達のための凹部を有する接続である。
【0170】
図25aは接続デバイスからツールデバイス上への形状適合トルク伝達を有する接続デバイスの断面図を示す。接続デバイスは少なくとも部分的に中空物体によって形成され、このため、特に低い慣性モーメントを有する。図25aおよび図25bに図示された両方の実施形態は接続デバイスの前述の実施形態と類似である。このため、以下において、これら2つの接続デバイスの間の相違点を説明する。
【0171】
第1の保持デバイス30、特に固定ネジ9d,ワッシャ9e、ナット部材9fによって、ツールデバイス1は機械加工ツールの出力シャフト22a上に保持される。接続デバイスからツールデバイス1上へのトルク伝達は、少なくとも部分的に、形状適合要素33によって実現される。形状適合要素33は好ましくは接続デバイスと一体化されても良い、または好ましくは接続デバイス内に挿入、または固定されるそれ自体の部材であっても良い。
【0172】
接続デバイスは軸方向内において、すなわち、小距離θが得られるような方法によって機械加工ツール回転軸22cの方向内において受容される。このため、特にツール回転軸に垂直な曲げモーメントによってツールに大きな応力がかかる限りは、接続デバイスを機械加工ツールに保持することが可能となる。特に、この保持によって、ツールデバイスの傾斜を抑えることが可能となり、保持デバイス、それによってツールデバイスを特に機械加工ツール上に確実に受容することが可能となる。
【0173】
接続デバイスは好ましくは複数の部品、特に好ましくは、基本物体が2つの部品34および35で構成される。このため、一方では接続デバイスが低重量(中空物体)を有し、および他方では、相対的に簡易に製造される部品から構成されることが実現できる。
【0174】
さらに好ましくは、これらの複数の部品は材質適合の方法によって、1つまたは複数の
接続点において互いに接続することができる。接続デバイスのそのような構成によって、特に容易な接続デバイスを実現することが可能となり、特に低い慣性力に起因して低いストレスが誘発される。
【0175】
次に、ツール回転軸5および機械加工ツール回転軸22cが実質的に一致するような方法の接続デバイスによって、ツールデバイス1は出力スピンドル22a上に収容される。接続デバイスは、第1の接続部分32a内において、機械加工ツールの出力スピンドル22aと接続される。さらに、ツールデバイス1は第2の接続領域32b内において、接続デバイスへ接続される。この場合、形状適合の方法である駆動エリア領域2によって、駆動トルクは機械加工ツールから接続デバイス(第1の接続部分32a)へ伝達される。
【0176】
形状適合要素33(図25a/b)は好ましくはツール回転軸5から空間的に離れている。さらに、形状適合要素33は等角度で、または好ましくは、そのような角度の整数倍で、ツール回転軸の周囲に相互配置される。さらに好ましくは、形状適合要素33、または、形状適合要素の複数のグループはツール回転軸の周囲に回転的対称的に配置される。
【0177】
ツールデバイス1は(図示しない)加工対象物または加工対象物配置上に作用するように構成されている操作領域13を有する。
【0178】
図25bはツールデバイス1上の接続領域(第2の接続部分32b)からの形状適合トルク伝達を有する接続デバイスの断面図を示す。ここで、接続デバイスは、図25aに図示された実施形態とは異なり、実質的に中実体(solid body)として形成され、特に、高い形状安定性と特に容易な製造性を有する。図25bに図示する実施形態は、実質的に図25aに図示する実施形態に対応する。このため、以下においてこれらの実施形態の相違点を述べる。
【0179】
第1の保持デバイス30、特に、固定ネジ9d、ワッシャ9e、およびナット部材9fによって、ツールデバイス1は機械加工ツールの出力スピンドル22a上に保持される。接続デバイスからツールデバイス1へのトルク伝達は少なくとも形状適合要素33によって実現される。
【0180】
接続デバイスは、軸方向内において、すなわち、機械加工ツール回転軸22c内において小距離θが得られるような方法によって受容される。これによってツールデバイスの機械加工ツール上への特に確実な受容を実現することが可能となる。
【0181】
接続デバイス、特にその基本物体は好ましくは一体的に形成され、少なくとも接続デバイスの基本物体が基本的な形状製造方法、または、再形成製造方法によって製造されてもよい。このような製造方法は既に説明しているツールデバイスの製造方法、好ましくは、鍛造、焼結、一般的製造プロセス、等である。
【0182】
接続デバイスによって、出力スピンドル22a上に受容されるツールデバイス1は、ツール回転軸および機械加工ツール回転軸が実質的に一致する。接続デバイスは第1の接続部分32aにおいて、出力シャフト22aと接続される。さらに、ツールデバイス1は第2の接続領域32bにおいて接続デバイスと接続される。この場合、駆動トルクは、また、形状適合方法である駆動エリア領域2によって、機械加工ツールから接続領域へ伝達される。
【0183】
ツールデバイス1は(図示しない)加工対象物または加工対象物配置上で作用するように構成されている操作領域13を有する。
【符号の説明】
【0184】
1 ツール
1a 接続デバイス
1b 第2のツール
2 駆動エリア領域/ツール駆動エリア領域
2a ステップ状駆動エリア領域
2b 嵩上げ駆動エリア領域
3 表面点
4 接平面
5 ツール回転軸
6 径平面
7 軸平面
8 境界平面
8a 上部境界平面
8b 下部境界平面
9 対称平面
9d 固定ネジ
9e ワッシャ
9f ナット部材
9g タイバーデバイス
10 カバー表面部
10a カバー表面部の下部
11 接続領域
12 装着デバイス
13 操作領域
14 参照平面
15 参照直径
16 エンコーディングデバイス
16a 嵩上げエンコーディングデバイス
16b 凹部を有するエンコーディングデバイス
17 遷移領域
22 機械加工ツール
22a 出力スピンドル
22b 操作レバー
22c 機械加工ツール回転軸
22d 出力スピンドルの端部表面
30 第1の保持デバイス
30a 第1の保持シャフト
31 第2の保持デバイス
31a 第2の保持シャフト
32a 第2の接続領域
32b 第2の接続領域
33 形状適合要素
34 接続デバイスの第1のサブ部品
35 接続デバイスの第2のサブ部品
36 34と35の間の接続領域
α 第1の傾斜角
β 第2の傾斜角
t 側壁の厚み
T 駆動エリア領域の延伸部
RI 駆動エリア領域の湾曲の第1半径
RIa 駆動エリア領域の湾曲の可変半径
RII 駆動エリア領域の湾曲の第2半径
a 駆動エリア領域の直線延伸グリッド線
bI 駆動エリア領域の第1の湾曲グリッド線
bII 駆動エリア領域の第2の湾曲グリッド線
bIa 駆動エリア領域の可変湾曲を有する第3のグリッド線
Δ 14への距離
θ 5の方向におけるツールから出力スピンドルへの距離
K1 平行に間隔を空けた駆動表面エリアのキー幅
K2 装着デバイスの第1の外側直径
K3 装着デバイスの第2の外側直径
K4 参照直径
K5 丸み領域
K6 湾曲の第1の半径
K7 第2の第2の半径
K8 湾曲の第3半径
K9 湾曲の第4の半径
K10 凹部の直径
K11 装着デバイスの深さ
K12 多角形の角度
K13 傾斜角度
図1
図2
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