(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】投与材料冷却装置を備える投与システム
(51)【国際特許分類】
B05C 5/00 20060101AFI20240507BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
(21)【出願番号】P 2021515590
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2019075645
(87)【国際公開番号】W WO2020069910
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102018124663.3
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514024918
【氏名又は名称】フェルメス マイクロディスペンシング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリース、マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ギンツェル、トーマス
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-317371(JP,A)
【文献】特開2017-131854(JP,A)
【文献】特開2016-215198(JP,A)
【文献】特開平09-271709(JP,A)
【文献】特表2016-511352(JP,A)
【文献】独国実用新案第202006014586(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00-21/00
B05D 1/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投与材料のための投与システム(1)であって、前記投与システム(1)が、
投与材料用の供給チャネル(80)と、ノズル(40)と、排出要素(31)と、前記排出要素(31)および/または前記ノズル(40)に連結されたアクチュエータユニット(10)とを含むハウジング(11)を備える投与装置(5)、および
前記ハウジング(11)に連結または統合された投与材料リザーバ(70)を有し、
前記投与システム(1)が複数の温度制御装置(2、2’、2’’)を有し、それら各々が前記投与システム(1)の異なる領域(6、6’、6’’)に割り当てられ、前記領域(6、6’、6’’)を異なる温度となるように制御し、
少なくとも1つの第1の領域(6)が前記投与材料リザーバ(70)に割り当てられ、少なくとも1つの第2の領域(6’’)が前記ノズル(40)に割り当てられる、投与システム(1)。
【請求項2】
前記温度制御装置(2、2’、2’’)の少なくとも1つが冷熱源(93、93’、95、99)を有する冷却装置(3、3’、3’’)を備える、請求項1記載の投与システム(1)。
【請求項3】
前記投与材料リザーバ(70)に割り当てられた少なくとも前記温度制御装置(2)が、冷熱源(93、93’、95、99)を有する冷却装置(3)を備える、請求項2記載の投与システム(1)。
【請求項4】
冷却装置(3、3’、3’’)の冷熱源(95)が、前記冷却装置(3、3’、3’’)の冷却媒体を所定の温度まで冷却するように構成され、および/または前記冷熱源(93、93’)が少なくとも1つのボルテックスチューブ(93、93’)を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の投与システム(1)。
【請求項5】
割り当てられた領域(6、6’、6’’)における投与材料を目標温度に制御するための、制御ユニット(50)を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の投与システム(1)。
【請求項6】
前記温度制御装置(2、2’、2’’)が、加熱装置(4、4’、4’’)を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の投与システム(1)。
【請求項7】
前記ノズル(40)に割り当てられた少なくとも前記温度制御装置(2’’)が、加熱装置(4、4’、4’’)を備える、請求項6記載の投与システム(1)。
【請求項8】
前記温度制御装置(2、2’、2’’)に、前記温度制御装置(2、2’、2’’)の冷却装置(3、3’、3’’)および前記加熱装置(4、4’、4’’)を別々に制御するように構成されている制御ユニット(50)が割り当てられる、請求項6または7記載の投与システム(1)。
【請求項9】
制御ユニット(50)が、少なくとも1つの入力パラメータに応じて投与材料の温度を制御するために前記温度制御装置(2、2’、2’’)を制御するように構成されている、請求項5~8のいずれか1項に記載の投与システム(1)。
【請求項10】
前記制御ユニット(50)が、体積流量および/または温度および/または粘度に応じて投与材料の温度を制御するために前記温度制御装置(2、2’、2’’)を制御するように構成されている、請求項9記載の投与システム(1)。
【請求項11】
前記温度制御装置(2、2’、2’’)が、前記入力パラメータを生成するために前記投与システム(1)内の少なくとも1つの温度センサ(88、88’)に割り当てられる、請求項9または10記載の投与システム(1)。
【請求項12】
前記温度制御装置(2、2’、2’’)の冷却装置(3、3’、3’’)および加熱装置(4、4’、4’’)が、別々に構成され、互いに空間的に分離される、請求項6~11のいずれか1項に記載の投与システム(1)。
【請求項13】
前記投与システム(1)が、第3の領域(6’)に割り当てられる少なくとも1つのさらなる温度制御装置(2’)を備え、前記第3の領域(6’)が前記投与システム(1)の前記供給チャネル(80)に割り当てられる、請求項1~12のいずれか1項に記載の投与システム(1)。
【請求項14】
前記投与材料リザーバ(70)が投与材料供給容器(70)を備える、請求項1~13のいずれか1項に記載の投与システム(1)。
【請求項15】
投与材料の投与のための投与システム(1)を動作させるための方法であって、前記投与システム(1)が、
投与材料用の供給チャネル(80)と、ノズル(40)と、排出要素(31)と、前記排出要素(31)および/または前記ノズル(40)に連結されたアクチュエータユニット(10)とを含むハウジング(11)を備える投与装置(5)、および
前記ハウジング(11)に連結または統合された投与材料リザーバ(70)を有し、
前記投与システム(1)の複数の領域(6、6’、6’’)が、前記投与システム(1)の複数の温度制御装置(2、2’、2’’)によって異なる温度となるように制御され、前記温度制御装置が異なる領域(6、6’、6’’)にそれぞれ割り当てられ、
前記投与材料リザーバ(70)に割り当てられた少なくとも1つの第1の領域(6)が、前記ノズル(40)に割り当てられた第2の領域(6’’)とは異なる温度となるように制御される、方法。
【請求項16】
前記領域(6、6’、6’’)の少なくとも1つが、割り当てられた温度制御装置(2、2’、2’’)の冷却装置(3、3’、3’’)によって制御される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記投与材料リザーバ(70)に割り当てられた少なくとも領域(6)が、割り当てられた温度制御装置(2)の冷却装置(3)によって制御される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記ノズル(40)に割り当てられた前記領域(6’’)は、前記領域(6’’)内の投与材料の温度が投与材料処理温度に対応するように、制御される、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記投与材料リザーバ(70)に割り当てられた前記領域(6)は、前記領域(6)内の投与材料の温度が、前記ノズル(40)に割り当てられた前記領域(6’’)内の投与材料の温度よりも低く、および/または前記投与システム(1)の周囲温度よりも低くなるように、制御される、請求項15~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
それぞれの領域(6、6’、6’’)内の投与材料の温度が、予想されるまたは実際の投与材料のスループットに応じて決定される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記投与システム(1)の供給チャネル(80)に割り当てられた領域(6’)は、前記領域(6’)内の投与材料の温度が、前記投与材料リザーバ(70)に割り当てられた前記領域(6)内の投与材料の温度よりも高く、および/または前記ノズル(40)に割り当てられた前記領域(6’’)内の投与材料の温度よりも低くなるように、制御される、請求項15~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記温度制御装置(2、2’、2’’)
の冷却装置(3、3’、3’’)およ
び加熱装置(4、4’、4’’)が、投与材料を目標温度に制御するために、別々に制御される、請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投与材料のための投与システムであって、投与材料用の供給チャネルと、ノズルと、排出要素と、排出要素および/またはノズルに連結されたアクチュエータユニットとを含むハウジングを備える投与装置、および、ハウジングに連結または統合された投与材料リザーバを有する、投与システムに関する。本発明はまた、投与システムを動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭で述べたタイプの投与システムは、典型的に、標的化方法(targeted manner)でターゲット面に投与される媒体を適用するために使用される。いわゆる「マイクロドージング技術」に関連して、非常に少量の投与材料を、ピンポイントの精度で、実際に接触することなく、すなわち、投与システムとターゲット面との間の直接接触なしに、ターゲット面に配置することがしばしば必要である。このような非接触方法は、しばしば「ジェットプロセス」と呼ばれる。この典型的な例は、回路基板または他の電子素子を組み立てるときのグルードット、はんだペーストなどの投与、またはLED用のコンバータ材料の適用である。
【0003】
ここでの不可欠な要件は、投与材料を高精度で、つまり適切なタイミングで、適切な場所に、および正確な投与量でターゲット面に送達することである。これは、たとえば、投与システムのノズルを介して投与材料を一滴ずつ分配することによって行うことができる。媒体は、ノズルの内部と投与システムの排出要素の大部分が前面の領域とのみ接触する。ここでの好ましい方法は、とりわけインクジェットプリンタでも使用されるような、一種の「インクジェットプロセス」での個々の液滴の排出である。液滴のサイズまたは液滴あたりの媒体の量は、それによって達成されるノズルの構造、作動、およびターゲットとされた効果を介して可能な限り正確に予め判定され得る。代替的に、投与材料をジェットで噴霧することもできる。
【0004】
可動排出要素、たとえばタペットを投与システムのノズルに配置して、投与システムから媒体を分配することができる。排出要素は、ノズル開口部または出口開口部の方向に比較的高速でノズル内で前方に押すことができ、それにより、媒体の液滴が排出され、その後再び引き出される。
【0005】
代替的または追加的に、投与システム自体のノズルを、排出方向または収縮方向に移動させることができる。投与材料を分配するために、ノズルおよびノズル内に配置された排出要素は、相対的な移動で互いに近づいたり離れたりして移動させることができ、相対的な移動は、出口開口部またはノズルの移動によって単独で行われ得るか、または少なくとも部分的に排出要素の対応する移動によっても行われ得る。
【0006】
通常、排出要素は、ノズルのノズル開口部の密閉シートに固定して接続し、一時的にそこに残すことによって閉位置にすることもできる。投与材料によっては、排出要素は、ノズルから媒体の液滴が生じることなく、収縮位置に、すなわち密閉シートから離れた位置に留まることもできる(「オープンインクジェットプロセス」)。
【0007】
排出要素および/またはノズルは、典型的に、投与システムのアクチュエータシステムの助けを借りて移動させられる。ピエゾアクチュエータは、好ましくは、特に極めて細かい投与量の分解能を必要とする用途に使用される。しかし、本発明は、すべての一般的なアクチュエータの原理で動作することができ、すなわち、油圧、空気圧、および/または電磁的に動作されるアクチュエータもまた、投与システムで使用することができる。
【0008】
投与材料の処理特性を改善し、投与材料を分配するときに可能な限り最も高い、一定の投与精度を達成するために、投与材料は、典型的に、ノズルから排出される前に投与材料固有の処理温度まで加熱される。特に、粘度を低下させて排出プロセスの質を改善するために、または投与材料の量を許容変動範囲内に維持するために、中粘度または高粘度を有する投与材料が、処理前、したがって排出前に加熱される。排出に関与する投与システムの構成要素は、それほど応力を受けないため、投与材料のより低い粘度はさらに、投与システムの寿命に利点のある効果をもたらすことができる。中粘度または高粘度の投与材料は、たとえば、接着剤、はんだペースト、キャスティングコンパウンド、熱伝導性ペースト、オイル、シリコーン、塗料などである。
【0009】
したがって、ほとんどの従来の投与システムでは、投与材料は、少なくとも投与システムのノズル内またはノズルチャンバ内において標的化方法で加熱される。
【0010】
粘性の高い投与材料であっても、投与材料を処理温度まで加熱することによって、投与精度を向上させることができるのは事実である。しかし、この手順は、投与材料の加工可能時間(ポットライフ)にかなりの影響を与えかねないことが示されている。ポットライフまたは耐用年数は、好ましくは多成分の投与材料の作製または提供とその加工の終了との間の期間を表す。ポットライフに達すると、投与材料の材料特性は、投与材料を所望の品質で処理することができなくなる、すなわち、使用することができなくなるように、変化しかねない。投与材料の化学組成によっては、投与材料の温度が上昇すると、ポットライフが大幅に短くなりかねない。これは、熱硬化性投与材料、たとえば接着剤を処理するときには特に問題になる。
【0011】
従来の投与システムでは、投与材料を処理温度まで加熱すると、投与材料は、処理前に、したがって、ノズルから排出される前に、そのポットライフが終了しかねない。たとえば、ノズル内の投与材料の「全体的な」加熱により、ノズルの前の「待機領域」、たとえば、供給領域、および場合によっては投与材料の貯蔵における投与材料も、加熱されたノズルから始まる対流によって加熱(も)される。一方で、これは、使用することができなくなった投与材料を前もって処分しなければならないか、または投与材料の新しいバッチを提供しなければならないことを意味する場合があり、これには追加費用が伴う。他方では、投与材料が、そのポットライフの終了後に投与システムの一部を詰まらせ得る、または多大な費用をかけて投与システムから除去しなければならなくなるという事実から、はるかに深刻な結果につながりかねない。投与システムを洗浄することは、投与システムの一時的なシャットダウンを意味する場合があり、したがって、不必要に運用コストを増加させかねない。
【0012】
さらに、従来の投与システムでは、投与システムの外部(周囲)条件も投与材料のポットライフに不利な影響を与えかねない。特に、投与システムの高い周囲温度により、投与システムによって直接的または間接的にまだ加熱されていない投与システムの領域においてさえ、投与材料が投与システムの外部から加熱されることになり、これは、投与システムのポットライフの短縮につながりかねない。これは、投与材料の非常に低いスループットを必要とする投与要件では特に重要である。既に述べたように、ポットライフの短縮は、投与システムを効率的かつ可能な限り中断されることなく動作することを妨げかねない。
【発明の概要】
【0013】
したがって、本発明の目的は、投与材料のための投与システムと、上で説明した不利な点を回避することができ、効率が改善された、そのような投与システムを動作させるための方法と、を提供することである。
【0014】
この目的は、請求項1に記載の投与システムおよび請求項11に記載の投与システムを動作させるための方法によって達成される。
【0015】
投与材料のための本発明による投与システムは、随意の複数部品のハウジングを備えた投与装置を備え、ハウジングは、投与材料用の少なくとも1つの供給チャネルと、ノズルと、排出要素と、排出要素および/またはノズルに連結されたアクチュエータユニットと、を有する。以下では、排出要素は同義語としてタペットとも呼ばれるが、本発明はそれに限定されない。
【0016】
投与材料は、冒頭で説明した方法の1つで本発明による投与システムから分配することができる、すなわち、投与システムは、特定の排出原理に限定されない。それに対応して、通常のケースのように、ノズルから投与材料を排出するために比較的高速で移動可能な排出要素を、投与システムのノズル内に(特に、たとえば、出口開口部の直前のノズルの領域に)配置することができる。代替的に、または加えて、前述のように、本発明による投与システムの出口開口部は、可動式に構成することができる。それにもかかわらず、よりよく理解するために、以下では、投与材料が、可動排出要素、たとえば、タペットによって分配されると仮定される。しかし、本発明はそれに限定されることを意図するものではない。
【0017】
投与装置のアクチュエータユニットは、1つまたは複数のアクチュエータを備えることができ、ここで、それぞれのアクチュエータは、冒頭で述べたアクチュエータの原理の1つに従って実装することができる。本発明は、ピエゾアクチュエータを有する投与システムに基づいて、それに限定されることなく、以下で説明される。具体的な実施形態に関係なく、アクチュエータユニットは、投与装置のハウジングによって包まれており、したがって、投与システムの周囲雰囲気から区切られている。
【0018】
アクチュエータユニットは、少なくとも時々、排出要素またはノズルに機能的に連結される。連結は、アクチュエータによって加えられた力および移動が、排出要素またはノズルに伝達されるように行われ、その結果、投与材料をノズルから分配するための排出要素および/またはノズルの所望の、好ましくは垂直の方向の移動がもたらされる。具体的なアクチュエータの原理に応じて、アクチュエータは、直接的に、すなわち、さらなる移動を与える構成要素なしで、排出要素に作用することができる。しかし、投与システムのアクチュエータユニットはまた、(ピエゾ)アクチュエータの移動または偏位を特定の距離にわたって排出要素に伝達するために、移動機構を備えることができる。アクチュエータと排出要素との間、または移動機構と排出要素との間の連結は、好ましくは固定連結ではない。これは、それぞれの構成要素が、好ましくは、連結のために互いにねじ込まれたり、溶接されたり、接着されたりしないことを意味している。
【0019】
投与材料と接触する投与装置の構成要素、たとえば、供給チャネル、ノズル、および排出要素は、好ましくは、投与装置の流体ユニットに、たとえば、構造上のユニットとして組み合わせることができる。流体ユニットおよびアクチュエータユニットは、好ましくは、投与装置を設計するために、すなわち、ハウジングを複数の部品で設計するために、好ましくは工具なしで、互いに連結することができるそれぞれ別個のサブハウジングに封入することができる。
【0020】
さらに、少なくとも1つの投与材料リザーバは、投与装置のハウジングに直接連結される。投与材料リザーバは、新鮮な投与材料が処理されるまで保持または準備ができた状態に保たれる投与システムの領域として理解されるべきである。投与材料リザーバは、投与装置自体のハウジング上の投与装置の連結またはインターフェース接続によって、特に投与システムが作動しているときに、少なくとも一時的に組み立てることができる。前述の2部品のハウジングの場合、連結は、アクチュエータユニットおよび/または流体ユニットと共存することができる。しかし、連結点は、特に好ましくは、流体ユニットの領域に配置される。これは、投与材料リザーバおよび投与装置が、少なくとも一時的に「移動接続」されて、ユニットを形成することができることを意味している。
【0021】
代替的に、投与材料リザーバはまた、投与装置のハウジングに、好ましくは固定して統合することができる。この目的のために、たとえば、複数部品のハウジングの場合、好ましくは流体ユニットの領域におけるハウジングは、投与材料を受けるまたは貯蔵するために投与システムの外側からアクセス可能なキャビティを有することができる。投与材料リザーバはまた、ハウジングの外部または外側に配置され、そこに固定して接続されている「投与材料タンク」によって実装することができる。したがって、投与材料リザーバの具体的な実施形態に関係なく、本発明による投与システムは、冒頭で説明したようなハウジングと、現場で連結して構造上のユニットを形成することができるか、またはハウジングに統合される投与材料リザーバと、を備えた少なくとも1つの投与装置を備える。
【0022】
本発明によれば、投与システムはまた複数の別個に作動可能な温度制御装置を有し、それら各々は投与システムの異なる画定された温度ゾーンに割り当てられ、それぞれの温度ゾーンを異なる方法で制御する。投与システムは、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの別個の温度ゾーンを含む。
【0023】
温度ゾーンは、投与システムの限定された、画定された(サブ)領域またはセクション、好ましくは投与材料で充填されている投与システムのキャビティを意味すると理解される。これは、具体的な(目標)温度および/または具体的な(目標)粘度を有する投与材料を包含することができる。したがって、温度ゾーンは、ハウジングおよび/または投与材料リザーバの画定された領域内に少なくとも1つの制御可能な投与材料容積を含む。さらに、温度ゾーンは、好ましくは、投与材料容積を封入するか、またはそれを温度ゾーンの外側にある投与システムの領域に限定する投与システムの複数のセグメント、たとえば、いくつかの壁またはハウジングセクションを含むことができる。
【0024】
それぞれの温度制御装置は、投与システムのそれぞれの割り当てられたサブ領域、したがって温度ゾーンに含まれる、またはそれと相互作用する投与材料の温度を、異なる(目標)温度に制御するように、たとえば、投与材料の異なる(目標)粘度を達成するように構成されている。投与システムの(固形)構成要素は、必然的に(も)温度制御装置によって制御することができることは事実である。しかし、温度制御の目的は、投与システムの2つまたはそれ以上の画定された領域、したがって複数の温度ゾーンにおける投与材料を、それぞれの温度制御装置によって同時に、異なる温度または粘度に設定することである。
【0025】
温度制御は、投与システムの動作中に、したがって、投与材料が、それぞれの温度ゾーンを通って流れるか、またはその中に配置されている間に行われる。この目的のために、温度制御装置は、各温度制御装置が個々の具体的な(割り当てられた)温度ゾーン、特にその中の投与材料を制御することができるように、投与システム内に構成および配置される。
【0026】
本発明に関連して、温度制御は、投与材料に熱エネルギーを供給するか、または投与材料から熱エネルギーを除去することとして理解されるべきである。随意に、両方のプロセスを同時に実行することもできる。この目的のために、個々の温度制御装置は、少なくとも1つの加熱装置および1つの冷却装置を各々備えることができ、ここで、温度は、後に説明するように、伝導および/または対流によって制御することができる。それぞれの温度制御装置の加熱装置および冷却装置は、好ましくは、別個に投与システムの制御および/または調整ユニットの別個の制御および/または調整回路によって作動させることができる。これについても後に詳しく説明する。
【0027】
本発明によれば、少なくとも1つの第1の温度ゾーンは投与材料リザーバに割り当てられ、第2の温度ゾーンはノズルに割り当てられる。ノズルは、好ましくは、投与材料で充填される、およびノズルチャンバと呼ばれる(中空の)内部空間を有することができる。第2の温度ゾーンは、好ましくは、ノズルチャンバに割り当てることができる。これは、温度制御装置が、ノズルの領域よりも投与材料リザーバの少なくとも1つの領域において異なる方法で、特に、ノズルのノズルチャンバとは異なる方法で、好ましくはより低く、投与材料の温度を制御するように構成されることを意味している。2つの温度ゾーンは、好ましくは、投与材料用の供給領域または供給チャネルによって互いに分離される、すなわち、それらは、好ましくは、互いに直接隣接していない。
【0028】
本発明によれば、温度制御装置の少なくとも1つ、好ましくは投与材料リザーバに割り当てられた少なくとも温度制御装置は、少なくとも1つの冷熱源を有する冷却装置を備える。冷熱源は、好ましくは、特定の冷却能力をもたらすために、物質から熱エネルギーを能動的に放散するように構成される。冷熱源は冷却プロセスを実行することができる、すなわち、冷気を能動的に「生成する」ことができる。物理的には、冷熱源はヒートシンクとして理解することもできる。
【0029】
冷熱源は、冷却装置が冷熱源によって「生成された」冷気を使用して投与材料を冷却することができるように構成され、冷却装置と相互作用する。実施形態によっては、冷熱源自体は、実質的に冷却装置全体を形成することができる。しかし、代替的または追加的に、冷熱源はまた、後の時点で説明されるように、冷却装置に連結することができる。
【0030】
冷却装置は、割り当てられた温度ゾーン、特にその温度ゾーンの投与材料を具体的な(目標)温度に冷却するように構成されている。冷却目的で、熱または熱エネルギーは、たとえば対流および/または伝導により、冷却装置を用いて標的化方法で投与材料から引き出すことができる。投与材料は、特に、冷却装置によって、投与システムの周囲温度よりも著しく低い温度まで冷却することができる。温度ゾーン内の投与材料は、好ましくは、割り当てられた温度制御装置、特に冷却装置によって、最大18℃、好ましくは最大3℃、特に好ましくは最大-30℃の(目標)温度に制御することができる。
【0031】
異なる温度ゾーンのための複数の温度制御装置を有する本発明による実装には、いくつかの利点がある。
【0032】
一方で、本発明による投与システムは、ノズルの領域の投与材料を割り当てられた温度制御装置によって最適な処理温度に制御することができるという点で、投与材料の分配の高レベルの精度を達成するように使用することができる。
【0033】
他方で、投与材料リザーバの領域における投与材料は、より長い期間にわたって投与システムにおいて投与材料を安定に保つために、処理温度よりも著しく低い温度、たとえば貯蔵温度まで冷却することができる。利点として、投与材料リザーバ内の投与材料は、たとえば、投与材料を排出するための適切な粘度を達成するために、投与材料が非臨界の(目標)温度を有するノズルに到達し、ノズルから放出される直前に処理温度にされるのみであるように、したがってノズル自体において冷却することができる。これにより、投与材料の加工性に対する(高い)処理温度の不利な効果を可能な限り低減することが可能になり、投与システムの効率が向上する。特に、高い周囲温度および/または低い投与材料のスループットであっても、ポット寿命の望ましくない短縮を効果的に打ち消すことができる。
【0034】
投与材料の投与のための投与システムを動作させるための本発明による方法は、随意に複数部品のハウジングも有する投与装置を有する投与システムに関し、ハウジングは、投与材料用の少なくとも1つの供給チャネルと、ノズルと、排出要素と、排出要素および/またはノズルに連結されたアクチュエータユニットと、を含む。投与システムは、ハウジングに直接連結されているか、またはハウジングに統合されている投与材料リザーバをさらに有する。
【0035】
本発明によれば、投与システムの複数の画定された温度ゾーンは、投与システムの複数の別個に作動可能な温度制御装置によって異なる方法で制御され、ここで、温度制御装置は各温度ゾーンに割り当てられる。温度制御装置は、温度ゾーン、特にそれぞれの温度ゾーンにおける投与材料のそれぞれの制御のための投与システムの制御および/または調整ユニットによって別々に作動および/または調整することができる。
【0036】
本発明によれば、投与システムの少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの温度ゾーンは、それぞれ割り当てられた温度制御装置によって異なる方法で制御される。本発明による方法では、投与材料リザーバに割り当てられた少なくとも1つの第1の温度ゾーンは、ノズルに割り当てられた第2の温度ゾーンとは異なる方法で制御される。
【0037】
好ましくは、温度ゾーンの少なくとも1つ、好ましくは投与材料リザーバに割り当てられた少なくとも温度ゾーンは、割り当てられた温度制御装置の(冷熱源を使用する)冷却装置によって制御される。
【0038】
さらに、本発明の特に利点のある実施形態および開発は、従属請求項および以下の説明から生じ、1つの請求項カテゴリの独立請求項は、別の請求項カテゴリの従属請求項および実施形態と同様に開発することもでき、特に様々な実施形態または変形の個々の特徴はまた、新しい実施形態または変形に組み合わせることができる。
【0039】
投与システムは、好ましくは、投与システムの第3の温度ゾーンに割り当てられる少なくとも1つのさらなる別個に作動可能な温度制御装置を備える。第3の温度ゾーンは、好ましくは、供給チャネル内の投与材料を(目標)温度まで制御するために、投与システムの供給チャネルに割り当てられ、ここで、(目標)温度は、投与材料リザーバおよび/またはノズル内の投与材料のそれぞれの(目標)温度とは異なり得る。投与システムの温度制御装置は、後で説明するように、好ましくは、標的化方法で投与システムの異なる領域に投与材料の「温度勾配」を設定するように構成される。
【0040】
供給チャネルに割り当てられた温度制御装置は、冒頭で説明したように、好ましくは、冷熱源を有する冷却装置も備える。同様に、ノズルに割り当てられた温度制御装置も、冷熱源を有するそのような冷却装置を備えることができる。個々の冷却装置は、好ましくは、別々に作動可能であるように構成される。
【0041】
供給チャネルまたは供給領域は、投与材料リザーバからノズルまで伸長する投与システムの(サブ)領域であると理解される。投与材料リザーバとは対照的に(投与システムがシャットダウンされている場合を除く)、供給チャネルは、投与材料のための重要な(長期の)貯蔵媒体を表すものではなく、むしろ新しい投与材料が動作中に多かれ少なかれ継続的に流れる。供給チャネルは、好ましくは、連結可能な投与材料リザーバの連結点と、ノズルの内側またはノズルのノズルチャンバの開始との間に伸長することができる。
【0042】
したがって、投与システムの特に好ましい実施形態では、投与システムは、異なる方法で制御される3つの温度ゾーンを含むことができる。それぞれの温度ゾーンは、好ましくは、投与システムの閉じたアクティブなユニットまたは機能的な構成要素、したがって、たとえば、投与材料リザーバ全体を完全に包含し得る。したがって、特に好ましくは、それぞれの温度制御装置は、投与材料リザーバ内の略すべての投与材料、供給チャネル内の略すべての投与材料、またはノズル内の略すべての投与材料を「主に」均一に制御するために、それぞれの温度ゾーンに設計または割り当てられ得る。
【0043】
それぞれの温度ゾーンは、好ましくは、互いに直接隣接し得るか、または中断することなく互いに追従し得る。2つの温度ゾーン間の境界は温度遷移領域を表す。これは、投与材料が温度ゾーンの境界を通過した後に突然新しい(目標)温度に制御されないことを意味しているが、代わりに、投与材料がその境界を継続的に流れるときにこの温度に制御されることを想定している。「主に」均一に制御されるとは、たとえば、投与材料が(まだ)対応する(目標)温度を有していない温度ゾーンの境界の領域における、温度ゾーンの領域が存在し得ることを意味している。
【0044】
利点として、投与システムの第3の温度制御装置によって、投与材料が(投与材料リザーバ内で)利用可能になった時から実際に(ノズル内で)処理されるまで、投与材料を確実にそれぞれの所望のまたは利点のある(目標)温度範囲に維持することが可能である。利点として、一方では、投与材料は、ノズルに到達するまで、投与材料のスループットが非常に低くても、投与材料の処理温度より低く継続的に保つことができ、ここで、ポット寿命の短縮を効果的に打ち消すことができる。これは、熱硬化性投与材料、たとえば接着剤を処理する場合に特に利点がある。
【0045】
しかし、他方では、第3の別個に制御可能な温度制御装置は、投与材料を徐々に処理温度にするためにも使用することができる。投与材料のスループットが非常に高い場合、割り当てられた温度制御装置によって、投与材料リザーバから現れ、供給チャネル内で非常に冷たい可能性のある投与材料を、新しい、より高い(目標)温度(ただし処理温度より低い)に制御することに利点があり得る。したがって、供給チャネルは、投与材料リザーバから現れる投与材料と処理温度との間の温度差を低減するために、投与材料の「事前制御」に使用することができる。これによって、高い投与材料のスループットにもかかわらず、(高い)処理温度への投与材料の暴露時間、およびその結果生じる望ましくない効果ができるだけ短縮され得るように、投与材料をノズル自体における処理温度に制御することが可能になる。
【0046】
本発明に関連して、それぞれの温度ゾーンが互いに直接隣接しないようにすることも可能であり、すなわち、制御された温度ゾーン間に「ギャップ」が存在し得る。投与システムは、温度制御装置が割り当てられていない(サブ)領域を含むことができる。それに対応して、温度制御装置は、投与材料リザーバ、供給チャネル、またはノズルの少なくとも局所的なサブ領域でのみ投与材料を制御するように構成することができ、ここで、前述の構成要素の他の領域は、温度制御による(直接的な)影響を受けない。たとえば、カートリッジ内の投与材料は、ポット寿命を最大化するために能動的に冷却され、その後、投与材料が処理されることを可能にするために、再びノズル内で能動的に制御され得るだけである。
【0047】
投与システムの各温度制御装置は、投与材料を冷却するために別個に作動可能な冷却装置を備えることができる。既に述べたように、個々の冷却装置は、冷熱源によって提供される冷気を使用する。
【0048】
冷却装置の第1の実施形態によれば、冷熱源を冷却装置の必須の構成要素として構成することが可能である。これは、冷却装置および冷熱源が、好ましくは固定接続されているユニットを設計することができることを意味している。その後、冷却装置は、たとえば、伝導によって、接触に依存する方法で、したがって、流れる冷却流体を使用せずに、割り当てられた温度ゾーンの投与材料を(目標)温度まで冷却するように構成することができる。冷熱源は、好ましくは、熱電冷却の原理を利用し得る。本実施形態によれば、各冷却装置は、好ましくは、少なくとも1つの(別個の)冷熱源を含み得る。
【0049】
たとえば、冷却装置は(冷熱源として)少なくとも1つのペルチェ素子を備えることができ、これは、可能な限り少ない損失で投与材料を割り当てられた温度ゾーンに供給するために、(冷却装置の一部として)保持装置によってハウジングまたは投与材料リザーバ上に配置される。
【0050】
冷却装置の第2の実施形態によれば、単一の冷熱源を、投与システムの複数の、好ましくはすべての冷却装置と相互作用させることが可能である。
【0051】
その後、冷熱源は、好ましくは、複数の別個に作動可能なサブ冷却回路に(取り外し可能に)連結され得る。冷熱源は、好ましくは、別々に動作される少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのサブ冷却回路と動作可能に接触させられ得る。
【0052】
これらの別個に作動可能なサブ冷却回路の各々は、好ましくは、特定の温度ゾーンにおいて投与材料の温度を制御するように構成される。これは、サブ冷却回路が特定の温度ゾーンに割り当てられることを意味している。したがって、サブ冷却回路は、割り当てられた温度ゾーンの冷却装置を形成することができる。
【0053】
それぞれのサブ冷却回路は、好ましくは、いくつかの冷却コンポーネントまたは「冷却要素」を備え、これは、好ましくは、ハウジングまたは投与材料リザーバの領域に配置される。サブ冷却回路は、好ましくは、具体的な(目標)温度で「冷却要素」に、流れる気体および/または液体の予冷された冷却媒体を供給するように構成される。それぞれの「冷却要素」は、好ましくは、冷気を予冷された冷却媒体から投与材料に可能な限り効率的に移送するため、またはそれに応じて熱を除去するために、熱交換器のように構成され得る。
【0054】
それぞれの「冷却要素」は、好ましくは、予冷された冷却媒体のための少なくとも1つの供給開口部、たとえば、外部冷却媒体供給ラインのための連結点を含む。サブ冷却回路を設計するために、それぞれの冷却装置の「冷却要素」を、別個の冷却媒体供給ライン、たとえば、温度絶縁された可撓性ラインによって冷熱源に連結することができる。さらに、「冷却要素」は、随意に温められた冷却媒体を冷熱源に供給するために、冷却媒体のための出口開口部、たとえば、別個の冷却媒体排出ラインのための連結点を含むことができる。
【0055】
したがって、複数のサブ冷却回路は、好ましくは、一緒に使用される冷熱源の冷気に関与するように構成される。冷熱源は、好ましくは、この目的のために構成され、異なる温度で個々のサブ冷却回路に冷却された冷却媒体を選択的に供給するような方法で作動され得る。
【0056】
それぞれの冷却装置の冷却能力を制御するために、冷却装置に流入する冷却媒体の(目標)温度は、投与システムの制御ユニットによって制御することができる。代替的または追加的に、冷却媒体の体積流量は、たとえば、別個に作動可能な比例弁および/またはポンプによって、それぞれのサブ冷却回路において制御することができる。
【0057】
以下の説明では、投与システムは、第2の実施形態による冷却装置に基づいて説明され、ここで、一緒に使用される冷熱源は、複数のサブ冷却回路に冷気を供給する。しかし、本発明はそれに限定されることを意図するものではない。
【0058】
冷熱源は、好ましくは、気体および/または液体の冷却媒体を具体的な(目標)温度まで冷却する、したがって、標的化方法で冷却媒体から熱または熱エネルギーを抽出するように構成される。能動的な冷却の結果として、冷却媒体の(目標)温度は、好ましくは、投与システムの周囲温度よりも低くなり得る。冷却媒体は、それぞれの温度制御装置の領域において、最大18℃、好ましくは最大3℃、特に好ましくは最大-30℃の(目標)温度を有するように、冷熱源によって冷却することができる。
【0059】
「冷気発生装置」とも呼ばれ得る冷熱源は、別個に構成することができ、したがって、投与システムの一体部分として構成することはできない。たとえば、冷熱源は、投与システムから「離れて」配置することができ、ここで、冷却装置には、別個の冷気移送装置、たとえば、別個の冷却媒体供給ラインによって冷却媒体が供給される。
【0060】
第1の実施形態によれば、冷熱源は、好ましくは、投与システムまたは冷気発生装置の周囲空気の温度および/または湿度に関係なく動作させられ得る。これは、冷却媒体の温度を、冷熱源によって周囲温度に対して下げることができるだけでなく、「任意の」値、すなわち、投与システムの動作に関して必要とされる値に設定することもできることを意味している。冷熱源は、好ましくは、冷凍機の原理を利用し得る。たとえば、冷熱源は圧縮冷凍システムを備え得る。そのような冷凍機は、好ましくは、随意に異なる投与システムから、複数の温度制御装置に、予冷された冷却媒体を供給するように構成され得る。液体および/または気体の媒体が冷却媒体として適切であり、ここでは、高い熱容量を有する冷却媒体が好ましい。
【0061】
好ましくは、圧縮された、および(能動的に)冷却された空気が冷却媒体として使用され得るが、これは、その空気が比較的少ない労力で提供され得、動作可能なピエゾアクチュエータの吸湿性と互換性があり得るためである。したがって、冷熱源は、本発明の第2の実施形態において、少なくとも1つのボルテックスチューブによって実装され得る。ボルテックスチューブは、冷却媒体を具体的な(目標)温度まで冷却するように構成されている。
【0062】
冷却装置はまた、好ましくは、1つを超える、したがって少なくとも2つの冷熱源を含み得る。特に、複数の冷熱源は、別々に作動可能であるように構成することができる。冷却装置によって使用される冷気が、2つまたはそれ以上の別個の「冷気発生」コンポーネント(冷熱源)によって生成される場合、「複数部品の」冷熱源という用語は以下で使用される。
【0063】
たとえば、複数部品の冷熱源は、複数のボルテックスチューブによって実装され得る。好ましくは、ボルテックスチューブは、個々のサブ冷却回路に予冷された冷却媒体を供給することができる。
【0064】
ボルテックスチューブから出る冷却空気の温度は、好ましくは、ボルテックスチューブの熱風出口の領域にある調節可能な調整弁によって調整され得る。代替的または追加的に、ボルテックスチューブのボルテックスチャンバに流入する空気の体積流量は、たとえば、ボルテックスチューブの上流の比例弁によって適応させることもできる。
【0065】
第3の実施形態によれば、冷熱源は、特に好ましくは、冷凍機、たとえば、圧縮冷凍システム、および少なくとも1つの協働する下流のボルテックスチューブ(複数部品の冷熱源)を備え得る。好ましくは、事前に制御または冷却された冷却媒体は、最終的にボルテックスチューブによって(目標)温度まで冷却され得る。この相互作用の結果として、冷却媒体は、冷凍機の「可能な限り低い」冷却温度を下回る温度まで冷却することができる。本実施形態においても、ボルテックスチューブ(下流)は、好ましくは、それぞれのサブ冷却回路と相互作用し得る。
【0066】
利点として、1つまたは複数の温度ゾーンにおける投与材料を具体的な(目標)値まで冷却するために、十分に大量の十分に冷却された冷却媒体が常に冷熱源によって提供される。これによって、好ましくない周囲条件下たとえば高い気温であっても、投与材料を長期間投与システム内に安定して保つことが可能になる。特に、冷熱圧縮区間が(下流の)ボルテックスチューブと相互作用するときに、投与材料を冷却するための非常に広いまたは深い制御範囲を達成することができる。
【0067】
さらに、複数の、したがって2つまたはそれ以上の(下流の)ボルテックスチューブを有する複数部品の冷熱源によって、利点として、冷却媒体を異なる温度で個々の冷却装置、特にサブ冷却回路に供給することが可能になる。結果として、それぞれの温度ゾーンの制御は、後で説明するように、動的な投与要件に最適に適応させることもできる。
【0068】
本発明に関連して、冷熱源は、前に説明したように、たとえば、ハウジング上またはハウジング内に配置されたペルチェ素子によって、冷却装置に固定して連結することもできる。冷熱源のそのような実施形態は、たとえば、選択的または局所的に限定された冷却効果が必要とされる場合に利点がある。たとえば、アクチュエータユニットの方向を指すノズルの領域および/またはノズルまたはハウジングの外側領域を、標的化方法で冷却することができる。
【0069】
温度制御装置は各々、投与システム内の投与材料の温度を現在の投与要件に可能な限り動的に適応させるために、加熱装置を備えることができる。投与材料リザーバおよび/または供給チャネルおよび/またはノズルに割り当てられた温度制御装置はそれぞれ、投与材料をそれぞれ割り当てられた温度ゾーン内の具体的な(目標)温度に加熱するために、少なくとも1つの加熱装置を有することができる。
【0070】
それぞれの温度制御装置の冷却装置および加熱装置は、好ましくは、別個に作動可能であるように構成され得る。2つの構成要素は、好ましくは、特に別個の要素によって、互いに空間的に分離して設計される。加熱装置および冷却装置は、特に好ましくは、投与材料の温度を制御するために異なる(制御)媒体を使用し得る。
【0071】
それぞれの冷却装置および加熱装置は、好ましくは、投与材料が割り当てられた温度ゾーンで可能な限り効率的に(目標)温度にされ得るように、投与システム内に配置される。それぞれの温度制御装置の冷却装置および加熱装置は、好ましくは、それぞれ割り当てられた温度ゾーンの投与材料と動作可能に接触している。
【0072】
それぞれの加熱装置は、少なくとも1つの電気的に加熱可能な要素、たとえば、ハウジングまたはノズルの領域内の加熱ワイヤおよび/または加熱カートリッジによって実装することができる。投与材料の温度は、伝導によって、したがって、加熱装置と投与材料との間の直接的な接触なしで制御される。
【0073】
投与材料によっては、投与材料リザーバの領域で投与材料を加熱することにも利点があり得る。一方で、投与材料リザーバは、前述のように、ハウジングの領域に固定して配置することができる。他方で、投与材料リザーバは、ハウジングに連結された投与材料供給容器を備えることができる。
【0074】
投与材料リザーバは、好ましくは、少なくとも1つの投与材料貯蔵容器によって実装され得る。投与材料カートリッジとも呼ばれる投与材料貯蔵容器は、好ましくは、少なくとも一時的にハウジング上に直接組み立てられ得る。投与材料カートリッジは、特に好ましくは、カートリッジ全体をハウジングの連結点に可逆的に固定するために、カートリッジ連結点を含み得る。
【0075】
カートリッジまたは連結された投与材料リザーバ内の投与材料を効果的に冷却するために、冷却媒体は、割り当てられた冷却装置によって、外部からカートリッジに対して流れるか、またはそこに吹き付け得る。しかし、好ましくは、投与システムは、カートリッジが適切に組み立てられた状態で、したがって、動作中にハウジングに連結されているときに完全に受けられる「カートリッジ収容ユニット」を備え得る。カートリッジ収容ユニットは、好ましくは、組み立てられたカートリッジを、実質的に気密な方法で投与システムの周囲雰囲気から区切るように構成される。
【0076】
カートリッジ収容ユニットは、好ましくは、カートリッジにアクセスするための少なくとも1つの閉鎖可能な開口部、および予冷された冷却媒体のためのアクセス開口部または外部冷却媒体供給のための連結点を含み得る。(「冷却要素」としての)冷却媒体のための流路は、好ましくは、カートリッジとカートリッジを外側から囲むカートリッジ収容ユニットの壁との間の領域に設計され得る。カートリッジ収容ユニットはさらに、たとえば、カートリッジに面するカートリッジ収容ユニットの壁の領域に加熱装置を備えることができる。
【0077】
投与材料リザーバ内の投与材料を具体的な(目標)温度に制御するために、割り当てられた温度制御装置は、制御ユニットおよび/または調整ユニットによって作動させることができる。それぞれの制御ユニットおよび/または調整ユニットは、好ましくは、他の温度制御装置に割り当てることもでき、制御ユニットおよび/または調整ユニットは、それぞれの温度制御装置の冷却装置および加熱装置を別々に制御および/または調整するように構成される。投与システムは、好ましくは、別個の制御および/または調整回路によってそれぞれの温度制御装置を作動させるために、1つの(共通の)制御ユニットおよび/または調整ユニットのみを備え得るか、またはそれに連結され得る。
【0078】
制御という用語は、制御および/または調整の同義語として以下で使用される。これは、制御について言及する場合でも、制御が少なくとも1つの調整プロセスを含むことができることを意味している。調整のケースでは、制御変数(実際の値として)が概して、継続的に記録され、参照変数(目標値として)と比較される。調整は通常、制御変数が参照変数に近似されるように実行される。これは、制御変数(実際の値)が調整回路の動作経路で継続的にそれ自体に影響を与えることを意味している。
【0079】
制御ユニットは、好ましくは、それぞれ割り当てられた温度ゾーンの投与材料が、それぞれ所定の、好ましくは異なる(目標)温度まで制御されるように、それぞれの温度制御装置を制御および/または調整するように構成される。
【0080】
温度制御装置は、好ましくは、投与材料の冷却のみが行われるように、すなわち、冷却装置のみが作動されるように制御され得る。
【0081】
代替的に、制御ユニットは、温度制御装置の加熱装置を作動させるために使用され得るだけである。加熱装置の加熱能力は、好ましくは、たとえば、加熱装置に供給された電流の強度を制御することによって、投与材料を制御するために、したがって、投与材料の(目標)温度を設定および維持するために制御され得る。
【0082】
しかし、冷却装置および加熱装置はまた、少なくとも時々並行して動作することができ、すなわち、同じ温度ゾーンの投与材料は、同時に冷却および加熱することができる(「重複」調整の原理)。好ましくは、冷却装置および加熱装置は、互いにほとんど独立して作動または動作され得る。しかし、それぞれの構成要素(冷却装置または加熱装置)を制御するときに、他の「対向する」構成要素の現在の状態(たとえば、構成要素が現在「アクティブ」であるか「非アクティブ」であるか)を考慮に入れることが好ましい。「重複調整」は、好ましくは、加熱エネルギーまたは冷却媒体の消費が可能な限り少なくなるように、すなわち、加熱装置および冷却装置が全負荷で互いに継続的に作用しないように、制御される。
【0083】
利点として、「重複調整」の原理を使用して、所定の(目標)温度を超える投与材料温度の「オーバーシュート」を大幅に回避することができる。さらに、加熱装置と冷却装置のわずかに制御された「相互作用」は、外乱に対する投与材料温度の「剛性」または一貫性の増大に寄与し得る。
【0084】
投与システムはまた、利点として、特に投与材料リザーバの領域において、別個に作動可能な加熱装置および冷却装置のために、熱接着投与剤を処理するのに適している。利点として、投与材料リザーバの領域の熱硬化性接着剤は、最初は、投与材料が投与システム内を流れることができるような程度に液化することができるだけである。ノズル内でのみ、熱硬化性接着剤の粘度を、(処理温度に加熱することによって)投与材料をノズルから排出することができる程度まで低下させることができる。結果として、投与材料を加熱するためのエネルギー要件は、処理温度での投与システムにおける投与材料の一貫した供給に関して緩和することができる。
【0085】
個々の温度ゾーンにおける投与材料の(目標)温度は、好ましくは、投与材料の温度管理の範囲内で決定され得る。制御ユニットは、好ましくは、投与材料の特に経済的な温度管理を計算および/または実行するように、すなわち、それに応じて個々の温度制御装置を作動させるように構成される。温度は、好ましくは、一方では(排出中の)投与材料の最適な処理、他方では投与システムにおける投与材料の最も長い考えられ得るポットライフが達成されるように管理され得る。
【0086】
温度管理に関連して、制御ユニットは、少なくとも1つの入力パラメータに応じて投与材料を制御するためのそれぞれの温度制御装置を制御および/または調整するように構成することができる。個々の温度制御装置は、別々に、したがって、同じまたはそれぞれ異なる入力パラメータに応じて、制御することができる。
【0087】
制御ユニットはまた、好ましくは、入力パラメータに応じて少なくとも1つの温度ゾーンの(目標)温度を制御または決定するように構成され得る。
【0088】
以下に説明されるように、入力パラメータは、制御ユニットに保存され、および/または投与システムのセンサによって決定され得る。それぞれの温度制御装置は、好ましくは、それぞれ割り当てられた温度ゾーン、好ましくは実質的に温度ゾーン全体における投与材料が、具体的な(それぞれの)目標値にできるだけ早く到達するように、および/または目標値が動作中に可能な限り一定に保たれるように、(実際の値としての)1つまたは複数の入力パラメータに応じて制御され得る、特に調整され得る。それぞれの温度ゾーンにおける投与材料の目標値は、好ましくは、高い投与材料のスループットおよび/または動的投与要件があっても、調整の結果として一定に保たれる。目標値は、たとえば、投与材料の(目標)温度および/または(目標)粘度であり得る。
【0089】
第1の入力パラメータは、投与材料の体積流量または温度ゾーンにおける単位時間あたりの投与材料のスループットであり得る。温度ゾーンの(目標)温度は、好ましくは、少なくとも1つの、好ましくは同じ温度ゾーンにおける投与材料の電流および/または予想される体積流量に応じて動的に制御(決定)され得る。
【0090】
代替的または追加的に、少なくとも1つの温度ゾーンにおける投与材料の温度はまた、制御ユニットの入力パラメータであり得る。投与システム内の少なくとも1つの温度センサは、好ましくは、温度制御装置を制御するための入力パラメータを生成するために、それぞれの温度制御装置に割り当てられ得る。
【0091】
投与システムは、好ましくは、投与材料リザーバ、供給チャネル、およびノズルの領域における投与材料の温度を別々に決定するために、いくつかの温度センサを備える。それぞれのセンサは、直接的な測定のために投与材料と接触するように配置することができる。代替的に、センサは、特定の距離にわたる投与材料の温度を決定または推定するように構成することができる。
【0092】
第3の入力パラメータは、少なくとも1つの温度ゾーンにおける投与材料の粘度であり得る。少なくとも1つの温度ゾーンの(目標)温度は、好ましくは、投与材料の粘度に応じて動的に制御(決定)され得る。
【0093】
制御を調整するために、たとえば、投与材料の具体的な(目標)粘度を達成するために、入力パラメータは、適切なセンサ、たとえば、粘度計によって温度ゾーンで別々に決定することができる。代替的に、投与材料の(実際の)粘度は、たとえば、(標準条件下での)制御ユニットに保存された投与材料の粘度および現在の投与材料にわたる条件によって計算することもできる。
【0094】
利点として、投与システムによって、特に制御ユニットによって、一方で、個々の温度制御装置は、それぞれの温度ゾーンで投与材料の(目標)温度を可能な限り効率的に達成するために作動させることができる。
【0095】
他方で、達成されるべきそれぞれの温度ゾーンの(目標)温度、またはその中の投与材料は、動作中に継続的に再決定されることが可能であり、したがって、投与プロセスの現在の条件に適合され得る。このようにして、外部の「破壊的要因」(たとえば、変動する周囲温度)および/または動作シーケンスの内部変動(たとえば、大きく変化する投与材料のスループット)の大部分を補償することができ、ここで、投与材料の組成物に対する悪影響は回避される。これにより、特に高い投与精度を達成することが可能になり、同時に、ポットライフの短縮が打ち消される。
【0096】
以下に説明されるように、好ましくは、前に説明した投与材料の温度管理もまた、投与システムを動作させるための方法において考慮に入れられ得る。
【0097】
好ましい方法では、ノズルに割り当てられた温度ゾーンは、好ましくは実質的に温度ゾーン全体における投与材料の温度が、投与材料の少なくとも具体的な処理温度に対応するように、割り当てられた温度制御装置によって制御され得る。温度は、好ましくは、投与材料の温度が投与システムの周囲温度よりも高くなるように制御され得る。
【0098】
好ましくは、投与材料リザーバに割り当てられた温度ゾーンの制御は、好ましくは実質的に温度ゾーン全体における投与材料の温度が、ノズルまたはノズル内に割り当てられた温度ゾーンにおける投与材料の温度よりも低くなるように実施され得る。代替的または追加的に、温度は、投与材料リザーバ内の投与材料の温度が投与システムの周囲温度よりも低くなるように制御することもできる。
【0099】
投与システムの供給チャネルに割り当てられた温度ゾーンの制御は、好ましくは、この温度ゾーン、特に実質的に供給チャネル全体における投与材料の温度が、投与材料リザーバまたは投与材料リザーバ内に割り当てられた温度ゾーンよりも高くなるように実行される。代替的または追加的に、温度は、供給チャネル内の投与材料の温度が、ノズルに割り当てられた温度ゾーンにおける投与材料の温度よりも低くなるように制御することもできる。それぞれの温度ゾーンにおいて投与材料の温度を具体的な(目標)温度に制御するために、制御ユニットのそれぞれ別々に構成された制御回路によって、それぞれの割り当てられた温度制御装置の冷却装置および加熱装置を別々に作動させることができる。
【0100】
特に好ましくは、上記のように、それぞれの温度制御装置、したがって、投与材料リザーバに割り当てられた温度制御装置、随意に、供給チャネルに割り当てられた温度制御装置およびノズルに割り当てられた温度制御装置は、投与材料の定義された温度勾配が投与システムにおいて形成されるように、制御ユニットによって別々に制御され得る。温度勾配は、好ましくは、投与材料貯蔵容器内の投与材料の温度が、供給チャネル内の投与材料の温度よりも低くなるように、制御の結果として形成されることが可能であり、ここで、供給チャネル内の温度は、ノズル内の投与材料の温度よりも低い。
【0101】
当該方法におけるそれぞれの温度制御装置は、好ましくは、投与材料が、経過中に、好ましくは安定した貯蔵温度から処理温度まで徐々に加熱されるように、制御され得る。制御は、好ましくは、投与材料の温度が可能な限り短時間で処理温度と一致するだけであるように、すなわち、投与材料が、当該方法において可能な限り遅く、好ましくは排出プロセスの直前に最終処理温度にされるように、実行される。
【0102】
温度管理に関連して、投与システムのそれぞれの温度ゾーンの(目標)温度、したがって、投与材料リザーバに割り当てられた温度ゾーンおよび/または供給チャネルに割り当てられた温度ゾーンおよび/またはノズルに割り当てられた温度ゾーンにおける投与材料の(目標)温度は、制御ユニットによって、それぞれの温度ゾーンにおける実際のおよび/または予想される投与材料のスループットに応じて決定することができる。特に、(目標)温度は、投与材料のスループットの変動に動的に適応させることもできる。
【0103】
最後に、完全を期すべく、それぞれの温度制御装置が、温度ゾーンの温度を実質的に同じ方法で制御するために構成することもできることが指摘されなければならない。それに対応して、制御ユニットは、投与材料がそれぞれの温度ゾーンで実質的に同じ温度に保たれるように、温度制御装置を別々に作動させることができる。
【0104】
本発明は、実施形態を使用して添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。同じ構成要素には、さまざまな図面で同じ参照番号が付与されている。図面は通常、縮尺通りではい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【
図1】本発明の実施形態による投与システムの断面図である。
【
図2】本発明の別の実施形態による投与システムの部品を示す。
【
図3】本発明のさらなる実施形態による投与システムの部品を示す。
【
図4】本発明のさらなる実施形態による投与システムの部品を示す。
【
図5】本発明のさらなる実施形態による投与システムの部品を示す。
【
図6】本発明の実施形態による投与システムのための温度制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0106】
ここで、本発明による投与システム1の具体的な実施形態が、
図1を参照して説明される。投与システム1は、たとえば投与システム1の動作中の、ここでは通常の意図された場所または姿勢に示されている。投与システム1の下部領域にノズル40が配置され、これにより、媒体の液滴は、ノズル40を通って排出方向Rで下向きに排出される。したがって、下、および、上の用語が以下で使用される限り、これらの詳細は常に、投与システム1のそのような、通常の従来の姿勢に関連する。しかし、これは、たとえば、投与システム1を特別な用途において異なる姿勢で使用することもでき、液滴が横方向に放出されることを排除するものではない。これは基本的に、媒体、圧力、正確な構造、および排出システム全体の作動によっても可能である。
【0107】
投与システム1は、必須の構成要素として、一緒に投与装置5を形成する、アクチュエータユニット10および流体ユニット30、および流体ユニット30に連結された投与材料リザーバ70を備える。
【0108】
ここに示す投与システム1の実施形態では、アクチュエータユニット10および流体ユニット30は、たとえば、固定ねじ23によって互いに固定するように接続され、したがって、2つのハウジング部品11a、11bを有するハウジング11を形成する。しかし、それぞれのアセンブリ10、30が、互いに連結されてクイックリリース連結を形成することができるプラグイン連結部品のように実装することもできることに留意されたい。その後、アクチュエータユニット10および流体ユニット30は、投与システム1を形成するために、工具なしで互いに連結され得る。アクチュエータユニット10および流体ユニット30は一緒になって、投与システム1の投与装置5を形成する。
【0109】
アクチュエータユニット10は、以下に説明するように、ノズル40内の排出要素31(ここではタペット31)の駆動または移動、したがって、たとえば、ピエゾアクチュエータ60および移動機構14によって、流体ユニット30の排出要素31を作動させることができることを確実にするすべての構成要素、ピエゾアクチュエータ60を作動させることができる制御ユニット50、および同様の構成要素を実質的に備える。
【0110】
ノズル40およびノズル40への媒体の供給ライン80に加えて、流体ユニット30は、媒体と直接接触している他のすべての部品、および媒体と接触している関連する部品を一緒に組み立てるために、またはそれらを流体ユニット30上のそれらの位置に保持するために必要とされる要素を備える。
【0111】
ここに示す投与システム1の実施形態では、アクチュエータユニット10は、2つの内部チャンバ、すなわち、1つはピエゾアクチュエータ60が中に配置されたアクチュエータチャンバ12、およびもう1つは流体ユニット30の可動排出要素31(ここではタペット31)が突出する作用チャンバ13を有する、第1のハウジング部分11aとしてのアクチュエータユニットのハウジングブロック11を備える。アクチュエータチャンバ12から作用チャンバ13に突出する移動機構14を介して、タペット31は、流体ユニット30が所望の時間に所望の量で投与される媒体を排出するように、ピエゾアクチュエータ60によって作動される。ここで、タペット31は、ノズル開口部41を閉じ、したがって閉鎖要素31としても機能する。しかし、媒体の大部分は、タペット31が閉鎖方向に移動しているときにノズル開口部41から排出されるだけであるため、ここでは排出要素31として参照される。
【0112】
ピエゾアクチュエータ60は、作動のために電気的または信号的に投与システム1の制御ユニット50に接続されている。この制御ユニット50への接続は、例えば適切なプラグであるピエゾアクチュエータ制御接続部62に接続されている制御ケーブル51を介して行われる。2つの制御接続部62は各々、制御ユニット50によってピエゾアクチュエータ60を作動させるために、接触ピン61またはピエゾアクチュエータ60のそれぞれの接続極に連結されている。
図1に示されているものとは対照的に、制御接続部62は、たとえば、ピエゾアクチュエータ60を効果的に冷却することが実行され得るように、それぞれの制御接続部62の領域において外部からアクチュエータチャンバ12に空気が実質的に侵入することができないように、密封された方法でハウジング11を通って誘導され得る。この目的のために、アクチュエータチャンバ12は、ピエゾアクチュエータ60に冷却媒体を適用するために、上部領域に冷却媒体のための供給開口部21を備える。ピエゾアクチュエータ60、特にピエゾアクチュエータの制御接続部62には、たとえば、ピエゾアクチュエータ60に関する物品指定などの情報または制御パラメータが保存されている適切なメモリユニット(たとえば、EEPORなど)を設けることができ、制御パラメータは、ピエゾアクチュエータ60を特定し、適切な方法で作動させるために制御ユニット50によって読み取られることが可能になる。制御ケーブル51は、複数の制御線およびデータ線を備えることができる。しかし、ピエゾアクチュエータの基本的な作動は知られているため、これについてはこれ以上説明しない。
【0113】
ピエゾアクチュエータ60は、制御装置50による配線に従ってアクチュエータチャンバ12の長手方向に伸び縮みすることができる。ピエゾアクチュエータ60は、上からアクチュエータチャンバ12へと挿入することができる。ねじ込み運動によって高さ調節可能な球形キャップが、上部アバットメント(本明細書では図示されず)として機能することができ、これにより、ピエゾアクチュエータ60を移動機構14、ここではレバー16に対して正確に調節することができる。したがって、ピエゾアクチュエータ60は、底部で鋭角に先細り、次にアクチュエータチャンバ12の下端にあるレバーベアリング18上で静止する圧力片20を介して下方向にレバー16に取り付けられる。レバー16は、このレバーベアリング18を介して傾斜軸Kを中心に傾斜されることが可能で、これにより、レバー16のレバーアームが、ブレークスルー15を通って作用チャンバ13に突出する。ブレークスルー15は、作用チャンバ13をアクチュエータチャンバ12に接続し、その結果、冷却媒体は、アクチュエータチャンバ12から作用チャンバ13に流れ込み、ハウジング11を出て排出開口部22の領域に入ることができる。作用チャンバ13において、レバーアームは、アクチュエータユニット10に連結された流体ユニット30のタペット31の方向に向いている、およびタペットヘッド33の接触面34を押す接触面17を有する。
【0114】
この時点で、示される実施形態では、レバー16の接触面17がタペットヘッド33の接触面34と恒久的に接触し、ここで、タペットスプリング35がタペットヘッド33を下からレバー16に押し付けるようにされることに言及されるべきである。レバー16はタペット31上で静止する。しかし、2つの構成要素16、31間に固定接続はない。しかし、原則として、タペットスプリング35が、初期位置または静止位置におけるタペット31およびレバー16と離れていることも可能であり、これにより、レバー16は、最初に、下向きに枢動されるときに特定の経路セクションを通って自由に移動し、それによって速度を上げ、その後、タペット31が順に媒体にかける吐出の勢いを増大させるために、高い勢いで、タペット31またはその接触面34に衝突する。駆動システム(レバー-ピエゾアクチュエータ-移動システム)のほぼ一定のプリテンションを可能にするために、レバー16は、タペット31と接触する端部でアクチュエータスプリング19によって上方に押される。
【0115】
流体ユニット30は、第2のハウジング部分11bを備え、前述のように、ここで、固定ねじ23によってアクチュエータユニット10またはそのハウジング部分11aに接続されて、ハウジング11を形成する。タペット31は、タペットスプリング35によって、タペットシール36が下向きに接続されているタペットベアリング37上に支持される。タペットスプリング35は、タペットヘッド33をタペットベアリング37から軸方向に上方に押し出す。したがって、タペット先端32もまた、ノズル40の密閉シート43から押し出される。すなわち、上からのタペットヘッド31の接触面34への外圧なしで、タペットスプリング35の静止位置で、タペット先端32は、ノズル40の密閉シート43から離れて配置される。したがって、ノズル開口部41もまた、ピエゾアクチュエータ60の静止状態(非膨張状態)で自由であり閉じられていない。
【0116】
投与材料は、供給チャネル80が通じるノズルチャンバ42を介してノズル40に供給される。他方で、供給チャネル80は、投与材料リザーバ70に接続されており、投与材料リザーバ70は、ここでは投与材料カートリッジ70によって実装されている。投与材料カートリッジ70は、投与装置5と共に投与システム1を形成する。
【0117】
投与材料カートリッジ70は、それと相互作用するハウジング11の連結点44で、ここでは第2のハウジング部分11bで、連結点77によってハウジング11に直接固定される。インターフェース44、77は、投与材料リザーバ70のハウジング11への時間を節約する、好ましくは工具不要の可逆的固定を可能にする。投与システムの基本構造は知られているため、明確さのために、主に、少なくとも間接的に本発明に関連するそれらの構成要素が本明細書で示されている。
【0118】
投与システムはさらに3つの温度制御装置2、2’、2’’を備え、これらは各々投与材料の異なる温度ゾーンに割り当てられる。第1の温度制御装置2は、投与材料カートリッジ70に割り当てられる。温度制御装置2は、以下でより詳細に説明される冷却装置3、および加熱装置(図示せず)を備える。
【0119】
投与材料カートリッジ70(ここでは概略的にのみ示されている)は、完全に冷却装置3のカートリッジ収容ユニット72内で、意図された状態で配置される、したがって、流体ユニット30に連結される。カートリッジ収容ユニット72は、実質的にカバーによって気密に閉じられ、予冷された冷却媒体のための供給開口部75、たとえば、外部冷却媒体供給ラインのための連結点を含む。予冷された冷却媒体は、供給開口部75によって冷却チャネル73に供給することができる。冷却チャネル73は、ここでは、カートリッジ収容ユニット72の壁74内に配置され、実質的にらせん状にカートリッジ70を囲むように構成される。冷却チャネル73は、排出開口部76で終端し、それによって、冷却媒体は、再び流れ方向RMに冷却チャネル73を出ることができる。冷却装置3の本実施形態では、カートリッジ収容ユニット72は、最初に冷却媒体によって冷却され、その後、カートリッジ70内の投与材料も間接的に冷却される。
【0120】
ここに示されているものとは対照的に、第1の温度制御装置は、代替的または追加的に、カートリッジ収容ユニットの壁内で、たとえば、カートリッジの長手方向の延長部に沿って(したがってここでは垂直に)、実質的に直線に走る少なくとも1つの冷却チャネルを備え得る。冷却装置が複数の別個の冷却チャネルを備える場合、各冷却チャネルは、冷却媒体のための別個の供給開口部または排出開口部を備えることができる。代替的に、1つの共通の(「中央」)供給開口部または排出開口部のみを、複数の別個の冷却チャネルに割り当てることができる。
【0121】
冷却装置(図示せず)の別の実施形態では、冷却チャネルは、カートリッジを形成するカートリッジ壁71とカートリッジ収容ユニットの内壁との間、したがってカートリッジ収容ユニットの内部に設計されることが可能で、したがって外側からリング状にカートリッジを囲み得る。
【0122】
投与材料は、第1の温度制御装置2によって、(第1の)特定の(目標)温度まで、供給チャネル80への入口まで実質的に投与材料カートリッジ70全体において制御され得る。
【0123】
投与システム1は、供給チャネル80に割り当てられている第2の温度制御装置2’を備える。供給チャネル80は、たとえば、実質的に円形の断面を有することができる。第2の温度制御装置2’はまた、(別個に作動可能な)冷却装置3’および加熱装置(図示せず)を備える。冷却装置3’は、「冷却要素」82、ここでは冷却チャネル82を備え、これは、供給チャネル80の壁81に配置されている。冷却チャネル82は、供給チャネル80全体の周りにらせん状に巻かれている。これは、ここでの(カートリッジ70に続く)垂直のサブセクションおよび供給チャネル80の続く水平のサブセクションの両方が、特にそれぞれのサブセクションにおける投与材料が、冷却装置3’と動作可能に接触していることを意味している。
【0124】
予冷された冷却媒体を冷却チャネル82に供給するために、「冷却要素」82は、(カートリッジ収容装置72の供給開口部75に対して)別個に設計された予冷された冷却媒体のための供給開口部83を備え、これは、短い(水平の)接続チャネルによって実際の冷却チャネル82に接続されている。冷却チャネル82は、冷却媒体を冷却チャネル82から排出するための排出開口部84まで伸長する。
【0125】
ここに示されているものとは対照的に、第2の温度制御装置はまた、複数の別個に構成された冷却チャネルを備えることができる。個々の冷却チャネルは各々、別個の供給開口部または排出開口部を備え得るか、または1つの共通の(「中央」)供給または排出開口部のみによって連結され得る。たとえば、冷却チャネルはまた、供給チャネルから離れて流体ユニット内に配置されることが可能であって、すなわち、それぞれの冷却チャネルは、供給チャネルの壁内を直接走らない。
【0126】
代替的に、単一の冷却チャネルはまた、(供給チャネルの断面を考慮に入れるときに)外側からリング状に供給チャネルを囲み、そのコースに沿って延在するように構成され得る。
【0127】
前述のように、第2の温度制御装置2’は、ハウジング11のフレーム部分45に配置され、加熱接続ケーブル87によって作動させることができる加熱装置(図示せず)を備える。投与材料は、第2の温度制御装置2’によって実質的に供給チャネル80全体において(第2の)(目標)温度まで制御することができる。
【0128】
投与システム1の第3の温度制御装置2’’は、投与材料をノズル40内のノズルチャンバ42において(第3の)(目標)温度まで制御するためにノズル40に割り当てられ、ノズルチャンバ42は、供給チャネル80に直接接続される。この第3の温度制御装置2’’は、加熱要素85’’によってここで実装される加熱装置4’’を備える。加熱要素85は、たとえば、ノズルチャンバ42を外側に、またはハウジング11に対して制限するために、環状の加熱要素85として構成することができる。しかし、加熱要素85はハウジング11自体にも配置され得る。第3の温度制御装置2’’はさらに、冷却装置3’’(ここでは図示せず)を備えることができる。
【0129】
ここに示される実施形態では、それぞれの温度制御装置2、2’、2’’は、たとえば、投与材料カートリッジ70がハウジング11に連結されてからノズル40から排出されるまでの時間、投与材料を供給からそれぞれの具体的な(目標)温度まで連続的に制御するために、投与システム1において構成され、配置される。これは、それぞれの温度制御装置2、2’、2’’に割り当てられた温度ゾーンが互いに直接隣接していることを意味している。これは特に
図2で明確になる。
【0130】
図2は、本発明の別の実施形態による投与システムの部品を示している。ここでの投与システム1は、3つの温度ゾーン6、6’、6’’を含む。第1の温度ゾーン6は投与材料リザーバ70に割り当てられ、ここで、第1の温度ゾーン6は投与材料リザーバ70を完全に包含する。ここに示されているものとは対照的に、投与材料リザーバ70はまたより大きく構成され得る。投与材料リザーバ70内の投与材料の略すべては、割り当てられた温度制御装置2または冷却装置3によって制御することができる。冷却装置3は、
図1に示されるものに実質的に対応し、カートリッジ収容ユニット72の壁に配置され、カートリッジ70をらせん状に囲む冷却チャネル73を備える。しかし、冷却媒体用の供給装置は、ここでは、カートリッジ収容ユニット72のカバーの領域に配置され、短い(垂直の)接続チャネルによって実際の冷却チャネル73に接続されている。
【0131】
投与材料リザーバ70に割り当てられた第1の温度ゾーン6は、温度ゾーン境界8の領域において供給チャネル80に割り当てられた第2の温度ゾーン6’に直接隣接している。第2の温度ゾーン6’に割り当てられた温度制御装置2’は、実質的に供給チャネル80内の投与材料全体を制御するように構成されている。投与材料は供給チャネル80を通ってRD方向に流れる。
【0132】
第2の温度制御装置2’は、
図1の(供給チャネルに割り当てられた)第2の冷却装置3’の構造に対応する冷却装置3’を備え、したがって、ここではより詳細に説明されない。しかし、
図1とは対照的に、ここでは、連結点83は、流れ方向RMで予冷された冷却媒体を冷却チャネル82に供給するために、外部冷却媒体供給ライン97’に連結される。
【0133】
第2の温度ゾーン6’に割り当てられた温度制御装置2’は、ここでは供給チャネル80の上に配置されている、加熱カートリッジ85を有する加熱装置4’をさらに備える。
【0134】
第2の温度ゾーン6’は、さらなる温度ゾーン境界8’の領域においてノズル40に割り当てられた第3の温度ゾーン6’’に直接隣接している。RDの方向に流れる投与材料がこの温度ゾーン境界8’を通過するとすぐに、したがってノズルチャンバ42に入るとすぐに、投与材料は、ノズルに割り当てられた第3の温度制御装置2’’によって制御され、たとえば、投与材料に固有の処理温度に加熱される。本発明の本実施形態によれば、投与システムにおける投与材料の継続的な「隙間のない」制御が可能である。
【0135】
図3は、本発明のさらなる実施形態による流体ユニットのサブセクションを示す。ここでは、冷却装置3’および加熱装置4’を有する温度制御装置2’が供給チャネル80に割り当てられる。
【0136】
図1および2とは対照的に、冷却装置3’は、ここでは、供給チャネル80の2つの対向する側に伸長する2つの別個に設計された冷却チャネル82’、82’’を備える。
図3の上面視では、第1の冷却チャネル82’は、供給チャネル80の左または下に壁81内を走り、第2の冷却チャネル82’’は、供給チャネル80の右または上に壁81内を走っている。冷却チャネルは共通の供給開口部を源とし得る。したがって、
図1とは対照的に、冷却チャネル82’、82’’は、ここでは、供給チャネル80をらせん状に囲まないが、実質的に供給チャネル80に沿って(ねじれることなく)直線に伸びている。
【0137】
冷却装置3’と直接動作可能に接触していない(2つの冷却チャネル82’、82’’間の)供給チャネル80の壁81の領域は、少なくとも部分的に加熱装置4’によって囲まれている。加熱装置4’、ここではいくつかの加熱ワイヤ86’は、外側から壁81上に直接支持され、したがって、標的化方法で供給チャネル80内の投与材料に熱を供給することができる。
【0138】
供給チャネル80はさらに、壁81の内側の異なる領域に配置されている4つの温度センサ88’を備える。温度センサ88’は、温度を制御するための入力パラメータとして投与システムの異なる領域における投与材料の温度を投与システムの制御ユニット(
図6を参照)に供給することができる。
【0139】
図3では、(投与システムの他の温度制御装置と同様に)温度制御装置2’が温度を同時に制御する(「重複調整」)に関連して、割り当てられた温度ゾーンで投与材料を冷却し、また加熱するように構成されていることが特に明らかである。
【0140】
図4は、本発明のさらなる実施形態による流体ユニットを示す。
図3とは対照的に、供給チャネル80に割り当てられた温度制御装置2’は、ここでは、(上面視で)供給チャネル80の左側または下に走る1つの冷却チャネル82’のみを有する冷却装置3’を備える。
【0141】
温度制御装置2’の加熱装置4’は、別個の加熱接続ケーブル87によって制御ユニットに連結されている、いくつかの別個に作動可能な加熱カートリッジ85を備える。加熱カートリッジ85は、一方では、供給チャネル80に直接近接して配置され、たとえば、壁81(ここでは供給チャネル80の上の領域)に直接隣接することができる。他方では、加熱カートリッジ85はまた、供給チャネル80から離れてフレーム部分45内に配置することができ、ここで冷却チャネル82’は、加熱カートリッジ85と供給チャネル80との間を走ることができる。
【0142】
図5は、本発明のさらなる実施形態による流体ユニットを示す。
図1~4とは対照的に、冷却装置3’は、ここでは、流動する、予冷された冷却流体を含まず、代わりに、流体ユニット30に統合された固定冷熱源(ここではペルチェ素子99)を含む。ペルチェ素子99は、ここでは、供給チャネル80の壁81に直接配置される。ペルチェ素子99は、冷却能力を制御するように接続ケーブル89を用いて制御ユニットによって作動させることができる。
【0143】
ペルチェ素子99は、一方では、供給チャネル80内の投与材料を能動的に冷却するために使用することができる。他方では、同じペルチェ素子99は、供給チャネル80内の投与材料を加熱するために使用することもできる。ペルチェ素子99内の電流は、ペルチェ素子99の反対側が加熱されている間、ペルチェ素子99の領域または側面を(能動的に)冷却する効果を有している。したがって、ペルチェ素子99は低温側と高温側を形成する。
【0144】
要件に応じて、ペルチェ素子99を流れる電流の方向は、ペルチェ素子99の片側、たとえば、供給チャネル80に面する側が冷却または加熱されるように、選択することができる。したがって、供給チャネル80内の投与材料は、必要に応じて、1つのペルチェ素子99だけで冷却または加熱さえすることができる。したがって、ペルチェ素子99は、冷熱源または加熱装置のいずれかとして動作させることができる。それに対応して、ペルチェ素子99の異なる動作モードにより、別個の加熱装置を原則として省くことができる。
【0145】
ペルチェ素子99による投与材料の特に効果的な冷却のために、ペルチェ素子99は、好ましくは、ペルチェ素子99の動作中に生成された熱が、ペルチェ素子99から可能な限り効果的に放散され得るように、流体ユニット30内に配置され得る。この目的のために、ペルチェ素子99の「熱を生成する」側(ここでは、供給チャネル80から離れた方向を指し示す側)は、たとえば、投与システムの外側からの圧縮室内空気の流れを受けることができる。
【0146】
ペルチェ素子99の異なる動作モードにもかかわらず、温度制御装置2’は、ここでは、(供給チャネル80の上面視において)供給チャネル80のペルチェ素子99に対向する側に配置されている別個の加熱カートリッジ85を備える。2つの「制御構成要素」85、99は、供給チャネル80内の投与材料の流れ方向RDに基づいて、ここでは「オフセット」に配置されている。
図5に示されるケースでは、供給チャネル80がノズルに開く直前の領域における供給チャネル80が示され得る。ペルチェ要素99によって、たとえば、一方で、たとえばペルチェ要素99の右端に到達するまで、供給チャネル80の画定された領域まで投与材料を冷却することが可能である。
【0147】
ノズル(図示せず)内の投与材料は、典型的に、処理温度まで加熱されるため、ノズルの直前の供給チャネル80の領域にすでにある投与材料の冷却を終了し、代わりに、たとえば、加熱カートリッジ85による投与材料の「事前制御」を開始することに利点があり得る。それに対応して、ここに示されるように、温度制御装置2’は、投与材料の冷却のみが温度ゾーンの第1のサブ領域で行われ、投与材料の純粋な加熱が第2のサブ領域(ここでは「下流の」温度ゾーン)で行われる場合がある。
【0148】
図6は、投与システムの実施形態による温度制御システム7の構造を概略的に示す。
【0149】
制御ユニット50は、冷却媒体が具体的な(第1の)温度まで冷却されるように、投与システム1の少なくとも1つの入力パラメータに応じて、冷熱源95、たとえば、圧縮冷凍機95を作動させる。冷却媒体、たとえば、圧縮室内空気は、圧縮空気供給90によって冷凍機95に供給される。冷凍機95から出る冷却媒体は、投与システム1の周囲温度よりも低い温度にすでに冷却されており、適切な絶縁ラインによって2つの(平行する)下流のボルテックスチューブ93、93’に到達する。
【0150】
2つのボルテックスチューブ93、93’は、標的化方法で事前に制御された冷却媒体を最終(目標)温度まで冷却するように構成されている。2つのボルテックスチューブ93、93’は、冷却媒体を異なる(目標)温度まで冷却するために、制御ユニット50によって別々に作動させることができる。
【0151】
冷却能力を調整するために、2つのボルテックスチューブ93、93’の各々は、それぞれのボルテックスチューブ93、93’の熱風出口HAWの領域に制御可能な調整弁94、94’を備える。冷却された冷却媒体(「冷気成分」)の温度および(体積)流量の両方は、調整弁94、94’によって調整することができる。原則として、調整弁94、94’を開くと、それぞれのボルテックスチューブ93、93’から出てくる冷却された空気の流量および温度が低下する。冷却された冷却媒体は、ボルテックスチューブ93、93’の冷気出口でRM方向にそれぞれのボルテックスチューブ93、93’を出る。それぞれのボルテックスチューブ93、93’の「熱風成分」は、それぞれの熱風出口HAWによってボルテックスチューブ93、93’から引き離される。ボルテックスチューブ93、93’に入る冷却媒体のそれぞれの体積流量を調整するために、別個の比例弁92、92’をそれぞれのボルテックスチューブ93、93’の上流に接続することができ、比例弁は制御ユニット50によって作動させることができる。
【0152】
ここに示される温度制御システム7の実施形態では、第1の(ここでは左側の)ボルテックスチューブ93の予冷された冷却媒体は、投与材料カートリッジ70に割り当てられた温度ゾーンの温度を制御するために使用される。冷却媒体は、一方ではボルテックスチューブ93に連結され、他方ではカートリッジ収容ユニット72の連結点に連結される冷却媒体供給ライン97によってカートリッジ70内の投与材料を冷却するための冷却チャネル73に入る。冷却媒体は、投与システムの熱風出口HADの領域内の冷却媒体排出ライン98によって冷却チャネル73を出る。ここではボルテックスチューブ93と冷却チャネル73との間に、随意に、制御可能な減圧器96が設けられる。
【0153】
第2の(ここでは右側の)ボルテックスチューブ93’から出てくる冷却媒体は、流体ユニット30の供給チャネル(図示せず)に割り当てられた温度ゾーンを制御するために提供される。冷却媒体は、別個の冷却媒体供給ライン97’によって供給チャネルに入って冷却チャネル82まで進み、投与材料を冷却する。ここでも、ボルテックスチューブ93’と冷却チャネル82との間に随意の減圧器96’が設けられる。別個に動作される(第2の)ボルテックスチューブ93’により、供給チャネル内の投与材料は、カートリッジ70内の投与材料とは異なる、好ましくはより高い(目標)温度に制御することができる。冷却媒体は、別個の冷却媒体排出ライン98’によって冷却チャネル82を出る。
【0154】
図6では、冷熱圧縮システム95は、投与システム1の2つの冷却装置3、3’と相互作用する。ここに示されているケースでは、カートリッジ70または供給チャネル内の投与材料を冷却するためのそれぞれの冷却装置3、3’は、各々が冷熱圧縮システム95に別々に連結されている別個のサブ冷却回路3、3’によって実装される。これは、投与材料リザーバ70に割り当てられた冷却装置3および供給チャネルに割り当てられた冷却装置3’が、冷熱圧縮システム95によって提供された冷気を一緒に使用することを意味している。
【0155】
投与材料リザーバ70に割り当てられた冷却装置3は、冷却チャネル73に加えて、冷却媒体供給ライン97およびそのような供給部97のための連結点、また別個のボルテックスチューブ93を含む。さらに、サブ冷却回路3は、前述のように、提供された冷気を使用するために冷熱圧縮システム95に連結されている。対応する方法で、供給チャネルに割り当てられた冷却装置3’はまた、冷却チャネル82、冷却媒体供給ライン97’を有する連結点、およびそれ自体のボルテックスチューブ93’を含み、また冷熱圧縮システム95に(別々に)連結される。
【0156】
2つのサブ冷却回路3、3’を別々に動作させることができるように、したがって、それぞれ割り当てられた温度ゾーンの冷却を別々に決定することができるように、それぞれのサブ冷却回路3、3’内の冷却媒体の体積流量は、割り当てられた比例弁92、92’によって制御ユニット50によって制御することができ、および/またはそれぞれのサブ冷却回路3、3’内の冷却媒体の温度は、それぞれのボルテックスチューブ93、93’の調整弁94、94’を用いて制御ユニット50によって制御することができる。ここに示される実施形態では、2つの冷却装置3、3’の各々は、2つの異なる冷熱源95、93および95、93’を備える。したがって、これは複数部分の冷熱源である。
【0157】
可能な限り安定しており、特に故障の影響を受けにくいそれぞれの温度ゾーンの制御を達成するために、投与材料リザーバ70に割り当てられた温度制御装置2および供給チャネルに割り当てられた温度制御装置2’は各々、ここではそれぞれの加熱ワイヤ86、86’によって実装されている別個の加熱装置4、4’を備える。制御ユニット50による作動に応じて、カートリッジ70および/または供給チャネル内の投与材料は、「重複調整」の概念を使用して制御することができる。
【0158】
ノズル40に割り当てられた温度制御装置2’’はまた、ノズル40内の投与材料を処理温度まで加熱するために、ここでは加熱ワイヤ86’’の形態で加熱装置4’’を備える。異なる温度制御装置2、2’、2’’の個々の加熱装置4、4’、4’’は、加熱接続ケーブル87を用いて制御ユニット50によって別々に作動させることができる。
【0159】
投与システム1は、カートリッジ70および供給チャネル内の投与材料の温度を検出するために、いくつかの温度センサ88、88’をさらに備える。ここに示されているものとは対照的に、いくつかの温度センサは、ノズル40またはノズルチャンバに割り当てられ得る。対応する測定データは、温度センサ接続ケーブル52によって入力パラメータとして制御ユニット50に別々に供給される。
【0160】
これらのまたはさらなる入力パラメータに応じて、制御ユニット50は、異なる温度ゾーンで投与材料の最も利点のある考えられ得る制御を実行するために、投与システムの温度管理を計算または実行することができる。この目的のために、制御ユニット50は、対応する制御信号を使用して、冷熱圧縮システム95、それぞれの比例弁92、92’、それぞれのボルテックスチューブ93、93’または調整弁94、94’、それぞれの減圧器96、96’、それぞれの加熱装置4、4’、4’’、および随意にさらなる構成要素に作用することができる。
【0161】
上記のアクチュエータ、したがって、制御可能な圧縮冷凍機95、比例弁92、92’、減圧器96、96’、および制御可能な調整弁94、94’は、個別にまたは追加して使用することができる。したがって、基本的な温度制御システム7の示されている配置は、個々の構成要素のそれらの機能を説明するために、ほぼ最大の拡張段階を示している。
【0162】
最後に、上記で詳細に説明された投与システムが、本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって最も多様な方法で変更され得る実施形態にすぎないことが再度指摘される。たとえば、単一の冷却装置はまた、複数のボルテックスチューブを備えることができる。代替的または追加的に、冷却装置はまた、複数の冷熱圧縮区間を含むことができる。さらに、不定冠詞「a」または「an」の使用は、関連する特徴が複数回存在する可能性を排除するものではない。
【符号の説明】
【0163】
1 投与システム
2、2’、2’’ 温度制御装置
3、3’、3’’ 冷却装置
4、4’、4’’ 加熱装置
5 投与装置
6、6’、6’’ 温度ゾーン
7 温度制御システム
8、8’ 温度ゾーン境界
10 アクチュエータユニット
11 ハウジング
11a (第1の)ハウジング部分
11b (第2の)ハウジング部分
12 アクチュエータチャンバ
13 作用チャンバ
14 移動機構
15 ブレークスルー
16 レバー
17 レバー接触面
18 レバーベアリング
19 アクチュエータスプリング
20 圧力片
21 供給開口部/アクチュエータチャンバ
22 排出開口部/アクチュエータチャンバ
23 固定ねじ
30 流体ユニット
31 タペット
32 タペット先端
33 タペットヘッド
34 タペット接触面
35 タペットスプリング
36 タペットシール
37 タペットベアリング
40 ノズル
41 ノズル開口部
42 ノズルチャンバ
43 密閉シート
44 連結点/ハウジング
45 フレーム部分
50 制御ユニット
51 制御ケーブル
52 温度センサ接続ケーブル
60 ピエゾアクチュエータ
61 接触ピン
62 アクチュエータ制御接続部
70 投与材料カートリッジ
71 カートリッジ壁
72 カートリッジ収容ユニット
73 冷却チャンネル/カートリッジ
74 カートリッジ収容ユニットの壁
75 供給開口部/カートリッジ
76 排出開口部/カートリッジ
77 連結点/カートリッジ
80 供給チャネル
81 供給チャネル壁
82、82’、82’’ 冷却チャネル/供給チャネル
83 供給開口部/供給チャネル
84 排出開口部/供給チャネル
85 加熱カートリッジ
86、86’、86’’ 加熱ワイヤ
87 加熱接続ケーブル
88、88’ 温度センサ
89 ペルチェ素子接続ケーブル
90 圧縮空気供給
92、92’ 比例弁
93、93’ ボルテックスチューブ
94、94’ バルブボルテックスチューブ
95 冷熱圧縮システム
96、96’ 減圧器
97、97’ 冷却媒体供給ライン
98、98’ 冷却媒体排出ライン
99 ペルチェ素子
HAW 熱風出口ボルテックスチューブ
HAD 熱風出口投与システム
K 傾斜軸
R 排出方向
RD 投与材料の流れ方向
RM 冷却媒体の流れ方向