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特許7482873IL-17調節剤としてのベンズイミダゾロン誘導体及びその類似体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】IL-17調節剤としてのベンズイミダゾロン誘導体及びその類似体
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20240507BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20240507BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240507BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
C07D413/14 CSP
A61K31/422
A61P29/00
A61P37/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021533176
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2019082774
(87)【国際公開番号】W WO2020120140
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】1820165.7
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514232085
【氏名又は名称】ユーシービー バイオファルマ エスアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルコント、ファビアン クロード
(72)【発明者】
【氏名】セルビー、マシュー ダンカン
【審査官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-513088(JP,A)
【文献】特表2007-507470(JP,A)
【文献】特表2006-503033(JP,A)
【文献】国際公開第2011/021678(WO,A1)
【文献】特表2021-535104(JP,A)
【文献】特開昭51-143696(JP,A)
【文献】国際公開第2017/103670(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/060693(WO,A1)
【文献】特表2020-523418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I
【化1】

(式中、
Aは、オキセタニル又はテトラヒドロピラニルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、C1~6アルキル、オキソ及びイミノからなる群から独立して選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されてもよく、
Bは、C-Rを表し、
Dは、C-Rを表し、
Eは、C-Rを表し、
Xは、O又はSを表し、
は、水素又はC1~6アルキルを表し、
は、水素、又はハロゲンを表し、
は、水素、又はハロゲンを表し、
は、水素を表し、
は、C3~9シクロアルキルを表し、この基が、任意選択で、ハロゲン、シアノ、C1~6アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ及びアミノカルボニルからなる群から独立して選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されてもよく、並びに
は、ヘテロアリールを表し、この基が、任意選択で、C1~6アルキルから独立して選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されてもよい)の化合物、又は医薬として許容できるその塩。
【請求項2】
式(IIA)
【化2】

(式中、
Wが、Oを表し、
、R、R、R、及びRが、請求項1で定義されている通りである)により表される請求項1に記載の化合物、又は医薬として許容できるその塩。
【請求項3】
式(IIB)
【化3】

(式中、
、R、R、R、及びRが、請求項1で定義されている通りであり、かつ
Wが、請求項2で定義されている通りである)により表される請求項1に記載の化合物、又は医薬として許容できるその塩。
【請求項4】
次の
N-(1-シクロオクチル-2-{[1-(オキセタン-3-イル)-2-オキソ-3H-ベンゾイミダゾール-5-イル]アミノ}-2-オキソエチル)-3-メチルイソオキサゾール-4-カルボキサミド、及び
N-(1-シクロオクチル-2-オキソ-2-{[2-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-アミノ}エチル)-3-メチルイソオキサゾール-4-カルボキサミド
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の式(IA)の化合物、又は医薬として許容できるその塩を、医薬として許容できる担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項6】
追加の医薬活性成分をさらに含む、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
炎症又は自己免疫障害の処置及び/又は予防に使用するための、請求項5又は6に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘテロ環式化合物、及び治療におけるその使用に関する。より詳細には、本発明は、薬理学的に活性なベンズイミダゾール誘導体、及びその類似体に関わる。これらの化合物は、IL-17活性の調節剤として作用し、したがって、有害な炎症及び自己免疫障害を含む、病理学的状態を処置及び/又は予防する医薬品として利益になる。
【背景技術】
【0002】
IL-17A(元々CTLA-8と名付けられ、IL-17としても公知)は、炎症性サイトカインであり、IL-17ファミリー規定時のメンバーである(Rouvierら、J.Immunol.、1993年、150、5445~5456頁)。続いて、ファミリーの追加メンバー5種(IL-17BからIL-17F)が同定されており、これには、IL-17Aとおよそ55%のアミノ酸配列相同性を共有する、最も近縁なIL-17F(ML-1)が含まれる(Moseleyら、サイトカイン成長因子Rev.(Cytokine Growth Factor Rev.)、2003年、14、155~174頁)。IL-17A及びIL-17Fは、Tヘルパー細胞の最近定義された自己免疫関連サブセットであるTh17によって発現され、これは、IL-21及びIL-22といったシグネチャーサイトカインも発現する(Kornら、Ann.Rev.Immunol.、2009年、27、485~517頁)。IL-17A及びIL-17Fは、ホモ二量体として発現するが、IL-17A/Fヘテロ二量体としても発現し得る(Wrightら、J.Immunol.、2008年、181、2799~2805頁)。IL-17A及びFは、受容体IL-17R、IL-17RC又はIL-17RA/RC受容体複合体を介してシグナル伝達する(Gaffen、サイトカイン(Cytokine)、2008年、43、402~407)。IL-17A及びIL-17Fのいずれも、いくつかの自己免疫性疾患に関連している。
【0003】
ヒトIL-17活性の有力な調節剤である本発明による化合物は、したがって、炎症及び自己免疫障害を含む、様々なヒトの病気の処置及び/又は予防に有益である。
【0004】
さらに、本発明による化合物は、新たな生物学的テストの開発、及び新たな薬剤の調査に使用する薬理学的標準として有益になり得る。したがって、本発明の化合物は、薬理活性化合物を検出するアッセイにおける放射性リガンドとして有用になり得る。
【0005】
WO2013/116682及びWO2014/066726は、IL-17の活性を調節し、炎症性疾患を含む医学的状態の処置に有用であると述べられている、別の分類の化合物に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
同時係属中の国際特許出願PCT/EP2018/065558(2018年12月20日にWO2018/229079として公開された)は、ヒトIL-17活性の強力な調節剤であり、したがって、炎症及び自己免疫障害を含むヒトの病気の処置に有益であるスピロ環式オキソインドリン誘導体及びその類似体について記載している。
【0007】
同時係属中の国際特許出願PCT/EP2019/050594(2019年7月18日にWO2019/138017として公開された)は、ヒトIL-17活性の強力な調節剤であり、したがって、炎症及び自己免疫障害を含むヒトの病気の処置に有効なベンズイミダゾール誘導体及びその類似体を含む置換縮合二環式イミダゾール誘導体について記載している。
【0008】
しかし、今日利用できる従来技術に、本発明により提供されるベンズイミダゾール誘導体及びその類似体と全く同じ構造分類を開示又は示唆するものはない。
【0009】
本発明は、式(I)
【化1】

(式中、
Aは、C3~9シクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル又はC4~9ヘテロビシクロアルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
Bは、C-R又はNを表し、
Dは、C-R又はNを表し、
Eは、C-R又はNを表し、
Xは、O又はSを表し
は、水素又はC1~6アルキルを表し、
は、-COR若しくは-SOを表し、又はRは、C1~6アルキル、C3~9シクロアルキル、C3~9シクロアルキル(C1~6)アルキル、C5~9スピロシクロアルキル(C1~6)アルキル、アリール、アリール(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロアリール(C1~6)アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルスルフィニル又はC1~6アルキルスルホニルを表し、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルスルフィニル又はC1~6アルキルスルホニルを表し、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルスルフィニル又はC1~6アルキルスルホニルを表し、
は、水素を表し、又はRは、C1~6アルキル、C2~7アルケニル、C3~9シクロアルキル、C3~9シクロアルキル(C1~6)アルキル、C3~9シクロアルキリデニル(C1~6)アルキル、C4~9ビシクロアルキル(C1~6)アルキル、C4~9ビシクロアルキリデニル(C1~6)アルキル、C5~9スピロシクロアルキル(C1~6)アルキル、C9~11トリシクロアルキル(C1~6)アルキル、アリール、アリール(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキリデニル(C1~6)アルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロアリール(C1~6)アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
は、C1~6アルキル、C2~7アルケニル、C3~9シクロアルキル、C3~9シクロアルキル(C1~6)アルキル、C3~9シクロアルキリデニル(C1~6)アルキル、C4~9ビシクロアルキル(C1~6)アルキル、C4~9ビシクロアルキリデニル(C1~6)アルキル、C5~9スピロシクロアルキル(C1~6)アルキル、C9~11トリシクロアルキル(C1~6)アルキル、アリール、アリール(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキリデニル(C1~6)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C1~6)アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩を提供する。
【0010】
本発明は、治療に使用するための、上で定義されている式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩も提供する。
【0011】
本発明は、IL-17機能の調節剤の投与が指示される障害の処置及び/又は予防に使用するための、上で定義されている式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩も提供する。
【0012】
本発明は、IL-17機能の調節剤の投与が指示される障害を処置及び/又は予防する医薬を製造するための、上で定義されている式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩の使用も提供する。
【0013】
本発明は、IL-17機能の調節剤の投与が指示される障害を処置及び/又は予防するための方法であって、そのような処置を必要とする患者に、有効量の上で定義されている式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩を投与するステップを含む方法も提供する。
【0014】
上記式(I)の化合物における基のいずれかが、任意選択で置換されていると述べられている場合、この基は、非置換であり得る、又は1個若しくは複数の置換基により置換され得る。典型的には、そのような基は、非置換である、又は1、2若しくは3個の置換基により置換されている。適切には、そのような基は、非置換である、又は1、若しくは2個の置換基により置換されている。
【0015】
薬における使用では、式(I)の化合物の塩は、医薬として許容できる塩である。しかし、他の塩も、式(I)の化合物、又はその医薬として許容できる塩の調製に有用になり得る。医薬として許容できる塩の選択及び調製の基礎をなす標準的原理は、例えば、医薬塩のハンドブック:特性、選択及び使用(Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use)、P.H.Stahl&C.G.Wermuth編、Wiley-VCH、2002年に記載されている。式(I)の化合物の適切な医薬として許容できる塩は、例えば、式(I)の化合物の溶液と医薬として許容できる酸の溶液を混合することにより形成され得る酸付加塩を含む。
【0016】
本発明は、上記式(I)の化合物の共結晶もその範囲内に含む。技術用語「共結晶」は、中性分子成分が結晶性化合物内に、限定的な理論混合比で存在する状況を説明するために使用される。医薬的共結晶を調製することで、結晶形態の有効成分の修飾が可能になり、続いて、意図されている生物学的活性を損なわずに、その物理化学的性質を変えることができる(医薬塩及び共結晶(Pharmaceutical Salts and Co-crystals)、J.Wouters&L.Quere編、RSC Publishing、2012年を参照されたい)。
【0017】
本発明における使用の、化合物に存在し得る適切なアルキル基は、直鎖及び分岐鎖C1~6アルキル基、例えばC1~4アルキル基を含む。典型的な例は、メチル及びエチル基、並びに直鎖又は分岐鎖プロピル、ブチル及びペンチル基を含む。詳細なアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2,2-ジメチルプロピル及び3-メチルブチルを含む。派生表現、例えば「C1~6アルコキシ」、「C1~6アルキルチオ」、「C1~6アルキルスルホニル」及び「C1~6アルキルアミノ」は、それに応じて解釈すべきである。
【0018】
本発明における使用の、化合物に存在し得る適切なアルケニル基は、直鎖及び分岐鎖C2~7アルケニル基、例えばC2~4アルケニル基を含む。典型的な例は、ビニル、アリル及びブテン-1-イルを含む。
【0019】
本明細書で使用されている「C3~9シクロアルキル」という用語は、飽和単環式炭化水素に由来する3から9個の炭素原子の一価基を指し、そのベンゾ-縮合類似体を含み得る。適切なC3~9シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、ベンゾシクロブテニル、シクロペンチル、インダニル、シクロヘキシル、テトラヒドロナフタレニル、シクロヘプチル、ベンゾシクロヘプテニル、シクロオクチル及びシクロノナニルを含む。
【0020】
本明細書で使用されている「C3~9シクロアルキリデニル」という用語は、飽和単環式炭化水素に由来する3から9個の炭素原子の一価基を指し、任意選択で、C=C二重結合を介して分子の残りに結合したそのベンゾ-縮合類似体を含む。典型的には、そのような基は、シクロブチリデニル、シクロペンチリデニル、シクロヘキシリデニル、シクロヘプチリデニル、シクロオクチリデニル及びシクロノナニリデニルを含む。
【0021】
本明細書で使用されている「C4~9ビシクロアルキル」という用語は、飽和二環式炭化水素に由来する4から9個の炭素原子の一価基を指す。典型的なビシクロアルキル基は、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[3.3.0]オクタニル及びビシクロ[3.2.1]オクタニルを含む。
【0022】
本明細書で使用されている「C4~9ビシクロアルキリデニル」という用語は、C=C二重結合を介して分子の残りに結合した飽和二環式炭化水素に由来する4から9個の炭素原子の一価基を指す。典型的には、そのような基は、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニリデニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニリデニル及びビシクロ[3.2.1]オクタニリデニルを含む。
【0023】
本明細書で使用されている「C5~9スピロシクロアルキル」という用語は、5から9個の炭素原子を含有し、2つの環が共通の原子により連結している飽和二環式環系を指す。適切なスピロシクロアルキル基は、スピロ[2.3]ヘキサニル、スピロ[2.4]ヘプタニル、スピロ[3.3]ヘプタニル、スピロ[3.4]オクタニル、スピロ[3.5]ノナニル及びスピロ[4.4]ノナニルを含む。
【0024】
本明細書で使用されている「C9~11トリシクロアルキル」という用語は、飽和三環式炭化水素に由来する9から11個の炭素原子の一価基を指す。典型的なトリシクロアルキル基は、アダマンタニルを含む。
【0025】
本明細書で使用されている「アリール」という用語は、単一の芳香族環又は複数の縮合芳香族環に由来する一価の炭素環式芳香族基を指す。適切なアリール基は、フェニル及びナフチル、好ましくはフェニルを含む。
【0026】
適切なアリール(C1~6)アルキル基は、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びナフチルメチルを含む。
【0027】
本明細書で使用されている「C3~7ヘテロシクロアルキル」という用語は、3から7個の炭素原子、並びに酸素、硫黄及び窒素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和単環式環を指し、そのベンゾ-縮合類似体を含み得る。適切なヘテロシクロアルキル基は、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ピロリジニル、インドリニル、イソインドリニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロピラニル、クロマニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、ピペラジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリニル、ヘキサヒドロ-[1,2,5]チアジアゾロ[2,3-α]ピラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ベンゾオキサジニル、チオモルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、チアジアゼパニル及びアゾカニルを含む。
【0028】
本明細書で使用されている「C3~7ヘテロシクロアルキリデニル」という用語は、3から7個の炭素原子、並びに酸素、硫黄及び窒素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、C=C二重結合を介して分子の残りに結合した飽和単環式環を指す。典型的には、そのような基は、テトラヒドロピラニリデニル及びピペリジニリデニルを含む。
【0029】
本明細書で使用されている「C4~9ヘテロビシクロアルキル」という用語は、1個又は複数の炭素原子が、酸素、硫黄及び窒素から選択される1個又は複数のヘテロ原子により置き換えられているC4~9ビシクロアルキルに相当する。典型的なヘテロビシクロアルキル基は、6-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、6-オキサビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタニル、キヌクリジニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタニル、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナニル、3-オキサ-7-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル及び3,9-ジアザビシクロ[4.2.1]ノナニルを含む。
【0030】
本明細書で使用されている「ヘテロアリール」という用語は、単環又は複数の縮合環に由来する少なくとも5個の原子を含有し、1個又は複数の炭素原子が、酸素、硫黄及び窒素から選択される1個又は複数のヘテロ原子により置き換えられている一価芳香族基を指す。適切なヘテロアリール基は、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チエノ[2,3-c]ピラゾリル、チエノ[3,4-b][1,4]ジオキシニル、ジベンゾチエニル、ピロリル、インドリル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピロロ[3,2-c]ピリジニル、ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ピラゾリル、ピラゾロ[1,5-α]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピラゾロ[1,5-α]ピラジニル、インダゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロインダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[2,1-b]チアゾリル、イミダゾ[1,2-α]ピリジニル、イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、プリニル、イミダゾ[1,2-α]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-α]ピラジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-α]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、シンノリニル、フタラジニル、ピリミジニル、キナゾリニル、ピラジニル、キノキサリニル、プテリジニル、トリアジニル及びクロメニル基を含む。
【0031】
本明細書で使用されている「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子、典型的にはフッ素、塩素又は臭素を含むよう意図されている。
【0032】
式(I)の化合物が、1つ又は複数の不斉中心を有する場合、これらは、それに応じて鏡像異性体として存在し得る。本発明による化合物が、2つ以上の不斉中心を所有する場合、これらは、ジアステレオ異性体としてさらに存在し得る。本発明が、そのような鏡像異性体及びジアステレオ異性体すべて、並びに、ラセミ化合物を含む、ある比率のそれらの混合物の使用にまで及ぶことは理解されるべきである。式(I)及び以後に描写されている式は、特に規定されていない限り、又は示されていない限り、個々の立体異性体すべて及び考えられるそれらの混合物すべてを表すよう意図されている。さらに、式(I)の化合物は、互変異性体、例えばケト(CHC=O)⇔エノール(CH=CHOH)互変異性体、又はアミド(NHC=O)⇔ヒドロキシイミン(N=COH)互変異性体として存在し得る。式(I)及び以後に描写されている式は、特に規定されていない限り、又は示されていない限り、個々の互変異性体すべて及び考えられるそれらの混合物すべてを表すよう意図されている。
【0033】
式(I)に、又は以後に描写されている式に存在する個々の原子それぞれは、実際に、天然に存在する同位体のいずれかの形態で存在し得、最も多量の同位体(複数可)が好ましいことは理解されるべきである。したがって、例として、式(I)に、又は以後に描写されている式に存在する個々の水素原子それぞれは、H、H(重水素)又はH(三重水素)原子、好ましくはHとして存在し得る。同様に、例として、式(I)に、又は以後に描写されている式に存在する個々の炭素原子それぞれは、12C、13C又は14C原子、好ましくは12Cとして存在し得る。
【0034】
第1の実施形態ではAは、任意選択で置換されているC3~9シクロアルキルを表す。この実施形態の一態様では、Aは、任意選択で置換されているC4~7シクロアルキルを表す。
【0035】
第2の実施形態では、Aは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロ-シクロアルキルを表す。この実施形態の一態様では、Aは、任意選択で置換されているC4~6ヘテロシクロアルキルを表す。
【0036】
第3の実施形態では、Aは、任意選択で置換されているC4~9ヘテロ-ビシクロアルキルを表す。この実施形態の一態様では、Aは、任意選択で置換されているC5~7ヘテロビシクロアルキルを表す。
【0037】
典型的には、Aは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノナニル、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、チアジアゼパニル、アゾカニル、6-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、6-オキサビシクロ[3.1.1]ヘプタニル又は8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタニルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0038】
適切には、Aは、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル又はピペリジニルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0039】
適切には、Aは、オキセタニル又はテトラヒドロピラニルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0040】
上における任意選択の置換基の典型的な例は、C1~6アルキル、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、オキソ、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、C2~6アルキルカルボニル、アミノ、イミノ、C1~6アルキルアミノ及びジ(C1~6)アルキルアミノから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0041】
上における任意選択の置換基の適切な例は、C1~6アルキル、オキソ及びイミノから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0042】
上における特定の置換基の典型的な例は、メチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロ-メチル、ヒドロキシ、オキソ、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アセチル、アミノ、イミノ、メチルアミノ及びジメチルアミノから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0043】
上における特定の置換基の適切な例は、メチル、オキソ及びイミノから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0044】
の典型的な意義は、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、(メチル)テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、(オキソ)テトラヒドロチオピラニル、(ジオキソ)-テトラヒドロチオピラニル、(イミノ)(オキソ)テトラヒドロチオピラニル及びピペリジニルを含む。
【0045】
の特定の意義は、オキセタニル及びテトラヒドロピラニルを含む。
【0046】
一実施形態では、Bは、C-Rを表す。別の実施形態では、Bは、Nを表す。
【0047】
一実施形態では、Dは、C-Rを表す。別の実施形態では、Dは、Nを表す。
【0048】
一実施形態では、Eは、C-Rを表す。別の実施形態では、Eは、Nを表す。
【0049】
第1の実施形態では、Bは、C-Rを表し、Dは、C-Rを表し、Eは、C-Rを表す。
【0050】
第2の実施形態では、Bは、C-Rを表し、Dは、C-Rを表し、Eは、Nを表す。
【0051】
第3の実施形態では、Bは、C-Rを表し、Dは、Nを表し、Eは、C-Rを表す。
【0052】
第4の実施形態では、Bは、C-Rを表し、Dは、Nを表し、Eは、Nを表す。
【0053】
第5の実施形態では、Bは、Nを表し、Dは、C-Rを表し、Eは、C-Rを表す。
【0054】
第6の実施形態では、Bは、Nを表し、Dは、C-Rを表し、Eは、Nを表す。
【0055】
第7の実施形態では、Bは、Nを表し、Dは、Nを表し、Eは、C-Rを表す。
【0056】
第8の実施形態では、Bは、Nを表し、Dは、Nを表し、Eは、Nを表す。
【0057】
適切には、本発明は、式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)若しくは(I-5)
【化2】

(式中、A、X、R、R、R、R及びRは、上で定義されている)の化合物又はそのN-オキシド、或いは医薬として許容できるその塩を提供する。
【0058】
適切には、本発明は、上で定義されている式(I-1)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩を提供する。
【0059】
第1の実施形態では、Xは、Oを表す。第2の実施形態では、Xは、Sを表す。
【0060】
第1の実施形態では、Rは水素を表す。第2の実施形態では、Rは、C1~6アルキル、とりわけメチルを表す。
【0061】
適切には、Rは、水素又はメチルを表す。
【0062】
上における任意選択の置換基の典型的な例は、C1~6アルキル、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、C2~6アルキルカルボニル、アミノ、C1~6アルキルアミノ及びジ(C1~6)アルキルアミノから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0063】
上における特定の置換基の典型的な例は、メチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、オキソ、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アセチル、アミノ、メチルアミノ及びジメチルアミノから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0064】
適切には、Rは-CORを表す。
【0065】
典型的には、Rは、水素又はハロゲンを表す。
【0066】
第1の実施形態では、Rは水素を表す。第2の実施形態では、Rはハロゲンを表す。この実施形態の第1の態様では、Rはフルオロを表す。この実施形態の第2の態様では、Rはクロロを表す。第3の実施形態では、Rはシアノを表す。第4の実施形態では、Rは、C1~6アルキル、とりわけメチルを表す。第5の実施形態では、Rはフルオロメチルを表す。第6の実施形態では、Rはジフルオロメチルを表す。第7の実施形態では、Rはトリフルオロメチルを表す。第8の実施形態では、Rはヒドロキシを表す。第9の実施形態では、Rは、C1~6アルコキシ、とりわけメトキシを表す。第10の実施形態では、Rはジフルオロメトキシを表す。第11の実施形態では、Rはトリフルオロメトキシを表す。第12の実施形態では、Rは、C1~6アルキルスルフィニル、とりわけメチルスルフィニルを表す。第13の実施形態では、Rは、C1~6アルキルスルホニル、とりわけメチルスルホニルを表す。
【0067】
適切には、Rは、水素又はフルオロを表す。
【0068】
典型的には、Rは、水素又はハロゲンを表す。
【0069】
第1の実施形態では、Rは水素を表す。第2の実施形態では、Rはハロゲンを表す。この実施形態の第1の態様では、Rはフルオロを表す。この実施形態の第2の態様では、Rはクロロを表す。第3の実施形態では、Rはシアノを表す。第4の実施形態では、Rは、C1~6アルキル、とりわけメチルを表す。第5の実施形態では、Rはフルオロメチルを表す。第6の実施形態では、Rはジフルオロメチルを表す。第7の実施形態では、Rはトリフルオロメチルを表す。第8の実施形態では、Rはヒドロキシを表す。第9の実施形態では、Rは、C1~6アルコキシ、とりわけメトキシを表す。第10の実施形態では、Rはジフルオロメトキシを表す。第11の実施形態では、Rはトリフルオロメトキシを表す。第12の実施形態では、Rは、C1~6アルキルスルフィニル、とりわけメチルスルフィニルを表す。第13の実施形態では、Rは、C1~6アルキルスルホニル、とりわけメチルスルホニルを表す。
【0070】
適切には、Rは、水素、フルオロ又はクロロを表す。
【0071】
適切には、Rは、水素又はフルオロを表す。
【0072】
第1の実施形態では、Rは水素を表す。第2の実施形態では、Rはハロゲンを表す。この実施形態の第1の態様では、Rはフルオロを表す。この実施形態の第2の態様では、Rはクロロを表す。第3の実施形態では、Rはシアノを表す。第4の実施形態では、Rは、C1~6アルキル、とりわけメチルを表す。第5の実施形態では、Rはフルオロメチルを表す。第6の実施形態では、Rはジフルオロメチルを表す。第7の実施形態では、Rはトリフルオロメチルを表す。第8の実施形態では、Rはヒドロキシを表す。第9の実施形態では、Rは、C1~6アルコキシ、とりわけメトキシを表す。第10の実施形態では、Rはジフルオロメトキシを表す。第11の実施形態では、Rはトリフルオロメトキシを表す。第12の実施形態では、Rは、C1~6アルキルスルフィニル、とりわけメチルスルフィニルを表す。第13の実施形態では、Rは、C1~6アルキルスルホニル、とりわけメチルスルホニルを表す。
【0073】
特定の実施形態では、Rは水素以外である。
【0074】
典型的には、Rは、C3~9シクロアルキル(C1~6)アルキルを表し、この基が任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0075】
の典型的な意義は、シクロヘキシルメチル及びシクロオクチルメチルを含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0076】
の適切な意義は、シクロオクチルメチルを含み、この基が、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0077】
上における任意選択の置換基の好ましい例は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~6アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、オキソ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、アミノ、C1~6アルキルアミノ、ジ(C1~6)アルキルアミノ、C2~6アルキルカルボニルアミノ、C2~6アルコキシカルボニルアミノ、C1~6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2~6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2~6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1~6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1~6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1~6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1~6)アルキルアミノスルホニル、-R5a、-NHCOR、-NHS(O)、-R、-NHR及び-CONHRから独立して選択され、R5a、R及びRは、以下で定義されている通りである、1、2又は3個の置換基を含む。
【0078】
上における任意選択の置換基の選択される例は、C1~6アルキル及び-NHCORから独立して選択され、Rは、以下で定義されている通りである、1、2又は3個の置換基を含む。
【0079】
上における特定の置換基の好ましい例は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、オキソ、メトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、メチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、アセチルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、-R5a、-NHCOR、-NHS(O)、-R、-NHR及び-CONHRから独立して選択され、R5a、R及びRは、以下で定義されている通りである、1、2又は3個の置換基を含む。
【0080】
上における特定の置換基の選択される例は、メチル及び-NHCORから独立して選択され、Rは、以下で定義されている通りである、1、2又は3個の置換基を含む。
【0081】
典型的には、Rは、C3~9シクロアルキル(C1~6)アルキル又はC3~9シクロアルキリデニル(C1~6)-アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0082】
の適切な意義は、シクロヘキシルメチル、シクロオクチルメチル及びベンゾ-シクロブチリデニルメチルを含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0083】
上における任意選択の置換基の好ましい例は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~6アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、オキソ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、アミノ、C1~6アルキルアミノ、ジ(C1~6)アルキルアミノ、C2~6アルキルカルボニルアミノ、C2~6アルコキシカルボニルアミノ、C1~6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2~6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2~6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1~6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1~6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1~6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1~6)アルキルアミノスルホニル、-R5a、-NHCOR、-NHS(O)、-R、-NHR及び-CONHRから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含み、R5a、R及びRは、以下で定義されている通りである。
【0084】
上における任意選択の置換基の選択される例は、ハロゲン、C1~6アルキル及び-NHCORから独立して選択され、Rは、以下で定義されている通りである、1、2又は3個の置換基を含む。
【0085】
上における特定の置換基の好ましい例は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、オキソ、メトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、メチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、アセチルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、-R5a、-NHCOR、-NHS(O)、-R、-NHR及び-CONHRから独立して選択され、R5a、R及びRは、以下で定義されている通りである、1、2又は3個の置換基を含む。
【0086】
上における特定の置換基の選択される例は、クロロ、メチル及び-NHCORから独立して選択され、Rは、以下で定義されている通りである、1、2又は3個の置換基を含む。
【0087】
本発明による化合物の特定の下位分類は、式(IA)
【化3】

(式中、
A、B、D、E、X及びRは、上で定義されている通りであり、
は水素を表し、又は、Rは、C1~5アルキル、C3~9シクロアルキル、C3~9シクロアルキル(C1~5)アルキル、C4~9ビシクロアルキル、C4~9ビシクロアルキル(C1~5)アルキル、C5~9スピロシクロアルキル、C5~9スピロシクロアルキル(C1~5)アルキル、C9~11トリシクロアルキル、C9~11トリシクロアルキル(C1~5)アルキル、アリール、アリール(C1~5)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル(C1~5)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C1~5)アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
は、-NR6a6b若しくは-OR6cを表し、又は、Rは、C1~9アルキル、C3~9シクロアルキル、C3~9シクロアルキル(C1~6)アルキル、アリール、アリール(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1~6)アルキル若しくはスピロ[(C3~7)ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
6aは水素を表し、又は、R6aは、C1~6アルキル、C3~7シクロアルキル、C3~7シクロアルキル(C1~6)アルキル、アリール、アリール(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1~6)アルキル若しくはスピロ[(C3~7)ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
6bは、水素又はC1~6アルキルを表し、
6cは、C1~6アルキル、C3~7シクロアルキル、C3~7シクロアルキル(C1~6)アルキル、アリール、アリール(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C1~6)アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る)の化合物及びそのN-オキシド、並びに医薬として許容できるその塩により表される。
【0088】
本発明による化合物の第2の下位分類は、式(IB)
【化4】

(式中、
A、B、D、E、X、R、R及びRは、上で定義されている通りである)の化合物及びそのN-オキシド、並びに医薬として許容できるその塩により表される。
【0089】
本発明による化合物の第3の下位分類は、式(IC)
【化5】

(式中、
A、B、D、E、X、R及びRは、上で定義されている通りであり、
は、アリール、ヘテロアリール又はスピロ[(C3~7)ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る)の化合物及びそのN-オキシド、並びに医薬として許容できるその塩により表される。
【0090】
本発明による化合物の第4の下位分類は、式(ID)
【化6】

(式中、
A、B、D、E、X、R、R及びRは、上で定義されている通りである)の化合物及びそのN-オキシド、並びに医薬として許容できるその塩により表される。
【0091】
本発明による化合物の第5の下位分類は、式(IE)
【化7】

(式中、
A、B、D、E、X、R、R及びRは、上で定義されている通りである)の化合物及びそのN-オキシド、並びに医薬として許容できるその塩により表される。
【0092】
本発明による化合物の第6の下位分類は、式(IF)
【化8】

(式中、
A、B、D、E、X、R及びRは、上で定義されている通りであり、
5aは、C3~7シクロアルキル、C4~9ビシクロアルキル、アリール、C3~7ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロアリールを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個若しくは複数の置換基により置換され得、
5bは、水素若しくはC1~6アルキルを表し、又は
5a及びR5bは、それらの両方が結合した炭素原子と一緒になった場合は、C3~7シクロアルキル、C4~9ビシクロアルキル又はC3~7ヘテロシクロアルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。)の化合物及びそのN-オキシド、並びに医薬として許容できるその塩により表される。
【0093】
典型的には、Rは、水素を表し、又は、Rは、C1~5アルキル、C3~9シクロアルキル、C3~9シクロアルキル(C1~5)アルキル、C4~9ビシクロアルキル、C4~9ビシクロアルキル(C1~5)アルキル、C5~9スピロシクロアルキル、C9~11トリシクロアルキル、C9~11トリシクロアルキル(C1~5)アルキル、アリール、アリール(C1~5)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル(C1~5)アルキル若しくはヘテロアリール(C1~5)アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0094】
適切には、Rは、C3~9シクロアルキルを表し、この基は、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0095】
第1の実施形態では、Rは水素を表す。第2の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC1~5アルキルを表す。第3の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC3~9シクロアルキルを表す。第4の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC3~9シクロアルキル(C1~5)アルキルを表す。第5の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC4~9ビシクロアルキルを表す。第6の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC4~9ビシクロアルキル(C1~5)アルキルを表す。第7の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC5~9スピロシクロアルキルを表す。第8の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC5~9スピロシクロアルキル(C1~5)アルキルを表す。第9の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC9~11トリシクロアルキルを表す。第10の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC9~11トリシクロアルキル(C1~5)アルキルを表す。第11の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているアリールを表す。第12の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているアリール(C1~5)アルキルを表す。第13の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキルを表す。第14の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキル(C1~5)アルキルを表す。第15の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているヘテロアリールを表す。第16の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているヘテロアリール(C1~5)アルキルを表す。
【0096】
特定の実施形態では、Rは水素以外である。
【0097】
の典型的な意義は、メチル、シクロブチル、ベンゾシクロブテニル、シクロペンチル、インダニル、シクロヘキシル、テトラヒドロナフタレニル、シクロヘプチル、ベンゾシクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロノナニル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.3.0]オクタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルメチル、スピロ[3.3]ヘプタニル、アダマンタニル、アダマンタニルメチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、テトラヒドロピラニル、アゾカニル、ジヒドロベンゾフラニルメチル及びピロリルエチルを含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0098】
の適切な意義は、シクロヘキシル及びシクロオクチルを含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0099】
の適切な意義は、シクロオクチルを含み、この基が任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0100】
上における任意選択の置換基の典型的な例は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~6アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、オキソ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、アミノ、C1~6アルキルアミノ、ジ(C1~6)アルキルアミノ、C2~6アルキルカルボニルアミノ、C2~6アルコキシカルボニルアミノ、C1~6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2~6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2~6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1~6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1~6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1~6アルキルアミノスルホニル及びジ(C1~6)アルキルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0101】
上における任意選択の置換基の適切な例は、ハロゲン、シアノ、C1~6アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ及びアミノカルボニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基、とりわけC1~6アルキルを含む。
【0102】
上における特定の置換基の典型的な例は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、オキソ、メトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、メチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、アセチルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル及びジメチルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0103】
上における特定の置換基の適切な例は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、フェニル、ヒドロキシ、メトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ及びアミノカルボニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基、とりわけメチルを含む。
【0104】
の適切な意義は、水素、tert-ブトキシメチルシクロブチル、メチルシクロブチル、ジメチルシクロブチル、フェニルシクロブチル、ベンゾシクロブテニル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、インダニル、シクロヘキシル、ジフルオロシクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、トリフルオロメチルシクロヘキシル、テトラヒドロナフタレニル、シクロヘプチル、ベンゾシクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロノナニル、シクロブチルメチル、ジフルオロシクロブチルメチル、ジメチルシクロブチルメチル、シクロブチルエチル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.3.0]オクタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルメチル、スピロ[3.3]ヘプタニル、アダマンタニル、アダマンタニルメチル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、フルオロベンジル、クロロベンジル、(クロロ)(フルオロ)ベンジル、(ブロモ)(クロロ)ベンジル、(クロロ)(イソプロポキシ)ベンジル、フェニルエチル、クロロフェニルエチル、フェニルプロピル、テトラヒドロピラニル、テトラメチルテトラヒドロピラニル、アゾカニル、ジヒドロベンゾフラニルメチル及びメチルピロリルエチルを含む。
【0105】
の好ましい意義は、4-メチルシクロヘキシル及びシクロオクチルを含む。第1の実施形態では、Rは4-メチルシクロヘキシルを表す。第2の実施形態では、Rはシクロオクチルを表す。
【0106】
第1の実施形態では、R5aは、任意選択で置換されているC3~7シクロアルキルを表す。第2の実施形態では、R5aは、任意選択で置換されているC4~9ビシクロアルキルを表す。第3の実施形態では、R5aは、任意選択で置換されているアリールを表す。第4の実施形態では、R5aは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキルを表す。第5の実施形態では、R5aは、任意選択で置換されているヘテロアリールを表す。
【0107】
5aの典型的な意義は、シクロブチル、シクロペンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、フェニル、ジヒドロベンゾフラニル及びピロリルを含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0108】
5a上における任意選択の置換基の典型的な例は、C1~6アルキル、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、C2~6アルキルカルボニル、アミノ、C1~6アルキルアミノ及びジ(C1~6)アルキルアミノを含む。
【0109】
5a上における任意選択の置換基の適切な例は、C1~6アルキル及びハロゲンを含む。
【0110】
5a上における特定の置換基の典型的な例は、メチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アセチル、アミノ、メチルアミノ及びジメチルアミノを含む。
【0111】
5a上における特定の置換基の適切な例は、メチル及びクロロを含む。
【0112】
5aの適切な意義は、シクロブチル、シクロペンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、フェニル、クロロフェニル、ジヒドロベンゾフラニル及びメチルピロリルを含む。
【0113】
適切には、R5bは水素、メチル又はエチルを表す。
【0114】
第1の実施形態では、R5bは水素を表す。第2の実施形態では、R5bは、C1~6アルキル、とりわけメチル又はエチルを表す。
【0115】
或いは、R5a及びR5bは、それらの両方が結合した炭素原子と一緒になった場合は、C3~7シクロアルキル、C4~9ビシクロアルキル若しくはC3~7ヘテロシクロアルキルを表し得、これらの基のいずれかが、非置換であり得、又は1個若しくは複数の置換基、典型的には1若しくは2個の置換基により置換され得る。
【0116】
第1の実施形態では、R5a及びR5bは、それらの両方が結合した炭素原子と一緒になった場合は、適切には、任意選択で置換されているC3~7シクロアルキル表し得る。例は、シクロブチル、ベンゾシクロブテニル、シクロペンチル、インダニル、シクロヘキシル、テトラヒドロナフタレニル、シクロヘプタニル、ベンゾシクロヘプテニル、シクロオクタニル及びシクロノナニルを含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0117】
第2の実施形態では、R5a及びR5bは、それらの両方が結合した炭素原子と一緒になった場合は、適切には、任意選択で置換されているC4~9ビシクロアルキルを表し得る。例は、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル及びビシクロ[3.2.1]オクタニルを含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0118】
第3の実施形態では、R5a及びR5bは、それらの両方が結合した炭素原子と一緒になった場合は、適切には、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキルを表し得る。例は、テトラヒドロピラニル及びピペリジニルを含み、これらの基のいずれかが、1個又は複数の置換基により任意選択で置換され得る。
【0119】
そのような基上における任意選択の置換基の典型的な例は、C1~6アルキル、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、C2~6アルキルカルボニル、アミノ、C1~6アルキルアミノ及びジ(C1~6)アルキルアミノを含む。
【0120】
そのような基上における任意選択の置換基の適切な例は、C1~6アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル及びC1~6アルコキシ、とりわけハロゲンを含む。
【0121】
そのような基上における特定の置換基の典型的な例は、メチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル、ヒドロキシ、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アセチル、アミノ、メチルアミノ及びジメチルアミノを含む。
【0122】
そのような基上における特定の置換基の適切な例は、メチル、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フェニル及びメトキシ、とりわけクロロを含む。
【0123】
5a及びR5bの典型的な意義は、それらの両方が結合した炭素原子と一緒になった場合は、メチルシクロブチル、ジメチルシクロブチル、フェニルシクロブチル、ベンゾシクロブテニル、メチルベンゾシクロブテニル、クロロベンゾシクロブテニル、メトキシベンゾシクロブテニル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、インダニル、クロロインダニル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、トリフルオロメチルシクロヘキシル、テトラヒドロナフタレニル、シクロヘプタニル、ベンゾシクロヘプテニル、シクロオクタニル、シクロノナニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、テトラメチルテトラヒドロピラニル及びトリフルオロエチルピペリジニルを含む。
【0124】
5a及びR5bの適切な意義は、それらの両方が結合した炭素原子と一緒になった場合は、クロロベンゾシクロブテニルを含む。
【0125】
典型的には、Rは、-NR6a6b若しくは-OR6cを表し、又は、Rは、C1~9アルキル、アリール、C3~7ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1~6)アルキル若しくはスピロ[(C3~7)ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0126】
適切には、Rは、アリール又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0127】
適切には、Rは、ヘテロアリールを表し、この基が、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0128】
第1の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC1~6アルキルを表す。第2の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC3~9シクロアルキルを表す。第3の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC3~9シクロアルキル(C1~6)アルキルを表す。第4の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているアリールを表す。第5の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているアリール(C1~6)アルキルを表す。第6の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキルを表す。第7の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキルを表す。第8の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているヘテロアリールを表す。第9の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているヘテロアリール(C1~6)アルキルを表す。第10の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているスピロ[(C3~7)ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表す。第11の実施形態では、Rは、-NR6a6bを表す。第12の実施形態では、Rは、-OR6cを表す。
【0129】
の典型的な意義は、-NR6a6b及び-OR6c、並びにメチル、tert-ブチル、ヘプタニル、フェニル、ピロリジニル、インドリニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピリジニルメチル又はスピロ[テトラヒドロフラン][インドール]を含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0130】
の適切な意義は、ピラゾリル及びイソオキサゾリルを含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0131】
の適切な意義は、イソオキサゾリルを含み、この基が任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0132】
上における任意選択の置換基の典型的な例は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1~6)アルキル、オキソ、C1~6アルコキシ、C1~6アルコキシ(C1~6)アルキル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、(C1~6)アルキルスルホニル(C1~6)アルキル、C1~6アルキルスルホニルオキシ、アミノ、アミノ(C1~6)アルキル、C1~6アルキルアミノ、ジ(C1~6)アルキルアミノ、ジ(C1~6)アルキルアミノ(C1~6)アルキル、ピロリジニル、ジオキソイソチアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペラジニル、C2~6アルキルカルボニルアミノ、C2~6アルキルカルボニルアミノ(C1~6)アルキル、C2~6アルコキシカルボニルアミノ、C1~6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2~6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2~6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1~6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1~6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1~6アルキルアミノスルホニル、ジ(C1~6)アルキルアミノスルホニル及びジ(C1~6)アルキルスルホキシミニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0133】
上における任意選択の置換基の適切な例は、C1~6アルキルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0134】
上における特定の置換基の典型的な例は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、ブタン-2-イル、tert-ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、オキソ、メトキシ、tert-ブトキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、メチルスルホニルメチル、メチルスルホニルオキシ、アミノ、アミノメチル、アミノエチル、アミノイソプロピル、メチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジメチルアミノエチル、ピロリジニル、ジオキソイソチアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペラジニル、アセチルアミノ、アセチルアミノエチル、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル及びジメチルスルホキシミニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0135】
上における特定の置換基の適切な例は、メチル及びエチル、とりわけメチルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0136】
の例示的な意義は、-NR6a6b、-OR6c、メチル、tert-ブチル、ヒドロキシヘプタニル、フェニル、フルオロフェニル、メチルスルホニルフェニル、メチルスルホニルメチルフェニル、ジオキソイソチアゾリジニルフェニル、メチルスルホニルアミノフェニル、ジメチルスルホキシミニルフェニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル、インドリニル、ピペリジニル、モルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、メチルピペラジニル、メチルピロリル、メチルピラゾリル、ジメチルピラゾリル、エチルピラゾリル、(エチル)(フルオロ)ピラゾリル、(エチル)(メチル)ピラゾリル、n-プロピルピラゾリル、イソプロピルピラゾリル、2-メチルプロピルピラゾリル、ブタン-2-イルピラゾリル、ジフルオロメチルピラゾリル、(ジフルオロメチル)(メチル)ピラゾリル、ジフルオロエチルピラゾリル、トリフルオロエチルピラゾリル、トリフルオロプロピルピラゾリル、シクロプロピルピラゾリル、シクロブチルピラゾリル、シクロプロピルメチルピラゾリル、ヒドロキシエチルピラゾリル、メトキシエチルピラゾリル、ジメチルアミノエチルピラゾリル、テトラヒドロピラニルピラゾリル、(メチル)(テトラヒドロピラニル)ピラゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、メチル-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾリル、オキサゾリル、メチルオキサゾリル、エチルオキサゾリル、イソオキサゾリル、メチルイソオキサゾリル、ジメチルイソオキサゾリル、エチルイソオキサゾリル、イソプロピルイソオキサゾリル、tert-ブチルイソオキサゾリル、トリフルオロメチルイソオキサゾリル、シクロプロピルイソオキサゾリル、シクロブチルイソオキサゾリル、メトキシメチルイソオキサゾリル、アミノメチルイソオキサゾリル、アミノイソプロピルイソオキサゾリル、チアゾリル、メチルチアゾリル、ジメチルチアゾリル、イソチアゾリル、メチルイソチアゾリル、メチルイミダゾリル、メチルオキサジアゾリル、エチルオキサジアゾリル、メチルチアジアゾリル、メチルトリアゾリル、ジメチルトリアゾリル、エチルトリアゾリル、メチルテトラゾリル、ピリジニル、メチルピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、メチルピリミジニル、ピリジニルメチル、アミノピリジニルメチル及びスピロ[テトラヒドロフラン][オキソインドール]を含む。
【0137】
の適切な意義は、メチルピラゾリル、エチルピラゾリル、メチルイソオキサゾリル及びエチルイソオキサゾリルを含む。
【0138】
の代表的な意義は、メチルイソオキサゾリルを含む。
【0139】
典型的には、R6aは、C1~6アルキル、C3~7シクロアルキル、アリール(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル又はスピロ[(C3~7)ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0140】
第1の実施形態では、R6aは水素を表す。第2の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているC1~6アルキルを表す。この実施形態の第1の態様では、R6aは、非置換C1~6アルキル、とりわけメチルを表す。この実施形態の第2の態様では、R6aは、一置換、二置換又は三置換C1~6アルキルを表す。第3の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているC3~7シクロアルキルを表す。第4の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているC3~7シクロアルキル(C1~6)アルキルを表す。第5の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているアリールを表す。第6の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているアリール(C1~6)アルキルを表す。第7の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキルを表す。第8の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキルを表す。第9の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているヘテロアリールを表す。第10の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているヘテロアリール(C1~6)アルキルを表す。第11の実施形態では、R6aは、任意選択で置換されているスピロ[(C3~7)ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表す。
【0141】
6aの典型的な意義は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2,2-ジメチルプロピル、シクロヘキシル、ベンジル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル及びスピロ[テトラヒドロフラン][インドール]を含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0142】
6a上における任意選択の置換基の典型的な例は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~6アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1~6)アルキル、オキソ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、アミノ、アミノ(C1~6)アルキル、C1~6アルキルアミノ、ジ(C1~6)アルキルアミノ、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、C2~6アルキルカルボニルアミノ、C2~6アルキルカルボニルアミノ(C1~6)アルキル、C2~6アルコキシカルボニルアミノ、C1~6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2~6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2~6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1~6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1~6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1~6アルキルアミノスルホニル及びジ(C1~6)アルキルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0143】
6a上における任意選択の置換基の選択される例は、トリフルオロメチル、オキソ及びC1~6アルコキシから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0144】
6a上における特定の置換基の典型的な例は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、オキソ、メトキシ、tert-ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、アミノメチル、アミノエチル、メチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、アセチルアミノ、アセチルアミノエチル、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル及びジメチルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0145】
6a上における特定の置換基の選択される例は、トリフルオロメチル、オキソ及びメトキシから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0146】
6aの選択される意義は、メチル、エチル、トリフルオロエチル、メトキシエチル、n-プロピル、イソプロピル、2,2-ジメチルプロピル、シクロヘキシル、ベンジル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキソテトラヒドロチオピラニル及びスピロ[テトラヒドロフラン][オキソインドール]を含む。
【0147】
適切には、R6bは水素、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルを表す。
【0148】
典型的には、R6bは、水素又はメチルを表す。
【0149】
第1の実施形態では、R6bは水素を表す。第2の実施形態では、R6bは、C1~6アルキルを表す。この実施形態の特定の態様では、R6bは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピル、とりわけメチルを表す。
【0150】
典型的には、R6cは、C1~6アルキル、C3~7シクロアルキル、C3~7シクロアルキル(C1~6)アルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル、C3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキル又はヘテロアリール(C1~6)アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0151】
第1の実施形態では、R6cは、任意選択で置換されているC1~6アルキルを表す。第2の実施形態では、R6cは、任意選択で置換されているC3~7シクロアルキルを表す。第3の実施形態では、R6cは、任意選択で置換されているC3~7シクロアルキル(C1~6)アルキルを表す。第4の実施形態では、R6cは、任意選択で置換されているアリールを表す。第5の実施形態では、R6cは、任意選択で置換されているアリール(C1~6)アルキルを表す。第6の実施形態では、R6cは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキルを表す。第7の実施形態では、R6cは、任意選択で置換されているC3~7ヘテロシクロアルキル(C1~6)アルキルを表す。第8の実施形態では、R6cは、任意選択で置換されているヘテロアリールを表す。第9の実施形態では、R6cは、任意選択で置換されているヘテロアリール(C1~6)アルキルを表す。
【0152】
6cの典型的な意義は、メチル、エチル、イソプロピル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピラニルメチル、ピラゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、イミダゾリルメチル及びピラジニルメチルを含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0153】
6c上における任意選択の置換基の典型的な例は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~6アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1~6)アルキル、オキソ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、アミノ、アミノ(C1~6)アルキル、C1~6アルキルアミノ、ジ(C1~6)アルキルアミノ、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、C2~6アルキルカルボニルアミノ、C2~6アルキルカルボニルアミノ(C1~6)アルキル、C2~6アルコキシカルボニルアミノ、C1~6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2~6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2~6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1~6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1~6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1~6アルキルアミノスルホニル及びジ(C1~6)アルキルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0154】
6c上における任意の置換基の適切な例は、C1~6アルキル、トリフルオロメチル、C1~6アルコキシ及びC2~6アルコキシカルボニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0155】
6c上における特定の置換基の典型的な例は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、オキソ、メトキシ、tert-ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、アミノメチル、アミノエチル、メチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、アセチルアミノ、アセチルアミノエチル、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル及びジメチルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0156】
6c上における特定の置換基の適切な例は、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ及びtert-ブトキシカルボニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0157】
6cの典型的な意義は、メチル、トリフルオロエチル、メトキシエチル、イソプロピル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、オキセタニル、メチルオキセタニル、アゼチジニル、tert-ブトキシカルボニルアゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピラニルメチル、メチルピラゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、メチルイミダゾリルメチル及びピラジニルメチルを含む。
【0158】
第1の実施形態では、Rはアリールを表し、この基が任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。第2の実施形態では、Rはヘテロアリールを表し、この基が任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。第3の実施形態では、Rは、スピロ[(C3~7)ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、この基が任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0159】
の典型的な意義は、フェニル、ピラゾロ[1,5-α]ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、プリニル、ピリジニル、ピリダジニル、シンノリニル、ピリミジニル、ピラジニル及びスピロ[テトラヒドロピラニル][インドール]を含み、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る。
【0160】
上における任意選択の置換基の典型的な例は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1~6)アルキル、オキソ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキルスルフィニル、C1~6アルキルスルホニル、アミノ、アミノ(C1~6)アルキル、C1~6アルキルアミノ、ジ(C1~6)アルキルアミノ、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、C2~6アルキルカルボニルアミノ、C2~6アルキルカルボニルアミノ(C1~6)アルキル、C2~6アルコキシカルボニルアミノ、C1~6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2~6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2~6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1~6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1~6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1~6アルキルアミノスルホニル及びジ(C1~6)アルキルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0161】
上における任意選択の置換基の適切な例は、ハロゲン、シアノ、C1~6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、オキソ、C1~6アルコキシ、ジフルオロメトキシ及びジ(C1~6)アルキルアミノから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0162】
上における特定の置換基の典型的な例は、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、オキソ、メトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、アミノメチル、アミノエチル、メチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、アセチルアミノ、アセチルアミノエチル、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル及びジメチルアミノスルホニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0163】
上における特定の置換基の適切な例は、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、オキソ、メトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ及びジメチルアミノから独立して選択される1、2又は3個の置換基を含む。
【0164】
の選択される意義は、フェニル、ピラゾロ[1,5-a]ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、フルオロベンゾオキサゾリル、メチルベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、フルオロベンゾイミダゾリル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、プリニル、ピリジニル、シアノピリジニル、メチルピリジニル、メトキシピリジニル、ピリダジニル、クロロピリダジニル、シアノピリダジニル、メチルピリダジニル、エチルピリダジニル、イソプロピルピリダジニル、ジフルオロメチルピリダジニル、トリフルオロメチルピリダジニル、メトキシピリダジニル、イソプロポキシピリダジニル、ジフルオロメトキシピリダジニル、ジメチルアミノピリダジニル、シンノリニル、ピリミジニル、ピラジニル、メチルピラジニル及びスピロ[テトラヒドロピラニル][オキソインドール]を含む。
【0165】
上記式(IA)の化合物のある下位分類は、式(IIA)
【化9】

(式中、
Wは、O、S、S(O)、S(O)、S(O)(NH)又はN-R17を表し、
17は、水素又はC1~6アルキルを表し、
、R、R、R及びRは、上で定義されている通りである)の化合物、及び医薬として許容できるその塩により表される。
【0166】
典型的には、Wは、O、S、S(O)、S(O)又はN-R17を表す。
【0167】
適切には、Wは、O、S又はN-R17を表す。
【0168】
第1の実施形態では、Wは、Oを表す。第2の実施形態では、Wは、Sを表す。第3の実施形態では、Wは、S(O)を表す。第4の実施形態では、Wは、S(O)を表す。第5の実施形態では、Wは、S(O)(NH)を表す。第6の実施形態では、Wは、N-R17を表す。
【0169】
適切には、R17は、水素又はメチルを表す。
【0170】
第1の実施形態では、R17は水素を表す。第2の実施形態では、R17は、C1~6アルキルを表す。この実施形態の第1の態様では、R17はメチルを表す。
【0171】
上記式(IA)の化合物の別の下位分類は、式(IIB)
【化10】

(式中、
W、R、R、R、R及びRは、上で定義されている通りである)の化合物、及び医薬として許容できるその塩により表される。
【0172】
本発明による特定の新規な化合物は、調製が添付の実施例に記載されている化合物、及び医薬として許容できるその塩及び溶媒和物のそれぞれを含む。
【0173】
本発明による化合物は、炎症及び自己免疫障害を含む、様々なヒトの病気の処置及び/又は予防に有益である。
【0174】
本発明による化合物は、炎症性IL-17サイトカインにより媒介される、又は、炎症性IL-17サイトカインレベルの上昇に関連する病理学的障害の処置及び/又は予防に有用である。一般的に、病理学的状態は、感染症(ウイルス、細菌、真菌及び寄生生物)、感染に関連する内毒素性ショック、関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身型若年性特発性関節炎(JIA)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、喘息、慢性閉塞性気道疾患(COAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺損傷、骨盤炎症性疾患、アルツハイマー病、クローン病、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、キャッスルマン病、強直性脊椎炎及び他の脊椎関節症、皮膚筋炎、心筋炎、ブドウ膜炎、眼球突出、自己免疫性甲状腺炎、ペーロニー病、セリアック病、胆嚢疾患、毛巣病、腹膜炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、血管炎、外科的癒着、卒中、自己免疫性糖尿病、I型糖尿病、ライム病関節炎、髄膜脳炎、中枢及び末梢神経系の免疫媒介炎症性障害、例えば多発性硬化症及びギランバレー症候群、他の自己免疫障害、膵炎、外傷(手術)、移植片対宿主病、移植拒絶、肺線維症、肝線維症、腎線維症、強皮症又は全身性硬化症を含む線維形成障害、癌(固形腫瘍、例えば黒色腫、肝芽腫、肉腫、扁平上皮癌、移行上皮癌、卵巣癌並びに血液悪性腫瘍、詳細には急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病の両方、胃癌及び結腸癌)、虚血性疾患、例えば心筋梗塞並びにアテローム性動脈硬化を含む心疾患、血管内凝固、骨吸収、骨粗鬆症、歯周炎、低塩酸症及び疼痛(特に炎症に関連する疼痛)からなる群から選択される。
【0175】
WO2009/089036により、IL-17活性の調節剤は、眼の炎症性障害、詳細には、ドライアイ症候群(DES)を含む眼表面の炎症性障害の重症度を阻害する、又は低下させるために投与され得ることが明らかになっている。結果として、本発明による化合物は、IL-17に媒介される眼の炎症性障害、詳細には、ドライアイ症候群を含むIL-17に媒介される眼表面の炎症性障害の処置及び/又は予防に有用である。眼表面の炎症性障害は、ドライアイ症候群、全層角膜移植、角膜移植、層状又は部分層移植、選択的内皮移植、角膜血管新生、人工角膜移植手術、眼表面である角膜の炎症状態、結膜瘢痕障害、眼の自己免疫状態、類天疱瘡症候群、スティーブンス-ジョンソン症候群、眼のアレルギー、重度のアレルギー性(アトピー性)眼疾患、結膜炎及び微生物性角膜炎を含む。特定の分野のドライアイ症候群は、乾性角結膜炎(KCS)、シェーグレン症候群、シェーグレン症候群関連乾性角結膜炎、非シェーグレン症候群関連乾性角結膜炎、乾性角膜炎、乾燥症候群、眼球乾燥症、涙膜障害、涙液産生の減少、水性涙液欠乏(ATD)、マイボーム腺機能不全及び蒸発による喪失を含む。
【0176】
例示として、本発明の化合物は、関節炎、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、全身型若年性特発性関節炎(JIA)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、慢性閉塞性肺疾患、アトピー性皮膚炎、強皮症、全身硬化症、肺線維症、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性結腸炎を含む)、強直性脊椎炎及び他の脊椎関節症、癌及び疼痛(特に炎症に関連する疼痛)からなる群から選択される病理学的障害の処置及び/又は予防に有用になり得る。
【0177】
適切には、本発明の化合物は、乾癬、乾癬性関節炎又は強直性脊椎炎の処置及び/又は予防に有用である。
【0178】
本発明は、上述の本発明による化合物、又は医薬として許容できるその塩とともに、1つ又は複数の医薬として許容できる担体を含む医薬組成物も提供する。
【0179】
本発明による医薬組成物は、経口、バッカル、非経口、経鼻、局所、眼科若しくは直腸投与に適している形態、又は、吸入若しくは吹送による投与に適している形態をとり得る。
【0180】
経口投与では、医薬組成物は、例えば、医薬として許容できる賦形剤、例えば結合剤(例えばアルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、フィラー(例えばラクトース、微結晶セルロース又はリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、滑石又はシリカ)、崩壊剤(例えばジャガイモデンプン又はグリコール酸ナトリウム)又は湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)と、従来の手段により調製される錠剤、ロゼンジ剤又はカプセル剤の形態をとり得る。錠剤は、当業界で周知の方法によりコーティングされ得る。経口投与のための液体調製物は、例えば、液剤、シロップ剤若しくは懸濁液剤の形態をとり得る、又は、これらは、使用前に水又は他の適切なビヒクルで構成する乾燥生成物として提示され得る。そのような液体調製物は、医薬として許容できる添加剤、例えば懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル又は防腐剤と、従来の手段により調製され得る。調製物は、適切であれば、緩衝塩、香味剤、着色剤又は甘味剤も含有し得る。
【0181】
経口投与のための調製物は、適切に製剤化して、活性化合物を徐放できる。
【0182】
バッカル投与では、組成物は、従来の手段で製剤化された錠剤又はロゼンジ剤の形態をとり得る。
【0183】
本発明による化合物は、注入、例えばボーラス注入又は注射による非経口投与のために製剤化され得る。注入するための製剤は、単位剤形で、例えばガラスアンプル又は多回投与用容器、例としてガラスバイアル中で提示され得る。注入するための組成物は、懸濁液、溶液又は油性若しくは水性ビヒクル中のエマルションのような形態をとり得、配合剤、例えば懸濁剤、安定化剤、保存剤及び/又は分散剤を含有し得る。或いは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば無菌パイロジェンフリー水で構成する粉末形態であり得る。
【0184】
上述の製剤に加えて、本発明による化合物は、デポー調製物としても製剤化され得る。そのような長時間作用する製剤は、埋め込み又は筋肉内注射により投与され得る。
【0185】
経鼻投与又は吸入による投与では、本発明による化合物は、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、フルオロトリクロロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切なガス若しくはガス混合物を使用する加圧パック又はネブライザー用に、エーロゾルスプレーの提示形態で都合よく送達され得る。
【0186】
組成物は、必要に応じて、活性成分を含有する1つ又は複数の単位剤形を含有できるパック又はディスペンサーデバイスとして提示され得る。パック又はディスペンシングデバイスは、投与指示書を伴い得る。
【0187】
局所投与では、本発明による化合物は、1つ又は複数の医薬として許容できる担体に懸濁又は溶解した活性成分を含有する適切な軟膏として、都合よく製剤化され得る。詳細な担体は、例えば、鉱油、液体石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス及び水を含む。或いは、本発明による化合物は、1つ又は複数の医薬として許容できる担体に懸濁又は溶解した活性成分を含有する適切なローションとして製剤化され得る。詳細な担体は、例えば、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、ベンジルアルコール、2-オクチルドデカノール及び水を含む。
【0188】
眼科用投与では、本発明による化合物は、防腐剤、例えば殺菌又は殺真菌剤、例として硝酸フェニル水銀、塩化ベンジルアルコニウム又は酢酸クロルヘキシジンの有無を問わず、等張のpH-調整済み無菌生理食塩水中の微粉化懸濁液として、都合よく製剤化され得る。或いは、眼科用投与では、本発明による化合物は、軟膏、例えばワセリンとして製剤化され得る。
【0189】
直腸投与では、本発明による化合物は、坐剤として都合よく製剤化され得る。これらは、活性成分と、室温にて固体であるが、直腸温度にて液体であるので、直腸で溶融して、活性成分を放出することになる適切な非刺激性賦形剤を混合することにより調製され得る。そのような材料は、例えば、ココアバター、ミツロウ及びポリエチレングリコールを含む。
【0190】
特定の状態の予防又は処置に必要とされる本発明による化合物の量は、選択される化合物及び処置される患者の状態に応じて変化する。しかし、一般に、一日投与量は、経口又はバッカル投与では、およそ10ng/kgから1000mg/kg、典型的には100ng/kgから100mg/kg、例えば、およそ0.01mg/kgから40mg/kg体重、非経口投与では、およそ10ng/kgから50mg/kg体重、経鼻投与又は吸入若しくは吹送による投与では、およそ0.05mgからおよそ1000mg、例えばおよそ0.5mgからおよそ1000mgの範囲になり得る。
【0191】
必要に応じて、本発明による化合物は、別の医薬的活性剤、例えば抗炎症分子と同時投与してよい。
【0192】
が-CORを表す上記式(I)の化合物は、式RCOHのカルボン酸、又はその塩、例えばそのリチウム塩と、式(III)
【化11】

(式中、A、B、D、E、X及びRは、上で定義されている通りであり、Rは、上で定義されているR基に相当し、又はRは、N-保護基を表し、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去する)の化合物を反応させるステップを含むプロセスにより調製され得る
【0193】
N-保護基Rは、適切には、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジル又は2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)である。
【0194】
反応は、カップリング剤の存在下で都合よく達成される。適切なカップリング剤は、以下
・2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、
・2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン2,4,6-トリオキシド(プロピルホスホン酸無水物)又は
・N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物を含み得る。
【0195】
化合物(III)を式RCOHのカルボン酸と反応させる場合、反応は、一般的に、塩基の存在下で実行される。適切な塩基は、有機アミン、例えばトリアルキルアミン、例としてN,N-ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンを含む。反応は、周囲温度にて、適切な溶媒、例えば環状エーテル、例としてテトラヒドロフラン、又は双極性非プロトン溶媒、例としてN,N-ジメチルホルムアミド、又は塩素化溶媒、例としてジクロロメタン中で都合よく行われる。
【0196】
化合物(III)を式RCOHのカルボン酸のリチウム塩と反応させる場合、反応は、一般的に、周囲温度にて、適切な溶媒、例えば双極性非プロトン溶媒、例としてN,N-ジメチルホルムアミド、又は塩素化溶媒、例としてジクロロメタン中で実行される。
【0197】
N-保護基RがBOCである場合、後続するその除去は、酸、例えば鉱酸、例として塩酸、又は有機酸、例としてトリフルオロ酢酸を用いた処理により、都合よく遂行できる。
【0198】
N-保護基Rがベンジルである場合、後続するその除去は、水素化触媒、例えば炭素上パラジウムの存在下で、接触水素化により、典型的には水素ガスを用いた処理により、都合よく遂行できる。
【0199】
N-保護基RがSEMである場合、後続するその除去は、フッ化物塩、例えばテトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリドを用いた処理により、又は、酸、例えば鉱酸、例として塩酸、若しくは有機酸、例としてトリフルオロ酢酸を用いた処理により、都合よく遂行できる。
【0200】
が、-CH(R)N(H)C(O)Rを表す場合、式RCOHの中間体は、
(i)化合物(III)と式RCOHのカルボン酸の間の反応について上述のものと類似した条件下で、式R-COHカルボン酸と式(IV)
【化12】

(式中、Alkは、C1~4アルキル、例えばメチルを表し、R及びRは、上で定義されている通りである)の化合物を反応させるステップ、及び、(ii)塩基を用いた処理により生じた材料を鹸化するステップを含む、2ステップの手順により調製され得る。
【0201】
ステップ(ii)における鹸化反応は、一般的に、塩基を用いた処理により遂行される。適切な塩基は、無機水酸化物、例えば水酸化アルカリ金属、例として水酸化リチウムを含む。水酸化リチウムが上記手順のステップ(ii)で用いられる場合、生成物は、式RCOHのカルボン酸のリチウム塩であり得る。
【0202】
ステップ(ii)は、周囲温度にて、任意選択でC1~4アルカノール、例えばメタノールと混和した水及び適切な有機溶媒、例えば環状エーテル、例としてテトラヒドロフラン中で、都合よく遂行される。
【0203】
別の手順では、Rが-SOを表す上記式(I)の化合物は、式RSOClの化合物と、上で定義されている式(III)の化合物を反応させるステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0204】
反応は、周囲温度にて、塩基、例えば有機塩基、例としてトリエチルアミンの存在下で、適切な溶媒、例えば塩素化炭化水素溶媒、例としてジクロロメタン中で都合よく達成される。
【0205】
別の手順では、Rが-CORを表す上記式(I)の化合物は、遷移金属触媒の存在下で、式RCONHのアミドと式(V)
【化13】

(式中、A、B、D、E、X、R及びRは、上で定義されている通りであり、Lは、適切な脱離基を表す)の化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0206】
脱離基Lは、適切には、ハロゲン原子、例えばクロロ又はブロモである。
【0207】
遷移金属触媒は、適切には、[(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナート(tBuBrettPhos Pd G3)であり、このケースでは、反応は、一般的には、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル(tBuBrettPhos)の存在下で行われる。反応は、上昇温度にて、塩基、例えば無機塩基、例として炭酸カリウムの存在下で、適切な溶媒、例えば低級アルカノール、例としてtert-ブタノール中で都合よく実行される。
【0208】
或いは、遷移金属触媒は、適切には、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり得、このケースでは、反応は、一般的に、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)又は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(Xantphos)の存在下で行われる。反応は、上昇温度にて、塩基、例えば炭酸塩、例として炭酸カリウム又は炭酸セシウムの存在下で、適切な溶媒、例えば環状エーテル、例として1,4-ジオキサン又はC1~6アルカノール、例としてtert-ブタノール中で都合よく実行される。
【0209】
別の手順では、Rがアリール又はヘテロアリール部分である上記式(I)の化合物は、遷移金属触媒の存在下で、式R-NHの化合物と、上で定義されている式(V)の化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0210】
遷移金属触媒は、適切には、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、このケースでは、反応は、一般的に、2-(ジ-tert-ブチル)ホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(tert-BuXPhos)の存在下で行われる。反応は、上昇温度にて、塩基、例えばtert-ブトキシド塩、例としてナトリウムtert-ブトキシドの存在下で、適切な溶媒、例えば環状エーテル、例として1,4-ジオキサン中で都合よく実行される。
【0211】
上記式(III)の中間体は、上記式(V)の対応する化合物とアジ化ナトリウムを反応させることにより調製され得る。反応は、一般的に、ヨウ化銅(I)、L-プロリン及び塩基、例えば無機塩基、例として炭酸カリウムの存在下で達成される。反応は、上昇温度にて、適切な溶媒、例えば有機スルホキシド、例としてジメチルスルホキシド中で都合よく行われる。
【0212】
XがOである上記式(V)の中間体は、
式(VI)
【化14】

(式中、A、B、D、E及びLは、上で定義されている)の化合物と、1,1’-カルボニルジイミダゾールを反応させ、続いて、必要であれば、N-保護基Rを結合させることにより調製され得る。
【0213】
反応は、周囲温度にて、適切な溶媒、例えば環状エーテル、例としてテトラヒドロフラン中で都合よく実行される。
【0214】
N-保護基RがSEMである場合、その結合は、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドを用いた処理により適切に遂行される。反応は、一般的に、塩基、例えば無機塩基、例として水素化ナトリウムの存在下で行われる。反応は、周囲温度にて、適切な溶媒、例えば双極性非プロトン性溶媒、例としてN,N-ジメチルホルムアミド中で都合よく実行される。
【0215】
上記式(VI)の中間体は、式(VII)
【化15】

(式中、B、D、E及びLは、上で定義されている)の化合物から2ステップの手順により調製され得、この手順は、以下のステップ
(i)化合物(VII)と式A-NHの化合物の反応、及び
(ii)それにより得られた材料の、還元剤を用いた処理を含む。
【0216】
ステップ(i)は、典型的には、塩基、例えば無機塩基、例として炭酸カリウムの存在下で遂行される。反応は、適切な溶媒、例えば環状エーテル、例としてテトラヒドロフラン中で上昇温度にて都合よく実行される。
【0217】
ステップ(ii)における還元剤の使用は、適切には、金属亜鉛及びギ酸アンモニウムの混合物を含む。反応は、周囲温度にて、適切な溶媒、例えば低級アルカノール、例としてメタノール中で都合よく実行される。
【0218】
別の手順では、上記の式(IA)の化合物は、上で定義されている式(III)の化合物と、式(VIII)
【化16】

(式中、R及びRは、上で定義されている通りである)の化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0219】
化合物(III)と(VIII)の間の反応は、一般的に、酢酸の存在下で行われる。反応は、上昇温度にて、適切な溶媒、例えば環状エーテル、例としてテトラヒドロフラン中で都合よく実行される。
【0220】
同様に、上記式(IF)の化合物は、化合物(III)と(VIII)の反応について上述のものと類似した条件下で、上で定義されている式(III)の化合物と、式(IX)
【化17】

(式中、R5a、R5b及びRは、上で定義されている通りである)の化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0221】
、R5a及びR5bのそれぞれの意義により可能であれば、式(VIII)の中間体は、従来の接触水素化により、式(IX)の対応する中間体から得られる。
【0222】
上記式(IX)の中間体は、Rが水素を表す式R5aC(O)R5bの化合物と、上で定義されている式(VIII)の化合物を反応させることにより調製され得る。
【0223】
反応は、試薬を四塩化チタンで処理することにより、続いて生じた材料をピリジンで処理することにより、都合よく遂行される。
【0224】
別の手順では、上記の式(IA)の化合物は、化合物(III)と、式RCOHのカルボン酸の間の反応について上述のものと類似した条件下で、式R-COHのカルボン酸と式(X)
【化18】

(式中、A、B、D、E、X、R、R及びRは、上で定義されている通りである)の化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0225】
同様に、Rが-NR6a6bを表す上記の式(IA)の化合物は、Lが適切な脱離基を表す式L-C(O)NR6a6bのカルバマート誘導体と、上で定義されている式(X)の化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0226】
脱離基Lは、適切には、ハロゲン原子、例えばクロロであり、又はLは、適切には、フェノキシである。
【0227】
がハロゲン原子である場合、反応は、周囲温度にて、塩基、例えば有機アミン、例としてトリエチルアミンの存在下で、適切な溶媒、例えば塩素化溶媒、例としてジクロロメタン中で都合よく実行される。
【0228】
がフェノキシである場合、反応は、上昇温度にて、4-(ジメチルアミノ)ピリジンの存在下で、適切な溶媒、例えばニトリル溶媒、例としてアセトニトリル中で都合よく実行される。
【0229】
同様に、Rが-OR6cを表す上記の式(IA)の化合物は、Lが適切な脱離基を表す式L-C(O)OR6cの化合物と、上で定義されている式(X)の化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0230】
脱離基Lは、適切にはハロゲン原子、例えばクロロである。
【0231】
反応は、周囲温度にて、塩基、例えば有機アミン、例としてトリエチルアミンの存在下で、典型的には、ピリジンと混和して、適切な溶媒、例えば環状エーテル、例としてテトラヒドロフラン中で都合よく実行される。
【0232】
別の手順では、上記式(IB)の化合物は、上で定義されている式(X)の化合物と、Rが上で定義されており、Lが適切な脱離基を表す式L-S(O)の化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0233】
脱離基Lは、適切にはハロゲン原子、例えばクロロである。
【0234】
反応は、周囲温度にて、塩基、例えば有機アミン、例としてN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、適切な溶媒、例えば塩素化溶媒、例としてジクロロメタン中で都合よく実行される。
【0235】
別の手順では、上記式(IC)の化合物は、上で定義されている式(X)の化合物と、Rが上で定義されており、Lが適切な脱離基を表す式L-Rの化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0236】
脱離基Lは、適切には、ハロゲン原子、例えばクロロ又はブロモである。
【0237】
反応は、塩基の存在下で都合よく実行される。適切な塩基は、有機アミン、例えばトリアルキルアミン、例としてN,N-ジイソプロピルエチルアミンを含む。反応は、典型的には、上昇温度にて、適切な溶媒、例えば環状エーテル、例として1,4-ジオキサン中で行われる。
【0238】
或いは、反応は、遷移金属触媒の存在下で行われ得る。この手順で使用する適切な遷移金属触媒は、[(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナート(tBuBrettPhos Pd G3)を含む。反応は、上昇温度にて、塩基、例えば無機塩基、例としてカリウムtert-ブトキシドの存在下で、適切な溶媒又は溶媒混合物中で都合よく実行される。溶媒(複数可)は、適切には、環状エーテル、例えば1,4-ジオキサン、及びスルホキシド溶媒、例えばジメチルスルホキシドから選択され得る。
【0239】
上記式(X)の中間体は、化合物(III)と式RCOHのカルボン酸の間の反応について上述のものと類似した条件下で、上で定義されている式(III)の化合物と、式(XI)
【化19】

(式中、Rは、上で定義されており、Rは、水素又はN-保護基を表す)の化合物又はその塩、例えばそのリチウム塩を反応させることにより、続いて、必要であれば、N-保護基Rを除去することにより調製され得る。
【0240】
N-保護基Rは、適切には、tert-ブトキシカルボニル(BOC)である。
【0241】
N-保護基RがBOCである場合、後続するその除去は、酸、例えば鉱酸、例として塩酸、又は有機酸、例としてトリフルオロ酢酸を用いた処理により、都合よく遂行され得る。
【0242】
別の手順では、上記式(ID)の化合物は、化合物(III)と式RCOHのカルボン酸の間の反応について上述のものと類似した条件下で、式R-NHの化合物と、式(XII)
【化20】

(式中、A、B、D、E、X、R、R及びRは、上で定義されている通りである)の化合物を反応させ、必要であれば、続いてN-保護基Rを除去するステップを含むプロセスにより調製され得る。
【0243】
上記式(XII)の中間体は、化合物(III)と式RCOHのカルボン酸の間の反応について上述のものと類似した条件下で、(i)上で定義されている式(III)の化合物と、式(XIII)
【化21】

(式中、R及びAlkは、上で定義されている通りである)の化合物、又はその塩、例えばそのリチウム塩を反応させるステップ、及び(ii)塩基を用いた処理により生じた材料を鹸化するステップを含む、2ステップの手順により調製され得る。
【0244】
ステップ(ii)における鹸化反応は、一般的に、塩基を用いた処理により遂行される。適切な塩基は、無機水酸化物、例えば水酸化アルカリ金属、例として水酸化リチウムを含む。水酸化リチウムが上記手順のステップ(ii)で用いられる場合、生成物は、式(XII)のカルボン酸のリチウム塩であり得る。
【0245】
ステップ(ii)は、周囲温度にて、水及び適切な有機溶媒、例えばC1~4アルカノール、例えばエタノール中で都合よく達成される。
【0246】
これらが市販されていない場合、式(IV)、(VII)、(XI)及び(XIII)の出発材料は、添付の実施例に記載されているものに類似した方法により、又は、当技術分野から周知の標準的方法により調製され得る。
【0247】
上記プロセスのいずれかから最初に得られた式(I)のいずれかの化合物は、適切な場合、続いて、当技術分野から公知の技術により、さらなる式(I)の化合物へと合成され得ることが理解される。例として、N-BOC部分(BOCは、tert-ブトキシカルボニルの省略である)を含む式(I)の化合物は、酸、例えば鉱酸、例として塩酸、又は有機酸、例としてトリフルオロ酢酸を用いた処理により、N-H部分を含む対応する化合物に変換され得る。
【0248】
XがOである式(I)の化合物は、2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン2,4-ジスルフィド(Lawesson試薬)を用いた処理により、XがSである対応する化合物に変換され得る。
【0249】
アミノ(-NH)部分を含む式(I)の化合物は、典型的には塩基、例えば有機塩基、例としてN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、適切なハロゲン化アシル、例えば塩化アセチルを用いた処理によりアシル化され得、例えばアセチル化され得る。
【0250】
N-H部分を含有する化合物は、典型的には、周囲温度にて、塩基、例えば水素化ナトリウムの存在下で、適切な溶媒、例えば双極性非プロトン性溶媒、例としてN,N-ジメチルホルムアミド中で、適切なハロゲン化アルキル、例えばヨードメタンを用いた処理により、アルキル化され得、例えばメチル化され得る。
【0251】
又はR又はRが水素である式(I)の化合物は、Selectfluor(商標)を用いた処理により、R又はR又はRがフルオロである対応する化合物に変換され得る。
【0252】
又はR又はRが水素である式(I)の化合物は、典型的には酢酸の存在下で、N-クロロスクシンイミドを用いた処理により、R又はR又はRがクロロである対応する化合物に変換され得る。
【0253】
、R5a及びR5bのそれぞれの意義により可能であれば、式(IA)の化合物は、水素化触媒、例えば炭素上パラジウムの存在下で、従来の接触水素化により、例えば水素ガスを用いた処理により、式(IF)の対応する化合物から得られる。
【0254】
部分-S-を含有する化合物は、3-クロロペルオキシ安息香酸を用いた処理により、部分-S(O)-を含有する対応する化合物に変換され得る。同じく、部分-S-又は-S(O)-を含有する化合物は、3-クロロペルオキシ安息香酸を用いた処理により、部分-S(O)-を含有する対応する化合物に変換され得る。
【0255】
部分-S-を含有する化合物は、カルバミン酸アンモニウム及び(ジアセトキシヨード)ベンゼンを用いた処理により、部分-S(O)(NH)-を含有する対応する化合物に変換され得る。
【0256】
生成物の混合物が、本発明による化合物の調製について上述のプロセスのいずれかから得られる場合、望ましい生成物は、従来の方法、例えば分取HPLC、又は、例えば、適切な溶媒系とともにシリカ及び/若しくはアルミナを利用するカラムクロマトグラフィーにより、適切な段階でそこから分離され得る。
【0257】
本発明による化合物の調製について上に記載されているプロセスにより、立体異性体の混合物が生じる場合、これらの異性体は、従来の技術により分離され得る。詳細には、式(I)の化合物の特定の鏡像異性体を得ることが望ましい場合、これは、鏡像異性体を分割する任意の適切な従来の手順を使用して、対応する鏡像異性体の混合物から生成され得る。したがって、例えばジアステレオ異性体誘導体、例として塩は、式(I)の鏡像異性体、例えばラセミ化合物、及び適切なキラル化合物、例えばキラル塩基の混合物の反応により生成され得る。ジアステレオ異性体は、その結果、任意の都合のよい手段により、例えば結晶化により分離され得、例えば、ジアステレオ異性体が塩である例では、酸を用いた処理により、望ましい鏡像異性体が回収される。別の分割プロセスでは、式(I)のラセミ化合物は、キラルHPLCを使用して分離され得る。さらに、必要に応じて、特定の鏡像異性体は、上述のプロセスの1つで、適切なキラル中間体を使用することにより得られる。或いは、特定の鏡像異性体は、鏡像異性体に特異的な酵素的生体内変化、例えばエステラーゼを使用するエステル加水分解を行い、その結果、未反応のエステル対掌体から、鏡像異性的に純粋な加水分解された酸のみを精製することにより得られる。クロマトグラフィー、再結晶化及び他の従来の分離手順も、本発明の特定の幾何異性体を得ることが望ましい場合は、中間体又は最終生成物に対して使用してよい。
【0258】
上記合成シークエンスのいずれかの間、当該分子のいずれかに対して感受性又は反応性の基を保護することが必須、且つ/又は望ましいことがある。これは、従来の保護基、例えば、Greeneの有機化学における保護基(Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis)、P.G.M.Wuts編、John Wiley&Sons、第5版、2014年に記載されているものによって達成され得る。保護基は、当技術分野から公知の方法を利用して、任意の都合のよい後続する段階で除去され得る。
【0259】
本発明による化合物は、IL-17AがIL-17RAに結合する能力を強力に阻害する。以下に記載されているIL-17 FRETアッセイでテストした場合、本発明の化合物は、10μM以下、一般的に5μM以下、通常1μM以下、典型的には500nM以下、適切には100nM以下、理想的には50nM以下、好ましくは25nM以下のIC50値を呈する(当業者は、IC50の数値が低いほど活性な化合物を表すことを認識する)。
【0260】
さらに、本発明によるある化合物は、IL-17に誘導されるヒト真皮線維芽細胞からのIL-6放出を強力に阻害する。実際に、以下に記載されているHDF細胞系アッセイでテストした場合、本発明の化合物は、10μM以下、一般的に5μM以下、通常1μM以下、典型的には500nM以下、適切には100nM以下、理想的には50nM以下、好ましくは25nM以下のIC50値を呈する(前述のように、当業者は、IC50の数値が低いほど活性な化合物を表すことを認識する)。
【0261】
IL-17 FRETアッセイ
このアッセイの目的は、化合物が、IL-17Aと可溶性IL-17受容体A(IL-17RA)の間の相互反応を妨害する能力をテストすることである。化合物がIL-17AのIL-17RAへの結合を阻害する能力は、このアッセイで測定される。
【0262】
IL-17AA-TEV-ヒトFc構築物は、CHO SXE細胞系で発現させ、タンパク質Aクロマトグラフィー及びサイズ排除により精製した。タンパク質は、アミン反応性AlexaFluor 647色素(Thermo Fisher#A20006)で、製造者の指示の通りに標識した。
【0263】
可溶性IL-17RA(33-317)-HKH-TEV-Fcは、Expi HEK293細胞系で発現させ、タンパク質Aクロマトグラフィー及びサイズ排除により精製した。Fcタグは、TEVにより切断し、IL-17RA(33-317)-HKHを生成し、タンパク質は、アミン反応性テルビウム(Thermo Fisher#PV3581)で標識した。
【0264】
アッセイ緩衝液[Dulbecco’s PBS(Sigma#14190-094)、0.05%P20(Thermo Scientific#28320)、1mg/mL BSA(Sigma#A2153-500G)]中で、以下の溶液を調製した。
IL-17Aアッセイ用
・IL-17A-Fc-AF647、5nM
・IL-17RA-HKH-Tb、5nM
【0265】
化合物をDMSO中で段階希釈してから、水性希釈液を384ウェル希釈プレート(Greiner#781281)中に入れて、25%DMSO溶液を得た。
【0266】
IL-17A(10μL)を、黒色低体積アッセイプレート(Costar#4511)に添加し、希釈した化合物(5μL)を、水性希釈液プレートから移した。サイトカイン及び化合物を1hインキュベーションし、次いでIL-17RA(10μL)を添加した。プレートをホイルで包み、穏やかに振とうしながら(<400rpm)、室温にて18~20hインキュベーションしてから、Perkin Elmer Envisionプレートリーダー(励起:330nm、発光615/645nm)で読み取った。
【0267】
最終アッセイ濃度は、IL-17A-AF647、2nM及びIL-17RA-Tb、2nM、5%DMSOであった。
【0268】
IL-17 FRETアッセイでテストした場合、添付の実施例の化合物はいずれも、10μM又はそれより優れたIC50値を呈することを見出した。
【0269】
IL-17 FRETアッセイでテストした場合、添付の実施例の化合物は、一般的に約0.01nMから約10μMの範囲、通常約0.01nMから約5μMの範囲、典型的には約0.01nMから約1μMの範囲、適切には約0.01nMから約500nMの範囲、適切には約0.01nMから約100nMの範囲、理想的には約0.01nMから約50nMの範囲、好ましくは約0.01nMから約25nMの範囲のIC50値を呈する。
【0270】
IL-17Aに誘導される真皮線維芽細胞細胞系からのIL-6放出の阻害
このアッセイの目的は、ヒト初代細胞系において、IL-17タンパク質を無効化する能力をテストすることである。IL-17のみを用いた通常のヒト真皮線維芽細胞(HDF)の刺激は、きわめて弱いシグナルしか生成しないが、他のあるサイトカイン、例えばTNFαと組み合わせることにより、炎症性サイトカイン、すなわちIL-6の産生に相乗効果がみられる。
【0271】
HDFを、TNF-α(25pM)と組み合わせたIL-17A(50pM)で刺激した。得られたIL-6反応は、次いで、Cisbioの均一時間分解FRETキットを使用して測定した。キットは、2つのモノクローナル抗体、1つめはEu-Cryptateで標識したもの(供与体)、及び2つめはd2又はXL665で標識したもの(受容体)を利用する。シグナルの強度は、試料に存在するIL-6の濃度に比例する(比は、665/620×104により計算される)。
【0272】
IL-17に誘導されるヒト真皮線維芽細胞からのIL-6放出を化合物が阻害する能力が、このアッセイで測定される。
【0273】
HDF細胞(Sigma#106-05n)を、完全培地(DMEM+10%FCS+2mM L-グルタミン)中で培養し、標準的技術を使用して、組織培養フラスコで維持した。細胞は、TrypLE(Invitrogen#12605036)を使用して、アッセイ当日の朝に組織培養フラスコから採取した。TrypLEは、完全培地(45mL)を使用して中和し、細胞を300×gで3分遠心分離した。細胞を、完全培地(5mL)中で再度懸濁し、計数し、3.125×10個の細胞/mLの濃度に調整してから、384ウェルアッセイプレート(Corning#3701)に、ウェル当たり40μLで添加した。細胞を37℃/5%COにて最短でも3時間放置して、プレートに付着させた。
【0274】
化合物を、DMSO中で段階希釈してから、水性希釈液を384ウェル希釈プレート(Greiner#781281)中に入れ、滴定プレートから5μLを45μLの完全培地に移し、混合して、10%DMSOを含有する溶液を得た。
【0275】
TNFα及びIL-17サイトカインの混合物を、TNFα 25pM/IL-17A 50pMの最終濃度に完全培地中で調製し、次いで30μLの溶液を、384ウェル試薬プレート(Greiner#781281)に添加した。
【0276】
水性希釈液プレートから10μLを、30μLの希釈したサイトカインを含有する試薬プレートに移して、2.5%DMSO溶液を得た。化合物を、サイトカイン混合物で、37℃にて1時間インキュベーションした。インキュベーション後、10μLをアッセイプレートに移して、0.5%DMSO溶液を得、次いで、37℃/5%COにて18~20hインキュベーションした。
【0277】
Cisbio IL-6 FRETキット(Cisbio#62IL6PEB)から、ユーロピウムクリプタート及びAlexa 665を再構成緩衝液中で希釈し、キット説明書の通りに1:1で混合した。白色低体積384ウェルプレート(Greiner#784075)に、FRET試薬(10μL)を添加し、次いで上澄み(10μL)をアッセイプレートからGreiner試薬プレートに移した。混合物を、穏やかに振とうしながら(<400rpm)室温にて3hインキュベーションしてから、Synergy Neo 2プレートリーダー(励起:330nm、発光:615/645nm)で読み取った。
【0278】
上記アッセイでテストした場合、添付の実施例の化合物は、10μM又はそれより優れたIC50値を呈することを見出した。
【0279】
上記アッセイでテストした場合、添付の実施例の化合物は、一般的に、約0.01nMから約10μMの範囲、通常約0.01nMから約5μMの範囲、典型的には約0.01nMから約1μMの範囲、適切には約0.01nMから約500nMの範囲、適切には約0.01nMから約100nMの範囲、理想的には約0.01nMから約50nMの範囲、好ましくは約0.01nMから約25nMの範囲のIC50値を呈する。
【0280】
以下の実施例は、本発明による化合物の調製を例示する。
【実施例
【0281】
略語
DCM:ジクロロメタン DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
MeOH:メタノール THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
EtOAc:酢酸エチル HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
TFA:トリフルオロ酢酸
EDC.HCl:N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミドヒドロクロリド
SEM-Cl:2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド
h:時間 r.t.:室温
M:質量 RT:保持時間
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析
ES+:エレクトロスプレー陽イオン化
【0282】
分析条件
化合物は、ACD/Name Batch(Network)バージョン11.01、及び/又はAccelrys Draw 4.2、及び/又はElemental、Dotmatics、及び/又はChemaxonを利用して命名した。
【0283】
空気又は湿度感受性試薬を伴う反応はすべて、乾燥溶媒及びガラス器具を使用して、窒素雰囲気下で行った。
【0284】
NMRスペクトルは、Bruker Avance III HD 500MHz、400MHz、300MHz又は250MHz分光計で記録した。
【0285】
HPLC-MS
【0286】
1.Detection(230から400nm及び215nm)及びMass Spec Detection Agilent 6120質量分析計(ES)に連結したAgilent 1200-6120 LC-MSシステムで行った、m/z 120から800。
方法1
Waters X-Bridge C18(2.1×20mm、2.5μm)カラム
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%ギ酸
勾配プログラム:流量1mL/分
時間 A% B%
0.00 94.00 6.00
1.50 5.00 95.00
2.25 5.00 95.00
2.50 94.00 6.00
【0287】
2.SPD-M20A PDA及びPL 2100検出器に連結したShimadzu LCMS-2010EVシステムで行った。
方法2
Waters Atlantis dC18(2.1×100mm、3μm)カラム
移動相A:水中0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸
勾配プログラム:流量0.6mL/分、カラム温度40℃
時間 A% B%
0.00 95.00 5.00
5.00 0.00 100.0
5.40 0.00 100.0
5.42 95.00 5.00
方法3
Phenomenex Kinetex Core-Shell C8(2.1×50mm、5μm)カラム
移動相A:水中0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸
勾配プログラム:流量1.2mL/分、カラム温度40℃
時間 A% B%
0.00 95.00 5.00
1.20 0.00 100.0
1.30 0.00 100.0
1.31 95.00 5.00
【0288】
3.Waters 2996 PDA及びWaters 2420 検出器に連結したWaters ZQシステムで行った。
方法4
Waters Atlantis dC18(4.6×50mm、3μm)カラム
移動相A:水中0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸
勾配プログラム:流量0.8mL/分、カラム温度40℃
時間 A% B%
0.00 30.00 70.00
3.00 90.00 10.0
6.00 90.00 10.0
方法5
Waters Atlantis dC18(4.6×50mm、3μm)カラム
移動相A:水中0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸
勾配プログラム:流量0.6mL/分、カラム温度40℃
時間 A% B%
0.00 50.00 50.00
3.00 95.00 5.00
6.00 95.00 5.00
4.SPD-M20A PDA及びSoftaモデル400 ELS検出器に連結したShimadzu LCMS-2010EVシステムで行った
方法6
Waters X-Bridge C18(2.1×30mm、2.5μm)カラム
移動相A:水中5mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+水中5% 5mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
勾配プログラム:流量1mL/分
時間 A% B%
0.00 95.00 5.00
4.00 5.00 95.00
5.00 5.00 95.00
5.10 95.00 5.00
6.50 95.00 5.00
【0289】
中間体1
メチル2-シクロオクチリデン-2-ホルムアミドアセタート
THF(1M、48mL、48mmol)中のカリウムtert-ブトキシドの溶液を、窒素下で、-65℃にて、無水THF(40mL)中のイソシアノ酢酸メチル(4.0mL、41.8mmol)の溶液に滴下添加した。5分後、無水THF(20mL)中のシクロオクタノン(5g、39.62mmol)の溶液を、-70℃にてゆっくり添加した。反応混合物を-70℃にて30分撹拌し、次いでr.t.に温めた。60h後、反応混合物を水(100mL)でクエンチし、r.t.にて1h撹拌した。残渣を、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、次いで濾過し、真空で濃縮した。残渣は、ヘプタン中酢酸エチル(0~90%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(5.37g、58%)を橙色粘性油状物として得、これを静置させると固化した。
【数1】
【0290】
中間体2
メチル2-シクロオクチル-2-ホルムアミドアセタート
マグネシウム片(3.15g、130mmol)を、0℃にて無水MeOH(65mL)中の中間体1(3.04g、13.00mmol)の撹拌した溶液に添加した。懸濁液を0℃にて1h撹拌し、次いでr.t.に温めた。16h後、追加のマグネシウム切削片(1.00g、41.1mmol)を添加し、懸濁液をr.t.にて3.5h撹拌した。混合物を真空で濃縮した。残渣を、EtOAc(100mL)と水(200mL)との間で分配し、次いで0℃に冷却した。濃HClを用心深く添加して、固体の溶解を補助した(pH4)。有機層を除去し、次いで水性懸濁液を、さらなる濃HCl(pH1)で処理し、材料を、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、次いで濾過し、真空で濃縮した。残渣は、ヘプタン中EtOAc(0~80%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.53g、52%)を橙色粘性油状物として得た。
【数2】
【0291】
中間体3
メチル2-アミノ-2-シクロオクチルアセタート塩酸塩
塩化アセチル(1.9mL、26.7mmol)を、窒素下で0℃にて、MeOH(70mL)中の中間体2(1.69g、6.77mmol)の撹拌した溶液に添加した。混合物を50℃にて2h加熱し、次いでr.t.に冷却し、真空で濃縮した。生じた粗材料を、ジエチルエーテル(40mL)で粉砕し、固体を濾取し、ジエチルエーテル(2×20mL)で洗浄した。固体を真空で50℃にて6h乾燥させて、表題化合物(1.43g、81%)を黄褐色粉末として得た。
【数3】
【0292】
中間体4
メチル2-シクロオクチル-2-[(3-メチルイソオキサゾール-4-カルボニル)アミノ]アセタート
乾燥DMF(100mL)中の3-メチルイソオキサゾール-4-カルボン酸(12.9g、66.1mmol)の溶液に、0℃にて、DIPEA(54.9g、424.6mmol)、EDC.HCl(19.5g、101.9mmol)及びHOBt(13.8g、101.9mmol)を添加した。反応混合物を0℃にて15分撹拌し、次いで中間体3(20.0g、84.9mmol)を添加した。反応混合物をr.t.にて48h撹拌し、次いで氷冷水(500mL)中に注ぎ、EtOAc(2×400mL)で抽出した。有機層を分離し、氷冷水(2×100mL)及び1N HCl(2×50mL)で洗浄し、次いで無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で蒸発させた。残渣は、ヘキサン中EtOAc(0~15%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(7.9g、41.3%)を淡黄色粘性油状物として得た。
【数4】
【0293】
中間体5
リチウム2-シクロオクチル-2-[(3-メチルイソオキサゾール-4-カルボニル)アミノ]アセタート
THF(90mL)中の中間体4(11.01g、35.7mmol)の溶液に、水(30mL)及び水酸化リチウム一水和物(2.25g、53.6mmol)を添加した。反応混合物をr.t.にて16h撹拌し、次いで真空で濃縮した。残渣に、ジエチルエーテル(50mL)を添加した。混合物を10分撹拌し、次いで濾過した。得られた固体をジエチルエーテル(50mL)及びペンタン(50mL)で洗浄し、次いで真空下で乾燥させて、表題化合物(9.51g、91%)をオフホワイト固体として得た。
【数5】
【0294】
中間体6
N-(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)オキセタン-3-アミン
THF(50mL)中の4-ブロモ-1-フルオロ-2-ニトロベンゼン(2.00g、9.09mmol)の撹拌した溶液に、0℃にて、オキセタン-3-アミン(0.80g、10.9mmol)及び炭酸カリウム(1.26g、9.09mmol)を添加した。反応混合物を、封管中において60℃にて6h加熱し、次いで、EtOAc(500mL)で希釈し、水(2×200mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで濾過し、真空で濃縮した。残渣を、ヘキサン中5%EtOAc(100mL)から再結晶化により精製して、表題化合物(2.20g、86%)を黄色固体として得た。
【数6】
【0295】
中間体7
4-ブロモ-N-(オキセタン-3-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン
MeOH(100mL)中の中間体6(2.20g、8.06mmol)の溶液に、0℃にて、亜鉛(2.64g、40.3mmol)及びギ酸アンモニウム(2.54g、40.3mmol)を添加した。反応混合物を撹拌しながらr.t.に温めた。1h後、反応混合物は、セライト(登録商標)パッドを通して濾過し、MeOH(3×50mL)で洗浄し、濾液を真空で濃縮した。残渣をDCM(500mL)に溶解し、0℃に15分にわたって冷却し、次いでデカントし、水(2×200mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで濾過し、真空で濃縮した。残渣を、ヘキサン中5%EtOAc(100mL)から再結晶化により精製して、表題化合物(1.60g、81%)を褐色固体として得た。
【数7】
【0296】
中間体8
6-ブロモ-3-(オキセタン-3-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-オン
THF(50mL)中の中間体7(1.60g、6.58mmol)の溶液に、0℃にて、1,1’-カルボニルジイミダゾール(1.60g、9.87mmol)を添加した。反応混合物をr.t.にて6h撹拌し、次いで、水(100mL)でクエンチし、DCM(2×200mL)中のMeOHの10%溶液で抽出した。有機層を分離し、ブライン(100mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残渣を、ヘキサン中20%EtOAc(50mL)から再結晶化により精製して、表題化合物(1.40g、77%)を薄ピンク色固体として得た。
【数8】
【0297】
中間体9
5-ブロモ-1-(オキセタン-3-イル)-3-[2-(トリメチルシリル)エトキシメチル]ベンゾイミダゾール-2-オン
DMF(30mL)中の中間体8(1.40g、5.20mmol)の撹拌した溶液に、0℃にて、水素化ナトリウム(0.19g、7.80mmol)を添加した。反応混合物を、0℃にて30分撹拌した。SEM-Cl(1.74g、10.4mmol)を0℃にて添加し、反応混合物をr.t.に温めた。3h後、反応混合物を水(50mL)でクエンチし、EtOAc(2×200mL)で抽出した。有機層を分離し、水(200mL)及びブライン(100mL)で洗浄した、次いで硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残渣は、ヘキサン中EtOAc(20~30%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.40g、66%)を薄ピンク色固体として得た。
【数9】
【0298】
中間体10
5-アミノ-1-(オキセタン-3-イル)-3-[2-(トリメチルシリル)エトキシメチル]ベンゾイミダゾール-2-オン
DMSO(20mL)中の中間体9(0.40g、1.00mmol)の溶液に、r.t.にて、アジ化ナトリウム(0.13g、2.00mmol)及び炭酸カリウム(0.42g、3.00mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで30分パージした。ヨウ化銅(I)(0.02g、0.10mmol)及びL-プロリン(0.12g、1.00mmol)を添加し、反応混合物を窒素で10分再度パージした。反応混合物を100℃にて16h加熱した、次いでEtOAc(400mL)で希釈し、水(2×100mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで濾過し、真空で濃縮した。残渣は、ヘキサン中EtOAc(50~60%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.25g、57%)を薄黄色固体として得た。
【数10】
【0299】
中間体11
N-[1-シクロオクチル-2-({1-(オキセタン-3-イル)-2-オキソ-3-[2-(トリメチルシリル)エトキシメチル]-ベンゾイミダゾール-5-イル}アミノ)-2-オキソエチル]-3-メチルイソオキサゾール-4-カルボキサミド
DCM(20mL)中の中間体10(0.25g、0.75mmol)及び中間体5(0.22g、0.75mmol)の溶液に、0℃にて、プロピルホスホン酸無水物(EtOAc中50%溶液、1.42g、4.47mmol)を添加した。反応混合物をr.t.にて12h撹拌し、次いでDCM(200mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで濾過し、真空で濃縮した。残渣は、ヘキサン中EtOAc(50~60%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.25g、49%)をオフホワイト固体として得た。
【数11】
【0300】
中間体12
N-(4-ブロモ-2-ニトロフェニル)テトラヒドロピラン-4-アミン
THF(50mL)中の4-ブロモ-1-フルオロ-2-ニトロベンゼン(2.00g、9.09mmol)の撹拌した溶液に、0℃にて、テトラヒドロピラン-4-アミン(1.10g、10.9mmol)及び炭酸カリウム(1.26g、9.09mmol)を添加した。反応混合物を、封管中において60℃にて6h加熱し、次いでEtOAc(500mL)で希釈し、水(2×200mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで濾過し、真空で濃縮した。残渣は、ヘキサン中EtOAc(0~15%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.70g、96%)をオフホワイト固体として得た。
【数12】
【0301】
中間体13
4-ブロモ-N-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン
MeOH(35mL)中の中間体12(2.00g、6.64mmol)の溶液に、0℃にて、ギ酸アンモニウム(2.09g、33.2mmol)及び亜鉛(2.17g、33.2mmol)を添加した。反応混合物をr.t.に撹拌しながら温めた。1h後、反応混合物は、セライト(登録商標)パッドを通して濾過し、MeOH(3×50mL)で洗浄し、濾液を真空で濃縮した。残渣を、水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×80mL)で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(1.71g、95%)を淡褐色固体として得、これをさらなる精製なしで利用した。
【数13】
【0302】
中間体14
6-ブロモ-3-(テトラヒドロピラン-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-オン
THF(50mL)中の中間体13(1.70g、6.27mmol)の溶液に、0℃にて、1,1’-カルボニルジイミダゾール(1.53g、9.40mmol)を添加した。反応混合物をr.t.にて6h撹拌し、次いで水(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(100mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残渣は、ヘキサン中EtOAc(80~90%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.71g、92%)をオフホワイト固体として得た。
【数14】
【0303】
中間体15
5-ブロモ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-[2-(トリメチルシリル)エトキシメチル]ベンゾイミダゾール-2-オン
DMF(20mL)中の中間体14(1.70g、5.72mmol)の撹拌した溶液に、0℃にて水素化ナトリウム(0.34g、8.58mmol)を添加した。反応混合物を0℃にて30分撹拌した。SEM-Cl(1.33mL、11.4mmol)を0℃にて添加し、反応混合物をr.t.に温めた。2h後、反応混合物を氷水(150mL)でクエンチし、濾過し、次いで水(50mL)で洗浄し、真空で乾燥させて、表題化合物(2.01g、粗製物)をオフホワイト固体として得、これをさらなる精製なしで利用した。
【数15】
【0304】
中間体16
5-アミノ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-[2-(トリメチルシリル)エトキシメチル]ベンゾイミダゾール-2-オン
DMSO(10mL)中の中間体15(0.50g、1.17mmol)の溶液に、r.t.にて、アジ化ナトリウム(0.23g、3.51mmol)及び炭酸カリウム(0.65g、4.68mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで30分パージした。ヨウ化銅(I)(0.22g、1.17mmol)及びL-プロリン(0.27g、2.34mmol)を添加した。反応混合物を120℃にて24h加熱し、次いで水(80mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残渣は、ヘキサン中EtOAc(35~45%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(203mg、48%)を淡褐色半固体として得た。
【数16】
【0305】
中間体17
N-[1-シクロオクチル-2-オキソ-2-({2-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-[2-(トリメチルシリル)エトキシ-メチル]ベンゾイミダゾール-5-イル}アミノ)エチル]-3-メチルイソオキサゾール-4-カルボキサミド
DCM(20mL)中の中間体16(0.20g、0.55mmol)及び中間体5(0.16g、0.55mmol)の溶液に、0℃にて、プロピルホスホン酸無水物(EtOAc中50%溶液、1.05g、3.30mmol)を添加した。反応混合物をr.t.にて12h撹拌し、次いでDCM(100mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで濾過し、真空で濃縮した。残渣は、ヘキサン中EtOAc(50~60%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.23g、65%)をオフホワイト固体として得た。
【数17】
【0306】
(例1)
【化22】

N-(1-シクロオクチル-2-{[1-(オキセタン-3-イル)-2-オキソ-3H-ベンゾイミダゾール-5-イル]アミノ}-2-オキソエチル)-3-メチルイソオキサゾール-4-カルボキサミド
DCM(20mL)中の中間体11(0.16g、0.26mmol)の溶液に、0℃にて、TFA(1.00mL、13.1mmol)を添加した。反応混合物をr.t.にて30分撹拌し、次いで真空で濃縮した。残渣を、0℃にて、アセトニトリル(2mL)及びメタノールアンモニア(3mL)で希釈し、r.t.にて10分撹拌し、次いで真空で濃縮した。残渣は、DCM中MeOH(3~4%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(35mg、27%)を白色固体として得た。
【数18】
【0307】
(例2)
【化23】

N-(1-シクロオクチル-2-オキソ-2-{[2-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-アミノ}エチル)-3-メチルイソオキサゾール-4-カルボキサミド
DCM(5mL)中の中間体17(0.20g、0.31mmol)の溶液に、0℃にて、TFA(0.96mL、12.5mmol)を添加した。反応混合物をr.t.にて3h撹拌し、次いで真空で濃縮した。残渣を、0℃にて、アセトニトリル(1mL)及びメタノールアンモニア(2mL)で希釈し、r.t.にて1h撹拌し、次いで真空で濃縮した。残渣は、DCM中MeOH(3~4%)の勾配を使用し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(9mg、57%)を白色固体として得た。
【数19】


本発明には以下の好ましい態様が含まれる。
(1)式(I)
【化24】

(式中、
Aは、C 3~9 シクロアルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル又はC 4~9 ヘテロビシクロアルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
Bは、C-R 又はNを表し、
Dは、C-R 又はNを表し、
Eは、C-R 又はNを表し、
Xは、O又はSを表し、
は、水素又はC 1~6 アルキルを表し、
は、-COR 若しくは-SO を表し、又は、R は、C 1~6 アルキル、C 3~9 シクロアルキル、C 3~9 シクロアルキル(C 1~6 )アルキル、C 5~9 スピロシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、アリール、アリール(C 1~6 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロアリール(C 1~6 )アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C 1~6 アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C 1~6 アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C 1~6 アルキルスルフィニル又はC 1~6 アルキルスルホニルを表し、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C 1~6 アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C 1~6 アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C 1~6 アルキルスルフィニル又はC 1~6 アルキルスルホニルを表し、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C 1~6 アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C 1~6 アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C 1~6 アルキルスルフィニル又はC 1~6 アルキルスルホニルを表し、
は水素を表し、又は、R は、C 1~6 アルキル、C 2~7 アルケニル、C 3~9 シクロアルキル、C 3~9 シクロアルキル(C 1~6 )アルキル、C 3~9 シクロアルキリデニル(C 1~6 )アルキル、C 4~9 ビシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、C 4~9 ビシクロアルキリデニル(C 1~6 )アルキル、C 5~9 スピロシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、C 9~11 トリシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、アリール、アリール(C 1~6 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキリデニル(C 1~6 )アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C 1~6 )アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、及び
は、C 1~6 アルキル、C 2~7 アルケニル、C 3~9 シクロアルキル、C 3~9 シクロアルキル(C 1~6 )アルキル、C 3~9 シクロアルキリデニル(C 1~6 )アルキル、C 4~9 ビシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、C 4~9 ビシクロアルキリデニル(C 1~6 )アルキル、C 5~9 スピロシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、C 9~11 トリシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、アリール、アリール(C 1~6 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキリデニル(C 1~6 )アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C 1~6 )アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩。
(2)式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)若しくは(I-5)
【化25】

(式中、A、X、R 、R 、R 、R 及びR が、(1)で定義されている通りである)により表される、(1)に記載の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩。
(3)R が、-COR を表し、R が、(1)で定義されている通りである、(1)又は(2)に記載の化合物。
(4)R が、-CH(R )N(H)C(O)R 、-CH(R )N(H)S(O) 、-C(=CR 5a 5b )N(H)C(O)R 、-CH(R )R 、-CH(R )N(H)R 又は-CH(R )C(O)N(H)R を表し、
が水素を表し、又は、R が、C 1~5 アルキル、C 3~9 シクロアルキル、C 3~9 シクロアルキル(C 1~5 )アルキル、C 4~9 ビシクロアルキル、C 4~9 ビシクロアルキル(C 1~5 )アルキル、C 5~9 スピロシクロアルキル、C 5~9 スピロシクロアルキル(C 1~5 )アルキル、C 9~11 トリシクロアルキル、C 9~11 トリシクロアルキル(C 1~5 )アルキル、アリール、アリール(C 1~5 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル(C 1~5 )アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C 1~5 )アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
5a が、C 3~7 シクロアルキル、C 4~9 ビシクロアルキル、アリール、C 3~7 ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロアリールを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、及び
5b が、水素若しくはC 1~6 アルキルを表し、又は、
5a 及びR 5b が、それらの両方が結合した炭素原子と一緒になった場合は、C 3~7 シクロアルキル、C 4~9 ビシクロアルキル若しくはC 3~7 ヘテロシクロアルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
が、-NR 6a 6b 若しくは-OR 6c を表し、又は、R が、C 1~9 アルキル、C 3~9 シクロアルキル、C 3~9 シクロアルキル(C 1~6 )アルキル、アリール、アリール(C 1~6 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C 1~6 )アルキル若しくはスピロ[(C 3~7 )ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
6a が水素を表し、又は、R 6a が、C 1~6 アルキル、C 3~7 シクロアルキル、C 3~7 シクロアルキル(C 1~6 )アルキル、アリール、アリール(C 1~6 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C 1~6 )アルキル若しくはスピロ[(C 3~7 )ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、
6b が、水素又はC 1~6 アルキルを表し、
6c が、C 1~6 アルキル、C 3~7 シクロアルキル、C 3~7 シクロアルキル(C 1~6 )アルキル、アリール、アリール(C 1~6 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル(C 1~6 )アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C 1~6 )アルキルを表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得、及び
が、アリール、ヘテロアリール又はスピロ[(C 3~7 )ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、これらの基のいずれかが、任意選択で、1個又は複数の置換基により置換され得る、(3)に記載の化合物。
(5)式(IIA)
【化26】

(式中、
Wが、O、S、S(O)、S(O) 、S(O)(NH)又はN-R 17 を表し、
17 が、水素又はC 1~6 アルキルを表し、
、R 及びR が、(1)で定義されている通りであり、
及びR が、(4)で定義されている通りである)により表される(4)に記載の化合物、又は医薬として許容できるその塩。
(6)式(IIB)
【化27】

(式中、
、R 及びR が、(1)で定義されている通りであり、
及びR が、(4)で定義されている通りであり、
Wが、(5)で定義されている通りである)により表される(4)に記載の化合物、又は医薬として許容できるその塩。
(7)R が、C 1~5 アルキル、C 3~9 シクロアルキル、C 3~9 シクロアルキル(C 1~5 )アルキル、C 4~9 ビシクロアルキル、C 4~9 ビシクロアルキル(C 1~5 )アルキル、C 5~9 スピロシクロアルキル、C 9~11 トリシクロアルキル、C 9~11 トリシクロアルキル(C 1~5 )アルキル、アリール、アリール(C 1~5 )アルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル、C 3~7 ヘテロシクロアルキル(C 1~5 )アルキル又はヘテロアリール(C 1~5 )アルキルを表し、これらの基のいずれかが、ハロゲン、シアノ、C 1~6 アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、ヒドロキシ、C 1~6 アルコキシ及びアミノカルボニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基により任意選択で置換され得る、(4)から(6)までのいずれかに記載の化合物。
(8)R が、-NR 6a 6b 若しくは-OR 6c を表し、又はR は、C 1~9 アルキル、アリール、C 3~7 ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C 1~6 )アルキル若しくはスピロ[(C 3~7 )ヘテロシクロアルキル][ヘテロアリール]を表し、これらの基のいずれかが、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C 1~6 アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、フェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C 1~6 )アルキル、オキソ、C 1~6 アルコキシ、C 1~6 アルコキシ(C 1~6 )アルキル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C 1~6 アルキルチオ、C 1~6 アルキルスルフィニル、C 1~6 アルキルスルホニル、(C 1~6 )アルキルスルホニル(C 1~6 )アルキル、C 1~6 アルキルスルホニルオキシ、アミノ、アミノ(C 1~6 )アルキル、C 1~6 アルキルアミノ、ジ(C 1~6 )アルキルアミノ、ジ(C 1~6 )アルキルアミノ(C 1~6 )アルキル、ピロリジニル、ジオキソイソチアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペラジニル、C 2~6 アルキルカルボニルアミノ、C 2~6 アルキルカルボニルアミノ(C 1~6 )アルキル、C 2~6 アルコキシカルボニルアミノ、C 1~6 アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C 2~6 アルキルカルボニル、カルボキシ、C 2~6 アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C 1~6 アルキルアミノカルボニル、ジ(C 1~6 )アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C 1~6 アルキルアミノスルホニル、ジ(C 1~6 )アルキルアミノスルホニル及びジ(C 1~6 )アルキルスルホキシミニルから独立して選択される1、2又は3個の置換基により任意選択で置換され得る、(4)から(7)までのいずれかに記載の化合物。
(9)本明細書において、実施例のいずれか1つで具体的に開示されている、(1)に記載の化合物。
(10)治療に使用するための、(1)に記載の式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩。
(11)IL-17機能の調節剤の投与が指示される障害の処置及び/又は予防に使用するための、(1)に記載の式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩。
(12)炎症又は自己免疫障害の処置及び/又は予防に使用するための、(1)に記載の式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩。
(13)(1)に記載の式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩を、医薬として許容できる担体と共に含む、医薬組成物。
(14)追加の医薬活性成分をさらに含む、(13)に記載の医薬組成物。
(15)IL-17機能の調節剤の投与が指示される障害を処置及び/又は予防する医薬を製造するための、(1)に記載の式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩の使用。
(16)炎症又は自己免疫障害を処置及び/又は予防する医薬を製造するための、(1)に記載の式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩の使用。
(17)IL-17機能の調節剤の投与が指示される障害を処置及び/又は予防するための方法であって、そのような処置を必要とする患者に、有効量の(1)に記載の式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩を投与するステップを含む、上記方法。
(18)炎症又は自己免疫障害を処置及び/又は予防するための方法であって、そのような処置を必要とする患者に、有効量の(1)に記載の式(I)の化合物若しくはそのN-オキシド、又は医薬として許容できるその塩を投与するステップを含む、上記方法。