(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】通信方法および光モジュール
(51)【国際特許分類】
H04L 7/00 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
H04L7/00 990
H04L7/00 330
H04L7/00 750
(21)【出願番号】P 2021542439
(86)(22)【出願日】2019-12-30
(86)【国際出願番号】 CN2019129697
(87)【国際公開番号】W WO2020151458
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-08-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】201910059723.1
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】祁 云磊
(72)【発明者】
【氏名】李 春▲栄▼
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】丸山 高政
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-239527(JP,A)
【文献】国際公開第2012/105354(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0043823(US,A1)
【文献】特開2018-182647(JP,A)
【文献】特開2018-37811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、
第1のネットワークデバイス
に適用された第1の光モジュールによって、第1の遅延を決定することであって、前記第1の遅延は、パケットが前記第1の光モジュール内で伝送されるときに生成される遅延を含
み、
前記第1の光モジュールはデジタル領域およびアナログ領域を含み、前記デジタル領域は、クロックおよびデータ回復(CDR)チップまたは光デジタル信号処理(oDSP)チップを含み、前記アナログ領域は、送信機光サブアセンブリ(TOSA)および受信機光サブアセンブリ(ROSA)を含む、ことと、
前記第1の光モジュールによって、
前記第1の光モジュールの遅延報告
レジスタアクセスインターフェースを介して前記第1のネットワークデバイス
に適用されたインターフェースチップに前記第1の遅延を送信することであって、前記
インターフェースチップは、
物理層PHYチップおよびメディアアクセス制御層MACチップのうちの少なくとも1つである、ことと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の光モジュールは、光送信機を含み、前記光送信機は、インバウンドインターフェースおよびアウトバウンドインターフェースを含み、前記第1の光モジュールによって、第1の遅延を決定することは、
前記第1の光モジュールによって、前記インバウンドインターフェースを介して第1のデータフローを受信することと、
前記第1の光モジュールによって、前記第1のデータフローを前記アウトバウンドインターフェースを介して第2のネットワークデバイスに送信することと、
前記第1の光モジュールによって、前記第1のデータフローが前記光送信機
内で
伝送されるときに生成される遅延が前記第1の遅延であると決定することと
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の光モジュールが光送信機を含み、前記第1の光モジュールによって第1の遅延を決定することは、
前記光送信機によって、前記光送信機のインバウンドインターフェースを介して第1のデータフローを受信することを含み、
前記第1の遅延は、前記光送信機の少なくとも1つの回路が前記第1のデータフローを処理するときに生じる遅延を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記光送信機は、デジタル信号処理モジュールを含み、前記少なくとも1つの回路は、前記デジタル信号処理モジュールの少なくとも1つの回路を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の光モジュールは、光受信機を含み、前記方法は、
前記光受信機によって、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュールの光送信機によって送信された第2のデータフローを受信することを含み、
前記第1の遅延は、前記光受信機の少なくとも1つの回路が前記第2のデータフローを処理するときに生じる遅延を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記光受信機は、デジタル信号処理モジュールを含み、前記少なくとも1つの回路は、前記デジタル信号処理モジュールの少なくとも1つの回路を含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のデータフローが前記第2の光モジュールの前記光送信機
内で
伝送されるときに生成される遅延は、第2の遅延
であり、前記第2のデータフローが前記第1の光モジュールの前記光受信機
内で
伝送されるときに生成される遅延は、第3の遅延
であり、前記第1の遅延は、前記第2の遅延および前記第3の遅延
の合計である、請求項
5または
6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の光モジュールは、光送信機および第1の光受信機を含み、
前記第1の光モジュールによって第1の遅延を決定することの前に、前記方法はさらに、
前記第1の光モジュールによって、前記光送信機のインバウンドインターフェースを使用することによって第1のデータフローを受信することであって、前記第1のデータフローが前記光送信機
内で
伝送されるときに生成される遅延は、第2の遅延
であることと
前記第1の光モジュールによって、前記光送信機を使用することにより、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュールの第2の光受信機に前記第1のデータフローを送信することであって、前記第1のデータフローが前記第2の光受信機
内で
伝送されるときに生成される遅延は、第3の遅延
であることと、
前記第1の光モジュールによって、前記第1の光受信機のアウトバウンドインターフェースを使用することによって、前記第2のネットワークデバイスによって送信された第2のデータフローを受信することであって、前記第2のデータフローは、指示情報を搬送することとを含み、
前記第1の光モジュールによって第1の遅延を決定することは、
前記第1の光モジュールによって、前記指示情報に基づいて前記第1の遅延を決定することであって、前記第1の遅延は、前記第2の遅延および前記第3の遅延
の合計であることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の光モジュールは、第1の回路および第2の回路を含み、前記方法はさらに、
前記第1のデータフローが
前記第1の光モジュール内の前記第1の回路に
伝送されると、前記第1の光モジュールによって、前記第1のデータフローで搬送される第1の指示信号を抽出することと、
前記第1のデータフローが
前記第1の光モジュール内の前記第2の回路に
伝送されると、前記第1の光モジュールによって、前記第1のデータフローで搬送される第2の指示信号を抽出することと
を含み、
前記
第1の遅延は、前記第1の指示信号および前記第2の指示信号に基づい
て決定
される、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の指示信号および前記第2の指示信号の両方が、調整マーカーAM指示信号であるか、または前記第1の指示信号がAM指示信号であり、前記第2の指示信号がデジタル信号処理DSPフレームヘッダ信号であるか、または前記第1の指示信号と前記第2の指示信号の両方が、フレーム開始デリミタSFDである、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記インターフェースチップは、物理層PHY機能またはメディアアクセス制御MAC機能を実装するように構成されたチップを含む、請求項1乃至
10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の光モジュールによって、前記第1の遅延を報告することは、
前記第1の光モジュールのクロック状態が変化すると、前記第1の遅延を前記インターフェースチップに報告すること、または、
前記第1の光モジュールのリンクが正常に確立されると、前記第1の遅延を前記インターフェースチップに報告することを含む、請求項1乃至
11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の遅延は、前記第1の光モジュールがデータを送信するように構成されている場合の最大送信遅延値または最小送信遅延値を含むか、または、前記第1の遅延は、前記第1の光モジュールがデータを受信するように構成されている場合の最大受信遅延値または最小受信遅延値を含む、請求項1乃至
12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
第1の光モジュールとして使用される、第1のネットワークデバイス
に適用された光モジュールであって、
第1の遅延を決定するように構成されたプロセッサであって、前記第1の遅延は、パケットが前記第1の光モジュール内で伝送されるときに生成される遅延を含
み、
前記第1の光モジュールはデジタル領域およびアナログ領域を含み、前記デジタル領域は、クロックおよびデータ回復(CDR)チップまたは光デジタル信号処理(oDSP)チップを含み、前記アナログ領域は、送信機光サブアセンブリ(TOSA)および受信機光サブアセンブリ(ROSA)を含む、プロセッサと、
前記第1のネットワークデバイスのインターフェースチップに前記第1の遅延を送信するようにさらに構成された遅延報告
レジスタアクセスインターフェースであって、前記インターフェースチップは、物理層PHYチップおよびメディアアクセス制御層MACチップのうちの1つである、遅延報告
レジスタアクセスインターフェースと
を備えた光モジュール。
【請求項15】
前記第1の光モジュールは、光送信機を含み、前記光送信機は、前記プロセッサ、前記遅延報告
レジスタアクセスインターフェース、インバウンドインターフェース、およびアウトバウンドインターフェースを備え、
前記インバウンドインターフェースは、第1のデータフローを受信するように構成され、
前記アウトバウンドインターフェースは、前記第1のデータフローを第2のネットワークデバイスに送信するように構成され、
前記プロセッサは、前記第1のデータフローが前記光送信機
内で
伝送されるときに生成される遅延が前記第1の遅延であると決定するように構成される、請求項
14に記載の光モジュール。
【請求項16】
前記第1の光モジュールは、光送信機を含み、前記光送信機は、前記プロセッサ、前記遅延報告
レジスタアクセスインターフェース、インバウンドインターフェース、およびアウトバウンドインターフェースを備え、
前記インバウンドインターフェースは、第1のデータフローを受信するように構成され、
前記アウトバウンドインターフェースは、前記第1のデータフローを第2のネットワークデバイスに送信するように構成され、
前記第1の遅延は、前記光送信機の少なくとも1つの回路が前記第1のデータフローを処理するときに生じる遅延を含む、請求項
14に記載の光モジュール。
【請求項17】
前記光送信機は、デジタル信号処理モジュールを含み、前記少なくとも1つの回路は、前記デジタル信号処理モジュールの少なくとも1つの回路を含む、請求項
16に記載の光モジュール。
【請求項18】
前記第1の光モジュールは、光受信機を含み、前記光受信機は、前記プロセッサおよび前記遅延報告
レジスタアクセスインターフェースを含む、請求項
14に記載の光モジュール。
【請求項19】
前記光受信機は、インバウンドインターフェースを含み、
前記インバウンドインターフェースは、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュールの光送信機によって送信される第2のデータフローを受信するように構成され、前記第1の遅延は、前記光受信機の少なくとも1つの回路が前記第2のデータフローを処理するときに生じる遅延を含む、請求項
18に記載の光モジュール。
【請求項20】
前記光受信機は、デジタル信号処理モジュールを含み、前記少なくとも1つの回路は、前記デジタル信号処理モジュールの少なくとも1つの回路を含む、請求項
19に記載の光モジュール。
【請求項21】
前記第2のデータフローが前記第2の光モジュールの前記光送信機
内で
伝送されるときに生成される遅延は、第2の遅延
であり、前記第2のデータフローが前記第1の光モジュールの前記光受信機
内で
伝信されるときに生成される遅延は、第3の遅延
であり、前記第1の遅延は、前記第2の遅延および前記第3の遅延
の合計である、請求項
19または
20に記載の光モジュール。
【請求項22】
前記第1の光モジュールは、前記第1のネットワークデバイスの前記光モジュールであり、前記第1の光モジュールは、光送信機および第1の光受信機を含み、前記第1の光受信機は、前記プロセッサおよび前記遅延報告
レジスタアクセスインターフェースを備え、
前記光送信機は、インバウンドインターフェースを介して第1のデータフローを受信するように構成され、前記第1のデータフローが前記光送信機で送信されるときに生成される遅延は、第2の遅延であり、
前記光送信機はさらに、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュールの第2の光受信機に、アウトバウンドインターフェースを介して前記第1のデータフローを送信するように構成され、前記第1のデータフローが前記第2の光受信機で送信されるときに生成される遅延は、第3の遅延であり、
前記第1の光受信機は、前記第2のネットワークデバイスによって送信される第2のデータフローを受信するように構成され、前記第2のデータフローは、指示情報を搬送し、
前記プロセッサは、前記指示情報に基づいて前記第1の遅延を決定するように特に構成され、前記第1の遅延は、前記第2の遅延および前記第3の遅延
の合計である、請求項
14に記載の光モジュール。
【請求項23】
前記第1の光モジュールは、第1の回路および第2の回路を含み、前記プロセッサはさらに、
前記第1のデータフローが
前記第1の光モジュール内の前記第1の回路に
伝送される場合、前記第1のデータフローで搬送される第1の指示信号を抽出し、
前記第1のデータフローが
前記第1の光モジュール内の前記第2の回路に
伝送される場合、前記第1のデータフローで搬送される第2の指示信号を抽出
するように構成され、
前記第1の遅延は、前記第1の指示信号および前記第2の指示信号に基づいて決定される、請求項
15乃至
17のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項24】
前記第1の指示信号および前記第2の指示信号の両方が、調整マーカーAM指示信号であるか、または前記第1の指示信号がAM指示信号であり、前記第2の指示信号がデジタル信号処理DSPフレームヘッダ信号であるか、または前記第1の指示信号と前記第2の指示信号の両方が、フレーム開始デリミタSFDである、請求項
23に記載の光モジュール。
【請求項25】
前記インターフェースチップは、物理層PHY機能またはメディアアクセス制御MAC機能を実装するように構成されたチップを含む、請求項
14乃至
24のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項26】
前記遅延報告
レジスタアクセスインターフェースは、
前記第1の光モジュールのクロック状態が変化すると、前記第1の遅延を前記インターフェースチップに報告するか、または、
前記第1の光モジュールのリンクが正常に確立されると、前記第1の遅延を前記インターフェースチップに報告するように構成された、請求項
14乃至
25のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項27】
前記第1の遅延は、前記光モジュールがデータを送信するように構成されている場合の最大送信遅延値または最小送信遅延値を含むか、または、前記第1の遅延は、前記光モジュールがデータを受信するように構成されている場合の最大受信遅延値または最小受信遅延値を含む、請求項
14乃至
26のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項28】
請求項
14乃至
27のいずれか1項による光モジュールを含むネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、通信技術の分野、特に、通信方法および光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信ネットワークでは、時分割複信(Time Division Duplex、TDD)規格に基づく基地局は、厳密な時刻同期要件を満たす必要がある。そうしないと、基地局から送信された無線信号が別の基地局との干渉を生じ、その結果、隣接エリアの基地局が正常に動作できなくなる。
【0003】
現在、異なる基地局間の時刻同期は、クロックプロトコル、例えば、電気電子技術者協会((Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)1588 V2プロトコルを使用することによって実施され得る。1588 V2プロトコルは、ネットワーク測定およびシステム制御用の高精度クロック同期プロトコル規格である。1588 V2プロトコルは、高精度時間プロトコル(Precision Time Protocol、PTP)とも呼ばれ、マイクロ秒レベルで複数のネットワークデバイス間の時刻同期を実装できる。現在、1588 V2プロトコルでは、ネットワークデバイス間の時刻同期はマスター-スレーブクロック方式で実装されている。時刻情報は符号化されているため、双方向のパケットメッセージの対話形式によるネットワーク対称性と遅延測定技術を使用して、マスター-スレーブの時刻同期が実装される。具体的には、パケットを送信するときおよびパケットを受信するとき、マスタークロックおよびスレーブクロックは、マスタークロックとスレーブクロックとの間の時間差を計算するために、パケットに対してタイムスタンプを実行する。スレーブクロックは、計算された時間差に基づいてローカル時刻を較正する。
【0004】
現在、マスタークロックとスレーブクロック間の時刻同期の精度をさらに向上させてネットワークデバイスのクロック精度をさらに向上させる方法は、現在緊急に解決される必要のある技術的な問題である。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、通信方法および光モジュールを提供し、光モジュールの遅延をインターフェースチップに報告して、マスタークロックとスレーブクロックとの間の時刻同期の精度を向上させ、それにより、ネットワークデバイスのクロック精度をさらに向上させる。
【0006】
本出願の第1の態様は、通信方法を提供し、以下を含む。
【0007】
第1の光モジュールが、第1の遅延を決定する。
【0008】
第1の光モジュールが、第1の遅延をインターフェースチップに送信する。
【0009】
本解決法では、遅延報告レジスタアクセスインターフェースが第1の光モジュールにおいて定義されるため、第1の光モジュールは、遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介して第1の遅延をインターフェースチップに報告し得、したがって、第1の遅延は、マスタークロックとスレーブクロック間の時刻同期の精度を向上させるために、インターフェースチップによって記録されるパケットのタイムスタンプに補償され得、これにより、ネットワークデバイスのクロック精度がさらに向上する。
【0010】
可能な実装では、第1の光モジュールはグレー光モジュールである。第1の光モジュールは、光送信機を含む。光送信機は、インバウンドインターフェースとアウトバウンドインターフェースを含む。第1の光モジュールは、第1の遅延を決定し、以下を含む。
【0011】
第1の光モジュールは、インバウンドインターフェースを介して第1のデータフローを受信する。
【0012】
第1の光モジュールは、第1のデータフローをアウトバウンドインターフェースを介して第2のネットワークデバイスに送信する。
【0013】
第1の光モジュールは、第1のデータフローが光送信機で送信されるときに生成される遅延が第1の遅延であると決定する。
【0014】
この解決策では、第1の遅延は、第1のデータフローが第1の光モジュールの光送信機で送信されるときに生成される遅延であり得る。さらに、光送信機は異なる処理回路を含むので、第1の遅延は、代わりに、光送信機の異なる処理回路のそれぞれが第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得る。
【0015】
具体的には、第1の遅延は、第1のデータフローが光送信機のインバウンドインターフェースから光送信機のアウトバウンドインターフェースに送信されるときに生成される遅延であり得るか、または光送信機に含まれる少なくとも1つの処理回路が第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得るか、または確かに、光送信機に含まれる少なくとも1つの処理回路が第1のデータフローとデフォルト値または設計値を処理するときに発生する遅延の合計であり得る。
【0016】
可能な実装では、第1の光モジュールはカラー光モジュールである。第1の光モジュールは、光送信機および第1の光受信機を含む。
【0017】
第1の光モジュールが第1の遅延を決定する前に、方法はさらに以下を含む。
【0018】
第1の光モジュールは、光送信機を使用することによって第1のデータフローを受信し、第1のデータフローが光送信機で送信されるときに生成される遅延は、第2の遅延を含む。
【0019】
第1の光モジュールは、光送信機を使用することにより、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュールの第2の光受信機に第1のデータフローを送信し、ここで、第1のデータフローが第2の光受信機で送信されるときに生成される遅延は、第3の遅延を含む。
【0020】
第2の遅延と第3の遅延の合計が第1の遅延である。
【0021】
第1の光モジュールは、第1の光受信機を使用することによって、第2のネットワークデバイスによって送信された第2のデータフローを受信し、ここで、第2のデータフローは、指示情報を搬送する。
【0022】
第1の光モジュールは、第1の遅延を決定し、以下を含む。
【0023】
第1の光モジュールは、指示情報に基づいて第1の遅延を決定する。
【0024】
本解決法は、第1の光モジュールは第1のネットワークデバイスのカラー光モジュールであり、第2の光モジュールは第2のネットワークデバイスのカラー光モジュールである。第1の光モジュールは、光送信機および第1の光受信機を含む。光送信機を使用して第1のデータフローを受信した後、第1の光モジュールは、光送信機を使用して、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュールの第2の光受信機に第1のデータフローを送信する。したがって、第1のデータフローが第1の光モジュールで送信されるときに生成される第2の遅延、および第1のデータフローが第2の光モジュールで送信されるときに生成される第3の遅延は、第1のデータフローに基づいて測定され得る。
【0025】
さらに、第1のデータフローが第1の光モジュールで送信されるときに生成される第2の遅延を決定した後、第1の光モジュールは、第2の遅延を含む第1のデータフローを第2の光モジュールに送信する。第1のデータフローが第2の光モジュールで送信されるときに生成される第3の遅延を決定した後、第2の光モジュールは、取得された第2の遅延と取得された第3の遅延の合計を第1の遅延として決定する。第1の遅延を決定した後、第2の光モジュールは、第2のデータフローを第1の光モジュールに送信する。第2のデータフローは、指示情報を搬送する。したがって、第1の光モジュールは、指示情報に基づいて第1の遅延を決定し得る。
【0026】
可能な実装では、指示情報は第1の遅延を含む。
【0027】
可能な実装では、第1の光モジュールが遅延測定をサポートしていない場合、第1の遅延は設計値である。
【0028】
本解決法では、第1の光モジュールが遅延測定機能を有さない場合、第1の遅延は、事前設定された設計値であり得るか、シミュレーョンによって取得されたシミュレーション値であり得るか、または確かにデフォルト値であり得る。
【0029】
可能な実装において、方法はさらに以下を含む。
【0030】
第1のデータフローが第1の回路に送信されると、第1の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第1の指示信号を抽出する。
【0031】
第1のデータフローが第2の回路に送信されると、第1の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第2の指示信号を抽出する。
【0032】
第1の光モジュールは、第1の指示信号および第2の指示信号に基づいて第1の遅延を決定する。
【0033】
可能な実装において、第1の光モジュールが第1の指示信号と第2の指示信号に基づいて第1の遅延を決定し、以下を含む。
【0034】
第1の光モジュールは、第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差を測定する。
【0035】
第1の光モジュールは、位相差に基づいて第1の遅延を決定する。
【0036】
第1の指示信号と第2の指示信号の両方が調整マーカーAM指示信号であり得るか、または第1の指示信号がAM指示信号であり、第2の指示信号がデジタル信号処理DSPフレームヘッダ信号であり得る。
【0037】
前述の解決法では、第1のデータフローが第1の回路に送信されると、第1の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第1の指示信号を抽出する。第1のデータフローが第2の回路に送信されると、第1の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第2の指示信号を抽出する。次に、第1の光モジュールは、高精度の位相弁別アルゴリズムを使用することによって、第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差を測定することによって、第1の遅延を決定し得る。したがって、決定された遅延の精度を向上させることができる。
【0038】
第1の回路および第2の回路は、第1の光モジュール内の任意の2つの異なる回路であり得る。
【0039】
さらに、第1の指示信号と第2の指示信号の両方がAM指示信号であってもよく、第1の指示信号がAM指示信号であり、第2の指示信号がデジタル信号処理DSPフレームヘッダ信号であってもよい。加えて、第1の指示信号および第2の指示信号は、代替的に、他の容易に識別される信号、例えば、第1のデータフローに挿入された識別子であり得る。
【0040】
可能な実装において、インターフェースチップは、物理層PHYチップおよびメディアアクセス制御層MACチップのうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
本出願の第2の態様は、第1の光モジュールとして使用される光モジュールを提供し、以下を含む。
第1の遅延を決定するように構成されたプロセッサ。
【0042】
プロセッサはさらに、第1の遅延をインターフェースチップに送信するように構成される。
【0043】
可能な実装では、第1の光モジュールはグレー光モジュールである。第1の光モジュールは、光送信機を含む。光送信機は、プロセッサ、インバウンドインターフェース、およびアウトバウンドインターフェースを含む。
【0044】
光送信機は、インバウンドインターフェースを介して第1のデータフローを受信するように構成される。
【0045】
光送信機はさらに、アウトバウンドインターフェースを介して第1のデータフローを第2のネットワークデバイスに送信するように構成される。
【0046】
プロセッサはさらに、第1のデータフローが光送信機で送信されるときに生成される遅延が第1の遅延であると決定するように構成される。
【0047】
可能な実装では、第1の光モジュールは、第1のネットワークデバイス内のカラー光モジュールである。第1の光モジュールは、光送信機および第1の光受信機を含む。第1の光受信機はプロセッサを含む。
【0048】
光送信機は、第1のデータフローを受信するように構成され、ここで、第1のデータフローが光送信機で送信されるときに生成される遅延は、第2の遅延である。
【0049】
光送信機はさらに、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュールの第2の光受信機に第1のデータフローを送信するように構成され、ここで、第1のデータフローが第2の光受信機で送信されるときに生成される遅延は、第3の遅延である。
【0050】
第2の遅延と第3の遅延の合計が第1の遅延である。
【0051】
第1の光受信機は、第2のネットワークデバイスによって送信される第2のデータフローを受信するように構成され、ここで、第2のデータフローは、指示情報を搬送する。
【0052】
プロセッサは、指示情報に基づいて第1の遅延を決定するように特に構成される。
【0053】
可能な実装では、指示情報は第1の遅延を含む。
【0054】
可能な実装では、第1の光モジュールが遅延測定をサポートしていない場合、第1の遅延は設計値である。
【0055】
可能な実施において、光送信機は、第1の回路および第2の回路を含む。プロセッサはさらに次のように構成される。
第1のデータフローが第1の回路に送信されるとき、第1のデータフローで搬送される第1の指示信号を抽出する。
第1のデータフローが第2の回路に送信されるとき、第1のデータフローで搬送される第2の指示信号を抽出する。
第1の指示信号および第2の指示信号に基づいて第1の遅延を決定する。
【0056】
可能な実装では、プロセッサはさらに次のように構成される。
第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差を測定する。
位相差に基づいて第1の遅延を決定する。
【0057】
第1の指示信号と第2の指示信号の両方が調整マーカーAM指示信号であるか、または第1の指示信号がAM指示信号であり、第2の指示信号がデジタル信号処理DSPフレームヘッダ信号である。
【0058】
可能な実装において、インターフェースチップは、物理層PHYチップおよびメディアアクセス制御層MACチップのうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
本出願で提供される通信方法および光モジュールによれば、第1の遅延を決定した後、第1の光モジュールは、決定された第1の遅延をインターフェースチップに送信する。遅延報告レジスタアクセスインターフェースは第1の光モジュールで定義されるので、第1の光モジュールは、遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介してインターフェースチップに第1の遅延を報告して、MAC層またはPHY層によって記録されるパケットのタイムスタンプに第1の遅延を追加し得、マスタークロックとスレーブクロック間の時刻同期の精度を向上させ、それによってネットワークデバイスのクロック精度をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】
図1は、本出願の一実施形態による適用シナリオの概略図である。
【
図2】
図2は、マスタークロックとスレーブクロックとの間の時間差を計算する概略図である。
【
図3】
図3は、本出願の一実施形態による通信方法の概略フローチャートである。
【
図5】
図5は、グレー光モジュールの概略構造図である。
【
図6】
図6は、カラー光モジュールの概略構造図である。
【
図7】
図7は、グレー光モジュール内のoDSPチップの概略構造図である。
【
図8A】
図8Aは、カラー光モジュール内のoDSPチップの概略構造図である。
【
図8B】
図8Bは、カラー光モジュール内のoDSPチップの概略構造図である。
【
図9】
図9は、本出願の一実施形態による光モジュールの概略構造図である。
【
図10】
図10は、本出願の一実施形態による別の光モジュールの概略構造図である。
【
図11】
図11は、本出願の一実施形態によるさらに別の光モジュールの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下は、当業者の理解を容易にするために、本出願におけるいくつかの用語を説明する。
【0062】
(1)光モジュール(optical module)は、主に光-電気変換器と電気信号プロセッサとを含む。光モジュールは、光送信機と光受信機の2つの部分を含む。電気信号プロセッサは、クロックおよびデータ回復(clock and data recovery、CDR)チップ、または光デジタル信号処理(optical digital signal processing、oDSP)チップを含む。光モジュールは通常、光から電気への変換および/または電気から光への変換を実行する。例えば、送信側の光モジュールは、電気信号を光信号に変換し、変換によって得られた光信号を、光ファイバを介して受信側の光モジュールに送信する。次に、受信側の光モジュールが光信号を電気信号に変換し、変換によって得られた電気信号を処理する。
【0063】
(2)ネットワークデバイスは、モバイルデバイスと通信するように構成されたデバイスであり得る。ネットワークデバイスは、ルータ、スイッチ、パケットトランスポートネットワーク(packet transport network、PTN)デバイス、光トランスポートネットワーク(optical transport network、OTN)デバイス、パッシブ光ネットワーク(passive optical network、PON)デバイス、同期デジタル階層(synchronous digital hierarchy、SDH)デバイスなどであり得る。あるいは、ネットワークデバイスは、WLANのアクセスポイント(access point、AP)、GSMまたはCDMAの基地局(base transceiver station、BTS)、WCDMAのノードB(nodeB、NB)、LTEの発展型ノードB(進化型ノードB、eNBまたはeNodeB)、ネットワーク中継局またはネットワークアクセスポイント、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、将来の5Gネットワークのネットワークデバイス、将来の発展型PLMNネットワークのネットワークデバイス、NRシステムにおける新世代ノードB(新世代ノードB、gノードB)などであり得る。
【0064】
(3)遅延報告レジスタアクセスインターフェースは、レジスタアクセスインターフェースまたは遅延報告インターフェースとも呼ばれることがあり、パケットが第1の光モジュールの光送信機または光受信機で送信されるときに生成される遅延をインターフェースチップに報告するように構成され、またはパケットが第1の光モジュールの光送信機で送信されるときに生成される遅延、またはパケットが第2の光モジュール内の光受信機で送信されるときに生成される遅延をインターフェースチップに報告するように構成される。
【0065】
(4)本出願において、「少なくとも1つ」は1つ以上を意味し得、「複数」は2つ以上を意味し得る。「および/または」という用語は、関連するオブジェクト間の関係を説明し、3つの関係が存在し得ることを表す。たとえば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する場合、AとBの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合を表し、AとBは、単数形または複数形があり得る。文字「/」は通常、関連するオブジェクト間の「または」という関係を示す。「以下の少なくとも1つ(ピース)」またはその類似の表現は、単一のアイテム(ピース)または複数のアイテム(ピース)の任意の組み合わせを含む、これらのアイテムの任意の組み合わせを意味する。例えば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つ(ピース)は、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、またはa、b、およびcを表し得、ここで、a、b、cは単数形または複数形があり得る。「上」、「下」等で説明される範囲は、境界点を含む。
【0066】
(5)本出願のユニットは、機能ユニットまたは論理ユニットであり、ソフトウェアの形式でもよい。ユニットの機能は、プロセッサによってプログラムコードを実行することによって実装される。あるいは、ユニットはハードウェアの形態であってもよい。
【0067】
当業者は、本出願の実施形態で提供される通信方法が、光モジュールがインターフェースチップに遅延を報告する適用シナリオに適用され得ることを理解し得る。インターフェースチップは、物理層(physical layer、PHY)チップおよびメディアアクセス制御層(media access control、MAC)チップのうちの少なくとも1つを含む。インターフェースチップは、PHY層の機能を実装できる。移動体通信ネットワークでは、時分割複信(Time Division Duplex、TDD)規格に基づく基地局は、厳密な時刻同期要件を満たす必要がある。そうしないと、基地局によって送信された無線信号が別の基地局との干渉を生じ、その結果、隣接エリアの基地局が正常に動作できなくなる。基地局間の時刻同期を実装するには、通常、ネットワークプロトコルは時刻情報を送信することができるようにする必要がある。本出願の実施形態では、1588 V2プロトコルが時刻情報を送信できるようにする例が説明のために使用される。確かに、時刻情報は、代わりに、別のプロトコルを使用することによって送信され得る。たとえば、クロッククラス情報は、SDHプロトコルで同期ステータスメッセージ(synchronous status message、SSM)を使用して表され得る。
【0068】
図1は、本出願の一実施形態による適用シナリオの概略図である。
図1に示すように、時刻源装置は通常、無線ネットワークのコア層に配置され、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)またはBeiDou衛星時刻が参照ソースとして使用される。次に、時刻情報は、毎秒1パルスおよび時刻(Pulse per Second and Time of Day、1PPS+TOD)またはPTPインターフェース(1588 V2プロトコルを可能にするイーサネットインターフェース)などの外部時間アシスタントインターフェースを介して送信デバイス101に送信される。送信デバイス101は、時刻情報を、コア層からPTPインターフェースを介して収束層デバイス102にホップバイホップで下方に送信する。次に、収束層デバイス102は、時刻情報をアクセス層デバイス103にホップバイホップで下方に送信する。アクセス層デバイス103は、1PPS+TODまたはPTPインターフェースなどの外部時間アシスタントインターフェースを介して、接続された基地局104に時刻情報を送信する。したがって、ネットワーク全体の基地局間の時刻同期が実装される。
【0069】
送信デバイス101、収束層デバイス102、およびアクセス層デバイス103はそれぞれ、ルータ、スイッチ、PTNデバイス、OTNデバイス、またはPONデバイスなどのネットワークデバイスであり得る。
【0070】
送信デバイス101、収束層デバイス102、およびアクセス層デバイス103の間の時刻同期もまた、本出願のこの実施形態に記載された解決策を使用することによって実行され得ることに留意されたい。
【0071】
以下では、例として1588 V2プロトコルを使用して、基地局間の時刻同期を実装する方法を具体的に説明する。1588 V2プロトコルは、略してPTPとも呼ばれ、複数のネットワークデバイス間の時刻同期を実装できる高精度の時刻同期プロトコルである。1588 V2プロトコルのコアアイデアは次のとおりである。時刻情報はマスター-スレーブクロック方式で符号化されるため、双方向パケットメッセージの対話形式によるネットワーク対称性および遅延測定テクノロジを使用して、マスター-スレーブ時刻同期が実装される。具体的には、パケットを送信するときおよびパケットを受信するとき、マスタークロックとスレーブクロックとの間の時間差を計算するために、マスタークロックおよびスレーブクロックはパケットに対してタイムスタンプを実行する。スレーブクロックは、計算された時間差に基づいてローカル時刻を較正する。
図2は、マスタークロックとスレーブクロックとの間の時間差を計算する概略図である。
図2に示すように、マスター(Master)ノードは、同期(Sync)パケットをスレーブ(Slave)ノードに送信し、送信タイムスタンプt1をレジスタに記録する。同期パケットを受信した後、スレーブ(Slave)ノードは受信タイムスタンプt2を記録する。さらに、マスター(Master)ノードはフォローアップ(Follow_Up)パケットをスレーブ(Slave)ノードに送信し、タイムスタンプt1を含むフォローアップパケットをスレーブ(Slave)ノードに送信する。スレーブ(Slave)ノードは、遅延要求(Delay_Req)パケットをマスター(Master)ノードに送信する。遅延要求パケットは、タイムスタンプt3を搬送する。遅延要求パケットを受信した後、マスター(Master)ノードは受信タイムスタンプt4を記録する。マスター(Master)ノードは、t4を含む遅延応答(Delay_Resp)パケットをスレーブ(Slave)ノードに送信する。マスターノードのクロックはマスタークロックであり、スレーブノードのクロックはスレーブクロックである。
【0072】
前述のタイムスタンプt1、t2、t3、およびt4に基づいて、スレーブクロックは、以下の式(1)および式(2)に従って、スレーブクロックとマスタークロックとの間の遅延(Delay)および時間差(Offset)を計算し得る。スレーブクロックは、遅延(Delay)と時間差(Offset)に基づいてローカルタイムスタンプを較正し得、マスタークロックとスレーブクロックとの間の時刻同期を実行する。
遅延=(t2-t1+t4-t3)/2 (1)
オフセット=(t2-t1-t4+t3)/2 (2)
【0073】
1588 V2プロトコルの原則によれば、マスタークロックとスレーブクロックのタイムスタンプ基準面は、PTPポートの物理媒体依存インターフェース(medium dependent interface、MDI)層にある。ただし、タイムスタンプイベントはPTPパケットヘッダによってトリガーされ、MDI層はPTPパケットヘッダを識別できないため、タイムスタンプは完了できない。したがって、特定の実装中、タイムスタンプは通常、メディアアクセス制御(media access control、MAC)層または物理層(physical layer、PHY)層で実行され、パケットのタイムスタンプを記録し、光モジュールのMAC層またはPHY層およびMDI層での1588パケットのタイムスタンプポイント間の遅延が測定され、MAC層またはPHY層によって記録されたタイムスタンプに追加される。したがって、MDI層でのタイムスタンプ機能が実装される。光モジュールのMDI層は、光モジュール内の光-電気変換器のポートである。
【0074】
ただし、現在のイーサネットプロトコルIEEE 802.3プロトコルは、PHY層での遅延報告レジスタインターフェースのみを定義し、インターフェースは、パケットがPHY層で送信されるときに生成される遅延を報告するように構成される。ただし、一部の光モジュールについて、PHY層はインターフェースチップと光モジュールの両方によって実装され、つまり、PHY層の遅延は、インターフェースチップにおけるPHY層遅延と、光モジュールにおけるPHY層遅延の2つの部分を含む。プロトコルでは、インターフェースチップにおけるPHY層遅延のみが報告され、記録されたタイムスタンプに追加された遅延は、インターフェースチップにおけるPHY層遅延のみを含み、光モジュールにおけるPHY層遅延は記録されない。その結果、加算によって取得されるタイムスタンプは不正確であり、マスタークロックとスレーブクロック間の時刻同期の精度は低く、ネットワークデバイスのクロック精度が低い。
【0075】
さらに、IEEE 802.3プロトコルで現在定義されているPHY層遅延レポート機能の精度は低く、1588タイムスタンプは不正確であり、ネットワークデバイスのクロック精度が低い。IEEE 802.3で遅延レポートの精度が低い理由は次のとおりである。(1)遅延レポートの精度は1nsである。(2)PHY層は、複数のサブレイヤ(たとえば、PCS、PMA、およびPMDなど)を含み、各サブレイヤが遅延を報告するとき1nsの損失が発生し、したがって、N個のサブレイヤのそれぞれが遅延を報告するとき合計遅延精度はNnsである。
【0076】
前述の問題を考慮して、本出願の実施形態は、通信方法を提供する。第1の遅延を決定した後、第1の光モジュールは、決定された第1の遅延をインターフェースチップに送信する。遅延報告レジスタアクセスインターフェースは第1の光モジュールで定義されるため、第1の光モジュールは、パケットが光モジュールで送信されるときに生成される遅延をパケットの記録されたタイムスタンプに追加するために、遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介してインターフェースチップに第1の遅延を報告し得、マスタークロックとスレーブクロック間の時刻同期の精度を向上させ、それによってネットワークデバイスのクロック精度をさらに向上させる。
【0077】
以下は、特定の実施形態を使用することによる本発明の技術的解決策を詳細に説明する。以下のいくつかの特定の実施形態は、互いに組み合わせ得、同じまたは類似の概念またはプロセスは、いくつかの実施形態では説明されない場合がある。
【0078】
図3は、本出願の一実施形態による通信方法の概略フローチャートである。
図3に示されるように、本実施形態における方法は、以下のステップを含み得る。
【0079】
ステップ301:第1の光モジュールは、第1の遅延を決定する。
【0080】
前述の式(2)から、光モジュールの受信方向と送信方向の遅延が対称である場合、修正前のPTPタイムスタンプの計算結果は、修正されたオフセットの計算結果と同じであることがわかる。この光モジュールについて、遅延報告と修正が実行されない場合がある。したがって、実際の適用では、遅延報告と修正は、受信方向と送信方向における遅延が非対称である光モジュールに対してのみ実行する必要がある。したがって、第1の光モジュールが第1の遅延を決定する方法を説明する前に、既存の光モジュールの構造および光モジュールの遅延対称性を最初に説明する。
【0081】
図4は、光モジュールの概略構成図である。
図4に示されるように、光モジュール100は、2つの部分、すなわち、光送信機110および光受信機120を含む。さらに、光モジュール100は、通常、「デジタル領域」および「アナログ領域」の2つの部分に分割され得る。「デジタル領域」は、CDRチップまたはoDSPチップを含み、主にアナログ信号とデジタル信号を処理する。受信方向と送信方向における処理回路が非対称である場合、遅延非対称性が導入される。また、「アナログ領域」は、エッジコネクタ、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)線、光-電気変換器などを含む送信機光サブアセンブリ(transmitter optical subassembly、TOSA)および受信機光サブアセンブリ(receiver optical subassembly、ROSA)を含む。「アナログ領域」は通常、受信と送信の対称性に基づいて設計され、受信遅延と送信遅延は比較的固定され対称であり、クロック同期の精度は基本的に影響を受けない。したがって、光モジュールにおける遅延を決定する必要がある場合、通常は「デジタル領域」における遅延のみが考慮される。
【0082】
光モジュールがCDRチップを使用する場合、CDRチップはアナログ信号回路のみを使用してデータフローを処理し、光モジュールにおける受信遅延と送信遅延は対称であるため、遅延決定と遅延報告は実行される必要がないことが理解され得る。例えば、光モジュールがCDRチップを使用する場合、光モジュールにおける遅延は、本出願のこの実施形態の方法で決定され得るか、または光モジュールにおける遅延は、デフォルト値または設計値として設計され得る。
【0083】
光モジュールがoDSPチップを使用する場合、oDSPチップは受信遅延と送信遅延の間の非対称性と不確実性を引き起こすため、光モジュールでパケットが送信されるときに生成される遅延は、ネットワークデバイスのクロック精度に影響する。したがって、ネットワークデバイスのクロック精度を向上させるために、パケットが光モジュールで送信されるときに生成される遅延を決定し、インターフェースチップに報告する必要がある。以下に、具体例を用いて説明する。
【0084】
図5は、グレー光モジュールの概略構造図である。
図5に示されるように、グレー光モジュールは、光送信機170および光受信機180を含む。光送信機170は、oDSPチップ130およびTOSA25を含む。光受信機180は、oDSPチップ140およびROSA26を含む。TOSA25とROSA26は光ファイバに接続される。
【0085】
oDSPチップ130は、順番に接続された、シリアル化/逆シリアル化回路(serializing/deserializing circuitry、Serdes)11、チャネル調整回路12、先入れ先出し(first in first out、FIFO)回路13、マッピング回路14、デジタル信号処理(digital signal processing、DSP)回路15、FIFO回路16、およびデジタルアナログ変換器(digital analog converter、DAC)17を含む。oDSPチップ140は、順番に接続された、シリアル化/逆シリアル化回路(Serdes)18、チャネル分配回路19、FIFO回路20、デマッピング回路21、DSP回路22、FIFO回路23、およびアナログデジタル変換器(analog digital converter、ADC)24を含む。
【0086】
例えば、マッピング回路14は、4レベルパルス振幅変調(four-level pulse amplitude modulation、PAM4)回路またはビットインターリーブ(BitMux)回路によって実装され得る。同様に、デマッピング回路21は、PAM4回路またはビットデインターリーブ(BitDeMux)回路によって実装され得る。
【0087】
oDSPチップ130およびoDSPチップ140の回路は、受信遅延および送信遅延との間の非対称性および不確実性を引き起こし得、そして10ns(ナノ秒)の遅延を引き起こし得る。その結果、基地局間のクロック同期の精度は低く、ネットワークデバイスのクロック精度が影響を受ける。したがって、グレー光モジュールは、パケットがグレー光モジュールで送信されるときに生成される遅延を決定し、ネットワークデバイスのクロック精度をさらに向上させるために、遅延をインターフェースチップに報告する。
【0088】
図6は、カラー光モジュールの概略構造図である。
図6に示されるように、カラー光モジュールは、光送信機190および光受信機200を含む。光送信機190は、oDSPチップ150および統合された波長可変レーザアセンブリ(integrable tunable laser assembly、ITLA)49を含む。光受信機200は、oDSPチップ160および赤外線カット50を含む。ITLA49と赤外線カット50は光ファイバに接続される。
【0089】
oDSPチップ150は、順番に接続された、シリアル化/逆シリアル化回路((serializing/deserializing circuitry、Serdes)31、チャネル調整回路32、FIFO回路33、マッピング回路34、FIFO回路35、前方誤り訂正(forward error correction、FEC)回路36、DSP回路37、FIFO回路38、およびDAC39を含む。oDSPチップ160は、順番に接続された、シリアル化/逆シリアル化回路(Serdes)40、チャネル分配回路41、FIFO回路42、デマッピング回路43、FIFO回路44、FEC回路45、DSP回路46、FIFO回路47、およびADC48を含む。
【0090】
例えば、マッピング回路34は、フレーマー(Framer)またはビットインターリーブ(BitMux)回路によって実装され得る。同様に、デマッピング回路43は、デフレーマー(DeFramer)またはビットデインターリーブ(BitDeMux)回路によって実装され得る。
【0091】
グレー光モジュールと比較して、FEC回路はカラー光モジュールのoDSPチップ150とoDSPチップ160に追加される。したがって、受信遅延と送信遅延の不確実性を引き起こすより多くの要因があり、約10nsの同期精度が発生する。したがって、カラー光モジュールは、パケットがカラー光モジュールで送信されるときに生成される遅延を決定し、ネットワークデバイスのクロック精度をさらに向上させるために、遅延をインターフェースチップに報告する。
【0092】
上記の内容に基づいて、第1の光モジュールが前述のグレー光モジュールである例と第1の光モジュールが前述のカラー光モジュールである例を用いて、第1の光モジュールが第1の遅延を決定するプロセスを個別に説明する。
【0093】
図5を参照すると、第1の光モジュールがグレー光モジュールである場合、第1の光モジュールは、光送信機170を含む。光送信機170は、インバウンドインターフェースとアウトバウンドインターフェースを含む。この場合、第1の光モジュールは、インバウンドインターフェースを介して第1のデータフローを受信し、アウトバウンドインターフェースを介して第1のデータフローを第2のネットワークデバイスに送信し得る。第1の光モジュールは、第1のデータフローが光送信機で送信されるときに生成される遅延が第1の遅延であると決定する。
【0094】
第1の遅延は、第1のデータフローが第1の光モジュールの光送信機170で送信されるときに生成される遅延であり得る。
図5を参照すると、光送信機170は異なる処理回路を含むので、第1の遅延は、代わりに、光送信機の異なる処理回路のそれぞれが第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得ることが理解され得る。
【0095】
具体的には、
図5に示されるように、第1の遅延は、第1のデータフローが光送信機170のインバウンドインターフェースから光送信機170のアウトバウンドインターフェースに送信されるときに生成される遅延であり得る。あるいは、第1の遅延は、光送信機170に含まれる少なくとも1つの処理回路が第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得る。確かに、第1の遅延は、代替的に、光送信機170に含まれる少なくとも1つの処理回路が第1のデータフローとデフォルト値または設計値とを処理するときに生じる遅延の合計であり得る。例えば、第1の遅延は、第1のデータフローがシリアル化/逆シリアル化回路11からTOSA25に送信されるときに生成される遅延であり得るか、またはoDSPチップ130内の各処理回路が第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得るか、または、oDSPチップ130内のチャネル調整回路12、FIFO回路13、マッピング回路14、DSP回路15、およびFIFO回路16のそれぞれが第1のデータフローとデフォルト値または設計値とを処理するときに生じる遅延の合計であり得る。
【0096】
たとえば、遅延の非対称性と不確実性は、第1の光モジュールのoDSPチップで発生し得る。したがって、実際の適用では、第1の光モジュールの遅延を計算するときに、oDSPチップに対応する遅延のみを決定する必要がある。
【0097】
以下では、第1のデータフローがグレー光モジュールのoDSPチップで送信されるときに生成される遅延を決定する方法を詳細に説明する。具体的には、第1のデータフローが第1の回路に送信される場合、第1の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第1の指示信号を抽出する。第1のデータフローが第2の回路に送信される場合、第1の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第2の指示信号を抽出する。次いで、第1の光モジュールは、第1の指示信号および第2の指示信号に基づいて第1の遅延を決定する。第1のデータフローの構造は、受信経路上の第1のデータフローのマッピングプロセスおよび送信経路上の第1のデータフローのデマッピングプロセスにおいて変化しないので、可能な実装において、第1の遅延は、調整マーカー(alignment marker、AM)指示信号に基づいて測定され得る。すなわち、第1の指示信号および第2の指示信号は、AM指示信号であり得る。確かに、別の可能な実装では、第1の指示信号および第2の指示信号は、代替的に、他の容易に識別される信号、例えば、第1のデータフローに挿入された識別子であり得る。第1の指示信号および第2の指示信号の特定の形態は、第1の指示信号および第2の指示信号がインバウンドインターフェースおよびアウトバウンドインターフェース上で識別可能であるという条件で、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0098】
また、第1の指示信号と第2の指示信号とに基づいて第1の遅延が決定される場合、第1の指示信号と第2の指示信号との位相差が測定され得、位相差に基づいて第1の遅延が決定される。
【0099】
さらに、第1の回路および第2の回路は、oDSPチップ内の任意の2つの異なる回路であり得る。例えば、第1の回路は、
図5に示されるチャネル調整回路12であり得、第2の回路は、
図5に示されるFIFO回路16であり得る。この場合、第1のデータフローがチャネル調整回路12からFIFO回路16に送信されるときに発生する遅延は、第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差に基づいて決定し得る。別の回路に対応する遅延は、デフォルト値または設計値であり得る。あるいは、第1の回路はFIFO回路13であり得、第2の回路はFIFO回路16であり得る。この場合、第1のデータフローがFIFO回路13からFIFO回路16に送信されるときに発生する遅延は、第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差に基づいて決定し得る。同様に、別の回路に対応する遅延は、デフォルト値または設計値であり得る。
【0100】
以下は、第1の回路がチャネル調整回路12であり、第2の回路がDAC17であり、第1の指示信号と第2の指示信号の両方がAM指示信号である例を用いて説明する。
【0101】
具体的には、
図7は、グレー光モジュール内のoDSPチップの概略構造図である。
図7に示されるように、Serdes11とDAC17、またはSerdes18とADC24は、主にデータのシリアル化と逆シリアル化の間の変換を実装し、第1の光モジュールの電源がオンになり、リンクステータスが安定するたびに、Serdes11とDAC17に対応する遅延が発生し、またはSerdes18とADC24は比較的固定されており、光ファイバまたはモジュールの挿入および取り外しなどの要因によって影響を受けない。したがって、Serdes11とDAC17、またはSerdes18とADC24(例えば、
図7の経路A、経路F、経路C、および経路D)に対応する遅延は事前設定された設計値であり得るか、またはシミュレーションによって得られたシミュレーション値であり得るか、または確かにデフォルト値であり得る。
【0102】
また、マッピング回路14およびデマッピング回路21は、主に、複数の低速チャネルから高速チャネルへのマッピングおよびデマッピングを実施する。マッピングはビットインターリーブを介して実行され、第1のデータフローの構造は変更されないため、各ビットデータの遅延は同じままである。ただし、光ファイバまたはモジュールの挿入および取り外し、およびPVT(プロセス、電圧、および温度)の変化などの要因により、FIFO回路13および16、またはFIFO回路20および23を同期処理するための読み取り/書き込みクロック位相が変化し、その結果、各レベルでのFIFO回路に対応する遅延が固定されず、遅延非対称性が導入される。したがって、第1の光モジュールのリンクが正常に確立され、クロックステータスが変化するたびに、oDSPチップの遅延を測定する必要がある。可能な実装では、oDSPチップ内のパケットの遅延が測定されるとき、
図7に示される経路Bまたは経路Eに対応する遅延のみが通常、測定される必要がある。
【0103】
言い換えれば、光送信機のoDSPチップ内のパケットの遅延が例として使用される。実際の適用では、第1のデータフローが光送信機のインバウンドインターフェースから光送信機のアウトバウンドインターフェースに送信されるときに生成される第1の遅延を測定する場合、経路B上の第1のデータフローの遅延のみが測定され得る。経路Bに対応する遅延を測定した後、経路Bに対応する遅延、経路Aに対応する遅延、および経路Cに対応する遅延を加算して、第1のデータフローが光送信機で送信されたときに生成される遅延を取得する。
【0104】
例えば、第1の指示信号と第2の指示信号がAM指示信号である例を使用して説明する。
図7に示されるように、第1のデータフローは、複数のチャネルを介してチャネル調整回路12に到達する。チャネル調整回路12が複数のチャネルの第1のデータフローに対してチャネル調整を実行した後、チャネル選択モジュール55は、複数のチャネルから1つのチャネルを選択し、選択されたチャネルからの第1のデータフローで搬送されるAM指示信号1を検出し、検出されたAM指示信号1をTX遅延測定モジュール56に送信する。さらに、光送信機のアウトバウンドインターフェースからAM指示信号を正確に抽出するためには、AM指示信号をさらに識別する必要がある。識別されたAM指示信号は、第1のデータフローで搬送され、次いで送信される。第1のデータフローがFIFO回路16から出力されること、すなわち第1のデータフローがDAC17に送信されることが検出された後、AM抽出モジュール53は、前述の識別子に基づいて、AM指示信号1が検出されたチャネルから第1のデータフローにおいて搬送されるAM指示信号2を抽出し、検出されたAM指示信号2をTX遅延測定モジュール56に送信する。この場合、TX遅延測定モジュール56は、高精度位相弁別アルゴリズムを使用して、AM指示信号1とAM指示信号2との間の位相差を測定することによって、経路B上の第1のデータフローの遅延を決定し得る。測定精度は、位相弁別アルゴリズムの精度に依存する。一般に、測定された遅延の精度は100psレベルに達し得る。
【0105】
AM指示信号1とAM指示信号2は、同じAM指示信号である。
【0106】
例えば、経路B上の第1のデータフローの遅延が決定された後、第1のデータフローが光送信機で送信されるときに生成される遅延は、経路Aに対応する遅延および経路Cに対応する遅延を取得し、経路Aに対応する遅延、経路Cに対応する遅延、および経路Bに対応する遅延を加算することによって取得し得る。
【0107】
また、遅延判定精度を向上させるために、チャネル調整を行い、複数のチャネルから1つのチャネルを選択してAM指示信号を抽出する場合、第1のデータフローがチャネル調整モジュールに最後に到達するチャネルを選択して、AM指示信号を抽出し得ることに留意されたい。
【0108】
当業者は、第1のデータフローが第1の光モジュールの光受信機で送信されるときに生成される遅延は、経路Dに対応する遅延、経路Eに対応する遅延、および経路Fに対応する遅延を加算することによって取得される値であり得ることを理解し得る。経路Dに対応する遅延および経路Fに対応する遅延は、光送信機における経路Cに対応する遅延および経路Aに対応する遅延に類似しており、事前設定された設計値であり得るか、またはシミュレーションによって取得されたシミュレーション値であり得るか、または確かにデフォルト値であり得る。経路Eに対応する遅延を決定する方法は、送信方向の経路Bに対応する遅延を決定する方法と同様である。具体的には、第1のデータフローが第1の回路に送信される場合、AM検出モジュール54は、第1のデータフローで搬送されるAM指示信号3を抽出する。第1のデータフローが第2の回路に送信される場合、AM抽出モジュールは、第1のデータフローで搬送されるAM指示信号4を抽出する。RX遅延測定モジュール57は、AM指示信号3とAM指示信号4との間の位相差を測定することによって、経路Eに対応する遅延を決定し得る。第1の回路はFIFO回路であり得、第2の回路はシリアル化/逆シリアル化回路18であり得る。チャネル選択プロセスとAM指示信号抽出プロセスについては、光送信機の説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0109】
また、チップ実装の違いを考慮すると、グレー光モジュールが経路Bに対応する遅延および経路Eに対応する遅延を測定する機能を有さない場合、経路Bに対応する遅延および経路Eに対応する遅延は、事前設定された設計値であり得るか、またはシミュレーションによって取得されたシミュレーション値であり得るか、または確かにデフォルト値であり得る。また、第1の光モジュールのリンクが正常に確立され、クロック状態が変化するたびに、経路Bに対応する実際の遅延および経路Eに対応する実際の遅延が変化するため、事前設定された設計値、シミュレーション値、またはデフォルト値は十分に正確ではない。この問題を解決するために、実際の適用では、事前設定された設計値が例として使用される。設計値の平均値を計算し得、その平均値を経路Bに対応する遅延および経路Eに対応する遅延として使用する。あるいは、最小設計値および最大設計値を決定し、決定された最小設計値および決定された最大設計値を、経路Bに対応する遅延および経路Eに対応する遅延として使用し、2つの値をインターフェースチップに報告する。シミュレーション値とデフォルト値を決定する方法は、設計値を決定する方法と同様である。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0110】
図6を参照すると、第1の光モジュールがカラー光モジュールである場合、フレーマー(Framer)またはFEC回路などのオーバーヘッド処理回路がカラー光モジュール内に配置されるため、オーバーヘッドの追加または削除により、元のデータフローの構造が変化する。その結果、各ビットデータの遅延は、オーバーヘッドの追加(送信側)およびオーバーヘッドの削除(受信側)プロセス中に変化する。第1の光モジュールによって受信される各ビットデータは、PTPパケットタイムスタンプ信号である可能性があるため、第1の光モジュールが送信側として使用されるときの遅延、または第1の光モジュールが受信側として使用されるときの遅延は、そのような固定されていない遅延のため、個別に測定することはできない。しかしながら、当業者は、送信側でのデータマッピングによって引き起こされる遅延変化と、受信側でのデータデマッピングによって引き起こされる遅延変化は、反対のプロセスであり、すなわち、送信側と受信側でのビットデータの1部の遅延の合計は固定されていることを理解し得る。したがって、本出願のこの実施形態では、第1の光モジュールおよび第2の光モジュールは、遅延測定のために対にされ得る。
【0111】
第1の光モジュールは第1のネットワークデバイスのカラー光モジュールであり、第2の光モジュールは第2のネットワークデバイスのカラー光モジュールである。第1の光モジュールは、光送信機および第1の光受信機を含み、第1の光モジュールは、光送信機を使用することによって第1のデータフローを受信する。第1のデータフローが光送信機で送信されるときに生成される遅延は、第2の遅延である。次に、第1の光モジュールは、光送信機を使用して、第1のデータフローを、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュールの第2の光受信機に送信する。第1のデータフローが第2の光受信機で送信されるときに生成される遅延は、第3の遅延である。第2の遅延と第3の遅延の合計が、前述の第1の遅延である。第1の光モジュールは、第1の光受信機を使用することによって、第2のネットワークデバイスによって送信された第2のデータフローを受信する。第2のデータフローは、指示情報を搬送する。それに応じて、第1の光モジュールは、第2のデータフローで搬送される指示情報に基づいて第1の遅延を決定し得る。
【0112】
具体的には、
図8Aおよび
図8Bは、カラー光モジュールのoDSPチップの概略構造図である。
図8Aおよび
図8Aに示されるように、第1の光モジュール67は、第1のネットワークデバイスのカラー光モジュールであり、光送信機210および光受信機220を含む。第1の光モジュール67は、光送信機210を使用して第1のデータフローを受信し、次に、光送信機210を使用して、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュール96の第2の光受信機230に第1のデータフローを送信する。したがって、第1のデータフローが第1の光モジュール67の光送信機210で送信されるときに生成される第2の遅延、および第1のデータフローが第2の光モジュール96の光受信機230で送信されるときに生成される第3の遅延は、第1のデータフローに基づいて測定され得る。
【0113】
第2の光モジュール96は、光送信機240および光受信機230を含む。光送信機240は、oDSPチップ97およびITLA82を含み、光受信機230は、oDSPチップ95および赤外線カット70を含む。ITLA82と赤外線カット70は光ファイバに接続される。
【0114】
oDSPチップ97は、順番に接続された、シリアル化/逆シリアル化回路(serializing/deserializing circuitry、Serdes)93、チャネル調整回路91、FIFO回路90、マッピング回路89、FIFO回路88、前方誤り訂正FEC回路87、DSP回路86、FIFO回路85、およびDAC83を含む。oDSPチップ95は、順番に接続された、ADC71、FIFO回路73、DSP回路74、FEC回路75、FIFO回路76、デマッピング回路77、FIFO回路78、チャネル分配回路79、およびシリアル化/逆シリアル化回路(Serdes)81を含む。
【0115】
例えば、マッピング回路89は、フレーマー(Framer)またはビットインターリーブ(BitMux)回路によって実装され得る。同様に、デマッピング回路77は、デフレーマー(DeFramer)またはビットデインターリーブ(BitDeMux)回路によって実装され得る。
【0116】
図8Aおよび
図8Aを参照すると、第1の光モジュールの送信機210は異なる処理回路を含むので、第2の遅延は、送信機210の異なる処理回路のそれぞれが第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得る。同様に、第2の光モジュールの光受信機230も異なる処理回路を含むので、第3の遅延は、光受信機230の異なる処理回路のそれぞれが第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得る。
【0117】
具体的には、
図8Aおよび
図8Bに示されるように、第2の遅延は、第1のデータフローが光送信機210のインバウンドインターフェースから光送信機210のアウトバウンドインターフェースに送信されるときに生成される遅延であり得るか、または光送信機210に含まれる少なくとも1つの処理回路が第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得るか、または確かに、光送信機210に含まれる少なくとも1つの処理回路が第1のデータフローとデフォルト値または設計値とを処理するときに発生する遅延の合計であり得る。例えば、第2の遅延は、第1のデータフローがシリアル化/逆シリアル化回路31からTOSA49に送信されるときに生成される遅延であり得るか、またはoDSPチップ
68の各処理回路が第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得るか、または、oDSPチップ
68のチャネル調整回路32、FIFO回路33、マッピング回路34、FIFO回路35、FEC回路36、DSP回路37、およびFIFO回路38のそれぞれが第1のデータフローとデフォルト値または設計値とを処理するときに生じる遅延の合計であり得る。
【0118】
第3の遅延は、第1のデータフローが第2の光受信機230のインバウンドインターフェースから第2の光受信機230のアウトバウンドインターフェースに送信されるときに生成される遅延であり得るか、または第2の光受信機230に含まれる少なくとも1つの処理回路が第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得るか、または確かに、光受信機230に含まれる少なくとも1つの処理回路が第1のデータフローとデフォルト値または設計値とを処理するときに発生する遅延の合計であり得る。例えば、第3の遅延は、第1のデータフローが赤外線カット70からシリアル化/逆シリアル化回路81に送信されるときに生成される遅延であり得るか、またはoDSPチップ95の各処理回路が第1のデータフローを処理するときに生じる遅延であり得るか、またはoDSPチップ95のDAC71、FIFO回路73、DSP回路74、FEC回路75、FIFO回路76、デマッピング回路77、FIFO回路78、およびチャネル分配回路79のそれぞれが第1のデータフローとデフォルト値または設計値とを処理する生じた遅延の合計であり得る。
【0119】
グレー光モジュールと同様に、遅延の非対称性と不確実性は、第1の光モジュールおよび第2の光モジュールのoDSPチップ上で発生し得る。したがって、実際の適用では、第1の光モジュールおよび第2の光モジュールの遅延を計算する場合に、第1の光モジュールおよび第2の光モジュールのoDSPチップに対応する遅延のみを決定する必要がある。
【0120】
以下に、第1のデータフローが第1の光モジュールのoDSPチップで送信されるときに生成される遅延と、第1のデータフローが第2の光モジュールのoDSPチップで送信されるときに生成される遅延について詳細に説明する。
【0121】
具体的には、第1のデータフローは、第1の光モジュールで送信されると想定する。第1のデータフローが第1の回路に送信されると、第1の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第1の指示信号を抽出する。第1のデータフローが第2の回路に送信されると、第1の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第2の指示信号を抽出する。次に、第1の光モジュールは、第1の指示信号および第2の指示信号に基づいて、第1のデータフローが第1の光モジュール67の光送信機210で送信されるときに生成される第2の遅延を決定し得る。
【0122】
さらに、第1のデータフローは、第2の光モジュールで送信されると想定する。第1のデータフローが第3の回路に送信されると、第2の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第3の指示信号を抽出する。第1のデータフローが第4の回路に送信されると、第2の光モジュールは、第1のデータフローで搬送される第4の指示信号を抽出する。次に、第2の光モジュールは、第3の指示信号および第4の指示信号に基づいて、第1のデータフローが第2の光モジュール96の第2の光受信機230で送信されるときに生成される第3の遅延を決定する。
【0123】
さらに、第1の回路および第2の回路は、oDSPチップ
68の任意の2つの異なる回路であり得る。例えば、第1の回路は、
図8Aおよび
図8Aに示されるチャネル調整回路32であり得、第2の回路は、
図8Aおよび
図8Aに示されるFIFO回路38であり得る。この場合、第1のデータフローがチャネル調整回路32からFIFO回路38に送信されるときに生成される遅延は、第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差に基づいて決定し得る。別の回路に対応する遅延は、デフォルト値または設計値であり得る。あるいは、第1の回路は、FIFO回路33であり得、第2の回路はFIFO回路38であり得る。この場合、第1のデータフローがFIFO回路33からFIFO回路38に送信されるときに生成される遅延は、第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差に基づいて決定し得る。同様に、別の回路に対応する遅延は、デフォルト値または設計値であり得る。
【0124】
同様に、第3の回路および第4の回路は、oDSPチップ95の任意の2つの異なる回路であり得る。例えば、第3の回路は、
図8Aおよび
図8Aに示されるFIFO回路73であり得、第4の回路は、
図8Aおよび
図8Bに示されるシリアル化/逆シリアル化回路81であり得る。この場合、第1のデータフローがFIFO回路73からシリアル化/逆シリアル化回路81に送信されるときに生成される遅延は、第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差に基づいて決定し得る。別の回路に対応する遅延は、デフォルト値または設計値であり得る。あるいは、第3の回路は信号処理回路74であり得、第4の回路はシリアル化/逆シリアル化回路81であり得る。この場合、第1のデータフローが信号処理回路74からシリアル化/逆シリアル化回路81に送信されるときに生成される遅延は、第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差に基づいて決定し得る。同様に、別の回路に対応する遅延は、デフォルト値または設計値であり得る。
【0125】
図8Aおよび
図8Bを参照すると、第1の光モジュール67が第1のデータフローを第2の光モジュール96に送信する送信方向が例として使用される。第1の光モジュール67の経路A1および経路C1に対応する遅延、ならびに第2の光モジュール96の経路D2および経路F2に対応する遅延は、Serdes11およびDAC17、またはグレー光モジュールのSerdes18およびADC24に対応する遅延と同様であり、事前設定された設計値であり得るか、またはシミュレーションによって取得されたシミュレーション値であり得る、または確かにデフォルト値であり得る。したがって、第1のデータフローが第1の光モジュール67の光送信機210で送信されるときに生成される第2の遅延を測定する場合、経路B1に対応する遅延のみを測定する必要がある。第1のデータフローが第2の光モジュール96の第2の光受信機230で送信されるときに生成される第3の遅延を測定する場合、経路E2に対応する遅延のみを測定する必要がある。
【0126】
具体的には、経路B1に対応する遅延を測定する場合、第1の回路がチャネル調整回路32であり、第2の回路がDAC39であり、第1の指示信号がAM指示信号であり、第2の指示信号がDSPフレームヘッダ信号である例が、説明に使用される
図8Aおよび
図8Bに示されるように、第1のデータフローは、複数のチャネルを介して第1の光モジュール67のチャネル調整回路32に到達する。チャネル調整回路32が複数のチャネル上の第1のデータフローに対してチャネル調整を実行した後、チャネル選択モジュール64は、複数のチャネルから1つのチャネルを選択する。第1のデータフローがチャネル調整回路32に送信される場合、AM検出モジュール60は、選択されたチャネルからの第1のデータフローで搬送されるAM指示信号1を検出し、検出されたAM指示信号1をTX遅延測定モジュール65に送信する。さらに、第2の光モジュール96の光送信機
240のアウトバウンドインターフェースからAM指示信号を正確に抽出するためには、AM指示信号をさらに識別する必要がある。識別されたAM指示信号は、第1のデータフローで搬送され、次いで送信される。第1の光モジュール67の光送信機210のインバウンドインターフェースは、DSPフレームヘッダ指示信号1を定期的に抽出する。例えば、第1のデータフローがDAC39に送信された後、DSPフレームヘッダ抽出モジュール61は、第1のデータフローで搬送されたDSPフレームヘッダ指示信号1を抽出し、抽出されたDSPフレームヘッダ指示信号1をTX遅延測定モジュール65に送信する。この場合、TX遅延測定モジュール65は、高精度位相弁別アルゴリズムを使用して、AM指示信号1とDSPフレームヘッダ指示信号1との間の位相差を測定することによって、経路B1上の第1のデータフローの遅延を決定し得る。測定精度は、位相弁別アルゴリズムの精度に依存する。一般に、測定された遅延の精度は100psレベルに達し得る。
【0127】
なお、AM指示信号の期間は、DSPフレームヘッダ指示信号の期間とは異なるため、AM指示信号とDSPフレームヘッダ指示信号との間に固定された位相関係は存在しない。ペアリングと測定を容易にするために、測定用のAM指示信号とDSPフレームヘッダ指示信号から2つの隣接する信号を選択する必要がある。例えば、AM指示信号の期間が3ミリ秒であり、DSPフレームヘッダ指示信号の期間が1.2ミリ秒である場合、2つのDSPフレームヘッダ指示信号の後の第1のデータフローに1つのAM指示信号が現れ得る。この場合、AM指示信号とAM指示信号に隣接するDSPフレームヘッダ指示信号、例えば、AM指示信号と第2のDSPフレームヘッダ指示信号とを測定用に選択し得、2つの信号間の両者の位相差を測定する。
【0128】
さらに、第2の光モジュール96の第2の光受信機230のインバウンドインターフェースからDSPフレームヘッダ指示信号を正確に抽出するために、識別情報をDSPフレームヘッダ指示信号にさらに追加する必要があり、識別情報が追加される第1のデータフローは、光ファイバを介して第2の光モジュール96に送信される。
【0129】
同様に、経路E2に対応する遅延が測定される場合、第3の回路がFIFO回路73であり、第4の回路がシリアル化/逆シリアル化回路81であり、第3の指示信号がDSPフレームヘッダ指示信号であり、第4の指示信号がAM指示信号である例を説明に使用する。
図8Aおよび
図8Aに示されるように、第1の光モジュール67が、光送信機210を使用して第2の光モジュール96の第2の光受信機230に第1のデータフローを送信した後、第2の光モジュール96のADC71は、第1のデータフローをFIFO回路73に送信する。次に、DSPフレームヘッダ事前検出モジュール72は、第1の光モジュール67の光送信機210のDSPフレームヘッダ指示信号に付加された識別情報に基づいて、DSPフレームヘッダ指示信号2を抽出し、抽出したDSPフレームヘッダ指示信号2をRX遅延測定モジュール94に送信する。この場合、第1のデータフローは引き続き送信される。検出された後、第1のデータフローがシリアル化/逆シリアル化回路81に送信され、AM抽出モジュール80は、第1の光モジュール67の光送信機210のAM
指示信号に追加された識別情報に基づいてチャネルから第1のデータフローで搬送されるAM指示信号2を抽出し、抽出されたAM指示信号2をRX遅延測定モジュール94に送信する。この場合、RX遅延測定モジュール94は、高精度位相弁別アルゴリズムを使用して、DSPフレームヘッダ指示信号2とAM指示信号2との間の位相差を測定することによって、経路E2上の第1のデータフローの遅延を決定し得る。測定精度は、位相弁別アルゴリズムの精度に依存する。一般に、測定された遅延の精度は100psレベルに達し得る。
【0130】
AM指示信号1とAM指示信号2は、同じAM指示信号である。DSPフレームヘッダ指示信号1とDSPフレームヘッダ指示信号2は同じ指示信号である。
【0131】
さらに、他の容易に識別されるデータ識別子も、第2の指示情報および第4の指示情報のために使用され得る。たとえば、新しい識別子が第1のデータフローに挿入される。第2の指示情報および第4の指示情報の特定の形態は、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0132】
例えば、経路B1上の第1のデータフローの遅延が決定された後、第1のデータフローが第1の光モジュールの光送信機で送信されるときに生成される第2の遅延は、経路A1に対応する遅延および経路C1に対応する遅延を取得し、経路A1に対応する遅延、経路C1に対応する遅延、および経路B1に対応する遅延を加算することによって取得し得る。
【0133】
例えば、経路E2上の第1のデータフローの遅延が決定された後、第1のデータフローが第2の光モジュールの第2の光受信機で送信されるときに生成される第3の遅延は、経路D2に対応する遅延および経路F2に対応する遅延を取得し、経路D2に対応する遅延、経路E2に対応する遅延、および経路F2に対応する遅延を加算することによって取得し得る。
【0134】
第1のデータフローが光送信機210で送信されるときに生成される第2の遅延を決定した後、第1の光モジュールは、第2の遅延を含む第1のデータフローを第2の光モジュール96の第2の光受信機230に送信することに留意されたい。第1のデータフローが第2の光受信機230で送信されるときに生成される第3の遅延を決定した後、第2の光モジュールは、取得された第2の遅延と取得された第3の遅延の合計を第1の遅延として決定する。
【0135】
可能な実装形態では、第1の遅延を決定した後、第2の光モジュールの第2の光受信機230は、第1の光モジュール67の第1の光受信機220に第2のデータフローを送信する。第2のデータフローは、指示情報を搬送する。したがって、第1の光モジュールは、指示情報に基づいて第1の遅延を決定し得る。可能な実装では、指示情報は第1の遅延を含む。第1の光受信機220を使用することによって第2のデータフローで指示情報を受信した後、第1の光モジュール67は、第1の遅延を直接決定し得る。
【0136】
グレー光モジュールと同様に、カラー光モジュールが、経路B1に対応する遅延および経路E2に対応する遅延を測定する機能を有さない場合、経路B1に対応する遅延および経路E2に対応する遅延は、事前設定された設計値であり得るか、またはシミュレーションによって取得されたシミュレーション値であり得るか、または確かにデフォルト値であり得ることに留意されたい。
【0137】
当業者は、第2の光モジュール96が、光送信機240を使用することによって第1の光モジュール67の第1の光受信機220に第1のデータフローを送信するとき、第1の遅延は、第1のデータフローが第2の光モジュール96の光送信機240で送信されるときに生成される遅延、および第1のデータフローが第1の光モジュール67の第1の光受信機220で送信されるときに生成される遅延の合計であり得ることを理解し得る。第1のデータフローが第2の光モジュール96の光送信機240で送信されるときに生成される遅延は、経路A2に対応する遅延、経路B2に対応する遅延、および経路C2に対応する遅延の合計である。第1のデータフローが第1の光モジュール67の第1の光受信機220で送信されるときに生成される遅延は、経路D1に対応する遅延、経路E1に対応する遅延、および経路F1に対応する遅延の合計である。経路A2に対応する遅延、経路C2に対応する遅延、経路D1に対応する遅延、および経路F1に対応する遅延は、経路A1に対応する遅延、経路C1に対応する遅延と同様であり、経路D2に対応する遅延、および経路F2に対応する遅延は、事前設定された設計値であり得るか、またはシミュレーションにより取得されたシミュレーション値であり得るか、または確かにデフォルト値であり得る。第2の光モジュール96の光送信機240の経路B2に対応する遅延、および第1の光モジュール67の第1の光受信機220の経路E1に対応する遅延を決定する方法は、第1の光モジュール67の光送信機210の経路B1に対応する遅延、および第2の光モジュール96の第2の光受信機230の経路E2に対応する遅延を決定する方法と同様である。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0138】
ステップ202:第1の光モジュールは、第1の遅延をインターフェースチップに送信する。
【0139】
この実施形態では、遅延報告レジスタアクセスインターフェースが第1の光モジュールで定義されるので、第1の遅延を決定した後、第1の光モジュールは、遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介して第1の遅延をインターフェースチップに送信し、その結果、インターフェースチップは記録されたタイムスタンプに第1の遅延を追加する。したがって、MDI層によって記録されるタイムスタンプは、パケットが光モジュールで送信されるときに生成される遅延を含むため、MDI層によって記録されるタイムスタンプはより正確であり、マスタークロックとスレーブクロック間の時刻同期の精度をより高くすることができ、ネットワークデバイスのクロック精度をさらに向上させることができる。
【0140】
可能な実装において、インターフェースチップは、PHYチップおよびMACチップのうちの少なくとも1つを含む。
【0141】
可能な実装では、第1の光モジュールの遅延報告レジスタアクセスインターフェースは、次の表の方法で定義され得る。
【0142】
【0143】
インターフェースビット幅は、インターフェース信号のビットの量を表すために使用される。遅延報告をサポートしない光モジュールの場合、遅延報告レジスタアクセスインターフェースの報告値は固定値0である。遅延報告をサポートする光モジュールは、遅延測定をサポートしない光モジュールと遅延測定をサポートする光モジュールの2つのタイプにさらに分類され得る。遅延測定をサポートしない光モジュールによって報告される第1の遅延は、oDSPチップの設計値である。遅延測定をサポートする光モジュールによって報告される第1の遅延は、指示情報に基づいて取得された測定値である。
【0144】
さらに、第1の光モジュールがグレー光モジュールである場合、第1の遅延を決定した後、第1の光モジュールは、前述の定義されたインターフェースを介してインターフェースチップに第1の遅延を報告し得る。第1の遅延を受信した後、インターフェースチップは、第1の遅延、およびパケットがMAC層またはPHY層上で送信されるときに生成される遅延を、MAC層またはPHY層によって記録されたタイムスタンプに追加し得る。したがって、光モジュールによって引き起こされる非対称エラーを大幅に減らすことができるため、MDI層によって記録されるタイムスタンプはより正確であり、マスタークロックとスレーブクロック間の時刻同期の精度はより高くすることができ、ネットワークのクロック精度はさらに向上させることができる。
【0145】
第1の光モジュールがカラー光モジュールである場合、第1の遅延は、第1のデータフローが第1の光モジュールの光送信機で送信されるときに生成される遅延と、第1のデータフローが第2の光モジュールの第2の光受信機で送信されるときに生成される遅延との合計である。実装では、第2の光モジュールが第2のデータフローを使用することによって、測定された第1の遅延を第1の光モジュールに送信する場合、第1の光モジュールは、第1の光モジュールで定義された遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介して第1の遅延をインターフェースチップに報告し得る。この場合、第2の光モジュールは、第2の光モジュールで定義された遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介して第1の遅延をインターフェースチップに報告し得るか、または0または特別な識別子を報告し得る。確かに、第2の光モジュールは報告を実行しない場合がある。
【0146】
別の実装では、第2の光モジュールが第2の光モジュールで定義された遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介して第1の遅延をインターフェースチップに報告する場合、第1の光モジュールは、第1の光モジュールで定義された遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介して第1の遅延を報告し得るか、または0を報告し得るか、または特別な識別子を報告する。確かに、第1の光モジュールは報告を実行しない場合がある。
【0147】
さらに別の実装では、第1の光モジュールおよび第2の光モジュールは、事前設定された規則に従って、第1の遅延を2つの部分に分割し得る。第1の部分は、第1の光モジュールによって定義された遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介して第1の光モジュールによってインターフェースチップに報告され、第2の部分は、第2の光モジュールで定義された遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介して第2の光モジュールによってインターフェースチップに報告される。
【0148】
本出願のこの実施形態で提供される通信方法によれば、第1の遅延を決定した後、第1の光モジュールは、決定された第1の遅延をインターフェースチップに送信する。遅延報告レジスタアクセスインターフェースは第1の光モジュールで定義されるので、第1の光モジュールは、遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介してMAC層またはPHY層に第1の遅延を報告し得、MAC層またはPHY層によって記録されるパケットのタイムスタンプに第1の遅延を追加し、マスタークロックとスレーブクロック間の時刻同期の精度を向上させ、それによってネットワークデバイスのクロック精度をさらに向上させる。
【0149】
上記は、本出願の実施形態で提供される通信方法を説明する。以下は、本出願の実施形態で提供される光モジュールを説明する。
【0150】
本出願の実施形態で提供される光モジュールは、第1の光モジュールとして使用され、前述の方法の実施形態における第1の光モジュールに関連する動作を実行するように構成され得る。光モジュールは、プロセッサ901を含む。
【0151】
プロセッサ901は、第1の遅延を決定するように構成される。
【0152】
プロセッサ901はさらに、第1の遅延をインターフェースチップに送信するように構成される。
【0153】
第1の遅延を決定した後、本出願の実施形態で提供される光モジュールは、決定された第1の遅延をインターフェースチップに送信する。遅延報告レジスタアクセスインターフェースは光モジュールで定義されるので、光モジュールは、遅延報告レジスタアクセスインターフェースを介してMAC層またはPHY層に第1の遅延を報告し得、MAC層またはPHY層によって記録されるパケットのタイムスタンプに第1の遅延を追加し、マスタークロックとスレーブクロック間の時刻同期の精度を向上させ、それによってネットワークデバイスのクロック精度をさらに向上させる。
【0154】
図9は、本出願の一実施形態による光モジュールの概略構造図である。
図9を参照すると、第1の光モジュール
910は、グレー光モジュールである。第1の光モジュール
910は、光送信機
902を含む。光送信機
902は、プロセッサ
901、インバウンドインターフェース
9021、およびアウトバウンドインターフェース
9022を含む。
【0155】
光送信機902は、インバウンドインターフェース9021を介して第1のデータフローを受信するように構成される。
【0156】
光送信機902はさらに、アウトバウンドインターフェース9022を介して第1のデータフローを第2のネットワークデバイスに送信するように構成される。
【0157】
プロセッサ901はさらに、第1のデータフローが光送信機902で送信されるときに生成される遅延が第1の遅延であると決定するように構成される。
【0158】
図10は、本出願の一実施形態による別の光モジュールの概略構造図である。
図10を参照すると、第1の光モジュール
920は、第1のネットワークデバイスのカラー光モジュールである。第1の光モジュール
920は、光送信機
903および第1の光受信機
904を含む。第1の光受信機
904はプロセッサ
901を含む。
【0159】
光送信機903は、第1のデータフローを受信するように構成される。第1のデータフローが光送信機903で送信されるときに生成される遅延は、第2の遅延である。
【0160】
光送信機903はさらに、第1のデータフローを、第2のネットワークデバイスの第2の光モジュール内の第2の光受信機に送信するように構成される。第1のデータフローが第2の光受信機で送信されるときに生成される遅延は、第3の遅延である。
【0161】
第2の遅延と第3の遅延の合計が第1の遅延である。
【0162】
第1の光受信機904は、第2のネットワークデバイスによって送信される第2のデータフローを受信するように構成される。第2のデータフローは、指示情報を搬送する。
【0163】
プロセッサ901は、指示情報に基づいて第1の遅延を決定するように特に構成される。
【0164】
一実施形態では、指示情報は、第1の遅延を含む。
【0165】
一実施形態では、光モジュールが遅延測定をサポートしない場合、第1の遅延は設計値である。
【0166】
図11は、本出願の一実施形態によるさらに別の光モジュールの概略構造図である。
図10に示された実施形態に基づいて、
図11を参照すると、光送信機
903は、第1の回路
9031および第2の回路
9032を含む。プロセッサ
901はさらに、以下のように構成される。
第1のデータフローが第1の回路に送信されるとき、第1のデータフローで搬送される第1の指示信号を抽出する。
第1のデータフローが第2の回路に送信されるとき、第1のデータフローで搬送される第2の指示信号を抽出する。
第1の指示信号および第2の指示信号に基づいて第1の遅延を決定する。
【0167】
一実施形態では、プロセッサ901はさらに、以下のように構成される。
第1の指示信号と第2の指示信号との間の位相差を測定する。
位相差に基づいて第1の遅延を決定する。
【0168】
第1の指示信号と第2の指示信号の両方が調整マーカーAM指示信号であるか、または第1の指示信号がAM指示信号であり、第2の指示信号がデジタル信号処理DSPフレームヘッダ信号である。
【0169】
一実施形態において、インターフェースチップは、物理層PHYチップおよびメディアアクセス制御層MACチップのうちの少なくとも1つを含む。
【0170】
プロセッサ901は、前述の方法を実施するように構成された1つまたは複数の集積回路、例えば、oDSP、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、1つまたは複数のマイクロプロセッサ(digital signal processor、DSP)、または1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)であり得る。別の例として、プロセッサは、中央処理装置(central processing unit、CPU)またはプログラムを呼び出すことができる別のプロセッサであり得る。
【0171】
本出願の実施形態で提供される光モジュールは、前述の対応する方法の実施形態を実行し得る。光モジュールの実装原理および技術的効果は、方法の実施形態におけるものと同様である。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0172】
本出願の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納する。プログラムがプロセッサによって実行されると、前述の方法の実施形態で提供される通信方法における第1の光モジュールに関連する手順が実施され得る。
【0173】
当業者は、本明細書に開示された実施形態で説明された例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップが、電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって実装され得ることを認識し得る。機能がハードウェアによって実行されるかまたはソフトウェアによって実行されるかは、特定のアプリケーションと技術解決法の設計上の制約条件に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとに説明された機能を実装するために異なる方法を使用し得るが、実装が本出願の実施形態の範囲を超えるとみなされるべきではない。
【0174】
さらに、本出願の実施形態における態様または特徴は、標準的なプログラミングおよび/またはエンジニアリング技術を使用する方法、装置、または製品として実装され得る。本出願で使用される「製品」という用語は、コンピュータ可読コンポーネント、キャリア、またはメディアからアクセスできるコンピュータプログラムをカバーする。例えば、コンピュータ可読媒体は、磁気記憶構成要素(例えば、ハードディスク、フロッピーディスクまたは磁気テープ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(compact disc、CD)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc、DVD))、スマートカードおよびフラッシュメモリコンポーネント(例えば、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、カード、スティック、またはキードライブ)を含み得るが、これらに限定されない。さらに、本明細書に記載されている様々な記憶媒体は、情報を記憶するように構成された1つまたは複数のデバイスおよび/または他の機械可読媒体を示し得る。「機械可読媒体」という用語は、無線チャネル、および命令および/またはデータを格納し、含み、および/または搬送することができる他の様々な媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【0175】
前述の実施形態のすべてまたはいくつかは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用することによって実装し得る。ソフトウェアを使用して実施形態を実施する場合、実施形態は、コンピュータプログラム製品の形態で完全にまたは部分的に実施し得る。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードされて実行されるとき、本出願の実施形態による手順または機能は、すべてまたは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能な装置であり得る。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得るか、またはコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信され得る。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターから、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線(DSL))またはワイヤレス(例えば、赤外線、無線、またはマイクロ波)方式で別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターに送信され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体、または1つまたは複数の使用可能な媒体を統合するサーバまたはデータセンターなどのデータ記憶装置であり得る。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、ソフトディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(Solid State Disk、SSD))などであり得る。
【0176】
前述のプロセスのシーケンス番号は、本出願の様々な実施形態における実行シーケンスを意味しないことを理解されたい。プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能および内部ロジックに従って決定されるべきであり、本出願の実施形態の実装プロセスに対するいかなる制限としても解釈されるべきではない。
【0177】
便利で簡単な説明の目的で、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な作業プロセスについて、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照すること、および詳細については本明細書では再度説明しないことは、当業者によって明確に理解され得る。
【0178】
本出願で提供されるいくつかの実施形態では、開示されたシステム、装置、および方法は、他の方法で実施され得ることを理解されたい。例えば、説明された装置の実施形態は、単なる一例である。たとえば、ユニット分割は単なる論理的機能の分割であり、実際の実装では他の分割である場合がある。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントを組み合わせたり、別のシステムに統合したりし得、またはいくつかの機能を無視したり、実行しなかったりし得る。さらに、表示または説明されている相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを使用して実装し得る。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形態で実施し得る。
【0179】
別個の部分として説明されるユニットは、物理的に分離されている場合とされていない場合があり、ユニットとして表示される部分は、物理ユニットである場合とそうでない場合があり、1つの位置に配置されている場合があるか、または複数のネットワークユニット上に分散されている場合がある。ユニットのいくつかまたはすべては、実施形態の解決策の目的を達成するための実際の要件に基づいて選択され得る。
【0180】
機能がソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、機能はコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本出願の技術的解決策、または先行技術に寄与する部分、またはいくつかの技術的解決策は、ソフトウェア製品の形で実施され得る。ソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスであり得る)に、本出願の実施形態に記載された方法のステップのすべてまたはいくつかを実行するように指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMなど)、磁気ディスク、または光ディスクなどの、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含む。
【0181】
前述の説明は、本発明の単なる特定の実装であり、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。本発明に開示された技術的範囲内で当業者によって容易に理解される任意の変形または置換は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。