(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】カソード排気タービンブーストを備えた蒸発冷却燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240507BHJP
H01M 8/0438 20160101ALI20240507BHJP
H01M 8/04701 20160101ALI20240507BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240507BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/0438
H01M8/04701
H01M8/04 J
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2021556697
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 GB2020050689
(87)【国際公開番号】W WO2020188270
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-07
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504175659
【氏名又は名称】インテリジェント エナジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INTELLIGENT ENERGY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(72)【発明者】
【氏名】ラマ、プラタプ
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-512738(JP,A)
【文献】特開昭51-105551(JP,A)
【文献】特表2019-503047(JP,A)
【文献】特開2003-323908(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0263955(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムにおいて、
アノード入口、カソード入口、アノード排気
口、およびカソード排気
口を具備する燃料電池アセンブリと、
冷却剤を上記燃料電池アセンブリに供給するように構成された冷却剤貯蔵モジュールと、
上記燃料電池アセンブリおよび上記冷却剤貯蔵モジュールに流体的に接続され、コンデンサおよびセパレータを有する熱モジュールと、
膨張排気ストリームを受け取る膨張タービンと、
上記熱モジュールのコンデンサに結合された1または複数のファンと、
上記燃料電池システムを温度ブーストモードにおいて動作させるように構成されたコントローラとを有し、
上記コントローラは、上記温度ブーストモードにおいて、上記1または複数のファンを制御し、当該1または複数のファンの設定ポイントを、予め定められた閾値レベル未満に減少させて上記コンデンサからの流体フローの退出温度を増加させるように構成され、
上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出
るカソード排気、上記燃料電池アセンブリから出
るアノード排気、アノード・ガス・パージ・ストリーム、上記熱モジュールのセパレータから出
るアノード排気ストリーム、および、上記熱モジュールのコンデンサから出る当該流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有し、
上記コントローラは、さらに、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第3の閾値量を下回って下降するまで、上記燃料電池システムを連続して上記温度ブーストモードで動作させるように構成されることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
上記第3の閾値量は上記第2の
閾値量を上回り、上記第2の閾値量と等しく、または、上記第2の閾値量を下回る請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項3】
燃料電池システムを動作させる方法において、
上記燃料電池システムは、
アノード入口、カソード入口、アノード排気
口、およびカソード排気
口を具備する燃料電池アセンブリと、
冷却剤を上記燃料電池アセンブリに供給するように構成された冷却剤貯蔵モジュールと、
上記燃料電池アセンブリおよび上記冷却剤貯蔵モジュールに流体的に接続され、コンデンサおよびセパレータを有する熱モジュールと、
膨張排気ストリームを受け取る膨張タービンとを有し、
上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出
るカソード排気、上記燃料電池アセンブリから出るアノード排気、アノード・ガス・パージ・ストリーム、上記熱モジュールのセパレータから出
るカソード排気ストリーム、および、上記熱モジュールのコンデンサから出
る流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有し、
上記方法は、
上記冷却剤貯蔵モジュールから上記燃料電池アセンブリへ冷却剤を供給するステップと、
上記燃料電池アセンブリの上記アノード入口にアノードガスフローを供給するステップと、
上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口にカソードガスフローを供給するステップと、
上記熱モジュールのコンデンサおよび上記熱モジュールのセパレータを動作させて上記冷却剤貯蔵モジュールへ冷却剤を供給するステップと、
上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンへ方向づけ、上記膨張タービンを動作させて電源出力を生成するステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項4】
上記燃料電池システムは、さらに、流体ストリーム中の水素の濃度を減少させるように構成された排気モジュールを有し、
上記方法は、さらに、
流体ストリームを上記排気モジュールに方向づけ、上記排気モジュールを動作させて上記流体ストリーム中の
上記水素の濃度を減少させるステップを有する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上記燃料電池システムは、上記膨張排気ストリーム
の流路において、上記膨張タービンに先行して配置されたインタークーラーをさらに有し、上記インタークーラーは上記膨張排気ストリーム
の温度を増加させるように構成され、
上記方法は、さらに、
上記インタークーラーを動作させて上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンに方向づけるのに先立って上記膨張排気ストリームの温度を増加させるステップを有する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
上記方法は、さらに、上記インタークーラーを、圧縮されたフローストリームに流体的に接続させ、上記圧縮されたフローストリームから熱を上記膨張排気ストリームへと移動させるステップを有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記方法は、さらに、熱が移動させられた後に、上記圧縮されたフローストリームを上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口へ方向づけるステップを有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記膨張タービンは、さらに、コンプレッサを有するか、またはコンプレッサに接続される請求項6に記載の方法。
【請求項9】
上記コンプレッサは上記膨張タービンに含まれ、または上記膨張タービンに結合され、上記コンプレッサは、上記インタークーラーに流体的に接続された
上記圧縮されたフローストリームを供給する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上記燃料電池システム中のバランス・オブ・プラント部品の1または複数に電力を供給するように、または外部負荷に供給され
る電力を補充するために、発電機をさらに上記膨張タービン中に接続する請求項8に記載の方法。
【請求項11】
上記燃料電池システムは、上記熱モジュールのコンデンサに結合された複数のファンをさらに有する請求項6に記載の方法。
【請求項12】
上記方法は、上記燃料電池システムを温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有し、上記温度ブーストモードは、上記1または複数のファンを制御し、当該1または複数のファンの設定ポイントを、予め定められた閾値レベル未満に減少させて上記コンデンサからの流体フローの退出温度を増加させるステップを有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第1の閾値量より少ないときに、第1の予め定められた動作時間限界と等しい、またはこれより少ない予め定められた時間間隔の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量を下回るときに、上記燃料電池システムを、上記温度ブーストモードで動作させることを禁止するステップをさらに有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、第2の予め定められた動作時間限界の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードで動作させる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
上記第2の予め定められた動作時間限界は上記第1の予め定められた動作時間限界より長い請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第3の閾値量を下回って下降するまで、上記燃料電池システムを連続して上記温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有する請求項15に記載の方法。
【請求項18】
上記第3の閾値量は上記第2の
閾値量を上回り、上記第2の閾値量と等しく、または、上記第2の閾値量を下回る請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量を、レベルセンサの測定により決定するステップをさらに有する請求項16に記載の方法。
【請求項20】
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量を、上記燃料電池システムの動作に関するデータから当該量を計算することにより決定するステップをさらに有する請求項16に記載の方法。
【請求項21】
上記コンプレッサは、上記排気モジュール中に、上記排気モジュール中のオフ・ガス・バーナーに入るフローを圧縮するように構成された排気モジュールコンプレッサを有する請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には、燃料電池システム、より具体的には、電気エネルギ回収およびカソード排気からの電気出力ブーストのためのシステムを備えた燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、燃料ガスと酸化性ガスとの電気化学反応により発電する。多くの場合、燃料ガスは水素であり、酸化性ガスは空気である。パラジウムや白金などの金属は、燃料ガスと酸化性ガスとの間で電気化学反応を引き起こす触媒として使用される。
【0003】
慣用的な電気化学燃料電池は、燃料および酸化剤を電気エネルギおよび反応生成物に変換する。一般的なタイプの電気化学燃料電池は、膜電極アセンブリ(MEA)を有し、これは、アノードおよびカソードの間の高分子イオン(プロトン)移送膜とガス拡散構造とを含む。水素などの燃料と空気中の酸素などの酸化剤は、MEAのそれぞれの側を通過して、電気エネルギと反応生成物としての水とを生成する。スタックは、別個のアノード流体流路およびカソード流体流路で配置されたいくつかのそのような燃料電池を有するように形成することができる。そのようなスタックは、典型的には、スタックのいずれかの端部でエンドプレートによって一緒に保持された多数の個々の燃料電池プレートを有するブロックの形態である。
【0004】
効率的な操作のためには、高分子イオン移送膜が水和したままであることが重要である。スタックの温度を制御することも重要である。したがって、冷却剤は、冷却および/または水和のためにスタックに供給されて良い。したがって、燃料電池システムは、例えば、燃料電池スタックの水和および/または冷却のために水を貯蔵するための水/冷却剤貯蔵タンクを含んで良い。
【0005】
蒸発冷却燃料電池システムにおいいては、スタックの冷却および水和に利用可能な冷却剤を維持するために、正味の水収支を維持する必要がある。再利用のために燃料電池システムから追加量の冷却剤を再捕捉できるコンポーネントは、容量が増えるにつれて大きくなったり重くなったりする可能性がある。燃料電池システム全体から出力される電気エネルギに関連して、コンポーネントの総重量と体積を最小限に抑えることが望ましい。
【0006】
したがって、電気エネルギ出力のための所望の電力密度および容量を有しながら、適切な水和および冷却を提供することができる燃料電池システムが必要とされている。本開示は、これらおよびその他の重要なニーズに向けられている
【発明の概要】
【0007】
本開示のいくつかの側面によれば、蒸発冷却燃料電池システムのカソード排気から電気エネルギを回収する方法を実現する燃料電池システムおよび使用方法が開示される。所定の実装において、当該方法は、ゼロの値に設定するか、または主空冷凝縮器に冷却空気を供給する空気ファンの動作設定値をゼロにするか、下げることによって、追加のエネルギの回収を実現することができる。所定の実装において、これにより、電気エネルギ回収に使用されるタービンへのより高い入口温度が可能になる。
【0008】
いくつかの側面において、本開示は、タービンへのより高い入口温度を使用して、専用の発電機を介して過剰な電気エネルギを回収する方法を提供する。他の実装において、タービンが吸気圧縮機を備えた一般的な電気機械に接続されている場合、正味のモーター入力電力を減らすことができる。他の実装において、タービンは、ここで説明されるように、排気モジュール内の圧縮機に接続することができる。
【0009】
いくつかの側面において、本開示は、蒸発冷却された燃料電池システムのカソード排気から追加の電気エネルギを回収する方法を提供する。所定の実装において、当該方法は、凝縮液回収の減少に耐えることができる動作状態の間、エネルギ回収モードで燃料電池システムを動作させることを含むことができる。いくつかの実装において、そのような許容可能な状態は、主冷却剤レベルがすでに十分に高い動作状態を含む。
【0010】
いくつかの側面において、本開示は、蒸発冷却された燃料電池システムのカソード排気から追加の電気エネルギを回収する方法を提供する。所定の実装において、当該方法は、動作状態の間、部分的な、または低い負荷でエネルギ回復モードで燃料電池システムを動作させることを有し、このエネルギ回復モードにおいては、主空冷凝縮器に冷却空気を供給する空気ファンの最小設定点が、水バランスに必要とされるデューティよりも大きなデューティを提供する。所定の実装において、ファンは正味の水収支と追加のタービン回収のために方形波にすることができる。
【0011】
本開示は、本開示は、燃料電池アセンブリ、冷却剤貯蔵モジュール、熱モジュール、および膨張タービンを有する燃料電池システムを提供する。所定の実装において、燃料電池アセンブリは、アノード入口、カソード入口、アノード排気、およびカソード排気を具備し、冷却剤貯蔵モジュールは、冷却剤を上記燃料電池アセンブリに供給するように構成され、熱モジュールは、上記燃料電池アセンブリおよび上記冷却剤貯蔵モジュールに流体的に接続され、当該熱モジュールは、コンデンサおよびセパレータを有し、膨張タービンは、膨張排気ストリームを収容し、また、上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出る上記カソード排気、アノード・パージ・ガス・ストリーム、および、上記熱モジュールコンデンサから出る当該流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有する。他の実装において、燃料電池システムは、上記膨張排気ストリームの当該流路において、上記膨張タービンに先行して配置されたインタークーラーをさらに有して良く、上記インタークーラーは上記膨張排気ストリームの当該温度を増加させるように構成される。所定の実装において、上記インタークーラーは圧縮されたフローストリームに流体的に接続され、上記圧縮されたフローストリームから熱を上記膨張排気ストリームへと移動させるように構成されて良い。いくつかの実装において、上記圧縮されたフローストリームは、上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口に流体的に接続された流体フローを有して良い。他の実装において、上記膨張タービンは、コンプレッサを有するか、またはコンプレッサに接続されて良い。さらに他の実装において、燃料電池システムは、さらに、排気ストリーム中の水素濃度を予め定められた濃度を下回る水素濃度に希釈するように構成された希釈ボックスをさらに有して良い。
【0012】
本開示は、本開示は、燃料電池アセンブリ、冷却剤貯蔵モジュール、熱モジュール、排気モジュール、および膨張タービンを有する燃料電池システムを提供する。所定の実装において、燃料電池アセンブリは、アノード入口、カソード入口、アノード排気、およびカソード排気を具備し、冷却剤貯蔵モジュールは、冷却剤を上記燃料電池アセンブリに供給するように構成され、熱モジュールは、上記燃料電池アセンブリおよび上記冷却剤貯蔵モジュールに流体的に接続され、当該熱モジュールは、コンデンサおよびセパレータを有し、排気モジュールは、当該排気モジュールに流入する流体ストリームから水素を除去するように構成され、膨張タービンは、膨張排気ストリームを収容し、また、上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出る上記カソード排気、上記熱モジュールセパレータから出る当該アノード排気ストリーム、および、上記熱モジュールコンデンサから出る当該流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有する。他の実装において、燃料電池システムは、上記膨張排気ストリームの当該流路において、上記膨張タービンに先行して配置されたインタークーラーをさらに有して良く、上記インタークーラーは上記膨張排気ストリームの当該温度を増加させるように構成される。所定の実装において、上記インタークーラーは圧縮されたフローストリームに流体的に接続され、上記圧縮されたフローストリームから熱を上記膨張排気ストリームへと移動させるように構成されて良い。いくつかの実装において、上記圧縮されたフローストリームは、上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口に流体的に接続された流体フローを有して良い。他の実装において、上記膨張タービンは、コンプレッサを有するか、またはコンプレッサに接続されて良い。
【0013】
本開示は、ここで説明される燃料電池システムを動作させる方法を提供する。この方法は、当該冷却剤貯蔵モジュールから当該燃料電池アセンブリへ冷却剤を供給するステップと、上記燃料電池アセンブリの上記アノード入口にアノードガスフロー供給するステップと、上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口にカソードガスフローを供給するステップと、上記熱モジュールのコンデンサおよび上記熱モジュールのセパレータを動作させて上記冷却剤貯蔵モジュールへ冷却剤を供給するステップと、流体ストリームを上記排気モジュールへ方向づけて、上記膨張モジュールを動作させて上記流体ストリームから水素を除去するステップと、上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンへ方向づけ、上記膨張タービンを動作させて電源出力を生成するステップとを有して良い。いくつかの実装において、上記方法は、さらに、上記インタークーラーを動作させて上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンに方向づけるのに先立って上記膨張排気ストリームの温度を上昇させるステップを有する。所定の実装において、上記方法は、さらに、上記インタークーラーを、圧縮されたフローストリームに流体的に接続させ、上記圧縮されたフローストリームから熱を上記膨張排気ストリームへと移動させるステップを有する。他の実装において、上記方法は、さらに、熱が移動させられた後に、上記圧縮されたフローストリームを上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口へ方向づけるステップを有する。いくつかの実装において、上記方法は、さらに、コンプレッサを上記膨張タービンに結合するステップを有する。他の実装において、上記方法は、さらに、上記膨張タービンに結合されたコンプレッサによって、圧縮されたフローストリームを生成するステップと、上記圧縮されたフローストリームを上記インタークララ―に流体的に接続するステップとを有する。いくつかの実装において、上記方法は、上記燃料電池システムを温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有し、上記温度ブーストモードは、上記1または複数のファンを制御し、当該1または複数のファンの設定ポイントを、予め定められた閾値レベル未満に減少させて上記コンデンサからの流体フローの退出温度を増加させるステップを有する。いくつかの実装において、上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第1の閾値量より少ないときに、第1の予め定められた動作時間限界と等しい、またはこれより少ない予め定められた時間間隔の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有する。いくつかの実装において、上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量を下回るときに、上記燃料電池システムを、上記温度ブーストモードで動作させることを禁止するステップをさらに有する。いくつかの実装において、上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、第2の予め定められた動作時間限界の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードで動作させる。いくつかの実装において、上記第2の予め定められた動作時間限界は上記第1の予め定められた動作時間限界より長くて良い。いくつかの実装において、上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第3の閾値量を下回って下降するまで、上記燃料電池システムを連続して上記温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有する。
【0014】
本開示は、ここで説明される燃料電池システムを動作させる方法を提供する。この方法は、当該冷却剤貯蔵モジュールから当該燃料電池アセンブリへ冷却剤を供給するステップと、上記燃料電池アセンブリの上記アノード入口にアノードガスフローを供給するステップと、上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口にカソードガスフローを供給するステップと、上記熱モジュールのコンデンサおよび上記熱モジュールのセパレータを動作させて上記冷却剤貯蔵モジュールへ冷却剤を供給するステップと、上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンへ方向づけ、上記膨張タービンを動作させて電源出力を生成するステップとを有して良い。いくつかの実装において、上記方法は、さらに、上記インタークーラーを動作させて上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンに方向づけるのに先立って上記膨張排気ストリームの温度を増加させるステップを有する。他の実装において、上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出るカソード排気、上記熱モジュールセパレータから出るカソード排気ストリーム、アノード・パージ・ガス・ストリーム、および上記熱モジュールコンデンサから出る流体フローの1または複数の少なくとも一部を有する。所定の実装において、上記方法は、さらに、上記インタークーラーを、圧縮されたフローストリームに流体的に接続させ、上記圧縮されたフローストリームから熱を上記膨張排気ストリームへと移動させるステップを有する。他の実装において、上記方法は、さらに、熱が移動させられた後に、上記圧縮されたフローストリームを上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口へ方向づけるステップを有する。いくつかの実装において、上記方法は、さらに、コンプレッサを上記膨張タービンに結合するステップを有する。所定の実装において、上記拡張排気ストリームは、アノード・パージ・ガス・ストリームの少なくとも一部を有し、上記方法は、さらに、アノード・パージ・ガス・ストリームの上記少なくとも一部を焼却して、上記排気タービンに送出される前に、当該膨張排気ストリームの温度を上昇させるステップと有する。他の実装において、上記方法は、さらに、上記膨張タービンに結合されたコンプレッサによって、圧縮されたフローストリームを生成するステップと、上記圧縮されたフローストリームを上記インタークララ―に流体的に接続するステップとを有する。いくつかの実装において、上記方法は、上記燃料電池システムを温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有し、上記温度ブーストモードは、上記1または複数のファンを制御し、当該1または複数のファンの設定ポイントを、予め定められた閾値レベル未満に減少させて上記コンデンサからの流体フローの退出温度を増加させるステップを有する。いくつかの実装において、上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第1の閾値量より少ないときに、第1の予め定められた動作時間限界と等しい、またはこれより少ない予め定められた時間間隔の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有する。いくつかの実装において、上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量を下回るときに、上記燃料電池システムを、上記温度ブーストモードで動作させることを禁止するステップをさらに有する。いくつかの実装において、上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、第2の予め定められた動作時間限界の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードで動作させる。いくつかの実装において、上記第2の予め定められた動作時間限界は上記第1の予め定められた動作時間限界より長くて良い。いくつかの実装において、上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第3の閾値量を下回って下降するまで、上記燃料電池システムを連続して上記温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有する。
【0015】
一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、添付の特許請求の範囲で定義されるように、本開示を制限するものではない。本開示の他の態様は、本明細書で提供される本開示の詳細な説明を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本概要および以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとさらに理解される。本開示を例示する目的で、図面において本開示の例示的な実装が示されている。しかしながら、本開示は、開示された特定の方法、組成物、およびデバイスに限定されない。さらに、図面は必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではない。図において、同様の参照番号は、異なる図を通して対応する部分を示している。図中のすべての説明および引出し文は、本明細書に完全に記載されているかのように、この参照により本明細書に組み込まれる。図面は以下のとおりである。
【
図1】
図1は、本開示の燃料電池電力システムのシステムおよび動作方法の複数の側面の模式図である。
【
図1B】
図1Bは、本開示の方法およびシステムのいくつかの実装において有用な燃料電池スタックの複数の側面の模式図である。
【
図2】
図2は本開示の冷却剤貯蔵モジュールの模式図である。
【
図3】
図3は、本開示の熱モジュールの態様の模式図である。
【
図4】
図4は、本開示の燃料電池システムの態様の模式図である。
【
図5】
図5は、膨張タービンを含む、本開示の燃料電池システムの構成要素の態様の模式図である。
【詳細な開示】
【0017】
本開示は、当該開示の一部を形成する添付の図面および実施例に関連してなされる以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。本開示は、本明細書で説明および/または示される特定のデバイス、方法、用途、条件、またはパラメータに限定されず、本明細書で使用される用語は、例のみとして特定の例示を説明することを目的とし、請求対象の開示を限定することを意図していないことを理解されたいまた、添付の特許請求の範囲を含む明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は複数を含み、特定の数値への言及は、文脈が明らかにそうでないと示さない限り、少なくともその特定の値を含む。本明細書で使用される「複数」という用語は、複数を意味する。値の範囲が表現される場合、別の例は、ある特定の値から、および/または他の特定の値まで含む。同様に、値が先行詞「約」を使用して近似値として表現される場合、特定の値が別の見本を形成することが理解されよう。すべての範囲は包括的で組み合わせ可能である。
【0018】
明確にするために、別個の例の文脈で本明細書で説明される本開示の特定の特徴は、単一の例示的な実装形態で組み合わせて提供されてもよいことを理解されたい。逆に、簡潔にするために、単一の例示的な実装の文脈で説明される本開示の様々な特徴は、個別にまたは任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲に記載されている値への参照には、その範囲内のすべての値が含まれる。
【0019】
[システム概要]
図1は、燃料電池アセンブリ20および冷却剤貯蔵モジュール30を含む燃料電池システム10の例示的な実装のいくつかの側面を示す模式図である。本開示は、燃料電池電力システムの動作を含む。
【0020】
燃料電池アセンブリ20は、一緒に積み重ねられた複数のプロトン交換膜燃料電池を含む1つまたは複数の燃料電池スタック21と、当技術分野で知られているポンプ、バルブ、ファン、コントローラ、および回路などを含むプラントBOP(図示せず)の残りを含む。図示の燃料電池アセンブリ20は、蒸発冷却燃料電池アセンブリである。この例において、冷却剤は水を含むけれども、グリコール、水または他のまたは水溶液などの他の冷却剤を使用できることが理解されよう。この例において、冷却剤または水の貯蔵モジュール30は、燃料電池アセンブリ20の水和および/または蒸発冷却のために純水を貯蔵する。冷却剤貯蔵モジュール30は、冷却剤サプライ40を保持するための冷却剤貯蔵タンク32を含む。
【0021】
燃料電池システム10は、水素源を含む。水素源は、必要に応じて、燃料電池システム10の様々な部分に水素燃料ガスを供給する。例えば、水素源は、水素燃料ガスを燃料電池アセンブリ20に供給する。燃料電池20のアノード側は、水素ガスを受け取る。水素源は、燃料電池アセンブリ20のアノード入口24に流体接続されている。本開示のいくつかの側面において、水素源は、冷却剤タンクヒーター/触媒ヒーター、アノード排気バーナー、および/またはアノード排気吸収器に提供される。燃料電池システム10は、水素サプライを貯蔵するための水素貯蔵タンク(図示せず)を含んで良い。
【0022】
燃料電池システム10は、燃料電池アセンブリ20に酸素サプライを供給するために使用される空気源12を含む。燃料電池アセンブリ20のカソード側は、空気源12を受け入れる。空気源12は、カソード入口25で燃料電池アセンブリ20に流体的に接続されている。1つまたは複数の圧縮機を、カソード入口25の上流に配置して、燃料電池アセンブリ20のカソード側に導入される前の空気の圧力を増加させて良い。
【0023】
燃料電池アセンブリ20およびその中のスタックは、燃料および酸化剤を受け入れるように構成される。
図1Bは、単一の燃料電池アセンブリ20内の燃料電池スタック21および21'のアレイまたはグループの模式図を示している。
【0024】
水素などの燃料の流体の流れは、アノード入口24を通ってアノードに流れ、空気などの酸化剤の流体の流れは、カソード入口25を通ってカソードに向かう。アノード排気26は、燃料の通り抜けを可能にするために提供される。酸化剤の通り抜けを可能にするために、カソード排気27が設けられている。排気フローは、また、いくつかの反応副生成物およびアセンブリ20を通過した可能性のある任意の冷却剤/水和液体を運ぶことが理解されよう。カソード排気27は、冷却液の排気フローから、生成された水および冷却剤(水)40'を分離するための冷却剤分離器28を含んで良い。分離された水は、冷却剤貯蔵モジュール30に貯蔵される。この例は、スタックを通過した水(冷却剤)のリサイクルを示しているが、この開示は、冷却剤をリサイクルしない、または冷却剤を別の方法でリサイクルするシステムに適用可能であることを理解されたい。カソード排気27からの空気は、アノードオフガスバーナー(AOBH)で使用するために圧縮機82に提供されて良い。いくつかの実装において、アノードガスパージストリームを提供することができ、これをアノードオフガスバーナーに向けることができる。
【0025】
冷却剤貯蔵モジュール30は、導管によって燃料電池アセンブリに流体的に接続されているけれども、モジュール30は、スタック内の燃料電池と統合されて良いことが理解されよう。冷却剤貯蔵モジュール30は、カソード入口25に接続されて、燃料電池アセンブリ20の蒸発冷却のためにカソードフローに冷却剤を導入することを可能にする。冷却剤は、別個の導管によってスタックに導入されて良い。
【0026】
冷却剤貯蔵モジュール30は、複数の冷却剤貯蔵タンクを有して良い。燃料電池アセンブリを通る圧縮機駆動の酸素は、燃料電池アセンブリのスタートアップ後に比較的迅速に暖かくなることが可能であり、したがって、少なくともアノード・オフ・バーナーを少なくとも部分的に駆動するために排熱を利用して良いいくつかの場合においては、酸素(空気ソース)12内の圧縮機から、冷却剤貯蔵モジュールへと、熱交換器や、作動流体および/またはヒートパイプ(流体接続)を使用して、熱を移動させる。冷却剤注入/フローコントローラ100は、燃料電池システムのさらなる動作を制御するための燃料電池システムコントローラ105の一部を形成して良い。
【0027】
いくつかの実装形態において、燃料電池システム10は、燃焼触媒の触媒作用によって燃焼燃料を増強させる少なくとも1つの触媒ヒーター52を含んで良い。触媒ヒーターは、種々の方法でシステム10の加熱要求を満たすために使用して良い。他の実装形態において、燃料電池システムは電気ヒーターを含んで良い。
【0028】
触媒ヒーター52は、1つまたは複数の触媒加熱要素55を含む。触媒ヒーター52は、触媒加熱要素55を収容するためのハウジング57を提供して良い。触媒加熱要素55は、燃焼用の触媒材料を含む。触媒材料は、基板上に支持されて良い。本開示においては、触媒ヒーター52および触媒加熱要素55の様々な異なる構造が企図されている。
【0029】
好ましくは、触媒ヒーター52は、燃料電池アセンブリ20から独立している。独立した触媒ヒーター52は、燃料電池アセンブリ20が停止している間、動作し続けることができる。この機能は、冷却液の温度が維持され、燃料電池の動作に左右されないため、とくに有利である。触媒ヒーター52が燃料電池アセンブリから独立していない場合、燃料電池の始動は、氷点下の動作周囲条件で遅延するかもしれない。
【0030】
所定の実装形態において、燃料電池システム10は、カソード排気から水を回収するように構成された熱モジュール70を含むことができる。
図1および
図3に示すように、熱モジュール70は、燃料電池アセンブリ20および冷却剤モジュール30に流体接続されている。熱モジュール70は、凝縮器71および分離器72を含む。凝縮器71および分離器72は、単一の操作として統合されて良い。凝縮器71は、空冷または液冷であって良い。代替的には、凝縮器71は、空冷と液体冷却の組み合わせを使用して良い。例えば、凝縮器71の第1の段階は空冷を使用して良く、第2の段階は液体冷却を使用して良い。
【0031】
カソード排気27は、燃料電池アセンブリ20から凝縮器71に向けることができ、凝縮器71は、カソード排気中の水蒸気を液化および回収するのに役立つ。1つまたは複数のファン73を使用して、その動作中に凝縮器71を冷却することができる。次に、凝縮水蒸気を含むカソード排気は、凝縮器71から分離器72に流れる。分離器72は、カソード排気中に残っているガスから水を分離するのに役立つ。分離器72および凝縮器は、それぞれ、水面下出口74'を提供して良い。一次水出口74は、冷却剤貯蔵モジュール30に流体接続されている。凝縮されたカソード排気が分離器72を通って流れると、水が除去され、冷却剤貯蔵タンク32に向けられる。カソード排気フローからのガスは、ガス出口76で分離器を出て大気に排出される。
【0032】
いくつかの実装形態において、燃料電池システム10は、アノード排気を洗浄して、その中の水素を除去するように構成された排気モジュール80を含んで良い。とくに自動車用途において、排出基準により、排気フロー中の水素のppmが厳密に制限される場合がある。排気モジュール80は、空気ソース12、燃料電池アセンブリ20、および冷却剤モジュール30に流体接続されている。排気モジュール80は、圧縮機82およびオフ・ガス・バーナー84を含む。上述のように、オフ・ガス・バーナーは、触媒ヒーターであって良い。排気モジュールは、アノード排気フロー内の水素ガスを受け取り、水素を燃焼させて熱を生成する。この熱は、システムから排出され、タービンで生成された電力のように追加のアプリケーションに使用され、リサイクルされ、冷却剤の解凍に使用される。
【0033】
排気モジュール80は、当該システムに流体接続することができ、空気ソース12から直接的に空気を受け取って良い。酸化剤フロー25'および/または排気27'は、ファンまたは圧縮機82を介して流体接続を通過し、それによって加圧される。圧縮機からの供給物は、オフ・ガス・バーナー84に供給される。オフ・ガス・バーナーは、排気フロー中の水素ppmを減少させるとともに、水素モジュール85と熱連結するとき、そうでなければオフガス燃焼から失われる熱が、水素モジュール85に充填された酸化剤吸収媒体86を再生成するために、捕捉され、供給される。酸素吸収物または酸素補足物は、それによって捕捉された酸素を放出するために定期的に再生されなければならない。当該モジュールは、媒体を再生成するための熱を提供するアノードオフガスバーナーヒーター(AOBH)として構成されている。再生成は、排気モジュール80内の流体フローに水素を加えることによって達成される。酸素吸収媒体86を十分に加熱することによって、酸素および水素は水を形成し、媒体を再生成する。水は、ガスフロー中の水蒸気として酸素吸収媒体86から運び出される。
【0034】
酸素吸収媒体86は、燃料電池の動作中に定期的に再生成される。起動時に、アノードはアノードに移動した酸素を含み、そのような酸素が存在する燃料電池を操作(起動)すると、カソード電位を上げてカソードサポートを腐食させ、それによって、これを酸化し、この結果、サポートを劣化させ、膜の表面積を減少させる。
【0035】
全般的には、オフ・ガス・バーナーは吸収材料で囲まれ、水素モジュールは、それに流体的に接続されたアノード排気フローの部分から酸素を除去し、燃料電池スタックの始動のために燃料に低酸素を供給するように機能する。
【0036】
代替的な実装形態において、排気モジュール80は当該システム内に存在しない。所定の実装形態において、1つまたは複数の排気フローを希釈ボックスで希釈されて、水素の濃度を下げることができる。いくつかの実装形態において、排気フローを希釈して、水素の濃度を、大気に放出される排気に対して安全である閾値レベル未満に低減することができる。閾値レベルは、排気フロー中の水素のppmを制限する排出基準によって決定できる。他の実装形態において、ここに他の場所で説明されるように、排気フローが膨張タービンに供給される前に希釈を提供することができる。
【0037】
図2に示される冷却剤貯蔵タンク32は、冷却剤サプライ40を保持する。冷却剤貯蔵タンクは、外層33を含んで良い。外層は、冷却剤貯蔵タンクを実質的に取り囲んで良い。外層は、輪郭を描かれ、冷却剤貯蔵タンク32に接着されて良い。外層は、冷却剤貯蔵タンクおよびその中の冷却剤の温度を保護するために断熱性であって良い。断熱材は、冷却剤サプライからの熱損失を最小限に抑えて良い。外層は、剛性または可撓性であって良い。外層は、ここで検討されるように、種々の適切な材料から構成されて良い。
【0038】
外層は、外層の内側境界と冷却剤貯蔵タンクの外側境界との間に隙間空間「IS」を規定して良い。金属発泡体、ハニカム、ワックスを含み得る断熱材および熱伝達材料のうちの少なくとも1つが、隙間空間に存在して良い。冷却剤貯蔵タンク内に、1つまたは複数の触媒ヒーター52、蒸気を排出するためのファン36、および/または温度を測定するための温度センサー37がある。追加の触媒ヒーター55は、冷却剤貯蔵タンクの外側に配置して良いけれども、これは冷却剤貯蔵タンクと熱的に連通されている。
【0039】
燃料電池システム10は、冷却剤サプライ40を貯蔵するための少なくとも1つの冷却剤貯蔵タンク32を含む。本開示のいくつかの側面において、冷却剤は水である。冷却剤貯蔵タンクは、種々の適切な材料から構成されて良く、当該材料は、これに限定されないけれども、アルミニウムなどの軽量金属または高温プラスチック材料を含む。
図2は、冷却剤貯蔵モジュールの付加的な側面を示す。冷却剤貯蔵タンクは断熱されて良い(33)。例えば、真空断熱パネルを使用してタンクを断熱して良い。貯蔵タンクは、また、必要に応じて適切なベントを含んで良い。
【0040】
冷却水貯蔵タンクは、燃料電池アセンブリに流体接続されている。冷却剤貯蔵タンクは、入口34および出口35を有する。貯蔵タンクへの入口は、燃料電池アセンブリ20から冷却剤を受け取り、これは、電気化学反応の副産物として水を生成する。貯蔵タンクの出口は、冷却剤を燃料電池アセンブリに放出して、燃料電池スタック21を冷却する。冷却剤貯蔵タンクは、触媒ヒーターに熱的に接続され、もって、当該触媒ヒーターによって生成された熱の少なくとも一部が冷却剤貯蔵タンク内の冷却剤に供給される。
【0041】
いくつかの例示的な実装において、ここに開示されるシステムおよび方法において熱モジュールを用いて、気体/液体の流れから水を回収することができる。
図3に示される例示的な熱モジュールは、カソード排気から水を回収するように構成される。それは、燃料電池アセンブリ20および冷却剤モジュール30に流体的に接続することができる。
【0042】
[例:ブーストされた電気エネルギ回収のシステムと方法]
いくつかの側面において、本開示は、燃料電池システムの動作中のブーストされた電気エネルギ回収の方法を提供する。カソード空冷式凝縮ラジエーターを通る空気の流れを使用して、正味の水収支の凝縮液回収率を制御できる。凝縮ラジエーターからの高温側のカソード排気は、水分離器に通すことができる。次に、カソード排気をタービンに直接供給するか、代替的には、インタークーラーを介して供給することができ、そこでは、カソード排気は、加圧条件下で動作するときにコンプレッサのオフ・ガスから過剰な熱を回収する。次に、カソードの排気フローをタービンステージに渡って拡大して、電気エネルギの回収を実現できる。
【0043】
いくつかの実装において、ラジエーターファンの設定点を下げて、空気フローを介して排除される熱を減らすことができ、その結果、空冷式凝縮ラジエーターからの出口温度が高くなる。所定の実装において、より高温の排気ガスは、水分離段階の後にタービンに直接送られ、タービン入口温度を上昇させることができる。代替的には、ラジエーターからの高温側の出口ガスを空気インタークーラーに送ることができ、そこで熱量、したがって温度は、高温側から伝達された熱の結果として加熱によって上昇し、そこで高温のコンプレッサ出口空気が、燃料セルスタックと互換性のある温度に冷却される。インタークーラーを使用すると、相対湿度が100%になる状況を回避できる。この状況では、流れが拡大するときにタービンブレードに結露が発生し、ブレードの先端が侵食される可能性がある。インタークーラーを使用した動作では、タービンステージに送られるときにガスの相対湿度が低下するため、膨張時の結露やチップの侵食の可能性が低くなる。インタークーラーは、また、タービン入口温度を上昇させ、タービンステージからの電気エネルギ回収を向上させることができる。
【0044】
いくつかの側面において、これらの方法は、凝縮回収率の低下が短い動作期間に維持できる場合に、利用することができる。これにより、長期間の運用で正味の水収支が損なわれることを回避できる。これらの方法は、燃料電池システムからのピーク正味電力の短期的なブーストを提供できるため、有益である。部分的および低負荷でさらなる利点が提供され、エアファンの最小設定値が高く、余剰の凝縮水が回収されるときに、電気効率のわずかな向上が得られる。
【0045】
図4および5は、本開示の燃料電池システムおよび方法の所定の実装のいくつかのさらなる側面を示している。
図4は、
図1に示されるシステムの変形であるタービンベースの排気エネルギ回収システムのいくつかの側面を示す。いくつかの実装において、1つまたは複数のカソード排気27(ストリーム151aによって連結される)からの排気フローの少なくとも一部、ガス出口76(ストリーム151cによって連結される)で分離器を出るカソード排気フロー、アノードガスパージフロー(
図4および5には示されていない)、および凝縮器71を出るフロー(ストリーム151bによって連結されている)は、膨張排気フロー150を通って膨張タービン200に向けることができる。いくつかの実装において、
図4に示されるように、ストリーム151a、151b、および151cの1つまたは複数が組み合わされて膨張排気フロー150に供給されて良い。3つのストリーム151a、151b、および151cはすべて、
図4に示されているけれども、一部の実装においては、ストリームの1つまたは2つのみが存在して良い。いくつかの実装において、ストリーム151aのみが燃料電池システムに存在する。他の実装において、ストリーム151bのみが燃料電池システムに存在する。さらなる実装形態において、ストリーム151cのみが燃料電池システムに存在する。他の実装において、ストリーム151a、151b、および151cのうちの2つが燃料電池システムに存在する。さらなる実装において、3つのストリーム151a、151b、および151cすべてが燃料電池システムに存在する。さらに別の実装において、アノードガスパージストリームが、燃料電池システム内のストリーム151a、151b、および151cのうちの1つまたは複数と組み合わせることができる。
【0046】
いくつかの実施において、膨張タービン200は、排気モジュール80の圧縮機82に結合または包含されて、排気モジュール80の動作中に圧縮機82を運転するのに必要なエネルギの一部またはすべてを提供することができる。他の実装において、燃料電池システムは、排気モジュール80を省略して良く、また、いくつかの例においては、膨張排気ストリーム150を膨張タービン200に流す前に、膨張排気ストリーム150内の水素ガスの濃度を低減するための希釈ボックスを含んで良い。所定の実装において、膨張タービン200は、燃料電池アセンブリ20に入る1つまたは複数の流体のフローの圧縮を提供する圧縮機300に結合または含むことができる。膨張タービン200は、また、膨張排気ストリーム150から電気エネルギを回収するために使用できる当技術分野で知られている発電機構成要素を含むことができる。発電機の出力は、バランス・オブ・プラントの部品に電力供給したり、または、燃料電池システムの全体的なエネルギ出力に貢献したりするために使用できる。さらなる実装において、インタークーラー250が、膨張タービン200の前の位置で膨張排気ストリーム150の流路に配置することができる。いくつかの実装において、圧縮機300から来る1つまたは複数の流体フロー155は、インタークーラー250によって冷却することができる。これは、
図5に概略的に示されるように、インタークーラー構成要素による、圧縮流体フロー155から膨張排気ストリーム150への熱伝達を介して、膨張排気ストリーム150を加熱するように構成することができる。次に、冷却された流体フロー156は、燃料電池スタック動作のための適切な問題のない温度で燃料電池アセンブリ20に送られ、他方、さらに加熱された膨張排気ストリーム152は、膨張タービン200に送られる。コンプレッサ300につながる、入力流体フロー154が
図5に示される。流体フロー154は、カソード入口25に流れる空気などの酸化剤のフローであって良い。
【0047】
所定の実装において、動作モード中に、熱モジュール70内のファン73の1つまたは複数の設定点を予め定められた閾値レベル未満に下げて、空気フローを介して排除される熱を減らし、その結果、凝縮器からの出口温度を高くすることができる。これは、より高い温度膨張排気ストリーム150を提供するために使用することができる。この動作モードは、ここでは、温度ブーストモードとも呼ばれ、凝縮回復率を低下させ、冷却剤貯蔵モジュール30に流入する冷却剤を少なくすることができる。温度ブーストモードは、短期間のエネルギ出力の増加を提供するために、短時間の動作で維持することができる。限られた動作時間は、より長い動作期間にわたって正味の水収支が損なわれるのを避けることができる。所定の実装において、温度ブーストモードは、冷却剤貯蔵モジュール30内の冷却剤の量が第1の閾値量よりも少ないときに、第1の予め定められた動作制限時間以下の予め定められた期間動作することができる。冷却剤貯蔵モジュール30内の冷却剤の量は、レベルセンサで測定することができ、または、燃料電池システムの動作に関するデータから推定することができる。いくつかの実装において、温度ブーストモードは、冷却剤貯蔵モジュール30内の冷却剤の量が第2の閾値量を下回るときに発生するのを禁止することができる。所定の実装において、温度ブーストモードは、冷却剤貯蔵モジュール30内の冷却剤の量が第2の閾値量よりも多いときに、第2の予め定められた動作制限時間の間だけ動作することができる。いくつかの実装において、第2の予め定められた動作制限時間は、第1の予め定められた動作制限時間より長くて良い。所定の実装において、冷却剤貯蔵モジュール30内の冷却剤の量が第2の閾値量よりも多いときに、冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第3の閾値量を下回るまで、温度ブーストモードを連続的に動作させることができる。第3の閾値量は、第2の閾値量を上回り、等しく、または下回って良い。
【0048】
いくつかの側面において、本開示は、燃料電池システムを動作させる方法に関する。この方法は、所定の状況において、燃料電池システムを温度ブーストモードで動作させることを含むことができる。温度ブーストモードは、燃料電池システムの下流ユーザー、電力増加の必要性を判断する自動制御システム、またはユーザーおよび自動制御システムの双方の組み合わせからの電力出力増加の要求に応じて使用できる。温度ブーストモードは、分離器と流体接続しているカソード排気ストリーム内で凝縮される液体の量を減らす、より低い設定点で、凝縮器に関連するファンを作動させることを含んで良い。
【0049】
当業者は、本明細書に開示されるデバイスおよびシステムの構成要素の製造において、さまざまな材料を使用できることを理解するであろう。任意の適切な構造および/または材料を本明細書に記載の様々な特徴に使用することができ、当業者は、本明細書に開示されたシステムの使用目的、使用が意図される分野、および、それらが使用されることを意図されている機器および/または付属品を含む様々な考慮事項、その他の考慮事項に基づいて、適切な構造および材料を選択することができるだろう。従来のポリマー、金属ポリマー複合材料、セラミック、および金属材料は、さまざまなコンポーネントでの使用に適している。本明細書で説明される特徴および要素での使用に適していると判断される、以下で発見および/または開発された材料も許容可能とみなされる。
【0050】
分子量などの物理的性質、または化学式などの化学的性質について範囲が本明細書で使用される場合、その中の特定の例の範囲のすべての組み合わせおよびサブコンビネーションが含まれることに留意されたい。
【0051】
本文書で引用または説明されている各特許、特許出願、および出版物の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
当業者は、本開示の例示に対して多数の変更および修正を行うことができ、本開示の精神から逸脱することなくそのような変更および修正を行うことができることを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神および範囲内にあるこのような均等な変形形態をすべて網羅するものであることに留意されたい。
以下、ここで説明した技術的特徴について列挙する。
[技術的特徴1]
燃料電池システムにおいて、
アノード入口、カソード入口、アノード排気、およびカソード排気を具備する燃料電池アセンブリと、
冷却剤を上記燃料電池アセンブリに供給するように構成された冷却剤貯蔵モジュールと、
上記燃料電池アセンブリおよび上記冷却剤貯蔵モジュールに流体的に接続され、コンデンサおよびセパレータを有する熱モジュールと、
膨張排気ストリームを受け取る膨張タービンと、
上記熱モジュールのコンデンサに結合された1または複数のファンと、
上記燃料電池システムを温度ブーストモードにおいて動作させるように構成されたコントローラとを有し、
上記コントローラは、上記温度ブーストモードにおいて、上記1または複数のファンを制御し、当該1または複数のファンの設定ポイントを、予め定められた閾値レベル未満に減少させて上記コンデンサからの流体フローの退出温度を増加させるように構成され、
上記コントローラは、さらに、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第1の閾値量より少ないときに、第1の予め定められた動作時間限界と等しい、またはこれより短い予め定められた時間間隔の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードにおいて動作させるように構成され、
上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出る上記カソード排気、上記燃料電池アセンブリから出る上記アノード排気、アノード・ガス・パージ・ストリーム、上記熱モジュールのセパレータから出る当該アノード排気ストリーム、および、上記熱モジュールのコンデンサから出る当該流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有することを特徴とする燃料電池システム。
[技術的特徴2]
上記膨張排気ストリームの当該流路において、上記膨張タービンに先行して配置されたインタークーラーをさらに有し、上記インタークーラーは上記膨張排気ストリームの当該温度を増加させるように構成される技術的特徴1記載の燃料電池システム。
[技術的特徴3]
上記インタークーラーは圧縮されたフローストリームに流体的に接続され、上記圧縮されたフローストリームから熱を上記膨張排気ストリームへと移動させるように構成される技術的特徴2記載の燃料電池システム。
[技術的特徴4]
上記圧縮されたフローストリームは、上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口に流体的に接続された流体フローを有する技術的特徴3記載の燃料電池システム。
[技術的特徴5]
上記膨張タービンは、さらに、コンプレッサを有するか、またはコンプレッサに接続される技術的特徴1~4のいずれかに記載の燃料電池システム。
[技術的特徴6]
上記膨張タービンは、さらに、コンプレッサを有するか、またはコンプレッサに接続され、かつ、
上記コンプレッサは、上記インタークーラーに流体的に接続された当該圧縮されたフローストリームを供給するように構成された技術的特徴4記載の燃料電池システム。
[技術的特徴7]
上記膨張タービンは、さらに、上記燃料電池システム中のバランス・オブ・プラント部品の1または複数に電力を供給するように、または外部負荷に供給される当該電力を補充するように構成された発電機を有する技術的特徴5記載の燃料電池システム。
[技術的特徴8]
上記コントローラは、さらに、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量を下回るときに、上記燃料電池システムを、上記温度ブーストモードで動作させることを禁止するように構成される技術的特徴1記載の燃料電池システム。
[技術的特徴9]
上記コントローラは、さらに、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、第2の予め定められた動作時間限界の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードで動作させるように構成される技術的特徴1に記載の燃料電池システム。
[技術的特徴10]
上記第2の予め定められた動作時間限界は上記第1の予め定められた動作時間限界より長い技術的特徴8に記載の燃料電池システム。
[技術的特徴11]
燃料電池システムにおいて、
アノード入口、カソード入口、アノード排気、およびカソード排気を具備する燃料電池アセンブリと、
冷却剤を上記燃料電池アセンブリに供給するように構成された冷却剤貯蔵モジュールと、
上記燃料電池アセンブリおよび上記冷却剤貯蔵モジュールに流体的に接続され、コンデンサおよびセパレータを有する熱モジュールと、
膨張排気ストリームを受け取る膨張タービンと、
上記熱モジュールのコンデンサに結合された1または複数のファンと、
上記燃料電池システムを温度ブーストモードにおいて動作させるように構成されたコントローラとを有し、
上記コントローラは、上記温度ブーストモードにおいて、上記1または複数のファンを制御し、当該1または複数のファンの設定ポイントを、予め定められた閾値レベル未満に減少させて上記コンデンサからの流体フローの退出温度を増加させるように構成され、
上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出る上記カソード排気、上記燃料電池アセンブリから出る上記アノード排気、アノード・ガス・パージ・ストリーム、上記熱モジュールのセパレータから出る当該アノード排気ストリーム、および、上記熱モジュールのコンデンサから出る当該流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有し、
上記コントローラは、さらに、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第3の閾値量を下回って下降するまで、上記燃料電池システムを連続して上記温度ブーストモードで動作させるように構成されることを特徴とする燃料電池システム。
[技術的特徴12]
上記第3の閾値量は上記第2の敷地量を上回り、上記第2の閾値量と等しく、または、上記第2の閾値量を下回る技術的特徴11記載の燃料電池システム。
[技術的特徴13]
上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量は、レベルセンサで測定され、または上記燃料電池システムの動作に関するデータから推定される技術的特徴1に記載の燃料電池システム。
[技術的特徴14]
上記燃料電池システムは、さらに、流体ストリーム中の水素の濃度を減少させるように構成された排気モジュールを有する技術的特徴1に記載の燃料電池システム。
[技術的特徴15]
上記コンプレッサは、上記排気モジュール中に、上記排気モジュール中のオフ・ガス・バーナーに入るフローを圧縮するように構成された排気モジュールコンプレッサを有する技術的特徴14記載の燃料電池システム。
[技術的特徴16]
上記膨張排気ストリームは、上記アノード・ガス・パージ・ストリームの少なくとも一部を有し、上記膨張排気ストリームが上記膨張タービンに到達する前に、上記アノード・ガス・パージ・ストリームの上記少なくとも一部が燃焼されて上記膨張排気ストリームの当該温度を上昇させる技術的特徴1に記載の燃料電池システム。
[技術的特徴17]
上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出る上記カソード排気、上記燃料電池アセンブリから出るアノード排気、アノードガスパージストリーム、上記熱モジュールから出る当該アノード排気ストリーム、および、上記熱モジュールコンデンサから出る当該流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有する技術的特徴1に記載の燃料電池システム。
[技術的特徴18]
上記燃料電池システムの1または複数の流体ストリーム中の水素濃度を閾値濃度レベル未満に減少させるように構成された希釈ボックスをさらに有する技術的特徴1に記載の燃料電池システム。
[技術的特徴19]
燃料電池システムを動作させる方法において、
上記燃料電池システムは、
アノード入口、カソード入口、アノード排気、およびカソード排気を具備する燃料電池アセンブリと、
冷却剤を上記燃料電池アセンブリに供給するように構成された冷却剤貯蔵モジュールと、
上記燃料電池アセンブリおよび上記冷却剤貯蔵モジュールに流体的に接続され、コンデンサおよびセパレータを有する熱モジュールと、
膨張排気ストリームを受け取る膨張タービンとを有し、
上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出る上記カソード排気、上記燃料電池アセンブリから出るアノード排気、アノード・ガス・パージ・ストリーム、上記熱モジュールのセパレータから出る当該カソード排気ストリーム、および、上記熱モジュールのコンデンサから出る当該流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有し、
上記方法は、
上記冷却剤貯蔵モジュールから上記燃料電池アセンブリへ冷却剤を供給するステップと、
上記燃料電池アセンブリの上記アノード入口にアノードガスフローを供給するステップと、
上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口にカソードガスフローを供給するステップと、
上記熱モジュールのコンデンサおよび上記熱モジュールのセパレータを動作させて上記冷却剤貯蔵モジュールへ冷却剤を供給するステップと、
上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンへ方向づけ、上記膨張タービンを動作させて電源出力を生成するステップとを有することを特徴とする方法。
[技術的特徴20]
上記燃料電池システムは、さらに、流体ストリーム中の水素の濃度を減少させるように構成された排気モジュールを有し、
上記方法は、さらに、
流体ストリームを上記排気モジュールに方向づけ、上記排気モジュールを動作させて上記流体ストリーム中の当該水素濃度を減少させるステップを有する技術的特徴19に記載の方法。
[技術的特徴21]
上記燃料電池システムは、上記膨張排気ストリームの当該流路において、上記膨張タービンに先行して配置されたインタークーラーをさらに有し、上記インタークーラーは上記膨張排気ストリームの当該温度を増加させるように構成され、
上記方法は、さらに、
上記インタークーラーを動作させて上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンに方向づけるのに先立って上記膨張排気ストリームの温度を増加させるステップを有する技術的特徴20に記載の方法。
[技術的特徴22]
上記方法は、さらに、上記インタークーラーを、圧縮されたフローストリームに流体的に接続させ、上記圧縮されたフローストリームから熱を上記膨張排気ストリームへと移動させるステップを有する技術的特徴21に記載の方法。
[技術的特徴23]
上記方法は、さらに、熱が移動させられた後に、上記圧縮されたフローストリームを上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口へ方向づけるステップを有する技術的特徴22に記載の方法。
[技術的特徴24]
上記膨張タービンは、さらに、コンプレッサを有するか、またはコンプレッサに接続される技術的特徴22に記載の方法。
[技術的特徴25]
上記コンプレッサは上記膨張タービンに含まれ、または上記膨張タービンに結合され、上記コンプレッサは、上記インタークーラーに流体的に接続された当該圧縮されたフローストリームを供給する技術的特徴24に記載の方法。
[技術的特徴26]
上記燃料電池システム中のバランス・オブ・プラント部品の1または複数に電力を供給するように、または外部負荷に供給される当該電力を補充するために、発電機をさらに上記膨張タービン中に接続する技術的特徴24に記載の方法。
[技術的特徴27]
上記燃料電池システムは、上記熱モジュールのコンデンサに結合された複数のファンをさらに有する技術的特徴22に記載の方法。
[技術的特徴28]
上記方法は、上記燃料電池システムを温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有し、上記温度ブーストモードは、上記1または複数のファンを制御し、当該1または複数のファンの設定ポイントを、予め定められた閾値レベル未満に減少させて上記コンデンサからの流体フローの退出温度を増加させるステップを有する技術的特徴27に記載の方法。
[技術的特徴29]
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第1の閾値量より少ないときに、第1の予め定められた動作時間限界と等しい、またはこれより少ない予め定められた時間間隔の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有する技術的特徴28に記載の方法。
[技術的特徴30]
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量を下回るときに、上記燃料電池システムを、上記温度ブーストモードで動作させることを禁止するステップをさらに有する技術的特徴29に記載の方法。
[技術的特徴31]
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール内の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、第2の予め定められた動作時間限界の間、上記燃料電池システムを上記温度ブーストモードで動作させる技術的特徴29に記載の方法。
[技術的特徴32]
上記第2の予め定められた動作時間限界は上記第1の予め定められた動作時間限界より長い技術的特徴31に記載の方法。
[技術的特徴33]
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第2の閾値量より多いときに、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量が第3の閾値量を下回って下降するまで、上記燃料電池システムを連続して上記温度ブーストモードで動作させるステップをさらに有する技術的特徴31に記載の方法。
[技術的特徴34]
上記第3の閾値量は上記第2の敷地量を上回り、上記第2の閾値量と等しく、または、上記第2の閾値量を下回る技術的特徴32に記載の方法。
[技術的特徴35]
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量を、レベルセンサの測定により決定するステップをさらに有する技術的特徴32に記載の方法。
[技術的特徴36]
上記方法は、上記冷却剤貯蔵モジュール中の冷却剤の量を、上記燃料電池システムの動作に関するデータから当該量を計算することにより決定するステップをさらに有する技術的特徴32に記載の方法。
[技術的特徴37]
上記コンプレッサは、上記排気モジュール中に、上記排気モジュール中のオフ・ガス・バーナーに入るフローを圧縮するように構成された排気モジュールコンプレッサを有する技術的特徴24に記載の方法。
[技術的特徴38]
燃料電池システムを動作させる方法において、
上記燃料電池システムは、
アノード入口、カソード入口、アノード排気、およびカソード排気を具備する燃料電池アセンブリと、
冷却剤を上記燃料電池アセンブリに供給するように構成された冷却剤貯蔵モジュールと、
上記燃料電池アセンブリおよび上記冷却剤貯蔵モジュールに流体的に接続され、コンデンサおよびセパレータを有する熱モジュールと、
膨張排気ストリームを受け取る膨張タービンとを有し、
上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出る上記カソード排気、上記燃料電池アセンブリから出るアノード排気、アノード・ガス・パージ・ストリーム、上記熱モジュールのセパレータから出る当該カソード排気ストリーム、および、上記熱モジュールのコンデンサから出る当該流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有し、
上記方法は、
上記冷却剤貯蔵モジュールから上記燃料電池アセンブリへ冷却剤を供給するステップと、
上記燃料電池アセンブリの上記アノード入口にアノードガスフローを供給するステップと、
上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口にカソードガスフローを供給するステップと、
上記熱モジュールのコンデンサおよび上記熱モジュールのセパレータを動作させて上記冷却剤貯蔵モジュールへ冷却剤を供給するステップと、
上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンへ方向づけ、上記膨張タービンを動作させて電源出力を生成するステップとを有し、
上記膨張排気ストリームは、上記アノード・ガス・パージ・ストリームの少なくとも一部を有し、
上記方法は、上記膨張排気ストリームが上記膨張タービンに到達する前に、上記アノードガスパージストリームの上記少なくとも一部が燃焼されて上記膨張排気ストリームの当該温度を上昇させるステップをさらに有することを特徴とする方法。
[技術的特徴39]
燃料電池システムを動作させる方法において、
上記燃料電池システムは、
アノード入口、カソード入口、アノード排気、およびカソード排気を具備する燃料電池アセンブリと、
冷却剤を上記燃料電池アセンブリに供給するように構成された冷却剤貯蔵モジュールと、
上記燃料電池アセンブリおよび上記冷却剤貯蔵モジュールに流体的に接続され、コンデンサおよびセパレータを有する熱モジュールと、
膨張排気ストリームを受け取る膨張タービンとを有し、
上記膨張排気ストリームは、上記燃料電池アセンブリから出る上記カソード排気、上記燃料電池アセンブリから出るアノード排気、アノード・ガス・パージ・ストリーム、上記熱モジュールのセパレータから出る当該カソード排気ストリーム、および、上記熱モジュールのコンデンサから出る当該流体フローの1または複数の少なくとも一部の組み合わせを有し、
上記方法は、
上記冷却剤貯蔵モジュールから上記燃料電池アセンブリへ冷却剤を供給するステップと、
上記燃料電池アセンブリの上記アノード入口にアノードガスフローを供給するステップと、
上記燃料電池アセンブリの上記カソード入口にカソードガスフローを供給するステップと、
上記熱モジュールのコンデンサおよび上記熱モジュールのセパレータを動作させて上記冷却剤貯蔵モジュールへ冷却剤を供給するステップと、
上記膨張排気ストリームを上記膨張タービンへ方向づけ、上記膨張タービンを動作させて電源出力を生成するステップとを有し、
環境中への放出に先立って流体ストリーム中の水素ガスの濃度を減少させる希釈ボックスをさらに有することを特徴とする方法。
[符号の説明]
10 燃料電池システム
12 空気源
20 燃料電池アセンブリ
21 燃料電池スタック
24 アノード入口
25 カソード入口
25' 酸化剤フロー
26 アノード排気
27 カソード排気
27' 排気
28 冷却剤分離器
30 冷却剤貯蔵モジュール
32 冷却剤貯蔵タンク
33 外層
34 入口
35 出口
36 ファン
37 温度センサー
40 冷却剤サプライ
40' 冷却剤(水)
52 触媒ヒーター
55 触媒加熱要素
57 ハウジング
70 熱モジュール
71 凝縮器
72 分離器
73 ファン
74 一次水出口
74' 水面下出口
76 ガス出口
80 排気モジュール
82 圧縮機
84 オフ・ガス・バーナー
85 水素モジュール
86 酸化剤吸収媒体
86 酸素吸収媒体
100 冷却剤注入/フローコントローラ
105 燃料電池システムコントローラ
200 膨張タービン
250 インタークーラー
300 圧縮機