(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】反共振中空コアファイバ、そのためのプリフォームおよび製作方法
(51)【国際特許分類】
C03B 37/012 20060101AFI20240507BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20240507BHJP
G02B 6/032 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
C03B37/012 B
G02B6/02 356A
G02B6/032 Z
(21)【出願番号】P 2021563098
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(86)【国際出願番号】 GB2020050998
(87)【国際公開番号】W WO2020217052
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-02-03
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500125788
【氏名又は名称】ユニバーシティ、オブ、サウサンプトン
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF SOUTHAMPTON
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ・ポレッティ
【審査官】玉井 一輝
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-520804(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0179796(US,A1)
【文献】特開2002-321935(JP,A)
【文献】特表2018-533042(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0008210(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0185908(US,A1)
【文献】特表2016-526693(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0232560(US,A1)
【文献】A. F. Kosolapov et al.,Hollow-core revolver fibre with a double-capillary reflective cladding,Quantum Electronics,2016年,46 (3),267-270
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 37/012
C03B 37/02
G02B 6/02
G02B 6/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反共振中空コア光ファイバの製作において部品として使用するための成形チューブであって、同数の小さな実質的に直線部分と交互になっている或る数の大きな湾曲部分を備える横断面形状の側壁を有し、各湾曲部分が、内方に湾曲する形状を有し、かつ各直線部分が前記成形チューブの中心長手軸から等距離にある、成形チューブ。
【請求項2】
前記内方に湾曲する形状が、前記中心長手軸から前記湾曲部分の両側上の2つの直線部分間の中間点への半径に対して対称である、請求項1に記載の成形チューブ。
【請求項3】
前記内方に湾曲する形状が半円、半楕円、円の弧、または楕円の弧である、請求項2に記載の成形チューブ。
【請求項4】
各湾曲部分が、同じ内方に湾曲する形状を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の成形チューブ。
【請求項5】
各湾曲部分が前記中心長手軸から同じ隔たりを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の成形チューブ。
【請求項6】
前記湾曲部分の数が2つの湾曲部分から12個の湾曲部分の範囲にある、請求項1から5のいずれか一項に記載の成形チューブ。
【請求項7】
前記成形チューブがガラス材料またはポリマー材料から形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の成形チューブ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の成形チューブを、ガラス材料またはポリマー材料の外被チューブの内側に、前記成形チューブの直線部分が前記外被チューブの内面と接触またはほぼ接触しているように固定して備える、反共振中空コア光ファイバのためのプリフォーム。
【請求項9】
前記成形チューブとの入れ子式配置で少なくとも1つの追加の成形チューブを更に備え、前記成形チューブの各々が、その他の1つまたは複数の成形チューブの湾曲部分とは異なる内方に湾曲する形状および/または異なる長さの湾曲部分を有し、かつ前記成形チューブの各々が同数の湾曲部分を有する、請求項8に記載のプリフォーム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のプリフォームから延伸される、反共振中空コア光ファイバのためのケーン。
【請求項11】
請求項8もしくは請求項9に記載のプリフォームから、または請求項10に記載のケーンから延伸される反共振中空コア光ファイバ。
【請求項12】
反共振中空コア光ファイバのためのプリフォームを製作する方法であって、
請求項1から7のいずれか一項に記載の成形チューブを準備するステップと、
前記成形チューブをガラス材料またはポリマー材料の外被チューブへ、前記成形チューブの前記直線部分と前記外被チューブの内面との間に接触またはほぼ接触があるように挿入するステップと、
前記外被チューブの内側に前記成形チューブを固定するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
少なくとも1つの追加の成形チューブを準備するステップであって、前記成形チューブの各々が、その他の1つまたは複数の成形チューブの前記湾曲部分とは異なる内方に湾曲する形状の湾曲部分を有し、かつ同数の湾曲部分を有する、ステップと、
成形チューブ同士を挿入して前記外被チューブの内側に成形チューブの入れ子群を得るステップと、
を更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項12または請求項13の方法に従ってプリフォームを製作するステップ、および前記プリフォームをケーンへ延伸するステップを含む、反共振中空コア光ファイバのためのケーンを製作する方法。
【請求項15】
請求項12もしくは請求項13の方法に従ってプリフォームを製作するステップまたは請求項14の方法に従ってケーンを製作するステップ、および前記プリフォームまたは前記ケーンを光ファイバへ延伸するステップを含む、反共振中空コア光ファイバを製作する方法。
【請求項16】
1つまたは複数の成形チューブを準備するステップが、外形が前記成形チューブの所望の断面形状に対応するフォーマの上で円筒状のガラスチューブを加熱することおよび再形成することにより、前記成形チューブまたは各成形チューブを製作することを含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
1つまたは複数の成形チューブを準備するステップが、外形がチューブの所望の断面形状に対応する回転マンドレル上にガラス煤を堆積させてガラス煤の成形チューブを形成すること、および前記ガラス煤の成形チューブを焼結して固化したガラス材料の成形チューブを形成することにより、前記成形チューブまたは各成形チューブを製作することを含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
1つまたは複数の成形チューブを準備するステップが、前記成形チューブの所望の断面形状に対応するように成形された金型を通して溶融ガラスを押し出すことにより、前記成形チューブまたは各成形チューブを製作することを含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
1つまたは複数の成形チューブを準備するステップが、三次元プリンティングを使用して前記成形チューブまたは各成形チューブを製作することを含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ガラス材料またはポリマー材料の円筒状の細長い外被と、
前記外被の内面の周りに離間されかつ細長いクラッディングボイドを画定するガラス材料またはポリマー材料の複数のクラッディング要素を備えるクラッディング構造であって、各クラッディング要素が、第1の湾曲形状に沿って前記内面から前記外被の中心長手軸に向かい前記内面に戻るように延びる第1の内方湾曲壁、ならびに前記第1の湾曲形状とは異なる形状および/または異なる長さを有する第2の湾曲形状に沿って前記内面から前記中心長手軸に向かい前記内面に戻るように延びる第2の内方湾曲壁を備える、クラッディング構造と、
前記中心長手軸に沿った、かつ前記クラッディング要素の前記第1の内方湾曲壁の負曲率によって境界される、細長い中空コア領域と、
を備え
、
前記第1の湾曲形状及び前記第2の湾曲形状は、非円形状である
、
反共振ノードレス中空コア光ファイバ、また
は反共振ノードレス中空コア光ファイバへ延伸するためのプリフォームもしくはケーン。
【請求項21】
各クラッディング要素が、前記第1の湾曲形状および前記第2の湾曲形状と形状および/または長さが異なる湾曲形状に沿って前記内面から前記中心長手軸に向かい前記内面に戻るように延びる1つまたは複数の追加の内方湾曲壁を更に備える、請求項20に記載の反共振中空コア光ファイバ、プリフォームまたはケーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反共振中空コア光ファイバ、そのようなファイバのためのプリフォーム、およびプリフォームを製作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバの分類には中空コアファイバが含まれ、これらでは、ファイバのコアを形成する長手中空ボイドを囲むクラッディングを形成する長手ボイドまたはキャピラリの構造化配置の存在によって可能にされる光誘導機構によってコアボイドに沿って光が導かれる。クラッディングのための様々な構成が知られており、種々の誘導効果をもたらす。
【0003】
中空コアファイバの一種が反共振中空コアファイバ(ARF:antiresonant hollow core fibre)である。この種類のファイバは比較的単純なクラッディング構造を有しており、中心コアボイドの周りに輪になって配置され、かつ被覆チューブの内面に固定されて必要とされる幾何配置を維持する、典型的に比較的少数のガラスチューブまたはキャピラリを備えている。この配置はいかなる高度な周期性も提供しないので、誘導は中空コアフォトニックバンドギャップ(結晶)ファイバにおけるようにはフォトニックバンドギャップ効果を介して動作できない。代わりに、クラッディングキャピラリの壁厚と共振しない波長を伝搬するために、言い換えれば、クラッディングキャピラリ壁厚によって定められる反共振ウィンドウ内の波長のために反共振がもたらされる。反共振は、コアによってサポートされる空気誘導光学モードとクラッディングがサポートし得る任意の光学モードとの間の結合を抑制するために作用するので、光はコアに閉じ込められ、そして反共振光誘導効果によって低損失で伝搬できる。
【0004】
最も単純には、ARFはクラッディングキャピラリの単一の環を備えることができるが、帯域幅および損失などの領域の性能を強化するために、この配置の幾つかの変更および変形が提案されている。電気通信、光強度供給および光センシングを含め、従来の中実コア光ファイバで知られている多くの応用が中空コアファイバで実証されている。特に電気通信用途にとって、低光損失(伝搬の単位長さ当たりの、典型的にキロメートル当たりの失われる伝搬光の分数である)が重要である。
【0005】
中空コアファイバに対して現在までに報告されている最低損失は1.3dB/kmであり、これは入れ子式反共振ノードレスファイバ(NANF:nested antiresonant nodeless fibre)構成[1]のARFにおいて達成されている。NANFは、外被内に固定されかつ中心中空コア領域を囲む離間した(非接触)入れ子式キャピラリ(大きなキャピラリの内側に固定される1つまたは複数のより小さなキャピラリ)の環を備える。ARF一般と同様に、主要な光誘導機構は、クラッディングキャピラリのガラス壁または膜の均一の厚さからの反共振、およびクラッディングにおけるモードへの結合抑制の組合せである。NANFは、上述した既に目覚ましい結果よりも著しく良好な損失性能を提供することができると予測され、また、いつか全固体シリカファイバ[2]の根本的な損失限界を克服さえし得る。
【0006】
その場合には、需要を供給するためにNANFの多量生産が必要とされるであろう。現行の製作方法は高価で遅く、それ故に大量生産には不適切である。したがって、NANF製造のための改良方法が重大な関心事である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2016/0124144号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
態様および実施形態が添付の請求項に提示される。
【0009】
本明細書に記載される特定の実施形態の第1の態様によれば、反共振中空コア光ファイバの製作において部品として使用するための成形チューブであって、同数の小さな実質的に直線部分と交互になっている或る数の大きな湾曲部分を備える横断面形状の側壁を有し、各湾曲部分が内方に湾曲する形状を有し、かつ各直線部分が成形チューブの中心長手軸から等距離にある、成形チューブが提供される。
【0010】
本明細書に記載される特定の実施形態の第2の態様によれば、第1の態様に係る成形チューブを、ガラス材料またはポリマー材料の外被チューブの内側に、成形チューブの直線部分が外被チューブの内面と接触またはほぼ接触しているように固定して備える、反共振中空コア光ファイバのためのプリフォームが提供される。
【0011】
本明細書に記載される特定の実施形態の第3の態様によれば、第2の態様に係るプリフォームから延伸される、反共振中空コア光ファイバのためのケーンが提供される。
【0012】
本明細書に記載される特定の実施形態の第4の態様によれば、第2の態様に係るプリフォームから、または第3の態様に係るケーンから延伸される反共振中空コア光ファイバが提供される。
【0013】
本明細書に記載される特定の実施形態の第5の態様によれば、第1の態様に係る成形チューブを準備するステップと、成形チューブをガラス材料またはポリマー材料の外被チューブへ、成形チューブの直線部分と外被チューブの内面との間に接触またはほぼ接触があるように挿入するステップと、外被チューブの内側に成形チューブを固定するステップとを含む、反共振中空コア光ファイバのためのプリフォームを製作する方法が提供される。
【0014】
本明細書に記載される特定の実施形態の第6の態様によれば、第5の態様の方法に従ってプリフォームを製作するステップ、およびプリフォームをケーンへ延伸するステップを含む、反共振中空コア光ファイバのためのケーンを製作する方法が提供される。
【0015】
本明細書に記載される特定の実施形態の第7の態様によれば、第5の態様の方法に従ってプリフォームを製作するステップまたは第6の態様に従ってケーンを製作するステップ、およびプリフォームまたはケーンを光ファイバへ延伸するステップを含む、反共振中空コア光ファイバを製作する方法が提供される。
【0016】
本明細書に記載される特定の実施形態の第8の態様によれば、ガラス材料またはポリマー材料の円筒状の細長い外被と、外被の内面の周りに離間されかつ細長いクラッディングボイドを画定するガラス材料またはポリマー材料の複数のクラッディング要素を備えるクラッディング構造であって、各クラッディング要素が、第1の湾曲形状に沿って内面から外被の中心長手軸に向かい内面に戻るように延びる第1の内方湾曲壁、ならびに第1の湾曲形状と異なる形状および/または異なる長さを有する第2の湾曲形状に沿って内面から中心長手軸に向かい内面に戻るように延びる第2の内方湾曲壁を備える、クラッディング構造と、中心長手軸に沿った、かつクラッディング要素の第1の内方湾曲壁の負曲率によって境界される、細長い中空コア領域とを備える、入れ子式反共振ノードレス中空コア光ファイバ、または入れ子式反共振ノードレス中空コア光ファイバへ延伸するためのプリフォームもしくはケーンが提供される。
【0017】
特定の実施形態のこれらおよび更なる態様が添付の独立および従属請求項に提示される。従属請求項の特徴が、請求項に明示的に提示されるもの以外の組合せで、互いにおよび独立請求項の特徴と組み合わされ得ることが認識されるであろう。更には、本明細書に記載される手法は、以下に提示されるような具体的な実施形態に限定されるのではなく、本明細書に提示される特徴の任意の適切な組合せを含みかつ企図する。例えば、適宜下記する様々な特徴の任意の1つまたは複数を含む、本明細書に記載される手法に従って、方法、デバイスおよび装置が提供され得る。
【0018】
本発明のより良好な理解のために、およびそれがどのように実施され得るかを示すために、ここで例として添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】3つの公知のファイバ設計からのクラッディング特徴を含む、反共振中空コアファイバの概略横断面図を示す図である。
【
図2】3つの公知のファイバ設計からのクラッディング特徴を含む、反共振中空コアファイバの概略横断面図を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る反共振中空コアファイバの横断面図を示す図である。
【
図4(A)】公知の反共振中空コアファイバ設計および実施形態に係る反共振中空コアファイバ設計の横断面部分図の比較を示す図である。
【
図4(B)】
図4(A)のファイバ設計に対する光損失シミュレーションの結果のグラフを示す図である。
【
図5】実施形態に係る光ファイバプリフォームを製作するための第1および第2の成形ガラスチューブの横断面図を示す図である。
【
図6】
図5(A)および
図5(B)の成形ガラスチューブの斜視図を示す図である。
【
図7】一実施形態に係る反共振中空コアファイバを作るためのプリフォームの横断面図を示す図である。
【
図8】一実施形態に係る反共振中空コアファイバを製作する方法の一例のフローチャートを示す図である。
【
図9】更なる一実施形態に係る反共振中空コアファイバを作るためのプリフォームを製作する方法の一例のフローチャートを示す図である。
【
図10】更なる実施形態に係る反共振中空コアファイバを作るためのプリフォームの横断面図を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る成形ガラスチューブを作るための装置の簡略表現を示す図である。
【
図12】別の実施形態に係る成形ガラスチューブを作るための装置の簡略表現を示す図である。
【
図13】異なる実施形態に係るクラッディング要素を画定する2つの成形ガラスチューブの部分の横断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
特定の例および実施形態の態様および特徴が本明細書に述べられる/記載される。特定の例および実施形態の一部の態様および特徴が従来通り実装され得るが、これらは簡潔にするために詳細には述べられない/記載されない。そのため本明細書に述べられるが詳細には記載されないデバイス、方法および装置の態様および特徴が、そのような態様および特徴を実装するための任意の従来技術に従って実装され得ることが認識されるであろう。
【0021】
最も単純には反共振中空コアファイバ(ARF)として記載できる種類の中空コア光ファイバは、チューブ状の外被、および被覆の内側に輪になって配置され、かつ被覆の内面に固定または結合される或る数のクラッディングキャピラリを備える。キャピラリの環内の中心ボイドが、反共振導波路効果によって1つまたは複数の光学モードを導くことができる中空コアを形成する。
【0022】
図1(A)は、第1の以前に提案された反共振中空コアファイバの横断面図を示す。同図は円形断面のファイバを通る横断面図を示す。ファイバ10は、外側のチューブ状の被覆12を有する。複数のチューブ状または中空クラッディングキャピラリまたはセル14、この例では同じ円形断面サイズおよび形状の6つのキャピラリが輪になって被覆12の内側に配置され、その結果各クラッディングキャピラリ14のおよび被覆12の長手軸は実質的に平行である。クラッディングキャピラリは、光ファイバの長さに沿って連続的に走る細長い空孔、内腔またはキャビティを画定する。キャピラリの数により、この構造を6セルARFとして分類できる。クラッディングキャピラリまたはチューブ14は各々位置16で被覆12の内面と接触して(該内面に結合されて)おり、そのためクラッディングキャピラリ14は被覆12の内周の周りに均等に離間され、かつ間隙または間隔dだけ互いからも離間される(近隣キャピラリ間に接触がない)。クラッディング構造は、これらのクラッディングキャピラリだけに限定される。ARFの一部の設計では、クラッディングチューブ14は、隣接するチューブが互いと接触している(言い換えれば、
図1(A)におけるようには離間されない)ように輪の周りに位置決めされ得るが、この接触を解消する間隔がファイバの光学性能を改善できる。同間隔は、触れ合っている隣接するチューブ間の接触点において生じ、そして結果として高損失になる望ましくない共振を引き起こしがちである光ノードを排除する。したがって、
図1(A)におけるようにクラッディングキャピラリが離間したファイバは、「ノードレス」反共振中空コアファイバと称されてよい。
【0023】
被覆12の内側の周りに輪になったクラッディングキャピラリ14の配置は、ファイバ10内に中心空間、キャビティまたはボイドを、同じくその長手軸が被覆12およびキャピラリ14のそれらと平行に作成して、これがファイバの中空コア18であり、同じくファイバの長さに沿って連続的に延びる。コア18は、クラッディングキャピラリ14の外面の内向き部によって境界される。これはコア境界であり、そしてこの境界を構成するキャピラリ壁の材料(ガラスまたはポリマー、例えば)は必要とされる反共振光誘導効果または機構を提供する。コア境界は、一連の隣接する内方湾曲面(すなわち、コアの視点からは凸面)から成る形状を有する。これは、中実コアファイバにおけるコア-クラッディング界面の通常の外方湾曲、およびフォトニックバンドギャップ型の中空コアファイバの実質的に円形コア境界と対照をなす。したがって、反共振中空コアファイバは負曲率ファイバと記載できる。数学的に、これは、半径単位ベクトル(ファイバの横断面の半径に沿ったベクトル)と逆向きであるコア境界の表面法線ベクトルとして定義できる。コア境界の負曲率(凸形状)は、基本コアモードと任意のクラッディングモードとの間の結合も抑制する。負曲率反共振中空コアファイバは、導かれた光学波長と反共振であるように整合される厚さの凸膜または壁(典型的にガラス)によって形成されるコア境界を有する。
【0024】
図1(B)は、第2の以前に提案された反共振中空コアファイバ[2, 3]の横断面図を示す。ファイバは
図1(A)の例の全ての特徴を含むが、クラッディングはより複雑な構造を有する。各クラッディングキャピラリ14は一次キャピラリであり、依然として間隙dだけその近隣から離間されており、二次の、より小さなキャピラリ20がそれの内側に入れ子にされ、一次キャピラリ14と被覆12との間の結合点16と同じ被覆12の周りの方位位置でクラッディングキャピラリ14の内面に結合される。これらの追加のより小さなキャピラリ20は、ファイバにおける光損失を低減させる目的で含まれる。径方向の第2の空気-ガラス境界の提供により、光漏洩を介する損失を低減させる。追加の更により小さな三次キャピラリが二次キャピラリの内側に入れ子にされ、再び方位接触位置16と整列して結合され得る。この種類のARF設計は、二次および任意選択で更により小さなキャピラリにより、「入れ子式反共振ノードレスファイバ」またはNANFと称されてよい。この例の6つの一次キャピラリにより、この構造を6セルNANFとして分類できる。
【0025】
図1(A)および
図1(B)に図示されるクラッディング構造例は、コアの周りに輪になって配置される6つの一次クラッディングキャピラリを備える。ARFは、しかしながらそのように限定されず、代わりに中空コアの周りに境界を形成する5つ以下または7つ以上のキャピラリを備え得る。
【0026】
ARFにおけるクラッディングキャピラリの円形断面は、円筒状のガラスチューブの容易な入手可能性から生じており、これらは多くのサイズおよび種類およびガラスの等級で商業的供給源から得ることができる。結果的に、そのようなチューブが、現在存在する全てのシリカ中空コア光ファイバのための製造技術の基礎を形成する。
【0027】
ARFの場合、製造には、極めて熟練した作業者によって手動で組み立てられるプリフォームの製作(ファイバ生産一般と同様)を必要とする。外被のためのおよびクラッディングキャピラリのための個々のチューブが準備され、そしてクラッディングキャピラリが、場合によりキャピラリの位置を維持しかつチューブの積層を画定する追加のチューブまたはロッドと共に被覆チューブの内側に積層される。アセンブリは次いで溶解されて、被覆の内側面に対して適所にキャピラリを固定し、それによって光ファイバへ引き抜くまたは延伸することができるプリフォームを作成する。様々なチューブを正しく位置付け、そして完成ファイバを生産する生産段階の間それらの相対位置を維持するために、相当な専門知識が必要とされる。したがって、それらの望ましい低損失特性のNANFを含め、ARFの大規模低コスト商業製造は相当な問題点を提起する。
【0028】
ARFの円形ベースの構造が従来通りであるが、それはこれらのファイバの高品質光学性能にとって必須ではない。むしろ、導光特性は上記したコア境界の負曲率から生じており、適切に成形されたコア境界をそれでもなお画定する非円形クラッディング要素から類似した性能を得ることができる。
【0029】
図2は、第3の以前に提案された反共振中空コアファイバ[4]の横断面図を示す。クラッディングの長手ボイドは、前の例におけるように離間した配置で外被12の内側面に固定される複数(この場合8つ)の半楕円形クラッディング要素22によって画定される。この構造は、異なる楕円度および数のクラッディング要素がモデル化された、コア境界の曲率の影響の研究で提案された幾つかのうちの1つである。導光能力および低損失に関する良好な光学性能が見出され、円形クラッディングキャピラリがARFにとって決して必須でないことを示した。また、半楕円形要素は、各々が、円形要素のための1つと比較して、外被との2つのアンカ点を有する点で或る利益を有し得る。これにより、製造の間の上昇した構造安定性を提供することになり、その結果クラッディング要素の正確な位置決めがより容易に達成され得る。しかしながら、クラッディング要素当たり2つのアンカ点は、プリフォームを作るときになされる必要がある要素溶解の量を明らかに増加させる。
【0030】
本開示は、非円形クラッディング要素の使用が、径方向に沿って設けられる2つ以上の負曲率ガラスクラッディング壁がある、NANF状のARFにも適用可能であると提案する。
【0031】
図3は、NANF状のARFの一例の横断面図を示す。
図1(B)の例の入れ子式キャピラリチューブが各々、それらが互いと接触しかつ被覆に固定される点において長手方向に切り開かれるとすれば、切れ目の2つの縁同士を遠ざけることによってチューブが開かれる。これにより、共通に位置付けられた端点36を持ちかつ各々湾曲形状および異なる湾曲度を持つ第1の湾曲要素32および第2の湾曲要素34を備える二重壁の湾曲要素30を作成することになる。要素32は、次いで、標準のNANFにおけるように離間した配置で、切れ目の縁の各々に沿って外被12の内側に取り付けられ得る。これにより
図3の構造を生成することになる。しかしながら、標準のNANFに存在する負曲率の二重空気-ガラス境界および隣接するクラッディング要素間の間隙の特徴が保たれるので、ファイバが超低光損失、広光学帯域幅、およびガラス壁との光学モードの超低重複の例外的な特性を維持することができると予測できる。
【0032】
図4(A)は、NANFファイバ構造例の横断面図を示しており、これにおいて、図の下半分は、
図1(B)のそれなどの一次および二次入れ子式キャピラリ14、20を持つ標準の6セルNANF配置を図示する。上半分は、
図3の例におけるものに類似した二重壁の湾曲クラッディング要素30を持つNANF状の配置を図示する。この場合、第1の湾曲要素32は、これはコア18に隣接して位置付けられてコア境界を画定しかつ標準のNANFにおける一次キャピラリに相当しており、半楕円形状を有する。第2の湾曲要素34は、これは標準のNANFにおける二次キャピラリに相当しており、第1の湾曲要素よりも低いアスペクト比/楕円率の半楕円形状を有する。それ故、キャピラリボイド、内腔またはキャビティが第1の湾曲要素32と第2の湾曲要素34との間に、および別に第2の湾曲要素34と被覆12との間に画定される。しかしながらこれらの湾曲形状は単に例であり、他の湾曲形状が使用され得る。このようにして構築されるファイバがコンピュータシミュレーションによってモデル化された。比較の目的で、2つのモデル化されたファイバは、30μmの同じコア半径R(
図4(A)に示される)および0.55μmである、キャピラリ要素のためのガラス壁または膜の同じ厚さを有した。
【0033】
図4(B)は、コアにおける導波モードから離れた光強度の漏洩による光損失を導波長の関数としてモデル化した結果のグラフを示す。見て取れるように、ファイバは、約1.3μmから約2.1μmまでの帯域幅を有しており、それらがこの範囲の波長の光を低損失で導くことができることを意味する。曲線40は標準のNANFの損失を示し、そして曲線42は半楕円形要素NANF状の配置の損失を示す。直ちに認識できるように、2つの構造の損失は非常に類似しており、かつ非常に低くもある(帯域幅の中心部分にわたって2dB/km未満)。それ故、円形クラッディング要素の代わりに半楕円形クラッディング要素を有するNANF状のファイバは、ARFのための有用な構造である。
【0034】
しかしながら、円筒チューブを積層し、接触点においてチューブを融着し合わせ、そして結果的なプリフォームをファイバへ延伸することに基づく公知のARF製造技術との関連では、二重壁の湾曲クラッディング要素どころか、
図2の構造の単一壁の湾曲クラッディング要素で構築されるARFを製作する直接的なやり方も見たところはない。
【0035】
例えば、特許文献1[5]には、コア境界が一連の隣接する弧から形成されて湾曲クラッディング要素から入手可能なものと類似した形状を与えるが、従来の円形断面キャピラリの積層および延伸によって形成される、フォトニック結晶中空コアファイバが記載されている。
【0036】
本開示は、
図2、
図3および
図4(A)に図示されるものなどの湾曲した非円形クラッディング要素を持つARFを製作するための手法を提案するものであり、これにより、円筒チューブに基づく従来のARF製作と比較して非常に単純化できる一方で、それにもかかわらず少なくとも匹敵する光学性能のファイバを生産する。
【0037】
同手法は、各々が複数の離間した湾曲クラッディング要素を円周構成に画定する成形細長チューブの使用を提案する。1つのチューブ、または異なる成形クラッディング要素を画定する2つ以上のチューブが適切なサイズの外被チューブへ直接挿入されてARFのためのプリフォームを作ることができる。1つの成形チューブが中空コアの周りにクラッディングボイドの完全な環を与える。
【0038】
図5(A)は、第1の成形チューブの一例50の横断面図を示す。チューブ50は、ARFのための6つの湾曲クラッディング要素を与えるように成形され、それ故に6セルARFの製作のために意図される。チューブ50は、小さな実質的に直線部分54と交互にされる大きな湾曲部分52を備える側壁を有する。用語「大きな」および「小さな」は、湾曲部分が直線部分よりも有意に大きな長さを有することを伝えると意図される。全ての直線部分54は同じサイズおよび形状を有し、そして全ての湾曲部分52はこの例では同じサイズおよび形状を有する(これは、しかしながら必須ではなく、より複雑なクラッディング構造を提供するために形状の相違が活用され得る)。それ故、チューブ50は、湾曲クラッディング要素の数に、それ故最終的なARFにおける意図されたセルの数に対応して、この場合6回(または6度)、その中心長手軸Xに関して回転対称性を有する。チューブがその全長に沿って同じまたは実質的に同じ断面を有することに留意されたい。
【0039】
この例は6つの湾曲部分および6つの介在する直線部分を有するが、光ファイバのための所望のクラッディング構造に応じて任意の数の部分を含むことができる。それ故、成形チューブは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12またはより多くの湾曲部分および対応する数の直線部分を有し得る。
【0040】
直線部分54は、各々チューブ50の中心長手軸Xから均等に離れており、かつ事実上、Xに中心が置かれてXから各直線部分54までの距離に等しい半径を有する円(以降「名目上の円」)の円周の周りに均等に離間した間隔で位置付けられる。直線部分54は、当該位置において半径に実質的に垂直またはほぼ垂直であり、言い換えれば、接線に従っている。直線部分54が真に直線かつ垂直でもよいが、それらは、上述した概念上の円の円周に従うなど、若干の湾曲度も有してよい。これは、成形チューブが円形チューブから作成される製造方法から生じ得るが、その一部の例が以下により詳細に記載される。それらが全円周のそのような小さな割合を占めるので、それらは実質的に直線であると考えられ得る。直線部分は、直線であるまたは円周に沿って厳密に湾曲されるよりも別の形状を有してもよい。若干の湾曲は、プリフォーム部品が組み立てられるときに被覆チューブの内側面に対するより良好な嵌込みを可能にし得る。
【0041】
直線部分54は、言及されたように、比較的短く、概念上の円の円周全体の小さな割合を占める。直線部分54の目的は、
図1(A)における間隙dに相当するクラッディング要素間の所望の間隔を画定するために、各湾曲部分52をその隣接する近隣湾曲部分52から分離することであり、ここで、間隙は、最終的なファイバにおける光ノードからの損失を低減させるために重要である。例えば、6セルARFのためのチューブでは、各直線部分は、概念上の円の全円周の0.5%から20%または0.5%から25%の範囲、例えば1%と20%との間、または1%と10%との間、または10%と20%との間または5%と20%との間にあってよい。これらの値は、他の量のセルのために成形されるチューブに適用可能であるが、セルの数が多いほどクラッディング要素間の小さな間隔、それ故短い直線部分に対応し得る。互いに入れ子にされた2つ以上の成形チューブ(以下により詳細に記載される)との関連では、直線部分長さが大きいほど外の成形チューブに、直線部分長が小さいほど内の成形チューブに適用可能であり得る。しかしながら、他の値が除外されるわけではない。プリフォームは約2cmから25cmまたは30cmの範囲の実直径を有し得る(但し他の直径が使用され得る)。例えば、標準的な光ファイバの多量生産のための現行の生産プリフォームは典型的に約20cmの直径を有する。そのような場合、各直線部分は約0.2cmと15cmとの間の円周方向の長さを有してよい。ここでも、これらは単に例であり、他の値が除外されるわけではない。
【0042】
各湾曲部分52は側壁の内方湾曲部を備える。「内方湾曲」によって、湾曲部分がチューブの外部の視点からは凹面、かつチューブの内部の視点からは凸面であることが意味される。湾曲部分52は2つの端間に延びており、各端は2つの隣接する直線部分54の端との接合部にある。典型的に、湾曲形状は、2つの隣接する直線部分54間の中間点にある概念上の円の半径に従う線に対して対称である(但しこれは必須ではなく、より複雑なクラッディング構造を提供するために他の湾曲形状が活用され得る)。湾曲部分52の曲線は、最終的なARFにおける所望の負の湾曲コア境界を与えるために、軸Xの視点から負曲率を提示する任意の平滑に変化する形状であることができる。湾曲部分52は、名目上の円の半径未満の距離だけ軸Xから分離される、軸Xに最も近い点まで内方に延びる。対称的な湾曲部分の場合、軸Xへのこの最接近点は、2つの隣接する直線部分間の中間点における概念上の円の半径、言い換えれば湾曲形状の鏡面対称軸上にある。
【0043】
例えば、曲線は半円または半楕円でよい。代替的に、曲線は、半円または半楕円よりも小さいまたは大きい、円または楕円の円周または全周の一部、言い換えれば、円の弧または楕円の弧でよい。他の例では他の湾曲または平滑に変化する形状またはプロファイルが使用され得る。
【0044】
一般に、それ故、チューブの壁は、内方に湾曲する凹状湾曲部分に接続される実質的に直線の小さな部分を交互に一連に含んでおり、ここで、湾曲部分の数が直線部分の数と同じである。
【0045】
成形チューブの断面を説明する代替法は準ハイポサイクロイドとしてである。ハイポサイクロイドは、大円の円周の内側の周りを転がる小円上の定点の軌跡によって生成される平面曲線である。適切に釣り合った円の場合、これにより、平滑で対称的な内方湾曲部分によって接続される、大円の円周上にある点または尖点から成る閉形状を生成する。円の相対サイズが湾曲部分の曲率および尖点の数を決定する。この場合は、記述子「準」は、チューブの当該形状が、見る者に類似した印象を与えるように、ハイポサイクロイドと同じ一般的な全体特性を有することを示すために追加される。しかしながら、ハイポサイクロイドの尖点の各々は短く小さな直線部分(大円の弧または大円に対する接線である)によって置き換えられ、そして湾曲部分は、転がる小円によって決定されるものと異なる形状/曲率/プロファイルを有し得る。
【0046】
外被チューブの内側に単一の成形チューブを使用して、
図2の例のそれと類似したARFのためのプリフォームを作成し得る。直線部分が沿っている線(名目上の円の円周)によってまたは2つの反対に設けられる直線部分間の距離(名目上の円の直径)によって設定される成形チューブの最大外部寸法は、直線部分における成形チューブの外側と被覆チューブの内側との間が接触またはほぼ接触して成形チューブを被覆チューブの内側に収容できるように、円筒状の被覆チューブの内寸に対応または匹敵するべきである。これにより、プリフォームがケーンまたはファイバへ延伸される前に、プリフォームの製作の間にこれらの点で2つのチューブの融着を可能にすることになる。他の配置では、成形チューブおよび被覆チューブの融着は延伸の間に行うことができる。この場合、発生し得る気泡を排除するためにクラッディングにおける介在性ボイドに加えられる真空がチューブを引き合わせるためにも作用するので、締まり嵌めおよび小さい隔たりはあまり重要でない。それ故に、より大きな間隔を許容できる。したがって、様々な状況下で、被覆チューブと成形チューブとの間の隔たりは被覆チューブの直径の約10%以下、例えば約5%または2%でよい。接触のためには、隔たりは実質的にゼロである。これらの配置は接触またはほぼ接触と表現され得る。
【0047】
成形チューブのための壁厚の値例は成形チューブ直径の約0.05から0.2の範囲にあってよい。外被チューブは、その外径とその内径の比が2:1および6:1の範囲であるようにサイズ設定されてよい。チューブのための他の寸法が除外されるわけではない。
【0048】
代替的に、1つまたは複数の追加の成形チューブが被覆チューブの内側に挿入されてよく、その結果成形チューブは、それらの直線部分が外被チューブの周りで同じ円周方向位置の入れ子式配置で互いの内側にある。ここでも、チューブの最大寸法は、チューブの融着のために、直線部分において接触またはほぼ接触を与えるように選ばれるべきである。
【0049】
図1(B)の例などの、一次および二次クラッディングキャピラリを持つNANFにおけるクラッディングの二重壁効果を模倣するために、第1の成形チューブと共に第2の成形チューブを使用でき、ここで、2つのチューブが異なる曲率の湾曲部分を有する。
【0050】
図5(B)は、
図5(A)の成形チューブと併せて使用され得る更なる成形チューブの一例51の横断面図を示す。成形チューブ51は、第1の成形チューブ50と同数、この場合6つの直線部分54および湾曲部分52を有するので、2つは一緒に使用できる。第1のチューブ50を第2のチューブ51へ挿入できるようにする僅かな差を条件として、外径/円周は実質的に同じである。しかしながら、湾曲部分52は、第1のチューブ50のものよりも浅く、凹でない形状を有する。言い換えれば、第2のチューブ51における内方湾曲量は第1のチューブ50におけるよりも小さい。チューブ51の中心長手軸Xから湾曲部分52の中心への最接近までの距離は、第1のチューブ50における対応する距離よりも大きい。したがって、第1のチューブ50が第2のチューブへ挿入されるまたは入れ子にされると、2つのガラス壁は各湾曲部分52の範囲内で径方向に沿って設けられて、2つの入れ子式キャピラリを持つNANFの二重空気/ガラス境界を与える。
【0051】
図6(A)および
図6(B)は、それぞれ第1のチューブ50および第2のチューブ51の斜視図を示しており、側壁の成形がチューブ50、51の全長に沿って同じ形状で延びる様子を示す。
【0052】
図7は、
図5および
図6に図示される形状の成形チューブを使用して製作されるプリフォームを通る横断面図を示す。大部分が非常に凹の内方湾曲部分を持つ第1のチューブ50があまり凹でない内方湾曲部分を持つ第2のチューブ51の内側に入れ子にされ、これは次いで円筒状のガラス外被チューブ55の内側に置かれる。第1のチューブ50の直線部分54の外面は第2のチューブ51の直線部分54の内面に接触し、そして第2のチューブ51の直線部分54の外面は被覆チューブ55の内面に接触する。これらの整列した直線部分54は、最も内方に配設された湾曲部分であり、それ故標準のNANFの一次キャピラリチューブに相当する第1のチューブ50の湾曲部分52、および第1のチューブ50と被覆チューブ55との間にあり、それ故標準のNANFの二次(入れ子)キャピラリチューブに相当する第2のチューブ51の湾曲部分52から形成される湾曲クラッディング要素30間に均等な間隔を定める。
【0053】
プリフォームから光ファイバへの光ファイバの生産において、ケーンとして知られている任意選択の中間段階を介して、断面構成が実質的に維持されると意図されることに留意されたい。プリフォームを非常に小さな直径のファイバへ延伸するプロセスは、単に断面サイズを低減させるだけである一方で、形状は保たれる、または延伸の間の構造におけるボイドへの圧力の印加によって僅かに変更もしくは制御される。したがって、
図7は、本開示の実施形態および例に係るプリフォーム、ケーンまたはARFのいずれも全てを例示する。
【0054】
図8は、本開示の実施形態に係る光ファイバプリフォームを製作する第1の方法の一例におけるステップに加えて、プリフォームをケーンまたはファイバにするための追加ステップを提示するフローチャートを示す。第1のステップS1では、上記したように準ハイポサイクロイド断面を有する成形ガラス(またはポリマー)チューブが準備される。この準備には、外部供給源または供給業者から成形チューブを得ること、および成形チューブを直接製作する代替手段を含む。チューブ製作のための技術例は下記される。第2のステップS2では、成形ガラスチューブがガラス(またはポリマー)から作られている円筒状の外被チューブへ挿入され、ここで、成形チューブおよび被覆チューブは上記した接触またはほぼ接触を与えるように適切にサイズ設定される。成形チューブおよび被覆チューブは同じまたは類似した長さを有してよい。例えば、被覆チューブは約20cm、または2cmと25cmとの間もしくは2cmと30cmとの間の外径を有してよい。チューブの長さは約20cmから100cmの範囲にあってよい。プリフォームの所望の寸法に応じて他のサイズが使用され得る。
【0055】
次いで、ステップS3で、成形ガラスチューブが外被チューブの内側に固定されて光ファイバプリフォームを作成する。固定は、選好およびプリフォームの予想される将来の処理量に従って単純またはより複雑であり得る。成形ガラスチューブは、成形チューブの直線部分において接触領域におけるチューブ材料の溶解によって被覆チューブの内側面に固定され得る。溶解は、円筒チューブからのARFプリフォームの製作に使用される技術などの任意の公知の技術によってでよい。溶解は、直線部分の単一の1つにおいて、直線部分の一部において、または直線部分の全てにおいてでよい。溶解は、チューブの全長に沿ってでよく、または単に成形チューブを適所に止めるように1つもしくは複数の離間した位置でよい。代替的に、固定は更に単純でよく、プリフォームが縦向きに保たれる(ファイバへの延伸のためである)ときに被覆チューブの内側に成形チューブを保持する何らかの配置の準備だけでよい。これは、チューブの相対寸法が、成形チューブが一旦挿入されると、被覆チューブの内側で容易に回転または滑動することができないよう、被覆チューブの内側での成形チューブの嵌込みが比較的緊密であるような場合に、特に適切である。また、締まり嵌めにより、チューブ同士の適切な結合または融着を、初期結合段階のいかなる必要もなしに、プリフォームを加熱およびファイバへ延伸するプロセス内で行うことができる。例えば、プリフォームを作成する単純な固定ステップは、被覆チューブが一端に制限されたまたは閉ざされた開口を有すると共に、被覆チューブの他端を介して成形チューブが挿入されることを含み得る。開口は、例えば、被覆チューブのガラスを加熱してそれを軟化させ、次いでその側壁を挟むまたはそれを内方に曲げることによって、成形チューブの挿入の後に制限され得る。また、何らかの形態の別個の閉鎖または制限要素が被覆チューブの端をおおって締結され得る。これらの場合、成形チューブは、被覆チューブの内側で自由に動けるままでよい。しかしながら、様々なクラッディング要素の間隔および相対位置が成形チューブの単一性質によって設定されるので、被覆チューブに対する回転などのいかなるそのような運動も要素の相対位置を変更することはなく、最終的なファイバのための意図された構成は失われない。
【0056】
それ故、ARF製造のためのプリフォーム製作が公知の技術に従う多数の円形チューブの組立てと比較して単純化されることを認識できる。最も単純には、提案された方法は、2つのチューブ状の要素だけが組み合わされることを必要とする。クラッディング要素の相対位置は成形チューブの構造によって設定され、その結果様々なチューブを互いに対して正しく位置付ける労力が解消される。また、必要とされる相対位置を維持するために被覆チューブの内側で円形チューブの積層をまとめるために使用され得るスペーサおよび類似した追加要素の使用は必要とされない。
【0057】
ステップS3で生産されるプリフォームは、ステップS3の後に直ちにかしばらく後にか、のいずれかに公知のファイバ製作技術を使用して光ファイバにされ得る。プリフォームは、ステップS4aでファイバへ直接延伸され得る。代替的に、ステップS4bで、プリフォームは、プリフォームと意図されるファイバとの間の中間径のケーンへ延伸され得、そしてケーンは次いでステップS4cで最終的なファイバへ延伸され得る。いずれの場合も、典型的に、ファイバ延伸プロセス(ステップ4aまたはステップ4c)は、完成ファイバに十分なガラス材料を提供するために、延伸の前にプリフォームまたはケーンを外側のガラスチューブで被覆することを含む。
【0058】
図9は、本開示の実施形態に係る光ファイバプリフォームを製作する第2の方法の一例におけるステップを提示するフローチャートを示す。ステップS10では、第1の成形ガラス(またはポリマー)チューブが
図8の方法におけるように準備される(調達または製作による)。ステップS11では、第2の成形ガラス(またはポリマー)チューブが、湾曲部分の異なる曲率で準備される。ステップS12では、完成ファイバの構造で模倣されると意図される入れ子式NANF要素の数に従って、1つまたは複数の更なる成形ガラス(またはポリマー)チューブが任意選択で、更に異なる曲率で準備される。各追加の成形チューブは、径方向に沿って更なる膜層、それ故クラッディングにおける更なる空気/ガラス界面を与える。各成形チューブは同数の湾曲部分を有する。
【0059】
ステップS13では、成形ガラスチューブが互いの内側に挿入されて入れ子群またはアレイを形成するが、湾曲部分の最高曲率(最大凹面)を有するチューブが最内位置にあり、入れ子群を通じて外方に行くほど湾曲量が減少する。ステップS14では、入れ子群が円筒状の外被チューブの内側に挿入される。ステップS13およびステップS14の一代替手段として、成形チューブは、最初に群へ組み立てられるのではなく、1つずつ外被へ挿入され得る。手順は同等である。
【0060】
ステップS15で、入れ子式ガラスチューブが外被の内側に固定されて、必要とされるプリフォームを作成する(これは次いで
図8の代替手段S4aおよびS4b/S4cのいずれかに相当するステップを介してファイバへ延伸され得る)。固定は、
図8においてステップS3のために記載されたようでよい。固定は、成形チューブの各々を互いの内側でおよび被覆チューブの内側で適所に保つ単一ステップで適用され得る。代替的に、成形チューブ同士の一部の固定は、ステップS14で入れ子群が被覆チューブへ挿入される前にステップS13で作られる入れ子群に適用され得る。そのような場合、ステップS15における固定は、入れ子群を全体として被覆チューブに固定するために実施される。
【0061】
所望されるクラッディング構造の複雑さに応じて、任意の数の成形チューブが利用され得る。典型的に、光ファイバプリフォームは約20cmの直径を有することができる(他のサイズも使用できる)ので、外被チューブの内側に所望により多数の成形チューブを収容する著しい空間が利用可能である。プリフォームは1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ以上の成形チューブを含み得るが、但し1つ、2つまたは3つのチューブが最も有用な構成であり得る。
【0062】
図10(A)は、コア領域を画定するための1つの成形チューブを有するプリフォームの断面図を示し、
図10(B)は、コア領域を画定するための3つの成形チューブを有するプリフォームの断面図を示し、そして
図10(C)は、コア領域を画定するための4つの成形チューブを有するプリフォームの断面図を示す。
【0063】
成形チューブの製作のために各種の方法が提案される。
【0064】
成形チューブ製作のための第1の方法の一例は、円筒状のガラスチューブを必要とされる形状へ再形成する成形フォーマの使用である。
【0065】
図11は、そのような方法を実装するために適切な装置例の簡略表現を示す。
図11の左側は、
図5(A)の例に対応する成形チューブの形成を図示し、そして右面は、
図5(B)の例に対応する成形チューブの形成を図示する。必要とされる成形チューブの各サイズおよび形状のためにフォーマ60が設けられる。フォーマ60の外面は、成形チューブの所望の断面に対応するように成形される。フォーマ60は、グラファイト、ガラス状炭素、グラッシーカーボン、窒化ホウ素または窒化アルミニウムなど、ガラスを再形成するために必要とされる高温度に耐えることができる適切な材料から作られる。また、フォーマ60は、加熱されるとそのサイズが成形チューブの所望のサイズに相当するように加熱中の膨張を考慮し、また再形成後の冷却に伴うガラスチューブの収縮も考慮してサイズ設定される。
【0066】
可能性としては商業的供給源からの、直径がフォーマ60の幅に厳密に一致する円筒状のガラスチューブ62が準備され、そしてフォーマ60に掛けられる。フォーマ60およびチューブ62のアセンブリは、ガラスチューブを軟化させて、それを変形可能にするために加熱される。ガラスが軟化状態にある間、フォーマ60とガラスチューブ62との間の空間に真空(または減圧)が加えられる。圧力減少により、チューブ62の軟化ガラスが、矢印によって示される内方に引かれるようになり、やがてフォーマ60の表面に留まり、それによってフォーマ60の外形を得ることが可能になる。アセンブリは冷却させられ得る。フォーマ60の熱膨張係数がガラスの熱膨張係数よりも高いようにフォーマ材料が選択される場合、フォーマ60は、冷却時に再形成されたガラスチューブよりも収縮することになる。そのため、一旦冷却が起こると、フォーマ60は目下の成形チューブの内側から取り外すことができる。
【0067】
成形チューブ製作のための第2の方法の一例はガラス煤の堆積である。これは、ガラスチューブ、ガラスプリフォームおよび光ファイバの多量製造のために商業的に利用される技術である。火炎加水分解を使用する外部蒸着を使用できる。
【0068】
図12は、そのような方法を実装するために適切な装置例の簡略表現を示す。外面が成形チューブの所望の形状に対応するように成形およびサイズ設定されるマンドレル64が設けられる。成形ガラスチューブのガラスの所望の組成のための適切な化学薬品を保持する酸水素炎66を利用する火炎加水分解を使用して、マンドレルが炎位置に対して回転するにつれて、その外面上にガラス煤を堆積させる。適切な堆積時間後に、マンドレルにガラス煤の白い成形チューブが作成される。チューブは次いで炉内で加熱されて煤を焼結し、これにより煤が固化し、かつ堆積からのいかなる不純物も排除されるので透明になり更に浄化もされる。
【0069】
成形チューブ製作のための第3の方法の一例は押出しである。
【0070】
これは、比較的軟質かつ低融解温度ガラス材料から作られるプリフォームの製造のための公知の技術である。ガラスビレットが、それらのガラス転移温度(融解温度)を越えて加熱され、そして所望の断面形状を得るために高圧を使用して適切な形状の金型に押し通される。これは、溶融シリカに対しては、そのガラス転移温度が高いので、現時点では困難であり、この温度に耐えることができる金型を提供する難しさがある。しかしながら、それは高温複合材料の将来の改善により可能になるかもしれない。同方法は、ケイ酸鉛、亜テルル酸塩、ゲルマニウム酸塩およびカルコゲニドなど、低ガラス転移温度のガラスに対しては既に確実に適切である。
【0071】
成形チューブ製作のための第4の方法の一例は三次元(3D)プリンティングである。
【0072】
第1の種類の3Dプリンティングは、ノズルに垂直な平面において移動して所望の形状をたどる基板に所望の物体の第1の層を「書く」ためにノズルに押し通される材料のフィラメントを使用する。基板は次いでノズルから更に離れて移動され、物体を層毎に構築するためにプロセスが繰り返される。
【0073】
第2の種類の3Dプリンティングは、プリンティングされるべき物体のために必要とされる材料の粉塵の層を使用する。粉塵を焼結するためにそれにレーザ光線を当てることによって物体の第1の層が形成される。次いで、物体を層毎に構築するために、更なる粉塵の層が設けられ、これは次いで焼結される。
【0074】
3Dプリンティングにはプラスチック、金属およびセラミックなどの材料が一般に使用されるが、同プロセスがガラス材料に適用可能になり始めており、適当な時期に3Dプリンティングを使用してシリカを成形することができるようになると期待される。
【0075】
本明細書に記載されるようにプリフォームおよび後に光ファイバを作るために使用される1つまたは複数の成形チューブおよび外被チューブは、シリカなどのガラス材料およびポリマー材料を含め、既存の設計の反共振中空コアファイバの製作で知られている材料のいずれからも作られ得る。単一のプリフォームまたはファイバにおける様々な成形チューブおよび外被チューブが同じ材料からまたは異なる材料から作られ得る。ガラスの種類には、化学化合物シリカ(二酸化ケイ素または石英)に基づく「シリケートガラス」または「シリカ系ガラス」が含まれており、それの多くの例がある。光応用のために適切な他のガラスには、カルコゲニド、テルライトガラス、フッ化物ガラスおよびドープシリカガラスが含まれるが、これらに限定されない。材料には、吸収/透過を変更するまたは光ポンピングを可能にするなど、光学特性を調整する目的で1つまたは複数のドーパントを含み得る。
【0076】
チューブの製作の間に成形ガラスチューブの湾曲部分に与えられる曲率が最終的な光ファイバにおけるクラッディング要素の意図された曲率を考慮すると決定的でないことに留意されたい。中空コアファイバを作るための公知のファイバ延伸技術には、完成ファイバのキャピラリによって画定されるボイドまたはキャビティの断面サイズおよび形状を制御および調整するために、延伸の間にプリフォーム内のこれらの様々なキャピラリまたはキャピラリの群の内部に1つまたは複数の圧力を印加することが含まれる。これは、この場合は、湾曲クラッディング要素における様々な中空空間のサイズおよび形状を画定するためにも使用できる。それ故、成形ガラスチューブの要件は、単に、2つ以上の成形ガラスチューブが含まれる場合、径方向に分離されるガラス壁または膜間に必要とされる中空空間を画定するために、湾曲部分が異なる湾曲量を有するということである。
【0077】
代替的に、2つの径方向に分離されるガラス膜間の中空空間は、事実上同じ湾曲形状であるが異なる長さの湾曲部分を有するので、湾曲部分が異なるサイズを有する成形チューブによって画定され得る。湾曲形状は同じであるが、曲率半径は2つの湾曲部分間でいかなる点でも異なる。それ故、湾曲部分は対応する形状を有するが異なる規模である。言い換えれば、2つの湾曲部分は事実上互いに平行であり、かつ異なる位置にある、被覆チューブの内側とのそれらの端点の接合部を有する。
【0078】
図13は、このようにして湾曲される2つの入れ子式成形チューブからの一対の湾曲部分の一例の断面図を示す。内側成形チューブ50の内側湾曲部分52aがコア境界の一部を形成し、かつ内側湾曲部分と被覆チューブ55の内面との間にある外側成形チューブ51の外側湾曲部分52bと平行である。これを
図7と比較すると、例えば、ここで、湾曲部分が異なる湾曲形状を有し、それ故互いに平行でないが、被覆チューブと同じ接合位置で交わる。更に他の例では、湾曲部分は異なる湾曲形状(それ故平行でない)および異なる接合位置も有し得る。
【0079】
成形チューブが、ノードレスARFにおいて必要とされるクラッディング要素間隔を与えるために湾曲部分間に直線部分を有するとして記載されたが、成形チューブは、そのような間隔のないARFの製作のためにも構成され得る。成形チューブは、その側壁における任意の直線部分を欠き、代わりにハイポサイクロイドにおけるように、全周の周りの位置または尖点で接続し合う一連の湾曲部分を備え得る。
【0080】
本明細書に記載される様々な実施形態は、特許請求された特徴を理解および教示する際に支援するためだけに提示される。これらの実施形態は単に実施形態の代表的な一実例として提供されており、網羅的かつ/または排他的ではない。本明細書に記載される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造および/または他の態様が請求項によって定められるように本発明の範囲に対する限定または請求項の均等物に対する限定と考えられるべきでないこと、ならびに他の実施形態が活用され得、特許請求された本発明の範囲から逸脱することなく変更がなされ得ることが理解されるはずである。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の、開示された要素、部品、特徴、部分、ステップ、手段等の適切な組合せを適切に備え、それらから成り、または基本的にそれらから成り得る。加えて、本開示は、現在特許請求されていないが将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
(参考文献)
【符号の説明】
【0081】
10 ファイバ
12 外被
14 クラッディングキャピラリ
16 接触位置
18 中空コア
20 二次キャピラリ
22 クラッディング要素
30 二重壁の湾曲要素
32 第1の湾曲要素
34 第2の湾曲要素
36 端点
50 第1の成形チューブ
51 第2の成形チューブ
52 湾曲部分
52a 内側湾曲部分
52b 外側湾曲部分
54 直線部分
55 外被チューブ
60 フォーマ
62 円筒状のガラスチューブ
64 マンドレル
66 酸水素炎
d 間隙
R コア半径