(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】選好視力検査のためのブース
(51)【国際特許分類】
A61B 3/032 20060101AFI20240507BHJP
A61B 3/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A61B3/032
A61B3/00
(21)【出願番号】P 2021573756
(86)(22)【出願日】2019-07-29
(86)【国際出願番号】 BR2019050302
(87)【国際公開番号】W WO2020248029
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-07-13
(31)【優先権主張番号】BR102019012081-9
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(73)【特許権者】
【識別番号】521542568
【氏名又は名称】ラッシ ガブリエル,ルイス アレキサンドル
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ラッシ ガブリエル,ルイス アレキサンドル
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04859052(US,A)
【文献】中国実用新案第205378090(CN,U)
【文献】中国実用新案第205411140(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/032
A61B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
選好視力検査のためのブース(10)であって
、患者(pc)の言語情報と独立に、「テラー」技法を用いて視力を検査するためのブースであって、
前記ブース(10)は、可動壁(21)の中央部分の視領域(21a)に収容された複数の「テラー」カード(CT)を読みとることによって前記選好視力検査を実施する環境(AS)を構成するモジュール構造(20)からなり、
当該可動壁(21)は、床(22)に設置されたレール(30)上、および、天井(25)に設置されたレール(31)上を、ホイール(rd)を用いてスライドし、
前記モジュール構造(20)全体は、白色および光沢のない色調と、前記選好視力検査に従って制御される内部照明(IL)であって、当該選好視力検査に適切な内部照明(IL)と、を有し、
前記患者(pc)の座席(28)が、前記可動壁(21)の前
に設置されており、かつ、前記ブース
(10)の後壁(24)
と同じ平面を共有するように設置されており、
前記患者(pc)と複数の
前記「テラー」カード(CT)の
前記視領域(21a)との間の距離(d1)
は、前記可動壁(21)を前記レール(30)上および前記レール(31)上でスライドさせることによって調整されることを特徴とするブース。
【請求項2】
前記モジュール構造(20)は
、フレーム(26)が設けられた正面入口(VF
)を備え、
当該フレームに
前記可動壁
(21)が設置され、
当該可動壁(21)の幅(l2)および高さ(t2)
は、前記正面入口(VF)の幅(l2’)および高さ(t2’)
に対して小さく、
前記モジュール構造(20)の複数の側壁のうちの1つの側壁(23)において、ヒンジ付きドア(27)を受け入れることが可能な開口(23a)が存在し、当該ヒンジ付きドア(27)は、ヒンジ(db)によって
前記側壁(23)に固定され
、かつ、ハンドル(Px)を備
え、
前記可動壁(21)
における複数の前記「テラー」カード(CT)の
前記視領域(21a)は、矩形の中央カット
アウト(21b)を備え、
前記中央カット
アウト(21b)を覆うように、
前記可動壁(21)の外面からL字型サポート(21c)が展開
し、前記「テラー」カード(CT)
の取り付けのための隙間(IT)を形成し、
前記L字型サポート(21c)は、前記「テラー」カード(CT)を
取り付けるとき、
前記「テラー」カード
(CT)の孔(o1)と整列す
る中央孔(21d)を
含むことを特徴とする請求項1に記載のブース。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本特許は、視力を数値化するために行われる好ましい種類の、視力検査のためのブースを開示し、患者の口頭の情報に関係なく、より正確には「テラー」技術の使用時に、視力検査のためのブースはオフィスおよび診療所などの環境に設置するように設計され、特に専門家によって使用されるべきであり、検査仕様および各患者の特性によって、患者の注意をそらしやすいいかなる種類の視覚的な影響もない環境を構成したブースを有することに加えて、キャビンの中に収容された患者に対する「テラー」カードの間の間隔調整を提供した可動壁のスライド手段という特徴によって、前記ブースはより正確な診断を提供することができる構造を備え、したがって、好ましい視力検査のかなり高い精度、信頼性、および再現性を提供する。
【0002】
〔技術の歴史〕
基本的には眼の空間的な詳細を見分ける能力である視力は、物体の輪郭および形状を見分けることが知られており、発話前の段階の子供、神経精神運動発達の遅れた読み書きできない子供、認知運動疾患者、脳性四肢麻痺疾患者、発話障害などのような患者では、それぞれの患者の条件に適した、好ましい眼視力検査の実現が求められている。
【0003】
視力の原則は、人類は、詳細が示されていない領域を視覚化する代わりに、ある程度の詳細を示すものを見ることを生来好み、その結果、そのボード上の、個人はボードに提示された、どんなに小さい特殊性にでも注意を引くだろう。
【0004】
最も使われている視力検査の種類の一つは「テラー」検査と呼ばれ、これは「テラー」感覚カードに由来し、自然色の矩形のプレートを含み、プレートの縁の一つに「サイクルパーセンチメータ」と呼ばれる数学的計算に従った1組のコントラストリストが提示されている。前記カードはさらに、専門家が患者の反応を評価するための眼にあたる中央オリフィス(孔)が開いている。
【0005】
「テラー」検査では、検査の規則に則って、患者の眼から84.55または38センチメートルに達する距離に、専門家が位置し、その結果、患者に対しコントラストのストライプが提示されたカードを向ける。
【0006】
患者に向けられたカードの半分の一方にのみ詳細(ディテール)が位置するため、患者はそのような詳細の存在を認識する場合、患者が詳細を見たかどうかを、カードのオリフィスから観察することによって、専門家はこの事実を証明できる。したがって、もし患者が第1のカードの詳細を見た場合、第2のカードに進み、患者は詳細がある側を見続ける。患者が詳細を見なくなった時、患者の視力は、患者が詳細を知覚することができた最後のカードに相当する。
【0007】
検査を行うために、専門家は手でもってカードを患者の眼の高さに把持する必要があり、また、眼が専門家の眼の高さに位置し、カードが不安定になる、ことがわかった。
【0008】
現在行われている「テラー」カード検査による視力検査での他の不便な点は、例えばカードを保持している間における専門家の手などの外乱であって、その結果、コントラストストライプのセットに焦点を合わせるのではなく、患者は目をそらし、したがって、専門家にとって好ましい視力検査に関する正確な診断に至ることが難しくなる。
【0009】
〔現在の技術状況についての分析〕
専門的なデータベースで実施された調査によって、視力検査に関するCN205378090号という文献が見つかった。当該実用新案は、視力検査ボードの前の死角に位置する検査位置の人によるカード検査装置のテラールッククイック同期ビデオシステムを開示しており、リーディングビデオカメラと平行かつ同じ高さに検査者によって配置された視力ボード上にあり、検査視界の人の傍の検査位置の人によって注意深く監視され、置かれたテストカードを備え、視力検査バックボードはカスタマーエンドのビデオ記録を備え、部分の下の検査位置のキルトパーソンの上に調和して映像を記録するプレーヤーを配置し、カスタマーエンドのビデオ記録は、映像伝送線の接続を介してプレーヤー間でビデオ記録するステップであり、視力検査ボードのトップオリエンテーションは検査位置の人の高さの傍にコネクティングロッドを備え、コネクティングロッドチップは下方に向かって移動し、検査位置の人によってリアマウントされたビデオカメラを備え、リアマウントされたビデオカメラはコネクティングワイヤを通過し、ビデオ記録ステップでプレーヤーに接続されており、映像伝送線とプレーヤーとのUSBインターフェース、および、ステップ部門のビデオ記録に接続されたホストコンピュータがある。処置の間にカスタマーエンドビデオ記録を開けばよいだけで、テラールッククイックカード検査および指定された位置に座るように幼児に指示する必要があり、この装置はそのままの位置(in situ)での検査医の要求に応じて、幼児の全ての行動を調べ、背面(真相)を開けて記録することができ、他の特殊な器具を必要とせず、迅速に便利であるだけでなく、客観的に正確である(sic)。
【0010】
応用の同じ分野に属するにもかかわらず、上の段落で示した文献は、今改善された物の特徴を提示しておらず、したがって、それが法的特許性要件を満たすことを保証する。
【0011】
〔本発明の目的〕
本発明の目的は「テラー」カードによって実行される好ましい視力検査のためのブースを開示することであり、ブースは患者の為に、「テラー」カードを読み取ることによって好ましい感覚検査を実行するための環境を作り上げ、カードは、キャビンの地面および天井に設けられたレール上のスライド可動壁の中央部に、予見される視覚化領域内に入れ替わりで配置され、そのため、患者の目に対するカードの距離を適合させることを可能にし、それぞれの制限に従って適合できる。
【0012】
本発明の他の目的は、患者の為に、視力検査を実行するための中立で隔離された環境をブースは構成し、これにより、「Teller」カードを視覚化するその時に、外乱を回避することを可能にし、これにより、患者の行動を正確に診断することを保証する。
【0013】
本発明の他の目的は、カードのスライド可動壁上におけるカード視覚化のための領域が、カードを安定した形態で支持するという事実にある。
【0014】
本発明の他の目的は、本発明が、検査実行においてカードのより良い視覚化を提供するために、固定され制御された照明を備えるブースを提供することを意図するという事実にある。
【0015】
要するに、ブースの利用は、好ましい視力検査の精度、信頼性、および再現性を大幅に向上させる。
【0016】
〔図面の説明〕
この説明を補完するために、また本発明の特徴をより良く理解するために、また本発明の好ましく実用的な同じ性能に従って、添付の説明は、その機能が示された例示的であるが限定的ではない形態の一組の図面によって示される。
【0017】
図1は、上記ブースを構成する構造の分解斜視図である。
【0018】
【0019】
【0020】
図4は、好ましい鋭敏度検査の実施のための適切な距離調整が適切に行われたときの、可動壁の摺動を示す長手方向の
図AAを示す。
【0021】
〔詳細な説明〕
図示された図面に関する発明の本特許は、「好ましい視力検査のためのブース」であって、より正確には、専門家によるオフィスおよび診療所などの「テラー」技法の手段によって、患者の口頭情報(pc)とは関係なく、視力を数量化するためのタイプのブース(10)を開示している。
【0022】
本発明によれば、前記ブース(10)は、木、ドライウォール(乾式壁体)、PVCまたは他の種類の素材で作られたモジュール構造(20)を含み、複数のプロファイル(25a)によって支持された天井(25)および床(22)上に設けられたレール(30)および(31)上の複数のローラ(rd)を介してスライドする可動壁(21)の中央部に予見される視覚化領域(21a)内に配置された複数の「テラー」カード(CT)を読み取ることを通した、好ましい視力検査を実行するために患者(pc)にとって隔離された環境(AS)を構成する。全てのモジュール構造(20)は、検査に適合し制御される適合した照明(IL)と同様に、白色および光沢のない色調を示す。
【0023】
前記可動壁(21)の前、かつ、前記ブース(10)の後壁(24)と同一平面上において、患者(pc)および結果として生じる同伴者を収容するために座席(28)が設けられる。
【0024】
可動壁(21)のスライドは、患者(pc)と複数のカード(CT)の可視化領域(21a)との間の距離調整(d1)を構成し、患者(pc)の特徴に従って、最大距離は試験有効性のために示される精度の84.55センチメートルに対応し、最小距離は38センチメートルに等しい。
【0025】
好ましい構成版において、前記モジュール構造(20)は、オフィス、診療所、または同様の部屋に適するように設計された理想的な高さ(t1)、長さ(c1)、および幅(l1)を提供し、ベイ(VF)の幅(l2’)および高さ(t2’)に関して減少した幅(l2)および高さ(t2)を有する可動壁(21)が設置されるフレーム(26)が設けられた前方ベイ(VF)を構成するように、床(22)、複数の側壁(23)、後壁(24)、および天井(25)を備える。開口(23a)が複数の側壁(23)の一つに設けられ、該開口部は、ヒンジ(db)によって固定され、ハンドル(Px)を備えた、ヒンジ付きドア(27)を受け入れる。
【0026】
スライド壁(21)カード(CT)の視覚化領域(21a)は、矩形の中央切り欠き(21b)を有し、切り欠き(21b)を覆うようにその外面から鏡像関係の「L」形状を有するサポート(21c)が展開され、カード(CT)アセンブリのための隙間(IT)が形成される。前記サポート(21c)は、カード(CT)を組み立てたとき、専門家がブース(10)に収容されている患者(pc)の反応を可視化するためにカードの孔(o1)に整列する、中央孔(21d)を予見する。
【0027】
本発明が実施されるとき、請求項のセットに明確に示された基本原理から逸脱する影響なしに、特定の構造の詳細および形態に関する修正が導入されがちであることは確実であり、したがって、使われた専門用語が限定の目的を有していないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】上記ブースを構成する構造の分解斜視図である。
【
図4】好ましい視力検査の実施のための適切な距離調整が適切に行われたときの、可動壁のスライドを示す長手方向の
図AAを示す。