(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】排水設備用の液面検知ユニット
(51)【国際特許分類】
G01F 23/46 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
G01F23/46
(21)【出願番号】P 2022010668
(22)【出願日】2022-01-27
【審査請求日】2024-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】大森 清
(72)【発明者】
【氏名】坂井 仁
【審査官】羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-167675(JP,A)
【文献】特開2001-167676(JP,A)
【文献】登録実用新案第3069471(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/30-23/76
H01H 35/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水設備内にケーブルを介して吊り下げられ、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の液面センサと、
前記排水設備内において前記液面センサを浮き上がり可能に支持する支持プレートと、
前記ケーブルに取り付けられていて、前記ケーブルが導入される導入部、及び導入された前記ケーブルの延び方向が変更された位置で前記ケーブルを導出する導出部を有するケーブルガイド部材と、
前記ケーブルガイド部材を前記導出部が前記支持プレートとは反対の側に面するように前記支持プレートに対して固定する固定部材と、
を備え
、
前記固定部材は、前記ケーブルガイド部材を挟み込むように互いに平行に前記支持プレートに対して取り付けられている一対の固定プレートを含み、
前記固定プレートはそれぞれ、前記導出部が設けられている側で前記ケーブルガイド部材に係合して、前記ケーブルガイド部材を前記支持プレートに対して押さえ付ける少なくとも2つの係合部を有する、
ことを特徴とする排水設備用の液面検知ユニット。
【請求項2】
排水設備内にケーブルを介して吊り下げられ、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の液面センサと、
前記排水設備内において前記液面センサを浮き上がり可能に支持する支持プレートと、
前記ケーブルに取り付けられていて、前記ケーブルが導入される導入部、及び導入された前記ケーブルの延び方向が変更された位置で前記ケーブルを導出する導出部を有するケーブルガイド部材と、
前記ケーブルガイド部材を前記導出部が前記支持プレートとは反対の側に面するように前記支持プレートに対して固定する固定部材と、
を備え、
前記固定部材は、前記支持プレートに対して取り付けられている一枚の固定プレートであって、
前記一枚の固定プレートは、前記導出部が設けられている側で前記ケーブルガイド部材に係合し、かつ前記一枚の固定プレートが接触する側とは反対の側で前記ケーブルガイド部材に係合して、前記ケーブルガイド部材を前記支持プレートに対して押さえ付ける少なくとも2つの係合部を有する、
ことを特徴とする排水設備用の液面検知ユニット。
【請求項3】
前記係合部は、前記ケーブルの吊下げ方向において異なる高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項
1又は
2に記載の排水設備用の液面検知ユニット。
【請求項4】
一方の係合部は、前記導入部及び前記導出部の近傍において該導出部と前記支持プレートとの間に設けられていることを特徴とする請求項
1から
3までのいずれか一項に記載の排水設備用の液面検知ユニット。
【請求項5】
前記固定部材は、前記ケーブルの吊下げ方向において異なる高さ位置において前記支持プレートに対して取り付けられる固定部を有することを特徴とする請求項1から
4までのいずれか一項に記載の排水設備用の液面検知ユニット。
【請求項6】
吊下げ方向において前記支持プレートの下側端部に取り付けられている延長部材と、
他のケーブルを介して前記延長部材に浮き上がり可能に支持されていて、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の他の液面センサと、
前記他のケーブルに取り付けられていて、前記他のケーブルが導入される導入部、及び導入された前記他のケーブルの延び方向を変更して前記他のケーブルが導出される導出部を有する他のケーブルガイド部材と、
前記他のケーブルガイド部材を前記延長部材に対して固定する他の固定部材と、
をさらに備えることを
特徴とする請求項1から
5までのいずれか一項に記載の排水設備用の液面検知ユニット。
【請求項7】
前記排水設備に取付け可能に前記支持プレートに対して略直角をなすように設けられていて、前記排水設備の側から前記液面センサを覆う取付プレートを備えることを特徴とする請求項1から
6までのいずれか一項に記載の排水設備用の液面検知ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水設備用の液面検知ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、気候変動に伴い、各地で水害が発生している。水害の発生は年々増加し、災害の規模も大きくなっている。例えば、集中豪雨が突然に発生した場合、道路上の大量の雨水が下水道、河川、道路脇の側溝などに流れ込むことがある。想定を越える水が流れ込んだ場合、下水道、河川、道路脇の側溝などから水が溢れ出すことがなり、交通網の遮断、住宅への浸水などの被害をもたらすことがある。
【0003】
住宅の周りに設けられた雨水マスなどの排水設備における液位変化の検知は、水害の発生を予め知るという点において重要である。雨水マスにおいては、グレーチングのような格子状の蓋が用いられる。グレーチングを通じて、想定以上の水が雨水マス内に流れ込んだ場合、液面が急激に上昇する。
【0004】
例えば、雨水マスなどの液槽内の液位を検出するセンサであって、ケーブルを介して吊り下げられるフロートスイッチ(液面センサ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたフロートスイッチは、垂設された支柱に取り付けられた金属製のL字状の腕体により、支柱から離れた位置に設けられている。特許文献1に記載においては、ケーブルが嵌入された腕体とフロートスイッチとの間の長さが任意に調節可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、屋外にある雨水マス内に設けられた液面センサは、ケーブルを介して雨水マス内で吊り下げられた状態にありかつ雨水マス内で風雨にさらされた状態にあり揺動することがある。例えば、強風や大量の雨水が雨水マスに進入すると、風に吹かれたケーブルの振れや水面の揺れが水中にある液面センサに影響を及ぼすことがある。これにより、液面センサは、検出したい目標液位とは関係ない位置で傾くことがあり、そのため、雨水マス内において液面センサが液位を安定的に検出するために、雨水マス内における液面センサの取り付け方法については改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、排水設備内における雨風による液面センサに対する不都合な影響を軽減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る液面検知ユニットは、排水設備内にケーブルを介して吊り下げられ、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の液面センサと、前記排水設備内において前記液面センサを浮き上がり可能に支持する支持プレートと、前記ケーブルに取り付けられていて、前記ケーブルが導入される導入部、及び導入された前記ケーブルの延び方向が変更された位置で前記ケーブルを導出する導出部を有するケーブルガイド部材と、前記ケーブルガイド部材を前記導出部が前記支持プレートとは反対の側に面するように前記支持プレートに対して固定する固定部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、排水設備内における雨風による液面センサに対する不都合な影響を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の一実施の形態に係る液面検知ユニットがグレーチングに取り付けられた状態を上方から見た斜視図である。
【
図1B】本発明の一実施の形態に係る液面検知ユニットがグレーチングに取り付けられた状態を下方から見た斜視図である。
【
図2】本実施の形態に係る液面検知ユニットの斜視図である。
【
図3】本実施の形態に係る液面検知ユニットのプレート部材を下から見た斜視図である。
【
図4A】液面検出スイッチの構成を説明するための斜視図である。
【
図4B】液面検出スイッチを正面から見た正面図である。
【
図5A】固定プレートを外側から見た斜視図である。
【
図5B】固定プレートを内側から見た斜視図である。
【
図6】固定プレートがケーブルガイド部材に係合した状態を示す図である。
【
図7】液面センサが接触する箇所を想定した図である。
【
図8A】変形例に係る固定プレートを備えた液面検知ユニットを一方の側から見た斜視図である。
【
図8B】変形例に係る固定プレートを備えた液面検知ユニットを他方の側から見た斜視図である。
【
図10】変形例に係る固定プレートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0012】
〔1〕本発明に係る液位検知ユニット(1,1A,1B)は、排水設備(100)内にケーブル(40)を介して吊り下げられ、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の液面センサ(30)と、排水設備(100)内において液面センサ(30)を浮き上がり可能に支持する支持プレート(12)と、ケーブル(40)に取り付けられていて、ケーブル(40)が導入される導入部(53)、及び導入されたケーブル(40)の延び方向が変更された位置でケーブル(40)を導出する導出部(54)を有するケーブルガイド部材(50)と、ケーブルガイド部材(50)を導出部(54)が支持プレート(12)とは反対の側に面するように支持プレート(12)に対して固定する固定部材(60,60A)と、を備えることを特徴とする。
【0013】
〔2〕本発明の一態様に係る液位検知ユニット(1)において、固定部材は、ケーブルガイド部材(50)を挟み込むように互いに平行に支持プレート(12)に対して取り付けられている一対の固定プレート(60)を含み、固定プレート(60)はそれぞれ、導出部(54)が設けられている側でケーブルガイド部材(54)に係合して、ケーブルガイド部材(50)を支持プレート(12)に対して押さえ付ける少なくとも2つの係合部(63)を有する。
【0014】
〔3〕本発明の一態様に係る液位検知ユニット(1A)において、固定部材は、支持プレート(12)に対して取り付けられている一枚の固定プレート(60A)であって、一枚の固定プレート(60A)は、導出部(54)が設けられている側でケーブルガイド部材(50)に係合し、かつ一枚の固定プレート(60A)が接触する側とは反対の側でケーブルガイド部材(50)に係合して、ケーブルガイド部材(50)を支持プレート(12)に対して押さえ付ける少なくとも2つの係合部(63A)を有する。
【0015】
〔4〕本発明の一態様に係る液位検知ユニット(1,1A,1B)において、係合部(63,63A)は、ケーブルの吊下げ方向において異なる高さ位置に設けられている。
【0016】
〔5〕本発明の一態様に係る液位検知ユニット(1,1A,1B)において、一方の係合部(63d,63Ad)は、導入部(53)及び導出部(54)の近傍において該導出部(54)と支持プレート(12)との間に設けられている。
【0017】
〔6〕本発明の一態様に係る液位検知ユニット(1,1A,1B)において、固定部材(60,60A)は、ケーブル(40)の吊下げ方向において異なる高さ位置において支持プレート(12)に対して取り付けられる2つの固定部(62)を有する。
【0018】
〔7〕本発明の一態様に係る液位検知ユニット(1B)において、吊下げ方向において支持プレート(12)の下側端部に取り付けられている延長部材(90)と、他のケーブル(40B)を介して延長部材(90)に浮き上がり可能に支持されていて、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の他の液面センサ(30B)と、他のケーブル(40B)に取り付けられていて、他のケーブル(40B)が導入される導入部(53)、及び導入された他のケーブル(40B)の延び方向が変更された位置で他のケーブル(40B)が導出される導出部(54)を有する他のケーブルガイド部材(50B)と、他のケーブルガイド部材(50B)を延長部材(90)に対して固定する他の固定部材(60B)と、をさらに備える。
【0019】
〔8〕本発明の一態様に係る液位検知ユニット(1,1A,1B)において、排水設備(100)に取付け可能に支持プレート(12)に対して略直角をなすように設けられていて、排水設備(100)の側から液面センサ(30,30B)を覆う取付プレート(11)を備える。
【0020】
以下に、本発明の実施の形態などについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、実施の形態などにおいて共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0021】
本実施の形態に係る液面検知ユニット1は、雨水マス100内にケーブル40を介して吊り下げられ、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の液面センサ30と、雨水マス100内において液面センサ30を浮き上がり可能に支持する支持プレート12と、ケーブル40に取り付けられていて、ケーブル40が導入される導入部53、及び導入されたケーブル40の延び方向が変更された位置でケーブルを導出する導出部54を有するケーブルガイド部材50と、ケーブルガイド部材50を導出部54が支持プレート12とは反対の側に面するように支持プレート12に対して固定する固定プレート60と、を備えることを特徴とする。以下、本実施の形態に係る液面検知ユニット1について具体的に説明する。
【0022】
本実施の形態に係る液面検知ユニット1は、例えば、雨水を流す側溝に設けられている雨水マス100などの排水設備のグレーチング200に取り付けられる。
図1Aは、本発明の一実施の形態に係る液面検知ユニット1がグレーチング200に取り付けられた状態を上方から見た斜視図である。
図1Bは、本発明の一実施の形態に係る液面検知ユニット1がグレーチング200に取り付けられた状態を下方から見た斜視図である。
【0023】
液面検知ユニット1は、許容量を超えた水が排水設備内に入り込み、雨水マス100内の水面(液面)が所定の液位(以下、「警戒液位」ともいう)に達したことを検知する。液面検知ユニット1は、例えば、公知の雨水マス100に適用され、適用される雨水マス100は、特定の雨水マス100に限定されない。例えば、本実施の形態に係る液面検知ユニット1は、雨水マス100に設けられる格子状のグレーチング200に取り付けられる。
【0024】
[液面検知ユニット]
図2は、本実施の形態に係る液面検知ユニット1の斜視図である。液面検知ユニット1は、雨水マス100のグレーチング200に内側から取り付けられる。液面検知ユニット1は、グレーチング200に対して、ステンレス製の結束具(図示せず)を介して取り付けられている。液面検知ユニット1は、プレート部材10と、液面検出スイッチ(液面センサ30、ケーブル40、ケーブルガイド部材50)20と、固定プレート(固定部材)60と、電源装置70と、を備える。
【0025】
(プレート部材)
図3は、本実施の形態に係る液面検知ユニット1のプレート部材10を下から見た斜視図である。プレート部材10は、合成樹脂又は金属などにより形成されており、取付プレート11と、支持プレート12と、を有する。プレート部材10は、取付プレート11と支持プレート12とが互いにL字状又は略L字状になるように連結された部材である。取付プレート11及び支持プレート12は、互いに一体に形成されていている。
【0026】
プレート部材10の取付プレート11は、平面視矩形の板部材であり、グレーチング200に対してステンレス製の結束具(図示せず)を介して支持可能である。取付プレート11は、複数の挿通孔111を有する。挿通孔111に結束具が通されてグレーチング200に取り付けられる。取付プレート11は、後述する液面センサ30をその吊下げ方向において上側から覆っている。
【0027】
プレート部材10の支持プレート12は、平面視矩形の板部材であり、取付プレート11に対して直角をなすように設けられている。支持プレート12は、一方の短辺を取付プレート11の短辺に突きあわせるように取付プレート11と一体に形成されている。支持プレート12は、プレート部材10がグレーチング200に取り付けられた状態(以下、「取付状態」ともいう)において、グレーチング200に対して鉛直方向又は略鉛直方向に延びる。支持プレート12には、後述するケーブルガイド部材50及び固定プレート(固定部材)60を介して液面センサ30が支持されるとともに、例えば、ネジなどの締結具により電源装置70が取り付けられる。
【0028】
支持プレート12には複数の孔121,122,123を有する。支持プレート12の短手方向に所定の間隔をあけて2列に設けられていて、かつ各列で長手方向に4個の孔121が設けられている。各列において4個の孔121は、支持プレート12の長手方向に所定の間隔をあけて設けられている。
【0029】
各列において支持プレート12の長手方向に隣合う孔121に、例えば、ネジなどの締結具が挿通されて、後述する固定プレート60が取り付けられる。液面検出スイッチ20を取り付ける孔121の位置により、検出したい警戒液位に応じて液面検出スイッチ20の位置を自由に変更することができる。なお、各列の孔121の数は、特に4個に限定されない。
【0030】
支持プレート12には、さらに、支持プレート12の短手方向に所定の間隔をあけて2列に設けられていて、かつ各列で長手方向に3個の孔122が設けられている。各列において3個の孔122は、孔121の間に設けられている。各列の長手方向において同じ位置にある一の孔122に、例えば、ネジなどの締結具が挿通されて、支持プレート12に対して電源装置70が取り付けられる。
【0031】
支持プレート12には、さらに、支持プレート12の短手方向において真ん中又は略真ん中に2つの孔123が設けられている。孔123は、支持プレート12の短手方向において中央の側にある一方の列の孔121の下側に長手方向に沿って所定の間隔をあけて設けられている。
【0032】
(液面検出スイッチ)
図4Aは、液面検出スイッチ20の構成を説明するための斜視図である。
図4Bは、液面検出スイッチ20を正面から見た正面図である。
図4Cは、
図4BにおけるC矢視の断面図である。液面検出スイッチ20は、液面センサ30と、ケーブル40と、ケーブルガイド部材50と、を有する。液面センサ30は、フロート型のセンサである。液面センサ30は、ケーブル40の先端に連結されていて電気接続されている。液面センサ30は、液位が上昇するに伴い、鉛直方向に沿った吊下げ方向においてケーブル40が接続された先端31にケーブル40とは反対側の基端32が近づくように傾くことにより、警戒液位を検知する。
【0033】
液面センサ30は、樹脂性の筐体の内部に、リードスイッチ(図示せず)及び磁石(図示せず)などを有する。液面センサ30は、フロートとしての機能を有し、液面の上下動に連動して傾きを変え、スイッチの接点が開閉するようになっている。なお、液面センサ30は、特に限定されず、公知のフロート型のセンサを使用することができる。
【0034】
液面センサ30は、支持プレート12に対して取付プレート11が延びている側に取り付けられている。つまり、液面センサ30は、取付プレート11の下側に位置し、取付プレート11によって覆われている。
【0035】
液面センサ30の中心を通る軸線30xに沿った液面センサ30の断面形状は、滴形又は略滴形である。軸線30xに対して交差する液面センサ30の断面形状は円形又は略円形である。液面センサ30の断面形状における直径は、ケーブル40が取り付けられた先端31の側から、軸線30xに沿って基端32に向かうに連れて連続的に大きくなった後に基端32に向かって収束している。液面センサ30は、先端31から吊下げ方向において先端31とは反対側にある基端32の中心を延在する軸線30xが、例えば、水平状態に近づいていく過程においてスイッチがオンになる。
【0036】
ケーブル40は、例えば、ポリエチレンなどの絶縁性の外被により導電性の心線が覆われて形成されている。ケーブル40は、その一端で液面センサ30の先端31の側で電気的に接続されている。ケーブル40の他端は、支持プレート12の背後に設けられた電源装置70に接続されている。
【0037】
ケーブルガイド部材50は、平面視円形又は略円形の平盤状の樹脂性の部材であり、ケーブル40を案内するガイド機能及びウェイト(錘)としての機能を有する。ケーブルガイド部材50は、液面センサ30の先端31の側でケーブル40に取り付けられている。
【0038】
液面検出スイッチ20は、後述する固定プレート60を介して支持プレート12に支持された状態(以下、「支持状態」ともいう)において、ケーブルガイド部材50の中心を通る軸線50xに沿った方向に面する一対の側面51aが鉛直方向又は略鉛直方向に沿って延びており、周方向に延びる周面51bで支持プレート12に少なくとも部分的に、例えば、線接触している。
【0039】
ケーブルガイド部材50は、その内部にケーブル案内路52を有する。ケーブル案内路52は、ケーブルガイド部材50の内部を貫通して形成された貫通路である。支持状態において、ケーブル案内路52は、上方から下方に向かってケーブル40を案内する。ケーブル案内路52は、周面51bに、ケーブル40がケーブルガイド部材50の内部に導入される始端となる導入口(導入部)53と、ケーブル40がケーブルガイド部材50から外部に導出される終端となる導出口(導出部)54と、を有する。導入口53及び導出口54はそれぞれ、ケーブルガイド部材50の軸線50xに沿った幅50Wにおいてほぼ中心に設けられている。
【0040】
支持状態において、ケーブル案内路52は、鉛直方向又は略鉛直方向に沿ってケーブルガイド部材50の軸線50xに向かって直線状に延び、次いで、軸線50x付近から支持プレート12に対して接近する方向及び離間する方向にそれぞれ直線状に延びている。
【0041】
ケーブル案内路52の導入口53は、支持状態において、鉛直方向又は略鉛直方向に上方に向かって開口した部分である。ケーブル案内路52の導出口54は、支持状態において、導入口53に対して反対の側(下側)に位置している。導出口54は、導入口53から導入されて鉛直方向又は略鉛直方向に延びるケーブル40の延び方向を変更する位置に設けられている。具体的には、導出口54は、導入口53に対して径方向に対向するケーブルガイド部材50の位置から周方向にずれた位置に設けられていて、支持状態において、支持プレート12を向く側と、支持プレート12とは反対の側に設けられている。本実施の形態においては、ケーブル40は、支持プレート12とは反対の側に設けられている導出口54から導出されている。
【0042】
導出口54にはサポート部材55が同心的に設けられている。サポート部材55は、例えば、樹脂などの材料により形成された筒状の部材である。サポート部材55は、導出口54から導出されたケーブル40が導出口54の縁に接触しないように、ケーブル40を径方向において外方に案内している。液面センサ30は、ケーブル40とサポート部材55との接点を起点にして、液位の変動時にケーブル40を介して運動する。
【0043】
図5Aは、固定プレート60を外側から見た斜視図である。
図5Bは、固定プレート60を内側から見た斜視図である。
図5Cは、固定プレート60の平面図である。液面検出スイッチ20は、固定部材として、2枚(一対)の固定プレート60を含む。固定プレート60はそれぞれ、ケーブルガイド部材50を側面51aから挟み込むようにして支持プレート12に固定されている。
【0044】
固定プレート60は、金属製又は樹脂製などの材料により形成されている。固定プレート60は、平面視において角丸長方形を半分に切断した形状を有している。支持状態において、固定プレート60は、ケーブルガイド部材50の側面51aを略覆っており、各固定プレート60は、支持プレート12に対して直角又は略直角をなして固定されている。
【0045】
各固定プレート60は、当接部61と、2つの固定部62と、2つの係合部63と、を有する。支持状態において、当接部61は、ケーブルガイド部材50の側面51aに接触する部分である。支持状態において、支持プレート12とは反対の側の当接部61の先端縁61bは丸味を持って形成されていて、支持プレート12に面する側の当接部61の縁には2つの延出部61aが形成されている。2つの延出部61aはそれぞれ、当接部61から突出した部分であり、支持状態において、支持プレート12に高さ方向Hに互いに所定の間隔をあけて設けられている。
【0046】
固定部62は、延出部61aに対して直角又は略直角をなして形成された部分である。支持状態において、2枚の固定プレート60は、固定部62が互いに異なる方向に延出するように支持プレート12に取り付けられている。各固定部62には孔62aが形成されている。各固定部62の孔62aが支持プレート12の孔121と整合して、両孔62a,121に所定のネジなどの締結具が挿通されることにより、固定プレート60は支持プレート12に固定される。
【0047】
2つの係合部63は、当接部61の丸味を帯びた先端縁61bの側に設けられている。支持状態において、各固定プレート60における2つの係合部63は、高さ方向Hに互いに所定の間隔をあけて設けられている。ここで「高さ方向H」とは、支持状態において、支持プレート12の長手方向に一致する。係合部63は、支持状態における上側の係合部63uと、支持状態における下側の係合部63dと、を含む。なお、以下において上側の係合部63uと、下側の係合部63dと、を区別しない場合には、単に、「係合部63」と記載する。
【0048】
係合部63は、突出部63aと、爪部63bと、を有する。突出部63aは、当接部61から同一平面において外側に突出した部分である。爪部63bは、突出部63aの先端側に位置し、突出部63aに対して直角又は略直角をなしている。爪部63bは、支持状態において、ケーブルガイド部材50の周面51bに対向するようにして当接(係合)している。つまり、支持状態において、係合部63は、爪部63bによってケーブルガイド部材50をその周面51bにおいて支持プレート12に向かって押し付けている。
【0049】
図6は、固定プレート60がケーブルガイド部材50に係合した状態を示す図である。支持状態において、相対的に上側の係合部63uは、導入口53の近傍で、導入口53に対して支持プレート12とは反対の側でケーブルガイド部材50の周面51bに係合している(
図2参照)。具体的には、係合部63uは、固定プレート60を線対称とする対称線60l及び軸線50xに基づいて、支持状態において上側に約35°の位置から、支持プレート12の側にわたって、例えば、約40°の角度範囲θ1内に設けられている。
【0050】
支持状態において、下側の係合部63dは、導出口54の近傍で、導出口54に対して支持プレート12の側でケーブルガイド部材50の周面51bに係合している(
図2参照)。具体的には、係合部63dは、対称線60l及び軸線50xに基づいて、支持状態において下側に約35°の位置から、支持プレート12の側にわたって、例えば、約40°の角度範囲θ2内に設けられている。なお、本実施の形態における下側の係合部63dは、支持状態において、導出口54に対して支持プレート12の側に位置するが、上記角度範囲θ2の範囲であれば、導出口54に対して支持プレート12とは反対の側に位置していてもよい。
【0051】
図7は、液面センサ30が接触する箇所を想定した図である。図中の2つの仮想円Vc1,Vc2は、液面センサ30の最大直径Dに基づく球体の仮想円である。2つの仮想円Vc1,Vc2の位置は、液面センサ30がケーブル40と重ならず、ケーブルガイド部材50と接触することがある2つの位置を例示している。
【0052】
仮想円Vc1は、液面センサ30が上昇して取付プレート11と接触した状態を示している。液面センサ30の仮想円Vc1は、取付プレート11と、取付プレート11の側に面するケーブルガイド部材50の周面51bと接触している。支持状態において、固定プレート60の係合部63uは、仮想円Vc1とケーブルガイド部材50の周面51bとの接線(接点)から外れた位置にある。この状態において、仮想円Vc1は、固定プレート60の係合部63uと接触しない。
【0053】
一方、仮想円Vc2は、液面センサ30が上昇して支持プレート12と接触した状態を示している。液面センサ30の仮想円Vc2は、支持プレート12と、取付プレート11とは反対の側に面するケーブルガイド部材50の周面51bと接触している。支持状態において、固定プレート60の係合部63dは、仮想円Vc2とケーブルガイド部材50の周面51bとの接線(接点)から外れた位置にある。この状態において、仮想円Vc2は、固定プレート60の係合部63dと接触しない。
【0054】
固定プレート60の上側の係合部63u及び下側の係合部63dは、上記の角度範囲θ1,θ2の関係を満たす位置、及び仮想円Vc1,Vc2とケーブルガイド部材50との接線上から外れた位置に設けられている場合、液面センサ30が液面の変化に伴い上下動して移動した場合であっても、液面センサ30は、固定プレート60の上側の係合部63u及び下側の係合部63dと接触しない。
【0055】
(電源装置)
電源装置70は、液面センサ30とは反対の側で支持プレート12に取り付けられている。電源装置70にはケーブル40が電気的に接続されている。電源装置70は、液面センサ30に対してケーブル40を介して電力を供給している。電源装置70は、接続部71を有している(
図2参照)。電源装置70とケーブル40とは、接続部71において電気的に接続されている。
【0056】
(液面センサの動作)
液面センサ30が検知する警戒液位は、グレーチング200から液面センサ30の吊下げ方向に沿って、所定の間隔をあけた位置に任意に設定される。液面が警戒液位に達すると、例えば、グレーチング200から水が溢れ出すおそれがあることの指標となる。
【0057】
例えば、液面センサ30は、基端32から所定の高さ位置における液位を検知するようになっている。支持プレート12に取り付ける液面検出スイッチ20の位置を調整して、液面センサ30の吊り下げ位置を適宜変更することができる。これにより、軸線30xを通る基端32からの所定の高さ位置を、任意に設定された警戒液位に対応させることができる。
【0058】
グレーチング200を通じて流入する雨量の増加に伴い、液面が液面センサ30の基端32にまで達すると液面センサ30が浮かび出す。液面センサ30は、ケーブルガイド部材50の導出口54から延出したケーブル40の部分とともに傾きながら支持プレート12から離れるように浮き上がる。
【0059】
液面センサ30は、浮力より質量が大きくなっている。液面センサ30において浮力の中心点は基端32の側にあり、液面センサ30の重心は先端31の側に位置している。浮力の中心点と重心とがずれていることにより、液面センサ30に回転モーメントが発生する。回転モーメントの発生により、液面センサ30は、液面が上昇するに伴い、液面センサ30の先端31が傾いて、吊り下げ方向において液面センサ30の先端31と基端32とが接近し、軸線30xが水平又は略水平に近づく。
【0060】
例えば、液面が警戒液位にまで達して、液面センサ30の軸線30xが所定の角度を超えると、リードスイッチがオンになり、液面センサ30は、雨水マス100内の液面が警戒液位に達したことを警告する信号を外部機器に送信する。
【0061】
以上のような液面検知ユニット1によれば、警戒液位を正確に検知することが可能になる。ケーブルガイド部材50が設けられていない場合、ケーブル40が振られることにより液面センサ30が揺れ、検知位置がずれることがある。これに対して、本実施の形態に係る液面検知ユニット1においては、ケーブル40を案内するケーブルガイド部材50が固定プレート60により支持プレート12に取り付けられているので、ケーブルガイド部材50に対して上流側で、自由になっているケーブル40の部分が、例えば、進入する風又は流れ込む水により大きく振られたとしても、この振れによる不都合な影響は、ケーブルガイド部材50に対して下流側のケーブル40の部分と連結している液面センサ30には伝わらない。
【0062】
また、ケーブルガイド部材50を直接的に支持プレート12に固定した場合、例えば、強風などの外乱がケーブルガイド部材50に作用することになる。この場合、支持プレート12に対するケーブルガイド部材50の固定部分にも大きな負荷がかかり、固定部分が破損するおそれがある。これに対して、本実施の形態に係る液面検知ユニット1においては、ケーブルガイド部材50は、別体の一対の固定プレート60により挟持されて支持プレート12に固定されているので、支持プレート12に対してケーブルガイド部材50をより安定的に固定することができる。
【0063】
さらに、ケーブルガイド部材50は、固定プレート60の係合部63により、ケーブル40の吊下げ方向において上下位置の2箇所で支持プレート12に向かって押さえ付けられている。係合部63により、固定プレート60の一方の固定部62における少なくとも1つの締結具が緩んだ場合であっても、支持プレート12に対するケーブルガイド部材50の位置を保持することができる。また、ケーブルガイド部材50は、係合部63による2箇所、及び支持プレート12に対する一の接触箇所の3箇所で安定的に保持されるので、警戒液位の正確な検知が可能になる。
【0064】
さらに、係合部63は、ケーブル40の吊下げ方向において異なる高さ位置に設けられているので、高さ方向Hにおいて上側及び下側からケーブルガイド部材50をより安定的に支持プレート12に対して固定することができる。
【0065】
さらに、係合部63は、導出口53の近傍に設けられているので、例えば、液面センサ30が振られたとしても、係合部63に液面センサ30が衝突することを回避することができ、液面センサ30の損傷の可能性を減じることができる。液面センサ30が固定プレート60の当接部61と接触する場合には面での接触となる一方、液面センサ30が係合部63の部分と接触する場合には、係合部63の形状に沿ったエッジに液面センサ30が接触することがある。そのため、係合部63は、液面センサ30が揺動したとしても接触しない位置に設けて、液面センサ30と係合部63との接触を避けるようにすることは、液面センサ30の損傷などの観点から重要である。
【0066】
さらに、取付プレート11は、グレーチング200に取り付けられた状態において、液面センサ30を上方から覆うようになっている。これにより、例えば、雨水が雨水マス100内に流入してきた場合、取付プレート11がいわゆる屋根となり、流入する雨水による液面センサ30による液面の検知に対する影響を最小限に抑えることができる。
【0067】
<固定プレートの変形例>
上記の本実施の形態においては、固定部材は、一対の固定プレート60を含んでいたが、一枚の固定プレート60Aであってもよい。
図8Aは、変形例に係る固定プレート60Aを備えた液面検知ユニット1Aを一方の側から見た斜視図である。
図8Bは、変形例に係る固定プレート60Aを備えた液面検知ユニット1Aを他方の側から見た斜視図である。以下、固定プレート60と異なる部分について主として説明し、固定プレート60と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。固定プレート60Aは、ケーブルガイド部材50の一方の側面51aにのみ設けられていて、他方の側面51aには設けられていない。
【0068】
図9は、変形例に係る固定プレート60Aの斜視図である。固定プレート60Aは、当接部61と、2つの固定部62と、2つの係合部63Aと、を有する。支持状態において、当接部61は、ケーブルガイド部材50の一方の側面51aに接触する部分である。支持状態において、支持プレート12とは反対の側の当接部61の縁は丸味を持って形成されていて、支持プレート12に面する側の当接部61の縁には2つの延出部61aが形成されている。支持状態において、2つの延出部61aはそれぞれ、高さ方向Hに互いに所定の間隔をあけて設けられている。
【0069】
2つの係合部63Aは、当接部61の丸味を帯びた先端縁61bに設けられている。支持状態において、固定プレート60Aにおける2つの係合部63Aは、高さ方向Hに互いに所定の間隔をあけて設けられている。
【0070】
係合部63Aは、支持状態において、上側の係合部63Auと、下側の係合部63Adと、を含む。なお、以下において上側の係合部63Auと、下側の係合部63Adと、を区別しない場合には、単に、「係合部63A」と記載する。
【0071】
係合部63Aは、突出部63Aaと、爪部63Abと、折返部63Acを有する。突出部63Aaは、当接部61から同一平面において外側に突出した部分である。爪部63Abは、突出部63Aaの先端側に位置し、突出部63Aaに対して直角又は略直角をなしている。爪部63Abは、支持状態において、ケーブルガイド部材50の周面51bに対向するようにして当接(係合)している。つまり、支持状態において、係合部63Aは、爪部63Abによってケーブルガイド部材50をその周面51bにおいて支持プレート12に向かって押し付けている。
【0072】
折返部63Acは、突出部63Aaとは反対の側の爪部63Abの先端側に位置している。折返部63Acは、爪部63Abに対して直角又は略直角をなして突出部63Aaと対向する方向に延びている。支持状態において、折返部63Acは、固定プレート60Aが当接していない側のケーブルガイド部材50の側面51aで当接する。つまり、固定プレート60Aにおいては、当接部61と折返部63Acとで挟持されている。
【0073】
変形例に係る固定プレート60Aを備える液面検知ユニット1Aによっても、液面検知ユニット1が奏する効果と同等の効果を奏することができる。
【0074】
<第2の実施の形態>
図10は、第2の実施の形態に係る液面検知ユニット1Bを示す斜視図である。以下、第1の実施の形態に係る液面検知ユニット1と異なる部分について主として説明し、液面検知ユニット1と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0075】
第2の実施の形態に係る液面検知ユニット1Bは、プレート部材10と、2つの液面検出スイッチ20,80と、2組の固定プレート(固定部材)60,60Bと、電源装置70と、延長フレーム90と、を備える。2つの液面検出スイッチ20,80のうち、一方の第1の液面検出スイッチ20は、プレート部材10の支持プレート12に固定されていて、他方の第2の液面検出スイッチ80は、第1の液面検出スイッチ20に対して下側に設けられている。
【0076】
第2の実施の形態における液面検出スイッチ80は、液面センサ30Bと、ケーブル40Bと、ケーブルガイド部材50Bと、を有する。第2の液面検出スイッチ80の液面センサ30B、ケーブル40B及びケーブルガイド部材50Bは、それぞれ第1の液面検出スイッチ20の液面センサ30、ケーブル40及びケーブルガイド部材50と同じ構成を有している。第2の実施の形態において、ケーブルガイド部材50Bは、一対の固定プレート60Bにより挟まれることにより、取付板91に取り付けられている。
【0077】
延長フレーム90は、例えば、アルミニウムなどの金属又はプラスチックなどの樹脂により製造されている。例えば、長手方向に直交する延長フレーム90の断面形状は、四角形又は略四角形である。各面において延長フレーム90は、T溝を有している。T溝には先入れナット(図示せず)が挿入されている。延長フレーム90は、一方の端部で支持プレート12の下側端部の側に形成された孔123と先入れナットとが整合されており、ネジなどの締結具により連結されている。
【0078】
延長フレーム90の他方の端部には取付板91が設けられている。取付板91は、延長フレーム90のT溝に挿入された先入れナット(図示せず)の位置に対応した位置に取り付けることができる。第2の実施の形態に係る液面検知ユニット1Bによれば、延長フレーム90にその長手方向に沿って取付板91を自由に取り付けることができる。これにより、支持プレート12に取り付けられた第1の液面検出スイッチ20より下側において、第2の液面検出スイッチ80によりさらに別の検出したい液位を設定することができる。
【0079】
第2の実施の形態に係る液面検知ユニット1Bによれば、第1の実施の形態に係る液面検知ユニット1が奏する効果と同様の効果を奏することができる。さらに、第2の液面検出スイッチ80により、例えば、第1の液面検出スイッチ20が検出する警戒液位に液面が達する前段階において、液面の上昇を早期に検出することができる。第2の液面検出スイッチ90により、予備的な警戒液位を設定することができるので、例えば、病院、介護施設などの避難に時間を要する施設周辺の排水設備においてより早い段階で警告を発することができる。
【0080】
<その他>
以上、本発明の好適な実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態及び変形例における各構成要素の形状、材料、配置、サイズなどは、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0081】
1,1A,1B・・・液面検知ユニット
10・・・プレート部材
11・・・取付プレート、12・・・支持プレート
20,80・・・液面検出スイッチ
30・・・液面センサ、40・・・ケーブル、50・・・ケーブルガイド部材、53・・・導入口(導入部)、54・・・導出口(導入部)、60,60A・・・固定プレート(固定部材)、63,63A・・・係合部
70・・・電源装置
90・・・延長フレーム(延長部材)
100・・・雨水マス(排水設備)