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特許7482972ゲノムテストステータスを特定するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】ゲノムテストステータスを特定するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20240507BHJP
【FI】
G16H10/40
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022180224
(22)【出願日】2022-11-10
(62)【分割の表示】P 2022523722の分割
【原出願日】2020-10-21
(65)【公開番号】P2023036575
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】62/923,684
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519349872
【氏名又は名称】フラティロン ヘルス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リウ,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チュン-チェ
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,ルーシー
(72)【発明者】
【氏名】シェリー,アディソン
(72)【発明者】
【氏名】パドモス,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】レオン,エンジェル
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ドネガン,ジャネット
(72)【発明者】
【氏名】サットン,ローレン
(72)【発明者】
【氏名】パドック,シャラン
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-194595(JP,A)
【文献】特表2017-527050(JP,A)
【文献】特表2005-534082(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0287681(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治験のための患者を識別するシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサ
を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、
選択された治験のインジケーションを受信することであって、前記選択された治験はテストステータス基準と関連付けられている、受信することと、
複数の患者のうちのある患者と関連付けられた複数の患者記録にアクセスすることと、
機械学習モデルを使用し、前記患者記録の少なくとも1つからの非構造化情報に基づいて、前記患者のゲノムテストの発生尤度を特定することと、
前記特定されたゲノムテストの発生尤度に基づいて、前記患者のゲノムテストステータスを特定することと、
前記ゲノムテストステータスが前記テストステータス基準を満たすと判断することと、
前記ゲノムテストステータスが前記テストステータス基準を満たすことに基づいて、前記患者を前記複数の患者のサブセットに含めることと、
を行うようにプログラムされる、システム。
【請求項2】
前記選択された治験の前記インジケーションを受信することは、クライアントデバイスのユーザインターフェースを介したユーザ入力として前記選択された治験の前記インジケーションを受信することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記選択された治験の前記インジケーションを受信することは、前記選択された治験を示すサーチ要求を受信することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者の前記特定されたゲノムテストステータスをデータベースに記憶するように更にプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記患者の前記特定されたゲノムテストステータスを記憶することは、前記治験と関連付けられた患者データセットに、前記患者の前記特定されたゲノムテストステータスを記憶することを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ゲノムテストステータスが前記テストステータス基準を満たすと判断することは、前記テストステータス基準と、前記データベース内の前記患者と関連付けられた患者プロファイルとを比較することを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数の患者の前記サブセットを示す表示を行わせるように更にプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記表示は、前記テストステータス基準のインジケーションを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記表示は、前記ゲノムテストステータスのインジケーションを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、追加の機械学習モデルを使用して、前記複数の患者記録の中から一次患者記録を特定するように更にプログラムされ、前記一次患者記録において表現される情報の少なくとも一部は、ゲノムテストに相関する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記患者の前記ゲノムテストの前記発生尤度を特定することは、前記一次患者記録に基づく、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記一次患者記録が特定の記録カテゴリからのものであると判断することと、
前記一次患者記録が前記特定の記録カテゴリからのものであるとの前記判断に基づいて、前記追加の機械学習モデルを使用して前記一次患者記録を特定することと、
を行うように更にプログラムされる、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記複数の患者記録を記録カテゴリに分類することと、
前記記録カテゴリに基づいて前記複数の患者記録の優先順位を決定することと、
前記複数の患者記録の前記優先順位に従って、前記患者の前記ゲノムテストの前記発生尤度を特定することと、
を行うように更にプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記優先順位を決定することは、前記複数の患者記録と関連付けられた日付に基づいて前記複数の患者記録を順序付けることを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者の前記ゲノムテストの前記発生尤度を定期的に特定するように更にプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者と関連付けられた追加の患者記録を受信した後、前記患者の前記ゲノムテストの前記発生尤度を更新するように更にプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者の前記更新されたゲノムテストの発生尤度に基づいて、前記患者のサブセットを更新するように更にプログラムされる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者の検証済みゲノムテストステータスを含む入力を受信するように更にプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の患者記録は、スキャンデバイスを用いて物理的文書をスキャンすることによって生成される少なくとも1つの電子記録を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
治験のための患者を識別する方法であって、
選択された治験のインジケーションを受信することであって、前記選択された治験はテストステータス基準と関連付けられている、受信することと、
複数の患者のうちのある患者と関連付けられた複数の患者記録にアクセスすることと、
機械学習モデルを使用し、前記患者記録の少なくとも1つからの非構造化情報に基づいて、前記患者のゲノムテストの発生尤度を特定することと、
前記特定されたゲノムテストの発生尤度に基づいて、前記患者のゲノムテストステータスを特定することと、
前記ゲノムテストステータスが前記テストステータス基準を満たすと判断することと、
前記ゲノムテストステータスが前記テストステータス基準を満たすことに基づいて、前記患者を前記複数の患者のサブセットに含めることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2019年10月21日付けで出願された米国仮特許出願第62/923,684号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は全体的に、参照により本明細書に援用される。
【0002】
背景
技術分野
[0002] 本開示は、患者のゲノムテストステータスを特定するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景情報
[0003] 癌研究団体は常に、治験に適格な患者を識別するという課題に直面している。多くの場合、患者が治験に参加するのを妨げ得る多くの障壁がある。例えば、ちょうどいいタイミング、例えば治療を受ける準備ができているが、まだ治療を開始していない等の患者を識別することは、数十もの治験が開かれており、各々が1ダース以上の包含基準及び/又は除外基準を有し、毎日数百人もの患者が1つの実施を受ける(又は複数の実施にわたり更に多数)場合、困難である。プロセスを更に複雑にすることは、患者のゲノムテストステータスが日毎に急変化し得、この変化は医師による手書きの備考でしか捕捉することができないことである。これは、不適格なゲノムテストステータスを有する患者が、適格ではない治験に回され、治験の結果を混乱させることに繋がる恐れがある。更に、これは、適格なゲノムテストステータスを有する患者が、本当ならば適格であり得る治験から除外されることに繋がる恐れがある。したがって、これらの課題を解消するために、ゲノムテストステータスに基づいてより効率的に治験にとって適格な患者を識別し、患者にとって適格な治験を識別することが望ましい。更に、治験への患者のマッチングを正確且つ効率的に調整するために、患者のゲノムテストの尤度(例えば患者に対してゲノムテストが少なくとも1回行われたか否か)を予測することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
概要
[0004] 本開示と一貫した実施形態は、患者のゲノムテストステータスを特定するシステム及び方法を含む。本開示の実施形態は、ゲノムステータスが関わるコンピュータ生成アルゴリズムに基づいて治験を特定する既存の技法の1つ又は複数の態様を解消し得る。したがって、本開示の実施形態によるコンピュータ生成アルゴリズムの使用により、患者にとって益になり得る適格な治験の確実な示唆を患者、医師、及び研究者に提供する高速でより効率的な方法が可能になる。
【0005】
[0005] 一実施形態では、患者のゲノムテストステータスを特定するデバイスは、少なくとも1つのプロセッサを含み得、少なくとも1つのプロセッサは、ソースから、患者と関連付けられた複数の患者記録からの非構造化情報を受信することと、第1の機械学習モデルを使用して、複数の患者記録の中から一次患者記録を特定することであって、一次患者記録において表現される情報の少なくとも一部はゲノムテストに相関する、一次患者記録を特定することと、第2の機械学習モデルを使用し、患者記録の1つ少なくとも1つからの非構造化情報に基づいて、患者のゲノムテストの発生尤度を特定することと、特定されたゲノムテストの発生尤度に基づいて、患者のゲノムテストステータスを特定することと、患者のゲノムテストステータスのインジケータ及び一次患者記録へのリンクを含むユーザインターフェースを表示することとを行うようにプログラムされる。
【0006】
[0006] 一実施形態では、患者のゲノムテストステータスを使用して治験を決定する方法は、ソースから患者と関連付けられた複数の患者記録を受信することと、第1の機械学習モデルを使用して、複数の患者記録の中から一次患者記録を特定することであって、一次患者記録において表現される情報の少なくとも一部はゲノムテストに相関する、一次患者記録を特定することと、第2の機械学習モデルを使用し、患者記録の少なくとも1つに基づいて、患者のゲノムテストの発生尤度を特定することと、特定されたゲノムテストの発生尤度に基づいて、患者のゲノムテストステータスを特定することと、患者のゲノムテストステータスのインジケータ及び一次患者記録へのリンクを含むユーザインターフェースを表示することとを含み得る。
【0007】
[0007] 一実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は命令を含んでもよく、命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、ソースから患者と関連付けられた複数の患者記録を受信することと、第1の機械学習モデルを使用して、複数の患者記録の中から一次患者記録を特定することであって、一次患者記録において表現される情報の少なくとも一部はゲノムテストに相関する、一次患者記録を特定することと、第2の機械学習モデルを使用し、患者記録の少なくとも1つに基づいて、患者のゲノムテストの発生尤度を特定することと、特定されたゲノムテストの発生尤度に基づいて、患者のゲノムテストステータスを特定することと、患者のゲノムテストステータスのインジケータ及び一次患者記録へのリンクを含むユーザインターフェースを表示することとを行わせる。
【0008】
図面の簡単な説明
[0008] 添付図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部をなし、説明と一緒に種々の例示的な実施形態の原理を示し説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]本開示と一貫した、1人若しくは複数人の示唆された患者を治験に提供し、又は1つ若しくは複数の示唆された治験を患者に提供する例示的なシステムを示すブロック図である。
図2】[0010]本開示と一貫した、1人若しくは複数人の示唆された患者を治験に提供し、又は1つ若しくは複数の示唆された治験を患者に提供する例示的な計算デバイスを示すブロック図である。
図3A】[0011]本開示と一貫した、患者情報を提供する例示的なニューラルネットワークを示す図である。
図3B】[0012]ゲノムテストステータスを特定する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図4A】[0013]本開示と一貫した患者及び示唆された治験の情報を提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図4B】[0013]本開示と一貫した患者及び示唆された治験の情報を提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図4C】[0013]本開示と一貫した患者及び示唆された治験の情報を提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図4D】[0013]本開示と一貫した患者及び示唆された治験の情報を提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図4E】[0013]本開示と一貫した患者及び示唆された治験の情報を提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図4F】[0013]本開示と一貫した患者及び示唆された治験の情報を提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図5】[0014]本開示と一貫した患者記録を浮上させる例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図6A】[0015]実現可能な解析を提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図6B】[0015]実現可能な解析を提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図6C】[0015]実現可能な解析を提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
図7】[0016]本開示と一貫した、示唆された1人又は複数人の患者を治験に提供する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図8】[0017]本開示と一貫した、示唆された1つ又は複数の治験を提供する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
[0018] 以下の詳細な説明は添付図面を指す。可能な場合は常に、同じ参照番号が図面及び以下の説明において同じ又は同様の部分を指すのに使用される。幾つかの説明のための実施形態が本明細書に記載されるが、改変、適合、及び他の実施も可能である。例えば、置換、追加、又は改変を図面に示されている構成要素に対して行うことができ、本明細書に記載される説明のための方法は、開示された方法へのステップの置換、並び替え、削除、反復、又は追加によって改変し得る。更に、説明のための方法におけるステップのいずれかは連続して又は同時に実行し得る。したがって、以下の詳細な説明は、開示される実施形態及び例に限定されない。代わりに、適切な範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0011】
[0019] 本明細書における実施形態は、コンピュータ実施方法、有形非一時的コンピュータ可読媒体、及びシステムを含む。コンピュータ実施方法は、例えば、命令を非一時的コンピュータ可読記憶媒体から受信する少なくとも1つのプロセッサ(例えば処理デバイス)によって実行し得る。同様に、本開示と一貫したシステムは、少なくとも1つのプロセッサ(例えば処理デバイス)及びメモリを含み得、メモリは非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり得る。本明細書で使用されるとき、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって可読の情報又はデータを記憶し得る任意のタイプの物理的メモリを指す。例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ハードドライブ、CD ROM、DVD、フラッシュドライブ、ディスク、及び任意の他の既知の物理的記憶媒体がある。「メモリ」及び「コンピュータ可読記憶媒体」等の単数形の用語は、複数の構造、そのような複数のメモリ、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体も同様に参照し得る。本明細書で参照するとき、「メモリ」は、別記される場合を除き、任意のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサに本明細書における一実施形態と一貫したステップ又はステージを実行させる命令を含め、少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を記憶し得る。更に、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ実施方法を実施するに当たり利用し得る。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、有形品を含み、搬送波及び一過性の信号を除外するものとして理解されるべきである。
【0012】
[0020] この開示では、ゲノムテストステータスに基づいて1人又は複数人の患者を治験に選択し、及び/又は1つ又は複数の治験を患者に選択するシステムが開示される。
【0013】
[0021] 図1は、詳細に後述する本開示と一貫した実施形態を実施する例示的なシステム100を示す。図1に示すように、システム100は、1つ又は複数のクライアントデバイス101、計算デバイス102、データベース103、及びネットワーク104を含み得る。この開示から、これらの構成要素の数及び配置が例示的なものであり、説明を目的として提供されていることが理解されよう。本開示の教示及び実施形態から逸脱せずに他の配置及び数の構成要素を使用することも可能である。
【0014】
[0022] クライアントデバイス101(例えばクライアントデバイス101-1、101-2、101-3)は、新たな治験を作成するためのユーザ入力をユーザから受信し、及び/又は本明細書で考察される任意のプロセスの任意のステップを実行するように構成し得る。例えば、クライアントデバイス101はクリニックに存在し得、ユーザ(例えば医師又は管理者)は、新たな治験ポートフォリオを作成するための情報をクライアントデバイス101の入力デバイス(入力デバイス153等)に入力し得る。治験ポートフォリオは、治験のグループ、特定の基準を満たす治験のグループ、治験の患者グループについての患者情報、又は治験の作成若しくは管理に関連する任意の他の情報を含み得る。クライアントデバイス101は、プロセッサ、メモリ、入力デバイス、出力デバイス、又は他の計算構成要素を含み得る。例えば、クライアントデバイス101は、計算デバイス102の構成要素に対応する構成要素を有し得る。例として、ユーザは新たな治験を作成するために、識別番号(例えば国内臨床試験(NCT)番号又は臨床試験政府識別子)をクライアントデバイス101のインターフェースに入力し得、クライアントデバイス101は識別番号を計算デバイス102に送信し得る。計算デバイス102は、識別番号に基づいて新たな治験の治験ポートフォリオを作成し得る。クライアントデバイス101はまた、計算デバイス102から情報を受信し、受信した情報を提示することもできる。例えば、クライアントデバイス101は、計算デバイス102から、1つ又は複数の治験に対して示唆された患者に関連する情報を受信し、その情報をクライアントデバイス101のインターフェースにおいてユーザに対して提示し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101-1、101-2、及び101-2は同じ場所又は異なる場所に存在し得る。
【0015】
[0023] 計算デバイス102は、クライアントデバイス101から、新たな治験ポートフォリオを作成するのにクライアントデバイス101から情報を受信するように構成し得る。計算デバイス102はまた、計算デバイス102から受信した情報に基づいて治験ポートフォリオを作成することもできる。計算デバイス102によって受信する治験情報は、ゲノムテスト適格性制限等の治験と関連付けられた治験適格性基準の少なくとも一部を含み得る。計算デバイス102は、治験情報に基づいて治験の新たな治験ポートフォリオを作成することもできる。治験ポートフォリオは、患者が治験に適格であるか否かを判断するための1つ又は複数の治験適格性基準を含み得る。例えば、治験適格性基準は、適格な患者が検証済みゲノムテストステータスを有さなければならないというゲノムテスト制限を含み得る。計算デバイス102は更に、治験適格性基準(本明細書では「患者-治験マッチングアルゴリズム」と呼ばれることがある)に基づいて新たな治験に適格な1人又は複数人の患者を示唆するアルゴリズムを自動的に生成し得る。例えば、計算デバイス102は、治験適格性基準に基づく式ツリーを表すアルゴリズムを自動的に生成し得、式ツリーのノード及び/又はリーフは治験適格性基準を表し得る。幾つかの実施形態では、適格性強度を特定し得、これは患者が1組の基準に合致する程度に基づき得る。例えば、1組の基準に90%合致する患者は、1組の基準に50%合致する患者よりも大きな適格性強度を有し得る。別の例として、「テスト実施済み」のインジケータを含む検証済みゲノムテストステータスを有する患者は、検証されていない「テスト実施済み」のインジケータ(又は別のインジケータでさえも)を有する予測ゲノムテストステータスのみを有する患者よりも、「テスト実施済み」の適格性制限を有する治験でより高い適格性強度を有し得る。幾つかの実施形態では、適格性強度は、クライアントデバイス101、計算デバイス102、及び/又は患者データの管理に適した任意の他のデバイスによって記憶及び/又は送信し得る。幾つかの実施形態では、適格性強度は、好ましいと指定されている基準について特定されてよいが、適格性への絶対制限として指定される(例えば、クライアントデバイス101及び/又は計算デバイス102において入力し得る指定)基準については特定されなくてよい。
【0016】
[0024] 計算デバイス102は、複数の患者と関連付けられた電子医療記録を取得し、患者-治験マッチングアルゴリズム及び電子医療記録に基づいて1人又は複数人の患者が治験に適格であり得るか否かを判断するように構成することもできる。例えば、計算デバイス102は、1つ又は複数のクリニック(例えばクライアントデバイス101と関連付けられたクリニック)の患者と関連付けられた電子医療記録を取得し得る。電子医療記録(EMR)は、患者名、患者年齢、患者性別、医療識別番号、医師名、介護者名、来院日、来院結果、テスト、テスト結果、バイオマーカインジケータ、診断、予後、投薬、投与量、疾患、医療症状、及び/又は患者の健康に関連する任意の他の情報等の多様な患者情報を含み得る。そのような情報は、構造化情報及び/又は非構造化情報の組合せとして記憶及び/又は受信し得る。例えば、構造化情報は一般に、データフィールドの組合せ等の所定のデータ構造に編成された情報を指す。他方、非構造化情報は一般に、特定の構造ではなく、したがって、機械によって即座に可読の言語で存在しなくてよい情報(例えば手書きテキスト、手書きテキストに光学文字認識を適用して機械可読データへのテキストの変換を助け得る)を指す。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101及び/又は計算デバイス102は、非構造化情報を解析して、ユーザ構成可能であり得る所定のデータ構造に向けて構造化された情報を生成するように構成し得る。更なる実施形態では、クライアントデバイス101及び/又は計算デバイス102は、非構造化情報を解析して、特定の事象(例えばゲノムテストの発生)の尤度について予測するように構成し得る。
【0017】
[0025] 更に、クライアントデバイス101及び/又は計算デバイス102は、入力情報を受信し、及び/又はコンピュータ化モデル(例えば患者-治験マッチングモデル、ニューラルネットワーク300Aに基づくニューラルネットワークモデル)に向けて処理するように構成し得る。例えば、クライアントデバイス101は、スキャンデバイスを含んでもよく、又はスキャンデバイスに接続されてもよく、スキャンデバイスは患者と関連付けられた文書(例えば非構造化データを含む文書)をスキャンし得る。例えば、スキャンデバイス(例えばポータブル文書スキャナ)は、医者からの手書き備考をスキャンし、それをイメージ又は他のデータエンティティ(例えば構造化データ)に変換し得る。計算デバイス102は、患者-治験マッチングアルゴリズム並びに電子医療記録(例えば構造化データ及び/又は非構造化データを含む記録)、及び電子医療記録に含まれるか、又は他の方法で患者と関連付けられた、関連付けられた患者文書に基づいてクリニックの患者の中から、治験に適格であり得る1人又は複数人の患者を特定し得る。
【0018】
[0026] 例として、計算デバイス102は、電子医療記録(例えば年齢、疾患、バイオマーカ)に基づく各患者の数字及び/又は文字の組合せを有する名前付きタプルを作成し得る。計算デバイス102は、患者と関連付けられた、作成された名前付きタプルを式ツリーと突き合わせて評価し得、各患者の適格性を表す数字を返し得る。例えば、式ツリーアルゴリズムは、不適格の場合には「0」、又は適格の場合には「1」を出力し得る。代替的には、アルゴリズムは、各患者の適格性を示す確率値(例えば非整数)を出力し得る。式ツリーアルゴリズムの出力を使用して、患者を治験とマッチングし得る。例えば、計算デバイス102は、「1」又は「1」から所定の距離内の値の出力を受信する患者を決定し、それらの患者と関連付けられた患者情報をクライアントデバイス101に送信し得る(例えば、クライアントデバイス101に、バイオマーカ等のそれらの患者に関連する情報を表示させるために)。
【0019】
[0027] 計算デバイス102は、新たな治験に適格な示唆された1人又は複数人の患者を出力するように更に構成し得る。例えば、計算デバイス102は、示唆された1人又は複数人の患者を出力デバイス(例えばディスプレイ、プリンタ)に出力し得る。それに代えて又はそれに加えて、計算デバイス102は、示唆された1人又は複数人の患者を表す情報をクライアントデバイス101に表示する命令を送信し得、クライアントデバイス101は情報をユーザに提示し得る。
【0020】
[0028] 幾つかの実施形態では、計算デバイス102は、示唆された1つ又は複数の治験を患者に提供するように構成し得る。例えば、ユーザは、クライアントデバイス101(又は計算デバイス102)の入力デバイスを介して患者を選択し得、計算デバイス102は、1つ又は複数の患者-治験マッチングアルゴリズム及び患者と関連付けられた電子医療記録に基づいて患者が適格であり得る1つ又は複数の治験を提供し得る。
【0021】
[0029] 幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101及び計算デバイス102は、本明細書に開示されるクライアントデバイス101及び計算デバイス102の機能を実行するように構成された1つのデバイスに統合し得る。例えば、ユーザは、計算デバイス102の入力デバイス153を介して新たな治験を作成するための情報を入力し得、計算デバイス102は、出力デバイス(例えば後述する出力デバイス154)を介して新たな治験に示唆された1人又は複数人の患者を表示し得る。
【0022】
[0030] データベース103は、システム100の1つ又は複数の構成要素についての情報及びデータを記憶するように構成し得る。例えば、データベース103は、1人又は複数人の患者と関連付けられた電子医療記録を記憶し得る。データベース103は、1つ又は複数の治験に関連する情報を記憶することもできる。例えば、データベース103は、ゲノムテスト基準等の各治験と関連付けられた治験適格性基準を記憶し得る。幾つかの実施形態では、データベース103は、治験に示唆された1人又は複数人の適格な患者及び/又は患者に示唆された1つ又は複数の適格な治験を決定する患者-治験マッチングアルゴリズムを記憶することもできる。クライアントデバイス101及び/又は計算デバイス102は、ネットワーク104を介してデータベース103に記憶されたデータにアクセスし取得するように構成し得る。幾つかの実施形態では、データベース103は第三者によって運営し得る。例えば、計算デバイス102は、データベース103から特定の治験に関連する情報を要求し得、データベース103は要求された情報を計算デバイス102に送信し得る。例として、計算デバイス102は、治験識別子(例えばNCT番号)をデータベース103に送信することによって治験の情報を要求し得、データベース103は要求された情報(例えば治験適格性基準)を計算デバイス102に送信し得る。
【0023】
[0031] ネットワーク104は、システム100の構成要素間の通信を促進するように構成し得る。ネットワーク104は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネットの部分、イントラネット、セルラネットワーク、若しくは近距離ネットワーク(例えばBluetooth(商標)ベースのネットワーク)等、又はこれらの組合せを含み得る。
【0024】
[0032] 図2は例示的な計算デバイス102を示すブロック図である。計算デバイス102は、少なくとも1つのプロセッサ(例えばプロセッサ151)、メモリ152、入力デバイス153、出力デバイス154、及びデータベース160を含み得る。
【0025】
[0033] プロセッサ151は、本願に記載される1つ又は複数の機能を実行するように構成し得る。述べたように、計算デバイス102は、計算デバイス102の種々の構成要素の命令を記憶し得るメモリ152を含み得る。例えば、メモリ152は命令を記憶し得、命令はプロセッサ151によって実行されると、プロセッサ151に本明細書に記載の1つ又は複数の機能を実行させるように構成し得る。
【0026】
[0034] 入力デバイス153は、計算デバイス102のユーザから入力を受信するように構成し得、計算デバイス102の1つ又は複数の構成要素は、入力の受信に応答して1つ又は複数の機能を実行し得る。幾つかの実施形態では、入力デバイス153はタッチスクリーン、キーボード、マイクロホン、スピーカ、触覚デバイス、カメラ、ボタン、ダイアル、スイッチ、つまみ、タッチパッド、ボタン、マイクロホン、ロケーションセンサ、加速度計、カメラ、指紋スキャナ、網膜スキャナ、バイオメトリック入力デバイス、超音波スキャナ、送受信機、入力デバイス、出力デバイス、又は開示される実施形態の方法を実行するための他の入力デバイスを含み得る。例えば、入力デバイス153は、タッチスクリーン(例えば出力デバイス154)に表示されるインターフェースを含み得る。出力デバイス154は、情報及び/又はデータをユーザに出力するように構成し得る。例えば、出力デバイス154は、治験に示唆された1人又は複数人の患者を表示するように構成されたディスプレイ(例えば発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイ等)を含み得る。幾つかの実施形態では、出力デバイス154はタッチスクリーンを含み得る。
【0027】
[0035] データベース160は、計算デバイス102の1つ又は複数の構成要素についての種々のデータ及び情報を記憶するように構成し得る。例えば、データベース160は、治験データベース161、モデルデータベース162、及び電子医療記録(EMR)データベース163を含み得る。治験データベース161は1つ又は複数の治験に関連する情報を記憶するように構成し得る。例えば、治験データベース161は、各治験の治験ポートフォリオを記憶し得、治験ポートフォリオは治験の治験適格性基準を含み得る。治験の治験適格性基準は、治験ステータス、治験疾患、治験治療ライン、適格年齢、治験バイオマーカ基準、予測されるゲノムテスト基準、若しくは検証済みゲノムテスト基準等、又はそれらの組合せを含み得る。当然ながら、基準は特定の属性の存在(例えば特定のゲノムテストステータスを有する)を含み得、又は特定の属性の不在(例えば特定のゲノムテストステータスを有さない)を含み得る。幾つかの実施形態では、治験ポートフォリオは、治験名、若しくは治験の説明等、又はそれらの組合せを含むこともできる。治験データベース161は、治験に対して行われた変更を含む編集履歴を更に記憶し得る。計算デバイス102は、治験データベース161から治験に関連する情報を取得し、必要ならば情報を改変し得る。例えば、計算デバイス102は、新たな治験についての治験ポートフォリオを作成し、治験ポートフォリオを治験データベース161に記憶し得る。
【0028】
[0036] モデルデータベース162は患者-治験マッチングモデル又はアルゴリズムを記憶し得る。患者-治験マッチングアルゴリズムは、治験に適格な1人又は複数人の患者を特定し、及び/又は患者に示唆される1つ又は複数の適格な治験を特定するアルゴリズムを指す。患者-治験マッチングアルゴリズムは、患者データ及びユーザ選択の治験パラメータ等の異なる情報間に結び付きを生み出し得る幾つかの機械構成及び/又はユーザ構成式、変数、データマッピング、及び/又は他のアルゴリズムパラメータを含み得る。アルゴリズムパラメータは、患者情報の続くデータセットに基づいて更新され得、それにより所望の出力を提供し得る。計算デバイス102は、モデルデータベース162からアルゴリズムを取得し得る。幾つかの実施形態では、計算デバイス102は、新たな治験についてのアルゴリズムを作成し、作成されたアルゴリズムをモデルデータベース162に記憶し得る。患者-治験マッチングモデルは、開示される実施形態と一貫した機械学習モデル、データモデル、統計モデル、リカレントニューラルネットワーク(RNN)モデル、長短期記憶(LSTM)モデル、及び/又はニューラルネットワークモデル(例えばニューラルネットワーク300Aを実装する)等のコンピュータ化モデルであり得る。患者-治験マッチングモデルはトレーニング済みであってもよく、又はトレーニングされていなくてもよく、教師ありであってもよく、又は教師なしであってもよい。EMRデータベース163は、患者と関連付けられた電子医療記録を記憶し得る。プロセッサ151は、EMRデータベース163から1つ又は複数の電子医療記録を受信し得る。
【0029】
[0037] 図3Aは例示的なニューラルネットワーク300Aを示す。ニューラルネットワーク300Aは、入力層、1つ又は複数の隠れ層、及び出力層を含み得る。各層は1つ又は複数のノードを含み得る。幾つかの実施形態では、出力層は1つのノードを含み得る。代替的には、出力層は複数のノードを含み得、各ノードはデータを出力し得る。入力層は入力(例えば患者と関連付けられた電子医療記録)を受信するように構成し得る。幾つかの実施形態では、1つの層におけるあらゆるノードは、次の層におけるあらゆる他のノードに接続される。ノードは、その入力の加重和をとり、加重和を非線形活性化関数に渡し得、その結果は、次の層における別のノードの入力として出力し得る。データは左から右に流れ得、最終出力は、全ノードの計算に基づいて出力層において計算し得る。ニューラルネットワーク300Aは、治験への患者の適格性を示す確率を出力し得、これは受信した入力からの情報に基づき得る。ニューラルネットワーク300A等のニューラルネットワークは、患者のゲノムテストステータスの予測に使用し得る。例えば、ニューラルネットワーク300Aの幾つかのノードは、患者情報(例えば構造化情報及び/又は非構造化情報)から特定された情報、ユーザ入力(例えばニューラルネットワークのユーザ定義パラメータ)、検証済みゲノムテストステータス、前のニューラルネットワーク出力、及び/又はニューラルネットワーク300Aの通知構成についての任意の他のデータと関連付けられ得る。
【0030】
[0038] 幾つかの実施形態では、計算デバイス102は、治験と関連付けられた患者-治験マッチングアルゴリズム及び患者の電子医療記録に基づいて、複数の患者と複数の治験との間の患者-治験マッチを特定し得る。例えば、計算デバイス102は、各治験への示唆される1人又は複数人の適格な患者及び/又は各患者への示唆される1つ又は複数の適格な治験を特定し得る。計算デバイス102は、患者と治験との間の関係を表すデータ構造を生成し、データ構造をデータベース(例えばデータベース103、データベース160)に記憶することもできる。計算デバイス102は更に、患者と治験との間の関係を表すデータをユーザに提示し得る。例えば、計算デバイス102は、患者-治験マッチングリポートを生成するように構成し得る。例として、計算デバイス102は、例えば、患者情報(例えば性別、年齢、ロケーション、患者スケジュール、診断、バイオマーカ、予測されるゲノムテストステータス、若しくは検証済みゲノムテストステータス等、又はそれらの組合せ)、治療情報(例えば治療、含まれる薬、及び/又は除外される薬)、及び治験情報(治験名、治験薬、スポンサー、治験タイプ、治験の説明、診断、バイオマーカ基準、若しくは治療ライン等、又はそれらの組合せ)を含め、リポートに現れるデータへのフィルタを定義するユーザ入力を受信し得る。計算デバイス102は、フィルタリングされたデータに合致する患者及び/又は治験をリポートにまとめ得る。
【0031】
[0039] 図3Bは、本開示と一貫した、患者のゲノムテストの発生尤度を予測し、予測尤度に基づいて患者のゲノムテストステータスを特定する例示的なプロセス300Bを示すフローチャートである。プロセス300Bはクライアントデバイス101と関連して説明されるが、プロセス300Bの1つ又は複数のステップがシステムの他の構成要素(例えば計算デバイス102又はプロセッサ151)によって実行されてもよいことを当業者は理解するであろう。これに代えて又はこれに加えて、プロセス300の幾つかのステップは、複数のクライアントデバイス101、複数の計算デバイス102、又はデバイスの任意の組合せによって実行されてもよい。図3Bに示すステップが例示であり、幾つかの実施形態では、ステップを追加、併合、分割、複製、反復、改変、順次実行、並列実行及び/又は削除し得ることを当業者は理解しよう。
【0032】
[0040] ステップ302において、クライアントデバイス101は1つのソース(又は複数のソース)から1人の患者(又は複数の患者)と関連付けられた非構造化情報を受信し得る。幾つかの実施形態では、ソースはクライアントデバイス101からリモートであってもよく、又はクライアントデバイス101自体であってもよい。幾つかの実施形態では、非構造化情報は、スキャンされた文書、EMRに含まれるか、又は他の方法でEMRと関連付けられた非構造化フィールド(例えば手書き備考又は電子備考)、及び/又は患者情報の他の表現等の1つ又は複数の患者記録に含まれ得る。幾つかの実施形態では、非構造化情報は患者と関連付けられた医療データ(例えばゲノムテストステータス、テスト結果、患者年齢、疾患のタイプ、疾患のステージ等)を含み得る。
【0033】
[0041] ステップ304において、クライアントデバイス101は非構造化情報(例えば患者記録における非構造化情報)を解析し得る。幾つかの実施形態では、非構造化情報を解析することは、記録に含まれるパターン又は情報を識別する(例えば患者のゲノムテストの発生を識別、患者名、医師名、研究所名、テスト日、受理日、治療ライン、薬剤等を識別)ことを含み得る。更なる実施形態では、非構造化情報を解析することは、記録の全部又は一部を構造化フォーマットに変換することを含み得る。例として、記録は、構造化情報及び/又は非構造化情報(例えばポータブルドキュメントフォーマット(PDF)記録、拡張可能マークアップ言語(XML)ファイル等)、イメージ、チャート、図、又は医療情報の任意の他のソースを有する電子記録であり得る。幾つかの実施形態では、電子記録はスキャンデバイス(例えばポータブル文書スキャナ、多機能プリンタ等)によって生成し得、スキャンデバイスはネットワーク104に接続し得る。幾つかの実施形態では、複数の患者記録は、スキャンデバイスを用いて物理的文書をスキャンすることによって生成される少なくとも1つの電子記録を含み得る。例えば、スキャンデバイスは、物理的文書をスキャンし、電子記録を生成し得、電子記録は物理的文書からの非構造化情報を含み得る。
【0034】
[0042] 幾つかの実施形態では、非構造化情報を解析することは、ゲノムテスト情報と関連付けられたパターン及び/又は他の情報を識別し、及び/又はゲノムテスト情報を抽出することを含み得、これらは、患者記録を分類し及び/又は優先度を付け(例えばステップ305)、ゲノムテストの発生尤度を予測する(例えばステップ306)及び/又はゲノムテストステータスを予測する(例えばステップ308)のに使用し得る。幾つかの実施形態では、識別されたゲノムテストパターン又は情報及び/又は抽出されたゲノムテスト情報は、患者識別子と関連付けられ得る(例えば文書で識別された患者の電子記録とリンクされ得る)。幾つかの実施形態では、トレーニング済みモデル(例えば計算デバイス102によって実施される)が非構造化情報を解析し得る。トレーニング済みモデルは、限定ではなく、開示される実施形態と一貫したコンピュータソフトウェアモジュール、アルゴリズム、機械学習モデル、データモデル、統計モデル、リカレントニューラルネットワーク(RNN)モデル、長短期記憶(LSTM)モデル、又は別のニューラルネットワークモデル(例えばニューラルネットワーク300A)のいずれか1つであり得る。トレーニング済みモデルは、計算デバイス102又はネットワーク104に接続された別の計算デバイスにおいて実装し得る。幾つかの実施形態では、少なくとも2つのトレーニング済みモデルを使用し得る。例えば、1つのトレーニング済みモデルは患者記録を分類し及び/又は優先度を付ける(ステップ305)ためのものであり、第2のトレーニング済みモデルは患者のゲノムテストの発生を予測する(ステップ306)ためのものである。
【0035】
[0043] 更なる実施形態では、ゲノムテスト情報は構造化情報(例えば患者データセットの一部である構造化情報)から識別し得る。幾つかの実施形態では、ゲノムテスト情報が構造化情報に含まれる場合、ゲノムテストの尤度を予測するステップは省略し得る。幾つかの実施形態では、構造化情報は非構造化情報と関連付けられ得る。例えば、構造化情報及び非構造化情報は同じ患者(例えば同じEMRの一部)と関連付けられ得、構造化情報はステップ302において受信してもよい)。
【0036】
[0044] 幾つかの実施形態では(例えばステップ305の一環として)、クライアントデバイス101は、異なる信頼度と関連付けられ得る記録カテゴリに複数の患者記録を分類し得る。クライアントデバイス101は、複数の患者記録の優先順位を決定することもでき(例えば記録カテゴリに基づいて)、これは後続ステップ(例えばステップ306)で使用し得る。例として、優先順位を決定することは、複数の患者記録と関連付けられた日付に基づいて複数の患者記録を順序付ける(例えば新しい日付を有する記録ほど、高い優先順位にする)ことを含み得る。更に別の例では、優先順位は予め定義された記録カテゴリ(例えば研究所記録カテゴリ、病理記録カテゴリ、遺伝カウンセリング記録カテゴリ、医療提供者備考カテゴリ、テキスト内容カテゴリ等)に基づいて複数の患者記録を順序付けることを含み得る。
【0037】
[0045] ステップ305において、クライアントデバイス101は、複数の患者記録の中から患者記録を特定し得る。幾つかの実施形態では、特定された患者記録は一次患者記録と見なされ得、一次患者記録は、予測に対して相対的に高い影響を有するか、又は他の点でユーザに対して顕著なことを示し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、第1の機械学習モデルを使用して一次患者記録を特定し得る。幾つかの実施形態では、一次患者記録において表現される情報の少なくとも一部はゲノムテスト情報に相関し得る(例えば機械学習モデルによって特定し得る)。例えば、第1の機械学習モデルは、特定の単語、単語の組合せ、単語の頻度、記録フォーマット、記録ソース(例えば研究所)、他の記録属性、又はそれらの組合せ等の記録属性をゲノムテストの発生と関連付けるように構成し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、記録(例えば一次患者記録)が特定の記録カテゴリからのものであると判断し得、記録が特定の記録カテゴリからのものであるとの判断に基づいて、記録が一次患者記録であると判断し得る(例えば第1の機械学習モデルを使用して)。
【0038】
[0046] 幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101(例えばプロセッサを使用する)は、相関と閾値との比較に基づいて一次患者記録を特定し得る。例えば、クライアントデバイス101は、記録が、ゲノムテストの発生と相関する記録属性の十分な組合せとの相関を有すると判断し得る(例えばモデルの重み又は他の要因に従って)。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、クライアントデバイスと関連付けられたエンティティ(例えばユーザインターフェースを表示するように構成されたクライアントデバイス)から閾値を受信し得る。例えば、特定の閾値が特定の研究エンティティ、クリニック等と関連付けられ得る(例えば、特定の研究エンティティ、クリニック等によって設定され得る)。幾つかの実施形態では、患者記録(例えば一次患者記録)は特定されたもの(例えば患者がゲノムテストを受けたか否かの尤度の予測)にリンクし得る。幾つかの実施形態では、一次患者記録は、患者がゲノムテストを受けた尤度の特定後、特定し得る(例えばステップ306において又はステップ308後)。より更なる実施形態では、ステップ305は複数の患者記録を識別することを含み得る。
【0039】
[0047] ステップ306において、クライアントデバイス101は、患者がゲノムテストを受けた尤度(例えばゲノムテストの発生尤度)を特定して、患者テストステータス(例えば「テスト実施済み」、「テスト未実施」、「十分な情報なし」、及び/又は患者のテストの程度と関連付けられた任意の情報)を決定し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、第2の機械学習モデルを使用し、及び/又は患者記録の少なくとも1つに基づいて、患者がゲノムテストを受けた尤度を特定し得る。例えば、第2の機械学習モデルは、少なくとも1つの患者記録からの構造化情報及び/又は非構造化情報を使用して、患者のゲノムテストの発生尤度(例えば患者がゲノムバイオマーカについてテストされた尤度)を予測し得る。機械学習モデルは、患者記録、ゲノムテストステータス、及びユーザ入力の組合せを使用してトレーニングされていることがある。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、複数の患者記録の優先順位(例えばステップ305において決定される)に従って患者のゲノムテストの発生尤度を特定し得る。患者がゲノムテストを受けた尤度は、割合とゲノムテストステータスとの組合せ(例えば80%の可能性で「テスト実施済み」ステータス、10%の可能性で「テスト未実施」ステータス、10%の可能性で「十分な情報なし」ステータス等)として表現し得る。幾つかの実施形態では、患者がゲノムテストを受けた尤度は、複数のそのような組合せとして表現し得る。他の実施形態では、患者がゲノムテストを受けた尤度は、数字(例えば割合)として表現し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、患者がゲノムテストを受けた尤度を定期的に特定し得る。例えば、クライアントデバイス101は、時間単位で測定される時間期間、日数単位で測定される時間期間、又は新たな患者記録の受信頻度に基づいて決定される時間期間の少なくとも1つを使用して患者のゲノムテストの尤度を定期的に特定し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、追加の患者記録を受信した後、患者のゲノムテストの尤度を更新し得る。例えば、特定のタイプ(例えば研究所リポート)の新たな記録、閾値数の記録(例えば1人の患者に関連する2つの記録)、及び/又は閾値数の患者がクリニックに来院した後(例えば医療記録、ユーザ入力等から特定される)を受信した後、クライアントデバイス101は、ゲノムテストの患者の尤度を更新するようにトリガーされ得る。
【0040】
[0048] ステップ308において、クライアントデバイス101は、患者のゲノムテストの特定された発生尤度(例えばステップ306において特定される)に基づいて患者のゲノムテストステータスを特定し得る。ゲノムテストステータスは、「可能性が高い」、「可能性が低い」、「恐らく」、「十分な情報なし」、及び/又は患者がゲノムテストを受けた尤度を示す任意の他の情報を含み得る。例えば、クライアントデバイス101は、特定のゲノムテストステータスが閾値(例えば85%の可能性で1つのステータスを有し、10%の可能性でもう1つのステータスを有する)に達しつつある尤度と関連付けられた場合、そのステータスを決定し得る。幾つかの実施形態では、ゲノムテストステータスは、表示されているユーザインターフェースに変更を生じさせ得る(例えば表示された後であっても、ユーザインターフェースが動的であり得るように)。例えば、ゲノムテストステータスに基づいて追加の患者情報を実現可能な解析内で表示し得る。
【0041】
[0049] ステップ312において、クライアントデバイス101はゲノムテストステータス(例えばステップ308において特定される)を記憶し得る。例えば、クライアントデバイス101は、患者のゲノムテストステータスをデータベース103、メモリ152、データベース160、及び/又は任意の他の記憶媒体に記憶し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、患者のゲノムテストステータスのインジケータを患者の患者識別子と関連付け得、複数の他の関連付け(例えば他の患者の関連付け)の間のその関連付けをデータベース(例えばデータベース103)に記憶し得る。例えば、クライアントデバイス101は、データバインド等を通してゲノムテストステータスを特定の患者と関連付け得、データバインドをゲノムテストステータスと一緒に記憶し得る。幾つかの実施形態では、ステップ312の実行後等、プロセス300Bは、ユーザ入力に関連するステップ314に進み得る。これに加えて又はこれに代えて、プロセス300Bは、検証済みゲノムテストステータスに関連するステップ318に進み得る。プロセス300Bにおける全ステップは任意選択的であり、再配置可能であり、反復可能であり、同時実行可能であるため、幾つかの実施形態では例えば、プロセス300Bはステップ314及び316を含み得るが、ステップ318又は320は含まなくてもよい。当然ながら逆も当てはまり、幾つかの実施形態では、プロセス300Bはステップ314~320の全てを含んでもよい。
【0042】
[0050] 幾つかの実施形態では、プロセス300Bはステップ314を含み得、ステップ314において、クライアントデバイス101はユーザ入力を受信し得、ユーザ入力は特定の情報を表示する要求であり得る。例えば、クライアントデバイス101は、ゲノムテストステータス及び/又は患者のゲノムテストの尤度の特定に使用された少なくとも1つの文書等の患者情報を表示するためのユーザ入力(例えば出力デバイス154に表示されているユーザインターフェースへの入力)を受信し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、図4A図6Cに関して説明されるユーザインターフェースの1つにおいてユーザ入力を受信し得る。例として、計算デバイス102はサーチ要求(例えば実現可能な解析についての)をリモートデバイス(例えばクライアントデバイス101)から受信し得る。サーチ要求は、患者のゲノムテストステータスと関連付けられた少なくとも1つのパラメータ(例えば、「検証済みテスト実施済み」、「テスト実施済み」、「テスト実施済みの可能性が高い」等のゲノムテストステータスと関連付けられた患者情報を要求するパラメータ)を含み得る。幾つかの実施形態では、計算デバイス102は患者のテスト基準にアクセスし得、これはユーザ入力に応答して行われ得る。そのようなテスト基準はテストの実施、時系列、規制基準等を含み得、通知又は他の情報の生成(例えばステップ316における)に使用し得る。
【0043】
[0051] ステップ316において、クライアントデバイス101は、ステップ314において受信したユーザ入力に基づいて決定し得るユーザインターフェースを表示し得る。クライアントデバイス101は、メモリ152に記憶されたデータを使用して出力デバイス154にユーザインターフェースを表示するように構成し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、図4A図6Cのいずれかに関して説明されるユーザインターフェースを表示し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、リモートデバイスからのサーチ要求の受信に応答して、患者のゲノムテストステータスのインジケータ及び/又は患者識別子を検索し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、患者のゲノムテストステータスのインジケータと、インジケータのゲノムテストステータスと相関し得る一次患者記録へのリンクとを含むユーザインターフェースを表示し得る。幾つかの実施形態では、計算デバイス102は通知をリモートデバイスに送信し得、これは、少なくとも1つのテスト基準(例えばステップ314において受信される)及び/又は患者のゲノムテストステータス(例えば「テスト未実施」)に基づき得る。例として、計算デバイス102は、患者ゲノムテストステータスが少なくとも1つのテスト基準(例えば時系列)を満たさないと判断し得、医師又は他のユーザに警告する通知を、例えばクライアントデバイス101に送信し得る。
【0044】
[0052] 幾つかの実施形態では、ユーザインターフェースは、患者と関連付けられたバイオマーカ(例えば、患者がテストしたバイオマーカ、バイオマーカテスト結果等)のインジケータを含み得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、ユーザインターフェース(例えば対話可能な要素406B、406E等)を介して受信したユーザ入力に基づいてバイオマーカを決定する。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は第3の機械学習モデルを使用してバイオマーカを決定し得る。例えば、第3の機械学習モデルは、患者記録からの情報を解釈して、患者と関連付けられたバイオマーカを予測し得る。この例を進めるために、幾つかの実施形態では、第3の機械学習モデルはゲノムテストと関連付けられた記録を解釈して、バイオマーカ情報を特定し得、第3の機械学習モデルはこれを使用して、患者と関連付けられたバイオマーカを予測し得る。幾つかの実施形態では、ユーザインターフェース(例えば図4A図6Cに関して考察されるユーザインターフェース)及び一次患者記録を表示するように構成されたリモートデバイスにおけるアプリケーションに通知を送信し得る。
【0045】
[0053] 幾つかの実施形態では、プロセス300Bはステップ318を含み、ステップ318において、クライアントデバイス101は、患者の検証済みゲノムテストステータスを含む入力を受信し得る。例えば、クライアントデバイス101は、ユーザ入力(例えばセレクタ404Dの選択)によって示され得、又は他の方法で構造化フィールドで示され得る「テスト実施済み」又は「テスト未実施」という検証済みステータスを患者が有することの入力を受信し得る。そのような入力は機械学習モデル(例えばゲノムテストステータスの尤度を予測するための機械学習モデル)の実行を妨げ得、それにより計算リソースへの負担を低減し得る。例えば、幾つかの実施形態では、機械学習モデルは、ゲノムステータスの予測尤度を有する患者のみ、ゲノムステータスの予測尤度を有さない患者のみ、又は検証済みステータス「テスト未実施」を有する患者のみのゲノムテストステータス尤度を予測するように構成し得る。ステップ318は、プロセス300Bにおける任意のステップ又は本明細書における任意の他のプロセスと同様に、他のステップと同時に行われ得る。例えば、クライアントデバイス101(又は他のデバイス)は、ユーザ入力を受信しながら検証済みゲノムテストステータスを受信することもできる。
【0046】
[0054] ステップ320において、クライアントデバイス101は、検証済みゲノムテストステータスに基づき得る患者のゲノムテストステータスを更新し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイスは検証済みゲノムテストステータスをリモートデバイス(例えばデータベース103)に送信し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、患者の検証済みゲノムテストステータスに基づいて第1の機械学習モデルの少なくとも1つのパラメータを変更し得る。例えば、患者の検証済みゲノムテストステータス及び患者と関連付けられた少なくとも1つの患者記録を使用して、ゲノムテストステータスの尤度を予測するように機械学習モデルをトレーニングし得る。更に別の例として、クライアントデバイス101は、ニューラルネットワークのノード及び/又は層を追加、削除、及び/又は改変し得る。幾つかの実施形態では、検証済みゲノムテストステータスは表示されているユーザインターフェースに変更を生じさせ得る(例えば表示された後であってもユーザインターフェースが動的であり得るように)。例えば、検証済みゲノムテストステータスに基づいて追加の患者情報を実現可能な解析内で表示し得る。
【0047】
[0055] 図4A図4F図5、及び図6A図6Cは、本開示と一貫した患者ゲノムテスト情報を管理する例示的なユーザインターフェースを示す。本明細書に記載の例示的なユーザインターフェースのいずれかは、計算デバイス102の出力デバイス154(例えばディスプレイ又はタッチスクリーン)を介して表示し得、ユーザは入力デバイス153を介して情報を入力し得る。これに代えて又はこれに加えて、計算デバイス102は、クライアントデバイス101の出力デバイス(例えばディスプレイ又はタッチスクリーン)を介してユーザインターフェースを表示するための命令、及びクライアントデバイス101の入力デバイスを介してユーザ入力を受信するための命令をクライアントデバイス101に送信し得る。後述するように、ユーザインターフェースは領域、インジケータ、リンク、及び/又は他のグラフィカル要素(対話可能又は非対話可能)を含み得る。ユーザインターフェースのいずれかに関して以下考察するグラフィカル要素のいずれか又は全ては、再配置、複製、追加、及び/又は削除し得る。一例として図4Aにおけるユーザインターフェース400Aを使用して、領域404は領域406の上に配置し得、そして領域406は領域402の上に出現し得る。別の例として、図4Aにおいて、追加の表示される要素はグラフィカル要素において別様に並べられてよい(例えば、要素はグラフィカル要素において以下の順に並べられてよい:領域404、リンク404C、領域406、そして領域402)。
【0048】
[0056] 例示的な図4Aは、グラフィカル(例えば対話可能)要素を表示し得るユーザインターフェース400Aを示し、グラフィカル要素は、ゲノムテストの発生の予測尤度を含め、患者についての情報を示し得る。ユーザインターフェース400Aは領域402を含み得、領域402は、患者と関連付けられた少なくとも1つのバイオマーカについての情報(例えばバイオマーカタイプ、バイオマーカ結果、研究所識別情報等)を含み得る。
【0049】
[0057] ユーザインターフェース400Aは領域404を含むこともでき、領域404は患者のゲノムテストステータスについての情報を含み得、ゲノムテストステータスについての情報は推測された(例えば予測尤度に基づいて)ゲノムテストステータスを含み得る。例えば、領域404はインジケータ404Aを含み得、インジケータ404Aはゲノムテストステータスの推測される尤度(例えば「可能性が高い」)を示し得る。領域404はインジケータ404Bを含むこともでき、インジケータ404Bは、ゲノムテスト発生の尤度が特定、更新、又は他の方法で影響を受けた(例えば受信した記録、ユーザ入力等により)日付を表示し得る。領域404はリンク404Cを含むこともでき、リンク404Cは尤度と関連付けられた記録にリンクし得る。例えば、リンク404Cを選択すると、ユーザインターフェース400Aを表示しているディスプレイ内に記録が表示され得る。そのような記録は、例示的な図5に関して示す等、別個のウィンドウ及び/又はアプリケーションに表示し得る。領域404は少なくとも1つのセレクタ404Dを含むこともでき、ユーザはセレクタ404Dと対話可能であり、それにより、患者のゲノムテストステータス(例えば「テスト実施済み」、「テスト未実施」)を確認/検証し得る。幾つかの実施形態では、セレクタ404Dを選択すると、別のユーザインターフェース(例えばユーザインターフェース400B)を表示させ得る。
【0050】
[0058] ユーザインターフェース400Aは領域406を含むこともでき、領域406はバイオマーカに関連する情報を管理するためのグラフィカル要素を含み得る。例えば、領域406は、特定の患者のバイオマーカ情報及び/又はリンク406A等の対話可能要素を含み得、対話可能要素は、選択された後、対話可能要素等の追加の要素を表示し得る。例えば、リンク406Aを選択して、バイオマーカ情報を患者記録に追加及び/又はユーザインターフェース内に表示できるようにし得る。
【0051】
[0059] ユーザインターフェース400Aは領域408を含むこともでき、領域408は、患者の投薬指示履歴に関連するグラフィカル要素を含み得る。領域408における情報は、医師、薬剤師等と関連付けられたユーザデバイス等のリモートデバイスから供給し得る。領域408における情報は動的であることもでき、したがって、リアルタイム更新をユーザインターフェース400A又は別のユーザインターフェース内に表示できるようにする。
【0052】
[0060] 例示的な図4Bは、患者がゲノムテストを受けたか否かの予測を含め、患者についての情報を示し得るグラフィカル(例えば対話可能)要素を表示し得るユーザインターフェース400Bを示す。ユーザインターフェース400Bは、他の図に関して考察した領域(例えば領域402、404、406、及び/又は408)を要素に含み得る。ユーザインターフェース400Bはリンク404F及び/又はインジケータ404Eを含むこともでき、これらは領域404内に表示し得る。リンク404Fは選択可能であり得、ユーザが患者のゲノムテストステータス(例えば領域404に表示されている)を変更できるようにし得る。インジケータ404Eは、検証済みゲノムテストステータス及び/又はゲノムテストステータスへの更新と関連付けられた情報(例えばステータスを更新したユーザと関連付けられたユーザ識別子、更新が行われた時刻等)を示し得る。
【0053】
[0061] 例示的な図4Cは、患者のゲノムテストが行われた予測尤度を含め、患者についての情報を示し得るグラフィカル(例えば対話可能)要素を表示し得るユーザインターフェース400Cを示す。ユーザインターフェース400Cは、他の図に関して考察した領域(例えば領域402、404、406、及び/又は408)を含み得る。ユーザインターフェース400Cは、領域406内に表示し得る対話可能要素406Bを含むこともできる。対話可能要素406Bは、ユーザがバイオマーカに関連し得る情報を患者記録に追加できるように構成し得る。例えば、対話可能要素406Bは、ドロップダウンメニュー、スライドバー、カレンダウィジェット、テキストボックス、及び/又はユーザがバイオマーカに関連する情報を入力できるようにし得る任意の他のグラフィカルユーザインターフェース要素を含み得る。領域406はリンク406Cを含むこともでき、リンク406Cは対話可能要素406Bへのデータ入力を終わらせるのに使用可能であり得る。例えば、選択された後、リンク406Cはデバイスに対話可能要素406Bにおける情報を有効と検証させ得る(例えばユーザによるベンダーインジケータ入力が、これもまたユーザによって入力されたテストタイプを提供するベンダーと関連付けられていると判断する、結果日が将来の日付ではないと判断する等)。選択された後、リンク406Cはデバイスに別のユーザインターフェースを表示させ得、及び/又は患者記録を更新し得る(例えば更新されたバイオマーカ情報を用いて)。
【0054】
[0062] 例示的な図4Dは、患者のゲノムテストが行われた予測尤度を含め、患者についての情報を示し得るグラフィカル(例えば対話可能)要素を表示し得るユーザインターフェース400Dを示す。ユーザインターフェース400Dは、他の図に関して考察した領域(例えば領域402、404、406、及び/又は408)を要素に含み得る。ユーザインターフェース400Dはインジケータ406D及び/又はリンク406Aを含み得る。インジケータ406Dは、患者について捕捉されたバイオマーカと関連付けられた情報(例えばバイオマーカのタイプ、研究所エンティティ、バイオマーカ結果、結果日等の対話可能要素406Bを使用して少なくとも部分的に入力された可能性がある情報)を表示し得る。インジケータ406Dは、関連付けられた情報をユーザが編集できるようにし得る対話可能要素を含み得る。幾つかの実施形態では、選択された後、リンク406Aは例示的な図4Eに示すユーザインターフェース400Eを表示させ得る。ユーザインターフェース400Eは、領域406内に表示し得、対話可能要素406Bと同様であり得る対話可能要素406Eを含み得る。
【0055】
[0063] 例示的な図4Fは、複数のバイオマーカに関連する情報を示し得るグラフィカル(例えば対話可能)要素(例えば領域402、404、406、及び/又は408を含む)を表示し得るユーザインターフェース400Fを示す。例えば、ユーザインターフェース400Fは、第1のバイオマーカについての情報を含み得るインジケータ406Dと、第2のバイオマーカについての情報を含み得るインジケータ406Fとを含み得る。
【0056】
[0064] 例示的な図5は、患者記録を浮上させるためのユーザインターフェース500を示す。ユーザインターフェース500はサイドバー502を含み得、サイドバー502は、患者に関連し得る記録を特定するための任意の数の対話可能要素(例えばサーチバー、テキストボックス、ボタン、スライドバー、フィルタ、リンク等のゲノムテスト尤度又はステータスの予測に影響した可能性がある)を含み得る。ユーザインターフェース500は患者情報パネル504を含むこともでき、患者情報パネル504は、浮上した患者記録と関連付けられた患者に関連する情報(例えば患者名、患者性別、患者識別番号、患者の医師の識別子、患者メモ、患者年齢、及び/又は任意の他の患者情報)を含み得る。幾つかの実施形態では、ユーザインターフェース500は記録表示ウィンドウ506を含み得、記録表示ウィンドウ506は記録(例えばスキャンされた患者文書、構造化患者情報、非構造化患者情報、研究所テスト文書等)を含み得る。記録は外部ソース(例えばクライアントデバイス101、データベース103、スキャンデバイス、及び/又は医療サービス提供者と関連付けられた任意のデバイス)から供給し得る。
【0057】
[0065] 例示的な図6Aは、実現可能な解析の実行と関連付けられ得るユーザインターフェース600Aを示す。実現可能な解析は計算デバイス102によって実行されて、それにより例えば、ユーザによって決定された基準に基づき得る患者グループを特定し得る。異なるパラメータに基づいて異なる患者グループを特定できるようにすることにより、実現可能な解析を実行するデバイスは、患者情報への洞察を提供することが可能であり得、これにより例えば、ユーザは、特定の目的で患者情報に基づいて適切な患者グループが存在するか否かを判断することができる。例えば、ユーザインターフェース600Aは、治験への患者を特定するための情報を含み得る実現可能解析ウィンドウ602を含み得る。例えば、解析ウィンドウ602は、実現可能解析の第1の基準をユーザが入力できるようにする対話可能要素を含み得る第1の基準領域604を含み得る。第1の基準は、患者の人口統計及び/又は来院に関連し得、性別基準、ロケーション基準、年齢基準、患者ステータス基準(例えば死亡、生存、新規患者、老齢患者)、来院データ基準等を含み得る。解析ウィンドウ602は、ユーザが実現可能解析の第2の基準を入力できるようにする対話可能要素を含み得る第2の基準領域606を含むこともできる。第2の基準は、疾病基準、テストステータス(例えばゲノムテストステータス)基準、バイオマーカ基準、転移ステータス基準等の診断基準を含み得る。解析ウィンドウ602は、実現可能解析の第3の基準をユーザが入力できるようにする対話可能要素を含み得る第3の基準領域608を含むこともできる。第3の基準は、薬剤タイプ基準、医薬品注文データ基準、薬剤用量基準等の治療関連基準を含み得る。実現可能解析ウィンドウはボタン610又は他の対話可能要素を含むこともでき、ボタン610又は他の対話可能要素は、ユーザインターフェース600A内の情報を使用して実現可能解析をデバイスに実行させるように命令し得る。
【0058】
[0066] 例示的な図6Bは、ユーザインターフェース600Aと同様であり得るユーザインターフェース600Bを示す。例えば、ユーザインターフェース600Bは解析ウィンドウ602を含み得、解析ウィンドウ602は、実現可能解析によって特定された患者情報を含み得る結果領域612を更に含み得る。例えば、結果領域612は、1組の基準を満たす患者と関連付けられた情報を含み得る。幾つかの実施形態では、患者情報はテーブル614内又は他のグラフィカル構造内に表示し得る。
【0059】
[0067] 例えば、例示的な図6Cに示すように、ユーザインターフェース600Cが表示され得(例えばボタン610の選択に応答して)、ユーザインターフェース600Cは、複数の患者と関連付けられた情報を表示し得る。例として、患者情報はテーブル614内に表示され得、異なる患者と関連付けられた例示的な行614a、614b、及び614c等の異なる行。行(又は患者情報を表示する他のグラフィカル要素)は、ユーザ入力(例えばチェックボックス選択、ボタン選択等)に応答して削除、追加、及び/又は変更し得る。
【0060】
[0068] 図7は、本開示と一貫した治験に1人又は複数人の患者を示唆するための例示的なプロセス700を示すフローチャートである。プロセス700はクライアントデバイス101と関連して説明されるが、プロセス700の1つ又は複数のステップがシステムの他の構成要素(例えば計算デバイス102又はプロセッサ151)によって実行されてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0061】
[0069] ステップ702において、クライアントデバイス101は治験の選択を受信し得る。例えば、クライアントデバイス101は、治験を選択するためのユーザ入力をクライアントデバイス101のユーザインターフェースを介して受信し得る。例として、ユーザは治験リストから治験を選択し得る。幾つかの実施形態では、ユーザはサーチインターフェース内の治験をサーチし得る(例えば治験名、一意の治験識別子等を使用して)。
【0062】
[0070] ステップ704において、クライアントデバイス101は患者データセットにアクセスし得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は治験の選択(例えばステップ702における)に応答して患者データセットにアクセスし得る。例えば、アクセスされる患者データセットは選択された治験及び/又は治験基準と関連付けられ得る。患者データセットにアクセスすることは、データベース(例えばデータベース103)から患者データセットを検索することを含み得る。幾つかの実施形態では、患者データセットは、データベースにおける複数の患者データセットの中に記憶し得る。更なる例として、クライアントデバイス101は、データベース103から患者データセットを検索する要求を計算デバイス102に送信し得る。幾つかの実施形態では、患者データセットを検索する要求は、一意の患者情報識別子、又は計算デバイス102がデータベース103に記憶された中から要求された患者データセットを区別できるようにする他の情報を含むようにフォーマットし得る。
【0063】
[0071] ステップ706において、クライアントデバイス101は患者のサブセットを決定し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、治験(例えばステップ702において選択された治験)の基準に合った患者のサブセットを決定し得る。例えば、クライアントデバイス101は、治験基準及び/又はユーザ選択のパラメータを異なる患者と関連付けられた1つ又は複数の患者プロファイルと比較して、どの患者が治験に適し得るかを判断し得る。そのような比較に基づいて、クライアントデバイス101は、1組の患者プロファイル内の、患者のサブセットを表す患者プロファイルのサブセットを決定し得る。
【0064】
[0072] 例えば、患者のサブセットを決定することは、患者データセット、治験データセット、ゲノムテストの尤度、ゲノムテストステータス、及び/又は治験基準の少なくとも一部に基づき得る。例えば、患者のサブセットは、予測又は検証されたゲノムテストステータス治験基準(例えばある治験の)に基づいて決定し得る。幾つかの実施形態では、計算デバイス102は患者データセット、及び/又はゲノムテスト尤度、及び/又はゲノムテストステータスを使用して、1組の患者(例えばデータベース103に記憶された患者プロファイルによって表される)の中からサブセットの患者を決定し得る。幾つかの実施形態では、1組の患者は、患者のサブセットを決定するに当たり使用し得るゲノムテストステータス基準と関連付けられ得る(例えば少なくとも1つのゲノムテストステータス基準が治験と関連付けられ得る)。例えば、クライアントデバイス101は、ゲノムテストステータス(例えば予測されたゲノムテストステータス)を治験のゲノムテストステータス基準(例えば「テスト実施済み」、「テスト実施済みの検証済み」等)と比較し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、患者の予測されたゲノムテストステータスが治験のゲノムテストステータス基準を満たすと判断し得(例えば、比較に基づいて、クライアントデバイス101は、予測されたゲノムテストステータスがゲノムテストステータス治験基準に合うと判断し得る)、次いでこの判断に基づいて、その患者を患者のサブセット内に含め得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、患者の予測されたゲノムテストステータスが治験のゲノムテストステータス基準を満たさないと判断し得(例えば、比較に基づいて、クライアントデバイス101は、ゲノムテストステータスがゲノムテストステータス治験基準に合わないと判断する)、この判断に基づいてその患者を患者のサブセットから除外し得る。
【0065】
[0073] ステップ708において、クライアントデバイス101は治験への患者のサブセット(例えばステップ706において決定されたサブセット)を表示させ得る(例えばクライアントデバイス101のディスプレイに)。幾つかの実施形態では、計算デバイス102は治験への患者のサブセットをクライアントデバイス101に表示させ得る。幾つかの実施形態では、患者のサブセットを表示させることは、治験の基準及び/又は基準への患者適格ステータスのインジケータを表示することを含み得る。他の図に関して説明したように、患者のサブセットを表示することは、患者データセット、ゲノムテストステータス、少なくとも1つの治験基準等への更新に基づいて動的に変わり得る少なくとも1つのインジケータ、対話可能要素等を表示することを含み得る。
【0066】
[0074] 図8は、本開示と一貫した治験への1人又は複数人の患者を示唆するための例示的なプロセス800を示すフローチャートである。プロセス800はクライアントデバイス101と関連して説明されるが、プロセス800の1つ又は複数のステップがシステムの他の構成要素(例えば計算デバイス102又はプロセッサ151)によって実行されてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0067】
[0075] ステップ802において、クライアントデバイス101は患者の選択を受信し得る。例えば、クライアントデバイス101は、患者を選択するためのユーザ入力をクライアントデバイス101のユーザインターフェースを介して受信し得る。例として、ユーザは患者リストから患者を選択し得る(例えばユーザインターフェース600C内で)。幾つかの実施形態では、ユーザは、患者選択に先立って、ユーザインターフェース600A等のサーチインターフェース内の患者をサーチし得る(例えば患者名、患者の生年月日、一意の患者識別子等を使用して)。
【0068】
[0076] ステップ804において、クライアントデバイス101は患者データセットにアクセスし得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、患者の選択(例えばステップ802における)に応答した患者データセットの選択に応答して、患者データセットにアクセスし得る。例えば、アクセスされた患者データセットは選択された患者(例えばゲノムテストステータス及び患者識別子)と関連付けられ得る。患者データセットにアクセスすることは、データベース(例えばデータベース103)から患者データセットを検索することを含み得る。幾つかの実施形態では、患者データセットはデータベースにおける複数の患者データセットの中に記憶し得る。更なる例として、クライアントデバイス101は、データベース103から患者データセットを検索する要求を計算デバイス102に送信し得る。幾つかの実施形態では、患者データセットを検索する要求は、一意の患者識別子、又は計算デバイス102がデータベース103に記憶された中から要求された患者データセットを区別できるようにする他の情報を含むようにフォーマットし得る。
【0069】
[0077] ステップ806において、クライアントデバイス101はゲノムテストステータスを受信し得る。幾つかの実施形態では、受信されるゲノムテストステータスは、検証済みゲノムテストステータス、又はゲノムテストの特定された尤度に基づくゲノムテストステータス(例えば図3Bにおいて考察したように)であり得る。幾つかの実施形態では、予測に基づくゲノムテストステータスは、機械学習モデルが特定する場合に、予測を行うのに十分な入力情報がない状況において等、「未知」又は「十分な情報なし」として分類され得る。幾つかの実施形態では、ゲノムテストステータスは患者(例えばステップ802において選択された患者)と関連付けられ得る。ゲノムテストの尤度は、非構造化情報を含み得る患者記録を受信するように構成されたトレーニング済みモデルによって予測され得る。例えば、計算デバイス102は、患者記録を受信し得(例えばクライアントデバイス101から、これはプロセス800のステップを実行するデバイスと同じデバイスであってもよく、又は同じデバイスでなくてもよい)、トレーニング済みモデルを記録に適用して、記録から情報を抽出し及び/又は構造化情報を有するフォーマットに記録を変換し得る。幾つかの実施形態では、予測に基づくゲノムテストステータスは、機械学習モデルによって特定された尤度の程度を含み得る。
【0070】
[0078] ステップ808において、クライアントデバイス101又は計算デバイス102は、患者データセットの少なくとも一部及びゲノムテストステータス(例えば予測に基づくゲノムテストステータス)を表示させ得る。例えば、表示される部分は、開示される実施形態と一貫して、ユーザインターフェース(例えばユーザインターフェース600C)内に表示され得る。幾つかの実施形態では、表示される部分は、ステップ802においてアクセスされた患者データセットのサブセット又は全体及び/又はステップ806において受信したゲノムテストステータスを含み得る。
【0071】
[0079] ステップ810において、クライアントデバイス101は患者への治験のサブセットを特定し得る。幾つかの実施形態では、患者への治験のサブセットを特定することは、患者データセットの少なくとも一部又はゲノムテストの尤度及び/又はゲノムテストステータス(ステップ808におけるものと同じ部分であってもよく、又は同じ部分でなくてもよい)に基づき得る。例えば、治験のサブセットは、ゲノムテストの予測発生尤度又は検証済みゲノムテストステータスに基づいて特定し得る。例として、治験の第1のサブセットは第1のゲノムテストステータスに基づいて(例えば1回目はゲノムテストの予測発生尤度に基づいて特定し得、治験の第2のサブセットは2回目において第2のゲノムテストステータス(例えば検証済みゲノムテストステータス)に基づいて特定し得る。幾つかの実施形態では、患者への治験のサブセットは複数の治験から特定し得る。例として、計算デバイス102は患者データセット及び/又はゲノムテストステータスを使用して、1組の治験(例えばデータベース103に記憶されている)の中からサブセットの治験を特定し得る。幾つかの実施形態では、1組の治験は、治験のサブセットの特定に使用し得るゲノムテストステータス基準と関連付けられ得る(例えば少なくとも1つのゲノムテストステータス基準が1組のうちの各治験と関連付けられ得る)。例えば、クライアントデバイス101はゲノムテストステータス(例えば予測されたゲノムテスト尤度及び/又はステータス)を治験のゲノムテストステータス基準(例えば「テスト実施済み」、「テスト実施済みの検証済み」等)と比較し得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、予測されたゲノムテストステータスが治験のゲノムテストステータス基準を満たすと判断し得(例えば、比較に基づいて、クライアントデバイス101は、予測されたゲノムテストステータスがゲノムテストステータス基準に合うと判断し得る)、次いで、この判断に基づいてその治験を治験のサブセットに含め得る。幾つかの実施形態では、クライアントデバイス101は、予測されたゲノムテストステータスが治験のゲノムテストステータス基準を満たさないと判断し得(例えば、比較に基づいて、クライアントデバイス101は、ゲノムテストステータスがゲノムテストステータス治験基準に合わないと判断する)、この判断に基づいて治験のサブセットからその治験を除外し得る。
【0072】
[0080] ステップ812において、クライアントデバイス101は患者への治験のサブセット(例えばステップ810において特定されたサブセット)を表示させ得る(例えばクライアントデバイス101のディスプレイに)。幾つかの実施形態では、計算デバイス102はクライアントデバイス101に患者への治験のサブセットを表示させ得る。幾つかの実施形態では、治験のサブセットを表示させることは、治験のサブセットの基準及び/又は基準への患者適格ステータスのインジケータを表示することを含み得る。他の図に関して説明したように、治験のサブセットを表示することは、患者データセット、ゲノムテストステータス、少なくとも1つの治験基準等への更新に基づいて動的に変わり得る少なくとも1つのインジケータ、対話可能要素等を表示することを含み得る。
【0073】
[0081] 上記説明は例示を目的として提示されている。網羅的ではなく、開示された厳密な形態又は実施形態に限定されない。本明細書の検討及び開示された実施形態の実施から、改変及び適合が当業者には明らかになろう。更に、開示された実施形態の態様はメモリに記憶されるものとして説明されるが、これらの態様が、補助記憶装置、例えばハードディスク若しくはCD ROM又は他の形態のRAM若しくはROM、USB媒体、DVD、ブルーレイ、4K超高精細ブルーレイ、又は他の光学ドライブ媒体等の他のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶されることも可能なことを当業者ならば理解しよう。
【0074】
[0082] 書かれた説明及び開示された方法に基づくコンピュータプログラムは、熟練した開発者の技能内である。当業者に既知の技法のいずれかを使用して種々のプログラム又はプログラムモジュールを作成することができ、又は既存のソフトウェアに関連して設計することができる。例えば、プログラムセクション又はプログラムモジュールは、.Net Framework、.Net Copact Framework(及びVisual Basic、C等の関連する言語)、Java、Python、R、C++、Objective-C、HTML/AJAX組合せ、XML、又はJavaアプレットを含んだHTMLにおいて又はこれらによって設計することができる。
【0075】
[0083] 更に、例示的な実施形態を本明細書において説明したが、本開示に基づいて当業者によって理解されるであろう同等の要素、改変、省略、組合せ(例えば種々の実施形態にわたる態様の)、適合、及び/又は変更を有するありとあらゆる実施形態の範囲。特許請求の範囲における限定は特許請求の範囲において利用される用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書又は本願の審査中に説明される例に限定されない。例は非排他的として解釈されるべきではない。更に、開示される方法のステップは、ステップの並び替え、反復、挿入、及び/又は削除を含め、任意に改変し得る。したがって、本明細書及び例が例示としてのみ見なされることが意図され、真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲及び全範囲の均等物によって示される。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8