(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】電池モジュール製造装置および電池モジュール製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/211 20210101AFI20240507BHJP
【FI】
H01M50/211
(21)【出願番号】P 2022525073
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(86)【国際出願番号】 KR2021009521
(87)【国際公開番号】W WO2022039396
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0104857
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キテク・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュンキュ・パク
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-098140(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0071800(KR,A)
【文献】特開2020-087704(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0069044(KR,A)
【文献】国際公開第2019/231078(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体を左右側で囲むガイドプレートを含み、
前記ガイドプレートは、前記電池セル積層体と接する本体部と、前記本体部の一端部に連結され、前記電池セル積層体の内側へ折られて突出した挿入部とを含み、前記挿入部により、上部が開放されたフレーム部材の内部に前記電池セル積層体が挿入される、電池モジュール製造装置。
【請求項2】
前記フレーム部材は、底部と、互いに向き合う二つの側面部とを含み、
前記挿入部は、前記二つの側面部のそれぞれに対応する第1挿入部および第2挿入部を含み、
前記第1挿入部の端部と前記第2挿入部の端部との間の距離は、前記フレーム部材の側面部の間の距離より短い、請求項1に記載の電池モジュール製造装置。
【請求項3】
前記ガイドプレートは、金属材質または絶縁部材で形成される、請求項1または2に記載の電池モジュール製造装置。
【請求項4】
前記ガイドプレートは、金属アルミニウムまたは強化プラスチックで形成される、請求項3に記載の電池モジュール製造装置。
【請求項5】
前記本体部に連結された前記挿入部の一端部の反対側に位置する前記挿入部の他の一端部に連結されるベース部をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池モジュール製造装置。
【請求項6】
前記ガイドプレートと前記電池セル積層体との間に位置する圧縮パッドをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池モジュール製造装置。
【請求項7】
前記挿入部は、前記圧縮パッドが位置する方向に折られて突出し、前記突出した挿入部の水平方向への距離は、前記圧縮パッドの厚さと同じかまたはそれより短い、請求項6に記載の電池モジュール製造装置。
【請求項8】
電池セル積層体の左右側を囲むガイドプレートを使用して、上部が開放されたフレーム部材の内部に前記電池セル積層体を挿入する段階を含み、
前記フレーム部材は、底部と、互いに向き合う二つの側面部とを含み、前記ガイドプレートは、前記電池セル積層体と接する本体部と、前記本体部の一端部に連結され、前記電池セル積層体の内側へ折られて突出した挿入部とを含み、
前記電池セル積層体を挿入する段階は、前記挿入部の傾斜面が最も先に前記フレーム部材の側面部に接触しながら、前記電池セル積層体を挿入する、電池モジュール製造方法。
【請求項9】
前記挿入部は、前記二つの側面部のそれぞれに対応する第1挿入部および第2挿入部を含み、
前記電池セル積層体を挿入する段階において、前記第1挿入部の端部と前記第2挿入部の端部との間の距離は、前記フレーム部材の側面部の間の距離より短い、請求項8に記載の電池モジュール製造方法。
【請求項10】
前記ガイドプレートを前記フレーム部材の開放された前端方向および後端方向のうちの少なくとも一方向に沿ってスライディングして除去する段階をさらに含む、請求項8または9に記載の電池モジュール製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願(ら)との相互引用]
本出願は、2020年8月20日付韓国特許出願第10-2020-0104857号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュール製造装置および電池モジュール製造方法に関し、より具体的に加工性を向上させた電池モジュール製造装置および電池モジュール製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有している二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源により駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに普遍的に応用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点から、環境にやさしく、エネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台当たり1個または2~4個の電池セルが使用されることに対し、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0005】
中大型電池モジュールは、できる限り小さいサイズと重量で製造されることが好ましいため、高い集積度に積層可能であり、容量に比べて重量が小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。一方、電池モジュールは、セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、前面と後面が開放されて電池セル積層体を内部空間に収納するフレーム部材を含むことができる。
【0006】
図1は従来のモノフレームを有する電池モジュールを示す分解斜視図である。
【0007】
図1を参照すると、電池モジュールは、複数の電池セル11が積層されて形成された電池セル積層体12、電池セル積層体12を覆うように前面と後面が開放されたモノフレーム20、およびモノフレーム20の前面と後面を覆うエンドプレート60を含むことができる。このような電池モジュールを形成するために、
図1に示した矢印のようにx軸方向に沿ってモノフレーム20の開放された前面または後面に電池セル積層体12が挿入されるように水平組立が必要である。ただし、このような水平組立が安定的になされるように電池セル積層体12とモノフレーム20との間に十分な余裕空間(clearance)を確保しなければならない。ここで、余裕空間(clearance)とは、嵌め合いなどにより発生する隙間をいう。余裕空間が小さい場合に水平組立過程で部品損傷が起きることがある。したがって、モノフレーム20の高さは、電池セル積層体12の最大高さと挿入過程での組立公差(tolerance)などを考慮して大きく設計されなければならず、そのため、不必要に浪費される空間が発生することがある。このような組立公差を最小化するためにガイドフィルムを使用したりもするが、挿入過程でガイドフィルムが切れたり交換による費用が増加するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、フレーム部材内に電池セル積層体を挿入する速度を改善し、費用を節減する電池モジュール製造装置および電池モジュール製造方法を提供することにある。
【0009】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態による電池モジュール製造装置は、複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体を左右側で囲むガイドプレートを含み、前記ガイドプレートは、前記電池セル積層体と接する本体部と、前記本体部の一端部に連結され、前記電池セル積層体の内側へ折られて突出した挿入部とを含み、前記挿入部により、上部が開放されたフレーム部材の内部に前記電池セル積層体が挿入される。
【0011】
前記フレーム部材は、底部と、互いに向き合う二つの側面部とを含み、前記挿入部は、前記二つの側面部のそれぞれに対応する第1挿入部および第2挿入部を含み、前記第1挿入部の端部と前記第2挿入部の端部との間の距離は、前記フレーム部材の側面部の間の距離より短くてもよい。
【0012】
前記ガイドプレートは、金属材質または絶縁部材で形成され得る。
【0013】
前記ガイドプレートは、金属アルミニウムまたは強化プラスチックで形成され得る。
【0014】
前記電池モジュール製造装置は、前記本体部に連結された前記挿入部の一端部の反対側に位置する前記挿入部の他の一端部に連結されるベース部をさらに含むことができる。
【0015】
前記電池モジュール製造装置は、前記ガイドプレートと前記電池セル積層体との間に位置する圧縮パッドをさらに含むことができる。
【0016】
前記挿入部は、前記圧縮パッドが位置する方向に折られて突出し、前記突出した挿入部の水平方向への距離は前記圧縮パッドの厚さと同じかまたはそれより短くてもよい。
【0017】
本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法は、電池セル積層体の左右側を囲むガイドプレートを使用して上部が開放されたフレーム部材の内部に前記電池セル積層体を挿入する段階を含み、前記フレーム部材は、底部と、互いに向き合う二つの側面部とを含み、前記ガイドプレートは、前記電池セル積層体と接する本体部と、前記本体部の一端部に連結され、前記電池セル積層体の内側へ折られて突出した挿入部とを含み、前記電池セル積層体を挿入する段階は、前記挿入部の傾斜面が最も先に前記フレーム部材の側面部に接触しながら、前記電池セル積層体を挿入する。
【0018】
前記挿入部は、前記二つの側面部のそれぞれに対応する第1挿入部および第2挿入部を含み、前記電池セル積層体を挿入する段階において、前記第1挿入部の端部と前記第2挿入部の端部との間の距離は、前記フレーム部材の側面部の間の距離より短くてもよい。
【0019】
前記電池モジュール製造方法は、前記ガイドプレートを前記フレーム部材の開放された前端方向および後端方向のうちの少なくとも一方向に沿ってスライディングして除去する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
実施形態によれば、垂直方向に電池セル積層体を積層することによって挿入速度を改善し、既存のガイドフィルムを省略して費用を節減することができる。
【0021】
また、電池セル積層体の側面にガイドプレートを適用することによって、フレーム部材の左右上端を強制的に広げなくても自然に電池セル積層体がフレーム部材内に挿入され得る。
【0022】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来のモノフレームを有する電池モジュールを示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による電池モジュールを示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の比較例による電池モジュール製造装置および電池モジュール製造方法を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による電池モジュール製造装置および電池モジュール製造方法を示す図面である。
【
図5】
図4の電池モジュール製造装置の変形例を示す図面である。
【
図6】
図2の切断線A-A’に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0026】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ず図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0027】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ず重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0028】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0029】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0030】
図2は本発明の一実施形態による電池モジュールを示す分解斜視図である。
【0031】
図2を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層されて形成された電池セル積層体200、電池セル積層体200を収納するモジュールフレーム300、および電池セル積層体200の互いに向き合う両側面にそれぞれ位置し、電池セル110と平行に配置される第1、2圧縮パッド710、720を含む。
【0032】
電池セル110は、二次電池であって、パウチ型二次電池で構成され得る。このような電池セル110は、複数個で構成され得、複数の電池セル110は互いに電気的に連結され得るように互いに積層されて電池セル積層体200を形成することができる。具体的に図示していないが、複数の電池セル110は、それぞれ電極組立体、電池ケース、および電極組立体から突出した電極リードを含むことができる。一方、
図2に示したように、複数の電池セル110は、フレーム部材400の両側面部421、422と平行に配置されてy軸方向に沿って順次に積層され得る。フレーム部材400はU字型であり得る。
【0033】
電池セル積層体200は、外部衝撃などに対する保護のために剛性を有するモジュールフレーム300に収納される。
【0034】
この時、モジュールフレーム300は、電池セル積層体200を収納し、上部(z軸方向)が開放されたフレーム部材400、およびフレーム部材400の開放された前記上部を覆う上部フレーム500を含むことができる。このようなフレーム部材400は、底部410、および底部410の向き合う両端部からそれぞれ上向きに延長された第1および第2の側面部421、422を含むことができる。
【0035】
つまり、電池セル積層体200の下部および両側部はフレーム部材400に囲まれ、電池セル積層体200の上部は上部フレーム500により囲まれ得る。
【0036】
フレーム部材400の底部410上に電池セル積層体200が位置し、その後、上部フレーム500を通じて電池セル積層体200の上面を覆う方法で電池セル積層体200がモジュールフレーム300内部に装着され得る。
【0037】
この時、フレーム部材400と上部フレーム500は溶接を通じて接合され得るが、接合方式はこれに限定されず、多様な実施形態を通じて実現され得る。
【0038】
互いに結合されたフレーム部材400と上部フレーム500の開放された前、後面(x軸方向およびその反対方向)にそれぞれエンドプレート600が結合され得る。
【0039】
エンドプレート600は、外部の衝撃から電池セル積層体200をはじめとする多様な電装品を保護し、同時に電池セル積層体200の電池セル110と外部電源の間の電気的連結を案内することができる。
【0040】
一方、電池セル110は、リチウム二次電池であり得、パウチ型二次電池であり得る。このようなパウチ型二次電池は、一般的にラミネートシートに電極組立体を内蔵した形態で備えられるため、小さいサイズと重量に比べてエネルギー密度が高いという長所があるが、機械的剛性が弱いという短所がある。特に、リチウム二次電池の場合、反復的な充放電過程で電極が厚くなったり、副反応で内部電解質が分解されてガスが発生することがある。この時、電極膨張や発生したガスによりパウチ型二次電池セルが膨らむ現象を「スウェリング現象」という。
【0041】
本実施形態では、電池セル積層体200の向き合う両側面にそれぞれ第1圧縮パッド710および第2圧縮パッド720を配置した。このような第1および第2圧縮パッド710、720を通じて電池セル110を初期から強く圧迫することができるため、相対的にスウェリングによる厚さ膨張が小さくなり、スウェリング現象による電池セル110の性能低下を防止し、電池モジュール100の外形変化を減らすことができる。
【0042】
このような第1および第2圧縮パッド710、720は、スウェリング現象を抑制することができるようにポリウレタン発泡体(Polyurethane Foam)を含むことができる。
【0043】
一方、電池セル積層体200の向き合う両側面にそれぞれ第1および第2圧縮パッド710、720を配置する時、電池セル積層体200と第1および第2圧縮パッド710、720との間のそれぞれに両面テープを設け、第1および第2圧縮パッド710、720を電池セル積層体200に一次的に固定することができる。
【0044】
また、両面テープの代わりに噴射された粘着剤を利用して第1および第2圧縮パッド710、720を固定することができる。具体的には、電池セル積層体200の向き合う両側面にそれぞれ粘着剤を噴射した後、その上に第1および第2圧縮パッド710、720を付着させることができる。前記粘着剤は、高温の溶けた形態で、圧力ポンプによりノズルから噴射され得る。
【0045】
一方、第1および第2圧縮パッド710、720の他にも、電池セル積層体200を構成する電池セル110の間に追加的な圧縮パッド730が配置され得る。
図6では一つの追加的な圧縮パッド730のみが示されたが、他の電池セル110の間に圧縮パッドがさらに配置され得る。
【0046】
一方、フレーム部材400の開放された上面(z軸方向)を通じて電池セル積層体200をフレーム部材400の底部410上に位置させることができるが、この時、第1圧縮パッド710および第2圧縮パッド720がそれぞれ第1側面部421と第2の側面部422により巻き上げられる不良が発生することがある。このような不良により電池モジュール100の製造のための自動化工程に大きい悪影響を与える。このような不良を防止するために開きジグのような装置を使用して電池セル積層体挿入工程を行うことができる。
【0047】
図3は本発明の比較例による電池モジュール製造装置および電池モジュール製造方法を示す図面である。
【0048】
図3を参照すると、比較例による電池モジュール製造装置および方法は、電池セル積層体70をモジュールフレーム30の底部に装着する前に開きジグ35を使用してモジュールフレーム30の両側面部を強制的に広げることができる。開きジグ35によりモジュールフレーム30の両側面部を強制的に広げた状態で、電池セル積層体70をモジュールフレーム30の底部に挿入することができる。しかし、モジュールフレーム30の幅および高さにより開き量が大きくなれば弾性限界を逸脱して永久変形されることがあるという問題がある。
【0049】
そこで、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレームの開き量を最小化することができる装置を設けて前述のような製造工程上の不良を解消しようとしており、これについては後述する。
【0050】
図4は本発明の一実施形態による電池モジュール製造装置および電池モジュール製造方法を示す図面である。
【0051】
図4を参照すると、本実施形態による電池モジュール製造装置は、電池セル積層体200を左右側で囲むガイドプレート550を含む。ガイドプレート550は、電池セル積層体200と接する本体部560と、本体部560一端部に連結され、電池セル積層体200内側に折られて突出した挿入部570とを含むことができる。本実施形態によるガイドプレート550を電池セル積層体200に支持した状態で挿入部570が先にU字型のフレーム部材の内部に挿入され得る。
【0052】
本実施形態によるガイドプレート550は、金属材質または絶縁部材で形成され得る。具体的には、ガイドプレート550は、アルミニウム、強化プラスチックなどで形成され得る。ガイドプレート550は、U字型フレームを強制的に広げることなく、電池セル積層体200が滑るようにフレーム部材の側面部421、422を乗り越えることができる水準の剛性を有することができる。
【0053】
本実施形態によれば、電池セル積層体200の両側面部にそれぞれガイドプレート550が支持しており、ガイドプレート550の挿入部570は、電池セル積層体200の両側面部のそれぞれに位置する第1挿入部および第2挿入部を含むことができる。この時、前記第1挿入部の端部と前記第2挿入部の端部との間の距離は、フレーム部材の側面部421、422の間の距離より短くてもよい。
【0054】
前述した電池モジュール製造装置を使用して電池モジュールを製造する方法について説明する。
【0055】
本発明の他の一実施形態による電池モジュール製造方法は、
図2および
図4を参照すると、電池セル積層体200の左右側を囲むガイドプレート550を使用して上部が開放されたフレーム部材400内部に電池セル積層体200を挿入する段階を含む。この時、電池セル積層体200を挿入する段階は、挿入部570の傾斜面が最も先にフレーム部材の側面部422に接触しながら電池セル積層体200が挿入され得る。
【0056】
その後、ガイドプレート550は電池モジュールの長さ方向にスライディングして除去され得る。電池モジュールの長さ方向とは、
図2に示した電池モジュール100のx軸方向に沿った長さを意味し得る。ガイドプレート550全体が電池モジュール100の前端または後端にスライディングされ得、電池モジュール100の長さ方向中央でガイドプレート550が分離され、分離された部分が電池モジュール100の前端と後端にそれぞれスライディングされ得る。このようにガイドプレート550はフレーム部材400の前端および/または後端方向に沿ってスライディングされて電池モジュール100から除去され得る。
【0057】
その後、フレーム部材400の開放された上部を覆うように電池セル積層体200上に上部フレーム500を形成し、上部フレーム500はフレーム部材400と溶接などの方法により結合され得る。その後、互いに結合されたフレーム部材400と上部フレーム500の開放された前、後面(x軸方向およびその反対方向)にそれぞれエンドプレート600を結合することができる。
【0058】
このように本実施形態による電池モジュール製造装置および方法によれば、U字型フレーム部材の幅および高さに関係なしにモジュールフレーム素材の弾性限界範囲内で組み立てが可能であり、フレーム部材の開き工程を省略することができるため、工程時間を短縮することができる。
【0059】
図5は
図4の電池モジュール製造装置の変形例を示す図面である。
【0060】
図5を参照すると、
図4で説明した電池モジュール製造装置とほとんどの構成が同一であり、ただし、ガイドプレート550がベース部580をさらに含むことができる。ベース部580は、本体部560に連結された挿入部570の一端部の反対側に位置する挿入部570の他の一端部に連結される。ベース部580は、電池セル積層体200の底面と水平な方向に伸びることができ、電池セル積層体200がU字型フレーム内に挿入されて底部410に安定的に装着され得るようにする機能を果たすことができる。
【0061】
図6は
図2の切断線A-A’に沿って切断した断面図である。
【0062】
図2および
図6を参照すると、電池セル積層体200の両縁に配置された第1、2圧縮パッド710、720外側にガイドプレート550が配置され得る。より詳しくはガイドプレート550は第1圧縮パッド710とモジュールフレームの側面部421との間および第2圧縮パッド720とモジュールフレームの側面部422との間に位置することができる。ガイドプレート550は上部フレーム500を覆う前に除去されることもできる。
【0063】
本実施形態によれば、ガイドプレート550がモジュールフレームと第1、2圧縮パッド710、720との間に位置することによって、組み立て工程で電池セル積層体200がU字型フレーム400内により容易に収納され得る。また、ガイドプレート550の挿入部570は圧縮パッド710、720が位置する方向に折られて突出することができる。この時、突出した挿入部570の水平方向への距離は圧縮パッド710、720厚さと同じかまたはそれより短くてもよい。したがって、挿入部570が最外側電池セル110が後述する熱伝導性樹脂層411に装着されて電池セル110で発生した熱を円滑に排出することができる。
【0064】
本実施形態による電池モジュール100は、電池セル積層体200の下部面に位置する熱伝導性樹脂層411をさらに含むことができる。また、一つ以上の電池モジュール100が電池パックを構成する時、電池モジュール100の下端部にヒートシンク(heatsink)が位置することができる。
【0065】
熱伝導性樹脂層411は、熱伝導性樹脂(Thermal resin)を含むことができ、特に熱伝導性接着物質を含むことができる。例えばシリコン(Silicone)系素材、ウレタン(Urethane)系素材およびアクリル(Acrylic)系素材のうちの少なくとも一つを含むことができ、特にウレタン系素材を含むことが好ましい。
【0066】
前記熱伝導性樹脂は、熱伝導度に優れた物質であり、電池セルに発生した熱が熱伝導性樹脂層411と前記ヒートシンクを経て外部に排出され得る。ただし、前記熱伝導性樹脂は、熱伝導性接着物質を含むものであって、塗布時には液状であるが、電池セル積層体200がその上に積層された後には硬化され得る。したがって、熱伝導性樹脂層411は、電池セル積層体200を電池モジュール100内で固定させることができる。つまり、本実施形態での熱伝導性樹脂層411は、電池セル積層体200に対する放熱特性を向上させるだけでなく、電池セル積層体200を効果的に固定する効果を有する。
【0067】
前述した本実施形態による電池モジュールや電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用され得るが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0068】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0069】
110:電池セル
200:電池セル積層体
300:モジュールフレーム
400:フレーム部材
550:ガイドプレート
560:本体部
570:挿入部
580:ベース部
710、720:圧縮パッド