(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】無線電力伝送用の磁気リレー構造を有するアクセサリ
(51)【国際特許分類】
H02J 50/50 20160101AFI20240507BHJP
H02J 50/70 20160101ALI20240507BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240507BHJP
【FI】
H02J50/50
H02J50/70
H02J50/10
(21)【出願番号】P 2022559355
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(86)【国際出願番号】 US2021033553
(87)【国際公開番号】W WO2021247250
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-09-28
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】シュー ゼーリン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ナン
(72)【発明者】
【氏名】ムサウィ ザキ
(72)【発明者】
【氏名】リージ ジャンパオロ
(72)【発明者】
【氏名】バルガヴァ クナル
(72)【発明者】
【氏名】キーズヴィーディ サンパス マドゥズーダナン
(72)【発明者】
【氏名】チャバルコ マシュー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】スクリツキー ロバート
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0094078(US,A1)
【文献】特開2013-135523(JP,A)
【文献】特開2019-067381(JP,A)
【文献】特開2018-191515(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0300085(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0170678(US,A1)
【文献】特開2014-220994(JP,A)
【文献】登録実用新案第3225411(JP,U)
【文献】特開2018-180817(JP,A)
【文献】特開2019-122149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/50
H02J 50/70
H02J 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面を有する電子デバイス用のカバーであって、
前記電子デバイスを受容するように構成された後部カバー部分と、
前記後部カバー部分に対して移動するように構成されており、前記電子デバイスの前記前面を覆うように構成された前部カバー部分と、
前記前部カバー部分に埋め込まれたフェリ磁性コアであって、前記電子デバイス内の第1のコイルから受信された磁束を追加の電子デバイス内の第2のコイルに導くように構成されているフェリ磁性コアと、
を備える、カバー。
【請求項2】
前記フェリ磁性コアは第1のフェリ磁性コアであり、前記カバーは、
前部カバー部分の第1の磁気位置合わせ構造を更に備え、前記第1の磁気位置合わせ構造が、前記電子デバイス内の第2の磁気位置合わせ構造と、前記追加の電子デバイス内の第3の磁気位置合わせ構造と、に磁気的に結合されたときに、前記第1のフェリ磁性コアは、前記電子デバイスの第2のフェリ磁性コアと前記追加の電子デバイス内の第3のフェリ磁性コアとの間に挿入される、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記第1のフェリ磁性コアと前記第1の磁気位置合わせ構造との間に挿入された前記前部カバー部分のシールド構造を更に備える、請求項2に記載のカバー。
【請求項4】
前記シールド構造は、前記第1のフェリ磁性コアを横方向に取り囲む円形シールド構造である、請求項3に記載のカバー。
【請求項5】
前記シールド構造は銅を含む、請求項3に記載のカバー。
【請求項6】
前記第1の磁気位置合わせ構造は第1の永久磁石であり、前記第2の磁気位置合わせ構造は第2の永久磁石であり、前記第3の磁気位置合わせ構造は第3の永久磁石である、請求項5に記載のカバー。
【請求項7】
前記フェリ磁性コアは第1のフェリ磁性コアであり、前記カバーは、
前記前部カバー部分内の第1の位置合わせ構造を更に備え、前記第1の位置合わせ構造が、前記電子デバイス内の第2の位置合わせ構造と、前記追加の電子デバイス内の第3の位置合わせ構造と、に位置合わせされたときに、第1のフェリ磁性コアが、前記電子デバイスと前記追加の電子デバイスとの間の高磁束密度領域に配置される、請求項1に記載のカバー。
【請求項8】
前記フェリ磁性コアは、第1のフェリ磁性コアであり、前記カバーは、
前記前部カバー部分に埋め込まれた第2のフェリ磁性コア
であって、前記第2のフェリ磁性コアは、前記電子デバイス内の第3のコイルからの受信された磁束を前記追加の電子デバイス内の第4のコイルに向かって導くように構成されて
いる、第2のフェリ磁性コアと、
前記前部カバー部分の第1の永久磁石と、
前記前部カバー部分の第2の永久磁石と、
前記第1のフェリ磁性コアと前記第1の永久磁石との間に挿入された第1のシールド構造と、
前記第2のフェリ磁性コアと前記第2の永久磁石との間に挿入された第2のシールド構造と、
をさらに備え、
前記第1の永久磁石は、前記電子デバイス内の第3の永久磁石に磁気的に結合するように構成されており、前記第1の永久磁石は、前記追加の電子デバイス内の第4の永久磁石に磁気的に結合するように構成されている、請求項1に記載のカバー。
【請求項9】
前記追加の電子デバイスはスタイラスを含み、前記前部カバー部分が前記前面を覆うときに、前記前部カバー部分は、無線充電中に前記スタイラスと前記電子デバイスの前記前面との間に挿入される、請求項1に記載のカバー。
【請求項10】
前記スタイラスは、無線充電中に前記電子デバイスのスクリーンの表示エリアと重なり合うように構成されている、請求項9に記載のカバー。
【請求項11】
前記スタイラスは、無線充電中に前記電子デバイスの境界エリアと重なり合うように構成されており、前記境界エリアは、
前記電子デバイスのスクリーンの表示エリアと前記電子デバイスの縁部との間に挿入される、請求項9に記載のカバー。
【請求項12】
前記スタイラスが前記電子デバイスの前記前面に直接配置されたときに、前記スタイラス及び前記電子デバイスは、無線電力を互いに伝送するように構成されている、請求項9に記載のカバー。
【請求項13】
電子デバイス用のアクセサリであって、
前記電子デバイスと追加の電子デバイスとの間の無線電力伝送動作中に、前記電子デバイスと前記追加の電子デバイスとの間に挿入された誘電体層と、
第1の磁気位置合わせ構造と、
前記第1の磁気位置合わせ構造が、前記電子デバイス内の第2の磁気位置合わせ構造と、前記追加の電子デバイス内の第3の磁気位置合わせ構造と、に磁気的に結合されたときに、前記電子デバイス内の第2のフェリ磁性コアと前記追加の電子デバイス内の第3のフェリ磁性コアとの間に挿入された前記誘電体層内の第1のフェリ磁性コアと、
前記第1の磁気位置合わせ構造と前記第1のフェリ磁性コアとの間に挿入された前記誘電体層内のシールド構造と、
を備える、アクセサリ。
【請求項14】
前記電子デバイスを受容するように構成された凹部を画定する後壁及び周辺側壁を更に備える、請求項13に記載のアクセサリ。
【請求項15】
前記周辺側壁のうちの1つは、前記誘電体層と前記第1のフェリ磁性コアを含む、請求項14に記載のアクセサリ。
【請求項16】
前記後壁は、前記誘電体層と前記第1のフェリ磁性コアを含む、請求項14に記載のアクセサリ。
【請求項17】
前記第1のフェリ磁性コアは、前記電子デバイス内の第1のコイルから受信された磁束を前記追加の電子デバイス内の第2のコイルに向かって中継するように構成されている、請求項14に記載のアクセサリ。
【請求項18】
前記第1の磁気位置合わせ構造は、中央開口を有する円形永久磁石であり、前記第1のフェリ磁性コアは、前記中央開口に配置された円形磁性コアである
、請求項13に記載のアクセサリ。
【請求項19】
着脱可能アクセサリ内で動作可能で、前記着脱可能アクセサリは磁気リレー構造を有する電子デバイスであって、
前記着脱可能アクセサリに結合するように構成された筐体と、
前記筐体内のディスプレイと、
フェリ磁性コア及びコイルを含む前記筐体内の電力送信アセンブリと、を更に備え、前記コイルは、前記着脱可能アクセサリを介し
て追加の電子デバイスに無線電力を伝送するように構成されており、前記着脱可能アクセサリ内の前記磁気リレー構造は、前記コイルが無線電力を
前記追加の電子デバイスに伝送するときに、前記追加の電子デバイス内の追加のコイルに向かって前記コイルから磁束を中継するように構成されている、電子デバイス。
【請求項20】
前記フェリ磁性コア及び前記コイルに対して前記磁気リレー構造を位置合わせするように、前記着脱可能アクセサリ内の追加の永久磁石に磁気的に結合するように構成された永久磁石を更に備える、請求項19に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、電力システムに関し、より具体的には、電子デバイスを充電するための無線電力システムに関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年2月19日に出願された米国特許出願第17/179,647号、及び2020年6月4日に出願された米国仮特許出願第63/034,544号に対する優先権を主張するものであり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
無線充電システムでは、充電マット又は充電パックなどの無線電力送信デバイスは、ポータブル電子デバイスなどの無線電力受信デバイスに無線で電力を送信する。ポータブル電子デバイスは、コイルと整流回路とを有する。ポータブル電子デバイスのコイルは、無線電力送信デバイスから交流無線電力信号を受信する。整流回路は、受信した信号を直流電力に変換する。
【発明の概要】
【0004】
無線電力システムは、無線電力送信デバイスと無線電力受信デバイスとを有する。無線電力送信デバイスは、コイルと、コイルに結合された無線電力送信回路とを含み得る。無線電力送信回路は、コイルを用いて無線電力信号を送信するように構成されていてもよい。無線電力受信デバイスは、無線電力送信デバイスから無線電力信号を受信するように構成されたコイルと、無線電力信号を直流電力に変換するように構成された整流回路とを含み得る。
【0005】
無線電力システム内のデバイスは、ケースなどの着脱可能アクセサリとともに動作可能であり得る。電子デバイスがケースに結合されている間、デバイスはケースを介して無線電力を送信又は受信することができる。ケースは、電子デバイスのディスプレイを覆う前部カバー部分を有するフォリオ(folio)形状を有し得る。
【0006】
着脱可能アクセサリは、着脱可能アクセサリに隣接する電子デバイス間の無線電力伝送動作中に磁束を中継する埋込型フェリ磁性コアを有し得る。当該ケース内の磁気位置合わせ構造は、当該ケース内のフェリ磁性コアを、電力送信デバイスと電力受信デバイスとの間の高磁束密度領域に位置付けることができる。フェリ磁性コアは、電力送信デバイス内の送信コイルと電力受信デバイス内の受信コイルとの間の磁束を中継する。
【0007】
フェリ磁性コアは、電子デバイスのディスプレイを覆うように構成されたケースの前部に形成され得る。フェリ磁性コアはまた、ケースの側壁又は後壁に形成され得る。ケースは、フェリ磁性コアの周りの銅シールド構造を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る無線電力送信デバイス及び無線電力受信デバイスを含む例示的な無線充電システムの概略図である。
【
図2】実施形態に係る例示的な無線電力送信回路及び無線電力受信回路の回路図である。
【
図3A】実施形態に係る無線充電システムにおける例示的なデバイスの上面図及び側断面図である。
【
図3B】実施形態に係る無線充電システムにおける例示的なデバイスの上面図及び側断面図である。
【
図4】実施形態に係る前部カバー部分を有する例示的な着脱可能ケースの上面図である。
【
図5】実施形態に係る
図4の例示的な着脱可能ケースの側断面図である。
【
図6】実施形態に係る電子デバイスと前部カバー部分を有さない着脱可能ケースを含む例示的な無線充電システムの斜視図である。
【
図7】実施形態に係る無線電力受信デバイスと直接隣接する無線電力送信デバイスを有する例示的な無線充電システムの側面図である。
【
図8A】実施形態に係る無線電力送信デバイスと無線電力受信デバイスとの間に挿入された着脱可能ケースを有する例示的な無線充電システムの側面図である。
【
図8B】実施形態に係る無線電力送信デバイスと無線電力受信デバイスとの間に挿入された着脱可能ケースを有する例示的な無線充電システムの側面図である。
【
図9A】実施形態に係る無線電力送信デバイスと無線電力受信デバイスとの間で磁束を中継するための磁性コアを有する例示的な着脱可能カバーの上面図である。
【
図9B】実施形態に係る無線電力送信デバイスと無線電力受信デバイスとの間で磁束を中継するための磁性コアを有する例示的な着脱可能カバーの上面図である。
【
図10】実施形態に係る無線電力送信デバイスと無線電力受信デバイスとの間に挿入されたリング形状の磁性コアを有する着脱可能ケースを持つ例示的な無線充電システムの側面図である。
【
図11】実施形態に係る
図10に示すタイプのリング形状の磁性コアを有する例示的な着脱可能カバーの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
無線電力システムは、無線電力受信デバイスに無線で電力を送信する無線電力送信デバイスを有する。無線電力送信デバイスは、無線充電マット、無線充電パック、無線充電スタンド、無線充電テーブル、又は他の無線電力送信機器などのデバイスであり得る。無線電力送信デバイスは、スタンドアロンデバイスであってもよいし、又はラップトップ若しくはタブレットコンピュータ、携帯電話又は他の電子デバイスなどの他の電子デバイスに組み込まれてもよい。無線電力送信デバイスは、無線電力受信デバイス内の1つ以上の無線電力受信コイルに無線電力を送信する際に使用される1つ以上のコイルを有する。無線電力受信デバイスは、携帯電話、時計、メディアプレーヤ、タブレットコンピュータ、イヤーバッドのペア、リモート制御、ラップトップコンピュータ、電子ペンシル若しくはスタイラス、他のポータブル型電子デバイス、又は他の無線電力受信機器などのデバイスである。
【0010】
動作中、無線電力送信デバイスは、交流信号を1つ以上の無線電力送信コイルに供給する。これにより、コイルは、無線電力受信デバイス内の1つ以上の対応するコイルに交流電磁信号(無線電力信号と称されることもある)を送信する。無線電力受信デバイス内の整流回路は、受信した無線電力信号を、無線電力受信デバイスに給電するための直流(DC)電力に変換する。
【0011】
いくつかの場合には、電子デバイスは、着脱可能ケースに結合され得る。着脱可能ケースによって保持される場合、着脱可能ケースの一部分は、電子デバイスと、隣接の電子デバイスとの間に挿入され得る。一例では、ケースによって保持された電子デバイスは、電力受信デバイスとして機能することができ、隣接の電子デバイスは電力送信デバイスとして機能することができる。別の例では、ケースによって保持された電子デバイスは、電力送信デバイスとして機能することができ、隣接の電子デバイスは、電力受信デバイスとして機能することができる。着脱可能ケースの存在は、無線電力受信デバイスのコイルと無線電力送信デバイス内のコイルとの間の距離を増加させ得る。充電効率を改善するために、着脱可能ケースは、送信デバイスから受信デバイスに磁束を導くための1つ以上の磁性コア(例えば、フェライトピース)を含み得る。
【0012】
例示的な無線電力システム(無線充電システム)を、
図1に示す。
図1に示すように、無線電力システム8は、無線電力送信デバイス12などの無線電力送信デバイスを含み、無線電力受信デバイス24などの無線電力受信デバイスを含む。無線電力送信デバイス12は制御回路16を含む。無線電力受信デバイス24は制御回路30を含む。制御回路16及び制御回路30などのシステム8内の制御回路は、システム8の動作を制御する際に使用される。この制御回路は、マイクロプロセッサ、電力管理ユニット、ベースバンドプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、及び/又は処理回路を有する特定用途向け集積回路と関連付けられた処理回路を含み得る。処理回路は、デバイス12及びデバイス24内に所望の制御及び通信機能を実施する。例えば、処理回路は、コイルの選択、送信電力レベルの判定、センサデータ及び他のデータの処理、ユーザ入力の処理、デバイス12とデバイス24との間の交渉への対処、帯域内データ及び帯域外データの送信及び受信、測定の実行、並びに他の方法でのシステム8の動作の制御に使用され得る。
【0013】
システム8内の制御回路は、ハードウェア(例えば、専用のハードウェア又は回路)、ファームウェア及び/又はソフトウェアを使用して、システム8内で動作を実行するように構成されていてもよい。システム8内で動作を実行するためのソフトウェアコードは、制御回路8内の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、有形のコンピュータ可読記憶媒体)上に記憶される。ソフトウェアコードは、ソフトウェア、データ、プログラム命令、命令、又はコードと称されることがあり得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(Non-Volatile Random-Access Memory、NVRAM)などの不揮発性メモリ、1つ以上のハードドライブ(例えば、磁気ドライブ又はソリッドステートドライブ)、1つ以上の着脱可能フラッシュドライブ、又は他の着脱可能媒体などを含むことができる。非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアは、制御回路16及び/又は30の処理回路上で実行することができる。処理回路は、処理回路を有する特定用途向け集積回路、1つ以上のマイクロプロセッサ、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、又は他の処理回路を含むことができる。
【0014】
電力送信デバイス12は、スタンドアロン型電力アダプタ(例えば、電力アダプタ回路を含む無線電力送信デバイス)であってもよく、無線充電パック、又はケーブルによって電力アダプタ若しくは他の機器に結合されている他のデバイスであってもよく、家具、車両、若しくは他のシステムに組み込まれている機器であってもよく、着脱可能バッテリケースであってもよく、又は他の無線電力送信機器であってもよい。いくつかの場合には、電力送信デバイス12は、携帯電話、時計、メディアプレーヤ、タブレットコンピュータ、イヤーバッドのペア、リモート制御、ラップトップコンピュータ、電子ペンシル若しくはスタイラス、又は他のポータブル電子デバイスなどのポータブル電子デバイスであり得る。電力送信デバイス12はまた、無線電力を受信することが可能であり得る(また、電力受信デバイス24と同様の電力受信構成要素を有し得る)。
【0015】
電力受信デバイス24は、携帯電話、時計、メディアプレーヤ、タブレットコンピュータ、イヤーバッドのペア、リモート制御、ラップトップコンピュータ、電子ペンシル若しくはスタイラス、他のポータブル電子デバイス、又は他の無線電力受信機器などのポータブル電子デバイスであり得る。
【0016】
電力送信デバイス12は、壁コンセント(例えば、交流電源)に結合されてもよく、電力を供給するためのバッテリ18などのバッテリを有してもよく、かつ/又は別の電源を有してもよい。電力送信デバイス12は、壁コンセント又は他の電源からの交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換するための、AC-DC電力コンバータ14などのAC-DC電力コンバータを有してもよい。DC電力は、デバイス12内の制御回路16及び他の構成要素に給電するために使用され得る。いくつかの場合では、単一の電子デバイスは、電力受信デバイス及び電力送信デバイスの両方として機能する(例えば、デバイスが電力送信回路及び電力受信回路の両方を有する)ように構成されていてもよい。
【0017】
DC電力を使用して、制御回路16に電力を供給することができる。動作中、制御回路16内のコントローラは、電力送信回路52を使用して、デバイス24の電力受信回路54に無線電力を送信する。電力送信回路52は、制御回路16によって提供される制御信号に基づいてオン及びオフに切り替えられて、無線電力送信コイル36などの1個以上の無線電力送信コイルを介してAC電流信号を生成するスイッチング回路(例えば、トランジスタなどのスイッチから形成されるインバータ回路61)を有してもよい。コイル36は、(例えば、デバイス12が無線充電マットである構成では)平面状のコイルアレイで配置されてもよく、又は(例えば、デバイス12が無線充電パックである構成では)コイルのクラスタを形成するように配置されてもよい。いくつかの配置では、デバイス12は、単一のコイルのみを有してもよい。他の配置では、デバイス12は、複数のコイル(例えば、2個のコイル、2個以上のコイル、4個以上のコイル、6個以上のコイル、2~6個のコイル、10個未満のコイルなど)を有してもよい。
【0018】
AC電流が1個以上のコイル36に流れると、電力受信デバイス24内のコイル(単数又は複数)48などの1個以上の対応する受信コイルによって受信される交流電磁場(例えば、磁場)(無線電力信号44)が生成される。デバイス24は、単一のコイル48、少なくとも2個のコイル48、少なくとも3個のコイル48、少なくとも4個のコイル48、又は他の好適な数のコイル48を有してもよい。
【0019】
交流電磁場(磁束と称されることもある)がコイル48によって受信されるとき(例えば、磁束がコイル48を通過するとき)、対応する交流電流がコイル48内に誘導される。ブリッジネットワーク内に配置された同期整流金属酸化物半導体トランジスタなどの整流構成要素を含む、整流回路50などの整流回路は、受信したAC信号(電磁信号44に関連付けられた受信した交流信号)を、1個以上のコイル48からデバイス24に給電するためのDC電圧信号に変換する。
【0020】
整流回路50によって生成されたDC電圧(整流器出力電圧Vrectと称されることがある)は、バッテリ58などのバッテリを充電する際に使用することができ、デバイス24内の他の構成要素に電力を供給する際に使用することができる。例えば、デバイス24は、入出力デバイス56を含むことができる。入出力デバイス56は、ユーザ入力を収集する及び/又は環境測定を行うための入力デバイスを含むことができ、ユーザに出力を提供するための出力デバイスを含んでもよい。例として、入出力デバイス56は、視覚出力を生成するためのディスプレイ、オーディオ信号として出力を提示するためのスピーカ、状態情報及び/若しくは他の情報をユーザに提供する光を発するための発光ダイオード状態インジケータライト並びに他の発光構成要素、振動及び他の触覚出力を生成するための触覚デバイス、並びに/又は他の出力デバイスを含むことができる。入出力デバイス56はまた、ユーザからの入力を収集するため及び/又はシステム8の周囲の測定を行うためのセンサを含んでもよい。入出力デバイス56に含まれ得る例示的なセンサとしては、三次元センサ(例えば、光ビームを放射し、二次元デジタル画像センサを使用して、標的が光ビームによって照射されると生成される光スポットから三次元画像のための画像データを収集する、構造化光センサなどの三次元画像センサ、双眼撮像構成で2つ以上のカメラを使用して三次元画像を収集する双眼三次元画像センサ、三次元ライダー(光検出及び測距)センサ、三次元高周波センサ、又は三次元画像データを収集する他のセンサ)、カメラ(例えば、対応する赤外線及び/若しくは可視デジタル画像センサを有する赤外線及び/若しくは可視カメラ、並びに/又は紫外光カメラ)、視線追跡センサ(例えば、画像センサに基づく視線追跡システム、及び所望であれば、ユーザの眼から反射した後に画像センサを使用して追跡される1つ以上の光ビームを放射する光源)、タッチセンサ、ボタン、容量性近接センサ、赤外線近接センサなどの光ベースの(光学)近接センサ、他の近接センサ、力センサ、スイッチに基づく接触センサなどのセンサ、ガスセンサ、圧力センサ、湿度センサ、磁気センサ、オーディオセンサ(マイクロフォン)、周囲光センサ、スペクトル測定及び標的オブジェクトに関する他の測定を行う(例えば、光を放射し、反射光を測定することによって)ための光学センサ、音声コマンド及び他のオーディオ入力を収集するためのマイクロフォン、距離センサ、動き、位置、及び/若しくは向きに関する情報を収集するように構成された動き、位置、及び/若しくは向きセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、及び/又はこれらのセンサの全て若しくはこれらのセンサのうちの1つ若しくは2つのサブセットを含む慣性測定ユニット)、ボタン押圧入力を検出するボタンなどのセンサ、ジョイスティック移動を検出するセンサを有するジョイスティック、キーボード、並びに/又は他のセンサが挙げられる。これらの入出力構成要素(デバイス24の負荷を形成する)のいずれも、整流回路50によって生成されたDC電圧(及び/又はバッテリ58によって生成されたDC電圧)によって給電され得る。
【0021】
デバイス12は任意選択的に、1つ以上の入出力デバイス60(例えば、入出力デバイス56に関連して説明したタイプの入力デバイス及び/又は出力デバイス)を有することができる。例えば、デバイス12は、ディスプレイ32及び1つ以上のセンサを含むタブレットコンピュータであり得る。
【0022】
デバイス12及び/又はデバイス24は、帯域内通信又は帯域外通信を使用して無線で通信することができる。デバイス12は、例えば、アンテナを使用して、デバイス24に帯域外信号を無線で送信する無線送受信機回路40を有してもよい。無線送受信機回路40は、アンテナを使用して、デバイス24から帯域外信号を無線で受信するために使用することができる。デバイス24は、デバイス12に帯域外信号を送信する無線送受信機回路46を有してもよい。無線送受信機46内の受信機回路は、アンテナを使用して、デバイス12から帯域外信号を受信することができる。デバイス12と24との間の帯域内送信は、コイル36及び48を使用して実行することができる。
【0023】
電力送信デバイス12及び電力受信デバイス24は、無線電力伝送を制御するために、受信電力、充電状態などの情報を通信することができることが望ましい。しかしながら、このプロセスは、デバイス識別情報の送信を伴う必要はない。慎重を期して、この充電技術の任意の実装形態がデバイス識別情報(又はより一般に、個人を特定できる情報)の使用を伴う限り、実装者は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たしている、又は超えていると一般に認識されているプライバシーポリシー及び慣行に従うべきである。特に、識別情報データは、意図されない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質は、ユーザに明確に示されるべきである。可能な場合、そのような識別情報は、バイト単位の情報の全部ではなく一部のビットを使用するなどによって抽象化されてもよく、結果として得られる識別は、グローバルに一意ではないが、合理的なデバイス使用のシナリオ下での通信を容易にするにはなおも十分である。
【0024】
制御回路16は、(例えば、充電面の上部の)デバイス12に隣接する外部オブジェクトを検出するために使用され得る外部オブジェクト測定回路41を有する。回路41は、コイル、ペーパークリップ、及び他の金属オブジェクトなどの異物を検出することができ、無線電力受信デバイス24の存在を検出することができる(例えば、回路41は、1個以上のコイル48の存在を検出することができる)。デバイス12が充電パックを形成する配置では、充電パックは、デバイス24の形状と嵌合する表面形状を有し得る。パック又は他のデバイス12は、所望であれば、効率的な無線充電のためにコイル48をコイル36と位置合わせさせるプロセスにおいて、デバイス12をデバイス24に着脱可能に取り付ける磁石(磁気位置合わせ構造と称されることもある)を有する。
【0025】
オブジェクト検出及び特性評価の動作中、外部オブジェクト測定回路41を使用して、コイル36上で測定を行い、任意のデバイス24がデバイス12上に存在するかどうかを判定することができる。所望であれば、(電力送信に使用されない)追加のコイル、及び/又は他の追加のセンサを、オブジェクト検出及び特性評価の動作に使用してもよい。
【0026】
例示的な配置では、制御回路16の測定回路41は、信号発生器回路(例えば、1つ以上のプローブ周波数でACプローブ信号を生成する発振器回路、インパルス応答を測定してインダクタンス情報、Q係数情報などを収集できるようにインパルスを生成し得るパルス発生器)、及び信号検出回路(フィルター、アナログ-デジタルコンバータ、インパルス応答測定回路など)を含む。測定動作中、デバイス12内の(例えば、デバイス12のパック内の)スイッチング回路は、制御回路16によって調整されて、コイル36のそれぞれを使用状態に切り替えることができる。各コイル36が選択的に使用状態に切り替えられると、制御回路16は、信号測定回路41の信号検出回路を使用して対応する応答を測定している間に、信号測定回路41の信号発生器回路を使用して、そのコイルにプローブ信号を印加する。制御回路30内及び/又は制御回路16内の測定回路43はまた、電流及び電圧の測定を行う際に使用されてもよい(例えば、この情報をデバイス24及び/又はデバイス12により使用することができるように)。
【0027】
図2は、システム8用の例示的な無線充電回路の回路図である。
図2に示すように、回路52は、1つ以上のインバータ61などのインバータ回路、又は1個以上のコイル36及びコンデンサ70などのコンデンサを含む出力回路を介して送信される無線電力信号を生成する他の駆動回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイス12は、それぞれが各コイル36に駆動信号を供給する複数の個別に制御されるインバータ61を含み得る。他の実施形態では、インバータ61は、スイッチング回路を使用して複数のコイル36間で共有される。
【0028】
動作中、インバータ(単数又は複数)61の制御信号は、制御入力74において制御回路16によって提供される。単一のインバータ61及び単一のコイル36が
図2の実施例に示されているが、所望であれば、複数のインバータ61及び複数のコイル36が使用されてもよい。複数コイル構成では、スイッチング回路(例えば、マルチプレクサ回路)を使用して、単一のインバータ61を複数のコイル36に結合することができ、及び/又は各コイル36をそれぞれのインバータ61に結合することができる。無線電力送信動作中、1つ以上の選択されたインバータ61内のトランジスタは、制御回路16からのAC制御信号によって駆動される。インバータ間の相対位相は、動的に調整することができる(例えば、ペアのインバータ61は、同相又は異相(例えば、180°異相)の出力信号を生成し得る)。
【0029】
インバータ(単数又は複数)61(例えば、回路52内のトランジスタ又は他のスイッチ)を使用して駆動信号を印加することにより、選択されたコイル36及びコンデンサ70から形成された出力回路に、デバイス24内の1個以上のコイル48及び1個以上のコンデンサ72から形成された無線電力受信回路を使用して無線電力受信回路54によって受信される交流電磁場(信号44)を生成させる。
【0030】
所望であれば、駆動コイル36間の相対位相(例えば、駆動されているコイル36のうちの別の隣接する1つに対して駆動されているコイル36のうちの1つの位相)は、デバイス12とデバイス24との間の無線電力伝送を強化するのに役立つように制御回路16によって調整されてもよい。整流回路50は、1個以上のコイル48(例えば、一対のコイル)に結合され、受信した電力をACからDCに変換し、デバイス24内の負荷回路に給電するために(例えば、バッテリ58を充電するために、ディスプレイ及び/又は他の入出力デバイス56に給電するために、及び/又は他の構成要素に給電するために)整流器出力端子76間に直流出力電圧Vrectを供給する。単一のコイル48又は複数のコイル48が、デバイス24内に含まれてもよい。例示的な構成では、デバイス24は、少なくとも2個のコイル48を有するスタイラス又は他のポータブルデバイスであってもよい。これらの2個(以上)のコイル48は、無線電力を受信する際に一緒に使用されてもよい。所望であれば、他の構成を使用してもよい。
【0031】
前述したように、コイル36及び48を使用する帯域内送信が、デバイス12と24との間で情報を伝達(例えば、送信及び受信)するために使用されてもよい。1つの例示的な構成では、周波数シフトキーイング(FSK)を使用して、デバイス12からデバイス24へ帯域内データを送信し、振幅シフトキーイング(ASK)を使用して、デバイス24からデバイス12へ帯域内データを送信する。電力は、これらのFSK及びASK送信中にデバイス12からデバイス24に無線で伝達され得る(例えば、デバイス12及び24がハンドシェイクプロセスを完了し、持続的な電力伝送レベルに合致しているかどうかにかかわらず、帯域内通信中に少なくともいくつかの無線電力が伝達される)。電力送信回路52がコイル36のうちの1個以上にAC信号を駆動して電力送信周波数の信号44を生成している間に、無線送受信機回路40は、FSK変調を使用して駆動AC信号の電力送信周波数を変調し、それによって信号44の周波数を変調してもよい。デバイス24では、コイル48が信号44を受信するために使用される。電力受信回路54は、コイル48及び整流器50上で受信信号を使用して、DC電力を生成する。同時に、無線送受信機回路46は、コイル(単数又は複数)48を通過するAC信号の周波数を監視し、FSK復調を使用して、送信された帯域内データを信号44から抽出する。このアプローチにより、コイル36及びコイル48を使用してデバイス12からデバイス24に電力を無線で伝達している間に同時に、コイル36及び48を用いてFSKデータ(例えば、FSKデータパケット)をデバイス12からデバイス24に帯域内で送信することが可能になる。
【0032】
デバイス24とデバイス12との間の帯域内通信は、ASK変調及び復調技術を使用することができる。無線送受信機回路46は、スイッチ(例えば、コイル48に結合される送受信機46内の1つ以上のトランジスタ)を使用することによって、デバイス12に帯域内データを送信して、電力受信回路54(例えば、コイル48)のインピーダンスを変調する。これにより、次々に、信号44の振幅、及びコイル(単数又は複数)36を通過するAC信号の振幅を変調する。無線送受信機回路40は、コイル(単数又は複数)36を通過するAC信号の振幅を監視し、ASK復調を使用して、無線送受信機回路46によって送信されたこれらの信号から、送信された帯域内データを抽出する。ASK通信を使用することにより、コイル36及びコイル48を使用してデバイス24からデバイス12へ電力が同時に無線で伝達されている間に、コイル48及びコイル36を用いてASKデータビット(例えば、ASKデータパケット)をデバイス24からデバイス12へ帯域内送信することが可能になる。
【0033】
電力送信デバイス12から電力受信デバイス24に帯域内データを伝達するために使用されるFSK変調、及び電力受信デバイス24から電力送信デバイス12に帯域内データを伝達するために使用されるASK変調の例は、単なる例示に過ぎない。一般に、任意の所望の通信技術を使用して、電力送信デバイス12から電力受信デバイス24に、電力受信デバイス24から電力送信デバイス12に情報を伝達することができる。
【0034】
図3A及び
図3Bの例示的な構成では、本明細書において例として説明されることがあるが、デバイス12は、ディスプレイを有するタブレットコンピュータ又は他のデバイスである。デバイス12は、コンピュータスタイラスなどの追加のデバイスに無線電力を送信することができる。ユーザは、スタイラスを使用してタブレットコンピュータ12上に描写又は書き込み、他の入力をタブレットコンピュータ12に提供することができる。
【0035】
図3Aは、デバイス12の上面図であり、
図3Bは、デバイス12の側断面図である。
図3Aに示すように、タブレットコンピュータ12は、ディスプレイ32が搭載される筐体164などの筐体を含み得る。追加の入出力デバイス(ボタンなど)もまた、タブレットコンピュータ12に入力を供給するために使用され得る。ディスプレイ32は、容量性タッチスクリーンディスプレイ又は他のタイプのタッチセンサ技術を含むディスプレイであり得る。ディスプレイ32のタッチセンサは、スタイラスから入力を受信するように構成され得る。スタイラスはまた、デバイス12から無線電力を受信し得る。
【0036】
スタイラスは、長手方向軸に沿って延在する円筒形状又は他の細長い本体を有し得る。スタイラスの本体は、金属管及び/又はプラスチック管並びに他の細長い構造から形成され得る。スタイラスは、タブレットコンピュータ12内のディスプレイのタッチセンサによって検出される導電性エラストマー部材を含む先端部を有し得る。所望であれば、先端部は、アクティブエレクトロニクス(例えば、ディスプレイのタッチセンサに容量結合され、タッチセンサ上のタッチ入力として検出される信号を送信する回路)を含み得る。
【0037】
スタイラスは、先端部をスタイラスの対向する端部に結合するシャフト部分を含み得る。先端部の反対側の端部は、導電性エラストマー部材、アクティブエレクトロニクス(例えば、タブレットディスプレイのタッチセンサに容量結合され、タッチセンサ上のタッチ入力として検出される信号を送信する回路)、ボタン、外部プラグと嵌合する金属コネクタ、又は他の入出力構成要素を含むことができる。
【0038】
力センサは、スタイラス先端部及び/又はスタイラスの対向する端部に組み込まれ得る。力センサを使用して、ユーザがデバイス12のディスプレイの外面に対してスタイラスをどのくらい力強く押すかを測定することができる。次いで、力データはスタイラスからタブレット12に無線で送信され得るので、タブレットディスプレイ上に描かれている線の厚さは、それに応じて調整でき、又はデバイス12が他の好適な作用を取ることができる。
【0039】
エンクロージャ又はケースと称されることがある、タブレット12の筐体164は、プラスチック、ガラス、セラミック、繊維複合材、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウムなど)、他の好適な材料、又はこれらの材料のうちの任意の2つ以上の組み合わせから形成されてもよい。筐体164は、筐体164の一部若しくは全てが単一の構造体として機械加工又は成形されているユニボディ構成を使用して形成されてもよく、又は複数の構造体(例えば、内部フレーム構造体、外部筐体表面を形成する1つ以上の構造体など)を使用して形成されてもよい。
図3A及び
図3Bの例では、筐体164は、タブレット12の周囲を取り囲む導電性周辺側壁構造164Wを含む。筐体164は、所望であれば、ディスプレイ32に対向する導電性後壁構造164Rを含み得る(例えば、導電性後壁構造164Rは、タブレット12の後外面、側面、又は表面を形成し得る)。所望であれば、後壁164R及び側壁164Wは、(例えば、ユニボディ構成の)連続構造から形成されてもよいし、別個の構造から形成されてもよい。筐体164内に、必要であれば、通信ポート、ボタン用の穴、及び他の構造体を形成するための開口部が形成されてもよい。後壁164R及び/又は側壁164Wは、セラミック、プラスチック、又はガラスなどの金属又は誘電材料から形成され得る。
【0040】
ディスプレイ32は、導電性の静電容量式タッチセンサ電極又は他のタッチセンサ構成要素(例えば、抵抗式タッチセンサ構成要素、音響式タッチセンサ構成要素、力ベースのタッチセンサ構成要素、光ベースのタッチセンサ構成要素など)の層を組み込んだタッチスクリーンディスプレイであってもよく、又はタッチ感知式でないディスプレイであってもよい。静電容量式タッチスクリーン電極は、インジウムスズ酸化物のパッド又は他の透明導電性の構造体のアレイから形成されてもよい。
【0041】
ディスプレイ32(スクリーンと称されることもある)は、表示ピクセルのアレイを含むアクティブエリアを有し得る。画素のアレイは、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)構成要素、電気泳動画素のアレイ、プラズマディスプレイ画素のアレイ、有機発光ダイオード表示画素若しくは他の発光ダイオードディスプレイ画素のアレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ画素のアレイ、又は他のディスプレイ技術に基づく表示画素で形成されてもよい。
【0042】
ディスプレイ32は、透明ガラス、透明プラスチック、透明セラミック、サファイア、若しくは他の透明な結晶性材料の層、又は他の光学的透明層(単数又は複数)などの、ディスプレイカバー層を用いて保護されてもよい。ディスプレイカバー層は、平面形状、凸湾曲形状、平面部分及び湾曲部分を有する形状、平面主エリアの平面から曲がった部分を有する1つ以上の縁部に囲まれた平面主エリアを含むレイアウト、又は他の好適な形状を有し得る。ディスプレイカバー層は、タブレット12の前面全体を覆うことができる(例えば、y軸に平行なタブレット12の長さ寸法と、
図3A及び
図3Bのx軸に平行なタブレット12の幅寸法の全体にわたって延在する)。側壁164Wは、後壁164Rによって形成されたタブレット12の後面からディスプレイカバー層に延在し得る(例えば、
図3A及び
図3Bのz軸に平行なタブレット12の高さ寸法にわたって延在する)。別の好適な構成では、ディスプレイカバー層は、タブレット12の前面の実質的に全てを覆ってもよいし、又はタブレット12の前面の一部分のみを覆ってもよい。開口部が、ディスプレイカバー層において形成されてもよい。例えば、ボタンを収容するために、開口部をディスプレイカバー層内に形成することができる。開口部はまた、スピーカポートなどのポートを収容するためにディスプレイカバー層内に形成することができる。
【0043】
筐体164は、4つの周辺縁部(例えば、側壁164W)を有し得る。1つ以上の無線電力送信コイル36は、ディスプレイ32の後ろの筐体164内に搭載され得る。所望であれば、1つ以上の無線電力送信コイル36は、ディスプレイ32の後ろで、4つの周辺縁部のうちの1つに隣接して搭載され得る。例えば、1つ以上のコイル36は、周辺縁部領域166内、周辺縁部領域168内、周辺縁部領域170内、及び/又は周辺縁部領域172内のディスプレイ32の後ろに搭載され得る。ディスプレイ32の後ろに搭載されると、コイル36は、スタイラスがディスプレイ32の表面上に配置されたときに、ディスプレイ32を通ってスタイラスに電力を無線で伝達することができる。これらの例では、送信コイルは、スクリーンの後ろに配置されるので、スタイラスがスクリーンの表示エリア(アクティブエリア)(例えば、スクリーンの発光エリア)上に配置され、無線充電中に表示エリアを介して無線電力を受信する。これらの実施例は単なる例示に過ぎない。別の可能な実施形態では、スタイラスは、充電中にスクリーンの境界エリア(非アクティブエリア)(例えば、スクリーンの周辺の1つ以上の辺の周りに延在する発光ピクセルを有さないスクリーンのエリア)に配置されてもよく、境界エリアを介して送信コイルから無線電力を受信することができる。境界エリアは、スクリーンの表示エリアと電子デバイスの縁部との間に挿入され得る。
【0044】
無線電力送信コイル36がタブレット12の領域168内に形成される例を検討する。このシナリオでは、スタイラスを充電したい場合、ユーザは、(例えば、スタイラスシャフトがディスプレイ32の表面上に置かれ、
図3Aのy軸と位置合わせされるように)スタイラスを領域168内のディスプレイ32の表面に配置することができる。スタイラスが領域168内のディスプレイ32上に(例えば、直接電子デバイスの前面上に)配置されると、スタイラス内の無線電力受信コイル(例えば、
図1のコイル48)は、領域168内の無線電力送信コイル36と位置合わせされ得る。位置合わせされると、無線電力信号44は、タブレットコンピュータ12からスタイラスに送信され得る。スタイラスによって受信される無線電力は、バッテリ(例えば、
図1のバッテリ58)を充電するために使用され得る。バッテリ58が十分に充電されると、ユーザは、スタイラスを拾い上げて、タブレット12にユーザ入力を提供するためにスタイラスを使用し続けることができる。
【0045】
所望であれば、スタイラスがディスプレイ32の表面上に配置されたときに、スタイラス上の受信コイル(単数又は複数)48が確実にタブレット12上の送信コイル(単数又は複数)36と位置合わせされるのを助けるために、位置合わせ構造は領域166、168、170、及び/又は172内に形成されてもよい。そのような位置合わせ構造の例としては、磁気位置合わせ構造、ディスプレイ32の前面に形成されたくぼみ若しくは溝、クリップ構造、接着構造、又は任意の他の所望の位置合わせ構造が挙げられる。送信コイルが領域168内に位置する例では、磁気位置合わせ構造は、所望であれば、領域168内、若しくはそれに隣接して、かつディスプレイ32の下に形成されてもよい。磁気位置合わせ構造は、スタイラス上の導電性構造又は磁気構造を引き付けて、コイル36及びコイル48が位置合わせされる位置にスタイラスをスナップして保持することができる。
【0046】
所望であれば、1つ以上の無線電力送信コイル36は、
図3Bの領域174内など、筐体側壁164Wに隣接するタブレット12内に搭載されてもよい。筐体側壁164Wが導電性材料から形成されるシナリオでは、誘電体窓が側壁内に形成されてもよい。送信コイル36は、スタイラスが誘電体窓に隣接して、又は誘電体側壁に隣接して配置されたときに、無線電力がスタイラスに伝送されることを可能にするように、誘電体窓の後ろに搭載され得る。
【0047】
図3A及び
図3Bの例は、単なる例示に過ぎない。所望であれば、1つ以上の無線電力送信コイル36は、後壁164Rを通してスタイラス24を充電するために筐体後部壁164Rに隣接して形成され得る。筐体後部壁164Rが導電性材料から形成されるシナリオでは、誘電体窓は、筐体後部壁164R内に形成され得、コイル36は、筐体後部壁164Rの誘電窓を介してスタイラスに無線電力を送信することができる。別の好適な構成では、筐体後部壁164Rは、誘電体(例えば、タブレットの後面を形成する誘電体カバー層)から形成され得る。一般に、無線電力送信コイル36は、ディスプレイ32に沿って、筐体側壁164Wに沿って、かつ/又は筐体後部壁164Rに沿って、任意の所望の位置に形成され得る。領域166、168、170、及び172内などのディスプレイ32の周囲に沿って送信コイル36を位置させることにより、(例えば、スタイラスを充電中にユーザが依然としてディスプレイ32を使用して表示された画像を閲覧できるように)ディスプレイ32の過剰な量の閲覧領域を遮断せずに、スタイラスをディスプレイ32の表面に配置することができる。しかし、一般に、無線電力送信コイル36は、ディスプレイ32の表面に沿った任意の所望の場所に位置し得る。無線電力送信コイル36は、タブレット12の4つの周辺側壁164Wのいずれかに沿って位置し得る。
【0048】
この例では、タブレットコンピュータは、スタイラスなどの外部デバイスに無線電力を送信する無線電力送信デバイスとして機能する。この例は単なる例示に過ぎない。代わりに、又は加えて、タブレットコンピュータは、無線電力を受信するための電力受信コイルを含み得る。電力受信コイル(例えば、コイル48)は、一例として、筐体後部壁164Rの誘電体部分に隣接して位置付けられ得る。
【0049】
図4に示すように、無線充電システムは、着脱可能カバー102も含み得る。着脱可能カバー102(着脱可能ケースと称されることもある)は、カバー102がデバイス12と嵌合させる任意の好適な形状を有し得る。
図4の例では、カバー102は、後部102R及び前部102F(第1の部分及び第2の部分と称されることもある)を有するフォリオ形状(フォリオカバーと称されることもある)を有する。後部102Rは、カバー102をデバイス12に受容及び結合させる、周辺側壁102Wによって囲まれた後壁を有する矩形凹部又は他の好適な構造(ストラップ、クリップ、スリーブ、コーナポケットなど)を有し得る。
【0050】
後部102Rと前部102Fとの間の折り畳み軸122に沿って延在するカバー102の部分は、ヒンジ構造(例えば、ヒンジとして機能する可撓性カバー材料又は、部分102F及び102Rを互いに対して回転させながら、これらの部分を結合する他のヒンジ構造)を有し得る。いくつかの構成では、追加の屈曲可能部分が設けられてもよい。例えば、前部102Fは、1つ以上の可撓性ストリップを有し得る。各可撓性ストリップは、(例えば、カバー102がデバイス12に結合されている間に、カバーを1つ以上のスタンド構成になるように扱う、また所望の角度でデバイス12を支えるために)カバー102内に追加の折り目を形成することを可能にする。各可撓性ストリップは、前部102Fの一辺から前部102Fの別の辺まで折り畳み軸122に平行に延在し得る。
【0051】
デバイス12をカバー102内に保護したい場合、デバイス12(例えば、デバイス12の筐体164)を、カバー102の側壁102W及び/又は後壁によって形成された凹部に圧入してもよいし、磁石、クリップ、若しくはストラップを使用してカバー102に結合してもよいし、又は別の方法でカバー102に結合してもよい。カバー102は、布、皮革、ポリマー、他の材料、及び/又はこれらの材料の組み合わせから形成され得る。
【0052】
図5は、着脱可能カバー102に保持されたデバイス12を示す側断面図である。
図5では、カバー102の前部102Fは折り畳まれ、デバイス12の前面を覆っている。したがって、カバー102の前部102Fは、デバイス12のディスプレイ(32)を覆っている。これにより、ディスプレイを損傷から保護することができる。特定の構成では、デバイス12は、カバー102を介して無線充電信号を送信及び/又は受信する必要があり得る。例えば、スタイラスは、(例えば、
図3Aの領域166、168、170、及び172のうちの1つにおいて)無線充電のためにディスプレイ上に配置されるように構成され得る。前部102Fはディスプレイを覆っているため、スタイラスは代わりに、電子デバイスの前面に直接ではなく、カバー102の前部102F上に配置され得る。次いで、無線電力信号は、デバイス12からカバー102を介してスタイラス(例えば、受信デバイス24)に伝達される。
【0053】
無線充電中にデバイス12とデバイス24との間に誘電体カバー102が存在することにより、(デバイス12とデバイス24との間の距離が増加することにより)充電効率を低下させる場合がある。カバー102の有無にかかわらずデバイス12とデバイス24との間の充電効率を維持するために、カバー102は、前部カバー部分102F内にフェライトピースを含んでもよい。フェライトピースは、無線充電エリアと重なり合い、詳細に後に論じるように、送信デバイスと受信デバイスとの間の磁束を中継するように機能することができる。
【0054】
着脱可能ケース102が、折り畳まれ、デバイス12のディスプレイを覆うように構成されたカバー部分(102F)を有する着脱可能カバーである
図4及び
図5の例は単なる例示に過ぎない。いくつかの構成では、前部カバー部分102Fは、着脱可能ケースから省略される場合がある。このタイプの構成を
図6に示す。
【0055】
図6に示すように、着脱可能ケース102は、(例えば、後壁と称されることもある、デバイス12の筐体後部壁を覆うように構成された)後部102Rと、側壁102W(例えば、後壁から延在する4つの周辺側壁)を含み得る。側壁102Wは、デバイス12を着脱可能ケース102内に受容及び固定するように構成された凹部を形成し得る。デバイス12をケース102内に保護したい場合、デバイス12(例えば、デバイス12の筐体164)を、ケース102の側壁102Wによって形成された凹部に圧入してもよいし、磁石、クリップ、若しくはストラップを使用してケース102に結合してもよいし、又は別の方法でケース102に結合してもよい。ケース102は、布、皮革、ポリマー、他の金属材料、及び/又はこれらの材料の組み合わせから形成され得る。
【0056】
一般に、無線電力信号は、カバー102を介して伝達(例えば、送信又は受信)され得る。デバイス12が、デバイス筐体の縁部(例えば、
図3Bの領域174)を介してスタイラスに無線電力信号を送信する例を検討する。デバイスが着脱可能ケース102に結合されると、スタイラスは、ケース102の側壁102W上の対応する領域176上に配置され得る。デバイス12は、カバー102の領域176を介してスタイラスに無線電力信号を送信することができる。デバイス12はまた、スクリーンの表示エリア又は境界エリアを通って、次いでカバーの前部を通ってスタイラスに無線電力信号を送信することができる。
【0057】
別の例では、タブレットコンピュータは、後面に無線電力受信コイルを含み得る。この状況では、タブレットコンピュータは、無線電力受信デバイスとして機能し、無線充電マット又は無線充電パックなどの無線電力送信デバイスから無線電力を受信することができる。タブレットコンピュータは依然として、(例えば、
図4及び
図5又は
図6に示すタイプの)ケース102に結合され得る。タブレットコンピュータがケース102に結合されると、ケースの後部102Rは、タブレットコンピュータと無線充電マットとの間に挿入され得る。したがって、タブレットコンピュータは、ケース102の後部102R上の領域178を通って無線電力信号を受信することができる。
【0058】
図7は、(介在ケースを有しない)無線電力送信デバイスに直接隣接する無線電力受信デバイスを有する無線充電システム8の例を示す。図示するように、電力送信アセンブリ202(例えば、電力送信回路52の一部)は、無線電力送信デバイス12内に含まれる。電力送信アセンブリ(誘導電力送信アセンブリと称されることもある)は、ベース204、第1のリム206、及び第2のリム208を有する磁性コア203を含む。第1のコイル36-1は、第1のリム206の周りに巻かれており、第2のコイル36-2は、第2のリム208の周りに巻かれている。コイル36-1及びコイル36-2は、インバータ回路(例えば、
図1のインバータ61)に結合され得る。インバータ回路は、コイル36-1及びコイル36-2を駆動して磁束を生成することができる。動作中、第1のコイル36-1及び第2のコイル36-2を駆動して、反対の極性を有する磁束を生成することができる。
【0059】
磁性コアベース204は、前面210及び後面212を有する。コイル36-1及びコイル36-2はそれぞれ、個別のリムの軸に沿って円周方向に(例えば、リムがベース204の前面210から延在する方向に)、それぞれのリム206及びリム208の周りに巻かれ得る。コイルは、一本の撚り導線、複数のワイヤを並列に接続させた複数の撚り導線、編組線、リッツワイヤ、プリント回路基板上の多層トラックなどの導電性インク若しくは導電性トレース、又はコイルを形成するのに好適な他の導電性要素から巻かれている場合がある。
【0060】
電力受信アセンブリ224(例えば、電力受信回路54の一部)は、無線電力受信デバイス24内に含まれる。電力受信アセンブリ(誘導電力受信アセンブリと称されることもある)は、ベース224、第1のリム226、及び第2のリム228を有する磁性コア223を含む。第1のコイル48-1は、第1のリム226の周りに巻かれており、第2のコイル48-2は、第2のリム228の周りに巻かれている。コイル48-1及びコイル48-2は、整流回路(例えば、
図1の整流器50)に結合され得る。整流回路は、コイル48-1及びコイル48-2から受信したAC信号をデバイス24に給電するためのDC電圧信号に変換する。
【0061】
磁性コアベース224は、前面230及び後面232を有する。コイル48-1及びコイル48-2はそれぞれ、個別のリムの軸に沿って円周方向に(例えば、リムがベース224の前面230から延在する方向に)、それぞれのリム226及びリム228の周りに巻かれ得る。コイル48-1及びコイル48-2は、一本の撚り導線、複数のワイヤを並列に接続させた複数の撚り導線、編組線、リッツワイヤ、プリント回路基板上の多層トラックなどの導電性インク又は導電性トレース、又はコイルを形成するのに好適な他の導電性要素から巻かれている場合がある。
【0062】
磁気位置合わせ構造214及び234などの位置合わせ構造は任意選択的に、システムに含まれ得る。
図7に示すように、無線電力送信デバイス12は、磁気位置合わせ構造214を有し得る。無線電力受信デバイス24は、磁気位置合わせ構造234を有し得る。送信デバイス内の各磁気位置合わせ構造214は、受信デバイス内の対応する磁気位置合わせ構造234と磁気的に結合し得る。送信機位置合わせ構造214が受信機位置合わせ構造234に結合されると、送信コイル36は、受信コイル48と位置合わせされ得る。したがって、磁気位置合わせ構造は、送信コイルに対する受信コイルの適切な位置合わせを確実にする。磁気位置合わせ構造214及び234は、(例えば、磁気を帯びたままの硬磁性材料から形成される)永久磁石であり得る。
【0063】
図7に示す電力送信アセンブリ及び電力受信アセンブリの例は、単なる例示に過ぎない。一般に、電力送信アセンブリ及び電力受信アセンブリは、任意の所望の設計を有し得る。1つの代替的な可能な構成では、電力送信アセンブリ及び/又は電力受信アセンブリの磁性コアは、ポットコア設計(例えば、コイルを受容するリング形状の中空部分を有するエンクロージャ)を有し得る。更に別の可能な構成では、電力送信アセンブリ及び/又は電力受信アセンブリは、棒状フェライト上の巻線を含み得る。任意の所望の磁性コア及びコイル設計(例えば、U字形コア、C字形コア、E字形コア、ドーナツ型コアなど)を使用してもよい。
【0064】
一般に、各デバイスは、1つのコイルのみ、(
図7のように)2つのコイル、3つのコイル、3つを超えるコイルなどを有し得る。一方又は両方のデバイスは、横方向コイル(例えば、2つの磁性コアリム間の磁性コアベースに沿って延在するコイル)を含み得る。デバイス12及びデバイス24内のコイル及び磁性コアの正確な幾何学形状を、特別な設計に仕立てることができる。無線電力受信デバイス24は、無線電力送信デバイス12と特に協働するように設計される場合がある。しかしながら、これは、単に例示に過ぎない。電力受信デバイス24は、いくつかの場合には、電力送信デバイス12と協働するように特別に設計されない場合がある。一般に、各デバイスは、異なるコイル構成、異なる磁気要素(例えば、磁性コア)(又は、磁気要素なし)、異なるコイル及び磁気要素のサイズ、異なるコイル及び磁気要素の形状、並びに他の異なる特性を有し得る。
【0065】
図7では、無線電力受信デバイス24は、無線電力送信デバイス12上に直接配置されている。例えば、図示するように、電力受信デバイス24の外面236は、電力送信デバイス12の外面216に直接隣接し、それと直接接触してもよい。これは、例えば、(
図3A及び
図3Bに関連して論じるように)スタイラスが、充電のためにタブレットコンピュータの外面に配置されるときに起こり得る。
【0066】
電力受信デバイス24又は電力送信デバイス12のいずれかが着脱可能ケース内に含まれる場合、充電中に電力受信デバイス24の外面と電力送信デバイス12の外面との間の介在層が存在する場合がある。このタイプの構成を
図8Aに示す。
【0067】
図8Aに示すように、ケース102は、無線電力送信デバイス12と無線電力受信デバイス24との間に挿入され得る。ケースは、布、皮革、ポリマー(例えば、ポリウレタン)、他の材料、及び/又はこれらの材料の組み合わせなどの誘電材料262(例えば、バルク誘電材料)を含み得る。ケース102の誘電材料262は、電力送信デバイス12と電力受信デバイス24との間に厚さ260を有し得る。厚さ260の厚さが厚くなるほど、電力送信デバイス12内の電力伝送アセンブリ202と電力受信デバイス24内の電力受信アセンブリ222との間の分離が大きくなる。ケース102に追加の構成要素がない場合、この分離の増大は、デバイス12とデバイス24との間の無線電力伝送効率の低下をもたらす。しかし、
図8Aに示すように、ケース102は、ケース102が存在する場合でも、無線電力伝送効率を維持するための埋込型構成要素を含み得る。
【0068】
ケース102は、送信デバイス12内の伝達コイル36-1及びリム206と、受信デバイス24内の受信コイル48-1及びリム226との間に挿入される磁性コア252を含む。ケース102はまた、送信デバイス12内の伝達コイル36-2及びリム208と、受信デバイス24内の受信コイル48-2及びリム228との間に挿入される磁性コア254も含む。磁性コア252及び磁性コア254は、高い磁性透過性を有し、したがって、送信デバイスと受信デバイスとの間の磁気抵抗を低下させる。磁場線は、ケース102を通して磁性コア252及び磁性コア254内に集中する。言い換えれば、磁性コア252及び磁性コア254は、(電力送信デバイスに隣接する)ケースの1つの表面から(電力受信デバイスに隣接する)ケースの別の表面までを磁束の経路とする。したがって、磁性コア252及び磁性コア254は、(伝送機と受信機との間の磁束を中継する低い抵抗経路を形成するため)磁気リレー252及び磁気リレー254と称されることがある。
【0069】
磁性コア252及び磁性コア254は、デバイス12とデバイス24との間の電力伝送動作中に高い磁束密度を有するケース102のエリアに位置付けられ得る。図示するように、磁性コア252は、デバイス12内のリム206及びデバイス24内のリム226と重なり合う場合があり、これは、高い磁束密度のエリアであり得る。磁性コア254は、デバイス12内のリム208及びデバイス24内のリム228と重なり合う場合があり、これは、高い磁束密度のエリアであり得る。磁性コアは、磁性コア252及び254が、誘電材料262によって完全に囲まれ、それと直接接触するように、誘電材料262に埋め込まれ得る。この例は単なる例示に過ぎない。代替の構成では、コアは、誘電材料262によって横方向に取り囲まれてもよく、ケース102の上面/下面上に1つ以上の露出面を有してもよい。
【0070】
ケース102は、電力伝送アセンブリ202と電力受信アセンブリ222との間の適切な位置合わせを確実にするための磁気位置合わせ構造264を含み得る。磁気位置合わせ構造264(永久磁石であり得る)は、送信デバイス内の対応する磁気位置合わせ構造214と磁気的に結合する。磁気構造264はまた、受信デバイス内の対応する磁気位置合わせ構造234と磁気的に結合し得る。ケース内の位置合わせ構造264が位置合わせ構造214及び位置合わせ構造234と結合されるとき、送信コイル36、磁性コア252、及び受信コイル48を全て位置合わせすることができる。したがって、磁気位置合わせ構造は、送信コイルに対する受信コイルの適切な位置合わせ、及びコイルに対する磁気リレー252及び磁気リレー254の適切な位置合わせを確実にする。
【0071】
一般に、磁気リレー252及び磁気リレー254は、任意の所望の厚さ及び形状を有し得る。各磁気リレーの厚さ及び形状は、システム内の目標磁気性能を達成するように最適化され得る。
【0072】
電力伝送アセンブリ202と電力受信アセンブリ222との間の適切な位置合わせを確実にするために、ケース102内に磁気位置合わせ構造を使用する例は、単なる例示に過ぎない。所望であれば、他のタイプの位置合わせ構造(例えば、くぼみ若しくは溝、クリップ構造、接着構造、又は任意の他の所望の位置合わせ構造)を位置合わせ構造264用に使用することができる。
【0073】
本明細書の磁性コア(例えば、203、223、252、254、272、274、及び276)は、フェライトなどの軟質磁性材料から形成され得る。磁性コアは、高い透磁率を有することができ、それにより、それらにシステム内の磁場を誘導させることが可能になる。フェライトコアを使用する例は、単なる例示に過ぎない。鉄、軟鋼、ミューメタル(ニッケル-鉄の合金)、ナノ結晶磁性材料、希土類金属、又はシステム内の磁場を誘導するほど十分に高い透磁率を有する他の磁性材料などの他の強磁性材料及び/又はフェリ磁性材料を、所望であればコアのうちの1つ以上のために使用することができる。磁性コアは、フェリ磁性コアと称されることがある。磁性コア203、223、252、254、272、274、及び276は、単一のピースであってもよいし、又は別個のピースから作製されてもよい。コアは、積層体から成形されてもよいし、焼結されてもよいし、形成されてもよいし、ポリマー内に分布する粒子(例えば、セラミック粒子)から形成されてもよいし、又は他のプロセスによって製造されてもよい。
【0074】
ケース102はまた、任意選択的に、各埋込型磁性コアの周りにシールドを含み得る。
図8Aは、磁性コア252の周りの円形リング状に形成されたシールド構造256と、磁性コア254の周りのリング状に形成されたシールド構造258を有する例を示す。シールド構造256及びシールド構造258(シールド、シールドリングなどと称されることもある)は、銅、真鍮、ニッケル、銀、鋼などの電磁シールド材料から形成され得る。シールド構造は、リング形状であってもよく、磁性コアを横方向に取り囲む場合がある。言い換えれば、磁性コア252は、シールドリング256によって画定される開口部(中央開口部と称されることもある)に形成され、磁性コア254は、シールドリング258によって画定される開口部に形成される。
【0075】
図8Aのリング形状であるシールド256及びシールド258の例は、単なる例示に過ぎない。シールドの存在は、システムの磁気性能に影響を与える。したがって、各シールド部分の形状及び厚さは、システムの性能を最適化するために選択することができる。一例として、コア252とコア254との間に挿入されるシールドは不要であり得る。したがって、代替の実施形態では、シールドは、コアに隣接する永久磁石264との間にのみ含まれ得る。
図8Bは、このタイプの例を示す側断面図である。
【0076】
図8Bに示すように、シールド256は、磁性コア252と永久磁石264との間に挿入される。シールド258は、磁性コア254と永久磁石264との間に挿入される。このようにシールドを位置付けることは、システム内の磁束の伝送に悪影響を及ぼすことなく、コア252及びコア254を永久磁石から隔離するのに役立ち得る。
【0077】
図8Bは、シールドが電力送信デバイス12及び/又は電力受信デバイス24内にどのように組み込まれ得るかを示す。図示するように、シールド282、284、及び286などのシールドピースは、電力送信アセンブリ202の周りに組み込まれ得る。シールド282は、磁性コア206及びコイル36-1と永久磁石214との間に挿入される。シールド286は、磁性コア208及びコイル36-2と永久磁石214との間に挿入される。同様に、シールド288、290、及び292などのシールドピースは、電力受信アセンブリ222の周りに組み込まれ得る。シールド288は、磁性コア226及びコイル48-1と永久磁石234との間に挿入される。シールド292は、磁性コア228及びコイル48-2と永久磁石234との間に挿入される。シールド256及びシールド258と同様に、シールド構造282、284、286、288、290、及び292は、銅、真鍮、ニッケル、銀、鋼などの電磁シールド材料から形成され得る。
【0078】
電力送信/受信アセンブリを取り囲む別個のシールドピースの
図8Bの例は、単なる例示に過ぎない。一般に、電力送信/受信デバイスは、任意の所望の構成で1つ以上のシールドピースを含み得る。例えば、
図8Bのシールド282、284、及び286は、1つの単体シールドピースとして一体的に形成され得る。電力送信アセンブリ202及び/又は電力受信アセンブリ222内の1つ以上のシールドピースは任意選択的に、アクセサリ102内のシールドピースと同じ設置面積を有し得る。
図8Bに示すように、シールドピースは垂直方向に重なり合ってもよい。
【0079】
図9Aは、
図8Aのケース102の上面図であり、ケース内に埋め込まれた構成要素の例示的な配置を示している。
図9Aの例では、シールド構造256は、磁性コア252の周りにリングを形成する。シールド構造258は磁性コア254の周りにリングを形成する。電力送信デバイスと電力受信デバイスとの間に挿入されると、永久磁石264は、隣接するデバイス内の永久磁石に結合し、磁性コア252及び磁性コア254を適切な位置合わせで位置決めすることができる。磁性コア252及び磁性コア254は、隣接するデバイスに対する潜在的な位置合わせのずれを適合させるようにサイズ決めされ得る。
【0080】
磁性コアの両側に2つの離散的なピースとして形成されている磁気位置合わせ構造264の例は、単なる例示に過ぎない。所望であれば、磁気位置合わせ構造264は、磁性コア252/254及びシールド構造256/258を横方向に取り囲むリング形状の永久磁石を含み得る。
【0081】
前述のように、シールド構造256及びシールド構造258は、リング形状以外の形状を有してもよい。
図9Bは、
図8Bのケース102の上面図であり、ケースに埋め込まれた構成要素の例示的な配置を示している。図示するように、シールドピース256は、コア252と磁気位置合わせ構造264との間に挿入され得る。シールドピース258は、コア254と磁気位置合わせ構造264との間に挿入され得る。この例は単なる例示に過ぎない。別の可能な構成では、磁性コア252及び磁性コア254の周りに単一のリング形状(例えば、矩形リング形状)のシールド構造を形成することができる。しかし、この実施形態では、磁性コア252と磁性コア254との間に形成されるシールド材料は依然として存在しない(このエリアのシールドは、システムの磁気性能には有利ではない場合がある)。
【0082】
図8A、
図8B、
図9A、及び
図9Bに示すケース102内の埋込型構成要素の具体例は、単なる例示に過ぎないことに留意されたい。一般に、ケース102内の磁性コアのサイズ、形状、及び位置決めは、磁性コアが動作することを意図した送信デバイス及び受信デバイスの設計に依存する。磁性コアはケース102内の様々な場所に埋め込まれ得る。例えば、磁性コアは、(
図4及び
図5に示すように)フォリオ形状を有する着脱可能カバーの前部カバー部分102Fに埋め込まれ得る。磁性コアは、前部カバー部分102Fに、タブレットコンピュータの領域166、168、170、又は172と重なり合うように埋め込まれ得る。このタイプの設計では、埋込型磁性コアは、タブレットコンピュータの前面に配置されたスタイラスへ電荷を伝送するタブレットコンピュータの充電効率を増加させる。
【0083】
しかし、磁性コアは、代わりにケース102の側壁(例えば、
図6の領域176)に埋め込まれ、スタイラスが無線充電のためにタブレットコンピュータの側壁上に配置される実施形態において充電効率を高めることができる。一般に、磁性コアは、無線電力を伝送するデバイス間に挿入される着脱可能ケースの任意の部分(例えば、着脱可能ケースの前部、着脱可能ケースの側壁、又は着脱可能ケースの後壁)に形成され得る。
【0084】
ケース102内の埋込型磁性コアの設計の代替例を
図10及び
図11に示す。
図10では、電力送信デバイス12は、単一のコイル36と磁性コア271を含む。磁性コア271は、ベース272と、コアのベース部分からデバイス12の外面に向かって突出するリム280(例えば、リング形状のリム)などのリムと、を有し得る。電力受信デバイス24はまた、関連する磁性コア274を有する単一のコイル48を含む。円形で、リング形状の磁性コア276は、カバー102の誘電材料262に埋め込まれて、送信デバイスから受信デバイスに向かう磁束を中継する。磁性コア276は、送信デバイス内の磁性コア271のリム280と位置合わせするリング形状を有し得る。
図8と同様に、
図10の磁性コア276は、高い磁束密度を有するシステム内のエリア(例えば、デバイス12とデバイス24との間の高い磁束密度領域)に位置付けられている。このようにして、磁性コア276はリレーとして機能し、送信機12と受信機24との間で磁場を誘導する。カバー102は再び、磁性コア276を所望の位置に位置合わせし、コイル36をコイル48と位置合わせさせるための永久磁石264を含む。いくつかの例では、コア276は連続リングである。いくつかの例では、コア276は、円形リングを形成するなど弓状で構成された複数の離散的なコア部分を備える。
【0085】
例として、
図10の配置は、送信デバイス12が無線充電マット又は無線充電パックであるシステムで使用され得る。無線電力受信デバイス24は、携帯電話、タブレットコンピュータなどのポータブル電子デバイスであり得る。ケース102の一部分は、充電中にデバイス12とデバイス24との間に挿入され得る(例えば、
図6の後部102R)。
【0086】
図11は、
図10のようなリング状の磁性コアを含むケースの上面図である。図示するように、磁性コア276は、(例えば、送信デバイス内のコア271のリム280と位置合わせする)リング状に成形されている。永久磁石264はまた、磁性コア276のリングと同心であるリング形状を有し得る。所望であれば、シールド材料(例えば、
図8に関連して論じたものと同様の銅シールド材料又は別のシールド材料)の1つ以上のリングは、ケースに組み込まれ得る。シールド材料のリング(単数又は複数)は、磁性コア276と磁気位置合わせ構造264と同心であり得る。
【0087】
要約すると、着脱可能ケースは、電子デバイスを保護及び/又はカバーするために電子デバイスに結合され得る。着脱可能ケースの一部分は、無線電力伝送動作中に電子デバイスと追加の電子デバイスとの間に挿入され得る。例えば、電子デバイスは、着脱可能ケースの一部分を通して追加の電子デバイスに無線電力信号を送信することができる。電子デバイスは、代わりに又は追加的に、着脱可能ケースの一部分を通して追加の電子デバイスから無線電力信号を受信することができる。無線電力信号は、着脱可能ケースの任意の所望の部分(例えば、後部、前部、側壁部分など)を通して送信及び/又は受信され得る。無線電力信号は、電子デバイスのスクリーンの表示エリア又は境界エリアと重なり合う着脱可能ケースの一部分を通して送信及び/又は受信され得る。着脱可能ケースが2つのデバイス間に挿入されたときの無線電力伝送の効率を改善するために、着脱可能ケースは、送信デバイスに隣接するケースの第1の表面から受信デバイスに隣接するケースの第2の表面に磁束を中継する1つ以上の磁性コアを含み得る。任意の所望のタイプ及び形状の着脱可能カバーは、2つの隣接するデバイスの無線電力伝送動作中に磁束を中継するための1つ以上の磁性コアを含み得る。
【0088】
実施形態によれば、前面を有する電子デバイス用のカバーであって、電子デバイスを受容するように構成された後部カバー部分と、後部カバー部分に対して移動するように構成されており、電子デバイスの前面を覆うように構成された前部カバー部分と、前部カバー部分に埋め込まれたフェリ磁性コアであって、電子デバイス内の第1のコイルから受信された磁束を追加の電子デバイス内の第2のコイルに導くように構成されているフェリ磁性コアと、を含む、カバーが提供される。
【0089】
別の実施形態によれば、フェリ磁性コアは第1のフェリ磁性コアであり、カバーは、
前部カバー部分の第1の磁気位置合わせ構造を含み、第1の磁気位置合わせ構造が、電子デバイス内の第2の磁気位置合わせ構造と、追加の電子デバイス内の第3の磁気位置合わせ構造と、に磁気的に結合されたときに、第1のフェリ磁性コアは、電子デバイスの第2のフェリ磁性コアと追加の電子デバイス内の第3のフェリ磁性コアとの間に挿入される。
【0090】
別の実施形態によれば、カバーは、第1のフェリ磁性コアと第1の磁気位置合わせ構造との間に挿入された前部カバー部分のシールド構造を含む。
【0091】
別の実施形態によれば、シールド構造は、第1のフェリ磁性コアを横方向に取り囲む円形シールド構造である。
【0092】
別の実施形態によれば、シールド構造は銅を含む。
【0093】
別の実施形態によれば、第1の磁気位置合わせ構造は第1の永久磁石であり、第2の磁気位置合わせ構造は第2の永久磁石であり、第3の磁気位置合わせ構造は第3の永久磁石である。
【0094】
別の実施形態によれば、フェリ磁性コアは第1のフェリ磁性コアであり、カバーは、前部カバー部分の第1の位置合わせ構造を含み、第1の位置合わせ構造が、電子デバイス内の第2の位置合わせ構造と、また追加の電子デバイス内の第3の位置合わせ構造と、に位置合わせされたときに、第1のフェリ磁性コアが電子デバイスと追加の電子デバイスとの間の高磁束密度領域に配置される。
【0095】
別の実施形態によれば、フェリ磁性コアは、第1のフェリ磁性コアであり、カバーは、前部カバー部分に埋め込まれた第2のフェリ磁性コアを含み、第2のフェリ磁性コアは、電子デバイス内の第3のコイルから受信された磁束を追加の電子デバイス内の第4のコイルに向かって導くように構成されている。
【0096】
別の実施形態によれば、カバーは、前部カバー部分の第1の永久磁石と、前部カバー部分の第2の永久磁石と、第1のフェリ磁性コアと第1の永久磁石との間に挿入された第1のシールド構造と、第2のフェリ磁性コアと第2の永久磁石との間に挿入された第2のシールド構造と、を含む。
【0097】
別の実施形態によれば、第1の永久磁石は、電子デバイス内の第3の永久磁石に磁気的に結合するように構成されており、第1の永久磁石は、追加の電子デバイス内の第4の永久磁石に磁気的に結合するように構成されている。
【0098】
別の実施形態によれば、追加の電子デバイスはスタイラスを含み、前部カバー部分が前面を覆うときに、前部カバー部分は、無線充電中にスタイラスと電子デバイスの前面との間に挿入される。
【0099】
別の実施形態によれば、スタイラスは、無線充電中に電子デバイスのスクリーンの表示エリアと重なり合うように構成されている。
【0100】
別の実施形態によれば、スタイラスは、無線充電中に電子デバイスの境界エリアと重なり合うように構成されており、境界エリアは、スクリーンの表示エリアと電子デバイスの縁部との間に挿入される。
【0101】
別の実施形態によれば、スタイラスが電子デバイスの前面に直接配置されたときに、スタイラス及び電子デバイスは、無線電力を互いに伝送するように構成されている。
【0102】
実施形態によれば、電子デバイス用アクセサリであって、電子デバイスと追加の電子デバイスとの間の無線電力伝送動作中に、電子デバイスと追加の電子デバイスとの間に挿入された誘電体層と、第1の磁気位置合わせ構造と、第1の磁気位置合わせ構造が、電子デバイス内の第2の磁気位置合わせ構造と、追加の電子デバイス内の第3の磁気位置合わせ構造と、に磁気的に結合されたときに、電子デバイス内の第2のフェリ磁性コアと追加の電子デバイス内の第3のフェリ磁性コアとの間に挿入された誘電体層内の第1のフェリ磁性コアと、を含む、アクセサリが提供される。
【0103】
別の実施形態によれば、アクセサリは、電子デバイスを受容するように構成された凹部を画定する後壁及び周辺側壁を含む。
【0104】
別の実施形態によれば、周辺側壁のうちの1つは、誘電体層及び第1のフェリ磁性コアを含む。
【0105】
別の実施形態によれば、後壁は、誘電体層と第1のフェリ磁性コアを含む。
【0106】
別の実施形態によれば、第1のフェリ磁性コアは、電子デバイス内の第1のコイルから受信された磁束を追加の電子デバイス内の第2のコイルに向かって中継するように構成されている。
【0107】
別の実施形態によれば、第1のフェリ磁性コアは、追加の電子デバイス内の第1のコイルから受信された磁束を電子デバイス内の第2のコイルに向かって中継するように構成されている。
【0108】
別の実施形態によれば、アクセサリは、第1の磁気位置合わせ構造と第1のフェリ磁性コアとの間に挿入された誘電体層内にシールド構造を含む。
【0109】
別の実施形態によれば、第1の磁気位置合わせ構造は、中央開口を有する円形永久磁石であり、第1のフェリ磁性コアは中央開口に配置された円形磁性コアである。
【0110】
実施形態によれば、着脱可能アクセサリ内で動作可能で、着脱可能アクセサリは磁気リレー構造を有する電子デバイスであって、着脱可能アクセサリに結合するように構成された筐体と、筐体内のディスプレイと、フェリ磁性コア及びコイルを含む筐体内の電力送信アセンブリであって、コイルが無線電力を追加の電子デバイスに伝送するときに、コイルは、着脱可能アクセサリを介して追加の電子デバイスに無線電力を伝送するように構成されており、着脱可能アクセサリ内の磁気リレー構造は、追加の電子デバイス内の追加のコイルに向かってコイルから磁束を中継するように構成されている、電力送信アセンブリと、を含む、電子デバイスが提供される。
【0111】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、フェリ磁性コア及びコイルに対して磁気リレー構造を位置合わせするように、着脱可能アクセサリ内の追加の永久磁石に磁気的に結合するように構成された永久磁石を含む。
【0112】
上記は、単に例示に過ぎず、様々な修正を記載の実施形態に行ってもよい。上記の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。