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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置用マウスピース
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20240507BHJP
【FI】
A24F40/40
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022564562
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2021062936
(87)【国際公開番号】W WO2021233806
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】20175222.7
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】アラメンディ フラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン トニー モーゼズ
(72)【発明者】
【氏名】アクピナル ヤルチン
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/161328(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/189086(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/150068(WO,A1)
【文献】特開平05-212100(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066088(WO,A1)
【文献】特開2019-212799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0121166(US,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2017-0000842(KR,U)
【文献】中国特許出願公開第109125880(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0232252(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置(300)用のマウスピース(200)であって、
-前記マウスピース(200)を少なくとも部分的に通して、前記マウスピースの近位端に配設されたマウスピース開口部へと延びる気流チャネル(230)と、
-第一の電気接点をユーザー提供するために、前記マウスピース(200)の前面(F)上に配設された第一の電極(240)であって、前記前面(F)が前記マウスピース(200)の長軸方向に対して実質的に垂直または角度を有して延びる表面である第一の電極と、
-第二の電気接点を前記ユーザーに提供するために、前記マウスピース(200)の側方表面(L)上に配設された第二の電極(220)であって、前記側方表面が前記マウスピース(200)の周面である第二の電極と、を備え、
前記第一の電極(240)および前記第二の電極(220)は、前記ユーザーの舌の味蕾を電気的に刺激するように構成される、マウスピース。
【請求項2】
前記マウスピース(200)の前記前面(F)上の前記第一の電気接点が、前記ユーザーの前記舌の先端に対してアクセス可能である、請求項1に記載のマウスピース(200)。
【請求項3】
前記マウスピース(200)の前記側方表面(L)上の前記第二の電気接点が、前記ユーザーの前記舌上の中央区域に対してアクセス可能である、請求項1または2に記載のマウスピース(200)。
【請求項4】
前記マウスピース(200)の前記側方表面(L)上の前記第二の電気接点が、前記ユーザーの唇に対してアクセス可能である、請求項1または2に記載のマウスピース(200)。
【請求項5】
前記第二の電極が、前記ユーザーの異なる身体部分にアクセス可能である前記マウスピース(200)の異なる場所に配設された少なくとも二つの要素とを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のマウスピース(200)。
【請求項6】
前記マウスピース(200)が、前記第一の電極(240)と前記第二の電極(220)との間に電位を提供するように構成された電力源(130)に可逆的に接続可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載のマウスピース(200)。
【請求項7】
前記電力源(130)が、50Hz~1200Hzの範囲の周波数で、交互電位として前記電位を提供するように構成される、請求項6に記載のマウスピース(200)。
【請求項8】
前記電力源(130)が、20μA~300μAの範囲の電流で前記電位を提供するように構成される、請求項6または7に記載のマウスピース(200)。
【請求項9】
前記第一の電極(240)および/または前記第二の電極(220)の温度を制御するように構成された温度ユニットをさらに備え、前記温度ユニットが、前記第一の電極(240)および/または前記第二の電極(220)と接触して配設される、少なくともヒートシンクを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のマウスピース(200)。
【請求項10】
前記ヒートシンクが熱ペーストを備える、請求項9に記載のマウスピース(200)。
【請求項11】
前記温度ユニットが、前記第一の電極(240)および/または前記第二の電極(220)の前記温度を、摂氏20~35度の範囲で制御するように構成される、請求項9または10に記載のマウスピース(200)。
【請求項12】
エアロゾル発生装置(300)であって、
-請求項1~11のいずれか一項に記載のマウスピース(200)と、
-電力源(130)と、
-制御ユニット(110)と、を備え、
前記マウスピース(200)が、エアロゾル発生器および液体貯蔵部を備え、前記エアロゾル発生器が、前記液体貯蔵部からの液体を加熱してエアロゾルを形成するように構成され、
前記電力源(130)が、前記マウスピース(200)の第一の電極(240)と第二の電極(220)との間に電位を提供するように構成され、
前記制御ユニット(110)が、前記電力源(130)によって提供される前記電位を制御するように構成され、かつ
前記制御ユニット(110)および前記電力源(130)が、前記マウスピース(200)へと接続可能である、エアロゾル発生装置。
【請求項13】
電源ハウジング(100)が、前記マウスピース(200)に配設された対応して形作られた第二の部分との重なる相互作用のために構成された第一の部分を備える、請求項12に記載のエアロゾル発生装置(300)。
【請求項14】
ユーザーの味蕾の電気的刺激のための方法であって、
-請求項1~11のいずれか一項に記載のマウスピース(200)を提供する工程と、
-前記マウスピース(200)の第一の電極(240)と第二の電極(220)との間に電位を提供して、前記ユーザーの舌上の味蕾を刺激する工程と、を含む、方法。
【請求項15】
エアロゾル発生装置(300)用のマウスピース(200)の製造方法であって、
-前記マウスピース(200)を通して、前記マウスピース(200)の近位端に配設されたマウスピース開口部へと、少なくとも部分的に延びる気流チャネル(230)を備えるマウスピース(200)を提供する工程と、
-第一の電気接点をユーザーに提供するために、第一の電極(240)を前記マウスピース(200)の前面(F)に配設する工程であって、前記前面(F)が前記マウスピース(200)の長軸方向に対して実質的に垂直または角度を有して延びる表面である、工程と、
-第二の電気接点を前記ユーザーに提供するために、第二の電極(220)を前記マウスピース(200)の側方表面(L)上に配設する工程であって、前記側方表面(L)が前記マウスピース(200)の周面である工程と、を含
前記第一の電極(240)および前記第二の電極(220)は、前記ユーザーの舌の味蕾を電気的に刺激するように構成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置用のマウスピース、およびこうしたマウスピースを有するエアロゾル発生装置に関する。エアロゾル発生装置は、液体貯蔵部分を有する喫煙システムとして理解することができる。本開示はさらに、ユーザーの味蕾の電気的刺激のための方法、およびエアロゾル発生装置のためのマウスピースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気加熱式の喫煙システムまたはエアロゾル発生装置はよく知られている。例えば、国際特許公開第2016/189086 A1号では、対向する両端にポートを有する細長いハウジングを備えたマウスピース、ポートと連通するハウジングを通って中空チャネルとして形成される中央通路、電子喫煙システムの電池に接続するための接点端末、および接点端末に接続された導電性素子を有する電子喫煙装置を開示している。導電性素子は、電池に、電子喫煙装置によって生成されたエアロゾルを加減するための加減素子を接続するよう構成されている。国際特許公開第2020/075119 A1号は、このようなシステムを形成するための気化システムおよび互換性のある要素を開示しており、複数の制御装置を一つ以上のカートリッジと互換的に組み合わせて、消費者にカスタム化可能な気化特性を提供する全体的な気化システムを提供してもよい。気化システムはさらに、充電および/またはデータ通信用に少なくとも一つの外部接続装置を含むことができる。米国特許第2020/147327 A1号および米国特許第2017/0232252 A1号からのさらなる最新技術も公知である。
【0003】
先行技術の電気加熱式の喫煙システムまたはエアロゾル発生装置は、従来の紙巻たばこおよび葉巻たばこに優る数多くの利点を有するが、特に芳香の香調および風味の態様の潜在的な差異の観点から、従来の喫煙物品、すなわち従来の紙巻たばこおよび葉巻たばこの標準的な性能と比較した時には、改善の余地が依然としてある。
【0004】
より詳細には、エアロゾル発生装置は、ユーザー体験のためにエアロゾルを発生する。こうしたエアロゾル発生装置内のエアロゾル発生基体は、eリキッドを備えてもよい。eリキッドは、通常、プロピレングリコール、グリセリン、ニコチン、風味剤、および添加物を含有する液体製剤である。エアロゾル発生装置のユーザーは、現在市販されている広範な風味剤から、eリキッド製剤をカスタマイズすることができる。ユーザーは、ユーザー体験の個々の選択を有するように、風味剤のうちのいずれかを選ぶことができる。しかしながら、eリキッドに使用される一次溶媒は、有機多価アルコールであるプロピレングリコールとグリセリンの混ぜ合わせのままである。多価アルコールの性質は、多価アルコールがユーザーの舌に与えるある程度の甘い味がある。ユーザーは、ユーザー体験として従来の喫煙行為を模倣することを期待することになるため、eリキッドのこの甘い味は、ユーザーにとって望ましくない。
【0005】
結果として、甘味の問題を克服するために、甘味を隠すために化学物質の添加をeリキッドに追加してもよい。しかしながら、これはまた、これらの化学物質がeリキッドの製剤を変化させることになることも意味することになる。化学物質はまた、eリキッドの気化特性が、それらを有しないものと比較して変化する可能性もあり、これは追加的な課題を提起する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、特に甘味の問題を低減するエアロゾル発生装置のための改善されたマウスピースを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の目的は、独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態は従属請求項に組み込まれる。以下に記述される本開示の態様は、エアロゾル発生装置用のマウスピースと、エアロゾル発生装置と、ユーザーの味蕾の電気的刺激のための方法と、エアロゾル発生装置用のマウスピースの製造方法と、に適用されることに留意されたい。
【0008】
本開示の態様によると、エアロゾル発生装置用のマウスピースが提供される。マウスピースは、マウスピースを少なくともへと延びる気流チャネルを備える。
【0009】
マウスピースは、ユーザーに第一の電気接点を提供するために、マウスピースの前面上に配設された第一の電極を備える。
【0010】
マウスピースは、ユーザーに対する第二の電気接点を提供するためにマウスピースの側方表面上に配設された第二の電極を備える。
【0011】
エアロゾル発生装置用の本マウスピースは、消費中に味覚を電気的に刺激する手段を提供してもよい。これは、ユーザーの口へと接続を有することができ、そしてそれによって電気信号を介して舌の味蕾を刺激することができる二つの電極を有するマウスピースを有する。言い換えれば、電気インパルスを使用して、舌の上に電気的な味覚刺激を提供してもよい。
【0012】
結果として、エアロゾル発生装置用の本マウスピースは、芳香の香調および風味の態様の観点から、より良好な性能を可能にする場合がある。電位を介した刺激は、風味体験を改善するために、ユーザーに塩味、苦味、および/または酸味の味覚を体験させる場合がある。芳香の香調および風味の態様は、従来の紙巻たばこおよび葉巻たばこの風味に似た風味を提供する場合がある。これは、従来の紙巻たばこおよび葉巻たばこからエアロゾル発生装置へのユーザーの変化を簡単にする場合がある。
【0013】
さらに、エアロゾル発生装置用の本マウスピースは、eリキッド中の多価アルコールに起因する上記で説明した甘味の味覚を減少させることを可能にする場合がある。二つの電極は、多価アルコールの甘味を隠すために、ユーザーの舌の味蕾を刺激するために使用されてもよい。これは、上記で説明した、eリキッドへの化学物質の有害な添加がなくとも機能する場合があり、これは、eリキッドの製剤を変化させ、かつ異なる気化特性につながることになる。
【0014】
マウスピースは、エアロゾル発生装置のための好ましくは交換可能なマウスピースとして理解することができる。マウスピースは、液体、すなわち、eリキッドを収容するように構成された貯蔵部を備えてもよい。マウスピースは、貯蔵部および/または液体を加熱してエアロゾルを形成するように構成されたヒーターとして、エアロゾル発生器をさらに備えてもよい。マウスピースは、電力源(例えば、電池パック)に接続されてもよく、または可逆的に接続可能であってもよく、電力源は、エアロゾル発生器に電力を提供する。使用時に、貯蔵部内の液体は、過飽和蒸気を形成するために、ヒーターによって気化されてもよい。過飽和蒸気は気流と混合されてもよく、かつ気流内で搬送されてもよい。気流は、遠位位置または遠位端における空気吸込み口から近位位置または近位端へと流れ、近位位置は、装置の口側端またはマウスピース開口部である。気流は、マウスピースの遠位位置において装置に入ってもよい。流れの間に、ベイパーは凝縮されてエアロゾルを形成してもよく、エアロゾルはユーザーの口に向かって搬送されてもよい。マウスピースは、円筒状または管状であってもよい。マウスピースは、円形、楕円形、または他の断面形状を有してもよい。マウスピースは、マウスピースハウジングを備えてもよい。マウスピースハウジングは、マウスピースハウジング内に配設された内部ハウジングを備えてもよい。マウスピースおよび/またはそのハウジング(複数可)は、気流チャネルを包囲してもよい。
【0015】
気流チャネルは、マウスピースを通して、そしてユーザーへとエアロゾルの流れを案内するように構成されたチャネルとして理解することができる。気流チャネルは、マウスピースによって包囲されてもよい。気流チャネルは、長軸方向でマウスピースを通してマウスピース開口部へと、少なくとも部分的に延びてもよい。
【0016】
マウスピース開口部は、ユーザーの口の中へと挿入されるように構成されると理解することができる。マウスピース開口部は、ユーザーの口によって係合される開口部を作り出してもよい。マウスピース開口部は、マウスピース近位端に配設することができる。マウスピース開口部は、気流チャネルの口側端の前面にある気流チャネルの出口として理解することができる。
【0017】
マウスピースの前面は、マウスピース端表面として理解することができる。前面は、マウスピースおよび/または気流チャネルの長軸方向に対して本質的に垂直に、または角度を有して延びてもよい。前面は、マウスピースの側方表面に対して本質的に垂直に、または角度を有して延びてもよい。
【0018】
マウスピースの側方表面は、マウスピースの前面とは異なるとして理解することができる。これは、マウスピースの長軸方向に沿って延びるマウスピースの外表面とすることができる。側方表面は、マウスピースの円周表面または周辺表面とすることができる。
【0019】
第一の電極および第二の電極は、異なる電極である。これらは、ユーザーに異なる接触区域を提供するために、異なる場所に位置付けられる。例えば、ユーザーは、自分の舌で第一の電気接点に接触してもよい。例えば、ユーザーは、自分の舌の別の部分または唇で第二の電極に接触してもよい。第一の電極の平面は、第二の電極の平面に対して、角度を有してもよく、また好ましくは本質的に垂直であってもよい。第一の電極は、マウスピース開口部において、マウスピース前面の一部または全体にわたって延びてもよい。第一の電極は、マウスピースの側方表面の一部分にわたって追加的に延びてもよい。第二の電極は、マウスピースの側方表面の一部または全体にわたって延びてもよい。電極は、導電性材料、好ましくは金属、そしてより好ましくは銀化合物で作製されてもよい。電極は、例えば、20mm×15mm×0.2mmの範囲の寸法を有してもよい。
【0020】
一実施形態では、マウスピースの前面上の第一の電気接点は、ユーザーの舌の先端に対してアクセス可能であってもよい。これは、第一の電気接点が、使用時に舌の先端およびその味蕾によって触れられる場所にあってもよいことを意味する。これは、舌の先端に面してもよい。第一の電気接点は、味覚感覚(例えば、塩味)に対して特に感受性が高い舌の先端に第一の電位を提供してもよい。
【0021】
一実施形態では、マウスピースの側方表面上の第二の電気接点は、ユーザーの舌の上の中央区域にアクセス可能であってもよい。これは、第二の電気接点が、使用時に舌の先端とは異なる、かつ舌の先端の「後方」にある、舌の中央部によって触れられる場所にあってもよいことを意味する。これは本質的に、舌の中央部とその味蕾に面してもよい。第二の電気接点は、舌の異なる部分間の電位における差異を提供してもよい。第一の電位と第二の電位との間の電位における差異は、舌の味蕾を刺激して、人工的な味覚を舌にもたらす場合がある。例えば、第二の電極は、しょっぱい、酸っぱい、または苦い風味を感知する舌の区域に対して利用可能であってもよい。一実施形態では、第二の電極は、多価アルコールの甘味を隠すために、「甘い」風味を感知する領域以外の舌の区域に対して利用可能である。
【0022】
別の実施形態では、マウスピースの側方表面上の第二の電気接点は、ユーザーの唇に対してアクセス可能であってもよい。これは、第二の電気接点が、使用時にユーザーの唇によって触れられる場所にあってもよいことを意味する。第二の電気接点は、舌における第一の電位と唇における第二の電位との間の電位の差異を提供するために、第二の電位を唇に提供してもよい。電位の差異は、多価アルコールの甘味を隠すために、舌の味蕾を刺激して、人工的な味覚を舌にもたらしてもよい。
【0023】
一実施形態では、マウスピースの側方表面上の第二の電気接点は、ユーザーの下唇に対してアクセス可能であってもよい。別の実施形態では、マウスピースの側方表面上の第二の電気接点は、ユーザーの上唇に対してアクセス可能であってもよい。言い換えれば、第二の電気接点は、上唇または下唇に触れるように配設および構成されてもよい。第二の電気接点はまた、両方の唇に触れるために、マウスピースを少なくとも部分的に包囲してもよい。
【0024】
一実施形態では、第一の電極は、気流チャネル内で少なくとも部分的に同軸で延びてもよい。これは、第一の電極がマウスピースの前面においてだけでなく、気流チャネルの中へと、また気流チャネルに沿って長軸方向に延びてもよいことを意味する。第一の電極は、気流チャネルの内表面を少なくとも部分的に覆ってもよい。それによって、第一の電極には、例えば、気流によって、電極の冷却を可能にする大きい表面が提供される。
【0025】
一実施形態では、第二の電極は、気流チャネル内で少なくとも部分的に同軸で延びてもよい。第二の電極は、気流チャネルの内表面を少なくとも部分的に覆ってもよい。第一の電極に対して追加的にまたは代替的に、第二の電極もまた、気流チャネルの中へと、また気流チャネルに沿って長軸方向に延びてもよい。それによって、第二の電極には、例えば、気流によって、電極の冷却を可能にする大きい表面が提供される。第一の電極は、気流チャネルの一つの部分において気流チャネルに沿って延び、また第二の電極は、気流チャネルの別の部分において、第一の電極に接触することなく気流チャネルに沿って延びることが好ましい。
【0026】
一実施形態では、第二の電極は、マウスピース本体の上部に配設された上方要素と、マウスピース本体の反対側の下部に配設された別個の下方要素とを備えてもよい。これは、第二の電極が、マウスピース本体の異なる場所または部分に配設される少なくとも二つの部品または要素を備えてもよいことを意味する。結果として、第二の電極は、ユーザーの異なる身体部分(例としては、上唇および下唇)に対してアクセス可能であってもよい。これは、ユーザー体験を増強させる場合がある。
【0027】
一実施形態では、エアロゾル発生装置用のマウスピースは、第三の電気接点を提供するためにマウスピース本体に配設される第三の電極をさらに備えてもよい。第三の電気接点は、第一の領域および第二の領域とは異なる、口の第三の領域に対してアクセス可能であってもよい。結果として、ユーザーの三つの異なる身体部分(例としては、舌、上唇および下唇、または舌の第一部、舌および唇の異なる第二部)を、味覚刺激のために使用してもよい。これもまた、ユーザー体験を増強させる場合がある。当然のことながら、エアロゾル発生装置用のマウスピースは、四つ以上の電極さえを備えてもよい。
【0028】
一実施形態では、マウスピースは、可逆的に接続可能であってもよく、または電力源に接続されてもよい。電力源は、味蕾を刺激するために、第一の電極と第二の電極との間の電位を提供するように構成されてもよい。電力源は電池または電池パックであってもよい。電力源は再充電可能であってもよい。マウスピースと電力源との間の接続は、可逆的であってもよい。
【0029】
一実施形態では、電位は交互の電位であってもよい。これは、50Hzから1200Hz、好ましくは500Hzから700Hzの範囲内の周波数を有してもよい。こうした周波数は、電極の振動を引き起こすことなく、ヒトの組織に明らかな効果を有してもよい。
【0030】
一実施形態では、電力源は、20μA~300μA、好ましくは20μA~200μA、より好ましくは40μA~180μA、なおより好ましくは100μA~130μAの範囲の電流で電位を提供するように構成されてもよい。電流は、交流電流であってもよく、刺激の区別できる強度を提供するために20μA刻みを有することが好ましい。
【0031】
一実施形態では、マウスピースは、第一の電極および/または第二の電極の温度を制御するように構成された温度ユニットをさらに備えてもよい。したがって、温度ユニットは、例えば、ヒートシンクなどの電極の温度を調整するための手段を含んでもよい。ヒートシンクは、熱電冷却器(例としてはマイクロペルチェ素子)であってもよい。これは、例えば、1.0mm×1.6mm×0.62mm~6mm×5.1mm×0.62mmの範囲内の寸法を有してもよい。ヒートシンクは、第一の電極および/または第二の電極と接触して配設されてもよい。ヒートシンクは、第一の電極および/または第二の電極から離れるように熱伝達して、第一の電極および/または第二の電極を冷却することを可能にしてもよい。第一の電極および/または第二の電極を冷却することは、ユーザーの舌および/または唇における不快な熱感覚を回避する場合がある。
【0032】
一実施形態では、熱伝達要素は、マウスピースのハウジングとの物理的接触のために構成されてもよい。この接触は、第一の電極および/または第二の電極からマウスピースハウジングへと熱を伝達して、第一の電極および/または第二の電極をより効率的に冷却する場合がある。電極を冷却するための十分な熱的容量を提供するために、マウスピースハウジングは、熱エネルギーを保存および消散することを可能にする、高密度材料(例としては、アルミニウムまたはセラミック)で作製されてもよい。追加的なヒートシンク材料が利用されてもよい。
【0033】
一実施形態では、ヒートシンクは、熱ペーストを備えてもよい。熱ペーストは、それぞれの電極とマウスピースハウジングとの間に配設されてもよい。熱ペーストは、熱伝達、そしてそれによって第一の電極および/または第二の電極の冷却を改善する場合がある。
【0034】
一実施形態では、温度ユニットは、第一の電極および/または第二の電極の温度を、摂氏20~35度、好ましくは摂氏22~25度の範囲内に制御するように構成されてもよい。この温度範囲は、ユーザーの口にとって非常に快適と思われる。
【0035】
要約すると、本マウスピースは、味覚刺激のために、随意に制御された温度範囲内で、好ましくは変化する周波数または変化する電流、またはその両方の交互電位を有する電気インパルスを使用してもよい。電流、周波数、および/または温度は単独でまたは組み合わせで、異なる味覚をもたらす場合があり、またeリキッドの甘味を低減または除去することが可能である。これは、甘味を隠すために追加的な化学物質なしで達成されてもよく、したがって、既存のeリキッドの製剤へのいかなる変更も必要としないことになる。
【0036】
本開示の別の態様によると、エアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、上述のようなマウスピース、電力源、および制御ユニットを備える。制御ユニットおよび電力源は、マウスピースへと接続可能である。
【0037】
マウスピースは、エアロゾル発生器および液体貯蔵部を備える。エアロゾル発生器は、液体貯蔵部からの液体を加熱してエアロゾルを形成するように構成される。
【0038】
電力源は、マウスピースの第一の電極と第二の電極との間に電位を提供するように構成される。
【0039】
制御ユニットは、電力源によって提供される電位を制御するように構成される。制御ユニットは、電力源の一部またはマウスピースの一部とすることができる。
【0040】
したがって本エアロゾル発生装置は、消費中に味覚を電気的に刺激する手段を提供してもよい。これは、電気信号を介して舌の味蕾を刺激するためにユーザーの口への接続を有することができる二つの電極を有するマウスピースを有する。電気信号は、舌に人工的な味覚刺激をもたらしてもよい。
【0041】
結果として、本エアロゾル発生装置は、芳香の香調および風味の態様を送達してもよく、これは、従来の紙巻たばこおよび葉巻たばこからエアロゾル発生装置へのユーザーの変化を簡単にする場合がある。本エアロゾル発生装置は、ユーザーの舌の味蕾を刺激して多価アルコールの甘味を隠すことによって、eリキッド中の多価アルコールに起因する甘味の味覚の問題の低減または除去をさらに可能にする場合がある。
【0042】
一実施形態では、電力源は、エアロゾル発生器に対するエネルギーを提供するように追加的に構成されてもよい。これは、電力源が、エアロゾル発生装置の唯一の電力源であってもよく、またこれは第一の電極と第二の電極との間に電位を提供するだけでなく、eリキッドを加熱してエアロゾルを発生するためのエネルギーを提供するためにも使用することができることを意味する。これは、エアロゾル発生装置を非常に効率的にし、かつ/または構成要素の数の低減を可能にする。当然のことながら、eリキッドを加熱するため、および電極間に電位を提供するために、二つの異なる電力源があることも可能である。
【0043】
一実施形態では、制御ユニットは、第一の電極と第二の電極との間の電位の量を制御するように構成されてもよい。結果として、制御ユニットは、それによって電気的刺激の強度または強さを制御してもよい。これにより、エアロゾル発生装置をありとあらゆるユーザーに適合することを可能にしてもよい。
【0044】
一実施形態では、エアロゾル発生装置は、電力源を収容する電源ハウジングを備えてもよい。電源ハウジングは、マウスピース上に配設された対応する第二の部分と重なる相互作用のために構成されたその外表面において第一の部分を有してもよい。結果として、エアロゾル発生装置を形成するために、電源ハウジングをマウスピースに信頼性高く取り付けたり、または接続したりすることが簡単になる。電源ハウジングとマウスピースとの間の接続は、電力源とマウスピースとの間の液体および気体を含む流体の流れを防止する場合がある。実施形態では、電源ハウジングおよびマウスピースは、嵌合係合または相補的係止およびキータイプの嵌合、ねじ取り付け、摩擦嵌め、留め金、磁気的または他の取り付けを含む、当業界で知られている任意の手段を介して取り付けられてもよい。
【0045】
一実施形態では、エアロゾル発生装置はボタンを備えてもよい。ボタンは、エアロゾル発生器を起動させるように構成されてもよい。ボタンは、第一の電極と第二の電極との間の電位を起動させるように構成されてもよい。結果として、ボタンはエアロゾル発生器および/または人工的な味覚刺激のオンとオフとを切り替えることを可能にしてもよい。
【0046】
一実施形態では、ボタンは、第一の電極と第二の電極との間の電位の量を制御するようにさらに構成されてもよい。結果として、ボタンは、電気的刺激の強度をさらに制御し、そしてそれによって味覚刺激の強度の調整を可能にしてもよい。
【0047】
結果として、本エアロゾル発生装置は、消費中の電気的刺激によって味覚改善を可能にしてもよい。これはさらに、ユーザーによって、および/または追跡された装置の使用履歴に基づく事前設定によって味覚強度を調整することによって、カスタマイズ可能な電気的刺激の体験を可能にする場合がある。本エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生器のハウジングを使用して熱を散逸する熱伝達要素を介した電極の温度制御によって、ユーザーとの接触区域の適正な温度をさらに可能にしてもよい。これは、適切かつ人間工学的に機能することを確実にするために、電極の特定の位置を依然として可能にする場合がある。
【0048】
本開示の別の態様によると、ユーザーの味蕾の電気的刺激のための方法も提示される。ユーザーの味蕾の電気的刺激のための方法は、以下の工程、すなわち、
-上述のようなマウスピースを提供する工程と、
-マウスピースの第一の電極と第二の電極との間に電位を提供して、ユーザーの舌上の味蕾を刺激する工程と、を含むが、必ずしもこの順序でなくてもよい。
【0049】
味蕾の電気的刺激のための本方法は、消費中に味覚を電気的に刺激する手段を提供してもよい。これは、芳香の香調および風味の態様の観点から、より良好な性能を可能にする場合がある。電気的刺激のための本方法は、電気的刺激によってこの甘味を隠すことによって、eリキッド中の多価アルコールに起因する甘味の味覚を低減することをさらに可能にしてもよい。
【0050】
本開示の別の態様によると、マウスピースの製造方法が提供される。マウスピースの製造方法は、以下の工程、すなわち、
-マウスピース(初期または未加工のマウスピース要素)を提供する工程であって、マウスピースが、マウスピースを通して、マウスピースの近位端に配設されたマウスピース開口部へと少なくとも部分的に延びる気流チャネルを含む、工程と、
-第一の電気接点をユーザーに提供するために、第一の電極をマウスピースの前面に配設する工程と、
-第二の電気接点をユーザーへと提供するために(そして最終的なマウスピースまたは完成したマウスピースを提供するために)、第二の電極をマウスピースの側方表面上に配設する工程と、を含むが、必ずしもこの順序でなくてもよい。
【0051】
マウスピースの本製造方法は、消費中に味覚を電気的に刺激するためのマウスピースを提供する場合がある。製造方法は、実施が簡単であり、また信頼性があり、かつ安全なマウスピースにつながる。マウスピースは、芳香の香調および風味の態様の観点から、より良好な性能を可能にする。マウスピースは、電気的刺激によってeリキッド中の多価アルコールに起因する甘味の味覚を低減することを可能にする場合がある。
【0052】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0053】
A.エアロゾル発生装置用のマウスピースであって、
‐マウスピースを少なくとも部分的に通して、マウスピースの近位端に配設されたマウスピース開口部へと延びる気流チャネルと、
‐第一の電気接点をユーザーへと提供するために、マウスピースの前面上に配設された、第一の電極と、
‐第二の電気接点をユーザーに対して提供するために、マウスピースの側方表面上に配設された第二の電極と、を備える、マウスピース。
【0054】
B.マウスピースの前面上の第一の電気接点が、ユーザーの舌の先端に対してアクセス可能である、請求項Aによるマウスピース。
【0055】
C.マウスピースの側方表面上の第二の電気接点が、ユーザーの舌上の中央区域に対してアクセス可能である、請求項AまたはBによるマウスピース。
【0056】
D.マウスピースの側方表面上の第二の電気接点が、ユーザーの唇に対してアクセス可能である、請求項AまたはBによるマウスピース。
【0057】
E.マウスピースの側方表面上の第二の電気接点が、ユーザーの下唇に対してアクセス可能である、請求項Dによるマウスピース。
【0058】
F.マウスピースの側方表面上の第二の電気接点が、ユーザーの上唇に対してアクセス可能である、請求項Dによるマウスピース。
【0059】
G.第一の電極が、気流チャネル内で少なくとも部分的に同軸に延びる、先行する請求項のうちの一項によるマウスピース。
【0060】
H.第二の電極が、気流チャネル内で少なくとも部分的に同軸に延びる、先行する請求項のうちの一項によるマウスピース。
【0061】
I.第二の電極が、マウスピース本体の上部に配設された上方要素と、マウスピース本体の反対側の下部に配設された別個の下方要素とを備える、先行する請求項のうちの一項によるマウスピース。
【0062】
J.第一の領域および第二の領域とは異なる口の第三の領域に対してアクセス可能な第三の電気接点を提供するためにマウスピース本体に配設された第三の電極をさらに備える、先行する請求項のうちの一項によるマウスピース。
【0063】
K.第一の電極と第二の電極との間に電位を提供するように構成された電力源を備える、または電力源に対して接続可能な、先行する請求項のうちの一項によるマウスピース。
【0064】
L.電位が、50Hz~1200Hzの範囲内の周波数を有する交互電位である、先行する請求項によるマウスピース。
【0065】
M.電力源が、20μA~300μAの範囲内の電流で電位を提供するように構成される、請求項KまたはLによるマウスピース。
【0066】
N.第一の電極および/または第二の電極の温度を制御するように構成された温度ユニットをさらに備え、温度ユニットが、第一の電極および/または第二の電極と接触して配設される、少なくともヒートシンクを備える、先行する請求項のうちの一項によるマウスピース。
【0067】
O.ヒートシンクが熱ペーストを備える、先行する請求項によるマウスピース。
【0068】
P.熱伝達要素が、マウスピースのマウスピースハウジングと接触するように構成される、請求項NまたはOによるマウスピース。
【0069】
Q.温度ユニットが、第一の電極および/または第二の電極の温度を、摂氏20~35度の範囲内に制御するように構成される、請求項N~Pのうちの一項によるマウスピース。
【0070】
R.エアロゾル発生装置であって、
‐先行する請求項のうちの一項によるマウスピースと、
‐電力源と、
‐制御ユニットと、を備え、
マウスピースが、エアロゾル発生器および液体貯蔵部を備え、エアロゾル発生器が、液体貯蔵部からの液体を加熱してエアロゾルを形成するように構成され、
電力源が、マウスピースの第一の電極と第二の電極との間に電位を提供するように構成され、
制御ユニットが、電力源によって提供される電位を制御するように構成され、かつ
制御ユニットおよび電力源が、マウスピースへと接続可能である、エアロゾル発生装置。
【0071】
S.電力源がまた、エアロゾルを加熱するためにエアロゾル発生器にエネルギーを提供するようにも構成される、先行する請求項によるエアロゾル発生装置。
【0072】
T.制御ユニットがまた、第一の電極と第二の電極との間の電位の量を制御し、そしてそれによって電気的刺激の強度を制御するようにも構成される、請求項R~Sのうちの一項によるエアロゾル発生装置。
【0073】
U.電力源の電源ハウジングが、マウスピースで配設される対応して形作られた第二の部分と重なる相互作用のために構成された第一の部分を備える、請求項R~Tのうちの一項によるエアロゾル発生装置。
【0074】
V.エアロゾル発生器および/または第一の電極と第二の電極との間の電位を起動するように構成されたボタンをさらに備える、請求項R~Uのうちの一項によるエアロゾル発生装置。
【0075】
W.ボタンが、第一の電極と第二の電極との間の電位の量を制御し、それによって電気的刺激の強度を制御するようにさらに構成される、先行する請求項によるエアロゾル発生装置。
【0076】
X.ユーザーの味蕾の電気的刺激のための方法であって、
‐請求項A~Qのうちの一項によるマウスピースを提供することと、
‐マウスピースの第一の電極と第二の電極との間に電位を提供して、ユーザーの舌上の味蕾を刺激することと、を含む、方法。
【0077】
Y.エアロゾル発生装置用のマウスピースの製造方法であって、
‐マウスピースを通して、マウスピースの近位端に配設されたマウスピース開口部へと、少なくとも部分的に延びる気流チャネルを備えるマウスピースを提供することと、
‐第一の電気接点をユーザーに提供するために、第一の電極をマウスピースの前面に配設することと、
‐第二の電気接点をユーザーへと提供するために、第二の電極をマウスピースの側方表面上に配設することと、を含む、方法。
【0078】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1a図1aは、本開示によるエアロゾル発生装置の一実施形態を概略的かつ模範的に示す。
図1b図1bは、本開示によるエアロゾル発生装置の一実施形態を概略的かつ模範的に示す。
図2a図2aは、本開示によるエアロゾル発生装置用のマウスピースの別の実施形態を概略的かつ模範的に示す。
図2b図2bは、本開示によるエアロゾル発生装置用のマウスピースの別の実施形態を概略的かつ模範的に示す。
図2c図2cは、本開示によるエアロゾル発生装置用のマウスピースの別の実施形態を概略的かつ模範的に示す。
図3図3は、本開示によるエアロゾル発生装置用のマウスピースの別の実施形態を概略的かつ模範的に示す。
【0080】
図1aおよび図1bは、本開示によるエアロゾル発生装置300を示す。エアロゾル発生装置300は、電源ハウジング100およびマウスピース200を備える。図1aでは、電源ハウジング100およびマウスピース200は組み立てられており、図1bでは、電源ハウジング100とマウスピース200とは別個の部品へと分解されている。
【0081】
マウスピース200は、エアロゾル発生器(図示せず)および液体貯蔵部(図示せず)を備える。エアロゾル発生器は、液体貯蔵部からの液体を加熱してエアロゾルを形成するように構成される。
【0082】
マウスピース200は、ユーザーに第一の電気接点を提供するために、マウスピース200の前面F上に配設された第一の電極240を備える。マウスピース200は、ユーザーに第二の電気接点を提供するためにマウスピース200の側方表面L上に配設された第二の電極220を備える。使用時に、ユーザーの舌は、第一の電極240と接触し、また、例えば、下唇は、第二の電極220と接触する。マウスピース200は、マウスピース200を通って延びる気流チャネル230(図2a~図2cを参照のこと)を備える。
【0083】
電源ハウジング100は、電力源130および制御ユニット110を備える。電源ハウジング100およびそれによって制御ユニット110および電力源130は、マウスピース200へと可逆的に接続可能である。
【0084】
電力源130は、マウスピース200の第一の電極240と第二の電極220との間に電位を提供するように構成された電池を備える。
【0085】
制御ユニット110は、電力源130によって提供される電位を制御するように構成される。制御ユニット110および二つの電極220、240は、電気回路を形成する。ユーザーが電極220、240に唇または舌で触れると、回路は(ユーザーを通して)両方の電極220、240の間で完成し、そしてこれが制御ユニット110によって認識される。その後、制御ユニット110は、人工的な味覚刺激を提供し始める。制御ユニット110はまた、味覚刺激の断続的な動作も制御して、味覚の増感を最適化してもよい。
【0086】
ユーザーによるエアロゾル発生装置300の起動時に、エアロゾル発生が生じ、そしてマウスピース200上の電極240、220は電位を受容する。第一の電極240と第二の電極220との間の電位および電流は、電位および/または電流に基づいて人工的な味覚の刺激を用いてユーザーの舌上で作用する。ここで、交流電流は、20μA刻みで20μA~200μAの範囲であり、そして刺激の区別できる強度を提供することが好ましい。ここで、交互電位の周波数は、50Hz~1200Hzの範囲内である。
【0087】
電源ハウジング100は、ボタン120をさらに備え、ボタン120は、例えば、より長い持続時間の間だけ押して、エアロゾル発生装置300をオンまたはオフに切り替えるために押すことができる。ボタン120はまた、味覚刺激の断続的な動作を制御して味覚増感を最適化するために、エアロゾル発生装置300の動作中にも断続的の様態で押すことができる。ボタン120を介した制御は、制御ユニット110を介した制御に対して、代替的または追加的とすることができる。制御ユニット110は、ユーザーの好ましい設定に従って、開始の際に味覚刺激の強度を調整するために、好ましい設定を内部メモリ内に記憶してもよい。
【0088】
電源ハウジング100は、電源ハウジング100とマウスピース200との間の信頼性のある機械的接続を可能にするために、マウスピース200上のそれぞれの第二の部分と物理的に接触し、かつ重なる第一の部分140をさらに備える。
【0089】
図2a~図2cは、本開示によるマウスピース200を示す。図2aは、マウスピース200を通る断面を側面図で示す。図2bは、マウスピース200を通る断面を正面図で示す。図2cは、図2aの断面Z-Zに沿ったマウスピース200を通る断面を背面図で示す。
【0090】
図1aおよび図1bについて述べたように、マウスピース200は、マウスピース200を通して気流チャネル230を包囲する。マウスピース200において、電気的刺激のための二つの電極240、220が配設される。ここで、第一の電極240は、空気チャネル230の長軸方向軸に沿って、前面Fから長い部品として同軸に延びる。第二の電極220は、マウスピース200の側方表面L上に配設される。
【0091】
第一の電極240は、第一の側面261および第二の側面262上に熱ペーストを使用して熱電冷却素子260と接触する。第二の電極220は、別の第一の側面251および別の第二の側面251上の熱接触ペーストを使用して、別の熱電冷却素子250と接触する。これらの熱電冷却素子250、260の両方は、マウスピース200のマウスピースハウジング210との接触を有し、これにより電極240、220とマウスピースハウジング210との間の熱伝達が、電極240、220の適切な温度を維持するように効率的になる。さらに、マウスピース200およびマウスピースハウジング210は、重なる部分またはテーパー付部分を横切って、放熱する電源ハウジング100の対応する重なる部分またはテーパー付部分140へと熱を伝達する。ここで、エアロゾル発生装置300の動作に対する温度範囲は、24℃~35℃である。
【0092】
ここで、マウスピースハウジング210は、熱伝導能力も有する内部ハウジング211を備える。ここで、マウスピースハウジング210および内部ハウジング211は、楕円管状であり、そしてマウスピース200内に空気チャネル230を作り出す。
【0093】
図3は、本開示によるマウスピース200の別の実施形態を側方断面で示す。このマウスピース200は、延びた様態になっている第二の電極220を用いて修正されており、これによりユーザーの両方の唇(上唇および下唇)は、第二の電極220と触れることができ、一方で第一の電極240は依然として舌と接触する。したがって、第二の電極220は、上方要素および下方要素を備える。
【0094】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的については、別段の表示がない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数は、すべての事例において、用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±20%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、Aがそれによって逸脱する量が特許請求する本開示の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。
【0095】
添付の図面を一部参照しながら、本開示の例示的な実施例が上述されているものの、本開示はこれらの実施例に限定されないことが理解されるべきである。本開示の実施例に対する変形は、図面、明細書および添付の特許請求の範囲を吟味した上での本開示の実施において、当業者によって理解され、かつ行われることができる。
【0096】
特許請求の範囲において、括弧内の任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されないものとする。「含む(comprising)」という用語は、特許請求の範囲に列挙されるもの以外の要素または工程の存在を排除するものではない。要素に先行する「一つの(「a」または「an」)」という単語は、こうした要素の複数の存在を排除するものではない。本開示は、いくつかの別個の要素を備えるハードウェアによって実施することができる。いくつかの手段を列挙する、装置の特許請求の範囲において、これらの手段のうちのいくつかは、ハードウェアの全く同一の品目によって具現化することができる。互いに異なる従属請求項においてある特定の測定値が列挙されているという単なる事実は、これらの測定値の組み合わせを有利に利用できないことを示唆するものではない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3