(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】バッテリー分配装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240507BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H02J7/00 302
H02J7/00 X
H02J7/00 Y
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2022572782
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 KR2021012380
(87)【国際公開番号】W WO2022092553
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0140710
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン-グン・イ
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-531699(JP,A)
【文献】特開2017-134451(JP,A)
【文献】特開2019-122253(JP,A)
【文献】特開2016-170600(JP,A)
【文献】特開2016-171661(JP,A)
【文献】国際公開第2011/077780(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーに対し、各バッテリーのレベルを決定するように構成されたバッテリー決定モジュールと、
前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーを使用した各ユーザの等級を決定するように構成されたユーザ決定モジュールと、
前記ユーザ決定モジュールによって決定されたユーザの等級及び前記バッテリー決定モジュールによって決定されたバッテリーのレベルに基づいて、前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーの使用を要請する要請者に適したバッテリーを選別するように構成された選別モジュールと、を含
み、
前記バッテリー決定モジュールは、各バッテリーのSOHに基づいて各バッテリーのレベルを決定するように構成されている、バッテリー分配装置。
【請求項2】
前記ユーザ決定モジュールは、バッテリー使用履歴に基づいて前記ユーザの等級を決定するように構成されている、請求項1に記載のバッテリー分配装置。
【請求項3】
前記バッテリーから使用履歴に関する情報の提供を受け、提供された情報を前記ユーザ決定モジュールに伝送するように構成されたバッテリー情報収集モジュールをさらに含む、請求項
2に記載のバッテリー分配装置。
【請求項4】
前記ユーザ決定モジュールは、前記バッテリー使用履歴として、前記バッテリーの充電環境を用いる、請求項
2に記載のバッテリー分配装置。
【請求項5】
複数のバッテリーに対し、各バッテリーのレベルを決定するように構成されたバッテリー決定モジュールと、
前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーを使用した各ユーザの等級を決定するように構成されたユーザ決定モジュールと、
前記ユーザ決定モジュールによって決定されたユーザの等級及び前記バッテリー決定モジュールによって決定されたバッテリーのレベルに基づいて、前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーの使用を要請する要請者に適したバッテリーを選別するように構成された選別モジュールと、を含み、
前記ユーザ決定モジュールは、バッテリー使用履歴に基づいて前記ユーザの等級を決定するように構成され、
前記ユーザ決定モジュールは、前記バッテリー使用履歴として、前記バッテリーの瞬間放電電流を用いる、バッテリー分配装置。
【請求項6】
複数のバッテリーに対し、各バッテリーのレベルを決定するように構成されたバッテリー決定モジュールと、
前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーを使用した各ユーザの等級を決定するように構成されたユーザ決定モジュールと、
前記ユーザ決定モジュールによって決定されたユーザの等級及び前記バッテリー決定モジュールによって決定されたバッテリーのレベルに基づいて、前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーの使用を要請する要請者に適したバッテリーを選別するように構成された選別モジュールと、を含み、
前記ユーザ決定モジュールは、バッテリー使用履歴に基づいて前記ユーザの等級を決定するように構成され、
前記ユーザ決定モジュールは、前記バッテリー使用履歴として、前記バッテリーの最低SOCを用いる、バッテリー分配装置。
【請求項7】
複数のバッテリーに対し、各バッテリーのレベルを決定するように構成されたバッテリー決定モジュールと、
前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーを使用した各ユーザの等級を決定するように構成されたユーザ決定モジュールと、
前記ユーザ決定モジュールによって決定されたユーザの等級及び前記バッテリー決定モジュールによって決定されたバッテリーのレベルに基づいて、前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーの使用を要請する要請者に適したバッテリーを選別するように構成された選別モジュールと、を含み、
前記ユーザ決定モジュールは、バッテリー使用履歴に基づいて前記ユーザの等級を決定するように構成され、
前記ユーザ決定モジュールは、前記バッテリー使用履歴として、前記バッテリーの充電環境を用い、
前記バッテリーの充電環境は、前記バッテリーの充電Cレートを含む、バッテリー分配装置。
【請求項8】
複数のバッテリーに対し、各バッテリーのレベルを決定するように構成されたバッテリー決定モジュールと、
前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーを使用した各ユーザの等級を決定するように構成されたユーザ決定モジュールと、
前記ユーザ決定モジュールによって決定されたユーザの等級及び前記バッテリー決定モジュールによって決定されたバッテリーのレベルに基づいて、前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーの使用を要請する要請者に適したバッテリーを選別するように構成された選別モジュールと、を含み、
前記ユーザ決定モジュールは、バッテリー使用履歴に基づいて前記ユーザの等級を決定するように構成され、
前記ユーザ決定モジュールは、前記バッテリー使用履歴として、前記バッテリーの充電環境を用い、
前記バッテリーの充電環境は、前記バッテリーの最大充電SOCを含む、バッテリー分配装置。
【請求項9】
複数のバッテリーに対し、各バッテリーのレベルを決定するように構成されたバッテリー決定モジュールと、
前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーを使用した各ユーザの等級を決定するように構成されたユーザ決定モジュールと、
前記ユーザ決定モジュールによって決定されたユーザの等級及び前記バッテリー決定モジュールによって決定されたバッテリーのレベルに基づいて、前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーの使用を要請する要請者に適したバッテリーを選別するように構成された選別モジュールと、を含み、
前記選別モジュールは、前記要請者によるバッテリー使用要請時点を考慮して、好適なバッテリーを選別するように構成されている、バッテリー分配装置。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載のバッテリー分配装置を含む、バッテリー充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年10月27日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0140710号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリー分配技術に関し、より詳しくは、複数のバッテリーの中からユーザ毎に適したバッテリーを分配して提供することができる技術に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が商用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
リチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質が塗布された正極板と負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介在して配置された電極組立体、及び電極組立体を電解液とともに封止収納する外装材、例えば電池ケースを備える。
【0005】
一般にリチウム二次電池は、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に収納されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートからなるパウチに収納されているパウチ型二次電池とに分けられる。
【0006】
バッテリーは、数十年前からスマートフォンやラップトップパソコンのような携帯端末に作動電源を供給するために広く用いられており、最近は電気自動車の開発及び普及とともに、電気自動車の駆動エネルギー源として非常に重要な部品になっている。このような電気自動車用バッテリーパックは、自動車に対して着脱可能に構成され得る。特に、近年、共有型eモビリティ事業などの活性化によって、共有可能な交換式バッテリーに対する関心が高まっている。
【0007】
交換式バッテリーの場合、バッテリー充電ステーションなどの特定の場所で、ユーザに提供され得る。すなわち、バッテリー充電ステーションなどにおいて、複数のバッテリーを充電済み状態で備え、ユーザが要請すると、充電済みバッテリーをユーザに提供する。例えば、電気自動車の運行中にバッテリーが完全放電に近い状態になると、運転者はバッテリー充電ステーションに立ち寄ってバッテリーを要請し、完全充電されたバッテリーの提供を受けて電気自動車のバッテリーを交換する。
【0008】
しかし、今までバッテリー充電ステーション側が交換式バッテリーをユーザに分配するときは、交換式バッテリーの充電状態(SOC:State of Charge)程度を考慮するだけで、他の要素に対しては全般的に考慮せず無作為に分配する場合が多い。
【0009】
特に、バッテリー充電ステーションなどに備えられている複数のバッテリーは、全般的に劣化程度、例えば健康状態(SOH:State of Health)などが相異なり得る。また、バッテリーは、どのユーザが如何に使用するかによって、すなわち、使用環境や使用形態などによって劣化程度が異なり得る。例えば、バッテリーを苛酷に使用するユーザは、バッテリーの使用中にバッテリーをより多く劣化させる。
【0010】
また、バッテリー毎の健康状態の相違またはユーザ毎の特性の相違によって、特定のバッテリーがより急激に劣化する場合がある。このような場合、バッテリー充電ステーションに備えられたバッテリー毎の劣化度の差が一層大きくなり得、バッテリーの寿命を変えることになる。したがって、劣化が多く進んだバッテリーは交換せねばならないため、充電ステーション側としては、バッテリーの交換周期が早まるという問題につながり、バッテリーの管理コストが増大することになる。また、バッテリーの分配を受けるユーザ側としては、自らの使用パターンと関係なく劣化が進んだバッテリーの分配を受けることがあるため、頻繁な充放電によってバッテリーの使用が不便になる。これは、バッテリー充電ステーションの信頼度の低下につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するために創案されたものであって、複数の交換式バッテリーを効率的に使用及び分配することができるバッテリー分配装置などを提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるバッテリー分配装置は、複数のバッテリーに対し、各バッテリーのレベルを決定するように構成されたバッテリー決定モジュールと、前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーを使用した各ユーザの等級を決定するように構成されたユーザ決定モジュールと、前記ユーザ決定モジュールによって決定されたユーザの等級及び前記バッテリー決定モジュールによって決定されたバッテリーのレベルに基づいて、前記複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーの使用を要請する要請者に適したバッテリーを選別するように構成された選別モジュールと、を含む。
【0014】
ここで、前記バッテリー決定モジュールは、各バッテリーのSOHに基づいて各バッテリーのレベルを決定するように構成され得る。
【0015】
また、前記ユーザ決定モジュールは、バッテリー使用履歴に基づいて前記ユーザの等級を決定するように構成され得る。
【0016】
また、本発明によるバッテリー分配装置は、前記バッテリーから使用履歴に関する情報の提供を受け、提供された情報を前記ユーザ決定モジュールに伝送するように構成されたバッテリー情報収集モジュールをさらに含み得る。
【0017】
また、前記ユーザ決定モジュールは、前記バッテリー使用履歴として、前記バッテリーの瞬間放電電流を用いるように構成され得る。
【0018】
また、前記ユーザ決定モジュールは、前記バッテリー使用履歴として、前記バッテリーの最低SOCを用いるように構成され得る。
【0019】
また、前記ユーザ決定モジュールは、前記バッテリー使用履歴として、前記バッテリーの充電環境を用いるように構成され得る。
【0020】
また、前記バッテリーの充電環境は、前記バッテリーの充電Cレートを含み得る。
【0021】
また、前記バッテリーの充電環境は、前記バッテリーの最大充電SOCを含み得る。
【0022】
また、前記選別モジュールは、前記要請者によるバッテリー使用要請時点を考慮して、好適なバッテリーを選別するように構成され得る。
【0023】
また、本発明の他の一態様によるバッテリー充電システムは、本発明によるバッテリー分配装置を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、複数の交換式バッテリーに対して効率的な分配を行うことができる。
【0025】
特に、本発明の一態様によれば、バッテリーのレベルとユーザの等級とをマッチングして、ユーザに適したバッテリーを提供することで、全体バッテリー間の劣化度が均一になる。
【0026】
さらに、本発明の一態様によれば、複数の共有型交換式バッテリーのうち、特定のバッテリーが他のバッテリーに比べて急激に劣化することを防止することができる。すなわち、この場合、バッテリーの寿命をより向上させることができる。
【0027】
したがって、本発明の一態様によれば、全体バッテリーに対する交換周期を延ばすことで、バッテリーの管理コストを減らすことができる。
【0028】
さらに、本発明は、複数の共有型交換式バッテリーを公衆にレンタルまたは販売する場所や事業者、例えばバッテリー充電ステーションなどでより効果的に活用することができる。
【0029】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリー分配装置の機能的構成を概略的に示したブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリー決定モジュールの動作構成を図式化して示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるバッテリー決定モジュールによって決定された複数のバッテリーのレベルの一例を示した表である。
【
図4】本発明の一実施形態によるユーザ決定モジュールの動作構成を図式化して示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるユーザ決定モジュールによって決定されたユーザの等級の一例を概略的に示した表である。
【
図6】本発明の他の実施形態によるユーザ決定モジュールによって決定されたユーザの等級及び各等級に含まれるユーザの一例を示した表である。
【
図7】本発明の他の実施形態によるバッテリー決定モジュールによって決定されたバッテリーのレベル及び各レベルに含まれるバッテリーの一例を示した表である。
【
図8】本発明の一実施形態による選別モジュールによって考慮される時間帯毎の重みの一例を示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0032】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリー分配装置の機能的構成を概略的に示したブロック図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明によるバッテリー分配装置は、バッテリー決定モジュール110、ユーザ決定モジュール120、及び選別モジュール130を含み得る。
【0035】
前記バッテリー決定モジュール110は、複数のバッテリーに対し、各バッテリーのレベルを決定するように構成され得る。これについては
図2を参照してより具体的に説明する。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリー決定モジュール110の動作構成を図式化して示した図である。
【0037】
図2を参照すると、前記バッテリー決定モジュール110は、複数のバッテリー、すなわち10個のバッテリーに対し、各バッテリーのレベルを決定し得る。ここで、バッテリーは、複数の二次電池が含まれたバッテリーパックやバッテリーモジュール、または一つの二次電池が含まれたバッテリーセルであり得る。特に、バッテリーは、電気自動車用バッテリーパックであり得る。また、前記複数のバッテリーは、交換式バッテリーであり得る。例えば、バッテリー充電ステーションには、このような複数の交換式バッテリーが備えられ、複数のユーザが共有する形態で使用される。特に、交換式バッテリーは、ユーザから放電又は故障したバッテリーを受け、充電済み又は正常のバッテリーを提供するサービスなどに用いられるバッテリーであり得る。
図2に示されたように、10個の交換式バッテリーが備えられている場合、前記バッテリー決定モジュール110は、10個のバッテリーのそれぞれに対してバッテリーのレベルを決定し得る。
【0038】
ここで、前記バッテリー決定モジュール110は、多様な方式で各バッテリーの状態レベルを表し得る。例えば、前記バッテリー決定モジュール110は、バッテリーのレベルを1レベルから10レベルまで10個のレベルに分類し、各バッテリーに対してどのレベルに該当するかを決定し得る。一方、各バッテリーのレベルは、各バッテリーの状態を示す状態レベルであり得る。
【0039】
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリー決定モジュール110によって決定された複数のバッテリーのレベルの一例を示した表である。
【0040】
図3を参照すると、複数のバッテリーB1~B10に対し、各バッテリーのレベルが1から10まで示されている。このような各バッテリーのレベルは、バッテリー決定モジュール110によって決定され得る。例えば、バッテリー決定モジュール110によって、バッテリーB1のレベルが7に決定され、バッテリーB2のレベルが2に決定され得る。また、バッテリー決定モジュール110によって、バッテリーB3のレベルが6に決定され、バッテリーB4のレベルが9に決定され得る。このように、バッテリー決定モジュール110は、10個のバッテリーのすべてに対してそのレベルを決定し得る。
【0041】
一方、バッテリー決定モジュール110は、
図3に示されたように、複数のバッテリーに対してそのレベルを相異なるように決定し得る。この場合、各バッテリー毎にレベルが異なるため、選別モジュール130によるバッテリー選別がより容易になる。ただし、本発明が必ずしもこれに限定されることはなく、少なくとも一部のバッテリーに対しては同じレベルに決定されてもよい。
【0042】
前記バッテリー決定モジュール110が各バッテリーのレベルを決定した場合、決定された結果は、内蔵メモリまたは外部に備えられた別途の記録モジュールやサーバなどに保存され得る。
【0043】
前記ユーザ決定モジュール120は、ユーザの等級を決定するように構成され得る。特に、ユーザ決定モジュール120は、複数のバッテリーのうちの少なくとも一つのバッテリーを使用したユーザの等級を決定するように構成され得る。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態によるユーザ決定モジュール120の動作構成を図式化して示した図である。
【0045】
まず、
図4を参照すると、U1~U6の6名のユーザが存在し、ユーザ決定モジュール120は、各ユーザの等級を決定し得る。ここで、ユーザは、複数のバッテリー、例えば上述した
図2及び
図3のB1~B10のうちの一つ以上を使用した主体であり得る。
【0046】
さらに、ユーザ決定モジュール120によってユーザの等級が決定されるユーザは、上述したバッテリー決定モジュール110によって状態レベルが決定されるバッテリーを使用したユーザであり得る。例えば、ユーザU1がバッテリーB1を使用し、ユーザU2がバッテリーB2を使用した場合、ユーザ決定モジュール120は、B1とB2バッテリーを使用した各ユーザ、すなわちU1とU2に対して等級を決定し得る。
【0047】
図5は、本発明の一実施形態によるユーザ決定モジュール120によって決定されたユーザの等級の一例を概略的に示した表である。
【0048】
図5を参照すると、複数のユーザU1~U6に対し、各ユーザの等級が1から6まで決定されている。このような各ユーザの等級は、ユーザ決定モジュール120によって決定され得る。例えば、ユーザ決定モジュール120によって、ユーザU1の等級が6に決定され、ユーザU2の等級が4に決定され得る。また、ユーザ決定モジュール120によって、ユーザU3の等級が1に決定され、ユーザU4の等級が5に決定され得る。このように、ユーザ決定モジュール120は、6名のユーザのすべてに対してその等級を決定し得る。
図4及び
図5には、説明の便宜上、6名のユーザが示されているが、バッテリーを使用する多くのユーザが存在し得る。この場合、ユーザ決定モジュール120は、複数のユーザのそれぞれに対し、ユーザの等級を決定し得る。例えば、ユーザ決定モジュール120は、3,000名のユーザが存在する場合、3,000名のユーザのそれぞれに対してユーザの等級を決定し得る。
【0049】
ユーザ決定モジュール120は、
図5に示されたように、複数のユーザ対してその等級を相異なるように決定し得る。しかし、ユーザ決定モジュール120は、複数のユーザのうちの少なくとも一部のユーザに対しては同じ等級に決定してもよい。
【0050】
前記ユーザ決定モジュール120が各ユーザの等級を決定した場合、決定された結果は、内蔵メモリまたは外部に備えられた別途の記録モジュールやサーバなどに保存され得る。
【0051】
前記選別モジュール130は、バッテリーの使用を要請するユーザ、すなわち要請者に対し、それに適したバッテリーを選別するように構成され得る。ここで、要請者とは、バッテリーの分配を受けて使用しようとする主体であって、例えば電気自動車の運転者であり得る。すなわち、電気自動車の運転者は、自分の車両のバッテリーを交換しようとする場合、本発明によるバッテリー分配装置に対してバッテリーの使用を要請し得る。この場合、電気自動車の運転者が要請者になる。
【0052】
このような要請者、すなわちバッテリーを使用しようとする主体は、上述したユーザ決定モジュール120によって等級が決定されたユーザであり得る。例えば、上述した
図4及び
図5の実施形態において、要請者は、バッテリーを過去に使用したU1~U6のうちの少なくとも1名であり得る。
【0053】
そして、選別モジュール130は、このような要請者によるバッテリー使用要請に対し、複数のバッテリーのうちの好適なバッテリーを選別するように構成され得る。例えば、ユーザU1が要請者であって、バッテリーの使用を要請すれば、前記選別モジュール130は、要請者U1に適したバッテリーを決定し得る。
【0054】
特に、前記選別モジュール130は、要請者に適したバッテリーを決定する際、ユーザの等級及びバッテリーのレベルを考慮するように構成され得る。すなわち、上述したように、ユーザ決定モジュール120によってユーザの等級が決定され、バッテリー決定モジュール110によってバッテリーのレベルが決定されれば、このような情報は選別モジュール130に提供され得る。そして、選別モジュール130は、このような情報、すなわちユーザの等級及びバッテリーのレベルを用いて、要請者に適したバッテリーを選別するように構成され得る。
【0055】
本発明のこのような構成によれば、バッテリーの状態及びユーザの特性を考慮してバッテリーを効率的に分配することができる。例えば、バッテリー充電ステーションに複数の完全充電バッテリーが備えられている状態で、要請者によるバッテリー使用要請があるとき、完全充電バッテリーを無作為に供給することではなく、バッテリーのレベル及びユーザの等級を考慮して最適のバッテリーが分配されて提供されるようにする。したがって、この場合、バッテリー及びユーザの効果的な管理が可能になる。特に、上記の構成によれば、バッテリーの状態及び/またはユーザのバッテリー利用特性や性向を考慮して、管理コストを節減可能にバッテリーを適切に分配することができる。
【0056】
一方、本発明によるバッテリー分配装置に含まれたバッテリー決定モジュール110、ユーザ決定モジュール120及び選別モジュール130のうちの少なくとも一つは、本発明で行われる多様な制御ロジックを実行するため当業界に知られたものであって、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、画像処理装置(GPU:Graphic Processing Unit)、ASIC(Application‐Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)、チップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム、データ処理装置、プロセッサなどを選択的に含むかまたはこれら用語で表され得る。また、制御ロジックがソフトウェアとして具現されるとき、前記バッテリー決定モジュール110、ユーザ決定モジュール120及び選別モジュール130のうちの少なくとも一つはプログラムモジュールの集合として具現され得る。このとき、プログラムモジュールはメモリに保存され、バッテリー決定モジュール110、ユーザ決定モジュール120及び選別モジュール130などによって実行され得る。前記メモリは、バッテリー決定モジュール110、ユーザ決定モジュール120及び選別モジュール130などの内部または外部に備えられ得、周知の多様な手段でこれらと接続され得る。一方、本明細書において、バッテリー決定モジュール110、ユーザ決定モジュール120及び選別モジュール130などの各構成要素に対して構成、機能または動作などを説明するために記載された「~するように構成される」、「~する」などのような用語は、「~するようにプログラミングされる」の意味を含み得る。
【0057】
本発明によるバッテリー分配装置は、
図1に示されたように、入力モジュール140をさらに含み得る。
【0058】
前記入力モジュール140は、ユーザによって所定の情報が入力可能に構成され得る。ここで、ユーザは、使用済みのバッテリーを返却しようとするユーザ、または、バッテリーの使用を要請するユーザ(要請者)を含み得る。
【0059】
そして、入力モジュール140は、ユーザから情報の入力を受けるため、本発明の出願時点で公知の多様なユーザインタフェース(UI:User Interface)を備え得る。
【0060】
例えば、入力モジュール140は、モニタ、タッチスクリーン、キーボード、マウス、またはボタンなどを備え得る。そして、ユーザが近寄る場合、前記入力モジュール140は、モニタを用いてユーザに所定の情報を入力することを要請し、ユーザがタッチスクリーンやキーボードなどを通じて該当情報を入力すれば、入力された情報を自体的に保存するか又は他の構成要素に提供し得る。
【0061】
前記入力モジュール140は、通信ユニットを備えてもよい。また、通信ユニットは、有線または無線通信網を通じて、ユーザから情報の入力を受けるように構成され得る。例えば、前記入力モジュール140は、4Gまたは5G通信網と接続可能に構成され、ユーザがスマートフォンなどを通じて情報を入力すれば、該当情報が通信網を通じて入力されるように構成され得る。
【0062】
特に、前記入力モジュール140は、ユーザから識別情報の入力を受けるように構成され得る。例えば、前記入力モジュール140は、ユーザからID及びパスワードの入力を受け、該当ユーザについての識別情報の入力を受け得る。例えば、前記入力モジュール140は、ユーザがU1であるか又はU2であるかなどのユーザ識別情報の入力を受け得る。他の例として、前記入力モジュール140は、スマートフォンを通じてユーザの入力情報が伝送される場合、通信網を通じて伝送されたユーザの識別コードなどからユーザの識別情報の入力を受け得る。さらに他の例として、入力モジュール140は、カメラを備え、ユーザ識別QRコード(登録商標)(Quick Response Code)を認識することでユーザに対する識別情報の入力を受け得る。他にも、前記入力モジュール140は、本発明の出願時点で公知の他の多様な方式でユーザ識別情報の入力を受け得る。
【0063】
また、前記入力モジュール140は、ユーザの入力目的について入力を受けるように構成され得る。例えば、前記入力モジュール140は、ユーザの入力目的が使用済みのバッテリー返却であるか、それとも、バッテリーのレンタル、購買、または交換のようにバッテリーの提供を受けることであるかについて、該当情報の入力を受けるように構成され得る。
【0064】
前記入力モジュール140は、このようにユーザから入力された情報を、自ら処理するか又は他の構成要素、例えばバッテリー決定モジュール110やユーザ決定モジュール120、選別モジュール130などに提供し得る。
【0065】
特に、前記入力モジュール140は、ユーザの入力目的に応じて、入力された情報の提供対象を区別するように構成され得る。例えば、ユーザの入力目的がバッテリーの返却である場合、入力モジュール140は、入力されたユーザ識別情報をユーザ決定モジュール120に伝送し得る。他の例として、ユーザの入力目的がバッテリーの使用申請にある場合、入力モジュール140は、入力されたユーザ識別情報を選別モジュール130に提供し得る。
【0066】
より具体的な例として、ユーザU1がバッテリーを返却しようとする場合、ユーザがU1であるという識別情報は、ユーザ決定モジュール120に提供され得る。そして、ユーザ決定モジュール120は、バッテリーを返却したユーザ、すなわち返却者U1に対してユーザの等級を決定し、決定された情報を保存し得る。一方、ユーザU1がバッテリーをレンタルしようとする場合、ユーザがU1であるという識別情報は、選別モジュール130に提供され得る。そして、選別モジュール130は、バッテリーの使用を申請したユーザ、すなわち要請者U1に対し、それに適したバッテリーを選別するように構成され得る。
【0067】
特に、本発明によるバッテリー分配装置において、前記バッテリー決定モジュール110は、バッテリーのレベルを決定する際、バッテリーのSOHに基づくように構成され得る。すなわち、前記バッテリー決定モジュール110は、バッテリーのSOHが推定されれば、推定されたSOHに応じてバッテリーのレベルを区分するように構成され得る。
【0068】
ここで、バッテリー決定モジュール110は、バッテリーのSOHを直接推定するように構成され得る。このようなバッテリーSOH推定方式は、本発明の出願時点で広く知られているため、これについての詳細な説明は省略する。そして、本発明において、前記バッテリー決定モジュール110は、本発明の出願時点で公知の多様なSOH推定方式を用いて各バッテリーのSOHを推定するように構成され得る。
【0069】
または、前記バッテリー決定モジュール110は、バッテリーのSOHを直接推定せず、他の構成要素、例えばバッテリーからSOH推定値についての情報を受信してもよい。特に、最近の電気自動車用バッテリーパックなどは、BMS(Battery Management System:バッテリー管理システム)のような制御ユニットによって該当バッテリーパックまたはそれに含まれたバッテリーセルに対してSOHを推定する機能を備え得る。この場合、前記バッテリー決定モジュール110は、バッテリーパックのBMSなどから該当バッテリーのSOHについての情報の提供を受けるように構成され得る。
【0070】
また、前記バッテリー決定モジュール110は、バッテリーのSOHを複数の区間に区分した後、各区間毎にバッテリーのレベルが変わるように構成され得る。例えば、バッテリー決定モジュール110は、バッテリーのSOHを0~100%までの範囲において、10%区間毎に分けて10個の区間に分けられる。すなわち、バッテリー決定モジュール110は、バッテリーのSOHを0~10%、11~20%、21~30%、…、91~100%の10個の区間に区分し得る。
【0071】
そして、バッテリー決定モジュール110は、このように区分された各区間に対し、相異なるレベルを付与し得る。特に、前記バッテリー決定モジュール110は、SOHが高いほどレベルが高くなるように構成され得る。例えば、バッテリー決定モジュール110は、0~10%のSOH区間はレベル1、11~20%のSOH区間はレベル2、21~30%のSOH区間はレベル3、…、91~100%のSOH区間はレベル10のような方式で、各SOH区間毎にバッテリーのレベルを決定し得る。すなわち、バッテリー決定モジュール110は、SOHが10%ずつ増加する度に、レベルが一段階ずつ高くなるように構成され得る。この場合、バッテリーのレベルを示す数字が大きいほど、バッテリーのSOHは高いと言える。すなわち、バッテリーのレベルが高いほど、バッテリーの状態が良いと言える。ただし、このようなバッテリーレベル付与方式は一例に過ぎず、他の多様な方式でSOHに基づいたバッテリーレベル決定が行われるか又はバッテリーのレベルが表され得る。
【0072】
このようにバッテリー決定モジュール110がバッテリーのSOHに基づいて各バッテリーのレベルを決定する実施形態によれば、バッテリーをより容易に管理することができる。さらに、上記のようにバッテリーのSOHが考慮される実施形態では、複数のバッテリー全体に対し、SOHを考慮してバッテリーを使用及び分配することができる。特に、複数のバッテリーのうち低SOHのバッテリーが使用されることを抑制することで、他のバッテリーに比べて特定バッテリーの劣化がより多く進むことを防止することができる。すなわち、上記のような実施形態によれば、複数のバッテリー同士の間の劣化程度を調整し、複数のバッテリー全体に対する劣化を均等化させるのに有利である。したがって、この場合、複数のバッテリーに対する交換周期が短くなることを防止し、バッテリーの管理コストを節減することができる。さらに、複数のバッテリーを備えて管理するバッテリー充電ステーションの立場からは、特定バッテリーの劣化が加速化されることを防止することで、バッテリー交換周期が短くなることを防止する一方、事業に対する信頼性を高めることができる。
【0073】
前記ユーザ決定モジュール120は、バッテリーを使用したユーザの等級を決定する際、バッテリー使用履歴に基づくように構成され得る。すなわち、ユーザ決定モジュール120は、バッテリー使用履歴に応じてユーザの等級を区分し決定するように構成され得る。ここで、使用履歴とは、ユーザがバッテリーを如何なる形態または如何なる方式で使用したかに関する情報であり得る。特に、電気自動車用バッテリーの場合、使用履歴は電気自動車の運行履歴などに関する情報を含み得る。したがって、使用履歴には、ユーザが電気自動車を如何なるパターンで走行したかに関する走行パターンなどが分かる情報が含まれ得る。
【0074】
本発明のこのような構成によれば、ユーザのバッテリー使用履歴に応じてユーザの等級が決定され、これによって該当ユーザに分配されるバッテリーが決定されるため、ユーザの特性に適したバッテリーが分配される。特に、上記の構成によれば、ユーザの走行パターンとバッテリーの状態、例えばバッテリーのSOHとを組み合わせて分配されるバッテリーが決定される。例えば、上記のような実施形態によれば、ユーザが電気自動車の走行時に頻繁に急加速または急減速するか、バッテリーを頻繁に使用するかなどに応じてユーザの等級を決定し、それに適したバッテリーを分配することができる。
【0075】
一方、ユーザ決定モジュール120によって決定されたユーザの等級は、各ユーザの識別情報とともに保存され得る。例えば、バッテリーを返却するユーザがU3であり、該ユーザの等級が3等級と決定された場合、ユーザ決定モジュール120は、ユーザU3のユーザ等級が3等級であるという情報を保存し得る。すなわち、ユーザの等級は、各ユーザ毎にマッチングされて保存され得る。
【0076】
前記ユーザ決定モジュール120は、ユーザがバッテリーの返却を要請した場合、該当ユーザに対する等級を新たに保存するか又は更新するように構成され得る。例えば、入力モジュール140を通じてユーザ識別情報とともにユーザの返却要請が入力された場合、ユーザ識別情報及び返却要請はユーザ決定モジュール120に提供される。このとき、ユーザ決定モジュール120は、該当ユーザの等級情報が予め決定されているか否かを確認するように構成され得る。例えば、ユーザU1が返却を要請するとの入力情報が入力モジュール140を通じて受信された場合、ユーザ決定モジュール120は、ユーザU1に対する決定等級が内部メモリまたは外部サーバなどに保存されているか否かを確認する。
もし、該当ユーザに対する等級情報が決定されていなければ、ユーザ決定モジュール120は、該当ユーザに対して決定された等級情報を新たに保存し得る。一方、該当ユーザに対する等級情報が予め決定されていれば、ユーザ決定モジュール120は、該当ユーザに対して決定された等級情報を更新し得る。特に、ユーザ決定モジュール120は、バッテリーを返却する度に、該当ユーザに対するユーザの等級情報を更新するように構成され得る。
【0077】
本発明によるバッテリー分配装置は、
図1に示されたように、バッテリー情報収集モジュール150をさらに含み得る。
【0078】
前記バッテリー情報収集モジュール150は、バッテリーと接続可能に構成され、バッテリーから使用履歴に関する情報の提供を受けるように構成され得る。例えば、前記バッテリー情報収集モジュール150は、バッテリーと連結ケーブルを通じて接続され得、バッテリーに備えられたBMSのような制御ユニット、またはメモリなどから該当バッテリーの使用履歴に関する情報の提供を受け得る。
【0079】
そして、前記バッテリー情報収集モジュール150は、バッテリーから提供された使用履歴情報をユーザ決定モジュール120に伝送するように構成され得る。例えば、前記バッテリー情報収集モジュール150は、該当バッテリーが如何なる形態またはパターンで使用されたかなどの情報をユーザ決定モジュール120に伝送し得る。すると、ユーザ決定モジュール120は、バッテリー情報収集モジュール150から提供されたバッテリー使用履歴情報及び入力モジュール140から提供されたユーザ識別情報に基づいて、該当ユーザに対するユーザの等級を決定するように構成され得る。
【0080】
本発明のこのような構成によれば、バッテリーの使用履歴に関する情報収集及びそれを通じたユーザの等級決定をより容易に行うことができる。特に、バッテリーの使用履歴に関する情報は、バッテリーが搭載された主体、例えば電気自動車またはバッテリーが直接容易に把握可能である。特に、バッテリーは充電ステーションなどに直接備えられる対象であるため、バッテリー分配装置はバッテリーにアクセスし易い。したがって、該当バッテリーに対する使用履歴は、該当バッテリーから収集することがより容易である。
【0081】
特に、上記のような実施形態において、入力モジュール140がユーザからバッテリーの返却要請を受けた場合、該要請情報はバッテリー情報収集モジュール150に伝送され得る。このような要請情報を受信したバッテリー情報収集モジュール150が稼働し、返却されるバッテリーに関する情報を収集する。すなわち、バッテリー情報収集モジュール150は、入力モジュール140によってバッテリー返却が要請された場合、動作が実行されるように構成され得る。
【0082】
前記ユーザ決定モジュール120は、バッテリー使用履歴として、バッテリーの瞬間放電電流を用いるように構成され得る。ここで、瞬間放電電流とは、一定時間、例えば1秒間放電した電流の大きさを意味し得る。このような瞬間放電電流に関する情報は、バッテリー情報収集モジュール150などから提供され得る。例えば、バッテリー情報収集モジュール150が、返却が要請されたバッテリーから瞬間放電電流に関する情報を取得し得る。そして、取得された情報は、ユーザ決定モジュール120に伝送され得る。すると、ユーザ決定モジュール120は、バッテリー情報収集モジュール150から提供された瞬間放電電流情報及び入力モジュール140から提供されたユーザ識別情報を用いて、該当ユーザの等級を決定し得る。
【0083】
このようにユーザ決定モジュール120は、バッテリーの瞬間放電電流を用いてユーザの等級を決定するように構成され得る。特に、前記ユーザ決定モジュール120は、瞬間放電電流が一定水準以上を超えた回数に基づいてユーザの等級を決定し得る。例えば、ユーザ決定モジュール120は、予め決定された基準電流とバッテリーに保存された瞬間放電電流とを比較するように構成され得る。ここで、予め決定された基準電流は、瞬間放電電流と比較されるための基準値であって、過放電を判断する基準であり得る。この場合、ユーザ決定モジュール120は、瞬間放電電流が基準電流よりも大きく測定された回数、すなわち過放電回数を把握し得る。または、ユーザ決定モジュール120は、瞬間放電電流が基準電流を超過する時間、すなわち過放電時間を把握し得る。そして、ユーザ決定モジュール120は、瞬間放電電流に基づいた過放電回数または過放電時間を用いてユーザの等級を決定するように構成され得る。特に、ユーザ決定モジュール120は、過放電回数が多いほどまたは過放電時間が長いほど、ユーザの等級を低く決定するように構成され得る。
【0084】
一方、本明細書において、ユーザの等級が低いとは、該当ユーザに対する否定的な意味として解釈され得る。例えば、等級が低いユーザであるほど、相対的にバッテリーをさらに劣化させる使用特性またはパターンを有すると言える。換言すると、ユーザの等級が低いほど、バッテリーをより苛酷な条件で使用する確率の高いユーザと判断し得る。したがって、ユーザ決定モジュール120は、過放電回数が多いか又は過放電時間が長いユーザであれば、バッテリーを一層速く劣化させ得るため、ユーザの等級を低く決定する。特に、ユーザの等級を数値で表す場合、ユーザの等級と数値とは逆の傾向を有し得る。すなわち、数値が低いほどユーザの等級が高く、数値が高いほどユーザの等級が低い。例えば、ユーザの等級が1等級~10等級に区分された場合、1等級が10等級よりも高い等級と言える。
【0085】
もし、ユーザU6がユーザU5に比べて過放電回数が多ければ、ユーザ決定モジュール120は、ユーザU6を3等級と決定した場合、ユーザU5はこれよりも高い2等級と決定し得る。
【0086】
本発明のこのような構成によれば、バッテリーを劣化させる要因に基づいてユーザの等級が決定される。したがって、該当ユーザに対するバッテリー分配の際、このような劣化要因による劣化可能性または劣化程度を考慮して、それに適したバッテリーを分配することができる。特に、上記のような実施形態による場合、バッテリーをより多く劣化させる可能性のあるユーザに対しては高いSOHのバッテリーのように、良好な状態のバッテリーを分配することで、状態の良くないバッテリー、例えば劣化がかなり進んだバッテリーの劣化が一層加速化することを防止することができる。したがって、この場合、分配される複数のバッテリーに対する劣化程度を均一にするのにより有利である。例えば、電気自動車が頻繁に急加速されると、バッテリーの過放電回数が多く測定され、この場合、バッテリーの劣化が一層速まり得る。したがって、頻繁に急加速するユーザに対しては、SOHの高いバッテリーを提供することで、特定バッテリーの劣化度が高くなることを防止することができる。
【0087】
前記ユーザ決定モジュール120は、バッテリー使用履歴として、バッテリーのSOCを用いるように構成され得る。ここで、SOCとは、バッテリーの充電状態を示した値であって、0~100%のように百分率で表され得るが、他の多様な方式で表されてもよい。特に、バッテリーのSOCに関する情報は、最低SOC、すなわちバッテリー使用中のSOCの下限値を示す情報であり得る。例えば、バッテリーの使用中に最も低く測定されたSOCが10%であれば、ユーザ決定モジュール120は、10%との最低SOC情報をバッテリー使用履歴として用い得る。このようなバッテリーSOC情報は、上述した瞬間放電電流と同様に、バッテリー情報収集モジュール150などから提供され得る。特に、バッテリー情報収集モジュール150が、返却が要請されたバッテリーからバッテリー使用履歴のうちの最低SOC情報を取得し得る。そして、取得されたSOC情報は、ユーザ決定モジュール120に伝送され得る。すると、ユーザ決定モジュール120は、バッテリー情報収集モジュール150から提供されたバッテリーのSOC情報及び入力モジュール140から提供されたユーザ識別情報を用いて、該当ユーザの等級を決定し得る。
【0088】
このようにユーザ決定モジュール120は、バッテリーのSOC情報を用いてユーザの等級を決定するように構成され得る。特に、ユーザ決定モジュール120は、最低SOCが低いほど、換言してSOCが0%に近くなるまでバッテリーを使用するほど、該当ユーザの使用等級を低く決定し得る。例えば、ユーザU2の場合、S0Cが10%になるまでバッテリーを使用し、ユーザU4の場合、SOCが5%になるまでバッテリーを使用したとすれば、ユーザU4がユーザU2よりも低いSOCまでバッテリーを使用したと言える。したがって、ユーザ決定モジュール120は、ユーザU4の等級をユーザU2の等級よりも低く決定し得る。例えば、ユーザ決定モジュール120は、ユーザU4の等級を5等級と決定し、ユーザU2の等級をこれよりも高い4等級と決定し得る。
【0089】
本発明のこのような構成によれば、ユーザ毎にバッテリーをより多く劣化させる可能性があるか否かを他の面から判断できる。すなわち、上記の構成によれば、最低SOCなどを考慮してユーザのバッテリー使用特性が決定され、それに基づいて好適なバッテリーが分配される。特に、上記のような実施形態によれば、バッテリーをより多く劣化させる使用パターンを有するユーザであるほど、劣化の遅いバッテリーを提供することで、複数のバッテリー同士の間の劣化速度の差を減少させることができる。
【0090】
前記ユーザ決定モジュール120は、バッテリー使用履歴として、バッテリーの充電環境を用いるように構成され得る。ここで、バッテリーの充電環境は、バッテリーの充電条件やバッテリーの充電仕様などを意味し得る。すなわち、ユーザ決定モジュール120は、バッテリーが如何なる条件で充電されたか、または、バッテリーが如何なる仕様で充電されたかなどの情報を考慮して、ユーザの等級を決定するように構成され得る。
【0091】
このような実施形態においても、ユーザ決定モジュール120は、前記バッテリー情報収集モジュール150からバッテリーの充電環境などに関する情報の提供を受け得る。すなわち、バッテリー情報収集モジュール150は、バッテリーの充電環境に関する情報をバッテリーから収集し、収集された情報をユーザ決定モジュール120に伝送し得る。ユーザ決定モジュール120は、バッテリー情報収集モジュール150によって提供されたバッテリーの充電環境情報と入力モジュール140から提供された識別情報とを組み合わせて、該当ユーザの等級を決定し得る。
【0092】
バッテリーは、放電条件や放電形態の他に、充電環境によっても劣化程度が変わり得る。特に、バッテリーに対する充電環境は、各ユーザ毎に変わり得る。例えば、バッテリーを充電する充電器はユーザ毎に異なり得る。したがって、上記のような実施形態によれば、このような充電環境に応じて劣化可能性を異ならせて判断することで、ユーザに適したバッテリーを分配し提供することができる。
【0093】
ここで、バッテリーの充電環境は、バッテリーの充電Cレートを含み得る。すなわち、ユーザ決定モジュール120は、バッテリーが充電されるときの充電Cレートの程度を考慮してユーザの等級を決定するように構成され得る。
【0094】
特に、ユーザ決定モジュール120は、充電Cレートが高いほどユーザの等級を低く決定するように構成され得る。例えば、ユーザU4はCレート1でバッテリーを充電し、ユーザU1はCレート3でバッテリーを充電したとすれば、ユーザ決定モジュール120は、ユーザU4のユーザの等級をユーザU1のユーザの等級よりも高く決定するように構成され得る。より具体的には、ユーザ決定モジュール120は、ユーザU4の等級を5等級と決定し、ユーザU1の等級をこれよりも低い6等級と決定し得る。
【0095】
充電環境のうち充電Cレートは、バッテリーの劣化に有意な影響を及ぼすため、上記のような実施形態によれば、ユーザのバッテリー使用環境を考慮して好適なバッテリーを分配するのにより効果的である。特に、上記の構成によれば、バッテリーが相対的に多く劣化する充電環境でバッテリーを充電するユーザの場合、SOHが高い良好な状態のバッテリーが分配され得る。したがって、この場合、複数のバッテリーに対する劣化度の均等化をより容易に達成することができる。
【0096】
また、バッテリーの充電環境は、バッテリーの最大充電SOCを含み得る。すなわち、ユーザ決定モジュール120は、バッテリーが充電されるとき、どの程度のSOCまで充電されたかに関する情報を用いてユーザの等級を決定するように構成され得る。
【0097】
特に、ユーザ決定モジュール120は、最大充電SOCが高いほどユーザの等級を低く決定するように構成され得る。例えば、充電時に、ユーザU5はバッテリーをSOC100%まで充電し、ユーザU3はバッテリーをSOC95%まで充電するとすれば、ユーザ決定モジュール120は、ユーザU5の等級をユーザU3の等級よりも低く決定し得る。
【0098】
より高いSOCまで充電するユーザであるほど、バッテリーをより速く劣化させ得る。したがって、上記のような実施形態によれば、このような劣化可能要因を考慮して、該当ユーザに適したバッテリーを分配することができる。
【0099】
一方、上述した説明においては、ユーザの等級を1等級、2等級、3等級、…のように整数の単位で表したが、これは一例に過ぎず、本発明がこのような形態に限定されることはない。これについては
図6を参照してより具体的に説明する。
【0100】
図6は、本発明の他の実施形態によるユーザ決定モジュール120によって決定されたユーザの等級及び各等級に含まれるユーザの一例を示した表である。
【0101】
図6を参照すると、ユーザの等級が1から0の値で区分され、小数第1位まで示されている。より具体的には、ユーザの等級は、1.0、0.9、0.8、0.7、…、0.1のように1から0.1ずつ減少する形態で区分され得る。そして、1.0に近いほどユーザの等級が高く、0に近いほどユーザの等級が低いと言える。
【0102】
図6において、各数値は等級を示し得る。すなわち、1.0と示された等級は1.0等級であり、0.9と示された等級は0.9等級であり、0.8と示された等級は0.8等級であり得る。そして、このような等級に対する基準は、ユーザ決定モジュール120が使用できるように、ユーザ決定モジュール120の内蔵メモリや外部メモリなどに予め保存され得る。
【0103】
このように、ユーザ決定モジュール120は、各ユーザの等級を0から1の点数で表すように構成され得る。さらに、ユーザ決定モジュール120は、各ユーザ毎に基本点数を与え、与られた基本点数から、ユーザの使用特性が反映された所定ファクターに応じて一定点数を引いてユーザの等級を決定するように構成され得る。
【0104】
例えば、ユーザ決定モジュール120は、ユーザに対して基本点数として1点を付与し、上述した瞬間放電電流、最低SOC、充電Cレート及び最大充電SOCに応じて所定値を減算するように構成され得る。このとき、引かれる瞬間放電電流、最低SOC、充電Cレート及び最大充電SOCは、それぞれ0から1の値で表され得る。
【0105】
より具体的には、前記ユーザ決定モジュール120は、下記の数式1を用いてユーザの等級を決定し得る。
【0106】
[数式1]
ユーザの等級=1-(a+b+c+d)/4
【0107】
すなわち、ユーザ決定モジュール120は、基本点数(1)から、使用特性が反映された4個のファクターの合算値(a+b+c+d)をファクターの個数(4)で割った値を引く方式で、バッテリーを使用したユーザの等級を決定し得る。
【0108】
数式1において、aは、ユーザのバッテリー使用特性を反映した一つのファクターであって、総放電回数に対する瞬間過放電回数の割合で表され得る。例えば、総放電回数が10回であり、瞬間過放電回数が7回と記録されたバッテリーのユーザに対し、ユーザ決定モジュール120はaを7/10、すなわち0.7に決定し得る。
【0109】
また、数式1において、bは、ユーザのバッテリー使用特性を反映した他の一つのファクターであって、放電時の最低SOCを示した値であり、最低SOCの区間に応じて0~1の値で表され得る。例えば、最低SOCが0である場合b=1に、最低SOCが20%以上である場合b=0に決定され得る。そして、最低SOCが0より大きく20%より小さい場合は、bは0と1との間の値に決定され得る。例えば、最低SOCが10%になるまでバッテリーを使用したユーザに対しては、ユーザ決定モジュール120がbを0.5に決定し得る。
【0110】
また、数式1において、cは、ユーザのバッテリー使用特性を反映したさらに他の一つのファクターであって、充電Cレートを示した値であり、充電Cレートの大きさに応じて0~1の値で表され得る。例えば、充電Cレートが3以上である場合、cは1に決定され、充電Cレートが0.5以下である場合、cは0に決定され得る。そして、充電Cレートが1と3との間である場合は、cが0と1と間の値に決定され得る。特に、cは、最大充電Cレートに対した割合として決定され得る。例えば、充電Cレートが最大Cレート対比30%に該当するようにバッテリーを充電するユーザに対し、ユーザ決定モジュール120は、cを0.3に決定し得る。
【0111】
また、数式1において、dは、ユーザのバッテリー使用特性を反映したさらに他の一つのファクターであって、バッテリーの最大充電SOCを示した値であり、バッテリーの最大充電程度に応じて0~1の値で表され得る。例えば、最大充電SOCが80%以下である場合dは0であり、最大充電SOCが100%である場合dは1であり得る。そして、最大充電SOCが80%と100%との間である場合は、最大充電SOCが高くなるほど、d値が一定比率で大きくなるように構成され得る。例えば、最大充電SOCが95%になるまでバッテリーを充電するユーザに対し、ユーザ決定モジュール120は、dを0.75に決定し得る。
【0112】
そして、このように決定されたa、b、c、dを数式1に代入すると、以下のように計算され得る。
【0113】
ユーザの等級=1-(0.7+0.5+0.3+0.75)/4=0.4375
【0114】
そして、ユーザ決定モジュール120は、このように計算された値と最も近い数値に該当する等級を、ユーザの等級として決定し得る。例えば、ユーザU1に対して等級が0.4375に計算された場合、これは0.4に近いため、ユーザ決定モジュール120は、ユーザU1の等級を0.4に決定し得る。
【0115】
図6には、このような方式でユーザの等級が決定された残り19名に対する等級が示されている。すなわち、ユーザ決定モジュール120は、バッテリーを使用した総20名のユーザ(U1~U20)に対し、上記のような方式でユーザの等級を決定し、各等級毎にそれに対応するユーザ識別情報を内蔵メモリなどに保存し得る。
【0116】
本発明のこのような構成によれば、ユーザの等級を簡単な方式で容易に計算して決定できる。さらに、このような方式でユーザの等級が計算される場合、分配されるバッテリーのレベルをより容易に決定することができる。
【0117】
特に、ユーザの等級と同様に、バッテリーのレベルも1から0の値で区分されるように構成され得る。すなわち、バッテリー決定モジュール110は、バッテリーに対して1から0の値でレベルを分けるように構成され得る。これについては
図7を参照してより具体的に説明する。
【0118】
図7は、本発明の他の実施形態によるバッテリー決定モジュール110によって決定されたバッテリーのレベル及び各レベルに含まれるバッテリーの一例を示した表である。
図7を参照すると、バッテリーのレベルが1から0の値で区分され、小数第1位まで示されている。特に、バッテリーのレベルは、1.0、0.9、0.8、0.7、…、0.1のように1から0.1ずつ減少する形態で区分され得る。そして、1.0に近いほどバッテリーのレベルが高く、0に近いほどバッテリーのレベルが低いと言える。
【0119】
図7においても、各数値がバッテリーのレベルを示し得る。すなわち、0.7と示されたバッテリーのレベルは0.7レベルであり、0.4と示されたバッテリーのレベルは0.4レベルであり得る。このようなレベルに対する基準は、バッテリー決定モジュール110が利用できるように、バッテリー決定モジュール110の内蔵メモリや外部メモリなどに予め保存され得る。
【0120】
特に、本実施形態のようにバッテリーのレベルを0から1の値で表す場合、バッテリーのレベルはバッテリーのSOHを示し得る。すなわち、バッテリーのSOHは、百分率で表され得るが、0から1の値としても表され得る。例えば、バッテリーのSOHが百分率で80%である場合、0から1の値としては0.8で表され得る。したがって、上記の構成では、0から1の値で表されたバッテリーのSOHがバッテリーのレベルを示し得る。例えば、バッテリーB1のSOHが0.8である場合、バッテリーB1のレベルも0.8レベルであると言える。
【0121】
図7には、このような方式でバッテリーのレベルが決定された残り14個のバッテリーに対するレベルが示されている。すなわち、バッテリー決定モジュール110は、充電ステーションなどが保有している15個のバッテリー(B1~B15)に対し、上記のような方式でバッテリーのレベルを決定し、各レベル毎にそれに対応するバッテリーを内蔵メモリなどに保存し得る。
【0122】
本発明のこのような構成によれば、バッテリーのレベルを示すため、別途の基準を設ける必要がない。したがって、バッテリーのレベルをより簡単な方式で決定できる。さらに、この場合、後述するように、選別モジュール130によるバッテリー選別構成をより簡単に行うことができる。
【0123】
前記選別モジュール130は、上述したように、ユーザ決定モジュール120によって決定された各ユーザ毎の等級情報とバッテリー決定モジュール110によって決定された各バッテリー毎のレベル情報とをマッチングし、バッテリーの使用を要請したユーザ、すなわち要請者に適したバッテリーを選別し得る。
【0124】
特に、前記選別モジュール130は、下記の数式2を用いて分配するバッテリーを選別し得る。
【0125】
[数式2]
バッテリーのレベル=(1-ユーザの等級)
【0126】
ここで、ユーザの等級は、
図6の実施形態で上述したように、0から1の値で表されたものであり得る。そして、バッテリーのレベルは、
図7の実施形態で上述したように、0から1の値で表されたものであり得る。
【0127】
すなわち、選別モジュール130は、基本点数1から、ユーザの等級に該当する数値を減算することで、バッテリーのレベルを計算し得る。そして、選別モジュール130は、このように計算されたバッテリーのレベルに対応するバッテリーを該当ユーザに提供し得る。
【0128】
例えば、入力モジュール140を通じてユーザU7が要請者としてバッテリーの使用を要請した場合、該要請信号は入力モジュール140から選別モジュール130に提供され得る。すると、選別モジュール130は、
図6に示されたように、ユーザ決定モジュール120によって決定された各ユーザ毎の等級データから要請者であるU7の等級を確認し得る。
図6において、U7の等級は0.7である。そして、ユーザの等級0.7を上記の数式2に代入すれば、0.3が得られる。したがって、選別モジュール130は、
図7に示されたように、バッテリー決定モジュール110によって決定された各バッテリー毎のレベルデータから0.3レベルに該当するバッテリーを確認し得る。
図7において、0.3レベルに該当するバッテリーがB3であるため、選別モジュール130は、バッテリーB3を要請者U7に分配されるバッテリーとして選別し得る。したがって、要請者U7にはバッテリーB3が提供され得る。
【0129】
他の例として、ユーザU10が要請者としてバッテリーの使用を要請した場合、選別モジュール130は、
図6のユーザの等級データに基づいて、U10の等級が0.2であることを確認し得る。そして、選別モジュール130は、上記の数式2を用いて、ユーザU10に分配されるバッテリーのレベルを0.8と計算し得る。
図7に示されたように、0.8レベルのバッテリーとしてはB1及びB13が存在する。したがって、選別モジュール130は、B1及びB13のいずれか一つのバッテリーを要請者U10に分配するように決定し得る。この場合、要請者U10にはバッテリーB1またはB13を提供され得る。
【0130】
また、前記選別モジュール130は、要請者によるバッテリー使用要請時点を考慮して、好適なバッテリーを選別するように構成され得る。特に、選別モジュール130は、1日24時間に対し、複数の時間帯に区分した後、少なくとも二つの時間帯に対し、異なるバッテリー選別基準を有するように構成され得る。
【0131】
さらに、前記選別モジュール130は、下記の数式3を用いて分配するバッテリーのレベルを決定するように構成され得る。
【0132】
[数式3]
バッテリーのレベル=(1-ユーザの等級)×(時間帯毎の重み)
【0133】
このような数式3の場合、上述した数式2と「時間帯毎の重み」を乗ずるという点で相違する。「時間帯毎の重み」は、一定の時間帯毎に予め決定された値であって、1、若しくは、1よりも高いか又は低い値に設定され得る。特に、「時間帯毎の重み」は、0~2の値であり得る。
【0134】
「時間帯毎の重み」は、選別モジュール130によって予め設定されて保存され得、バッテリーが相対的に多く劣化する時間帯の場合、1よりも大きい値に設定され得る。例えば、バッテリーの充放電が頻繁に行われる時間帯、バッテリーの過放電が多く生じる時間帯、またはバッテリーが高温または低温条件で使用される時間帯においてバッテリーの使用が要請される場合、選別モジュール130は、時間帯毎の重みを1よりも高い値に設定し得る。さらに、バッテリーの劣化が酷くなる条件であるほど、時間帯毎の重みは1よりもさらに大きく差等化される形態に設定され得る。
【0135】
一方、バッテリーの劣化が相対的に少ない時間帯の場合、1よりも小さい値に設定され得る。例えば、バッテリーの充放電が相対的に少なく行われる時間帯、バッテリーの過放電が殆ど生じない時間帯、またはバッテリーが最適の温度条件で使用される時間帯においてバッテリーの使用が要請される場合、選別モジュール130は、時間帯毎の重みを1よりも低い値に設定し得る。さらに、バッテリーの劣化が弱くなる条件であるほど、時間帯毎の重みは1よりもさらに小さく差等化される形態に設定され得る。
【0136】
そして、バッテリーの劣化が平均水準で起きる時間帯、例えばバッテリーが平均的に使用される時間帯に対しては、選別モジュール130は、時間帯毎の重みを1に設定し得る。
【0137】
図8は、本発明の一実施形態による選別モジュール130によって考慮される時間帯毎の重みの一例を示した表である。
【0138】
図8を参照すると、1日の0時から24時までの時間が総7個の時間帯に区分されている。そのうち、0時~1時、11時~14時、17時~21時、22時~24時の時間帯に対しては、時間帯毎の重みが1.2、すなわち1より大きい値に設定されている。そして、14時~17時の時間帯に対しては、時間帯毎の重みが1.0に設定されている。また、残りの時間帯である1時~11時、21時~22時の時間帯に対しては、時間帯毎の重みが0.8、すなわち1より小さい値に設定されている。
【0139】
このような実施形態において、ユーザU7が要請者としてバッテリーの使用を要請した場合、選別モジュール130は、
図6の実施形態に基づいて、U7のユーザの等級が0.7であることを確認し得る。また、選別モジュール130は、要請者がバッテリー使用を要請した時点を確認し得る。
【0140】
バッテリー使用要請時点が12時である場合、選別モジュール130は、
図8の実施形態から時間帯毎の重みを1.2と確認し得る。そして、このように確認されたユーザの等級及び時間帯毎の重みを上述した数式3に代入して、選別モジュール130は、バッテリーのレベルを次のように計算し得る。
【0141】
バッテリーのレベル=(1-0.7)×(1.2)=0.36
【0142】
そして、選別モジュール130は、計算されたバッテリーのレベル0.36に対し、
図7の表から最も近いバッテリーのレベルを採択するように構成され得る。すなわち、0.36は0.4に近いため、選別モジュール130は、バッテリーのレベルが0.4であるバッテリー、例えばB2やB15をU7に分配するバッテリーとして決定し得る。
【0143】
一方、U7によるバッテリー使用要請時点が8時である場合、選別モジュール130は、
図8から時間帯毎の重みを0.8と確認し得る。そして、上述と同様に数式3を用いて、選別モジュール130は、バッテリーのレベルを次のように計算し得る。
【0144】
バッテリーのレベル=(1-0.7)×(0.8)=0.24
【0145】
そして、0.24は0.2に最も近いため、選別モジュール130は、
図7の表からバッテリーのレベルが0.2であるバッテリー、すなわちバッテリーB6を要請者U7に分配するように決定し得る。
【0146】
本発明のこのような構成によれば、バッテリー使用状況を予め予測してそれに適したバッテリーを分配することができる。すなわち、同一ユーザの要請であっても、バッテリーが多く使用されて劣化が進み易い状況であるか、それとも、バッテリーがあまり使用されず大して劣化しない状況であるかによって、異なるバッテリーが提供され得る。特に、デリバリー業界などで多く用いられる共有型交換式バッテリーの場合、食事時間帯、例えば昼食時間、夕食時間、夜食時間などがバッテリーの利用においてピーク時間帯と言える。このようなピーク時間帯に使用が要請されるバッテリーは、他の時間帯に比べてバッテリーが多く使用され、瞬間放電電流が多くなる可能性が高い。したがって、このようなピーク時間帯に用いられるバッテリーの場合、劣化条件により多く露出していると言える。したがって、上記の実施形態によれば、バッテリーが多く使用され得るピーク時間帯に搬出されるバッテリーとしては、相対的に劣化が進んでいないバッテリー、換言してSOHの高いバッテリーが提供され得る。この場合、バッテリーが使用される未来の状況まで考慮して、バッテリーの劣化をより均一にすることができる。
【0147】
一方、
図8においては、時間帯毎に重みが3種(0.8、1.0、1.2)に区分されているが、重みは2種または4種以上に区分されてもよい。
【0148】
また、前記選別モジュール130は、温度を考慮して好適なバッテリーを選別するように構成され得る。
【0149】
例えば、前記選別モジュール130は、バッテリーの使用が要請されたときの温度を考慮して、バッテリーを選別し得る。この場合、上記の数式3の時間帯毎の重みは温度毎の重みに代替され得る。
【0150】
特に、バッテリーは一定温度条件範囲を超える状況で使用される場合、劣化が加速し得る。したがって、このような一定温度条件範囲を超える温度環境では、温度毎の重みが1よりも大きく、例えば1.3に設定され得る。一方、このような一定温度条件の範囲内である環境では、温度毎の重みが1に設定され得る。
【0151】
本発明のこのような構成によれば、バッテリーが使用される時点での温度条件を考慮して、複数のバッテリーに対する劣化均一性をより向上させることができる。
【0152】
本発明によるバッテリー分配装置は、バッテリー充電システムに適用され得る。すなわち、本発明によるバッテリー充電システムは、バッテリー分配装置を含み得る。このようなバッテリー充電システムは、バッテリー充電ステーション、電気自動車販売店やレンタル店、バッテリー販売店やレンタル店などに適用され得る。このようなバッテリー充電システムは、前記バッテリー分配装置の外に、他の多様な構成、例えば提供対象である複数のバッテリー、バッテリーを充電可能な充電装置などをさらに含み得る。また、その他にも、本発明によるバッテリー充電システムは、本発明の出願時点で公知のバッテリー充電ステーションなどに備えられる多様な構成要素をさらに含み得る。
【0153】
一方、本明細書において、「バッテリー決定モジュール」、「ユーザ決定モジュール」、「選別モジュール」などのように特定の構成要素を称するため「モジュール」との用語が用いられている。このような各構成要素の場合、論理的な構成単位を示すものであって、必ずしも物理的に分離可能であるか又は物理的に分離されるべき構成要素を示すものではない。例えば、これら構成要素のうち特定の構成要素の全部または一部は、互いに統合されるか又はお互いに分離されて存在可能である。例えば、「ユーザ決定モジュール」の少なくとも一部構成及び「選別モジュール」の少なくとも一部構成が一つのプロセッサによって具現されることもあり得る。
【0154】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0155】
110:バッテリー決定モジュール
120:ユーザ決定モジュール
130:選別モジュール
140:入力モジュール
150:バッテリー情報収集モジュール