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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】火災報知設備
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
G08B17/00 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023004229
(22)【出願日】2023-01-16
(62)【分割の表示】P 2018100721の分割
【原出願日】2018-05-25
(65)【公開番号】P2023033420
(43)【公開日】2023-03-10
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】青木 勇
(72)【発明者】
【氏名】金子 勇一
(72)【発明者】
【氏名】贄田 康宏
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-232878(JP,A)
【文献】特開2006-338561(JP,A)
【文献】特開2015-197854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G08B17/00-17/12
G16Z99/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機及び又は中継盤に火災感知器を含む端末を接続して火災を監視する火災報知設備であって、
前記受信機は、
接続される前記端末の施工状況を示す施工端末情報を生成して管理する施工端末管理部と、
前記施工端末管理部で生成された前記施工端末情報を、通信接続された携帯端末に送信する通信部と、
を備え、
前記携帯端末は、前記通信部に通信接続して受信した前記施工端末情報に基づいて、施工状況管理用の画面を生成して表示することを特徴する火災報知設備。
【請求項2】
受信機及び又は中継盤に火災感知器を含む端末を接続して火災を監視する火災報知設備であって、
前記受信機は、
接続される前記端末の施工状況を示す施工端末情報を生成して管理すると共に、前記施工端末情報に基づいて、施工状況管理画面を生成して表示する施工端末管理部と、
前記施工端末管理部で生成された前記施工状況管理画面の画面情報を、通信接続された携帯端末に送信する通信部と、
を備え、
前記携帯端末は、通信接続して受信した前記画面情報に基づいて、前記施工状況管理画面と同等の施工状況管理用の画面を表示することを特徴する火災報知設備。
【請求項3】
受信機及び又は中継盤に火災感知器を含む端末を接続して火災を監視する火災報知設備であって、
前記受信機は、
接続される前記端末の施工状況を示す施工端末情報を生成して管理すると共に、前記施工端末情報に基づいて、携帯端末に表示するための施工状況管理用の画面を生成する施工端末管理部と、
前記施工端末管理部で生成された前記施工状況管理用の画面の画面情報を、通信接続された前記携帯端末に送信する通信部と、
を備え、
前記携帯端末は、通信接続して受信した前記画面情報に基づいて、前記施工状況管理用の画面を表示することを特徴する火災報知設備。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の火災報知設備に於いて、
前記受信機は、前記施工端末情報に基づいて、前記端末のアドレスを行列配置したアドレスマップを含む施工状況管理画面を生成して表示することを特徴する火災報知設備。
【請求項5】
請求項2又は3記載の火災報知設備に於いて、
前記受信機は、前記施工端末情報に基づいて、前記端末のアドレスを行列配置したアドレスマップを含む画面情報を生成して前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、前記受信機から受信した前記画面情報に基づき、前記施工状況管理用の画面に前記アドレスマップを表示することを特徴とする火災報知設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機から引き出された信号回線に固有のアドレスが設定された火災感知器や防排煙機器等の端末を接続して火災を監視する火災報知設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、R型として知られた火災報知設備にあっては、受信機から引き出された信号回線に、固有のアドレスが設定された伝送機能を有する火災感知器等の端末を接続し、火災検出時には、火災感知器からの火災割込みに基づき、受信機から検索コマンドを発行して発報した火災感知器のアドレスを特定して煙濃度や温度等の火災データを収集し、火災データが所定の火災閾値を超えた場合に火災と判断し、火災代表灯を点灯して主音響警報を出力し、更に、受信機に設けられたディスプレイに、火災発生メッセージ、火災発生場所、火災発生時刻、受信機操作ガイダンス等を表示した火災警報画面を表示させている。
【0003】
このような火災報知設備の施工では、防災センター等に設置した受信機から引き出された信号回線に固有のアドレスが設定された火災感知器や防排煙機器等の端末を接続する工事を行い、接続の済んだ端末については動作を確認する試験等を行い、最終的に行われる消防検査に向けて工事を進めている。
【0004】
ところで、火災報知設備の施工工事の際に受信機は施工保守モードに切り替えられており、施工保守モードで受信機は信号回線に対する端末の接続と未接続、接続の済んだ端末について行われた試験結果等を示す施工端末情報を管理し、受信機のディスプレイ装置に施工端末情報に基づき施工状況管理画面を表示し、施工状況管理画面を現場担当者、協力業者、管理者といった工事関係者が見ることで、工事完了後に行われる消防検査に向けての工事方針を確認するための重要な情報源として利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-265353号公報
【文献】特開2007-219870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような火災報知設備にあっては、工事が進んで竣工間際の施工現場では、工事の現状を示す情報源である受信機画面の端末情報を確認するため、多数の工事関係者が頻繁に利用するようになり、受信機の施工状況管理画面を見るために受信機前で順番待ちとなる渋滞が発生している。
【0007】
例えば現場担当者は、施工状況管理画面を見ることで、現場全体の進捗状況を把握して工事方針の策定を行う。また、協力業者は、施工状況管理画面を見て担当している作業エリアの状況把握、施工後の火災感知器の状況の確認等を行う。更に、工事管理者は、施工状況管理画面を見て現場行程と残り作業のボリュームを確認し、現場全体の進捗状況を確認している。
【0008】
また、工事担当者や協力業者は、工事現場から場所的に離れた受信機に出向いて施工状況管理画面を確認することとなり、行き来に時間がかかる問題もある。
【0009】
このように火災報知設備の施工工事にあっては、現場管理のかなめとなる受信機の施工状況管理画面の確認には手間と時間がかかる問題があり、工事関係者に大きな負担を負わせることになっている。
【0010】
本発明は、受信機での順番待ちや受信機に出向くことを必要とすることなく、施工工事中に受信機からの信号回線に接続される端末の状態を示す施工状況を、簡単且つ容易に確認することを可能とする火災報知設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(火災報知設備1)
本発明は、受信機及び又は中継盤に火災感知器を含む端末を接続して火災を監視する火災報知設備であって、
受信機は、
接続される端末の施工状況を示す施工端末情報を生成して管理する施工端末管理部と、
施工端末管理部で生成された施工端末情報を、通信接続された携帯端末に送信する通信部と、
を備え、
携帯端末は、通信部に通信接続して受信した施工端末情報に基づいて、施工状況管理用の画面を生成して表示することを特徴する。
【0012】
(火災報知設備2)
本発明は、受信機及び又は中継盤に火災感知器を含む端末を接続して火災を監視する火災報知設備であって、
受信機は、
接続される端末の施工状況を示す施工端末情報を生成して管理すると共に、施工端末情報に基づいて、施工状況管理画面を生成して表示する施工端末管理部と、
施工端末管理部で生成された施工状況管理画面の画面情報を、通信接続された携帯端末に送信する通信部と、
を備え、
携帯端末は、通信接続して受信した画面情報に基づいて、施工状況管理画面と同等の施工状況管理用の画面を表示することを特徴する。
【0013】
(火災報知設備3)
本発明は、受信機及び又は中継盤に火災感知器を含む端末を接続して火災を監視する火災報知設備であって、
受信機は、
接続される端末の施工状況を示す施工端末情報を生成して管理すると共に、施工端末情報に基づいて、携帯端末に表示するための施工状況管理用の画面を生成する施工端末管理部と、
施工端末管理部で生成された施工状況管理用の画面の画面情報を、通信接続された携帯端末に送信する通信部と、
を備え、
携帯端末は、通信接続して受信した画面情報に基づいて、施工状況管理用の画面を表示することを特徴する火災報知設備。
【0014】
受信機は、施工端末情報に基づいて、端末のアドレスを行列配置したアドレスマップを含む施工状況管理画面を生成して表示する。
【0015】
受信機は、施工端末情報に基づいて、端末のアドレスを行列配置したアドレスマップを含む画面情報を生成して携帯端末に送信し、
携帯端末は、受信機から受信した画面情報に基づき、施工状況管理用の画面にアドレスマップを表示する。
【発明の効果】
【0016】
(基本的な効果)
本発明は、本発明は、受信機から引き出された信号回線に火災感知器を含む端末を接続して火災を監視する火災報知設備に於いて、受信機に、信号回線に対する端末の施工状況を示す施工端末情報を生成して管理すると共に、施工端末情報に基づき施工状況管理画面を生成して表示する施工端末管理部と、施工端末管理部の施工端末情報を外部に送信する通信部とが設けられ、受信機の通信部に通信接続して受信した施工端末情報に基づいて施工状況管理用の画面を生成して表示する携帯端末が設けられたため、工事関係者は、受信機の設置場所に出向いて受信機の施工状況管理画面を確認することなく、工事関係者が携帯している携帯端末に受信機の施工端末情報に基づき表示された施工状況管理用の画面を見ることで端末の施工状況を簡単に確認することができ、受信機画面で端末情報を見るために順番待ちをしたり、離れた工事現場から受信機画面を見るために行き来する必要がなくなり、端末の施工状況を見るための工事関係者の負担を解消し、消防検査に向けた施工工事を円滑に効率良く進めることを可能とする。
【0017】
(施工状況管理画面の表示による効果)
また、施工状況管理画面及び施工状況管理用の画面は、信号回線に接続可能な端末の全アドレス又は一部のアドレスに対応して端末未接続、端末接続及び端末種別を示す情報が表示されるようにしたため、火災感知器を含む端末の施工状況を、受信機に加え利用者の携帯端末で、簡単且つ確実に確認することができる。
【0018】
(端末状況の色分け表示による効果)
また、施工状況管理画面及び施工状況管理用の画面は、信号回線に接続可能な端末の全アドレス又は一部のアドレスが配置され、端末未接続と端末接続に該当するアドレスを色分けして、又は表示形態を異ならせて表示するようにしたため、施工状況管理画面で例えば端末未接続のアドレスは青、端末接続のアドレスは赤で色分け表示され、施工状況管理画面を見た場合に、赤に色分け表示された端末接続のアドレスの配置から、火災感知器等の端末の進捗状態等の施工情報を一目で確認することができる。
【0019】
(種別の相違する端末接続の色分け表示による効果)
また、受信機の施工端末管理部は、信号回線に接続可能な端末の全アドレス又は一部のアドレスの各アドレスにいずれの種別の端末が接続されるべきか及び未接続となるべきかを示す施工予定を記憶しており、施工状況管理画面及び施工状況管理用の画面は、端末接続の該当するアドレスの色分け表示において、施工予定と異なる端末接続が検出された場合は、接続状態の相違を示す所定の色分け表示とするようにしたため、例えば、端末未接続のアドレス青、端末接続のアドレスを赤とする色分け表示に加え、端末接続となったアドレスの中で、施工予定とは異なる種別の端末が誤って接続された場合には例えば黄色の色分け表示とし、施工状況管理画面から種別を誤った端末接続を簡単に確認して、正しい種別の端末接続への切替え作業を効率良く行うことができる。
【0020】
(携帯端末での端末情報の更新による効果)
また、携帯端末は、受信機から受信した施工端末情報を記憶し、施工端末情報の記憶後に変化のあったアドレスの施工端末情報を受信機から取得して更新するようにしたため、受信機から携帯端末に対しては変化のあった施工端末情報を送信すればよく、通信量の低減により通信効率を高めることができる。
【0021】
(受信機と同じ形式での端末情報の表示による効果)
また、携帯端末は、受信機から受信した施工端末情報を、受信機で表示している施工状況管理画面と同一形式の施工状況管理用の画面により表示させるようにしたため、受信機に出向いて受信機画面に施工端末情報を表示させたと同じ感覚で効率良く端末情報を確認することができる。
【0022】
(受信機と異なる形式での携帯端末態情報の表示による効果)
また、携帯端末は、受信機から受信した施工端末情報を、受信機に表示している施工状況管理画面とは異なる所定の加工が施された形式の施工状況管理用の画面により表示させるようにしたため、必要に応じて受信機画面とは異なる形式で施工端末情報を表示させることで、携帯端末を利用して施工状況を確認する工事関係者のニーズに合わせた施工端末情報の表示が行われ、施工状況の確認をより行い易くすることを可能とする。
【0023】
(期間分けによる端末情報の表示の効果)
また、携帯端末は、受信機から受信した施工端末情報を、所定の期間単位に分けて施工状況管理用の画面により表示させるようにしたため、工事関係者は工事進捗が予定から遅れている場合に、例えば過去の所定期間を指定した施工状況管理サブ画面の表示により遅れの原因を判断して解消に努めるといった利用を可能とする。
【0024】
(期間単位の端末情報表示更新部分の表示による効果)
また、携帯端末は、施工状況管理用の画面による表示において、所定の期間において変化した施工端末情報の項目の表示形態と、所定の期間において変化していない施工端末情報の表示形態とを異ならせるようにしたため、所定期間に施工が進んでいるか否かを簡単且つ容易に確認することができる。
【0025】
(携帯端末での系統分けによる端末情報の表示)
また、携帯端末は、受信機から受信した施工端末情報を、受信機から引き出された信号回線に対応した系統毎に分けて施工状況管理用の画面により表示させるようにしたため、工事関係者は、日単位に施工状況管理用の画面を携帯端末に表示させることで、工事の進捗状況を的確に把握し、今後の工事方針や竣工の見通しの判断に役立たせることを可能とする。
【0026】
(携帯端末での担当者分けによる端末情報の表示の効果)
また、携帯端末は、受信機から受信した施工端末情報を、担当者毎に分けて施工状況管理用の画面により表示させるようにしたため、工事関係者は自分の担当している工事エリア等の施工端末情報を携帯端末の施工状況管理用の画面に表示させることで、工事予定に対し現状を把握して自分の担当する工事の進捗状況を的確に把握し、今後の工事方針や竣工の見通しの判断に役立たせることを可能とする。
【0027】
(受信機と携帯端末の直接通信による効果)
受信機の通信部は、火災報知設備の施工エリアに通信可能領域を設定し、通信可能領域に位置した携帯端末は、受信機の端末管理部から端末情報を取得して画面表示するようにしたため、受信機の通信部により無線LAN等の簡単な無線通信環境を施工エリアに設定することで、受信機から端末情報を利用者の携帯端末で取得して利用できる。
【0028】
(サーバを経由した受信機と携帯端末の通信)
携帯端末は、外部ネットワークを介して接続されるサーバを経由して受信機の端末管理部から端末情報を取得して画面表示するようにしたため、受信機の通信部により携帯電話網やWiFi等の広域無線環境を利用してインターネット上のサーバに端末情報を送り、サーバの端末情報を利用者が携帯する携帯端末で受信して確認することができ、場所的な制約を受けることなく、施工場所以外の場所でも端末情報を取得して利用することができる。
【0029】
(分散システムの施工状況管理画面による効果)
また、受信機に対しネットワーク回線を介して1又は複数の中継盤が接続され、中継盤から引き出された信号回線に火災感知器及び連動機器を含む端末が接続され、中継盤に信号回線に対する端末の施工状況を示す施工端末情報が記憶され、中継盤で火災を検出した場合に受信機に通知して火災警報を出力させる分散システムが構成されており、施工端末管理部は、中継盤に記憶された施工端末情報に基づき中継盤の施工状況管理画面を生成して表示すると共に通信部により中継盤の施工端末情報を携帯端末に送信し、携帯端末は、受信機の通信部に通信接続して施工端末管理部から受信した中継盤の施工端末情報に基づいて施工状況管理用の画面を生成して表示するようにしたため、現場担当者、協力業者、工事管理者等の工事関係者は、受信機の設置場所に出向いて中継盤の施工状況管理画面により端末情報を確認することなく、工事関係者が携帯している携帯端末に中継盤の施工端末情報に基づき表示された施工状況管理用の画面を見ることで中継盤における端末の施工状況を簡単に確認することができ、受信機画面で端末情報を見るために順番待ちをしたり、離れた工事現場から受信機画面を見るために行き来する必要がなくなり、中継盤における施工状況を見るための工事関係者の負担を解消し、消防検査に向けた施工工事を円滑に効率良く進めることを可能とする。
【0030】
(施工状況管理画面の画面情報の送信による効果)
また、本発明の別の形態にあっては、受信機から引き出された信号回線に火災感知器を含む端末を接続して火災を監視する火災報知設備に於いて、受信機に、信号回線に対する端末の施工状況を示す所定の施工端末情報を生成して管理すると共に施工端末情報に基づき施工状況管理画面を生成して表示する施工端末管理部と、施工端末管理部により表示する施工状況管理画面の画面情報を外部に送信する通信部とが設けられ、受信機の通信部に通信接続して受信した画面情報に基づいて、施工状況管理画面のコピー画面を表示する携帯端末が設けられたため、受信機で表示している施工状況管理画面をコピー画面として携帯端末に送信して表示させることで、受信機で生成管理している施行端末情報を携帯端末に送って施工状況管理画面を生成表示する場合に比べ、携帯端末側の処理を簡単にすることができ、例えば、スマートホンやタブレット端末等の携帯端末により施工状況管理画面を簡単に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】施工管理情報を受信機で画面表示する火災報知設備の実施形態を示した説明図
図2】受信機に記憶された施工管理情報の一例を示した説明図
図3】受信機から施工管理情報を受信して画面表示する携帯端末の実施形態を示した説明図
図4】端末接続工事前の施工状況管理画面を示した説明図
図5図4に続く施工状況管理画面を示した説明図
図6】端末接続工事に伴う施工状況管理画面を示した説明図
図7図6に続く施工状況管理画面を示した説明図
図8】受信機による施工管理制御を示したフローチャート
図9】携帯端末による施工状況管理サブ画面の表示制御を示したフローチャート
図10】アドレスマップを用いた施工状況管理画面の表示形式を示した説明図
図11】端末接続工事前のアドレスマップを用いた施工状況管理画面を示した説明図
図12】端末接続工事に伴うアドレスマップを用いた施工状況管理画面を示した説明図
図13】担当者を色分けしたアドレスマップを用いた施工状況管理画面を示した説明図
図14】受信機からサーバを経由して施工管理情報を携帯端末に送信する火災報知設備の実施形態を示した説明図
図15】中継盤の施工状況を受信機により画面表示する火災報知設備の実施形態を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0032】
[火災報知設備]
(火災報知設備の概要)
図1は施工管理情報を受信機で画面表示する火災報知設備の実施形態を示した説明図である。図1に示すように、施工工事が完了して運用状態にある火災報知設備は、火災報知設備が設置された建物の一階の管理人室などには例えばR型の受信機10が設置され、受信機10から警戒区域に対し系統毎に分けて信号回線12-1~12-3が引き出されている。
【0033】
信号回線12-1には固有のアドレスが設定された伝送機能を有する複数のアナログ火災感知器14が接続され、また、固有のアドレスが設定された伝送機能を有する中継器16から引き出された感知器回線17にオンオフ火災感知器18及び発信機20が接続されている。
【0034】
信号回線12-2には複数のアナログ火災感知器14の接続に加え、固有のアドレスが設定された伝送機能を有するアドレッサブル発信機22が接続されている。更に、信号回線12-3には固有のアドレスが設定された伝送機能を有する中継器16を介して防排煙機器24が接続されている。
【0035】
ここで、信号回線12-1~12-3に接続されるアナログ火災感知器14、中継器16等の端末機器に設定される最大アドレス数を例えば255としており、信号回線12には最大255台のアナログ火災感知器14を含む端末機器が接続できる。なお、以下の説明では、信号回線12-1~12-3を区別する必要がない場合は、信号回線12という場合がある。
【0036】
(受信機の機能構成)
受信機10には、メインCPU26と複数のサブCPU基板28-1~28-3が設けられ、サブCPU基板28-1~28-3にはサブCPU30-1~30-3と伝送部32-1~32-3が設けられている。
【0037】
メインCPU26とサブCPU30-1~30-3は、シリアル転送バス34で接続されており、相互にデータを送受信する。なお、以下の説明では、サブCPU30-1~30-3及び伝送部32-1~32-3を区別する必要がない場合はサブCPU30及び伝送部32という場合がある。
【0038】
メインCPU26には、液晶表示パネル等を用いたタッチパネル付きのディスプレイ36、火災、ガス漏れ、障害の代表灯、LED表示灯等が設けられた表示部38、施工保守モードと火災監視モードを切り替えるスイッチや火災監視に必要な各種のスイッチが設けられた操作部40、スピーカが設けられた音響警報部42、及び、移報部44が接続されている。
【0039】
また、メインCPU26には図示しないUSBポートが設けられ、可搬自在なUSBメモリをセットすることでデータの読出しや書込みを可能としている。
【0040】
メインCPU26にはプログラムの実行により実現される機能として火災監視制御部48と施工端末管理部50が設けられる。施工端末管理部50は火災報知設備の施工工事に伴い受信機10を施工保守モードに切り替えた場合に機能する。また、火災監視制御部48は火災報知設備の施工工事が完了して受信機10を火災監視モードに切り替えた運用中に機能する。
【0041】
また、メインCPU26には、施工端末管理に使用するアナログ火災感知器14、オンオフ火災感知器18が接続された中継器16、アドレッサブル発信機22、防排煙機器24が接続された中継器16等の端末に関する施工端末情報52が記憶されている。
【0042】
メインCPU26に対する施工端末情報52の記憶は、火災報知設備の施工段階で工場等の製造元にて作成され、USBメモリに格納して受信機10のUSBポートにセットし、受信機10を所定の操作により施工保守モードに切り替えた状態で、USBメモリから読み出され、メインCPU26の不揮発メモリ上に施工端末情報52として記憶される。
【0043】
図2は受信機に記憶された施工端末情報の一例を示した説明図である。図2に示すように、施工端末情報52は、系統、アドレス、種別、回線、棟、階、地区毎に分けられており、任意番号となる表示メッセージとして例えば「1階ロビー」「1階 第1会議室 東」といった地区名が格納され、続いて、連動先の機器情報として系統とアドレスを組み合わせた「1-111」「1-112」「1-113」といった連動先が格納されている。また、施工端末情報52には、施行工事に伴う端末未接続、端末接続、端末試験結果等を示す施工関連情報も記憶される。
【0044】
なお、メインCPU26に記憶された施工端末情報52は、火災報知設備の施工工事が完了して受信機10を火災監視モードに切り替えて火災監視制御部48が機能した運用中は、火災地区表示や連動制御のための端末情報としてそのまま利用される。
【0045】
(受信機の火災監視制御)
火災報知設備の施工工事が完了して受信機10を火災監視モードに切り替えた運用中における火災監視制御は次のようになる。
【0046】
サブCPU基板28-1のサブCPU30-1を例にとると、サブCPU30-1は伝送部32-1に指示してアナログ火災感知器14との間で所定の通信プロトコルに従って信号を送受信することで、火災監視制御を行っている。
【0047】
サブCPU30-1による火災監視制御は、通常の監視中にあっては、一定周期毎に、伝送部32-1に指示して、一括AD変換コマンドを含むブロードキャストの一括AD変換信号を送信しており、この一括AD変換信号を受信したアナログ火災感知器14は、煙濃度又は温度をセンサデータとして検出して保持する。続いて、サブCPU30-1は、端末アドレスを順次指定したポーリングコマンドを含む呼出信号を送信している。
【0048】
アナログ火災感知器14は自己アドレスに一致するアドレスを持つ呼出信号を受信すると、そのとき保持しているセンサのアナログデータを含む応答信号を伝送部32-1に送信する。また、アナログ火災感知器14はセンサのアナログデータが所定の火災判定レベルより低い所定の火災プリレベルに達したことを検出すると伝送部32-1に対し火災割込み信号を送信する。
【0049】
サブCPU30-1は伝送部32-1を介して火災割込み信号を受信すると、グループ検索コマンド信号を送信して火災を検出しているアナログ火災感知器14を含むグループを特定し、続いて、火災を検出しているアナログ火災感知器14のアドレスを特定してセンサのアナログデータを集中的に収集し、シリアル転送バス34を介してメインCPU26に送信する。
【0050】
メインCPU26はサブCPU30-1から受信したアナログデータを所定の火災判定レベルと比較しており、アナログデータが火災判定レベルに達した場合に火災と判定し、表示部38の火災代表灯を点灯し、音響警報部42のスピーカから火災発生を示す所定の主音響警報を出力させ、ディスプレイ36に火災が検出された感知器アドレスに基づき火災発生場所を含む火災警報情報を表示させ、更に、移報部44により火災移報信号を外部に出力して所定の移報制御等を行わせる。
【0051】
サブCPU基板28-2に設けられたサブCPU30-2と伝送部32-2による火災監視制御も、前述したサブCPU基板28-1の場合と同じになる。また、サブCPU基板28-3に設けられたサブCPU30-3と伝送部32-3については、メインCPU26で火災が検知された場合に図2に示した施工端末情報52の連動先に基づき防排煙機器24の連動制御が行われる。
【0052】
[火災報知設備の施工]
(火災報知設備の施工時の構成)
図1に示した火災報知設備の施工工事は、まず管理人室等に受信機10を設置し、続いて受信機10から警戒区域に向けて信号回線12-1~12-3を引き出して敷設する配線工事を行う。
【0053】
続いて、受信機10から引き出された信号回線12-1~12-3に、アナログ火災感知器14、オンオフ火災感知器18が接続された中継器16、アドレッサブル発信機22、防排煙機器24が接続された中継器16等の端末を接続する施工作業を行い、接続後に試験を行って正常に動作することを確認し、全ての施工工事が終了したら消防検査が行われ、これに合格した場合に、受信機10を火災監視モードに切り替えて運用を開始し、火災監視制御に入ることになる。なお、施工中に火災監視モードに切り替えて施工作業や試験を行うようにしても良い。
【0054】
施工保守モードで機能する施工端末管理部50は、信号回線12-1~12-3に対するアナログ火災感知器14、オンオフ火災感知器18が接続された中継器16、アドレッサブル発信機22、防排煙機器24等の端末の施工状況を示す施工端末情報52を生成して管理すると共に施工端末情報52に基づき施工状況管理画面を生成してディスプレイ36に表示する制御を行う。
【0055】
また、メインCPU26に対しては、施工端末管理部50で生成管理されている施工端末情報52を外部に送信する通信部として機能する無線LAN通信部46が設けられる。無線LAN通信部46は、メインCPU26のUSBポートに差し込んで使用するWiFi(登録商標)ドングルとして知られた小型のインタフェース変換デバイス等を使用することができる。
【0056】
無線LAN通信部46は、インタフェース変換アダプタとして機能し、USB通信プロトコルに従った信号と無線LAN通信プロトコルに従った信号との間の変換を行う。例えば無線LAN通信部46は、USB2.0又はUSB3.0の標準規格に従った信号とイーサネット(登録商標)による無線ネットワークをベースにしたIEEE802.11に準拠した無線LAN通信による信号との間の変換を行い、火災報知設備の施工エリアに無線LAN通信可能エリアを形成する。
【0057】
受信機10の無線LAN通信部46に対応して火災報知設備の施工工事を行う工事関係者が携帯する携帯端末54が設けられる。携帯端末54は受信機10の無線LAN通信部46に通信接続し、施工端末管理部50から受信した施工端末情報52に基づいて施工状況管理サブ画面を生成して表示する。
【0058】
(携帯端末)
図3は受信機から施工管理情報を受信して画面表示する携帯端末の実施形態を示した説明図である。携帯端末54は、端末CPU62、アンテナ66が接続された通信部64、液晶表示パネル等を用いたタッチパネル付きのディスプレイ68及び操作表示部70で構成される。
【0059】
端末CPU62にはプログラムの実行により実現される端末制御部72の機能が設けられる。また、端末CPU62のメモリには、受信機10から受信した施工端末情報74が記憶される。
【0060】
通信部64は受信機10の無線LAN通信部46と同じイーサネット(登録商標)による無線ネットワークをベースにしたIEEE802.11に準拠した無線LAN通信による信号を送受信する。
【0061】
端末制御部72は操作表示部70又はディスプレイ68の画面操作により通信部64に指示して受信機10の無線LAN通信部46に通信接続した状態で、受信機10の施工端末管理部50で生成管理している施工端末情報52を受信して、メモリに端末管理情報74として記憶する。
【0062】
ここで、端末制御部72は、最初に受信機10の無線LAN通信部46に通信接続して施工端末管理部50から施工端末情報を受信した場合はそのままメモリに記憶し、その後は、施工端末管理部50から変化のあったアドレスの施工端末情報を取得してメモリの施工端末情報74を更新する制御を行い、受信機10から携帯端末54に対しては変化のあった施工端末情報を送信することで、通信量の低減により通信効率を高めるようにする。
【0063】
また、端末制御部72は、受信機10から受信して記憶した施工端末情報74に基づき、受信機10で表示している施工状況管理画面と同じ施工状況管理サブ画面をディスプレイ68に表示させるが、受信機10に表示している施工状況管理画面とは異なる所定の加工が施された施工状況管理サブ画面を表示させるようにしても良い。
【0064】
例えば、端末制御部72は、施工端末情報74を所定の期間単位に分けた施工状況管理サブ画面、受信機10から引き出された信号回線12-1~12-3に対応した系統毎に分けた施工状況管理サブ画面、或いは、担当者毎に分けた施工状況管理サブ画面を表示させることができる。
【0065】
このように携帯端末54で加工された施工状況管理サブ画面を表示することで、携帯端末54を利用して施工状況を確認する工事関係者のニーズに合わせた施工状況管理サブ画面が表示され、施工状況の確認をより行い易くすることを可能とする。
【0066】
[施工状況管理画面]
図4は端末接続工事前の施工状況管理画面を示した説明図、図5図4に続く施工状況管理画面を示した説明図、図6は端末接続工事に伴う施工状況管理画面を示した説明図、図7図6に続く施工状況管理画面を示した説明図である。
【0067】
なお、図4乃至図7は受信機10のディスプレイ36に表示される施工状況管理画面を示すが、携帯端末54のディスプレイ68に表示される施工状況管理サブ画面も表示形式が同じ場合には、受信機10の施工状況管理画面と同じになり、従って、以下の受信機10の施工状況管理画面の説明は、同時に携帯端末54の施工状況管理サブ画面を説明することになる。
【0068】
(端末接続工事前の初期画面)
図4に示すように、端末接続工事を開始する前に受信機10のディスプレイ36に表示される施工状況管理画面76-1(携帯端末54の施工状況管理サブ画面を含む)は、端末アドレス表示部78を備え、端末アドレス表示部78には、図1に示した信号回線12の最大アドレス数を255アドレスとすると、行列配置された2元のアドレスマップが表示されている。ここで、図5図4の端末アドレス表示部78を最大アドレス255までスクロール表示した場合を示している。
【0069】
図4及び図5に示す端末アドレス表示部78の2元アドレスマップは、列方向に2列で列アドレス000~250を10アドレス単位に分けて示し、行方向には行アドレス0~9を1アドレス単位に分けて示しており、列アドレスと行アドレスで決まるアドレス001~255のアドレス位置に、図2の施工端末情報52に基づく端末を接続する予定を示す端末未接続の符号「未」が表示されている。
【0070】
例えば、図4の端末アドレス表示部78では、アドレス001,002,011~014,016~018,021~029,・・・などが符号「未」により端末未接続を示している。
【0071】
また、施工状況管理画面76-1には、画面操作に使用する操作釦として、一覧釦80、詳細釦82、昨日開通釦84、本日開通釦86、カレンダ選択釦88等が設けられている。ここで、一覧釦80は端末アドレス表示部78に図示のアドレス全体を表示させる操作を行う。また、詳細釦82は図示の端末アドレス表示部78にアドレス範囲を絞って端末詳細情報を表示させる操作を行う。
【0072】
また、施工状況管理画面76-1に設けられた昨日開通釦84、本日開通釦86、カレンダ選択釦88は、端末アドレス表示部78に表示する施工状況の期間指定を行うもので、昨日の施工状況、本日の施工状況、カレンダから選択した日の施工状況を選択表示させる操作を行う。
【0073】
これ以外に、施工状況管理画面76-1には、端末状況として感度や障害等を表示させる操作釦が配置されるが、図示を省略している。なお、施工状況管理画面76-1の操作釦は、他の施工状況管理画面76-2においても同様である。
【0074】
(端末工事中の施工状況管理画面)
図1の受信機10から引き出された例えば信号回線12に対してはアナログ火災感知器14、オンオフ火災感知器18が接続された中継器16、アドレッサブル発信機22、防排煙機器24等を接続する端末工事が行われるが、この端末工事に伴い、例えば本日開通釦86を操作した場合には、図6及び図7に示す施工状況管理画面76-3,76-4が受信機10のディスプレイ36に表示される(携帯端末54ディスプレイ68に表示される施工状況管理サブ画面を含む)。なお、図7図6の端末アドレス表示部78を最大アドレス255までスクロール表示した画面を示している。
【0075】
図6の施工状況管理画面76-3にあっては、アナログ火災感知器14等の端末接続工事が行われた場合のサブCPU30が伝送部32に指示して行う呼出信号の送信に対する呼出応答信号の受信で端末接続アドレスが検出され、これに基づく種別呼出信号の送信により端末種別が検出されることから、端末接続と端末種別が検出されたアドレスの端末未接続の符号「未」を、端末接続と種別を示す符号「発」,「煙」,「熱」,「入」,「ガ」等で表示する。ここで、「発」は発信器、「煙」は煙感知器、「熱」は熱感知器、「入」は汎用デジタル入力端末、「ガ」はガス漏れ警報器を示している。
【0076】
このように受信機10のディスプレイ36に表示可能な図6及び図7に示した施工状況管理画面76-3,76-4及は、図1に示した工事関係者が携帯する携帯端末54の操作により受信機10の通信部46に通信接続し、そのとき施工端末管理部50で生成管理している施工端末情報52を受信することで、携帯端末54のディスプレイ68に施工状況管理サブ画面として同じ画面が表示され、工事関係者は携帯端末54に表示された施工状況管理画面76-1,76-2と同じ施工状況管理サブ画面を必要に応じて見ることで、端末の施工状況を簡単に確認することができ、受信機画面で端末情報を見るために順番待ちをしたり、離れた工事原価場から受信機画面を見るために行き来する必要がなくなり、端末の施工状況を見るための工事関係者の負担を解消し、消防検査に向けた施工工事を円滑に効率良く進めることを可能とする。
【0077】
「施工端末管理制御」
図8は受信機による施工管理制御を示したフローチャートであり、図1の受信機10に設けられた施工端末管理部50による制御動作となる。
【0078】
図8に示すように、施工端末管理部50は、受信機10を所定の操作により施工保守モードに切り替えて立ち上げると、例えばメインCPU26のUSBポートに接続されたUSBメモリ等から図2に示した施工端末情報52を読み出してメモリに記憶し、続いて、端末工事開始前の初期画面となる例えば図4の施工状況管理画面76-1を生成してディスプレイ36に表示させる。
【0079】
続いて、施工端末管理部50はサブCPU30に対する制御指示により、それぞれの伝送部32を動作させて信号回線12に一括AD変換信号と順次アドレスを指定した呼出信号の送信による端末呼出制御を繰り返し行わせている。
【0080】
この端末呼出制御に対し施工端末管理部50はステップS4でサブCPU30による呼出応答信号の受信を判別するとステップS5に進み、呼出応答信号の送信を行った端末アドレスの端末接続を検出して施工端末情報52の該当するアドレスの端末未接続を端末接続に更新する。
【0081】
続いて、施工端末管理部50はサブCPU30に指示し、伝送部32から端末接続を検出したアドレスを指定した種別要求信号を信号回線12に送信し、その応答信号から端末接続となったアドレスの端末種別を検出し、施工端末情報52の該当するアドレスの端末種別を更新する。
【0082】
続いて、施工端末管理部50は、ステップ5で検出した端末接続とステップS6で検出した端末種別に更新された施工端末情報52に基づき、ステップS7で新たに検出された端末接続と端末種別を示す符号を追加した例えば図6に示した施工状況管理画面76-3を生成してディスプレイ36に表示させる。
【0083】
なお、施工端末管理部50は、ステップS6の種別要求信号の送信で検出した端末種別と施工端末情報52の端末種別が不一致となった場合には、種別エラーと判定し、誤った種別の端末接続を示す障害表示等を施工状況管理画面で行う。
【0084】
続いて、施工端末管理部50はステップS8で無線LAN通信部46を経由した携帯端末54の通信接続を判別するとステップS9に進み、そのとき施工端末管理部50により生成管理しているメモリの施工端末情報52を読み出して携帯端末54に送信する制御を行う。続いて、施工端末管理部50はステップS3に戻り、S3~S9の処理を繰り返している。
【0085】
[携帯端末による施工状況管理画面の表示制御]
図9は携帯端末による施工状況管理サブ画面の表示制御を示したフローチャートであり、図3に示した端末制御部72の制御動作となる。
【0086】
図9に示すように、工事関係者が施工状況を確認したい場合には、携帯している携帯端末54を動作状態にすると、端末制御部72はステップS11で受信機10に通信接続し、ステップS12で施工端末情報の送信要求を行うことで、受信機10の施工端末管理部50で生成管理している施工端末情報52を受信してメモリに施工端末情報74として記憶する。
【0087】
続いて、端末制御部72はメモリに記憶した施工端末情報74に基づき、例えば図6に示した施工状況管理画面76-3と同じ施工状況管理サブ画面を生成し、ディスプレイ68に表示させ、ステップS14で受信機10との通信接続を解除する。
【0088】
続いて、端末制御部72は、ディスプレイ68に表示している例えば施工状況監視サブ画面の画面操作があれば、この画面操作に応じた施工状況管理サブ画面を生成して表示する。例えば、施工状況管理画面76-3の昨日開通釦84、本日開通釦86又はカレンダ選択釦88と同じ施工状況管理サブ画面の釦操作に対し、釦操作で指定された日の施工状況管理サブ画面を生成してディスプレイ68に表示させる。
【0089】
続いて、端末制御部72はステップS16で所定周期で設定された通信接続タイミングの有無を判別しており、通信接続タイミングを判別するとステップS11に戻り、ステップS11~S16の処理を繰り返す。
【0090】
端末制御部72はステップS16で通信接続タイミングを判別しない場合はステップとS17に進み、停止操作が判別されない場合はステップS15からの処理を繰り返し、停止操作が判別された場合は動作を終了する。
【0091】
[施工状況管理画面の他の実施形態]
図10はアドレスマップを用いた施工状況管理画面の表示形式を示した説明図、図11は端末接続工事前のアドレスマップを用いた施工状況管理画面を示した説明図、図12は端末接続工事に伴うアドレスマップを用いた施工状況管理画面を示した説明図である。
【0092】
なお、図10乃至図12は受信機10のディスプレイ36に表示される施工状況管理画面を示すが、携帯端末54のディスプレイ68に表示される施工状況管理サブ画面も表示形式が同じ場合には、受信機10の施工状況管理画面と同じになり、従って、以下の受信機10の施工状況管理画面の説明は、同時に携帯端末54の施工状況管理サブ画面を説明することになる。
【0093】
(施工状況管理画面の表示形式)
図10に示すように、本実施形態の施工状況管理画面100-1の表示形式は、端末アドレス表示部102に、図1に示した信号回線12当りのアドレス001~255の内のアドレス001~129が、10アドレス単位に行列配置されたアドレスマップとして表示されている。なお、残りのアドレス130~255は、図11に示すように、端末アドレス表示部102をスクロールさせることにより表示させることができる。
【0094】
また、施工状況管理画面100-1には、画面操作に使用する操作釦として、一覧釦80、詳細釦82、昨日開通釦84、本日開通釦86、カレンダ選択釦88等が図4の施工状況管理画面76-1と同様に設けられている。
【0095】
(端末接続工事前の初期画面)
図1の受信機10が所定の操作により施工保守モードに切り替えられた状態で立上げられると、施工端末管理部50によりメモリに記憶された施工端末情報52に基づき、図11に示す施工状況管理画面100-2が受信機10のディスプレイ36に初期画面として表示される(携帯端末54のディスプレイ68に表示される施工状況管理サブ画面を含む)。
【0096】
初期画面として表示される施工状況管理画面100-2は、端末アドレス表示部102に、施工端末情報52に基づく端末接続予定となるアドレスを、砂地で示す背景色を例えば青とした端末未接続アドレス110で示している。例えば、端末アドレス表示部102の中の端末未接続アドレス110としては、アドレス001,002,011~014,016~018,021~029・・・が砂地となる青の背景色により示されている。
【0097】
(端末接続工事中の画面)
図1の受信機10から引き出された信号回線12に対しアナログ火災感知器14、オンオフ火災感知器18が接続された中継器16、アドレッサブル発信機22、防排煙機器24等を接続する端末工事が行われた場合には、例えば図12に示す施工状況管理画面100-3が受信機10のディスプレイ36又は携帯端末54のディスプレイ68に表示される(携帯端末54のディスプレイ68に表示される施工状況管理サブ画面を含む)。
【0098】
施工状況管理画面100-3の端末アドレス表示部102には、端末接続と種別が検出された端末アドレスに対し、斜線で示す例えば赤の背景色が設定された端末接続アドレス112が表示される。例えば、端末アドレス表示部102の中の端末接続アドレス112として、アドレス001,002,011~013,030~036,・・・が斜線となる赤の背景色により示されている。
【0099】
また、端末接続となったアドレスについて検出された端末種別が、図1の施工端末情報52の端末種別と異なる種別エラーが検出された場合には、種別エラーとなったアドレス047~049に示すように、例えば黄の背景色により種別エラーアドレス114が表示される。
【0100】
このように端末アドレス表示部102に端末未接続、端末接続、種別エラーを色分けしたアドレスマップが表示されることで、施工状況管理画面100-3を受信機10のディスプレイ36に表示した場合は勿論のこと、工事関係者が携帯端末54のディスプレイ68に同じ施工状況管理サブ画面表示した場合、施工状況管理画面100-3の端末アドレス表示部102における青、赤、及び黄色の背景色による色分け表示を見ることで、端末未接続、端末接続、種別エラー端末といった施工状況を直感的に把握することができる。
【0101】
また、携帯端末54により施工工事中の施工状況管理画面100-3と同じ施工端末管理サブ画面を工事関係者が必要に応じて見ることで、端末の施工状況を簡単且つ確実に確認することができ、受信機画面で端末情報を見るために順番待ちをしたり、離れた工事現場から受信機画面を見るために行き来する必要がなくなり、端末の施工状況を見るための工事関係者の負担を解消し、消防検査に向けた施工工事を円滑に効率良く進めることを可能とする。
【0102】
(担当者による色分け画面表示)
図13は担当者を色分けしたアドレスマップを用いた施工状況管理画面を示した説明図である。なお、図13は受信機10のディスプレイ36に表示される施工状況管理画面を示すが、携帯端末54のディスプレイ68に表示される施工状況管理サブ画面も表示形式が同じ場合には、受信機10の施工状況管理画面と同じになり、従って、以下の受信機10の施工状況管理画面の説明は、同時に携帯端末54の施工状況管理サブ画面を説明することになる。
【0103】
図13に示すように、端末接続工事中に、担当者釦106を操作して図示しないダイヤログを開き、その中から特定の担当者を選択した場合には、施工状況管理画面100-4として、端末アドレス表示部102には、選択された担当者による端末接続アドレスを、例えば砂地斜線で示す例えば紫の背景色が設定された担当者端末接続アドレス116が表示される。
【0104】
このような担当者の選択に対応した色分けによる担当者端末接続アドレス116の表示により、工事管理者は、協力企業等の担当者により工事の進捗状況を簡単且つ容易に把握して工事全体の管理に活用すること等ができる。
【0105】
[サーバを経由した通信接続]
図14は受信機からサーバを経由して施工管理情報を携帯端末に送信する火災報知設備の実施形態を示した説明図である。
【0106】
図14に示すように、本実施形態の火災報知設備にあっては、受信機10に設けられた無線ルータ47と施工領域で工事関係者が携帯している携帯端末54との間の通信接続を外部ネットワークとなる広域無線通信網56及びインターネット58に接続されるサーバ60を経由して行うようにしたことを特徴とする。
【0107】
無線ルータ47はインタフェース変換アダプタとして機能し、例えばUSB2.0又はUSB3.0の標準規格に従った信号とイーサネット(登録商標)による無線ネットワークをベースにしたIEEE802.11に準拠した無線LAN通信による信号との間の変換を行う。
【0108】
この無線LAN通信において、無線ルータ47は無線LANのステーションとして機能し、アクセスポイントとして機能するWiFi(登録商標)などの広域無線通信網56との間の通信接続を確立してパケット信号を送受信し、インターネット58上のサーバ60との通信及び施工領域で工事関係者が携帯している携帯端末54との間の通信接続を確立してパケット信号の送受信を行う。なお、広域無線通信網56としては携帯電話網を使用しても良い。
【0109】
これ以外の構成及び機能は図1の実施形態と同じになることから同一符号を付してその説明は省略する。
【0110】
このように広域無線通信網56及びインターネット58を介して通信接続されるサーバ60を経由して受信機10と携帯端末54の間で通信接続し、受信機10から施工端末情報52を、サーバ60を経由して受信して施工状況管理サブ画面を表示させることで、携帯端末54による施工状況管理サブ画面の表示は施工現場のみならず、施行現場から離れた施工会社等でも表示して確認することができ、火災報知設備の施工状況を広域的に把握して施工工事を効率良く進めることが可能となる。
【0111】
[受信機と中継盤で構成された分散システムのデータ変更]
図15は中継盤の施工状況を受信機により画面表示する火災報知設備の実施形態を示した説明図である。
【0112】
監視対象とする施設が複数の住棟に分かれる等して大規模になる場合には、図15に示すように、防災センター等に設置した受信機10に対し例えば住棟毎に分けて中継盤120が設置され、受信機10と中継盤120の間はイーサネット(登録商標)等のネットワーク回線126により通信接続されている。
【0113】
受信機10は図1に示したと同じであり、これに対し中継盤120は図1の受信機10からディスプレイ36、表示部38、操作部40及び音響警報部42を含む操作表示機能を除いた構成となり、それ以外は、受信機10と基本的に同じとなり、警戒区域に引き出された伝送回線122にアナログ火災感知器14を含む端末機器が受信機10と同様に接続され、更に、中継盤120毎に施工端末情報124が記憶されている。
【0114】
受信機10には施工端末管理部50の機能が設けられ、施行端末管理部50は、図1の実施形態と同様に、自己の施工端末情報52に基づき施工状況管理画面を生成して表示すると共に携帯端末54に通信接続して施工状況管理サブ画面を表示可能としているが、これに加え、受信機10における中継盤120の施工状況の確認操作に基づき、指定された中継盤120にネットワーク回線126によりデータ転送要求を行って中継盤120の施工端末情報124を取得し、中継盤120で生成管理されている施工端末情報124に基づき、中継盤120を対象とした施工状況管理画面を生成して表示し、更に、携帯端末54に通信接続して中継盤120を対象とした施工状況管理サブ画面を表示可能としている。
【0115】
このため現場担当者、協力業者、工事管理者等の工事関係者は、受信機10の設置場所に出向いて中継盤120の施工状況管理画面により端末情報を確認することなく、工事関係者が携帯している携帯端末に中継盤120の施工端末情報124に基づき表示された施工状況管理サブ画面を見ることで中継盤120における端末の施工状況を簡単に確認することができ、受信機画面で中継盤120の施工状況を確認するために順番待ちをしたり、離れた工事原価場から受信機画面を見るために行き来する必要がなくなり、中継盤120における端末の施工状況を見るための工事関係者の負担を解消し、消防検査に向けた施工工事を円滑に効率良く進めることを可能とする。
【0116】
[施工状況管理画面の画面情報の送信]
また、本発明の他の実施形態として、工事関係者が携帯する携帯端末は、受信機の施工端末管理部により表示する施工状況画面の画面情報を、受信機の通信部に通信接続して施工端末管理部から受信した施工状況管理画面のコピー画面を施工状況管理サブ画面として表示するようにしても良い。この場合、受信機は所定の周期及び又は端末情報に変化がある毎に、そのとき生成された施工状況管理画面を携帯端末に送信して記憶させる。
【0117】
このため携帯端末は、受信機で生成された施工状況管理画面を履歴画面として記憶保持することとなり、必要に応じて昨日、本日、カレンダ選択日といった施工状況管理サブ画面を期間選択により表示できる。また、施工状況管理画面を履歴画面を指定された期間について連続して読出して表示させることで、スライド再生による施工状況管理サブ画面の表示ができる。
【0118】
このように受信機で表示している施工状況管理画面をコピー画面として携帯端末に送信して施工状況管理サブ画面として表示させることで、受信機で生成管理している施行端末情報を携帯端末に送って施工状況管理サブ画面を生成表示する場合に比べ、携帯端末側の処理を簡単にすることができ、例えば、スマートホンやタブレット端末等により施工状況管理サブ画面を簡単に表示して確認することが可能となる。
【0119】
[本発明の変形例]
(P型受信機)
上記の実施形態は、R型の受信機からの信号回線を介してR型の火災感知器を接続した火災報知設備を例にとっているが、P型の受信機から引き出した感知器回線にアドレスを設定すると共に伝送機能を備えたアドレッサブル火災感知器を接続した火災報知設備についても、同様に、受信機の施工端末管理部で生成管理されている施工端末情報を工事関係者の携帯端末に送信して施工状況管理サブ画面を表示させるようにしても良い。
【0120】
(携帯端末による加工画面の表示)
上記の実施形態では、受信機の施工状況管理画面と同様な画面加工を携帯端末で行う場合を例にとっているが、携帯端末に固有な画面加工を行って施工状況管理サブ画面を携帯端末に表示するようにしても良い。
【0121】
(その他)
施工状況管理画面において各アドレスの接続状態を符号「未」,「発」,「煙」,「熱」,「入」,「ガ」等で表示しているがアルファベットや所定のピクトグラム等、適宜の表示を行っても良い。
【0122】
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0123】
10:受信機
12-1~12-3:信号回線
14:アナログ火災感知器
16:中継器
17:感知器回線
18:オンオフ火災感知器
20:発信機
22:アドレッサブル発信機
24:防排煙機器
26:メインCPU
28-1~28-3:サブCPU基板
30-1~30-3:サブCPU
32-1~32-3:伝送部
34:シリアル転送バス
36,68:ディスプレイ
38:表示部
40:操作部
42:音響警報部
44:移報部
46:無線LAN通信部
47:無線ルータ
48:火災監視制御部
50:施工端末管理部
52,74,124:施工端末情報
54:携帯端末
56:広域無線通信網
58:インターネット
60:サーバ
62:端末CPU
64:通信部
70:操作表示部
76-1~76-4,100-1~100-3:施工状況管理画面
78,102:端末アドレス表示部
80:一覧釦
82:詳細釦
84:昨日開通釦
86:本日開通釦
88:カレンダ選択釦
110:端末未接続アドレス
112:端末接続アドレス
114:種別エラーアドレス
116:担当者端末接続アドレス
120:中継盤
126:ネットワーク回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15