(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】組合せタイプ二段式経鼻胃管
(51)【国際特許分類】
A61J 15/00 20060101AFI20240507BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A61J15/00 A
A61M39/10
(21)【出願番号】P 2023077285
(22)【出願日】2023-05-09
【審査請求日】2023-05-10
(32)【優先日】2023-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522036510
【氏名又は名称】蘇建忠
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】蘇建忠
(72)【発明者】
【氏名】韓馨諒
(72)【発明者】
【氏名】張郁閔
(72)【発明者】
【氏名】遲佑玲
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104248515(CN,A)
【文献】特開2021-166628(JP,A)
【文献】特表2016-539715(JP,A)
【文献】特開2010-115327(JP,A)
【文献】登録実用新案第3118198(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0022966(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 15/00
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内管と、体外管と、コネクターと、連結部品とを備える組合せタイプ二段式経鼻胃管であって、
前記体内管には、相反する位置に挿入端と嵌着端とを設け、前記挿入端は人体の鼻腔から人体内へと挿入され、前記嵌着端は人体の鼻腔外に位置させ、
前記体外管には、相反する位置に注入端と連接端とを設け、前記注入端は注入口コネクターと連結させ、
前記コネクターには、相反する位置に第一接続部と第二接続部とを設け、前記コネクターの前記第一接続部は、前記体外管の前記連接端と分離可能方式で連結させ、前記第二接続部には回動する螺着環を設けており、
前記連結部品は、分離可能方式で前記体内管と前記コネクターとの間に連結されており、前記連結部品は基部と、相接部と、螺着部とを備えており、前記相接部と前記螺着部はそれぞれ、前記基部の相反する側面に設けられ、前記相接部の端部は概ねテーパーをなし、前記体内管の前記嵌着端は前記相接部の端部に嵌設し、前記螺着部と前記第二接続部の前記螺着環とを相互に螺着させることを特徴とする組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【請求項2】
前記連結部品は、前記基部と前記相接部と前記螺着部とを貫通する通路を有し、前記通路は前記体内管と前記体外管と前記コネクターとを連通し、前記通路には第一流道部と第二流道部とを備え、前記第一流道部は、前記相接部と一部の前記基部に対応しており、前記第二流道部は、前記螺着部と一部の前記基部に対応しており、前記第一流道部と前記第二流道部とは、通常の状態においては連通していないことを特徴とする請求項1に記載の組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【請求項3】
前記第一流道部と前記第二流道部との間には逆流止め膜を設け、前記逆流止め膜は切目を有し、前記切目は通常の状態においては閉鎖された状態であり、前記第二接続部の端部には螺着環を突出させ、前記螺着部と前記コネクターの前記螺着環とを相互に螺着させ、前記第二接続部の端部によって切目が開かれると、前記第一流道部と前記第二流道部とが連通することを特徴とする請求項2に記載の組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【請求項4】
前記第一流道部の内径は前記第二流道部の内径より小さいことを特徴とする請求項2に記載の組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【請求項5】
前記連結部品にはさらに閉鎖部を備え、前記閉鎖部は前記基部の外側周囲に連結し、また前記閉鎖部は湾曲しており、しかも前記螺着部によって前記通路は閉鎖されることを特徴とする請求項2に記載の組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【請求項6】
前記閉鎖部には延伸部と閉塞部とを備え、前記延伸部の一端は前記基部の外側周囲に連結し、前記延伸部のもう一端で、且つ前記螺着部と同一側面となる箇所に閉塞部を突設し、前記閉塞部は、前記通路の端口を緊密に閉塞することを特徴とする請求項5に記載の組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【請求項7】
前記相接部は、第一ボディ部と第二ボディ部とを有し、前記第一ボディ部は、前記基部と前記第二ボディ部との間に連結し、前記第二ボディ部は概ねテーパーであり、前記第一ボディ部は周囲に環状の突出体を突設させており、前記突出体の外径は前記第二ボディ部の最大外径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【請求項8】
前記第二ボディ部は、前記第一ボディ部に連結した一端から前記基部を離れる方向に向かって徐々に縮小することを特徴とする請求項7に記載の組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【請求項9】
前記第二ボディ部の外表面には複数の離脱止め溝を凹設することを特徴とする請求項7に記載の組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【請求項10】
前記基部には相反する位置に第一面と第二面とを設け、前記相接部は前記第一面に連結し、前記螺着部は前記第二面に連結し、前記基部の前記第一面には対称となる二つの握持部を突設し、前記相接部は二つの前記握持部間に位置させることを特徴とする請求項7もしくは請求項9に記載の組合せタイプ二段式経鼻胃管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は経鼻胃管に関し、特に、体内外管のすべてが連結部品と分離できる組合せタイプ二段式経鼻胃管に関する。
【背景技術】
【0002】
患者が怪我や老化のために自ら食事を摂取できない場合には、経鼻胃管を用いて注入を行う必要がある。食物を処理して流動状態にし、経鼻胃管によってそれらを胃に送り、患者に正常な熱量や栄養を供給するのである。
【0003】
特許文献1において開示された経鼻胃管は、連接部品を備えたものである。連接部品には流道を貫設し、両端に第一連接端と第二連接端とを形成している。第一連接端は、超音波接合もしくは接着方式によって第一管体に連結させる。第二連接端には定位嵌合筒を設け、定位嵌合筒と第二管体を接合してから、第一管体を人体内に挿入し、第二管体に注入口コネクターを連結することにより、流動食は第二管体から連接部品を経て第一管体へと至り、患者に正常な熱量と栄養を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許公告第U9504630B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の特許文献1より推察されるとおり、特許文献1は製造段階において、第一管体と連接部品を超音波接合もしくは接着により一体化する製造工程が必要であり、この製造工程は製造フローを複雑にするほか、製造コストを上昇させるものである。
【0006】
また、前述の特許文献1の製造時には、第一管体の一端がすでに連接部品と固定されて一体化しているため、第一管体の長さは製造工程において固定したものであり、実際に使用する際は第一管体の長さを変えることができない。よって、メーカーは第一管体の長さを変更できないという問題に対応するために、第一管体分をいくつかの固定した長さに分けて製造している。
【0007】
患者に経鼻胃管の挿入が必要な時、医療スタッフ或いは介護者は患者の鼻腔から胃までの距離を目測し、いくつかの決まった長さの第一管体の中から、適当な長さのものを選択する。しかし、患者の鼻腔から胃までの距離は人それぞれであるため、まず、第一管体を患者の胃に挿入した後にはじめて第一管体の長さがこの患者に合っているかどうかを判断できる。第一管体を挿入する過程は非常に不快なものである。もし第一管体の長さが短かすぎたなら胃に進入されないため、第一管体を抜き出して別のサイズの第一管体に取り替えて、再度挿入しなければならず、患者の困惑と不快感を引き起こしてしまう。
【0008】
以上のように、第一管体の長さが短かすぎて胃に進入できないことを防ぐために、通常、医療スタッフもしくは介護者は長さの長い第一管体を選択している。しかし、第一管体が長すぎる場合は、鼻腔外部に露出する部分が多すぎてしまうので、長すぎる第一管体を患者の鼻翼にテープ粘着するが、テープの通気性のないことと粘着感が患者の不快感を引き起こしている。
【0009】
前述の問題点を解決するために本発明の提供する組合せタイプ二段式経鼻胃管は、患者の必要性に応じて、適当な長さの体内管と連結部品を組み合せて連結するものであり、製造工程全体の簡素化とコスト削減が実現できるほか、さらに適当な長さの体内管によって使用時での快適度を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態において提供される組合せタイプ二段式経鼻胃管は、 体内管と、体外管と、コネクターと、連結部品とを備える。
体内管には、相反する位置に挿入端と嵌着端とを設け、挿入端は人体の鼻腔から人体内へと挿入され、嵌着端は人体の鼻腔外に位置させる。
体外管には、相反する位置に注入端と連接端とを設け、前記注入端は注入口コネクターと連結させる。
コネクターには、相反する位置に第一接続部と第二接続部とを設けり。コネクターの第一接続部は、体外管の連接端と分離可能方式で連結させ、第二接続部には回動する螺着環を設ける。
連結部品は、分離可能方式で体内管とコネクターとの間に連結されており、連結部品は基部と、相接部と、螺着部とを備える。相接部と螺着部はそれぞれ、基部の相反する側面に設けられ、相接部の端部は概ねテーパーをなす。体内管の嵌着端は相接部の端部に嵌設し、螺着部と第二接続部の螺着環とを相互に螺着させる。
【0011】
本発明の一実施形態において、連結部品は、基部と相接部と螺着部とを貫通する通路を有する。通路は体内管と体外管とコネクターとを連通し、通路には第一流道部と第二流道部とを備える。第一流道部は、相接部と一部の基部に対応しており、第二流道部は、螺着部と一部の基部に対応している。第一流道部と第二流道部とは、通常の状態においては連通していない。
【0012】
本発明の一実施形態において、第一流道部と第二流道部との間には逆流止め膜を設ける。逆流止め膜は切目を有し、切目は通常の状態においては閉鎖された状態である。第二接続部の端部には螺着環を突出させ、螺着部とコネクターの螺着環とを相互に螺着させる。第二接続部の端部によって切目が開かれると、第一流道部と第二流道部とは連通する。
【0013】
本発明の一実施形態において、第一流道部の内径は第二流道部の内径より小さいものとする。
【0014】
本発明の一実施形態において、連結部品にはさらに閉鎖部を備え、閉鎖部は基部の外側周囲に連結する。また、閉鎖部は湾曲しており、しかも螺着部によって通路は閉鎖されている。
【0015】
本発明の一実施形態において、閉鎖部には延伸部と閉塞部とを備える。延伸部の一端は基部の外側周囲に連結し、延伸部のもう一端で、且つ螺着部と同一側面となる箇所に閉塞部を突設する。閉塞部は、通路の端口を緊密に閉塞する。
【0016】
本発明の一実施形態において、相接部は、第一ボディ部と第二ボディ部とを有し、第一ボディ部は、基部と第二ボディ部との間に連結し、第二ボディ部は概ねテーパーであり、第一ボディ部は周囲に環状の突出体を突設させており、突出体の外径は第二ボディ部の最大外径より大きい。
【0017】
本発明の一実施形態において、第二ボディ部は、第一ボディ部に連結した一端から基部を離れる方向に向かって徐々に縮小する。
【0018】
本発明の一実施形態において、第二ボディ部の外表面には複数の離脱止め溝を凹設する。
【0019】
本発明の一実施形態において、基部には相反する位置に第一面と第二面とを設け、相接部は第一面に連結し、螺着部は第二面に連結し、基部の第一面には対称となる二つの握持部を突設し、相接部は二つの握持部間に位置させる。
【0020】
前述したとおり、本発明の組合せタイプ二段式経鼻胃管は、体内管の長さを患者のニーズに合わせて調節でき、適当な長さの体内管と連結部品とを組み合わせて連結できる経鼻胃管である。よって、製造フロー面においては、超音波接合や接着方式の工程を省くことができ、全体の製造工程を簡素化し生産コストを削減できる。
【0021】
また、本発明の組合せタイプ二段式経鼻胃管は、体内管を患者の胃に挿入させた後、外側に露出した部分を適当な長さに切断して体内管の嵌着端を形成し、さらに体内管の嵌着端を連結部品と連結させるものである。こうして患者に合った適当な長さの体内管を一回で提供し、体内管の長さが不適当である状況を防ぐ。チューブを繰り返し挿入したり長すぎるチューブを鼻翼に粘着したりすることで不快感が引き起こされているが、本発明の組合せタイプ二段式経鼻胃管によって、患者の使用における快適度を効果的に向上させることができる。
【0022】
また、本発明の組合せタイプ二段式経鼻胃管は、連結部品と体内管とを嵌着させる時、相接部のテーパーが外径部分より小さいため、体内管と迅速に定位連結でき、体内管と連結部品の嵌着時間が長すぎる問題を避けられる。体内管を突出体に嵌着させる際は、突出体が第一ボディ部と第二ボディ部との間の外径差によって嵌着固定効果が生まれ、体内管の連結部品からの離脱を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第一実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の斜視図である。
【
図2】本発明の第一実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の分解斜視図である。
【
図3】本発明の第一実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の一部断面図である。
【
図4】本発明の第一実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の連結部品に関する斜視図である。
【
図5】本発明の第一実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の連結部品に関する前面図である。
【
図6】本発明の第一実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の連結部品に関する一部断面図である。
【
図7】本発明の第一実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管を患者に取り付けた状態を示す図である。
【
図8】本発明の第二実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の連結部品に関する斜視図である。
【
図9】本発明の第三実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の斜視図である。
【
図10】本発明の第三実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の連結部品に関する斜視図である。
【
図11】本発明の第四実施形態による組合せタイプ二段式経鼻胃管の連結部品に関する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
前述した発明内容に示した重要となる思考を説明するために、具体的な実施形態をもって示す。実施形態における各種部品は、説明の利便性を応じて比率、サイズ、変形量、移動量が描かれており、実際の部品の比率によって作成されたものではないことをここに記す。
【0025】
本発明により提起される、「上」「下」「前」「後」「左」「右」「内」「外」「側面」等の方向を示す語は、単に図面上の方向である。よって、使用される方向用語は本発明の説明及び理解に用いるためのものであり、本発明を制限するものではないことを明記しておく。
【0026】
図1から
図7に示されるとおり、本発明の第一実施形態によって提供される組合せタイプ二段式経鼻胃管100は、体内管10、体外管20、コネクター30、連結部品40を備える。
【0027】
体内管10は、相反する位置に設けられた挿入端11と嵌着端12とを有する。挿入端11は人体(患者1)の鼻腔2から人体(患者1)の胃(未図示)内へ挿入される。嵌着端12は、
図7に示すとおり、人体の鼻腔2の外側に位置する。
【0028】
特に説明すべき点であるが、体内管10の長さは患者1の必要に応じて決められる。すなわち、体内管10の挿入端11が患者1の鼻腔2から患者1の胃に挿入された後、鼻腔2外部に露出している体内管10を適当な長さに切断すると、体内管10の嵌着端12が形成される。本発明は体内管10の長さサイズを制限しないものである。
【0029】
体外管20は、相反する位置に設置された注入端21と連接端22とを備える。
図1及び
図2に示すとおり、注入端21を注入口コネクター23と連結させると、流動食は注入口コネクター23より体外管20へと注入される。
【0030】
コネクター30は、相反する位置に設けた第一接続部31と第二接続部32とを有する。コネクター30の第一接続部31と体外管20の連接端22とは分離可能方式で連結され、しかも、コネクター30は体外管20とつながっている。第二接続部32には回動する螺着環33を設ける。
図2及び
図3に示すとおり、螺着環33の内側周囲にはネジ山を設け、第二接続部32の端部には螺着環33を突出させる。本発明の実施形態において、コネクター30はルアーテーパーである。
【0031】
連結部品40は、分離可能方式で体内管10とコネクター30との間に接続される。連結部品40には基部41、相接部42、及び螺着部43を備える。そのうち、基部41は概ね円柱状をなし、基部41は相反する位置に第一面411と第二面412とを設ける。相接部42は第一面411に連結し、螺着部43は第二面412に連結する。体内管10の嵌着端12は相接部42に嵌設し、コネクター30は螺着部43と螺合させる。
【0032】
相接部42は第一ボディ部421と第二ボディ部422とを有する。第一ボディ部421は基部41と第二ボディ部422との間に連結する。第一ボディ部421は概ねテーパーであり、第二ボディ部422も概ねテーパーである。第一ボディ部421は、基部41に連結した一端から第二ボディ部422に連結した方向に徐々に縮小しており、第二ボディ部422は、第一ボディ部421に連結した一端から基部41から離れる方向に徐々に縮小している。本発明の実施形態において、第一ボディ部421の最大外径と第二ボディ部422の最大外径とは同じであり、第一ボディ部421の最小外径は、第二ボディ部422の最小外径より大きい。
【0033】
さらに、第一ボディ部421の中段箇所周囲に突出体423を突設させるが、その突出体423の外径は第二ボディ部422の最大外径より大きいものである。これは
図3、
図4、及び
図6に示すとおりである。また、本発明の実施形態において、突出体423の外径は第一ボディ部421の最大外径より大きいものとする。
【0034】
図2及び
図3に示すとおり、螺着部43の外側周囲にはネジ山を設け、螺着部43はコネクター30の第二接続部32の螺着環33と相互に螺着される。
【0035】
連結部品40は、基部41、相接部42及び螺着部43を貫通する通路44を有する。通路44は体内管10、体外管20及びコネクター30を連通する。通路44には第一流道部441と第二流道部442を備える。第一流道部441は、相接部42と一部の基部41に対応し、第二流道部442は、螺着部43と一部の基部41に対応する。第一流道部441と第二流道部442は、通常の状態においてはつながっておらず、第一流道部441の内径は、第二流道部442の内径よりも小さいものである。
【0036】
さらに、
図3、
図5、及び
図6に示すとおり、第一流道部441と第二流道部442との間には逆流止め膜45を設ける。逆流止め膜45は切目451を有し、切目451は通常の状態においては閉鎖された状態である。螺着部43とコネクター30の螺着環33は相互に螺着されており、第二接続部32の端部が切目451を開くことにより、第一流道部441と第二流道部442とが連通する。本発明の実施形態において、逆流止め膜45と連結部品40とは一体成形をなす。
【0037】
また、連結部品40にはさらに、閉鎖部46を備える。閉鎖部46は基部41の外側周囲に連結する。閉鎖部46は湾曲可能であり、しかも螺着部43によって通路44を閉塞する。そのうち、閉鎖部46には延伸部461と閉塞部462とを備え、延伸部461の一端と基部41の外側周囲とを連結する。延伸部461のもう一端で、且つ螺着部43と同一側面(第二面412からの延伸側)となる箇所に閉塞部462を突設する。閉塞部462は、螺着部43の通路44に対応する端口を緊密に閉塞することができる。体外管20とコネクター30を連結部品40から分離させた時、連結部品40の通路44及び体内管10が外界の環境によって汚染されるのを防ぐために、閉鎖部46の延伸部461を湾曲させ、並びに閉塞部462を螺着部43の通路44の端口に緊密に閉塞する。これにより、連結部品40の通路44及び体内管10と外界環境とは隔絶する。
【0038】
図8に示すとおり、本発明の第二実施形態が本発明の第一実施形態と異なる箇所は、相接部42の第二ボディ部422の外表面に複数の離脱止め溝47を凹設している点である。各離脱止め溝47の長さ方向と、第二ボディ部422のテーパーの傾斜方向とは同じであり、各離脱止め溝47によって、体内管10の嵌着端12との間に摩擦力が増強し、体内管10、連結部品40間の離脱防止効果が発揮される。
【0039】
図9から
図10に示すとおり、本発明の第三実施形態が本発明の第一実施形態と異なる箇所は、連結部品40の基部41の第一面411の対称となる位置に二つの握持部48を備えることにある。相接部42は二つの握持部48の間に位置させ、二つの握持部48は概ね矩形状をなす。二つの握持部48は、親指と人差し指で連結部品40に対して安定した圧力を与えて、連結部品40と体内管10の連結や、閉鎖部46の閉塞部462を螺着部43の通路44の端口に緊密に閉塞させるのに役立つものである。
【0040】
図11に示すとおり、本発明の第四実施形態が本発明の第三実施形態と異なる箇所は、相接部42の第二ボディ部422の外表面に複数の離脱止め溝47を凹設する点にある。各離脱止め溝47の長さ方向と第二ボディ部422のテーパーの傾斜方向とは同じであり、各離脱止め溝47は、体内管10の嵌着端12との間に摩擦力が増強し、体内管10と連結部品40との離脱防止効果を有する。
【0041】
図1、
図3、
図7に示すとおり、患者1が組合せタイプ二段式経鼻胃管100を取り付ける必要がある場合、体外管20には注入口コネクター23とコネクター30をそれぞれ接続し、体内管10の挿入端11を患者1の鼻腔2から患者1の胃へと挿入した後、鼻腔2の外側に露出した体内管10を適当な長さに切断して、体内管10の嵌着端12を形成する。続いて、体内管10の嵌着端12を連結部品40の相接部42に組み合わせて嵌設し、その後、体外管20のコネクター30と連結部品40之螺着部43を相互に螺合する。このようにして、組合せタイプ二段式経鼻胃管100の患者1への取り付けが完了する。
【0042】
前述をまとめると、本発明の組合せタイプ二段式経鼻胃管100は下記のような効果を達成する。
(1)本発明の組合せタイプ二段式経鼻胃管100は、体内管10の長さを患者1のニーズに合わせることができ、適当な長さの体内管10と連結部品40とを連結させる。これにより、製造フローについては、超音波接合もしくは接着方式という工程を省くことができ、全体の製造工程を簡素化し、製造コストを削減することができる。
(2)本発明の組合せタイプ二段式経鼻胃管100は、体内管10を患者1の胃に挿入した後、外側に露出している部分を適当な長さに切断して、体内管10の嵌着端12を形成する。さらに、体内管10の嵌着端12と連結部品40を嵌着することによって、患者1の使用する長さに符合する体内管10を一回での取り付けができ、チューブを繰り返し挿入したり、長過ぎるチューブを患者1の鼻翼に粘着したりする際に生じる不快感を取り除き、患者1の使用における快適度を効果的に高めることができる。
(3)本発明の組合せタイプ二段式経鼻胃管100は、連結部品40と体内管10とを嵌着させる場合、相接部42のテーパーが外径より小さい部分を有するため、体内管10と迅速に定位、連結され、体内管10と連結部品40との嵌着を短時間にする。体内管10が突出体423に嵌着されると、突出体423は第一ボディ部421と第二ボディ部422との間の外径差に合わせて、緊密に嵌着する効果を有するため、体内管10の連結部品40からの離脱を防ぐことができる。
(4)本発明の組合せタイプ二段式経鼻胃管100は、注入の必要がない場合、連結部品40に一体成形した閉鎖部46によって螺着部43の通路44の端口を閉塞することによる。このようにして、連結部品40の通路44及び体内管10と外界環境を隔絶し、連結部品40の通路44及び体内管10が外界環境によって汚染されることを防ぐ。
【0043】
前述した実施形態は、単に本発明の説明に用いたものであり、本発明の範囲を制限するものではない。よって、本発明の創作精神に違わずになされた様々な修正や変化はすべて、本発明の特許保護の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0044】
1 患者
2 鼻腔
100 組合せタイプ二段式経鼻胃管
10 体内管
11 挿入端
12 嵌着端
20 体外管
21 注入端
22 連接端
23 注入口コネクター
30 コネクター
31 第一接続部
32 第二接続部
33 螺着環
40 連結部品
41 基部
411 第一面
412 第二面
42 相接部
421 第一ボディ部
422 第二ボディ部
423 突出体
43 螺着部
44 通路
441 第一流道部
442 第二流道部
45 逆流止め膜
451 切目
46 閉鎖部
461 延伸部
462 閉塞部
47 離脱止め溝
48 握持部
【要約】 (修正有)
【課題】体内外管のすべてが連結部品と分離できる組合せタイプ二段式経鼻胃管を提供する。
【解決手段】体内管10と、体外管20と、コネクター30と、連結部品40とを備える。体内管には、相反する位置に挿入端11と嵌着端12とを設け、挿入端は人体の鼻腔から人体内へと挿入され、嵌着端は人体の鼻腔外に位置させる。体外管の一端は、注入口コネクター23と連結させ、もう一端は、コネクターと分離可能方式で連結される。連結部品は、分離可能方式で体内管とコネクターとに連結される。連結部品は、相接部42と螺着部43と備え、相接部の端部は概ねテーパーをなし、嵌着端は相接部に嵌設する。螺着部はコネクターと相互に螺着させる。これにより、患者のニーズに合わせて適当な長さの体内管を連結部品に組み合わせることで、製造工程全体を簡素化し製造コストを削減し、適当な長さの体内管によって患者の使用における快適性を向上させることができる。
【選択図】
図2