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特許7483105画像形成システム、画像形成装置および給送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成装置および給送装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20240507BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240507BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240507BHJP
   B41J 13/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B41J29/00 B
G03G21/16 152
G03G21/00 370
B41J13/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023109612
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2019123132の分割
【原出願日】2019-07-01
(65)【公開番号】P2023126281
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 直樹
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-095455(JP,A)
【文献】特開2007-320755(JP,A)
【文献】特開2009-234671(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0240819(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
G03G 21/16
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、当該画像形成装置にシートを給送する一つ以上の給送装置と、を有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
手差し給送装置が取り付け可能な第一給送装置が接続される第一取付面と、
前記第一給送装置が前記第一取付面に接続される場合に、前記第一給送装置と信号を通信するための第一信号端子と、
前記第一給送装置から供給されるシートを受け入れる受入口と、
前記受入口から受け取ったシートに画像を形成する画像形成手段と、
前記第一号端子に出力すべき制御信号を生成する制御部と、を有し、
前記第一給送装置は、
前記手差し給送装置が接続可能な第二取付面と、
前記第一信号端子に接続される第二信号端子と
前記手差し給送装置が前記第二取付面に接続される場合に、前記手差し給送装置に制御信号を出力する第三信号端子と、
を有し、
前記制御部は、
前記第二取付面に前記手差し給送装置が接続される場合に前記手差し給送装置を制御するための制御信号を前記第一信号端子から前記第一給送装置に出力し、
前記第一給送装置は、
前記第二取付面に前記手差し給送装置が接続される場合に前記画像形成装置から出力された前記手差し給送装置を制御するための制御信号を前記第二信号端子により受信し、受信した制御信号に基づく制御信号第三信号端子を介して前記手差し給送装置に出力することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記第一給送装置は、
前記画像形成装置から受信した前記手差し給送装置を制御するための制御信号を、前記手差し給送装置が受信可能な制御信号に変換して前記第三信号端子から前記手差し給送装置に出力する変換部を有していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第一給送装置が前記第一取付面に接続されている場合、前記第一給送装置に対して前記手差し給送装置が接続されているかを問い合わせるための問い合わせ信号を前記第一信号端子および前記第二信号端子を介して前記第一給送装置に送信し、前記第一給送装置から当該問い合わせ信号に対する応答信号を受信し、当該応答信号に基づき前記第一給送装置に対して前記手差し給送装置が接続されていることを識別することを特徴とする請求項に記載の画像形成システム。
【請求項4】
手差し給送装置を制御するための制御信号を出力する像形成装置に接続され、前記画像形成装置へシートを給送する送装置であって、
シートを給送する給送手段と、
前記画像形成装置と通信する通信手段と、
前記給送装置に手差し給送装置が接続される場合に前記手差し給送装置に制御信号を出力するための第一信号端子と、
前記給送装置に前記手差し給送装置とは別の給送装置が接続される場合に前記別の給送装置に制御信号を出力するための第二信号端子と、
前記通信手段により前記画像形成装置から送信される制御信号に基づいて前記給送手段を制御する制御手段と、を有し、
前記手差し給送装置が接続されている場合に、前記制御手段は、前記通信手段により前記画像形成装置から送信される制御信号に基づいて前記第一信号端子を介して前記手差し給送装置を制御し、記別の給送装置が接続されている場合に、前記制御手段は、前記通信手段により前記画像形成装置から送信される制御信号に基づいて前記第二信号端子を介して前記の給送装置を制御することを特徴とする給送装置。
【請求項5】
前記給送手段は、シートを給送するローラと、前記ローラを駆動するモータと、前記モータを制御する駆動制御回路とを有し、
前記制御手段は、前記第一信号端子を介して前記駆動制御回路が前記手差し給送装置に制御信号を出力するように前記駆動制御回路を制御することを特徴とする請求項記載の給送装置。
【請求項6】
手差し給送装置を制御するための制御信号を出力する画像形成装置接続され、前記画像形成装置へシートを給送する送装置であって、
シートを給送するローラと、
前記ローラを駆動するモータと、
前記モータを制御する駆動制御回路と、
前記手差し給送装置が接続可能な取付面と、
前記画像形成装置と通信する通信手段と、
前記通信手段により前記画像形成装置から送信される制御信号に基づいて前記駆動制御回路を制御する制御手段と、を有し、
前記取付面に前記手差し給送装置が接続されている場合に、前記制御手段は、前記通信手段により前記画像形成装置から前記手差し給送装置を制御する制御信号を受信すると、受信した制御信号に基づいて前記駆動制御回路に前記手差し給送装置が有するモータを制御させることを特徴とする給送装置。
【請求項7】
前記駆動制御回路は、前記手差し給送装置が有するシートを検知するセンサからの信号を受け取ることを特徴とする請求項記載の給送装置。
【請求項8】
前記手差し給送装置に前記受信した制御信号に基づく制御信号を出力するための第一信号端子と、
前記手差し給送装置とは別の給送装置がシートの搬送方向で前記給送装置の上流に接続される場合に、前記の給送装置に制御信号を出力するための第二信号端子と、
を有することを特徴とする請求項に記載の給送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成システム、画像形成装置および給送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
折り処理やステープル、パンチ処理などの後処理を実行するために、画像形成装置には、シートの搬送方向において下流側に複数の後処理装置がシーケンシャルに接続されることがある。近年では、シートの搬送方向において上流側に複数の給送装置が接続されることが求められつつある。とりわけ、POD(プリントオンデマンド)では多種多様なシートの供給と大量のシートの供給とが要求されている。特許文献1によれば、複数の給送装置を並列に画像形成装置に接続することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2-236614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された発明では共通の信号線を介して複数の後処理装置と複数の給送装置とが制御されている。ところで、給送装置の種類によっては画像形成装置に対して直接接続されることが前提とされた給送装置が存在する。説明の便宜上、このような給送装置を手差ユニットと呼ぶことにする。手差ユニットは、共通の信号線を介して画像形成装置と通信することができない。たとえば、画像形成装置と手差ユニットを、共通の信号線とは異なる、別の信号ケーブルを介して直接的に接続すれば、画像形成装置はこのような手差ユニットを制御できるだろう。しかし、画像形成装置に対して複数の給送装置とともに手差ユニットがシーケンシャルに接続された場合、画像形成装置と手差ユニットとの間に存在する給送装置の数に応じて、信号ケーブルの長さは異なる。つまり、ユーザーは、複数の長さの信号ケーブルのうち特定の一つを用意する必要があり、これはユーザビリティに欠ける。仮に、画像形成装置と手差ユニットとの間に別の給送装置を増設すると、さらに長い信号ケーブルが必要になってしまう。そこで、本発明は、画像形成装置に対して複数の給送装置が接続される画像形成システムにおけるユーザビリティを改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、たとえば、 画像形成装置と、当該画像形成装置にシートを給送する一つ以上の給送装置と、を有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
手差し給送装置が取り付け可能な第一給送装置が接続される第一取付面と、
前記第一給送装置が前記第一取付面に接続される場合に、前記第一給送装置と信号を通信するための第一信号端子と、
前記第一給送装置から供給されるシートを受け入れる受入口と、
前記受入口から受け取ったシートに画像を形成する画像形成手段と、
前記第一号端子に出力すべき制御信号を生成する制御部と、を有し、
前記第一給送装置は、
前記手差し給送装置が接続可能な第二取付面と、
前記第一信号端子に接続される第二信号端子と
前記手差し給送装置が前記第二取付面に接続される場合に、前記手差し給送装置に制御信号を出力する第三信号端子と、
を有し、
前記制御部は、
前記第二取付面に前記手差し給送装置が接続される場合に前記手差し給送装置を制御するための制御信号を前記第一信号端子から前記第一給送装置に出力し、
前記第一給送装置は、
前記第二取付面に前記手差し給送装置が接続される場合に前記画像形成装置から出力された前記手差し給送装置を制御するための制御信号を前記第二信号端子により受信し、受信した制御信号に基づく制御信号第三信号端子を介して前記手差し給送装置に出力することを特徴とする画像形成システムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
画像形成装置に対して複数の給送装置が接続される画像形成システムにおけるユーザビリティが改善される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成システムの正面を示す図
図2】画像形成システムの背面を示す図
図3】画像形成システムの内部構成を示す図
図4】画像形成システムのコントローラを説明する図
図5】画像形成システムのコントローラを説明する図
図6】画像形成システムのコントローラを説明する図
図7】給送装置の接続確認を示すフローチャート
図8】CPUの機能を説明するブロック図
図9】給送装置の接続確認を示すフローチャート
図10】CPUの機能を説明するブロック図
図11】プリントジョブの実行方法を説明するフローチャート
図12】給送デッキにおける給送制御を示すフローチャート
図13】画像形成システムのコントローラを説明する図
図14】画像形成システムのコントローラを説明する図
図15】画像形成システムのコントローラを説明する図
図16】給送装置の接続確認を示すフローチャート
図17】給送装置の接続確認を示すフローチャート
図18】給送デッキにおける給送制御を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施例が詳しく説明される。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでするものではない。実施例には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一または同様の構成に同一の参照番号が付され、重複した説明は省略される。参照符号の末尾に付与された小文字のアルファベットは同種または類似の要素を区別するために付与されている。各要素に共通した事項を説明する際には参照符号から小文字のアルファベットが省略される。
【0009】
[実施例1]
<画像形成システム>
図1(A)が示すように、画像形成システム100の画像形成装置101は取付面105を有している。取付面105の上部には手差ユニット104が接続されている。手差ユニット104は手差給送装置と呼ばれてもよい。手差ユニット104はトレイを有し、トレイ上にユーザーにより載置されたシートを画像形成装置101に給送する。取付面105の下部には長尺デッキ102が接続されている。長尺デッキ102は長尺タイプのシートを画像形成装置101に給送する。画像形成装置101はシートに画像を形成して排出する。
【0010】
図1(B)が示すように、画像形成装置101の取付面105には多数のシートを収納可能な給送デッキ103aが接続されてもよい。給送デッキ103aの接続面106aと画像形成装置101の取付面105とは形状の互換性がある。そのため、給送デッキ103aの接続面106aにも長尺デッキ102および手差ユニット104が接続可能である。給送デッキ103aは自己の収納庫に保持しているシートだけでなく、長尺デッキ102および手差ユニット104から給送されたシートを画像形成装置101に供給する。以下において、類似または共通する事項が説明される際には、参照符号の末尾の小文字のアルファベットが省略されることがある。
【0011】
図1(C)が示すように、給送デッキ103aの接続面106aには、給送デッキ103aと同種の給送デッキ103bが接続可能である。給送デッキ103bの接続面106bは取付面105と接続面106aと形状に関する互換性がある。そのため、接続面106bにも長尺デッキ102および手差ユニット104が接続可能である。給送デッキ103bは自己の収納庫に保持しているシートだけでなく、長尺デッキ102および手差ユニット104から給送されたシートを、給送デッキ103aを介して画像形成装置101に供給する。給送デッキ103aは給送デッキ103bから供給されたシートを画像形成装置101に受け渡す。
【0012】
<ケーブル>
図2(A)は画像形成システム100を背面側から見た図である。画像形成装置101は端子21aと端子22aとを有している。手差ユニット104は端子24を有している。端子21aと端子24とはケーブル17bを介して接続される。画像形成装置101はケーブル17bを介して制御信号や電力を手差ユニット104に供給する。長尺デッキ102は端子23を有している。端子23はケーブル17aを介して端子22aに接続されている。画像形成装置101はケーブル17aを介して制御信号や電力を長尺デッキ102に供給する。なお、端子71はケーブル17を接続するコネクタであってもよい。端子71は装置筐体の内部に設けられていてもよく、筐体の背面に設けられている必要はない。
【0013】
画像形成装置101は、シリアル通信により長尺デッキ102と通信してもよい。この場合、ケーブル17aはシリアル通信のためのクロック線や制御線を含んでもよい。一方、端子24は手差ユニット104の内部に設けられたモータやセンサに直接接続されていてもよい。この場合、画像形成装置101と手差ユニット104は通信を実行しないため、ケーブル17bはシリアル通信のためのクロック線や制御線を備える必要がない。ケーブル17bは、たとえば、モータに駆動電流を流す駆動線とセンサの検知信号を搬送する信号線とを有していてもよい。
【0014】
図2(B)や図2(C)が示すように、給送デッキ103aは、画像形成装置101の端子22aに対してケーブル17aを介して接続される端子25bを有している。また、給送デッキ103aは、長尺デッキ102の端子23または給送デッキ103bの端子25cに対してケーブル17cを介して接続される端子22bを有している。給送デッキ103aは、手差ユニット104の端子24に対してケーブル17bを介して接続される端子21bを有している。給送デッキ103aは、ケーブル17aを介して受信した制御命令を変換して制御信号(駆動電流や駆動パルス)を生成し、ケーブル17bを介して手差ユニット104に供給する。
【0015】
給送デッキ103bは、給送デッキ103aの端子22bに対してケーブル17cを介して接続される端子25bを有している。給送デッキ103bは、長尺デッキ102の端子23に対してケーブル17dを介して接続される端子22cを有している。給送デッキ103bは、手差ユニット104の端子24に対してケーブル17bを介して接続される端子21cを有している。給送デッキ103bは、ケーブル17a、17cを介して受信した制御命令を変換して制御信号(駆動電流)を生成し、ケーブル17bを介して手差ユニット104に供給する。
【0016】
ここで給送デッキ103aと給送デッキ103bとは同一の製品であってもよい。また、端子21a~21cは互換性を有してもよい。同様に、端子22a~22cは互換性を有してもよい。端子23、25b、25cも互換性を有してもよい。この場合、ケーブル17a、17c、17dも互換性を有してもよい。
【0017】
このように、ケーブル17a~17dはそれぞれ隣り合った二つの装置を接続している。そのため、ケーブル17a~17dの各長さは比較的に短くてよい。たとえば、図2(B)や図2(C)が示す接続形態において画像形成装置101の端子21aと手差ユニット104の端子24とを直接的に接続しようとすると、長いケーブルが必要となる。これは、画像形成装置101と手差ユニット104との間には一つ以上の給送デッキ103が存在するからである。本実施例では、画像形成装置101から直接的に手差ユニット104および長尺デッキ102に供給されていた制御信号が、画像形成装置101からこれらに間接的に供給される。具体的には、手差ユニット104および長尺デッキ102に直接的に接続された給送デッキ103が手差ユニット104および長尺デッキ102に制御信号を供給する。これにより、手差ユニット104および長尺デッキ102に接続されるケーブルが短くなる。
【0018】
<内部機構>
図3は画像形成システム100の内部機構を示している。画像形成装置101、長尺デッキ102、給送デッキ103、および手差ユニット104はそれぞれ給送段111を有している。給送段111は多数のシートPを収容する収容庫またはトレイである。給送ローラ12は給送段111に収容されているシートPをピックアップして搬送路へ給送するローラである。搬送ローラ13は搬送路においてシートPを上流から下流へ搬送する。なお、シートPの搬送方向において上流側に位置する給送装置の搬送路と、下流側に位置する給送装置の搬送路とが接続されている。たとえば、手差ユニット104の搬送路の出口19dと長尺デッキ102の搬送路の出口19eは給送デッキ103bの搬送路の入口18cに接続されている。給送デッキ103bの搬送路の出口19cは給送デッキ103aの搬送路の入口18bに接続されている。給送デッキ103aの搬送路の出口19bは画像形成装置101の搬送路の入口18aに接続されている。このように出口19から入口18へとシートPは受け渡される。なお、入口18にはシートPを検知するシートセンサ11が設けられている。
【0019】
画像形成装置101は画像形成部15を有している。画像形成部15はいずれかの給送段111から給送されたシートPに画像を形成する。排紙ローラ14は出口19aから排紙トレイ16にシートPを排出する。画像形成部15の画像形成方式は、たとえば、電子写真方式、静電記録方式、インクジェット方式などのいずれであってもよい。
【0020】
<制御部>
図4図2(A)に示された画像形成システム100における画像形成装置101の制御部150aと、長尺デッキ102の制御部150dと、手差ユニット104における負荷群を示している。制御部150aはCPU151aと、メモリ152aとASIC154aとを有している。CPU151aはメモリ152aのROMに格納された制御プログラムを実行することで、画像形成システム100を制御する。ASIC154aは画像形成装置101に設けられた画像形成部15と搬送ローラ13などを駆動するモータを駆動する駆動回路を含む。ASIC154aはCPU151aから出力される制御命令にしたがって各種負荷を駆動する。CPU151aは操作部172を介してユーザー指示を受け付ける。CPUは中央演算処理装置の略称である。ASICは特定用途集積回路の略称である。ROMはリードオンリーメモリの略称である。
【0021】
CPU151aは長尺デッキ102に設けられた制御部150d内のASIC154dとケーブル17aを介して接続されている。CPU151aはIOポート153aおよびケーブル17aを介してASIC154dとシリアル通信を実行し、コマンドおよびレスポンスの送受信を実行してもよい。IOポート153aはシリアル通信を実行するシリアル通信ポートであってもよい。なおIOは入出力の略称である。画像形成装置101の制御部150aに設けられたASIC154aはケーブル17bを介して手差ユニット104のモータ161を駆動したり、シートセンサ163の検知信号を受け取ったりする。
【0022】
図5図2(B)に示された画像形成システム100の制御部と負荷群を示している。給送デッキ103aは制御部150bを有している。制御部150bは、CPU151bと、メモリ152bとASIC154bとを有している。CPU151bはメモリ152bのROMに格納された制御プログラムを実行することで、給送デッキ103a、手差ユニット104および長尺デッキ102を制御する。つまり、制御部150bは制御部150aの代わりに手差ユニット104および長尺デッキ102を制御する。ASIC154bは給送デッキ103に設けられた給送ローラ12および搬送ローラ13などを駆動するモータを駆動する駆動回路を含む。ASIC154bはCPU151bから出力される制御命令にしたがって各種負荷を駆動する。
【0023】
CPU151bは長尺デッキ102に設けられた制御部150dのASIC154dに対してIOポート153cおよびケーブル17cを介して接続されている。CPU151bはケーブル17cを介してASIC154dとシリアル通信を実行し、コマンドおよびレスポンスの送受信を実行する。さらに、CPU151bはIOポート153bおよびケーブル17aを介して画像形成装置101のCPU151aと接続されており、シリアル通信を実行する。CPU151bはCPU151aにより送信される長尺デッキ102の給送命令をASIC154dに転送する。IOポート153b、153cはシリアル通信を実行するシリアル通信ポートであってもよい。
【0024】
CPU151bはCPU151aにより送信される手差ユニット104の給送命令に基づきASIC154bにモータ161を駆動するための制御信号を送信する。ASIC154bは、この制御信号に基づく駆動電流または駆動パルスを生成してモータ161に供給することでモータ161を駆動する。また、ASIC154bはシートセンサ163の検知信号が示す検知結果をCPU151bに出力する。CPU151bは検知結果を画像形成装置101のCPU151aに送信する。
【0025】
図6図2(C)に示された画像形成システム100の制御部と負荷群を示している。図6が示すように給送デッキ103aの制御部150bと給送デッキ103bの制御部150cとは同一構成を採用している。とりわけ、給送デッキ103aのCPU151bは、画像形成装置101から受信したコマンドのうち、給送デッキ103b、手差ユニット104および長尺デッキ102宛てのコマンドを給送デッキ103bのCPU151cに転送する。図6が示すように、給送デッキ103aのCPU151bと、給送デッキ103bのCPU151cとはケーブル17dを介して接続されている。具体的には、CPU151cはIOポート153d、153eを有している。IOポート153dはケーブル17cを介してIOポート153cに接続されている。IOポート153eはケーブル17dを介してASIC154dに接続されている。給送デッキ103bのCPU151cは、シートセンサ163の検知信号が示す検知結果を給送デッキ103aのCPU151bに送信する。給送デッキ103aのCPU151bは検知結果を画像形成装置101のCPU151aに転送する。
【0026】
画像形成装置101のASIC154aは、画像形成装置101の起動時に、画像形成装置101に手差ユニット104が接続されているかどうかを検知し、検知結果をCPU151aに出力する。また、CPU151aは給送デッキ103または長尺デッキ102が画像形成装置101に接続されているかどうかを検知する。
【0027】
同様に、給送デッキ103aのASIC154bは、画像形成装置101の起動時に、手差ユニット104が接続されているかどうかを検知し、検知結果をCPU151bに出力する。給送デッキ103bのASIC154cは、画像形成装置101の起動時に、手差ユニット104が接続されているかどうかを検知し、検知結果をCPU151cに出力する。CPU151b、151cは手差ユニット104の検知結果を画像形成装置101のCPU151aに送信する。CPU151b、151cは他の給送デッキまたは長尺デッキ102が給送デッキ103に接続されているかどうかを検知する。CPU151b、151cは他の給送デッキまたは長尺デッキ102の検知結果を画像形成装置101のCPU151aに送信する。なお、給送デッキ103aのCPU151bは、給送デッキ103bのCPU151cから受信したこれらの検知結果を画像形成装置101のCPU151aに転送する。
【0028】
画像形成装置101のCPU151aはASIC154aから受信した検知結果、および給送デッキ103から受信した検知結果に基づき、画像形成システム100を構成している給送装置の種類と給送装置の接続位置とを認識してもよい。CPU151aは、給送装置の種類と給送装置の接続位置とを示す構成情報804aをメモリ152aのRAMに書き込んでもよい。たとえば、CPU151aは、構成情報804aを参照することで手差ユニット104が画像形成装置101に接続されていることを認識すると、ASIC154aに手差ユニット104の制御命令を出力する。CPU151aは、構成情報804aを参照することで手差ユニット104が給送デッキ103aに接続されていることを認識すると、給送デッキ103aのCPU151bに対して手差ユニット104の制御命令を出力する。CPU151aは、構成情報804aを参照することで手差ユニット104が給送デッキ103bに接続されていることを認識すると、給送デッキ103bのCPU151cを宛先として手差ユニット104の制御命令を出力する。
【0029】
<フローチャート>
●画像形成装置の制御部が実行する処理
図7は画像形成装置101のCPU151aが実行する給送装置の接続確認を示している。図8はCPU151aが制御プログラムを実行することで実現する機能を示している。画像形成システム100に電源から電力が供給されると、CPU151aは以下の処理を実行する。
【0030】
S701でCPU151a(接続確認部801aの手差検知部812b)は画像形成装置101に手差ユニット104が接続されているかどうかを検知する。接続確認部801aは、画像形成装置101や給送デッキ103に給送装置が接続されているかどうかを確認する機能を実行する。たとえば、手差検知部812bは、取付面105に設けられたスイッチやセンサ、端子の論理に基づき手差ユニット104の接続の有無を判定してもよい。この論理はASIC154aが決定してCPU151aに出力する。たとえば、画像形成装置101に手差ユニット104が接続されていると論理がハイとなり、画像形成装置101に手差ユニット104が接続されていなければ論理がローとなる。あるいは、手差ユニット104が出力する接続検知信号に基づき手差検知部812bが接続の判定を実行してもよい。画像形成装置101に手差ユニット104が接続されていれば、CPU151aは処理をS702に進める。画像形成装置101に手差ユニット104が接続されていれば、CPU151aは処理をS702に進める。
【0031】
S702でCPU151a(構成管理部802a)は手差ユニット104が画像形成装置101に接続されていることを示す情報を構成情報804aに追加する。構成情報804aは、画像形成システム100を構成する様々な給送装置の有無や接続位置を管理するための情報であり、メモリ152aに記憶されている。
【0032】
S703でCPU151a(デッキ検知部811a)は給送デッキ103および長尺デッキ102などのデッキが画像形成装置101に接続されているかどうかを判定する。たとえば、デッキ検知部811aは、取付面105に設けられたスイッチやセンサ、端子の論理に基づきデッキの接続の有無を判定してもよい。ここで、デッキとは給送デッキ103および長尺デッキ102のように通信確立が必要な給送装置である。デッキが接続されている場合、CPU151aは処理をS704に進める。デッキが接続されていない場合、CPU151aは接続確認を終了する。
【0033】
S704でCPU151a(通信制御部803a)は画像形成装置101の上流側に接続されたデッキと通信を確立し、そのデッキの構成情報を取得し、構成情報804aに追加する。ここで、画像形成装置101の隣に接続されているデッキの構成情報には、そのデッキの仕様情報が含まれていてもよい。仕様情報には、そのデッキが備えている給送段の数やシートサイズを示す情報が含まれていてもよい。図1(B)が示すように給送デッキ103aに手差ユニット104と長尺デッキ102が接続されている場合、給送デッキ103aから取得される構成情報には、手差ユニット104と長尺デッキ102の存在情報と仕様情報が含まれていてもよい。存在情報は手差ユニット104または長尺デッキ102の接続の有無を示す情報である。上流側に存在する給送装置の存在情報と仕様情報は一度の通信で取得されてもよいし、以下のように複数回の通信により取得されてもよい。給送デッキから取得される構成情報にその上流側に存在する給送装置の存在情報と仕様情報が含まれている場合、S705ないしS707は省略される。
【0034】
S705でCPU151a(種類判定部813a)は、隣のデッキから取得した仕様情報に基づきさらに別の給送装置が上流側に存在する可能性があるかどうかを判定する。仕様情報には、隣のデッキがさらに別の給送装置を接続可能かどうかを示す情報が含まれていてもよい。別の給送装置を接続できないか、または別の給送装置を接続していないデッキであれば、CPU151aは接続確認を終了する。別の給送装置を接続している可能性があるデッキであれば、CPU151aは処理をS706に進める。
【0035】
S706でCPU151a(種類判定部813a)は隣のデッキに接続された別の給送装置の情報を取得するためのコマンドを隣のデッキに送信することで、隣のデッキから当該情報を取得する。
【0036】
S707でCPU151a(構成管理部802a)は別の給送装置を構成情報804aに追加する。たとえば、構成管理部802aは、別の給送装置の接続位置や仕様情報などを構成情報804aに追加する。図1(B)のケースでは、隣の給送デッキ103aに手差ユニット104と長尺デッキ102とが接続されていることを示す情報が構成情報804aに追加される。図1(C)のケースでは、給送デッキ103aに給送デッキ103bが接続されており、給送デッキ103bには手差ユニット104と長尺デッキ102とが接続されていることを示す情報が構成情報804aに追加される。また、長尺デッキ102と給送デッキ103bの仕様情報(例:給送段の数やシートサイズ、シートの有無)も構成情報804aに追加される。
【0037】
図8においてジョブ実行部805aは画像形成装置101などを制御してプリントジョブを実行する。給送制御部806aはプリントジョブにより指定された給送段からシートを給送させたり、搬送路におけるシートの搬送を制御したりする。命令送信部807aは、通信制御部803bを介して、上流側の給送装置に給送段の指定情報と給送命令とを送信する。
【0038】
●給送デッキの制御部が実行する処理
図9は給送デッキ103のCPU151b、151cが実行する給送装置の接続確認を示している。図10はCPU151b、151cが制御プログラムを実行することで実現する機能を示している。画像形成システム100に電源から電力が供給されると、CPU151b、151cは以下の処理を実行する。以下では記載の簡明化のために、CPU151b、151cがまとめてCPU151bと記載されることがある。同様に、ASIC154b、154cはASIC154bと記載されることがある。これは、給送デッキ103a、103bは同一または類似した構成を採用しており、同一または類似した処理を実行するからである。
【0039】
S901でCPU151b(接続確認部801bの手差検知部812b)は給送デッキ103に手差ユニット104が接続されているかどうかを検知する。接続確認部801bは給送デッキ103a、103bに給送装置が接続されているかどうかを確認する。たとえば、手差検知部812bは、接続面106に設けられたスイッチやセンサ、端子の論理に基づき手差ユニット104の接続の有無を判定してもよい。この論理はASIC154bが決定してCPU151bに出力する。たとえば、給送デッキ103に手差ユニット104が接続されていると論理がハイとなり、給送デッキ103に手差ユニット104が接続されていなければ論理がローとなる。あるいは、手差ユニット104が出力する接続検知信号に基づき手差検知部812bが判定を実行してもよい。給送デッキ103に手差ユニット104が接続されていれば、CPU151bは処理をS902に進める。給送デッキ103に手差ユニット104が接続されていれば、CPU151bは処理をS902に進める。
【0040】
S902でCPU151b(構成管理部802b)は構成情報804bに手差ユニット104が給送デッキ103に接続されていることを示す情報を追加する。構成情報804bは、給送デッキ103を構成する様々な給送装置の有無や位置を管理するための情報であり、メモリ152bに記憶されている。
【0041】
S903でCPU151b(デッキ検知部811b)は他の給送デッキ103および長尺デッキ102が接続面106に接続されているかどうかを判定する。たとえば、デッキ検知部811bは、接続面106に設けられたスイッチやセンサ、端子の論理に基づきデッキの接続の有無を判定してもよい。ここで、デッキとは給送デッキ103および長尺デッキ102のように通信確立が必要な給送装置である。デッキが接続されている場合、CPU151bは処理をS904に進める。デッキが接続されていない場合、CPU151bは接続確認を終了する。
【0042】
S904でCPU151b(通信制御部803b)は給送デッキ103の上流側に接続されたデッキと通信を確立し、そのデッキの構成情報を取得し、構成情報804bに追加する。ここで、給送デッキ103の隣に接続されているデッキの構成情報には、そのデッキの仕様情報が含まれていてもよい。仕様情報には、そのデッキが備えている給送段の数やシートサイズを示す情報が含まれていてもよい。図1(B)が示すように給送デッキ103aに長尺デッキ102が接続されている場合、長尺デッキ102から取得される構成情報には長尺デッキ102の仕様情報が含まれている。上流側に存在する給送装置の存在情報と仕様情報は一度の通信で取得されてもよいし、以下のように複数回の通信により取得されてもよい。
【0043】
S905でCPU151b(種類判定部813b)は、隣のデッキから取得した仕様情報に基づきさらに別の給送装置が存在する可能性があるかどうかを判定する。仕様情報には、隣のデッキがさらに別の給送装置を接続可能かどうかを示す情報が含まれている。別の給送装置を接続できないか、または別の給送装置を接続していないデッキであれば、CPU151bは接続確認を終了する。別の給送装置を接続している可能性があるデッキであれば、CPU151bは処理をS906に進める。
【0044】
S906でCPU151b(種類判定部813b)は隣のデッキに接続された別の給送装置の情報を取得するためのコマンドを隣のデッキに送信することで、隣のデッキから当該情報を取得する。
【0045】
S907でCPU151b(構成管理部802b)は別の給送装置を構成情報804bに追加する。たとえば、構成管理部802bは、別の給送装置の接続位置や仕様情報などを構成情報804bに追加する。図1(C)のケースでは、給送デッキ103bに手差ユニット104と長尺デッキ102とが接続されていることを示す情報が構成情報804bに追加される。また、長尺デッキ102の仕様情報(給送段の数やシートサイズ、シートの有無)も構成情報804bに追加される。
【0046】
S908でCPU151b(通信制御部803b)は下流側装置(例:画像形成装置101または給送デッキ103a)から通信要求があるかどうかを判定する。通信要求が受信されると、CPU151bは処理をS909に進める。
【0047】
S909でCPU151b(報告部808)は構成情報804bを下流側装置に送信する。図1(B)のケースでは、報告部808は給送デッキ103の仕様情報などを最初に送信し、次に、長尺デッキ102や手差ユニット104の仕様情報などを送信してもよい。つまり、画像形成装置101からの問い合わせコマンドを受信したときに、長尺デッキ102や手差ユニット104の仕様情報が送信されてもよい。
【0048】
図10において給送制御部806bは画像形成装置101により指定された給送段からシートを給送させたり、搬送路におけるシートの搬送を制御したりする。図1(B)のケースでは、給送制御部806bは給送デッキ103a内の給送段と手差ユニット104の給送を制御する。命令送信部807bは、通信制御部803bを介して、上流側の給送装置に給送段の指定情報と給送命令とを送信する。図1(B)のケースでは、命令送信部807bは、通信制御部803bを介して、長尺デッキ102に給送命令を送信する。図1(C)のケースでは、命令送信部807bは、通信制御部803bを介して、給送デッキ103bに給送命令を送信する。
【0049】
●画像形成装置におけるジョブの実行
図11は画像形成装置101のCPU151aが実行するプリントジョブを示している。操作部172やホストコンピュータからプリントジョブが投入されると、CPU151aは以下の処理を実行する。
【0050】
S1101でCPU151aは(ジョブ実行部805a)がプリントジョブを解析し、プリントジョブにより指定された給送段を直接的に制御できるかどうかを判定する。ジョブ実行部805aは、構成情報804aから、指定された給送段の接続位置の情報を取得する。ジョブ実行部805aは、取得した情報に基づき、指定された給送段が画像形成装置101に直接的に接続された給送装置または画像形成装置101の内部に存在する給送段であるかを判定する。直接的に接続された給送装置とは、取付面105に取り付けられた給送装置(例:手差ユニット104、長尺デッキ102、給送デッキ103a)である。つまり、CPU151aが直接的にこれらの給送装置を制御できる。一方で、CPU151aは、給送デッキ103a、103bに接続された手差ユニット104および長尺デッキ102を直接的に制御できない。構成情報804aは、給送デッキ103、手差ユニット104および長尺デッキ102などの給送装置の接続の有無、接続位置、給送段の数などを有している。そのため、CPU151aは構成情報804aを参照することで、指定された給送段を直接的に制御できるかどうかを判定してもよい。このように、給送デッキ103に接続された手差ユニット104および長尺デッキ102は給送命令を送信する必要があるため、間接的に制御される給送段である。指定された給送段が直接的に制御可能であれば、CPU151aは処理をS1102に進める。指定された給送段が直接的に制御可能でなければ、CPU151aは処理をS1103に進める。
【0051】
S1102でCPU151a(給送制御部806a)は指定された給送段の給送ローラ12を駆動することで給送処理を実行する。CPU151aは、画像形成装置101に接続された手差ユニット104に駆動信号を供給する。また、CPU151aは、画像形成装置101に接続された長尺デッキ102や給送デッキ103aに給送命令を送信する。S1103でCPU151a(命令送信部807a)は指定された給送段を示す情報を伴う給送命令を上流側のデッキ(例:給送デッキ103a)に送信する。
【0052】
S1104でCPU151a(給送制御部806a)は画像形成装置101のシートセンサ11がシートPを検知したかどうかを判定する。シートPが検知されると、CPU151aは処理をS1105に進める。S1105でCPU151a(ジョブ実行部805a)は画像形成部15を制御してシートPに画像形成し、シートPを画像形成装置101から排出する。
【0053】
●給送デッキにおける給送処理
図12は給送デッキ103のCPU151b、151cが実行する給送処理を示している。ここでもCPU151b、151cはまとめてCPU151bと表記され、ASIC154b、154cはASIC154bと表記される。
【0054】
S1201でCPU151b(通信制御部803b)は下流側装置から給送命令を受信したかどうかを判定する。給送命令を受信すると、CPU151bは処理をS1202に進める。
【0055】
S1202でCPU151b(給送制御部806b)は、給送命令により指定された給送段を直接的に制御できるかどうかを判定する。給送制御部806bは、構成情報804bから、指定された給送段の接続位置の情報を取得する。給送制御部806bは、取得した情報に基づき、指定された給送段が給送デッキ103に接続された手差ユニット104や給送デッキ103に存在する給送段であるかを判定する。なお、長尺デッキ102や給送デッキ103bは給送命令を送信する必要があるが直接的に制御可能な給送装置である。給送デッキ103aにとって、給送デッキ103bに接続された手差ユニット104は間接的に制御可能な給送段である。なお、給送デッキ103bにとって、給送デッキ103bに接続された手差ユニット104は直接的に制御可能な給送段である。指定された給送段が直接的に制御可能であれば、CPU151bは処理をS1203に進める。指定された給送段が直接的に制御可能でなければ、CPU151bは処理をS1204に進める。
【0056】
S1203でCPU151b(給送制御部806b)は指定された給送段の給送ローラ12を駆動することで給送処理を実行する。たとえば、給送制御部806bはASIC154bに手差ユニット104のモータ161を駆動するよう命令する。ASIC154bはこの命令にしたがって手差ユニット104のモータ161を駆動する。また、給送デッキ103aは、給送デッキ103aに接続された別の給送デッキ103bまたは長尺デッキ102に給送命令を送信する。図1(B)のケースでは、給送デッキ103aは長尺デッキ102に給送命令を送信する。図1(C)のケースでは、給送デッキ103aは給送デッキ103bに給送命令を転送する。
【0057】
S1204でCPU151b(命令送信部807b)は指定された給送段を示す情報を伴う給送命令を上流側のデッキに送信する。図1(C)のケースでは、給送デッキ103aは給送デッキ103bに給送命令を送信する。給送命令は、給送デッキ103bに接続された手差ユニット104または長尺デッキ102に給送を実行させるための命令である。
【0058】
S1205でCPU151b(給送制御部806b)は給送デッキ103のシートセンサ11がシートPを検知したかどうかを判定する。シートPが検知されると、CPU151bは処理をS1206に進める。S1206でCPU151b(給送制御部806b)は搬送ローラ13を制御してシートPを下流側の装置(例:画像形成装置101)に排出する。
【0059】
実施例1によれば、ケーブル17は、となりあった二つの装置間を接続できればよい。そのため、ケーブル17の長さを短くすることが可能となる。
【0060】
[実施例2]
実施例1では画像形成装置101、給送デッキ103および長尺デッキ102はそれぞれ隣に接続されている装置間でしか直接的に通信できなかった。一方で、実施例2では、画像形成装置101と給送デッキ103a、103bをバス接続することで、画像形成装置101と給送デッキ103bとが直接的に通信可能となる。たとえば、画像形成装置101は給送デッキ103bの構成情報を、給送デッキ103aの助けを借りずに取得できるようになる。よって、画像形成装置101は給送デッキ103bを直接的に制御可能となる。ただし、長尺デッキ102に関しては依然として、長尺デッキ102に直接的に接続された画像形成装置101または給送デッキ103だけが直接的に制御できる。これは、長尺デッキ102がバス接続に対応した通信回路を有していないからである。
【0061】
[接続形態]
図13は画像形成装置101、長尺デッキ102および手差ユニット104を有する画像形成システム100を示している。図13図4と異なる点は画像形成装置101が通信IF155aを有していることである。通信IF155aは制御部150aに設けられていてもよい。CPU151aはIOポート153dを介して通信IF155aに接続されている。通信IF155aは、ケーブル17aの内部に設けられたシリアルバス20を介してシリアル通信を実行する。ただし、図13が示す接続形態では、給送デッキ103が画像形成装置101に接続されていないため、通信IF155aは通信を実行しない。
【0062】
図14は画像形成装置101、給送デッキ103a、長尺デッキ102および手差ユニット104を有する画像形成システム100を示している。図14図5と異なる点は画像形成装置101が通信IF155aを有し、かつ、給送デッキ103aも通信IF155bを有している点である。通信IF155aと通信IF155bは、ケーブル17aに設けられたシリアルバス20を介してシリアル通信を実行する。通信IF155bは制御部150bに設けられていてもよい。図14図5とでは接続形態が違うのみで、基本的な処理の流れは実施例1で接続された処理の流れと共通している。
【0063】
図15は画像形成装置101、給送デッキ103a、給送デッキ103b、長尺デッキ102および手差ユニット104を有する画像形成システム100を示している。図15図6と異なる点は画像形成装置101が通信IF155aを有し、かつ、給送デッキ103aが通信IF155bを有し、かつ、給送デッキ103bも通信IF155cを有している点である。通信IF155aと給送デッキ103aの通信IF155bは、ケーブル17aに設けられたシリアルバス20を介してシリアル通信を実行する。通信IF155aと給送デッキ103bの通信IF155cは、ケーブル17a、17cに設けられたシリアルバス20を介してシリアル通信を実行する。つまり、通信IF155aと給送デッキ103bの通信IF155cは直接的に通信できる。給送デッキ103bの通信IF155cは給送デッキ103bの制御部150cに設けられていてもよい。
【0064】
図6が示す接続形態では、給送デッキ103b宛ての給送命令については給送デッキ103aが給送デッキ103bに転送する必要があった。しかし、図15が示す接続形態では、給送デッキ103b宛ての給送命令は画像形成装置101から給送デッキ103bに直接的に送信される。
【0065】
よく知られているように、シリアルバス20を介したシリアル通信では、マスターとなる通信IF155aが、スレーブとなる通信IF155b、155cのそれぞれに通信IDを割り当てる。通信IF155aは、自己の通信IDとあて先の通信IDとをセットしたコマンドをシリアルバルに送信する。通信IF155b、155cは、自己に割り当てられた通信IDをセットされたコマンドをCPU151b、151cに渡すが、それ以外のコマンドを無視する。コマンドに対するレスポンスにも送信元の通信IDとあて先の通信IDとが設定される。
【0066】
●画像形成装置の制御部が実行する処理
図16は画像形成装置101のCPU151aが実行する給送装置の接続確認を示している。すでに説明された工程には同一の参照符号が付与されており、その説明は省略される。S703で画像形成装置101に何らかのデッキが接続されている場合に、CPU151aは処理をS1601に進める。
【0067】
S1601でCPU151a(接続確認部801a)はシリアルバス20に給送デッキ103が接続されているかどうかを判定する。通信IF155aは、シリアルバス20を介して他の通信IF155bを探索し、シリアルバス20に接続されている通信IF155b、155cに通信IDを割り当てる。通信IF155b、155cは、通信IF155aに近い通信IFから順番にレスポンスを送信することで、それぞれ固有の通信IDを確保する。通信IF155aは、通信IDの割り当てに成功した通信IF155b、155cのリストを有している。このリストは接続確認部801aによって参照可能である。接続確認部801aは、リストに通信IF155b、155cが登録されていなければ、シリアルバス20に給送デッキ103が接続されていないと判定する。リストに通信IF155b、155cが登録されていれば、シリアルバス20に給送デッキ103が接続されていると判定する。接続確認部801aは、リストに登録されているに通信IF155b、155cの数から給送デッキ103の数を認識する。シリアルバス20に給送デッキ103が接続されていなければ、CPU151aは処理をS704に進める。シリアルバス20に給送デッキ103が接続されていれば、CPU151aは処理をS1602に進める。
【0068】
S1602でCPU151a(通信制御部803a)はシリアルバス20に接続された各給送デッキ103と順番に通信を確立し、各給送デッキ103の構成情報を取得し、構成情報804aに追加する。
【0069】
S1603でCPU151a(種類判定部813a)は、各給送デッキ103から取得した仕様情報に基づきさらに別の給送装置が存在する可能性があるかどうかを判定する。仕様情報には、給送デッキ103がさらに別の給送装置(手差ユニット104、長尺デッキ102)を接続可能かどうかを示す情報が含まれていてもよい。別の給送装置を接続できないか、または別の給送装置を接続していない給送デッキ103であれば、CPU151aは接続確認を終了する。別の給送装置を接続している可能性がある給送デッキ103であれば、CPU151aは処理をS1604に進める。
【0070】
S1604でCPU151a(種類判定部813a)は各給送デッキ103に接続された別の給送装置の情報を取得するためのコマンドを各給送デッキ103に送信することで、各給送デッキ103から当該情報を取得する。
【0071】
S1605でCPU151a(構成管理部802a)は別の給送装置を構成情報804aに追加する。たとえば、構成管理部802a、別の給送装置の接続位置や仕様情報などを構成情報804aに追加する。図1(B)のケースでは、給送デッキ103aに手差ユニット104と長尺デッキ102とが接続されていることを示す情報が構成情報804aに追加される。図1(C)のケースでは、給送デッキ103aに給送デッキ103bが接続されており、給送デッキ103bには手差ユニット104と長尺デッキ102とが接続されていることを示す情報が構成情報804aに追加される。また、長尺デッキ102と給送デッキ103bの仕様情報(給送段の数やシートサイズ、シートの有無)も構成情報804aに追加される。
【0072】
●給送デッキの制御部が実行する処理
図17は給送デッキ103のCPU151b、155cが実行する給送装置の接続確認を示している。以下でもCPU151b、155cはまとめてCPU151bと表記される。すでに説明された工程には同一の参照符号が付与されており、その説明は省略される。S902が終了すると、CPU151bは処理をS1701に進める。
【0073】
S1701でCPU151b(デッキ検知部811b)は長尺デッキ102が接続面106に接続されているかどうかを判定する。長尺デッキ102が接続されている場合、CPU151bは処理をS1702に進める。長尺デッキ102が接続されていない場合、CPU151bは処理をS1703に進める。
【0074】
S1702でCPU151b(通信制御部803b)はシリアルラインを介して長尺デッキ102と通信を確立し、長尺デッキ102の構成情報を取得し、構成情報804bに追加する。S1703でCPU151b(通信制御部803b)は画像形成装置101からシリアルバス20を介した通信要求があるかどうかを判定する。通信要求が受信されると、CPU151bは処理をS1704に進める。
【0075】
S1704でCPU151b(報告部808)はシリアルバス20を介して画像形成装置101に構成情報804bを送信する。図1(B)および図1(C)のケースでは、給送デッキ103aの報告部808は給送デッキ103aの仕様情報などを送信する。図1(C)のケースでは、給送デッキ103bの報告部808は給送デッキ103bの仕様情報などを最初に送信し、次に、長尺デッキ102や手差ユニット104の仕様情報などを送信してもよい。つまり、画像形成装置101からの問い合わせコマンドを受信したときに、長尺デッキ102や手差ユニット104の仕様情報が送信されてもよい。
【0076】
●画像形成装置におけるジョブの実行
図11のS1103でCPU151a(命令送信部807a)は指定された給送段を有するか、当該給送段を直接的に制御可能な給送デッキ103に給送命令を送信する。たとえば、命令送信部807aは構成情報を参照して804aを参照し、指定された給送段を有するか、当該給送段を直接的に制御可能な給送デッキ103を特定する。さらに、命令送信部807aは特定された給送デッキ103にシリアルバス20を介して給送命令を送信する。この給送命令には、指定された給送段を示す情報が付随する。その余の点は、すでに説明された通りである。
【0077】
●給送デッキにおける給送処理
図18は給送デッキ103のCPU151b、151cが実行する給送処理を示している。以下でもCPU151b、155cはまとめてCPU151bと表記される。図18においては、図12に示されたS1202とS1204が存在しない。これは、各給送デッキ103にはシリアルバス20を介して直接的に給送命令が伝達され、給送命令の転送が生じないからである。図1(C)のケースでは、給送デッキ103bは画像形成装置101から直接的に給送命令を受信する。給送デッキ103bは、給送命令に従って自己の給送段111、長尺デッキ102または手差ユニット104からシートを給送する。
【0078】
実施例2においても、ケーブル17はある装置とその隣に位置する装置とを接続できればよい。そのため、ケーブル17の長さを短くすることができる。
【0079】
<実施例から導き出される技術思想>
[観点1]
図1などが示すように、画像形成装置101と、当該画像形成装置101に対して直列に接続され、当該画像形成装置101にシートPを給送する一つ以上の給送装置(例:給送デッキ)と、を有する画像形成システム100が提供される。画像形成装置101は、一つ以上の給送装置のうちの一つの給送装置が接続される取付面105を有している。端子21aは、画像形成装置101に直接的に取り付けられることが想定された第一タイプの給送装置(例:手差ユニット104)が取付面105に接続されると、画像形成装置101から制御信号を第一タイプの給送装置に出力する第一信号端子の一例である。端子22aは、画像形成装置101と第一タイプの給送装置との間に接続される第二タイプの給送装置(例:給送デッキ103)が、取付面105に接続されると、当該第二タイプの給送装置と信号を通信するための第二信号端子の一例である。入口18aは一つ以上の給送装置から給送されたシートPを受け入れる受け入れ口の一例である。制御部150aは第一信号端子または第二信号端子に出力される制御信号を生成する制御部として機能する。給送デッキ103は第二タイプの給送装置の一例である。端子25bは第一ケーブル(例:ケーブル17a)を介して第二信号端子と接続される第三信号端子の一例である。端子21bは第一タイプの給送装置が第二タイプの給送装置を介して画像形成装置に接続される場合に、第一タイプの給送装置に制御信号を出力する第四信号端子の一例である。
【0080】
第一タイプの給送装置は第五信号端子(例:端子24)を有していてもよい。第五信号端子は、取付面105に第一タイプの給送装置が接続される場合に第二ケーブル(例:ケーブル17b)を介して画像形成装置の第一信号端子に接続される。第五信号端子は、第一タイプの給送装置が第二タイプの給送装置を介して画像形成装置に接続される場合に第二ケーブルを介して第二タイプの給送装置の第四信号端子(例:端子21b)に接続される。制御部150aは、取付面105に第一タイプの給送装置が接続されている場合に第一信号端子を介して第一タイプの給送装置に制御信号を出力する。制御部150aは、第一タイプの給送装置が第二タイプの給送装置に接続されている場合に第二信号端子を介して第一タイプの給送装置を制御するための制御命令を第二タイプの給送装置に出力する。第二タイプの給送装置は第一タイプの給送装置が第二タイプの給送装置を介して画像形成装置に接続される場合に画像形成装置から出力された第一タイプの給送装置を制御するための制御命令に基づく制御信号を第四信号端子を介して第一タイプの給送装置に出力する。このように、第一タイプの給送装置が第二タイプの給送装置を介して画像形成装置に接続される場合には、第一タイプの給送装置と画像形成装置とを直接的に接続するケーブルが不要となるため、ケーブル長が短くなる。したがって、画像形成装置に対して複数の給送装置が接続される画像形成システムにおけるユーザビリティが改善する。
【0081】
[観点2]
第二タイプの給送装置(例:給送デッキ103)は画像形成装置から受信した第一タイプの給送装置を制御するための制御命令を第一タイプの給送装置が受信可能な制御信号(例:駆動電流や駆動パルス)に変換する変換部(例:制御部150b)を有してもよい。変換部は、当該制御信号を第四信号端子から第一タイプの給送装置に出力する。これにより、画像形成装置に対して直接的に接続された第一タイプの給送装置であっても、第二タイプの給送装置を介して画像形成装置に接続可能となる。
【0082】
[観点3]
接続確認部801aは、第一信号端子または第二信号端子に印加される電圧、電流または信号に基づき、取付面105に接続されている給送装置のタイプを判別する判別手段として機能してもよい。ここで、信号には、取付面105に接続されている給送装置から取得される構成情報804bが含まれてもよい。制御部150aは、判別手段の判別結果に基づき取付面105に、第一タイプの給送装置が接続されているのか、それとも第二タイプの給送装置が接続されているのかを認識してもよい。これにより、制御部150bは、画像形成装置に接続されている給送手段の種類を認識することが可能となる。
【0083】
[観点4]
第二タイプの給送装置が取付面に接続されている場合、制御部150aは、第二タイプの給送装置に対して第一タイプの給送装置が接続されているかを問い合わせるための問い合わせ信号を送信してもよい。問い合わせ信号は、第二信号端子を介して第二タイプの給送装置に送信される。制御部150aは、第二タイプの給送装置から当該問い合わせ信号に対する応答信号を受信する。さらに、制御部150aは、当該応答信号に基づき第二タイプの給送装置に対して第一タイプの給送装置が接続されていることを認識する。このように、制御部150bは、給送デッキ103などの給送装置を介して、さらに別の給送装置を認識してもよい。これにより、制御部150bは、画像形成装置に間接的に接続されている給送装置を認識できる。
【0084】
[観点5]
画像形成装置101は、直列に連結された複数の給送デッキ103のうち最上流(最後尾)に連結された給送デッキ103により、当該最上流の給送デッキ103に接続された手差ユニット104または長尺デッキ102を制御する。このように、最上流に連結された給送デッキ103により手差ユニット104または長尺デッキ102を制御することで、画像形成装置と手差ユニット104または長尺デッキ102を直接的に接続するケーブルが不要となる。したがって、画像形成装置に対して複数の給送装置が接続される画像形成システムにおけるユーザビリティが改善する。
【0085】
[観点6]
接続確認部801aは、プリントジョブにより指定された給送段が当該最上流に連結された給送デッキに接続された手差ユニットまたは長尺デッキであるかを判定する判定手段として機能する。命令送信部807aは、給送段が当該最上流に連結された給送デッキに接続された手差ユニットまたは長尺デッキである場合、当該最上流に連結された給送デッキに対して、手差ユニットまたは長尺デッキを制御するための制御命令を送信する送信手段として機能する。なお、制御命令は、画像形成装置と、手差ユニットまたは長尺デッキとの間に存在する各給送デッキ103を介して搬送または転送されてもよい。つまり、実施例1のような転送方式が採用されてもよいし、実施例2のような搬送方式が採用されてもよい。これにより、画像形成装置101は、画像形成装置101に間接的に接続されている手差ユニットまたは長尺デッキを制御することが可能となる。
【0086】
[観点7]
実施例2で説明されたように、画像形成装置101は、直列に連結された複数の給送デッキ103のそれぞれと通信を確立してもよい。実施例1で説明されたように、画像形成装置101は、当該複数の給送デッキのうちで画像形成装置101の隣に接続された給送デッキ103aに対して通信を確立してもよい。接続確認部801aは、当該複数の給送デッキのそれぞれの給送段を示す情報(例:構成情報804b)を取得する取得手段として機能する。CPU151aやジョブ実行部805aは、取得手段により取得された情報に基づき、プリントジョブにより指定された給送段が当該最上流に連結された給送デッキに接続された手差ユニットまたは長尺デッキであるかを判定してもよい。このように画像形成装置101は給送デッキ103と通信を実行することで、手差ユニットまたは長尺デッキの有無を判別してもよい。
【0087】
[観点8]
IOポート153dや通信IF155aは、複数の給送デッキ103と通信するための通信バスに接続された第一通信手段として機能する。IOポート153aは、画像形成装置101の隣に長尺デッキ102が接続されたときに当該長尺デッキ102と通信する第二通信手段として機能する。命令送信部807aは、第一通信手段を介して、当該最上流に連結された給送デッキに対して、手差ユニットまたは長尺デッキを制御するための制御命令を送信してもよい。これにより、画像形成装置101は、画像形成装置101に間接的に接続されている手差ユニットまたは長尺デッキを制御してもよい。
【0088】
接続確認部801aは、複数の給送デッキ103のそれぞれから取得した情報に基づき各給送デッキに対して別の給送装置が接続されている可能性があるかどうかを判定してもよい。さらに、接続確認部801aは、複数の給送デッキのうち当該別の給送装置が接続されている可能性がある給送デッキに対して当該別の給送装置に関する情報を問い合わせて取得してもよい。手差ユニット104または長尺デッキ102などの別の給送装置は画像形成装置101に直接的に接続されていないため、画像形成装置101は別の給送装置に関する情報を取得することができなかった。そのため、画像形成装置101は、別の給送装置が接続されている可能性がある給送デッキに問い合わせることで、別の給送装置に関する情報を取得することができるようになる。
【0089】
[観点9]
給送デッキ103は、シートPの搬送方向において画像形成装置101の上流側に接続される給送装置の一例である。IOポート153bや通信制御部803bは画像形成装置101と通信する通信手段として機能する。画像形成装置101に対して直接的に接続されることが想定された給送手段(例:手差ユニット104、長尺デッキ102)が、シートPの搬送方向において給送装置のさらに上流側に接続される場合がある。この場合、CPU151bは、画像形成装置101から送信され、通信手段により受信された制御命令に基づいて給送手段を制御する制御手段して機能する。これにより、画像形成装置101は、給送デッキ103に接続された手差ユニット104や長尺デッキ102を制御できるようになる。つまり、画像形成装置101とこのような給送手段とを直接的に接続する長いケーブルが不要となり、画像形成装置101と給送装置とを通信可能となる短いケーブルが存在すればよい。よって、ユーザビリティがさらに改善する。
【0090】
[観点10]
CPU151bは、画像形成装置101に対して直列に接続された一つまたは複数の給送装置のうちで画像形成装置から最も遠くに接続された給送装置であって、給送手段を接続された給送装置の制御手段である。図2(B)のケースでは、給送デッキ103aのCPU151bが制御手段として機能する。図2(C)のケースでは、給送デッキ103bのCPU151bが制御手段として機能する。このように、手差ユニット104または長尺デッキ102などの給送手段が接続される給送デッキ103に当該給送手段の制御機能が搭載される。これにより、画像形成装置101は、CPU151bを介して間接的に手差ユニット104または長尺デッキ102などの給送手段を制御できるようになる。
【0091】
[観点11]
図2(B)および図2(C)が示すように、一つまたは複数の給送装置のうちで画像形成装置の最も近くに接続された給送装置は画像形成装置に対して通信線(例:ケーブル17a)が直接的に接続されている。複数の給送装置において隣り合った二つの給送装置も直接的に通信線(例:ケーブル17b)が接続されている。制御命令(例:給送命令)は、当該通信線を介して、画像形成装置101から最も遠くに接続された給送装置まで伝送されてもよい。れにより、画像形成装置101は、手差ユニット104または長尺デッキ102などの給送手段を制御するCPU151bに制御命令を渡すことができる。
【0092】
[観点12]
制御部150bのCPU151bは画像形成装置101により発行された給送手段に対する制御命令を受信すると、当該制御手段により当該給送手段を直接的に制御できるかどうかを判定してもよい。CPU151bは、CPU151bにより当該給送手段を直接的に制御できる場合、当該制御命令にしたがって当該給送手段を制御してもよい。CPU151bは、当該制御手段により当該給送手段を直接的に制御できない場合、当該制御手段を搭載している給送装置の上流側に接続されている他の給送装置に当該制御命令を転送してもよい。
【0093】
[観点13]
ASIC154bは、給送手段に設けられた駆動源(例:モータ161)を駆動する駆動回路をさらに有してもよい。これにより、給送デッキ103は手差ユニット104または長尺デッキ102などの給送手段を駆動してもよい。
【0094】
[観点14]
CPU151bは、給送装置に給送手段が接続されているかどうかを検知してもよい。CPU151bは、給送装置に給送手段が接続されていることが検知されると、給送装置に給送手段が接続されていることを画像形成装置101に報告してもよい。これにより、画像形成装置101は、画像形成装置101に間接的に接続されている給送装置を認識できるようになる。
【符号の説明】
【0095】
100…画像形成システム、101…画像形成装置、102…長尺デッキ、103…給送デッキ、104…手差ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18