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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】押圧操作体およびスイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/52 20060101AFI20240507BHJP
   H01H 13/48 20060101ALI20240507BHJP
   H01H 5/30 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H01H13/52 F
H01H13/48
H01H5/30 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023527855
(86)(22)【出願日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 JP2022022832
(87)【国際公開番号】W WO2022260011
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2021094898
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】舂井 克敏
(72)【発明者】
【氏名】冨田 大地
(72)【発明者】
【氏名】石田 英之
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-144994(JP,A)
【文献】特開2020-071991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/52
H01H 13/48
H01H 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーム状の反転ばねと、
押圧操作がなされて屈曲することにより、前記反転ばねを押圧するラバーステムと
を備え、
前記反転ばねは、
ドーム部と、前記ドーム部の外周縁部から外側に向かって延出された複数の脚部と、を有し、
前記ラバーステムは、
当該ラバーステムの下縁部を支持する基部を有し、
前記基部は、
前記反転ばねの着地する前記複数の脚部の各々を保持する複数の保持部を有する
ことを特徴とする押圧操作体。
【請求項2】
前記保持部は、
前記基部の一部が切り欠かれた形状を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の押圧操作体。
【請求項3】
前記脚部は、
前記ドーム部の前記外周縁部から、外側且つ下方に向かって延出した後、V字状に折り曲げられた折り曲げ部を有し、当該折り曲げ部から、外側且つ上方に向かって延出し、先端部が前記保持部内に配置され、
前記保持部は、
当該保持部内に配置された前記脚部の前記先端部を下側から支持する支持部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の押圧操作体。
【請求項4】
ドーム状の反転ばねと、
押圧操作がなされて屈曲することにより、前記反転ばねを押圧するラバーステムと
を備え、
前記反転ばねは、
ドーム部と、前記ドーム部の外周縁部から外側に向かって延出された複数の脚部と、を有し、
前記ラバーステムは、
当該ラバーステムの下縁部を支持する基部を有し、
前記基部は、
前記反転ばねの前記複数の脚部の各々を保持する複数の保持部を有し、
前記脚部は、
前記ドーム部の前記外周縁部から、外側且つ下方に向かって延出した後、V字状に折り曲げられた折り曲げ部を有し、当該折り曲げ部から、外側且つ上方に向かって延出し、先端部が前記保持部内に配置され、
前記保持部は、
当該保持部内に配置された前記脚部の前記先端部を下側から支持する支持部を有し、
前記支持部は、
前記保持部内に突出して設けられ、弾性変形可能であり、且つ、互いに対向する、一対の突出部である
ことを特徴とする押圧操作体。
【請求項5】
前記一対の突出部の間に隙間を有し、
前記一対の突出部の各々の先端部は、上方に行くにつれて前記隙間の幅が徐々に狭くなるように傾斜した傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の押圧操作体。
【請求項6】
前記保持部は、
前記脚部を、前記押圧操作に伴う当該保持部内での移動を可能に保持する
ことを特徴とする請求項1に記載の押圧操作体。
【請求項7】
ドーム状の反転ばねと、
押圧操作がなされて屈曲することにより、前記反転ばねを押圧するラバーステムと
を備え、
前記反転ばねは、
ドーム部と、前記ドーム部の外周縁部から外側に向かって延出された複数の脚部と、を有し、
前記ラバーステムは、
当該ラバーステムの下縁部を支持する基部を有し、
前記基部は、
前記反転ばねの前記複数の脚部の各々を保持する複数の保持部を有し、
前記ラバーステムは、
押圧操作がなされる操作部と、
前記基部における前記操作部の外側に形成された第1肉抜き部とを有する
ことを特徴とする押圧操作体。
【請求項8】
前記ラバーステムは、
前記基部において前記操作部を取り囲むように環状に配置された複数の前記第1肉抜き部を有する
ことを特徴とする請求項7に記載の押圧操作体。
【請求項9】
前記ラバーステムは、
前記基部における前記操作部の内側に第2肉抜き部を有する
ことを特徴とする請求項7に記載の押圧操作体。
【請求項10】
前記ラバーステムは、
前記操作部の上部に、前記押圧操作によって弾性変形可能な弾性壁部を有する
ことを特徴とする請求項7に記載の押圧操作体。
【請求項11】
前記ラバーステムは、
前記操作部の上部に、環状に配置され、且つ、前記押圧操作によって弾性変形可能な複数の弾性壁部を有し、
複数の前記第1肉抜き部の各々は、当該第1肉抜き部に対応する一の前記弾性壁部と同一半径方向の外側に配置されており、且つ、当該第1肉抜き部に対応する一の前記弾性壁部の幅以上の幅を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の押圧操作体。
【請求項12】
前記反転ばねの下側に重ねて配置される保護シートを備え、
前記保護シートは、
前記反転ばねの前記脚部の下側に重ねて配置される突出部を有し、
前記反転ばねの前記脚部は、
下側に前記保護シートの前記突出部が重ねられた状態で、前記保持部によって保持される
ことを特徴とする請求項1に記載の押圧操作体。
【請求項13】
前記反転ばねの頂部の下側に配置されるプロジェクションを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の押圧操作体。
【請求項14】
前記反転ばねの下側に重ねて配置される保護シートを備え、
前記押圧操作体は、
前記保護シートの裏面に接着されて設けられている
ことを特徴とする請求項13に記載の押圧操作体。
【請求項15】
平面視において、横長の長方形状を有する
ことを特徴とする請求項14に記載の押圧操作体。
【請求項16】
前記ラバーステムは、
前記反転ばねの頂部と対向する面において、中央部に第1突出押圧部を有し、周辺部に前記第1突出押圧部を間に挟んで設けられた一対の第2突出押圧部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の押圧操作体。
【請求項17】
前記第1突出押圧部は、前記反転ばねの頂部の中央部を押圧し、
前記第2突出押圧部は、前記反転ばねの頂部の周辺部を押圧する
ことを特徴とする請求項16に記載の押圧操作体。
【請求項18】
前記第2突出押圧部は、前記第1突出押圧部よりも突出量が大きい
ことを特徴とする請求項17に記載の押圧操作体。
【請求項19】
平面視において、横長の長方形状を有する
ことを特徴とする請求項16に記載の押圧操作体。
【請求項20】
請求項1に記載の押圧操作体と、
前記押圧操作体の下側に配置され、前記反転ばねの反転動作によりオン状態に切り替わるメンブレンスイッチと
を備えることを特徴とするスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧操作体およびスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ラバー製のスカート部を有する可動子を備えたスイッチにおいて、可動子における固定接点と対向する位置に、可動接点を設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-56703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的な従来のスイッチ装置は、反転ばねとラバードームとを有する構成を採用した場合、反転ばねとラバードームとを支持するハウジングを設ける必要があるため、当該スイッチ装置の部品点数を削減することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の押圧操作体は、ドーム状の反転ばねと、押圧操作がなされて屈曲することにより、反転ばねを押圧するラバーステムとを備え、反転ばねは、ドーム部と、ドーム部の外周縁部から外側に向かって延出された複数の脚部と、を有し、ラバーステムは、当該ラバーステムの下縁部を支持する基部を有し、基部は、反転ばねの複数の脚部の各々を保持する複数の保持部を有する。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態によれば、反転ばねとラバードームとを備えたスイッチ装置の部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るスイッチ装置の外観斜視図
図2】一実施形態に係るスイッチ装置の平面図
図3】一実施形態に係るスイッチ装置の分解斜視図
図4図2に示すスイッチ装置のA-A断面図
図5】一実施形態に係るスイッチ装置の一部拡大断面図
図6】第1変形例に係るスイッチ装置の外観斜視図
図7】第1変形例に係るスイッチ装置の分解斜視図
図8】第1変形例に係るスイッチ装置の一部拡大断面図
図9】第2変形例に係る押圧操作体の外観斜視図
図10】第2変形例に係る押圧操作体の平面図
図11】第2変形例に係る押圧操作体の分解斜視図
図12】第3変形例に係る押圧操作体の外観斜視図
図13】第3変形例に係る押圧操作体の平面図
図14】第3変形例に係る押圧操作体の分解斜視図
図15】第3変形例に係る押圧操作体の断面図
図16】第4変形例に係る押圧操作体の外観斜視図
図17】第4変形例に係る押圧操作体の分解斜視図
図18】第4変形例に係る押圧操作体の断面図
図19】第5変形例に係るスイッチ装置の外観斜視図
図20】第5変形例に係るスイッチ装置の分解斜視図
図21】第5変形例に係るスイッチ装置の分解斜視図
図22】第5変形例に係るスイッチ装置の断面図
図23】第6変形例に係るラバーステムの外観斜視図
図24】第6変形例に係るラバーステムの底面の構成の第1例を示す底面図
図25】第6変形例に係るラバーステムの底面の構成の第2例を示す底面図
図26】第6変形例に係るラバーステムの底面の構成の第3例を示す底面図
図27】第6変形例に係る押圧操作体の動作時の断面図
図28】第6変形例に係る押圧操作体における押圧操作の荷重特性の一例を示す図
図29】第6変形例に係る押圧操作体における押圧操作の荷重特性の一例を示す図
図30】第6変形例に係る押圧操作体における押圧操作の荷重特性の一例を示す図
図31】第7変形例に係る押圧操作体の外観斜視図
図32】第7変形例に係る押圧操作体の分解斜視図
図33】第7変形例に係る押圧操作体の断面図
図34】第7変形例に係る押圧操作体が備えるハウジングによる保持構成を説明するための図
図35】第7変形例に係る押圧操作体が備えるハウジングによる保持構成を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。なお、以降の説明では、便宜上、水平方向をX軸方向およびY軸方向とし、垂直方向(上下方向)をZ軸方向とする。
【0009】
(スイッチ装置100の概要)
図1は、一実施形態に係るスイッチ装置100の外観斜視図である。図1に示すスイッチ装置100は、ノートパソコンのキーボード等に用いられる、押圧操作可能な薄型のスイッチ装置である。図1に示すように、スイッチ装置100は、メンブレンスイッチ150の上面に、押圧操作体100Aが配置された構成を有する。押圧操作体100Aは、ラバーステム130およびメタルコンタクト140を有して構成されている。ラバーステム130は、操作者からの押圧操作がなされることにより、弾性変形(屈曲)する。この際、ラバーステム130は、押圧操作に対してクリック感を呈示できるようになっている。メタルコンタクト140は、ラバーステム130の下側に設けられており、ラバーステム130の押圧操作がなされた際に、ラバーステム130によって押圧されることにより、反転動作して、メンブレンスイッチ150を押圧する。これにより、メタルコンタクト140は、メンブレンスイッチ150をオン状態に切り替えることができる。なお、メンブレンスイッチ150は、平板状の支持板160の上面に重ねて設けられており、支持板160によって支持されている。
【0010】
(スイッチ装置100の構成)
図2は、一実施形態に係るスイッチ装置100の平面図である。図3は、一実施形態に係るスイッチ装置100の分解斜視図である。図4は、図2に示すスイッチ装置100のA-A断面図である。
【0011】
図3および図4に示すように、スイッチ装置100は、ラバーステム130、メタルコンタクト140、メンブレンスイッチ150、および支持板160を備える。
【0012】
ラバーステム130は、操作者によって下方への押圧操作がなされる部材である。ラバーステム130は、弾性素材(例えば、シリコンゴム等)が用いられて形成される。ラバーステム130は、凹部130A、操作部131、支持脚132、基部133、および押圧部134を有する。
【0013】
凹部130Aは、ラバーステム130の中央において、ラバーステム130の上端部から下方に凹んだ形状を有する。凹部130Aは、平面視において円形状を有する。
【0014】
操作部131は、操作者によって下方への押圧操作がなされる部分である。操作部131は、ラバーステム130の中心において、凹部130Aの底部の上面から上方に突出して設けられており、概ね円柱形状を有する。
【0015】
支持脚132は、凹部130Aの上縁部から外側に広がりつつ下方に延在する支持脚形状を有する。支持脚132は、凹部130A、操作部131、および押圧部134を支持する。本実施形態のスイッチ装置100は、凹部130Aの上縁部に対して90°間隔で配置された4本の支持脚132を備える。各支持脚132は、操作部131の押圧操作にともなって弾性変形(屈曲)することにより、操作部131および押圧部134を下方へ沈み込ませつつ、操作部131に対して操作荷重を付与することができる。なお、各支持脚132は、所定量の操作荷重を超えたとき、反転動作を行うことにより、急激に支持脚形状を崩した状態に変形する。なお、ラバーステム130は、4本の支持脚132の代わりに、3本または5本以上の支持脚132、あるいは、凹部130Aの上縁部から外側に広がりつつ下方に延在するスカート状のスカート部を有してもよい。
【0016】
基部133は、環状に形成され、4本の支持脚132の各々の下縁部を支持する。基部133は、メンブレンスイッチ150の上面に載置されることにより、ラバーステム130の全体を支持する。基部133は、その底面部分において、任意の接着手段(例えば、UV硬化樹脂)によってメンブレンスイッチ150の上面に接着されることにより、メンブレンスイッチ150の上面に固定される。
【0017】
基部133は、半径方向における外側(すなわち、外周縁部)から内側に向かって、一定の幅を有して切り欠かれた形状を有する4つの保持部135が、90度間隔で形成されている。4つの保持部135の各々には、メタルコンタクト140が有する4つの脚部142の各々が配置される。これにより、基部133は、4つの保持部135の各々によって、4つの脚部142の各々を保持する。なお、図4に示すように、4つの保持部135の各々は、ラバーステム130の基部133に囲まれた空間130Bに通じる開口部135Aを有し、当該開口部135Aから、メタルコンタクト140の脚部142が挿通される。
【0018】
押圧部134は、ラバーステム130の中央に設けられている水平な円盤状の部分であり、上記した凹部130Aの底部となる部分である。押圧部134は、操作部131の裏側、且つ、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部と対向する位置に設けられ、操作部131の押圧操作(操作部131の沈み込み)に伴って、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部を押圧する。押圧部134の下面は、接触面134Aとなっている。押圧部134は、操作部131の押圧操作がなされたとき、接触面134Aにおいて、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部を押圧する。
【0019】
メタルコンタクト140は、「反転ばね」の一例である。メタルコンタクト140は、金属板が用いられて形成される。メタルコンタクト140は、ドーム部141と、ドーム部141の外周縁部において90度間隔で配置された4つの脚部142を有する。
【0020】
ドーム部141は、メタルコンタクト140の中央に設けられている。ドーム部141は、平面視において円形状、且つ、上方に向かって凸状の、ドーム形状を有する。ドーム部141は、ラバーステム130の基部133に囲まれた空間130B内に配置される。ドーム部141は、その頂部(中央部)がラバーステム130の押圧部134によって押圧されて反転動作することにより、下方に向かって凹状に変形する。これにより、ドーム部141は、その頂部の裏側の部分で、メンブレンスイッチ150を押圧することにより、メンブレンスイッチ150をオン状態に切り替えることができる。なお、ドーム部141の中央には円形の開口部141Aが設けられているが、当該開口部141Aが設けられていなくてもよい。
【0021】
4つの脚部142は、ドーム部141の外周縁部において90度間隔で配置されている。4つの脚部142の各々は、ドーム部141の外周縁部から、半径方向における外側且つ上方に向かって延出して設けられている。4つの脚部142の各々は、図4に示すように、ラバーステム130の基部133に設けられた保持部135の開口部135Aを通じて、当該保持部135に挿通される。これにより、4つの脚部142の各々は、ラバーステム130の基部133に設けられた4つの保持部135の各々によって保持される。また、4つの脚部142の各々は、その根元部分(ドーム部141の外周縁部に繋がる部分)の近傍において、V字状に折り曲げられた折り曲げ部142A(図4参照)を有しており、当該折り曲げ部142Aが、メンブレンスイッチ150の上面に着地する。これにより、メタルコンタクト140は、4つの脚部142の各々によって、メンブレンスイッチ150の上面で支持される。
【0022】
メンブレンスイッチ150は、薄いシート状のスイッチ装置である。メンブレンスイッチ150は、上側シート151と、下側シート152とが重なり合って構成されている。上側シート151の下面の中央部には、導体膜からなる可動接点(図示省略)が設けられている。下側シート152の上面の中央部には、上側シート151の可動接点と対向して、導体膜からなる固定接点(図示省略)が設けられている。メンブレンスイッチ150は、ラバーステム130の押圧部134から押圧されていない状態において、上側シート151の可動接点が、下側シート152の固定接点から離間しており、よって、オフ状態となる。一方、メンブレンスイッチ150は、ラバーステム130の押圧部134から押圧された状態において、上側シート151の可動接点が、下側シート152の固定接点に接触し、よって、オン状態となる。
【0023】
支持板160は、メンブレンスイッチ150の下面に重ねて設けられている平板状の部材である。支持板160は、ラバーステム130の押圧操作がなされたときに、メンブレンスイッチ150が全体的に下方へ撓まないように、メンブレンスイッチ150を下側から支持する。
【0024】
(スイッチ装置100の動作)
上記のように構成されたスイッチ装置100は、ラバーステム130の操作部131の下方(Z軸負方向)への押圧操作により、メンブレンスイッチ150をオン状態に切り替えることができる。
【0025】
具体的には、スイッチ装置100は、ラバーステム130の操作部131が下方へ押圧操作されると、ラバーステム130の支持脚132が弾性変形(屈曲)しながら、ラバーステム130の押圧部134が下方へ移動する。そして、ラバーステム130の押圧部134が、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部を押圧する。そして、メタルコンタクト140のドーム部141に加わる荷重がしきい値を超えると、メタルコンタクト140のドーム部141が急激に反転動作する。この反転動作により、操作部131の押圧操作に対してクリック感が呈示されるとともに、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部の裏側の部分が、メンブレンスイッチ150を押圧する。その結果、メンブレンスイッチ150は、オン状態に切り替わる。
【0026】
一方、スイッチ装置100は、ラバーステム130の押圧操作が解除されると、ラバーステム130が、自身の弾性力によって復帰動作することにより、元の屈曲していない状態に復帰する。また、メタルコンタクト140も、自身のばね力によって復帰動作することにより、元の凸状に復帰する。これにより、メタルコンタクト140によるメンブレンスイッチ150の押圧が解除される。その結果、メンブレンスイッチ150は、オフ状態に切り替わる。
【0027】
(保持部135の詳細な構成)
図5は、一実施形態に係るスイッチ装置100の一部拡大断面図である。図4および図5に示すように、保持部135は、上下方向(Z軸方向)における下端位置、且つ、上述した開口部135Aよりも半径方向における外側に、舌片状且つ互いに対向する、一対の突出部135Bを有する。一対の突出部135Bは、保持部135の互いに対向する一対の内壁面の各々から、突出して設けられている。一対の突出部135Bの各々は、ラバーステム130の基部133に一体的に形成されているため、その先端部分が上下方向(Z軸方向)に撓むように弾性変形可能である。なお、一対の突出部135Bの間の隙間幅は、メタルコンタクト140の脚部142の幅よりも狭くなっている。
【0028】
保持部135は、弾性変形可能な一対の突出部135Bを有することにより、メタルコンタクト140の脚部142を、容易に当該保持部135内に配置することができる。具体的には、メタルコンタクト140の脚部142を、一対の突出部135Bの下側から上方に押し込むだけで、一対の突出部135Bの各々を上方に撓るように弾性変形させつつ、メタルコンタクト140の脚部142を、一対の突出部135Bの間を通過させて、保持部135内に容易に配置することができる。
【0029】
この際、図4および図5に示すように、一対の突出部135Bの各々の先端部分は、上方に向かって徐々に一対の突出部135Bの間の隙間幅が狭くなるように下方に面して傾斜した傾斜面135Baを有するため、メタルコンタクト140の脚部142を、一対の突出部135Bの下側から押し込んだ際に、一対の突出部135Bの間の隙間を容易に押し広げることが可能となっている。
【0030】
なお、一対の突出部135Bの間の隙間幅は、メタルコンタクト140の脚部142の幅よりも狭くなっているため、保持部135内に配置された脚部142は、一対の突出部135Bによって下方への移動が規制され、保持部135から容易に抜け落ちないようになっている。すなわち、一対の突出部135Bは、保持部135内に配置された脚部142の先端部を下側(Z軸負側)から支持する「支持部」として機能する。
【0031】
なお、図4および図5に示すように、メタルコンタクト140の脚部142は、メンブレンスイッチ150の上面に着地した状態において、保持部135に固定されておらず、且つ、保持部135の開口部135A内において、半径方向における外側と、半径方向における内側との各々において、開口部135Aを構成する壁面に接触していない(すなわち、隙間A1および隙間A2(図5参照)を有する)。また、メタルコンタクト140の脚部142の先端部分は、一対の突出部135Bからも上方に離間している。これにより、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、メタルコンタクト140の反転動作の際に、メタルコンタクト140の脚部142が開口部135A内で半径方向に移動するのを、妨げないようになっており、メタルコンタクト140の発生する操作感触に影響を及ぼさないようになっている。
【0032】
以上説明したように、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、ドーム状のメタルコンタクト140と、押圧操作がなされて屈曲することにより、メタルコンタクト140を押圧するラバーステム130とを備え、メタルコンタクト140は、ドーム部141と、ドーム部141の外周縁部から外側に向かって延出された複数の脚部142と、を有し、ラバーステム130は、当該ラバーステム130の下縁部を支持する基部133を有し、基部133は、メタルコンタクト140の複数の脚部142の各々を保持する複数の保持部135を有する。
【0033】
これにより、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、従来のハウジングを設けることなく、メタルコンタクト140をラバーステム130によって支持することができる。このため、一実施形態に係る押圧操作体100Aによれば、メタルコンタクト140およびラバーステム130を備えたスイッチ装置100の部品点数を削減することができる。
【0034】
また、一実施形態に係る押圧操作体100Aにおいて、保持部135は、基部133の一部が切り欠かれた形状を有する。
【0035】
これにより、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、基部133のサイズを大型化することなく、基部133に複数の保持部135を設けることができる。
【0036】
また、一実施形態に係る押圧操作体100Aにおいて、脚部142は、ドーム部141の外周縁部から、外側且つ下方に向かって延出した後、V字状に折り曲げられた折り曲げ部142Aを有し、当該折り曲げ部142Aから、外側且つ上方に向かって延出し、先端部が保持部135内に配置され、保持部135は、当該保持部135内に配置された脚部142の先端部を下側から支持する支持部を有する。
【0037】
これにより、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、保持部135内に配置された脚部142が、支持部によって支持されることにより、保持部135から容易に抜け落ちないようにすることができる。
【0038】
また、一実施形態に係る押圧操作体100Aにおいて、上記支持部は、保持部135内に突出して設けられ、弾性変形可能であり、且つ、互いに対向する、一対の突出部135Bである。
【0039】
これにより、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、メタルコンタクト140の脚部142を、一対の突出部135Bの下側から上方に押し込むだけで、一対の突出部135Bの各々を上方に撓るように弾性変形させつつ、メタルコンタクト140の脚部142を、一対の突出部135Bの間を通過させて、保持部135内に容易に配置することができる。
【0040】
また、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、一対の突出部135Bの間に隙間を有し、一対の突出部135Bの各々の先端部は、上方に行くにつれて隙間の幅が徐々に狭くなるように傾斜した傾斜面135Baを有する。
【0041】
これにより、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、メタルコンタクト140の脚部142を、一対の突出部135Bの下側から押し込んだ際に、一対の突出部135Bの間の隙間を容易に押し広げることができる。
【0042】
また、一実施形態に係る押圧操作体100Aにおいて、保持部135は、メタルコンタクト140の脚部142を、押圧操作に伴う当該保持部135内での移動を可能に保持する。
【0043】
これにより、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、押圧操作の際に、メタルコンタクト140の発生する操作感触に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0044】
また、一実施形態に係るスイッチ装置100は、押圧操作体100Aと、押圧操作体100Aの下側に配置され、メタルコンタクト140の反転動作によりオン状態に切り替わるメンブレンスイッチ150とを備える。
【0045】
これにより、一実施形態に係るスイッチ装置100は、従来のハウジングを設けることなく、メタルコンタクト140をラバーステム130によって支持することができるため、当該スイッチ装置100の部品点数を削減することができる。
【0046】
(第1変形例)
次に、図6図8を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100の第1変形例を説明する。図6は、第1変形例に係るスイッチ装置100-2の外観斜視図である。図7は、第1変形例に係るスイッチ装置100-2の分解斜視図である。図8は、第1変形例に係るスイッチ装置100-2の一部拡大断面図である。
【0047】
図6図8に示すように、第1変形例に係るスイッチ装置100-2は、メンブレンスイッチ150および支持板160の変わりに、基板170を備える点で、スイッチ装置100と異なる。なお、第1変形例に係るスイッチ装置100-2において、押圧操作体100Aは、スイッチ装置100と同一のものを用いている。
【0048】
基板170は、樹脂製且つ平板状の部材である。基板170には、例えば、PWBが用いられる。基板170の上面における中央には、スイッチ回路を構成する第1固定接点171および第2固定接点172が設けられている。例えば、第1固定接点171および第2固定接点172は、薄膜状の導体(例えば、銅膜)が用いられて形成される。第1固定接点171および第2固定接点172は、メタルコンタクト140の中心に対して、同心円状に形成されている。但し、第1固定接点171は、第2固定接点172よりも直径が小さい。図8に示すように、第2固定接点172には、メタルコンタクト140の4つの脚部142の各々が着地している。これにより、第2固定接点172には、メタルコンタクト140が常に電気的に接続されている。ラバーステム130の基部133は、その底面部分において、任意の接着手段(例えば、UV硬化樹脂)によって基板170の上面に接着されることにより、基板170の上面に固定される。
【0049】
上記のように構成されたスイッチ装置100-2は、ラバーステム130の操作部131の下方(Z軸負方向)への押圧操作により、基板170に設けられたスイッチ回路をオン状態に切り替わることができる。
【0050】
具体的には、スイッチ装置100-2は、ラバーステム130の操作部131が下方へ押圧操作されると、ラバーステム130の支持脚132が弾性変形(屈曲)しながら、ラバーステム130の押圧部134が下方へ移動する。そして、ラバーステム130の押圧部134が、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部を押圧する。そして、メタルコンタクト140のドーム部141に加わる荷重がしきい値を超えると、メタルコンタクト140のドーム部141が急激に反転動作する。この反転動作により、操作部131の押圧操作に対してクリック感が呈示されるとともに、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部の裏側の部分が、第1固定接点171に接触する。その結果、第1固定接点171と第2固定接点172とがメタルコンタクト140を介して導通し、基板170に設けられたスイッチ回路は、オン状態に切り替わる。
【0051】
一方、スイッチ装置100-2は、ラバーステム130の押圧操作が解除されると、ラバーステム130が、自身の弾性力によって復帰動作することにより、元の屈曲していない状態に復帰する。また、メタルコンタクト140も、自身のばね力によって復帰動作することにより、元の凸状に復帰する。これにより、メタルコンタクト140の第1固定接点171への接触が解除される。その結果、基板170に設けられたスイッチ回路は、オフ状態に切り替わる。
【0052】
以上説明したように、第1変形例に係るスイッチ装置100-2は、押圧操作体100Aと、押圧操作体100Aの下側に配置され、メタルコンタクト140の反転動作により導通状態に切り替わる固定接点171,172を有する基板170とを備える。
【0053】
これにより、第1変形例に係るスイッチ装置100-2は、従来のハウジングを設けることなく、メタルコンタクト140をラバーステム130によって支持することができるため、当該スイッチ装置100-2の部品点数を削減することができる。
【0054】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0055】
例えば、一実施形態に係る押圧操作体100Aにおいて、基部133の内周縁部の形状をラバーステム130に合わせて円形状とし、基部133の外周縁部の形状を矩形状としてもよい。この場合、保持部135は、基部133の4つの角部の各々の近傍に設けられてもよい。これにより、一実施形態に係る押圧操作体100Aは、基部133のサイズを大型化することなく、基部133の4つの角部の各々の余剰スペースに複数の保持部135を設けることができる。
【0056】
(第2変形例)
次に、図9図11を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100の第2変形例を説明する。図9は、第2変形例に係る押圧操作体200Aの外観斜視図である。図10は、第2変形例に係る押圧操作体200Aの平面図である。図11は、第2変形例に係る押圧操作体200Aの分解斜視図である。
【0057】
図9図11に示すように、第2変形例に係る押圧操作体200Aは、ラバーステム130の変わりに、ラバーステム230を備える点で、押圧操作体100Aと異なる。なお、第2変形例に係る押圧操作体200Aが供えるメタルコンタクト140は、押圧操作体100Aが供えるメタルコンタクト140と同一である。
【0058】
また、第2変形例に係る押圧操作体200Aは、一実施形態に係るスイッチ装置100と同様に、メンブレンスイッチ150および支持板160と組み合わされてもよい。また、第2変形例に係る押圧操作体200Aは、第1変形例に係るスイッチ装置100-2と同様に、基板170と組み合わされてもよい。
【0059】
押圧操作体200Aは、薄型且つ正方形状を有するため、例えばノートパソコンのキーボードの正方形状を有するキーに利用可能である。
【0060】
ラバーステム230は、操作者によって下方への押圧操作がなされる部材である。ラバーステム230は、弾性素材(例えば、シリコンゴム等)が用いられて形成される。ラバーステム230は、平板状を有しており、ラバーステム130よりも薄型である。
【0061】
ラバーステム230は、操作部231、4本の梁部232、基部233、押圧部234、4つの保持部235、および4つの第1肉抜き部236を有する。
【0062】
操作部231は、ラバーステム230の中央に設けられており、操作者によって下方への押圧操作がなされる部分である。操作部231は、押圧部234の上面から上方に突出して設けられており、概ね円筒形状を有する。操作部231の上部には、押圧操作によって弾性変形可能な4つの弾性壁部231Aが、同一円周上に等間隔(すなわち、90°間隔)で配置されている。4つの弾性壁部231Aの各々は、同一円周に沿って湾曲した薄壁状を有する。なお、操作部231は、4つの弾性壁部231Aの代わりに、3つ以下または5つ以上の弾性壁部231Aを有してもよい。また、本変形例では、操作部231の中心を基準として、4つの保持部235(すなわち、基部233の4つの角部)の各々の方向に、4つの弾性壁部231Aの各々が設けられているが、各弾性壁部231Aの設置方向はこれに限らない。
【0063】
押圧部234は、ラバーステム230の中央、且つ、操作部231の下側に設けられており、平面視において操作部231よりも僅かに大きい円環状を有する。押圧部234は、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部と対向する位置に設けられている。押圧部234は、操作部231の押圧操作(操作部231の沈み込み)に伴って、当該押圧部234の下面234Aにおいて、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部を押圧する。
【0064】
ここで、操作部231および押圧部234の中央には、操作部231および押圧部234を上下方向に貫通し、且つ、平面視にて円形状の第2肉抜き部237が形成されている。
【0065】
基部233は、平面視において正方形状の外形状を有し、且つ、押圧部234を取り囲む平板状の部分である。基部233は、4本の梁部232によって、押圧部234と接続されている。これにより、基部233は、その内側において、4本の梁部232および押圧部234を支持する。
【0066】
4つの第1肉抜き部236は、基部233の内周縁部と押圧部234の外周縁部との間において、押圧部234を取り囲むように環状に、且つ、同一円周上に沿って等間隔(すなわち、90°間隔)に設けられており、平面視において、同一円周に沿って湾曲した形状を有する。これにより、基部233の内周縁部と押圧部234の外周縁部との間には、4つの第1肉抜き部236の除いた部分が、4本の梁部232として形成されている。なお、ラバーステム230は、4つの第1肉抜き部236の代わりに、3つ以下または5つ以上の第1肉抜き部236を有してもよい。また、本変形例では、操作部231の中心を基準として、4つの保持部235(すなわち、基部233の4つの角部)の各々の方向に、4つの第1肉抜き部236の各々が設けられているが、各第1肉抜き部236の設置方向はこれに限らない。また、各第1肉抜き部236は、基部233を完全に貫通していなくてもよく、例えば、薄膜状に閉じられていてもよい。
【0067】
なお、図10に示すように、本変形例では、各第1肉抜き部236は、操作部231の中心を基準として、操作部231に設けられている一の弾性壁部231Aと同一半径方向に設けられており、且つ、半径方向において一の弾性壁部231Aの外側に設けられている。そして、半径方向と直交する方向において、第1肉抜き部236の幅W1は、一の弾性壁部231Aの幅W2以上となっている。
【0068】
4本の梁部232は、基部233の内周縁部と押圧部234の外周縁部との間に、等間隔(すなわち、90°間隔)で設けられている。4本の梁部232の各々は、押圧部234の外周縁部から、半径方向における外側に向かって、一定の幅を有して直線状に延在する平板状を有し、基部233の内周縁部に接続する。4本の梁部232は、押圧部234および操作部231を支持する。4本の梁部232の各々は、操作部231の押圧操作にともなって弾性変形する(下方に撓る)ことにより、操作部231および押圧部234を下方へ沈み込ませつつ、操作部231に対して操作荷重を付与することができる。なお、ラバーステム230は、4本の梁部232の代わりに、3本または5本以上の梁部232を有してもよい。
【0069】
4つの保持部235の各々は、基部233の4つの角部の各々に設けられている。4つの保持部235の各々は、操作部231の中心に向かって、一定の幅を有して切り欠かれた形状を有する。4つの保持部235の各々には、メタルコンタクト140が有する4つの脚部142の各々が配置される。これにより、基部233は、4つの保持部235の各々によって、4つの脚部142の各々を保持する。なお、ラバーステム230が備える保持部235の構成は、ラバーステム130が備える保持部135の構成と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0070】
上記のように構成された第2変形例に係るラバーステム230は、操作部231の下方(Z軸負方向)への押圧操作により、メタルコンタクト140を反転動作させて、スイッチ回路(図示省略)をオン状態に切り替わることができる。
【0071】
具体的には、第2変形例に係るラバーステム230は、操作部231が下方へ押圧操作されると、梁部232が弾性変形(下方への撓り)しながら、操作部231とともに押圧部234が下方へ移動する。そして、押圧部234が、メタルコンタクト140のドーム部141の頂部を押圧する。そして、メタルコンタクト140のドーム部141に加わる荷重がしきい値を超えると、メタルコンタクト140のドーム部141が急激に反転動作する。この反転動作により、操作部231の押圧操作に対してクリック感が呈示されるとともに、スイッチ回路がオン状態に切り替わる。
【0072】
一方、第2変形例に係るラバーステム230は、操作部231の押圧操作が解除されると、梁部232の弾性力によって、操作部231および押圧部234が上方へ移動して初期状態に復帰する。また、メタルコンタクト140も、自身のばね力によって復帰動作することにより、元の凸状に復帰する。これにより、スイッチ回路がオフ状態に切り替わる。
【0073】
第2変形例に係るラバーステム230によれば、押圧部234の内側に第2肉抜き部237を有し、且つ、押圧部234の外側に第1肉抜き部236を有するため、操作部231が下方へ押圧操作されて、操作部231が押圧部234を押し潰したときに、押圧部234を内側方向および外側方向の双方向に押し広げることができるため、押圧部234の圧縮量を増やすことができる。これにより、第2変形例に係るラバーステム230は、比較的低い押圧操作荷重であっても、比較的大きな操作部231のストローク量(メタルコンタクト140の頂部のストローク量よりも大きなストローク量)を得ることができる。
【0074】
また、第2変形例に係るラバーステム230によれば、操作部231の上部に弾性壁部231Aが設けられているため、操作部231が下方へ押圧操作されて、操作部231が押圧部234を押し潰すときに、弾性壁部231Aも押し潰されて弾性変形することにより、操作部231のストローク量をさらに大きくすることができる。
【0075】
(第3変形例)
次に、図12図15を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100の第3変形例を説明する。図12は、第3変形例に係る押圧操作体300Aの外観斜視図である。図13は、第3変形例に係る押圧操作体300Aの平面図である。図14は、第3変形例に係る押圧操作体300Aの分解斜視図である。図15は、第3変形例に係る押圧操作体300Aの断面図である。
【0076】
図12図15に示すように、第3変形例に係る押圧操作体300Aは、ラバーステム330およびメタルコンタクト340を備える。
【0077】
第3変形例に係る押圧操作体300Aは、一実施形態に係るスイッチ装置100と同様に、メンブレンスイッチ150および支持板160と組み合わされてもよい。また、第3変形例に係る押圧操作体300Aは、第1変形例に係るスイッチ装置100-2と同様に、基板170と組み合わされてもよい。
【0078】
押圧操作体300Aは、薄型且つ横長の長方形状を有するため、例えばノートパソコンのキーボードの横長の長方形状を有するキーに利用可能である。
【0079】
メタルコンタクト340は、「反転ばね」の一例である。メタルコンタクト340は、金属板が用いられて形成される。メタルコンタクト340は、ドーム部341と、2つの脚部342とを有する。
【0080】
ドーム部341は、平面視において横長の長円形状(円形状の両サイドを直線状にカットした形状)、且つ、上方に向かって凸状の、ドーム形状を有する。ドーム部341は、を有する。ドーム部341は、ラバーステム330の裏側から、ラバーステム330の基部333に囲まれた空間330B内に配置される。ドーム部341は、その頂部(中央部)がラバーステム330の押圧部334によって押圧されて反転動作することにより、下方に向かって凹状に変形する。
【0081】
2つの脚部342は、ドーム部341の左右両縁部(すなわち、左右一対の短辺部分)の各々に配置されている。2つの脚部342の各々は、ドーム部341の左右両縁部の各々から、左右方向(Y軸方向)における外側且つ上方に向かって延出して設けられている。2つの脚部342の各々は、図15に示すように、ラバーステム330の基部333の裏側に設けられた保持部335の開口部335Aを通じて、当該保持部335に挿通される。これにより、2つの脚部342の各々は、ラバーステム330の基部333に設けられた2つの保持部335の各々によって保持される。また、2つの脚部342の各々は、その根元部分(ドーム部341の外周縁部に繋がる部分)の近傍において、V字状に折り曲げられた折り曲げ部342A(図15参照)を有しており、当該折り曲げ部342Aが、押圧操作体300Aが設置される設置面10(図15参照)に着地する。これにより、メタルコンタクト340は、2つの脚部342の各々によって、押圧操作体300Aが設置される設置面10で支持される。
【0082】
ラバーステム330は、操作者によって下方への押圧操作がなされる部材である。ラバーステム330は、弾性素材(例えば、シリコンゴム等)が用いられて形成される。ラバーステム330は、平板状を有しており、ラバーステム130よりも薄型である。
【0083】
ラバーステム330は、操作部331、4本の梁部332、基部333、押圧部334、2つの保持部335、および4つの第1肉抜き部336を有する。
【0084】
操作部331は、ラバーステム330の中央に設けられており、操作者によって下方への押圧操作がなされる部分である。操作部331は、押圧部334の上面から上方に突出して設けられており、概ね円筒形状を有する。操作部331の上部には、押圧操作によって弾性変形可能な4つの弾性壁部331Aが、同一円周上に等間隔(すなわち、90°間隔)で配置されている。4つの弾性壁部331Aの各々は、同一円周に沿って湾曲した薄壁状を有する。なお、操作部331は、4つの弾性壁部331Aの代わりに、3つ以下または5つ以上の弾性壁部331Aを有してもよい。また、本変形例では、操作部331の中心を基準として、X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向(一の保持部335方向)、およびY軸負方向(他の保持部335方向)の各々に、4つの弾性壁部331Aの各々が設けられているが、各弾性壁部331Aの設置方向はこれに限らない。
【0085】
押圧部334は、ラバーステム330の中央、且つ、操作部331の下側に設けられており、平面視において操作部331よりも僅かに大きい円環状を有する。押圧部334は、メタルコンタクト340のドーム部341の頂部と対向する位置に設けられている。押圧部334は、操作部331の押圧操作(操作部331の沈み込み)に伴って、当該押圧部334の下面334A(図15参照)において、メタルコンタクト340のドーム部341の頂部を押圧する。
【0086】
ここで、押圧部334の中央には、当該押圧部334を上下方向に貫通し、且つ、平面視にて円形状の第2肉抜き部337が形成されている。
【0087】
基部333は、平面視において左右方向(Y軸方向)を長手方向とする長方形状の外形状を有し、且つ、押圧部334を取り囲む平板状の部分である。基部333は、4本の梁部332によって、押圧部334と接続されている。これにより、基部333は、その内側において、4本の梁部332および押圧部334を支持する。
【0088】
4つの第1肉抜き部336は、基部333の内周縁部と押圧部334の外周縁部との間において、押圧部334を取り囲むように環状に、且つ、同一円周上に沿って等間隔(すなわち、90°間隔)に設けられており、平面視において、同一円周に沿って湾曲した形状を有する。これにより、基部333の内周縁部と押圧部334の外周縁部との間には、4つの第1肉抜き部336の除いた部分が、4本の梁部332として形成されている。なお、ラバーステム330は、4つの第1肉抜き部336の代わりに、3つ以下または5つ以上の第1肉抜き部336を有してもよい。また、本変形例では、操作部331の中心を基準として、X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向(一の保持部335方向)、およびY軸負方向(他の保持部335方向)の各々に、4つの第1肉抜き部336の各々が設けられているが、各第1肉抜き部336の設置方向はこれに限らない。また、各第1肉抜き部336は、基部333を完全に貫通していなくてもよく、例えば、薄膜状に閉じられていてもよい。
【0089】
なお、図13に示すように、本変形例では、各第1肉抜き部336は、操作部331の中心を基準として、操作部331に設けられている一の弾性壁部331Aと同一半径方向に設けられており、且つ、半径方向において一の弾性壁部331Aの外側に設けられている。そして、半径方向と直交する方向において、第1肉抜き部336の幅W3は、一の弾性壁部331Aの幅W4以上となっている。
【0090】
4本の梁部332は、基部333の内周縁部と押圧部334の外周縁部との間に、等間隔(すなわち、90°間隔)で設けられている。4本の梁部332の各々は、押圧部334の外周縁部から、半径方向における外側に向かって、一定の幅を有して直線状に延在する平板状を有し、基部333の内周縁部に接続する。4本の梁部332は、押圧部334および操作部331を支持する。4本の梁部332の各々は、操作部331の押圧操作にともなって弾性変形する(下方に撓る)ことにより、操作部331および押圧部334を下方へ沈み込ませつつ、操作部331に対して操作荷重を付与することができる。なお、ラバーステム330は、4本の梁部332の代わりに、3本または5本以上の梁部332を有してもよい。
【0091】
2つの保持部335の各々は、基部333の左右方向(Y軸方向)における両端部の各々(すなわち、一対の短辺部分の各々)に設けられている。2つの保持部335の各々は、操作部331の中心に向かって、一定の幅を有して切り欠かれた形状を有する。2つの保持部335の各々には、メタルコンタクト340が有する2つの脚部342の各々が配置される。これにより、基部333は、2つの保持部335の各々によって、2つの脚部342の各々を保持する。なお、ラバーステム330が備える保持部335の構成は、ラバーステム130が備える保持部335の構成と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0092】
上記のように構成された第3変形例に係るラバーステム330は、操作部331の下方(Z軸負方向)への押圧操作により、メタルコンタクト340を反転動作させて、スイッチ回路(図示省略)をオン状態に切り替わることができる。
【0093】
具体的には、第3変形例に係るラバーステム330は、操作部331が下方へ押圧操作されると、梁部332が弾性変形(下方への撓り)しながら、操作部331とともに押圧部334が下方へ移動する。そして、押圧部334が、メタルコンタクト340のドーム部341の頂部を押圧する。そして、メタルコンタクト340のドーム部341に加わる荷重がしきい値を超えると、メタルコンタクト340のドーム部341が急激に反転動作する。この反転動作により、操作部331の押圧操作に対してクリック感が呈示されるとともに、スイッチ回路がオン状態に切り替わる。
【0094】
一方、第3変形例に係るラバーステム330は、操作部331の押圧操作が解除されると、梁部332の弾性力によって、操作部331および押圧部334が上方へ移動して初期状態に復帰する。また、メタルコンタクト340も、自身のばね力によって復帰動作することにより、元の凸状に復帰する。これにより、スイッチ回路がオフ状態に切り替わる。
【0095】
第3変形例に係るラバーステム230によれば、押圧部334の内側に第2肉抜き部337を有し、且つ、押圧部334の外側に第1肉抜き部336を有するため、操作部331が下方へ押圧操作されて、操作部331が押圧部334を押し潰したときに、押圧部334を内側方向および外側方向の双方向に押し広げることができるため、押圧部334の圧縮量を増やすことができる。これにより、第3変形例に係るラバーステム230は、比較的低い押圧操作荷重であっても、比較的大きな操作部331のストローク量(メタルコンタクト340の頂部のストローク量よりも大きなストローク量)を得ることができる。
【0096】
また、第3変形例に係るラバーステム230によれば、操作部331の上部に弾性壁部331Aが設けられているため、操作部331が下方へ押圧操作されて、操作部331が押圧部334を押し潰すときに、弾性壁部331Aも押し潰されて弾性変形することにより、操作部331のストローク量をさらに大きくすることができる。
【0097】
(第4変形例)
次に、図16図18を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100の第4変形例を説明する。図16は、第4変形例に係る押圧操作体400Aの外観斜視図である。図17は、第4変形例に係る押圧操作体400Aの分解斜視図である。図18は、第4変形例に係る押圧操作体400Aの断面図である。
【0098】
図16図18に示すように、第4変形例に係る押圧操作体400Aは、ラバーステム410、メタルコンタクト420、および保護シート430を備える。
【0099】
ラバーステム410は、操作者によって下方への押圧操作がなされる部材である。ラバーステム410は、弾性素材(例えば、シリコンゴム等)が用いられて形成される。ラバーステム410は、操作部411、4本の梁部412、基部413、押圧部414、4つの保持部415、および4つの第1肉抜き部416を有する。ラバーステム410は、図9図11に示すラバーステム230と略同様の構成を有するため、詳細な説明を省略する。但し、ラバーステム410は、上方からの平面視において、基部413の外形状が円形状を有する点で、ラバーステム230と異なる。
【0100】
メタルコンタクト420は、金属板が用いられて形成されるドーム状の部材である。メタルコンタクト420は、中央に円形の開口部141Aが形成されたドーム部421と、ドーム部421の外周縁部において90度間隔で配置された4つの脚部422とを有する。メタルコンタクト420は、ラバーステム410の基部413に囲まれた空間413B内に配置される。メタルコンタクト420は、メタルコンタクト140と略同様の構成を有する。メタルコンタクト420は、メタルコンタクト140と同様に、ドーム部421の頂部(中央部)がラバーステム410の押圧部414によって押圧されて反転動作することにより、下方に向かって凹状に変形する。これにより、メタルコンタクト420は、ドーム部421の頂部の裏側の部分で、メンブレンスイッチ150を押圧することにより、メンブレンスイッチ150をオン状態に切り替えることができる。但し、メタルコンタクト420は、脚部422の形状が舌片状を有する点で、メタルコンタクト140の脚部142と異なる。
【0101】
保護シート430は、上方からの平面視において円環状を有する、樹脂製且つシート状の部材である。保護シート430は、ラバーステム410の基部413に囲まれた空間413B内において、メタルコンタクト420の下側に重ねて配置される(図18参照)。これにより、保護シート430は、メタルコンタクト420の裏面を保護する。保護シート430の外径は、メタルコンタクト420の外径と略等しい。保護シート430は、外周縁部において90度間隔で配置された4つの突出部431を有する。4つの突出部431は、保護シート430の外周縁部から径方向における外側に突出した舌片状を有する。4つの突出部431の各々は、メタルコンタクト420の4つの脚部422の各々の裏面を保護する。保護シート430の中央(すなわち、メタルコンタクト140の頂部と重なる位置)には、円形の開口部430Aが形成されている。これにより、第4変形例に係る押圧操作体400Aは、保護シート430の開口部430A内で、メタルコンタクト420の頂部の裏側の部分が、メンブレンスイッチ150を押圧して、メンブレンスイッチ150をオン状態に切り替えることができるようになっている。
【0102】
第4変形例に係る押圧操作体400Aでは、メタルコンタクト420の4つの脚部422の各々は、図18に示すように、ラバーステム410の空間413B内から、ラバーステム410の保持部415内に挿通されて、保持部415が有する載置面415A上に載置される。これにより、メタルコンタクト420の4つの脚部422の各々は、ラバーステム410の4つの保持部415の各々によって保持される。
【0103】
ここで、図18に示すように、メタルコンタクト420の4つの脚部422の各々は、保護シート430の突出部431の上側に重ねられた状態で、保護シート430の突出部431とともに、ラバーステム410の保持部415内に挿通されて、保持部415が有する載置面415A上に載置される。
【0104】
これにより、第4変形例に係る押圧操作体400Aは、ラバーステム410の保持部415内において、メタルコンタクト420の脚部422の底面側を、保護シート430の突出部431によって保護することができる。このため、第4変形例に係る押圧操作体400Aは、ラバーステム410の基部413の底面部分を接着剤によって接着する際に、基部413に囲まれた空間413B内に溢れだした接着剤が、ラバーステム410の保持部415内に入り込んで、メタルコンタクト420の脚部422に付着してしまうことを抑制することができる。したがって、第4変形例に係る押圧操作体400Aによれば、メタルコンタクト420の反転動作が接着剤の影響を受けないようにすることができる。
【0105】
(第5変形例)
次に、図19図22を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100の第5変形例を説明する。図19は、第5変形例に係るスイッチ装置500の外観斜視図である。図20および図21は、第5変形例に係るスイッチ装置500の分解斜視図である。図22は、第5変形例に係るスイッチ装置500の断面図である。
【0106】
図19図22に示すように、第5変形例に係るスイッチ装置500は、押圧操作体500Aと、メンブレンスイッチ550とを備える。スイッチ装置500は、メンブレンスイッチ550の上面に、押圧操作体500Aが配置された構成を有する。
【0107】
押圧操作体500Aは、図12図15に示す押圧操作体300Aと同様に、薄型且つ横長の長方形状を有するため、例えばノートパソコンのキーボードが備える横長の長方形状を有するキーに利用可能である。押圧操作体500Aは、ラバーステム510、メタルコンタクト520、および保護シート530を備える。
【0108】
ラバーステム510は、操作者によって下方への押圧操作がなされる部材である。ラバーステム510は、弾性素材(例えば、シリコンゴム等)が用いられて形成される。ラバーステム510は、操作部511、4本の梁部512、基部513、押圧部514、2つの保持部515、および4つの第1肉抜き部516を有する。ラバーステム510は、図12図15に示すラバーステム330と略同様の構成を有するため、詳細な説明を省略する。
【0109】
メタルコンタクト520は、金属板が用いられて形成されるドーム状の部材である。メタルコンタクト520は、ドーム部521と、ドーム部521の外周縁部の一対の短辺部分に設けられた2つの脚部522とを有する。メタルコンタクト520は、ラバーステム510の裏側から、ラバーステム510の基部513に囲まれた空間513B内に配置される。メタルコンタクト520は、図12図15に示すメタルコンタクト340と略同様の構成を有する。
【0110】
メタルコンタクト520は、図12図15に示すメタルコンタクト340と同様に、ドーム部521の頂部(中央部)がラバーステム510の押圧部514によって押圧されて反転動作することにより、下方に向かって凹状に変形する。これにより、メタルコンタクト520は、ドーム部521の頂部の裏側の部分で、保護シート530の裏面に設けられているプロジェクション532を押圧し、当該プロジェクション532を介して、メンブレンスイッチ550を押圧することにより、メンブレンスイッチ550をオン状態に切り替えることができる。
【0111】
保護シート530は、上方からの平面視において横長の長方形状を有する、樹脂製且つシート状の部材である。保護シート530は、ラバーステム510の基部513に囲まれた空間513B内において、メタルコンタクト520の下側に重ねて配置される(図22参照)。これにより、保護シート530は、メタルコンタクト520の裏面を保護する。保護シート530は、一対の短辺部分に互いに対向して配置された2つの突出部531を有する。2つの突出部531は、保護シート530の短辺部分から外側に突出した舌片状を有する。2つの突出部531の各々は、メタルコンタクト520の2つの脚部522の各々の裏面を保護する。
【0112】
第5変形例に係る押圧操作体500Aでは、メタルコンタクト520の2つの脚部522の各々は、図22に示すように、ラバーステム510の空間513B内から、ラバーステム510の保持部515内に挿通されて、保持部515が有する載置面515A上に載置される。これにより、メタルコンタクト520の2つの脚部522の各々は、ラバーステム510の2つの保持部515の各々によって保持される。
【0113】
ここで、図22に示すように、メタルコンタクト520の2つの脚部522の各々は、保護シート530の突出部531の上側に重ねられた状態で、保護シート530の突出部531とともに、ラバーステム510の保持部515内に挿通されて、保持部515が有する載置面515A上に載置される。
【0114】
これにより、第5変形例に係る押圧操作体500Aは、ラバーステム510の保持部515内において、メタルコンタクト520の脚部522の底面側を、保護シート530の突出部531によって保護することができる。このため、第5変形例に係る押圧操作体500Aは、ラバーステム510の基部513の底面部分を接着剤によって接着する際に、基部513に囲まれた空間513B内に溢れだした接着剤が、ラバーステム510の保持部515内に入り込んで、メタルコンタクト520の脚部522に付着してしまうことを抑制することができる。したがって、第5変形例に係る押圧操作体500Aによれば、メタルコンタクト520の反転動作が接着剤の影響を受けないようにすることができる。
【0115】
また、第5変形例に係る押圧操作体500Aは、保護シート530の裏面の中央部(すなわち、メタルコンタクト520の頂部と重なる位置)に、樹脂製且つ円柱状のプロジェクション532が接着されて設けられている。
【0116】
これにより、第5変形例に係る押圧操作体500Aは、メタルコンタクト520が反転動作したときに、メタルコンタクト520のドーム部521の頂部の裏側の部分で、保護シート530の裏面に設けられているプロジェクション532を押圧し、当該プロジェクション532を介して、メンブレンスイッチ550を押圧することにより、メンブレンスイッチ550をオン状態に切り替えることができる。
【0117】
このように、第5変形例に係る押圧操作体500Aは、プロジェクション532を介してメンブレンスイッチ550を押圧することにより、メンブレンスイッチ550の中央部をプロジェクション532によって局所的に確実に押圧することができ、且つ、メンブレンスイッチ550を押圧する押圧荷重を高めることができる。
【0118】
(第6変形例)
次に、図23図30を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100の第6変形例を説明する。図23は、第6変形例に係るラバーステム610の外観斜視図である。図24は、第6変形例に係るラバーステム610の底面の構成の第1例を示す底面図である。図25は、第6変形例に係るラバーステム610の底面の構成の第2例を示す底面図である。図26は、第6変形例に係るラバーステム610の底面の構成の第3例を示す底面図である。
【0119】
図23に示すように、第6変形例に係るラバーステム610は、図12図15に示すラバーステム330と同様に、薄型且つ横長の長方形状を有するため、例えばノートパソコンのキーボードが備える横長の長方形状を有するキーに利用可能である。
【0120】
ラバーステム610は、操作者によって下方への押圧操作がなされる部材である。ラバーステム610は、弾性素材(例えば、シリコンゴム等)が用いられて形成される。ラバーステム610は、操作部611、2本の梁部612、基部613、押圧部614、2つの保持部615、および4つの第1肉抜き部616を有する。
【0121】
ラバーステム610は、図12図15に示すラバーステム330と略同様の構成を有する。但し、ラバーステム610は、以下に説明する点で、図12図15に示すラバーステム330と異なる。
【0122】
まず、ラバーステム610は、操作部611が、概ね円柱形状を有する。操作部611の上部には、押圧操作によって弾性変形可能な4つの弾性壁部611Aが、同一円周上に等間隔(すなわち、90°間隔)で配置されている。4つの弾性壁部611Aの各々は、同一円周に沿って湾曲した厚壁状を有する。また、操作部611の上部の中央には、円柱状の中央突起611Bが設けられている。
【0123】
また、ラバーステム610は、操作部611から長手方向(Y軸正方向およびY軸負方向)に延びる2本の梁部612を有し、各梁部612が、操作部611よりも長手方向側(Y軸正側およびY軸負側)に形成された2つの第1肉抜き部616の間に形成されている。
【0124】
また、図24図26に示すように、ラバーステム610は、押圧部614の底面614Aに、第1突出押圧部614Bと、2つの第2突出押圧部614Cとが設けられている。
【0125】
第1突出押圧部614Bは、押圧部614の底面614Aにおける中央部において、下方に突出して設けられている。第1突出押圧部614Bは、円柱形状を有する。第1突出押圧部614Bは、メタルコンタクト620の頂部の中央部を押圧する。
【0126】
2つの第2突出押圧部614Cは、押圧部614の底面614Aにおける周辺部において、下方に突出して設けられている。2つの第2突出押圧部614Cは、ラバーステム610の長手方向(Y軸方向)において、第1突出押圧部614Bを間に挟んで対称的に設けられている。第2突出押圧部614Cは、押圧部614の底面614Aがなす円形状と同心円上に沿って湾曲した薄壁状を有する。第2突出押圧部614Cは、メタルコンタクト620の頂部の外周部を押圧する。
【0127】
(押圧操作体600Aの動作)
図27は、第6変形例に係る押圧操作体600Aの動作時の断面図である。図27に示す押圧操作体600Aは、図23図26に示すラバーステム610およびメタルコンタクト620を備える。
【0128】
メタルコンタクト620は、図12図15に示すメタルコンタクト340と同様に、平面視において横長の長円形状(円形状の両サイドを直線状にカットした形状)、且つ、上方に向かって凸状の、ドーム形状を有する。メタルコンタクト620は、2つの脚部622が、ラバーステム610の2つの保持部615によって保持されている。
【0129】
第6変形例に係る押圧操作体600Aは、ラバーステム610の押圧操作がなされたとき、ラバーステム610が備える2つの第2突出押圧部614Cによって、メタルコンタクト620のドーム部621の頂部の外周部を押圧することで、ラバーステム610の押圧操作の移動量が所定量に達したとき、メタルコンタクト620のドーム部621の頂部の外周部よりも内側の部分を反転させることができる。この際、押圧操作体600Aは、押圧操作の操作荷重が急激に減少するため、操作者に対してクリック操作感を呈示できる。押圧操作体600Aは、メタルコンタクト620のドーム部621の頂部が反転した時点では、メンブレンスイッチ(図示省略)をオン状態に切り替えない。
【0130】
そして、第6変形例に係る押圧操作体600Aは、メタルコンタクト620のドーム部621の頂部が反転した後、さらにラバーステム610の押圧操作の移動量が増加したとき、2つの第2突出押圧部614Cを押し縮めるとともに、2つの第2突出押圧部614Cと第1突出押圧部614Bとによって、メタルコンタクト620のドーム部621の頂部を反転状態のままさらに押圧し、メンブレンスイッチをオン状態に切り替えることができる。
【0131】
この際、第6変形例に係る押圧操作体600Aは、2つの第2突出押圧部614Cが押し縮められたときに、第1突出押圧部614Bがメタルコンタクト620のドーム部621の頂部を押圧できるように、2つの第2突出押圧部614Cの突出量は、第1突出押圧部614Bの突出量よりも大きくなっている(図27参照)。
【0132】
このように、第6変形例に係る押圧操作体600Aは、ラバーステム610に2つの第2突出押圧部614Cを設けたことにより、メタルコンタクト620のドーム部621の頂部が反転した後も、押圧操作の移動量を増加させることができ、すなわち、いわゆるオーバーストローク操作を実現することができる。
【0133】
なお、図24図26では、バリエーションの一例として、第2突出押圧部614Cの位置(第1突出押圧部614Bからの離間距離)と、第2突出押圧部614Cの周方向の長さとを異ならせている。
【0134】
(押圧操作の荷重特性の一例)
図28図30は、第6変形例に係る押圧操作体600Aにおける押圧操作の荷重特性の一例を示す図である。
【0135】
図28は、第6変形例に係る押圧操作体600Aにおいて、第2突出押圧部614Cの位置および長さを、図24に示す構成としたときの、押圧操作の荷重特性およびメタルコンタクト620の接圧の変化を示す。
【0136】
図29は、第6変形例に係る押圧操作体600Aにおいて、第2突出押圧部614Cの位置および長さを、図25に示す構成としたときの、押圧操作の荷重特性およびメタルコンタクト620の接圧の変化を示す。
【0137】
図30は、第6変形例に係る押圧操作体600Aにおいて、第2突出押圧部614Cの位置および長さを、図26に示す構成としたときの、押圧操作の荷重特性およびメタルコンタクト620の接圧の変化を示す。
【0138】
このように、第6変形例に係る押圧操作体600Aは、第2突出押圧部614Cの位置(第1突出押圧部614Bからの離間距離)と、第2突出押圧部614Cの周方向の長さとを調整することにより、押圧操作の荷重特性およびメタルコンタクト620の接圧を調整することができる。
【0139】
(第7変形例)
次に、図31図35を参照して、一実施形態に係るスイッチ装置100の第7変形例を説明する。図31は、第7変形例に係る押圧操作体700Aの外観斜視図である。図32は、第7変形例に係る押圧操作体700Aの分解斜視図である。図33は、第7変形例に係る押圧操作体700Aの断面図である。
【0140】
図31に示すように、第7変形例に係る押圧操作体700Aは、薄型且つ横長の長方形状を有するため、例えばノートパソコンのキーボードが備える横長の長方形状を有するキーに利用可能である。
【0141】
図31図33に示すように、第7変形例に係る押圧操作体700Aは、ラバーステム710、メタルコンタクト720、およびハウジング730を備える。
【0142】
ラバーステム710は、操作者によって下方への押圧操作がなされる部材である。ラバーステム710は、弾性素材(例えば、シリコンゴム等)が用いられて形成される。ラバーステム710は、操作部711、4本の梁部712、基部713、押圧部714、3つの係合部715、および4つの第1肉抜き部716を有する。ラバーステム710は、平板状を有しており、図1図8に示すラバーステム130よりも薄型である。
【0143】
ラバーステム710は、図12図15に示すラバーステム330と略同様の構成を有するため、詳細な説明を省略する。但し、ラバーステム710は、上方からの平面視において基部713の外形状が円形状を有する。また、ラバーステム710は、基部の713の外周縁部に3つの係合部715が90°間隔で設けられている。各係合部715は、基部の713の外周縁部から半径方向における外側に向かって突出して設けられている。
【0144】
メタルコンタクト720は、金属板が用いられて形成されるドーム状の部材である。メタルコンタクト720は、ドーム部721と、4つの脚部722とを有する。
【0145】
ドーム部721は、平面視において円形状、且つ、上方に向かって凸状のドーム状を有する。ドーム部721は、その頂部(中央部)がラバーステム710の押圧部714によって押圧されて反転動作することにより、下方に向かって凹状に変形する。これにより、ドーム部721は、その頂部の裏側の部分で、メンブレンスイッチ(図示省略)を押圧することにより、メンブレンスイッチをオン状態に切り替えることができる。なお、ドーム部721の中央には、開口部721Aが形成されており、当該開口部721A内には、舌片状の舌片部723が設けられている。これにより、メタルコンタクト720は、舌片部723によって、メンブレンスイッチ(図示省略)を押圧できるようになっている。
【0146】
4つの脚部722は、ドーム部721の外周縁部において90度間隔で配置されている。4つの脚部722の各々は、ドーム部721の外周縁部から半径方向における外側に向かって一定の幅を有して突出して設けられており、側方視において、V字状に折り曲げられた形状を有する。
【0147】
ハウジング730は、樹脂製且つ平板状の部材である。ハウジング730は、上方からの平面視において、概ね横長の長方形状を有する。ハウジング730は、中央に開口部731が形成されている。開口部731は、上方からの平面視において、メタルコンタクト720のドーム部721よりも僅かに大きい円形状を有する。ハウジング730は、開口部731の外周縁部において90度間隔で配置され、且つ、開口部731の外周縁部から半径方向における外側に向かって一定の幅を有して切り欠かれた、4つの保持部732を有する。各保持部732の内部の奥底部には、水平な平面状の載置面732Aが設けられている。
【0148】
(ハウジング730による保持構成)
図34および図35は、第7変形例に係る押圧操作体700Aが備えるハウジング730による保持構成を説明するための図である。図34は、メタルコンタクト720を保持した状態のハウジング730を示す。図35は、ラバーステム710およびメタルコンタクト720を保持した状態のハウジング730を示す。
【0149】
ハウジング730の開口部731内には、ラバーステム710の下側にメタルコンタクト720が重ねられた状態で、ラバーステム710およびメタルコンタクト720が配置される。
【0150】
具体的には、初めに、図34に示すように、メタルコンタクト720の開口部731内に、メタルコンタクト720が配置される。その際、メタルコンタクト720の4つの脚部722の各々が、ハウジング730に形成された4つの保持部732の各々の内部に嵌まり込んで、当該脚部722の先端部722Aが、保持部732に設けられた載置面732Aに載置される。これにより、メタルコンタクト720は、ハウジング730の開口部731内の所定の高さ位置に配置された状態で、4つの脚部722において、ハウジング730によって保持(下側から支持)される。
【0151】
続いて、図35に示すように、メタルコンタクト720の開口部731内において、メタルコンタクト720の上側に、ラバーステム710が配置される。その際、ハウジング730において開口部731の周縁部から半径方向における内側に向かって突出して設けられた3つの係合突起733の各々が、ラバーステム710に設けられた3つの係合部715の各々の凹部715Aに嵌まり込む。これにより、ラバーステム710は、ハウジング730の開口部731内の所定の高さ位置に配置された状態で、3つの係合部715において、ハウジング730によって保持される。
【0152】
なお、ラバーステム710がハウジング730によって保持されることにより、ハウジング730の開口部731は、ラバーステム710によって閉塞される。これにより、メタルコンタクト720がハウジング730の開口部731から上方に抜け落ちないように、メタルコンタクト720の上方への移動が規制される。
【0153】
本国際出願は、2021年6月7日に出願した日本国特許出願第2021-094898号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0154】
10 設置面
100,100-2 スイッチ装置
130 ラバーステム
130A 凹部
130B 空間
131 操作部
132 支持脚
133 基部
134 押圧部
134A 接触面
135 保持部
135A 開口部
135B 突出部
135Ba 傾斜面
140 メタルコンタクト
141 ドーム部
142 脚部
142A 折り曲げ部
150 メンブレンスイッチ
151 上側シート
152 下側シート
160 支持板
170 基板
171 第1固定接点
172 第2固定接点
200A,300A 押圧操作体
230,330 ラバーステム
330B 空間
231,331 操作部
231A,331A 弾性壁部
232,332 梁部
233,333 基部
234,334 押圧部
235,335 保持部
335A 開口部
236,336 第1肉抜き部
237,337 第2肉抜き部
340 メタルコンタクト
341 ドーム部
342 脚部
342A 折り曲げ部
400A,500A,600A,700A 押圧操作体
410,510,610 ラバーステム
420,520,620,720 メタルコンタクト
421,521,621,721 ドーム部
721A 開口部
422,522,622,722 脚部
723 舌片部
430,530 保護シート
431,531 突出部
500 スイッチ装置
411,511,611,711 操作部
611A 弾性壁部
611B 中央突起
412,512,612,712 梁部
413,513,613,713 基部
413B 空間
414,514,614,714 押圧部
614A 底面
614B 第1突出押圧部
614C 第2突出押圧部
415,515,615保持部
415A 載置面
416,516,616,716 第1肉抜き部
532 プロジェクション
550 メンブレンスイッチ
715 係合部
730 ハウジング
731 開口部
732 保持部
732A 載置面
733 係合突起
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