(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-02
(45)【発行日】2024-05-14
(54)【発明の名称】入室管理システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
E05B49/00 R
(21)【出願番号】P 2023570533
(86)(22)【出願日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2021048645
(87)【国際公開番号】W WO2023127046
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2024-03-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木皿 尚宏
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-192035(JP,A)
【文献】特開2020-177545(JP,A)
【文献】特開2020-54651(JP,A)
【文献】国際公開第2020/188680(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/167291(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00-49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の周囲に配置され、来訪者の顔画像データと音声データとを取得すると共に音声を出力するインターホン子機と、
前記建物のドアに設けられ
、前記インターホン子機と接続された電気錠と、
前記インターホン子機と前記電気錠とに接続されるサーバと
、
前記サーバと前記インターホン子機と接続されたインターホン親機とを含み、
前記サーバは、前記インターホン子機から前記来訪者の顔画像データを取得して前記来訪者の顔認証を行うと共に、前記インターホン子機から前記来訪者に音声ガイダンスを出力させ、前記音声ガイダンスに対する前記来訪者の応答の音声データを取得し、取得した応答の音声データに基づいて前記来訪者の音声応答認証を行い、
前記顔認証に成功し、且つ前記音声応答認証に成功した場合に前記電気錠の解錠を行
い、
前記顔認証又は前記音声応答認証に失敗した場合には、前記電気錠の解錠を行わずに認証失敗信号を前記インターホン親機に出力し、
前記インターホン親機は、前記サーバから前記認証失敗信号が入力された場合で、オペレータにより前記電気錠の解錠指令が入力された場合には、前記電気錠の前記解錠指令を前記インターホン子機に出力し、
前記インターホン子機は、前記インターホン親機から前記電気錠の前記解錠指令が入力された場合には、入力された前記解錠指令を前記電気錠に出力し、前記電気錠の解錠を行うこと、
を特徴とする入室管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の入室管理システムであって、
前記来訪者は、前記建物に荷物を搬入又は前記建物から前記荷物を搬出する配送者であり、
前記音声ガイダンスは、前記荷物の搬送予定日時、搬出入場所、搬出/搬入区分、前記荷物の搬入元または前記荷物の搬出先、搬送管理番号、荷物個数を含む前記荷物の搬送予定情報に関する複数の質問を含み、
前記サーバは、前記質問に対する前記配送者の応答が全て正解の場合に前記音声応答認証に成功したと判断すること、
を特徴とする入室管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、顔認証と音声応答認証を用いた入室管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者の個人情報と来訪情報と、事前に登録されている顔画像などの生体情報とに基づいてセキュリティエリアのゲートの開放を行う管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、来訪者のセキュリティエリアへの入室目的が事前に登録されている来訪情報と異なる場合がある。このような場合には、来訪者に入室を許可しないようにする必要があるが特許文献1に記載の従来技術では、このような場合にも来訪者の入室を許可してしまう場合があり、セキュリティ上問題になる場合があった。
【0005】
そこで、本開示は、来訪者の入室管理のセキュリティ性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の入室管理システムは、建物の周囲に配置され、来訪者の顔画像データと音声データとを取得すると共に音声を出力するインターホン子機と、前記建物のドアに設けられ、前記インターホン子機と接続された電気錠と、前記インターホン子機と前記電気錠とに接続されるサーバと、前記サーバと前記インターホン子機と接続されたインターホン親機とを含み、前記サーバは、前記インターホン子機から前記来訪者の顔画像データを取得して前記来訪者の顔認証を行うと共に、前記インターホン子機から前記来訪者に音声ガイダンスを出力させ、前記音声ガイダンスに対する前記来訪者の応答の音声データを取得し、取得した応答の音声データに基づいて前記来訪者の音声応答認証を行い、前記顔認証に成功し、且つ前記音声応答認証に成功した場合に前記電気錠の解錠を行い、前記顔認証又は前記音声応答認証に失敗した場合には、前記電気錠の解錠を行わずに認証失敗信号を前記インターホン親機に出力し、前記インターホン親機は、前記サーバから前記認証失敗信号が入力された場合で、オペレータにより前記電気錠の解錠指令が入力された場合には、前記電気錠の前記解錠指令を前記インターホン子機に出力し、前記インターホン子機は、前記インターホン親機から前記電気錠の前記解錠指令が入力された場合には、入力された前記解錠指令を前記電気錠に出力し、前記電気錠の解錠を行うこと、を特徴とする。
【0007】
このように、顔認証と音声応答認証により電気錠の解錠を行うので、来訪者の入室管理のセキュリティ性の向上を図ることができる。また、サーバが来訪者の認証に失敗した場合には、オペレータがインターホン親機で対応することにより電気錠の解錠を行うことができるので、入室管理の自動化、省力化を図ると共に、認証エラー等の場合に入室できなくなることを抑制できる。
【0008】
本開示の入室管理システムにおいて、前記来訪者は、前記建物に荷物を搬入又は前記建物から前記荷物を搬出する配送者であり、前記音声ガイダンスは、前記荷物の搬送予定日時、搬出入場所、搬出/搬入区分、前記荷物の搬入元または前記荷物の搬出先、搬送管理番号、荷物個数を含む前記荷物の搬送予定情報に関する複数の質問を含み、前記サーバは、前記質問に対する前記配送者の応答が全て正解の場合に前記音声応答認証に成功したと判断してもよい。
【0009】
ここのように、音声応答により荷物の搬送予定情報の確認を行うので、荷物の配送者の入室管理のセキュリティの向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示は、来訪者の入室管理のセキュリティ性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態の入室管理システムの構成を示す系統図である。
【
図2】
図1に示すインターホン子機とインターホン親機と電気錠と通信装置との機能ブロック図である。
【
図4】
図3に示す配送者データベースの構成を示す図である。
【
図5】
図3に示す搬送予定データベースの構成を示す図である。
【
図6】
図1、3に示すサーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態の入室管理システム100について説明する。
図1に示すよう入室管理システム100は、第1建物である営業所110に設置されたインターホン子機10と、第2建物である支店120の中に設置されたインターホン親機15と、営業所110のドア113に設けられた電気錠30と、インターホン子機10と電気錠30とに接続されたサーバ50とを含んでいる。ここで、営業所110と支店120は、同一の会社が所有するビルであり、離間して配置されている。尚、以下の実施形態では営業所110への来訪者は、荷物61の配送を行う配送者60であるとして説明する。
【0015】
営業所110は、出荷荷受室111と、執務室112とで構成されている。出荷荷受室111は、例えば、工場から配送された機械製品を取り付けまでの間、留置いたり、メンテナンスに必要な部品を保管したりするエリアである。執務室112は、機械製品の取り付け作業やメンテナンス作業を行う会社の作業員が執務するエリアである。出荷荷受室111と執務室112は共にセキュリティエリアであるが、出荷荷受室111は外部からの配送者60が入室できる第1レベルのセキュリティエリアであり、執務室112は原則として外部からの配送者60が入室できない第1レベルよりも高い第2レベルのセキュリティエリアである。
【0016】
営業所110の出荷荷受室111には室内と外部とを仕切るドア113が設けられており、ドア113には電気錠30が取り付けられている。電気錠30は、執務室112に配置された通信装置40とセキュリティの確保された遠隔通信網32を介してサーバ50と接続されている。ここで、通信装置40は、電気錠30の接続されている営業所110内のLAN回線と遠隔通信網32を接続するゲートウェイ装置である。また、電気錠30は営業所110内のLAN回線でインターホン子機10と接続されている。
【0017】
インターホン子機10は、営業所110のドア113の近傍の外壁面に取付けられており、電気錠30と同様、執務室112に配置された通信装置40とセキュリティの確保された遠隔通信網32を介してサーバ50と接続されている。インターホン子機10は、配送者60の顔画像を取得するカメラ11と、配送者60の音声データを取得するマイクロホン13と、配送者60に音声ガイダンスを出力するスピーカ12と、呼びボタン14と、を備えている。なお、インターホン子機10は、営業所110の周囲に設置されていればよく、ドア113の近傍の外壁面に限定されず、例えば、ドア113の近傍の門或いはポール等に設置されていてもよい。
【0018】
インターホン親機15は、支店120の中に設けられており、インターホン子機10とインターネット等の遠隔通信網34を介して接続されている。インターホン親機15は、インターホン子機10が取得した配送者60の顔画像を表示するディスプレイ16と音声データの入出力を行うスピーカ17とマイクロホン18とを備えている。また、インターホン親機15には、電気錠30の解錠指令を出力する解錠ボタン19が設けられている。
【0019】
サーバ50は、情報の処理を行うCPU51と、データやプログラムを格納する記憶部52と、通信部53とを有するコンピュータである。サーバ50は、ネットワークに接続されていれば、例えば、クラウド上のサーバ装置でもよいし、営業所110或いは支店120から離れた遠隔地にあるデータセンター等に設置したサーバ装置でもよい。
【0020】
図2に示すように、インターホン子機10は、通信装置40を介してカメラ11で取得した顔画像データとマイクロホン13で取得した配送者60の音声データをサーバ50に送信する。また、スピーカ12は、通信装置40を介してサーバ50から音声ガイダンスデータを受信し訪問者に音声ガイダンスを出力する。
【0021】
また、インターホン子機10は、カメラ11で取得した顔画像データとマイクロホン13で取得した配送者60の音声データをインターホン親機15に送信すると共に、インターホン親機15のマイクロホン18が取得したオペレータの音声信号を受信してスピーカ12から出力する、また、インターホン親機15から受信した解錠指令を電気錠30に出力する。
【0022】
電気錠30は、通信装置40を介してサーバ50から解錠指令を受信する。そして、受信した解錠指令により解錠制御される。また、電気錠30は、インターホン子機10を介してインターホン親機15から受信した解錠指令により解錠制御される。
【0023】
図3に示すように、サーバ50は、通信部53と、顔認証部54と、音声合成部55と、音声応答認証部56と、解錠判定部57と、配送者データベース58と、搬送予定データベース59の各機能ブロックを含んでいる。通信部53と、顔認証部54と、音声合成部55と、音声応答認証部56と、解錠判定部57とは、
図1に示すCPU51が記憶部52に格納したプログラムを実行することにより実現される。また、配送者データベース58と、搬送予定データベース59は、
図1に示す記憶部52に所定のデータ構造のデータを格納することで実現できる。
【0024】
図4に示すように、配送者データベース58は、配送者60のID番号、氏名、所属、顔画像データを関連付けて格納したデータベースである。尚、
図4では顔画像データの格納欄には、顔画像の画像データを格納している場所の番号を格納するようにしているが、実際の顔画像のデータをID番号、氏名などのデータと関連付けて格納するようにしてもよい。
【0025】
図5に示すように、搬送予定データベース59は、荷物61の搬送予定日時、荷物61の搬出入場所、荷物61の搬入、搬出の区分、荷物61の搬入元、或いは搬出先の名称、搬送管理番号、荷物個数を関連付けて格納したデータベースである。ここで、荷物61の搬送予定日時、荷物61の搬出入場所、荷物61の搬入、搬出の区分、荷物61の搬入元、或いは搬出先の名称、搬送管理番号、荷物個数は搬送予定情報を構成する。
【0026】
搬送予定情報の例について説明する。例えば、データセットN0.1場合、所定の搬送日時にA営業所に10個の荷物61が搬入される。荷物61は、AAAから搬送されてくる。搬送管理番号はX101であるとのデータが格納されている。ここで、搬送管理番号は、例えば、配送番号でもよいし、機器を出荷荷受室111から搬出する場合には、搬出する機器の管理番号であってもよい。
【0027】
図3に戻って、サーバ50の顔認証部54は、通信部53を介してインターホン子機10のカメラ11から受信した配送者60の顔画像のデータと、配送者データベース58に格納した配送者60の顔画像データとの照合により顔認証を行う。顔認証部54は、顔認証の結果を解錠判定部57と音声合成部55に出力する。
【0028】
音声合成部55は、搬送予定データベース59を参照して荷物61の搬送予定日時、搬出入場所、搬出/搬入区分、荷物61の搬入元または荷物61の搬出先、搬送管理番号、荷物個数を含む荷物61の搬送予定情報に関する複数の質問を含む音声ガイダンスの音声合成を行う。例えば、「搬送予定日時はいつですか」「荷物の搬入ですか、搬出ですか」、「荷物の搬入元はどこですか」、「荷物の搬出先はどこですか」、「搬送管理番号は何番ですか」、「荷物の個数は何個ですか」等の質問を含む音声ガイダンスの音声合成を行う。そして、音声合成部55は、通信部53を介して音声合成した音声ガイダンスデータをインターホン子機10に送信する。
【0029】
音声応答認証部56は、音声合成部55から入力された音声ガイダンスデータと、インターホン子機10から入力された配送者60の音声ガイダンスに対する応答の音声データに基づいて、配送者60の応答内容が搬送予定データベース59に格納されている搬送予定情報の内容と一致するかどうかにより、音声応答認証を行う。音声応答認証部56は、音声応答認証の結果を解錠判定部57に出力する。
【0030】
解錠判定部57は、顔認証部54から入力された顔認証の結果と、音声応答認証部56から入力された音声応答認証の結果とに基づいて解錠判定を行い、解錠を許可する場合には、通信部53を介して解錠指令を電気錠30に出力する。また、顔認証の結果または音声応答認証の結果が失敗の場合には、認証失敗信号をインターホン親機15に送信する。
【0031】
次に、
図6を参照しながら実施形態の入室管理システム100の動作について説明する。
【0032】
図1に示すように、配送者60が荷物61を出荷荷受室111に搬入する場合について説明する。配送者60が営業所110に到着し、インターホン子機10の呼びボタン14を押すと、インターホン子機10は、カメラ11で配送者60の顔画像を撮像し、撮像した顔画像データを通信装置40、遠隔通信網32を介してサーバ50に送信する。
【0033】
図6のステップS101に示すように、サーバ50の顔認証部54は、インターホン子機10から顔画像データを受信するまで待機している。そして、インターホン子機10から顔画像データを受信したら、
図6のステップS101でYESと判断して
図6のステップS102に進み、顔認証処理を実行する。顔認証処理は、
図6のステップS102に示すように、インターホン子機10から受信した配送者60の顔画像データが、配送者データベース58に格納している顔画像データの内の1つと一致するかどうかで判断する。そして、顔認証部54は、
図6のステップS102でYESと判断した場合には、
図6のステップS104に進んで顔認証に成功したとして顔認証成功信号を音声合成部55と解錠判定部57に出力する。一方、顔認証部54は、
図6のステップS102でNOと判断した場合には、顔認証に失敗したとして
図6のステップS103に進んで解錠判定部57に顔認証失敗信号を出力する。
【0034】
音声合成部55は、
図6のステップS104で顔認証部54から顔認証成功信号が入力されたら、
図6のステップS105でカウンタNを1にセットする。そして、音声合成部55は、
図6のステップS106に進んで搬送予定データベース59を参照して音声合成により1番目の音声ガイダンスデータを生成し、通信部53を介して生成した音声ガイダンスデータをインターホン子機10に送信する。
【0035】
音声応答認証部56は、
図6のステップS107でインターホン子機10から配送者60の1番目の音声ガイダンスに対する音声応答データを受信するまで待機する。そして、音声データを受信したら、
図6のステップS108に進んで配送者60の応答が正解かどうかを判断する。そして、音声応答認証部56は、配送者60の応答が正解の場合、
図6のステップS108でYESと判断して
図6のステップS109に進んで、Nが最終カウンタ値のNendが判断し、
図6のステップS110でNOと判断した場合には、
図6のステップS110でカウンタNを1だけインクレメントして
図6のステップS106に戻る。
【0036】
そして、音声合成部55は、
図69のステップS106で次の音声ガイダンスデータを生成してインターホン子機10に送信し、音声応答認証部56は、
図6のステップS107で次の音声ガイダンスに対する配送者60の応答の音声データを受信するまで待機し、音声データを受信したら
図6のステップS107で配送者60の応答内容が正解かどうかを判断する。
【0037】
このように、カウンタNが最終カウンタのNendになるまで音声合成部55と、音声応答認証部56は、
図6のステップS106からS108を繰り返し実行する。
【0038】
そして、音声応答認証部56は、
図6のステップS109でYESと判断した場合には、
図6のステップS111に進んで、解錠判定部57に音声認証成功信号を出力する。
【0039】
解錠判定部57には、
図6のステップS104で顔認証成功信号が入力されているので、解錠判定部57は、
図6のステップS111で音声認証成功信号が入力されると、顔認証と音声認証の両方の認証に成功したと判断して
図6のステップS112に進み、通信部53を介して電気錠30に解錠指令を送信する。これにより電気錠30が解錠し、配送者60は、出荷荷受室111に入室できる。
【0040】
一方、
図6のステップS108で音声応答認証部56がNOと判断した場合には、音声応答認証部56は、
図6のステップS114に進んで解錠判定部57音声認証失敗信号を出力する。
【0041】
解錠判定部57は、
図6のステップS113で顔認証部54から顔認証失敗信号が入力された場合、或いは
図6のステップS114で音声応答認証部56から音声応答認証失敗信号が入力された場合には、
図6のステップS115でインターホン親機15に認証失敗信号を送信する。この場合、解錠判定部57は、解錠指令を出力しない。
【0042】
インターホン親機15は、サーバ50から認証失敗信号が入力された場合には、インターホン親機15の近くにいるオペレータがインターホン子機10と通信してマニュアルで配送者60に確認を行い、配送者60の確認が取れたらオペレータがインターホン親機15の解錠ボタン19を押す。すると、解錠指令がインターホン子機10に送信され、インターホン子機10は受信した解錠指令を電気錠30に出力する。これにより、電気錠30が解錠され、配送者60は、出荷荷受室111に入室できる。
【0043】
音声合成部55と、音声応答認証部56が
図6のステップS106からS108を繰り返し実行する場合の音声ガイダンスの質問の例と配送者60の応答の例について簡単に説明する。
【0044】
最初に、音声合成部55は、「搬送予定日時はいつですか」との質問を含む音声ガイダンスデータを生成し、インターホン子機10に送信する。インターホン子機10は、受信した音声ガイダンスデータをスピーカ12から出力する。そして、インターホン子機10はマイクロホン13から配送者60の応答の音声データを取得してサーバ50に送信する。音声応答認証部56は、インターホン子機10から受信した音声データを分析、音声データの中から、搬送予定日時のデータを抽出し、搬送予定データベース59に格納されている搬送予定日時の内の1つと一致するかどうかを判断する。一致した場合には、音声応答認証部56は、
図6のステップS108でYESと判断して
図6のステップS106に戻る。
【0045】
次に音声合成部55は、「搬送管理番号は何番ですか」との質問を含む音声ガイダンスデータを生成してインターホン子機10に送信し、音声応答認証部56は、配送者60の応答の音声データを取得する。そして、音声応答認証部56は、搬送予定データベース59の中の先の質問で回答のあった搬送予定日時に対応するデータセットに含まれる搬送管理番号を読み出し、配送者60の応答内容と一致しているかどうか判断する。そして、一致している場合には、
図6のステップS108でYESと判断して
図6のステップS106に戻る。
【0046】
次に音声合成部55は、「荷物個数は何個ですか」との質問を含む音声ガイダンスデータを生成してインターホン子機10に送信し、音声応答認証部56は、配送者60の応答の音声データを取得する。そして、音声応答認証部56は、搬送予定データベース59の中の先の質問で回答のあった搬送予定日時に対応するデータセットに含まれる荷物61の個数を読み出し、配送者60の応答内容と一致しているかどうか判断する。そして、一致している場合には、
図6のステップS108でYESと判断して
図6のステップS106に戻る。
【0047】
このように、音声応答認証部56は、複数の音声ガイダンスに含まれる質問に対する配送者60の応答内容が全て正解の場合に、
図6のステップS111で音声応答認証成功信号を解錠判定部57に出力する。
【0048】
以上説明したように、実施形態の入室管理システム100は、顔認証と音声応答認証により電気錠30の解錠を行うので、配送者60の入室管理のセキュリティ性の向上を図ることができる。また、実施形態の入室管理システム100は、音声応答により荷物61の搬送予定情報の確認を行うので、荷物61の配送者60の入室管理のセキュリティの向上を図ることができる。更に、サーバ50が配送者60の認証に失敗した場合には、オペレータがインターホン親機15で対応することにより電気錠30の解錠を行うことができるので、入室管理の自動化、省力化を図ると共に、認証エラー等の場合に入室できなくなることを抑制できる。
【0049】
以上の説明では、荷物61を搬送する配送者60の出荷荷受室111への入室管理について説明したがこれに限らず、他の目的の来訪者の入室管理にも適用することができる。その場合には、搬送予定データベース59に代えて、来訪者の用件情報を格納した来訪者用件データベースに基づいて音声ガイダンスデータを生成し、音声応答に認証を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 インターホン子機、11 カメラ、12、17 スピーカ、13、18 マイクロホン、14 呼びボタン、15 インターホン親機、16 ディスプレイ、19 解錠ボタン、30 電気錠、32,34 遠隔通信網、40 通信装置、50 サーバ、51 CPU、52 記憶部、53 通信部、54 顔認証部、55 音声合成部、56 音声応答認証部、57 解錠判定部、58 配送者データベース、59 搬送予定データベース、60 配送者、61 荷物、100 入室管理システム、110 営業所、111 出荷荷受室、112 執務室、113 ドア、120 支店。