(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】フィルタープレスのケーキ剥離装置およびケーキ剥離方法
(51)【国際特許分類】
B01D 25/12 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
B01D25/12 C
B01D25/12 G
(21)【出願番号】P 2021010732
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000197746
【氏名又は名称】株式会社石垣
(72)【発明者】
【氏名】原 康二
(72)【発明者】
【氏名】元家 正二
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-029675(JP,A)
【文献】特開2000-140514(JP,A)
【文献】実開昭61-191106(JP,U)
【文献】特開2008-253946(JP,A)
【文献】実開昭54-155680(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-35/04,35/10-37/04
B30B 9/00-9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在に並列したろ板(5)間に上端部を合着し原液供給板(22)を挟持した一対のろ布(17,17)を配設し、原液供給板(22)から原液を供給して固液分離を行った後、ろ布(17)を下降しつつ下方に設けた一対のリターンロール(13,13)でろ布(17)を反転させてケーキを剥離するフィルタープレスにおいて、
前後のフレーム(2,3)間で往復動して原液供給板(22)から垂下するケーキと剥離バー(56)を接触させる剥離装置(55)を備える
ことを特徴とするフィルタープレスのケーキ剥離装置。
【請求項2】
前記剥離装置(55)は、
フロントフレーム(2)からリアーフレーム(3)まで橋架したカバー(63)と、
カバー(63)上を移動自在な架台(70)を有し、
架台(70)には、
駆動機(71)と、
駆動機(71)に連結した駆動輪(72)と、
架台(60)に突設した剥離バー(56)と、
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスのケーキ剥離装置。
【請求項3】
開閉自在に並列したろ板(5)間に上端部を合着し原液供給板(22)を挟持した一対のろ布(17,17)を配設し、原液供給板(22)から原液を供給して固液分離を行った後、ろ布(17)を下降しつつ下方に設けた一対のリターンロール(13,13)でろ布(17)を反転させてケーキを剥離する方法において、
検知装置(50)にてろ板(5)列の下方のケーキ剥離不良を検知した場合、
剥離装置(55)を前後のフレーム(2,3)間で往復動させて、原液供給板(22)から垂下するケーキと剥離バー(56)を接触させる
ことを特徴とするフィルタープレスのケーキ剥離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ろ板間に吊設したろ布を走行させてケーキを剥離するフィルタープレスの改良に関し、詳しくは、剥離不良のケーキを強制的に排除するケーキ剥離装置およびケーキ剥離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルタープレスは一対のろ布を張設したろ過室で原液の固液分離を行った後、ろ過室を形成するろ板を開板して内部に残留するケーキを落下排出している。
【0003】
特許文献1には、ろ布の上端をスプリングで吊設して下端縁部をろ板の下端に止着したフィルタープレスにおいて、ろ板を開板した際に、大きく開口した下方にケーキを排出するとともに、ろ布に付着した剥離不良のケーキを下方に垂下させてレーザ光線により検知する剥離検知装置が開示されている。
【0004】
また、ろ板間に吊設するろ布を下方に走行させるとともに、ろ布を反転させてケーキを剥離するフィルタープレスがある。特許文献2には、ろ板間に一対のろ布を配設して、ろ布の上端部を駆動チェーンに連結し、ろ板の前後のろ布の下端部をリターンロールに掛け回し駆動チェーンの他端に連結するろ布走行型フィルタープレスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭61-191106号公報
【文献】特許第3815433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のフィルタープレスは、ろ過中のろ布が前後のろ板に締付けられ原液の圧入圧で固液分離するため、開板してもろ布が一方のろ板に付着した状態となりやすい。特にろ布のシール漏れを防ぐためにろ板の周縁部に目止め加工を施したろ布や、ろ板の片方に圧搾脱水するためのダイアフラムを配設したろ布は、ろ板への付着が頻繁に発生し、ケーキの重みで下方に垂下しないのでケーキ剥離不良を検知し難いことが多い。
【0007】
ろ板に付着せずにケーキの重みで下方に垂下しても、ろ板から垂下している部分は一部であり、ろ布に付着しているケーキの大半はろ板間にある。そのため、ろ板から垂下している部分に衝撃を与えてもろ布から剥離させることが困難であり、完全に剥離させるためには、ろ板の側方から作業員が手動にて引き剥がす必要があった。
【0008】
特許文献2のフィルタープレスは、ろ布を下方に走行させるとともに、ろ板下方のリターンロールにてろ布を反転させることでろ布からケーキを剥離している。ろ布に止着する原液供給板の下方までリターンロールにより反転させているので、ろ布からケーキが剥離するものの、原液供給板にケーキの一部が付着垂下して完全に剥離できないことがある。その状態で次工程に移行することで、ろ過室への原液供給や固液分離作用等に支障がでてフィルタープレスの運転を止めることがあった。
【0009】
本発明は、ろ布走行式のフィルタープレスにおいて、開板時の剥離不良のケーキを自動で機械的に剥離するフィルタープレスのケーキ剥離装置およびケーキ剥離方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、開閉自在に並列したろ板間に上端部を合着し原液供給板を挟持した一対のろ布を配設し、原液供給板から原液を供給して固液分離を行った後、ろ布を下降しつつ下方に設けた一対のリターンロールでろ布を反転させてケーキを剥離するフィルタープレスにおいて、前後のフレーム間で往復動して原液供給板から垂下するケーキと剥離バーを接触させる剥離装置を備えるもので、剥離不良のケーキに剥離バーを接触させることで衝撃により強制的にケーキを原液供給板から剥離するものである。
【0011】
剥離装置は、フロントフレームからリアーフレームまで橋架したカバーと、カバー上を移動自在な架台を有し、架台には、駆動機と、駆動機に連結した駆動輪と、架台に突設した剥離バーと、を備えた自走式で構成できる。
【0014】
開閉自在に並列したろ板間に上端部を合着し原液供給板を挟持した一対のろ布を配設し、原液供給板から原液を供給して固液分離を行った後、ろ布を下降しつつ下方に設けた一対のリターンロールでろ布を反転させてケーキを剥離する方法において、検知装置にてろ板列の下方のケーキ剥離不良を検知した場合、剥離装置を前後のフレーム間で往復動させて、原液供給板から垂下するケーキと剥離バーを接触させると、ケーキ剥離不良を検知した時のみに剥離装置を駆動するので雑時間が短縮できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、ろ布走行式のフィルタープレスにおいて、剥離不良のケーキに剥離バーを衝突させることにより剥離不良ケーキを確実に剥離するものである。その結果、次工程以降の運転エラーリスクを低減し、フィルタープレスの安定的な脱水運転が可能となる。また、剥離不良を検知して剥離装置を駆動することにより雑時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係るフィルタープレスの概略側面図である。
【
図2】同じく、ろ布を吊設するろ板組品の正面図である。
【
図3】同じく、ろ板間に吊設する一対のろ布の斜視図である。
【
図4】同じく、ろ板間に一対のろ布を吊設するフィルタープレスの要部側面図である。
【
図8】本発明に係る他の実施例の剥離装置の概略側面図および概略平面図である。
【
図10】同じく、開板直後のろ板列の概略図である。
【
図11】同じく、ケーキ排出時のろ板列の概略図である。
【
図12】同じく、剥離装置を作動させた際のろ板列の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明に用いるフィルタープレスの概略側面図である。
フィルタープレス1はフロントフレーム2とリアーフレーム3に橋架した一対のガイドレール4,4に多数のろ板5・・・を並列し、リアーフレーム3にろ板5・・・を開閉させる開閉装置6を支架してある。
【0018】
フロントフレーム2とリアーフレーム3間には、ろ板5列の下方に検知装置50と剥離装置55を設けてあり、それぞれ制御装置54に接続してある。
【0019】
図2はろ布を吊設するろ板組品の正面図であって、フロントフレーム2とリアーフレーム3に橋架した一対のガイドレール4,4にろ板5のろ板アーム7,7を支架してある。ろ板5の上部に立設した上部ブラケット8,8にろ布駆動軸9を支架して、ろ布駆動軸9の両端部に駆動輪10,10が嵌着してある。本実施例では、駆動輪10は外周を歯車で構成したスプロケットを用いており、駆動チェーン26を掛け回している。並列したろ板5・・・の上部に沿って配設して駆動力を伝達するスライドシャフト11にこのろ布駆動軸9が連動連結してある。ろ板5の両端下部に垂下した下部ブラケット12、12に一対のリターンロール13,13を支架してある。ろ板5の中央部にろ過床5aを形成して、上方中央部に原液供給口15と下部両端にろ液排出口16を開口してある。
【0020】
図3はろ板間に吊設する一対のろ布の斜視図であって、ろ板5、5間に吊設するろ布17は、一対のろ布17,17の上端縁を合着して袋部18・・・を形成し、上部ろ布芯金19を挿通してある。ろ布17,17の下端縁にもそれぞれ袋部20,20を形成して下部ろ布芯金21,21を挿通してある。一対のろ布17,17間に原液供給板22を挟持して、ろ布17の上方中央部に開口した通孔23に原液供給板22の原液通路24を合着させ、原液供給板22の原液通路24から分岐してろ布17のろ過面に原液を供給する給液路25を設けてある。
【0021】
図4はろ板間に一対のろ布を吊設するフィルタープレスの要部側面図であって、ろ板5の上部に立設した上部ブラケット8,8にろ布駆動軸9を支架して、このろ布駆動軸9に、
図2に示す駆動力を伝達するスライドシャフト11が連動連結してある。並列したろ板5,5・・・間に一対のろ布17,17が配設してあり、一対のろ布17,17を吊設する上部ろ布芯金19の両端部に駆動チェーン26を連結し、ろ板5の上部のろ布駆動軸9に嵌着した駆動輪10,10にそれぞれ掛け回してある。ろ板5の前後に吊設したろ布17,17の下端部をろ板5の下方に配設した一対のリターンロール13,13にそれぞれ掛け回して、ろ布17の下端に挿通した下部ろ布芯金21,21の両端部を駆動チェーン26,26の他端に連結して、ろ布17・・・を吊設してある。
図2に示すスライドシャフト11から駆動力をろ布駆動軸9に伝達し、ろ布17・・・をシーソー状に昇降させる。
【0022】
並列したろ板5・・・を閉板した時に、ろ布17に吊設した原液供給板22を前後のろ板5,5に挟持させ、ろ板5のろ過床5aに張設した一対のろ布17,17間にろ過室27を形成する。ろ板5,5に形成した原液供給口15と原液供給板22の原液通路24を連通させて、原液供給板22の給液路25からろ過室27に原液を圧入し、ろ布17のろ過面で固液分離を行なう。
【0023】
図5,6は剥離装置の概略側面図および概略平面図である。
本発明の剥離装置55は、剥離バー56をろ板5列の下端に沿って前後に移動可能に構成してある。フロントフレーム2とリアーフレーム3の両側方にそれぞれ一対の駆動スプロケット57,57と従動スプロケット58,58を軸支してあり、無端状の牽引チェーン59,59を掛け回している。牽引チェーン59の両端部に架台60を連結するとともに、架台60から剥離バー56を内方に向かって突設させてある。
【0024】
本実施例では、対向する架台60,60間に一本の剥離バー56を橋架させて両端支持しているが、架台60から剥離バー56を片持ちの状態で突設させてもよく、それぞれの架台60,60を交互に前後移動させてもよい。また、一台の架台60のみで剥離装置55を構成してもよい。
【0025】
対向する駆動スプロケット57,57は連結軸61にて連結してあり同期回転する。駆動機62にて駆動スプロケット57を回転させ、牽引チェーン59に連結した架台60および剥離バー56を両フレーム2,3間で移動可能に構成してある。剥離バー56は衝撃耐性のある管等にて構成され、ろ板5の下方、具体的には最下端まで下降した原液供給板22の直下に沿って平行に移動する。
【0026】
必要に応じて駆動機62と駆動スプロケット57の間には歯車等の公知の減速手段を用いてもよい。
【0027】
牽引チェーン59は
図7に示すカバー63で保護してあり、フロントフレーム2からリアーフレーム3まで橋架させてある。カバー63は牽引チェーン59および架台60を摺接支架させる上下のガイド64,64と、外側板65および内側板66で略矩形状に構成してある。内側板66は架台60から内側に突設する剥離バー56を移動可能とするため所定区間だけ切り欠いてある。なお、架台60にはガイド64との摩擦抵抗を減少させるために転動輪等を備えてもよい。
【0028】
図8は他の実施例の剥離装置の概略側面図および概略平面図である。
他の実施例の剥離装置55は、ガイドレール4の下方にフレーム2,3間を移動自在な一対の自走式の架台70,70を備えるものである。
【0029】
架台70に駆動機71を内蔵するとともに、駆動機71に駆動輪72を連結して架台70に回転自在に軸支する。本実施例では駆動輪72としてピニオン72を用いてあり、駆動機71でピニオン72を回転させることで、両フレーム2,3間に橋架したラック73上を噛み合いながら走行する。本実施例ではカバー63の下ガイド64にラック73を設けることで、剥離装置55の安全対策を同時に行っている。また、架台70には走行中の姿勢制御するための補助輪を必要に応じて備えてもよい。
【0030】
なお、自走式の剥離装置55は架台70に駆動機71等の動力源を内蔵するものであればよく、ピニオン72を車輪に代替したもの、あるいは駆動機71をシリンダに代替してシリンダロッドを一方のフレームに固定したものでも構わない。
【0031】
また、ケーキと接触した際に剥離効果を向上させるため、回転自在に構成するとともに、剥離バー56の周面に凹凸を設けてケーキを押し下げる方向に回転させてもよい。周面の凹凸は、鋭角な先端部を有するカッター状、あるいは螺旋状のウォームギア状等、ケーキの性状や厚み等に応じて適宜選択できる。剥離バー56を回転させる際の動力源は架台70に軸支する駆動輪72と連結させる、あるいは小型の駆動機を別途搭載する等の手段を用いることができる。
【0032】
図9は検知装置の説明図である。
本発明の検知装置50は、透過型の光電センサーにより構成している。フィルタープレス1のリアーフレーム3に投光器51を配設し、フロントフレーム2には、投光器51から照射される投光線52を受光する受光器53を配設している。投光線52はろ板5列の下端に沿って平行に照射され、対峙している受光器53で受光する。剥離不良のケーキによって投光線52が遮断されて受光器53に入射しない場合、制御装置54により剥離装置55を作動する。
【0033】
本実施例では、ケーキ剥離時にろ板5の中央部に位置する原液供給板22から垂下するケーキを検知するため、下降した原液供給板22の下方を投光線52が照射するように投光器51および受光器53をそれぞれのフレーム2,3に設けてある。
【0034】
なお、検知装置50は本実施例に示す光電センサーに限らず、周知のセンサーを用いて遠隔検知装置を構成してもよい。
【実施例】
【0035】
図10はフィルタープレスの開板直後のろ板列の概略図である。
ろ過室27で固液分離されたケーキは、ろ過室27上端の原液供給板22からろ過室27下端まで連続的にろ布17に固着している。並列したろ板5…を開板した直後は、ケーキの自重や開板時の振動等により一部のケーキがろ布17から剥離するが、大部分のケーキは開板後もろ布17に固着した状態である。
【0036】
図11はケーキ排出時のろ板列の概略図である。
スライドシャフト11から駆動力をろ布駆動軸9に伝達し、一対のろ布17・・・をシーソー状に昇降させる。原液供給板22の下方で固液分離を行いケーキが固着した一対のろ布17は下方に走行し、ろ板5,5下方の一対のリターンロール13,13で反転して上昇する。一対のリターンロール13,13でそれぞれ遠ざかる方向に屈曲走行する際に、ろ布17に付着したケーキは剥離される。ろ布17が最下端まで走行した際には、原液供給板22はリターンロール13近傍まで下降しており、ろ布17は原液供給板22の前後からハの字状に拡開してリターンロール13,13に向かっている。
【0037】
この時、大部分のケーキはろ布17から剥離して下方に落下するが、一部のケーキは原液供給板22に固着して、原液供給板22の下端から垂下した状態となる。このケーキにより原液供給板22の直下に照射される投光線52が遮断されて受光器53に入射しない。受光器53からの信号を受信した制御装置54により剥離装置55を作動する。
【0038】
図12は剥離装置を作動させた際のろ板列の概略図である。
検知装置50でケーキ剥離不良を検知した後、制御装置54により剥離装置55を作動させて原液供給板22から垂下するケーキを剥離する。
【0039】
本実施例では、牽引チェーン59で架台60および剥離バー56を作動させる剥離装置55について説明する。具体的には、駆動機62を作動して牽引チェーン59を両フレーム2,3間で回動させ、剥離バー56を原液供給板22から垂下している剥離不良のケーキに接触させる。剥離バー56が接触した衝撃により、原液供給板22の下端から垂下するケーキが固着部を支点に傾動し、自重および応力集中により剥離落下する。
【0040】
本実施例では、常時フロントフレーム2側に剥離バー56を収納してあり、制御装置54は剥離バー56をフロントフレーム2からろ板5列の後端あるいはリアーフレーム3近傍まで作動させた後、停止して、再度フロントフレーム2側に戻している。剥離バー56の位置制御は、駆動機62の作動時間制御や接触・非接触型の位置センサー等の公知の手段にて行う。剥離バー56の往復動は、駆動機62の正逆回転を切り替える、あるいは駆動機62と駆動スプロケット57間の伝達手段を切り替えてもよい。
なお、剥離バー56の走行速度はケーキ厚や原液性状等により適宜調整する。
【0041】
本実施例では、ろ布17を走行後にケーキの剥離不良を検知した場合のみ、剥離装置55を作動させているが、ろ板5を開板してケーキを排出した後、剥離装置55をろ板5の下方で往復動させることを一連の動作として運転してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係るフィルタープレスのケーキ剥離装置およびケーキ剥離方法は、ろ布を下降反転させながらろ布からケーキを剥離するとともに、原液供給板に固着垂下した剥離不良ケーキを検知し、確実に剥離できるものである。フィルタープレスを使用する上水汚泥、下水汚泥、或いは、産業排水汚泥等に適用でき、特に樹脂あるいは金属製の原液供給板に固着し易い有機物を含有する原液に有効である。
【符号の説明】
【0043】
1 フィルタープレス
2 フロントフレーム
3 リアーフレーム
5 ろ板
13 リターンロール
17 ろ布
22 原液供給板
50 検知装置
55 剥離装置
56 剥離バー
57 駆動スプロケット
58 従動スプロケット
59 牽引チェーン
60,70 架台
62,71 駆動機
63 カバー
72 駆動輪