(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】テーピング装置
(51)【国際特許分類】
B65B 15/04 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
B65B15/04 K
(21)【出願番号】P 2023197662
(22)【出願日】2023-11-21
【審査請求日】2023-11-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591048070
【氏名又は名称】上野精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【氏名又は名称】中前 富士男
(72)【発明者】
【氏名】南 日出夫
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-031106(JP,A)
【文献】特開2002-037211(JP,A)
【文献】特許第2531006(JP,B2)
【文献】特開2003-081212(JP,A)
【文献】特開2001-196444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入可能領域に配されたポケットに電子部品が投入されるキャリアテープ及び該キャリアテープに貼り付けられるカバーテープが送られるテープレーンを有するテーピング装置において、
前記テープレーンは、N列あって、並列に配置され、
前記N列のテープレーンに兼用され、前記キャリアテープ、前記ポケット内に投入された前記電子部品、及び、前記カバーテープのいずれか1つ又は複数
を撮像する処理を行う処理手段が少なくとも1つ設けられ、
前記投入可能領域は固定され、
前記処理手段
及び前記投入可能領域に対し前記N列のテープレーンを移動させて、該N列のテープレーンのいずれか1つを、前記処理手段が該テープレーンに対して所定の処理を行える処理可能位置に配する
と共に、該テープレーンが有する前記キャリアテープの前記ポケットを、前記投入可能領域に配して前記電子部品の投入先とするレーン移動機構を備えることを特徴とするテーピング装置。
但し、Nは2以上の整数である。
【請求項2】
請求項
1記載のテーピング装置において、前記ポケットに前記電子部品を投入可能な投入可能領域に配された空の該ポケット及び該投入可能領域に配される前の空の前記ポケットのいずれか一方又は双方を撮像する撮像手段が、前記処理手段であり、前記撮像手段によって撮像された画像を基にして、空の前記ポケットに前記電子部品が確実に投入される前記投入可能領域内の目標位置に空の前記ポケットを配するための前記N列のテープレーンの移動方向及び移動量を導出する移動量演算手段を備えることを特徴とするテーピング装置。
【請求項3】
請求項
2記載のテーピング装置において、前記移動量演算手段は、前記撮像手段が前記投入可能領域に配される前の空の前記ポケットを撮像した前記画像を基に検出され、対応する前記テープレーンに紐付けられて記憶された該ポケットの位置を、該ポケットを前記目標位置に配するための前記N列のテープレーンの移動方向及び移動量の導出に用いることを特徴とするテーピング装置。
【請求項4】
請求項
1記載のテーピング装置において、前記ポケットに前記電子部品を投入可能な投入可能領域の下流側で前記カバーテープが未貼付の前記キャリアテープの前記ポケット内の前記電子部品を撮像する撮像手段が、前記処理手段であることを特徴とするテーピング装置。
【請求項5】
請求項
1記載のテーピング装置において、前記キャリアテープに貼り付けられた前記カバーテープの接着部を撮像する撮像手段が、前記処理手段であることを特徴とするテーピング装置。
【請求項6】
投入可能領域に配されたポケットに電子部品が投入されるキャリアテープ及び該キャリアテープに貼り付けられるカバーテープが送られるテープレーンを有するテーピング装置において、
前記テープレーンは、N列あって、並列に配置され、
前記N列のテープレーンに兼用され、前記キャリアテープ、前記ポケット内に投入された前記電子部品、及び、前記カバーテープのいずれか1つ又は複数に対して所定の処理を行う処理手段が少なくとも1つ設けられ、
前記投入可能領域は固定され、
前記処理手段
及び前記投入可能領域に対し前記N列のテープレーンを移動させて、該N列のテープレーンのいずれか1つを、前記処理手段が該テープレーンに対して所定の処理を行える処理可能位置に配する
と共に、該テープレーンが有する前記キャリアテープの前記ポケットを、前記投入可能領域に配して前記電子部品の投入先とするレーン移動機構を備え
、
前記ポケットに前記電子部品を投入可能な投入可能領域の下流側で前記キャリアテープに前記カバーテープを貼り付けるテープ貼付手段が、前記処理手段であることを特徴とするテーピング装置。
但し、Nは2以上の整数である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポケットに電子部品が入れられたキャリアテープにカバーテープを貼り付けて電子部品を封入するテーピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気特性検査等の所定の検査を行った電子部品をキャリアテープ及びカバーテープにより封入して出荷する場合、ポケットに電子部品が入れられたキャリアテープにカバーテープを貼り付けるテーピング装置が使用される(特許文献1、2参照)。カバーテープが貼り付けられたキャリアテープはドラムに巻き取られ、ドラムに巻き取られたキャリアテープが所定の長さになったタイミングで、ドラムが取り換えられる。
【0003】
ドラムの取り換えはテーピング装置を停止した状態で行われることから、ドラムを取り換えている間、電子部品をキャリアテープに封入する処理も停止される。この電子部品の封入処理の停止を回避するには、テーピング装置を2つにし、2つのテーピング装置まで電子部品を搬送できる部品搬送装置を設け、一方のテーピング装置に対応するドラムを取り換えている間に、他方のテーピング装置で電子部品の封入処理を行う設計の採用が考えられる。
【0004】
また、複数のテーピング装置を用意し、その複数のテーピング装置まで電子部品を搬送可能な部品搬送装置を設ければ、電子部品を検査結果に基づいてランク分けし、同じランクの電子部品のみが封入されたキャリアテープをランクの数だけ生成することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017―24756号公報
【文献】特開2011-11748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数のテーピング装置、及び、その複数のテーピング装置まで電子部品を搬送可能な部品搬送装置を設ける場合、テーピング装置の数の増加に加えて、搬送経路の合計長さが長い部品搬送装置が必要となり、フットプリントの拡大を招来させる。更に、テーピング装置はキャリアテープやカバーテープ等に所定の処理を行う処理手段(カバーテープにキャリアテープを貼り付けるテープ貼付手段等)を有することから、複数のテーピング装置を設けると、処理手段もテーピング装置の数分増えることとなり、これによって、フットプリントの更なる拡大が生じる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、フットプリントの拡大を抑制した上で、キャリアテープ及びカバーテープが搬送されるテープレーンを複数設けることが可能なテーピング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う第1の発明に係るテーピング装置は、投入可能領域に配されたポケットに電子部品が投入されるキャリアテープ及び該キャリアテープに貼り付けられるカバーテープが送られるテープレーンを有するテーピング装置において、前記テープレーンは、N列あって、並列に配置され、前記N列のテープレーンに兼用され、前記キャリアテープ、前記ポケット内に投入された前記電子部品、及び、前記カバーテープのいずれか1つ又は複数を撮像する処理を行う処理手段が少なくとも1つ設けられ、前記投入可能領域は固定され、前記処理手段及び前記投入可能領域に対し前記N列のテープレーンを移動させて、該N列のテープレーンのいずれか1つを、前記処理手段が該テープレーンに対して所定の処理を行える処理可能位置に配すると共に、該テープレーンが有する前記キャリアテープの前記ポケットを、前記投入可能領域に配して前記電子部品の投入先とするレーン移動機構を備える。但し、Nは2以上の整数である。
前記目的に沿う第2の発明に係るテーピング装置は、投入可能領域に配されたポケットに電子部品が投入されるキャリアテープ及び該キャリアテープに貼り付けられるカバーテープが送られるテープレーンを有するテーピング装置において、前記テープレーンは、N列あって、並列に配置され、前記N列のテープレーンに兼用され、前記キャリアテープ、前記ポケット内に投入された前記電子部品、及び、前記カバーテープのいずれか1つ又は複数に対して所定の処理を行う処理手段が少なくとも1つ設けられ、前記投入可能領域は固定され、前記処理手段及び前記投入可能領域に対し前記N列のテープレーンを移動させて、該N列のテープレーンのいずれか1つを、前記処理手段が該テープレーンに対して所定の処理を行える処理可能位置に配すると共に、該テープレーンが有する前記キャリアテープの前記ポケットを、前記投入可能領域に配して前記電子部品の投入先とするレーン移動機構を備え、前記ポケットに前記電子部品を投入可能な投入可能領域の下流側で前記キャリアテープに前記カバーテープを貼り付けるテープ貼付手段が、前記処理手段である。但し、Nは2以上の整数である。
【発明の効果】
【0008】
第1及び第2の発明に係るテーピング装置は、テープレーンが、N列あって、並列に配置され、N列のテープレーンに兼用され、キャリアテープ、ポケット内に投入された電子部品、及び、カバーテープのいずれか1つ又は複数に対して所定の処理を行う処理手段が少なくとも1つ設けられ、処理手段に対しN列のテープレーンを移動させて、N列のテープレーンのいずれか1つを、処理手段がテープレーンに対して所定の処理を行える処理可能位置に配するレーン移動機構を備えるので、N個のテーピング装置及びその複数のテーピング装置まで電子部品を搬送できる部品搬送装置を設ける場合に比べてフットプリントの拡大を抑制して、テープレーンを複数設けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るテーピング装置の平面図である。
【
図4】テープレーンを移動させた様子を示す説明図である。
【
図5】移動制御手段の接続を示すブロック図である。
【
図6】テーピング装置と共に利用可能な部品搬送装置の変形例の説明図である。
【
図7】第1の変形例に係るテーピング装置の平面図である。
【
図8】第1の変形例に係るテーピング装置の正面図である。
【
図9】第1の変形例に係るテーピング装置のテープレーンの移動の様子を示す説明図である。
【
図10】第1の変形例に係るテーピング装置のテープレーンの移動の様子を示す説明図である。
【
図11】第2の変形例に係るテーピング装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、
図2、
図3に示すように、本発明の一実施の形態に係るテーピング装置10は、それぞれポケットP1、P2に電子部品Wが投入されるキャリアテープS1、S2、キャリアテープS1に貼り付けられるカバーテープT1が送られるテープレーン11及びキャリアテープS2に貼り付けられるカバーテープT2が送られるテープレーン12を有する装置である。以下、詳細に説明する。
【0011】
テーピング装置10は、
図1、
図2、
図3に示すように、ベース台13に固定された直線的なガイドレール14、15に沿ってX軸方向に往復動可能に取り付けられた板状の可動台16及び可動台16に固定された直線的なガイドレール17、18に沿ってX軸方向に対して垂直なY軸方向に往復動可能に取り付けられた板状の可動台19を有している。本実施の形態では、X軸方向及びY軸方向がいずれも水平方向である。
【0012】
ベース台13には可動台16にX軸方向の力を作用させる駆動手段20が取り付けられ、可動台16には可動台19にY軸方向の力を作用させる駆動手段21が取り付けられている。本実施の形態では、駆動手段20(駆動手段21も)がボールねじ及びボールねじに回転力を与えるモータを有して構成されているが、これには限定されない。
【0013】
可動台19にはそれぞれX軸方向に沿った直線的なガイドレール22、23が固定されている。ガイドレール22、23は平行であり、ガイドレール22、23には、立方体形状の可動ユニット24が、ガイドレール22、23に沿って往復動可能に取り付けられている。可動台19には、可動ユニット24にガイドレール22、23に沿った方向(X軸方向)の力を作用させる駆動手段25が取り付けられている。駆動手段25も、駆動手段20、21と同様に、ボールねじ及びモータを有して構成されているが、これには限定されない。
【0014】
可動ユニット24は、
図3に示すように、上部に、それぞれ図示しないサーボモータから回転力を与えられるプーリ26、27、28、29を具備している。プーリ26、27は、X軸方向の位置が等しく、Y軸方向に間隔を空けて配置されている。プーリ28はプーリ26のX軸方向に隣接して配され、プーリ28、29は、X軸方向の位置が同じで、Y軸方向に間隔を空けて配されている。
【0015】
可動ユニット24の近傍には、ポケットP1に電子部品Wが入れられていない空のキャリアテープS1が巻かれた第1のテープ供給ドラム、並びに、電子部品Wを封入したキャリアテープS1及びカバーテープT1が巻きつけられる第1のテープ巻取ドラムが配されている。可動ユニット24の近傍には、更に、ポケットP2に電子部品Wが入れられていない空のキャリアテープS2が巻かれた第2のテープ供給ドラム、並びに、電子部品Wを封入したキャリアテープS2及びカバーテープT2が巻きつけられる第2のテープ巻取ドラムが配されている。
【0016】
つまり、本実施の形態では、テープ供給ドラム及びテープ巻取ドラムがそれぞれ2個(N個の一例)設けられている。但し、Nは2以上の整数である。
第1のテープ供給ドラム及び第1のテープ巻取ドラムはプーリ26、27に対応している。キャリアテープS1は、プーリ26、27に掛けられ、プーリ26、27の回転及び一時停止の繰り返しによって第1のテープ供給ドラムから第1のテープ巻取ドラムに向けて間欠的に送られる。
【0017】
第2のテープ供給ドラム及び第2のテープ巻取ドラムはプーリ28、29に対応している。キャリアテープS2は、プーリ28、29に掛けられ、プーリ28、29の回転及び一時停止の繰り返しによって第2のテープ供給ドラムから第2のテープ巻取ドラムに向けて間欠的に送られる。
プーリ26、27の回転及び一時停止の制御とプーリ28、29の回転及び一時停止の制御はそれぞれ独立している。そのため、キャリアテープS1、S2それぞれの移動及び停止も独立して制御可能であり、例えば、キャリアテープS1、S2の一方を停止した状態で他方を移動させることができる。なお、第1、第2のテープ供給ドラム及び第1、第2のテープ巻取ドラムは図示化を省略している。また、
図1、
図5において、ポケットP1、P2内の電子部品Wの記載を省略している。
【0018】
本実施の形態では、第1のテープ供給ドラムから第1のテープ巻取ドラムに向けてキャリアテープS1が送られる搬送路をテープレーン11とし、第2のテープ供給ドラムから第2のテープ巻取ドラムに向けてキャリアテープS2が送られる搬送路をテープレーン12とする。テープレーン11、12は並列に配されている。即ち、本実施の形態では、テープレーン11、12が2列(N列の一例)あって、並列に配置されている。
【0019】
また、ベース台13、可動台16、19、駆動手段20、21、25及び可動ユニット24等を備えるテーピング装置10の近傍には、
図1、
図2に示すように、外部から取得した電子部品Wを移送してテープレーン11、12に与える部品搬送装置30が設けられている。部品搬送装置30は、外部(本実施の形態では、ウエハシートUであるがこれには限定されない)から電子部品Wを取得する搬送ユニット31、搬送ユニット31から電子部品Wを取得する搬送ユニット32及び搬送ユニット32から電子部品Wを取得する搬送ユニット33を具備している。
【0020】
搬送ユニット31は、回転体34及び回転体34を中心とする仮想の円周に沿って等間隔で配置された複数の吸着ノズル35を具備している。各吸着ノズル35は真空圧によって電子部品Wを吸着し、吸着している電子部品Wを大気開放又は空気の吹き出しによって解放する。搬送ユニット32、33も搬送ユニット31と同様の構成であり、それぞれ回転体34及び搬送ユニット31と同数の吸着ノズル35を有している。なお、本実施の形態では、搬送ユニット31、32、33が、それぞれの回転体34の回転軸が平行となるように配置されているが、それ以外の配置も可能であり、搬送ユニットの数は3つである必要はない。
【0021】
本実施の形態では、搬送ユニット31の吸着ノズル35が、
図2に示すように、3時位置でウエハシートUから電子部品Wを取得して吸着し、搬送ユニット31の回転体34の反時計回りの回転によって電子部品Wと共に9時位置まで移動し、当該電子部品Wを、搬送ユニット32の吸着ノズル35に与える。搬送ユニット32も搬送ユニット31と同様の動作によって搬送ユニット31から取得した電子部品Wを搬送ユニット33に与える。搬送ユニット33は、吸着ノズル35が、回転体34の反時計回りの回転により6時位置まで移動して、吸着している電子部品Wを、テープレーン11に配されたキャリアテープS1のポケットP1又はテープレーン12に配されたキャリアテープS2のポケットP2に投入する。
【0022】
ここで、搬送ユニット33によってキャリアテープS1のポケットP1又はキャリアテープS2のポケットP2に電子部品Wを投入可能なポケットP1又はポケットP2の配置領域を投入可能領域Rとして、駆動手段25はキャリアテープS1の一のポケットP1又はキャリアテープS2の一のポケットP2のいずれか一方が投入可能領域Rに配されるように、可動ユニット24(テープレーン11、12)を移動させることができる。
【0023】
投入可能領域Rは、ポケットP1又はポケットP2に電子部品Wを確実に投入できる領域及び不確実ではあるが電子部品Wへの投入が可能な領域の双方からなる領域である。本実施の形態において、投入可能領域Rは、ポケットP1(ポケットP1、P2の大きさは等しい)1個分より大きいが、2つのポケットP1、2つのポケットP2、又は、X軸方向に隣り合うポケットP1、P2が収まらない大きさである。そのため、投入可能領域Rには1つのポケットP1又は1つのポケットP2のいずれか一方のみが配される。
【0024】
駆動手段25は、一回の作動によって、可動台19に対し、可動ユニット24を、X軸方向にテープレーン11の幅方向中心とテープレーン12の幅方向中心の間隔分、水平移動させる。そのため、
図1に示すように、一のポケットP1が投入可能領域Rに配されている状態で駆動手段25が作動すると、
図4に示すように、一のポケットP2が投入可能領域Rに配され、
図4に示すように、一のポケットP2が投入可能領域Rに配されている状態で駆動手段25が作動すると、
図1に示すように、一のポケットP1が投入可能領域Rに配される。従って、駆動手段25は投入可能領域Rに一部が配されるテープレーン11、12を切り替えることとなる。
【0025】
また、搬送ユニット32の近傍には、
図2に示すように、搬送ユニット32の吸着ノズル35に吸着された電子部品Wに対して、電気特性検査を行う電気特性検査ユニット36が、搬送ユニット33の近傍には、撮像を行う撮像手段37、38が、それぞれ図示しない支持部材に固定されている。
撮像手段37は、
図5に示すように、撮像手段37が撮像した電子部品Wの画像を基にその電子部品Wの割れや欠け等の外観の異常を検出する欠損検出部40に接続されている。撮像手段38は、撮像手段38が撮像した電子部品Wの画像を基にその電子部品Wの搬送ユニット33に対する位置を検出する位置検出部41に接続されている。
【0026】
可動ユニット24の近傍には、
図3に示すように、投入可能領域Rに配されているキャリアテープS1の空のポケットP1又は投入可能領域Rに配されているキャリアテープS2の空のポケットP2のいずれかを光反射部材42、43を介して撮像する撮像手段44(キャリアテープS1又はキャリアテープS2に対して所定の処理を行う処理手段の一例)が図示しない支持部材に固定されている。撮像手段44は、
図5に示すように、撮像手段44が撮像した画像を基に投入可能領域Rに配されているポケットP1又はポケットP2の位置を検出する位置検出部45に接続されている。
【0027】
電気特性検査ユニット36及び欠損検出部40は駆動手段20、21、25に接続された制御手段46に接続されている。制御手段46はCPU及びメモリ等によって構成でき、本実施の形態では、制御手段46が電気特性検査ユニット36の検査結果及び欠損検出部40の検出結果を基に、搬送ユニット33が次の電子部品Wの投入先としてキャリアテープS1のポケットP1又はキャリアテープS2のポケットP2のいずれかを選択し、駆動手段25の制御によって可動台19上で可動ユニット24を移動させ、選択されたポケットP1又はポケットP2を投入可能領域Rに配する。
【0028】
本実施の形態では、電気特性検査及び外観検査の各結果がいずれも所定以上のランク(良好なランク)の電子部品WはキャリアテープS1のポケットP1に投入され、同結果のいずれかが所定未満のランクだった電子部品WはキャリアテープS2のポケットP2に投入される。
テープレーン11に対応するポケットP1を投入可能領域Rに配すると、撮像手段44が該当のポケットP1を撮像でき、テープレーン12に対応するポケットP2を投入可能領域Rに配すると、撮像手段44が該当のポケットP2を撮像できるようになる。即ち、撮像手段44は2列のテープレーン11、12に兼用される。
【0029】
本実施の形態では、処理手段の一例である撮像手段44に対し、2列のテープレーン11、12を移動させて、2列のテープレーン11、12のいずれか1つを、撮像手段44がそのテープレーン11(又はテープレーン12)に対して撮像(所定の処理)を行える撮像可能位置(処理可能位置の一例)に配するレーン移動機構が、ガイドレール22、23及び駆動手段25によって構成されている。
【0030】
また、搬送ユニット33が電子部品Wを確実に投入できる投入可能領域R内のポケットP1(又はポケットP2)の位置を目標位置として、位置検出部41、45には、投入可能領域Rに配されたポケットP1(又はポケットP2)を目標位置に配するための可動ユニット24の移動方向及び移動量を算出する移動量演算手段47が接続されている。本実施の形態において、移動量演算手段47は、次にポケットP1(又はポケットP2)に投入される電子部品Wの搬送ユニット33に対する位置(即ち、位置検出部41の検出結果)を基に目標位置を導出する。なお、設備によっては各電子部品Wに共通した目標位置が定められる。
【0031】
移動量演算手段47は、プーリ26、27によるキャリアテープS1の移動により空のポケットP1が投入可能領域Rに配される度に、そのポケットP1に対応する目標位置に当該ポケットP1を配置するための可動ユニット24の移動方向及び移動量を導出する。個々のポケットP1ごとに可動ユニット24の移動方向及び移動量を導出するのは、投入可能領域Rに配された際のポケットP1の位置が各ポケットP1により異なる(厳密な意味では異なる)ためである。
【0032】
これはポケットP2についても同様であり、移動量演算手段47は、キャリアテープS2の移動により空のポケットP2が投入可能領域Rに配される度に、そのポケットP2を目標位置に配置するための可動ユニット24の移動方向及び移動量を導出する。
従って、テーピング装置10は、撮像手段38によって撮像された画像及び撮像手段44によって撮像された画像を基にして、目標位置に空のポケットP1又は空のポケットP2を配するための2列のテープレーン11、12の移動方向及び移動量を導出する移動量演算手段47を備えている。
【0033】
欠損検出部40及び位置検出部41、45は画像処理用のプログラムが搭載されたチップ等によって構成可能であり、移動量演算手段47はCPU及びメモリ等によって構成できる。
制御手段46と移動量演算手段47は接続され、制御手段46は移動量演算手段47の導出結果を基に駆動手段20、21の作動による可動ユニット24の位置調整によって、投入可能領域Rに配されているポケットP1(又はポケットP2)を目標位置に配置する。本実施の形態では、テープレーン11、12が駆動手段20、21の作動によって一体的に平行移動する。
【0034】
以下に、投入可能領域Rに空のポケットP1が配されている状態で電子部品W(以下、「対象の電子部品W」とも言う)を空のポケットP2に投入する工程を記す。
(1)搬送ユニット33が対象の電子部品Wを投入可能領域Rに搬送しているタイミングで、制御手段46が駆動手段25の制御によって可動ユニット24を移動させ一のポケットP2を投入可能領域Rに配置する。
【0035】
(2)撮像手段44が投入可能領域Rに配置されたポケットP2を撮像し、位置検出部45がその撮像画像から当該ポケットP2の位置を検出する。
(3)移動量演算手段47が、撮像手段38の撮像画像を基に位置検出部41が検出した対象の電子部品Wの位置、及び、位置検出部45が検出したポケットP2の位置を基に、目標位置を求め、その目標位置にポケットP2を配するための可動ユニット24の移動方向及び移動量を導出する。
【0036】
(4)制御手段46が、移動量演算手段47の導出結果に基づいて、駆動手段20、21を制御して可動ユニット24のX軸方向の位置及びY軸方向の位置を調整し、投入可能領域R内のポケットP2を目標位置に配置する。
(5)搬送ユニット33が目標位置に配されたポケットP2に対象の電子部品Wを投入する。
【0037】
また、撮像手段44は、投入可能領域Rに配された空のポケットP1(又はポケットP2)を撮像する代わりに、投入可能領域Rに配される前の空のポケットP1(又はポケットP2)を撮像してもよい。
例えば、撮像手段44が投入可能領域Rの1つ上流側でポケットP1(又はポケットP2)を撮像する場合、移動量演算手段47は、位置検出部45が撮像手段44の撮像画像を基に検出したポケットP1(又はポケットP2)の位置を、対応するテープレーン11に紐付けて(ポケットP2の場合は、ポケットP2の位置を、対応するテープレーン12に紐付けて)記憶し、記憶されたポケットP1(又はポケットP2)の位置(位置の情報)を、当該ポケットP1(又はポケットP2)を目標位置に配するための可動ユニット24(テープレーン11、12)の移動方向及び移動量の導出に用いる。
【0038】
この場合、制御手段46は、プーリ26、27によってテープレーン11が移動するタイミング(投入可能領域Rの1つ上流側のポケットP1が投入可能領域Rに移動するタイミング)で、駆動手段20、21(テープレーン11、12の切り替えが必要であれば、駆動手段25も)を制御して、可動ユニット24の位置を調整し、投入可能領域Rの1つ上流側のポケットP1を目標位置に配する。
【0039】
また、ポケットP1に電子部品Wを投入した後、次の電子部品WをポケットP2に投入する際には、該当のポケットP2が投入可能領域Rの1つ上流側に配されていたときに撮像された画像を基に検出されテープレーン12に紐付いて記憶されたそのポケットP2の位置を用いて、そのポケットP2を目標位置に配するための可動ユニット24の移動方向及び移動量が導出されることとなる。
【0040】
これに加えて、撮像手段44が投入可能領域Rに配されたポケットP1(又はポケットP2)と共に、投入可能領域Rに配される前の空のポケットP1(又はポケットP2)、即ち複数のポケットP1(又はポケットP2)を撮像するように設計してもよいし、1つ又は複数のポケットP1と共に1つ又は複数のポケットP2を撮像するようにしてもよい。その場合、例えば、1つの画像で、複数のポケットP1、P2それぞれの位置を検出できる。
【0041】
上記(1)の工程において、投入可能領域RにポケットP1が配された状態から投入可能領域RにポケットP2が配された状態に切り替える処理を、駆動手段25の制御による可動台19に対する可動ユニット24の移動によって行う代わりに、駆動手段20の制御によるベース台13に対する可動体16の移動によって行うことができる。この場合、2列のテープレーン11、12を移動させて、テープレーン11、12のいずれか1つを、処理手段が所定の処理を行える処理可能位置に配するレーン移動機構が、ガイドレール14、15及び駆動手段20によって構成される。
【0042】
反対に、上記(4)の工程において、ポケットP2のX軸方向位置を目標位置のX軸方向位置に一致させる処理を、駆動手段20の制御によるベース台13に対する可動体16の移動によって行う代わりに、駆動手段25の制御による可動台19に対する可動ユニット24の移動によって行うこともできる。
【0043】
従って、駆動手段20によってベース台13に対し可動体16をX軸方向に移動させる機構又は駆動手段25によって可動台19に対し可動ユニット24をX軸方向に移動させる機構のいずれか一方を省くことが可能である。但し、上記(1)の工程におけるX軸方向の移動と上記(4)の工程におけるX軸方向の移動とは、移動量や求められる移動精度が異なるため、それぞれのX軸方向の移動に合った異なる設計の機構を設けることが好適であり、本実施の形態では、その好適な構成を採用している。
【0044】
そして、上記(4)の工程において、ポケットP2のY軸方向位置を目標位置のY軸方向位置に一致させる処理を、駆動手段21の制御による可動台16に対する可動体19の移動によって行う代わりに、プーリ28、29の回転によるキャリアテープS2の移動によって(ポケットP1のY軸方向位置の調整に対してはプーリ26、27の回転によるキャリアテープS1の移動によって)行ってもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、
図3、
図4に示すように、投入可能領域Rの下流側で、カバーテープT1が未貼付のキャリアテープS1のポケットP1内の電子部品W、又は、カバーテープT2が未貼付のキャリアテープS2のポケットP2内の電子部品Wを撮像する撮像手段48が図示しない支持部材に固定されている。撮像手段48の撮像画像を基に、ポケットP1又はポケットP2から電子部品Wがはみ出ていないか等が判定される。
【0046】
そして、撮像手段48によりポケットP1(又はポケットP2)が撮像される位置の下流側(即ち、投入可能領域Rの下流側)でキャリアテープS1にカバーテープT1(又は、キャリアテープS2にカバーテープT2)を圧着等によって貼り付けるテープ貼付手段49が設けられ、更にその下流側に、キャリアテープS1に貼り付けられたカバーテープT1の接着部、即ち、キャリアテープS1とカバーテープT1の接着部(又は、キャリアテープS2に貼り付けられたカバーテープT2の接着部、即ち、キャリアテープS2とカバーテープT2の接着部)を撮像する撮像手段50が図示しない支持部材に固定されている。
【0047】
撮像手段48、50はそれぞれ、2列のテープレーン11、12に兼用され、ポケットP1(又はポケットP2)内に投入された電子部品Wに所定の処理を行う処理手段の一例である。テープ貼付手段49は、2列のテープレーン11、12に兼用され、キャリアテープS1及びカバーテープT1(又は、キャリアテープS2及びカバーテープT2)に所定の処理を行う処理手段の一例である。よって、本実施の形態では、2列のテープレーン11、12に兼用され、キャリアテープS1、S2、ポケットP1、P2内に投入された電子部品W、及び、カバーテープT1、T2のいずれか1つ又は複数に対して所定の処理を行う処理手段が少なくとも1つ設けられている。
【0048】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、テーピング装置に電子部品を搬送する部品搬送装置として、
図6に示すような電子部品Wを吊り下げて支持する部品搬送装置60やその他の設計の部品搬送装置が採用可能である。
また、テープレーンは、
図7、
図8に示すように、3列以上であってもよい(
図7、
図8に示す例では、3列のテープレーン70、71、72が設けられている)。N列のテープレーンは一体的に移動しなくてもよく、
図8~
図10に示すように、それぞれテープレーンが設けられたN個の可動ユニット(
図7~
図10に示す例では、それぞれテープレーン70、71、72が設けられた3個の可動ユニット73、74、75)を個々に移動させるレーン移動機構を採用し、各テープレーンを個別に移動するようにしてもよい。
【0049】
更に、
図11に示すように、テープレーン81、82、83が、平面視して、位置Qを中心に放射状に配されたテーピング装置80を採用してもよい。平面視して、テープレーン81、82、83を延長した3本の延長線が交わる位置が位置Qとして設定されている。テープレーン81、82、83は位置Qを中心に回転するように移動して、テープレーン81、82、83のうちの一つが搬送ユニット84の直下に配置されるように各種調整がなされている。
【0050】
また、N列のテープレーンに兼用され、キャリアテープ、ポケット内に投入された電子部品、及び、カバーテープのいずれか1つ又は複数に対して所定の処理を行う処理手段は少なくとも1つあればよい。例えば、投入可能領域に配された空のポケット及び投入可能領域に配される前の空のポケットのいずれか一方又は双方を撮像する撮像手段のみを、N列のテープレーンに共通して使用される処理手段とし、投入可能領域の下流側でポケット内の電子部品を撮像する撮像手段、テープ貼付手段及びキャリアテープに貼り付けられたカバーテープの接着部を撮像する撮像手段をそれぞれN個設けてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10:テーピング装置、11、12:テープレーン、13:ベース台、14、15:ガイドレール、16:可動台、17、18:ガイドレール、19:可動台、20、21:駆動手段、22、23:ガイドレール、24:可動ユニット、25:駆動手段、26、27、28、29:プーリ、30:部品搬送装置、31、32、33:搬送ユニット、34:回転体、35:吸着ノズル、36:電気特性検査ユニット、37、38:撮像手段、40:欠損検出部、41:位置検出部、42、43:光反射部材、44:撮像手段、45:位置検出部、46:制御手段、47:移動量演算手段、48:撮像手段、49:テープ貼付手段、50:撮像手段、60:部品搬送装置、70、71、72:テープレーン、73、74、75:可動ユニット、80:テーピング装置、81、82、83:テープレーン、84:搬送ユニット、P1、P2:ポケット、R:投入可能領域、S1、S2:キャリアテープ、T1、T2:カバーテープ、U:ウエハシート、W:電子部品
【要約】
【課題】フットプリントの拡大を抑制し、キャリアテープが搬送されるテープレーンを複数設けることが可能なテーピング装置を提供する。
【解決手段】ポケットP1、P2に電子部品Wが投入されるキャリアテープS1、S2及びカバーテープT1、T2が送られるテープレーン11、12を有するテーピング装置10において、テープレーン11、12はN列あって並列に配置され、N列のテープレーン11、12に兼用され、キャリアテープS1、S2、ポケットP1、P2内に投入された電子部品W、及び、カバーテープT1、T2のいずれか1つ又は複数に所定の処理を行う処理手段44、48、49、50が少なくとも1つ設けられ、処理手段44、48、49、50に対しN列のテープレーン11、12を移動させて、いずれか1つを処理手段44、48、49、50がテープレーン11、12に対して所定の処理を行える処理可能位置に配するレーン移動機構を備える。
【選択図】
図1