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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/067 20120101AFI20240508BHJP
【FI】
B65B9/067
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020183812
(22)【出願日】2020-11-02
(65)【公開番号】P2022073672
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390031749
【氏名又は名称】株式会社トパック
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】正井 滋
(72)【発明者】
【氏名】蓑方 昭洋
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-159953(JP,A)
【文献】特開2008-094439(JP,A)
【文献】特開2003-341633(JP,A)
【文献】特開2004-306987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし,
前記二つ折りされた包装材を円周搬送路(35)に沿って搬送しながら,前記二つ折りされた包装材(100)を該包装材(100)の長手方向に所定の間隔をあけて複数のシール部(32)で挟持してヒートシールすることにより充填材収納用袋部(102)を連続的に形成し,
上記充填材収納用袋部(102)に挿入されたシュート(48)を介して上記充填材収納用袋部(102)に充填材(103)を充填する包装機(1)であって,
前記包装機(1)は,
前記円周搬送路(35)の中心軸(26)の周りを回転する回転テーブル(31)と,
前記複数のシール部(32)を前記回転テーブル(31)に連結するとともに前記シール部(32)を前記円周搬送路(35)の中心軸(26)に近い前進位置と前記前進位置よりも前記中心軸(26)から離れた後退位置との間を移動させる調整機構(200)を有し,
(a) 前記複数のシール部(32)はそれぞれ,
前記円周搬送路(35)の内側から前記包装材(100)を支持する固定シール部(33)と,
前記円周搬送路(35)の接線方向に伸びる軸(36)を中心に揺動可能に支持されており,前記固定シール部(33)に対向して前記包装材(100)を前記円周搬送路(35)の外側から前記包装材(100)を支持するシール位置と,前記固定シール部(33)から離間した非シール位置とを取り得る可動シール部(34)と,
前記可動シール部(34)に設けられた被ガイド部(37)を備えており,
(b) 前記包装機(1)は,前記被ガイド部(37)に係合して前記可動シール部(34)をシール位置と非シール位置との間で移動させるガイド機構(38)を有し,
(c) 前記ガイド機構(38)は,
前記被ガイド部(37)に係合し,前記可動シール部(34)を前記シール位置に保持する第1のガイド部(241a)と,
前記被ガイド部(37)に係合し,前記回転テーブル(31)の回転に基づいて,前記可動シール部(34)を前記シール位置から前記非シール位置に案内する第2のガイド部(241b)と,
前記被ガイド部(37)に係合し,前記回転テーブル(31)の回転に基づいて,前記可動シール部(34)を前記非シール位置から前記シール位置に案内する第3のガイド部(24c)と,
前記被ガイド部(37)に係合し,前記回転テーブル(31)の回転に基づいて,前記可動シール部(34)を前記非シール位置に保持する第4のガイド部(241d)を有し,
前記第2のガイド部(241b),前記第3のガイド部(241c),及び第4のガイド部(241d)は一つのガイドレール(244)で構成されており,
前記ガイドレール(244)は前記被ガイド部(37)をガイドするガイド溝(247)を有し,
前記ガイド溝(247)は,前記前進位置と前記後退位置にある前記可動シール部(34)が前記中心軸(26)の周りを移動する間,前記可動シール部(34)の被ガイド部(37)をガイドする形状を有し,
前記第2のガイド部(241b)における前記ガイド溝(247)の溝幅は,前記第2のガイド部(241b)の始端から終端に向かって徐々に大きくなり,
前記第3のガイド部(241c)における前記ガイド溝(247)の溝幅は,前記第3のガイド部(241c)の始端から終端に向かって徐々に小さくなり,
前記第2のガイド部(241b)における前記終端の溝幅と前記第3のガイド部(241c)における前記始端の溝幅に等しく,
前記第4のガイド部(241d)における前記ガイド溝(247)の溝幅は,前記第2のガイド部(241b)の前記終端の溝幅と前記第3のガイド部(241c)の前記始端の溝幅に等しい,ことを特徴とする包装機。
【請求項2】
前記第2のガイド部(241b)の前記始端の溝幅と前記第3のガイド部(241c)の前記終端の溝幅は,前記被ガイド部(37)の幅に等しい,ことを特徴とする請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記第4のガイド部(241d)における前記溝幅は前記被ガイド部(37)の幅よりも大きい,ことを特徴とする請求項1又は2に記載の包装機。
【請求項4】
前記第2のガイド部(241b)における前ガイド溝(247)の深さは,前記第2のガイド部(241b)の始端から終端に向かって徐々に小さくなり,
前記第3のガイド部(241c)における前ガイド溝(247)の深さは,前記第3のガイド部(241c)の始端から終端に向かって徐々に大きくなり,
前記第4のガイド部(241d)における前記ガイド溝(247)の深さは,前記第2のガイド部(241b)の前記終端における前記ガイド溝(247)の深さと前記第3のガイド部(241c)の前記始端における前記ガイド溝(247)の深さと等しい,ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に,連続的に供給される帯状の包装材を二つ折りし,二つ折りされた包装材を所定径の円周搬送路に沿って搬送しながら搬送方向に所定の間隔をあけてヒートシールして充填材収納用袋部を形成するとともに各袋部に充填材(例えば,粉剤)を充填する包装機が開示されている。
【0003】
特許文献1の包装充填機は,製造される袋部の大きさ(特に,搬送方向の長さ)が一定で,充填材の量や種類に応じて袋部の大きさを変更することができなかった。そこで,袋部の大きさを変更可能な包装充填機が特許文献2で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-122208号公報
【文献】特開2017-159953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2の包装機では,袋部の大きさを変えるためにシール部の位置を移動するには,シール部の可動シールガイド部材を動かす必要があり,そのために複雑なガイド部材移動機構が必要であった。そこで,本発明の実施形態は,シール部を移動してもガイド部材を動かす必要のない包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は,
連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし,
前記二つ折りされた包装材を円周搬送路(35)に沿って搬送しながら,前記二つ折りされた包装材(100)を該包装材(100)の長手方向に所定の間隔をあけて複数のシール部(32)で挟持してヒートシールすることにより充填材収納用袋部(102)を連続的に形成し,
上記充填材収納用袋部(102)に挿入されたシュート(48)を介して上記充填材収納用袋部(102)に充填材(103)を充填する包装機(1)であって,
前記包装機(1)は,
前記円周搬送路(35)の中心軸(26)の周りを回転する回転テーブル(31)と,
前記複数のシール部(32)を前記回転テーブル(31)に連結するとともに前記シール部(32)を前記円周搬送路(35)の中心軸(26)に近い前進位置と前記前進位置よりも前記中心軸(26)から離れた後退位置との間を移動させる調整機構(200)を有し,
(a) 前記複数のシール部(32)はそれぞれ,
前記円周搬送路(35)の内側から前記包装材(100)を支持する固定シール部(33)と,
前記円周搬送路(35)の接線方向に伸びる軸(36)を中心に揺動可能に支持されており,前記固定シール部(33)に対向して前記包装材(100)を前記円周搬送路(35)の外側から前記包装材(100)を支持するシール位置と,前記固定シール部(33)から離間した非シール位置とを取り得る可動シール部(34)と,
前記可動シール部(34)に設けられた被ガイド部(37)を備えており,
(b) 前記包装機(1)は,前記被ガイド部(37)に係合して前記可動シール部(34)をシール位置と非シール位置との間で移動させるガイド機構(38)を有し,
(c) 前記ガイド機構(38)は,
前記被ガイド部(37)に係合し,前記可動シール部(34)を前記シール位置に保持する第1のガイド部(241a)と,
前記被ガイド部(37)に係合し,前記回転テーブル(31)の回転に基づいて,前記可動シール部(34)を前記シール位置から前記非シール位置に案内する第2のガイド部(241b)と,
前記被ガイド部(37)に係合し,前記回転テーブル(31)の回転に基づいて,前記可動シール部(34)を前記非シール位置から前記シール位置に案内する第3のガイド部(24c)と,
前記被ガイド部(37)に係合し,前記回転テーブル(31)の回転に基づいて,前記可動シール部(34)を前記非シール位置に保持する第4のガイド部(241d)を有し,
前記第2のガイド部(241b),前記第3のガイド部(241c),及び第4のガイド部(241d)は一つのガイドレール(244)で構成されており,
前記ガイドレール(244)は前記被ガイド部(37)をガイドするガイド溝(247)を有し,
前記ガイド溝(247)は,前記前進位置と前記後退位置にある前記可動シール部(34)が前記中心軸(26)の周りを移動する間,前記可動シール部(34)の被ガイド部(37)をガイドする形状を有し,
前記第2のガイド部(241b)における前記ガイド溝(247)の溝幅は,前記第2のガイド部(241b)の始端から終端に向かって徐々に大きくなり,
前記第3のガイド部(241c)における前記ガイド溝(247)の溝幅は,前記第3のガイド部(241c)の始端から終端に向かって徐々に小さくなり,
前記第2のガイド部(241b)における前記終端の溝幅と前記第3のガイド部(241c)における前記始端の溝幅に等しく,
前記第4のガイド部(241d)における前記ガイド溝(247)の溝幅は,前記第2のガイド部(241b)の前記終端の溝幅と前記第3のガイド部(241c)の前記始端の溝幅に等しい,ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば,必要に応じて袋部の大きさを変更できるため,一つの包装機を複数種類の充填材の充填に利用できる。また,前進位置と後退位置の両方において,可動シール部は一つのガイドレールによって案内される。そのため,シール部を前進位置から後退位置,逆に後退位置から前進位置に切り換えても,可動シール部のガイド機構に変更を加える必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る包装機の正面図。
図2図1に示す包装機の概略平面図。
図3図1に示す包装機の一部を示す斜視図。
図4】本発明の包装機で製造される連続袋体の一部を示す正面図。
図5】シール部が前進位置(実線)と後退位置(点線)に設定された包装機の内部構造を示す断面図。
図6】シール領域を通過するシュート,シール部等の位置関係を示す説明図。
図7】偏心シャフトとシュートの移動経路を示す説明図。
図8】偏心シャフト,シュートの動きを示す説明図。
図9】充填シュートの斜視図。
図10】シール位置の調整機構を示す部分平面図。
図11図10と共にシール位置の調整機構を示す側面図。
図12】ガイド機構及びガイドレールの構造を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下,添付図面を参照して本発明に係る包装機(以下,「包装機」という。)を説明する。
【0010】
1.包装機:
包装機1は,図1図4に示すように,帯状のフィルム又はシートからなる包装材100を水平方向に搬送しながらその長手方向中央線に沿って二つ折りし,この二つ折りした包装材100を長手方向の所定間隔ごとに接着又はシール(縦シール101を形成)して袋部102を連続的に形成し,袋部102に充填材103を充填し,袋部102の上端開口を接着することによりトップシール104を形成して連続袋体105を形成するものである。連続袋体105は,例えば,隣接する袋部102の間の縦シール101に沿って切断されて個々の袋部102又は複数の連続した袋部102からなる袋体に分離されるか,または,隣接する袋部102の間の縦シール101に沿ってミシン目107を入れた袋体に加工される。
【0011】
図1に示すように,包装機1は,本体フレーム(筐体)11を有する。図示する本体フレーム11の前壁12には,包装材100を供給する包装材供給部13と,包装材供給部13から供給された包装材100をほぼ水平方向に案内しながら該包装材100の長手方向中央線を支点として略V字状に折り上げる包装材折り上げ部14が配置されている。本体フレーム10は,図1~4に示すように,包装材折り上げ部14で折り上げられた左右包装材片を長手方向に所定の間隔をあけて熱接着して縦シール101と隣接する縦シール101の間に位置する袋部102を連続的に形成するとともに各袋部102に充填材を充填する充填材充填部15と,充填材充填部15に充填材を供給する充填材供給部16と,充填材が充填された各袋部102の上端を熱接着してトップシール104を形成するトップシール部17と,隣接する袋部の間の縦シールにミシン目107を形成する切断部18を支持している。
【0012】
2.包装材供給部13:
図1に示すように,包装材供給部13は,本体フレーム11の前壁下部に配置されており,所定の横幅を有する帯状のフィルム又はシートからなる包装材100を巻回したロール21を支持する支軸(シャフト)22を有する。包装材供給部13はまた,支軸22に装着されたロール21から繰り出される包装材100を折り上げ部14に案内する複数のローラ23を有する。
【0013】
3.折り上げ部14:
図3に示すように,折り上げ部14は,包装材供給部13の最後のローラ23からほぼ水平方向に向けて送られる包装材100の上面に接触する横断面が略V字形の折り曲げガイド24を有する。折り上げガイド24の上方開き角(V字断面の上方開き角)は,包装材搬送方向111に沿って徐々に小さくなるようにしてある。
【0014】
4.充填材充填部15:
図5を参照すると,充填材充填部15は,本体フレーム10に固定された固定円筒部25を有する。固定円筒部25は,鉛直方向の軸(中心軸)26を中心とする外周円筒面を備えている。固定円筒部25には回転円筒部27が同心的に外装されている。固定円筒部25と回転円筒部27の間には軸受28が配置されており,回転円筒部27に駆動連結されたモータ(図示せず)の駆動に基づいて,回転円筒部27が軸26を中心に固定円筒部25の周囲を包装材搬送方向(上方から見たときの反時計回り方向)111(図2参照)に回転するようにしてある。
【0015】
固定円筒部25は,その上部に円形の固定テーブル30を支持している。回転円筒部27は,その上部に環状の回転テーブル31を支持している。回転テーブル31には,複数(n個:nは整数。)のシール部32が軸26を中心とする円周上に所定の間隔(角度=360度/n)をあけて配置されている。各シール部32は,固定シール部(固定シールバー)33と,該固定シール部33の外側に配置された可動シール部(可動シールバー)34を有する。図6に示すように,固定シール部33は,軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて配置されており,固定シール部33の加熱面33a(軸26を中心とする径方向の最外側面)が軸26を中心とする円周搬送路(シール基準円)35上に位置している。シール基準円35は,包装材搬送経路112(図2,6参照)の一部を形成しており,折り上げられた包装材100が固定シール部33の加熱面33aに支持された状態で該円周搬送路35の一部(シール領域)に沿って搬送されるようにしてある。
【0016】
図5に戻り,可動シール部34は,円周搬送路35の接線方向(接線と平行な方向)に伸びる軸(シャフト)36を介して固定シール部33に連結されており,可動シール部34の加熱面34aが対応する固定シール部33の加熱面33aに包装材100を介して圧接するシール位置(図5の右側に示す位置)と,可動シール部34が約80°~100°外側に倒れて該可動シール部34の加熱面34aが固定シール部33の加熱面33aから離間する非シール位置(図5の左側に示す位置)との間を往復移動できるようにピボット回転可能に支持されている。
【0017】
後述するように,実施形態の包装機1では,縦シール101の間隔を変えることによって袋部102の大きさ(長手方向の長さ)を変えることができるように,シール部32の位置を径方向に移動して実線位置と点線位置に設定できるように構成されている。
【0018】
可動シール部34の位置(可動シール部の傾き)は,可動シール部34に設けた被ガイド部(カムフォロア)37と本体フレーム10に設けたガイド機構38(後に詳細に説明する。)との係合に基づいて決定されている。具体的に,図7,8に示すように,回転テーブル31の回転に基づいてシール領域39を通過しているとき,可動シール部34は固定シール部33に圧接するシール位置をとり,回転テーブル31の回転に基づいて非シール領域40を通過しているとき,可動シール部34は固定シール部33から離間した非シール位置をとる。図示するように,非シール領域40の終端とシール領域39の始端との間には,可動シール部34が非シール位置からシール位置に徐々に移動する領域41が存在し,シール領域39の終端と非シール領域40の始端との間には,可動シール部34がシール位置から非シール位置に徐々に移動する領域42が存在する。以下の説明では,適宜,シール領域39を「完全閉鎖領域」,非シール領域40を「完全開放領域」,領域41を「漸次閉鎖領域」,領域42を「漸次開放領域」という。
【0019】
ガイド機構38は,図2に示すように,完全閉鎖領域39に配置されて可動シール部34を固定シール33に圧接した状態を保持する第1のガイド部241aと,漸次開放領域42に配置されて可動シール部34を固定シール部33から離していく第2のガイド部241bと,漸次閉鎖領域41に配置されて可動シール部34を固定シール部33に近づけていく第3のガイド部241cと,第2のガイド部241bと第3のガイド部241cの間にあって可動シール部34を非シール位置に保持する第4のガイド部241d(図13参照)を有する。
【0020】
図5図7に示すように,充填材充填部15は複数の昇降シャフト43を有する。昇降シャフト43は,複数のシール部32のそれぞれに対応して,軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて配置され,軸26と平行に垂直方向に伸びている。昇降シャフト43を軸26と平行な上下方向に昇降させるために,回転テーブル31にはシール部32の内側に軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて複数のシャフト貫通孔44(図5)が形成されている。シャフト貫通孔44は軸26を中心とするシャフト基準円45(図6参照)上に等間隔(360度/n)に形成されており,そこに挿通された昇降シャフト43がシャフト貫通孔44に沿って昇降自在に且つシャフト43の中心軸46を中心として回転可能としてある。
【0021】
回転テーブル31から上方に突出した各昇降シャフト43の上部には充填シュート48が着脱可能に取り付けてある。図9に示すように,充填シュート48は,横断面が楕円形の充填シュート筒状下部48aと,該筒状下部48aの上端に連結された漏斗状上部48bと,充填シュート筒状下部48a又は漏斗状上部48bから横方向に突出するアーム47を備えており,アーム47の先端が昇降シャフト43に連結可能となっている。
【0022】
図5に戻り,回転テーブル31から下方に突出した昇降シャフト43の下部は,該昇降シャフト43から側方に突出した被ガイド部(カムフォロア)49を有する。被ガイド部49に対応して,固定円筒部25の外側にはこれと同心に昇降ガイド用筒体50が固定されている。昇降ガイド用筒体50は,軸26を中心とする外周円筒面51を有する。外周円筒面51は環状のガイド部(ガイド溝)52を有し,このガイド部52に被ガイド部49が係合している。図の左右に表されたガイド部52は異なる高さに設けられていることから分かるように,ガイド部52はその一部が他の部分よりも高い位置に形成されており,対応する充填シュート48がシール領域(完全閉鎖領域)39(図7,8参照)にあるとき該充填シュート48が下降位置をとって該充填シュート筒状下部48aの下端が2つ折りされた包装材の両包装材片の間に位置し,充填シュート48が非シール領域(完全開放領域)40にあるとき該充填シュート48は上昇位置をとって該充填シュート筒状下部48aの下端が包装材の上方に退避し,充填シュート48が漸次閉鎖領域41又は漸次開放領域42に位置するときは下降位置と上昇位置の間を移動するように,高さが決められている。
【0023】
昇降シャフト43の下端は,該昇降シャフト43の下端から横方向に突出した連結部(アーム)53を有する。連結部53の先端側には,昇降シャフト43と平行に且つ該連結部53から下方に伸びる偏心シャフト54が連結されている。偏心シャフト54は,名称が意味するとおり,昇降シャフト43の中心軸46から水平方向に所定距離だけ偏心した別の中心軸(偏心軸)55に沿って下方に伸びている。偏心シャフト54は,その下端に被ガイド部56を有する。被ガイド部56に対応して,回転筒27の外側には環状のガイド部57が固定されている。ガイド部57は,特にこれを上方から見たときの形状が図7に示されているように,軸26を中心とする円58に沿って伸びる円形円弧部分59と,円58から外側に逸れた非円形円弧部分60を有し,充填シュート48がほぼシール領域39にあるとき充填シュート48が円周搬送路35上にあってその筒状下部48aの下端が2つ折りされた包装材の両包装材片の間に位置し,充填シュート48が漸次閉鎖領域41にあるときは,該充填シュート48が円周搬送路35の外側に位置し,その後シール領域39に進入する直前で楕円形の充填シュート筒状下部48aの長軸(楕円長軸)が円周搬送路35(図6参照)の接線方向に向けられた状態で搬送経路112に沿ってシール領域39に進入するようにしてある。
【0024】
6.充填材供給部:
図5を再び参照すると,充填材供給部16は,袋部102に充填する充填材を充填シュート48に落下供給するもので,円周搬送路35(図2参照)の内側に位置する軸61に沿って垂直に配置された回転軸62(シャフト)(図5参照)を有する。図示するように,軸61は,軸26と平行で,軸26から離れている。回転軸62は固定テーブル30を貫通している。回転軸62はその下端が図示しないモータに駆動連結されており,該モータの駆動に基づいて,上方から見たときに反時計回り方向(包装材搬送方向111と同じ方向)に回転するようにしてある。
【0025】
回転軸62は計量板(計量部材)63を支持している。計量板63の上には,充填材供給ホッパ64が設けてある。計量板63は,軸61を中心とする円65(図2参照)上に一定の間隔をあけて形成された複数の貫通孔からなる計量孔66を備えている。円65は,シール領域39の上流側領域80で円周搬送路35にほぼ重なり(図2,7参照),計量孔66が充填シュート48の漏斗状上部48aの上方に位置するようにしてある。計量孔66の間隔は,充填シュート48の間隔とほぼ等しくしてある。これにより,シール領域39内の充填材供給領域67(図7参照)において,計量孔66は対応する充填シュート48の漏斗状上部48bの上方に位置し,一定量の充填材が計量孔66から対応する充填シュート48に落下供給されるようになっている。充填材供給領域67以外の領域では,計量孔66はシャッタ機構68によってその下端開口が塞がれており,計量孔66から充填材が落下しないように構成されている。シャッタ機構68は,各計量孔66の下端開口を開閉するように計量板63の下面にピボット回転可能に支持された複数のシャッタ69と,充填材供給領域67にあるシャッタ69を開放位置に設定させるとともに充填材供給領域67以外の領域にあるシャッタ69を閉鎖位置に設定するシャッタ駆動部70を有する。シャッタ駆動部70は,回転軸62に外装されて固定テーブル30に固定された筒部71に支持されており,充填材供給領域67を通過するシャッタ69に係合し,シャッタ69を閉鎖位置から開放位置に移動するようになっている。
【0026】
7.トップシール部17:
図1に示すように,トップシール部17は,充填材103が充填された袋部102の上端に接して該上端開口を接着してトップシール104を形成する加圧部(シールローラ)73を有する。
【0027】
8.切断部18:
図1に示すように,切断部18は,包装材搬送方向に関してトップシール部17の下流側に配置され,連続袋体105の縦シール101の中央で連続袋体105を切断して個々の袋体110に分離するカッター,又は幅広縦シール部101の中央にミシン目を入れるミシン目カッター74が設けてある。
【0028】
9.動作:
以上の構成を備えた包装機1の動作を説明する。図示しないモータの電源が投入されると,これに駆動連結された回転円筒部27,回転軸62(図5を参照)が回転する。回転円筒部27の回転により回転テーブル31が回転する。これにより,本体フレーム11の下部にある包装材供給部13から繰り出された包装材100は,固定シール部33と可動シール部34から伝達される搬送力に基づいて,複数のローラ23により上方に案内され,最後のローラ23から送り出された包装材100はその主要面(表面,裏面)をほぼ水平面に平行に向けられる。ローラ23通過した包装材100は,V字状横断面の折り曲げガイド24の下面に沿って搬送されながら,包装材100の長手方向中央線を境に二つ折りされる。
【0029】
充填材充填部15では,モータの駆動に基づいて回転円筒部27とこれに固定された回転テーブル31が軸26を中心に反時計回り方向に回転する。その結果,回転テーブル31に支持されている昇降シャフト43の被ガイド部49がガイド部52にガイドされ,図8に示すように,充填シュート48はシール領域39において下降位置をとり,非シール領域40で上昇位置をとる。
【0030】
偏心シャフト54の被ガイド部56は,ガイド部57にガイドされる。図7に示すように,シール領域39直前の進入領域以外では,被ガイド部56はガイド部57の円形円弧部分59にガイドされ,充填シュート48は軸26を中心とする円形軌跡を移動する。シール領域39直前の進入領域では,被ガイド部56はガイド部57の非円形円弧部分60にガイドされ,充填シュート48はいったん円形軌跡の外側に振り出されたのち,包装材搬送経路112に沿って進入領域をほぼ直線状に前進する。この動作に同期して,図8に示すように,昇降シャフト43が上昇位置から下降位置に移り,二つ折りされた包装材100の内側に充填シュート48の筒状下部48aが進入する。
【0031】
シール領域39に送られた包装材100は,固定シール部33の加熱面に支持された状態で,回転テーブル31の回転とともに移動する。このとき,包装材搬送方向111に関して,隣接する固定シール部33の中央に充填シュート48の筒状下部48aが位置する。
【0032】
可動シール部34は,該可動シール部34の被ガイド部37がガイド機構38にガイドされており,シール領域39の直前の漸次閉鎖領域41を通過する際に非シール位置(完全開放領域)からシール位置(完全閉鎖領域)に移動する。シール領域39において,可動シール部34はその被ガイド部37が第1のガイド部241aに案内されてシール位置に保持され,固定シール部33に包装材100を介して接触する。これにより,固定シール部33と可動シール部34の加熱面に挟持された包装材部分が加熱されて縦シール101が形成される。
【0033】
次に,充填材供給領域67(図7参照)において,充填材供給部16の計量孔66から落下した充填材が充填シュート48を介して袋部102に充填される。
【0034】
シール領域39を通過して漸次開放領域42に入ると,可動シール部34は第2のガイド部241bによってシール位置から非シール位置に案内される。これにより,包装材100はシール部32から解放される。充填材が袋部102に充填された包装材100は,円周搬送路35から離れた後トップシール部17に供給され,そこで上端縁部が予熱部72図2参照)によって予熱され,さらに加圧部(シールローラ)73によって加圧されてトップシール104が形成されて袋部102が封止され,連続袋体105が形成される。その後,連続装体105は,切断部18に搬送されてそこで縦シール101が切断されて袋体110ごとに分離される,または,隣接する袋体110の間の縦シール101にミシン目107が入れられる。
【0035】
漸次開放流域42でシール位置から非シール位置に向かって移動する可動シール部34は,その後完全開放領域40に入り,そこで図5の左側に示す非シール位置をとる。完全開放領域40を通過すると,可動シール部34は漸次閉鎖領域41に入り,そこで非シール位置から図5の右側に示すシール位置に移動する。
【0036】
10:調整機構
上述した包装機1では,袋部102の長さ(縦シール101の間隔)を調整するために,複数の充填シュートが用意される。例えば,袋部を,包装材搬送方向における袋部の大きさが小さい小サイズ袋部と,包装材搬送方向における袋部の大きさが大きい大サイズ袋部との2種類に切り換える場合,2種類の充填シュート(小サイズ袋部用充填シュートと大サイズ袋部用充填シュート)が用意される。図6に示すように,小サイズ袋部用充填シュート48(48’)と大サイズ袋部用充填シュート48(48”)では,アーム47の長さと,連結部(アーム)53(図5参照)に対するアーム47の角度が異なる。例えば,小サイズ袋部用充填シュート48(48’)のアーム47(47’)は大サイズ袋部用充填シュート48(48”)のアーム47(47”)よりも短い。また,小サイズ袋部用充填シュート48(48’)におけるアーム47(47’)と連結部53との水平開き角は大サイズ袋部用充填シュート48(48”)におけるアーム47(47”)と連結部53との水平開き角よりも小さい。これにより,充填シュート48を小サイズ袋部用充填シュート48(48’)から大サイズ袋部用充填シュート48(48”)に切り換えると,周方向に隣接する充填シュート48同士の間隔(距離)が大きくなり,袋部の長さが大きくなる。
【0037】
図6に示すように,袋部を小サイズ袋部から大サイズ袋部に切り換えるためには,シール部32の位置を径方向に移動する必要がある。例えば,小サイズ袋部から大サイズ袋部に切り換える場合,シール部32を軸26から遠ざける必要がある。そのため,実施形態の包装機1では,軸26を中心とする円周搬送路35の半径(すなわち,軸26からシール部32までの距離,さらに正確には,軸26から加熱面33a,34aまでの距離)を調整できるように構成されている。
【0038】
10.1:シール位置の調整機構200
シール位置の調整機構200を説明する。実施形態において,図10図11に示すように,シール位置の調整機構200は,シール部32(固定シール部33と可動シール部34)を,軸26(図5参照)の径方向に移動させる構成210を有する。図10(図面が複雑になるのを避けるために可動シール部34は削除されている。)を参照すると,固定シール部33を支持する回転テーブル31には,各固定シール部33に対応して,軸26の径方向又はそれに平行な方向に伸びる一つ又は複数の長孔212が形成されている。図11に示すように,各固定シール部33の下面には,軸26の径方向に又はそれに平行な方向に伸びる線上に一つ又は複数のねじ孔213が形成されており,回転テーブル31の下方から長孔212に挿入された固定ねじ214がねじ孔213に螺合されている。したがって,固定ねじ214を緩めると,該固定ねじ214が長孔212に案内されながら,固定シール部33及びそれに連結された可動シール部34が,軸26の径方向又はそれに平行な方向に関して,軸26に接近した前進位置と軸26から後退した後退位置との間を移動し,その結果,隣接するシール部32の間隔が縮小又は拡大される。
【0039】
好ましくは,シール位置の調整機構200は,包装材の搬送方向に関する縦シールの間隔を正確に調整するための構成220を有する。図10図11を参照すると,この構成220は,固定テーブル30に固定された駆動部221を有する。実施形態では,駆動部221はシリンダ222を有する。シリンダ222は,そのシリンダロッド223を軸26の径方向又はそれに平行な方向に向けて固定されている。シリンダロッド223には規制部材224,226が固定されている。実施形態では,規制部材224は,シリンダロッド223の先端に連結された垂直部と該垂直部の下部から前方に伸びる水平部を有し,シリンダロッド223と平行に向けられて固定テーブル30に固定されたレール227に水平部が支持されており,シリンダ222の駆動に基づいて,軸26の径方向又はそれに平行な方向に往復移動するようにしてある。規制部材224,226の移動量を制限するために,固定テーブル30には支持部228が固定されている。支持部228は,規制部材垂直部224の前方に配置されており,垂直部224に向かってレール227と平行に伸びる丸孔229が形成されている。丸孔229にはねじ軸230(ねじ軸の非ねじ部)が回転可能にはめ込まれている。支持部228にはまた,ねじ軸230と平行に伸びるガイド板231が固定されている。ガイド板231は規制プレート232を支持している。規制プレート232は規制部材垂直部224の前方に位置する。実施形態では,ガイド板231にはレール227と平行に伸びるスロット233が形成されており,このスロット233に挿通された固定ねじ234によって規制プレート232がガイド板231に固定されるようになっている。また,規制プレート232にはねじ孔235が形成されており,このねじ孔235にねじ軸230(ねじ軸のねじ部)が螺合されている。
【0040】
この構成220によれば,シリンダ222の駆動に基づいて規制部材224,226がシール部32に向けて進退する。規制部材224,226の前進は,規制部材224が規制プレート232に当たることによって規制される。したがって,例えば,ねじ軸230を回転して規制プレート232をシール部32から遠ざけると規制部材224,226の前進量が減少し,逆に,ねじ軸230を回転して規制プレート232をシール部32に近づけると規制部材224,226の前進量が増加する。
【0041】
規制部材224,226の前進量を正確に計測するために,図示するように,ねじ軸230の回転量(これは,規制部材224,226の移動量に相当する)を検出する検出器236を設けてもよい。検出器236には,回転量をデジタル表示する機能を備えたものが好ましい。
【0042】
シール部32の位置を調整する場合,(a)ねじ234を緩めた状態でねじ軸230を回転して規制部材224,226の前進量を目的の値に設定する。この操作は,検出器236の表示を見ながら行う。前進量を調整後,ねじ234を締める。次に,(b)回転テーブル31を回転し,調整すべきシール部32の固定シール部33を規制部材224,226に対向させる。また,固定シール部33の固定ねじ214を緩める。また,(c)シリンダ222を駆動し,規制部材224,226をシール部32に向けて前進させる。作業(b)と(c)の作業は順序を逆にしてもよい。次に,(d)固定シール部33を規制部材224,226に当て,その状態で固定ねじ214を締めてシール部32の位置を固定する。以後,作業(b)~(d)を繰り返し,すべてのシール部32の位置を調整する。
【0043】
必要であれば,図示するように,固定シール部33には規制部材226が当たる箇所に専用の部分(被接触部分237)を設けてもよい。
【0044】
このように,上述したシール位置の調整機構200によれば,各シール部32の位置を,前進位置と後退位置との間で移動させ,これにより,図2,6に示すように,円周搬送路(シール基準円)35を,「製品ピッチ大」の大径搬送路35aと「製品ピッチ小」の小径搬送路35bの間で調整し,縦シール101の間隔を調整できる。
【0045】
10.2:ガイド機構
包装機1は,上述のように可動シール部34をシール位置と非シール位置との間で切り換えるガイド機構38(図5,12参照)を有する。実施形態において,ガイド機構38は,シール領域39に配置されて可動シール部34を完全閉鎖状態に保持する第1のガイド部241aと,漸次開放領域42に配置されて可動シール部34を完全開放状態に移行させる第2のガイド部241bと,漸次閉鎖領域41に配置されて可動シール部34を完全開放状態から固定シール部33に接触する完全閉鎖状態に移行させる第3のガイド部241cと,完全閉鎖領域40に配置されて可動シール部34を完全開放状態に保持する第4のガイド部241dを有する。
【0046】
図12に示すように,第1のガイド部241aは,可動シール部34の被ガイド部37を下から支えて,可動シール部34をシール位置に保持する板状のガイド板243を有する。ガイド板243の上面の高さは一定に維持されており,可動シール部34がシール領域39を通過する間,該可動シール34をシール位置に保持する。
【0047】
第2のガイド部241b,第3ガイド部241c,及び第4のガイド部241dは,一つの連続した溝状ガイドレール244によって形成されている。実際には,ガイドレール244は,各部に対応する3つレール部分又はそれ以上の数のレール部分に分割し,包装機に組み込む時点でそれらのレール部分を連結して一つの連続したレールに構成される。
【0048】
ガイドレール244は,凹形状,ブラケット形状,又はコ字状の横断面を有し,図12に示すように,底壁245と,底壁245の両端から該底壁245に対して垂直に伸びる一対の側壁246とを有し,底壁245と側壁246の間にガイド溝247が形成されている。
【0049】
図5図12(d)に示すように,第4のガイド部241dのガイドレール部分244bは,底壁245が水平方向に向けられ,側壁246が鉛直方向に向けられており,それらの間に形成されたガイド溝247が鉛直上方に向けて開放されている。
【0050】
漸次開放領域42に位置する第2のガイド部241bのガイドレール部分244bは,始端(第1のガイド部241aの終端に接する箇所)において,ガイド溝247の開口が軸26(横方向)に向けられ,終端(第4のガイド部241dの始端に接する箇所)においてガイド溝247の開口が鉛直上方に向けられており,それら始端から終端の間では,可動シール部34の傾斜角に応じてガイド溝247の開口が横方向から鉛直上方に徐々に向けられるように捻られている。
【0051】
同様に,漸次閉鎖領域41に位置する第3のガイド部241cのガイドレール部分244cは,始端(第4のガイド部241dの終端に接する箇所)においてガイド溝247が鉛直上方に向けられ,終端(第1のガイド部241aの始端に接する箇所)においてガイド溝247が軸26(横方向)に向けられており,それら始端から終端の間で,可動シール部34の傾斜角に応じてガイド溝247の開口が鉛直方向から横方向に徐々に向けられるように捻られている。
【0052】
図5に示すように,ガイドレール244の断面形状は周方向の位置に応じて若干異なる。具体的に,図5の右側に示すように,シール位置(完全閉鎖領域)において,前進位置(実線位置)にあるシール部32の被ガイド部37に対し,後退位置(点線位置)にあるシール部32の被ガイド部37は軸26から径方向外側に離れており,ガイドレール244は前進位置と後退位置にある被ガイド部37を共にガイドしなければならない。
【0053】
そのため,ガイド溝247の深さに関して,完全閉鎖領域の始端と終端にそれぞれ隣接する漸次開放領域の第2のガイド部241bの始端と漸次閉鎖領域の第3のガイド部241cの終端におけるガイド溝247の深さが最も深くなっている。これに対し,第4のガイド部241dにおけるガイド溝247の深さが最も小さくしてある。そして,第2のガイド部241bにおけるガイド溝247の深さは始端から終端に向かって可動シール部34の傾斜角に応じて徐々に小さくなっており,逆に,第3のガイド部241cにおけるガイド溝247の深さは可動シール部34の傾斜角に応じて始端から終端に向かって次第に大きくなっている。
【0054】
ガイド溝247の幅に関して,第1のガイド部241aに接する第2のガイド部241bの始端と第3のガイド部241cの終端において,ガイド溝247の幅は被ガイド部37の幅にほぼ等しくなっている。一方,図5の左側に示すように,非シール位置(完全開放位置)において,前進位置(実線位置)にあるシール部32の可動シール部34よりも,後退位置(点線位置)にあるシール部32の可動シール部34は大きく倒れており,それに応じて,前進位置にあるシール部32の被ガイド部37の位置と後退位置にあるシール部32の被ガイド部37の位置が水平方向に違っている。そのため,ガイドレール244は前進位置と後退位置にある被ガイド部37を共にガイドできるようにガイド溝247の幅が被ガイド部37の幅よりも大きくしてある。また,第2のガイド部241bにおける溝幅は可動シール部34の傾斜角に応じて始端から終端に向かって徐々に大きくなり,第3のガイド部241cにおける溝幅は可動シール部34の傾斜角に応じて始端から終端に向かって徐々に小さくなっている。
【0055】
このように,実施形態のガイド機構を備えた包装機によれば,前進位置と後退位置のいずれにあっても,シール部32の可動シール部34が一つのガイドレール244によってガイドされて,シール位置と非シール位置の間を安定して移動できる。また,実施形態のガイド機構によれば,簡単な構成で,前進位置と後退位置にあるシール部32の被ガイド部37をガイドできる。
【符号の説明】
【0056】
1:包装機
31:回転テーブル
32:シール部
33:固定シール部
34:可動シール部
35:円周搬送路(シール基準円)
36:軸(シャフト)
37:被ガイド部
38:ガイド機構
39:シール領域(完全閉鎖領域)
40:非シール領域(完全開放領域)
41:漸次(漸次閉鎖領域)
42:領域(漸次開放領域)
100:包装材
101:縦シール
102:袋部
103:充填材
200:進退機構
241a:第1のガイド部
241b:第2のガイド部
241c:第3のガイド部
241d:第4のガイド部
244:ガイドレール
247:ガイド溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12