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特許7483264コンディショニング特性を有するワックス分散物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】コンディショニング特性を有するワックス分散物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20240508BHJP
   A61K 8/04 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240508BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/04
A61K8/36
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/73
A61Q5/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020566571
(86)(22)【出願日】2019-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2019063639
(87)【国際公開番号】W WO2019228975
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】18174997.9
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521037411
【氏名又は名称】ベーアーエスエフ・エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ニーンディック,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】マウアー,ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,アンケ
(72)【発明者】
【氏名】コーネルセン,ジビレ
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-505601(JP,A)
【文献】特表2016-530306(JP,A)
【文献】特表2002-527373(JP,A)
【文献】国際公開第2014/046252(WO,A1)
【文献】 ユニリーバ・ジャパン,ダヴ プロエイジ シャンプー,Cosmetic-Info.jp[online],2007年08月27日,[検索日2023.5.19],URL https://www.cosmetic-info.jp/
【文献】石澤研究所,Cosmetic-Info.jp[online],ナチュールバイタル ノンシリコンAシャンプー,2010年07月05日,[検索日2023.5.19],URL https://www.cosmetic-info.jp/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品製剤のための乳白剤及び/又はコンディショナーとしての水性ワックス分散物であって、
a) ワックス体としてのエチレングリコール脂肪酸エステルと、
b) グリセロール脂肪酸モノエステルを含有する脂肪酸部分グリセリドと、
c) 脂肪アルコール(エーテル)硫酸塩によって形成される群から選択されるアニオン性界面活性剤と、
d) ベタインによって形成される群から選択される両性界面活性剤と
水と、pH調節剤と、任意選択で防腐剤と、からなり
エチレングリコール脂肪酸エステル(a)が、ステアリン酸、又は脂肪酸を基準として85~100重量%のステアリン酸を含む脂肪酸の混合物によって形成され、
ワックス体a)が、水性分散物を基準として20重量%~35重量%の量で分散物中に存在し、
a)及びb)が、a):b)=15:1~20:1の重量比で分散物中に存在し、
a)の平均粒径が1~4μmの範囲である、水性ワックス分散物。
【請求項2】
a)として存在するエチレングリコール脂肪酸エステルが、脂肪酸の総量に対して、90重量%~98重量%のステアリン酸及び2重量%~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸から形成されている、請求項1に記載の水性ワックス分散物。
【請求項3】
脂肪酸部分グリセリド(b)が、グリセロール脂肪酸モノエステルによって形成される群から選択され、前記脂肪酸が12~18個の炭素原子を有し、前記脂肪酸部分グリセリド(b)が、脂肪酸混合物を基準として90重量%~100重量%のオレイン酸を含む脂肪酸混合物のグリセロール脂肪酸モノエステルである、請求項1又は2のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項4】
脂肪酸部分グリセリド(b)が、水性ワックス分散物を基準として0.5重量%~3.0重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項5】
c)が、1~2の平均エトキシル化レベルを有するラウリルエーテル硫酸塩によって形成される群から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項6】
c)が、水性ワックス分散物を基準として8重量%~15重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項7】
a)及びc)が、a):c)=2:1~4:1の重量比で分散物中に存在する、請求項1~6のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項8】
d)が、ココ(脂肪酸アミドプロピル)ベタインによって形成される群から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項9】
d)が、水性ワックス分散物を基準として0.5重量%~3.0重量%の量で存在する、請求項1~8のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項10】
c)及びd)が、c):d)=4:1~8:1の重量比で分散物中に存在する、請求項1~9のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項11】
ヘアトリートメント用の化粧品製剤中の乳白剤として使用される、請求項1~10のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項12】
ヘアトリートメント用の化粧品製剤における、ドライ時及び/又はウェット時の櫛通りの改善のためのコンディショナーとして使用される、請求項1~10のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項13】
ヘアトリートメント用化粧品製剤中のカチオン変性ポリマーのコンディショニング作用を改善するためのブースターとして使用される、請求項1~10のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項14】
ヘアトリートメント用の化粧品製剤を基準として、1重量%~5重量%の量で使用される、請求項11~13のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項15】
カチオン変性グアー、PQ-7及びPQ-10によって形成される群から選択されるカチオン変性ポリマーのためのブースターとして使用される、請求項13及び14のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
【請求項16】
請求項1~10のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物と、アニオン性界面活性剤と、カチオン性ポリマーと、任意選択で両性/双性イオン性界面活性剤と、乳化剤と、100重量%に補充するための水とを含む、毛髪処理をコンディショニングするための化粧品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ワックス体としての選択されたエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸部分グリセリド、並びにアニオン性及び両性界面活性剤を含む、コンディショニング特性を有する白濁(cloudy)ワックス分散物、並びに乳白剤及び/又はコンディショナーとして、並びにカチオン変性グアー誘導体のブースターとしてのこのようなワックス分散物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術
ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー又は液体ハンドソープのような、皮膚及び毛髪のための化粧用製剤もまた、一般に、それらの視覚的外観に関して異なるように製剤化される。マイカ又は真珠光沢効果を有する製品、又は白濁した外観を有するが、光沢がなく、通常「乳白色」と記載される製品が通常望まれる。白濁の効果は、通常、「乳白剤(opacifier)」と呼ばれるものを添加することによって達成される。均一な外観のために、乳白剤が有するべき1つの特徴は微細に分散される(finely divided)ことである。さらに、それらは、化粧品製剤中に均一に分布可能でなければならず、そして貯蔵の過程で曇りを失ってはならず、又は分離さえしてはならない。
【0003】
典型的な乳白剤は、水及び/又はグリセロールのようなポリオールに加えて、本質的にワックス体及び適切な乳化剤のみを含む微細に分散されたポリマー又は固体の分散物である。先行技術から知られている乳白剤は、多くの場合、ワックス体としてアクリル酸又はメタクリル酸とスチレンとのコポリマーに基づき、非生分解性である。
【0004】
ドイツ特許DE 19511572 Cは、良好な生分解性を有するが、微細分散に関して改善が必要であるワックス体、糖界面活性剤及び部分グリセリドに基づく乳白剤濃縮物を開示している。
【0005】
国際特許出願WO 03/033634には、脂肪酸ポリグリコールエステル、両性界面活性剤及びまた脂肪酸ポリグリセリド、並びに任意選択でポリオールを、特定の限定された重量比で含む低粘度乳白剤が開示されている。アニオン性界面活性剤が存在しない場合にのみ、この国際出願によれば、微細分散、良好な流動及びポンピング特性、低粘度、良好な貯蔵安定性並びに満足のいく白濁のような有利な特性を得ることができる。アニオン性界面活性剤の存在下では、得られるものは乳白剤ではなく真珠光沢剤であり、許容できない粘度上昇が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】ドイツ特許DE 19511572 C
【文献】国際特許出願WO 03/033634
【発明の概要】
【0007】
従って、本発明の目的はアニオン性界面活性剤、特に脂肪アルコール(エーテル)硫酸塩の存在下でさえ、白濁を示し、真珠光沢を示さないワックス体をベースとするワックス分散物を提供することであった。
【0008】
さらに、ワックス分散物は、広く使用されているアニオン性界面活性剤の存在下でさえ、ヘアシャンプーにおいてウェット時及びドライ時の櫛通り改善などのコンディショニング効果をもち、又はヘアケア製品のための心地よい柔らかい物理的感触をもつべきであった。
【0009】
さらなる目的は、長期間にわたって均一な品質で不変の白濁を示し、非常に良好な均質性及び先行技術と比較して明確な平均粒径の減少(微細分散)を有する貯蔵安定性ワックス分散物を提供することであった。
【0010】
発明の説明
本発明は、化粧品製剤のための乳白剤及び/又はコンディショナーとして好適な水性ワックス分散物であって、
(a) ワックス体としてのエチレングリコール脂肪酸エステルと、
(b) 脂肪酸部分グリセリドと、
(c) 脂肪アルコール(エーテル)硫酸塩によって形成される群から選択されるアニオン性界面活性剤と、
(d) ベタインによって形成される群から選択される両性界面活性剤と
を含み、エチレングリコール脂肪酸エステル(a)が、ステアリン酸、又は脂肪酸を基準として85~100重量%のステアリン酸を含む脂肪酸の混合物によって形成されている、水性ワックス分散物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明との関連において、「コンディショナー」は、毛髪及び/又は皮膚に適用された場合にコンディショニング効果を示す化粧品製剤の分野における組成物である。
【0012】
本発明との関連において、組成物は、ヒトの皮膚と直接接触した後にポジティブな皮膚感触を生じる場合に、皮膚に対するコンディショニング効果を有し、これは、実際には、例えば、「皮膚の乾燥」、「皮膚の柔らかさ」のような特定のパラメーターに関する感覚的印象を用いたパネル試験において、試験者によってポジティブに評価される。
【0013】
本発明との関連において、組成物は、毛髪の処理後に毛髪が改善された櫛通り性を示す場合に、毛髪に対するコンディショニング効果を有する。毛髪の長さ全体にわたり、また毛先(解きほぐし性(disentanglability)と呼ばれる)においてもウェット状態及び/又はドライ状態において、より優れた櫛通り性が生じ得る。コンディショニング組成物はまた、滑らかさ、柔らかさ、しなやかさ、毛髪の輝き、より低い静電気及びより良好な成形性などの毛髪の触覚特性を改善する。
【0014】
本発明との関連において、ホワイトナー(whiteners)とも呼ばれる白色剤は、真珠光沢なしに白濁を生じさせる剤である。
【0015】
本発明との関連において、Mastersizer(登録商標)2000装置によるレーザー回析及びMALVERN INSTRUMENTS GmbH、Marie-Curie-Strasse 4/1、71083 Herrenberg、Germanyからの対応する製品説明書によって、メジアン粒径(d50)及び粒径分布(μm)を決定した。
【0016】
本発明のワックス分散物は、ワックス体a)として、特定のエチレングリコール脂肪酸エステルを含む。エチレングリコール脂肪酸エステルは一般式
RCO-OCH2CH2O-OCR
で表され、エチレングリコールと脂肪酸又は脂肪酸混合物とのエステル化によって調製することができる。INCI名エチレングリコールジステアレートとして知られるエチレングリコール脂肪酸エステルは、技術的に種々のエステル化レベル及び脂肪酸カット(cuts)を有する。本発明によれば、脂肪酸混合物は85重量%~100重量%のステアリン酸を含み、従って、例えばBASF Personal Care Nutrition GmbHによってCutina(登録商標)AGS名で販売されている市販の工業グレードの混合物中の約50重量%よりもはるかに高い割合のステアリン酸を含む。
【0017】
本発明との関連での脂肪酸混合物は、好ましくは、85重量%~100重量%のステアリン酸と、0重量%~15重量%の12~22個の炭素原子を有する他の脂肪酸とを含む(脂肪酸の総量を基準として)。脂肪酸混合物は、好ましくは、90重量%~98重量%のステアリン酸と、2重量%~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸とを含み(ステアリン酸の総量を基準として)、脂肪酸混合物は特に、90重量%~96重量%のステアリン酸と、4重量%~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸とからなる。16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸は、パルミチン酸、アラキン酸及びベヘン酸である。
【0018】
本発明との関連において好ましいエチレングリコール脂肪酸エステルは、エチレングリコール脂肪酸ジエステルであり、これは、技術的理由のために、90%~100%のエチレングリコールジエステル及び0%~10重量%のエチレングリコール脂肪酸モノエステルを含む。
【0019】
好ましいエチレングリコール二脂肪酸含量及び脂肪酸混合物中のステアリン酸含量を有するこのようなエチレングリコール脂肪酸エステルは、Cutina(登録商標)KE2747のブランド名(BASF)で市販されている。
【0020】
ワックス体a)のうち、非常に特に好適なエチレングリコール脂肪酸エステルは、72~80℃の範囲の融点を有するものである。
【0021】
本発明のワックス分散物については、ワックス体a)がワックス分散物を基準として20重量%~35重量%、好ましくは25重量%~30重量%の量で存在することが望ましい。
【0022】
好ましくは本発明のワックス分散物において、a)は1~4μmの範囲の平均粒径を有する。好ましくは、粒径の分布は、50%超が3μm未満であり、全ての粒子の90%が7μm未満であるようなものである。
【0023】
特に好適なのは、主として球形の粒子形状を示し、全ての粒子の70%が非常に特定的には高さ:幅:長さの比が1:1:1であることを特徴とする三次元構造を有するワックス体a)である。そのような粒子形状及び粒子量は、Mastersizer(登録商標)2000装置によるレーザー回析及びMALVERN INSTRUMENTS GmbH、Marie-Curie-Strasse 4/1、71083 Herrenberg、Germanyからの対応する製品説明書によって決定可能である。
【0024】
さらなる成分b)として、ワックス分散物は、脂肪酸部分グリセリドを含む。本発明との関連での脂肪酸部分グリセリドは、モノグリセリド、ジグリセリド及びそれらの工業グレード混合物であり、これらは、調製の結果として、少量のグリセロール及びトリグリセリドも含み得る。脂肪酸部分グリセリドb)の好ましい工業グレード混合物は、50重量%~95重量%、好ましくは60重量%~90重量%の範囲のモノグリセリド含量を有するものであり、以下、グリセロール脂肪酸モノエステルともいう。
【0025】
本発明との関連において、好適な脂肪酸がラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パームオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸、並びにそれらの工業グレード混合物である、グリセロール脂肪酸モノエステルによって形成される群から選択される脂肪酸部分グリセリド(b)が好ましい。特に好ましくは、脂肪酸が12~18個の炭素原子を有するグリセロール脂肪酸モノエステルであり、(b)脂肪酸混合物を基準として90重量%~100重量%のオレイン酸を含む脂肪酸混合物のグリセロール脂肪酸モノエステルが好ましい。
【0026】
市販されている適切な工業グレード製品の例は、BASF Personal Care & Nutrition GmbHからの市販品であるMonomuls(登録商標)90-O 18である。
【0027】
脂肪酸部分グリセリドb)は、水性分散物を基準として0.5重量%~3.0重量%、好ましくは1.0重量%~2重量%の量で存在する。
【0028】
グリセロールモノオレエートを含む水性ワックス分散物が特に好ましく、低い粘度を示し、これは加工処理(processing)、ポンプ輸送性(pumpability)に有利である。
【0029】
白濁(cloudiness)及びコンディショニング特性に関して、水性分散物a)及びb)が、15:1~20:1、好ましくは17:1~18.5:1の範囲のa):b)の重量比で分散物中に存在する場合に有利である。
【0030】
ワックス分散物中に存在する成分c)はアニオン性界面活性剤であり、これらは、脂肪アルコール(エーテル)硫酸塩によって形成される群から選択される。
【0031】
一般式の脂肪アルコール(エーテル)硫酸塩が特に好ましい。
R’O-(CH2CH2O)0-10SO3Y
【0032】
式中、R’は6~22個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル及び/又はアルケニル基であり、Yはアルカリ及び/又はアルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム又はグルカンモニウム(glucammonium)である。数値がゼロ(=0)の場合、脂肪アルコール硫酸塩である。脂肪アルコールエーテルスルフェート(数1~10)が好ましい。典型的な例は、カプロンアルコール(caproic alcohol)、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール(capric alcohol)、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール(palmoleyl alchohol)、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコールへの平均1~10モル、特に2~5モルのエチレンオキシドの付加生成物の硫酸塩、並びにそれらのナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩の形態のそれらの工業グレード混合物である。これに関連して、エーテル硫酸塩は、従来の同族体分布と狭い同族体分布の両方を示すことができる。
【0033】
本発明との関連において、c)として、1又は2の平均エトキシル化レベルを有するラウリルエーテル硫酸塩を含むワックス分散物が特に好ましい。
【0034】
好ましくは、c)は、水性ワックス分散物中に、水性分散物を基準として8重量%~15重量%、好ましくは9重量%~12重量%の量で存在する。
【0035】
a)及びc)が、2:1~4:1の範囲、特に2.5:1~3.5:1の範囲のa):c)範囲の重量比で有利に存在する場合、ワックス分散物中に特に均一な粒子分布が得られる。
【0036】
驚くべきことに、アニオン性界面活性剤の存在にもかかわらず、真珠光沢及びワックス分散物の粘度の上昇は観察されない。
【0037】
さらなる必須成分として、水性分散物d)は、ベタインによって形成される群から選択される両性界面活性剤を含む。
【0038】
適当なベタインは、例えば、アルキルベタイン類、アルキルアミドベタイン類、アルキルグリシネート類、イミダゾリウムベタイン類及びスルホベタイン類である。ベタインは、主にアミン化合物のカルボキシアルキル化、好ましくはカルボキシメチル化によって調製される公知の界面活性剤である。出発物質を、好ましくはハロカルボン酸又はその塩、特にクロロ酢酸ナトリウムと縮合させて、ベタイン1モル当たり1モルの塩を形成する。さらに、不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸を添加することも可能である。適切なベタインの例は、式(I)に従う第二級及び特に第三級アミンのカルボキシアルキル化生成物である。
【化1】
【0039】
式中、R1は6~22個の炭素原子を有するアルキル及び/又はアルケニル基を表し、R2は1~4個の炭素原子を有する水素又はアルキル基を表し、R3は1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、nは1~6の数を表し、Xは、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属又はアンモニウムを表す。
【0040】
典型的な例は、ヘキシルメチルアミン、ヘキシルジメチルアミン、オクチルジメチルアミン、デシルジメチルアミン、ドデシルメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ドデシルエチルメチルアミン、C12/14-ココアルキルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、セチルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルエチルメチルアミン、オレイルジメチルアミン、C16/18-タローアルキルジメチルアミン(tallowalkyldimethylamine)のカルボキシメチル化生成物及びそれらの工業グレード混合物である。
【0041】
さらに、式(II)に従うアミドアミンのカルボキシアルキル化生成物も好適である。
【化2】
【0042】
式中、R6COは6~22個の炭素原子及び0又は1~3個の二重結合を有する脂肪族アシル基であり、mは1~3個の数を表し、R4は水素又は1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R5は1~4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、pは1~6個の数を表し、Xは、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属又はアンモニウムを表す。
【0043】
典型的な例は、6~22個の炭素原子を有する脂肪酸R6COOH、すなわちカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パームオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイジン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸、並びにそれらの工業グレード混合物と、N,N-ジメチルアミノエチルアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、N,N-ジエチルアミノエチルアミン及びN,N-ジエチルアミノプロピルアミンとの反応生成物であり、これらをクロロ酢酸ナトリウムと縮合させる。C8/18-ヤシ脂肪酸N,N-ジメチルアミノプロピルアミドとクロロ酢酸ナトリウムとの縮合生成物の使用が好ましい。
【0044】
式(III)に従うイミダゾリンもまた、本発明との関連において使用されるベタインのための適切な出発物質として有用である。
【化3】
【0045】
式中、R7は5~21個の炭素原子を有するアルキル基であり、R8はヒドロキシル基、O-COR9-又はNH-COR9-基であり、m’は2又は3であり、R9COは、6~22個の炭素原子と0又は1~3個の二重結合を有する脂肪族アシル基である。これらの物質もまた、例えば、1又は2モルの脂肪酸と多官能性アミン、例えばアミノエチルエタノールアミン(AEEA)又はジエチレントリアミンとの環化縮合によって得ることができる公知の物質である。対応するカルボキシアルキル化生成物は、異なる開鎖ベタインの混合物である。典型的な例は、脂肪酸R9COOH、例えば、上述の脂肪酸R6COOHと、AEEAとの縮合生成物、好ましくはラウリン酸又はC12/14ヤシ脂肪酸をベースとするイミダゾリンであり、続いてクロロ酢酸ナトリウムでベタイン化される。
【0046】
特に好適な両性界面活性剤d)は、INCI名Cocamidopropyl Betaine(コカミドプロピルベタイン)として知られるココ(脂肪酸アミドプロピル)ベタインである。
【0047】
本発明のワックス分散物は、水性分散物を基準として0.5~3.0重量%、好ましくは1~2.5重量%の量でd)を含む。
【0048】
特に有利なワックス分散物は、c)及びd)を4:1~8:1、好ましくは5.5:1~7.5:1のc):d)の重量比で含むものである。例えば、このような重量比を有するワックス分散物は、特に優れた貯蔵安定性を示す。
【0049】
好ましい水性ワックス分散物は、
a) 25~30重量%のエチレングリコール脂肪酸ジエステル(脂肪酸の85~100重量%はステアリン酸である)と、
b) 1.0~2.0重量%のグリセロール脂肪酸モノエステル(脂肪酸の90~100重量%はオレイン酸である)と、
c) 9.0~12重量%の、平均エトキシル化レベルが1又は2であるラウリルエーテル硫酸塩と、
d) 1.0~2.5重量%のヤシ脂肪酸アミドプロピルベタインと
を含む。
【0050】
ここでの重量数値は活性物質に基づく。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、本発明の水性ワックス分散物は、構成成分a)~d)及び水、並びにpH調節剤及び任意選択で防腐剤からなる。
【0052】
適切な防腐剤の例は、安息香酸塩、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール、ソルビン酸、レブリン酸及びアラキドン酸、並びにSurfacine(登録商標)名で知られる銀錯体、並びに化粧品指令(Cosmetics Directive)の附属書6、パートA及びBに列挙される追加の物質クラスである。適切なpH調節剤の例は化粧品産業で知られている適合性の酸又は塩基であり、これらは同様に化粧品指令に列挙されている。
【0053】
特に好ましいのは、以下のものからなる水性ワックス分散物である:
a) 25~30重量%のエチレングリコール脂肪酸ジエステル(脂肪酸の85~100重量%はステアリン酸である)、
b) 1.0~2.0重量%のグリセロール脂肪酸モノエステル(脂肪酸の90~100重量%はオレイン酸である)、
c) 9.0~12重量%の、平均エトキシル化レベルが1又は2であるラウリルエーテル硫酸塩、
d) 1.0~2.5重量%のヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン、
e) 0.1~3.0重量%のpH調整剤、
f) 0~1.5重量%の防腐剤、
g) 100重量%にする水。
【0054】
ワックス分散物は低粘度、好ましくは8000mPas未満、特に3000~6000mPas(Brookfield:23℃、スピンドル5、10rpmによる)、良好な流動特性及びポンピング特性、並びに分散物中のワックスの非常に優れた微細分散(例えば、平均粒径及び粒径分布によって認識可能)を示す。
【0055】
いかなる理論にも拘束されることなく、白濁(cloudiness)特性及びコンディショニング効果のために特に重要であると思われるのは、脂肪酸部分グリセリドと組み合わせた特定の脂肪酸カットを有するワックス体a)の選択及びa):b)の選択された重量比である。a)及びc)が、2:1~4:1の範囲、特に2.5:1~3.5:1の範囲のa):c)の重量比で有利に存在する場合、ワックス分散物中に特に均一な粒子分布が得られる。
【0056】
従って、本発明はさらに、請求項1~14のいずれか1項に記載の本発明の水性ワックス分散物の、毛髪処理のための化粧品製剤中の乳白剤としての使用に関する。
【0057】
さらに、本発明は、ヘアトリートメント用の化粧品製剤における、特にウェット時及びドライ時の櫛通り(combability)を改善するためのコンディショナーとしての、請求項1~14のいずれか1項に記載の本発明のワックス分散物の使用に関する。
【0058】
ヘアトリートメントのための化粧品製剤はヘアシャンプー、ヘアローション、ヘアトニック、ヘアリンス、ヘアドライローション、ヘアミルク、又はまゆ及びまつげのケアのための製剤を意味すると理解される。
【0059】
本発明のワックス分散物は、毛髪処理のための化粧品製剤を基準として、1重量%~5重量%の量で使用することが好ましい。
【0060】
本発明のワックス分散物は先行技術と比較して、真珠光沢を生成することなく、持続した、均一な、特に強い白濁を引き起こし、特に、それらは、優れたコンディショニング効果も示し、その結果、所望であれば、ヘアケアのための化粧品製剤中のさらなるコンディショニング成分を完全に又は部分的に省くことが可能である。
【0061】
しかし、代替法として、本発明のさらなる実施形態において、コンディショニング作用に関してカチオン変性ポリマーのためのブースターとして本発明のワックス分散物を使用することも可能である。
【0062】
従って、本発明はさらに、毛髪処理のための化粧品製剤におけるカチオン変性ポリマーのコンディショニング作用を改善するためのブースターとしての、請求項1~14のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物の使用に関する。
【0063】
適切なカチオン性ポリマーは、例えば、AmercholからUCAREPolymer(登録商標)JR 400の名称で入手可能でもある四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオンデンプン、ジアリルアンモニウム塩及びアクリルアミドのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば、Luviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコール及びアミンの縮合生成物、四級化タンパク質加水分解物、ポリペプチド及びアミノ酸、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)、四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えば、アモジメチコン、アジピン酸及びジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretine(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、例えばFR-A 2252840に記載されているようなポリアミノポリアミド、及びその架橋水溶性ポリマー、場合により微結晶分布の四級化キトサンのようなカチオン性キチン誘導体、ジハロアルキル、例えばジブロモブタンとビスジアルキルアミンとの縮合生成物、例えば、ビスジメチルアミノ-1,3-プロパン、カチオン性グアーガム、例えばJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16(Celanese製)、四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、Mirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1(Miranol製)である。特に適切なカチオン性ポリマーは、Luviquat(登録商標)Supreme AT 1として入手可能なポリクオタニウム-68、又はLuviquat(登録商標)PQ 11 AT 1として入手可能なポリクオタニウム-11である。
【0064】
ワックス分散物は、好ましくはカチオン変性グアー、PQ-7及びPQ-10によって形成される群から選択されるカチオン性ポリマーのコンディショニング作用をブーストする、すなわち増強する。
【0065】
四級化グアー誘導体グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのようなカチオン変性グアー誘導体は、例えば、BASF Personal Care & Nutrition GmbHからDehyquart(登録商標)Guar Nとして市販されている。PQ-10、カチオン性セルロース誘導体は、AmercholからUCARE(登録商標)Polymer JR 400名で入手可能であり、PQ-7として知られるジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマーは、BASF Personal Care & Nutrition GmbHからDehyquart(登録商標)CC7として市販されている。
【0066】
本発明のさらなる実施形態では毛髪処理をコンディショニングするための化粧品組成物が特許請求され、これは本発明のワックス分散物と、アニオン性界面活性剤と、カチオン性ポリマーと、任意選択で両性及び/又は双性イオン性界面活性剤と、乳化剤又はさらなる慣用成分と、100重量%まで補充するための水を含む。
【0067】
以下の成分が好ましくはコンディショニング毛髪処理組成物中に、活性物質含有量を基準として存在する:
0.5~5.0重量%、好ましくは1.0~3重量%の本発明のワックス分散物、
1.0~15重量%、好ましくは7.5~12重量%のアニオン性界面活性剤、
0.01重量%~1重量%、好ましくは0.05重量%~0.4重量%の少なくとも1つのカチオン変性ポリマー及び/又は
0.0重量%~15重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%の両性及び/又は双性イオン性界面活性剤、
0.0重量%~10重量%の乳化剤、及び任意選択でさらなる慣用の成分、並びに100重量%まで補充するための水。
【0068】
アニオン性界面活性剤の典型的な例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ-及びジアルキルスルホスクシネート、モノ-及びジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸及びその塩、アルキル(アルケニル)ポリグリコールエーテルシトレート及びその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸、例えばアシルラクチレート、アシルタートレート、アシルグルタメート及びアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に小麦ベースの植物製品)及びアルキル(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは従来の同族体分布を有し得るが、好ましくは狭い同族体分布を有する。使用されるアニオン性界面活性剤は、より好ましくは本発明のワックス分散物に関連して既に記載されている脂肪アルコール(エーテル硫酸塩)、及び特に1又は2モルのエチレンオキシドを有するラウリルエーテル硫酸塩である。
【0069】
典型的なカチオン性ポリマーはブースターとしてのワックス分散物を使用に関して既に上記に記載されており、好ましくは、カチオン変性グアー、PQ-7及びPQ-10によって形成される群から選択される。変性グアー、PQ-7及びPQ-10の混合物も、カチオン変性ポリマーとして存在してもよく、好ましくはカチオン変性グアー及びPQ-10の特に1:1の重量比の混合物として存在してもよい。
【0070】
適切な両性又は双性イオン性界面活性剤は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン及びスルホベタインである。適切なアルキルベタインの例は、第二級及び特に第三級アミンのカルボキシアルキル化生成物である。典型的な例は、ヘキシルメチルアミン、ヘキシルジメチルアミン、オクチルジメチルアミン、デシルジメチルアミン、ドデシルメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ドデシルエチルメチルアミン、C12/14-ココアルキルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、セチルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルエチルメチルアミン、オレイルジメチルアミン、C16/18-タローアルキルジメチルアミンのカルボキシメチル化生成物、及びそれらの工業グレード混合物である。さらに、アミドアミンのカルボキシアルキル化生成物も有用である。典型的な例は、6~22個の炭素原子を有する脂肪酸、すなわちカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パームオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸、並びにそれらの工業グレード混合物と、N,N-ジメチルアミノエチルアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、N,N-ジエチルアミノエチルアミン及びN,N-ジエチルアミノプロピルアミンとの反応生成物であり、これらはクロロ酢酸ナトリウムと縮合される。C8/18-ヤシ脂肪酸-N,N-ジメチルアミノプロピルアミドとクロロ酢酸ナトリウムとの縮合生成物の使用が好ましい。
【0071】
さらに、イミダゾリニウムベタインも含まれる。これらの物質はまた、例えば、1又は2モルの脂肪酸と多官能性アミン、例えばアミノエチルエタノールアミン(AEEA)又はジエチレントリアミンとの環化縮合によって得ることができる公知の物質である。対応するカルボキシアルキル化生成物は、種々の開鎖ベタインの混合物である。典型的な例は、上述の脂肪酸とAEEAとの縮合生成物であり、好ましくはラウリン酸又はC12/14-ヤシ脂肪酸をベースとするイミダゾリンであり、これらは続いてクロロ酢酸ナトリウムでベタイン化される。
【0072】
乳化剤
適切な乳化剤は例えば、以下の群の少なくとも1つからの非イオン性界面活性剤である:
・ 2~30モルのエチレンオキシド及び/又は0~5モルのプロピレンオキシドの、炭素原子数8~22の直鎖脂肪アルコールへの付加生成物、炭素原子数12~22の脂肪酸への付加生成物、アルキル基の炭素原子数8~15のアルキルフェノールへの付加生成物、及びアルキル基の炭素原子数8~22のアルキルアミンへの付加生成物;
・ ひまし油及び/又は水素化ひまし油への1~15モルのエチレンオキシドの付加生成物;
・ ひまし油及び/又は水素化ひまし油への15~60モルのエチレンオキシドの付加生成物;
・ 12~22個の炭素原子を有する不飽和、直鎖又は飽和、分岐脂肪酸及び/又は3~18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸とグリセロール及び/又はソルビタンの部分エステル上に1~30モルのエチレンオキシドを有する付加物;
・ ポリグリセロール(平均自己縮合度2~8)、ポリエチレングリコール(分子量400~5000)、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)及びポリグルコシド(例えば、セルロース)と、12~22個の炭素原子を有する飽和及び/又は不飽和の直鎖又は分枝鎖脂肪酸及び/又は3~18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、並びに1~30モルのエチレンオキシドを有するその付加物;
・ ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸及び脂肪アルコールの混合エステル及び/又は6~22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース及びポリオール、好ましくはグリセロール又はポリグリセロールの混合エステル;
・ モノ-、ジ-及びトリアルキルホスフェート、並びにモノ-、ジ-及び/又はトリ-PEG-アルキルホスフェート並びにこれらの塩;
・ ウールワックスアルコール;
・ ポリシロキサン-ポリアルキル-ポリエーテルコポリマー及び対応する誘導体;
・ ブロックコポリマー、例えばポリエチレングリコール-30ジポリヒドロキシステアレート;
・ ポリマー乳化剤、例えばGoodrich社のPemulenグレード(TR-1、TR-2);
・ ポリアルキレングリコール及び
・ グリセロールカーボネート。
【0073】
特に好ましい乳化剤は、エチレンオキシドのC12/18-脂肪酸モノ及びジエステルへの付加生成物、エチレンオキシドのヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、及びその工業グレード混合物である。ソルビタンエステル上への1~30モル、好ましくは5~10モルのエチレンオキシドの付加生成物も同様に適している。有用なソルビタンエステルとしては、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレエート、ソルビタンセスキリシノレエート、ソルビタンジリシノレエート、ソルビタントリリシノレエート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタートレート、ソルビタンセスキタートレート、ソルビタンジタートレート、ソルビタントリタートレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエート、並びにこれらの工業グレード混合物が挙げられる。適切なポリグリセロールエステルの典型的な例は、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセロール-3ジイソステアレート(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル-4イソステアレート(Isolan(登録商標)GI 34)、ポリグリセリル-3オレエート、ジイソステアロイルポリグリセリル-3 ジイソステアレート(Isolan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート(Tego Care(登録商標)450)、ポリグリセリル-3 蜜蝋(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル-4 カプレート(ポリグリセロールカプレートT2010/90)、ポリグリセリル-3 セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル-3 ジステアレート(Cremophor(登録商標)GS 32)及びポリグリセリルポリリシノレエート(Admul(登録商標)WOL 1403)、ポリグリセリルジメレートイソステアレート及びそれらの混合物である。さらなる好適なポリオールエステルの例は、任意選択で1~30モルのエチレンオキシド又はペンタエリスリトールとラウリン酸、ヤシ脂肪酸、タロー脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などと反応させたトリメチロールプロパンのモノ-、ジ-及びトリエステルである。トリメチルプロパンEO/POトリオレエート、トリメチロールプロパントリオレエートとエチレンオキシド及びプロピレンオキシドとのアルカリ条件下での反応によって得ることができる混合物も好ましい。エチレンオキシド単位(EO)及びプロピレンオキシド単位(PO)は少なくとも部分的に、トリメチロールプロパントリオレエートのエステル基に組み込まれる。トリメチルプロパンEO/POトリオレエートは、分子当たりのEO及びPO単位のその含有量の統計的平均によって特徴付けられる。本発明の一実施形態では、120エチレンオキシド単位(EO)及び10プロピレンオキシド単位(PO)を有するトリメチルプロパンEO/POトリオレエートが使用される。
【0074】
さらなる通常の成分は、増ちょう剤(bodying agents)、増粘剤、過脂肪化剤、安定剤、UV安定剤、生体活性成分(biogenic active ingredients)及び酸化防止剤、活性ふけ防止成分、皮膜形成剤、タンパク質加水分解物、ハイドロトロープ剤、防腐剤、香油、芳香剤及び着色剤であり得る。
【0075】
適切なコンシステンシー調節剤は主として、12~22個及び好ましくは16~18個の炭素原子を有する脂肪アルコール又はヒドロキシ脂肪アルコールであり、また部分グリセリド、脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質と、同一鎖長のアルキルオリゴグルコシド及び/又は脂肪酸N-メチルグルカミド及び/又はポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組み合わせが好ましい。適切な増粘剤は、例えば、Aerosilグレード(親水性シリカ)、多糖類、特にキサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギネート及びチロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース、さらに高分子量ポリエチレングリコールモノエステル及び脂肪酸のジエステル、ポリアクリレート(例えば、GoodrichからのCarbopols(登録商標)及びPemulenグレード;SigmaからのSynthalens(登録商標);KelcoからのKeltrolグレード;SeppicからのSepigelグレード;Allied ColloidsからのSalcareグレード)、ポリアクリルアミド、ポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンである。特に有効な物質はベントナイト、例えば、シクロペンタシロキサン、ジステアルジモニウムヘクトライト及びプロピレンカーボネートの混合物であるBentone(登録商標)Gel VS-5PC(Rheox)であることも見出されている。また、界面活性剤、例えば、エトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオールとのエステル、例えば、ペンタエリスリトール又はトリメチロールプロパン、狭い同族体分布を有する脂肪アルコールエトキシレート又はアルキルオリゴグルコシド、及び電解質、例えば、塩化ナトリウム及び塩化アンモニウムが有用である。
【0076】
使用される過脂肪化剤は、例えば、ラノリン及びレシチン、並びにポリエトキシル化又はアシル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド及び脂肪酸アルカノールアミドなどの物質であってもよく、後者は同時に泡安定剤として働く。
【0077】
使用される安定剤は、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸マグネシウム又はリシノール酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム又はリシノール酸アルミニウム及び/又はステアリン酸亜鉛又はリシノール酸亜鉛であってもよい。
【0078】
UV光保護因子は例えば、室温で液晶又は結晶性であり、紫外線を吸収し、吸収されたエネルギーをより長い波長の放射線、例えば熱の形態で再放出することができる有機物質(光保護フィルター)を意味すると理解される。UVBフィルターは、油溶性又は水溶性であってもよい。油溶性物質の例は下記のとおりである:
【0079】
・ 3-ベンジリデンカンファー又は3-ベンジリデンノルカンファー及びその誘導体(例えば、3-(4-メチルベンジリデン)カンファー);
・ 4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは2-エチルヘキシル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-オクチル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート及びアミル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート;
・ シンナム酸のエステル、好ましくは2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート、プロピル4-メトキシシンナメート、イソアミル4-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル2-シアノ-3、3-フェニルシンナメート(オクトクリレン);
・ サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル;
・ ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;
・ ベンザルマロン酸のエステル、好ましくはジ-2-エチルヘキシル4-メトキシベンズマロネート;
・ トリアジン誘導体、例えば2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン及びオクチルトリアゾン又はジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB);
・ プロパン-1,3-ジオン、例えば1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン;
・ ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体。
【0080】
好適な水溶性物質は下記のとおりである:
・ 2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸並びにそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルカンモニウム塩;
・ ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びその塩;
・ 3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば、4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸及び2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸及びそれらの塩。
【0081】
適切な典型的なUVAフィルターは、特にベンゾイルメタンの誘導体、例えば1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)、1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、及びエナミン化合物である。UVA及びUVBフィルターは、勿論、混合物で使用することもできる。特に好ましい組み合わせは、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)及び2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-フェニルシンナメート(オクトクリレン)と、ケイ皮酸のエステル、好ましくは2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート及び/又はプロピル4-メトキシシンナメート及び/又はイソアミル4-メトキシシンナメートとの組み合わせからなる。このタイプの組み合わせは、水溶性フィルター、例えば2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸並びにそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルカンモニウム塩と有利に組み合わせられる。
【0082】
言及された可溶性物質に加えて、不溶性光保護顔料、特に微分散金属酸化物及び塩もまた、この目的のために有用である。適切な金属酸化物の例は、特に酸化亜鉛及び二酸化チタン、さらに鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウム及びセリウムの酸化物、並びにそれらの混合物である。使用される塩は、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウム又はステアリン酸亜鉛であってよい。酸化物及び塩は、スキンケア及び皮膚保護エマルジョン並びに装飾用化粧品のための顔料の形態で使用される。ここで、粒子は、100nm未満、好ましくは5~50nm、特に15~30nmの平均直径を有するべきである。それらは球形であってもよいが、楕円形の形状を有する粒子又は球形状から何らかの他の方法で逸脱した形状を有する粒子を使用することも可能である。顔料はまた、表面処理された形態、すなわち、親水化又は疎水化された形態であってもよい。典型的な例は、コーティングされた二酸化チタン、例えば二酸化チタンT 805(Degussa)又はEusolex(登録商標)T2000(Merck)である。適切な疎水性コーティング剤は、特にシリコーン、特にトリアルコキシオクチルシラン又はシメチコンである。日焼け止め組成物においては、いわゆるマイクロ顔料又はナノ顔料を使用することが好ましい。微粉化された酸化亜鉛を使用することが好ましい。
【0083】
生体活性成分は、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸及びその断片化産物、β-グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、シュードセラミド、精油、植物抽出物、例えば、Prunus抽出物、バムバラナッツ抽出物又はビタミン複合体を意味すると理解される。
【0084】
酸化防止剤は、紫外線が皮膚に浸透するときに誘発される光化学反応連鎖を妨害する。その典型的な例はアミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカン酸)及びその誘導体、ペプチド、例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カロシン及びその誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコピン)及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びそのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)、及びそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びにスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン)、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシミン、(非常に低い耐用量(例えば、pmol~μmol/kg)で)、また(金属)キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物(bile extracts)、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びそれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びそれらの誘導体、ユビキノン、ユビキノール及びそれらの誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及び誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンA及び誘導体(パルミチン酸ビタミンA)、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール(furfurylideneglucitol)、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシカルノシン、ノルジヒドログアヤク酸(nordihydroguaiacic acid)、ノルジヒドログアイヤレチン酸(nordihydroguaiaretic acid)、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドディスムターゼ、亜鉛及びその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレン及びその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)並びにこれらの特定の活性成分の、本発明において好適な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)である。
【0085】
慣例的な皮膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸シリーズの重合体、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸及びそれらの塩並びに類似化合物である。
【0086】
有用な活性ふけ防止成分には、ピロクトンオラミン(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-(1H)-ピリジノンモノエタノールアミン塩)、Baypival(登録商標)(クリンバゾール)、ケトコナゾール(登録商標)、(4-アセチル-1-[-4-[2-2,4-ジクロロフェニル]-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキシラン-c-4-イルメトキシフェニル}ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化セレン、コロイド硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、硫黄タール留分(sulfur tar distillates)、サリチル酸(及び/又はヘキサクロロフェンとの組み合わせ)、ウンデシレン酸モノエタノールアミドスルホスクシネートナトリウム塩、Lamepon(登録商標)UD(タンパク質-ウンデシレン酸縮合物)、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオン及びマグネシウムピリチオン/ジピリチオン-硫酸マグネシウムが含まれる。
【0087】
所望であれば、先行技術から公知のタンパク質加水分解物を、例えば、市販のNutrilan(登録商標)Keratin W PPなどのケラチンに基づいて、又はGluadin(登録商標)WLM Benz、Gluadin(登録商標)WK又はGluadin(登録商標)WPなどの小麦に基づいて使用することができる。少量の遊離アミノ酸、例えばリジン又はアルギニンを添加することも可能である。
【0088】
流動挙動はまた、ハイドロトロープ剤、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール又はポリオールを使用することによって改善され得る。ここで適切なポリオールは、好ましくは2~15個の炭素原子及び少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。ポリオールは、さらに他の官能基、特にアミノ基を含んでいてもよく、又は窒素で修飾されていてもよい。典型的な例は下記のとおりである
【0089】
・ グリセロール;
・ アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、及び平均分子量100~1000ダルトンのポリエチレングリコール;
・ 1.5~10の自己縮合度を有する工業グレードのオリゴグリセロール混合物、例えば40~50重量%のジグリセロール含量を有する工業グレードのジグリセロール混合物;
・ メチロール化合物(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリトリトールなど);
・ 低級アルキルグルコシド、特にアルキル基中に1~8個の炭素原子を有するもの、例えばメチル及びブチルグルコシド;
・ 5~12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えばソルビトール又はマンニトール;
・ 5~12個の炭素原子を有する糖、例えばグルコース又はスクロース;
・ アミノ糖、例えばグルカミン;
・ ジエタノールアミン又は2-アミノ-1,3-プロパンジオールなどのジアルコールアミン。
【0090】
適切な防腐剤の例は、安息香酸塩、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール、ソルビン酸、レブリン酸及びアラキドン酸、並びにSurfacine(登録商標)名で知られる銀錯体、並びに化粧品指令の附属書6、パートA及びBに列挙される追加の物質クラスである。
【0091】
香油として、天然及び合成フレグランスの混合物を挙げることができる。天然フレグランスは、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎及び葉(ゲラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニシード、コリアンダー、キャラウェイ、ジュニパー)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メース、アンゼリカ、セロリー、カルダモン、コスツス、アヤメ、ショウブ根)、木(マツ、ビャクダン、グアヤクウッド、シダーウッド、ローズウッド)、ハーブ及び草類(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉及び枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ(dwarf-pine))、樹脂及びバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナックス)からの抽出物である。動物原料、例えば、シベット及び海狸香も適している。典型的な合成フレグランス化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素タイプの生成物である。エステル型のフレグランス化合物は、例えば、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びベンジルサリチレートである。エーテルには、例えば、ベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには、例えば、8~18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルゲオナールが含まれ、ケトンには、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールが含まれ、炭化水素には主としてテルペン及びバルサムが含まれる。しかしながら、一緒になって心地よい香りのノートを生成する種々のフレグランスの混合物を使用することが好ましい。芳香成分として主に使用される比較的低揮発性の精油はまた、香油、例えば、セージ油、カモミール油、チョウジ油、メリッサ油、ミント油、桂皮油、リンデンブロッサム油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油、ラブダナム油及びラバンジン油としても適している。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサンブレンフォート(boisambrene forte)、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンダリース(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロバータル(cyclovertal)、ラバンジン油、クラリーセージ油、β-ダマスコン、ゼラニウム油ブルボン、サリチル酸シクロヘキシル、バートフィクスクール(vertofix coeur)、イソ-E-スーパー、フィキソリドNP、エバーニル(evernyl)、イラルデインガンマ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミレート(romillate)、イロチル(irotyl)及びフロラメート(floramate)として単独で又は混合物でも適している。適切なアロマの例としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニシード油、スターアニス油、キャラウェイ油、ユーカリ油、フェネル油、レモン油、ウィンターグリーン油、クローブ油、メントールなどが挙げられる。
【0092】
使用することができる染料は例えば、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft[Dyes Commission of German Research Society]、Verlag Chemie、Weinheim、1984、pp.81-106からの刊行物「Kosmetische Faerbemittel」[Cosmetic Colorants]に列挙されているように、化粧品目的に認可され、好適な物質である。例としては、コチニールレッドA(C.I.16255)、パテントブルーV(C.I.42051)、インジゴチン(C.I.73015)、クロロフィリン(C.I.75810)、キノリンイエロー(C.I.47005)、二酸化チタン(C.I.77891)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)及びマダーレーキ(C.I.58000)が挙げられる。発光染料として、ルミノールが存在することも可能である。これらの染料は、通常、全混合物を基準として0.001~0.1重量%の濃度で使用される。
【実施例
【0093】
ワックス分散物の実施例:
本発明のワックス分散物A1~A3及び比較のためのワックス分散物V1を製造した(ワックス分散物に基づいた活性物質の重量%で量を示した)。この目的のために、水の総量の2/3の初期投入量を85℃に加熱した。エチレングリコールジステアレート(本発明又は比較のため)、Texapon(登録商標)N701(=ラウリルエーテル硫酸ナトリウム+1EO)、Dehyton(登録商標)PK45(=ココ(脂肪酸アミドプロピル)ベタイン)及びMonomuls(登録商標)(脂肪酸部分グリセリド)を高温相に添加し、混合物を撹拌した。64℃で、水の総量の最後の1/3を添加し、混合物を撹拌した。約40℃に冷却した後、安息香酸ナトリウム、硫酸ナトリウム及びクエン酸(50重量%溶液)を加え、混合物を撹拌した。
【0094】
本発明のワックス分散物はエチレングリコール脂肪酸ジエステルとしてCutina(登録商標)KE 2747を含み、比較のワックス分散物V1は、以下の仕様を有するCutina(登録商標)AGSを含む:
【0095】
【表A】
【0096】
ワックス分散物の組成及び特性を表1に示す。
【0097】
ワックス分散物V2は、本発明のワックス分散物とは対照的に、ベタインを全く含まないが、代わりに、DE 1951572Cによる非イオン性界面活性剤ラウリルグルコシドを含む。
【0098】
【表1】
【0099】
微細分散はレーザー回析法(Mastersizer 2000)により、粒径分布(μm)と平均粒径(μm)を決定することにより決定した(MALVERN INSTRUMENTS GmbH、Marie-Curie-Strasse 4/1、71083 Herrenberg、Germanyからの製品説明書参照)。粘度は、Brookfield方法(23℃、スピンドル5、10rpm、mPas)によって確認した。
【0100】
表1から、少なくとも90%のC18含有量を有するエチレングリコール脂肪酸ジエステルを含むワックス分散物(A1~A3)が乳白剤であることは明らかである。ワックス分散物A1は、特に粘度が低く、粒径が小さい。C18含有量が少ないエチレングリコール脂肪酸ジエステルを含むワックス分散物は、真珠光沢、より高い粘度及びより大きい粒径を示す(V1参照)。DE 19511572Cによる界面活性剤としてベタインの代わりにラウリルグルコシドを含むワックス分散物も、真珠光沢、より高い粘度及びより大きい粒径を有する(V2参照)。
【0101】
B)ヘアシャンプー配合物におけるワックス分散物の使用:
以下の成分を25℃で混合すると、以下のコンディショナー性能を有する水性白色ヘアシャンプー配合物が得られた:
【0102】
【表2】
【0103】
UCARE Polymer(登録商標)JR 400はポリクオタニウム-10と称され、Dehyquart(登録商標)Guar Nはカチオン変性グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと称され、両方ともカチオン性ポリマーである。
【0104】
B5との比較による白色度の評価は、スクールグレードを基準とした。
【0105】
残留ウェット時櫛通り/残留ドライ時櫛通りは、次のようにして測定した:
- 毛髪房の前処理:
残留ウェット時櫛通り:毛髪房(白人毛髪、12cm/1g、International Hair Importers & Products、USA)を6%ラウリルエーテル硫酸ナトリウム溶液(活性物質含量)、pH 6.5で洗浄し、pH 9.4で5%過酸化水素溶液にて20分間漂白し、続いて毛髪を強くすすいだ。
【0106】
残留ドライ時櫛通り:毛髪房(白人毛髪、15cm/2g、International Hair Importers & Products、米国)を6%ラウリルエーテル硫酸ナトリウム溶液(活性物質含量)、pH 6.5で洗浄し、pH 9.4で8.5%過酸化水素溶液にて20分間漂白し、続いて毛髪を2回すすいだ。これに続いて、空気流中で最大55℃で30分間乾燥させた。
【0107】
-配合物B1)~B6)による毛髪束の処理
自動化された方法において、ブランク測定を最初に行い、次いで、本発明の配合物B1)~B3)及び比較のためにB4)~B6)で毛髪を処理した後に測定を行った。この目的のために、毛髪を0.25g/g(毛髪)で5分間処理した。
ウェットコーミング装置の自動システムでは、処理された毛髪房を標準条件(38℃、1リットル/分)下で1分間すすぎ、測定した。
ドライ時櫛通りの測定のために、処理した毛髪房を30℃及び40%相対空気湿度で16時間貯蔵した。
【0108】
各測定について、10本の毛髪房を試験し、23回の櫛移動(3回目~23回目)にわたってコーミング力を測定した。
【0109】
残留櫛通り(%)を次のように計算した:
残留櫛通り(%)=(製品処理後の残留コーミングワーク(combing work):製品処理前のコーミングワーク)×100。
【0110】
表B)から、A1)によるワックス分散物を含むヘアシャンプー配合物B1 + B2 + B3は、ワックス分散物を含まない配合物よりも良好な残留ウェット及びドライ櫛通り性を示すことが明らかになる。これは、カチオン性ポリマーがヘアシャンプー配合物中に存在する場合にも当てはまる(B1はB4と比較して良好)。残留ウェット及びドライ櫛通り性に関して、カチオン変性ポリマー並びにワックス分散物A1)をさらに含むヘアシャンプー配合物B1)及びB2)は特に良好である。従って、ワックス分散物自体はコンディショナーとして振る舞い(B3参照)、カチオン変性ポリマーのブースターでもある。
本発明は、以下の態様を含む。
[項1]
化粧品製剤のための乳白剤及び/又はコンディショナーとして好適な水性ワックス分散物であって、
a) ワックス体としてのエチレングリコール脂肪酸エステルと、
b) 脂肪酸部分グリセリドと、
c) 脂肪アルコール(エーテル)硫酸塩によって形成される群から選択されるアニオン性界面活性剤と、
d) ベタインによって形成される群から選択される両性界面活性剤と
を含み、エチレングリコール脂肪酸エステル(a)が、ステアリン酸、又は脂肪酸を基準として85~100重量%のステアリン酸を含む脂肪酸の混合物によって形成されている、水性ワックス分散物。
[項2]
a)として存在するエチレングリコール脂肪酸エステルが、脂肪酸の総量に対して、90重量%~98重量%のステアリン酸及び2重量%~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸から形成されている、項1に記載の水性ワックス分散物。
[項3]
(a)の平均粒径が1~4μmの範囲である項1又は2に記載の水性ワックス分散物。
[項4]
ワックス体a)が、水性分散物を基準として20重量%~35重量%、好ましくは25重量%~30重量%の量で分散物中に存在する、項1~3のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項5]
脂肪酸部分グリセリド(b)が、グリセロール脂肪酸モノエステルによって形成される群から選択され、前記脂肪酸が12~18個の炭素原子を有し、前記脂肪酸部分グリセリド(b)が、好ましくは脂肪酸混合物を基準として90重量%~100重量%のオレイン酸を含む脂肪酸混合物のグリセロール脂肪酸モノエステルである、項1~4のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項6]
脂肪酸部分グリセリド(b)が、水性ワックス分散物を基準として0.5重量%~3.0重量%、好ましくは1重量%~2重量%の量で存在する、項1~5のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項7]
a)及びb)が、a):b)=15:1~20:1、好ましくは17:1~18.5:1の重量比で分散物中に存在する、項1~6のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項8]
c)が、1~2の平均エトキシル化レベルを有するラウリルエーテル硫酸塩によって形成される群から選択される、項1~7のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項9]
c)が、水性ワックス分散物を基準として8重量%~15重量%、好ましくは9重量%~12重量%の量で存在する、項1~8のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項10]
a)及びc)が、a):c)=2:1~4:1、好ましくは2.5:1~3.5:1の重量比で分散物中に存在する、項1~9のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項11]
d)が、ココ(脂肪酸アミドプロピル)ベタインによって形成される群から選択される、項1~10のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項12]
d)が、水性ワックス分散物を基準として0.5重量%~3.0重量%、好ましくは1重量%~2.5重量%の量で存在する、項1~11のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項13]
c)及びd)が、c):d)=4:1~8:1、好ましくは5.5:1~7.5:1の重量比で分散物中に存在する、項1~12のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項14]
a)~d)と、水と、pH調節剤と、任意選択で防腐剤とからなる、項1~13のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物。
[項15]
ヘアトリートメント用の化粧品製剤中の乳白剤としての、項1~14のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物の使用。
[項16]
ヘアトリートメント用の化粧品製剤における、特にドライ時及び/又はウェット時の櫛通りの改善のためのコンディショナーとしての、項1~14のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物の使用。
[項17]
ヘアトリートメント用化粧品製剤中のカチオン変性ポリマーのコンディショニング作用を改善するためのブースターとしての、項1~14のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物の使用。
[項18]
ヘアトリートメント用の化粧品製剤を基準として、1重量%~5重量%の量での項15~17のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物の使用。
[項19]
カチオン変性グアー、PQ-7及びPQ-10によって形成される群から選択されるカチオン変性ポリマーのためのブースターとして使用される、項17及び18のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物の使用。
[項20]
請求項1~14のいずれか1項に記載の水性ワックス分散物と、アニオン性界面活性剤と、カチオン性ポリマーと、任意選択で両性/双性イオン性界面活性剤と、乳化剤又はさらなる慣用の成分と、100重量%に補充するための水とを含む、毛髪処理をコンディショニングするための化粧品組成物。