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特許7483300連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240508BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240508BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20240508BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20240508BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240508BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/209
H01M50/213
H01M50/227
H01M50/293
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022549358
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 KR2021007308
(87)【国際公開番号】W WO2022005042
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0079310
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン・キュ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ブム・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・ウォン・チェ
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/164923(WO,A1)
【文献】特表2019-508871(JP,A)
【文献】国際公開第2012/124273(WO,A1)
【文献】特開2019-091628(JP,A)
【文献】国際公開第2019/042698(WO,A1)
【文献】特開2013-191440(JP,A)
【文献】国際公開第2017/056742(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/204 - 231
H01M 50/289 - 293
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の大きさの空間部を有する複数の収納部が形成されたモジュールケースを準備する段階と、
前記収納部に電池セルを収納させる段階と、
所定の温度に加熱して電池セルを固定させる段階と、
を含み、
前記モジュールケースは、下板、複数の側板、及び前記収納部を形成するための複数の隔壁を含み、
前記隔壁は、前記下板から所定の高さに延びた下部隔壁と、前記下部隔壁から所定の高さに延びた上部隔壁と、
を含み、
前記モジュールケースの下板、側板、及び下部隔壁は熱可塑性樹脂からなる、連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記下部隔壁と前記上部隔壁とは、互いに異なる物質からなる、請求項1に記載の連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記モジュールケースの上部隔壁は熱硬化性樹脂である、請求項2に記載の連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂はmPPE(modified Polyphenylene Ether)またはPC(Polycarbonate)であり、前記熱硬化性樹脂はシリコン(Silicon)、エポキシ(Epoxy)、及びポリウレタン(Polyurethane)のうちのいずれか1種以上である、請求項3に記載の連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法。
【請求項5】
所定の大きさの空間部を有する複数の収納部が形成されたモジュールケースを準備する段階と、
前記収納部に電池セルを収納させる段階と、
所定の温度に加熱して電池セルを固定させる段階と、
を含む、連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法であって、
前記モジュールケースは、下板、複数の側板、及び前記収納部を形成するための複数の隔壁を含み、
前記隔壁は、前記下板から所定の高さに延びた下部隔壁と、前記下部隔壁から所定の高さに延びた上部隔壁と、
を含み、
前記上部隔壁はガラスバブル(Glass bubble)をさらに含む、連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法。
【請求項6】
所定の大きさの空間部を有する複数の収納部が形成されたモジュールケースを準備する段階と、
前記収納部に電池セルを収納させる段階と、
所定の温度に加熱して電池セルを固定させる段階と、
を含む、連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法であって、
前記モジュールケースは射出成形によって形成される、連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記所定の大きさの空間部を有する複数の収納部が形成されたモジュールケースを準備する段階と前記収納部に電池セルを収納させる段階との間には、前記収納部に接着部材を注液する段階をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記接着部材は熱硬化性樹脂である、請求項7に記載の連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記電池セルは円筒形または角形を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の電池モジュールの製造方法で製造された電池モジュールを収納した、電池パック。
【請求項11】
請求項10に記載の電池パックを含む、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年06月29日付の韓国特許出願第2020-0079310号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法に関し、具体的に隣接した電池セルに熱が移動することを抑制し、さらに重さを減らすことができる、連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、化石燃料の使用による大気汚染、エネルギー枯渇による代替エネルギーの開発によって生産された電気エネルギーを貯蔵することができる二次電池に対する需要が増加している。充放電の可能な二次電池は、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド電気自動車動車などに使われるなど、日常生活に密接に使われている。
【0004】
現代社会で必要不可欠に使われている各種の電子機器のエネルギー源として使われている二次電池は、モバイル機器の使用量の増加及び複雑化、電気自動車などの開発によって所要容量が増加している。使用者の需要を満たすために、小型機器には多数の電池セルを配置しているが、自動車などには多数の電池セルを電気的に連結するバッテリーモジュールまたこのようなバッテリーモジュールを多数備えたバッテリーパックが使われる。
【0005】
バッテリーモジュールまたはバッテリーパックは、容量及び出力を向上させるために、多数の電池セルを直列または並列に連結して使っている。多数の電池セルを連結して使用する場合、過負荷などの問題点が発生することがある。
【0006】
このような問題を解決するために、特定の電池セルで発生する熱が隣接した電池セルに転移することを抑制することができるモジュールケースを含む電池モジュールが開発されている。
【0007】
図1は従来技術による電池モジュールを示す斜視図である。図1に示すように、従来技術による電池モジュール10は、複数の電池セル11、複数の電池セル11を収納するモジュールケース12、及び複数の電池セル11を取り囲んで電池セル11の間を満たす充填材13を含む。
【0008】
このように、従来技術は、モジュールケース12に収納される電池セル11の間に充填材13を形成することで、電池セル11が所定の間隔で離隔するように配置され、よって特定の電池セル11で発生した熱が隣接した電池セル11に移動することを抑制して安全性を改善するという効果がある。
【0009】
しかし、電池セル11が非常に近接して配置されるので充填材13を満たすことが容易でなく、さらに空間が発生するときには、熱転移を充分に抑制することができないだけでなく、確実に固定されなくて少しの外部衝撃にも電池セル11が動くことがあるので、ややもすると大きな事故につながることがあるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国公開特許第2019-0132631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記のような問題点を解決するために、本発明は、電池モジュールに収納された複数の電池セルで発生する熱が隣接した電池セルに移動することを遮断し、さらに確実に固定することができる連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、エネルギー密度が高く、軽量化が可能である、連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、製造時間を節減し、製品の不良率を低めることができる、連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような目的を達成するための本発明による連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法は、所定の大きさの空間部を有する複数の収納部(114)が形成されたモジュールケース(110)を準備する第1段階と、前記収納部(114)に電池セル(130)を収納させる第2段階と、所定の温度に加熱して電池セル(130)を固定させる第3段階とを含み、前記モジュールケース(110)は、下板(111)、複数の側板(112)、及び前記収納部(114)を形成するための複数の隔壁(113)を含み、前記隔壁(113)は、前記下板(111)から所定の高さに延びた下部隔壁(113(a))、及び前記下部隔壁(113(a))から所定の高さに延びた上部隔壁(113(b))を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明による電池モジュールの製造方法において、前記下部隔壁113(a)と上部隔壁113(b)とは互いに異なる物質からなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による電池モジュールの製造方法において、前記モジュールケース(110)の下板(111)、側板(112)、及び下部隔壁113(a)は熱可塑性樹脂からなり、上部隔壁(113(b))は熱硬化性樹脂であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による電池モジュールの製造方法において、前記熱可塑性樹脂はmPPE(modified Polyphenylene Ether)またはPC(Polycarbonate)であり、前記熱硬化性樹脂はシリコン(Silicon)、エポキシ(Epoxy)、及びポリウレタン(Polyurethane)のいずれか1種以上であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明による電池モジュールの製造方法において、前記上部隔壁(113(b))はガラスバブル(Glass bubble)をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明による電池モジュールの製造方法において、前記モジュールケース(110)は射出成形によって形成されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明による電池モジュールの製造方法において、前記所定の大きさの空間部を有する複数の収納部(114)が形成されたモジュールケース(110)を準備する段階と収納部(114)に電池セル(130)を収納させる段階との間には、前記収納部(114)に接着部材(120)を注液する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明による電池モジュールの製造方法において、前記接着部材(120)は熱硬化性樹脂であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明による電池モジュールの製造方法において、前記電池セル(130)は円筒形または角形を有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は前述した特徴のうちの一つ以上を含む製造方法によって製造された電池モジュール(100)を収納した電池パックとすることができる。
【0024】
また、本発明は前述した電池パックが装着されたデバイスとすることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上で説明したように、本発明による連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法によれば、モジュールケースに電池セル収納部を予め形成し、このように備えられた収納部に接着部材を注液した後、電池セルを収納して固定するので、製造時間を大きく縮めることができるという利点がある。
【0026】
また、本発明による連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法によれば、収納部に予め注液された熱硬化性接着部材は電池セル収納過程で電池セルの外表面を均一に取り囲むので、電池セルを確実に固定することができ、よって電池モジュールの耐衝撃性に優れるという利点がある。
【0027】
さらに、本発明による連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法によれば、電池セルを互いに区画する隔壁にはガラスバブル(Glass bubble)が含まれているので、軽量化が可能であるだけでなく、相対的に高価である熱硬化性樹脂を少なく使うことができるので、製造コストの節減にも寄与することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来技術による電池モジュールを示す斜視図である。
図2】本発明の好適な実施例による電池モジュールの斜視図である。
図3図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
図4】本発明の好適な実施例による電池セルの断面図である。
図5】本発明の好適な実施例による電池モジュールの製造方法を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の好適な実施例による電池モジュールの製造方法を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0030】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0031】
以下、本発明による連鎖発火を防止する電池モジュールの製造方法について添付図面を参照しながら説明する。
【0032】
図2は本発明の好適な実施例による電池モジュールの斜視図であり、図3図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【0033】
図2及び図3を参照して説明すると、本発明による電池モジュール100は、モジュールケース110、接着部材120、及びモジュールケース110に収納される複数の電池セル130を含んでなる。
【0034】
まず、略六面体の外形を有するモジュールケース110は、所定の間隔で離隔したままで複数の電池セル130を収納する空間部を提供するように、平板状の下板111と、下板111の縁端から上方に垂直に延びた4枚の側板112とを含んでなる。
【0035】
ここで、下板111と4枚の側板112とは、収納された電池セル130を外部衝撃から保護するように、所定の強度を有する熱可塑性樹脂、一例としてmPPE(modified Polyphenylene Ether)またはPC(Polycarbonate)であることができるが、同じ目的及び機能を達成することができれば特に限定されない。
【0036】
そして、下板111及び側板112によって形成された空間部には、各電池セル130を個別的に収容する複数の収納部を形成するように、隔壁113が備えられる。隔壁113は、下板111から所定の高さに延びた下部隔壁113(a)、及び下部隔壁113(a)から所定の高さに延びた上部隔壁113(b)からなることができる。
【0037】
ここで、下部隔壁113(a)は下板111と同じ素材であるmPPE(modified Polyphenylene Ether)またはPC(Polycarbonate)のような熱可塑性樹脂である一方で、上部隔壁113(b)は熱伝導が低く耐熱性が高い熱硬化性樹脂、例えばシリコン(Silicon)、エポキシ(Epoxy)、及びポリウレタン(Polyurethane)のうちの1種以上からなることが好ましい。
【0038】
したがって、収納された電池セル130は剛性に優れた下部隔壁113(a)によって下側一部が支持されるとともに、上部隔壁113(b)によって隣接した電池セル130への熱移動を最小化することができる。もちろん、上部隔壁113(b)によっても電池セル130を固定及び支持することができるというのは言うまでもない。
【0039】
一方、上部隔壁113(b)は内部が空いている所定の大きさのガラスバブル(Glass bubble)をさらに含むことができる。すなわち、シリコン(Silicon)、エポキシ(Epoxy)、及びポリウレタン(Polyurethane)のような熱硬化性樹脂にガラスバブル(Glass bubble)が混合されることで上部隔壁113(b)が構成されれば、モジュールケース110の軽量化に有利であるだけでなく、相対的に高価の熱硬化性樹脂を少なく使うことができるので、製造コストの節減にも寄与することができるという利点がある。
【0040】
そして、電池セル130の外側面と隔壁113との間には、接着部材120、一例として上部隔壁113(b)と同じ素材である熱硬化性樹脂からなる接着部材120をさらに備えることができる。
【0041】
たとえ図3には隔壁113と電池セル130の側面との間にのみ接着部材120が介在するものとして示されているが、下板111と電池セル130の底面との間にも介在することができるというのは言うまでもない。
【0042】
特に限定しないが、電池モジュールのエネルギー密度を高めるために、隔壁113単独、または隔壁113及び接着部材120の厚さは2mm以下、好ましく1mm以下とすることができる。
【0043】
図4は本発明の好適な実施例による電池セルの断面図である。本発明のモジュールケースに収納される電池セルは図4に示す円筒型電池セルに限定されず、角型電池セルであってもよい。
【0044】
図4に示すような円筒型電池セルを例として説明すると、電池セル130は、巻取型構造の電極組立体131を金属缶132に収納し、金属缶132内に電解液を注入した後、金属缶132の開放上端に、電極端子が形成されたキャップアセンブリー133を結合することによって製作することができる。
【0045】
ここで、電極組立体131は、正極131(a)、負極131(b)、及び分離膜131(c)を順に積層し、丸い形態に巻き取ることによって製造される。
【0046】
電極組立体131の中央部位に形成された貫通型の巻心部134には円筒状のセンターピン135が挿入されている。センターピン135は一般的に所定の強度を有するために金属素材からなる。このようなセンターピン135は電極組立体131を固定及び支持するように作用するとともに充放電及び作動の際に内部反応によって発生するガスを放出する通路として作用する。
【0047】
一方、キャップアセンブリー133の上端中央部位には突出した形態の正極端子133(a)が形成され、金属缶132の残りの部位は負極端子133(b)をなす。
【0048】
もちろん、二次電池に使用可能な電池セルであれば、前述した構成と同じ円筒型電池セル130に限定されない。
【0049】
図5は本発明の好適な実施例による電池モジュールの製造方法を説明するためのフローチャートであり、図6は本発明の好適な実施例による電池モジュールの製造方法を説明するための概念図である。
【0050】
図5及び図6を参照して説明すると、本発明の好適な実施例による電池モジュールの製造方法は、複数の収納部が形成されたモジュールケースを準備する段階(S1)、複数の収納部に接着部材を注液する段階(S2)、収納部に電池セルを収納させる段階(S3)、及び所定の温度に加熱して電池セルを固定する段階(S4)を含んでなる。
【0051】
まず、複数の収納部が形成されたモジュールケースを準備する段階(S1)では、前述したような構成を有するモジュールケース110、すなわち下板111及び4枚の側板112によって空間部が備えられ、空間部には下部隔壁113(a)及び上部隔壁113(b)からなる隔壁113によって収納部114が形成されたモジュールケース110を準備する段階である。
【0052】
ここで、収納部114の内径は収納された円筒型電池セルの外径よりは少し大きくなければならないというのは言うまでもなく、上部隔壁113(b)にはガラスバブル(Glass bubble)が混入されていることが好ましい。
【0053】
一方、モジュールケース110は射出成形によって一体型に製作されることが好ましい。一例として、オーバーモールディング(Over-Molding)、多重射出、及びブロック化射出成形であることができるが、異種素材を一体型に形成することができる成形方法であれば特に限定されない。前記のような成形方法を採用すれば、薄厚の隔壁113を形成することが可能であり、さらに隔壁113の厚さが均一であるという利点がある。
【0054】
複数の収納部に接着部材を注液する段階(S2)は、注液部200を介してシリコン(Silicon)、エポキシ(Epoxy)、及びポリウレタン(Polyurethane)のような熱硬化性樹脂からなる接着部材120を所定量注入する段階である。
【0055】
接着部材120は収納される電池セル130と隔壁113との間の隙間を埋めて電池セル130を確実に固定し、さらに隣接した電池セル130に熱が伝達されることを防止する。
【0056】
収納部に電池セルを収納させる段階(S3)は、所定量の接着部材120が収納部114に充填された状態で電池セル130を収納部114に着座させる。このとき、充填された接着部材120は隔壁113と電池セル130との間の空間に押し上げられるので、電池セル130の外周面を取り囲む形状になる。
【0057】
最後の段階である所定の温度に加熱して電池セルを固定する段階(S4)は、接着部材120である熱硬化性樹脂が硬化することができる程度の所定の温度で所定の時間加熱して電池セル130を隔壁113に固定する段階である。
【0058】
従来においては、複数の電池セルをモジュールケースに収納させた後、電池セルの間の空間部に熱硬化性樹脂を注入及び硬化させる過程によって電池モジュールを製造してきた。したがって、電池セルの間の狭い隙間に熱硬化性樹脂を注入することが容易でないだけでなく、製品不良が多く及び製造時間が長くかかった。
【0059】
しかし、本発明は、電池セルの収納部が形成されたモジュールケースを準備し、接着部材を収納部に注液した後、電池セルを収納して硬化させるので、電池セルを互いに区画する隔壁をとても容易に形成することができるという利点がある。
【0060】
本発明は前述した特徴のうちでいずれか一つ以上の特徴を有している電池モジュールの製造方法によって製造された電池モジュールを収納した電池パックであることができる。
【0061】
また、本発明は前述した電池パックが装着されたデバイスであることができ、前記デバイスは、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド電気自動車などのように大容量の電池を含む電子機器であることができる。
【0062】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【符号の説明】
【0063】
100 電池モジュール
110 モジュールケース
111 下板
112 側板
113 隔壁
113(a) 下部隔壁
113(b) 上部隔壁
114 収納部
120 接着部材
130 電池セル
131 電極組立体
131(a) 正極
131(b) 負極
131(c) 分離膜
132 金属缶
133 キャップアセンブリー
133(a) 正極端子
133(b) 負極端子
134 巻心部
135 センターピン
200 注液部
図1
図2
図3
図4
図5
図6