(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】車両走行管理システム、車両走行管理装置、及び車両走行管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20240508BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240508BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20240508BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/00 D
G08G1/0968 B
G01C21/34
(21)【出願番号】P 2019181969
(22)【出願日】2019-10-02
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 良貴
(72)【発明者】
【氏名】御厨 裕
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-053652(JP,A)
【文献】特開2018-122650(JP,A)
【文献】国際公開第2018/217640(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/106822(WO,A1)
【文献】特開2014-191725(JP,A)
【文献】特開2009-156622(JP,A)
【文献】特開2008-003675(JP,A)
【文献】特開2019-106161(JP,A)
【文献】特開2015-224921(JP,A)
【文献】特開2017-182137(JP,A)
【文献】特開2019-016290(JP,A)
【文献】特開2019-109826(JP,A)
【文献】特開2016-188788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの乗降地まで走行する車両の配車計画を行う車両走行管理装置と、
前記車両走行管理装置と通信可能で、前記ユーザが情報を入力する端末機と、を備え、
前記車両走行管理装置は、
停車候補地点の周囲環境情報を取得する周囲環境情報取得部と、
前記停車候補地点から第1降車地を設定する配車計画部と、
前記車両が前記第1降車地へ到着する前に、前記第1降車地の周囲環境情報に基づき、前記車両が前記第1降車地に到着した際、前記第1降車地に停車できない可能性があるか否かを判定する停車可能性判定部と、
前記第1降車地に停車できない可能性があると判定される場合には、前記第1降車地から所定の距離の範囲内に位置する停車候補地点を第2降車地として特定する第2降車地特定部と、
前記第2降車地の情報を前記端末機に送信する通信部と、を有し、
前記配車計画部は、複数の前記停車候補地点までの走行経路を生成し、
前記第2降車地特定部は、
複数の前記停車候補地点ごとに、前記停車候補地点までの走行経路のうち、前記第1降車地までの走行経路と同じ走行経路を通る区間の距離を算出し、前記停車候補地点までの走行経路全体の距離に対する、前記区間の距離の割合を算出し、
前記割合が最も大きい走行経路が生成される前記第1降車地以外の停車候補地点を前記第2降車地として特定する車両走行管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両走行管理システムであって、
前記第2降車地特定部は、前記ユーザが設定した目的地から所定の距離の範囲内に位置する停車候補地点を前記第2降車地として特定する車両走行管理システム。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の車両走行管理システムであって、
前記車両走行管理装置は、前記車両の周囲環境情報である車両周囲環境情報を取得する車両周囲情報取得部と、をさらに有し、
前記第2降車地特定部は、
降車地を前記第1降車地から前記第2降車地に変更するか否かを判定し、
前記降車地を前記第2降車地に変更した後、前記車両が前記第2降車地まで走行している間に前記第1降車地に接近する場合、前記車両周囲環境情報に基づき、前記第1降車地に前記車両が停車できると判定されると、前記降車地を前記第2降車地から前記第1降車地に更新する車両走行管理システム。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれかに記載の車両走行管理システムであって、
前記第2降車地特定部は、降車地を前記第1降車地から前記第2降車地に変更するか否かを判定し、
前記停車可能性判定部は、前記降車地を前記第2降車地に変更した後、前記車両が前記第2降車地まで走行している間に、前記第1降車地の周囲環境情報に基づき、前記第1降車地に停車できる可能性があるか否かを判定し、
前記第2降車地特定部は、前記第1降車地に停車できる可能性があると判定される場合には、前記降車地を前記第2降車地から前記第1降車地に更新する車両走行管理システム。
【請求項5】
請求項1~
3のいずれかに記載の車両走行管理システムであって、
前記第2降車地特定部は、降車地を前記第1降車地から前記第2降車地に変更するか否かを判定し、
前記停車可能性判定部は、前記降車地を前記第2降車地に変更した後、前記車両が前記第2降車地まで走行している間に、前記第1降車地の周囲環境情報に基づき、前記第1降車地に停車できる可能性があるか否かを判定し、
前記通信部は、前記第1降車地に停車できる可能性があると判定される場合には、前記降車地を前記第2降車地から前記第1降車地に更新するか否かの選択情報を、前記端末機に送信する車両走行管理システム。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれかに記載の車両走行管理システムであって、
前記周囲環境情報取得部は、
前記停車候補地点に設置され、前記停車候補地点の周囲環境情報を検出する検出装置から、前記周囲環境情報を取得する車両走行管理システム。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれかに記載の車両走行管理システムであって、
前記周囲環境情報取得部は、
前記停車候補地点における車両の停車及び発進に関する履歴情報を取得する車両走行管理システム。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれかに記載の車両走行管理システムであって、
前記周囲環境情報取得部は、
前記停車候補地点付近を走行する時に前記停車候補地点の周囲環境情報を取得する車両から、前記周囲環境情報を取得する車両走行管理システム。
【請求項9】
ユーザの乗降地まで走行する車両の配車計画を行う車両走行管理装置であって、
停車候補地点の周囲環境情報を取得する周囲環境情報取得部と、
停車候補地点から第1降車地を設定する配車計画部と、
前記車両が前記第1降車地へ到着する前に、前記第1降車地の周囲環境情報に基づき、前記車両が前記第1降車地に到着した際、前記第1降車地に停車できない可能性があるか否かを判定する停車可能性判定部と、
前記第1降車地に停車できない可能性があると判定される場合には、前記第1降車地から所定の距離の範囲内に位置する停車候補地点を第2降車地として特定する第2降車地特定部と、
前記第2降車地の情報を、前記車両走行管理装置と通信可能で、前記ユーザが情報を入力する端末機に送信する通信部と、を有し、
前記配車計画部は、複数の前記停車候補地点までの走行経路を生成し、
前記第2降車地特定部は、
複数の前記停車候補地点ごとに、前記停車候補地点までの走行経路のうち、前記第1降車地までの走行経路と同じ走行経路を通る区間の距離を算出し、前記停車候補地点までの走行経路全体の距離に対する、前記区間の距離の割合を算出し、
前記割合が最も大きい走行経路が生成される前記第1降車地以外の停車候補地点を前記第2降車地として特定する車両走行管理装置。
【請求項10】
コンピューターを備える車両走行管理装置が、ユーザの乗降地まで走行する車両の配車計画を行う車両走行管理方法であって、
停車候補地点の周囲環境情報を取得し、
停車候補地点から第1降車地を設定し、
複数の前記停車候補地点までの走行経路を生成し、
前記車両が前記第1降車地へ到着する前に、前記第1降車地の周囲環境情報に基づき、前記車両が前記第1降車地に到着した際、前記第1降車地に停車できない可能性があるか否かを判定し、
前記第1降車地に停車できない可能性があると判定される場合には、
複数の前記停車候補地点ごとに、前記停車候補地点までの走行経路のうち、前記第1降車地までの走行経路と同じ走行経路を通る区間の距離を算出し、前記停車候補地点までの走行経路全体の距離に対する、前記区間の距離の割合を算出し、
前記割合が最も大きい走行経路が生成される前記第1降車地以外の停車候補地点を第2降車地として特定し、
前記第2降車地の情報を、前記車両走行管理装置と通信可能で、前記ユーザが情報を入力する端末機に送信する車両走行管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両走行管理システム、車両走行管理装置、及び車両走行管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザを目的地に輸送する自律走行車両を配車する際に、ユーザが提供する出迎え先および送り先の場所に基づき、1つ以上の推奨場所を選択して、当該推奨場所をユーザに提示し、ユーザに選択をさせる配車システム及び方法が知られている。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2016/0370194号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、自律走行車両が降車地に向けて出発した後、当該車両が降車地に到着するまでの間に、当該降車地が駐停車車両で占有された場合、実際に当該車両が当該降車地に到着しても停車することができず、当該降車地到着後にあらためて他の降車地を探して移動する必要があるため、停車できるまでに余計な時間がかかり、非効率であるという問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、車両が降車地に到着するまでの間に、降車地に車両が停車できなくなった場合に、効率的に他の降車地を探すことができる車両走行管理システム、車両走行管理装置、及び車両走行管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、停車候補地点の周囲環境情報を取得し、停車候補地点から第1降車地を設定し、車両が第1降車地に到着する前に、第1降車地の周囲環境情報に基づき、車両が第1降車地に到着した際、第1降車地に停車できない可能性があるか否かを判定し、第1降車地に停車できない可能性があると判定される場合には、前記第1降車地から所定の距離の範囲内に位置する停車候補地点を第2降車地として特定し、第2降車地の情報を、車両走行管理装置と通信可能で、ユーザが情報を入力する端末機に送信することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両が降車地に到着するまでの間に、降車地に車両が停車できなくなった場合に、効率的に他の降車地を探すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る車両走行管理システムが用いられる車両の配車シーンを示す一例である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る車両走行管理システムの一例を示す構成図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における第1降車地まで走行している間の降車地変更の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施形態における第2降車地特定の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における停車候補地点までの走行経路生成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における、降車地を第2降車地に変更した後の第1降車地の状況変化の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における第2降車地まで走行している間の降車地変更の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る車両走行管理システムの一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
本実施形態のシステムは、ユーザからの配車依頼に応じて車両を配車し、ユーザが希望する乗車地点から降車地点までの走行経路を設定し、車両を当該走行経路に基づき走行させる車両走行管理システムである。
【0011】
図1で、本実施形態のシステムが適用される車両の配車シーンを説明する。なお、
図1に示される配車シーンは、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
図1は、ユーザUと車両Vmが乗車地Psで待ち合わせ、車両Vmは、走行経路Rmに沿って、降車地Peに向かうという場面である。Pxで示されている各地点は、乗降のために停車可能な地点である停車候補地点であり、停車候補地点は一定区間のエリアであってもよい。車両走行管理システムは、車両(
図1のVm、Vo1、Vo2、Vo3)と電気通信回線網を構成するネットワークで接続されて、双方向の通信が可能となっている。また、車両走行管理システムは、各停車候補地点の周囲環境情報を取得していて、駐停車車両等の障害物で占有されている等、車両が停車できない可能性のある停車候補地点を把握することができる。
図1では、車両が停車できない可能性がある停車候補地点は黒色で表示されて、車両が停車できる可能性がある停車候補地点は白色で表示されている。
【0012】
車両走行管理システムは、ユーザUからユーザ端末を介して配車の依頼があると、ユーザUに配車する車両を決定する(
図1では、Vmを配車車両に決定する)。また、ユーザUの位置情報を踏まえて、停車候補地点Pxから乗車地Psを選択する。
図1で、PxからPsと表記が変わっている箇所が乗車地となる。同様に、ユーザUが設定する目的地に基づいて、降車地Peを設定する。
図1では、PxからPeと表記が変わっている箇所が降車地である。なお、
図1のPfはユーザUが降車後に向かう目的地の位置であり、ユーザUは、Peで降車した後に、Pfに向かうことになる。
【0013】
次に、本実施形態に係る車両走行管理システムの構成を
図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態における車両走行管理装置101を含む車両走行管理システム100の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態における車両走行管理システム100は、車両走行管理装置101と車両201と端末機301とを含む。車両走行管理装置101と車両201は電気通信回線網を構成するネットワークを介して接続されていて、車両走行管理装置101は複数の車両201と接続されていてもよい。また、同様に、車両走行管理装置101と端末機301も電気通信回線網を構成するネットワークを介して接続されていて、車両走行管理装置101は複数の端末機301と接続されていてもよい。なお、端末機301は、ユーザが車両走行管理装置101との間の情報のやりとりの入出力を行うための装置であって、例えば、携帯電話端末や可搬のコンピュータ端末、あるいは、ユーザが乗車中であれば、車両201に備えられている車両端末が挙げられる。
【0014】
本実施形態では、車両走行管理装置101は、車両201の外部に設けられていて、例えば、配車車両の管理を行う管制センター等に配置されている。ユーザが有する携帯電話端末等の端末機301を介してユーザが配車依頼を行うと、車両走行管理装置101は、当該ユーザにどの車両を配車するかを選択し、ユーザと車両の待ち合わせする乗車地を決め、ユーザが有する携帯電話等の端末機301に乗降地情報と配車車両情報を送信し、車両201に乗降地情報とユーザ情報を送信する。
【0015】
車両走行管理装置101は、停車候補地点の位置情報と地図データベース120の地図情報を対応付けて停車候補地点を記録している。また、車両走行管理装置101は、当該停車候補地点における周囲環境情報を取得し、記録している。なお、停車候補地点は一定区間のエリアとして設定することとしてもよい。なお、当該停車候補地点における周囲環境情報は、停車候補地点に設置されているインフラセンサが取得する情報を用いてもよいし、当該停車候補地点付近を走行する車両に備えられているセンサが取得する情報を用いてもよい。
【0016】
本実施形態では、車両201は自律走行可能な車両であり、ナビゲーション装置が搭載されているとともに走行制御(速度制御と操舵制御)を自動制御する機能を備える自動車である。車両201は、有人であっても、無人であってもよい。ただし、必ずしも自動制御機能を備える車両である必要はなく、運転支援機能を備え、人間が運転する車両であってもよい。
【0017】
車両走行管理装置101について説明する。車両走行管理装置101は、
図2に示すように、少なくとも車両計画部110、地図データベース120、通信部121を備える。
【0018】
車両計画部110は、配車計画部111、降車地情報取得部112、停車可能性判定部113、第2降車地特定部114を備える。
【0019】
配車計画部111は、ユーザが有する携帯電話等の端末機301から通信部121が取得した配車依頼情報に基づき、配車する車両を決定する。また、配車計画部111は、当該配車依頼情報に基づき、停車候補地点からユーザと車両が待ち合わせを行う乗車地と、ユーザ乗車後に車両が向かう降車を特定する。なお、配車依頼情報には、ユーザ情報やユーザの位置情報、目的地に関する情報が含まれる。乗車地と降車の特定は、通信部121が取得するユーザの位置情報や目的地に関する情報に基づいて行われる。乗車地と降車の特定後、配車計画部111は、配車される車両201の現在位置から乗車地までの走行経路と、乗車地から降車までの走行経路を生成する。また、車両201が走行している間に降車地を変更することとなった場合には、変更後の降車地までの走行経路を生成する。走行経路が生成されると、当該走行経路は、通信部121を介して、車載通信装置202に送信される。
【0020】
降車地情報取得部112は、停車候補地点における周囲環境情報を取得し、記録する。降車地情報取得部112は、通信部121を介して、停車候補地点に設置されたインフラセンサや停車候補地点を通過する車両のセンサから停車候補地点における周囲環境情報を取得する。また、停車候補地点に停車あるいは発車した車両の履歴情報を取得することとしてもよい。
【0021】
インフラセンサは、常に停車候補地点の周囲環境情報を検出することができる。また、通信部121と通信が可能であり、一定の周期で、停車候補地点の周囲環境情報を取得し、通信部121に当該周囲環境情報を停車候補地点の識別情報とともに送信する。これにより、降車地情報取得部112は、定期的に停車候補地点の周囲環境情報を取得することができる。
【0022】
また、停車候補地点を通過する車両に備えられている各種センサでも、停車候補地点の周囲環境情報を取得することができる。例えば、本実施形態に係るシステムが、各種センサを備えた配車車両を複数台管理している場合であれば、各車両が、停車候補地点を停車あるいは通過した際に、センサによって、当該停車候補地点の周囲環境情報を取得し、車両の位置情報とともに通信部121に送信する。各車両は、移動しながらセンサによって周囲環境情報を取得するため、駐停車車両等の障害物によって死角となる箇所を少なくして情報の取得をすることができる。
【0023】
さらに、車両走行管理装置101と通信可能な車両であれば、停車候補地点に停車あるいは発車した履歴情報を、通信部121に送信することができる。例えば、位置情報取得機能と通信機能を備えた車両が停車候補地点に停車あるいは発車する場合には、当該車両が停車情報と発車情報を、停車・発車した時刻とともに通信部121に送信することによって、降車地情報取得部112は停車候補地点における駐停車車両等の障害物による占有状態に関する情報を取得することができる。
【0024】
降車地情報取得部112は、停車候補地点の周囲環境情報を取得すると、地図データベース120に基づき、停車候補地点の位置情報と、当該停車候補地点の周囲環境情報を対応付けて記録する。また、車両が降車まで走行している間に、当該降車に車両が停車できない可能性があると判定された場合には、その時点で他の停車候補地点の周囲環境情報を取得する。なお、降車地情報取得部112は、一定の周期で周囲環境情報を取得することとしてもよいし、例えば、停車候補候補地点を通過する車両から周囲環境情報が送信されると、その都度、周囲環境情報を取得し、記録することとしてもよい。
【0025】
停車可能性判定部113は、降車地情報取得部112で取得された停車候補地点の周囲環境情報に基づき、停車候補地点における停車可能性を判定する。本実施形態では、停車可能性は、降車地まで走行している車両201が、車両周囲環境検出装置203によって降車地である停車候補地点の周囲環境情報を検出できる距離まで近づく前に、走行中のある時点において降車地情報取得部112が取得した降車地の周囲環境情報に基づいて行われる。したがって、停車可能性は、実際に車両周囲環境検出装置203が取得した情報に基づいて停車できるか否かが判定されるものではなく、車両201が降車地に到着した時点で降車地に停車できる可能性があるか否か(あるいは、停車できない可能性があるか否か)が判定されるものである。なお、降車地情報取得部112は、降車地に設置されたインフラセンサ等との通信により、降車地の周囲環境情報を取得する。例えば、停車候補地点の周囲環境情報に基づき、当該停車候補地点が駐停車車両等の障害物によって占有されている場合には、停車候補地点に車両201が停車できない可能性があると判定し、停車候補地点に停車スペースがある場合には、停車候補地点に車両201が停車できる可能性があると判定する。本実施形態では、停車可能性判定部113は、降車地までの走行経路に沿って車両201が走行している間に、当該降車地に車両201が停車できない可能性があるか否かの判定を行う。また、降車地を変更した後に、変更前の降車地の周囲環境情報に基づき、変更前の降車地に車両201が停車できる可能性がある否かを判定する。これにより、本実施形態に係るシステムは、車両201が降車地の周囲環境情報を直接検出できる距離まで降車地に近づいてから停車できないという判定がされることを回避できる。
【0026】
第2降車地特定部114は、停車候補地点の周囲環境情報や第1降車地の位置情報、ユーザの目的地情報に基づき、停車できる可能性がある停車候補地点を特定する。本実施形態では、停車可能性判定部113が、第1降車地に車両201が停車できない可能性があると判定した場合に、第2降車地特定部114は、車両201が停車できる可能性がある他の停車候補地点を第2降車地として特定する。なお、第1降車地は、本実施形態において、配車計画部111がユーザからの配車依頼を受けて最初に設定する降車地を示すものである。特定する第2降車地の条件をあらかじめ設定することができ、例えば、第1降車地から所定距離の範囲内に位置する停車候補地点を第2降車地点とする。また、ユーザが降車後に向かう目的地から所定距離の範囲内に位置する停車候補地点を第2降車地として特定することとしてもよい。また、各停車候補地点までの走行経路と第1降車地までの走行経路との乖離度を算出し、乖離度が最も小さい走行経路が生成される第1降車地以外の停車候補地点を第2降車地として特定することとしてもよいし、第2降車地をひとつに絞らず、複数の第2降車地を特定することとしてもよい。第2降車地特定部114が第2降車地を特定した後、当該第2降車地に関する情報は、通信部121を介して、車両201又は車両201に乗車しているユーザが利用している携帯端末に送信される。
【0027】
また、第2降車地特定部114は、降車地が変更された後においても、車両201が第2降車地まで走行している間に、第1降車地の周囲環境情報に基づいて、降車地を第1降車地に変更するか否かの選択をする。
【0028】
通信部121は、ネットワークを介して、端末機301の端末通信部304や車両201の車載通信装置202との間で情報の送受信を行う。通信部121は、ユーザが有する携帯電話端末等の端末機301を介してユーザが入力する配車依頼情報(目的地情報やユーザ情報等)を受信し、ユーザの携帯電話端末等の端末機301に、乗車地点に関する情報や配車車両の情報を送信する。また、通信部121は、車両201から、車両情報や現在位置情報を受信し、車両201に、乗車地点に関する情報や、走行経路の情報、ユーザ情報を送信する。さらに、通信部121は、停車候補地点に設置されているインフラセンサや停車候補地点付近を走行する車両と通信し、当該インフラセンサや車両から送信される停車候補地点における周囲環境情報を受信する。
【0029】
地図データベース120は、道路情報を含む地図情報であって、例えば、交差点や分岐点がノードとして、ノードとノードの間の道路区間がリンクとして道路情報を保存している。本実施形態では、地図情報は、配車計画部111が走行経路を生成する際に使用され、降車地情報取得部112が停車候補地点の周囲環境情報を記録する際に使用される。
【0030】
次に、車両201について説明する。車両201は、車載通信装置202、車両周囲環境検出装置203、自車位置検出装置204、車載地図データベース205、駆動装置206、コントローラ210を備える。本実施形態では、車両201は、自律走行が可能な車両を前提としているが、これに限らず、人間の運転者が操縦する車両であってもよい。
【0031】
車載通信装置202は、ネットワークを介して、車両走行管理装置101の通信部121との間で情報の送受信を行う。車載通信装置202は、通信部121から、乗車地点に関する情報、乗降地までの走行経路、ユーザ情報等を受信し、通信部121に、車両201の現在位置情報や車両情報を送信する。
【0032】
車両周囲環境検出装置203は、車両の周囲環境情報を取得するものであり、各種センサによって構成されている。例えばCCDカメラ、CMOSカメラまたはHDカメラであり、車両201の前方及び周囲の物体を撮像して、画像データとして出力する。また、車両201の前方及び周囲に存在する物体までの距離を計測するセンサとして、例えば、レーザレンジファインダ、超音波センサを用いることができ、移動体や障害物の検出を行うためのセンサとして、光センサや赤外線センサを用いることができる。検出対象としては、例えば、歩行者、自転車、バイク、自動車、路上障害物(中央分離帯、交通信号機、商業施設、住宅施設、草木等)などが挙げられる。検出対象の状態は特に限定されず、移動している場合も固定されている場合も検出することができる。車両201は、車両周囲環境検出装置203が取得する周囲環境情報に基づき、定められた走行経路を走行する。
【0033】
自車位置検出装置204は、車両201の現在位置を検出するものであり、例えばGPS機器を用いることができる。本実施形態では、車両201が走行経路に沿って走行する際に現在位置情報が用いられる。また、例えば、ユーザからの配車依頼を受けた車両走行管理装置101が当該ユーザに配車する車両を選択する際に、通信部121を介して、車両201の位置情報を取得し、ユーザに配車する車両201を決定する。
【0034】
車載地図データベース205は、道路情報を含む地図情報であって、例えば、交差点や分岐点がノードとして、ノードとノードの間の道路区間がリンクとして道路情報を保存している。本実施形態では、走行計画決定部211が走行経路に沿って車両の走行を制御するための走行軌跡や走行車速を生成する際に使用される。
【0035】
駆動装置206は、制御指令値算出部212から出力された目標制御量に従って、車両201の加減速や操舵を含む走行制御を実行するものである。駆動装置206は、例えば、走行駆動源である電動モータおよび/または内燃機関、これら走行駆動源からの出力を駆動輪に伝達するドライブシャフトや自動変速機を含む動力伝達装置、および車輪を制動する制動装置などの駆動機構を備える。また、駆動装置206には、ヘッドライト、方向指示器、ハザードランプ、ワイパー等、車両201の走行に必要なその他の機器が含まれていてもよい。
【0036】
コントローラ210は、少なくとも走行計画決定部211と制御指令値算出部212を備える。コントローラ210は、車両201の各部を制御するものであり、プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成されるコンピュータである。コントローラ210は、例えば、車載通信装置202、車両周囲環境検出装置203及び自車位置検出装置204から入力された各種信号や車載地図データベース205の地図情報に基づいて、格納されている制御プログラムを実行し、駆動装置206に走行を制御するための目標制御量の信号を出力する。
【0037】
走行計画決定部211は、自車位置検出装置204が検出した自車両の位置に関する情報、車両周囲環境検出装置203が取得した周囲環境情報及び車載地図データベース205の地図情報を用いて、交通法規に従いながら、周囲の状況に合わせて、設定された走行経路を走行するための走行軌跡や走行車速に関する走行計画を決定する。
【0038】
制御指令値算出部212は、走行計画決定部211で決定された走行計画に基づき、車両201を制御するための各目標制御量をそれぞれ算出する。制御指令値算出部212は、目標制御量を算出した後、目標制御量を駆動装置206に出力する。
【0039】
次に、端末機301の構成について説明する。端末機301は、少なくとも操作入力部302、出力部303、端末通信部304を備える。端末機301は、ユーザが車両走行管理装置101との間の情報のやりとりの入出力を行うための装置であって、例えば、スマートフォン、携帯電話端末や可搬のコンピュータ、あるいは、ユーザが乗車中であれば、車両201に備えられている車両端末が挙げられる。ユーザが配車依頼をする際には、ユーザが有する携帯電話等の端末機301を介して、依頼情報を入力することになる。
【0040】
操作入力部302は、ユーザの操作や入力を受け付けて、ユーザの操作内容や入力内容の情報を端末通信部304に出力する。
【0041】
出力部303は、ユーザの配車依頼時に端末通信部304が受信した、乗車地点情報や配車車両情報を表示し、降車地変更を選択する時に端末通信部304が受信した、第2降車地情報や降車地に関する選択情報を表示する。
【0042】
端末通信部304は、車両走行管理装置101の通信部121との間で情報の送受信を行う。端末通信部304は、通信部121から、車両情報や第1降車地情報、第2降車地情報を受信し、通信部121に、配車依頼情報や降車地変更の選択情報を送信する。
【0043】
続いて、
図3を用いて、上記構成による車両走行管理システムにより、車両201が降車地に向けて走行を開始してから他の停車候補地点に降車地を更新するまでのフローチャートの一例を説明する。なお、
図3のフローチャートは、車両走行管理装置101が、ユーザが入力した依頼情報に基づいて降車地を設定し、当該降車地までの走行経路の設定を完了し、車両201が走行を開始した後のフローを示したものであり、当該降車地を第1降車地、当該降車地までの走行経路を第1走行経路とする。なお、本実施形態においては、例えば、ユーザが操作する携帯電話端末等の端末機301の操作入力部302に依頼情報(ユーザ情報、目的地情報、位置情報)の入力があると、車両計画部110は、ユーザの位置情報と車両の位置情報から、ユーザに配車する車両を決定し、ユーザが車両に乗車する乗車地点を設定する。例えば、配車する車両は、ユーザの現在位置に近い車両を設定し、乗車地点もユーザの現在地に近い地点を特定する。そして、ユーザが設定する目的地から、ユーザが車両から降車する降車地点を特定し、当該降車地点を第1降車地として設定し、降車地までの走行経路を生成する。目的地は、ユーザが車両から降車した後に向かう場所であり、降車地点は、目的地に近い場所、例えば、目的地から所定距離の範囲内に位置する場所が特定される。また、第1走行経路は、例えば、乗車地点と第1降車地を結ぶ最短の経路として生成される。
【0044】
ステップS201では、車両201が第1降車地に向けて走行している間に、降車地情報取得部112は、第1降車地の周囲環境情報を取得する。第1降車地の周囲環境情報は、例えば、第1降車地に設置されているインフラセンサよって検出された情報であり、一定の周期で通信部121に送信され、降車地情報取得部112に記録されている。また、第1降車地付近を走行する他車両のセンサによって検出された情報や、第1降車地で停車あるいは発車する車両の履歴情報を用いることとしてもよい。降車地情報取得部112は、車両201が第1降車地まで走行している間に、一定の周期で、第1降車地の周囲環境情報の取得を行う。
【0045】
ステップS202では、停車可能性判定部113は、ステップS201で取得された第1降車地の周囲環境情報に基づいて、第1降車地に車両201が停車できない可能性があるか否かを判定する。第1降車地に車両201が停車できない可能性としては、例えば、第1降車地を駐停車車両等の障害物が占有している場合や、第1降車地周辺が工事等により停車不可となっている場合が挙げられる。本実施形態では、第1降車地の周囲環境情報に基づいて、停車可能性判定部113が、第1降車地に車両201が停車できない可能性の判定を一定の周期で行い、停車できない可能性があると判定される場合には、ステップS205に進む。停車できない可能性があると判定されない場合には、ステップS203に進む。
【0046】
ステップS203では、コントローラ210は、自車位置検出装置204が取得する車両の位置情報と車載地図データベース205の地図情報に基づき、車両201が第1降車地に到着したか否かを判定する。本実施形態では、車両201が、車両周囲環境検出装置203によって降車地の周囲環境情報を取得できる範囲内に入った時点で、降車地に到着したと判定がされる。第1降車地に到着したと判定される場合には、ステップS204に進み、到着したと判定判定がされない場合には、ステップS201に戻り、以下、フローを繰り返す。
【0047】
ステップS204では、コントローラ210は、車両201が第1降車地または第2降車地に到着すると、第1降車地または第2降車地において停車判定及び制御を実行する。具体的には、コントローラ210は、車両周囲環境検出装置203が取得した周囲環境情報から、車両201が第1降車地または第2降車地に停車できるかどうかを判定し、停車ができると判定される場合には、走行計画決定部211に、停車に向けた走行軌跡や走行車速に関する走行計画を決定させる。例えば、車両周囲環境検出装置203が取得した、車両の周囲の状況が撮像された画像データから、第1降車地または第2降車地に停車スペースがあることを認識すると、車両201が第1降車地または第2降車地に停車できると判定される。走行計画決定部211が走行計画を決定した後は、制御指令値算出部212は、走行計画決定部211で決定された走行計画に基づき、車両を制御するための各種の目標制御量を算出し、駆動装置206に出力する。駆動装置206は、入力された各種の目標制御量に基づき、車両201の走行を制御し、停車スペースに車両201を停車させる。車両201の停車が完了すると、フローが終了する。
【0048】
ステップS205では、降車地情報取得部112は、第1降車地以外の停車候補地点の周囲環境情報を取得する。第1降車地の周囲環境情報の取得と同様に、第1降車地以外の停車候補地点の周囲環境情報は、第1降車地以外の停車候補地点それぞれに設置されているインフラセンサによって検出された情報であり、一定の周期で通信部121に送信され、降車地情報取得部112に記録されている。また、停車候補地点付近を走行する他車両のセンサによって検出した情報を取得することとしてもよいし、停車候補地点に停車・発車した車両の履歴情報を用いることとしてもよい。降車地情報取得部112は、例えば、第1降車地から所定距離の範囲を設定し、当該範囲内に位置する停車候補地点を選択し、その時点における当該停車候補地点の周囲環境情報を取得する。ステップS205で周囲環境情報を取得される停車候補地点の探索については、あらかじめ探索条件を設定することができ、ユーザが設定する目的地から所定距離の範囲内の停車候補地点を探索することとしてもよい。目的地から所定距離の範囲は、第1降車地から目的地までの徒歩時間を推定して、当該徒歩時間と同程度の徒歩時間となるような範囲として設定されてもよい。また、第1降車地から所定距離の範囲内に、停車できる可能性がある停車候補地点がなければ、探索の条件設定を変更し、例えば、探索する距離の範囲をさらに広げて、停車候補地点の周囲環境情報を取得する。
【0049】
ステップS206では、停車可能性判定部113は、ステップS205で取得した停車候補地点の周囲環境情報や走行経路に基づいて、当該停車候補地点に車両201が停車できる可能性があるか否か判定する。停車候補地点に車両201が停車できる可能性がある場合としては、例えば、停車候補地点に駐停車車両等の障害物が少なく、停車スペースが空いている場合が挙げられる。
【0050】
ステップS207では、第2降車地特定部114は、ステップS206における停車可能性判定部113の判定結果を踏まえて、第1降車地の代替となる降車地の候補を第2降車地として特定する。例えば、第2降車地特定部114は、第1降車地から所定の距離の範囲内に位置する停車候補地点を、第2降車地として特定する。また、例えば、
図4で示されるように、ユーザが設定した目的地から所定距離の範囲内に、車両201が停車できる可能性があると判定された停車候補地点があれば、当該停車候補地点を第2降車地として特定することとしてもよい。
図4では、車両201が停車できる可能性がある停車候補地点を、それぞれPe1、Pe2、Pe3として表記している。第2降車地は必ずしもひとつに絞る必要はなく、複数の停車候補地点を第2降車地として特定してもよい。例えば、第2降車地特定部114は、
図4で示されるPe1、Pe2、Pe3を第2降車地として特定する。
【0051】
また、上記に限らず、第2降車地特定部114は、複数の停車できる可能性がある停車候補地点の中から、あらかじめ定められた条件によって第2降車地の特定を行うこととしてもよい。例えば、複数の停車候補地点の中でも、第1降車地に最も近い停車候補地点を第2降車地として特定することとしてもよいし、第1降車地から所定距離の範囲内に位置する停車候補地点を全て第2降車地として特定することとしてもよい。その場合には、第2降車地特定部114は、地図データベース120の地図情報から、第1降車地の位置を取得し、第1降車地の位置情報とその他の停車候補地点の位置情報に基づき、第1降車地から所定距離以内に位置する停車候補地点を特定する。また、例えば、ユーザが設定した目的地に最も近い停車候補地点や目的地から所定距離の範囲内に位置する停車候補地点を第2降車地としてもよい。
図4では、Pe2が目的地Pfに最も近い停車候補地点であるため、Pe2が第2降車地として特定される。
【0052】
また、第2降車地の特定の方法としては、配車計画部111が、複数の停車候補地点に対して、車両201の位置から当該停車候補地点までの走行経路をそれぞれ生成し、第2降車地特定部114が、それぞれ生成された走行経路を比較することによって第2降車地を特定することとしてもよい。例えば、生成されたそれぞれの走行経路と第1走行経路との乖離度をそれぞれ算出し、乖離度が最も小さい走行経路を生成できる第1降車地以外の停車候補地点を第2降車地として特定する。
図5は、Pe1、Pe2、Pe3までの走行経路を表示したものであり、第2降車地特定部114は、これらの走行経路と第1走行経路との乖離度を比較する。乖離度の算出方法としては、例えば、ひとつの走行経路のうち、第1走行経路と同じ走行経路を通る区間の距離を算出し、走行経路全体の距離に対する、当該区間の距離の割合を算出する。そして、当該割合が最も大きい走行経路を、乖離度が最も低い走行経路として、当該走行経路が生成される停車候補地点を第2降車地として特定する。
図5では、乖離度が最も小さいPe2が第2降車地として特定される。これにより、Pe3のように距離的には第1降車地に近い停車候補地点であっても、走行経路としては迂回が必要で、結果的に走行時間が長くなるような停車候補地点を特定してしまうことを防ぐことができる。また、第2降車地特定部114は、乖離度が同程度の走行経路が複数ある場合には、それらの走行経路が生成される停車候補地点をそれぞれ第2降車地として特定することとしてもよい。
【0053】
ステップS208では、通信部121は、ステップS207で特定された第2降車地に関する情報をユーザに通知する。通知の方法は、例えば、通信部121から、ユーザが乗車している車両201の車両端末やユーザが利用する携帯電話等の端末機301の端末通信部304に当該情報を送信し、当該情報を出力部303に備えられている表示画面に表示させる。また、通信部121は、第2降車地に関する情報を送信するとともに、第1降車地から第2降車地に目的地を変更するかどうかの選択情報を送信する。
【0054】
ステップS209では、第2降車地特定部114は、第1降車地から第2降車地に降車地を変更するか否かの選択を行う。例えば、ユーザの選択により、端末機301の操作入力部302を介して、降車地を第1降車地から第2降車地に変更する選択の入力があれば、第2降車地特定部114は、当該入力情報を通信部121を介して取得し、降車地変更の選択を行う。また、第2降車地特定部114が、自動で降車地を第2降車地に変更する選択を行うこととしてもよい。その場合には、例えば、第2降車地特定部114は、停車候補地点の位置情報に基づき、第1降車地に最も近い停車候補地点を第2降車地として特定して変更する。ユーザが選択を行う場合には、例えば、出力部303の表示画面がタッチパネルであれば、表示画面上に変更するか否かのボタンを表示し、ユーザが変更するボタンをタッチすると、降車地変更の情報が入力される。降車地を変更するボタンをタッチした場合には、ステップS210に進む。降車地を変更しないボタンがタッチされた場合には、ステップS211に進む。また、ユーザに降車地変更の選択画面を表示してから所定の時間以内にユーザの入力が検出できない場合には、降車地変更が選択されなかったと判定することとしてもよい。また、第2降車地を複数提示している場合には、ユーザにどの第2降車地に変更するかを選択させることとしてもよい。
【0055】
ステップS210では、配車計画部111は、ステップS209における降車地変更という選択の結果に応じて、降車地を第1降車地から第2降車地に変更し、第2降車地までの走行経路を生成して走行経路を変更する。配車計画部111が降車地更新後の第2降車地までの走行経路を生成すると、第2降車地までの走行経路に関する情報が、通信部121を介して、車載通信装置202に送信される。車載通信装置202で受信された当該情報は、コントローラ210に入力される。そして、コントローラ210は、第2降車地までの走行経路にしたがって、車両周囲環境情報に基づき、車両201の走行軌跡や走行車速に関する走行計画を決定し、駆動装置206は、当該走行計画に基づいて、走行を制御する。車両201が第2降車地に向けて走行を開始すると、ステップS700に進む。
【0056】
ステップS211では、ステップS209で第2降車地への降車地変更の選択がされず、車両201は第1降車地まで走行を継続する。車両201が、車両周囲環境検出装置203によって第1降車地の周囲環境情報を検出できる範囲内に入ると、第1降車地に到着したと判定がされ、ステップS204に進む。
【0057】
以上のように、本実施形態に係る車両走行管理システム100は、停車候補地点の周囲環境情報を取得し、停車候補地点から第1降車地を設定し、車両が第1降車地に到着する前に、第1降車地の周囲環境情報に基づき、車両が第1降車地に到着した際第1降車地に停車できない可能性があるか否かを判定し、第1降車地に停車できない可能性があると判定される場合には、前記第1降車地から所定の距離の範囲内に位置する停車候補地点を第2降車地として特定し、第2降車地の情報を、車両走行管理装置と通信可能で、ユーザが情報を入力する端末機に送信する。これにより、車両が降車地に到着するまでの間に、降車地に車両が停車できなくなった場合に、効率的に他の降車地を探すことができる。
【0058】
また、本実施形態では、ユーザが設定する目的地から所定の距離の範囲内に位置する停車候補地点を第2降車地として特定する。これにより、ユーザの降車地点から目的地までの移動の利便性を維持しつつ、第2降車地を特定することができる。
【0059】
さらに、本実施形態では、停車候補地点までの走行経路を生成し、第1降車地までの走行経路と停車候補地点までの走行経路との乖離度を求め、乖離後が最も小さい走行経路が生成される第1降車地以外の停車候補地点を第2降車地として特定する。これにより、第2降車地まで走行している間に第1降車地に停車できるようになった場合にも、容易に第1降車地に走行経路を変更することができる。
【0060】
次に、第1降車地から第2降車地に降車地を変更した後の、降車地変更の再選択を行うフローについて説明する。第2降車地に降車地を変更した後のフローでは、主に、次のふたつの場合を想定している。ひとつめは、第2降車地までの走行経路内に第1降車地を含む場合である。つまり、この場合には、第2降車地まで走行している間に、車両201は第1降車地を通過することになる。車両201が第2降車地まで走行している間に第1降車地を通過する場合には、車両の車両周囲環境検出装置203によって第1降車地の状況を検出して、コントローラ210は、実際に第1降車地に車両201が停車できるか否かを判定する。ステップS202で判定した、第1降車地に車両201が停車できない可能性は、あくまでも、車両201が走行している間に、その時点における第1降車地の状況から判定されたものである。したがって、実際に、車両201が第1降車地に到着した時点で、第1降車地を占有していた他車両がすでに発車していて、停車スペースが空いているということもありうる。その場合には、降車地を第2降車地から第1降車地に戻すことで、第2降車地に向かうよりも確実に車両201を停車させることができる。第2降車地も、あくまでも車両201が走行している間に、その時点における第2降車地の状況から判定した可能性に過ぎず、実際に停車できるか否かは第2降車地に到着しなければ分からないからである。
【0061】
次に、ふたつめの場合は、第1走行経路内に第2降車地を含む場合である。この場合には、降車地情報取得部112が、車両201が第2降車地まで走行している間に、一定の周期で第1降車地の周囲環境情報を取得し、停車可能性判定部113は、第1降車地に車両201が停車できる可能性があるか否かを判定する。例えば、
図6の一例は、第2降車地Pe’までの走行経路Rmを車両Vmが走行している(つまり、車両Vmはまだ第2降車地に到着していない)間に、第1降車地Peに停車していた車両Vo1が発車して、第1降車地に停車スペースが空いた場面である。このような場面では、
図6で示されるように、第1降車地Peに設置されているインフラセンサIxが、第1降車地に停車スペースが空いている状況を検出し、当該状況に関する情報を車両走行管理装置101(
図6の車両走行管理装置C)の通信部121に送信する。降車地情報取得部112が、通信部121を介して、当該状況に関する情報を取得し、停車可能性判定部113は当該情報に基づいて第1降車地に車両201が停車できると判定する。これにより、ステップS202で、車両201が第1降車地に停車できないと判定された場合でも、降車地を第2降車地に変更し、第2降車地まで走行している間に、第1降車地を占有していた他車両が発車して停車スペースができれば、第1降車地に降車地を変更するかどうかの判断を行うことができる。例えば、第2降車地よりも第1降車地のほうが目的地に近い等、第1降車地がユーザにとってより良い条件の停車候補地点であれば、ユーザは第1降車地に降車地を変更することで利便性を高めることができる。
【0062】
また、第1走行経路内に第2降車地までの走行経路を含む場合を一例として挙げているが、これに限らず、第2降車地までの走行経路が、途中まで第1走行経路と同じ走行経路を通るが、途中で分岐するような場合に適用することとしてもよい。その場合には、分岐地点の手前で、第1降車地に停車できる可能性があると判定されれば、そのまま分岐地点で第1走行経路に走行経路を変更することとしてもよいし、分岐点を過ぎて第2降車地までの走行経路上を走行中であっても、第1降車地に停車できると判定された時点における車両201の位置が第2降車地より第1降車地に近いような場合には、降車地を第1降車地に変更することとしてもよい。
【0063】
以下、本実施形態におけるステップS700以降のフローチャートを
図7を用いて、第1降車地と第2降車地に関する降車地変更について説明する。
【0064】
ステップS701では、コントローラ210は、車両201が第2降車地まで走行している間に、走行経路の途中で、第1降車地に接近しているかどうかを判定する。第2降車地までの走行経路内に、第1降車地が含まれる場合には、第2降車地に到着する前に、第1降車地を通過することになる。コントローラ210は、自車位置検出装置204が取得する車両201の位置情報と車載地図データベース205の地図情報に基づき、第1降車地に接近しているか否かを判定する。あるいは、車両周囲環境検出装置203によって第1降車地の周囲環境情報を取得できる範囲に車両201が位置するか否かで、第1降車地に接近しているか否かを判定することとしてもよい。第1降車地に接近していると判定された場合には、ステップS702に進む。第1降車地に接近していると判定されない場合には、ステップS705に進む。
【0065】
ステップS702では、コントローラ210は、車両201の車両周囲環境検出装置203により検出された周囲環境情報に基づき、実際に第1降車地に車両201が停車できるか否かを判定する。例えば、第1降車地の状況を撮像した画像データから、停車スペースが空いていることが認識できる場合には、第1降車地に車両201が停車できると判定する。第1降車地に車両201が停車できると判定される場合には、ステップS703に進む。第1降車地に車両201が停車できると判定されない場合には、車両201は第1降車地を通過することとなり、フローはステップS704に進む。
【0066】
ステップS703では、コントローラ210は、車両201が第1降車地に停車するための走行制御を実行させる。走行計画決定部211は、車両201の車両周囲環境検出装置203が検出した停車スペースに対して、周囲の障害物に接触しないように停車するための走行軌跡や走行車速に関する走行計画を決定する。そして、当該走行計画に基づき、制御指令値算出部212が各種の目標制御量を算出し、駆動装置206に出力する。駆動装置206は、入力された走行計画に基づき、停車のための走行制御を実行する。停車制御の処理が完了すると、フローが終了する。
【0067】
ステップS704では、車両201は、第1降車地または第2降車地までの走行経路にしたがって走行する。車両201が、車両周囲環境検出装置203によって第1降車地または第2降車地の周囲環境情報を検出できる範囲内に入ると、第1降車地または第2降車地に到着したと判定がされ、ステップS204に進む。
【0068】
ステップS705では、車両201が第2降車地に向けて走行している間に、降車地情報取得部112は、第1降車地の周囲環境情報を取得する。第1降車地の周囲環境情報は、インフラセンサや他車両等から取得する情報を用いる。降車地情報取得部112は、車両201が第2降車地まで走行している間に、一定の周期で、第1降車地の周囲環境情報の取得を行う。
【0069】
ステップS706では、停車可能性判定部113は、ステップS705で取得された第1降車地の周囲環境情報に基づいて、第1降車地に車両201が停車できる可能性があるか否かを判定する。例えば、第1降車地に駐停車していた車両等の障害物が発車して停車スペースが空いたというような場合には、車両201が第1降車地に停車できる可能性があると判定される。停車可能性判定部113は、第1降車地の周囲環境情報に基づいて、第1降車地に車両201が停車できる可能性があるか否かの判定を一定の周期で行う。第2降車地に車両201が停車できる可能性があると判定される場合には、ステップS707に進む。停車できる可能性があると判定されない場合には、ステップS710に進む。
【0070】
なお、ステップS706における第1降車地に車両201が停車できる可能性があるか否かの判定は、ステップS702における第1降車地に停車できるか否かの判定と異なり、第2降車地までの走行経路内に第1降車地を含まない場合(
図6で示される一例)が想定されている。ステップS702の判定では、実際に第1降車地を通過する時に、車両201に備えられている車両周囲環境検出装置203によって、第1降車地の状況を把握して判定を行っているが、第2降車地までの走行経路内に第1降車地を含まない場合には、第2降車地に到着する前に、第1降車地を通過することはないため、車両201の車両周囲環境検出装置203で直接に第1降車地の状況を把握することができない。したがって、ステップS706では、第1降車地に設置されているインフラセンサや第1降車地を通過する他車両のセンサが取得する第1降車地の周囲環境情報を基にして判定が行われる。
【0071】
ステップS707では、通信部121は、車両201が第1降車地に停車できる可能性があるという情報をユーザに通知する。通知の方法は、例えば、通信部121から、ユーザが乗車している車両201の車両端末やユーザが利用する携帯電話等の端末機301の端末通信部304に当該情報を送信し、当該情報を端末機301の出力部303に備えられている表示画面に表示させる。また、通信部121は、第1降車地に関する情報を送信するとともに、第2降車地から第1降車地に降車地を変更するかどうかの選択情報を送信する。
【0072】
ステップS708では、第2降車地特定部114は、第2降車地から第1降車地に降車地を変更するか否かの選択を行う。例えば、ユーザの選択により、車両201の車両端末やユーザが有する携帯電話等の端末機301の操作入力部302を介して、降車地変更を行う選択の入力があれば、第2降車地特定部114は、降車地変更を選択し、ステップS709に進む。所定の時間内にユーザが降車地変更の入力を行わなかった場合や降車地を変更しない選択の入力があった場合には、第2降車地特定部114は、降車地変更を選択せず、予定通り、車両201は第2降車地まで走行することとなり、フローはステップS704に進む。例えば、表示画面がタッチパネルであれば、表示画面上に変更するか否かのボタンを表示し、変更するボタンがタッチされると、降車地変更の入力がされる。
【0073】
ステップS709では、配車計画部111は、ステップS708における第2降車地特定部114の降車地変更の選択に応じて、第2降車地から第1降車地に降車地を変更し、第1降車地までの走行経路を生成する。配車計画部111が第1降車地までの走行経路を生成すると、第1降車地までの走行経路に関する情報が、通信部121を介して、車載通信装置202に送信される。車載通信装置202で受信された当該情報は、走行計画決定部211に入力される。そして、走行計画決定部211は、第1降車地までの走行経路にしたがって、車両201の車両周囲環境検出装置203が取得する車両の周囲環境情報に基づき、走行軌跡や走行車速に関する走行計画を決定する。走行計画が決定されると、走行計画に基づき、制御指令値算出部212が目標制御量を算出し、駆動装置206に出力する。当該目標制御量の入力があった駆動装置206は、第1降車地に向けて車両201の走行を制御し、フローはステップS704に進む。
【0074】
ステップS710では、コントローラ210は、車両201が第2降車地に到着したかどうかを判定する。コントローラ210は、自車位置検出装置204が取得した車両201の位置情報と、車載地図データベース205の地図情報に基づき、車両201が第2降車地に到着したかどうかを判定する。あるいは、車両201が、車両周囲環境検出装置203によって第2降車地の周囲環境情報を検出できる範囲内に入ると、第2降車地に到着したと判定することとしてもよい。第2降車地に到着したと判定される場合には、ステップS204に進む。第2降車地に到着したと判定されない場合には、ステップS701に戻り、以下、フローを繰り返す。
【0075】
また、本実施形態では、ステップS702で、第1降車地に停車できると判定されない場合には、車両201は第2降車地まで走行するとしているが、車両201が第2降車地まで走行している間に、降車地情報取得部112が第2降車地の周囲環境情報を取得し、停車可能性判定部113が、第2降車地に車両201が停車できない可能性があるか否かを判定することとしてもよい。その場合には、停車可能性判定部113により、第2降車地に車両201が停車できない可能性があると判定されると、再度、第2降車地特定部114が、代替となる第2降車地を特定し、ステップS207以降のフローが開始される。同様に、走行経路更新後において、車両201が第2降車地あるいは第1降車地に向かって走行している間に、当該第2降車地あるいは第1降車地に停車できない可能性があると判定される時には、その都度、第2降車地特定部114が代替となる第2降車地を特定することとしてもよい。
【0076】
また、第2降車地までの走行経路内に第1降車地を含む場合で、第1降車地に接近する前に、第1降車地に車両201が停車できる可能性があると判定がされる場合がある。その場合には、ステップS708において、降車地を第1降車地に変更しないと、そのまま第2降車地まで走行することとなるが、第1降車地に接近した場合には、ステップS702以降のフローが開始されることとしてもよい。
【0077】
また、ステップS204では、コントローラ210が第1降車地あるいは第2降車地に停車できるか否かの判定を行ったときに、停車できると判定されない場合がある。例えば、車両201が第1降車地あるいは第2降車地に到着した時に、第1降車地あるいは第2降車地を他の駐停車車両等の障害物が占有している場合には、停車できると判定されない。停車できると判定されない場合には、配車計画部111は、目的地周辺の停車候補地点を探索して、車両201が停車できる可能性がある停車候補地点を第1降車地として再設定し、再設定後の第1降車地までの走行経路を生成する。再設定後の第1降車地までの走行経路が生成されると、再設定後の第1降車地の走行経路に関する情報が、通信部121を介して、車載通信装置202に送信される。車載通信装置202で受信された当該情報は、コントローラ210に入力され、コントローラ210は、再設定後の第1降車地までの走行経路に基づき、車両201の走行を開始させる。車両201が走行を開始すると、フローはステップS201に戻る。以下、車両201が降車地に停車できるまで、フローを繰り返す。
【0078】
以上のように、本実施形態では、車両の周囲環境情報である車両周囲環境情報を取得し、降車地を第1降車地から第2降車地に変更するか否かを判定し、降車地を第2降車地に変更した後、車両が第2降車地まで走行している間に第1降車地に接近する場合、車両周囲環境情報に基づき、第1降車地に車両が停車できると判断されると、目的地を第2降車地から第1降車地に更新する。これにより、目的地を第2降車地に変更した後であっても、第1降車地に停車できると判定される場合には、降車地を第1降車地に戻すことにより、第2降車地まで走行する場合よりも確実に車両201を停車させることができる。
【0079】
また、本実施形態では、降車地を第1降車地から第2降車地に変更するか否かを判定し、降車地を第2降車地に変更した後、車両が第2降車地まで走行している間に、第1降車地の周囲環境情報に基づき、第1降車地に停車できる可能性があるか否かを判定し、第1降車地に停車できる可能性があると判定される場合には、降車地を第2降車地から第1降車地に更新する。これにより、降車地を第2降車地に変更した後であっても、第1降車地に停車できる可能性があると判定される場合には、降車地を第1降車地に戻し、当初予定していた降車地に車両201を停車させることができる。
【0080】
また、本実施形態では、降車地を第1降車地から第2降車地に変更するか否かを判定し、降車地を第2降車地に変更した後、車両が第2降車地まで走行している間に、第1降車地の周囲環境情報に基づき、第1降車地に停車できる可能性があるか否かを判定し、第1降車地に停車できる可能性があると判定される場合には、降車地を第2降車地から第1降車地に更新するか否かの選択情報を、車両を利用するユーザが操作する端末機に送信する。これにより、降車地を第2降車地に更新した後であっても、第1降車地に停車できる可能性があると判定される場合には、第2降車地と第1降車地のうち、ユーザの希望に合う降車地を選択することができる。
【0081】
また、本実施形態では、停車候補地点に設置され、当該停車候補地点の周囲環境情報を検出する検出装置から、周囲環境情報を取得する。これにより、停車候補地点の状況が変わると、停車候補地点の状況変化に即して、効率的に停車候補地点の状況を把握することができる。
【0082】
また、本実施形態では、停車候補地点における車両の停車及び発進に関する履歴情報を取得する。これにより、停車候補地点の状況が変わると、停車候補地点の状況変化に即して、効率的に停車候補地点に停車スペースがあるか否かを把握することができる。
【0083】
さらに、本実施形態では、停車候補地点付近を走行する時に停車候補地点の周囲環境情報を取得する車両から、周囲環境情報を取得する。これにより、インフラセンサでは取得できない死角部分の情報も含めて停車候補地点の周囲環境情報を取得でき、停車候補地点の状況が変わると、停車候補地点の状況変化に即して、効率的に停車候補地点の状況を把握することができる。
【0084】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0085】
101…車両走行管理装置
110…車両計画部
111…配車計画部
112…降車地情報取得部
113…停車可能性判定部
114…第2降車地特定部
120…地図データベース
121…通信部
201…車両
202…車載通信装置
203…車両周囲環境検出装置
204…自車位置検出装置
205…車載地図データベース
206…駆動装置
210…コントローラ
211…走行計画決定部
212…制御指令値算出部
301…端末機
302…操作入力部
303…出力部
304…端末通信部
100…車両走行管理システム