(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】音響駆動センサユニットを使用して航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G08C 19/00 20060101AFI20240508BHJP
B64D 47/00 20060101ALI20240508BHJP
G01L 13/00 20060101ALI20240508BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20240508BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20240508BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G08C19/00 G
B64D47/00
G01L13/00 Z
G08C17/00 A
H04R1/02 107
H04R3/00 320
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019212979
(22)【出願日】2019-11-26
【審査請求日】2022-10-31
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ビー.ターナー
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エス.フォス
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/216119(WO,A1)
【文献】Farid Ullah KHAN et al.,Electromagnetic-based acoustic energy harvester,INMIC,IEEE,2013年12月,p125-130
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
G01L 7/00-23/32,27/00-27/02
B64D 47/00
H04R 1/00-3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するための音響駆動センサユニットであって、
前記航空機のエンジンから音響エネルギーを受け取るように構成されたダイヤフラムを有する第1部分、及び、航空機の外側に接続される第2部分を含むハウジングと、
前記ハウジング内に設けられるとともに前記ダイヤフラムに接続されており、前記ダイヤフラムの振動により運動エネルギーを受け取り、これに応答して電力信号を生成するように構成されたボイスコイルアクチュエータと、
前記ハウジング内に設けられるとともに前記電力信号からのエネルギーを用いて電力供給される1つ以上のセンサと、を含み、前記1つ以上のセンサは、前記航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するように構成されて
おり、
前記1つ以上のセンサは、前記ハウジング内に設けられた複数の圧力トランスデューサを含み、前記ハウジングの第1部分は、前記複数の圧力トランスデューサに対応する複数の圧力差ダイヤフラムをさらに含み、前記センサデータは、対応する圧力差ダイヤフラムの振動に基づいて前記複数の圧力トランスデューサにより特定された圧力データを含む、音響駆動センサユニット。
【請求項2】
前記ボイスコイルアクチュエータは、前記センサユニットの中央部に設けられており、前記1つ以上のセンサは、前記ハウジング内に設けられた集積回路の一部であり、前記集積回路は、前記センサユニットの外縁部において前記ボイスコイルアクチュエータを囲んでいる、請求項1に記載の音響駆動センサユニット。
【請求項3】
前記ハウジングの第1部分は、前記ハウジングにおける複数の異なる位置において圧力差を生成するように湾曲しており、前記圧力データは、前記圧力差を示す、請求項
1又は2に記載の音響駆動センサユニット。
【請求項4】
制御回路と、前記ボイスコイルアクチュエータ及び前記1つ以上のセンサに電気接続されて、前記電力信号からエネルギーを受け取るように構成されたバッテリと、をさらに含み、前記制御回路は、
前記ボイスコイルアクチュエータのパワー出力を特定し、
前記パワー出力に基づいて、(i)前記電力信号を用いて前記バッテリを充電するか、或いは(ii)前記1つ以上のセンサに電力を供給するために前記バッテリを放電させるように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の音響駆動センサユニット。
【請求項5】
前記制御回路に電気接続されるとともに、前記航空機から制御信号を受け取るように構成されたアンテナをさらに含み、前記制御回路は、さらに、前記制御信号に基づいて、前記1つ以上のセンサのうちから前記電力信号によるエネルギーを受け取る特定のセンサを選択するように構成されている、請求項4に記載の音響駆動センサユニット。
【請求項6】
航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するための音響駆動センサユニットであって、
前記航空機のエンジンから音響エネルギーを受け取るように構成されたダイヤフラムを有する第1部分、及び、航空機の外側に接続される第2部分を含むハウジングと、
前記ハウジング内に設けられるとともに前記ダイヤフラムに接続されており、前記ダイヤフラムの振動により運動エネルギーを受け取り、これに応答して電力信号を生成するように構成されたボイスコイルアクチュエータと、
前記ハウジング内に設けられるとともに前記電力信号からのエネルギーを用いて電力供給される1つ以上のセンサと、を含み、前記1つ以上のセンサは、前記航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するように構成されており、
前記ボイスコイルアクチュエータは、前記センサユニットの中央部に設けられており、前記1つ以上のセンサは、前記ハウジング内に設けられた集積回路の一部であり、前記集積回路は、前記センサユニットの外縁部において前記ボイスコイルアクチュエータを囲んでいる
、音響駆動センサユニット。
【請求項7】
前記ダイヤフラムは、前記エンジンの音響パワー出力に関連する周波数の範囲内の音響エネルギーを受け取るように構成されている、請求項1~6のいずれかに記載の音響駆動センサユニット。
【請求項8】
前記ダイヤフラムの直径は、30ミリメートル(mm)以上40ミリメートル以下である、請求項7に記載の音響駆動センサユニット。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記ダイヤフラムが前記エンジンに向かって配置されるように前記航空機の外側に接続される、請求項1~8のいずれかに記載の音響駆動センサユニット。
【請求項10】
航空機に接続された音響駆動センサユニットを用いてセンサデータを取得するための方法であって、
航空機のエンジンから、前記センサユニットのダイヤフラムを介して、音響エネルギーを受け取ることと、
前記ダイヤフラムで受け取った前記音響エネルギーを、前記センサユニットのボイスコイルアクチュエータに伝達することと、
前記ボイスコイルアクチュエータによって電力信号を生成することと、
前記電力信号からのエネルギーを用いて、前記センサユニットにおける1つ以上のセンサに電力を供給することと、
前記1つ以上のセンサによって、前記航空機の1つ以上の飛行特性を示すセンサデータを特定することと、を含
み、
前記1つ以上のセンサは、前記センサユニットにおける複数の異なる位置において圧力データを取得するように構成された複数の圧力トランスデューサを含み、前記センサデータは、前記圧力データを含み、前記方法は、
前記圧力データに基づいて、前記複数の圧力トランスデューサのうちの第1圧力トランスデューサと第2圧力トランスデューサとの間の圧力差を特定することと、
前記圧力差と、前記航空機エンジンに関連する予測圧力差とを比較することと、
前記圧力差と前記予測圧力差との比較に基づいて、前記航空機エンジンの性能レベルを評価することと、をさらに含む、方法。
【請求項11】
前記センサユニットのアンテナを用いて、前記航空機に対して前記センサデータを送信することと、
前記センサユニットから受信した前記センサデータに基づいて、前記航空機を制御することと、をさらに含む、請求項10に記載のセンサデータを取得するための方法。
【請求項12】
前記センサユニットと前記航空機の複数の異なる位置に接続された1つ以上の追加のセンサユニットとの間で、通信信号を送受信することと、
送受信された前記通信信号に基づいて、前記センサユニットと前記追加のセンサユニットとの相対位置を特定することと、
前記センサユニット及び前記追加のセンサユニットについての前記相対位置と、前記センサユニット及び前記追加のセンサユニットについての予測相対位置とを比較することと、
前記相対位置と前記予測相対位置との比較に基づいて、前記航空機が、所定の組み立て命令に従って組み立てられているか否かを判断することと、をさらに含む、請求項10
又は11に記載のセンサデータを取得するための方法。
【請求項13】
前記センサデータから、前記航空機の飛行特性を特定することと、
前記航空機についての前記飛行特性と、予測飛行特性とを比較することと、
前記飛行特性と前記予測飛行特性との比較に基づいて、航空機の飛行性能を評価することと、をさらに含む、請求項10~
12のいずれかに記載のセンサデータを取得するための方法。
【請求項14】
前記センサユニットにより取得された前記センサデータは、前記航空機に組み込まれた1つ以上の統合センサにより取得されたセンサデータと重複取得されるものであり、前記方法は、
前記センサユニットにより取得された前記センサデータと、前記統合センサにより取得された前記センサデータとを比較することと、
前記センサユニットにより取得された前記センサデータと、前記統合センサにより取得された前記センサデータとの比較に基づいて、前記統合センサの正確性について評価することと、をさらに含む、請求項10~
13のいずれかに記載のセンサデータを取得するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、航空機の動作に関し、特に、音響駆動センサユニットを使用して航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機や飛行機は、一貫したメンテナンスが必要であり、定期的な検査を受ける。航空機に関連する飛行特性を判断するには、一般にセンサが使用される。センサは、飛行中の航空機の性能、及び/又は、航空機のエンジンを評価するために、飛行中の温度、加速度、圧力、及び、他の特性を判断する。
【0003】
飛行特性を判断するために使用される既存のセンサは、航空機の胴体からのバッテリや電力線の使用を必要とする。このようなセンサにバッテリを使用して電力を供給する場合、定期的にバッテリを交換しなければ、飛行中に電力が失われる可能性がある。また、センサに電力線を使用して電力を供給する場合、これらのセンサの設置や取り外し、或いは再使用が困難になりうる。これらの問題は、航空機の性能を判断するための既存の方法の複雑性、コスト、及び、信頼性に影響を与える。
【0004】
したがって、バッテリに依存せずに確実且つ持続的に駆動することが可能であって、且つ、設置及び使用が容易なセンサユニットが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
一例においては、航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するための音響駆動センサユニットが開示される。前記音響駆動センサユニットは、ハウジングを含み、当該ハウジングは、前記航空機のエンジンから音響エネルギーを受け取るように構成されたダイヤフラムを有する第1部分、及び、航空機の外側に接続される第2部分を含む。前記音響駆動センサユニットは、前記ハウジング内に設けられるとともに前記ダイヤフラムに接続されたボイスコイルアクチュエータをさらに含み、前記ボイスコイルアクチュエータは、前記ダイヤフラムの振動により運動エネルギーを受け取り、これに応答して電力信号を生成するように構成されている。前記音響駆動センサユニットは、前記ハウジング内に設けられるとともに前記電力信号からのエネルギーを用いて電力供給される1つ以上のセンサをさらに含み、前記1つ以上のセンサは、前記航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するように構成されている。
【0006】
他の例においては、航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するためのシステムが開示される。前記システムは、前記航空機のエンジンを含む。前記システムは、前記エンジンに関連するナセルをさらに含む。前記システムは、音響駆動センサユニットをさらに含む。前記音響駆動センサユニットは、ハウジングを含み、当該ハウジングは、前記エンジンから音響エネルギーを受け取るように構成されたダイヤフラムを有する第1部分、及び、前記ナセルに接続される第2部分を含む。前記音響駆動センサユニットは、前記ハウジング内に設けられるとともに前記ダイヤフラムに接続されたボイスコイルアクチュエータをさらに含み、前記ボイスコイルアクチュエータは、前記ダイヤフラムの振動により運動エネルギーを受け取り、これに応答して電力信号を生成するように構成されている。前記音響駆動センサユニットは、前記ハウジング内に設けられるとともに前記電力信号からのエネルギーを用いて電力供給される1つ以上のセンサをさらに含み、前記1つ以上のセンサは、前記航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するように構成されている。
【0007】
他の例においては、航空機に接続された音響駆動センサユニットを用いてセンサデータを取得するための方法が開示される。前記方法は、航空機のエンジンから、前記センサユニットのダイヤフラムを介して、音響エネルギーを受け取ることを含む。前記方法は、前記ダイヤフラムで受け取った前記音響エネルギーを、前記センサユニットのボイスコイルアクチュエータに伝達することをさらに含む。前記方法は、前記ボイスコイルアクチュエータによって電力信号を生成することをさらに含む。前記方法は、前記電力信号からのエネルギーを用いて、前記センサユニットにおける1つ以上のセンサに電力を供給することをさらに含む。前記方法は、前記1つ以上のセンサによって、前記航空機の1つ以上の飛行特性を示すセンサデータを特定することをさらに含む。
【0008】
上述した特徴、機能、及び、利点は、様々な実施形態において個々に実現可能であり、また、他の実施形態においては互いに組み合わせることも可能である。これらの実施形態の詳細については、以下の説明と図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
例示的な実施形態に特有のものと考えられる新規な特徴は、添付する請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、並びに、好ましい使用形態、さらにその目的及び内容は、添付の図面と共に本開示の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明を参照することにより最もよく理解されるであろう。
【0010】
【
図1】例示的な実施形態による、例示的な音響駆動センサユニットを示すブロック図である。
【
図2A】例示的な実施形態による、音響駆動センサユニットの例を示す図である。
【
図2B】例示的な実施形態による、音響駆動センサユニットの他の例を示す図である。
【
図2C】例示的な実施形態による、音響駆動センサユニットの他の例を示す図である。
【
図3】航空機と、当該航空機に接続された複数の音響駆動センサユニットとを含むシステムの例を示す図である。
【
図4】例示的な実施形態による、航空機に接続された音響駆動センサユニットを使用してセンサデータを取得する例を示すフロー図である。
【
図5】例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。
【
図6】例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。
【
図7】例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。
【
図8】例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。
【
図9】例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。
【
図10】例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付図面を参照して本開示の実施形態をより詳細に説明する。図面は、本開示の実施形態のいくつかを示しているが、全てを示してはいない。実際、いくつかの異なる実施形態を提示しているものの、本開示に記載した実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分且つ完全なものとなるように、そして、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために提示するものである。
【0012】
いくつかの実施例においては、航空機に接続された音響駆動センサユニットを使用してセンサデータを取得するためのシステム及び方法が説明されている。具体的には、航空機からの音響エネルギーを用いてセンサユニットのセンサに電力を供給するためのシステム及び方法が説明されている。より具体的には、センサユニットのダイヤフラムを用いて音響エネルギーを受け取り、当該ダイヤフラムの振動から運動エネルギーを受け取り、これに応答して、センサに電力を供給するための電力信号を生成するためのシステム及び方法が説明されている。センサは、航空機の飛行特性を示すセンサデータを取得するように構成されている。
【0013】
例示的なシステム及び方法は、航空機から最大量の音響エネルギーを受け取ることを含む。一例においては、センサユニットは、航空機のナセルに接続され、及び/又は、当該ナセルに向かって配置されており、これによって、当該ナセルに関連する航空機のエンジンから最大限の音響エネルギーを受け取ることができる。一例においては、ダイヤフラムは、エンジンからの比較的高いパワー出力に関連する周波数に従って振動するように構成されている。例えば、エンジンから最大限の音響エネルギーを受け取るために、ダイヤフラムの直径は、30ミリメートル(mm)と40mmとの間であってもよい。
【0014】
例示的なシステム及び方法は、センサユニット及び/又は複数のセンサユニットを使用して、航空機のいくつかの性能特性を評価することを含む。一例においては、センサユニットのハウジングは、1つ以上の差圧ダイヤフラムと、対応する圧力トランスデューサとを含み、圧力トランスデューサは、当該圧力トランスデューサの圧力データに基づいて圧力差を特定するように構成されている。この例においては、特定された圧力差と予測圧力差とを比較することにより、エンジン性能を特定することができる。他の例においては、統合センサによって取得されたセンサデータと、センサユニットから取得されたセンサデータとを比較することにより、航空機の統合センサを評価することができる。他の例においては、センサユニットからのセンサデータと、1つ以上の追加のセンサユニットからのセンサデータとを比較することにより、センサユニットを評価することができる。センサユニットを使用して航空機の性能特性を評価するさらに他の例について説明を行う。
【0015】
次に図面を参照すると、
図1は、例示的な実施形態による、センサユニット100の例を示すブロック図である。いくつかの例においては、センサユニット100は、音響駆動センサユニットである。センサユニット100は、回路基板102を含む。回路基板102は、制御回路104を含み、当該制御回路は、電力変換モジュール106と、1つ以上のプロセッサ108と、メモリ110と、を含む。
【0016】
メモリ110は、1つ以上のプロセッサ108により読み込み又はアクセスされる1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含むか、或いはその形態をとりうる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、全体的或いは部分的にプロセッサ108に組み込まれる光学、磁気、有機、又は他のメモリやディスクストレージ等の、揮発性及び/又は不揮発性のストレージコンポーネントを含みうる。メモリ110は、非一時的なコンピュータ可読媒体と見做すことができる。いくつかの例においては、メモリ110は、単一の物理デバイス(例えば、単一の光学、磁気、有機、又は他のメモリやディスクストレージユニット)で実現することができ、他の例においては、メモリ110は、2つ以上の物理デバイスで実現することができる。したがって、メモリ110は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、当該媒体には、実行可能な命令が保存されている。これらの命令は、コンピュータが実行可能なコードを含む。メモリ110及び制御回路104は、センサからのセンサデータを保存及び使用する。
【0017】
1つ以上のプロセッサ108は、汎用プロセッサ又は専用プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路等)であってもよい。プロセッサ108は、センサユニット100のセンサからの入力を受信及び処理して、メモリ110に保存されるセンサデータを生成する。いくつかの例においては、1つ以上のプロセッサ108によるセンサからの入力の処理は、各センサから生データを受信して当該データに対応値を割り当てること、受信したデータに対してタイプスタンプを割り当てること、及び/又は、メモリ110の特定部分に受信した生データを送信すること、を含みうる。1つ以上のプロセッサ108は、メモリ110のデータストレージに保存された実行可能な命令(例えば、コンピュータ可読プログラム命令)を実行するように構成することができ、これらの命令を実行することにより、本書に記載のセンサユニット100の機能、並びに、関連するシステム及び方法を実現することができる。
【0018】
センサユニット100は、航空機のエンジンから音響エネルギーを受け取るように構成された主ダイヤフラム112をさらに含む。主ダイヤフラム112は、例えば、センサユニット100のハウジングの頂面に設けられている。例えば、以下に詳述するように、センサユニット100のハウジングは、主ダイヤフラム112を含む第1部分と、航空機に取り付けられる第2部分とを含む。したがって、上記頂面は、ハウジングの第2部分が取り付けられた航空機の部分とは反対側を向く、ハウジングの外面部分であってもよい。
【0019】
センサユニット100は、ボイスコイルアクチュエータ114をさらに含み、当該アクチュエータは、主ダイヤフラム112の振動から運動エネルギーを受け取り、これに応答して電力信号を生成するように構成されている。電力変換モジュール106は、ボイスコイルアクチュエータ114から電力信号を受信して、1つ以上のプロセッサ108を介して(i)バッテリ116の充電、及び、(ii)センサユニット100におけるセンサの駆動のうちの一方又は両方を実行するように構成されている。例えば、電力変換モジュール106は、ボイスコイルアクチュエータ用ドライバとして機能し、ボイスコイルアクチュエータから受信した電力信号に関連する電力レベルを特定し、バッテリ116の充電レベルを特定する、多機能集積回路であってもよい。電力変換モジュール106は、ボイスコイルアクチュエータ114から受信した電力信号を用いてバッテリ116を充電するか、或いはセンサに電力を直接供給するかを決定するために、1つ以上のプロセッサ108と通信することができる。
【0020】
したがって、一例においては、制御回路104及びバッテリ116は、ボイスコイルアクチュエータ114に電気結合している。例えば、制御回路104は、ボイスコイルアクチュエータ114から受け取った電流を特定することによって当該ボイスコイルアクチュエータ114のパワー出力を特定し、特定された電流、及び、センサユニット100の既知の抵抗を用いて、パワー出力を計算してもよい。パワー出力の特定は、電力変換モジュール106、1つ以上のプロセッサ108、又は、これらの組合せによって実行されてもよく、その場合、電力変換モジュール106が、受信した電力信号の電圧値又は電流値を示すデータを送信し、1つ以上のプロセッサ108がパワー出力を特定してもよい。さらに、特定されたパワー出力に基づいて、制御回路104は、(i)電力信号を用いて1つ又は複数のバッテリ116を充電するか、或いは(ii)1つ以上のセンサに電力を供給するために1つ以上のバッテリ116を放電させてもよい。例えば、ボイスコイルアクチュエータ114のパワー出力が第1閾値よりも小さい場合、センサは、機能を実行するために、バッテリ116からの電力を必要としうる。また、ボイスコイルアクチュエータ114のパワー出力が第2閾値(例えばバッテリ116の最大パワー出力等)よりも大きい場合、電力信号は、バッテリ116を充電してセンサに電力を供給するのに十分なものでありうる。パワー出力が、第1閾値と第2閾値との間にある場合、電力信号は、センサに電力を供給するのに十分であるが、バッテリ116を充電するには十分でない可能性がある。このように、飛行中、センサユニット100は、確実に動作して、バッテリ116を完全に充電した状態、又は、ほぼ完全に充電した状態に保つことができる。
【0021】
図1にはボイスコイルアクチュエータ114が示されているが、使用する運動-電気エネルギー変換器の種類はいかなるものであってもよい。さらに、いくつかの例においては、電力変換モジュール106は、プロセッサ108から受信した制御信号に基づいて、1つ以上のバッテリ116を再充電するか否かを判断してもよい。他の例においては、電力変換モジュール106は、プロセッサ108からの入力なしに電力変換を制御する論理コンポーネントを含みうる。
【0022】
センサユニット100は、圧力差ダイヤフラム118をさらに含みうる。以下で詳述するように、圧力差ダイヤフラム118は、複数の位置間の圧力差を特定するために、センサユニット100の複数の異なる部位に配置される。圧力トランスデューサ120は、圧力差ダイヤフラム118に対応しており、圧力差ダイヤフラム118の振動及び/又は変形に基づいて圧力データを特定するために、プロセッサ108に入力を供給することができる。以下で詳述するように、圧力データから特定された圧力差は、エンジンの性能を評価するのに用いることができる。例えば、予測される飛行中の圧力差は、過去の飛行データ又はシミュレーションデータに基づいて特定される。特定された圧力データと予測圧力データとを比較して、特定された圧力データが予測圧力データにどの程度似ているかに基づいて、エンジン性能を判定することができる。
【0023】
センサユニット100における他のセンサは、熱電対122と、加速度計124と、温度センサ126とを含みうる。また、他のセンサも考えられる。圧力トランスデューサ120、熱電対122、加速度計124、温度センサ126、又は、センサユニット100における他のセンサによって特定されるデータは、センサデータと呼ばれる場合もある。
【0024】
センサユニット100は、赤外線(IR)透過口128と、アンテナ130とをさらに含み、センサユニット100は、当該アンテナにより、他のセンサユニットや航空機と通信することができる。アンテナ130がハウジング内に設けられている例においては、アンテナ130により送受信される信号の減衰を、IR透過口128によって抑制することができる。
【0025】
一例においては、以下で詳述するように、センサユニット100は、制御回路104に接続されたアンテナ130を使用して他の同様のセンサユニットと通信し、これらのセンサユニットからのセンサデータとの比較を行い、比較したセンサデータに基づいて、センサユニット100の性能を評価することができる。このような例においては、センサユニット100のセンサデータが他のセンサユニットのセンサデータと似ている場合、当該センサユニット100が正常動作していることを示しており、センサユニット100のセンサデータが他のセンサユニットのセンサデータと整合しない場合、当該センサユニット100が正常動作していないことを示している。
【0026】
他の例においては、アンテナ130は、航空機から制御信号を受信する。制御回路104は、受信した制御信号に基づいて、複数のセンサのうちから、例えば熱電対122等の特定のセンサを選択して、ボイスコイルアクチュエータ114により生成された電力信号からのエネルギーを受け取るように構成される。いくつかの例においては、制御回路104は、自発的にこの決定を実行することができる。いくつかの例においては、電力信号からのエネルギーの受け取りは、ボイスコイルアクチュエータ114から電気エネルギーを直接受け取ることを含みうる。また、電力信号からのエネルギーの受け取りは、ボイスコイルアクチュエータ114から得られるエネルギーをバッテリ116に蓄積し、そこからエネルギーを受け取ることも含む。
【0027】
図2Aは、例示的な実施形態による、センサユニット100の例を示す図である。具体的には、
図2Aは、センサユニット100の分解図である。
図2Aに示すように、センサユニット100は、
図1に示すものと同一又は同様のコンポーネントを含む。センサユニット100は、
図2Aに示すように、制御回路104と、主ダイヤフラム112と、ボイスコイルアクチュエータ114と、圧力差ダイヤフラム118と、圧力トランスデューサ120と、IR透過口128と、アンテナ130と、を含む。
図1に示す他の要素は、簡易化のために図示を省略する。
【0028】
図2Aは、ハウジングの第1部分200aと、ハウジングの第2部分200bとをさらに示しており、これらの部分が合わさって、その内部に、センサユニット100の他のコンポーネントが収容及び/又は内蔵されている。ハウジングの第1部分200aは、主ダイヤフラム112と圧力差ダイヤフラム118とを含む上面である。一例においては、ハウジングの第1部分200aは、上面に亘って圧力差が生成されるように湾曲している。これにより、圧力差ダイヤフラム118は、小さい空間における顕著な圧力差を特定することができる。
【0029】
ハウジングの第2部分200bは、ハウジングの第1部分200aに接続するとともに、航空機にセンサユニット100を取り付けるように機能するベースプレートであってもよい。例えば、接着剤により、航空機に対してハウジングの第2部分200bを接続することができる。IR透過口128は、ハウジングの第2部分200bの一部として描かれている。しかしながら、IR透過口128は、センサユニット100の他の位置に設けることもできる。
【0030】
図2Bは、例示的な実施形態による、センサユニット100の他の例を示す図である。具体的には、
図2Bは、センサユニット100の側面図である。
図2Bには、ハウジングの第1部分200a、圧力差ダイヤフラム118、及び、主ダイヤフラム112が示されている。さらに、
図2Bには、幅「W」及び高さ「h」を有するセンサユニット100が示されている。上述したように、いくつかの例においては、センサユニットの寸法及び輪郭を縮小することにより、抗力(drag)を低減することができる。例えば、一例においては、センサユニット100の幅は、3インチ未満であり、高さは1インチ未満であり、且つ、重量は、4オンス未満である。
【0031】
図2Cは、例示的な実施形態による、センサユニット100の他の例示的な図が示されている。具体的には、
図2Cは、センサユニット100の上面図である。
図2Cには、ハウジングの第1部分200a、圧力差ダイヤフラム118、及び、主ダイヤフラム112が示されている。さらに、
図2Cには、主ダイヤフラム112の直径「d」が示されている。いくつかの例においては、センサユニット100は、航空機のエンジンから最大限の音響パワーを受け取るように構成されている。したがって、一例においては、主ダイヤフラム112の直径は、30ミリメートル(mm)以上40mm以下である。これにより、ダイヤフラムは、航空機のエンジンに関連する周波数から最大限の音響エネルギーを受け取ることができる。例えば、航空機のエンジンは、80Hzから90Hzの周波数範囲で比較的高い音響パワーを出力する。したがって、主ダイヤフラム112について30mmから40mmの範囲を採用することにより、センサユニット100は、約80~90Hzの範囲の周波数から最大量のエネルギーを受け取ることができる。所望の音響エネルギー源に応じて、異なる直径を採用する場合もある。
【0032】
図2Cもまた、主ダイヤフラム112及び圧力差ダイヤフラム118が、ハウジングの第1部分112aにどのように配置されるかを示している。主ダイヤフラム112は、センサユニット100の頂部中央に設けられている。この領域は、センサユニット100の中央部と呼ばれうる。圧力差ダイヤフラム118は、主ダイヤフラム112に占有されている中央部の外側に設けられている。したがって、これらは、センサユニット100の外縁部に設けられているという場合もある。図示のように、圧力差ダイヤフラム118は、センサユニット100の中心点から径方向に離れて設けられている。図示例においては、3つの圧力差ダイヤフラム118が描かれており、これらは互いに等距離にあるが、他の構成も可能である。例えば、いくつかの例においては、センサユニット100の外側部分において、2つの圧力トランスデューサ120を互いに反対側となるように配置してもよい。
【0033】
また、最大限の音響エネルギーを受け取るために、主ダイヤフラム112がエンジンに向かって配置されるように、航空機の外面にハウジングを接続してもよい。例えば、ハウジングの第2部分200bは、航空機において、エンジンに対向する胴体の一部に接続してもよい。これにより、ハウジングの第1部分200aもまた、エンジンに対向することができる。エンジンから最大限の音響エネルギーを受け取るために、ハウジングをナセルに直接接続してもよい。
【0034】
図3には、航空機302と、当該航空機に接続された複数のセンサユニット100とを含むシステム300の例が示されている。各センサユニット100は、所与のエンジンに関連付けられたナセル304に接続されている。
図3においては、航空機302は、4つのエンジンを有することが示されているが、当該航空機のエンジンはこれよりも多くても少なくてもよい。さらに、各センサユニットがナセル304に接続されていることが示されているが、当該センサユニットは、航空機302における他の領域に配置することができる。
【0035】
上述したように、航空機302に対して充電式センサユニットを接続することにより、いくつかの目的を果たすことができる。例えば、航空機302は、航空機用コントローラを含みうる。航空機用コントローラは、センサユニット100からセンサデータを受信して、受信したセンサデータに基づいて航空機302を制御することができる。例えば、航空機用コントローラは、センサユニット100から受信した温度データ、加速度データ、圧力データ等に基づいて、飛行中の挙動を変更してもよい。また、他の例として、航空機用コントローラは、エンジン性能を考慮に入れてもよい。第1エンジンに対応する第1センサユニットからの圧力データ、及び、第2エンジンに対応する第2センサユニットからの第2圧力データは、一方のエンジンの性能が他方のエンジンの性能よりも悪いことを示す。これは、例えば、第1エンジン及び第2エンジンのそれぞれの圧力データ間の差、並びに、予測圧力差に基づいて、決定することができる。航空機用コントローラは、この決定を受けて、飛行中、動作性能の高い方のエンジンにより依存してもよい。航空機用コントローラは、他のセンサデータにも基づいて航空機302を制御してもよい。
【0036】
センサユニット100の動作は、航空機302の動作にも依存しうる。例えば、センサユニット100は、ボイスコイルアクチュエータ114のパワー出力や、圧力差ダイヤフラム118で特定された圧力差に基づいて、航空機302のエンジンが動作していることを判定することができる。センサユニット100は、エンジンが動作していると判定すると、これを受けて、1つ以上のバッテリ116を充電する。同様に、センサユニット100は、エンジンが動作していないことを判定し、これを受けて、エンジンが動作していないときにバッテリを放電して、1つ以上のセンサに電力を供給する。
【0037】
図4は、例示的な実施形態による、航空機に接続された音響駆動センサユニットを使用してセンサデータを取得する例を示すフロー図である。
図4に示す方法400は、
図1、2A、2B、2C、又は
図3に示すセンサユニット100や、当該センサユニット100のコンポーネントと共に用いたり、
図3に示す航空機302等の航空機に関連させて用いたりすることが可能な方法の例を示している。さらに、
図4に示す論理機能を実行するために、装置又はシステムを使用又は構成することができる。場合によっては、装置及び/又はシステムのコンポーネントは、上記機能を実行するように構成してもよく、その際、これらのコンポーネントは、(ハードウェア及び/又はソフトウェアを使用して)上記機能を実現可能に実際に構成及び構造化してもよい。他の例においては、装置及び/又はシステムのコンポーネントは、例えば、特定の態様で操作される場合等に機能を実行するのに適合するように構成される。方法400は、ブロック402~410のうちの1つ又は複数に示されるように、1つ以上の工程、機能、又は、動作を含みうる。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックは、並行して実行すること、及び/又は、本明細書で説明する順序とは異なる順序で実行することが可能である。また、様々なブロックは、所望の実施形態に基づいて、ブロック数を少なくするために組み合わせたり、追加のブロックに分割したり、削除したりすることができる。
【0038】
なお、この処理、及び、本明細書に開示する他の処理及び方法に関して、フロー図は、本実施例において考えられる1つの態様の機能及び動作を示している。これに関して、各ブロック、又は、各ブロックの一部は、モジュール、セグメント、又は、プログラムコードの一部を表している場合がある。このようなモジュール、セグメント、又は、プログラムコードは、この処理における特定の論理機能やステップを実行するためにプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含む。プログラムコードは、例えば、ディスクやハードドライブを含む記憶装置等の、任意のタイプのコンピュータ可読媒体又はデータ記憶装置に保存することができる。さらに、プログラムコードは、機械可読形式のコンピュータ可読記憶媒体、又は、他の非一時的な媒体若しくは製造品にエンコードすることができる。コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体又はメモリを含みうる。このような媒体の例としては、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、及び、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の、短時間データを保存するためのコンピュータ可読媒体が挙げられる。コンピュータ可読媒体はまた、二次的又は永続的な長期記憶装置等の非一時的媒体を含みうる。このような媒体の例としては、読取専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)等が挙げられる。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性又は不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、有形のコンピュータ可読記憶媒体と見做される場合がある。
【0039】
さらに、
図4に示す各ブロック、又は、各ブロックの一部、並びに、本開示の他の処理及び方法における各ブロック、又は、各ブロックの一部は、処理における特定の論理機能を実行するように配線された回路を表す場合がある。当業者であれば分かるように、図示又は説明した順序とは異なる順序、例えば、関連する機能に応じて実質的に同時に、或いは、逆の順序で機能を実行する代替の実施形態も、本開示の実施形態の範囲に含まれる。
【0040】
ブロック402において、方法400は、航空機のエンジンから、センサユニット100のダイヤフラム112を介して、音響エネルギーを受け取ることを含む。センサユニット100は、例えば航空機302などの航空機に接続されるとともに、方法400においてより詳細に説明するように、航空機のエンジンからの音響エネルギーを用いて音響的に電力供給される。ダイヤフラム112は、センサユニット100の主ダイヤフラムであってもよい。さらに、ダイヤフラム112は、航空機のエンジンから音響エネルギーを受け取ると、振動するように構成されてもよい。
【0041】
ブロック404において、方法400は、ダイヤフラム112で受け取った音響エネルギーを、センサユニット100のボイスコイルアクチュエータ114に伝達することを含む。ボイスコイルアクチュエータ114は、振動するダイヤフラム112の動作を介して運動エネルギーを受け取ることができる。
【0042】
ブロック406において、方法400は、ボイスコイルアクチュエータ114によって電力信号を生成することを含む。ボイスコイルアクチュエータ114は、運動エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成されてもよい。したがって、生成された電力信号は、ボイスコイルアクチュエータが、振動するダイヤフラムから運動エネルギーを受け取った結果として生成された信号であってもよい。
【0043】
ブロック408において、方法400は、電力信号からのエネルギーを用いて、センサユニット100における1つ以上のセンサに電力を供給することを含む。1つ以上のセンサは、圧力トランスデューサ120、熱電対122、加速度計124、温度センサ126、又は、他のセンサを含みうる。1つ以上のセンサは、電力変換モジュール106を介して電力信号によって直接電力を供給されてもよいし、電力信号からのエネルギーで充電されたバッテリ116によって電力を供給されてもよい。
【0044】
ブロック410において、方法400は、1つ以上のセンサによって、航空機の1つ以上の飛行特性を示すセンサデータを特定することを含む。センサデータは、圧力トランスデューサ120からの圧力データ、熱電対122からの温度データ、加速度計124からの加速度データ、又は、他のセンサからの他のデータを含みうる。
【0045】
図5は、例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。ブロック412において、機能は、センサユニット100のアンテナ130を用いて、航空機302に対してセンサデータを送信することを含む。ブロック414において、機能は、センサユニットから受信したセンサデータに基づいて、航空機302を制御することを含む。例えば、航空機用コントローラは、飛行中に判定を行う際、センサデータを考慮にいれることができる。例えば、センサユニット100の圧力トランスデューサ120で特定された圧力差が、閾値圧力差よりも低い場合、航空機用コントローラは、エンジンが故障していると判断して、航空機300の他のエンジンの推力出力を上げることができる。
【0046】
図6は、例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。具体的には、
図6は、センサユニット100における1つ以上のセンサが、センサユニット100における複数の異なる位置において圧力データを取得するように構成された複数の圧力トランスデューサ120を含み、且つ、特定されたセンサデータが圧力データを含む実施形態に対応している。ブロック416において、機能は、圧力データに基づいて、複数の圧力トランスデューサのうちの第1圧力トランスデューサと第2圧力トランスデューサとの間の圧力差を特定することを含む。ブロック418で、機能は、上記圧力差と、航空機エンジンに関連する予測圧力差とを比較することを含む。ブロック420において、機能は、特定された圧力差と予測圧力差との比較に基づいて、航空機エンジンの性能レベルを評価することを含む。例えば、予測圧力差は、過去の飛行における圧力差データ又はシミュレーションデータに基づいて特定される。他の例においては、予測圧力差は、所望のエンジン推力出力に対応しうる。圧力差が、予測圧力差と近似する閾値レベルを有する(例えば、互いの10%の範囲内)と判断する場合、エンジンが正常に動作していることを示すものとしてもよい。これに対し、圧力差が、近似する閾値レベルの範囲から外れている場合、エンジンの性能が悪いことを示すものとしてもよい。したがって、
図6により、エンジンの飛行中の特性を評価することができる。
【0047】
図7は、例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。ブロック422において、センサユニット100と航空機302の複数の異なる位置に接続された1つ以上の追加のセンサユニットとの間で、通信信号を送受信する機能が含まれる。ブロック424において、送受信された通信信号に基づいて、センサユニット100と追加のセンサユニットとの相対位置を特定する機能が含まれる。ブロック426において、センサユニット100及び追加のセンサユニットについての特定された相対位置と、センサユニット及び追加のセンサユニットについての予測相対位置とを比較する機能が含まれる。例えば、予測相対位置は、航空機302の設計及び/又はレンダリングなどの、所定の組立仕様に対応している。ブロック428において、機能は、特定された相対位置と予測相対位置との比較に基づいて、航空機が、所定の航空機組立仕様に従って組み立てられているか否かを判断することを含む。例えば、各相対位置が、対応する予測相対位置の閾値距離内(例えば、対応する予測相対位置の5センチメートル以内の範囲)であれば、航空機302は、所定の仕様に従って組み立てられていると判断することができる。これに対し、何れかの相対位置が閾値距離の範囲から外れている場合、航空機302は、仕様に従って組み立てられていないと判断することができる。したがって、本明細書で説明するセンサユニットを使用することにより、航空機の構築及び組み立てを容易にすることができる。
【0048】
図8は、例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。ブロック430において、センサデータから、航空機302の飛行特性を特定する機能が含まれる。ブロック432において航空機302についての特定された飛行特性と、予測飛行特性とを比較する機能が含まれる。例えば、予測飛行特性は、以前の飛行からのシミュレーションデータ又は平均データに基づいていてもよい。さらに、予測飛行特性は、飛行中の所望のエンジン推力出力、離着陸中の所望の加速度、飛行中の所望のピッチ及びロール、及び/又は、他の飛行特性に対応する圧力差に対応しうる。ブロック434において、特定された飛行特性と予測飛行特性との比較に基づいて、航空機302の飛行性能を評価する機能が含まれる。例えば、閾値飛行時間(例えば、飛行時間の25%)よりも長い間、特定された飛行特性が予測飛行特性と異なる場合、航空機302は、性能が悪いと判断される。これに対して、閾値飛行時間よりも短い間、特定された飛行特性が予測飛行特性と異なる場合、航空機302は、正常に動作していると判断される。
【0049】
図9は、例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。具体的には、
図9は、センサユニット100により取得されたセンサデータが、航空機302に組み込まれた1つ以上の統合センサにより取得されたセンサデータと重複取得されるものである実施形態に対応している。例えば、重複センサデータは、センサユニット100によって特定可能な温度、圧力差、加速度、又は、他の飛行特性に関連する。統合センサは、航空機302に設置される飛行センサを含みうる。ブロック436において、センサユニット100によって取得されたセンサデータと、統合センサによって取得されたセンサデータとを比較する機能が含まれる。ブロック438において、センサユニット100によって取得されたセンサデータと、統合センサによって取得されたセンサデータとの比較に基づいて、統合センサの正確性について評価することを含む。例えば、センサユニットは、精度評価(accuracy rating)に対応しうる。センサユニット100によって取得されたセンサデータ、及び、統合センサによって取得されたセンサデータが閾値レベルの近似性を有する(例えば、互いの10%の範囲内)場合、統合センサの正確性は、センサユニット100の精度評価に基づいて高評価となる。同様に、センサユニット100によって取得されたセンサデータ、及び、統合センサによって取得されたセンサデータが閾値レベルの近似性を有していない場合、統合センサの正確性は、センサユニット100の精度評価に基づいて低評価となる。したがって、本明細書で説明したセンサユニットは、航空機における統合センサの診断テストを実行することができる。
【0050】
図10は、例示的な実施形態による、
図4に示す方法とともに用いる他の例示的な方法を示すフロー図である。具体的には、
図10は、センサユニット100が、航空機302の外面に接続された複数のセンサユニットのうちの第1センサユニットである実施形態に対応している。ブロック440において、複数のセンサユニットの各々からセンサデータを受信する機能が含まれる。ブロック442において、第1センサユニットからのセンサデータと、複数のセンサユニットのうちの1つ以上の追加のセンサユニットからのセンサデータとを比較する機能が含まれる。ブロック444において、第1センサユニットからのセンサデータと、複数のセンサユニットのうちの1つ以上の追加のセンサユニットからのセンサデータとの比較に基づいて、第1センサユニットから受信したセンサデータの正確性について判定する機能が含まれる。例えば、第1センサユニットからのセンサデータと、1つ以上の追加のセンサユニットからのセンサデータとが閾値レベルの近似性(例えば、互いの10%の範囲内の平均値)を有さない場合、第1センサユニットからのセンサデータの正確性は低いと特定される。これに対して、第1センサユニットからのセンサデータと、1つ以上の追加のセンサユニットからのセンサデータとが閾値レベルの近似性を有する場合、第1センサユニットからのセンサデータの正確性は高いと特定される。したがって、本明細書で説明するセンサユニットは、自己診断を行うために使用することができる。
【0051】
本明細書で説明した実施例において、音響駆動センサユニットは、航空機の飛行中の診断及びメンテナンスに関連する問題に対して、容易に実装可能で多用途な解決法として提供される。センサユニットは、航空機のエンジンからの無駄なエネルギーを利用して様々なセンサに持続可能な電力を供給するとともに、受け取った音響エネルギーの使用を制御して複数の飛行に亘って同じセンサを使用可能にすることができる。さらに、上記センサユニットは、航空機のエンジンから効率的にエネルギーを受け取って保存するように構成されている。また、説明した実施例においては、音響駆動センサユニットにより、例えば、航空機の組み立てにおいて、自己診断及び飛行前の使用を実現することができる。
【0052】
本明細書で使用される「実質的」、「類似」、及び、「約」なる用語は、言及する特性、パラメータ、又は、値を正確に達成する必要がないことを意味し、例えば、公差、測定誤差、測定精度の限界、及び、当業者に知られる他の要因を含む偏差や変動が、特性により達成しようとする効果を妨げない程度に生じうるということを意味する。
【0053】
本開示のシステム、装置、及び、方法の様々な実施例は、様々なコンポーネント、特徴、及び、機能を含む。なお、本開示のシステム、装置、及び方法の様々な実施例は、本開示のシステム、装置、及び方法の他の実施例における任意のコンポーネント、特徴、及び機能を、任意の組合せ又は部分的な組み合わせで含みうるが、このような組み合わせの全ては、本開示の範囲内であることが意図されている。
【0054】
さらに、本開示は、以下の付記による実施形態を含む。
【0055】
付記1.航空機(302)の飛行特性を示すセンサデータを取得するための音響駆動センサユニット(100)であって、
前記航空機(302)のエンジンから音響エネルギーを受け取るように構成されたダイヤフラム(112)を有する第1部分(200a)、及び、航空機(302)の外側に接続される第2部分(200b)を含むハウジングと、
前記ハウジング内に設けられるとともに前記ダイヤフラム(112)に接続されており、前記ダイヤフラム(112)の振動により運動エネルギーを受け取り、これに応答して電力信号を生成するように構成されたボイスコイルアクチュエータ(114)と、
前記ハウジング内に設けられるとともに前記電力信号からのエネルギーを用いて電力供給される1つ以上のセンサと、を含み、前記1つ以上のセンサは、前記航空機(302)の飛行特性を示すセンサデータを取得するように構成されている、音響駆動センサユニット。
【0056】
付記2.前記1つ以上のセンサは、前記ハウジング内に設けられた複数の圧力トランスデューサ(120)を含み、前記ハウジングの第1部分(200a)は、前記複数の圧力トランスデューサ(120)に対応する複数の圧力差ダイヤフラム(118)をさらに含み、前記センサデータは、対応する圧力差ダイヤフラム(118)の振動に基づいて前記複数の圧力トランスデューサ(120)により特定された圧力データを含む、付記1に記載の音響駆動センサユニット(100)。
【0057】
付記3.前記ハウジングの第1部分(200a)は、前記ハウジングにおける複数の異なる位置において圧力差を生成するように湾曲しており、前記圧力データは、前記圧力差を示す、付記2に記載の音響駆動センサユニット(100)。
【0058】
付記4.制御回路(104)と、前記ボイスコイルアクチュエータ(114)及び前記1つ以上のセンサに電気接続されて、前記電力信号からエネルギーを受け取るように構成されたバッテリ(116)と、をさらに含み、前記制御回路(104)は、
前記ボイスコイルアクチュエータ(114)のパワー出力を特定し、
前記パワー出力に基づいて、(i)前記電力信号を用いて前記バッテリ(116)を充電するか、或いは(ii)前記1つ以上のセンサに電力を供給するために前記バッテリ(116)を放電させるように構成されている、付記1に記載の音響駆動センサユニット(100)。
【0059】
付記5.前記制御回路(104)に電気接続されるとともに、前記航空機(302)から制御信号を受け取るように構成されたアンテナをさらに含み、前記制御回路(104)は、さらに、前記制御信号に基づいて、前記1つ以上のセンサのうちから前記電力信号によるエネルギーを受け取る特定のセンサを選択するように構成されている、付記4に記載の音響駆動センサユニット(100)。
【0060】
付記6.前記ボイスコイルアクチュエータ(114)は、前記センサユニット(100)の中央部に設けられており、前記1つ以上のセンサは、前記ハウジング内に設けられた集積回路の一部であり、前記集積回路は、前記センサユニット(100)の外縁部において前記ボイスコイルアクチュエータ(114)を囲んでいる、付記1に記載の音響駆動センサユニット(100)。
【0061】
付記7.前記ダイヤフラム(112)は、前記エンジンの音響パワー出力に関連する周波数の範囲内の音響エネルギーを受け取るように構成されている、付記1に記載の音響駆動センサユニット(100)。
【0062】
付記8.前記ダイヤフラム(112)の直径は、30ミリメートル(mm)以上40ミリメートル以下である、付記7に記載の音響駆動センサユニット(100)。
【0063】
付記9.前記ハウジングは、前記ダイヤフラム(112)が前記エンジンに向かって配置されるように前記航空機(302)の外側に接続される、付記1に記載の音響駆動センサユニット(100)。
【0064】
付記10.航空機(302)の飛行特性を示すセンサデータを取得するためのシステム(300)であって、
前記航空機(302)のエンジンと、
前記エンジンに関連するナセル(304)と、
音響駆動センサユニット(100)と、を含み、前記センサユニット(100)は、
前記エンジンから音響エネルギーを受け取るように構成されたダイヤフラム(112)を有する第1部分(200a)、及び、前記ナセル(304)に接続される第2部分(200b)を含むハウジングと、
前記ハウジング内に設けられるとともに前記ダイヤフラム(112)に接続されており、前記ダイヤフラム(112)の振動により運動エネルギーを受け取り、これに応答して電力信号を生成するように構成されたボイスコイルアクチュエータ(114)と、
前記ハウジング内に設けられるとともに前記電力信号からのエネルギーを用いて電力供給される1つ以上のセンサと、を含み、前記1つ以上のセンサは、前記航空機(302)の飛行特性を示すセンサデータを取得するように構成されている、システム。
【0065】
付記11.航空機(302)用コントローラをさらに含み、前記航空機(302)用コントローラは、
前記センサユニット(100)から前記センサデータを受信し、
前記センサデータに基づいて前記航空機(302)を制御するように構成されている、付記10に記載のシステム(300)。
【0066】
付記12.前記センサユニット(100)はバッテリ(116)をさらに含み、前記センサユニット(100)は、前記エンジンが動作しているときに前記バッテリ(116)を充電するように構成されており、前記センサユニット(100)は、前記エンジンが動作していないときに、前記1つ以上のセンサに電力を供給するために前記バッテリ(116)を放電させる、付記10に記載のシステム(300)。
【0067】
付記13.前記音響駆動センサユニット(100)は、複数の音響駆動センサユニットのうちの第1センサユニットであり、前記エンジンは、第1エンジンであり、前記システムは、第2エンジンと、当該第2エンジンに関連するナセル(304)に接続される第2センサユニットと、をさらに含む、付記10に記載のシステム(300)。
【0068】
付記14.航空機(302)に接続された音響駆動センサユニット(100)を用いてセンサデータを取得するための方法(400)であって、
航空機のエンジンから、前記センサユニット(100)のダイヤフラム(112)を介して、音響エネルギーを受け取ることと(402)、
前記ダイヤフラム(112)で受け取った前記音響エネルギーを、前記センサユニット(100)のボイスコイルアクチュエータ(114)に伝達することと(404)、
前記ボイスコイルアクチュエータ(114)によって電力信号を生成することと(406)、
前記電力信号からのエネルギーを用いて、前記センサユニット(100)における1つ以上のセンサに電力を供給することと(408)、
前記1つ以上のセンサによって、前記航空機(302)の1つ以上の飛行特性を示すセンサデータを特定することと(410)、を含む、方法。
【0069】
付記15.前記センサユニット(100)のアンテナを用いて、前記航空機(302)に対して前記センサデータを送信することと(412)、
前記センサユニット(100)から受信した前記センサデータに基づいて、前記航空機(302)を制御することと(414)、をさらに含む、付記14に記載のセンサデータを取得するための方法(400)。
【0070】
付記16.前記1つ以上のセンサは、前記センサユニット(100)における複数の異なる位置において圧力データを取得するように構成された複数の圧力トランスデューサ(120)を含み、前記センサデータは、前記圧力データを含み、前記方法(400)は、
前記圧力データに基づいて、前記複数の圧力トランスデューサのうちの第1圧力トランスデューサと第2圧力トランスデューサとの間の圧力差を特定することと(416)、
前記圧力差と、前記航空機エンジンに関連する予測圧力差とを比較することと(418)、
前記圧力差と前記予測圧力差との比較に基づいて、前記航空機エンジンの性能レベルを評価することと(420)、をさらに含む、付記14に記載のセンサデータを取得するための方法(400)。
【0071】
付記17.前記センサユニット(100)と前記航空機(302)の複数の異なる位置に接続された1つ以上の追加のセンサユニットとの間で、通信信号を送受信することと(422)、
送受信された前記通信信号に基づいて、前記センサユニット(100)と前記追加のセンサユニットとの相対位置を特定することと(424)、
前記センサユニット(100)及び前記追加のセンサユニットについての前記相対位置と、前記センサユニット(100)及び前記追加のセンサユニットについての予測相対位置とを比較することと(426)、
前記相対位置と前記予測相対位置との比較に基づいて、前記航空機(302)が、所定の組み立て命令に従って組み立てられているか否かを判断することと(428)、をさらに含む、付記14に記載のセンサデータを取得するための方法(400)。
【0072】
付記18.前記センサデータから、前記航空機(302)の飛行特性を特定することと(430)、
前記航空機(302)についての前記飛行特性と、予測飛行特性とを比較することと(432)、
前記飛行特性と前記予測飛行特性との比較に基づいて、航空機(302)の飛行性能を評価することと(434)、をさらに含む、付記14に記載のセンサデータを取得するための方法(400)。
【0073】
付記19.前記センサユニット(100)により取得された前記センサデータは、前記航空機(302)に組み込まれた1つ以上の統合センサにより取得されたセンサデータと重複取得されるものであり、前記方法(400)は、
前記センサユニット(100)により取得された前記センサデータと、前記統合センサにより取得された前記センサデータとを比較することと(436)、
前記センサユニット(100)により取得された前記センサデータと、前記統合センサにより取得された前記センサデータとの比較に基づいて、前記統合センサの正確性について評価することと(438)、をさらに含む、付記14に記載のセンサデータを取得するための方法(400)。
【0074】
付記20.前記センサユニット(100)は、前記航空機(302)の外側に接続された複数のセンサユニットのうちの第1センサユニットであり、前記方法(400)は、
前記複数のセンサユニットの各々からセンサデータを受信することと(440)、
前記第1センサユニットからのセンサデータと、前記複数のセンサユニットのうちの1つ以上の追加センサユニットからのセンサデータとを比較することと(442)、
前記第1センサユニットからの前記センサデータと、前記複数のセンサユニットのうちの前記1つ以上の追加のセンサユニットからの前記センサデータとの比較に基づいて、前記第1センサユニットから受信した前記センサデータの正確性について判定することと(444)、をさらに含む、付記14に記載のセンサデータを取得するための方法(400)。
【0075】
様々な有利な構成の説明は、例示及び説明を目的として提示したものであり、全てを網羅したり、開示した態様の実施例に限定したりすることを意図するものではない。多くの改変又は変形が当業者には明らかであろう。また、異なる有利な実施例においては、他の有利な実施例とは異なる効果が説明されている場合がある。選択された実施例は、実施例の原理及び実際の用途を最も的確に説明するために、且つ、当業者が、想定した特定の用途に適した種々の改変を加えた様々な実施例のための開示を理解できるようにするために、選択且つ記載したものである。